トンネル天井の崩壊チェック装置
【課題】トンネルのコンクリートの構造の検査を無人化できる、トンネル天井の崩壊チェック装置を提供する。
【解決手段】自動測距装置17と無人検査車10と両者の制御を行うマイクロプロセサからなり、自動測距装置17でトンネルの天井の高さを計測し、天井の高さの不合理な変化をチェックできるようにした、無人検査車10に搭載された、ハンマー、もしくは、ロボットハンドの腕61に設けた加速度センサを使用した打音検査による、トンネル天井の崩壊チェック装置。
【解決手段】自動測距装置17と無人検査車10と両者の制御を行うマイクロプロセサからなり、自動測距装置17でトンネルの天井の高さを計測し、天井の高さの不合理な変化をチェックできるようにした、無人検査車10に搭載された、ハンマー、もしくは、ロボットハンドの腕61に設けた加速度センサを使用した打音検査による、トンネル天井の崩壊チェック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
これは、コンクリート壁の造成品質のチェック用の装置に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル内のコンクリート壁の造成上の欠陥を調べるために、人手によりハンマーでコンクリートを叩いて、その音を聞きわけて、良しあしの判断をしていた。これは、高所作業となることが多く、落下の危険もあった。<以下では、上記のような、叩いた時の音による検査を打音検査とも表現する。>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当出願人は、先に「音認識装置つき報知装置」の出願において、自動車のガードレールへの激突時の音等を用いた、交通事故の自動通報装置を提案しているが、その例のように、当該事象が自発的な音を伴うケースとは違って、コンクリート壁の造成上の「欠陥」のように、静的な状態では、当該事象が音を生じないこともある。医者が患者を診断する時、心臓の拍動は聴診器でその音を聞けるが、脚気になった足を診断するために、膝を叩くことが有る。が、前記の例にても人工的な打鍵手段が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
コンクリート壁面を叩いて、音を響かせる音発生手段1と、その音を分析する音認識手段2と、両者を連動して調和して動作せしめるマイクロプロセサ4等から成るものである。
【作用】
【0005】
音発生手段1が、コンクリートの壁面を叩くと、コンクリートに造成上の欠陥の有る時には、特有の反響音がある。その音は、マイク3を通して、音認識手段2へ入力され、解析される。すなわち、コンクリート壁に、欠陥の無い時の音パターン、既知の欠陥の有る時の音パターンは、事前に音認識手段2、<または、マイクロプロセサ4>のディスクの音ファイルに登録されておるので、今回の打音検査時の反響音が、無欠陥時のものか、欠陥時のものか、そのいずれでもないかが、音認識手段2により分別される。そこで、壁面の欠陥の、自動的な発見が可能となる。その結果は、マイクロプロセサ4へ伝達され、記憶される。図1。
【発明の効果】
本システムにより、新幹線のトンネルのコンクリートの構造の検査を無人化できる。同様に、通常の列車トンネル、自動車トンネルの検査、ことに、地震直後の検査の無人化が可能となる。特に、青函トンネルのように、長大な海底トンネルを、大地震直後に2次災害を絶無にしつつ、無人検査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本システムの概略構成図
【図2】音発生手段1の構成図の一例
【図3】音発生手段1が、トンネル天井を叩く、一例。ロボットハンド6の腕が、約90度<それ以下でも、それ以上でも良いが、極端に小さいと図6のケースとなり、まずい。また、必要以上に大きいと、1回の動作時間が長くなり、時間的ムダが生じる>動いて、腕61が、水平より少し上に達したときに、ハンマー5が天井に当たるケース。点線は、腕61の初期位置。この場合、ロボットハンドの胴体63と天井が、比較的接近しているので、両者が接触せぬように、注意する必要が大である。そのために、ロボットハンドの胴体63の頂点へ、リミットスイッチ11を設けて、胴体63の位置の制御をする。リミットスイッチ11からの信号がオンになったら、マイクロプロセサ4は胴体63を下げる方向に収縮させるのである。図3も、図4も進行方向に沿って、横から見たところ。
【図4】音発生手段1がトンネル天井を叩く、別の一例。ロボットハンドの腕61が動いて、鉛直線に達する、少し前にハンマー5が、天井に当たるケース。腕61の長さをL,胴体62から天井までの距離をHとすると、L>Hとなるように、胴体63の上下方向の位置制御がなされる。図5も参照。本ケースでは、L>Hかつ、L〜Hである。LはHより、少し長い。一方、図3のケースでも、L>Hだが、同時にL>>Hもしくは、H〜Oである。HはLより、はるかに小さいか、Oに近い。
【図5】ハンマー5の空振りのケース。ロボットハンドの腕61の長さをL,腕の支点62から天井までの高さをHとすると、L<Hのケース。これは、図4のケースで起こりやすい。図5も、図6も音発生手段のみを描いて、わかりやすくしている。
【図6】ロボットハンドの腕61の初期位置から、天井への衝突時までの、ハンマー5の運動軌跡の長さd<円運動の円弧の長さ>が、初期位置設定<点線で表示>のまずさのために、非常に短いケース。衝突時のハンマーの速度が、予定値に達しないことが、多い。
【図7】ロボットハンドの胴体63が、上下方向に伸縮して、腕の支点62の位置を、L>Hのちょうど良いところへ、調整しつつ打音検査をし、その操作を検査車10の上部の台座レール12上を、横へ移動しつつ繰り返しているところ。鉄道トンネルでは、列車がトンネルのほぼ中央を通るように、2本のレール20が敷設されておるので、検査車上部と天井との位置関係、検査車の側面とトンネル側壁との位置関係は、ほぼ一定である。レール20の敷設の仕方が、横方向にずれていても、そのレールの敷設データをトンネル設計データ8へ取りこむことで、ロボットハンド6の<腕の支点62の>位置の最適制御が可能となる。なお、レールの敷設データが無くても、図8のように、横方向用の自動測距装置17を、鉄道トンネルでは、胴体63へ設置することで、同じことが可能となる。図7は、単線のトンネルのケースだが、1トンネルに上下線のあるときも、同じことがいえる。図7も、図8も進行方向から見たもの。
【図8】自動車トンネルの中を、検査車10が動く様。側壁との距離測定のための自動測距装置17を持つことが特徴である。自動測距装置17は、検査車と側壁との距離を与える。また、マイクロプロセサ4は、台座12上の胴体63の位置を把握している。そこで、マイクロプロセサ4は、側壁とロボットハンドの支点62との距離を得る。
【図9】自動塗装手段の構成図の一例。ノズル15をハンマー5に設けると<もちろん、壁に当たらぬ部分>、塗装ロボットの技術のうち、ノズルの位置ぎめの機能は不用ゆえ、インクやペンキの噴射に関わる機能のみで、間に合う。天井の壁面の構造に異状のあったときには、ロボットハンド6の腕が再び、その位置へ振り当てられ、当たると同時に噴射される。その制御は、マイクロプロセサ4により、なされる。
【図10】音発生手段1を複数、検査車の上部に設置した例。検査車のパンタグラフから離れた位置に、各ロボットハンド6が設置される。音発生手段1が、き電用の電線<図示せず>の位置を回避しつつ、ほぼ等間隔で横方向に設置される。わかりやすさのために、もっぱら、ロボットハンドのみを描いている。
【図11】図3の音発生手段1と、それに対応した反響音減衰手段27。わかりやすくするために、図11も図12も、音発生手段1は単純化してある。このタイプの反響音減衰手段27は、ゴム25を細長くし、電線と平行にすると、鉄道トンネルで好適である。ゴム25を細長くせずとも、自動車トンネルにて好適である。
