説明

トンネル掘削機

【課題】断面が非円形のトンネルを余掘量を極力少なくして効率的にかつ未掘削部無しで安定して掘削することができるトンネル掘削機を提供する。
【解決手段】断面楕円形のトンネルを掘削するトンネル掘削機であって、断面が楕円形の筒体からなる掘削機本体10と掘削機本体の前方に設けられた楕円回転体からなるカッタヘッド11とを備え、カッタヘッドは、掘削機本体側に連結固定された左,右両仕切壁19a,19b間に上,下二段に亘って配置されたドラム状のセンタカッタ20A,20Bとこれらのセンタカッタの両側に互いの開口部を対向させて配置された半球体状のサイドカッタ21A,21Bとからなり、前記センタカッタとサイドカッタとは各々独立して回転可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘削機に係り、一層詳細には非円形の掘削断面を有するトンネルを掘削するトンネル掘削機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複線の鉄道や道路等に使用されるトンネルを掘削する際に、断面円形状のトンネルを掘削したのでは、必要とする空間が長方形状であるため余掘量が多くなって掘削後の埋め戻し等に余分なコストがかかり、非効率かつ不経済であるという問題点があった。
【0003】
そこで、近年では、小さな円形カッタを多数配置したり、円形カッタを傾斜させたり(特許文献1)して非円形(矩形や楕円形等)の掘削断面を有するトンネルを直に掘削するトンネル掘削機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3449803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、小さな円形カッタを多数配置するトンネル掘削機にあっては部品点数の増大等で構造が繁雑になり、また、円形カッタを傾斜させるトンネル掘削機にあってはトンネル径方向への掘削反力に対応する機構が必要になる等で構造が繁雑になると共に安定した掘削に対する信頼性に欠けるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、断面が非円形のトンネルを余掘量を極力少なくして効率的にかつ未掘削部無しで安定して掘削することができるトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するための本発明に係るトンネル掘削機は、
非円形断面のトンネルを掘削するトンネル掘削機であって、
非円形筒体からなる掘削機本体と、
前記掘削機本体の前方に設けられた非円形回転体からなるカッタヘッドと、
を備え、
前記カッタヘッドは、掘削機本体側に連結固定された左,右両仕切壁間に上,下二段に亘って配置されたドラム状のセンタカッタとこれらのセンタカッタの両側に互いの開口部を対向させて配置された帽子状のサイドカッタとからなり、
前記センタカッタとサイドカッタとは各々独立して回転可能になっている、
ことを特徴とする。
【0008】
また、
前記各センタカッタの回転軸は左,右両仕切壁間の上部と下部にベアリングを介して回転自在に支持され、前記各サイドカッタの回転軸は各々対応する仕切壁の中心部にベアリングを介して回転自在に片持ち支持されることを特徴とする。
【0009】
また、
前記上段のセンタカッタと下段のセンタカッタとは前後方向へ斜めにずれて配置され、各々の外周面に取着された多数のディスクカッタ又はカッタビットの回転奇跡が、側面視では上下方向に交叉しない一方、正面視では上下方向に一部が重なり合うようになっていることを特徴とする。
【0010】
また、
前記各サイドカッタはテーパ筒状の内側カッタ部とこの内側カッタ部に対し伸縮可能でかつ回転不能に嵌合した椀状の外側カッタ部とに分割され、前記各サイドカッタにおける回転軸の先端が椀状の外側カッタ部に連結固定されることを特徴とする。
【0011】
また、
前記テーパ筒状の内側カッタ部と椀状の外側カッタ部との間に複数本の余掘用ジャッキと複数本の廻り止めを兼ねたスライドガイドが介装されることを特徴とする。
【0012】
また、
前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面にカッタスポークを介して多数のカッタビットが付着されると共に、前記カッタスポークは、細長いビット取付板が前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面上に掘削土砂が通過可能な間隔で多数植設された橋脚状の支柱により支持されてなることを特徴とする。
【0013】
また、
