トンネルインバート施工法及び移動式桟橋
【課題】 レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができるトンネルインバート施工法及びトンネルインバート施工法に好適に使用できる移動式桟橋を提供する。
移動式桟橋を提供する。
【解決手段】
移動式桟橋10は、基台100上に設けられた車両通行部に、車両を通行させるためのレール200を備え、該基台100には、基台100を走行させるための自走台車310を備えている。レール200は自走台車310の車輪312の高さよりも低く配置されている。
移動式桟橋を提供する。
【解決手段】
移動式桟橋10は、基台100上に設けられた車両通行部に、車両を通行させるためのレール200を備え、該基台100には、基台100を走行させるための自走台車310を備えている。レール200は自走台車310の車輪312の高さよりも低く配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルインバート施工法、及び、打設インバートコンクリート養生中に、重機、土砂運搬車両等を通行させるとともに、トンネル切羽側に近接した切削直後のトンネル下部へのトンネルインバート施工を可能とした移動式桟橋に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルの構築は、岩盤を掘削機により、掘削した後、アンカーボルト等の補強材を岩盤に打ち込み、岩盤を補強した後、掘削されたトンネル内壁面及びトンネル下部へ一次及び二次覆工用のコンクリートを打設し、打設コンクリートを養生硬化させる工により行われている。ここで、岩盤が軟弱な場合には、トンネル切羽に近接した掘削直後のトンネル下部へインバート施工(インバートコンクリートを打設)する必要がある。この際には、岩盤を安定させるため、トンネル下部をアーチ型に掘り下げした後、インバートコンクリートを打設、養生硬化させている、以下、本明細書では、説明の便宜上、インバートコンクリートを養生している場所を、単に「養生場所」という。
【0003】
ところで、掘削機により、掘削された土砂は、トンネル切羽側からトンネル坑口へ搬出する必要がある。トンネル断面積が比較的広い場合は、トンネル切羽から所定距離(約150〜200m)離れた後方において、随時トンネル切羽側からトンネル坑口側へトンネルの幅方向の一側、例えば、中央から、右側(或いは左側)に配備されたパワーショベル、ブルドーザ等の重機と縦列させて配備させたダンプカー等に土砂を移載して、搬出するようにしている。そして、一側側の土砂の搬出を完了した後、重機、車両をトンネルの幅方向の他側へ移動させ、トンネルの幅方向の他側の土砂を搬出するようにしている。
【0004】
さらに、ダンプカーや重機を、養生場所を通行させるために、該養生場所を跨ぐように車輪にて移動自在な移動式桟橋を設けている(特許文献1〜4)。このように、トンネル断面積が大きな場合に使用されて、土砂運搬や、資材の運搬をダンプカー等の車両を使用する工法をタイヤ工法という。
【0005】
一方、トンネルの断面積が小さい場合は、レール工法とよばれる工法で、掘削された土砂を搬出するようにしている。レール工法では、トンネル坑口側から養生場所迄、レールを敷いて、軌道走行車両としてのトロッコ等の土砂運搬のため土砂運搬車両を該養生場所の近くで待機させるようにしている。そして、従来のレール工法では、トンネル切羽から、養生場所を越えて、トロッコ等の土砂運搬車両まで、ベルトコンベアや、ベルトコンベア装置を直列につなぎ、該ベルトコンベアやベルトコンベア装置を介して、掘削機により掘削された土砂をレール上の土砂運搬車両に移載するようにしている。なお、ベルトコンベア装置とは、掘削が進むにつれて、養生場所も移動するため、養生場所を跨ぐベルトコンベアを走行可能な架台上に設けた装置である。
【特許文献1】特公平4−70480号公報
【特許文献2】特公平4−15880号公報
【特許文献3】特開2003−278498号公報
【特許文献4】特開平6−108795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のレール工法では、上記のようなベルトコンベア装置を設ける必要があるが、ベルトコンベア装置は、トンネル切羽の近傍に一端が位置するようにし、他端が養生場所を越えた場所まで位置するように配置する必要があるため、装置全体の長さが長くなって、装置が大型化する問題がある。
【0007】
そこで、軌道走行車両であるトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル切羽近傍まで移動することができれば、大型化したベルトコンベア装置が必要でなくなる。そこで、特許文献1〜4に記載の移動式桟橋上の車両が走行する路面(以下、桟橋路面という)にレールを配置することにより、該移動式桟橋をレール工法にも応用することが考えられる。しかし、特許文献1〜4に記載の技術をそのまま応用すると下記の問題がある。
【0008】
特許文献1〜4の移動式桟橋上において、車両が走行する路面高さ(移動式桟橋の自体の車輪が走行する部位からの高さをいう。以下、桟橋路面高さという)は、養生場所を跨ぐために、トンネル路面(すなわち、インバートコンクリート上面や、トンネル切羽側の地面)よりも、高くされているのが一般的である。
【0009】
例えば、特許文献1では、移動式桟橋に移動式桟橋の路面とトンネル路面間を繋ぐための傾斜板を設けており、ダンプカー等の車両は、この傾斜板を登坂することにより、トンネル路面から桟橋路面へ移動する。ところで、ダンプカー等の車両は、移動式桟橋の路面とトンネル路面間に配置された傾斜板にある程度の勾配(例えば、10〜25°)があっても、登坂力があるため、登坂することが可能である。
【0010】
従って、桟橋路面高さは、タイヤ工法においては、ダンプカー等の車両の登坂力に余裕があるため、トンネル路面に対して高くすることができる。
一方、自走しないトロッコ等の土砂運搬車両は、バッテリ式機関車等の動力車が必要であるが、これらの車両は、例えば、10〜25°の勾配を登坂することが難しく、一般にパーミル(0/00)程度の勾配での登坂力しかない。
【0011】
従って、特許文献1に記載の移動式桟橋において、単に傾斜板上にレールを設けた場合、パーミル(0/00)程度の勾配を備えるように傾斜板を形成すると、傾斜板は、必然的に長くなる問題があり、好ましくない。前記説明では、特許文献1で比較したが、他の特許文献においても同様の問題が生ずる。
【0012】
そこで、この問題を解消するために、桟橋路面高さを低くすればよいが、特許文献1〜特許文献4では、いずれも、桟橋路面は、移動式桟橋に設けられた車輪よりも上方の位置にあるため、桟橋路面を低くすることには限界があった。このため、従来、レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができるトンネルインバート施工法及び移動式桟橋は提供されていない。
【0013】
本発明の第1の目的は、レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができるトンネルインバート施工法を提供することにある。
又、本発明の第2の目的は、トンネルインバート施工法に好適に使用できる移動式桟橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、トンネルインバート施工法において、基台に設けられた台車の車輪の高さよりも該基台に設けられたレールが低く配置された移動式桟橋の前記レールに、少なくとも土砂運搬車両を搭載して、インバート施工部の掘削時に、該土砂運搬車両に掘削時に生ずる土砂を積み込みし、該土砂運搬車両の通行により、前記土砂を搬出する第1ステップと、前記インバート施工部の掘削後に、前記移動式桟橋を該インバート施工部上に移動して、前記移動式桟橋上に設けたレール上にコンクリート打設関連車両を走行停止させて、前記インバート施工部に対してコンクリート打設を行う第2ステップと、前記インバート施工部のインバートコンクリート養生中に、前記レール上に軌道走行車両を搭載させた状態で前記移動式桟橋を移動させて、前記インバート施工部よりも、トンネル切羽側に前記軌道走行車両を運搬する第3ステップを含むことを特徴とするトンネルインバート施工法を要旨とするものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1ステップでは、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みすることを含むことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記コンクリート打設関連車両には、アジテータカーを含み、前記第2ステップでは、コンクリート打設時に、前記アジテータカーを搭載した状態で、前記移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うことを含むことを特徴とする。 請求項4の発明は、基台上に設けられた車両通行部には、車両を通行させるためのレールを設け、該基台には、基台を走行させるための台車を設け、前記車両通行部に設けた前記レールを前記台車の車輪の高さよりも低く配置したことを特徴とする移動式桟橋を要旨とするものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4において、前記台車は、前記基台の幅方向の両側にそれぞれ配置されており、該基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5において、車両通行部のレールは、固定レールと、該固定レールの長手方向の両端に対して、横方向に揺動自在に設けた可動レールを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6のうちいずれか1項において、前記車両通行部に対して、レールを備えた傾斜部材を上下方向に揺動自在に配置し、前記運搬車両を、トンネル路面上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、前記車両通行部上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記トンネル路面上のレールに移動可能としたことを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項4乃至請求項7のうちいずれか1項において、前記台車は、旋回ボギー台車であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項4乃至請求項8のうちいずれか1項において、前記基台には、該基台を前記台車とともに昇降する昇降装置を設け、前記基台には、移動レールを、該基台の長手方向に移動させる移動レール移動機構を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項10の発明は、請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項において、前記基台には、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項11の発明は、請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項において、前記台車は、自走台車であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができる効果を奏する。又、レール工法において、インバート施工作業に必要な軌道走行車両を搭載したまま移動式桟橋を走行させることによって、インバート施工作業の効率化を図ることができる効果を奏する。
【0024】
請求項2の発明によれば、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みできるため、インバート施工部の掘削の土砂積み込みを効率的に行うことができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、コンクリート打設時に、アジテータカーを搭載した状態で、移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うため、コンクリート打設作業を容易に行うことができる効果を奏する。 請求項4の発明によれば、請求項1のインバート施工法に、好適に直接使用することができる。又、移動式桟橋の車両通行部である桟橋路面の高さ(すなわち、桟橋路面高さ)を低くすることができ、そのことによって、桟橋路面上のレールと、トンネル路面上のレールとを繋ぐために設けられる傾斜部材上のレールの勾配を、バッテリ式機関車等の動力車が登坂可能な勾配に容易にすることができる。この結果、トロッコ等の土砂運搬車両を、養生場所を越えて、トンネル切羽まで、移動させることができる。
【0026】