【図12】図4の音発生手段1と、それに対応した反響音減衰手段27。鉄道トンネルに好適の反響音減衰手段である。ゴムの固まり25が、天井に触れ、さらに、密着したことは、図11のようにリミットスイッチ26を使わなくとも、ロボットハンドの、4分円運動する腕61’が動かなくなったことで<同様に図11でも、伸長する胴体63’が動かなくなったことで>、マイクロプロセサ4により識別せられる。腕61と61’を同じものを使うと、部品の共通化が図られ、また、腕61が天井に当たるときは、厚いゴムの固まり25も天井へ当たる。両者は方向が違うだけで、交互に対称的に動く。図4の自動測距装置7の、じゃまにならないように、反響音減衰手段27は、<検査車の進行方向と垂直で、水平な方向において>やや、ずれた位置に設置される。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0006】
音発生手段1は、ハンマー5、<金属ハンマー、又は、プラスチックハンマー>とモータ等より成る。なお、本明細書では、<>は補足説明的意味あいで用いる。又、音発生手段1として、自動打楽器、無人太鼓の仕組みを流用できる。さらに、腕が<部分的な>円運動を行うロボットハンド6、ロボットアーム6を用いて、その腕の先端にハンマーを付けて、動作せしめても良い。図2。
【0007】
マイク3として、指向性の高いものを用い、検査対象となる壁面を、常に指向させる。もしくは、指向性の無いマイク3でも、前記ハンマー5の一部<もちろん、壁に当たらぬ部分>または、ロボットアーム6の腕へ固定させることで、そのマイク3に空間的に近い、壁面から生じる音のみを、もっぱら拾い、いわゆる外来雑音の影響を弱くすることができる。さらに、ロボットハンド6等の音発生手段1が動作した直後の、タイミングで測定対象たる反響音を拾うように、音認識手段2のソフトウエアを組むことでも、外来雑音の影響を低減できる。
【0008】
発生する音パターンは、イ)コンクリートの造成が、完全である時の音ロ)造成が不完全な時の音<既知のケース>ハ)造成が不完全な時の音<未知のケース>に、大別される。ケース イ)とロ)は、事前に音認識手段2、もしくは、マイクロプロセサ4に登録できる。そこで、本システムはイ)のケースか、ロ)のケースか、あるいは、そのいずれでもない<すなわち、>ハ)のケースかを判断できる。これは、ソフトウエアのIF文により、容易に実現できる。
【0009】
人が、壁面をハンマー5で叩く時の、ハンマー5の速度や角速度<少なくとも、個この平均値>を、マイクロプロセサ4へ登録することで、音発生手段1の壁面の叩き方を改善できる。少なくとも、人手により叩く時に、近ずけることができる。すると、前記イ)やロ)の登録用音パターンとして、人手により生じた音を活用できる。マイクロプロセサ4により、本システムが搭載される検査用車両を無人運転することも、ことに深夜においては<旅客電車が深夜では、めったに無いとゆう意味で、安全性の面で>可能であり、<深夜作業から、保守要員を解放するとゆう意味で>有用であるが、その検査車に人が乗り込んで、打音検査の模様を耳にする時に、人手で壁を打っていた時の経験が生きるので、人手の時の音を登録することは、マンマシン システムとゆう観点から、望ましいといえよう。
【0010】
もちろん、イ)のケースの音パターンとして、完全であると人手で検証済みの壁面を、事前にロボットハンド6等で叩いた時の反響音を登録しておけば、その登録時のロボットハンド6の動作速度が、人手の時と比べて多少速くても、したがって、その音パターンが人手による時のものと、若干、人が聞いて違っていたとしても、新しい現場で計測する時に、同じ動作速度をロボットハンド6に持たせることで、その計測地点での反響音と登録された音パターンを比較することから、壁面の完全性の検査が同様にできよう。
【0011】
この場合、ソフトウエア上、イ)のケースかどうか、つまり、造成が完全かどうか、とゆう検査であり、ロ)のデータを用いる時とは違って、造成が不完全だとして、どのようにコンクリートの構造が不完全であるか、既知のケースに照らして、判断することはできないが、動作速度の向上に伴い、検査時間の短縮が、多少図れよう。なお、ことに鉄道トンネルでは、営業上の点より、トンネル検査は深夜に限定されることが有るが、これは外来雑音の除去とゆう点からは、プラスに作用しよう。
【0012】
さて、既存のレーザ光線による測距装置<以下では、自動測距装置7とも表現>を用いて、所定の距離からハンマーを壁面へ振り叩くさいに、壁への距離が遠過ぎることによる、図5、ハンマーの空振りを防ぐことができる。また、ハンマーの運動距離が短かすぎて、図6、<たとえば、数cm>壁面を打つ瞬間のハンマーの速度が、所定値に達せぬとゆう状況を防ぐこともできる。なお、レーザは目には有害だが、本システムのようにトンネルの壁にむかって用いるときには、たとえ、自動車用トンネルの中でも、そばを通る一般車両の乗員へ、悪影響を与えることは少ない。鉄道トンネルでは、たとえ、昼間に検査を行うとしても、悪影響は絶無である。
【0013】
本システムは、もちろん、自動車トンネルで用いることができ、ことに、地震の後のトンネル内壁の損傷の検査に好適である。それは、安全性の検証されていないトンネルへ人を入れることは危険だが、本システムは上述したように、又、後に詳述するように、無人化が可能だからである。地震直後では、検査の必要性が非常に高いといえるし、また、地震により、交通遮断を行い、一般車両の出入りを制限するので、本システムの稼動時の、一般車両を音源とする外来雑音が絶無となり、高精度の音認識が期待でき、検査精度も高まろう。トンネルの中では、雨の影響を受けず、レーザによる測距の、十分な精度を稼ぐことも、できよう。
【0014】
音認識手段2としては、IBM社により商品化された音声認識装置、あるいは、マイクロソフト社のWINDOWS SOUND SYSTEMを用いることが、できよう。
【0015】
音認識手段2そのものが、コンピュータと専用のソフトウエアから成るものである。そこで、音認識手段2用のコンピュータとして、処理容量の十分大きなものを用いれば、それでマイクロプロセサ4の機能を代替せしめることもできる。逆に、マイクロプロセサ4として、高速で大容量のものを用いれば、それに音認識手段2の機能の一部を分担せしめることもできる。全体としての、ソフトウエアの単純化の観点から、両者を別べつの2台のコンピュータで実現することは、もとより合理的であり、その場合は、登録音と測定音との照合をふくめた、音認識に関わるすべての機能を、音認識手段2内のコンピュータが引き受け、マイクロプロセサ4は、その結果のみを受けとり記憶し、音発生手段1と音認識手段2の動作協調と、それらを積載する検査車の進行制御を受けもつことになろう。
【0016】
新幹線あるいは在来線のトンネル、また、自動車トンネルでも、その建築上の構造、大きさ、トンネル内径、形状などの設計データ8を、事前にマイクロプロセサ4<のディスク>に登録しておくことで、前記のレーザに依る測距の必要性を低減でき、コスト削減が可能となる。それは、自動測距装置7が無くても、打音検査のための段取り、つまり、ロボットハンドの腕の支点62の位置、したがって、腕の支点62から天井までの距離の設定が適正化でき、<天井が半円状なら、図7のように、ロボットハンドの胴体63の横方向の位置が決まると、支点62の天井からの距離も算出でき、天井の高さが変わろうが、胴体63を上下方向に伸縮すべき距離を、マイクロプロセサ4は確定できる>前記の空振り等を防ぎつつ、ロボットハンドの十分な運動距離<つまり、ハンマーが壁に当たる瞬間の適正な速度>を確保できるのである。
【0017】