前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面にカッタスポークを介して多数のカッタビットが付着されると共に、前記カッタスポークは、溝型断面の底壁部をビット取付板となすと共に両側壁部に掘削土砂が通過可能な流通孔を多数形成してなることを特徴とする。
【0014】
また、
前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面に、各々の回転方向に対応して掘削土砂をカッタヘッドの左右方向中央部に導く土砂案内板を付設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトンネル掘削機によれば、非円形回転体からなるカッタヘッドを用いるという簡単な構造で、断面が非円形のトンネルを余掘量を極力少なくして効率的にかつ未掘削部無しで安定して掘削することができるので、施工期間の短縮と施工費の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1を示す泥水式シールド掘削機の側断面図である。
【図2】図1のA-A線断面図である。
【図3】図1のB矢視図である。
【図4】ディスクカッタの説明図である。
【図5】余掘状態の説明図である。
【図6】本発明の実施例2を示す泥水式シールド掘削機の側断面図である。
【図7】図6のC-C線断面図である。
【図8】カッタビットの説明図である。
【図9】本発明の実施例3を示す泥水式シールド掘削機の側断面図である。
【図10】図9のD矢視図である。
【図11】カッタスポークの要部側面図である。
【図12】カッタスポークの変形例を示す要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るトンネル掘削機を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1を示す泥水式シールド掘削機の側断面図、図2は図1のA-A線断面図、図3は図1のB矢視図、図4はディスクカッタの説明図、図5は余掘状態の説明図である。
【0019】
図1乃至図3に示すように、横長の泥水式シールド掘削機(トンネル掘削機)は断面が楕円形(非円形)の筒体からなる掘削機本体10を有し、この掘削機本体10の前方に、当該掘削機本体10の断面形状と略同形状の楕円回転体(非円形回転体)からなるカッタヘッド11が設けられる。
【0020】
前記掘削機本体10の前部にはバルクヘッド12が設けられ、このバルクヘッド12の上部に送泥管13が、また、下部に排泥管14がそれぞれの端部において貫通支持されている。従って、バルクヘッド12とカッタヘッド11との間のチャンバ15内に取り込まれた掘削土砂は、送泥管13から供給された泥水と混合されて排泥管14より外部へ排出されることになる。
【0021】
また、バルクヘッド12と図示しないリングガータとの間には中折れジャッキ16が周方向へ複数本介装され、掘削機本体10の前部が後部に対して中折れ(旋回)可能になっている。また、前記リングガータにはシールドジャッキ(推進ジャッキ)17が周方向へ複数本支持され、これらのシールドジャッキ17のスプレッダが図示しない既設セグメントに押し当てられることで、掘削機本体10は既設セグメントに掘削反力をとって掘進(前進)可能になっている。
【0022】
そして、前記バルクヘッド12にはセンタシャフト18が貫通支持され、このセンタシャフト18の先端に側面視で円形の二重壁からなる左,右両仕切壁19a,19bが連結固定され、これらの左,右両仕切壁19a,19bに前述したカッタヘッド11が支持されている。図中19cは左,右両仕切壁19a,19b間に架設された背板である。
【0023】
前記カッタヘッド11は、前記左,右両仕切壁19a,19b間に上,下二段に亘って配置されたドラム状のセンタカッタ20A,20Bとこれらのセンタカッタ20A,20Bの両側に互いの開口部を対向させて配置された半球体状(帽子状)のサイドカッタ21A,21Bとが各々独立して回転可能に設けられてなり、図示例では、ラグビーボール形状の立体的なカッタヘッド11を転がすような回転でトンネルを掘削し得るようになっている。
【0024】
前記各センタカッタ20A,20Bの回転軸22a,22bは、左,右両仕切壁19a,19b間の上部と下部にベアリング23a,23bを介してそれぞれ回転自在に架設される。そして、上段のセンタカッタ20Aにおいては、回転軸22aの右端に固設されたギア24bが右仕切壁19b側に固設された一以上のセンタカッタ駆動モータ25bの出力ギア26bに噛み合い、下段のセンタカッタ20Bにおいては、回転軸22bの左端に固設されたギア24aが左仕切壁19a側に固設された一以上のセンタカッタ駆動モータ25aの出力ギア26aに噛み合っている。
【0025】