請求項5の発明によれば、基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことにより、移動式桟橋の車両通行部である桟橋路面の高さ(すなわち、桟橋路面高さ)を低くすることができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、可動レールが固定レールに対して、横方向に揺動自在に設けられているため、トンネルがカーブしている場所では、該トンネルのカーブに応じて、可動レールを揺動させて配置することができ、運搬車両を、レールに対してスムーズに走行させることができる。
【0028】
請求項7の発明によれば、傾斜部材のレールをトンネル路面上のレールに対して傾斜して連結すると、運搬車両を、トンネル路面上のレールから傾斜部材のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、車両通行部上のレールから傾斜部材のレールを介してトンネル路面上のレールに移動可能にすることができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、台車が、旋回ボギー台車であることにより、トンネルがカーブしているところでも、好適に走行することができる。
請求項9の発明によれば、昇降装置により、基台とともに台車をトンネル路面から上昇させた状態で、移動レール移動機構により、移動レールを基台の長手方向に移動させ、その後、昇降装置により、基台とともに台車を移動レール上に載せた状態とすることができる。そして、台車により、容易に移動式桟橋を移動レール上において走行させることができる。
【0030】
請求項10の発明によれば、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えることにより、前記型枠を、該支持手段にて吊下支持した状態で、インバートコンクリートを打設する場所迄、容易に運ぶことができる。
【0031】
請求項11の発明によれば、台車を自走台車とすることにより、移動式桟橋を自走させることができ。この結果、重機等により、移動式桟橋を索引する場合よりも、牽引のために重機等にワイヤ等を繋ぐ作業や、ワイヤ等の取り外し作業が省略でき、移動を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した一実施例の移動式桟橋を図1〜16を参照して説明する。
移動式桟橋10は、基台100、レール200、傾斜部材250、自走機構300、移動レール350、移動レール移動機構370、移動レール吊下手段380、昇降装置としてのアウトリガー400等を備える。
【0033】
(基台100)
基台100は、枠体110、踏板150等を備える。枠体110は、図3に示すように、略チャンネル状に形成された複数の枠120と一対の側壁130から構成されている。枠120は、梁122と、梁122の両端から上方に突出された柱部124からなる。各枠120の柱部124上部は、側壁130を介して互いに連結されている。
【0034】
図4に示すように、梁122は、後述する自走機構300の車輪312の高さよりも、低くなるように配置されている。図3に示すように、各枠120の梁122上には、所定ゲージ離間した一対のレール200が架設されるとともに、レール200と柱部124の基端間には、踏板150が架設されている。又、レール200の間には、着脱自在に、複数の中間パネル160が載置されている。なお、図2においては、中間パネル160は説明の便宜上、省略されている。
【0035】
レール200と、踏板150を備えることにより、基台100には、車両通行部Sが構成されている。すなわち、レール200を備えることにより、レールを使用して走行する車両(喩えば、トロッコ等の土砂運搬車両等)の通行が可能である。又、図13に示すように、踏板150により、重機Gの通行が可能である。又、基台100の側壁130上には、3つの櫓140,141,142が設けられている。
【0036】
(レール200)
図2に示すように、車両通行部Sの各レール200は、固定レール210と、可動レール220からなる。固定レール210は、車両通行部Sの両端部近傍を除いた各梁122の上面に、水平となるように固定されている。図2に示すように車両通行部Sの両端部及びその近傍には、可動レール支持枠体230が踏板150上を水平移動自在に配置されている。各可動レール220は、前記可動レール支持枠体230上に固定されている。そして、各可動レール220は、その被支持部22において、各固定レール210の端部に対してそれぞれ横方向に揺動自在に連結されており、トンネルのカーブに応じて、変位可能である。図5に示すように、可動レール220に対応した、梁122には、駆動手段としての油圧シリンダ126が取付されている。油圧シリンダ126のロッド128は、可動レール支持枠体230に連結されている。従って、油圧シリンダ126の作動により、可動レール220は、変位可能とされている。踏板232は、可動レール支持枠体230の幅方向の両側部から張り出しされており、可動レール支持枠体230が可動レール220とともに変位した際に、踏板150上に重ね合わされた状態で変位する。
【0037】
油圧シリンダ126と、可動レール支持枠体230とにより、レールスライド装置240が構成されている。
各可動レール220の先端には、レールとしてのレール材260が、上下方向に揺動自在に連結されている。各レール材260は、その下面において、枠状に形成された傾斜部材250を介して互いに連結されている。図6に示すように、レール材260の先端上面は、先端側の高さが低くなるように、すなわち、先端が尖るように斜状に形成されている。
【0038】
(自走機構300)
自走機構300は、自走台車310と、自走台車310を駆動する駆動機構320とから構成されている。本実施形態では、自走台車310は、旋回ボギー自走台車とされている。図1(a),(b)及び図4に示すように自走台車310は、基台100の前部(トンネル切羽側をいう)、及び後部(トンネル坑口側をいう)において、側壁130の下面に対して、その幅方向の両側部に位置するように取付けされている。すなわち、側壁130よりも下方であって、枠120の柱部124間に位置するように、自走台車310は配置されている。自走台車310は、前後に一対の車輪312を備えている。図7に示すように一対の車輪312は、それぞれスプロケット314を備えている、両スプロケット314には、無端状のチェン315が巻回されている。又、一方の車輪312には、スプロケット316が設けられている。駆動機構320では、駆動源としての電動モータ322が、減速機構324を介してスプロケット326を回転駆動する。そして、駆動機構320のスプロケット326と、スプロケット316間には、無端状のチェン318が巻回されており、電動モータ322が回転駆動することにより、減速機構324、スプロケット326、チェン318、スプロケット316を介して、車輪312を回転させる。
【0039】
ここで、車輪312と、前記レール200との位置関係について説明する。前述したように、梁122は、車輪312の高さよりも、低くなるように配置されている(図4参照)。その梁122上に、レール200が取付されて、レール200の配置高さH1は、車輪312の高さH2よりも低くなるようにされている。
【0040】
なお、レール200の配置高さH1は、車輪312が走行する部位(移動レール350の上面)からの高さをいう(図3参照)。又、車輪312の高さH2は、車輪312が走行する部位(移動レール350の上面)からの高さをいう(図4参照)。ここで、図3に示すように、H0は、移動レール350の上面から、踏板150迄の高さであり、桟橋路面高さに相当する。踏板150の上面は桟橋路面に相当する。なお、踏板150を省略する場合は、車両通行部Sは、レール走行が可能な車両のみが通行できるため、H0はH1に等しい。
【0041】
本実施形態では、車輪312が走行する部位は、後述する移動レール350である。図4においては、車輪312には、フランジ312aが形成されているが、車輪の高さH2は、フランジ312aは含まない趣旨であり、車輪312が走行する部位(すなわち、移動レール350)に接する周部の直径に等しい。
【0042】
本実施形態では、基台100の幅方向両側部に、それぞれ自走台車310を配置して、その間にスペースを確保し、両自走台車310間に位置するように、レール200を配置したため、レール200の配置高さH1を、車輪312の高さH2よりも低くできる。
【0043】
(移動レール350及び移動レール吊下手段380)
基台100の前部側(図1(a)において、左側)の各自走台車310の下方には互いに同じ長さの一対の移動レール350が配置されている。移動レール350は、断面I形を有しており、車輪312が、走行可能である。移動レール350の下部には、レール安定部材355が溶接等により固定されている。レール安定部材355の下面は、平面に形成されているとともに、移動レール350の下部下面よりも下面の面積が広くされている。そして、レール安定部材355は、移動レール350の長手方向に沿って配置されている。
【0044】
移動レール吊下手段380は、レール安定部材355とともに移動レール350を吊下げ支持するためのものである。図11(a)に示すように移動レール吊下手段380は、各自走機構300に対応して、基台100の前部及び後部の幅方向の両側部において、側壁130の下部に対して複数設けられている。なお、図11(a)の移動式桟橋10では、一部(例えばレール200等)は省略して図示されている。
【0045】
図12(a)、(b)に示すように、移動レール吊下手段380は、側壁130に吊下げされたレバーブロック382と、レバーブロック382からチェン383を介して吊り下げたクランプ装置384とを備える。
【0046】
クランプ装置384は、ピン385に対して上端が移動自在に連結され、互いに対向して配置された一対のクランプ386と、両クランプ386の中央部に貫通取着されたスクリュー387とを備える。クランプ装置384は、スクリュー387をクランプ386に対して、進退操作することにより、両クランプ386の下端部にて、移動レール350の上端を着脱自在に把持することが可能である。
【0047】
又、レバーブロック382のレバーを操作することにより、レバーブロック382から吊下げされるチェン383の長さの調節が可能である。なお、レバーブロックに代えて吊下手段として、例えば、チェンブロックとしても良い。
【0048】
(移動レール移動機構370)
図1(a)、(b)、図11に示すように、移動レール移動機構370は、各自走機構300に対応して、複数設けられており、基台100の幅方向において、各側部の前部、及び中央部の側壁130に対して支持されている。移動レール移動機構370は、ウインチにて構成されている。該ウインチから導出されたワイヤ372は、フック等により、対応する各自走機構が走行する移動レール350の前端に着脱自在取着可能である。なお、転向プーリ373は、枠120に設けられており、ワイヤ372の向きを変更するためのものである。
【0049】
移動レール移動機構370は、図示しない電動モータにより、駆動することにより、ワイヤ372を介して、移動レール350及びレール安定部材355を牽引して移動することが可能である。
【0050】
(アウトリガー400)
図9、図10に示すようにアウトリガー400は、各側壁130(すなわち、基台10)の前端部、及び後端部にそれぞれ設けられている。アウトリガー400は、側壁130の各端部に対してピン412を介して、横方向に揺動自在に支持された外筒410と、外筒410から下方へ進退自在に設けられた内筒420とを備えている。内筒420は、内部に図示しない油圧シリンダが作動連結されており、該油圧シリンダの作動により、下方へ進出、又は上方へ縮退可能である。図1(a)、(b)に示すように、各アウトリガー400に近接した側壁130には、第2駆動手段としての油圧シリンダ414が取付けされている。油圧シリンダ414のロッド416は、外筒410に連結されている。従って、油圧シリンダ414の作動により、アウトリガー400は、横方向に揺動自在とされている(図10参照)。アウトリガー400を横方向に揺動自在に構成したことにより、トンネルのカーブに応じてアウトリガー400を配置することができる。この結果、前記可動レール220とともに、アウトリガー400がトンネルのカーブに応じて適正に配置できることにより、アウトリガー400が車両の通行に障害となることがなく、車両の通行を安全に行うことが可能とされている。
【0051】
基台100の前端部側に配置された一対のアウトリガー400の内筒420下端には、回動自在にシャフト423を支持するブラケット422が設けられている。そして、該前端部側のアウトリガー400の内筒420同士は、前記シャフト423に対して取着されたベース430を介して連結されている(図8,9参照)。
【0052】
なお、ベース430のブラケット422に対する回動は、図8に示すように、ベース430のブラケット422に対する取付部430aがブラケット422の下面422aに対して係止することにより、制限されるようにされている。
【0053】
