説明

トンネル内天井板の撤去方法

【課題】天井板をトレーラーから降ろす作業の簡素化、及び作業時間の短縮化を図ることができる。
【解決手段】トンネル内にて天井板P,…を取り外し、該取り外した天井板P,…を、トレーラー1上のテーブルリフト11に並べた状態で載置する。該トレーラー1をトンネル外まで移動し、一番後端の天井板Pをフォークリフト3を使って降ろす。このトレーラー1にはローラーコンベヤ(不図示)やウィンチ(同じく不図示)が装備されており、ローラーコンベヤを上昇させて天井板P,…をx方向に移動できるように支持し、ウィンチを使ってこれらの天井板P,…を該方向xに移動させる。フォークリフト3による荷降ろしとウィンチによる天井板の移動とを繰り返すことにより、全ての天井板P,…をトレーラー1から降ろすことができ、作業の簡素化、及び作業時間の短縮化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内に取り付けられた天井板を撤去する、トンネル内天井板の撤去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車が走行する道路トンネルには、上部に天井板を配置して換気用の通路(給気通路や排気通路)を形成するようにしたものがある。そして、老朽化した天井板を新しい天井板に変更する場合や新規の換気システムに変更する場合においては該天井板を撤去する必要があり、天井板の撤去方法として種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、トンネル内天井板の撤去方法の従来例の一例を示す模式図であり、符号100は天井板を示し、符号101は、該天井板100を切断するためのカッター車を示し、符号102は、切断した天井板100をストックするためのステージ車を示し、符号103は、該ステージ車102を牽引する先導車を示す。この従来例においては、カッター車101により所定の大きさに切断された天井板100は、ステージ車102のバケット部102aに入れられた後、油圧ショベル(不図示)によってトラック(同じく不図示)に移載されるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2576950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記バケット部102a内の天井板100は様々な方向を向いているので油圧ショベルですくい上げること自体が困難であり、その作業に時間が掛かってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消することのできる、トンネル内天井板の撤去方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、図2(a) (b) に例示するものであって、トンネル(T)内に取り付けられた天井板(P,…)を撤去する、トンネル内天井板の撤去方法において、
天井板(P,…)を載置する部分(以下、“天井板載置部”とする)(11)を備えた走行台車(1)をトンネル(T)内に配置して、該トンネル(T)内に取り付けられた天井板(P,…)に該天井板載置部(11)を対向させる走行台車搬入工程(図1の符号S1参照)と、
該天井板載置部(11)に対向する複数枚の天井板(P,…)を取り外し、該複数枚の天井板(P,…)を一の方向(以下、“天井板載置方向”とする)(x)に並べた状態で該天井板載置部(11)に載置する天井板取り外し工程(図1の符号S2参照)と、
前記天井板載置方向(x)に並べた状態で前記天井板載置部(11)に載置された複数枚の天井板(P,…)の内の前記天井板載置方向(x)の端部に載置されている天井板(P)をフォークリフト(図4の符号3参照)によって降ろす第1荷降ろし工程(図1の符号S4参照)と、
前記天井板(P,…)を前記天井板載置方向(x)に移動可能に支持する天井板移動支持部(図5(c) の符号12参照)の上面よりも前記天井板載置部(11)の上面の方が低くなるように、前記天井板移動支持部(12)を上昇させ及び/又は前記天井板載置部(11)を降下させ、該天井板載置部(11)に載置されている前記天井板(P,…)を前記天井板移動支持部(12)に載せ替える天井板載せ替え工程(図1の符号S5参照)と、
前記第1荷降ろし工程(S4)によって天井板(P)が降ろされることにより空き状態となった前記天井板移動支持部(12)上のスペース(以下、“端部スペース”とする)(図4の符号C参照)に、該天井板移動支持部(12)に載置されている他の天井板(P)を移動させる天井板移動工程(図1の符号S6参照)と、
