トンネル構築方法
【課題】 シールド掘削機の構造をシンプルにしてコストアップを最小限に抑えるとともに、トンネル断面の拡幅が容易にできるトンネル構築方法を提供する。
【解決手段】 テールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるシールド掘削機を用いて、所定断面積を有する標準トンネル20を先行して構築した後、標準トンネル20を拡幅して拡幅トンネル30を構築するトンネル構築方法であって、拡幅区間の始点と終点に残置された残置テールプレートの内方から拡幅領域Rに向けてそれぞれ拡幅部材8を突出し、拡幅領域Rの周縁に沿うように拡幅部材8、8間にパイプ11を架設して拡幅領域Rを囲繞する土留壁を構築し、さらにパイプ11の表面に形成された複数の孔から薬液を地盤に注入して拡幅領域Rの外周部を地盤改良した後、拡幅領域Rを掘削してパイプ11の内方に拡幅構造体12を形成する。
【解決手段】 テールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるシールド掘削機を用いて、所定断面積を有する標準トンネル20を先行して構築した後、標準トンネル20を拡幅して拡幅トンネル30を構築するトンネル構築方法であって、拡幅区間の始点と終点に残置された残置テールプレートの内方から拡幅領域Rに向けてそれぞれ拡幅部材8を突出し、拡幅領域Rの周縁に沿うように拡幅部材8、8間にパイプ11を架設して拡幅領域Rを囲繞する土留壁を構築し、さらにパイプ11の表面に形成された複数の孔から薬液を地盤に注入して拡幅領域Rの外周部を地盤改良した後、拡幅領域Rを掘削してパイプ11の内方に拡幅構造体12を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル構築方法に関し、特に、標準トンネルを拡幅して拡幅トンネルを構築する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネルでは、途中に拡幅断面を備えたトンネルが必要となることが多い。例えば、地下鉄トンネルでは500m〜1000mごとに駅部を設けねばならず、道路トンネルでは約500mごとに非常駐車帯を設けねばならない。そこで、トンネル断面を拡幅する方法として、開削工法や、広範囲に地盤改良を行いトンネル内部から部分的に断面を拡幅する方法、あるいは、立坑部でシールド掘削機に拡大部を装着して掘進する方法などが実施されていた。
しかし、開削工法や、立坑部でシールド掘削機に拡大部を装着して掘進する方法は、地上用地を長期に占有するため周辺環境へ与える影響が非常に大きくなる。また、地盤改良を行いトンネル内部から部分的に断面を拡幅する方法は、工費、工期および環境面での課題が多い。こうしたことから、シールド掘削機に拡幅装置を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−242585号公報 (第4−8頁、第1−17図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、シールド掘削機に拡幅装置を設けたものは、機構が複雑で非常に高価なうえ、掘削断面形状が限定され汎用性に欠けるといった問題がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、シールド掘削機の構造をシンプルにしてコストアップを最小限に抑えるとともに、トンネル断面の拡幅が容易にできるトンネル構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係るトンネル構築方法では、外周部を形成する筒状のスキンプレートの後部を形成するテールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるシールド掘削機を用いて、所定断面積を有する標準トンネルを先行して構築した後、当該標準トンネルを拡幅して拡幅トンネルを構築するトンネル構築方法であって、前記標準トンネルを構築する際に、拡幅区間の始点と終点にそれぞれ前記残置テールプレートを残置する工程と、前記拡幅区間の始点と終点に残置された前記残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出する工程と、複数の孔が表面に形成されたパイプを前記拡幅領域の周縁に沿うように前記拡幅部材間に架設する工程と、前記パイプの表面に形成された複数の孔から薬液を地盤に注入して前記拡幅領域の外周部を地盤改良する工程と、前記拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築する工程とを備えることを特徴とする。
本発明において使用するシールド掘削機は、従来のシールド掘削機の機能に加えて、テールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるだけでよい。そのため、シールド掘削機の改良に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
