説明

トンネル掘削機

【課題】カッタヘッド側に回り込んだコンクリートや裏込め注入材等の固結物がカッタヘッドや掘削機本体のフードに固結するのを簡単な手段で防止することができるトンネル掘削機を提供する。
【解決手段】掘削機本体11の前部に装備したカッタヘッド18を回転させながら掘進するトンネル掘削機において、カッタヘッド18の背面部と掘削機本体11のフード12a内部の少なくともいずれか一方に、伸縮可能な掃除用棒55を配設し、該掃除用棒55の伸長時にカッタヘッド18の背面とフード12aの先端部との隙間Cに臨入し、カッタヘッド18の回転下でカッタヘッド18の背面やフード12aの先端部に付着したコンクリート等固結物を除去可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、ECL(Extruded Concrete Lining)による覆工方法に用いられるトンネル掘削機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記ECLによる覆工方法を採用したトンネル掘削機として、泥土圧式シールド掘削機等が良く知られている(特許文献1参照)。これは、円筒状の掘削機本体の前面部に設けたカッタヘッドで地盤を掘削しつつ、掘進されたトンネルの内壁面を所定の間隔を空けて内型枠によって覆い、この内型枠と前記内壁面との間に適宜鉄筋を配置するなどして、直打ち(場所打ち)でコンクリートを打設し、その養生・硬化を待って覆工を行うものである。このような覆工方法を一般にECLとか直打ちコンクリート工法と言う。
【0003】
そして、前述したような泥土圧式シールド掘削機等では、前記トンネルの内壁面と内型枠との空間を閉塞するためのリング状の妻型枠(装置)が設けられ、該妻型枠を通して前記コンクリートが打設されると共に、妻型枠ジャッキの伸縮により当該妻型枠が前記空間内を前後方向(トンネルの長手方向)へ摺動可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−173387号公報
【特許文献2】特開2008−184764号公報
【特許文献3】特許第4037420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した泥土圧式シールド掘削機等にあっては、カッタヘッドの外径寸法が掘削機本体の外径寸法より若干大きかったり、コピーカッタによる余堀り後等において、トンネルの内壁面と掘削機本体の外周面との間に若干の隙間が生じている場合、妻型枠を通して内型枠とトンネルの内壁面との間に打設されたコンクリートが前記隙間を通ってカッタヘッド側に回り込んで、カッタヘッドや掘削機本体のフードに固結するという問題点があった。
【0006】
即ち、コンクリートがカッタヘッドや掘削機本体のフードに固結すると、カッタヘッドを起動させて回転させる際などにカッタヘッドの回転トルクが増大し、カッタヘッドの電流値が過大となってカッタヘッドが回転不能になるといった弊害が生じるのである。さらには、推進推力も大きくなり、掘進速度の低下を招き、工期が長くなる要因にもなっていた。
【0007】
尚、上述した問題点は、ECLによる覆工方法のコンクリートに限らず、セグメントによる覆工方法の裏込め注入材においても、同様に言える。また、掘削土砂のカッタヘッドや掘削機本体のチャンバへの付着を防止する技術が特許文献2や特許文献3で開示されているが、これらを、上述したコンクリートや裏込め注入材の固結防止に適用することは不可能である。
【0008】
そこで、本発明は、カッタヘッド側に回り込んだコンクリートや裏込め注入材等の固結物(異物)がカッタヘッドや掘削機本体のフードに固結するのを簡単な手段で防止することができるトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる目的を達成するための本発明に係るトンネル掘削機は、
掘削機本体の前部に装備したカッタヘッドを回転させながら掘進するトンネル掘削機において、
カッタヘッドの背面部と掘削機本体のフード内部の少なくともいずれか一方に、伸縮可能な掃除用棒を配設し、
前記掃除用棒の伸長時に前記カッタヘッドの背面と前記フードの先端部との隙間に臨入し、カッタヘッドの回転下でカッタヘッドの背面やフードの先端部に付着した固結物を除去可能にしたことを特徴とする。
【0010】
また、
前記掃除用棒は、掘削機本体のバルクヘッドを斜めに貫通して取り付けられることを特徴とする。
【0011】
また、
前記掃除用棒は、カッタヘッドの背面に出没可能に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
