トンネル用セグメントの止水構造
【課題】主桁であるトンネル軸方向壁を鋼管や溝形鋼で構成したトンネル用セグメントにおいて、簡単な構造で連結部からの漏水を確実に防止することのできるトンネル用セグメントの止水構造を提供する。
【解決手段】トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管1a,1bからなる軸方向壁W1,W2と、この軸方向壁W1,W2に接合された背面板2と、軸方向壁W1,W2及び背面板2の両端部に接合された周方向壁4,5とを有し、軸方向壁W1,W2及び周方向壁4,5の外壁面にシール部材8を取付けるシール溝7を設けた。
【解決手段】トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管1a,1bからなる軸方向壁W1,W2と、この軸方向壁W1,W2に接合された背面板2と、軸方向壁W1,W2及び背面板2の両端部に接合された周方向壁4,5とを有し、軸方向壁W1,W2及び周方向壁4,5の外壁面にシール部材8を取付けるシール溝7を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの周方向及び軸方向に連結することにより、トンネル壁を形成するためのトンネル用セグメントの止水構造に係り、より詳しくは、セグメントのトンネル軸方向壁を鋼管や溝形鋼などで構成したトンネル用セグメントの止水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネルの周方向及び軸方向に連結してトンネル壁を構成するトンネル用セグメントにおいては、隣接するセグメントの連結部から発生する水漏れを防止するために、両者の間にシール材を設けて止水を行っている。このような水漏れ現象は、地下水圧が大きい所に構築されたトンネルの場合、特に著しい。
【0003】
従来のトンネル用セグメントとして、トンネル周方向で隣合うセグメントに対向すべくトンネル軸方向に沿った一対の軸方向壁と、トンネル周方向に沿うほぼ扇形で一対以上の周方向壁と、トンネル壁を構成するためにトンネル周方向に沿った周壁、周方向壁と同形の一対の縦リブとの壁からなる箱状を呈すると共に、周方向壁において、トンネル径方向に関して周壁が配置される部分とは反対側となる部分に、周方向壁のトンネル周方向長さの全域又はほぼ全域にわたってトンネル軸方向に突出するフランジ部を形成してダクタイル鋳鉄製のセグメントを構成し、トンネルの周方向壁と軸方向壁にそれぞれ2条のシール溝を設け、このシール溝にシール材を貼付けて止水を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−307100号公報(第3,4頁、図1−7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のトンネル用セグメントにおいては、鋼板をほぼ扇形状に切り出しして溶接するか、又はほぼ扇形状の鋳鉄を別途製作して設置することにより、セグメントの曲率を実現しているが、この方法では制作コストが嵩むばかりでなく、製作に時間がかかるという問題がある。
また、セグメント本体構造に加えて、別途、トンネル周方向及びトンネル軸方向に複数並べて互いに連結するためのセグメント継手及びリング継手を設置する必要があるため、製作コストがさらに嵩むことになる。
【0006】
さらに、セグメントの製作時に、コンクリートの打設荷重に耐えるため、トンネル周方向に沿った周壁を構成する背面板又はスキンプレートの面外変形を抑制する補剛材が多数必要となり、これに加えて、セグメントの施工時には、セグメントをジャッキ等で押し込むため、トンネル周方向に沿うほぼ扇形状の軸方向壁(セグメント側面)の強度が問題となる。特に、大深度対応のトンネル用セグメントの場合、セグメント1体当りの重量の増加に比例してジャッキ等の押し込み力も増加する。この押し込み力に対応するためにも補剛材を多数設置する必要があり、セグメント1体当りの重量がさらに増加し、その結果施工性が悪化するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、主桁であるトンネル軸方向壁を鋼管や溝形鋼で構成したトンネル用セグメントにおいて、簡単な構造で連結部からの漏水を確実に防止することのできるトンネル用セグメントの止水構造を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るトンネル用セグメントの止水構造は、トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、前記軸方向壁及び周方向壁の外壁面にシール部材を取付けるシール溝を設けたものである。
【0009】
また、本発明に係るトンネル用セグメントの止水構造は、トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、前記軸方向壁と周方向壁の外壁の上部稜線部の長手方向にシール材保持部材を設け、該シール保持部材の下面に前記稜線部に沿ってシール材を取付けたものである。
【0010】
上記の周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管の端部に接合された継手板によって構成した。
また、上記の周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管とほぼ等しい外形の短管又は鋼管の端部に接合された拘束板と短管とによって構成した。
【0011】
上記のシール材保持部材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁と同一平面又はこれより僅かに内側に位置させた。
また、上記のシール材保持部材を鋼材からなる丸棒又は角棒で構成した。
また、上記のシール材保持部材を鋼板からなるJ字状部材又は楔状部材で構成した。
また、上記のシール材保持部材を、背面板の縁部で形成した。
【0012】
上記のシール材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁より僅かに外側に位置させた。
上記のシール材に、水膨張性シール材を用いた。
上記の軸方向壁を構成する鋼管に代えて、溝形鋼を用いた。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、セグメントのトンネルの軸方向壁を鋼管で構成し、軸方向壁と周方向壁に設けたシール溝にシール材を取付け、又は軸方向壁と周方向壁の上部稜線部に例えば丸棒の如きシール材保持部材を取付けてその下部に稜線部に沿ってシール材を取付けるようにし、セグメントを連結したときに隣接するセグメントの間のすき間がシール材によって塞がれるようにしたので、セグメントの連結部からの漏水を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は背面板の他の取付状態を示す断面図、図5は図1のセグメントを裏返した状態を示す斜視図である。
本発明に係るトンネル用セグメント(以下、単にセグメントという)は、図8に示すように、地盤中に掘削されたトンネル内に複数のセグメントSを止水用のシール材8を介してリング状に接合してトンネル周壁を形成し、この周壁リングをトンネルの軸方向に止水用のシール材8を介して順次接合し、トンネルの周壁を形成するためのものである。