このことは、ことに鉄道トンネルにて、レール上を検査車10が走るときに、いえることである。検査車10とトンネル壁との位置関係が、上下方向についても、横方向についても、トンネルの中では、常に一定であるからである。図7。トンネルの天井の全面にわたって、もらすことなく、打音検査を確実に行うにあたり、トンネル設計データの取りこみは、有効である。
【0018】
自動車トンネルでは、別に設けた自動測距装置17により、検査車10と横方向の側壁との距離を一定ならしめ、側壁への検査車10の衝突を防ぎつつ、検査車の無人運転が可能となる。検査車10とトンネル側壁との、横方向の位置関係が定まると、検査車の上部に設置したロボットハンド6とトンネル天井との距離が、トンネルが半円筒状の時でも、前記トンネル設計データより自動的に算出できる。
【0019】
なお、トンネルが半円筒状でなく、その天井が平面である時には、上下方向に用いる自動測距装置7が無くても、ロボットハンド6の円運動の支点62とトンネル天井との位置関係を、事前に適切なものたらしめることができ、同様な効果を実現できる。
【0020】
以上の実施例は、無人検査車を念頭においたものだが、検査車10に人が乗り込んで、検査車とトンネル側壁との位置関係を適性化することも、できないことはない。
【0021】
音発生手段を1台のみ用いるときには、検査車をトンネルのある箇所で静止させ、4分円<または半円>の連動を行うロボットハンドの支点62を、ロボットの腕61が天井へ、ちょうど届く位置へ、トンネル設計データ8にもとずき、あるいは、<それが無いなら>、自動測距装置7により上下方向へ段取り設定し、ついで、腕を回転させ、ハンマー5を天井へ、振り当てる。ロボットハンド6の円運動を、一例検査車の進行方向と平行な面内でなさしめることができる。図3と図4。この操作を、一例50cmずつ、ロボットハンドの支点61の位置を横へ移動せしめつつ、繰り返すことで、トンネル内のその位置<イ)やロ)>での打音検査を、もらすことなく行える。図7。図8。つまり、このロボットハンド6は、機能的には胴体部分63が、上下および左右に、検査車上部<の台座レール12上>を動きつつ、その腕部分61が円連動をするのである。
【0022】
トンネルを叩いた反響音が、十分減衰して、次ぎの打音検査に、雑音として影響せぬ、時間的タイミングをとりつつ、この検査を繰りかえすことができる。<マイク3からの音量を、音認識手段2や、マイクロプロセサ4が評価している>その箇所での作業が済んだら、検査車を一例、1m前進せしめ、同じことを繰り返す。このような作業を、トンネル全長にわたり、繰り返し、自動的に行うように、マイクロプロセサ4のソフトウエアを組むことが、できる。つまり、マイクロプロセサ4は、ロボットハンドの腕61の運動のほか、その支点62の横方向と上下方向の自動位置設定、さらに、検査車そのものの進行、前進距離を制御するのである。
【0023】
本システムに以下のような、塗装手段9を持たせることができる。図9。つまり、ロボットハンド6に、塗装用のノズル15を併設せしめ、打音検査の結果、該箇所の異状が識別できたら、インクやペンキを噴射せしめ、外観上、その異状箇所を、他と区別せしめることができる。これには、既存の塗装ロボット16の技術を流用できる。また、その位置、つまり、トンネルの入口から、何mのところで、かつ、天井の左端もしくは右端から、何mのところかを、マイクロプロセサ4へ記憶せしめることができる。
【0024】
自動車トンネルでは、検査車を第1車線、第2車線と順次、それぞれ、左側壁、あるいは、右側壁との距離を一定にならしめつつ走らすことで、トンネル全体の検査が可能となる。前記の、ロボットハンドの胴体部分63が左右へ動くための台座12のサイズを、トンネルの直径並に十分長くすれば、ことに、自動車トンネルにて、他の一般車両の通行を差し止めておるときに、第1車線と第2車線のある、幅広のトンネルでも、検査車1台、1回の進行で、検査を済ますことができ、ことに、地震時の通行のすみやかな再開に寄与せしめることができる。
【0025】
なお、音発生手段1を検査車10の上部に複数、設置することができる。一例、横方向に50cmずつ、複数台設置する。図10。すると、前記の1台のみの時とちがって、ロボットハンドの支点の横方向への、運動制御機構を省くことができる。この場合、複数のロボットハンド6の、4分円運動の支点<中心位置>の上下方向の制御のみを、それぞれの支点のトンネル側壁からの距離に応じて、段取りとして行えばすむ。<トンネルが半円筒状でも、側壁からの距離が決まると、そこでの天井の高さが、トンネル設計データにより確定できるので>。トンネルの天井が、平面である時には、その制御も容易であることは、ゆうまでもない。
【0026】
たとえば、トンネル内のある箇所で、8台のロボットハンド6で、横方向に8分された、天井の各部を順じゅんに叩く。そのさい、1台のロボットハンド6のハンマー5で生じた反響音が、十分減衰し、次ぎのロボットハンドのハンマーによる打音検査の音認識に影響を与えぬ程度の、時間的間隔をもたせつつ、複数の音発生手段1を動作せしめるのである。このような時間的な間合いをとらせることは、マイクロプロセサ4のソフトウエアにより、可能である。さて、一箇所での検査が済んだら、検査車そのものを、1mなり動かして、同じことを繰りかえす。かくして、トンネル全長にわたり、打音検査を自動化できる。検査車10を一度に動かす距離<一例1m>、ロボットハンド6を1台だけ用いる時の、胴体部分63の横方向への移動距離<一例50cm>、ロボットハンド6を複数台用いる時の、その設置間隔<一例50cm>は、計測精度をどの程度高めたいか<一例1平方m単位か>、あるいは、計測時間をどの程度短縮したいかとゆう、その時どきの状況により、決定せられる。
【0027】
なお、本実施例ではもっぱら、トンネルの天井の打音検査について述べるが、ここでゆう「天井」は、天井が半円筒状のときを考えればわかるように、トンネルの側面をも含む。トンネルの天井が平面状のときの、その両側壁も、同様な手段で検査できることは、ゆうまでもない。なお、又、マイクロプロセサ4は、ロボットハンドの腕61の運動距離、回転角を把握しているので、腕の支点62の位置さえ適切なら、回転角が所定の角度<1例、90度弱>になったことで、そして、そこで腕61が止まったことで、ハンマーが天井にあたったと識別できる。
【0028】
ところで、ハンマーが天井の壁に当たったか、空振りしたかは、音検出手段2そのものによっても、音の有無により判るし、ハンマー5、もしくは、ロボットハンドの腕61に設けた加速度センサ21にてもチェックできよう。また、ロボットハンドの腕61に付けた速度センサ22により、所定の速度で当たったかどうかを、マイクロプロセサ4は識別できるので、空振り、もしくは、速度不足の時には、ロボットハンドの支点62の位置を調節して、<空振りでは、胴体63を伸ばし、支点62を天井へちかずけ、動作速度不十分では、腕61を天井から遠ざけて>再試行することになろう。なお、ロボットハンド6の円運動の動作時間を計測して、それが僅少である時には、ハンマー5が当たったとしても、壁に近過ぎるところから振り当てたと判別でき、速度センサ22が無くても、所定の速度に達していないことを、マイクロプロセサ4は識別できよう。
【0029】
