説明

トンネル内の間隙中詰め方法

【課題】エアモルタルを用いて長距離トンネル内の間隙を効率良く中詰めすることのできるトンネル内の間隙中詰め方法を得る。
【解決手段】エアモルタルを用いてトンネル内の間隙を中詰めする方法であって、トンネル外でモルタル14を製造してトンネル内に圧送するモルタル圧送ステップと、トンネル内で気泡を生成するステップと、トンネル内に圧送されたモルタル14にトンネル内で生成された気泡を混合してトンネル内でエアモルタルを製造するエアモルタル製造ステップと、エアモルタルを用いて間隙を中詰めするステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内の間隙を中詰めする方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エアーモルタルを用いて目的個所を充填固結する工法に関し、『炭酸カルシウムを主成分とした岩石粉MPグラウトでエアーモルタルを製造し、単位当たりのセメント量とMPグラウト量を出来るだけ少量にて基準強度を確保しながら1000m以上の長距離圧送においても容積減少を起こさず安定した性状を保持して所定個所を充填固結させる事。』を目的とした技術として、『セメントとMPグラウト及び水にてスラリー状とし、APフォームと水及び圧縮空気にて泡沫となった気泡群とを混合してMPグラウトエアーモルタルを混練製造し、所定個所を充填固結させる』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、中詰め材に関し、『高流動性を長時間保持して、輸送可能距離を倍程度に延ばすことができ、高い充填性を確保することができ、十分な作業時間を確保することができる中詰め材を提供する。』ことを目的とした技術として、『セメント・ベントナイトを主材とする中詰め材に、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸カルシウムを加えることで、流動性を確保することができ、また、十分な作業時間を確保するために遅延型分散剤(遅延剤としてリグニンスルホン酸カルシウム)を使用することで、十分な作業時間を確保することができ、さらには、金属アルミニウムを添加して水酸化カルシウムとの反応により水素ガスを発生させて発泡・膨潤させるように構成した中詰め材。』というものが提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、外管と内管との空隙充填工法に関し、『外管と内管との空隙にセメントを主成分とする中詰め材を2サイクル以上の施工サイクルにわたって注入し、中詰め材を硬化させる工法において、配管を洗浄することなく、注入作業に必要な配管を最小限とし、配管内で放棄される中詰め材の無駄をなくし、配管の空隙内への設置や接続の作業を軽減する。』ことを目的とした技術として、『外管1の長さと内管2の長さとが1サイクル分の施工距離A、B、Cよりも長い。中詰め材を注入するための配管4を空隙3に挿入し、同一の配管4から中詰め材を空隙へと注入する作業を、配管を洗浄および置換することなく2サイクル以上にわたって行い、この間少なくとも各施工サイクルの終わりに中詰め材の注入を終了する際には、凝結遅延剤を含有する中詰め材を配管の内部に充填する。』というものが提案されている(特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−3771号公報(要約)
【特許文献2】特開2007−169974号公報(要約)
【特許文献3】特開2000−274187号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シールド工法を用いたトンネル施工では、シールド堀進機を推進させてトンネルを構築し、シールド堀進機の後部でシールドセグメントを組み立てて一次覆工とする。
上記特許文献3に記載の技術は、一次覆工が完了した後、内管とシールドセグメントとの空隙に充填用の配管を挿入し、中詰め材を注入して硬化させて二次覆工とする場合の中詰め工法に関するものである。
例えば、セグメント内径より若干小さい強化プラスチック複合管を内管としてシールドセグメント内に搬入・接合・固定する場合や、セグメント径より相当小さい、ガス管や水道管のようなライフラインを収容する管を内管とする場合において、上記特許文献3に記載の技術が適用される。
【0007】
この内管と外管の空洞については、セメントを主体とする中詰め材を充填・固化して保護する目的でエアモルタルが用いられていた。