基台100の後端部側のアウトリガー400同士においても、同様の構成を備えている。すなわち、その内筒420下端間は、ブラケット422及びベース430を介して連結されている。そして、アウトリガー400の作動により、ベース430をトンネルの底に対して、当接した状態で、基台100の昇降が可能である。
【0054】
又、ベース430は、図6、図11(b)に示すように、傾斜部材250の下面に当接可能に傾斜部材250の下方に配置されており、ベース430が昇降することにより、傾斜部材250を介して、レール材260の昇降が可能である。
【0055】
なお、以下で、説明の便宜上、基台100(すなわち、側壁130)の前端部側のアウトリガー400を単に「前部のアウトリガー400」といい、基台100の後端部側のアウトリガー400を単に「後部のアウトリガー400」という。
【0056】
(インバートコンクリート型枠の吊下)
図13に示すように、基台100前部側の両側壁130外面(車両通行部Sとは反対側面)には、その長手方向に沿って複数箇所に、それぞれチェンブロック500が吊下げ支持されている。なお、図13においては、一方の側壁130側のチェンブロック500のみ図示している。各チェンブロック500のチェン510には、フック512を介して、共通のインバートコンクリートの側部型枠600が着脱自在に吊下支持可能である。
【0057】
又、チェンブロック500が吊下支持された側壁130には、図1(a)に示すように窓132が形成されており、窓132を介して、車両通行部S側からチェンブロック500の操作が可能である。
【0058】
又、図13に示すように、基台100前部側において、一対のレール200(特に、可動レール220)上には、複数の型枠吊フレーム540が着脱自在に載置可能である(図13では、1つの型枠吊フレーム540のみ図示)。各型枠吊フレーム540には、チェン542を介して、インバートコンクリート上面中央部に設けられる共通の中央排水溝用型枠650が着脱自在に吊下支持可能とされている。なお、可動レール220から、型枠吊フレーム540により、中央排水溝用型枠650を吊下支持する場合、中間パネル160は、取り外すものとする。
【0059】
又、図11(b)に示すように、基台100前部側の両側壁130下部には、一対のチェンブロック670が吊下げ支持されている。なお、図11(b)においては、一方の側壁130側のチェンブロック670のみ図示している。各チェンブロック670のチェン680には、図示しないフックを介して、インバートコンクリートの妻板610が着脱自在に吊下支持可能である。妻板610は、インバートコンクリートを打設する際の型枠に相当する。又、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670
は、支持手段に相当する。
【0060】
さて、上記のように構成された移動式桟橋10を使用して、インバートコンクリートを打設する際の作業について図14〜16を参照して説明する。
1. 移動式桟橋10の設置
この作業は、移動式桟橋10をトンネル内のインバートコンクリート打設完了域Krの端上に設置する作業である(図14(a)参照)。なお、図14〜図16において、Lは移動レール350が位置する範囲を示すための符号である。
【0061】
説明の便宜上、移動レール350は、図14(a)に示す位置に載置されているものとする。前部側の移動レール350の載置位置は、インバートコンクリート打設完了域Krの終端に、前部側の移動レール350の一端が一致するように配置されているものとする。又、後部側の移動レール350の載置位置は、前部側の自走台車310が前部側の移動レール350を走行する際に、支障なく、後部側の自走台車310が、後部側の移動レール350上を走行できるようにした位置である。
【0062】
このように、移動レール350が配置された状態で、移動式桟橋10をインバートコンクリート打設完了域Krの端に配置し(図14(a)参照)、前後両部のアウトリガー400を昇降させる。この状態で、前後両部のアウトリガー400をトンネルの底部及び打設を完了したインバートコンクリート上面に接地し、基台100を支える。なお、前部のアウトリガー400は、打設を完了した端の近傍の地上(インバートコンクリートが未打設の地上)に接地する。一方、後部のアウトリガー400は、本坑レールR1の端部近傍の打設を完了したインバートコンクリートKの上面に接地する。インバートコンクリートKの上面はトンネル路面に相当する。前後両部のアウトリガー400が接地されると、移動レール350に自走台車310の車輪312が載る。又、後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が接地され、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に乗り、トロッコ等の土砂運搬車両等の車両が、移動式桟橋10に搭載可能となる。
【0063】
次に、本坑レールR1から、移動式桟橋10のレール200に土砂運搬車両(図示しない)を移動させ、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を移動式桟橋10の前端部で停止させる。この状態で、バックホーBにより、打設を完了したインバートコンクリートKの端よりも、トンネル切羽側に寄ったインバートコンクリートが未打設の領域M(この領域Mは、次にインバートコンクリートを打設する領域を含む)の地面を掘削する。この時掘削して出た土砂は、移動式桟橋10上のバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両に直接積み込みした上でトンネル外部に搬出する。又、トンネル切羽側に寄ったインバートコンクリートが未打設の領域Mの掘削進行度合いに応じて、前後両部のアウトリガー400の接地を解除して、前記移動式桟橋10を切羽側へ順次走行移動させ、再びアウトリガー400を接地させた状態にする。ここでの作業は、請求項1の第1ステップに相当する。なお、土砂の積み込みは直接土砂運搬車両に積み込み積み込みする他に、ベルトコンベアを介して間接的に行っても良い。しかし、間接的に行う場合は、ベルトコンベアの設置、取り外し作業を行う必要があるため、作業軽減のためには、土砂を土砂運搬車両に直接積み込みした方が好ましい。又、トンネル切羽側に寄ったインバートコンクリートが未打設の領域Mは、インバート施工部に相当する。
【0064】
2.型枠移動
バックホーBによる領域Mの掘削が終了すると、移動式桟橋10を、トンネル切羽側へ移動する作業となる。
【0065】
先ず、基台100の前部側の中間パネル160を外して、型枠吊フレーム540をレール200にセットする。続いて、前後両部のアウトリガー400を上昇させた後、車輪312を駆動機構320にて自走させて、移動式桟橋10を所定位置(例えば、図14(a)と図14(b)でそれぞれ示す移動式桟橋10の位置の中間位置)迄、前進させて停止させる。
【0066】
この状態で、側部型枠600,中央排水溝用型枠650,及び妻板610を、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670にて吊下げする。続いて、移動式桟橋10を自走させて、図14(b)に示すように、次に打設する領域まで進出させ、前記型枠を運搬する。
【0067】
3.型枠セット
次に、前部のアウトリガー400を、掘削が行われていない、トンネル切羽側の地面Z上に接地し、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。そして、型枠を、下ろして、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670から外して設置させ仮置きする。この後、前後両部のアウトリガー400を上昇させ、図15(a)に示すように後の型枠セット作業ができるように、移動式桟橋10が型枠セット作業の邪魔にならない位置(図14(a)で示す位置)迄、移動式桟橋10を自走により、後退させる。後退後は、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に乗り、レールを走行する車両が、移動式桟橋10に搭載可能となる。
【0068】
この後、作業員は、仮置きした型枠のセット作業を行う。
4. インバートコンクリート打設
ここでの作業は、インバートコンクリートを打設するための作業である。
【0069】
型枠のセット完了後、コンクリートを打設するために、図示しないアジテーターカーやポンプ車等を、本坑レールR1からレール材260を介してレール200上を走行させて移動式桟橋10に搭載する。そして、前後両部のアウトリガー400を上昇させた後、移動式桟橋10を自走させて、前後進停止を繰り返す。前後進させる場合は、前後両部のアウトリガー400を上昇させた状態とし、停止したとき、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地した上で、領域Mにおいて、型枠がセットされた部分に対してコンクリートを打設する。
【0070】
図15(b)では、インバートコンクリートの打設が完了した時の、移動式桟橋10の位置が示されている。このようにしてインバートコンクリートの打設が終了した後は、移動式桟橋10を図14(a)で示す位置迄、移動式桟橋10を自走により、後退させ、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に接続される。この後、移動式桟橋10に搭載した、図示しないアジテーターカーやポンプ車を本坑レールR1を介してトンネル外部へ退出させる。アジテーターカーやポンプ車は、コンクリート打設関連車両に相当し、ここでの作業は、請求項1の第2ステップに相当する。
【0071】
5. インバートコンクリートの養生
ここでの作業は、打設したインバートコンクリートの養生に必要とする期間を利用して行われる作業である。特徴的なのは、インバートコンクリートを養生するための期間において、トンネル切羽側へバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両の移動や、或いは、機材運搬車両の移動が、本坑レールR1、レール200、トンネル路面としてのトンネル切羽側の地面に設けられた本坑レールR2を介して行われることである。前記バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両の移動や、或いは、機材運搬車両は、軌道走行車両に相当する。又、移動式桟橋10では、重機Gや、ダンプカー等の移動が車両通行部Sに設けられた踏板150,232上を走行することにより行うこともできることである。なお、重機Gやダンプカー等のレール上を走行しない車両を、インバートコンクリートK上面から移動式桟橋10に搭乗させる場合、踏板150とインバートコンクリートK上面間に傾斜板(図示しない)を掛け渡すものとする。又、移動式桟橋10から、トンネル切羽側の地面Zへ重機G等を下ろす場合は、踏板150と、トンネル切羽側の地面Z間に傾斜板(図示しない)を掛け渡すものとする。
【0072】
以下では、代表的にバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル切羽側へ移動させる場合について説明する。
「4.インバートコンクリート打設」の後、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を移動式桟橋10に搭載した後、前後両部のアウトリガー400を上昇させ、移動式桟橋10を、図15(b)に示すように、移動式桟橋10の前端部が本坑レールR2の始端に近い近位位置に位置する迄、前進して自走させる。
【0073】
次に、移動式桟橋10を停止させた後、前部のアウトリガー400をトンネル切羽側の地面Z上に接地させる。前部のアウトリガー400が接地されると、前端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、トンネル切羽側の地面Z上の本坑レールR2に乗り、移動式桟橋10のレール200に載った車両が、本坑レールR2に移動することが可能となる。この状態で、移動式桟橋10に搭載したバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を本坑レールR2上に移動させ、トンネル切羽側へ走行させる。
【0074】
又、土砂を搭載してトンネル切羽側から移動してきた、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両は、本坑レールR2から、前端部側の傾斜部材250のレール材260を介して移動式桟橋10に搭載させる。この後、前述した「4.インバートコンクリート打設」で説明したときと同様に、移動式桟橋10を自走で後退させて、後部のアウトリガー400を接地することにより、後端部側の傾斜部材250を下ろして、レール材260を本坑レールR1に接続させる。この後、移動式桟橋10上のバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル外部に移動させる。
【0075】
なお、図15(b)において、Kaは、養生中のインバートコンクリートの領域を示している。ここでの作業は、請求項1の第3ステップに相当する。