【0015】
図1〜図5において、1a,1bはセグメントSの主桁であるトンネルの軸方向壁W1,W2を形成する第1,第2の角形鋼管(以下、単に鋼管という)である。この鋼管1a,1b(以下、単に1と記すことがある)はトンネルの周方向に沿って半径r(図8参照)でほぼ円弧状に曲げ加工して成形され、内部にはコンクリート20が充填されている。
【0016】
この鋼管1a,1bは所定の間隔Gで配設され、その上面にはトンネル周壁を形成する背面板又はスキンプレート2(以下、両者を合せて背面板という)が溶接接合されて一体化されている。なお、図4に示すように、間隔Gで配設された鋼管1a,1bの対向する壁面の上部に、突合せ溶接により背面板2を取付けてもよい(以下の実施の形態においても同様である)。また、背面板2の下面の両鋼管1a,1bの間隔Gに対応する領域、したがってコンクリートの打設面には、長手方向に所定の間隔で複数列のスタッドの如きずれ止め3が設けられている。
【0017】
4は鋼管1a,1bの両端部に溶接接合されて、鋼管1a,1bの間隔Gを保持すると共に鋼管1a,1b内に充填されたコンクリート20を拘束し、かつ周方向壁を形成する継手板であり、鋼管1a,1bの両端部を拘束することにより鋼管1a,1bとこれに充填されたコンクリート20が一体化され、鋼管1a,1bの曲げ耐力及び曲げ剛性を向上することができる。
【0018】
これら鋼管1a,1b、背面板2及び継手板4により、上部が開口された箱状部6が形成される。7は鋼管1a,1bの外壁及び継手板4の外面に設けられた、例えば水膨張性シール材の如きシール材を接着するためのシール溝である。なお、図には2本のシール溝7を設けた場合を示したが、1本でもよい。
9は箱状部6の長手方向に配筋された複数本の縦鉄筋である(なお、図5には縦鉄筋9は省略してある)。そして、ずれ止め3が設けられ縦鉄筋9が配筋された箱状部6にはコンクリート20が打設されている。
【0019】
上記の説明では、背面板2の箱状部6に対応した領域、すなわちコンクリート打設面にずれ止め3を設けた場合を示したが、さらに、箱状部6を囲む両鋼管1a,1b及び両端部に設けた継手板4の内壁面の全部又は一部、さらには後述の短管10の側壁にもすべり止めを設けてもよく、これにより、箱状部6とコンクリート20をより強固に一体化することができる。
【0020】
次に、上記のように構成したセグメントSの製造手順の一例について説明する。
先ず、トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に曲げ形成され、外壁にシール溝7が設けられた鋼管1a,1b内にコンクリート20を充填する。
【0021】
次に、両鋼管1a,1bを所定の間隔Gで配置し、両鋼管1a,1bの両端部に外面にシール溝7が設けられた継手板4を配設して、溶接により接合し、コンクリート20を管軸方向に拘束する。ついで、両鋼管1a,1bの上面に、下面にコンクリート打設面の長手方向に複数のずれ止め3が設けられた背面板2を溶接により接合する。そして、このようにして形成された箱状部6の長手方向に複数本の縦鉄筋9を配筋し、箱状部6内にコンクリート20を打設すれば、セグメントSが完成する。なお、箱状部6の長手方向に所定の間隔で横鉄筋を配筋してもよい。
【0022】
上記のように構成したセグメントは、図6に示すように、トンネルの軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bの外壁、及び両端部の継手板4の外面に設けたシール溝7にそれぞれシール材8を接着する。このとき、その外縁部を鋼管1a,1b及び継手板4の外面より僅かに突出させることが望ましい。そして、図8に示すように、セグメントSをトンネル周方向に順次連結してトンネル周方向壁を形成し、ついで、セグメントSをトンネル軸方向に連結してトンネル軸方向壁を形成し、これによりトンネル壁が構成される。
【0023】
このとき、トンネル軸方向にセグメントSが連結されると、図7に示すように、既設のセグメントSの鋼管1aとこれに連結するセグメントSの鋼管1bのシール溝7に接着したシール材8が密着し、漏水を防止して止水する。なお、図7はセグメントSをトンネル軸方向に連結した場合の止水構造を示しているが、セグメントSをトンネル周方向に連結する場合も、図8に示す場合と同様に止水することができる。
【0024】
図9は本実施の形態のトンネル用セグメントの止水構造の他の例を示す斜視図である。
本例は、セグメントSの両端部に、継手板6に代えて、外面にシール溝7を有し、鋼管1a,1bの両端部に内部に充填したコンクリート20を拘束する拘束板5を溶接により接合すると共に、この拘束板5の間に鋼管1a,1bとほぼ同じ大きさの短管10を、その外壁面が拘束板5の外面と同一平面をなすように溶接接合して周方向壁を構成し、その外壁に拘束板5のシール溝7と連続するシール溝7を設けたものである。なお、拘束板5を省略し、外壁にシール溝7を有しセグメントSの全幅に対応した短管10を鋼管1a,1bの両端部に接合してもよい。本例のその他の構成及び製造手段、施工手順は図1のセグメントの場合と同様である。
【0025】
本実施の形態によれば、セグメントSのトンネルの軸方向壁W1,W2を鋼管1a,1bで構成したことにより、この鋼管1a,1bを座屈を生じることなくトンネルの周方向に沿った円弧状に曲げ成形することができるので、製造が容易である。また、これにより、トンネルの周方向の壁を構成する背面板2に補剛材を設ける必要がなく、コンクリート20の打設時の荷重に耐えうる剛性を確保することができる。
さらに、鋼管1a,1bの両端部に継手板4又は拘束板5と短管10を接合して周方向壁を形成することにより、鋼管1a,1bとその内部に充填したコンクリート20との間に、周方向のせん断力に対するずれ止めが不要になる。
【0026】
また、トンネルの軸方向壁W1,W2をコンクリート20を充填した鋼管1a,1bで構成することにより、セグメントSの側面の支圧強度が向上し、施工時のジャッキの大きな押込み力に耐えることができる。また、施工後、セグメントSに発生する曲げ力に対して鋼管1a,1bのフランジ(上下面)が抵抗するため、縦鉄筋9の量を減らすことができる。
これらにより、セグメントSの製造コストが低減され、製造時間が短縮されるばかりでなく、施工性を向上することができる。
【0027】
さらに、セグメントSのトンネル幅方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bの外壁、及び両端部に設けた周方向壁の外面にシール溝7を設けてシール材8を装着し、トンネル周方向及び軸方向に連結したセグメントSの連結部をシールするようにしたので、連結部から水が漏れることがなく、確実に止水することができる。
【0028】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの斜視図、図11は図10のC−C断面図、図12は図10の周方向端部の斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0029】
