説明

トンネル用セグメント

【課題】グラウト注入孔構成部材、被把持部構成材、これらの周囲に位するコンクリート層の急激な温度上昇を効果的に抑制してトンネル用セグメントの耐久性を向上させる。
【解決手段】トンネル用セグメント1はその内面側に開口する部位(被把持部材11)を閉鎖する蓋部材13を備える。蓋部材13は耐火・耐熱特性を有する無機質材料で形成すると共に蓋部材13の背部側には無機質材料からなる吸熱材が充填される。前記開口する部位は少なくもグラウト注入口または被把持部位として機能を担う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド工法用セグメント、特に、グラウト注入孔及び被把持部を有するトンネル用セグメントに関する。例えばシールド工法用セグメント、トンネル覆工用セグメント、既設トンネルの漏水防止、補強、延命処置などのために使用されるトンネル用セグメント(例えばコンクリートセグメント、及びコンクリートと鋼材との複合セグメント)に関する。また、エレクター、他の揚重機等の搬送手段によって把持搬送して所定の場所に移動またはセットするために、前記セグメントのコンクリート層部に埋設されるインサート部材が前記搬送手段に連結される連結部材として利用されるトンネル用セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法に使用するセグメントの場合、特許文献1〜3に例示されているように、止水などを目的として、地山とセグメントとの間に水ガラス、ベンナイト等のグラウトを注入されている。そのために、前記セグメントにはグラウト注入孔が形成されている。この種のグラウト注入孔の構成部材及び封止プラグは金属または合成樹脂で構成されている。例えば特許文献1のグラウト孔用キャップカバーはゴム製のグラウト孔用キャップの突部と嵌合する嵌合部を備えている。特許文献2のセグメント用保持具はコンクリートセグメントに埋設されるソケットとこれに係止されるプラグとを備える。前記ソケット及びプラグとしては合成樹脂製または金属製の材料から成る。特許文献3の栓はコンクリートセグメントに埋設される雌ねじ部付の合成樹脂管と螺合する合成樹脂栓である。
【0003】
また、シールド工法に使用するセグメントの場合、一般的には、搬送手段に連結される把持金具として、予めセグメントのコンクリート層内に埋設された円筒状の吊手金具に吊り金具が取り付けられる。そして、エレクター等の搬送手段が前記吊り金具を介して前記セグメントを吊り上げ、回転方向、上下左右方向へ移動することにより、前記セグメントは所定の位置にセットされる(例えば特許文献4)。
【0004】
さらに、特許文献5には、セグメントに埋設される吊手金具であって、雌ねじ部を形成させた筒状の吊手本体とこの吊手本体の外周面に設けられるフランジとが鋳造によって一体成型されて、製作性、コスト、コンクリート型枠への装着の容易性を図ったものが開示されている。
【0005】
コンクリートセグメント、コンクリートと鋼材との複合セグメントのコンクリート層内に埋設されている金属(吊り手金具)が露出している場合には、地電流、環境の酸性成分などの影響により腐食が生じ、コンクリート層、内部鉄筋、引いては、コンクリート構造物の損傷に拡大発展する問題がある。
【0006】
そこで、特許文献6に示された孔塞ぎプラグのように、耐火耐熱特性の劣る合成樹脂に代えて、モルタルからなるものの適用が考えられるが、吊り手金具は金属製であるので、耐腐食性は期待できない。
【特許文献1】特開2006−22612
【特許文献2】特開2002−295192
【特許文献3】特開2002−188395
【特許文献4】特開平8−270394
【特許文献5】特開2005−90145
【特許文献6】特開2005−68924
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンクリートセグメント、コンクリートと鋼材との複合セグメントのコンクリート層内にその一部が露出した状態で埋設されている金属(グラウト注入孔の金具)が露出している場合、火災時には金属部材が熱膨張してコンクリートにクラックを発生させる。その結果、コンクリート層、内部鉄筋、引いては、コンクリート構造物の損傷に拡大発展し、止水機能が損失する問題がある。
【0008】
そこで、耐火耐熱特性の劣る合成樹脂に代えて、モルタルから成るものの適用が考えられるが、腐食に対する耐食性が有る程度期待できるが、耐火、耐熱特性が劣り、止水機能が害され、グラウト材が流出して損害が拡大する可能性がある。
【0009】
また、近年、トンネル等の坑内火災時におけるコンクリート構造物の保護のために、耐火耐熱特性の規定が各国、様々な機関によって火災発生時から時系列温度上昇曲線が設定されている(火災発生時の「温度−時間曲線」の想定)。
【0010】
例えば、ISOによる標準時間−温度曲線、油火災で模擬した炭化水素火災曲線、RABT曲線(ドイツにおける道路トンネルの設備と運用に関する指針)、オランダ運輸公共事業所治水局の曲線などが知られており、日本の場合は、ドイツにおけるRBAT曲線に準拠した温度−時間曲線が設定されている。