エアモルタルを用いるのは、上記特許文献2に記載のように、経済的に体積を確保できること、単位体積重量を低くすること、等が理由である。
【0008】
上記特許文献2に記載のように、エアモルタルは、混練時に起泡剤を添加し、気泡の入った状態で圧送するもので、輸送中の気泡を安定させる必要から、高い粘性を要する。
このため、輸送距離が1000〜1500mしか確保できず、長距離輸送を行うには、中継設備を設置しなければならないという課題がある。
【0009】
上記特許文献2では、これらの問題に対応すべく、エアモルタルまたはベントナイト中詰めエアモルタルの発泡剤として金属アルミニウム粉末を用いている。モルタルに金属アルミニウム粉末、高分子分散材、遅延材を添加して、モルタル状態で圧送する。
圧送したモルタルを中詰め充填した後、シールド内でアルミニウムが水酸化カルシウムと反応することにより水素ガスが発生し、発泡する。
モルタルを圧送する時は、モルタルに気泡が含まれていないので、高い流動性を長時間保持して輸送可能距離が延びる。
【0010】
ただし、通常の起泡剤を用いたエアモルタルは、空気量が全体積に対して30〜70%であるが、アルミニウム粉末による発泡モルタルは気泡含有量が数%以下と小さいものであり、経済的に体積を確保させることや単位体積重量を低くすることよりも、充填後のブリージング量を抑制するために用いるものである。
したがって、上記特許文献2に記載の技術では、十分な体積確保や単位体積重量を抑えることができないという課題がある。
【0011】
一方、配管敷設専用のシールドや山岳トンネルは、近年長距離化(例えば10km以上)してきており、エアモルタルをトンネル内に輸送するには、多段の中継設備を設置する必要がある。
そのため、中継設備を多数経由することに伴うエアモルタルの品質劣化、および輸送に係るコストの観点から課題がある。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エアモルタルを用いて長距離トンネル内の間隙を効率良く中詰めすることのできるトンネル内の間隙中詰め方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るトンネル内の間隙中詰め方法は、エアモルタルを用いてトンネル内の間隙を中詰めする方法であって、前記トンネル外でモルタルを製造して前記トンネル内に圧送するモルタル圧送ステップと、前記トンネル内で気泡を生成するステップと、前記トンネル内に圧送されたモルタルに前記トンネル内で生成された気泡を混合して前記トンネル内でエアモルタルを製造するエアモルタル製造ステップと、前記エアモルタルを用いて前記間隙を中詰めするステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るトンネル内の間隙中詰め方法によれば、モルタルをトンネル外で製造してトンネル内に圧送し、トンネル内でエアモルタルを製造して中詰めを実施するので、エアモルタルを長距離輸送する必要がなく、エアモルタルの品質や輸送コストの観点から有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るトンネル内の間隙中詰め方法を実施する様子を示す図である。ここでは、シールド工法を用いたトンネル施工において、本実施の形態1に係るトンネル内の間隙中詰め方法を実施する場合を例にする。なお、シールドの径が小さく、シールド内に大型の機材を設置することができる程度のスペースが存在しない環境を想定する。
図1の上図は地上設備に設置される各機材、下図はシールド内に設置される各機材の配置と接続関係を示す。以下、図1に示す各機材等について説明する。
【0016】
モルタルミキサー10は、高炉セメント11、細骨材12、混練水13を自動計量・混合してモルタル14を製造する。
圧送ポンプ20は、モルタルミキサー10が製造したモルタル14を、圧送管30を介してトンネル内のミキシング装置100へ圧送する。圧送管30の長さは、モルタルミキサー10とミキシング装置100の距離に応じて定められる(例えば数km)。
モルタルはエアモルタルと異なり非圧縮性のため、圧送ポンプはピストンポンプやモーノポンプが好適である。
なお、圧送管30端末に流量調整弁を設け、ミキシング装置100へのモルタル流入量を調整してもよい。
【0017】
気泡を生成するための希釈液43は、地上設備において起泡剤41と希釈水42を混合することで製造される。希釈倍率は、起泡剤の種類により20〜100倍に設定されている。