該端部スペース(C)に移動された該他の天井板(P)をフォークリフト(図4の符号3参照)によって降ろす第2荷降ろし工程(図1の符号S7参照)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、図5(a) 及び(c) に例示するものであって、請求項1に係る発明において、前記天井板載置部(11)は、トンネル(T)内に取り付けられた天井板(P,…)に近接する高さである第1高さ(H)、及び前記天井板移動支持部(12)よりも低い高さである第2高さ(H)を取り得るように昇降可能に構成し、
前記天井板取り外し工程(S2)においては前記天井板載置部(11)を前記第1高さ(H)にまで上昇させ、
前記天井板移動工程(S6)においては前記天井板載置部(11)を前記第2高さ(H)にまで降下させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記天井板取り外し工程(S2)においては、前記天井板載置部(11)の上面を前記トンネル(T)に取り付けられた天井板(P,…)の下面に接触させた状態で該天井板(P,…)を切断することにより該天井板(P,…)を前記天井板載置部(11)に載置することを特徴とする。
【0010】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、トンネルから取り外された複数枚の天井板は前記天井板載置部上に整然と並べて載置され、フォークリフトによって前記走行台車から降ろすことができるため、従来技術で述べたような、油圧ショベルですくい上げる場合に比べて作業が簡単であり、作業時間も短縮することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、前記天井板取り外し工程においては、前記天井板載置部は前記第1高さに保持されて前記天井板に近接されているため、取り外した天井板を前記天井板載置部にスムーズに載置することができる。また、前記天井板移動工程においては、天井板は前記天井板移動支持部に載置された状態となるので、天井板の前記天井板載置方向への移動を円滑に行うことができる。さらに、前記天井板載置部を昇降可能に構成し、前記天井板移動支持部を昇降可能に構成しなくても上述のような効果を得ることができるので、装置の構成を簡素化することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、円滑かつ安全に天井板を天井板載置部に載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明に係るトンネル内天井板の撤去方法の実施手順の一例を示すフローチャート図である。
【図2】図2(a) は、天井板取り外し工程の一例を示す側面図であり、同図(b) は、その背面図である。
【図3】図3(a) は、走行台車搬出工程の一例を示す側面図であり、同図(b) は、その背面図である。
【図4】図4は、第1荷降ろし工程の一例を示す側面図である。
【図5】図5(a) は、天井板取り外し工程における天井板載置部等の高さの一例を示す模式図であり、同図(b) は、走行台車搬出工程における天井板載置部等の高さの一例を示す模式図であり、同図(c)は、天井板移動工程における天井板移動支持部等の高さの一例を示す模式図である。
【図6】図6は、トンネル内天井板の撤去方法の従来例の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1乃至図5に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明に係る、トンネル内天井板の撤去方法は、トンネル内の上部(つまり、天井部)に取り付けられた天井板を撤去する方法である。
【0017】
該方法を実施するに際しては、図2(a) 等に符号1で例示するような構成の走行台車を使用する。以下、該走行台車1の構成について説明する。
【0018】
該走行台車1は、車輪10を有してトンネル内とトンネル外との間を往復移動できるように構成されている。この走行台車1としては、
・ 原動機を備えている車両(例えば、トラック)や、
・ 原動機を備えていない車両(例えば、牽引車により牽引されるトレーラー)
などを挙げることができる。図2(a) 等に示す走行台車1は、原動機を備えないトレーラーであるので、本発明を実施するためには、該走行台車1以外に、該走行台車1を牽引する牽引車(トラクター)2が必要となる。
【0019】
この走行台車1は、
・ 複数枚の天井板(つまり、撤去する天井板)P,P,…を一の方向(以下、“天井板載置方向”とする)xに並べた状態で載置することができる部分(以下、“天井板載置部”とする)11と、
・ 前記複数枚の天井板P,…を前記天井板載置方向xに移動可能に支持する天井板移動支持部(図5(a) 〜(c) の符号12参照)と、
