説明

トンネル掘削機

【課題】矩形断面のトンネルを掘削するための有効適切なトンネル掘削機を提供する。
【解決手段】掘削機本体2の前部に掘削方向と直交する略水平な回転軸をもつメインカッタ3を上下方向に並べて配置して複数段平行に取り付ける。少なくとも最上段のメインカッタは複数の攪拌翼17を軸方向に間隔をおいて取り付けた攪拌カッタ3Aとして、各攪拌翼を螺旋方向が相互に逆向きとした2枚1対の螺旋羽根18により形成し、下段側のメインカッタはスクリューカッタとする。攪拌カッタの後方には掘削土砂を幅方向に移送するパドルスクリュー20等の横移送装置と、後方に移送するためのスクリューコンベヤ14等の主移送装置を設ける。各カッタの少なくとも一部を前後方向に進退可能に設ける。複数段のメインカッタの前方にサブカッタ4としての回転カッタを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば道路トンネルやアンダーパス、共同溝といった矩形断面のトンネルを掘削するためのトンネル掘削機に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、都市域に設けられる上記のような比較的小規模のトンネルの断面形状は円形断面とするよりも矩形断面とすることが合理的である場合が多く、そのような矩形断面のトンネルを掘削するためのトンネル掘削機としては、たとえば特許文献1〜4に示されるように、外周部に切削ビットを有するスクリューカッタの類を掘削方向に対して直交する略水平な方向に配置したもの、特にそのようなスクリューカッタを上下2段に設けたものが知られている。
【特許文献1】特許第2502340号公報
【特許文献2】特公平7−59878号公報
【特許文献3】特開平11−229774号公報
【特許文献4】特許第3667717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような掘削機によれば矩形断面のトンネルをそのまま掘削可能であるので、通常のシールド機によって円形断面に掘削する場合のように必要以上の断面を掘削することがないし、円形のシールド機による場合に比べて浅深度掘削も可能であるので、上記のような各種の都市トンネルを築造する場合に適用するものとして好適である。
しかし、特許文献1〜4に示される従来の掘削機は、特に浅深度の矩形トンネルを掘削するような場合においては上部地盤の崩落に充分に留意する必要もあり、その点で改良の余地も残されている。
【0004】
すなわち、上記従来の掘削機はいずれも水平なスクリューカッタにより地盤を幅方向に掘削するものであって、その掘削の際には掘削土砂を切羽において両側から中央側に集めてから後方に移送することを基本としており、したがって切羽においてはその中央部では土圧が高まるものの両側では土圧が低下するという土圧の偏りが少なからず生じる。
このように従来の掘削機においては切羽において掘削土砂が横方向に移送されることに伴う土圧の偏りが不可避であり、そのため、地盤状況や掘削深度によっては切羽両側部での土圧が過度に低下してそこで上部地盤の崩落が想定される場合があり、そのための対策としてたとえば上部地盤に対する地盤改良工事や、切羽上部に対する支保強化が必要とされることもあり、そのことが工期短縮や工費削減を図るうえでの障害ともなっている。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明はこの種のトンネル掘削機によって矩形断面のトンネルを掘削するに際して、切羽における土圧の偏りを防止し得て上部地盤の崩落を確実に防止し得る有効適切なトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、掘削機本体の前部に掘削方向と直交する略水平な回転軸をもつカッタを上下方向に並べて配置して複数段平行に取り付けてなるトンネル掘削機であって、それら複数段のカッタのうち、少なくとも最上段のカッタは、掘削土砂を攪拌するための攪拌翼が取り付けられているとともに、該各攪拌翼は螺旋方向が相互に逆向きとされている2枚1対の螺旋羽根からなることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、最上段のカッタの後方の掘削機本体の内部に、該カッタと略平行に配置されて該カッタの攪拌翼により攪拌された掘削土砂を幅方向に移送するための横移送装置を設け、かつ該横移送装置により移送されてくる掘削土砂を後方側にさらに移送するための主移送装置を設けると良い。