本実施の形態は、セグメントSのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bの外壁と上フランジとが交わる円弧状の肩部11(以下、稜線部という)、及び両端部に設けた拘束板5の上縁部とこれに接合した短管10の肩部とを同様に円弧状に形成した稜線部11の長手方向に、シール材保持部材である鋼材製の丸棒12a,12b又は角棒(以下、単に丸棒12と記すことがある)を溶接接合したものである。この場合、丸棒12の外縁部を、鋼管1a,1b及び拘束板5と短管10の外壁面と同一平面内か又は僅かに内側に位置させる。
これにより、セグメントSの上部稜線部11には、全周に亘って丸棒12が取付けられる。
【0030】
そして、鋼管1a,1b及び両端部の拘束板5と短管10の稜線部11に設けた丸棒12の下面に、図13に示すように(図13には鋼管1a,1bの場合が示してある)、稜線部11に沿って例えば水膨張性のシール材13を接着する。このとき、シール材13の外側面は、鋼管1a,1b及び拘束板5と短管10の外壁面とほぼ同一平面か、これより僅かに突出させる。
【0031】
上記のようにシール材13を備えたセグメントSをトンネル軸方向に連結すると、図14に示すように、既設のセグメントSの鋼管1aと、これに連結するセグメントSの鋼管1bとの外壁の当接部と丸棒12a,12bとの間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が密着して充填される。このとき、両丸棒12a,12bは当接するか僅かなすき間を隔てて対向するので、シール材13が丸棒12a,12bの間からはみ出すことはない。なお、図14では、セグメントSをトンネル軸方向に連結した場合の止水構造を示したが、セグメントSをトンネル周方向に連結した場合も、図15に示すように、隣接するセグメントSの拘束板5と短管10の当接部と、丸棒12との間に形成された逆三角形状の空間部にシール材13が充填される。
【0032】
このように、既設のセグメントSとこれに連結したセグメントSの上部の全周に亘って、丸棒12との間に形成されたほぼ逆三角形状の空間部にシール材13が充填されて止水されるので、連結部からトンネル内に水が漏れることはない。なお、図にはセグメントSの両端部に拘束板5と短管10を取付けた場合を示したが、図1のように、継手板4を取付けた場合あるいは短管10のみを取付けた場合も、その上縁部を円弧状に形成することにより丸棒12を取付けることができる。
【0033】
図16は本実施の形態の他の例の要部を示す説明図である。
本例においては、シール材保持部材を、丸棒12に代えて、図16(b)に示すように、鋼板を曲げ加工してなるほぼ横J字状の部材14(以下、J字状部材という)を用いたものである。このJ字状部材14は、図16(a)に示すように、その長片14aを鋼管1a,1bの肩部にフランジ(上面)とほぼ平行に溶接し、短片14bを必要に応じて稜線部11に溶接接合して、垂直片14cを鋼管1a,1bの外壁面と同一平面又はこれより僅かに内側に位置させて取付けられる。同様に、セグメントSの両端部にJ字状部材14を取付ける。
そして、短片14bの下面から稜線部11に沿ってシール材13を取付けたものである。
【0034】
本例においても、セグメントSをトンネル軸方向に連結すると、図17に示すように、鋼管1a,1bの当接部とJ字状部材14との間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が充填されて止水する。なお、セグメントSをトンネル周方向に連結した場合も、同様に止水することができる。
【0035】
上記の説明では、シール材保持部材として丸棒12又はJ字状部材を用いた場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば、図18に示すように、幅方向の一方の端部の下面(鋼管1a,1bへの接合側)の長手方向に傾斜面15aを設けた板材15(以下、楔状部材という)を、その傾斜面15aを稜線部11に溶接接合してもよく、さらには山形鋼やC形鋼(チャンネル)の如き形鋼を使用することもできる。
【0036】
図19は本実施の形態のさらに他の例を示す説明図である。
本例においては、鋼管1a,1bの上面に接合する背面板2の長さ及び幅を、両鋼管1a,1bの長さ及び外壁間の幅と等しいか又は僅かに短く(狭く)形成してその周縁部を利用してシール材保持部材とし、背面板2の周縁部の下面側において、鋼管1a,1b及び周方向壁の稜線部11に沿ってシール材13を接合したものである。
【0037】
本例においても、セグメントSをトンネル幅方向に連結すると、図20に示すように、鋼管1a,1bの当接部と背面板2との間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が充填されて止水する。セグメントSをトンネル周方向に連結した場合も同様にして止水することができる。
【0038】
本実施の形態は、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果が得られるが、さらに、セグメントSのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1b、及び両端部に設けた継手板4又は拘束板5と短管10若しくは短管10の稜線部11に、全周に亘ってシール材保持部材(丸棒12やJ字形部材14等)を取付け、又は背面板2の周縁部を利用して、シール材保持部材の下部に稜線部11に沿ってシール材13を接着するようにしたので、同一断面形状のシール材13をセグメントSの全周に亘って取付けることができる。
【0039】
また、セグメントSをトンネル周方向及び軸方向に連結したときに、隣接するセグメントSの外壁とシール材保持部材との間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が充填されるので、簡単な構造で連結部からの水漏れを確実に防止することのできる止水構造を得ることができる。なお、シール材13に、水膨張性シール材を用いた場合は、膨張量の大きい部分が外周側にあるため、止水効果をより高めることができる。
【0040】
さらに、セグメントSを構成する鋼管1a,1bや両端部の周方向壁の外壁にシール溝を設ける必要がないので、これらの強度が低下することがないばかりでなく、これらの肩部である稜線部11に鋼材からなるシール材保持部材を溶接接合することで、これら部材の構造強度を高めることができる。
【0041】
[実施の形態3]
図21は本発明の実施の形態3に係るトンネル用セグメントの止水構造の要部を示す断面図(図10のC−C断面に相当)である。なお、実施の形態2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態2のセグメントのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bに代えて、トンネル軸方向壁W1,W2を軽量溝形鋼又は溝形鋼16a,16b(以下、単に溝形鋼という)で構成したものである。なお、セグメントSの両端部には、実施の形態1,2の場合と同様に継手板4又は拘束板5と短管10若しくは短管10が設けられて周方向壁を形成している。
【0042】