6.脱型枠
ここでの作業は、養生が終了したインバートコンクリートの型枠の脱型枠作業である。前後両部のアウトリガー400を上昇させ、図16(a)に示すように後の脱型枠作業ができるように、移動式桟橋10が脱型枠作業の邪魔にならない位置(図14(a)で示す位置)迄、移動式桟橋10を自走により、後退させる。(なお、側部型枠600については、移動式桟橋10を後退させる前に、チェンブロック500を操作することにより、脱型枠作業を補助するようにしてもよい。)
この状態で、作業員は、型枠を養生が完了したインバートコンクリートから剥離、脱型する。次に、踏板150とインバートコンクリートK上面間に傾斜板(図示しない)を掛け渡して、重機Gを、インバートコンクリートK上面から移動式桟橋10に搭乗させ、前後両部のアウトリガー400を上昇させた状態で、移動式桟橋10を自走で前進させて、離型した型枠を仮置き場所(図示しない)に置くために、所定の位置で停止させる。このとき、後部のアウトリガー400は、接地させる。そして、移動式桟橋10に搭載した重機Gにより、離型した型枠をトンネル内の所定の位置に仮置きする。なお、作業が終了した重機Gは、移動式桟橋10を図14(a)に示す位置まで後退させた後、傾斜板(図示しない)を踏板150とインバートコンクリートK上面間に掛け渡した後、移動式桟橋10から下ろす。
【0076】
7. 移動レール移動
ここでの作業は、次のインバートコンクリート打設を行うための準備作業である。
後部のアウトリガー400を上昇させた後、移動式桟橋10を図16(b)で示す位置(図15(b)に示す位置と同じである)迄、前進して自走させる。この後、前後両部のアウトリガー400を接地させる。このときの前後両部のアウトリガー400の接地は、上記「1.移動式桟橋10の設置」〜「6.脱型枠」で説明した「接地」とは異なり、基台100を浮かせるための接地であり、この接地により、自走台車310の車輪312をインバートコンクリートK上面に載置した移動レール350から浮かせる。
【0077】
次に、移動レール350を、移動レール吊下手段380により、吊下げして、インバートコンクリートK上面から所定距離離間する。この所定距離は、後述するレール安定部材355下面に、後述するタイヤTを着脱可能に装着するためのスペースを確保するためのものである。
【0078】
この状態で、図12(c)に示すように、レール安定部材355に対して、取付部材TaにてタイヤTを取着する。なお、タイヤTは、取付部材Taに対して、回動自在に支持されている。取付部材Taは、レール安定部材355下部両側に形成された翼片356に対して、レール安定部材355の長手方向からスライド自在に嵌合するための嵌合溝Tcを備えている。そして、嵌合溝Tcに翼片356を嵌合した状態で、取付部材Taに螺合したネジ部材Tdにて、翼片356を締め付けることにより、取付部材Taがレール安定部材355に取付けされる。又、ネジ部材Tdの締め付けを解除することにより、取付部材Taをレール安定部材355から取り外すことが可能である。
【0079】
このように、タイヤTをレール安定部材355に取付けした後、クランプ装置384の移動レール350に対するクランプを解除して、移動レール350をインバートコンクリートK上面に載置する。その後、移動レール移動機構370のワイヤ372を、図示しないフック等を介して移動レール350前端に取着する。
【0080】
そして、移動レール移動機構370により、ワイヤ372を介して、移動レール350及びレール安定部材355を牽引することにより、移動レール350及びレール安定部材355を移動させる。このとき、レール安定部材355はタイヤTが取着されているため、容易に移動させることができる。
【0081】
次の作業に必要な分、移動レール350を移動させた後、タイヤTをレール安定部材355から外す。この後、前後両部のアウトリガー400を接地させ、自走台車310の車輪312を移動レール350上に載せる。
【0082】
以下、同様にインバートコンクリートの打設・養生のための作業を繰り返す。
さて、以上のように構成された自走台車310の特徴を以下に述べる。
(1) 本実施形態では、移動式桟橋の桟橋路面高さH0を低くすることができ、そのことによって、桟橋路面(踏板150の上面)上のレール200と、トンネル路面上のレール(本坑レールR1,R2)とを繋ぐために設けられる傾斜部材250上のレール(レール材260)の勾配を、バッテリ式機関車等の動力車が登坂可能な勾配に容易にすることができる。このことによって、断面積が小さいトンネルの掘削工事において、レール工法を採用する場合、トンネル切羽側迄、インバートコンクリート養生中において、移動式桟橋10を使用して、トロッコ等の土砂運搬車両を移動させることができる。
【0083】
(2) 本実施形態では、移動式桟橋10を使用することによりインバートコンクリート養生中において、レール200を走行するトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル切羽側に対して移送し、反対に、トンネル切羽側から、トンネル坑口側へ移送できる。このことから、従来と異なり、インバートコンクリートの打設している場所を跨ぐようにして、ベルトコンベア装置を設ける必要がない。
【0084】
(3) 本実施形態では、アウトリガー400を、基台100に対して横方向に揺動自在に設けて、油圧シリンダ414にて、アウトリガー400を揺動駆動するようにした。このため、トンネルがカーブしている場合でも、そのトンネルのカーブ度合いに応じてアウトリガー400を揺動し、適切な位置で、アウトリガー400のベース430を接地することができる。
【0085】
(4) 本実施形態では、移動式桟橋10を使用することによりインバートコンクリート養生中において、レール200を走行する機材運搬車等の車両や、或いは、踏板150を走行する重機等の車両をトンネル切羽側に対して、移送することができる。又、反対に、トンネル切羽側から、トンネル坑口側へ移送することもできる。
【0086】
(5) 本実施形態では、移動式桟橋10は、インバートコンクリート打設の際に使用される型枠を運搬することができるため、型枠運搬の作業を軽減できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0087】
○ 前記実施形態では、レール200を各固定レール210と、可動レール220にて構成したが、トンネルがカーブを有しない場合には、可動レール220を省略して、該可動レール220に相当する部分も固定レールにて構成しても良い。こうすると、レールスライド装置240を省略できる。
【0088】
○ 前記実施形態では、前記傾斜部材250のレール材260を、レール200に対して揺動自在に連結したが、レール材260をレール200から分離してもよい。そして、この分離した傾斜部材250上のレール材260を使用する際には、基台100のレール200と、本坑レールR1,R2に対して連結するように配置すればよい。
【0089】
○ トンネルがカーブを有しない場合には、移動式桟橋10の自走台車310を旋回ボギー台車にする必要はなく、旋回しない台車としても良い。この場合、アウトリガー400を側壁13端部に対して取付けする場合、横方向に揺動するための装置、例えば、油圧シリンダ414や、ピン412等を省略できる。
【0090】
○ 前記実施形態の校正中、踏板150を省略してもよい。このようにしても、レール走行のみできる車両のみが移動式桟橋10を使用して、トンネル坑口から、養生場所を越えて、トンネル切羽側へ、或いは、トンネル切羽側からトンネル坑口側へ、養生場所を越えて、レール走行可能な車両が通行できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】(a)は一実施形態の移動式桟橋の前部の概略図、(b)は、移動式桟橋の後部の概略図。
【図2】同じく移動式桟橋の前部側の一部省略平面図。
【図3】枠体及び車両通行部の断面図。
【図4】自走台車の側面図。
【図5】レールスライド装置240の説明図。
【図6】傾斜部材250,レール材260の説明図。
【図7】自走機構300の説明図。
【図8】アウトリガーのベースの説明図。
【図9】アウトリガーの正面図。
【図10】アウトリガーの平面図。
【図11】(a)は、一部を省略し、移動レール吊下手段を配置した状態を示すための移動式桟橋の全体概略図、(b)は、同じく一部を省略した移動式桟橋のトンネル切羽側端部の概略図。
【図12】(a)、移動レール吊下手段の正面図、(b)は、移動レール吊下手段の一部省略側面図、(c)は移動レールにタイヤTを取着した状態の一部省略側面図。
【図13】移動式桟橋10の断面図。
【図14】(a),(b)は移動式桟橋10の作用の説明図。
【図15】(a),(b)は移動式桟橋10の作用の説明図。
【図16】(a),(b)は移動式桟橋10の作用の説明図。
【符号の説明】
【0092】
10…移動式桟橋
100…基台
200…レール
210…固定レール
220…可動レール
240…レールスライド装置
250…傾斜部材
260…レール材
300…自走機構
350…移動レール
370…移動レール移動機構
380…移動レール吊下手段
400…アウトリガー(昇降装置)
S…車両通行部
H0…桟橋路面高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルインバート施工法、及び、打設インバートコンクリート養生中に、重機、土砂運搬車両等を通行させるとともに、トンネル切羽側に近接した切削直後のトンネル下部へのトンネルインバート施工を可能とした移動式桟橋に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルの構築は、岩盤を掘削機により、掘削した後、アンカーボルト等の補強材を岩盤に打ち込み、岩盤を補強した後、掘削されたトンネル内壁面及びトンネル下部へ一次及び二次覆工用のコンクリートを打設し、打設コンクリートを養生硬化させる工により行われている。ここで、岩盤が軟弱な場合には、トンネル切羽に近接した掘削直後のトンネル下部へインバート施工(インバートコンクリートを打設)する必要がある。この際には、岩盤を安定させるため、トンネル下部をアーチ型に掘り下げした後、インバートコンクリートを打設、養生硬化させている、以下、本明細書では、説明の便宜上、インバートコンクリートを養生している場所を、単に「養生場所」という。
【0003】
ところで、掘削機により、掘削された土砂は、トンネル切羽側からトンネル坑口へ搬出する必要がある。トンネル断面積が比較的広い場合は、トンネル切羽から所定距離(約150〜200m)離れた後方において、随時トンネル切羽側からトンネル坑口側へトンネルの幅方向の一側、例えば、中央から、右側(或いは左側)に配備されたパワーショベル、ブルドーザ等の重機と縦列させて配備させたダンプカー等に土砂を移載して、搬出するようにしている。そして、一側側の土砂の搬出を完了した後、重機、車両をトンネルの幅方向の他側へ移動させ、トンネルの幅方向の他側の土砂を搬出するようにしている。
【0004】
さらに、ダンプカーや重機を、養生場所を通行させるために、該養生場所を跨ぐように車輪にて移動自在な移動式桟橋を設けている(特許文献1〜4)。このように、トンネル断面積が大きな場合に使用されて、土砂運搬や、資材の運搬をダンプカー等の車両を使用する工法をタイヤ工法という。
【0005】
一方、トンネルの断面積が小さい場合は、レール工法とよばれる工法で、掘削された土砂を搬出するようにしている。レール工法では、トンネル坑口側から養生場所迄、レールを敷いて、軌道走行車両としてのトロッコ等の土砂運搬のため土砂運搬車両を該養生場所の近くで待機させるようにしている。そして、従来のレール工法では、トンネル切羽から、養生場所を越えて、トロッコ等の土砂運搬車両まで、ベルトコンベアや、ベルトコンベア装置を直列につなぎ、該ベルトコンベアやベルトコンベア装置を介して、掘削機により掘削された土砂をレール上の土砂運搬車両に移載するようにしている。なお、ベルトコンベア装置とは、掘削が進むにつれて、養生場所も移動するため、養生場所を跨ぐベルトコンベアを走行可能な架台上に設けた装置である。
【特許文献1】特公平4−70480号公報
【特許文献2】特公平4−15880号公報
【特許文献3】特開2003−278498号公報
【特許文献4】特開平6−108795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のレール工法では、上記のようなベルトコンベア装置を設ける必要があるが、ベルトコンベア装置は、トンネル切羽の近傍に一端が位置するようにし、他端が養生場所を越えた場所まで位置するように配置する必要があるため、装置全体の長さが長くなって、装置が大型化する問題がある。
【0007】
そこで、軌道走行車両であるトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル切羽近傍まで移動することができれば、大型化したベルトコンベア装置が必要でなくなる。そこで、特許文献1〜4に記載の移動式桟橋上の車両が走行する路面(以下、桟橋路面という)にレールを配置することにより、該移動式桟橋をレール工法にも応用することが考えられる。しかし、特許文献1〜4に記載の技術をそのまま応用すると下記の問題がある。