また、上段のセンタカッタ20Aと下段のセンタカッタ20Bとは前後方向へ若干斜にずれて配置され、各々の外周面にブラケット27aを介して未掘削部が生じないように所定の位置に所定の方向を指向して取着された多数のディスクカッタ28a(図4参照)の回転軌跡が、側面視では上下方向に交叉しない一方、正面視では上下方向に一部が重なり合うようになっている。即ち、上,下二段からなるドラム状のセンタカッタ20A,20B間では未掘削部が生じないようになっているのである。
【0026】
一方、各サイドカッタ21A,21Bの回転軸29a,29bは、左仕切壁19aと右仕切壁19bの中心部に、ベアリング30a,30bを介してそれぞれ回転自在でかつ軸方向に若干の移動が可能に、各々の基端部において片持ち支持される。そして、各回転軸29a,29bに嵌着された旋回板31a,31bの外周部と左,右両仕切壁19a,19bに外付けされたギアボックス32a,32bの軸受ハウジング部33a,33bとの間にギア付き三軸コロ軸受34a,34bが介装され、これらのギア付き三軸コロ軸受34a,34bのギア部に前記ギアボックス32a,32bに固設された一以上のサイドカッタ駆動モータ35a,35bの出力ギア36a,36bが噛み合っている。
【0027】
また、各サイドカッタ21A,21Bはテーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1と椀状の外側カッタ部21a2,21b2とに分割され、椀状の外側カッタ部21a2,21b2がテーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1に対し互いの嵌合部37a,37bにおいて伸縮可能に嵌合している。
【0028】
そして、各椀状の外側カッタ部21a2,21b2の基板38a,38bに前記回転軸29a,29bの先端部が固設されると共に、当該基板38a,38bと前記テーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1のフランジ部39a,39bとの間に複数本(例えば4本)の余掘用スライドジャッキ45a,45bと廻り止めを兼ねた複数本(例えば6本)のスライドガイド46a,46bが介装される。
【0029】
尚、各テーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1はその開口縁部において左仕切壁19aと右仕切壁19bの外周面に回転可能でかつ軸方向移動不能にそれぞれ嵌合している。また、各サイドカッタ21A,21Bの外周面にはブラケット27bを介して多数のディスクカッタ28b(図4参照)が、未掘削部が生じないように所定の位置に所定の方向を指向して取着されている。また、図中40a,40bは作業用の開口である。
【0030】
このように構成されるため、例えば岩盤等のトンネル施工下にあっては、センタカッタ駆動モータ25a,25bによりセンタカッタ20A,20Bを所定方向へ回転させると共にサイドカッタ駆動モータ35a,35bによりサイドカッタ21A,21Bを所定方向へ回転させた状態で掘削機本体10がシールドジャッキ(推進ジャッキ)17により既設セグメントに掘削反力をとって掘進(前進)する。
【0031】
この際、余掘用スライドジャッキ45a,45bの伸長でサイドカッタ21A,21Bにおける椀状の外側カッタ部21a2,21b2をテーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1に対し廻り止めを兼ねたスライドガイド46a,46bに案内させて左右方向へ伸び出させれば、寸法L(≒100mm)だけ余掘することができる(図5参照)。
【0032】
これにより、センタカッタ20A,20Bとサイドカッタ21A,21Bとでラグビーボール形状の楕円回転体からなるカッタヘッド11により、断面が楕円形のトンネルが掘削される。掘削されてチャンバ15内に取り込まれた掘削土砂は、送泥管13から供給された泥水と混合されて排泥管14より外部へ排出される。
【0033】
この結果、ラグビーボール形状の楕円回転体からなるカッタヘッド11を用いるという簡単な構造で、断面が楕円形のトンネルを余掘量を極力少なくして効率的にかつ未掘削部無しで安定して掘削することができるので、施工期間の短縮と施工費の低減が図れる。
【0034】
また、本実施例では、センタカッタ20A,20Bとサイドカッタ21A,21Bとが各々独立して回転可能に設けられているため、センタカッタ20A,20Bとサイドカッタ21A,21Bとを同方向に回転させたり、又は異方向に回転させたり任意に設定することができ、汎用性が高まる。
【実施例2】
【0035】