圧送ポンプ50は、地上設備で製造された希釈液43を、圧送管70を介してトンネル内の発泡筒90に圧送する。
圧送管70の大きさは、希釈液43の圧送量が少ないことより例えば1インチ管のような小径管を用いる。また、圧送管70の長さは、希釈液43の製造場所と発泡筒90の距離に応じて定められる(例えば数km)。
【0018】
コンプレッサー60は、圧送エアホース80で発泡筒90と接続され、発泡筒90に圧縮空気を供給する圧縮機である。圧送エアホース80の長さは、コンプレッサー60と発泡筒90の距離に応じて定められる(例えば数km)。
発泡筒90は、コンプレッサー60より供給される圧縮空気を用いて希釈液43を発泡させ、生じた気泡をミキシング装置100に供給する。
ミキシング装置100は、圧送管30から供給されるモルタル14と、発泡筒90から供給される気泡とを混合し、エアモルタルを製造する。
例えば、図示したミキシング装置100は圧送管30の終点近傍で圧送管30と直結するもので、大きさはモルタル圧送管30と同径以上であり、モルタルと気泡を合流させ、モルタルの流動を利用して混合攪拌するものであり、ミキシング装置100の終点には充填ホース110を取り付けてエアモルタルを所定の位置に充填する。
【0019】
モルタルミキサー10、圧送ポンプ20と50、およびコンプレッサー60は、地上設備に設置される。発泡筒90およびミキシング装置100は、シールド内の充填位置近傍に設置される。
【0020】
本発明における「製造手段」は、発泡筒90およびミキシング装置100がこれに相当する。製造手段の構成はこれに限られるものではなく、エアモルタルを製造することができる手段であれば、任意の構成とすることができる。
ただし、シールド内の空間が狭溢である場合には、発泡筒90およびミキシング装置100のように比較的小型の装置のみを分離してシールド内に設置し、残りの必要な構成はシールド外に設置することが好ましい。
【0021】
以上、図1に示す各機材の役割と接続関係について説明した。
次に、図1に示す各機材の構成の下、トンネル内の間隙を中詰めする手順を、ステップ(1)〜(6)で説明する。
【0022】
(1)地上の作業者は、モルタルミキサー10を用いてモルタル14を製造し、圧送ポンプ20〜圧送管30を介してミキシング装置100に圧送する。モルタル14の粘性は、圧送を要する距離と要求仕様に応じて適宜定める。
(2)地上の作業者は、モルタル14を製造する際に、必要に応じて混和剤を添加し、製造されるモルタル14に流動性と硬化遅延性を付加する。
【0023】
(3)地上の作業者は、起泡剤41と希釈水42を混合して希釈液43を製造し、圧送ポンプ50〜圧送管70を介して発泡筒90に圧送する。また、必要に応じて圧送ポンプ50と発泡筒90の間に流量調整弁を設け、希釈液の発泡筒90への供給量を調整する。 希釈液43はモルタルと異なり硬化しないため、圧送管70内に貯留することとし、作業終了後の毎日の圧送管70の清掃は行わない。これは、シールド内に希釈液43を貯留するタンクを置くためのスペースを確保しなくてよいようにするためである。
【0024】
(4)地上の作業者は、コンプレッサー60を稼動させて発泡筒90に圧縮空気を供給し、希釈液43をシールド内で発泡させる。発泡筒90から発生した気泡は、ミキシング装置100に供給される。なお、必要に応じてコンプレッサー60と発泡筒90の間にエアレギュレータを設け、圧縮空気の圧力を調整する。
【0025】
(5)ミキシング装置100は、圧送管30から供給されるモルタル14と、発泡筒90から供給される気泡とを混合し、シールド内でエアモルタルを製造する。
(6)シールド内の作業者は、ミキシング装置100が製造したエアモルタルを打設してシールド内の間隙を中詰めする。
【0026】
以上、図1に示す各機材の構成の下、シールド内の間隙を中詰めする手順を説明した。
なお、必要に応じてモルタル14や希釈液43の圧送を中継するための中継ポンプを圧送経路に設けてもよい。
【0027】
本発明に係るトンネル内の間隙中詰め方法は、トンネル内の任意の間隙を対象とすることができる。
即ち、大型の機材を設置するだけの空間的余裕がトンネル内になく、トンネルが長距離である等の理由により長距離のモルタル輸送を必要とする環境下における任意の間隙に対して、本発明に係るトンネル内の間隙中詰め方法が奏功する。
【0028】
以上のように、本実施の形態1によれば、シールド外でモルタル14と希釈液43を製造してシールド内に圧送し、シールド内で発泡筒90を用いて気泡を生成し、ミキシング装置100を用いてモルタル14と気泡を混合してエアモルタルを製造する。