【0008】
特許文献1〜4の移動式桟橋上において、車両が走行する路面高さ(移動式桟橋の自体の車輪が走行する部位からの高さをいう。以下、桟橋路面高さという)は、養生場所を跨ぐために、トンネル路面(すなわち、インバートコンクリート上面や、トンネル切羽側の地面)よりも、高くされているのが一般的である。
【0009】
例えば、特許文献1では、移動式桟橋に移動式桟橋の路面とトンネル路面間を繋ぐための傾斜板を設けており、ダンプカー等の車両は、この傾斜板を登坂することにより、トンネル路面から桟橋路面へ移動する。ところで、ダンプカー等の車両は、移動式桟橋の路面とトンネル路面間に配置された傾斜板にある程度の勾配(例えば、10〜25°)があっても、登坂力があるため、登坂することが可能である。
【0010】
従って、桟橋路面高さは、タイヤ工法においては、ダンプカー等の車両の登坂力に余裕があるため、トンネル路面に対して高くすることができる。
一方、自走しないトロッコ等の土砂運搬車両は、バッテリ式機関車等の動力車が必要であるが、これらの車両は、例えば、10〜25°の勾配を登坂することが難しく、一般にパーミル(0/00)程度の勾配での登坂力しかない。
【0011】
従って、特許文献1に記載の移動式桟橋において、単に傾斜板上にレールを設けた場合、パーミル(0/00)程度の勾配を備えるように傾斜板を形成すると、傾斜板は、必然的に長くなる問題があり、好ましくない。前記説明では、特許文献1で比較したが、他の特許文献においても同様の問題が生ずる。
【0012】
そこで、この問題を解消するために、桟橋路面高さを低くすればよいが、特許文献1〜特許文献4では、いずれも、桟橋路面は、移動式桟橋に設けられた車輪よりも上方の位置にあるため、桟橋路面を低くすることには限界があった。このため、従来、レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができるトンネルインバート施工法及び移動式桟橋は提供されていない。
【0013】
本発明の第1の目的は、レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができるトンネルインバート施工法を提供することにある。
又、本発明の第2の目的は、トンネルインバート施工法に好適に使用できる移動式桟橋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、トンネルインバート施工法において、基台に設けられた台車の車輪の高さよりも該基台に設けられたレールが低く配置された移動式桟橋の前記レールに、少なくとも土砂運搬車両を搭載して、インバート施工部の掘削時に、該土砂運搬車両に掘削時に生ずる土砂を積み込みし、該土砂運搬車両の通行により、前記土砂を搬出する第1ステップと、前記インバート施工部の掘削後に、前記移動式桟橋を該インバート施工部上に移動して、前記移動式桟橋上に設けたレール上にコンクリート打設関連車両を走行停止させて、前記インバート施工部に対してコンクリート打設を行う第2ステップと、前記インバート施工部のインバートコンクリート養生中に、前記レール上に軌道走行車両を搭載させた状態で前記移動式桟橋を移動させて、前記インバート施工部よりも、トンネル切羽側に前記軌道走行車両を運搬する第3ステップを含むことを特徴とするトンネルインバート施工法を要旨とするものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1ステップでは、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みすることを含むことを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記コンクリート打設関連車両には、アジテータカーを含み、前記第2ステップでは、コンクリート打設時に、前記アジテータカーを搭載した状態で、前記移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うことを含むことを特徴とする。 請求項4の発明は、基台上に設けられた車両通行部には、車両を通行させるためのレールを設け、該基台には、基台を走行させるための台車を設け、前記車両通行部に設けた前記レールを前記台車の車輪の高さよりも低く配置したことを特徴とする移動式桟橋を要旨とするものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4において、前記台車は、前記基台の幅方向の両側にそれぞれ配置されており、該基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5において、車両通行部のレールは、固定レールと、該固定レールの長手方向の両端に対して、横方向に揺動自在に設けた可動レールを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6のうちいずれか1項において、前記車両通行部に対して、レールを備えた傾斜部材を上下方向に揺動自在に配置し、前記運搬車両を、トンネル路面上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、前記車両通行部上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記トンネル路面上のレールに移動可能としたことを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項4乃至請求項7のうちいずれか1項において、前記台車は、旋回ボギー台車であることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項4乃至請求項8のうちいずれか1項において、前記基台には、該基台を前記台車とともに昇降する昇降装置を設け、前記基台には、移動レールを、該基台の長手方向に移動させる移動レール移動機構を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項10の発明は、請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項において、前記基台には、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項11の発明は、請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項において、前記台車は、自走台車であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、レール工法において、インバート施工部より先へ、軌道走行車両を通すことができる効果を奏する。又、レール工法において、インバート施工作業に必要な軌道走行車両を搭載したまま移動式桟橋を走行させることによって、インバート施工作業の効率化を図ることができる効果を奏する。
【0024】
請求項2の発明によれば、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みできるため、インバート施工部の掘削の土砂積み込みを効率的に行うことができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、コンクリート打設時に、アジテータカーを搭載した状態で、移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うため、コンクリート打設作業を容易に行うことができる効果を奏する。 請求項4の発明によれば、請求項1のインバート施工法に、好適に直接使用することができる。又、移動式桟橋の車両通行部である桟橋路面の高さ(すなわち、桟橋路面高さ)を低くすることができ、そのことによって、桟橋路面上のレールと、トンネル路面上のレールとを繋ぐために設けられる傾斜部材上のレールの勾配を、バッテリ式機関車等の動力車が登坂可能な勾配に容易にすることができる。この結果、トロッコ等の土砂運搬車両を、養生場所を越えて、トンネル切羽まで、移動させることができる。
【0026】
請求項5の発明によれば、基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことにより、移動式桟橋の車両通行部である桟橋路面の高さ(すなわち、桟橋路面高さ)を低くすることができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、可動レールが固定レールに対して、横方向に揺動自在に設けられているため、トンネルがカーブしている場所では、該トンネルのカーブに応じて、可動レールを揺動させて配置することができ、運搬車両を、レールに対してスムーズに走行させることができる。
【0028】
請求項7の発明によれば、傾斜部材のレールをトンネル路面上のレールに対して傾斜して連結すると、運搬車両を、トンネル路面上のレールから傾斜部材のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、車両通行部上のレールから傾斜部材のレールを介してトンネル路面上のレールに移動可能にすることができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、台車が、旋回ボギー台車であることにより、トンネルがカーブしているところでも、好適に走行することができる。
請求項9の発明によれば、昇降装置により、基台とともに台車をトンネル路面から上昇させた状態で、移動レール移動機構により、移動レールを基台の長手方向に移動させ、その後、昇降装置により、基台とともに台車を移動レール上に載せた状態とすることができる。そして、台車により、容易に移動式桟橋を移動レール上において走行させることができる。
【0030】
請求項10の発明によれば、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えることにより、前記型枠を、該支持手段にて吊下支持した状態で、インバートコンクリートを打設する場所迄、容易に運ぶことができる。
【0031】
請求項11の発明によれば、台車を自走台車とすることにより、移動式桟橋を自走させることができ。この結果、重機等により、移動式桟橋を索引する場合よりも、牽引のために重機等にワイヤ等を繋ぐ作業や、ワイヤ等の取り外し作業が省略でき、移動を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した一実施例の移動式桟橋を図1〜16を参照して説明する。
移動式桟橋10は、基台100、レール200、傾斜部材250、自走機構300、移動レール350、移動レール移動機構370、移動レール吊下手段380、昇降装置としてのアウトリガー400等を備える。
【0033】
(基台100)
基台100は、枠体110、踏板150等を備える。枠体110は、図3に示すように、略チャンネル状に形成された複数の枠120と一対の側壁130から構成されている。枠120は、梁122と、梁122の両端から上方に突出された柱部124からなる。各枠120の柱部124上部は、側壁130を介して互いに連結されている。
【0034】
図4に示すように、梁122は、後述する自走機構300の車輪312の高さよりも、低くなるように配置されている。図3に示すように、各枠120の梁122上には、所定ゲージ離間した一対のレール200が架設されるとともに、レール200と柱部124の基端間には、踏板150が架設されている。又、レール200の間には、着脱自在に、複数の中間パネル160が載置されている。なお、図2においては、中間パネル160は説明の便宜上、省略されている。
【0035】
レール200と、踏板150を備えることにより、基台100には、車両通行部Sが構成されている。すなわち、レール200を備えることにより、レールを使用して走行する車両(喩えば、トロッコ等の土砂運搬車両等)の通行が可能である。又、図13に示すように、踏板150により、重機Gの通行が可能である。又、基台100の側壁130上には、3つの櫓140,141,142が設けられている。
【0036】
(レール200)
図2に示すように、車両通行部Sの各レール200は、固定レール210と、可動レール220からなる。固定レール210は、車両通行部Sの両端部近傍を除いた各梁122の上面に、水平となるように固定されている。図2に示すように車両通行部Sの両端部及びその近傍には、可動レール支持枠体230が踏板150上を水平移動自在に配置されている。各可動レール220は、前記可動レール支持枠体230上に固定されている。そして、各可動レール220は、その被支持部22において、各固定レール210の端部に対してそれぞれ横方向に揺動自在に連結されており、トンネルのカーブに応じて、変位可能である。図5に示すように、可動レール220に対応した、梁122には、駆動手段としての油圧シリンダ126が取付されている。油圧シリンダ126のロッド128は、可動レール支持枠体230に連結されている。従って、油圧シリンダ126の作動により、可動レール220は、変位可能とされている。踏板232は、可動レール支持枠体230の幅方向の両側部から張り出しされており、可動レール支持枠体230が可動レール220とともに変位した際に、踏板150上に重ね合わされた状態で変位する。
