説明

トンネルの施工方法

【課題】未掘削部分をなくし無理な圧入を行うことなく、矩形推進函による門型や箱型の外殻を構築することができるトンネルの施工方法を提供すること。
【解決手段】半円形と矩形を組み合わせた掘削断面が半裁長円をなす多軸推進機2と、該多軸推進機2の半円部21を推進する半円推進函3と、多軸推進機2の矩形部22を推進する矩形推進函4とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から半円部21側に所定ピッチ移行した多軸推進機2と、前工程で埋設した矩形推進函4に隣接する位相で多軸推進機2の後方に配設した矩形推進函4と、多軸推進機2の半円部21の後方に配設した半円推進函3とにより推進を行い、前工程で埋設した半円推進函3を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、この押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの施工方法に関し、特に、2つの断面形状を組み合わせた掘削部を有する多軸推進機により、未掘削部分をなくし無理な圧入を行うことなく、矩形推進函による門型や箱型の外殻を構築することができるトンネルの施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の道路や鉄道が張り巡らされている都市部では、地上の構造物に影響を与えることなく、その地下にトンネルを構築し、新たな道路等を敷設するいわゆる「アンダーパス工事」が行われている。
このようなアンダーパス工事では、地下の比較的浅い個所にトンネルを設けることから、周辺地山の崩落等を防止する目的で門型や箱型の外殻を先に構築し、その後、この外殻内部を掘削してトンネルを形成する外殻先行トンネル工法が採用されている。
【0003】
外殻は、矩形枠状をした構造体であり、従来は、例えば、鋼管からなる多数のルーフパイプを並列して地山に挿入するパイプルーフ工法によって箱型の外殻を構築するようにしている。
【0004】
ところで、従来のパイプルーフ工法では、円運動カッターを備えた円筒形推進機により推進を行うことから、推進機のローリングがある。
また、並列するルーフパイプを接続する並列継手が、未掘削部分の影響による蛇行をしたり、全接触するセクション抵抗による偏芯や、礫噛み込み・押し出しによる並列継手の変形が発生する。
特に、円回転カッターでは隅角の部分に未掘削領域があり、推進精度が悪化し、礫地盤などでは、隣接する先行箱型ルーフとの隙間は詰めることが困難となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来のトンネルの施工方法が有する問題点に鑑み、2つの断面形状を組み合わせた掘削部を有する多軸推進機により、未掘削部分をなくし無理な圧入を行うことなく、矩形推進函による門型や箱型の外殻を構築することができるトンネルの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のトンネルの施工方法は、推進機を推進函で地中に推進するとともに、該推進した推進函により外殻を構築するトンネルの施工方法において、2つの断面形状を組み合わせた掘削部を有する多軸推進機と、該多軸推進機の第1の断面形状部を推進する第1の断面形状の推進函と、多軸推進機の第2の断面形状部を推進する第2の断面形状の推進函とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から第1の断面形状部側に所定ピッチ移行した多軸推進機と、前工程で埋設した第2の断面形状の推進函に隣接する位相で多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函と、多軸推進機の第1の断面形状部の後方に配設した第1の断面形状の推進函とにより推進を行い、前工程で埋設した第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、該押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築することを特徴とする。
【0007】
この場合において、2台の多軸推進機を組み合わせて通常推進工程を行うとともに、各々の多軸推進機にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻を構築し、最後に残る1対の第1の断面形状の推進函を、1又は2台の多軸推進機と、該多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函により推進を行い、前記第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行うことができる。
【0008】
また、前記2つの断面形状のうち、第1の断面形状が半円形、第2の断面形状が矩形からなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のトンネルの施工方法によれば、推進機を推進函で地中に推進するとともに、該推進した推進函により外殻を構築するトンネルの施工方法において、2つの断面形状を組み合わせた掘削部を有する多軸推進機と、該多軸推進機の第1の断面形状部を推進する第1の断面形状の推進函と、多軸推進機の第2の断面形状部を推進する第2の断面形状の推進函とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から第1の断面形状部側に所定ピッチ移行した多軸推進機と、前工程で埋設した第2の断面形状の推進函に隣接する位相で多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函と、多軸推進機の第1の断面形状部の後方に配設した第1の断面形状の推進函とにより推進を行い、前工程で埋設した第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、該押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築することにより、通常推進工程の後に押出推進工程を繰り返すことによって、未掘削部分をなくし無理な圧入を行うことなく、矩形推進函による外殻を構築することができる。