そのため、エアモルタルをシールド内に圧送する必要がなく、エアモルタルと比較して低粘性かつ非圧縮性のモルタルをシールド内に圧送すればよいので、エアモルタルを圧送する場合と比較して長距離の輸送が可能である。
【0029】
また、本実施の形態1によれば、シールド内でエアモルタルを製造するので、エアモルタルを長距離輸送する場合と比較して、輸送に伴いエアが消泡してエアモルタルの品質が低下する懸念がなく、品質の安定したエアモルタルを用いて中詰めを行うことができる。
【0030】
また、本実施の形態1によれば、モルタル14を圧送してシールド内で気泡を混合するので、モルタル14そのものの圧送量は少なくて済む。
即ち、エアモルタルは例えば体積の半分程度が気泡であるので、同量のエアモルタルを打設地点に輸送する場合でも、エアモルタルそのものを輸送する場合と、モルタル14を輸送して打設地点近傍でエアモルタルを製造する場合とでは、モルタルの輸送量を半分程度に抑えることができる。
したがって、シールド内でエアモルタルを製造する方が、より効率的にエアモルタルを打設地点へ届けることができ、同時間内でより大量の打設作業を実施することができる。
【0031】
また、本実施の形態1によれば、コンプレッサー60をシールド外に設置して発泡筒90と接続しているので、シールド内の空間が狭溢でコンプレッサー60を設置する空間的余裕がない場合でも、支障なくエアモルタルを製造して中詰め作業を実施することができる。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態1では、コンプレッサー60をシールド外に設置して発泡筒90と接続した例を説明したが、コンプレッサー60を十分に小型化できる場合や、シールド内に空間的余裕がある場合には、コンプレッサー60をシールド内に設置してもよい。
この場合でも、エアモルタルをシールド外からシールド内に圧送する必要がない点で、実施の形態1と同様の効果を発揮することができる。
【実施例】
【0033】
実施の形態1〜2では、モルタル14を地上設備で製造してシールド内に圧送することを説明した。モルタル14は、エアモルタルよりも低粘性であり、長距離の輸送に適しているが、モルタル14を製造する際の配合を工夫することにより、モルタル14そのものの輸送可能距離を長くすることができる。
そこで、本発明の実施例では、モルタル14の最適な配合について実証した結果を説明する。
【0034】
まず、シールド内間隙の中詰めに用いるエアモルタルに必要な条件として、以下の(1)〜(6)を設定した。以下、各条件とその理由について説明する。
【0035】
(1)再掘削可能な強度:圧縮強度q=5kg/cm2以下
将来、再掘削が必要となった場合、固まったエアモルタルを取り除く際に、掘削し易いように一軸圧縮強度を定めた。また、エアモルタルを打設する目的は配管の保護であるため、エアモルタル自体に大きな強度は不要である。そこで、上述の通り強度を定めることとした。
【0036】
(2)ガス検知が可能な透気性を有すること:透気係数k=1.0×10−1cm/sec以上
ガス管とトンネルの間隙を中詰めした後に、万が一ガス管よりガスが漏洩した際に、いち早くガス漏洩を検出することができるように、エアモルタルは通気性を確保しておく必要がある。そのために必要な透気係数として、上述の値を設定した。
【0037】
(3)硬化による発熱量を低く抑えること:60℃以下
エアモルタルの硬化発熱温度のピークをPLP被覆鋼管の鋼管面とプラスチックの間のアンダーコートの軟化点である60℃より低い温度に設定してプラスチック被覆のズレを防止する必要がある。また、配管時の鋼管の伸びを抑えることも考慮した。
【0038】
(4)導電性を有し、析出物を生じないこと
検出プローブ表面にエレクトロコーティングと呼ばれる電気抵抗の高い析出物が付着した場合には、プローブに電流が流れにくくなり、プローブを用いた電気防食管理に支障をきたす。
そこで、エレクトロコーティングが生成しないようなエアモルタル配合を選定する必要がある。なお、細骨材の中でも、石灰石はエレクトロコーティングが生じやすく、不向きであるとされる。
【0039】
(5)充填性に優れ、空隙を生じないこと
ブリージング、消泡等が発生しない安定した材料を用いることが好ましいからである。
(6)材料分離が生じないこと
貧配合にならない安定した材料を用いることが好ましいからである。
【0040】
図2は、上述の条件を満たすモルタル14の配合を実証した結果を示す表である。図2(A)〜(C)は条件を満たした配合、(D)は従来の配合を示す。以下、図2の各配合について説明する。