【0037】
油圧シリンダ126と、可動レール支持枠体230とにより、レールスライド装置240が構成されている。
各可動レール220の先端には、レールとしてのレール材260が、上下方向に揺動自在に連結されている。各レール材260は、その下面において、枠状に形成された傾斜部材250を介して互いに連結されている。図6に示すように、レール材260の先端上面は、先端側の高さが低くなるように、すなわち、先端が尖るように斜状に形成されている。
【0038】
(自走機構300)
自走機構300は、自走台車310と、自走台車310を駆動する駆動機構320とから構成されている。本実施形態では、自走台車310は、旋回ボギー自走台車とされている。図1(a),(b)及び図4に示すように自走台車310は、基台100の前部(トンネル切羽側をいう)、及び後部(トンネル坑口側をいう)において、側壁130の下面に対して、その幅方向の両側部に位置するように取付けされている。すなわち、側壁130よりも下方であって、枠120の柱部124間に位置するように、自走台車310は配置されている。自走台車310は、前後に一対の車輪312を備えている。図7に示すように一対の車輪312は、それぞれスプロケット314を備えている、両スプロケット314には、無端状のチェン315が巻回されている。又、一方の車輪312には、スプロケット316が設けられている。駆動機構320では、駆動源としての電動モータ322が、減速機構324を介してスプロケット326を回転駆動する。そして、駆動機構320のスプロケット326と、スプロケット316間には、無端状のチェン318が巻回されており、電動モータ322が回転駆動することにより、減速機構324、スプロケット326、チェン318、スプロケット316を介して、車輪312を回転させる。
【0039】
ここで、車輪312と、前記レール200との位置関係について説明する。前述したように、梁122は、車輪312の高さよりも、低くなるように配置されている(図4参照)。その梁122上に、レール200が取付されて、レール200の配置高さH1は、車輪312の高さH2よりも低くなるようにされている。
【0040】
なお、レール200の配置高さH1は、車輪312が走行する部位(移動レール350の上面)からの高さをいう(図3参照)。又、車輪312の高さH2は、車輪312が走行する部位(移動レール350の上面)からの高さをいう(図4参照)。ここで、図3に示すように、H0は、移動レール350の上面から、踏板150迄の高さであり、桟橋路面高さに相当する。踏板150の上面は桟橋路面に相当する。なお、踏板150を省略する場合は、車両通行部Sは、レール走行が可能な車両のみが通行できるため、H0はH1に等しい。
【0041】
本実施形態では、車輪312が走行する部位は、後述する移動レール350である。図4においては、車輪312には、フランジ312aが形成されているが、車輪の高さH2は、フランジ312aは含まない趣旨であり、車輪312が走行する部位(すなわち、移動レール350)に接する周部の直径に等しい。
【0042】
本実施形態では、基台100の幅方向両側部に、それぞれ自走台車310を配置して、その間にスペースを確保し、両自走台車310間に位置するように、レール200を配置したため、レール200の配置高さH1を、車輪312の高さH2よりも低くできる。
【0043】
(移動レール350及び移動レール吊下手段380)
基台100の前部側(図1(a)において、左側)の各自走台車310の下方には互いに同じ長さの一対の移動レール350が配置されている。移動レール350は、断面I形を有しており、車輪312が、走行可能である。移動レール350の下部には、レール安定部材355が溶接等により固定されている。レール安定部材355の下面は、平面に形成されているとともに、移動レール350の下部下面よりも下面の面積が広くされている。そして、レール安定部材355は、移動レール350の長手方向に沿って配置されている。
【0044】
移動レール吊下手段380は、レール安定部材355とともに移動レール350を吊下げ支持するためのものである。図11(a)に示すように移動レール吊下手段380は、各自走機構300に対応して、基台100の前部及び後部の幅方向の両側部において、側壁130の下部に対して複数設けられている。なお、図11(a)の移動式桟橋10では、一部(例えばレール200等)は省略して図示されている。
【0045】
図12(a)、(b)に示すように、移動レール吊下手段380は、側壁130に吊下げされたレバーブロック382と、レバーブロック382からチェン383を介して吊り下げたクランプ装置384とを備える。
【0046】
クランプ装置384は、ピン385に対して上端が移動自在に連結され、互いに対向して配置された一対のクランプ386と、両クランプ386の中央部に貫通取着されたスクリュー387とを備える。クランプ装置384は、スクリュー387をクランプ386に対して、進退操作することにより、両クランプ386の下端部にて、移動レール350の上端を着脱自在に把持することが可能である。
【0047】
又、レバーブロック382のレバーを操作することにより、レバーブロック382から吊下げされるチェン383の長さの調節が可能である。なお、レバーブロックに代えて吊下手段として、例えば、チェンブロックとしても良い。
【0048】
(移動レール移動機構370)
図1(a)、(b)、図11に示すように、移動レール移動機構370は、各自走機構300に対応して、複数設けられており、基台100の幅方向において、各側部の前部、及び中央部の側壁130に対して支持されている。移動レール移動機構370は、ウインチにて構成されている。該ウインチから導出されたワイヤ372は、フック等により、対応する各自走機構が走行する移動レール350の前端に着脱自在取着可能である。なお、転向プーリ373は、枠120に設けられており、ワイヤ372の向きを変更するためのものである。
【0049】
移動レール移動機構370は、図示しない電動モータにより、駆動することにより、ワイヤ372を介して、移動レール350及びレール安定部材355を牽引して移動することが可能である。
【0050】
(アウトリガー400)
図9、図10に示すようにアウトリガー400は、各側壁130(すなわち、基台10)の前端部、及び後端部にそれぞれ設けられている。アウトリガー400は、側壁130の各端部に対してピン412を介して、横方向に揺動自在に支持された外筒410と、外筒410から下方へ進退自在に設けられた内筒420とを備えている。内筒420は、内部に図示しない油圧シリンダが作動連結されており、該油圧シリンダの作動により、下方へ進出、又は上方へ縮退可能である。図1(a)、(b)に示すように、各アウトリガー400に近接した側壁130には、第2駆動手段としての油圧シリンダ414が取付けされている。油圧シリンダ414のロッド416は、外筒410に連結されている。従って、油圧シリンダ414の作動により、アウトリガー400は、横方向に揺動自在とされている(図10参照)。アウトリガー400を横方向に揺動自在に構成したことにより、トンネルのカーブに応じてアウトリガー400を配置することができる。この結果、前記可動レール220とともに、アウトリガー400がトンネルのカーブに応じて適正に配置できることにより、アウトリガー400が車両の通行に障害となることがなく、車両の通行を安全に行うことが可能とされている。
【0051】
基台100の前端部側に配置された一対のアウトリガー400の内筒420下端には、回動自在にシャフト423を支持するブラケット422が設けられている。そして、該前端部側のアウトリガー400の内筒420同士は、前記シャフト423に対して取着されたベース430を介して連結されている(図8,9参照)。
【0052】
なお、ベース430のブラケット422に対する回動は、図8に示すように、ベース430のブラケット422に対する取付部430aがブラケット422の下面422aに対して係止することにより、制限されるようにされている。
【0053】
基台100の後端部側のアウトリガー400同士においても、同様の構成を備えている。すなわち、その内筒420下端間は、ブラケット422及びベース430を介して連結されている。そして、アウトリガー400の作動により、ベース430をトンネルの底に対して、当接した状態で、基台100の昇降が可能である。
【0054】
又、ベース430は、図6、図11(b)に示すように、傾斜部材250の下面に当接可能に傾斜部材250の下方に配置されており、ベース430が昇降することにより、傾斜部材250を介して、レール材260の昇降が可能である。
【0055】
なお、以下で、説明の便宜上、基台100(すなわち、側壁130)の前端部側のアウトリガー400を単に「前部のアウトリガー400」といい、基台100の後端部側のアウトリガー400を単に「後部のアウトリガー400」という。
【0056】
(インバートコンクリート型枠の吊下)
図13に示すように、基台100前部側の両側壁130外面(車両通行部Sとは反対側面)には、その長手方向に沿って複数箇所に、それぞれチェンブロック500が吊下げ支持されている。なお、図13においては、一方の側壁130側のチェンブロック500のみ図示している。各チェンブロック500のチェン510には、フック512を介して、共通のインバートコンクリートの側部型枠600が着脱自在に吊下支持可能である。
【0057】
又、チェンブロック500が吊下支持された側壁130には、図1(a)に示すように窓132が形成されており、窓132を介して、車両通行部S側からチェンブロック500の操作が可能である。
【0058】
又、図13に示すように、基台100前部側において、一対のレール200(特に、可動レール220)上には、複数の型枠吊フレーム540が着脱自在に載置可能である(図13では、1つの型枠吊フレーム540のみ図示)。各型枠吊フレーム540には、チェン542を介して、インバートコンクリート上面中央部に設けられる共通の中央排水溝用型枠650が着脱自在に吊下支持可能とされている。なお、可動レール220から、型枠吊フレーム540により、中央排水溝用型枠650を吊下支持する場合、中間パネル160は、取り外すものとする。
【0059】
又、図11(b)に示すように、基台100前部側の両側壁130下部には、一対のチェンブロック670が吊下げ支持されている。なお、図11(b)においては、一方の側壁130側のチェンブロック670のみ図示している。各チェンブロック670のチェン680には、図示しないフックを介して、インバートコンクリートの妻板610が着脱自在に吊下支持可能である。妻板610は、インバートコンクリートを打設する際の型枠に相当する。又、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670
は、支持手段に相当する。
【0060】
さて、上記のように構成された移動式桟橋10を使用して、インバートコンクリートを打設する際の作業について図14〜16を参照して説明する。
1. 移動式桟橋10の設置
この作業は、移動式桟橋10をトンネル内のインバートコンクリート打設完了域Krの端上に設置する作業である(図14(a)参照)。なお、図14〜図16において、Lは移動レール350が位置する範囲を示すための符号である。
【0061】
説明の便宜上、移動レール350は、図14(a)に示す位置に載置されているものとする。前部側の移動レール350の載置位置は、インバートコンクリート打設完了域Krの終端に、前部側の移動レール350の一端が一致するように配置されているものとする。又、後部側の移動レール350の載置位置は、前部側の自走台車310が前部側の移動レール350を走行する際に、支障なく、後部側の自走台車310が、後部側の移動レール350上を走行できるようにした位置である。
【0062】
このように、移動レール350が配置された状態で、移動式桟橋10をインバートコンクリート打設完了域Krの端に配置し(図14(a)参照)、前後両部のアウトリガー400を昇降させる。この状態で、前後両部のアウトリガー400をトンネルの底部及び打設を完了したインバートコンクリート上面に接地し、基台100を支える。なお、前部のアウトリガー400は、打設を完了した端の近傍の地上(インバートコンクリートが未打設の地上)に接地する。一方、後部のアウトリガー400は、本坑レールR1の端部近傍の打設を完了したインバートコンクリートKの上面に接地する。インバートコンクリートKの上面はトンネル路面に相当する。前後両部のアウトリガー400が接地されると、移動レール350に自走台車310の車輪312が載る。又、後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が接地され、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に乗り、トロッコ等の土砂運搬車両等の車両が、移動式桟橋10に搭載可能となる。