また、複数段のカッタのうち、最上段のカッタを除く他のカッタは、掘削土砂を切羽の幅方向に移送するための螺旋羽根を有してなり、掘削機本体の内部には、それらカッタの螺旋羽根により幅方向に移送されてくる掘削土砂を後方に移送するための主移送装置を設けると良い。
また、掘削機本体の前部に設ける複数段のカッタの少なくとも一部を、前後方向に進退可能に設けると良い。
さらに、掘削機本体の前部に設ける複数段のカッタの前方に、掘削方向と平行な回転軸をもつ回転カッタを設けると良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各段のカッタによって所望の矩形断面のトンネルを効率的に掘削できることはもとより、最上段のカッタには2枚1対の逆向きの螺旋羽根による攪拌翼を設けることにより、そのカッタは掘削土砂を攪拌するのみで幅方向への積極的な移送を行うものではないので、切羽上部においては掘削土砂の横方向への積極的な移送がなされず、したがって従来のこの種の掘削機では不可避な土圧の偏りが自ずと生じ難いものとなり、土圧が過度に低下することに起因する上部地盤の崩落といった事態を未然に防止することができる。
その結果、本発明のトンネル掘削機によれば、従来のこの種の掘削機による矩形断面トンネルの掘削の場合には必要とされていた地盤改良工事や支保強化を不要とすることが可能であり、また浅深度掘削をより安定かつ安全に実施することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のトンネル掘削機の一実施形態を図1〜図5に示す。これは、ボックスカルバート等の矩形断面のトンネルを掘削するためのものであって、基本的には通常のシールド機と同様に、地盤を掘削しつつその後方においてコンクリート造のボックス1を組み立て、組み立て済みのボックス1から反力をとって掘進していくように構成されたものである。
すなわち、本実施形態のトンネル掘削機の基本構成は、通常のシールド機とほぼ同様に、築造するべきトンネルの断面形状に合致する掘削機本体2の内部にトンネル掘削に必要な各種の機器類のほぼ全てを収容し、その掘削機本体2の前部には地盤掘削のためのカッタを配置したものとされている。
【0010】
具体的には、掘削機本体2は掘削するべきトンネルの断面形状に合致する矩形筒状のスキンプレート5を外殻とし、その後部には施工済みのボックス1を押圧してそこから反力をとって推進するための推進ジャッキ6が多数(図示例では全20台)設けられている。また、掘削機本体2の内部にはボックス1の組み立てに使用するためのエレクタ装置7が備えられている他、トンネル掘削に必要な装置類や補機類が備えられているものである。
【0011】
本実施形態のトンネル掘削機においては、掘削機本体2の前部に配置されているカッタとして、切羽を矩形断面に掘削するための複数段(図示例では5段)のメインカッタ3と、その前部に配置されたサブカッタ4とが併用されている。
【0012】
各段のメインカッタ3はいずれも回転軸線が掘削方向と直交する略水平に配置されているものであって、図2〜図4に示すように1組2台のスクリュータイプのものが対称配置されてそれらの両端部がサイドフレーム8とセンターフレーム9に対して回転自在に支持され、それらの端部内側に組み込まれたオイルモータ10によって回転駆動されるようになっている。
【0013】
それら各段のメインカッタ3は、それぞれが切羽を幅方向に掘削してそれらの全体で矩形断面のトンネルを掘削するものであるが、全5段のメインカッタ3のうち最上段のものとそれより下段の他の4段のものは構成が若干異なり、掘削土砂の移送機構も異なるものとされている。
【0014】
すなわち、最上段を除く4段のメインカッタ3としては図3に示すように通常のスクリューカッタ3Bが使用されていて、その軸部11の周囲に一連の螺旋羽根12が設けられているとともに、螺旋羽根12の外周部に切削ビット13が取り付けられたものとなっており、このスクリューカッタ3Bは自身の回転により切削ビット13によって地盤を掘削すると同時に掘削土砂を螺旋羽根12により軸方向に移送可能とされている。そして、これらのスクリューカッタ3Bは中心を挟んで対称配置されていることにより、それらスクリューカッタ3Bにより掘削された掘削土砂はそれぞれ中央側から両側に向かって移送されるようになっている。