図6は本発明の実施例2を示す泥水式シールド掘削機の側断面図、図7は図6のC-C線断面図、図8はカッタビットの説明図である。
【0036】
これは、実施例1におけるセンタカッタ20A,20Bとサイドカッタ21A,21Bの外周面に、ディスクカッタ28a,28bに代えて通常のカッタビット41a,41b及び先行ビット42a,42bをカッタスポーク43a,43bを介して取着して通常の地山を掘削するようにした例である。
【0037】
その他の構成は、各サイドカッタ21A,21Bのテーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1と椀状の外側カッタ部21a2,21b2とが一体結合されて余掘が不能になっている以外は実施例1と同様なので、図1及び図2と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。勿論、本実施例においても、サイドカッタ21A,21Bにおける椀状の外側カッタ部21a2,21b2とテーパ筒状の内側カッタ部21a1,21b1との構造を実施例1と同様にして余掘が可能にしても良いことは言うまでもない。
【0038】
この実施例においても、実施例1と同様の作用効果が得られる。
【実施例3】
【0039】
図9は本発明の実施例3を示す泥水式シールド掘削機の側断面図、図10は図9のD矢視図、図11はカッタスポークの要部側面図、図12はカッタスポークの変形例を示す要部側面図である。
【0040】
これは、実施例2におけるセンタカッタ20A,20B及びサイドカッタ21A,21Bの外周面(面盤)に付設されるカッタスポーク43a,43bを、多数のカッタビット41a,41b及び先行ビット42a,42bが取着される細長いビット取付板47a,47bが前記センタカッタ20A,20B及びサイドカッタ21A,21Bの外周面上に、掘削土砂が通過可能な間隔で縦横に多数植設された橋脚状の支柱48a,48bにより支持されてなるように構成した例である。
【0041】
即ち、多数のカッタビット41a,41b及び先行ビット42a,42bで掘削された土砂がカッタスポーク43a,43bのビット取付板47a,47bの下を潜ってセンタカッタ20A,20B及びサイドカッタ21A,21Bの外周面上を当該センタカッタ20A,20B及びサイドカッタ21A,21Bの回転方向下流側へ流動し得るようになっているのである。従って、当該カッタスポーク43a,43bの高さは実施例2におけるカッタスポーク43a,43bよりも高く設定されている。
【0042】
そして、センタカッタ20A,20B及びサイドカッタ21A,21Bの外周面上には、各々の回転方向に対応して掘削土砂をカッタヘッド11の左右方向中央部(排泥管14が配管される左,右両仕切壁19a,19b間)に導く土砂案内板49a,49bが多数付設される。その他の構成は、実施例2と同様なので、図面上同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0043】
この実施例においても、実施例1と同様の作用効果が得られると共に、実施例2よりも掘削土砂の排出性能がより良好となるという利点が得られる。
【0044】
また、図12は、本実施例のカッタスポーク43a,43bの変形例を示すもので、溝型断面の底壁部をビット取付板47a,47bとなすと共に両側壁部に掘削土砂が通過可能な流通孔50a,50bを多数形成した例であり、これによっても良好な掘削土砂の排出性能が得られる。
【0045】
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることはいうまでもない。例えば、各サイドカッタ21A,21B等の形状変更で断面形状が楕円に限らずメガネ状や矩形状の非円形トンネルを掘削することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るトンネル掘削機は、泥土圧式シールド掘削機や土圧式シールド掘削機等にも有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 掘削機本体
11 カッタヘッド
12 バルクヘッド
13 送泥管
14 排泥管
15 チャンバ15
16 中折れジャッキ
17 シールドジャッキ(推進ジャッキ)
18 センタシャフト
19a 左仕切壁
19b 右仕切壁
19c 背板
20A,20B センタカッタ
21A,21B サイドカッタ
21a1,21b1 テーパ筒状の内側カッタ部
21a2,21b2椀状の外側カッタ部
22a,22b 回転軸
23a,23b ベアリング
24a,24b ギア
25a,25b センタカッタ駆動モータ
26a,26b 出力ギア
27a,27b ブラケット
28a,28b ディスクカッタ
