トンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法
【課題】例えばスチールセグメント等の鋼製のフレームを内周面側に有するトンネル覆工用セグメントの内周面上に、供用空間を狭めることなく、耐火パネルを容易に取付けられるようにする。
【解決手段】内周面側に鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメント１の内周面に耐火パネル２を取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造であって、トンネルＴ内に敷設した上記セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に配置され且つ予め所定位置にスタッドボルト挿入孔４を形成した耐火パネル２と、上記耐火パネルのスタッドボルト挿入孔４内に挿入され且つ上記セグメントの内周面側の鋼製フレームに植設されたスタッドボルト３と、上記スタッドボルト３にねじ込んで上記耐火パネルを上記セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に固定するナット５と、から構成されたことを特徴とする。
【解決手段】内周面側に鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメント１の内周面に耐火パネル２を取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造であって、トンネルＴ内に敷設した上記セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に配置され且つ予め所定位置にスタッドボルト挿入孔４を形成した耐火パネル２と、上記耐火パネルのスタッドボルト挿入孔４内に挿入され且つ上記セグメントの内周面側の鋼製フレームに植設されたスタッドボルト３と、上記スタッドボルト３にねじ込んで上記耐火パネルを上記セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に固定するナット５と、から構成されたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば山岳トンネルやシールドトンネル等のトンネル内面に敷設されるトンネル覆工用セグメント、特にスチールセグメントやＮＭセグメント等の鋼製のフレームを有するセグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、上記のようなトンネルを耐火構造にする技術は、種々提案されており、その１つとしてトンネル覆工用セグメントの内面に所定の大きさ形状の耐火パネルをトンネル軸方向および周方向に並べて取付けることによって、上記セグメントの内面を耐火パネルで覆うようにしたものは知られている。
【０００３】
例えば下記特許文献１には、トンネル覆工内面にコンクリートセグメントを敷設し、そのセグメントの内周面側に予め埋設したインサートナットに棒状のボルトをねじ込む。次いで、上記セグメントの内周面側に耐火パネル（耐火パネル）を設置すると共に、その耐火パネルに予め形成した貫通孔内に上記のボルトを位置させて、そのボルトにナット等をねじ込んで耐火パネルを取付ける構成が開示されている。
【０００４】
ところが、スチールセグメントやＮＭセグメント等の鋼製のフレームを有するセグメントでは、上記のようなインサートナットをセグメント内に予め埋設しておくことはできない。そこで、本出願人は下記特許文献２のようにセグメント内面に取付金具を介して耐火パネルを取付けることを提案した。しかしながら、上記のような取付方法では、部品点数・組立工数が多く取付けが極めて煩雑かつ面倒であり、また、耐火パネルがセグメントの内面からトンネル空間内に大きく張り出した状態で取付けられるので、トンネル供用空間が狭くなる等の問題があった。
【０００５】
【特許文献１】特開２００１−３１１３９５号公報
【特許文献２】特開２００６−３７４９０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて提案されたもので、スチールセグメントやＮＭセグメント等の鋼製のフレームを有するセグメントに対しても、極力その供用空間を狭めることなく、容易・迅速に耐火パネルを取り付けることのできるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成するために本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造は、内周面側に鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造であって、トンネル内に敷設した上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置され且つ予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルと、上記耐火パネルのスタッドボルト挿入孔内に挿入され且つ上記セグメントの内周面側の鋼製フレームに植設されたスタッドボルトと、上記スタッドボルトにねじ込んで上記耐火パネルを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定するナットと、から構成されたことを特徴とする。
【０００８】
なお、上記スタッドボルト挿入孔を段付孔とし、その段付孔の段部に当接するように上記スタッドボルトにねじ込まれた上記ナットと上記セグメントの内周面側の鋼製フレームとの間に、上記耐火パネルが挟持されて固定され、且つ上記スタッドボルトとナットとが上記スタッドボルト挿入孔内に収容配置されてなる構成でもよく、また上記ナットとして、雌ねじ付きスリーブを一体に設けたナットを用いることもできる。
【０００９】