さらに、各段のスクリューカッタ3Bの一端部を支持している各段のサイドフレーム8は、各段のスクリューカッタ3Bにより側方に移送されてきた掘削土砂を受け取ってさらに後方に移送して搬出するための排土用の主移送装置としてのスクリューコンベヤ14のケーシングを兼ねるものとされていて、各段のスクリューカッタ3Bによる掘削土砂は図中の矢印で示すようにスクリューカッタ3Bおよびスクリューコンベヤ14によって側方から後方に向けて連続的に移送され、スクリューコンベヤ14の後部に設けられている排土口15から排出されて搬出されるようになっている。
【0015】
一方、最上段のメインカッタ3としては、図2に示すように軸部16の周囲に攪拌翼17が設けられた構成の攪拌カッタ3Aが採用され、その攪拌翼17は螺旋方向が逆向きとされた2枚1対の螺旋羽根18により構成されたものとなっており、実質的にそれら螺旋羽根18の向きが一定間隔ごとに逆向きとされたものとなっている。
攪拌翼17を構成している各螺旋羽根18の外周部にも切削ビット19が取り付けられていて、この最上段の攪拌カッタ3Aも自身の回転により地盤を掘削可能ではあるものの、掘削土砂は2枚1対の螺旋羽根18により互いに逆方向に移送されようとし、したがって結局はいずれの方向にも移送されずに単に攪拌翼17によって攪拌されるにとどまるものとされている。
また、この最上段の攪拌カッタ3Aの後方には、掘削土砂をさらに攪拌しつつ両側に振り分けて側方に移送するための横移送装置として1組2台のパドルスクリュー20が対称配置されており、それらパドルスクリュー20によって両側に移送された掘削土砂は、下段側のスクリューカッタ3Bに付設されているものと同様にサイドフレーム8内に組み込まれている主移送装置としてのスクリューコンベヤ14により後方に移送されて排出されるようになっている。つまり、最上段の攪拌カッタ3Aはそれ自身では掘削土砂を攪拌するのみでその移送を有効に行い得ないものであることから、その後方に横移送装置としてのパドルスクリュー20が配置されて掘削土砂の側方への移送が支障なく行われるようになっている。
【0016】
以上で説明したメインカッタ3としての攪拌カッタ3Aおよび各段のスクリューカッタ3Bの前方には、それらメインカッタ3では有効に掘削し得ない範囲を掘削するためのサブカッタ4が配置され、本実施形態ではそれらサブカッタ4として一般的な回転カッタが採用されている。サブカッタ4としての回転カッタは、各段のメインカッタ3の端部を支持しているサイドフレーム8およびセンターフレーム9内に配置された回転軸21の先端部に設けられていて、サイドフレーム8およびセンターフレーム9の前方の地盤を掘削するものである。
なお、センターフレーム9内に組み込まれている回転軸21はサブカッタ4専用のものであって、それはセンターフレーム9の後部に設けられているオイルモータ22によって回転駆動されるものであるが、サイドフレーム8内に組み込まれている回転軸21は上記のスクリューコンベア14を兼用しており(つまり、サブカッタ4の回転軸21に土砂移送用の螺旋羽根を形成している。換言すると、スクリューコンベヤ14をサブカッタ4の回転軸21として利用している)、そのスクリューコンベヤ14兼サブカッタ4はサイドフレーム8の後部に設けられているオイルモータ22により回転駆動されるものである。
【0017】
さらに、上記のように構成されている各段のメインカッタ3およびサブカッタ4は、図1に示すように上段側のものほどやや前方に位置するように鉛直面に対して傾斜状態で並べられて配置されることが基本とされ、その状態で固定的に設置することでも良いが、図示例のように各段のメインカッタ3およびサブカッタ4をそれぞれが独立に前後方向に進退可能とすることが好ましい。
すなわち、図示例においては、各メインカッタ3の両端部を支持している上記のサイドフレーム8とセンターフレーム9とはさらに後部フレーム23によって連結されていて、それらの全体により各段のメインカッタ3およびサブカッタ4を支持する支持フレーム24が構成されている。なお、最上段では攪拌カッタ3Aとその後方のパドルスクリュー20の双方がともに支持フレーム24に支持されている。