29a,29b 回転軸
30a,30b ベアリング
31a,31b 旋回板
32a,32b ギアボックス
33a,33b 軸受ハウジング部
34a,34b ギア付き三軸コロ軸受
35a,35b サイドカッタ駆動モータ
36a,36b 出力ギア
37a,37b 方形筒状の嵌合部
38a,38b 基板
39a,39b フランジ部
40a,40b 作業用の開口である。
41a,41b カッタビット
42a,42b先行ビット
43a,43b カッタスポーク
45a,45b 余掘用スライドジャッキ
46a,46b スライドガイド
47a,47b ビット取付板
48a,48b 橋脚状の支柱
49a,49b 土砂案内板
50a,50b 流通孔
L 余掘の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非円形断面のトンネルを掘削するトンネル掘削機であって、
非円形筒体からなる掘削機本体と、
前記掘削機本体の前方に設けられた非円形回転体からなるカッタヘッドと、
を備え、
前記カッタヘッドは、掘削機本体側に連結固定された左,右両仕切壁間に上,下二段に亘って配置されたドラム状のセンタカッタとこれらのセンタカッタの両側に互いの開口部を対向させて配置された帽子状のサイドカッタとからなり、
前記センタカッタとサイドカッタとは各々独立して回転可能になっている、
ことを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項2】
前記各センタカッタの回転軸は左,右両仕切壁間の上部と下部にベアリングを介して回転自在に支持され、前記各サイドカッタの回転軸は各々対応する仕切壁の中心部にベアリングを介して回転自在に片持ち支持されることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
【請求項3】
前記上段のセンタカッタと下段のセンタカッタとは前後方向へ斜めにずれて配置され、各々の外周面に取着された多数のディスクカッタ又はカッタビットの回転奇跡が、側面視では上下方向に交叉しない一方、正面視では上下方向に一部が重なり合うようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機。
【請求項4】
前記各サイドカッタはテーパ筒状の内側カッタ部とこの内側カッタ部に対し伸縮可能でかつ回転不能に嵌合した椀状の外側カッタ部とに分割され、前記各サイドカッタにおける回転軸の先端が椀状の外側カッタ部に連結固定されることを特徴とする請求項2に記載のトンネル掘削機。
【請求項5】
前記テーパ筒状の内側カッタ部と椀状の外側カッタ部との間に複数本の余掘用ジャッキと複数本の廻り止めを兼ねたスライドガイドが介装されることを特徴とする請求項4に記載のトンネル掘削機。
【請求項6】
前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面にカッタスポークを介して多数のカッタビットが付着されると共に、前記カッタスポークは、細長いビット取付板が前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面上に掘削土砂が通過可能な間隔で多数植設された橋脚状の支柱により支持されてなることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
【請求項7】
前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面にカッタスポークを介して多数のカッタビットが付着されると共に、前記カッタスポークは、溝型断面の底壁部をビット取付板となすと共に両側壁部に掘削土砂が通過可能な流通孔を多数形成してなることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
【請求項8】
前記センタカッタ及びサイドカッタの外周面に、各々の回転方向に対応して掘削土砂をカッタヘッドの左右方向中央部に導く土砂案内板を付設したことを特徴とする請求項7又は8に記載のトンネル掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−96077(P2013−96077A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237191(P2011−237191)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(309036221)三菱重工メカトロシステムズ株式会社 (57)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】