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トンネル工事方法
説明

トンネル工事方法

【課題】電力を発電機から供給し、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を使用するトンネル工事方法において、選択する発電機の容量を抑制する。
【解決手段】トンネル工事方法は、掘削機11、ずり出し機械12、コンクリート吹付け機械13及び集塵機14等の電動機器を負荷機器1として使用するとともに、電力を発電機2から供給する。同トンネル工事方法は、発電機2と負荷機器1との間を接続する電力回路4に、力率制御方式の無効電力補償装置3を負荷機器1と並列となるように接続して、負荷機器1を稼動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力を発電機から供給し、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を使用するトンネル工事方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル工事では、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械、換気設備等の電動機器を用いて行う。詳しくは、掘削機が土を掘り分け石を削り、ずり出し機械によって掘り出した土砂を排出する(ずり出し)。直ちにコンクリート吹付け機械が掘削によって露出した壁面に対してコンクリートを吹き付け、同壁面を固定する。また、換気設備として集塵機が稼動される。これら電動機器は、誘導電動機を駆動源とする誘導性負荷であるとともに、起動や停止を繰り返しながら稼動される。
【0003】
なお、山岳地域等でのトンネル工事においては、商用電力系統から電力の供給を受けられないため、電力を発電機から供給する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発電機は、誘導電動機等の始動容量の大きな負荷を掛けると、発電機からの電圧が急激に低下し、負荷が正常に動作しないおそれがある。このため、発電機の容量は、誘導電動機等の効率、力率、及び誘導電動機等の始動時における発電機出力の換算値を考慮して選定されている(例えば、社団法人 日本内燃力発電設備協会規格NEGA D 201等による)。ところが、起動や停止を繰り返しながら電動機器が稼動されるトンネル工事においては、常に複数の負荷機器が不特定かつ不定時間に起動するため、これら負荷機器の起動時には無効電力が発生し易かった。このため、発電機容量の選択にあたっては、複数の誘導電動機の起動時における電力回路の電圧低下が他の稼動状態(定常運転状態)の負荷機器へ与える影響を考慮し、負荷機器の稼動状態における発電機出力よりもかなり大きなものを選定せざるをえなかった。また、発電機の容量の大型化は、燃料費の増加にも繋がる。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力を発電機から供給し、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を使用するトンネル工事方法において、選択する発電機の容量を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を負荷機器として使用するとともに、電力を発電機から供給するトンネル工事方法において、前記発電機と前記負荷機器との間を接続する電力回路に、力率制御方式の無効電力補償装置を同負荷機器と並列となるように接続して、同負荷機器を稼動させることをその要旨としている。
【0007】
同構成によれば、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を負荷機器として使用するトンネル工事では、起動や停止を繰り返しながら稼動されるが、電力回路に力率制御方式の無効電力補償装置を負荷機器と並列に設けたことにより、各機器の始動による電力回路における電圧低下を緩和することができ、発電機における無効電力を減少することができる。その結果、負荷機器の起動時における電力回路に及ぼす電圧低下を抑えることができ、発電機の容量を選択するにあたり、負荷機器の起動時における電圧低下を考慮することなく負荷機器の稼働状態における発電機出力の換算値を元に発電機の容量を選択できるため、選択する発電機の容量を従来の発電機の容量よりも抑制することができるようになる。また、選択する発電機の容量を抑制することにより、設備の小型化が図れるばかりか消費燃料の量を抑制できるため、トンネル工事に掛かる費用を抑制することができる。
【0008】
上記無効電力補償装置は、連系リアクトルと波形成形回路との直列回路を備えてなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のトンネル工事方法において、前記無効電力補償装置は、前記負荷機器に近接して設置されることをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、無効電力補償装置を負荷機器に近接して設置するため、負荷機器による電力回路の電圧低下に対してより速く応答することができ、発電機における無効電力を減少することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電力を発電機から供給し、掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を使用するトンネル工事方法において、選択する発電機の容量を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は、トンネル工事に用いる機器等の構成を示す概略構成図である。
同図1に示されるように、本実施形態のトンネル工事では、掘削機11、ずり出し機械12、コンクリート吹付け機械13、換気設備としての集塵機14等の負荷機器1を用いて行う。詳しくは、掘削機11が土を掘り分け石を削り、ずり出し機械12によって掘り出した土砂を排出する(ずり出し)。そして、コンクリート吹付け機械13が掘削によって露出した壁面に対してコンクリートを吹き付け、同壁面を固定する。また、集塵機14を稼動し、トンネル内の換気を行う。これら掘削機11、ずり出し機械12、コンクリート吹付け機械13、換気設備としての集塵機14等の負荷機器1は、誘導電動機を駆動源とする誘導性負荷であるとともに、起動や停止を繰り返しながら稼動される。なお、これら掘削機11、ずり出し機械12、コンクリート吹付け機械13、換気設備としての集塵機14以外にも必要に応じて他の電動機器が負荷機器1として追加される。発電機2からの電力回路4の末端に負荷機器1が接続され、発電機2によって負荷機器1への電力供給が行われる。
【0012】
