説明

トンネル覆工の変状監視方法

【課題】鉄道トンネル覆工のひび割れや変形などの変状の進行をリアルタイムに監視することにより、覆工コンクリートの剥落潜在リスクを回避することができるトンネル覆工の変状監視方法を提供する。
【解決手段】鉄道トンネル覆工3に生じた変状4を監視するための方法であって、列車tがトンネル内を通過する際に発生する振動により、鉄道トンネル覆工3に伝播する上記振動の加速度の周波数特性を繰り返し計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した上記加速度の周波数特性を検知することにより、上記鉄道トンネル覆工3に生じた変状の進行を監視することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新幹線や在来線などの鉄道トンネルのコンクリート片の剥落を未然に防ぐためのトンネル覆工の変状監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、新幹線や在来線などに用いられるトンネルは、覆工材料の経年的な劣化や、地圧作用などにより、覆工コンクリートに、ひび割れや変形が生じてしまう。この覆工コンクリートに生じたひび割れや変形は、コンクリート片の剥落につながり、大量輸送機関を担っている鉄道においては、たとえ小規模なトンネル覆工のコンクリート剥落であっても社会的な影響が大きい。
【0003】
このため、維持管理されている鉄道トンネルの検査は、2年に1回の実施が義務づけられている。この検査は、通常は夜間など列車の運行が行われていない時間帯において、目視や打音検査、レーザ検査、赤外線検査などを行い、トンネル覆工コンクリートに異常がないかを確認している。またこの検査では、覆工コンクリートの剥落に関し、変状の状態に応じて、
1.早期に補修が必要な箇所
2.当分の間補修は必要ないが、状態を監視する必要がある箇所
3.問題なし
の3つに分類する作業を行い、その結果に応じて維持管理を実施している。
【0004】
しかし、2年に1回の検査により、上記1にある早期に補修が必要な箇所と判定された場合には、早期の補修により対応しているものの、上記2にある当分の間補修は必要ないが、状態を監視する必要がある箇所と判定された場合には、次回の検査時に注意して調査するにとどまっている。また、対象箇所に剥落のリスクが潜在しているものの、列車の運行されていない時間帯でしか調査することができないため、開発が進められている大型の検査機械などでは、調査時間の制限や費用の面から頻繁に導入することが困難であるという理由により、離散的な状態監視になってしまっている。
【0005】
このため、監視でもっとも重要な要素である、変状がどれくらい進行したのか、また剥落が発生する恐れはないのか、といった把握が、連続的に精度良く確認できない状況にあり、これが覆工コンクリートの剥落の原因の一つであると考えられている。
【0006】
そこで、例えば、下記特許文献においては、トンネルの壁面内部に、列車の進行方向(トンネルの長さ方向)に沿って、所定間隔で弾性波(アコステックエミッション)を検出する複数個のAEセンサを設け、列車のトンネル通過時に複数個のAEセンサで、それぞれ検出された弾性波レベルと、AEセンサ毎に予め定めた設定レベルとの弾性波レベル偏差によって、トンネルの壁内部のクラックを検出するトンネル異常監視装置が提案されている。
【0007】
この従来のトンネル異常監視装置では、AEセンサに予め定めたレベルを設定しておき、トンネルの長さ方向に間隔おいて複数箇所に設けることにより、トンネル内部のクラックを検出するため、大型の検査機械の導入や列車の運行時間帯に関係なく調査することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−264303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、この従来のトンネル異常監視装置は、AEセンサを用いて弾性波レベルの測定を行うため、当該AEセンサを定間隔に配置して計測を行わないと変状に対する監視が難しいという問題がある。さらに、AEセンサの数を多く設置する必要があるため、コストが嵩むという問題もある。
【0010】
また、この他に既存技術として、亀裂変位計や光ファイバーを用いた方法もある。しかし、亀裂変位計を用いた場合には、変状が表面に現れている特定のひび割れにセンサをジャストポイントで設置するため、それ以外のひび割れの進展を監視することができないという問題がある。一方、光ファイバーを用いた場合には、ある程度の範囲の監視は可能であるが、剥落につながるような変状の内部への進展について監視することができないという問題がある。さらに、亀裂変位計や光ファイバーでは、ひび割れの延長距離が長くなったり、複数のひび割れが生じたりしている場合には、センサなどを多数設置する必要があるため、コストの負担が大きくなってしまうという問題もある。