【0063】
次に、本坑レールR1から、移動式桟橋10のレール200に土砂運搬車両(図示しない)を移動させ、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を移動式桟橋10の前端部で停止させる。この状態で、バックホーBにより、打設を完了したインバートコンクリートKの端よりも、トンネル切羽側に寄ったインバートコンクリートが未打設の領域M(この領域Mは、次にインバートコンクリートを打設する領域を含む)の地面を掘削する。この時掘削して出た土砂は、移動式桟橋10上のバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両に直接積み込みした上でトンネル外部に搬出する。又、トンネル切羽側に寄ったインバートコンクリートが未打設の領域Mの掘削進行度合いに応じて、前後両部のアウトリガー400の接地を解除して、前記移動式桟橋10を切羽側へ順次走行移動させ、再びアウトリガー400を接地させた状態にする。ここでの作業は、請求項1の第1ステップに相当する。なお、土砂の積み込みは直接土砂運搬車両に積み込み積み込みする他に、ベルトコンベアを介して間接的に行っても良い。しかし、間接的に行う場合は、ベルトコンベアの設置、取り外し作業を行う必要があるため、作業軽減のためには、土砂を土砂運搬車両に直接積み込みした方が好ましい。又、トンネル切羽側に寄ったインバートコンクリートが未打設の領域Mは、インバート施工部に相当する。
【0064】
2.型枠移動
バックホーBによる領域Mの掘削が終了すると、移動式桟橋10を、トンネル切羽側へ移動する作業となる。
【0065】
先ず、基台100の前部側の中間パネル160を外して、型枠吊フレーム540をレール200にセットする。続いて、前後両部のアウトリガー400を上昇させた後、車輪312を駆動機構320にて自走させて、移動式桟橋10を所定位置(例えば、図14(a)と図14(b)でそれぞれ示す移動式桟橋10の位置の中間位置)迄、前進させて停止させる。
【0066】
この状態で、側部型枠600,中央排水溝用型枠650,及び妻板610を、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670にて吊下げする。続いて、移動式桟橋10を自走させて、図14(b)に示すように、次に打設する領域まで進出させ、前記型枠を運搬する。
【0067】
3.型枠セット
次に、前部のアウトリガー400を、掘削が行われていない、トンネル切羽側の地面Z上に接地し、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。そして、型枠を、下ろして、チェンブロック500,型枠吊フレーム540、チェンブロック670から外して設置させ仮置きする。この後、前後両部のアウトリガー400を上昇させ、図15(a)に示すように後の型枠セット作業ができるように、移動式桟橋10が型枠セット作業の邪魔にならない位置(図14(a)で示す位置)迄、移動式桟橋10を自走により、後退させる。後退後は、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に乗り、レールを走行する車両が、移動式桟橋10に搭載可能となる。
【0068】
この後、作業員は、仮置きした型枠のセット作業を行う。
4. インバートコンクリート打設
ここでの作業は、インバートコンクリートを打設するための作業である。
【0069】
型枠のセット完了後、コンクリートを打設するために、図示しないアジテーターカーやポンプ車等を、本坑レールR1からレール材260を介してレール200上を走行させて移動式桟橋10に搭載する。そして、前後両部のアウトリガー400を上昇させた後、移動式桟橋10を自走させて、前後進停止を繰り返す。前後進させる場合は、前後両部のアウトリガー400を上昇させた状態とし、停止したとき、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地した上で、領域Mにおいて、型枠がセットされた部分に対してコンクリートを打設する。
【0070】
図15(b)では、インバートコンクリートの打設が完了した時の、移動式桟橋10の位置が示されている。このようにしてインバートコンクリートの打設が終了した後は、移動式桟橋10を図14(a)で示す位置迄、移動式桟橋10を自走により、後退させ、後部のアウトリガー400をインバートコンクリートKの上面に接地する。後部のアウトリガー400が接地されると、後端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、インバートコンクリートK上の本坑レールR1に接続される。この後、移動式桟橋10に搭載した、図示しないアジテーターカーやポンプ車を本坑レールR1を介してトンネル外部へ退出させる。アジテーターカーやポンプ車は、コンクリート打設関連車両に相当し、ここでの作業は、請求項1の第2ステップに相当する。
【0071】
5. インバートコンクリートの養生
ここでの作業は、打設したインバートコンクリートの養生に必要とする期間を利用して行われる作業である。特徴的なのは、インバートコンクリートを養生するための期間において、トンネル切羽側へバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両の移動や、或いは、機材運搬車両の移動が、本坑レールR1、レール200、トンネル路面としてのトンネル切羽側の地面に設けられた本坑レールR2を介して行われることである。前記バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両の移動や、或いは、機材運搬車両は、軌道走行車両に相当する。又、移動式桟橋10では、重機Gや、ダンプカー等の移動が車両通行部Sに設けられた踏板150,232上を走行することにより行うこともできることである。なお、重機Gやダンプカー等のレール上を走行しない車両を、インバートコンクリートK上面から移動式桟橋10に搭乗させる場合、踏板150とインバートコンクリートK上面間に傾斜板(図示しない)を掛け渡すものとする。又、移動式桟橋10から、トンネル切羽側の地面Zへ重機G等を下ろす場合は、踏板150と、トンネル切羽側の地面Z間に傾斜板(図示しない)を掛け渡すものとする。
【0072】
以下では、代表的にバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル切羽側へ移動させる場合について説明する。
「4.インバートコンクリート打設」の後、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を移動式桟橋10に搭載した後、前後両部のアウトリガー400を上昇させ、移動式桟橋10を、図15(b)に示すように、移動式桟橋10の前端部が本坑レールR2の始端に近い近位位置に位置する迄、前進して自走させる。
【0073】
次に、移動式桟橋10を停止させた後、前部のアウトリガー400をトンネル切羽側の地面Z上に接地させる。前部のアウトリガー400が接地されると、前端部側の傾斜部材250が下ろされ、レール材260の先端が、トンネル切羽側の地面Z上の本坑レールR2に乗り、移動式桟橋10のレール200に載った車両が、本坑レールR2に移動することが可能となる。この状態で、移動式桟橋10に搭載したバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両を本坑レールR2上に移動させ、トンネル切羽側へ走行させる。
【0074】
又、土砂を搭載してトンネル切羽側から移動してきた、バッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両は、本坑レールR2から、前端部側の傾斜部材250のレール材260を介して移動式桟橋10に搭載させる。この後、前述した「4.インバートコンクリート打設」で説明したときと同様に、移動式桟橋10を自走で後退させて、後部のアウトリガー400を接地することにより、後端部側の傾斜部材250を下ろして、レール材260を本坑レールR1に接続させる。この後、移動式桟橋10上のバッテリ車付きのトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル外部に移動させる。
【0075】
なお、図15(b)において、Kaは、養生中のインバートコンクリートの領域を示している。ここでの作業は、請求項1の第3ステップに相当する。
6.脱型枠
ここでの作業は、養生が終了したインバートコンクリートの型枠の脱型枠作業である。前後両部のアウトリガー400を上昇させ、図16(a)に示すように後の脱型枠作業ができるように、移動式桟橋10が脱型枠作業の邪魔にならない位置(図14(a)で示す位置)迄、移動式桟橋10を自走により、後退させる。(なお、側部型枠600については、移動式桟橋10を後退させる前に、チェンブロック500を操作することにより、脱型枠作業を補助するようにしてもよい。)
この状態で、作業員は、型枠を養生が完了したインバートコンクリートから剥離、脱型する。次に、踏板150とインバートコンクリートK上面間に傾斜板(図示しない)を掛け渡して、重機Gを、インバートコンクリートK上面から移動式桟橋10に搭乗させ、前後両部のアウトリガー400を上昇させた状態で、移動式桟橋10を自走で前進させて、離型した型枠を仮置き場所(図示しない)に置くために、所定の位置で停止させる。このとき、後部のアウトリガー400は、接地させる。そして、移動式桟橋10に搭載した重機Gにより、離型した型枠をトンネル内の所定の位置に仮置きする。なお、作業が終了した重機Gは、移動式桟橋10を図14(a)に示す位置まで後退させた後、傾斜板(図示しない)を踏板150とインバートコンクリートK上面間に掛け渡した後、移動式桟橋10から下ろす。
【0076】
7. 移動レール移動
ここでの作業は、次のインバートコンクリート打設を行うための準備作業である。
後部のアウトリガー400を上昇させた後、移動式桟橋10を図16(b)で示す位置(図15(b)に示す位置と同じである)迄、前進して自走させる。この後、前後両部のアウトリガー400を接地させる。このときの前後両部のアウトリガー400の接地は、上記「1.移動式桟橋10の設置」〜「6.脱型枠」で説明した「接地」とは異なり、基台100を浮かせるための接地であり、この接地により、自走台車310の車輪312をインバートコンクリートK上面に載置した移動レール350から浮かせる。
【0077】
次に、移動レール350を、移動レール吊下手段380により、吊下げして、インバートコンクリートK上面から所定距離離間する。この所定距離は、後述するレール安定部材355下面に、後述するタイヤTを着脱可能に装着するためのスペースを確保するためのものである。
【0078】
この状態で、図12(c)に示すように、レール安定部材355に対して、取付部材TaにてタイヤTを取着する。なお、タイヤTは、取付部材Taに対して、回動自在に支持されている。取付部材Taは、レール安定部材355下部両側に形成された翼片356に対して、レール安定部材355の長手方向からスライド自在に嵌合するための嵌合溝Tcを備えている。そして、嵌合溝Tcに翼片356を嵌合した状態で、取付部材Taに螺合したネジ部材Tdにて、翼片356を締め付けることにより、取付部材Taがレール安定部材355に取付けされる。又、ネジ部材Tdの締め付けを解除することにより、取付部材Taをレール安定部材355から取り外すことが可能である。
【0079】
このように、タイヤTをレール安定部材355に取付けした後、クランプ装置384の移動レール350に対するクランプを解除して、移動レール350をインバートコンクリートK上面に載置する。その後、移動レール移動機構370のワイヤ372を、図示しないフック等を介して移動レール350前端に取着する。
【0080】
そして、移動レール移動機構370により、ワイヤ372を介して、移動レール350及びレール安定部材355を牽引することにより、移動レール350及びレール安定部材355を移動させる。このとき、レール安定部材355はタイヤTが取着されているため、容易に移動させることができる。
【0081】
次の作業に必要な分、移動レール350を移動させた後、タイヤTをレール安定部材355から外す。この後、前後両部のアウトリガー400を接地させ、自走台車310の車輪312を移動レール350上に載せる。
【0082】
以下、同様にインバートコンクリートの打設・養生のための作業を繰り返す。
さて、以上のように構成された自走台車310の特徴を以下に述べる。
(1) 本実施形態では、移動式桟橋の桟橋路面高さH0を低くすることができ、そのことによって、桟橋路面(踏板150の上面)上のレール200と、トンネル路面上のレール(本坑レールR1,R2)とを繋ぐために設けられる傾斜部材250上のレール(レール材260)の勾配を、バッテリ式機関車等の動力車が登坂可能な勾配に容易にすることができる。このことによって、断面積が小さいトンネルの掘削工事において、レール工法を採用する場合、トンネル切羽側迄、インバートコンクリート養生中において、移動式桟橋10を使用して、トロッコ等の土砂運搬車両を移動させることができる。