鉄道トンネルにおいて、き電用に天井に設置した電線の位置は決まっている。自動車トンネルにおける、天井に設けた照明装置などの設備も、位置が固定している。そこで、これらの位置をトンネル設計データ8の一部として取りこめば、電線や照明装置をよけて、音発生手段1を動かすことが可能となる。前記したように、ロボットハンドの腕61が、検査車の進行方向と平行な面内、つまり、電線とも平行な面内で円運動させておるので、鉄道トンネルにて、ハンマー5を振り回すときに、電線を避けることは、容易である。自動車トンネルの照明装置については、その真下近傍において、照度が最大となる。そこで、光センサ23、もしくは、照度センサ23をハンマーが衝突する箇所の真下あたりの、検査車上に設け、天井からの光を計測せしめる。図3。近くにある、別の照明装置からの光は、この場合、ノイズとなるので、側方からの光を拾わず、真上からの光のみを拾うように、光を通さない筒24<本の筒でも、金属の筒でもよい>の底に光センサ23、または、照度センサ23を据えて、垂直方向に固定する。これらのセンサとマイクロプロセサ4をオンラインで結び、光センサの感知した照度が一定以上になったら、照明の真下に来たと判断できる。筒24には、自動開閉のフタ30が付いていて、塗装手段9が動く時には、フタ30が閉まり、それ以外の時には、フタ30は開いている。図4。
【0030】
たとえば、地層とのからみで、ハンマーによる打音検査の反響音が長引き、音認識に要する時間よりも、反饗音が減衰する時間のほうが長くなり、1回あたりの計測時間が長引くこともあろう。一方、振動している鐘を、そっと押さえると、音が止むことは、良く知られておる。人手による打音検査のように、ロボットハンド6による時も、ハンマー5が壁に当たった瞬間、<前述のように、マイク3からの音、あるいは、加速度センサ21で識別できる>ハンマー5を戻し、ハンマーが壁から離れるように、ロボットハンド6は制御される。この場合、所定の音認識が完了したら、自然減衰しつつある、反響音を厚手のゴム板等を当てて止めてしまうことも可能であろう。それには、図3のケースでは、図11のような、また、図4のケースでは、図12のような反響音減衰手段27を使える。前者は、ロボットハンドの、いわば、胴体63’のみからなるものであり、その上部に厚いゴムの固まり25を設け、その近傍へリミットスイッチ26を付けたものであり、天井方向へ十分伸長できるようになっている。後者は、ロボットハンドの、いわば、腕61’と支点62’から成るものであり、腕61’の先端へゴムの細長い固まり25を、電線と平行に付けたものであり、天井へ確実に届くように、やや長い腕61’を、腕61とは反対側から逆方向へ回転せしめるようになっている。ハンマー5による反響音の音認識が済んだら、ただちに、この反響音減衰手段27を天井へ接着せしめる。反響音が十分減衰したら、次ぎの打音検査のために、ただちに、天井から離す。その離す距離は、この反響音減衰手段の動作時間を短縮するために、天井の照明装置、もしくは、き電用の電線<図示せず>とぶつからない程度の短い距離で良かろう。また、上記のようにこの反響音減衰手段27は、それと き電用の電線等が触れないように設けられ、その形状が決せられる。
【0031】
図11と同様な仕組みで、マイク3を壁面に接着せしめ、壁の振動音そのものを計測し、登録した振動音と比較すれば、空中伝播雑音を除去できる。
【0032】
本システムは、コンクリート造成品質のチェック用であるが、自動測距装置による、トンネルの天井の高さの実測データを、マイクロプロセサ4に登録された、トンネルの設計データと比較照合することで、地震後のトンネル天井の崩落を、無人検査車により行える。
【0033】
この場合には、別の自動測距装置17で、左もしくは右側面との距離を一定に保ちつつ、検査車10を走らせ、同時に、自動測距装置7で天井の高さを計測し、異状をチェックする。さらに、第3の自動測距装置<図示せず>を車両前方、路面近くへ設置し、崩落物、つまり、前方障害物の有無も合わせて、測定することになる。図8。このような天井の崩壊チェックの目的では、かならずしも、トンネルの設計データは必要ではなく、崩落物の有無、天井の高さの不合理な変化がチェックできれば良い。<天井の照明装置、電線、電線用支えを無視してよいケース>天井が平面である時はもちろんだが、天井が半円筒状である時も、側壁からの距離が一定であれば、そこでの天井の高さは一定値に決まり、検査車10の進行に伴い、不連続な変化を起こすことは無い。ただ、照明装置や電線用支えが天井に設置してあると、一見、高さを誤読することもあろうが、電線支え等の位置もトンネル設計データとして、マイクロプロセサ4へ登録することで、それは防げる。
【0034】
なお、トンネルの崩落の単なる有無の検査<天井の崩壊は全く無いか、それとも、1か所以上あるか>は、自動測距装置17を無人検査車10の前方と、左もしくは右側面に設けて、検査車を走らせることだけでも可能である。この場合、天井の高さの検査はせず、路上に落下した崩壊物が、1か所でも有るか、どうかとゆう検査になるが、最も検査時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
本システムにより、新幹線のトンネルのコンクリートの構造の検査を無人化できる。同様に、通常の列車トンネル、自動車トンネルの検査、ことに、地震直後の検査の無人化が可能となる。特に、青函トンネルのように、長大な海底トンネルを、大地震直後に2次災害を絶無にしつつ、無人検査できる。
【符号の説明】
1は音発生手段
2は音認識手段
3はマイク
4はマイクロプロセサ。本発明を構成する、センサ類、ロボットハンド<もしくは、その部品>は、マイクロプロセサ4とオンラインで、有線、または、無線で接続される。
5はハンマー
6はロボットハンド
7は自動測距装置、上下方向のためのもの。
8はトンネル設計データベース。
9は自動塗装手段
10は検査車。電気モータ、又は、エンジンを有する。ロボットカーも可。
11はロボットハンドの胴体の上部のリミットスイッチ
12は検査車上部の台座レール、検査車の進行方向と直角に設置される。
15はノズル
16は塗装ロボット、あるいは、塗装ロボットのインク、ペンキ噴射機能に関わる部分。
17は、横方向の自動測距装置。トンネル側壁との距離測定用。
18はトンネル側壁
19はトンネルの天井
20はレール
21は加速度センサ
22は速度センサ
23は光センサもしくは照度センサ
24は光センサの設置される筒。
25は厚いゴムの固まり。廃タイヤを利用することでコスト減になると共に、極めて耐摩耗性の優れた反響音減衰手段を構成できる。
26は、ゴムの固まり25の天井への接着を感知するためのリミットスイッチ
27は、反響音減衰手段。
30はフタ。
61は、音発生手段用の、ロボットハンドの腕
61’は、反響音減衰手段用のロボットハンドの腕
62は、音発生手段用のロボットハンドの腕の支点
62’は、反響音減衰手段用のロボットハンドの腕の支点
63は、音発生手段用のロボットハンドの胴体
63’は、反響音減衰手段用の、ロッボトハンドの胴体
【技術分野】
【0001】
これは、コンクリート壁の造成品質のチェック用の装置に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル内のコンクリート壁の造成上の欠陥を調べるために、人手によりハンマーでコンクリートを叩いて、その音を聞きわけて、良しあしの判断をしていた。これは、高所作業となることが多く、落下の危険もあった。<以下では、上記のような、叩いた時の音による検査を打音検査とも表現する。>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当出願人は、先に「音認識装置つき報知装置」の出願において、自動車のガードレールへの激突時の音等を用いた、交通事故の自動通報装置を提案しているが、その例のように、当該事象が自発的な音を伴うケースとは違って、コンクリート壁の造成上の「欠陥」のように、静的な状態では、当該事象が音を生じないこともある。医者が患者を診断する時、心臓の拍動は聴診器でその音を聞けるが、脚気になった足を診断するために、膝を叩くことが有る。が、前記の例にても人工的な打鍵手段が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