を備えている。この場合、前記天井板載置部11及び前記天井板移動支持部12の両方または一方を、相互に干渉せずに昇降できるよう構成しておき、
・ 図5(a) 及び(b) に例示するように、前記天井板載置部11の上面の方が前記天井板移動支持部12の上面よりも高くなる態様
・ 同図(c) に例示するように、前記天井板載置部11の上面の方が前記天井板移動支持部12の上面よりも低くなる態様
の両方の態様を選択的に実施できるように構成しておくと良い。
【0020】
なお、図2(a) 等に示す天井板載置部11は4個並べた状態で配置されているが、天井板載置部の全体で複数枚の天井板P,…を載置できるのであれば、天井板載置部自体の個数はいくつであっても良く、5個以上であっても、3個以下であっても(例えば、1個でも)良い。但し、図2(a)
等に示す走行台車1は、天井板の撤去以外の種々の用途に使用できるトレーラーであるので、天井板の撤去作業を行わない場合には前記天井板載置部11を降ろしておいて(該トレーラーを)他の用途に使用できるようにしておくことが好ましい。そのためには、一般的な能力のフォークリフトやチェーンブロック等で天井板載置部11の上げ下ろしを容易に行えるよう、該天井板載置部11のサイズや重量を設定しておくことが好ましく、その場合には、該トレーラーに搭載される天井板載置部11は複数台となる。なお、図3(a)
等においては、1個の天井板載置部11に2枚の天井板P,…が載置されているが、天井板載置部の全体に複数枚の天井板P,…が載置されるのであれば、1個当たりの天井板載置部11に載置される天井板の枚数は何枚であっても良い。一方、走行台車1を、トレーラーのような汎用車両ではなく、トンネル内の天井板撤去のためだけに用いるような専用車両とする場合には、天井板載置部は該走行台車1に常時設置していれば足り、該天井板載置部11を該走行台車1から降ろしたりする必要が無いため、該天井板載置部11の個数を1個にしても良い。
【0021】
ところで、図2(a) (b) 等に示す天井板載置部11は板状の形状(テーブルの天板のような形状)をしているが、もちろんこれに限られるものではなく、天井板を載置できる形状であれば板状以外の形状(但し、コンベヤのように天井板を移動可能に支持する形状は除く)であっても良い。また、図2(a)
(b) に示す天井板載置部11は、X字状に組み合わされたアーム13,13と、油圧シリンダ14とによって昇降可能に構成されているが、他の手段により昇降可能に構成されていても良い。さらに、上述の天井板移動支持部12としては、前記天井板載置方向xに延設されるローラーコンベヤなどを挙げることができる。
【0022】
一方、前記走行台車1は、ウィンチ等の公知の装置(不図示。以下、“天井板移動装置”とする)を備えていて、前記天井板移動支持部12に載置された状態の天井板P,…を前記天井板載置方向xに移動できるように構成されている。
【0023】
本発明に係る、トンネル内天井板の撤去方法は以下の工程を備えている。すなわち、
・ 図2(a) (b) に例示するように、前記走行台車1をトンネルT内に配置して、該トンネルT内に取り付けられた天井板P,…の下面に前記天井板載置部11の上面を対向させる走行台車搬入工程(図1の符号S1参照)
・ 図2(a) の矢印Fに例示するように、該天井板載置部11に対向している複数枚の天井板P,…を取り外し(例えば、切断し)、該複数枚の天井板P,…を前記天井板載置方向xに並べた状態で該天井板載置部11に載置する天井板取り外し工程(図1の符号S2参照)
・ 図4に例示するように、前記天井板載置方向xに並べた状態で前記天井板載置部11に載置された複数枚の天井板P,…の内の前記天井板載置方向xの端部に載置されている天井板Pをフォークリフト3によって前記走行台車1から降ろす第1荷降ろし工程(図1の符号S4参照)
・ 図5(c) に例示するように、前記天井板移動支持部12の上面よりも前記天井板載置部11の上面の方が低くなるように、前記天井板移動支持部12を上昇させ、及び/又は前記天井板載置部11を降下させ、該天井板載置部11に載置されている前記天井板P,…を前記天井板移動支持部12に載せ替える天井板載せ替え工程(図1の符号S5参照)
・ 前記第1荷降ろし工程S4によって天井板Pが降ろされることにより空き状態となった前記天井板載置部上のスペース(図4の符号C参照。以下、“端部スペース”とする)に、該天井板載置部11に載置されている他の天井板(例えば、P)を前記天井板移動装置によって移動させる天井板移動工程(図1の符号S6参照)
・ 該端部スペースCに移動された該他の天井板Pをフォークリフト3によって前記走行台車1から降ろす第2荷降ろし工程(図1の符号S7参照)
【0024】