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、鉄道トンネル覆工のひび割れや変形などの変状の進行をリアルタイムに監視することにより、覆工コンクリートの剥落潜在リスクを回避することができるトンネル覆工の変状監視方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、鉄道トンネル覆工に生じた変状を監視するための方法であって、列車がトンネル内を通過する際に発生する振動により、上記鉄道トンネル覆工に伝播する上記振動の加速度の周波数特性を繰り返し計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した上記加速度の周波数特性を検知することにより、上記鉄道トンネル覆工に生じた変状の進行を監視することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項2に記載の本発明は、鉄道トンネル覆工に生じた変状を監視するための方法であって、列車がトンネル内を通過する際に発生する振動により、上記鉄道トンネル覆工のに伝播する上記振動のセンサ間の伝播速度の特性を繰り返し計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した上記伝播速度の特性を検知することにより、上記鉄道トンネル覆工に生じた変状の進行を監視することを特徴とするものである。
【0014】
そして、請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載されたトンネル覆工の変状監視方法によって、上記蓄積されたデータから逸脱した上記加速度の周波数特性を検知して、なおかつ請求項2に記載されたトンネル覆工の変状監視方法によって、上記蓄積されたデータから逸脱した上記伝播速度の特性を検知した際に、上記鉄道トンネル覆工に変状の進行が生じたと判断して報知することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1〜3に記載の本発明によれば、列車がトンネル内を通過する際に発生する振動を利用することにより、上記鉄道トンネル覆工に伝播する当該振動を計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した値を検知することにより、上記鉄道トンネル覆工に生じた変状の進行を監視しているため、打音検査などの非破壊検査と比較して振動が大きい列車振動を利用することにより、安定した計測が行え、剥離につながる変状の進行をリアルタイムで監視することができるとともに、トンネル内を繰り返し通過する列車により、安定した多くのデータを取得することができる。この結果、変状の検知精度を向上させることができる。
【0016】
また、請求項1および2に記載の発明によれば、上記鉄道トンネルの覆工に伝播する上記振動の加速度の周波数特性またはセンサ間の伝播速度の特性を繰り返し計測しているため、センサ周囲の変状の三次元的な進展を監視することができるとともに、上記鉄道トンネル覆工に設置する2〜3点間の伝播速度の変化や変状近傍の加速度の変化に着目しているため、上記センサの数をAEセンサと比較して少なくすることができる。これにより、覆工コンクリートの表面の変状だけでなく、深部の変状も監視することができる。また、設置に要する時間を短縮することができるとともに、設置コストを抑えることができる。
【0017】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載されたトンネル覆工の変状監視方法によって、上記蓄積されたデータから上記加速度の周波数特性を検知して、なおかつ請求項2に記載されたトンネル覆工の変状監視方法によって、上記蓄積されたデータから逸脱した上記伝播速度の特性を検知した際に、上記鉄道トンネル覆工に変状の進行が生じたと判断して報知するため、一方の測定値に謝りがあった場合でも、他方の測定値によりその整合性を確認することができる。この結果、測定値の精度を向上させることができる。
【0018】
また、異なる二つの測定方法により測定し検知するため、比較的広範囲での変形や連続したひび割れなどの変状についても監視することができるとともに、新たに生じた変形やひび割れも検出および監視することができる。これにより、トンネル覆工に潜在する剥離のリスクを極力少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のトンネル覆工の変状監視方法を説明するための一実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明のトンネル覆工の変状監視方法を説明するための一実施形態を示す概略図である。
【図3】二つの振動波形の立ち上がりの時間差による伝播速度の評価方法を説明するグラフである。
【図4】二つの振動波形の相互相関係数が最大となる時間差による伝播速度の評価方法を説明するための(a)はグラフ、(b)はフローチャート図、(c)は相互相関係数と時間ずれを表すグラフである。
【図5】加速度センサによる加速度レベル値を表すグラフである。
【図6】振動特性の変化を表し、(a)は実験概要を説明する説明図、(b)は振動加速度フーリエスペクトル図である。
【図7】加速度センサ間の伝播時間を表すグラフである。
【図8】図5および図6の値を計測するために鉄道トンネル覆工に配置した加速度センサを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜2は、本発明のトンネル覆工の変状監視方法を説明するための概略図である。
本発明のトンネル覆工の変状監視方法に用いられる装置は、図1および図2に示すように、鉄道トンネル覆工3に生じた変状の剥落に対する要注意箇所4の周辺に設置された複数個の加速度センサ1と、この加速度センサ1により検出した振動を演算する制御装置2により概略構成されている。
【0021】