コンクリート壁面を叩いて、音を響かせる音発生手段1と、その音を分析する音認識手段2と、両者を連動して調和して動作せしめるマイクロプロセサ4等から成るものである。
【作用】
【0005】
音発生手段1が、コンクリートの壁面を叩くと、コンクリートに造成上の欠陥の有る時には、特有の反響音がある。その音は、マイク3を通して、音認識手段2へ入力され、解析される。すなわち、コンクリート壁に、欠陥の無い時の音パターン、既知の欠陥の有る時の音パターンは、事前に音認識手段2、<または、マイクロプロセサ4>のディスクの音ファイルに登録されておるので、今回の打音検査時の反響音が、無欠陥時のものか、欠陥時のものか、そのいずれでもないかが、音認識手段2により分別される。そこで、壁面の欠陥の、自動的な発見が可能となる。その結果は、マイクロプロセサ4へ伝達され、記憶される。図1。
【発明の効果】
本システムにより、新幹線のトンネルのコンクリートの構造の検査を無人化できる。同様に、通常の列車トンネル、自動車トンネルの検査、ことに、地震直後の検査の無人化が可能となる。特に、青函トンネルのように、長大な海底トンネルを、大地震直後に2次災害を絶無にしつつ、無人検査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本システムの概略構成図
【図2】音発生手段1の構成図の一例
【図3】音発生手段1が、トンネル天井を叩く、一例。ロボットハンド6の腕が、約90度<それ以下でも、それ以上でも良いが、極端に小さいと図6のケースとなり、まずい。また、必要以上に大きいと、1回の動作時間が長くなり、時間的ムダが生じる>動いて、腕61が、水平より少し上に達したときに、ハンマー5が天井に当たるケース。点線は、腕61の初期位置。この場合、ロボットハンドの胴体63と天井が、比較的接近しているので、両者が接触せぬように、注意する必要が大である。そのために、ロボットハンドの胴体63の頂点へ、リミットスイッチ11を設けて、胴体63の位置の制御をする。リミットスイッチ11からの信号がオンになったら、マイクロプロセサ4は胴体63を下げる方向に収縮させるのである。図3も、図4も進行方向に沿って、横から見たところ。
【図4】音発生手段1がトンネル天井を叩く、別の一例。ロボットハンドの腕61が動いて、鉛直線に達する、少し前にハンマー5が、天井に当たるケース。腕61の長さをL,胴体62から天井までの距離をHとすると、L>Hとなるように、胴体63の上下方向の位置制御がなされる。図5も参照。本ケースでは、L>Hかつ、L〜Hである。LはHより、少し長い。一方、図3のケースでも、L>Hだが、同時にL>>Hもしくは、H〜Oである。HはLより、はるかに小さいか、Oに近い。
【図5】ハンマー5の空振りのケース。ロボットハンドの腕61の長さをL,腕の支点62から天井までの高さをHとすると、L<Hのケース。これは、図4のケースで起こりやすい。図5も、図6も音発生手段のみを描いて、わかりやすくしている。
【図6】ロボットハンドの腕61の初期位置から、天井への衝突時までの、ハンマー5の運動軌跡の長さd<円運動の円弧の長さ>が、初期位置設定<点線で表示>のまずさのために、非常に短いケース。衝突時のハンマーの速度が、予定値に達しないことが、多い。
【図7】ロボットハンドの胴体63が、上下方向に伸縮して、腕の支点62の位置を、L>Hのちょうど良いところへ、調整しつつ打音検査をし、その操作を検査車10の上部の台座レール12上を、横へ移動しつつ繰り返しているところ。鉄道トンネルでは、列車がトンネルのほぼ中央を通るように、2本のレール20が敷設されておるので、検査車上部と天井との位置関係、検査車の側面とトンネル側壁との位置関係は、ほぼ一定である。レール20の敷設の仕方が、横方向にずれていても、そのレールの敷設データをトンネル設計データ8へ取りこむことで、ロボットハンド6の<腕の支点62の>位置の最適制御が可能となる。なお、レールの敷設データが無くても、図8のように、横方向用の自動測距装置17を、鉄道トンネルでは、胴体63へ設置することで、同じことが可能となる。図7は、単線のトンネルのケースだが、1トンネルに上下線のあるときも、同じことがいえる。図7も、図8も進行方向から見たもの。
【図8】自動車トンネルの中を、検査車10が動く様。側壁との距離測定のための自動測距装置17を持つことが特徴である。自動測距装置17は、検査車と側壁との距離を与える。また、マイクロプロセサ4は、台座12上の胴体63の位置を把握している。そこで、マイクロプロセサ4は、側壁とロボットハンドの支点62との距離を得る。
【図9】自動塗装手段の構成図の一例。ノズル15をハンマー5に設けると<もちろん、壁に当たらぬ部分>、塗装ロボットの技術のうち、ノズルの位置ぎめの機能は不用ゆえ、インクやペンキの噴射に関わる機能のみで、間に合う。天井の壁面の構造に異状のあったときには、ロボットハンド6の腕が再び、その位置へ振り当てられ、当たると同時に噴射される。その制御は、マイクロプロセサ4により、なされる。
【図10】音発生手段1を複数、検査車の上部に設置した例。検査車のパンタグラフから離れた位置に、各ロボットハンド6が設置される。音発生手段1が、き電用の電線<図示せず>の位置を回避しつつ、ほぼ等間隔で横方向に設置される。わかりやすさのために、もっぱら、ロボットハンドのみを描いている。
【図11】図3の音発生手段1と、それに対応した反響音減衰手段27。わかりやすくするために、図11も図12も、音発生手段1は単純化してある。このタイプの反響音減衰手段27は、ゴム25を細長くし、電線と平行にすると、鉄道トンネルで好適である。ゴム25を細長くせずとも、自動車トンネルにて好適である。
【図12】図4の音発生手段1と、それに対応した反響音減衰手段27。鉄道トンネルに好適の反響音減衰手段である。ゴムの固まり25が、天井に触れ、さらに、密着したことは、図11のようにリミットスイッチ26を使わなくとも、ロボットハンドの、4分円運動する腕61’が動かなくなったことで<同様に図11でも、伸長する胴体63’が動かなくなったことで>、マイクロプロセサ4により識別せられる。腕61と61’を同じものを使うと、部品の共通化が図られ、また、腕61が天井に当たるときは、厚いゴムの固まり25も天井へ当たる。両者は方向が違うだけで、交互に対称的に動く。図4の自動測距装置7の、じゃまにならないように、反響音減衰手段27は、<検査車の進行方向と垂直で、水平な方向において>やや、ずれた位置に設置される。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0006】
音発生手段1は、ハンマー5、<金属ハンマー、又は、プラスチックハンマー>とモータ等より成る。なお、本明細書では、<>は補足説明的意味あいで用いる。又、音発生手段1として、自動打楽器、無人太鼓の仕組みを流用できる。さらに、腕が<部分的な>円運動を行うロボットハンド6、ロボットアーム6を用いて、その腕の先端にハンマーを付けて、動作せしめても良い。図2。
【0007】
マイク3として、指向性の高いものを用い、検査対象となる壁面を、常に指向させる。もしくは、指向性の無いマイク3でも、前記ハンマー5の一部<もちろん、壁に当たらぬ部分>または、ロボットアーム6の腕へ固定させることで、そのマイク3に空間的に近い、壁面から生じる音のみを、もっぱら拾い、いわゆる外来雑音の影響を弱くすることができる。さらに、ロボットハンド6等の音発生手段1が動作した直後の、タイミングで測定対象たる反響音を拾うように、音認識手段2のソフトウエアを組むことでも、外来雑音の影響を低減できる。
【0008】
発生する音パターンは、イ)コンクリートの造成が、完全である時の音ロ)造成が不完全な時の音<既知のケース>ハ)造成が不完全な時の音<未知のケース>に、大別される。ケース イ)とロ)は、事前に音認識手段2、もしくは、マイクロプロセサ4に登録できる。そこで、本システムはイ)のケースか、ロ)のケースか、あるいは、そのいずれでもない<すなわち、>ハ)のケースかを判断できる。これは、ソフトウエアのIF文により、容易に実現できる。