なお、図1では、走行台車搬入工程S1→天井板取り外し工程S2→第1荷降ろし工程S4→天井板載せ替え工程S5→天井板移動工程S6→第2荷降ろし工程S7の順序となっているが、該天井板載せ替え工程S5を前記天井板取り外し工程S2と前記第1荷降ろし工程S4との間で実施することにより、走行台車搬入工程S1→天井板取り外し工程S2→天井板載せ替え工程S5→第1荷降ろし工程S4→天井板移動工程S6→第2荷降ろし工程S7の順序としても良い。また、前記天井板移動工程S6と前記第2荷降ろし工程S7とは、前記天井板移動支持部12上の全ての天井板P,…が降ろされるまで繰り返して実施すると良い(符号S6,S7,S8参照)。さらに、前記第1荷降ろし工程S4及び前記第2荷降ろし工程S7においては前記天井板P,…を地面(例えば、空き地)に降ろすようにしても、或いは走行台車以外の車両(例えば、トラック)に載せるようにしても、どちらでも良い。さらに、図3(a) (b) に例示するように、該複数枚の天井板P,…を載置した状態の前記走行台車1を前記トンネルTの外に移動させる走行台車搬出工程(図1の符号S3参照)を前記天井板取り外し工程S2と前記第1荷降ろし工程S4との間に実施し、前記第1荷降ろし工程S4以降の工程をトンネル外で実施するようにしても良い。
【0025】
本発明によれば、トンネルTから取り外された複数枚の天井板P,…は前記天井板載置部11上に整然と並べて載置され、フォークリフト3によって前記走行台車1から降ろすことができるため、従来技術で述べたような、油圧ショベルですくい上げる場合に比べて作業が簡単であり、作業時間も短縮することができる。
【0026】
ところで、前記天井板移動支持部12は昇降可能には構成せず、前記天井板載置部11は、図5(a) 及び(c) に例示するように、
・ その上面が天井板(トンネル内に取り付けられた天井板)P,…に近接する高さである第1高さH
・ その上面が前記天井板移動支持部12の上面よりも低くなる高さである第2高さH
を取り得るように昇降可能に構成しておくと良い。そして、前記走行台車搬入工程S1においては前記天井板載置部11を前記第1高さHにまで上昇させ、前記天井板移動工程S6においては前記天井板載置部11を前記第2高さHにまで降下させるようにすると良い。そのようにした場合には、前記走行台車搬入工程S1においては、前記天井板載置部11は前記第1高さHに保持されて前記天井板P,…に近接されているため、取り外した天井板P,…を前記天井板載置部11にスムーズに載置することができる。また、前記天井板移動工程S6においては、天井板P,…は前記天井板移動支持部12に載置された状態となるので、天井板P,…の前記天井板載置方向xへの移動を円滑に行うことができる。さらに、前記天井板載置部11を昇降可能に構成し、前記天井板移動支持部12を昇降可能に構成しなくても上述のような効果を得ることができるので、装置の構成を簡素化することができる。
【0027】
さらに、前記走行台車搬出工程S3においては、前記天井板移動支持部12の上面と前記第1高さHとの間の高さ(図5(b) の符号H参照。以下、“第3高さ”とする)まで前記天井板載置部11を降下させると良い。そのようにした場合には、前記走行台車1を移動させている間、前記天井板P,…を前記第1高さHよりも低い位置に保持することが出来、重心を低くして走行安定性を向上させることが出来る。また、前記天井板P,…は前記天井板移動支持部12には接触しておらずに前記天井板載置部11に載置された状態であるので、該天井板P,…が前記天井板載置方向xに移動してしまうという事態を回避することが出来る。
【0028】
またさらに、前記天井板取り外し工程S2においては、前記天井板載置部11の上面を前記トンネルTに取り付けられた天井板P,…の下面に接触させた状態で該天井板P,…を切断することにより該天井板P,…を前記天井板載置部11に載置するようにしても良い。そのようにした場合には、円滑かつ安全に天井板P,…を前記天井板載置部11に載置することができる。
【実施例1】
【0029】
本実施例においては、図2(b) に示すトンネルTの天井板P,…等の撤去を以下の手順で行った。なお、図2(b) の符号Aは排気通路を示し、符号Bは給気通路を示し、符号P,…は該排気通路Aを仕切る天井板を示し、符号P11,…は該給気通路Bを仕切る天井板を示し、符号P01,…は、該排気通路Aと該給気通路Bとを仕切る隔壁等を示す。なお、各天井板や隔壁の寸法(トンネルの長手方向の寸法)は1m程度であった。
【0030】
[走行台車搬入工程S1]
トレーラー1をトンネルT内に配置し、テーブルリフト(天井板載置部)11を図5(a) に示す第1高さHまで上昇させて該テーブルリフト11の上面を天井板P,…の下面に接触させた。
【0031】
[天井板取り外し工程S2]