また、本発明では、拡幅区間の始点と終点に残置された残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出し、拡幅領域の周縁に沿うように拡幅部材間にパイプを架設して拡幅領域を囲繞する土留壁を構築し、さらに拡幅領域の外周部を地盤改良した後、拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築するので、安全且つ容易にトンネル断面の拡幅を行うことができる。
しかも、残置テールプレートを補充すれば何度でも拡幅が可能であるうえ、拡幅作業と本線トンネルの掘削作業を並行して行うことができるため、工期の短縮を図ることができる。
【0005】
また、本発明に係るトンネル構築方法では、前記拡幅部材を前記拡幅領域に向けて突出する際、前記残置テールプレートに備えられた高圧流体噴射管から前記拡幅領域に向けて高圧流体を噴射して掘削してもよい。
本発明では、残置テールプレートに備えられた高圧流体噴射管から拡幅領域に向けて高圧流体を噴射して地盤を泥水化することにより、トンネル内に複雑な掘削機構を設けることなく、拡幅部材を容易に拡幅領域に向けて突出させることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明において使用するシールド掘削機は、従来のシールド掘削機の機能に加えて、テールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるだけでよいので、シールド掘削機の改良に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
また、本発明によれば、拡幅区間の始点と終点に残置された残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出し、拡幅領域の周縁に沿うように拡幅部材間にパイプを架設して拡幅領域を囲繞する土留壁を構築し、さらに拡幅領域を地盤改良した後、拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築するので、安全且つ容易にトンネル断面の拡幅を行うことができる。
しかも、残置テールプレートを補充すれば何度でも拡幅が可能であるうえ、拡幅作業と本線トンネルの掘削作業を並行して行うことができるため、工期の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係るトンネル構築方法の実施形態について図面に基いて説明する。なお、以下の説明において、シールド掘削機1の掘進方向を「前」、その逆方向を「後」と称することとする。
図1乃至図14は、本発明に係るトンネル構築方法について工程を追って示したものである。
本実施形態において使用するシールド掘削機1は、前部にあって所定断面積の標準トンネルを掘進するカッタ2と、外周部を形成する筒状のスキンプレート3と、スキンプレート3の後部を形成するテールプレート3aの内方に固定具5を介して装着される着脱自在な筒状の残置テールプレート4とを備えている(図1参照)。また、テールプレート3aおよび残置テールプレート4の後部内側には、テールパッキン6が取り付けられており、シールド掘削機1内に地下水や土砂が浸入するのを防止している。
【0008】
先ず、拡幅区間Lの始点に残置テールプレート4を残置する手順について説明する。
シールド掘削機1により掘進しながら標準トンネル20を構築していく。そして、シールド掘削機1の後端部が拡幅区間Lの始点に到達すると、セグメント7の前端に新たにセグメント7を1リング分構築する。この際、図2(b)に示すように、側部のセグメント7aは、拡幅作業時に撤去する仮設セグメントであり、止水性を有する必要はなく、骨組だけでよい。また、テールプレート3aと残置テールプレート4aとを固定している固定具5は取り外し、残置テールプレート4aを固定具5を用いてセグメント7、7aに固定する(図2参照)。
次に、新たに構築したセグメント7、7aの前端に推進ジャッキ(図示省略)を設置し、シールド掘削機1を掘進させる。そして、先ほど構築したセグメント7、7aの前端に新たにセグメント7、7aを1リング分構築するとともに、残置テールプレート4aの前端に新たに残置テールプレート4bを設置し、残置テールプレート4bを固定具5を用いてセグメント7、7aに固定する(図3参照)。
その後、セグメント7、7aの前端に推進ジャッキを設置し、シールド掘削機1を掘進させ、セグメント7、7aの前端にセグメント7、7aを1リング分構築するとともに、残置テールプレート4bの前端に残置テールプレート4cを設置し、残置テールプレート4cを固定具5を用いてセグメント7、7aに固定する(図4参照)。この際、残置テールプレート4cとセグメント7、7a間にテールパッキン6を併せて取り付ける。
引き続き、推進ジャッキによりシールド掘削機1を掘進させ、残置テールプレート4cの前端に残置テールプレート4dを配置し、固定具5を用いて残置テールプレート4dをセグメント7、7aの前端に固定するとともに、残置テールプレート4dとセグメント7、7a間にテールパッキン6を取り付ける(図5参照)。
さらに、推進ジャッキによりシールド掘削機1を掘進させ、テールプレート3aと残置テールプレート4dを固定具5を用いて固定し、残置テールプレート4dとセグメント7、7a間の固定具5を取り外す(図6参照)。そして、セグメント7、7aの前端に新たにセグメント7、7aを1リング分構築する。