【0011】
コンクリート構造物を保護するために、コンクリート構造物の表面を耐火耐熱特性部材で被覆することが行われているが、コンクリート構造物(各セグメント)自体が耐火耐熱特性に劣る部材を具備しない構造とすることも重要である。
【0012】
本発明は、以上の事情に鑑みなされたものであり、グラウト注入構成部材、被把持部構成材、これらの周囲に位するコンクリート層の急激な温度上昇を効果的に抑制してトンネル用セグメントの耐久性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、請求項1のトンネル用セグメントは、トンネル用セグメントの内面側に開口する部位を閉鎖する蓋部材を備え、前記蓋部材は無機質材料で形成すると共に前記蓋部材の背部側には吸熱材が充填されたことを特徴とする。
【0014】
請求項2のトンネル用セグメントは、請求項1記載のトンネル用セグメントにおいて、前記開口する部位は少なくもグラウト注入口または被把持部であることを特徴とする。
【0015】
前記無機質材料としては、耐火、耐熱特性を有する無機質材料、例えばアルミナ、ムコライト、コーディライト、ジルコニア、ステアタイト等に例示されるような耐火耐熱特性に富む材料が挙げられる。これらの材料には粘土等の無機質粘性材料が適宜混合される。
【0016】
前記吸熱材としては、粘土等の無機質の粘着物質、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、消石灰、生石灰などの石灰類、二水石膏、石膏プラスターなどの石膏類、ゼオライトに例示される前記石膏類と同様に水化度の大きい物質、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ほう砂、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、或いはガス化合物等が適宜に混合されて成るもの例示される。
【0017】
請求項1及び請求項2の発明によれば、グラウト注入孔、被把持部などの開口部を閉鎖する蓋部材を耐火・耐熱特性に富む無機質材で形成することで火災時の蓋部材の耐火・耐熱特性が向上する。しかも、蓋部材の背面側に吸熱材が充填されることで、火災時に蓋部材の表面が加熱されて温度上昇し、内部側に熱伝播が生じても、吸熱材がこれらの熱を吸収するので、グラウト注入孔構成部材、被把持部構成部材、これらの周囲にあるコンクリート層の急激な温度上昇を効果的に抑制させる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明の請求項1及び請求項2のトンネル用セグメントによれば、グラウト注入構成部材、被把持部構成材、これらの周囲にあるコンクリート層の急激な温度上昇が効果的に抑制されるので、トンネル用セグメントの耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明の実施形態1に係るトンネル用セグメントの構成を示した断面図である。
【0020】
トンネル用セグメント1は、定型に形成されたコンクリート層10と、このコンクリート層10に埋設される被把持部材11と、この被把持部材11の開口部を閉鎖すると共にコンクリート層10に形成された被把持部材11の把持部材取り付け口12と嵌合する蓋部材13とから成る。トンネル用セグメント1は図示省略されたグラウト層を介して地山に設けられる。
【0021】
被把持部材11の本体部110は金属またはアルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディライト、ステアタイト等に例示されるセラミックスからなり図1に示されたようにトンネル施工時に吸熱材が充填される空洞部111を有する中空円筒状または外周多角形状の筒体に形成される。トンネル用セグメント1を運搬する際に被把持部材11に装着される前記把持部材としては例えば特開平8−270394や特開2005−76219に開示された把持金具が挙げられる。
【0022】
前記吸熱材としては例えば特開平7−247146や特開2000−1380に開示されたものが挙げられる。具体的には、粘土等の無機質の粘着物質、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、消石灰、生石灰などの石灰類、二水石膏、石膏プラスターなどの石膏類、ゼオライトに例示される前記石膏類と同様に水化度の大きい物質、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ほう砂、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、或いはガス化合物、或いは前記吸熱材を用いて1次加工した粉末状又は骨材状態の人工吸熱材が1種以上混合されて使用される。前記吸熱材は、一層吸熱性を高めるためのものであって、高温で結合水或いは炭酸ガスが発生して外部の熱を吸水する。以上のような吸熱材が使用されることで、耐火及び吸音用被覆組成物が鉄骨及び建築物の被着面に被覆され、火事の際に熱を吸水して結晶水或いは炭酸ガスを放出させながら鉄骨構造物或いは建築物の被着面の急激な温度上昇を低下させる。すなわち、コンクリート構造物に対する熱遮断効果をもたらすため被覆組成物の耐火性能を一層向上させる。