そして、加速度センサ1により検出された振動を演算する制御装置2は、鉄道トンネル覆工3に伝播する列車tの振動を加速度センサ1を介し、この加速度センサ1の設置箇所の加速度の周波数特性(加速度レベル値)および複数の加速度センサ1間の伝播速度の特性(伝播速度値)を繰り返し演算して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した加速度レベル値および伝播速度値を検知し、この検知したデータを診断して、その危険度レベルに応じて報知するものである。
【0022】
以上の構成を用いた本発明のトンネル覆工の変状監視方法により、鉄道トンネル覆工3に生じた変状の進行を監視するためには、まず列車tが運行していない時間帯において、目視や打音検査などにより、鉄道トンネル覆工3に生じた変状を確認する。このときに、早期に補修が必要な箇所においては、早期補修により対処する。そして、当分の間補修は必要ないが、状態を監視する必要がある箇所4においては、その変状の進行を監視するために、図1または図2に示すように、当該変状箇所4の周辺に複数個の加速度センサ1を配置する。
【0023】
次いで、列車tが運行され、変状のある鉄道トンネル覆工3に列車tが通過することにより、その振動が覆工コンクリートに伝播する。このときに発生する振動は、列車tの車輪とレールの継目との相互作用などに起因して、100Hz〜1kHzの広い周波数であり、かつ鉄道トンネル覆工3全体に伝播するような高いエネルギーを持ったものである。
【0024】
そして、鉄道トンネル覆工3に伝播した広い周波数帯かつ高エネルギーの上記振動は、鉄道トンネル覆工3面に取り付けられた加速度センサ1により検出され、この検出された振動が制御装置2により演算され、加速度センサ1の設置箇所の加速度レベル値と、加速度センサ1間の伝搬速度値が得られる。このようにして得られたデータは、制御装置2に逐一蓄積される。このときに計測される上記加速度レベル値は、図5の振動加速度レベルを表すグラフに示すように、鉄道トンネル覆工3内を通過する列車tが、速度の速い特急や重量のある貨物、または普通列車であっても、100Hz〜1kHzにおいては略同じ値を示す。このため、鉄道トンネル覆工3を通過する列車tの種類が異なっていても、発生する振動を繰り返し計測し蓄積するとともに、この蓄積されたデータから逸脱する加速度レベル値を検知することによって、鉄道トンネル覆工3に生じた変状箇所4の進行の監視を正確に行うことができる。ちなみに、図5のグラフは、図8に示すように、鉄道トンネル覆工3の中心より下側の4箇所の脚部、下部、中部、上部に加速度センサ1を取り付けて計測したものである。
【0025】
一方、発明者が行った実験によると、鉄道トンネルの覆工コンクリートの損傷の状態が大きく変化した場合に、200〜400Hzの高い周波数帯の加速度レベル値が大きく変化して顕著に現れることがわかった。この実験は、図6(a)に示すように、長さ2mの梁試験体を作製し、損傷の無い試験体A、損傷のある試験体Bとして、それぞれに振動を与えて計測を行ったものである。この実験の結果、図6(b)の振動加速度のフーリエスペクトル図に示すように、損傷がある場合は損傷が無い場合と比較して、200〜400Hzの高い周波数帯において、フーリエスペクトルに違いが見られ、損傷によって振動特性が顕在化することを確認すことができた。
他方、図5の加速度レベルを表すグラフによれば、200〜400Hzの周波数帯は、異なる種類の列車tが鉄道トンネル覆工3内を通過する際に、各々が発生する振動の周波数帯の内、最も差の少ない周波数帯である。これにより、鉄道トンネル覆工3内を通過する列車が発生する振動の周波数帯の内、200〜400Hzあたりの周波数帯の変位を検知することにより、さらに正確な監視を行うことができる。
【0026】
さらに、計測した上記加速度レベル値を制御装置2に蓄積するとともに、加速度センサ1により検出した振動を制御装置2により演算し、加速度センサ1間の伝播速度値を計測して、その計測データを逐一制御装置2に蓄積する。この際に計測される伝播速度値は、図7に示すように、鉄道トンネル覆工3内を通過する列車tが、貨物、特急、普通列車など種類に関係なく略同じ傾きを示す。このため、鉄道トンネル覆工3を通過する列車tの種類が異なっていても、発生する振動を繰り返し計測し蓄積するとともに、この蓄積されたデータから逸脱する加速度レベル値を検知することによって、鉄道トンネル覆工3に生じた変状箇所4の進行の監視を正確に行うことができる。
【0027】
また、図7に示す伝播時間と距離の関係から求めた伝播速度値は、以下の計算により求めることができる。
伝播速度=伝播時間Δt/距離ΔL
この際に、以下の二つの評価方法により伝播時間Δt求めることができる。
(1)二つの振動波形の立ち上がりの時間差に着目する方法
(2)二つの振動波形の相互相関係係数が最大となる時間差を探す方法
ちなみに、距離ΔLは、A地点からB地点の距離である。
(1)の評価方法は、図3に示すように、A地点の振動波形とB地点の振動波形の立ち上がりの時間差を伝播時間Δtとするものである。
(2)の評価方法は、図4(a)〜(c)に示すように、A地点の振動波形とB地点の振動波形の時間ずれTiから、この二つの振動波形の相互相関係係数Ciを算出し、さらに、上記時間ずれTiを変化させた時間ずれTi+1(Ti+1=Ti+最初刻み)から、再び二つの振動波形の相互相関係係数Ciを算出する。これを繰り返えすことにより、図4(c)に示すように、相互相関係係数Cの最大値を探し、この最大値の時間ずれTが、伝播時間Δtとするものである。
【0028】