以後、残置テールプレート4a、4b、4cを拡幅区間Lの始点に残置した状態で、シールド掘削機1を掘進させ、標準トンネル20を構築していく(図7参照)。この際、拡幅区間Lの終点についても上記と同様の手順で残置テールプレート4を残置しておく。
なお、残置テールプレート4および後述する拡幅部材8のトンネル軸方向の幅は、施工条件に応じて適宜変更することができる。
【0009】
次に、拡幅部材8の突出手順について説明する。
先ず、残置テールプレート4内方の側部のセグメント7’aを撤去する(図8、9参照)。次いで、側部仕切板8a、8aと上部仕切板8bおよび下部仕切板8cからなる箱形状の拡幅部材8を、残置テールプレート4の側部を形成する残置テールプレート4’の内側に密着して取り付ける(図10参照)。
そして、残置テールプレート4’に設置された高圧流体噴射管9から高圧水を拡幅領域Rの地山に向かって噴射することで地山を流動化させ、流動化した地山を取り込み手段(図示省略)でシールド掘削機1内に取り込みつつ、ジャッキ(図示省略)を用いて残置テールプレート4’および拡幅部材8を拡幅領域Rに向けて突出する(図10、11参照)。
なお、拡幅部材8と一体となって突出する残置テールプレート4’は、他の残置テールプレート4から分離可能になっている。
【0010】
拡幅区間Lの始点および終点における拡幅部材8の突出がそれぞれ完了すると、拡幅領域Rの周縁に沿うように拡幅部材8、8間にパイプ11を架設して拡幅領域Rを囲繞する土留壁を構築し、パイプ11の表面に形成された複数の孔から薬液Mを地盤Gに注入して拡幅領域Rの外周部を地盤改良する(図12参照)。
次いで、拡幅区間Lの側部のセグメント7aを撤去した後、小型バックホウ等の掘削機械を用いて拡幅領域Rの掘削を行い、拡幅空間を形成する(図13参照)。
そして、通常の施工方法により、パイプ11の内方に鉄筋コンクリートからなる拡幅構造体12を形成し、拡幅トンネル30を構築する(図14参照)。
【0011】
図15は、高圧流体噴射管および排泥管の残置テールプレートへの設置状況を示す図である。また、図16は、高圧流体噴射管先端部の詳細図である。
残置テールプレート4’には、所定の間隔をあけて複数の高圧流体噴射管9が設置されている。また、残置テールプレート4’の中央部および下端部には排泥管10がそれぞれ設置されている。
高圧流体噴射管9は、耐圧ホース(図示省略)で接続された高圧ユニット(図示省略)に接続されており、昇圧された高圧水W(高圧流体)を噴射する。具体的には、高圧水Wの流路を形成する管部9aの先端の側方に高圧水Wを噴射する適宜形状のノズルを備える噴射孔9bが設けられており、いわゆるウォータジェット工法による掘削を行うことができる。
さらに、 本実施形態では、管部9 aの先端に地盤G を掘削可能とする掘削ビット9 cが設けられてい る。管部9 aは、 駆動機構(図示省略 )により、軸周りに回転可能とされており、掘削ビット9 cには、高圧水Wを軸方向前方に噴射する噴射孔9 dが設けられている。これにより 、管部9a を回転させつつ地盤G 内を前進させると、掘削ビット9 cにより先端から地盤G に貫入することができ、その側方および前方が高圧水Wの掘削作用により掘削され、高圧水Wのおよぶ範囲が泥水化され るようになっている。泥水化された掘削土は、排泥管10を介して外部に排出される。
1つの 高圧流体噴射管9 により、管部9 aの回転軸を中心として円柱状の掘削を行うことができ、 高圧流体噴射管9 を、それぞれの掘削範囲が重なり合う間隔に配置することで拡幅部材8 の前面がほぼ 一様に掘削できるものである。
また、高圧流体噴射管9 は、回転カッタなどの掘削手段に比して可動部が少なく動力もほとんど必要としないので、簡素な構成とすることができる。従って、 狭いトンネル内部でも効率的に作業することができ、必要に応じて設置個数を増減したりして使用することも容易となるという利点がある。
さらに、 高圧水Wの水圧、水量を変更することで、地盤G の状態に応じて掘削力を調整できるという利点も ある。
なお、噴射孔9 dは掘削ビット9 cのみで十分な掘削が行える場合には、設けなくてもよい。
【0012】
図17は、パイプの挿入方法を示す説明図である。
パイプ11は複数の短尺鋼管13を直列に接続したものであり、アースオーガー推進機14を用いて地盤G内に挿入される。
先ず、アースオーガー推進機14を一方の拡幅部材8内に設置し、アースオーガー推進機14の先端部に装着された短尺のアースオーガースクリュー15を回転させて地盤Gを削孔しながら短尺鋼管13を地盤G内に圧入する。
その後、短尺鋼管13および短尺鋼管13とほぼ同じ長さのアースオーガースクリュー15をそれぞれ継ぎ足しながら、拡幅部材8、8間にパイプ11を架設するのである。
なお、アースオーガー推進機14による削孔反力を確保するため、拡幅部材8の後部地盤G’を地盤改良することもある。
【0013】
図18は、本実施形態において用いられる二重管ダブルパッカー工法と呼ばれる薬液注入工法の模式図である。
先ず、周壁に所定の間隔で注入孔K2が設けられたパイプ11内にダブルパッカーDを挿入する(図18(a)参照)。ダブルパッカーDは、中間部に孔K1が設けられたストレーナパイプSの両端にパッカーPがそれぞれ環装されたものであり、ストレーナパイプSの一方の端部には注入管Jが装着されている。