また、
前記掃除用棒は、コピーカッタを兼用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るトンネル掘削機によれば、カッタヘッドの背面と掘削機本体のフード先端部との隙間に掃除用棒を突き出してカッタヘッドを回転させるという簡単な手段で、カッタヘッドの背面やフードの先端部に付着した固結物が除去され、両部位が完全に縁切りされる。
【0014】
この結果、カッタヘッドの背面やフードの先端部に付着した固結物により、カッタヘッドが回転不能になるといった弊害が未然に回避されると共に、掘進速度の低下も無くして工期の遅延が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1を示す泥土圧式シールド掘削機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例2を示す泥土圧式シールド掘削機の概略構成図である。
【図3】本発明の実施例3を示す掃除用棒の各々の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るトンネル掘削機を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1を示す泥土圧式シールド掘削機の概略構成図である。
【0018】
本実施例で説明するトンネル掘削機は、掘削土砂をチャンバに充満させ、チャンバ内を所定の圧力に維持しながら排土することで、切羽の安定化を図りながらトンネルを構築する泥土圧式シールド掘削機である。
【0019】
この泥土圧式シールド掘削機において、図1に示すように、掘削機本体11は、ほぼ同径の円筒形状をなす前胴12と後胴13とが連結軸14によって左右に屈曲自在に連結され、両者の間に架設された複数本の中折ジャッキ15によって屈曲可能となっている。この前胴12の前部には回転リング16が回転自在に支持され、この回転リング16には連結ビーム17を介してカッタヘッド18が連結されている。
【0020】
このカッタヘッド18は、中心部から複数本のカッタスポーク19が放射状をなして配設され、各先端部が外周リング20によって連結されて構成されている。そして、カッタヘッド18の中心部にはフィッシュテールカッタ21が装着される一方、各カッタスポーク19の両側部には複数のカッタビット22がその長手方向に沿って装着され、所定のカッタスポーク19の先端部には余掘りを行うコピーカッタ23aとレスキュービット23bが出没可能に設けられている。
【0021】
また、回転リング16の後部にはリングギア24が固定される一方、掘削機本体11の前胴12には複数のカッタ旋回モータ(駆動手段)25が装着されており、この各カッタ旋回モータ25の駆動ギア26がこのリングギア24にそれぞれ噛み合っている。従って、カッタ旋回モータ25を駆動して駆動ギア26を回転駆動すると、リングギア24、回転リング16、連結ビーム17を介してカッタヘッド18を回転することができる。
【0022】
そして、本実施例では、カッタヘッド18の背面外周部(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a)の一箇所(複数箇所でも良い)に、掃除用棒55が配設される。この掃除用棒55はヘッド部55aからピストンロッド55bを伸縮可能に備えた油圧アクチュエータで構成され、そのヘッド部55aがカッタスポーク19の後壁19aを貫通してブラケット56によりカッタスポーク19の後壁19a内面に固設されている。
【0023】
前記掃除用棒55は、そのピストンロッド55bの伸長時に、ピストンロッド先端部がカッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a外面)と前記前胴12と一体形成されたフード12aの先端部との隙間Cに臨入し、カッタヘッド18の回転下でカッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a外面)やフード12aの先端部に付着した固結物を除去し、上述したカッタヘッド18の背面とフード12aの先端部を完全に縁切りするものである。
【0024】
前記固結物は、カッタヘッド18の外径寸法が掘削機本体11の外径寸法より若干大きかったり、コピーカッタ23aによる余堀り後等において、地山Gの周壁(トンネルの内壁面)と掘削機本体11の外周面との間に若干の隙間が生じている場合、後述する妻型枠46を通して内型枠Sと地山Gの周壁との間のコンクリート打設空間Eに打設されて前記隙間を通ってカッタヘッド18側に回り込んできたコンクリートである。