そして、各段の支持フレーム24と掘削機本体2内のメインフレーム25との間には進退ジャッキ26が介装されていて、各段の進退ジャッキ26の操作により各段の支持フレーム24を介して各段のメインカッタ3およびサブカッタ4を前後方向に進退させることによって、地盤状況や掘削作業工程に応じてそれぞれを最適位置に配置することができるようになっており、それにより図示しているように上段側のものほどやや前方に位置するように配置するばかりでなく、逆に下段側のものほどやや前方に位置するように配置したり、全ての位置を揃えることが可能となっている。
なお、上述のように各段の支持フレーム24には主移送装置としてのスクリューコンベヤ14が組み込まれていることから、各段の支持フレーム24を進退させた際には同時に各段のスクリューコンベヤ14も一体に進退することになる。
【0018】
本実施形態のトンネル掘削機によれば、メインカッタ3およびサブカッタ4によって所望の矩形断面のトンネルを効率的に掘削できることはもとより、特にメインカッタ3の最上段には攪拌カッタ3Aを使用して、その攪拌カッタ3Aには2枚1対の逆向きの螺旋羽根18による攪拌翼17を設けたので、その最上段の攪拌カッタ3Aによっては掘削土砂の側方への移送が積極的にはなされず、したがって従来のスクリューカッタによる掘削機においては不可避である切羽における幅方向の土圧の偏りが自ずと生じ難いものとなっており、土圧が過度に低下することに起因する上部地盤の崩落といった事態を未然に防止することができるものとなっている。
勿論、最上段の攪拌カッタ3Aは掘削土砂の移送を有効には行い得ないものの掘削機本体2の掘進によって掘削土砂は自ずと掘削機本体2内に取り込まれるし、その後方には横移送装置としてのパドルスクリュー20と主移送装置としてのスクリューコンベヤ14が掘削機本体2内に設けられているので、それらによって切羽の最上段からの掘削土砂の移送は支障なく行われ、その際の上部地盤に対する支保効果はスキンプレート5によって自ずと充分に確保される。
したがって本実施形態のトンネル掘削機によれば、従来のこの種の掘削機による矩形断面トンネルの掘削の場合には必要とされていた地盤改良工事や支保強化を不要とすることが可能となるし、浅深度掘削をより安定かつ安全に実施することが可能となる。
【0019】
なお、下段側のスクリューカッタ3Bは通常のようにそれ自体で側方への移送を行うものであるから、下段側では土圧の偏りが生じることは想定されるが、上記のように少なくとも最上段においては切羽の全幅にわたって土圧が安定に維持されるし、特に最上段の攪拌カッタ3Aをそれよりも下段側のスクリューカッタ3Bよりも前方に張り出すように配置すれば下段側のスクリューカッタ3Bの上部地盤の土圧は広範囲にわたって安定に維持されることになる。
【0020】
以上で本発明の一実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でたとえば以下に列挙するような様々な設計的変更や応用が可能である。
【0021】
上記実施形態では矩形断面に掘削するためのメインカッタ3を5段にわたって配置したが、その段数は任意に増減して良いことは言うに及ばず、各段のメインカッタとしては回転軸線を掘削方向と直交する略水平方向としてその外周部により切羽を幅方向に掘削可能なものであれば良く、その限りにおいて上記実施形態のようなスクリュータイプのものに限らず、それに類する同様の形式の各種のカッタ、たとえばリボンカッタやパドルカッタも同様に採用可能であるし、異種の形式のものを適宜組み合わせても良い。
【0022】
上記実施形態では土圧の偏りを有効に防止するために、最上段のカッタのみを掘削土砂を積極的には移送しない攪拌専用の攪拌カッタ3Aとして、その後方には横移送装置としてのパドルスクリュー20を設けたが、最上段のカッタのみならず他の段のカッタの一部あるいは全てを同様に攪拌専用のものとしても良く、その場合には他の段のカッタの後方にも同様の横移送装置を設けても良い。
【0023】
また、上記実施形態では、横移送装置としてのパドルスクリューおよび下段側のスクリューカッタ3Bをいずれも2台1組として対称配置して掘削土砂を中央側から両側に向けて移送するものとしたが、特許文献1〜4に示されるもののように掘削土砂を両側から中央側に向けて横移送して中央部において後方に移送するようにしても良く、あるいは各段を単一のメインカッタにより構成して掘削土砂を単に一方向に移送することでも良い。