また本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法は、内周面側に鋼製フレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法であって、予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルを、トンネル内に敷設したセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置し、上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に植設し、そのスタッドボルトにナットをねじ込んで上記耐火パネルをセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定したことを特徴とする。
【００１０】
なお、上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにして該スタッドボルト挿入孔内に鋲撃銃等の銃口を挿入嵌合した状態で打込式のスタッドボルトを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に打ち込んで植設する、或いは上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトをスタッド溶接により上記内周面側の鋼製フレーム上に植設することもできる。
【発明の効果】
【００１１】
上記のように本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造は、トンネル内に敷設したセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に植設されたスタッドボルトを介して、該スタッドボルトにねじ込まれたナットにより耐火パネルをセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定するようにしたから、鋼製フレームを有するセグメントにあっても容易に耐火パネルを取付けた構造を形成することができる。その結果、前記特許文献１のように予めセグメント内にインサートナット等を埋設しておく面倒がなく、またスタッドボルトとその挿入孔との位置調整も容易であり、上記耐火パネルがセグメントの内周面側に簡単・確実に且つ精度よく取付けられてなる構造を形成することができる。
【００１２】
また、本発明になる取付構造において、上記耐火パネルは、予め所定位置にスタッドボルト挿入孔が形成されており、この挿入孔に挿入されたスタッドボルトと、スタッッドボルトねじ込まれたナットとによって、セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に直付けすることもできるので、トンネル空間内への張り出しが少なく、例えば前記特許文献２のようにセグメントの内方に取付金具を介して耐火パネルを取付ける場合に比べてトンネル空間内への張り出し量が大幅に低減され、トンネル供用空間を充分に確保することができる等の効果がある。
【００１３】
また本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法は、予め耐火パネルの所定位置に形成したスタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを植設するようにしたから、上記スタッドボルト挿入孔を基準にしてスタッドボルトをセグメントに精度よく且つ容易・迅速に形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法を、図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【００１５】
図１は本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造の一実施形態を示すトンネルの横断面図、図２（ａ）はその一部の拡大図、同図（ｂ）はそのトンネル内面側から見た側面図、同図（ｃ）は（ｂ）におけるｃ−ｃ断面図、図３（ａ）〜（ｃ）は図２（ａ）〜（ｃ）の部分拡大図、図４は図３（ａ）の拡大図、図５（ａ）および（ｂ）はそれぞれ図４のａ部およびｂ部の拡大図である。
【００１６】
本実施形態は、図１に示すようにトンネルＴの内面にトンネル覆工用セグメント１として略円弧状のスチールセグメントをトンネル周方向（以下、単に周方向という）およびトンネル軸方向（以下、単に軸方向という）に連続的に敷設して覆工Ｆを構成したもので、その周方向および軸方向に隣接するセグメント１は互いに連結ボルト等で連結固定されているが図には省略した。図中、ＴｉはトンネルＴの底部に打設したインバートコンクリートである。
【００１７】
上記各セグメント１は、本実施形態においては全体が鋼製のフレームのみで構成され、そのフレームは、図６に示すように円弧状に湾曲形成した外板１０と、その外板１０の軸方向両側に設けた側板１１・１１と、上記外板１０の周方向両端部に設けた端板１２・１２と、その両端板１２・１２間に所定の間隔をおいて設けた複数枚（図の場合は７枚）の仕切板１３と、その各仕切板１３の外板１０と反対側の端部に設けた帯状の内板１４とで構成され、それらの板１０〜１４は隣接する部分を溶接等で固着することによって一体的に連結固定されている。なお上記各セグメント１内は、上記仕切板１３によって複数個（図の場合は８つ）の空間に仕切られている。またセグメント１の内周面側の鋼製フレームを構成する上記仕切板１３と内板１４は断面Ｔ字形をなすように配置されている。
【００１８】
そして本発明は上記各セグメント１を図１〜図５に示すようにトンネルＴ内の所定の位置に敷設した状態で各セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上、図の場合は前記の内板１４の内面（トンネル空間側の面）にスタッドボルト３を植設すると共に、そのスタッドボルト３とナット５により耐火パネル２を上記セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に取付けたもので、その耐火パネル２の材質や形状等は適宜であるが、本実施形態においてはけい酸カルシウムやセラミック等のボード状の耐火材を方形、特に横長の長方形状に形成したものが用いられている。また上記耐火パネル２の横方向（トンネル軸方向）の長さは本実施形態においては上記各セグメント１のトンネル軸方向の幅とほぼ同等に形成され、トンネル周方向の長さは前記仕切板１３で仕切られた８つ空間のうち約２つずつを覆う大きさに形成されている。