薬液Mを注入する際は、パッカーPを押し広げてパイプ11内周面に密着させ、薬液Mの逃げ道を塞いだ後、注入管Jから供給される薬液MをストレーナパイプSの孔K1から噴出させ、パイプ11の注入孔K2から地盤G内に注入する(図18(b)参照)。
ダブルパッカーDの移動間隔は30〜50cm程度を基本とし、ボーリング孔の先端部から後端部へ順次移動させていく。
【0014】
本実施形態において使用するシールド掘削機1は、従来のシールド掘削機の機能に加えて、テールプレート3aの内方に着脱自在な残置テールプレート4を備えるだけでよい。そのため、シールド掘削機の改良に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
また、本実施形態によるトンネル構築方法では、拡幅区間Lの始点と終点に残置された残置テールプレート4の内方から拡幅領域Rに向けてそれぞれ残置テールプレート4’および拡幅部材8を突出し、拡幅領域Rの周縁に沿うように拡幅部材8、8間にパイプ11を架設して拡幅領域Rを囲繞する土留壁を構築し、さらにパイプ11の表面に形成された複数の孔から薬液Mを地盤Gに注入して拡幅領域Rの外周部を地盤改良した後、拡幅領域Rを掘削してパイプ11の内方に拡幅構造体12を形成すればよいので、安全且つ容易にトンネル断面の拡幅を行うことができる。
しかも、残置テールプレート4を補充すれば何度でも拡幅が可能であるうえ、拡幅作業と本線トンネルの掘削作業を並行して行うことができるため、工期の短縮を図ることができる。
【0015】
以上、本発明に係るトンネル構築方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、標準トンネルの両側部について拡幅を行っているが、片側のみの拡幅も可能である。また、上記の実施形態では、薬液注入工法として二重管ダブルパッカー工法を用いているが、他の地盤改良工法でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るトンネル構築方法の一例を示し、(a)はシールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図、(b)はA−A矢視断面図である。
【図2】同、(a)はシールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図、(b)はB−B矢視断面図である。
【図3】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図4】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図5】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図6】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図7】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図8】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はC−C矢視断面図である。
【図9】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はD−D矢視断面図である。
【図10】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はE−E矢視断面図である。
【図11】同、シールドトンネルの概略平断面図である。
【図12】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はF−F矢視断面図、(c)はG−G矢視断面図である。
【図13】同、シールドトンネルの概略平断面図である。
【図14】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はH−H矢視断面図である。
【図15】高圧流体噴射管および排泥管の残置テールプレートへの設置状況を示す図である。
【図16】高圧流体噴射管先端部の詳細図である。
【図17】パイプの挿入方法を示す説明図である。
【図18】ダブルパッカーの模式図であり、(a)はダブルパッカー挿入時、(b)はダブルパッカーによる薬液注入時である。
【符号の説明】
【0017】
1 シールド掘削機
2 カッタ
3 スキンプレート
4 残置テールプレート
5 固定具
6 テールパッキン
7 セグメント
8 拡幅部材
9 高圧流体噴射管
10 排泥管
11 パイプ
12 拡幅構造体
13 短尺鋼管
14 アースオーガー推進機
15 アースオーガースクリュー
20 標準トンネル
30 拡幅トンネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル構築方法に関し、特に、標準トンネルを拡幅して拡幅トンネルを構築する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネルでは、途中に拡幅断面を備えたトンネルが必要となることが多い。例えば、地下鉄トンネルでは500m〜1000mごとに駅部を設けねばならず、道路トンネルでは約500mごとに非常駐車帯を設けねばならない。そこで、トンネル断面を拡幅する方法として、開削工法や、広範囲に地盤改良を行いトンネル内部から部分的に断面を拡幅する方法、あるいは、立坑部でシールド掘削機に拡大部を装着して掘進する方法などが実施されていた。