【0023】
被把持部材11の開口部を封鎖する蓋部材13としては例えば特開平11−336491に示されたような蓋部材13が挙げられる。蓋部材13は、図2に示されたように被把持部材11の開口部を封鎖する平板体15と、この平板体15を被把持部材11に係止させる係止部16と、この係止部16と平板体15とを連結させる連結部材としてボルト17とを備える。平板体15は耐火耐熱特性のある無機材料から成る。前記無機材料としてはセラミックス、すなわちアルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディライト、ステアタイト等に例示される焼結部材が挙げられる。例えば特開2001−122670、特開2001−271597、特開2001−328855、特開2002−357098、特開2003−120197、特開2003−269097、特開2004−003285等に開示されたものがある。また、アルミナセメント系材料等を主成分とする不定形耐火物や耐火繊維等の非焼結部材によって鋳造加工されたものがある。例えば特開2004−011312に開示されたものがある。さらに、少なくとも1200℃の温度に1時間暴露に耐えうる耐久性を有する無機質材よって構成されたものがある。例えば特開2003−293484、特開2003−300783に開示されたものがある。尚、係止部16及びボルト17は平板体15と同様なセラミックスまたは金属によって形成するとよい。
【0024】
平板体15の中心部にはボルト17の挿通孔151が形成されていると共に、被把持部材11に面する裏側面(背面)には係止部16の相対回転を規定する係止用突起部152が設けられている。さらに、前記裏側面には補強用リブ153が設けられている。そして、係止用突起部152と補強用リブ153とによって形成された平板体15上の空間部にはトンネル用セグメント1が施工される時に前記説明した吸熱材が充填される(図示省略)。また、蓋部材13の止水性を高めるために、蓋部材13の上面(背面)の縁部付近にはシールリング154が装着される。シールリング154としてはガスケット等に用いられるNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)製のものを採用すればよい。
【0025】
係止部16はトンネル用セグメント1の施工時に吸熱材が充填される空洞部160を有した略舟形の容器状に形成されている。一方、被把持部材11の開口部は係止部16を収容すると共に係止部16が係止されるように形成される。すなわち、前記開口部の幅方向の径は係止部16の幅方向の長さよりも長く且つ係止部16の長手方向の長さよりも短く形成されると共に前記開口部の長手方向の径は係止部16の長手方向の長さよりも長く形成される。また、係止部16の底部にはボルト17が挿通される穴161と係止用突起部152が挿通される穴162とが形成されている。穴161には挿通されたボルト17と螺合するナットが固定されている。
【0026】
図3は実施形態2に係るトンネル用セグメントの構成を示した断面図である。
【0027】
トンネル用セグメント2は定型に形成されたコンクリート層10とこのコンクリート層10に埋設される被把持部材21とこの被把持部材21と螺合する蓋部材22とから成る。
【0028】
被把持部材21の本体部210には蓋部材22と螺合する雌ねじ部23が形成されている。本体部210は先に説明したトンネル用セグメント2の被把持部材21と同様の材料で構成すればよい。
【0029】
蓋部材22は、被把持部材21の雌ねじ部23と螺合する雄ねじ部25とコンクリート層10に形成された把持部材取り付け口24と嵌合する蓋部26とが一体成形されて成る。蓋部材22は先に説明したトンネル用セグメント1の被把持部材11と同様の材料で構成されている。また、雄ねじ部25はその内部に吸熱材から成る吸熱部27を有する。吸熱材としては先に説明したトンネル用セグメント1に適用されている吸熱材を採用すればよい。蓋部26の上面(背面、すなわち被把持部材21と螺合するとき被把持部材21と当接する面には)には雄ねじ部25の周囲に沿って吸熱材が充填される溝28が形成されている。そして、この上面には溝28を閉鎖するようにスプリングワッシャやゴムリング等に例示される緩み止め部材29が配置される。一方、蓋部26の下面には蓋部26を被把持部材21に螺着させる時にスクリュードライバー等の工具類が係合する係合穴29が形成されている。
【0030】
図4は実施形態3に係るトンネル用セグメントの構成を示した断面図である。