【0083】
(2) 本実施形態では、移動式桟橋10を使用することによりインバートコンクリート養生中において、レール200を走行するトロッコ等の土砂運搬車両をトンネル切羽側に対して移送し、反対に、トンネル切羽側から、トンネル坑口側へ移送できる。このことから、従来と異なり、インバートコンクリートの打設している場所を跨ぐようにして、ベルトコンベア装置を設ける必要がない。
【0084】
(3) 本実施形態では、アウトリガー400を、基台100に対して横方向に揺動自在に設けて、油圧シリンダ414にて、アウトリガー400を揺動駆動するようにした。このため、トンネルがカーブしている場合でも、そのトンネルのカーブ度合いに応じてアウトリガー400を揺動し、適切な位置で、アウトリガー400のベース430を接地することができる。
【0085】
(4) 本実施形態では、移動式桟橋10を使用することによりインバートコンクリート養生中において、レール200を走行する機材運搬車等の車両や、或いは、踏板150を走行する重機等の車両をトンネル切羽側に対して、移送することができる。又、反対に、トンネル切羽側から、トンネル坑口側へ移送することもできる。
【0086】
(5) 本実施形態では、移動式桟橋10は、インバートコンクリート打設の際に使用される型枠を運搬することができるため、型枠運搬の作業を軽減できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0087】
○ 前記実施形態では、レール200を各固定レール210と、可動レール220にて構成したが、トンネルがカーブを有しない場合には、可動レール220を省略して、該可動レール220に相当する部分も固定レールにて構成しても良い。こうすると、レールスライド装置240を省略できる。
【0088】
○ 前記実施形態では、前記傾斜部材250のレール材260を、レール200に対して揺動自在に連結したが、レール材260をレール200から分離してもよい。そして、この分離した傾斜部材250上のレール材260を使用する際には、基台100のレール200と、本坑レールR1,R2に対して連結するように配置すればよい。
【0089】
○ トンネルがカーブを有しない場合には、移動式桟橋10の自走台車310を旋回ボギー台車にする必要はなく、旋回しない台車としても良い。この場合、アウトリガー400を側壁13端部に対して取付けする場合、横方向に揺動するための装置、例えば、油圧シリンダ414や、ピン412等を省略できる。
【0090】
○ 前記実施形態の校正中、踏板150を省略してもよい。このようにしても、レール走行のみできる車両のみが移動式桟橋10を使用して、トンネル坑口から、養生場所を越えて、トンネル切羽側へ、或いは、トンネル切羽側からトンネル坑口側へ、養生場所を越えて、レール走行可能な車両が通行できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】(a)は一実施形態の移動式桟橋の前部の概略図、(b)は、移動式桟橋の後部の概略図。
【図2】同じく移動式桟橋の前部側の一部省略平面図。
【図3】枠体及び車両通行部の断面図。
【図4】自走台車の側面図。
【図5】レールスライド装置240の説明図。
【図6】傾斜部材250,レール材260の説明図。
【図7】自走機構300の説明図。
【図8】アウトリガーのベースの説明図。
【図9】アウトリガーの正面図。
【図10】アウトリガーの平面図。
【図11】(a)は、一部を省略し、移動レール吊下手段を配置した状態を示すための移動式桟橋の全体概略図、(b)は、同じく一部を省略した移動式桟橋のトンネル切羽側端部の概略図。
【図12】(a)、移動レール吊下手段の正面図、(b)は、移動レール吊下手段の一部省略側面図、(c)は移動レールにタイヤTを取着した状態の一部省略側面図。
【図13】移動式桟橋10の断面図。
【図14】(a),(b)は移動式桟橋10の作用の説明図。
【図15】(a),(b)は移動式桟橋10の作用の説明図。
【図16】(a),(b)は移動式桟橋10の作用の説明図。
【符号の説明】
【0092】
10…移動式桟橋
100…基台
200…レール
210…固定レール
220…可動レール
240…レールスライド装置
250…傾斜部材
260…レール材
300…自走機構
350…移動レール
370…移動レール移動機構
380…移動レール吊下手段
400…アウトリガー(昇降装置)
S…車両通行部
H0…桟橋路面高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルインバート施工法において、
基台に設けられた台車の車輪の高さよりも該基台に設けられたレールが低く配置された移動式桟橋の前記レールに、少なくとも土砂運搬車両を搭載して、インバート施工部の掘削時に、該土砂運搬車両に掘削時に生ずる土砂を積み込みし、該土砂運搬車両の通行により、前記土砂を搬出する第1ステップと、
前記インバート施工部の掘削後に、前記移動式桟橋を該インバート施工部上に移動して、前記移動式桟橋上に設けたレール上にコンクリート打設関連車両を走行停止させて、前記インバート施工部に対してコンクリート打設を行う第2ステップと、
前記インバート施工部のインバートコンクリート養生中に、前記レール上に軌道走行車両を搭載させた状態で前記移動式桟橋を移動させて、前記インバート施工部よりも、トンネル切羽側に前記軌道走行車両を運搬する第3ステップを含むことを特徴とするトンネルインバート施工法。
【請求項2】
前記第1ステップでは、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みすることを含むことを特徴とする請求項1に記載のトンネルインバート施工法。
【請求項3】
前記コンクリート打設関連車両には、アジテータカーを含み、前記第2ステップでは、コンクリート打設時に、前記アジテータカーを搭載した状態で、前記移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うことを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネルインバート施工法。
【請求項4】
基台上に設けられた車両通行部には、車両を通行させるためのレールを設け、
該基台には、基台を走行させるための台車を設け、
前記車両通行部に設けた前記レールを前記台車の車輪の高さよりも低く配置したことを特徴とする移動式桟橋。
【請求項5】
前記台車は、前記基台の幅方向の両側にそれぞれ配置されており、
該基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことを特徴とする請求項4に記載の移動式桟橋。
【請求項6】
車両通行部のレールは、固定レールと、該固定レールの長手方向の両端に対して、横方向に揺動自在に設けた可動レールを含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の移動式桟橋。
【請求項7】
前記車両通行部に対して、レールを備えた傾斜部材を上下方向に揺動自在に配置し、
前記運搬車両を、トンネル路面上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、前記車両通行部上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記トンネル路面上のレールに移動可能としたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項8】
前記台車は、旋回ボギー台車であることを特徴とする請求項4乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項9】
前記基台には、該基台を前記台車とともに昇降する昇降装置を設け、
前記基台には、移動レールを、該基台の長手方向に移動させる移動レール移動機構を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項10】
前記基台には、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項11】
前記台車は、自走台車であることを特徴とする請求項4乃至請求項10のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項1】
トンネルインバート施工法において、
基台に設けられた台車の車輪の高さよりも該基台に設けられたレールが低く配置された移動式桟橋の前記レールに、少なくとも土砂運搬車両を搭載して、インバート施工部の掘削時に、該土砂運搬車両に掘削時に生ずる土砂を積み込みし、該土砂運搬車両の通行により、前記土砂を搬出する第1ステップと、
前記インバート施工部の掘削後に、前記移動式桟橋を該インバート施工部上に移動して、前記移動式桟橋上に設けたレール上にコンクリート打設関連車両を走行停止させて、前記インバート施工部に対してコンクリート打設を行う第2ステップと、
前記インバート施工部のインバートコンクリート養生中に、前記レール上に軌道走行車両を搭載させた状態で前記移動式桟橋を移動させて、前記インバート施工部よりも、トンネル切羽側に前記軌道走行車両を運搬する第3ステップを含むことを特徴とするトンネルインバート施工法。
【請求項2】
前記第1ステップでは、インバート施工部の掘削進行度合いに応じて、前記移動式桟橋を移動させて、前記土砂運搬車両に土砂を直接積み込みすることを含むことを特徴とする請求項1に記載のトンネルインバート施工法。
【請求項3】
前記コンクリート打設関連車両には、アジテータカーを含み、前記第2ステップでは、コンクリート打設時に、前記アジテータカーを搭載した状態で、前記移動式桟橋を前進後退させることによりコンクリート打設を行うことを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトンネルインバート施工法。
【請求項4】
基台上に設けられた車両通行部には、車両を通行させるためのレールを設け、
該基台には、基台を走行させるための台車を設け、
前記車両通行部に設けた前記レールを前記台車の車輪の高さよりも低く配置したことを特徴とする移動式桟橋。
【請求項5】
前記台車は、前記基台の幅方向の両側にそれぞれ配置されており、
該基台の幅方向の両側に配置した台車の間に、前記車両通行部に設けた前記レールを配置したことを特徴とする請求項4に記載の移動式桟橋。
【請求項6】
車両通行部のレールは、固定レールと、該固定レールの長手方向の両端に対して、横方向に揺動自在に設けた可動レールを含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の移動式桟橋。
【請求項7】
前記車両通行部に対して、レールを備えた傾斜部材を上下方向に揺動自在に配置し、
前記運搬車両を、トンネル路面上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記車両通行部上のレールに移動可能、又は、前記車両通行部上のレールから前記傾斜部材上のレールを介して前記トンネル路面上のレールに移動可能としたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項8】
前記台車は、旋回ボギー台車であることを特徴とする請求項4乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項9】
前記基台には、該基台を前記台車とともに昇降する昇降装置を設け、
前記基台には、移動レールを、該基台の長手方向に移動させる移動レール移動機構を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項10】
前記基台には、インバートコンクリート用の型枠を吊下支持する支持手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項9のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【請求項11】
前記台車は、自走台車であることを特徴とする請求項4乃至請求項10のうちいずれか1項に記載の移動式桟橋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−336259(P2006−336259A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160597(P2005−160597)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000158725)岐阜工業株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000158725)岐阜工業株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
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