しかし、開削工法や、立坑部でシールド掘削機に拡大部を装着して掘進する方法は、地上用地を長期に占有するため周辺環境へ与える影響が非常に大きくなる。また、地盤改良を行いトンネル内部から部分的に断面を拡幅する方法は、工費、工期および環境面での課題が多い。こうしたことから、シールド掘削機に拡幅装置を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−242585号公報 (第4−8頁、第1−17図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、シールド掘削機に拡幅装置を設けたものは、機構が複雑で非常に高価なうえ、掘削断面形状が限定され汎用性に欠けるといった問題がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、シールド掘削機の構造をシンプルにしてコストアップを最小限に抑えるとともに、トンネル断面の拡幅が容易にできるトンネル構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係るトンネル構築方法では、外周部を形成する筒状のスキンプレートの後部を形成するテールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるシールド掘削機を用いて、所定断面積を有する標準トンネルを先行して構築した後、当該標準トンネルを拡幅して拡幅トンネルを構築するトンネル構築方法であって、前記標準トンネルを構築する際に、拡幅区間の始点と終点にそれぞれ前記残置テールプレートを残置する工程と、前記拡幅区間の始点と終点に残置された前記残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出する工程と、複数の孔が表面に形成されたパイプを前記拡幅領域の周縁に沿うように前記拡幅部材間に架設する工程と、前記パイプの表面に形成された複数の孔から薬液を地盤に注入して前記拡幅領域の外周部を地盤改良する工程と、前記拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築する工程とを備えることを特徴とする。
本発明において使用するシールド掘削機は、従来のシールド掘削機の機能に加えて、テールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるだけでよい。そのため、シールド掘削機の改良に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
また、本発明では、拡幅区間の始点と終点に残置された残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出し、拡幅領域の周縁に沿うように拡幅部材間にパイプを架設して拡幅領域を囲繞する土留壁を構築し、さらに拡幅領域の外周部を地盤改良した後、拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築するので、安全且つ容易にトンネル断面の拡幅を行うことができる。
しかも、残置テールプレートを補充すれば何度でも拡幅が可能であるうえ、拡幅作業と本線トンネルの掘削作業を並行して行うことができるため、工期の短縮を図ることができる。
【0005】
また、本発明に係るトンネル構築方法では、前記拡幅部材を前記拡幅領域に向けて突出する際、前記残置テールプレートに備えられた高圧流体噴射管から前記拡幅領域に向けて高圧流体を噴射して掘削してもよい。
本発明では、残置テールプレートに備えられた高圧流体噴射管から拡幅領域に向けて高圧流体を噴射して地盤を泥水化することにより、トンネル内に複雑な掘削機構を設けることなく、拡幅部材を容易に拡幅領域に向けて突出させることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明において使用するシールド掘削機は、従来のシールド掘削機の機能に加えて、テールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるだけでよいので、シールド掘削機の改良に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
また、本発明によれば、拡幅区間の始点と終点に残置された残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出し、拡幅領域の周縁に沿うように拡幅部材間にパイプを架設して拡幅領域を囲繞する土留壁を構築し、さらに拡幅領域を地盤改良した後、拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築するので、安全且つ容易にトンネル断面の拡幅を行うことができる。
しかも、残置テールプレートを補充すれば何度でも拡幅が可能であるうえ、拡幅作業と本線トンネルの掘削作業を並行して行うことができるため、工期の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係るトンネル構築方法の実施形態について図面に基いて説明する。なお、以下の説明において、シールド掘削機1の掘進方向を「前」、その逆方向を「後」と称することとする。