【0025】
また、前胴12の前部には、カッタヘッド18の後方に位置してバルクヘッド27が設けられ、カッタヘッド18とこのバルクヘッド27との間に掘削土砂を充満させるチャンバ28が形成されている。バルクヘッド27の前面側には複数本の固定式攪拌棒29が突設される一方、カッタヘッド18の後面側には複数本の旋回式攪拌棒30が突設されている。
【0026】
前記固定式攪拌棒29の一部にチャンバ28内の掘削土砂に対して加泥材を注入する図示しない加泥材注入口が設けられると共に、薬液(固結材)を注入する図示しない薬液注入管が設けられている。そして、掘削機本体11内には、掘削土砂を外部に搬出するためのスクリューコンベヤ33が配設されており、前部が下方に傾斜してバルクヘッド27を貫通してチャンバ28内に開口している。
【0027】
掘削機本体11の後胴13には、その内周面に沿ってリングガータ34が固定されており、このリングガータ34には複数本のシールドジャッキ(推進ジャッキ)35が後胴13の周方向に沿って装着されており、このシールドジャッキ35を後方に伸長してスプレッダ36を既設の内型枠(型枠)Sに押し付けることで、その反力により掘削機本体11が前進することができる。
【0028】
この内型枠Sは、複数個のものがトンネルの内壁面(地山Gの周壁)に所定の間隔を空けて周方向にリング状に組み付けられるものであり、この組付後に、地山Gの周壁とリング状に組み立てられた内型枠Sの外周面との空間(コンクリート打設空間E)に後述するコンクリート打設装置により直打ち(場所打ち)でコンクリートが打設されることで、トンネルが構築される。また、内型枠Sはトンネルの長手方向へ複数段に亙って組み付けられる。
【0029】
また、リングガータ34には旋回リング38がトンネル内壁面の周方向に沿って旋回自在に支持され、図示しない駆動モータにより駆動旋回可能となっており、この旋回リング38に内型枠Sを組立てる内型枠組立装置39が設けられている。さらに、リングガータ34には左右一対の支柱40が固定され、この支柱40からは後方に向かってほぼ水平な架台41が延設されており、この架台41には内型枠Sの組み立てを補助する前後一対の形状保持装置42が前後方向に移動自在に装着されている。
【0030】
また、架台41の後端には図示しない複数台の搬送台車が連結され、これら搬送台車には後段の内型枠Sを脱型する内型枠脱型装置と、この内型枠脱型装置で脱型された内型枠Sをトンネル前方へ搬送するホイストと、コンクリート打設装置のパワーユニット等が搭載されている。
【0031】
更に、後胴(スキンプレート)13と内型枠Sとの間には同内型枠Sと地山Gの周壁との間にコンクリート打設空間Eを形成するリング状の妻型枠46が配設されると共に、その前方に位置して複数本の妻型枠ジャッキ47が周方向に沿って並設され、ヘッド基端部がリングガータ34を貫通して後胴13内周部に連結される一方、ロッド先端部が前記妻型枠46に連結されている。そして、妻型枠46の外周面にはゴム製のシール部材48(図2参照)が周方向に沿って装着される一方、妻型枠46の内周面には金属製のブラシシール49が周方向に沿って装着されている。
【0032】
従って、この妻型枠ジャッキ47を伸縮することで、リング状の妻型枠46を前後に移動することができ、このとき、シール部材48が後胴13の内周面に押圧すると共に、ブラシシール49がリング状に組み立てられた既設内型枠Sの外周面に押圧することで、掘削機本体11の内部への浸水を防止することができる。
【0033】
そして、この妻型枠46には掘進方向後方に向かってコンクリート打設管50が周方向に所定間隔離間して複数本挿通され、これらのコンクリート打設管50は、塞止弁装置60の切り替えによりコンクリート打設配管(ホース:コンクリート打設ライン)51と連通可能になっている。これらのコンクリート打設配管51は前述した搬送台車上のパワーユニットを介してコンクリート供給源に連通される。
【0034】
従って、塞止弁装置60によりコンクリート打設管50とコンクリート打設配管51とが連通した状態下で、コンクリート供給源から送給された生コンクリートがコンクリート打設配管51、コンクリート打設管50を通って前述したコンクリート打設空間Eに打設される。この際、コンクリート打設空間Eには、各コンクリート打設管50より周方向に順番に打設されるようになっている。
【0035】
また、前記内型枠S、妻型枠46、コンクリート打設管50、コンクリート打設配管51及び塞止弁装置60等でコンクリート打設装置が構成される。
【0036】
次に、上述した本実施例の泥土圧式シールド掘削機によるトンネル掘削作業について説明する。