【００１９】
上記スタッドボルト３は、前述のようにセグメント１をトンネル内の所定位置に敷設してから施工する、いわゆる、あと付け施工を行うもので、上記スタッドボルト３としては、本実施形態においては鋲撃銃等によって打ち込んで植設（打設）する、いわゆる打込式のものが用いられている。そのスタッドボルト３が図４および図５に示すように各セグメント１の内周面側の鋼製フレームを構成する内板１４の内面側に植設されており、そのスタッドボルト３に対応してスタッドボルト挿入孔４を形成した耐火パネル２が上記各セグメントの内周面側に並べて配置されており、上記スタッドボルト挿入孔４内に上記スタッドボルト３を位置させ、そのスタッドボルト３にナット５がねじ込まれて上記耐火パネル２が上記各セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に固定された構造である。
【００２０】
なお、図の場合は上記スタッドボルト挿入孔４を図５に示すようにセグメント１側が小径で、それと反対側がそれよりも大径の段付孔とし、上記スタッドボルト３にねじ込んだナット５をワッシャ６を介して上記挿入孔４の段部４ａに当接させるように上記スタッドボルトにねじ込むことによって、上記ワッシャ６を介して上記ナット５と内板１４との間に耐火パネル２が狭持されて固定され、且つ上記スタッドボルト３およびナット５とワッシャ６とが上記挿入孔４内に収容配置されてなる構成である。
【００２１】
上記スタッドボルト３とナット５等による各耐火パネル２の取付位置や取付個数等は適宜であるが、図の場合は各耐火パネル２の周方向両端部と中央部に、それぞれ４つずつ設けて上記各耐火パネルをセグメント１の内周面側の鋼製フレームを構成する内板１４に取付けたもので、トンネルの周方向に隣り合う耐火パネル２・２の隣接する端部は、図５（ａ）に示すように共通の内板１４に、それぞれスタッドボルト３とナット５等で取付けられ、また各耐火パネル２のトンネルの周方向中央部は、図５（ｂ）に示すように別の内板１４または端版１２に、それぞれスタッドボルト３とナット５等で取付られている。なお、上記の端版１２に耐火パネル２を取付けるためのスタッドボルト３は耐火パネル２の周方向中央部に設けると、隣り合うセグメント１・１の端版１２・１２間に位置してしまうので、周方向に僅かにずらすことによって上記スタッドボルト３が上記の隣接する端版１２・１２のいずれか一方の厚さ方向ほぼ中央部に位置するようにしている。
【００２２】
また、上記スタッドボルト３および耐火パネル２の取付時期や取付順序等は適宜であるが、少なくとも上記スタッドボルト３はセグメント１をトンネル内の所定の位置に敷設してから植設（打設）し、耐火パネル２には予めスタッドボルト挿入孔４を工場等で形成してから現場に搬入するのが望ましい。また上記スタッドボルト３の植設作業は、耐火パネル２をセグメント１の内面に配置する前に行ってもよいが、例えば予め工場等でスタッドボルト挿入孔４を形成した耐火パネル２をセグメント１の内面の所定の位置に配置し、必要に応じて上記耐火パネル２をセグメント１に適宜の手段で固定してから、上記スタッドボルト挿入孔４を位置決め用のガイドにしてスタッドボルト３を植設すると、所定の位置に精度よく植設することができる。例えば前記のような打込式のスタッドボルトにあっては、図７に示すようにスタッドボルト挿入孔４内に鋲撃銃Ｇ等の銃口Ｇ１を挿入嵌合した状態でスタッドボルト３を打設すれば、上記挿入孔４を利用して所定の位置に精度よく植設することができる。
【００２３】
以上のように本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造は、トンネル内に敷設したセグメント１の内周面側の鋼製フレーム上にスタッドボルト３を植設して該スタッドボルト３により耐火パネル２をセグメント内面に取付けるようにしたから、鋼製フレームを有するセグメント１にあっても容易に耐火パネル２を取付けることができる。また上記耐火パネル２は上記スタッドボルト３と、それを挿入するスタッドボルト挿入孔４とによってセグメントの内面に直付けできるので、耐火パネルがトンネル空間内に大きく張り出してトンネル供用空間が狭められるのを防止することができる。
【００２４】
また本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法は、予め耐火パネルの所定位置に形成したスタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを植設するようにしたから、上記スタッドボルト挿入孔を基準にしてスタッドボルトをセグメントに精度よく且つ容易・迅速に植設することができるものである。
【００２５】
なお上記実施形態は、トンネル覆工用セグメント１として、全体が鋼製のフレームで構成されたスチールセグメントに適用した場合を例にして説明したが、少なくとも内周面側（内周面およびその近傍）に鋼製のフレームを有するセグメントであれば、上記以外のセグメントにも適用できる。
【００２６】
また上記実施形態はスタッドボルト３として鋲撃銃等で打設する打込式のものを用いたが、これに限らず、セグメント１を敷設後そのセグメントを構成する鋼製フレームにあとから植設することのできるスタッドボルトであれば、各種の方式のスタッドボルトが適用可能であり、例えばセグメント１を構成する鋼板の表面にスタッド溶接等で固着するタイプのスタッドボルトを用いることもできる。その場合にも予め耐火パネルに形成したスタッドボルト挿入孔４内にスタッドボルト３を挿入した状態でスタッド溶接する等、上記スタッドボルト挿入孔４を位置決め用のガイドにしてスタッドボルト３を植設することができる。
【００２７】
また上記スタッドボルト３にねじ込むナット５は、前記図５に示すような構成のものに限らず、例えば図８（ａ）に示すような座付きナット５０や、図に省略した袋ナット等、若しくは同図（ｂ）に示すような雌ねじ付きスリーブ５１ａを一体に設けたナット５１を用いることもできる。６はワッシャである。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