図1乃至図14は、本発明に係るトンネル構築方法について工程を追って示したものである。
本実施形態において使用するシールド掘削機1は、前部にあって所定断面積の標準トンネルを掘進するカッタ2と、外周部を形成する筒状のスキンプレート3と、スキンプレート3の後部を形成するテールプレート3aの内方に固定具5を介して装着される着脱自在な筒状の残置テールプレート4とを備えている(図1参照)。また、テールプレート3aおよび残置テールプレート4の後部内側には、テールパッキン6が取り付けられており、シールド掘削機1内に地下水や土砂が浸入するのを防止している。
【0008】
先ず、拡幅区間Lの始点に残置テールプレート4を残置する手順について説明する。
シールド掘削機1により掘進しながら標準トンネル20を構築していく。そして、シールド掘削機1の後端部が拡幅区間Lの始点に到達すると、セグメント7の前端に新たにセグメント7を1リング分構築する。この際、図2(b)に示すように、側部のセグメント7aは、拡幅作業時に撤去する仮設セグメントであり、止水性を有する必要はなく、骨組だけでよい。また、テールプレート3aと残置テールプレート4aとを固定している固定具5は取り外し、残置テールプレート4aを固定具5を用いてセグメント7、7aに固定する(図2参照)。
次に、新たに構築したセグメント7、7aの前端に推進ジャッキ(図示省略)を設置し、シールド掘削機1を掘進させる。そして、先ほど構築したセグメント7、7aの前端に新たにセグメント7、7aを1リング分構築するとともに、残置テールプレート4aの前端に新たに残置テールプレート4bを設置し、残置テールプレート4bを固定具5を用いてセグメント7、7aに固定する(図3参照)。
その後、セグメント7、7aの前端に推進ジャッキを設置し、シールド掘削機1を掘進させ、セグメント7、7aの前端にセグメント7、7aを1リング分構築するとともに、残置テールプレート4bの前端に残置テールプレート4cを設置し、残置テールプレート4cを固定具5を用いてセグメント7、7aに固定する(図4参照)。この際、残置テールプレート4cとセグメント7、7a間にテールパッキン6を併せて取り付ける。
引き続き、推進ジャッキによりシールド掘削機1を掘進させ、残置テールプレート4cの前端に残置テールプレート4dを配置し、固定具5を用いて残置テールプレート4dをセグメント7、7aの前端に固定するとともに、残置テールプレート4dとセグメント7、7a間にテールパッキン6を取り付ける(図5参照)。
さらに、推進ジャッキによりシールド掘削機1を掘進させ、テールプレート3aと残置テールプレート4dを固定具5を用いて固定し、残置テールプレート4dとセグメント7、7a間の固定具5を取り外す(図6参照)。そして、セグメント7、7aの前端に新たにセグメント7、7aを1リング分構築する。
以後、残置テールプレート4a、4b、4cを拡幅区間Lの始点に残置した状態で、シールド掘削機1を掘進させ、標準トンネル20を構築していく(図7参照)。この際、拡幅区間Lの終点についても上記と同様の手順で残置テールプレート4を残置しておく。
なお、残置テールプレート4および後述する拡幅部材8のトンネル軸方向の幅は、施工条件に応じて適宜変更することができる。
【0009】
次に、拡幅部材8の突出手順について説明する。
先ず、残置テールプレート4内方の側部のセグメント7’aを撤去する(図8、9参照)。次いで、側部仕切板8a、8aと上部仕切板8bおよび下部仕切板8cからなる箱形状の拡幅部材8を、残置テールプレート4の側部を形成する残置テールプレート4’の内側に密着して取り付ける(図10参照)。
そして、残置テールプレート4’に設置された高圧流体噴射管9から高圧水を拡幅領域Rの地山に向かって噴射することで地山を流動化させ、流動化した地山を取り込み手段(図示省略)でシールド掘削機1内に取り込みつつ、ジャッキ(図示省略)を用いて残置テールプレート4’および拡幅部材8を拡幅領域Rに向けて突出する(図10、11参照)。
なお、拡幅部材8と一体となって突出する残置テールプレート4’は、他の残置テールプレート4から分離可能になっている。
【0010】
拡幅区間Lの始点および終点における拡幅部材8の突出がそれぞれ完了すると、拡幅領域Rの周縁に沿うように拡幅部材8、8間にパイプ11を架設して拡幅領域Rを囲繞する土留壁を構築し、パイプ11の表面に形成された複数の孔から薬液Mを地盤Gに注入して拡幅領域Rの外周部を地盤改良する(図12参照)。
次いで、拡幅区間Lの側部のセグメント7aを撤去した後、小型バックホウ等の掘削機械を用いて拡幅領域Rの掘削を行い、拡幅空間を形成する(図13参照)。
そして、通常の施工方法により、パイプ11の内方に鉄筋コンクリートからなる拡幅構造体12を形成し、拡幅トンネル30を構築する(図14参照)。
【0011】
図15は、高圧流体噴射管および排泥管の残置テールプレートへの設置状況を示す図である。また、図16は、高圧流体噴射管先端部の詳細図である。
残置テールプレート4’には、所定の間隔をあけて複数の高圧流体噴射管9が設置されている。また、残置テールプレート4’の中央部および下端部には排泥管10がそれぞれ設置されている。