【0009】
人が、壁面をハンマー5で叩く時の、ハンマー5の速度や角速度<少なくとも、個この平均値>を、マイクロプロセサ4へ登録することで、音発生手段1の壁面の叩き方を改善できる。少なくとも、人手により叩く時に、近ずけることができる。すると、前記イ)やロ)の登録用音パターンとして、人手により生じた音を活用できる。マイクロプロセサ4により、本システムが搭載される検査用車両を無人運転することも、ことに深夜においては<旅客電車が深夜では、めったに無いとゆう意味で、安全性の面で>可能であり、<深夜作業から、保守要員を解放するとゆう意味で>有用であるが、その検査車に人が乗り込んで、打音検査の模様を耳にする時に、人手で壁を打っていた時の経験が生きるので、人手の時の音を登録することは、マンマシン システムとゆう観点から、望ましいといえよう。
【0010】
もちろん、イ)のケースの音パターンとして、完全であると人手で検証済みの壁面を、事前にロボットハンド6等で叩いた時の反響音を登録しておけば、その登録時のロボットハンド6の動作速度が、人手の時と比べて多少速くても、したがって、その音パターンが人手による時のものと、若干、人が聞いて違っていたとしても、新しい現場で計測する時に、同じ動作速度をロボットハンド6に持たせることで、その計測地点での反響音と登録された音パターンを比較することから、壁面の完全性の検査が同様にできよう。
【0011】
この場合、ソフトウエア上、イ)のケースかどうか、つまり、造成が完全かどうか、とゆう検査であり、ロ)のデータを用いる時とは違って、造成が不完全だとして、どのようにコンクリートの構造が不完全であるか、既知のケースに照らして、判断することはできないが、動作速度の向上に伴い、検査時間の短縮が、多少図れよう。なお、ことに鉄道トンネルでは、営業上の点より、トンネル検査は深夜に限定されることが有るが、これは外来雑音の除去とゆう点からは、プラスに作用しよう。
【0012】
さて、既存のレーザ光線による測距装置<以下では、自動測距装置7とも表現>を用いて、所定の距離からハンマーを壁面へ振り叩くさいに、壁への距離が遠過ぎることによる、図5、ハンマーの空振りを防ぐことができる。また、ハンマーの運動距離が短かすぎて、図6、<たとえば、数cm>壁面を打つ瞬間のハンマーの速度が、所定値に達せぬとゆう状況を防ぐこともできる。なお、レーザは目には有害だが、本システムのようにトンネルの壁にむかって用いるときには、たとえ、自動車用トンネルの中でも、そばを通る一般車両の乗員へ、悪影響を与えることは少ない。鉄道トンネルでは、たとえ、昼間に検査を行うとしても、悪影響は絶無である。
【0013】
本システムは、もちろん、自動車トンネルで用いることができ、ことに、地震の後のトンネル内壁の損傷の検査に好適である。それは、安全性の検証されていないトンネルへ人を入れることは危険だが、本システムは上述したように、又、後に詳述するように、無人化が可能だからである。地震直後では、検査の必要性が非常に高いといえるし、また、地震により、交通遮断を行い、一般車両の出入りを制限するので、本システムの稼動時の、一般車両を音源とする外来雑音が絶無となり、高精度の音認識が期待でき、検査精度も高まろう。トンネルの中では、雨の影響を受けず、レーザによる測距の、十分な精度を稼ぐことも、できよう。
【0014】
音認識手段2としては、IBM社により商品化された音声認識装置、あるいは、マイクロソフト社のWINDOWS SOUND SYSTEMを用いることが、できよう。
【0015】
音認識手段2そのものが、コンピュータと専用のソフトウエアから成るものである。そこで、音認識手段2用のコンピュータとして、処理容量の十分大きなものを用いれば、それでマイクロプロセサ4の機能を代替せしめることもできる。逆に、マイクロプロセサ4として、高速で大容量のものを用いれば、それに音認識手段2の機能の一部を分担せしめることもできる。全体としての、ソフトウエアの単純化の観点から、両者を別べつの2台のコンピュータで実現することは、もとより合理的であり、その場合は、登録音と測定音との照合をふくめた、音認識に関わるすべての機能を、音認識手段2内のコンピュータが引き受け、マイクロプロセサ4は、その結果のみを受けとり記憶し、音発生手段1と音認識手段2の動作協調と、それらを積載する検査車の進行制御を受けもつことになろう。
【0016】
新幹線あるいは在来線のトンネル、また、自動車トンネルでも、その建築上の構造、大きさ、トンネル内径、形状などの設計データ8を、事前にマイクロプロセサ4<のディスク>に登録しておくことで、前記のレーザに依る測距の必要性を低減でき、コスト削減が可能となる。それは、自動測距装置7が無くても、打音検査のための段取り、つまり、ロボットハンドの腕の支点62の位置、したがって、腕の支点62から天井までの距離の設定が適正化でき、<天井が半円状なら、図7のように、ロボットハンドの胴体63の横方向の位置が決まると、支点62の天井からの距離も算出でき、天井の高さが変わろうが、胴体63を上下方向に伸縮すべき距離を、マイクロプロセサ4は確定できる>前記の空振り等を防ぎつつ、ロボットハンドの十分な運動距離<つまり、ハンマーが壁に当たる瞬間の適正な速度>を確保できるのである。
【0017】
このことは、ことに鉄道トンネルにて、レール上を検査車10が走るときに、いえることである。検査車10とトンネル壁との位置関係が、上下方向についても、横方向についても、トンネルの中では、常に一定であるからである。図7。トンネルの天井の全面にわたって、もらすことなく、打音検査を確実に行うにあたり、トンネル設計データの取りこみは、有効である。
【0018】
自動車トンネルでは、別に設けた自動測距装置17により、検査車10と横方向の側壁との距離を一定ならしめ、側壁への検査車10の衝突を防ぎつつ、検査車の無人運転が可能となる。検査車10とトンネル側壁との、横方向の位置関係が定まると、検査車の上部に設置したロボットハンド6とトンネル天井との距離が、トンネルが半円筒状の時でも、前記トンネル設計データより自動的に算出できる。
【0019】
なお、トンネルが半円筒状でなく、その天井が平面である時には、上下方向に用いる自動測距装置7が無くても、ロボットハンド6の円運動の支点62とトンネル天井との位置関係を、事前に適切なものたらしめることができ、同様な効果を実現できる。
【0020】
以上の実施例は、無人検査車を念頭においたものだが、検査車10に人が乗り込んで、検査車とトンネル側壁との位置関係を適性化することも、できないことはない。
【0021】
音発生手段を1台のみ用いるときには、検査車をトンネルのある箇所で静止させ、4分円<または半円>の連動を行うロボットハンドの支点62を、ロボットの腕61が天井へ、ちょうど届く位置へ、トンネル設計データ8にもとずき、あるいは、<それが無いなら>、自動測距装置7により上下方向へ段取り設定し、ついで、腕を回転させ、ハンマー5を天井へ、振り当てる。ロボットハンド6の円運動を、一例検査車の進行方向と平行な面内でなさしめることができる。図3と図4。この操作を、一例50cmずつ、ロボットハンドの支点61の位置を横へ移動せしめつつ、繰り返すことで、トンネル内のその位置<イ)やロ)>での打音検査を、もらすことなく行える。図7。図8。つまり、このロボットハンド6は、機能的には胴体部分63が、上下および左右に、検査車上部<の台座レール12上>を動きつつ、その腕部分61が円連動をするのである。
【0022】