また、第2の断面形状の推進函の並列継手は、押し出す第1の断面形状の推進函内に納めることができるため、未掘削部分に接触することがなく、また、地中に露出しないため変形などのトラブルを防止することができる。
さらに、第1の断面形状の推進函を押し出すことによってガイド効果が働くため、後続エレメントの推進精度を高めることが可能となり、残置される第2の断面形状の推進函の間隔を詰めることができ、また、推進時に発生するエレメント間の寸法誤差は、次のエレメント時にセクション位置をずらして修正することができる。
【0010】
また、2台の多軸推進機を組み合わせて通常推進工程を行うとともに、各々の多軸推進機にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻を構築し、最後に残る1対の第1の断面形状の推進函を、1又は2台の多軸推進機と、該多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函により推進を行い、前記第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行うことにより、特に、最初と最後の第2の断面形状の推進函の推進を容易に行うことができる。
【0011】
また、前記2つの断面形状のうち、第1の断面形状が半円形、第2の断面形状が矩形からなるようにすることにより、推進時のローリングの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のトンネルの施工方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0013】
このトンネルの施工方法は、推進機を推進函で地中に推進するとともに、該推進した推進函により外殻1を構築し、その後、この外殻1の内部を掘削してトンネルを形成するものである。
【0014】
そして、より具体的には、図1〜図3に示すように、2つの断面形状、具体的には、特にこれ限定されるものではないが、第1の断面形状の半円形と、第2の断面形状の矩形とを組み合わせた掘削部を有することにより、掘削断面が半裁長円をなす多軸推進機2と、該多軸推進機2の第1の断面形状部である半円部21を推進する第1の断面形状の半円推進函3と、多軸推進機2の第2の断面形状部である矩形部22を推進する第2の断面形状の矩形推進函4とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から半円部21側に所定ピッチ移行した多軸推進機2と、前工程で埋設した矩形推進函4に隣接する位相で多軸推進機2の後方に配設した矩形推進函4と、多軸推進機2の半円部21の後方に配設した半円推進函3とにより推進を行い、前工程で埋設した半円推進函3を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、この押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築するようにしている。
さらに、本実施例では、図3に示すように、2台の同様の多軸推進機2を長円をなすように組み合わせて通常推進工程を行うとともに、各々の多軸推進機2にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻1を構築し、最後に残る1対の半円推進函3を、1台(必要に応じて、2台)の多軸推進機2と、該多軸推進機2の後方に配設した矩形推進函4により推進を行い、前記半円推進函3を押し出しながら推進を行うようにしている。
【0015】
多軸推進機2は、図4に示すように、複数の回転軸を持つ複数のカッター23と、半裁長円の鋼殻24を持つ。
本実施例では、図3に示すように、2台の多軸推進機2を長円をなすように連結して通常推進工程を行うとともに、分離した各々の多軸推進機2にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻1を構築する。
この場合、押出推進工程では、半円推進函3を押し出す押出治具5を、多軸推進機2の矩形部22側に装着する。
【0016】
推進函には、矩形推進函4と半円推進函3の2種類が使用され、半円推進函3は最終的には到達側に押し出される。
押し出された半円推進函3は、次のエレメント施工に再利用される。
矩形推進函4及び半円推進函3は、それぞれ短管状のものからなり、図9(b)に示すように、RC推進管と同様のフレキシブルな浅い嵌合継手6により軸方向に接続されている。
このように、軸方向の継手をフレキシブルな嵌合継手6とすることにより、推進抵抗を少なくし、長距離施工を可能とすることができる。
また、矩形推進函4と半円推進函3、あるいは並列する矩形推進函4同士を連結する並列継手7は、図9に示すように、例えば、雌側の継手7aは管体長で形成されたチャネルレール状をなすが、雄側の継手7bは、軸方向中心付近に部分的にT字状に突設したものからなる。なお、継手形式は特に限定されるものではなく、任意の継手形式を採用することができる。
このように、雄側の継手7bを部分的に設置することにより、図8に示すようなバーチカルなど曲線施工に対応することができる。
また、矩形推進函4の並列継手7は、図9(a)に示すように、先行する半円推進函3内に保護されており、また、矩形推進函4と半円推進函3の間隙には、環状のゴムスペーサ8が配設されるとともに、止水・減摩性材料(図示省略)が充填されることから、セクション抵抗値の変動と湧水とを抑制することができる。