【0037】
図1に示すように、カッタ旋回モータ25によりカッタヘッド18を回転させながら、複数のシールドジャッキ35を伸長してスプレッダ36を既設の内型枠Sへ押し付け、その反力によって掘削機本体11を前進させる。すると、カッタヘッド18の各カッタビット22が前方の地盤を掘削し、掘削土砂が各カッタスポーク19の間からチャンバ28内に取り込まれ、スクリューコンベヤ33によって外部に搬出される。
【0038】
そして、内型枠組立装置39では、トンネル内に搬入された内型枠Sを把持してトンネル内壁面に沿って移動し、把持した内型枠Sを所定の位置に固定してリング状に組み立てていく。このとき、前方の形状保持装置42は内型枠組立装置39との干渉を避けながら、内型枠Sを正規の組立位置に矯正すると共に、後方の形状保持装置42はリング状に組み立てられた内型枠Sを真円となるように矯正する。
【0039】
この内型枠組立装置39による内型枠Sの組立に並行して、前述したコンクリート打設装置により掘削地山Gの周壁と既設の内型枠Sの外周面との間のコンクリート打設空間Eに生コンクリートが打設される。その後、所定時間が経過すると、このコンクリートが養生・硬化してトンネル構造体が強固に構築される。
【0040】
また、掘削機本体11の推進時には、内型枠Sが組み返し組み立てられる。即ち、コンクリート打設空間Eに生コンクリートが連続して注入されてから所定時間が経過すると、このコンクリートは次第に養生・硬化する。そこで、この養生・硬化したコンクリートに対応した後段側の内型枠Sを図示しない内型枠脱型装置により取り外し(脱型し)、同じく図示しないホイストによりトンネル前方に搬送し、内型枠組立装置39による新たな組み立てに供されるのである。
【0041】
一方、泥土圧式シールド掘削機が点検等で停止すると、コンクリート打設装置によるコンクリート打設空間Eへの生コンクリートの打設が停止される。この後、コンクリート打設ラインは適宜高圧の洗浄水で洗浄される。
【0042】
そして、本実施例では、カッタヘッド18の背面外周部(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a)の一箇所に、掃除用棒55が配設されている。
【0043】
従って、泥土圧式シールド掘削機の停止時等において、地山Gの周壁(トンネルの内壁面)と掘削機本体11の外周面との間に生じた若干の隙間を通って、コンクリート打設空間Eに打設されたコンクリートがカッタヘッド18側に回り込んで、カッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a)やフード12aの先端部に付着して固結が進行したら、掃除用棒55のピストンロッド55bを伸長させてその先端部をカッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a外面)と前記フード12aの先端部との隙間Cに臨入させると共に、この状態でカッタヘッド18を回転させれば良い。
【0044】
これにより、掃除用棒55のピストンロッド55b先端部で、カッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a外面)やフード12aの先端部に付着して固結が進行したコンクリートが除去され、カッタヘッド18の背面とフード12aの先端部が完全に縁切りされる。
【0045】
この結果、カッタヘッド18の背面とフード12aの先端部との隙間に掃除用棒55を突き出してカッタヘッド13を回転させるという簡単な手段で、固結したコンクリートにより、カッタヘッド18が回転不能になるといった弊害が未然に回避されると共に、掘削機本体11の掘進速度の低下も無くして工期の遅延が回避される。
【実施例2】
【0046】
図2は本発明の実施例2を示す泥土圧式シールド掘削機の概略構成図である。
【0047】
これは、実施例1における掃除用棒55をカッタヘッド13の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a)側からバルクヘッド27側に取付位置を変更した例である。図示例では、ピストンロッド55bをカッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a外面)と前記フード12aの先端部との隙間Cに向けて指向させた状態で、ヘッド部55aをバルクヘッド27に対し斜めに貫通させてブラケット57により取り付けている。その他の構成は実施例1と同様なので、図1と同一部材、部位には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0048】