【0041】
従来は、図2(D)の配合を基準配合としてエアモルタルを地上設備で製造し、圧送ポンプでシールド内に圧送していた。エアモルタルの粘性は高いので、1回の圧送で最大1000m程度の圧送が目安であった。これ以上の圧送を行う場合は、中継ポンプを相当数設置する必要があった。
【0042】
そこで、実施の形態1〜2で説明したようにエアモルタルをシールド内で製造することに加え、モルタルそのものの粘性を低く抑えて圧送可能距離を長くするため、図2(A)〜(C)のモルタル配合を開発した。これらの配合は、上述の条件を全て満足することを確認済みである。
【0043】
図2(A)〜(C)の配合では、高炉セメントB種を140〜150kg/m3として硬化発熱温度を抑制する。細骨材は、析出物が生じないようにシリカ系の細骨材を200〜250kg/m3混合する。
空気量は目標55%とし、界面活性剤系の起泡剤を用いる。
長距離圧送を行うため、流動性の維持と硬化遅延性確保の観点から、必要に応じて混和剤を添加する。
【0044】
起泡剤は、希釈倍率100倍、発泡倍率20倍の界面活性剤系を使用したが、希釈倍率、発泡倍率が変わっても、エアモルタルの性状に大きな変化はない。また、動物タンパク系の起泡剤を使っても支障はない。
【0045】
実施の形態1〜2で説明したように、高炉セメント、細骨材、混練水、混和剤のみを地上設備で混合攪拌してモルタル14を製造し、シールド内の打設位置近傍に設置されたミキシング装置100に圧送する。
また、希釈液43を発泡させてミキシング装置100に供給する。
ミキシング装置100は、モルタル14と気泡を混合してエアモルタルを製造する。
【0046】
図2(A)〜(C)の配合のモルタル14の流動性は高く、2000m×2B管×200リットル/minの圧送圧力は約P=8kg/cm2前後で、モルタルの物性値も安定していることを実験により確認した。このことより、圧送圧力の観点からは3000mの圧送も可能である。
【0047】
以上、本発明の実施例では、流動性の高いモルタル14の配合の実証結果を説明した。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施の形態1に係るトンネル内の間隙中詰め方法を実施する様子を示す図である。
【図2】所定の条件を満たすモルタル14の配合を実証した結果を示す表である。
【符号の説明】
【0049】
10 モルタルミキサー、11 高炉セメント、12 細骨材、13 混練水、14 モルタル、20 圧送ポンプ、30 圧送管、41 起泡剤、42 希釈水、43 希釈液、50 圧送ポンプ、60 コンプレッサー、70 圧送管、80 圧送エアホース、90 発泡筒、100 ミキシング装置、110 充填ホース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアモルタルを用いてトンネル内の間隙を中詰めする方法であって、
前記トンネル外でモルタルを製造して前記トンネル内に圧送するモルタル圧送ステップと、
前記トンネル内で気泡を生成するステップと、
前記トンネル内に圧送されたモルタルに前記トンネル内で生成された気泡を混合して前記トンネル内でエアモルタルを製造するエアモルタル製造ステップと、
前記エアモルタルを用いて前記間隙を中詰めするステップと、
を有することを特徴とするトンネル内の間隙中詰め方法。
【請求項2】
前記気泡を前記モルタルに混合してエアモルタルを製造するための製造手段を前記トンネル内に配設しておき、
前記モルタル圧送ステップでは、前記モルタルを前記製造手段に圧送し、
前記エアモルタル製造ステップは、
前記気泡を生成するための希釈液を前記製造手段に圧送するステップと、
前記希釈液に圧縮空気を供給して気泡を生成し前記製造手段を用いて前記モルタルに混合してエアモルタルを製造するステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載のトンネル内の間隙中詰め方法。
【請求項3】
圧縮空気を供給する圧縮機を前記トンネル外に配設しておき、
前記圧縮機と前記製造手段をエアホースで接続して前記製造手段に圧縮空気を供給することで前記希釈液を前記トンネル内で発泡させる
ことを特徴とする請求項2記載のトンネル内の間隙中詰め方法。

【図1】
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【図2】
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