【0017】
矩形推進函4により形成された箱型の外殻1は、最終的には、隣接する矩形推進函4の側壁を撤去し、相互に貫通させた矩形推進函4内をPC構造やRC構造で一体化した構造物を築造する。なお、推進時に使用した並列継手7は、このときに撤去される。
本実施例では、矩形推進函4の列間隔を詰めることが可能であるため、隣接する矩形推進函4との貫通が容易であり、貫通してPC構造やRC構造とした外殻1は、推進時の並列継手7を利用しないため、一体化した安定した構造とすることができる。
【実施例1】
【0018】
図1〜図9に、本発明のトンネルの施工方法の一実施例を示す。
本実施例では、図3(a)や図4に示すように、半円部21と矩形部22を組み合わせた多軸推進機2を使用して推進する。多軸推進機2は、基本的には泥水式とするが、泥濃・土圧式・開放型でも適用可能である。
この多軸推進機2の後方には、矩形推進函4と半円推進函3とを仮組みした推進函を設置する。一般の推進工法と同様に、推進函3、4を後方に連続するように設置して推進し、到達側まで掘進する。
【0019】
隣接する次のエレメントを施工する際には、同じ多軸推進機2を、図3(b)や図5に示すように、前工程の推進開始位置から半円部21側に矩形推進函4の幅のピッチ移行して使用する。
そして、多軸推進機2の矩形部22の後方に配設した矩形推進函4と、多軸推進機2の半円部21の後方に配設した半円推進函3とにより推進を行い、前工程で埋設した半円推進函3を押し出しながら矩形推進函4の埋設を行う。
その際には、多軸推進機2の矩形部22の側部に、押出治具5を装着する。
【0020】
さらに具体的に、2車線道路のアンダーパス築造を例にする。その外殻1の正面図を図2に示す。
最初のエレメントは、多軸推進機2と同サイズの矩形推進函4と半円推進函3とを用いて施工する。
原則的には、図4に示すように、多軸推進機2は2台使用し、左右均等に施工する。
【0021】
隣接するエレメントの施工は、既設函の一部である半円推進函3を押し出しながら施工する。
水平部の施工では、図5に示すように、多軸推進機2の後方に矩形推進函4と半円推進函3とを用い、既設の半円推進函3を押し出しながら推進する。
【0022】
外殻1の隅角部は、図3(c)〜(e)や図6に示すように、矩形推進函4及び面取りした矩形推進函4を使用し、同様に半円推進函3を押し出しながら施工する。
【0023】
最終部は、図3(f)〜(g)や図7に示すように、1台の多軸推進機2の両端に押出治具5を装着し、最後に残る1対の半円推進函3を押し出し、幅広の矩形推進函4を挿入しながら併合する。
【0024】
なお、軸方向の推進函同士の接続は、通常のRC推進管と同様のカラー付き雄・雌型の嵌合形式とし、推進管同士はフレキシブルな接続方式とすることで、図8に示すようなバーチカル等の曲線施工を可能としている。この場合、推進函長は曲率に応じた単体長とする。
また、並列する推進函同士の接続は、現在パイプルーフ等で使用されている継手を用いても構わないが、バーチカルなど曲線施工する場合は、図9に示すように、雄側の継手7bは連続するものではなく、推進函に1箇所の点接合する方式とする。
【0025】
掘進に伴う推進函の施工誤差は、次に施工するエレメントの半円推進函3と矩形推進函4の間隔を並列継手7の間隔で調整して施工することで修正することができる。
また、多軸推進機2の後方に設置される仮組した半円推進函3と矩形推進函4の間隙は、止水性・減摩性のある材料であらかじめ充填する。
そのエレメント推進完了後にも同様の材料で充填し、離合時の摩擦力を低減するとともに、並列継手7内への地下水や礫混入を抑制する。離合時も函間隙の泥水は充填しながら推進する。
押し出す半円推進函3は、転用して次のエレメント施工時に使用することが可能である。
【0026】
最終的には、図3に示すように、3種類の矩形推進函4で、トンネル仮土留壁の外殻1を構築する。
矩形推進函4は、仮土留壁施工時には単体として外力と推力を負担できる構造とする。なお、矩形推進函4や半円推進函3は、鋼殻もしくは部分的にSRC構造とすることも可能である。
【0027】
外殻1内部の大断面を掘削する前に、各矩形推進函4の隣接する側壁を撤去し、内部をRC構造又はPC構造の一体型構造とし、大断面掘削時の外力を負担できる構造とする。
また、大断面掘削時に中柱が必要な場合は、上記と同様に矩形推進函4と半円推進函3とを使用して先行施工する方法と、大断面掘削時に仮受けしながら施工する方法とが選択できる。
【0028】
かくして、本実施例のトンネルの施工方法は、推進機を推進函で地中に推進するとともに、該推進した推進函により外殻1を構築するトンネルの施工方法において、半円形と矩形を組み合わせた掘削断面が半裁長円をなす多軸推進機2と、該多軸推進機2の半円部21を推進する半円推進函3と、多軸推進機2の矩形部22を推進する矩形推進函4とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から半円部21側に所定ピッチ移行した多軸推進機2と、前工程で埋設した矩形推進函4に隣接する位相で多軸推進機2の後方に配設した矩形推進函4と、多軸推進機2の半円部21の後方に配設した半円推進函3とにより推進を行い、前工程で埋設した半円推進函3を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、該押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築することから、通常推進工程の後に押出推進工程を繰り返すことにより、未掘削部分をなくし無理な圧入を行うことなく、矩形推進函4による外殻1を構築することができる。
この場合、掘削断面が半裁長円をなす多軸推進機2と、半円推進函3及び矩形推進函4とを使用することにより、推進時のローリングの発生を抑制することができる。