この実施例においても、実施例1と同様の作用・効果が得られる。
【実施例3】
【0049】
図3は本発明の実施例3を示す掃除用棒の各々の横断面図である。
【0050】
これは、実施例1における掃除用棒55を、カッタヘッド18の背面(厳密にはカッタスポーク19の後壁19a)に出没可能に取り付けた例である。即ち、図3の(a)はカッタスポーク19の後壁19a外面側に凸設した固定ケース58aに対し掘削機本体11(図1参照)の前後方向に出没可能な可動ケース58bに掃除用棒55を収容・支持させる一方、図3の(b)はカッタスポーク19の後壁19a内面側に凹設した固定ケース59aに対し掘削機本体11(図1参照)の前後方向に出没可能な可動ケース59bに掃除用棒55を収容・支持させて、チャンバ28内の掘削土砂等に晒される掃除用棒55の耐久性向上を図った例である。尚、図3の(a)中58a1は、掘削土砂等の出入り孔である。
【0051】
また、図3の(b)の場合は、可動ケース59bの没状態では、掃除用棒55がカッタスポーク19の内部に位置するので、コピーカッタ23a(図1参照)を兼用することも可能である。逆に、従前のコピーカッタ23aのジャッキを傾動可能に構成して掃除用棒55を兼用することもできる。
【0052】
尚、本発明は、上記各実施例に限定されず、ECLによる覆工方法(固結物がコンクリート)に用いられるトンネル掘削機に代えて、セグメントによる覆工方法(固結物が裏込め注入材)に用いられるトンネル掘削機に適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係るトンネル掘削機は、泥土圧式シールド掘削機に限らず、泥水式シールド掘削機、機械式シールド掘削機やトンネルボーリングマシーン(TBM)等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
11 掘削機本体
12 前胴
12a フード部
13 後胴
14 連結軸
15 中折ジャッキ
16 回転リング
17 連結ビーム
18 カッタヘッド
19 カッタスポーク
19a 後壁
20 外周リング
21 フィッシュテールカッタ
22 カッタビット
23a コピーカッタ
23b レスキュービット
24 リングギア
25 カッタ旋回モータ
26 駆動ギア
27 バルクヘッド
28 チャンバ
29 固定式攪拌棒
30 旋回式攪拌棒
33 スクリューコンベヤ
34 リングガータ
35 シールドジャッキ
36 スプレッダ
38 旋回リング
39 内型枠組立装置
40 支柱
41 架台
42 形状保持装置
46 妻型枠
47 妻型枠ジャッキ
48 シール部材
49 ブラシシール
50 コンクリート打設管
51 コンクリート打設配管
55 掃除用棒
55a ヘッド部
55b ピストンロッド
56,57 ブラケット
58a,59a 固定ケース
58b,59b 可動ケース
60 塞止弁装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機本体の前部に装備したカッタヘッドを回転させながら掘進するトンネル掘削機において、
カッタヘッドの背面部と掘削機本体のフード内部の少なくともいずれか一方に、伸縮可能な掃除用棒を配設し、
前記掃除用棒の伸長時に前記カッタヘッドの背面と前記フードの先端部との隙間に臨入し、カッタヘッドの回転下でカッタヘッドの背面やフードの先端部に付着した固結物を除去可能にしたことを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項2】
前記掃除用棒は、掘削機本体のバルクヘッドを斜めに貫通して取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
【請求項3】
前記掃除用棒は、カッタヘッドの背面に出没可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
【請求項4】
前記掃除用棒は、コピーカッタを兼用することを特徴とする請求項3に記載のトンネル掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−77504(P2012−77504A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223410(P2010−223410)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(309036221)三菱重工メカトロシステムズ株式会社 (57)
【Fターム(参考)】