そして、制御装置2に蓄積されたデータから逸脱した上記加速度レベル値と上記伝搬速度値から、鉄道トンネル覆工3に生じた変状の進行を監視するとともに、逸脱した値から変状箇所4の危険レベルを制御装置2により診断し、この診断により危険だと判断された場合には、例えば、鉄道トンネル覆工3内を通過する列車の運転手にランプを点灯させて報知したり、無線などを使い管理センターに報知する。
【0029】
さらに、制御装置2に蓄積された上記加速度レベル値および上記伝播速度値や、逸脱した上記加速度レベル値および上記伝播速度値の何れか一方に誤りがあった場合には、制御装置2により整合性を確認する。
【0030】
上述の実施形態を用いたトンネル覆工の変状監視方法によれば、列車tがトンネル内を通過する際に発生する振動を利用することにより、鉄道トンネル覆工3に伝播する当該振動を計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した値を検知することにより、鉄道トンネル覆工3に生じた変状の進行を監視しているため、列車t振動の高いエネルギーを利用し、剥離につながる変状の進行をリアルタイムで監視することができるとともに、トンネル内を繰り返し通過する列車tによって、多くのデータを取得することができる。この結果、安定した計測を行うことができ、変状の検知精度を向上させることができる。
【0031】
また、鉄道トンネルの覆工3に伝播する上記振動を、加速度レベル値またはセンサ間の伝播速度値により繰り返し計測しているため、センサ周囲の変状の三次元的な進展を監視することができるとともに、鉄道トンネル覆工3に設置する上記センサの数を少なくすることができる。これにより、覆工コンクリートの表面の変状だけでなく、覆工内部にまで存在する剥離につながる変状までも覆工コンクリートを伝播する列車振動の振動特性を用いて、監視することができる。また、設置に要する時間を短縮することができるとともに、設置コストを抑えることができる。
【0032】
さらに、鉄道トンネル覆工3に伝播する上記振動の加速度レベル値を検知して、なおかつセンサ間の伝播速度値を検知した際に、鉄道トンネル覆工3に変状の進行が生じたと判断して報知するため、一方の測定値に謝りがあった場合でも、他方の測定値によりその整合性を確認することができる。この結果、測定値の精度を向上させることができる。
【0033】
また、異なる二つの測定方法により測定し検知するため、比較的広範囲での変形や連続したひび割れなどの変状についても監視することができるとともに、新たに生じた変形やひび割れも検出および監視することができる。これにより、トンネル覆工に潜在する剥離のリスクを極力少なくすることができる。
【0034】
なお、上述の実施形態のおいて、加速度レベル値とセンサ間の伝播速度値との両方の値を計測する方法のみを説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、どちらか一方の値のみを制御装置2により計測しても対応可能である。この際に、例えば、加速度レベル値により局所のみを計測する場合は、用いられるセンサは、加速度センサ1の他に、速度センサまたは変位センサなどでも対応可能であり、さらに設置した局所の振動を感知するものであれば、どのようなセンサでも対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
鉄道トンネルなどの覆工コンクリートに生じた変状を監視する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 加速度センサ
2 制御装置
3 鉄道トンネル覆工
4 変状箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道トンネル覆工に生じた変状を監視するための方法であって、
列車がトンネル内を通過する際に発生する振動により、上記鉄道トンネル覆工に伝播する上記振動の加速度の周波数特性を繰り返し計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した上記加速度の周波数特性を検知することにより、上記鉄道トンネル覆工に生じた変状の進行を監視することを特徴とするトンネル覆工の変状監視方法。
【請求項2】
鉄道トンネル覆工に生じた変状を監視するための方法であって、
列車がトンネル内を通過する際に発生する振動により、上記鉄道トンネル覆工のに伝播する上記振動のセンサ間の伝播速度の特性を繰り返し計測して蓄積し、この蓄積されたデータから逸脱した上記伝播速度の特性を検知することにより、上記鉄道トンネル覆工に生じた変状の進行を監視することを特徴とするトンネル覆工の変状監視方法。
【請求項3】
請求項1に記載されたトンネル覆工の変状監視方法によって、上記蓄積されたデータから逸脱した上記加速度の周波数特性を検知して、なおかつ請求項2に記載されたトンネル覆工の変状監視方法によって、上記蓄積されたデータから逸脱した上記伝播速度の特性を検知した際に、上記鉄道トンネル覆工に変状の進行が生じたと判断して報知することを特徴とするトンネル覆工の変状監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−133410(P2011−133410A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294390(P2009−294390)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000221546)東電設計株式会社 (44)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】