また、矩形推進函4の並列継手7は、押し出す半円推進函内に納めることができるため、未掘削部分に接触することがなく、また、地中に露出しないため変形などのトラブルを防止することができる。
さらに、半円推進函3を押し出すことによってガイド効果が働くため、後続エレメントの推進精度を高めることが可能となり、残置される矩形推進函4の間隔を詰めることができ、また、推進時に発生するエレメント間の寸法誤差は、次のエレメント時にセクション位置をずらして修正することができる。
【0029】
また、2台の多軸推進機2を長円をなすように組み合わせて通常推進工程を行うとともに、各々の多軸推進機2にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻1を構築し、最後に残る1対の半円推進函3を、1台(必要に応じて、2台)の多軸推進機2と、該多軸推進機2の後方に配設した矩形推進函4により推進を行い、前記半円推進函3を押し出しながら推進を行うようにすることにより、特に、最初と最後の矩形推進函4の推進を容易に行うことができる。
【0030】
以上、本発明のトンネルの施工方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、外殻を門型に形成したり、2つの断面形状を半円形と矩形の組み合わせ以外の形状の組み合わせ、例えば、矩形と矩形の組み合わせにするなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のトンネルの施工方法は、未掘削部分をなくし無理な圧入を行うことなく、矩形推進函による門型や箱型の外殻を構築することができる特性を有していることから、例えば、地上の構造物に影響を与えることなく、その地下にトンネルを構築し、新たな道路等を敷設するいわゆる「アンダーパス工事」を始めとして、各種のトンネル施工の用途に広く好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のトンネルの施工方法の一実施例を示し、(a)は半円推進函の押出を示す斜視図、(b)は同平面図である。
【図2】同トンネルの施工方法で施工する外殻の断面図である。
【図3】同トンネルの施工方法を示す工程図である。
【図4】同トンネルの施工方法の通常推進工程を示し、(a)は多軸推進機の正面図、(b)は既設の矩形推進函と多軸推進機で推進した半円推進函及び矩形推進函の正面図である。
【図5】同トンネルの施工方法の押出推進工程を示し、(a)は多軸推進機と既設の矩形推進函の正面図、(b)は既設の矩形推進函と多軸推進機で推進した半円推進函及び矩形推進函の正面図である。
【図6】隅角部の押出推進工程を示し、(a)は多軸推進機と既設の矩形推進函の正面図、(b)は既設の矩形推進函と多軸推進機で推進した半円推進函及び矩形推進函の正面図である。
【図7】最終部の押出推進工程を示し、(a)は多軸推進機と既設の矩形推進函の正面図、(b)は既設の矩形推進函と多軸推進機で推進した矩形推進函の正面図である。
【図8】バーチカルなアンダーパスの一例を示す断面図である。
【図9】(a)は推進函の並列継手を示す断面図、(b)は同嵌合継手を示す平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 外殻
2 多軸推進機
21 半円部(第1の断面形状部)
22 矩形部(第2の断面形状部)
23 カッター
24 鋼殻
3 半円推進函(第1の断面形状の推進函)
4 矩形推進函(第2の断面形状の推進函)
5 押出治具
6 嵌合継手
7 並列継手
8 ゴムスペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進機を推進函で地中に推進するとともに、該推進した推進函により外殻を構築するトンネルの施工方法において、2つの断面形状を組み合わせた掘削部を有する多軸推進機と、該多軸推進機の第1の断面形状部を推進する第1の断面形状の推進函と、多軸推進機の第2の断面形状部を推進する第2の断面形状の推進函とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から第1の断面形状部側に所定ピッチ移行した多軸推進機と、前工程で埋設した第2の断面形状の推進函に隣接する位相で多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函と、多軸推進機の第1の断面形状部の後方に配設した第1の断面形状の推進函とにより推進を行い、前工程で埋設した第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、該押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築することを特徴とするトンネルの施工方法。
【請求項2】
2台の多軸推進機を組み合わせて通常推進工程を行うとともに、各々の多軸推進機にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻を構築し、最後に残る1対の第1の断面形状の推進函を、1又は2台の多軸推進機と、該多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函により推進を行い、前記第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行うことを特徴とする請求項1記載のトンネルの施工方法。
【請求項3】
前記2つの断面形状のうち、第1の断面形状が半円形、第2の断面形状が矩形からなることを特徴とする請求項1又は2記載のトンネルの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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