図21のセグメントSは、溝形鋼16a,16bを開口部を内側に向けて対向配置し、その上面に、下面にずれ止め3を有する背面板2を溶接接合し、両端部に溝形鋼16a,16bの両端開口部を閉塞する継手板4又は拘束板5と短管10若しくは短管10を接合する。また、溝形鋼16a,16bのウエブと上フランジが交わる稜線部11、及び両端部の周方向壁の上縁部に設けた稜線部11に、シール材保持部材(図には、丸棒12が示してある)を溶接接合し、シール材保持部材の下に稜線部11に沿ってシール材13を接着する。なお、図19の場合と同様に、背面板2の周縁部でシール保持部材を兼ねてもよい。
そして、これら溝形鋼16a,16b、背面板2及び周方向壁で囲まれた箱状部6に鉄筋9を配筋し、コンクリート20を打設する。
【0043】
また、図22は溝形鋼16a,16bを開口部を下にして対向配置したもので、その他の構成は図21の場合と同様である。
本実施の形態に係るセグメントの施工方法は実施の形態2の場合と同様であり、セグメントの連結による止水構造の形成及び作用、効果も実施の形態2の場合と同様である。
【0044】
上記の説明では、セグメントSのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する溝形鋼16a,16bの稜線部11、及び周方向壁の稜線部11に、シール材保持部材を設けてその下にシール材13を接着する場合を示したが、これらに代えて、溝形鋼16a,16bのウエブ又はフランジの外壁面、及び両端部の周方向壁の外面に、実施の形態1の場合と同様にシール溝7を設け、このシール溝7にシール材8を接着するようにしてもよい。
【0045】
上記の各実施の形態においては、セグメントSの外周に設けたシール溝7にシール材8を接着し、又はセグメントSの外周の上部稜線部11にシール材保持部材(背面板2の周縁部を含む)を設け、既設のセグメントS及びこれに連結するセグメントSと、シール材保持部材との間に形成されたほぼ逆三角形状の空間部にシール材13を充填して止水構造を構成した場合を示したが、対向するシール溝7又は空間部にコーキング材を充填してもよい。
また、セグメントSの両端部に、継手板4又は拘束板5と短管10若しくは鋼管10を接合して周方向壁を構成した場合を示したが、これらに代えて、両鋼管1a,1b又は溝形鋼16a,16bの両端部に、これらと同じ構造で両端部が閉塞された溝形鋼を接合して周方向壁を構成してもよい。
【0046】
さらに、図示のセグメントSに本発明に係る止水構造を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば、すべり止め3や鉄筋9を省略して両鋼管1a,1b又は両溝形鋼16a,16bの間に、長手方向に所定の間隔で短管又は溝形鋼を接合してもよく、あるいは短管又は溝形鋼の間において背面板2にすべり止め3を設けてコンクリート20を打設するなど、トンネル軸方向壁W1,W2に鋼管又は溝形鋼を用いたものであれば、他の構造のセグメントにも本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】背面板の他の取付状態を示す断面図である。
【図5】図1のセグメントを裏返した状態を示す斜視図である。
【図6】図3の要部の拡大図である。
【図7】図1の止水構造の作用説明図である。
【図8】図1のセグメントをトンネル周方向に連結した状態を示す説明図である。
【図9】実施の形態1のセグメントの他の例の斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの一部を断面で示した斜視図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図10のセグメントの周方向端部の斜視図である。
【図13】図11の要部の拡大図である。
【図14】図10の止水構造の作用説明図である。
【図15】図10のセグメントをトンネル周方向に連結した状態を示す斜視図である。
【図16】実施の形態2の止水構造の他の例を示す要部の説明図である。
【図17】図16の止水構造の作用説明図である。
【図18】実施の形態2のさらに他の例の要部の説明図である。
【図19】実施の形態2のさらに他の例の要部の断面図である。
【図20】図19の止水構造の作用説明図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの断面図である。
【図22】実施の形態3の他の例の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
S セグメント、W1,W2 トンネル軸方向壁、1a,1b 鋼管、2 背面板、3 ずれ止め、4 継手板(トンネル周方向壁)、5 拘束板、6 箱状部、7 シール溝、8,13 シール部材、10 短管、11 稜線部、12 丸棒(シール材保持部材)、14 J字状部材、16 溝形鋼、20 コンクリート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの周方向及び軸方向に連結することにより、トンネル壁を形成するためのトンネル用セグメントの止水構造に係り、より詳しくは、セグメントのトンネル軸方向壁を鋼管や溝形鋼などで構成したトンネル用セグメントの止水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネルの周方向及び軸方向に連結してトンネル壁を構成するトンネル用セグメントにおいては、隣接するセグメントの連結部から発生する水漏れを防止するために、両者の間にシール材を設けて止水を行っている。このような水漏れ現象は、地下水圧が大きい所に構築されたトンネルの場合、特に著しい。
【0003】
従来のトンネル用セグメントとして、トンネル周方向で隣合うセグメントに対向すべくトンネル軸方向に沿った一対の軸方向壁と、トンネル周方向に沿うほぼ扇形で一対以上の周方向壁と、トンネル壁を構成するためにトンネル周方向に沿った周壁、周方向壁と同形の一対の縦リブとの壁からなる箱状を呈すると共に、周方向壁において、トンネル径方向に関して周壁が配置される部分とは反対側となる部分に、周方向壁のトンネル周方向長さの全域又はほぼ全域にわたってトンネル軸方向に突出するフランジ部を形成してダクタイル鋳鉄製のセグメントを構成し、トンネルの周方向壁と軸方向壁にそれぞれ2条のシール溝を設け、このシール溝にシール材を貼付けて止水を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−307100号公報(第3,4頁、図1−7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のトンネル用セグメントにおいては、鋼板をほぼ扇形状に切り出しして溶接するか、又はほぼ扇形状の鋳鉄を別途製作して設置することにより、セグメントの曲率を実現しているが、この方法では制作コストが嵩むばかりでなく、製作に時間がかかるという問題がある。
また、セグメント本体構造に加えて、別途、トンネル周方向及びトンネル軸方向に複数並べて互いに連結するためのセグメント継手及びリング継手を設置する必要があるため、製作コストがさらに嵩むことになる。
【0006】