トンネルを叩いた反響音が、十分減衰して、次ぎの打音検査に、雑音として影響せぬ、時間的タイミングをとりつつ、この検査を繰りかえすことができる。<マイク3からの音量を、音認識手段2や、マイクロプロセサ4が評価している>その箇所での作業が済んだら、検査車を一例、1m前進せしめ、同じことを繰り返す。このような作業を、トンネル全長にわたり、繰り返し、自動的に行うように、マイクロプロセサ4のソフトウエアを組むことが、できる。つまり、マイクロプロセサ4は、ロボットハンドの腕61の運動のほか、その支点62の横方向と上下方向の自動位置設定、さらに、検査車そのものの進行、前進距離を制御するのである。
【0023】
本システムに以下のような、塗装手段9を持たせることができる。図9。つまり、ロボットハンド6に、塗装用のノズル15を併設せしめ、打音検査の結果、該箇所の異状が識別できたら、インクやペンキを噴射せしめ、外観上、その異状箇所を、他と区別せしめることができる。これには、既存の塗装ロボット16の技術を流用できる。また、その位置、つまり、トンネルの入口から、何mのところで、かつ、天井の左端もしくは右端から、何mのところかを、マイクロプロセサ4へ記憶せしめることができる。
【0024】
自動車トンネルでは、検査車を第1車線、第2車線と順次、それぞれ、左側壁、あるいは、右側壁との距離を一定にならしめつつ走らすことで、トンネル全体の検査が可能となる。前記の、ロボットハンドの胴体部分63が左右へ動くための台座12のサイズを、トンネルの直径並に十分長くすれば、ことに、自動車トンネルにて、他の一般車両の通行を差し止めておるときに、第1車線と第2車線のある、幅広のトンネルでも、検査車1台、1回の進行で、検査を済ますことができ、ことに、地震時の通行のすみやかな再開に寄与せしめることができる。
【0025】
なお、音発生手段1を検査車10の上部に複数、設置することができる。一例、横方向に50cmずつ、複数台設置する。図10。すると、前記の1台のみの時とちがって、ロボットハンドの支点の横方向への、運動制御機構を省くことができる。この場合、複数のロボットハンド6の、4分円運動の支点<中心位置>の上下方向の制御のみを、それぞれの支点のトンネル側壁からの距離に応じて、段取りとして行えばすむ。<トンネルが半円筒状でも、側壁からの距離が決まると、そこでの天井の高さが、トンネル設計データにより確定できるので>。トンネルの天井が、平面である時には、その制御も容易であることは、ゆうまでもない。
【0026】
たとえば、トンネル内のある箇所で、8台のロボットハンド6で、横方向に8分された、天井の各部を順じゅんに叩く。そのさい、1台のロボットハンド6のハンマー5で生じた反響音が、十分減衰し、次ぎのロボットハンドのハンマーによる打音検査の音認識に影響を与えぬ程度の、時間的間隔をもたせつつ、複数の音発生手段1を動作せしめるのである。このような時間的な間合いをとらせることは、マイクロプロセサ4のソフトウエアにより、可能である。さて、一箇所での検査が済んだら、検査車そのものを、1mなり動かして、同じことを繰りかえす。かくして、トンネル全長にわたり、打音検査を自動化できる。検査車10を一度に動かす距離<一例1m>、ロボットハンド6を1台だけ用いる時の、胴体部分63の横方向への移動距離<一例50cm>、ロボットハンド6を複数台用いる時の、その設置間隔<一例50cm>は、計測精度をどの程度高めたいか<一例1平方m単位か>、あるいは、計測時間をどの程度短縮したいかとゆう、その時どきの状況により、決定せられる。
【0027】
なお、本実施例ではもっぱら、トンネルの天井の打音検査について述べるが、ここでゆう「天井」は、天井が半円筒状のときを考えればわかるように、トンネルの側面をも含む。トンネルの天井が平面状のときの、その両側壁も、同様な手段で検査できることは、ゆうまでもない。なお、又、マイクロプロセサ4は、ロボットハンドの腕61の運動距離、回転角を把握しているので、腕の支点62の位置さえ適切なら、回転角が所定の角度<1例、90度弱>になったことで、そして、そこで腕61が止まったことで、ハンマーが天井にあたったと識別できる。
【0028】
ところで、ハンマーが天井の壁に当たったか、空振りしたかは、音検出手段2そのものによっても、音の有無により判るし、ハンマー5、もしくは、ロボットハンドの腕61に設けた加速度センサ21にてもチェックできよう。また、ロボットハンドの腕61に付けた速度センサ22により、所定の速度で当たったかどうかを、マイクロプロセサ4は識別できるので、空振り、もしくは、速度不足の時には、ロボットハンドの支点62の位置を調節して、<空振りでは、胴体63を伸ばし、支点62を天井へちかずけ、動作速度不十分では、腕61を天井から遠ざけて>再試行することになろう。なお、ロボットハンド6の円運動の動作時間を計測して、それが僅少である時には、ハンマー5が当たったとしても、壁に近過ぎるところから振り当てたと判別でき、速度センサ22が無くても、所定の速度に達していないことを、マイクロプロセサ4は識別できよう。
【0029】
鉄道トンネルにおいて、き電用に天井に設置した電線の位置は決まっている。自動車トンネルにおける、天井に設けた照明装置などの設備も、位置が固定している。そこで、これらの位置をトンネル設計データ8の一部として取りこめば、電線や照明装置をよけて、音発生手段1を動かすことが可能となる。前記したように、ロボットハンドの腕61が、検査車の進行方向と平行な面内、つまり、電線とも平行な面内で円運動させておるので、鉄道トンネルにて、ハンマー5を振り回すときに、電線を避けることは、容易である。自動車トンネルの照明装置については、その真下近傍において、照度が最大となる。そこで、光センサ23、もしくは、照度センサ23をハンマーが衝突する箇所の真下あたりの、検査車上に設け、天井からの光を計測せしめる。図3。近くにある、別の照明装置からの光は、この場合、ノイズとなるので、側方からの光を拾わず、真上からの光のみを拾うように、光を通さない筒24<本の筒でも、金属の筒でもよい>の底に光センサ23、または、照度センサ23を据えて、垂直方向に固定する。これらのセンサとマイクロプロセサ4をオンラインで結び、光センサの感知した照度が一定以上になったら、照明の真下に来たと判断できる。筒24には、自動開閉のフタ30が付いていて、塗装手段9が動く時には、フタ30が閉まり、それ以外の時には、フタ30は開いている。図4。
【0030】
たとえば、地層とのからみで、ハンマーによる打音検査の反響音が長引き、音認識に要する時間よりも、反饗音が減衰する時間のほうが長くなり、1回あたりの計測時間が長引くこともあろう。一方、振動している鐘を、そっと押さえると、音が止むことは、良く知られておる。人手による打音検査のように、ロボットハンド6による時も、ハンマー5が壁に当たった瞬間、<前述のように、マイク3からの音、あるいは、加速度センサ21で識別できる>ハンマー5を戻し、ハンマーが壁から離れるように、ロボットハンド6は制御される。この場合、所定の音認識が完了したら、自然減衰しつつある、反響音を厚手のゴム板等を当てて止めてしまうことも可能であろう。それには、図3のケースでは、図11のような、また、図4のケースでは、図12のような反響音減衰手段27を使える。前者は、ロボットハンドの、いわば、胴体63’のみからなるものであり、その上部に厚いゴムの固まり25を設け、その近傍へリミットスイッチ26を付けたものであり、天井方向へ十分伸長できるようになっている。後者は、ロボットハンドの、いわば、腕61’と支点62’から成るものであり、腕61’の先端へゴムの細長い固まり25を、電線と平行に付けたものであり、天井へ確実に届くように、やや長い腕61’を、腕61とは反対側から逆方向へ回転せしめるようになっている。ハンマー5による反響音の音認識が済んだら、ただちに、この反響音減衰手段27を天井へ接着せしめる。反響音が十分減衰したら、次ぎの打音検査のために、ただちに、天井から離す。その離す距離は、この反響音減衰手段の動作時間を短縮するために、天井の照明装置、もしくは、き電用の電線<図示せず>とぶつからない程度の短い距離で良かろう。また、上記のようにこの反響音減衰手段27は、それと き電用の電線等が触れないように設けられ、その形状が決せられる。