その状態で、必要に応じて足場を組んで複数枚の隔壁P01,…の上半分をハンドカッターやチッパー等を使って切断し、その切断片は給気通路B側に置いた。次に、前記テーブルリフト11に対向している複数枚の天井板P,…の端部(隔壁P01,…に近い方の端部とトンネル壁に近い方の端部)をハンドカッター等を使って切断し、該複数枚の天井板P,…を前記天井板載置方向xに並べた状態でテーブルリフト11に載置した。
【0032】
[走行台車搬出工程S3]
次に、該テーブルリフト11を図5(b) に示す第3高さHまで降下させ、トレーラー1をトンネルTの外まで移動させた。
【0033】
[第1荷降ろし工程S4]
前記トレーラー1を停車させ、図4に示すように、該トレーラー1の後端に載置されている1枚の天井板Pをフォークリフト3を使って不図示のトラックに乗せ替えた。
【0034】
[天井板載せ替え工程S5]
次に、テーブルリフト11を図5(c) に示す第2高さHまで降下させ、天井板P,…がローラーコンベヤ(天井板移動支持部)12に載置されるようにした。
【0035】
[天井板移動工程S6]
不図示のウィンチを使って該天井板P,…を天井板載置方向xに所定距離だけ移動させ、該天井板Pがトレーラー1の後端部に配置されるようにした。
【0036】
[第2荷降ろし工程S7]
同じくフォークリフト3を使って該天井板Pをトラックに乗せ替えた。以降、前記天井板移動工程S6及び前記第2荷降ろし工程S7を交互に実施して、全ての天井板P,…をトラックに乗せ替えた。
【0037】
その後、トレーラー1を再びトンネルT内に移動させ、給気通路側の天井板P11,…や隔壁P01,…をテーブルリフト11に載せ、トンネルTの外まで移動させ、上記と同様の手順でフォークリフト3を使って該天井板等をトラックに載せ替えた。
【符号の説明】
【0038】
1 走行台車(トレーラー)
3 フォークリフト
11 天井板載置部(テーブルリフト)
12 天井板移動支持部(ローラーコンベヤ)
C 端部スペース
第1高さ
第2高さ
,… 天井板
T トンネル
x 天井板載置方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に取り付けられた天井板を撤去する、トンネル内天井板の撤去方法において、
天井板を載置する部分(以下、“天井板載置部”とする)を備えた走行台車をトンネル内に配置して、該トンネル内に取り付けられた天井板に該天井板載置部を対向させる走行台車搬入工程と、
該天井板載置部に対向する複数枚の天井板を取り外し、該複数枚の天井板を一の方向(以下、“天井板載置方向”とする)に並べた状態で該天井板載置部に載置する天井板取り外し工程と、
前記天井板載置方向に並べた状態で前記天井板載置部に載置された複数枚の天井板の内の前記天井板載置方向の端部に載置されている天井板をフォークリフトによって降ろす第1荷降ろし工程と、
前記天井板を前記天井板載置方向に移動可能に支持する天井板移動支持部の上面よりも前記天井板載置部の上面の方が低くなるように、前記天井板移動支持部を上昇させ及び/又は前記天井板載置部を降下させ、該天井板載置部に載置されている前記天井板を前記天井板移動支持部に載せ替える天井板載せ替え工程と、
前記第1荷降ろし工程によって天井板が降ろされることにより空き状態となった前記天井板移動支持部上のスペース(以下、“端部スペース”とする)に、該天井板移動支持部に載置されている他の天井板を移動させる天井板移動工程と、
該端部スペースに移動された該他の天井板をフォークリフトによって降ろす第2荷降ろし工程と、
を備えたことを特徴とする、トンネル内天井板の撤去方法。
【請求項2】
前記天井板載置部は、トンネル内に取り付けられた天井板に近接する高さである第1高さ、及び前記天井板移動支持部よりも低い高さである第2高さを取り得るように昇降可能に構成し、
前記天井板取り外し工程においては前記天井板載置部を前記第1高さにまで上昇させ、
前記天井板移動工程においては前記天井板載置部を前記第2高さにまで降下させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の、トンネル内天井板の撤去方法。
【請求項3】
前記天井板取り外し工程においては、前記天井板載置部の上面を前記トンネルに取り付けられた天井板の下面に接触させた状態で該天井板を切断することにより該天井板を前記天井板載置部に載置する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の、トンネル内天井板の撤去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−23937(P2013−23937A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160676(P2011−160676)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】