さらに、セグメントの製作時に、コンクリートの打設荷重に耐えるため、トンネル周方向に沿った周壁を構成する背面板又はスキンプレートの面外変形を抑制する補剛材が多数必要となり、これに加えて、セグメントの施工時には、セグメントをジャッキ等で押し込むため、トンネル周方向に沿うほぼ扇形状の軸方向壁(セグメント側面)の強度が問題となる。特に、大深度対応のトンネル用セグメントの場合、セグメント1体当りの重量の増加に比例してジャッキ等の押し込み力も増加する。この押し込み力に対応するためにも補剛材を多数設置する必要があり、セグメント1体当りの重量がさらに増加し、その結果施工性が悪化するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、主桁であるトンネル軸方向壁を鋼管や溝形鋼で構成したトンネル用セグメントにおいて、簡単な構造で連結部からの漏水を確実に防止することのできるトンネル用セグメントの止水構造を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るトンネル用セグメントの止水構造は、トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、前記軸方向壁及び周方向壁の外壁面にシール部材を取付けるシール溝を設けたものである。
【0009】
また、本発明に係るトンネル用セグメントの止水構造は、トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、前記軸方向壁と周方向壁の外壁の上部稜線部の長手方向にシール材保持部材を設け、該シール保持部材の下面に前記稜線部に沿ってシール材を取付けたものである。
【0010】
上記の周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管の端部に接合された継手板によって構成した。
また、上記の周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管とほぼ等しい外形の短管又は鋼管の端部に接合された拘束板と短管とによって構成した。
【0011】
上記のシール材保持部材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁と同一平面又はこれより僅かに内側に位置させた。
また、上記のシール材保持部材を鋼材からなる丸棒又は角棒で構成した。
また、上記のシール材保持部材を鋼板からなるJ字状部材又は楔状部材で構成した。
また、上記のシール材保持部材を、背面板の縁部で形成した。
【0012】
上記のシール材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁より僅かに外側に位置させた。
上記のシール材に、水膨張性シール材を用いた。
上記の軸方向壁を構成する鋼管に代えて、溝形鋼を用いた。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、セグメントのトンネルの軸方向壁を鋼管で構成し、軸方向壁と周方向壁に設けたシール溝にシール材を取付け、又は軸方向壁と周方向壁の上部稜線部に例えば丸棒の如きシール材保持部材を取付けてその下部に稜線部に沿ってシール材を取付けるようにし、セグメントを連結したときに隣接するセグメントの間のすき間がシール材によって塞がれるようにしたので、セグメントの連結部からの漏水を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は背面板の他の取付状態を示す断面図、図5は図1のセグメントを裏返した状態を示す斜視図である。
本発明に係るトンネル用セグメント(以下、単にセグメントという)は、図8に示すように、地盤中に掘削されたトンネル内に複数のセグメントSを止水用のシール材8を介してリング状に接合してトンネル周壁を形成し、この周壁リングをトンネルの軸方向に止水用のシール材8を介して順次接合し、トンネルの周壁を形成するためのものである。
【0015】
図1〜図5において、1a,1bはセグメントSの主桁であるトンネルの軸方向壁W1,W2を形成する第1,第2の角形鋼管(以下、単に鋼管という)である。この鋼管1a,1b(以下、単に1と記すことがある)はトンネルの周方向に沿って半径r(図8参照)でほぼ円弧状に曲げ加工して成形され、内部にはコンクリート20が充填されている。
【0016】
この鋼管1a,1bは所定の間隔Gで配設され、その上面にはトンネル周壁を形成する背面板又はスキンプレート2(以下、両者を合せて背面板という)が溶接接合されて一体化されている。なお、図4に示すように、間隔Gで配設された鋼管1a,1bの対向する壁面の上部に、突合せ溶接により背面板2を取付けてもよい(以下の実施の形態においても同様である)。また、背面板2の下面の両鋼管1a,1bの間隔Gに対応する領域、したがってコンクリートの打設面には、長手方向に所定の間隔で複数列のスタッドの如きずれ止め3が設けられている。
【0017】
4は鋼管1a,1bの両端部に溶接接合されて、鋼管1a,1bの間隔Gを保持すると共に鋼管1a,1b内に充填されたコンクリート20を拘束し、かつ周方向壁を形成する継手板であり、鋼管1a,1bの両端部を拘束することにより鋼管1a,1bとこれに充填されたコンクリート20が一体化され、鋼管1a,1bの曲げ耐力及び曲げ剛性を向上することができる。
【0018】
これら鋼管1a,1b、背面板2及び継手板4により、上部が開口された箱状部6が形成される。7は鋼管1a,1bの外壁及び継手板4の外面に設けられた、例えば水膨張性シール材の如きシール材を接着するためのシール溝である。なお、図には2本のシール溝7を設けた場合を示したが、1本でもよい。
9は箱状部6の長手方向に配筋された複数本の縦鉄筋である(なお、図5には縦鉄筋9は省略してある)。そして、ずれ止め3が設けられ縦鉄筋9が配筋された箱状部6にはコンクリート20が打設されている。
【0019】
上記の説明では、背面板2の箱状部6に対応した領域、すなわちコンクリート打設面にずれ止め3を設けた場合を示したが、さらに、箱状部6を囲む両鋼管1a,1b及び両端部に設けた継手板4の内壁面の全部又は一部、さらには後述の短管10の側壁にもすべり止めを設けてもよく、これにより、箱状部6とコンクリート20をより強固に一体化することができる。
【0020】
次に、上記のように構成したセグメントSの製造手順の一例について説明する。
先ず、トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に曲げ形成され、外壁にシール溝7が設けられた鋼管1a,1b内にコンクリート20を充填する。
【0021】
次に、両鋼管1a,1bを所定の間隔Gで配置し、両鋼管1a,1bの両端部に外面にシール溝7が設けられた継手板4を配設して、溶接により接合し、コンクリート20を管軸方向に拘束する。ついで、両鋼管1a,1bの上面に、下面にコンクリート打設面の長手方向に複数のずれ止め3が設けられた背面板2を溶接により接合する。そして、このようにして形成された箱状部6の長手方向に複数本の縦鉄筋9を配筋し、箱状部6内にコンクリート20を打設すれば、セグメントSが完成する。なお、箱状部6の長手方向に所定の間隔で横鉄筋を配筋してもよい。
【0022】
上記のように構成したセグメントは、図6に示すように、トンネルの軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bの外壁、及び両端部の継手板4の外面に設けたシール溝7にそれぞれシール材8を接着する。このとき、その外縁部を鋼管1a,1b及び継手板4の外面より僅かに突出させることが望ましい。そして、図8に示すように、セグメントSをトンネル周方向に順次連結してトンネル周方向壁を形成し、ついで、セグメントSをトンネル軸方向に連結してトンネル軸方向壁を形成し、これによりトンネル壁が構成される。