高圧流体噴射管9は、耐圧ホース(図示省略)で接続された高圧ユニット(図示省略)に接続されており、昇圧された高圧水W(高圧流体)を噴射する。具体的には、高圧水Wの流路を形成する管部9aの先端の側方に高圧水Wを噴射する適宜形状のノズルを備える噴射孔9bが設けられており、いわゆるウォータジェット工法による掘削を行うことができる。
さらに、 本実施形態では、管部9 aの先端に地盤G を掘削可能とする掘削ビット9 cが設けられてい る。管部9 aは、 駆動機構(図示省略 )により、軸周りに回転可能とされており、掘削ビット9 cには、高圧水Wを軸方向前方に噴射する噴射孔9 dが設けられている。これにより 、管部9a を回転させつつ地盤G 内を前進させると、掘削ビット9 cにより先端から地盤G に貫入することができ、その側方および前方が高圧水Wの掘削作用により掘削され、高圧水Wのおよぶ範囲が泥水化され るようになっている。泥水化された掘削土は、排泥管10を介して外部に排出される。
1つの 高圧流体噴射管9 により、管部9 aの回転軸を中心として円柱状の掘削を行うことができ、 高圧流体噴射管9 を、それぞれの掘削範囲が重なり合う間隔に配置することで拡幅部材8 の前面がほぼ 一様に掘削できるものである。
また、高圧流体噴射管9 は、回転カッタなどの掘削手段に比して可動部が少なく動力もほとんど必要としないので、簡素な構成とすることができる。従って、 狭いトンネル内部でも効率的に作業することができ、必要に応じて設置個数を増減したりして使用することも容易となるという利点がある。
さらに、 高圧水Wの水圧、水量を変更することで、地盤G の状態に応じて掘削力を調整できるという利点も ある。
なお、噴射孔9 dは掘削ビット9 cのみで十分な掘削が行える場合には、設けなくてもよい。
【0012】
図17は、パイプの挿入方法を示す説明図である。
パイプ11は複数の短尺鋼管13を直列に接続したものであり、アースオーガー推進機14を用いて地盤G内に挿入される。
先ず、アースオーガー推進機14を一方の拡幅部材8内に設置し、アースオーガー推進機14の先端部に装着された短尺のアースオーガースクリュー15を回転させて地盤Gを削孔しながら短尺鋼管13を地盤G内に圧入する。
その後、短尺鋼管13および短尺鋼管13とほぼ同じ長さのアースオーガースクリュー15をそれぞれ継ぎ足しながら、拡幅部材8、8間にパイプ11を架設するのである。
なお、アースオーガー推進機14による削孔反力を確保するため、拡幅部材8の後部地盤G’を地盤改良することもある。
【0013】
図18は、本実施形態において用いられる二重管ダブルパッカー工法と呼ばれる薬液注入工法の模式図である。
先ず、周壁に所定の間隔で注入孔K2が設けられたパイプ11内にダブルパッカーDを挿入する(図18(a)参照)。ダブルパッカーDは、中間部に孔K1が設けられたストレーナパイプSの両端にパッカーPがそれぞれ環装されたものであり、ストレーナパイプSの一方の端部には注入管Jが装着されている。
薬液Mを注入する際は、パッカーPを押し広げてパイプ11内周面に密着させ、薬液Mの逃げ道を塞いだ後、注入管Jから供給される薬液MをストレーナパイプSの孔K1から噴出させ、パイプ11の注入孔K2から地盤G内に注入する(図18(b)参照)。
ダブルパッカーDの移動間隔は30〜50cm程度を基本とし、ボーリング孔の先端部から後端部へ順次移動させていく。
【0014】
本実施形態において使用するシールド掘削機1は、従来のシールド掘削機の機能に加えて、テールプレート3aの内方に着脱自在な残置テールプレート4を備えるだけでよい。そのため、シールド掘削機の改良に伴うコストアップを最小限に抑えることができる。
また、本実施形態によるトンネル構築方法では、拡幅区間Lの始点と終点に残置された残置テールプレート4の内方から拡幅領域Rに向けてそれぞれ残置テールプレート4’および拡幅部材8を突出し、拡幅領域Rの周縁に沿うように拡幅部材8、8間にパイプ11を架設して拡幅領域Rを囲繞する土留壁を構築し、さらにパイプ11の表面に形成された複数の孔から薬液Mを地盤Gに注入して拡幅領域Rの外周部を地盤改良した後、拡幅領域Rを掘削してパイプ11の内方に拡幅構造体12を形成すればよいので、安全且つ容易にトンネル断面の拡幅を行うことができる。
しかも、残置テールプレート4を補充すれば何度でも拡幅が可能であるうえ、拡幅作業と本線トンネルの掘削作業を並行して行うことができるため、工期の短縮を図ることができる。
【0015】
以上、本発明に係るトンネル構築方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、標準トンネルの両側部について拡幅を行っているが、片側のみの拡幅も可能である。また、上記の実施形態では、薬液注入工法として二重管ダブルパッカー工法を用いているが、他の地盤改良工法でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るトンネル構築方法の一例を示し、(a)はシールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図、(b)はA−A矢視断面図である。
【図2】同、(a)はシールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図、(b)はB−B矢視断面図である。