【0031】
図11と同様な仕組みで、マイク3を壁面に接着せしめ、壁の振動音そのものを計測し、登録した振動音と比較すれば、空中伝播雑音を除去できる。
【0032】
本システムは、コンクリート造成品質のチェック用であるが、自動測距装置による、トンネルの天井の高さの実測データを、マイクロプロセサ4に登録された、トンネルの設計データと比較照合することで、地震後のトンネル天井の崩落を、無人検査車により行える。
【0033】
この場合には、別の自動測距装置17で、左もしくは右側面との距離を一定に保ちつつ、検査車10を走らせ、同時に、自動測距装置7で天井の高さを計測し、異状をチェックする。さらに、第3の自動測距装置<図示せず>を車両前方、路面近くへ設置し、崩落物、つまり、前方障害物の有無も合わせて、測定することになる。図8。このような天井の崩壊チェックの目的では、かならずしも、トンネルの設計データは必要ではなく、崩落物の有無、天井の高さの不合理な変化がチェックできれば良い。<天井の照明装置、電線、電線用支えを無視してよいケース>天井が平面である時はもちろんだが、天井が半円筒状である時も、側壁からの距離が一定であれば、そこでの天井の高さは一定値に決まり、検査車10の進行に伴い、不連続な変化を起こすことは無い。ただ、照明装置や電線用支えが天井に設置してあると、一見、高さを誤読することもあろうが、電線支え等の位置もトンネル設計データとして、マイクロプロセサ4へ登録することで、それは防げる。
【0034】
なお、トンネルの崩落の単なる有無の検査<天井の崩壊は全く無いか、それとも、1か所以上あるか>は、自動測距装置17を無人検査車10の前方と、左もしくは右側面に設けて、検査車を走らせることだけでも可能である。この場合、天井の高さの検査はせず、路上に落下した崩壊物が、1か所でも有るか、どうかとゆう検査になるが、最も検査時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
本システムにより、新幹線のトンネルのコンクリートの構造の検査を無人化できる。同様に、通常の列車トンネル、自動車トンネルの検査、ことに、地震直後の検査の無人化が可能となる。特に、青函トンネルのように、長大な海底トンネルを、大地震直後に2次災害を絶無にしつつ、無人検査できる。
【符号の説明】
1は音発生手段
2は音認識手段
3はマイク
4はマイクロプロセサ。本発明を構成する、センサ類、ロボットハンド<もしくは、その部品>は、マイクロプロセサ4とオンラインで、有線、または、無線で接続される。
5はハンマー
6はロボットハンド
7は自動測距装置、上下方向のためのもの。
8はトンネル設計データベース。
9は自動塗装手段
10は検査車。電気モータ、又は、エンジンを有する。ロボットカーも可。
11はロボットハンドの胴体の上部のリミットスイッチ
12は検査車上部の台座レール、検査車の進行方向と直角に設置される。
15はノズル
16は塗装ロボット、あるいは、塗装ロボットのインク、ペンキ噴射機能に関わる部分。
17は、横方向の自動測距装置。トンネル側壁との距離測定用。
18はトンネル側壁
19はトンネルの天井
20はレール
21は加速度センサ
22は速度センサ
23は光センサもしくは照度センサ
24は光センサの設置される筒。
25は厚いゴムの固まり。廃タイヤを利用することでコスト減になると共に、極めて耐摩耗性の優れた反響音減衰手段を構成できる。
26は、ゴムの固まり25の天井への接着を感知するためのリミットスイッチ
27は、反響音減衰手段。
30はフタ。
61は、音発生手段用の、ロボットハンドの腕
61’は、反響音減衰手段用のロボットハンドの腕
62は、音発生手段用のロボットハンドの腕の支点
62’は、反響音減衰手段用のロボットハンドの腕の支点
63は、音発生手段用のロボットハンドの胴体
63’は、反響音減衰手段用の、ロッボトハンドの胴体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動測距装置7と無人検査車と両者の制御を行うマイクロプロセサ4からなり、自動測距装置7でトンネルの天井の高さを計測し、天井の高さの不合理な変化をチェックできるようにした、無人検査車に搭載された、トンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項2】
別の自動測距装置17で、トンネルの左もしくは右側面との距離を一定に保ちつつ無人検査車を走らせるようにした、請求項1のトンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項3】
自動測距装置7による、トンネル天井の高さの実測データを、マイクロプロセサ4に登録されたトンネルの設計データと比較照合することで、トンネル天井の崩落の検査を行える、請求項1〜請求項2のトンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項4】
トンネルにおける照明装置や電線用支えの位置をトンネル設計データとして取り込み、天井の高さを誤読することを防ぐようにした、請求項3のトンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項1】
自動測距装置7と無人検査車と両者の制御を行うマイクロプロセサ4からなり、自動測距装置7でトンネルの天井の高さを計測し、天井の高さの不合理な変化をチェックできるようにした、無人検査車に搭載された、トンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項2】
別の自動測距装置17で、トンネルの左もしくは右側面との距離を一定に保ちつつ無人検査車を走らせるようにした、請求項1のトンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項3】
自動測距装置7による、トンネル天井の高さの実測データを、マイクロプロセサ4に登録されたトンネルの設計データと比較照合することで、トンネル天井の崩落の検査を行える、請求項1〜請求項2のトンネル天井の崩壊チェック装置。
【請求項4】
トンネルにおける照明装置や電線用支えの位置をトンネル設計データとして取り込み、天井の高さを誤読することを防ぐようにした、請求項3のトンネル天井の崩壊チェック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−145417(P2010−145417A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21605(P2010−21605)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【分割の表示】特願2000−52502(P2000−52502)の分割
【原出願日】平成12年1月23日(2000.1.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(593122099)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【分割の表示】特願2000−52502(P2000−52502)の分割
【原出願日】平成12年1月23日(2000.1.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(593122099)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]