【0023】
このとき、トンネル軸方向にセグメントSが連結されると、図7に示すように、既設のセグメントSの鋼管1aとこれに連結するセグメントSの鋼管1bのシール溝7に接着したシール材8が密着し、漏水を防止して止水する。なお、図7はセグメントSをトンネル軸方向に連結した場合の止水構造を示しているが、セグメントSをトンネル周方向に連結する場合も、図8に示す場合と同様に止水することができる。
【0024】
図9は本実施の形態のトンネル用セグメントの止水構造の他の例を示す斜視図である。
本例は、セグメントSの両端部に、継手板6に代えて、外面にシール溝7を有し、鋼管1a,1bの両端部に内部に充填したコンクリート20を拘束する拘束板5を溶接により接合すると共に、この拘束板5の間に鋼管1a,1bとほぼ同じ大きさの短管10を、その外壁面が拘束板5の外面と同一平面をなすように溶接接合して周方向壁を構成し、その外壁に拘束板5のシール溝7と連続するシール溝7を設けたものである。なお、拘束板5を省略し、外壁にシール溝7を有しセグメントSの全幅に対応した短管10を鋼管1a,1bの両端部に接合してもよい。本例のその他の構成及び製造手段、施工手順は図1のセグメントの場合と同様である。
【0025】
本実施の形態によれば、セグメントSのトンネルの軸方向壁W1,W2を鋼管1a,1bで構成したことにより、この鋼管1a,1bを座屈を生じることなくトンネルの周方向に沿った円弧状に曲げ成形することができるので、製造が容易である。また、これにより、トンネルの周方向の壁を構成する背面板2に補剛材を設ける必要がなく、コンクリート20の打設時の荷重に耐えうる剛性を確保することができる。
さらに、鋼管1a,1bの両端部に継手板4又は拘束板5と短管10を接合して周方向壁を形成することにより、鋼管1a,1bとその内部に充填したコンクリート20との間に、周方向のせん断力に対するずれ止めが不要になる。
【0026】
また、トンネルの軸方向壁W1,W2をコンクリート20を充填した鋼管1a,1bで構成することにより、セグメントSの側面の支圧強度が向上し、施工時のジャッキの大きな押込み力に耐えることができる。また、施工後、セグメントSに発生する曲げ力に対して鋼管1a,1bのフランジ(上下面)が抵抗するため、縦鉄筋9の量を減らすことができる。
これらにより、セグメントSの製造コストが低減され、製造時間が短縮されるばかりでなく、施工性を向上することができる。
【0027】
さらに、セグメントSのトンネル幅方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bの外壁、及び両端部に設けた周方向壁の外面にシール溝7を設けてシール材8を装着し、トンネル周方向及び軸方向に連結したセグメントSの連結部をシールするようにしたので、連結部から水が漏れることがなく、確実に止水することができる。
【0028】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの斜視図、図11は図10のC−C断面図、図12は図10の周方向端部の斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0029】
本実施の形態は、セグメントSのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bの外壁と上フランジとが交わる円弧状の肩部11(以下、稜線部という)、及び両端部に設けた拘束板5の上縁部とこれに接合した短管10の肩部とを同様に円弧状に形成した稜線部11の長手方向に、シール材保持部材である鋼材製の丸棒12a,12b又は角棒(以下、単に丸棒12と記すことがある)を溶接接合したものである。この場合、丸棒12の外縁部を、鋼管1a,1b及び拘束板5と短管10の外壁面と同一平面内か又は僅かに内側に位置させる。
これにより、セグメントSの上部稜線部11には、全周に亘って丸棒12が取付けられる。
【0030】
そして、鋼管1a,1b及び両端部の拘束板5と短管10の稜線部11に設けた丸棒12の下面に、図13に示すように(図13には鋼管1a,1bの場合が示してある)、稜線部11に沿って例えば水膨張性のシール材13を接着する。このとき、シール材13の外側面は、鋼管1a,1b及び拘束板5と短管10の外壁面とほぼ同一平面か、これより僅かに突出させる。
【0031】
上記のようにシール材13を備えたセグメントSをトンネル軸方向に連結すると、図14に示すように、既設のセグメントSの鋼管1aと、これに連結するセグメントSの鋼管1bとの外壁の当接部と丸棒12a,12bとの間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が密着して充填される。このとき、両丸棒12a,12bは当接するか僅かなすき間を隔てて対向するので、シール材13が丸棒12a,12bの間からはみ出すことはない。なお、図14では、セグメントSをトンネル軸方向に連結した場合の止水構造を示したが、セグメントSをトンネル周方向に連結した場合も、図15に示すように、隣接するセグメントSの拘束板5と短管10の当接部と、丸棒12との間に形成された逆三角形状の空間部にシール材13が充填される。
【0032】
このように、既設のセグメントSとこれに連結したセグメントSの上部の全周に亘って、丸棒12との間に形成されたほぼ逆三角形状の空間部にシール材13が充填されて止水されるので、連結部からトンネル内に水が漏れることはない。なお、図にはセグメントSの両端部に拘束板5と短管10を取付けた場合を示したが、図1のように、継手板4を取付けた場合あるいは短管10のみを取付けた場合も、その上縁部を円弧状に形成することにより丸棒12を取付けることができる。
【0033】
図16は本実施の形態の他の例の要部を示す説明図である。
本例においては、シール材保持部材を、丸棒12に代えて、図16(b)に示すように、鋼板を曲げ加工してなるほぼ横J字状の部材14(以下、J字状部材という)を用いたものである。このJ字状部材14は、図16(a)に示すように、その長片14aを鋼管1a,1bの肩部にフランジ(上面)とほぼ平行に溶接し、短片14bを必要に応じて稜線部11に溶接接合して、垂直片14cを鋼管1a,1bの外壁面と同一平面又はこれより僅かに内側に位置させて取付けられる。同様に、セグメントSの両端部にJ字状部材14を取付ける。
そして、短片14bの下面から稜線部11に沿ってシール材13を取付けたものである。
【0034】
本例においても、セグメントSをトンネル軸方向に連結すると、図17に示すように、鋼管1a,1bの当接部とJ字状部材14との間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が充填されて止水する。なお、セグメントSをトンネル周方向に連結した場合も、同様に止水することができる。
【0035】
上記の説明では、シール材保持部材として丸棒12又はJ字状部材を用いた場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば、図18に示すように、幅方向の一方の端部の下面(鋼管1a,1bへの接合側)の長手方向に傾斜面15aを設けた板材15(以下、楔状部材という)を、その傾斜面15aを稜線部11に溶接接合してもよく、さらには山形鋼やC形鋼(チャンネル)の如き形鋼を使用することもできる。