【0024】
上記実施形態では横移送装置としてパドルスクリュー20を使用し、主移送装置としてスクリューコンベヤ14を使用したが、それら横移送装置や主移送装置の形式は任意であるし、各段のカッタからの掘削土砂を掘削機本体内に支障なく取り込んで後方へ搬送できる場合には主移送装置は必ずしも各段の全てに設けることはない。
【0025】
上記実施形態ではサブカッタ4としての回転カッタを併設したが、サブカッタの形式や設置位置については、それを省略することも含めて適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態であるトンネル掘削機の概略構成を示す側面図である。
【図2】同、最上段のカッタを示す平断面図(図1におけるII−II線視図)である。
【図3】同、下段側のカッタを示す平断面図(図1におけるIII−III線視図)である。
【図4】同、正面図である。
【図5】同、背面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ボックス
2 掘削機本体
3 メインカッタ(複数段のカッタ)
3A 攪拌カッタ(最上段のカッタ)
3B スクリューカッタ(下段側のカッタ)
4 サブカッタ(回転カッタ)
5 スキンプレート
6 推進ジャッキ
7 エレクタ装置
8 サイドフレーム
9 センターフレーム
10 オイルモータ
11 軸部
12 螺旋羽根
13 切削ビット
14 スクリューコンベヤ(主移送装置)
15 排土口
16 軸部
17 攪拌翼
18 螺旋羽根
19 切削ビット
20 パドルスクリュー(横移送装置)
21 回転軸
22 オイルモータ
23 後部フレーム
24 支持フレーム
25 メインフレーム
26 進退ジャッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機本体の前部に掘削方向と直交する略水平な回転軸をもつカッタを上下方向に並べて配置して複数段平行に取り付けてなるトンネル掘削機であって、
それら複数段のカッタのうち、少なくとも最上段のカッタは、掘削土砂を攪拌するための攪拌翼が取り付けられているとともに、該各攪拌翼は螺旋方向が相互に逆向きとされている2枚1対の螺旋羽根からなることを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項2】
請求項1記載のトンネル掘削機であって、
最上段のカッタの後方の掘削機本体の内部に、該カッタと略平行に配置されて該カッタの攪拌翼により攪拌された掘削土砂を幅方向に移送するための横移送装置を設け、かつ該横移送装置により移送されてくる掘削土砂を後方側にさらに移送するための主移送装置を設けてなることを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項3】
請求項1または2記載のトンネル掘削機であって、
複数段のカッタのうち、最上段のカッタを除く他のカッタは、掘削土砂を切羽の幅方向に移送するための螺旋羽根を有してなり、掘削機本体の内部には、それらカッタの螺旋羽根により幅方向に移送されてくる掘削土砂を後方に移送するための主移送装置を設けてなることを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のトンネル掘削機であって、
掘削機本体の前部に設ける複数段のカッタの少なくとも一部を、前後方向に進退可能に設けてなることを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のトンネル掘削機であって、
掘削機本体の前部に設ける複数段のカッタの前方に、掘削方向と平行な回転軸をもつ回転カッタを設けてなることを特徴とするトンネル掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−240422(P2008−240422A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84242(P2007−84242)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(304039065)カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【Fターム(参考)】