発電機2と負荷機器1との間には、無効電力補償装置(SVG:Static Var Generator)3が負荷機器1と並列接続して設けられている。無効電力補償装置3は、インバータ回路33とコンデンサ34とからなる波形成形回路32が連系リアクトル31を介して電力回路4に接続される直列回路を備えてなる。また、無効電力補償装置3は、電力回路4の電圧及び電流を演算し、波形成形回路32を制御する制御回路30を備えている。具体的には、接続点Pより負荷機器1側に電流検出用の変流器CTが取り付けられている。更に接続点Pより負荷機器1側における電力回路4の電圧を測定するための変圧器PTが接続されている。制御回路30は、変流器CTにより検出された電流と、変圧器PTにより検出された電圧とから電力回路4の力率を算出し、所定の力率になるように波形成形回路32を制御し、電力回路4の無効電力を打ち消すように電力回路4へ無効電力を注入し、力率を一定に制御する。
【0013】
ここで、無効電力補償装置3が電圧一定制御ではなく、力率一定制御を選定していることについて説明する。通常、発電機2は自動電圧制御機能を有しており、無効電力補償装置3が電圧一定制御で無効電力補償を行うと、発電機2と無効電力補償装置3とが互いに電圧を制御しようとし、無効電力補償装置3による無効電力補償を行えなくなるおそれがあるため、無効電力補償装置3は力率一定制御を選定している。
【0014】
次に、前述のように構成された無効電力補償装置3の動作態様について説明する。
無効電力補償装置3は、インバータ回路33の出力電圧を電力回路4の電圧の位相と同期させ、大きさを変化させる。これにより、電力回路4の電圧から90度遅れ・進みの電流が連系リアクトルに流れる。この結果、無効電力補償装置3は、電力回路4側から見ると、可変の進相コンデンサや分路リアクトルが接続されているように動作する。
【0015】
無効電力補償装置3は、出力する無効電力を変化させることにより電力回路4の電圧を調整する。すなわち、負荷機器1の変動により電力回路4の電圧が低下した場合は、電力回路4から見て進相コンデンサと同様な動作を行い、電圧を上げる。この結果、図2に示されるように、電力回路4における無効電力補償装置3の接続点Pより発電機2側の無効電力を減少させる。また、電力回路4の電圧が上昇した場合は、電力回路4から見て分路リアクトルと同様な動作を行い、電圧を下げる。これにより、発電機2における力率が改善され、給電効率が上昇する。また、負荷機器1によって発生する無効電力を高速で打ち消すため、負荷機器1によって発生する電圧変動を緩和する。
【0016】
次に、前述のように構成されたトンネル工事方法の動作態様について説明する。
トンネルの掘削が始まると、上記の負荷機器1である掘削機11、ずり出し機械12、及びコンクリート吹付け機械13は、起動や停止を繰り返しながら稼動される。具体的には、掘削機11は地盤の硬さによって切羽の回転速度に変化が生じる。また、コンクリート吹付け機械13はコンクリートを吹き付ける時と、行わない時でコンプレッサの駆動が大きく異なる。そして、各機器の起動のたびに、電力回路4において電圧低下が発生するが、無効電力補償装置3によって速やかに無効電力を補償することによって、電力回路4の電圧変動を緩和する。
【0017】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)掘削機11、ずり出し機械12、コンクリート吹付け機械13及び集塵機14等の電動機器を負荷機器1として使用するトンネル工事では、起動や停止を繰り返しながら稼動されるが、電力回路4に力率制御方式の無効電力補償装置3を負荷機器1と並列に設けた。これにより、各機器の始動による電力回路4における電圧低下を緩和することができ、発電機2における無効電力を減少することができる。その結果、負荷機器1の起動時における電力回路4に及ぼす電圧低下を抑えることができ、発電機2の容量を選択するにあたり、負荷機器1の起動時における電圧低下を考慮することなく負荷機器1の稼働状態における発電機2の出力の換算値を元に発電機2の容量を選択できるため、選択する発電機2の容量を従来の発電機の容量よりも抑制することができるようになる。また、選択する発電機2の容量を抑制することにより、設備の小型化が図れるばかりか消費燃料の量を抑制できるため、トンネル工事に掛かる費用を抑制することができる。
【0018】
(2)さらに、インバータ回路によって出力を調整するため応答速度が速く、急峻な電圧低下の補償ができるとともに、周期的に発生する出力変動の激しい負荷機器に対して電圧変動に伴うフリッカを補償することができる。
【0019】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記構成において、無効電力補償装置3をトンネル内部に移動体、例えばトラック等に載せて移動させ、負荷機器1に近接して設けるようにしてもよい。同構成によれば、無効電力補償装置3を負荷機器1に近接して設置するため、負荷機器1による電圧低下に対して速く応答することができ、発電機2における無効電力を減少することができる。
【0020】
・上記実施形態では、本発明を山岳トンネル工事方法に適用したが、これに限らず他のトンネル工事方法、例えばシールド工法等に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】トンネル工事に用いる機器の概略構成図。
【図2】本発明による無効電力補償を示す図。
【符号の説明】
【0022】
1…負荷機器、2…発電機、3…無効電力補償装置、4…電力回路、11…掘削機、12…ずり出し機械、13…コンクリート吹付け機械、14…集塵機、30…制御回路、31…連系リアクトル、32…波形成形回路、33…インバータ回路、34…コンデンサ、CT…変流器、PT…変圧器、P…接続点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機、ずり出し機械、コンクリート吹付け機械及び換気設備等の電動機器を負荷機器として使用するとともに、電力を発電機から供給するトンネル工事方法において、
前記発電機と前記負荷機器との間を接続する電力回路に、力率制御方式の無効電力補償装置を同負荷機器と並列となるように接続して、同負荷機器を稼動させる
ことを特徴とするトンネル工事方法。
【請求項2】
請求項1に記載のトンネル工事方法において、
前記無効電力補償装置は、連系リアクトルと波形成形回路との直列回路を備えてなる
ことを特徴とするトンネル工事方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトンネル工事方法において、
前記無効電力補償装置は、前記負荷機器に近接して設置される
ことを特徴とするトンネル工事方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−190212(P2008−190212A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25557(P2007−25557)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(391029347)西尾レントオール株式会社 (16)
【出願人】(000102636)エナジーサポート株式会社 (51)
【Fターム(参考)】