【0036】
図19は本実施の形態のさらに他の例を示す説明図である。
本例においては、鋼管1a,1bの上面に接合する背面板2の長さ及び幅を、両鋼管1a,1bの長さ及び外壁間の幅と等しいか又は僅かに短く(狭く)形成してその周縁部を利用してシール材保持部材とし、背面板2の周縁部の下面側において、鋼管1a,1b及び周方向壁の稜線部11に沿ってシール材13を接合したものである。
【0037】
本例においても、セグメントSをトンネル幅方向に連結すると、図20に示すように、鋼管1a,1bの当接部と背面板2との間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が充填されて止水する。セグメントSをトンネル周方向に連結した場合も同様にして止水することができる。
【0038】
本実施の形態は、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果が得られるが、さらに、セグメントSのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1b、及び両端部に設けた継手板4又は拘束板5と短管10若しくは短管10の稜線部11に、全周に亘ってシール材保持部材(丸棒12やJ字形部材14等)を取付け、又は背面板2の周縁部を利用して、シール材保持部材の下部に稜線部11に沿ってシール材13を接着するようにしたので、同一断面形状のシール材13をセグメントSの全周に亘って取付けることができる。
【0039】
また、セグメントSをトンネル周方向及び軸方向に連結したときに、隣接するセグメントSの外壁とシール材保持部材との間にほぼ逆三角形状の空間部が形成され、この空間部にシール材13が充填されるので、簡単な構造で連結部からの水漏れを確実に防止することのできる止水構造を得ることができる。なお、シール材13に、水膨張性シール材を用いた場合は、膨張量の大きい部分が外周側にあるため、止水効果をより高めることができる。
【0040】
さらに、セグメントSを構成する鋼管1a,1bや両端部の周方向壁の外壁にシール溝を設ける必要がないので、これらの強度が低下することがないばかりでなく、これらの肩部である稜線部11に鋼材からなるシール材保持部材を溶接接合することで、これら部材の構造強度を高めることができる。
【0041】
[実施の形態3]
図21は本発明の実施の形態3に係るトンネル用セグメントの止水構造の要部を示す断面図(図10のC−C断面に相当)である。なお、実施の形態2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態2のセグメントのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する鋼管1a,1bに代えて、トンネル軸方向壁W1,W2を軽量溝形鋼又は溝形鋼16a,16b(以下、単に溝形鋼という)で構成したものである。なお、セグメントSの両端部には、実施の形態1,2の場合と同様に継手板4又は拘束板5と短管10若しくは短管10が設けられて周方向壁を形成している。
【0042】
図21のセグメントSは、溝形鋼16a,16bを開口部を内側に向けて対向配置し、その上面に、下面にずれ止め3を有する背面板2を溶接接合し、両端部に溝形鋼16a,16bの両端開口部を閉塞する継手板4又は拘束板5と短管10若しくは短管10を接合する。また、溝形鋼16a,16bのウエブと上フランジが交わる稜線部11、及び両端部の周方向壁の上縁部に設けた稜線部11に、シール材保持部材(図には、丸棒12が示してある)を溶接接合し、シール材保持部材の下に稜線部11に沿ってシール材13を接着する。なお、図19の場合と同様に、背面板2の周縁部でシール保持部材を兼ねてもよい。
そして、これら溝形鋼16a,16b、背面板2及び周方向壁で囲まれた箱状部6に鉄筋9を配筋し、コンクリート20を打設する。
【0043】
また、図22は溝形鋼16a,16bを開口部を下にして対向配置したもので、その他の構成は図21の場合と同様である。
本実施の形態に係るセグメントの施工方法は実施の形態2の場合と同様であり、セグメントの連結による止水構造の形成及び作用、効果も実施の形態2の場合と同様である。
【0044】
上記の説明では、セグメントSのトンネル軸方向壁W1,W2を構成する溝形鋼16a,16bの稜線部11、及び周方向壁の稜線部11に、シール材保持部材を設けてその下にシール材13を接着する場合を示したが、これらに代えて、溝形鋼16a,16bのウエブ又はフランジの外壁面、及び両端部の周方向壁の外面に、実施の形態1の場合と同様にシール溝7を設け、このシール溝7にシール材8を接着するようにしてもよい。
【0045】
上記の各実施の形態においては、セグメントSの外周に設けたシール溝7にシール材8を接着し、又はセグメントSの外周の上部稜線部11にシール材保持部材(背面板2の周縁部を含む)を設け、既設のセグメントS及びこれに連結するセグメントSと、シール材保持部材との間に形成されたほぼ逆三角形状の空間部にシール材13を充填して止水構造を構成した場合を示したが、対向するシール溝7又は空間部にコーキング材を充填してもよい。
また、セグメントSの両端部に、継手板4又は拘束板5と短管10若しくは鋼管10を接合して周方向壁を構成した場合を示したが、これらに代えて、両鋼管1a,1b又は溝形鋼16a,16bの両端部に、これらと同じ構造で両端部が閉塞された溝形鋼を接合して周方向壁を構成してもよい。
【0046】
さらに、図示のセグメントSに本発明に係る止水構造を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、例えば、すべり止め3や鉄筋9を省略して両鋼管1a,1b又は両溝形鋼16a,16bの間に、長手方向に所定の間隔で短管又は溝形鋼を接合してもよく、あるいは短管又は溝形鋼の間において背面板2にすべり止め3を設けてコンクリート20を打設するなど、トンネル軸方向壁W1,W2に鋼管又は溝形鋼を用いたものであれば、他の構造のセグメントにも本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】背面板の他の取付状態を示す断面図である。
【図5】図1のセグメントを裏返した状態を示す斜視図である。
【図6】図3の要部の拡大図である。
【図7】図1の止水構造の作用説明図である。
【図8】図1のセグメントをトンネル周方向に連結した状態を示す説明図である。
【図9】実施の形態1のセグメントの他の例の斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの一部を断面で示した斜視図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図10のセグメントの周方向端部の斜視図である。
【図13】図11の要部の拡大図である。
【図14】図10の止水構造の作用説明図である。
【図15】図10のセグメントをトンネル周方向に連結した状態を示す斜視図である。
【図16】実施の形態2の止水構造の他の例を示す要部の説明図である。
【図17】図16の止水構造の作用説明図である。