【図3】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図4】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図5】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図6】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図7】同、シールド掘削機およびシールドトンネルの概略平断面図である。
【図8】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はC−C矢視断面図である。
【図9】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はD−D矢視断面図である。
【図10】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はE−E矢視断面図である。
【図11】同、シールドトンネルの概略平断面図である。
【図12】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はF−F矢視断面図、(c)はG−G矢視断面図である。
【図13】同、シールドトンネルの概略平断面図である。
【図14】同、(a)はシールドトンネルの概略平断面図、(b)はH−H矢視断面図である。
【図15】高圧流体噴射管および排泥管の残置テールプレートへの設置状況を示す図である。
【図16】高圧流体噴射管先端部の詳細図である。
【図17】パイプの挿入方法を示す説明図である。
【図18】ダブルパッカーの模式図であり、(a)はダブルパッカー挿入時、(b)はダブルパッカーによる薬液注入時である。
【符号の説明】
【0017】
1 シールド掘削機
2 カッタ
3 スキンプレート
4 残置テールプレート
5 固定具
6 テールパッキン
7 セグメント
8 拡幅部材
9 高圧流体噴射管
10 排泥管
11 パイプ
12 拡幅構造体
13 短尺鋼管
14 アースオーガー推進機
15 アースオーガースクリュー
20 標準トンネル
30 拡幅トンネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部を形成する筒状のスキンプレートの後部を形成するテールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるシールド掘削機を用いて、所定断面積を有する標準トンネルを先行して構築した後、当該標準トンネルを拡幅して拡幅トンネルを構築するトンネル構築方法であって、
前記標準トンネルを構築する際に、拡幅区間の始点と終点にそれぞれ前記残置テールプレートを残置する工程と、
前記拡幅区間の始点と終点に残置された前記残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出する工程と、
複数の孔が表面に形成されたパイプを前記拡幅領域の周縁に沿うように前記拡幅部材間に架設する工程と、
前記パイプの表面に形成された複数の孔から薬液を地盤に注入して前記拡幅領域の外周部を地盤改良する工程と、
前記拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築する工程とを備えることを特徴とするトンネル構築方法。
【請求項2】
前記拡幅部材を前記拡幅領域に向けて突出する際、前記残置テールプレートに備えられた高圧流体噴射管から前記拡幅領域に向けて高圧流体を噴射することを特徴とする請求項1に記載のトンネル構築方法。
【請求項1】
外周部を形成する筒状のスキンプレートの後部を形成するテールプレートの内方に着脱自在な残置テールプレートを備えるシールド掘削機を用いて、所定断面積を有する標準トンネルを先行して構築した後、当該標準トンネルを拡幅して拡幅トンネルを構築するトンネル構築方法であって、
前記標準トンネルを構築する際に、拡幅区間の始点と終点にそれぞれ前記残置テールプレートを残置する工程と、
前記拡幅区間の始点と終点に残置された前記残置テールプレートの内方から拡幅領域に向けてそれぞれ拡幅部材を突出する工程と、
複数の孔が表面に形成されたパイプを前記拡幅領域の周縁に沿うように前記拡幅部材間に架設する工程と、
前記パイプの表面に形成された複数の孔から薬液を地盤に注入して前記拡幅領域の外周部を地盤改良する工程と、
前記拡幅領域を掘削して拡幅トンネルを構築する工程とを備えることを特徴とするトンネル構築方法。
【請求項2】
前記拡幅部材を前記拡幅領域に向けて突出する際、前記残置テールプレートに備えられた高圧流体噴射管から前記拡幅領域に向けて高圧流体を噴射することを特徴とする請求項1に記載のトンネル構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−22496(P2006−22496A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199444(P2004−199444)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
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