【0031】
トンネル用セグメント3は定型に形成されたコンクリート層10とこのコンクリート層10に埋設されると共にコンクリート層10のグラウト注入路101と連通可能なグラウト注入孔部材31とこのグラウト注入孔部材31と係合する蓋部材32とから成る。トンネル用セグメント3はトンネル用セグメント1と同様にグラウト層を介して地山に設けられる。前記吸熱材としては先に説明したトンネル用セグメント1に適用されている吸熱材が採用される。
【0032】
グラウト注入孔部材31の本体部310は略円筒状を成す。この本体部310には図示省略の把持金具と螺合する雌ねじ部33が形成されている。本体部310の上端側の開口部には逆止め弁34が背設置されている。逆止め弁34としては例えば特開平7−317494に開示されたものが採用される。逆止め弁34は本体部310を構成する材料で形成するとなおよい。また、本体部310の下端側の開口部には蓋部材32の係止爪34が係止する係止部36が形成されている。本体部310は先に説明したトンネル用セグメント1の被把持部材11と同様の材料で構成すればよい。さらに、本体部310の外周面には凹凸部311が形成されることでグラウト注入孔部材31の固定力が強固なものとしている。
【0033】
蓋部材32は、本体部310の係止部35に係止される係止爪36と、コンクリート層10に形成された開口部100と嵌合する蓋部37とから成る。蓋部37は先に説明したトンネル用セグメント1の蓋部材13の平板体15と同様の材料で構成されている。また、蓋部37にはトンネル用セグメント3の施工時に吸熱材が充填される空洞部38が形成されている。吸熱材としては先に説明したトンネル用セグメントに適用されている吸熱材を採用すればよい(図示省略)。蓋部37の上面(背面、すなわちグラウト注入孔部材31に羅着されるときグラウト注入孔部材31と当接する面)にはゴムリング等に例示される封止部材39が配置される。一方、蓋部37の下面には蓋部材32をグラウト注入孔部材31に螺着させる時にスクリュードライバー等の工具類と係合する係合穴371が形成されている。
【0034】
以上のトンネル用セグメント1,2及び3によれば、被把持部材及びグラウト注入孔の開口部を閉鎖する蓋部材を無機質材で形成することにより、トンネル内での火災が発生した場合において、蓋部材の耐熱性によって被把持部材及びグラウト注入孔を構成する部材への悪影響が軽減される。
【0035】
コンクリートセグメントに埋設されている被把持部材及びグラウト注入孔は一般的に金属で構成されており、この場合にはこれらの部材が熱衝撃によって損傷を受ける場合にととまらず、周辺のコンクリートへの熱損傷を及ぼすこととなる。これらの部材をセラミックス等の無機質材で構成する場合にはそれ自体の熱衝撃損傷は生じないが周辺のコンクリートに熱が伝わり、コンクリート層が影響を受けることとなる。
【0036】
そこで、トンネル用セグメント1,2及び3のように蓋部材の背部側(図中、蓋部材の上面側)に吸熱材を充填装着(蓋背面(蓋上面)に直接、蓋背部の空間に装着)することで、火災が発生し蓋部材に熱衝撃が生じた場合において、この集中熱衝撃が前記吸熱材によって効果的に吸収されるので、熱が被把持部材及びグラウト注入孔の構成部材に直接伝播することが抑制されると共に周囲のコンクリート層に伝播することも抑制される。このようにトンネル用セグメント1,2及び3によれば耐火耐熱特性に優れたコンクリート構造物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態1に係るトンネル用セグメントの構成を示した断面図。
【図2】本発明の構成要素の一つである蓋部材の一実施形態を示した斜視図。
【図3】本発明の実施形態2に係るトンネル用セグメントの構成を示した断面図。
【図4】本発明の実施形態3に係るトンネル用セグメントの構成を示した断面図。
【符号の説明】
【0038】
1,2,3…トンネル用セグメント
10…コンクリート層、101…グラウト注入路、100…開口部
11,21…被把持部材
12,24…把持部材取り付け口
13,22,32…蓋部材
110,210,310…本体部
111,38…空洞部
27…吸熱部、28…溝、29…緩み止め部材
31…グラウト注入孔部材
34…逆止め弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル用セグメントの内面側に開口する部位を閉鎖する蓋部材を備え、前記蓋部材は無機質材料で形成すると共に前記蓋部材の背部側には吸熱材が充填されたこと
を特徴とするトンネル用セグメント。
【請求項2】
前記開口する部位は少なくもグラウト注入口または被把持部であること
を特徴とする請求項1記載のトンネル用セグメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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