【図18】実施の形態2のさらに他の例の要部の説明図である。
【図19】実施の形態2のさらに他の例の要部の断面図である。
【図20】図19の止水構造の作用説明図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る止水構造を備えたトンネル用セグメントの断面図である。
【図22】実施の形態3の他の例の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
S セグメント、W1,W2 トンネル軸方向壁、1a,1b 鋼管、2 背面板、3 ずれ止め、4 継手板(トンネル周方向壁)、5 拘束板、6 箱状部、7 シール溝、8,13 シール部材、10 短管、11 稜線部、12 丸棒(シール材保持部材)、14 J字状部材、16 溝形鋼、20 コンクリート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、
前記軸方向壁及び周方向壁の外壁面にシール部材を取付けるシール溝を設けたことを特徴とするトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項2】
トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、
前記軸方向壁と周方向壁の外壁の上部稜線部の長手方向にシール材保持部材を設け、該シール材保持部材の下面に前記稜線部に沿ってシール材を取付けたことを特徴とするトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項3】
前記周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管の端部に接合された継手板によって構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項4】
前記周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管とほぼ等しい外形の短管又は鋼管の端部に接合された拘束板と短管とによって構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項5】
前記シール材保持部材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁と同一平面又はこれより僅かに内側に位置させたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項6】
前記シール材保持部材が、鋼材からなる丸棒又は角棒であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項7】
前記シール材保持部材が、鋼板からなるJ字状部材又は楔状部材であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項8】
前記シール材保持部材を、背面板の縁部で形成したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項9】
前記シール材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁より僅かに外側に位置させたことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項10】
前記シール材が、水膨張性シール材であることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項11】
前記軸方向壁を構成する鋼管に代えて、溝形鋼を用いたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項1】
トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、
前記軸方向壁及び周方向壁の外壁面にシール部材を取付けるシール溝を設けたことを特徴とするトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項2】
トンネルの周方向に沿ってほぼ円弧状に形成された一対の鋼管からなる軸方向壁と、該軸方向壁に接合された背面板と、前記軸方向壁及び背面板の両端部に接合された周方向壁とを有し、
前記軸方向壁と周方向壁の外壁の上部稜線部の長手方向にシール材保持部材を設け、該シール材保持部材の下面に前記稜線部に沿ってシール材を取付けたことを特徴とするトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項3】
前記周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管の端部に接合された継手板によって構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項4】
前記周方向壁を、軸方向壁を構成する鋼管とほぼ等しい外形の短管又は鋼管の端部に接合された拘束板と短管とによって構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項5】
前記シール材保持部材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁と同一平面又はこれより僅かに内側に位置させたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項6】
前記シール材保持部材が、鋼材からなる丸棒又は角棒であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項7】
前記シール材保持部材が、鋼板からなるJ字状部材又は楔状部材であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項8】
前記シール材保持部材を、背面板の縁部で形成したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項9】
前記シール材の外縁を、軸方向壁及び周方向壁の外壁より僅かに外側に位置させたことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項10】
前記シール材が、水膨張性シール材であることを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【請求項11】
前記軸方向壁を構成する鋼管に代えて、溝形鋼を用いたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトンネル用セグメントの止水構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−224498(P2007−224498A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43428(P2006−43428)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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