以上のように本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法によれば、鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントにあっても、その内面に耐火パネルを容易に取付けることができるもので、上記実施形態のようなスチールセグメントや他の各種構成のスチールセグメントはもとより、ＮＭセグメント等の他の鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントに対しても良好に適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本発明による耐火パネル取付構造の一実施形態を示すトンネルの横断面図。
【図２】（ａ）は上記耐火パネル取付構造の一部の拡大図、（ｂ）はそのトンネル内面側から見た側面図、（ｃ）は（ｂ）におけるｃ−ｃ断面図。
【図３】（ａ）〜（ｃ）はそれぞれ図２（ａ）〜（ｃ）の一部の拡大図。
【図４】図３（ａ）の拡大図。
【図５】（ａ）および（ｂ）はそれぞれ図４のａ部およびｂ部の拡大図。
【図６】セグメントの斜視図。
【図７】セグメントにスタッドボルトを植設（打設）する状態の一例を示す説明図。
【図８】（ａ）および（ｂ）は耐火パネル取付部の変更例を示す説明図。
【符号の説明】
【００３０】
Ｔ トンネル
１ セグメント
１１ 外板
１２ 側版
１３ 端板
１４ 内板
２ 耐火パネル
３ スタッドボルト
４ スタッドボルト挿入孔
４ａ 段部
５ ナット
６ ワッシャ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば山岳トンネルやシールドトンネル等のトンネル内面に敷設されるトンネル覆工用セグメント、特にスチールセグメントやＮＭセグメント等の鋼製のフレームを有するセグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、上記のようなトンネルを耐火構造にする技術は、種々提案されており、その１つとしてトンネル覆工用セグメントの内面に所定の大きさ形状の耐火パネルをトンネル軸方向および周方向に並べて取付けることによって、上記セグメントの内面を耐火パネルで覆うようにしたものは知られている。
【０００３】
例えば下記特許文献１には、トンネル覆工内面にコンクリートセグメントを敷設し、そのセグメントの内周面側に予め埋設したインサートナットに棒状のボルトをねじ込む。次いで、上記セグメントの内周面側に耐火パネル（耐火パネル）を設置すると共に、その耐火パネルに予め形成した貫通孔内に上記のボルトを位置させて、そのボルトにナット等をねじ込んで耐火パネルを取付ける構成が開示されている。
【０００４】
ところが、スチールセグメントやＮＭセグメント等の鋼製のフレームを有するセグメントでは、上記のようなインサートナットをセグメント内に予め埋設しておくことはできない。そこで、本出願人は下記特許文献２のようにセグメント内面に取付金具を介して耐火パネルを取付けることを提案した。しかしながら、上記のような取付方法では、部品点数・組立工数が多く取付けが極めて煩雑かつ面倒であり、また、耐火パネルがセグメントの内面からトンネル空間内に大きく張り出した状態で取付けられるので、トンネル供用空間が狭くなる等の問題があった。
【０００５】
【特許文献１】特開２００１−３１１３９５号公報
【特許文献２】特開２００６−３７４９０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて提案されたもので、スチールセグメントやＮＭセグメント等の鋼製のフレームを有するセグメントに対しても、極力その供用空間を狭めることなく、容易・迅速に耐火パネルを取り付けることのできるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成するために本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造は、内周面側に鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造であって、トンネル内に敷設した上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置され且つ予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルと、上記耐火パネルのスタッドボルト挿入孔内に挿入され且つ上記セグメントの内周面側の鋼製フレームに植設されたスタッドボルトと、上記スタッドボルトにねじ込んで上記耐火パネルを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定するナットと、から構成されたことを特徴とする。
【０００８】
なお、上記スタッドボルト挿入孔を段付孔とし、その段付孔の段部に当接するように上記スタッドボルトにねじ込まれた上記ナットと上記セグメントの内周面側の鋼製フレームとの間に、上記耐火パネルが挟持されて固定され、且つ上記スタッドボルトとナットとが上記スタッドボルト挿入孔内に収容配置されてなる構成でもよく、また上記ナットとして、雌ねじ付きスリーブを一体に設けたナットを用いることもできる。
【０００９】
また本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法は、内周面側に鋼製フレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法であって、予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルを、トンネル内に敷設したセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置し、上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に植設し、そのスタッドボルトにナットをねじ込んで上記耐火パネルをセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定したことを特徴とする。
【００１０】
なお、上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにして該スタッドボルト挿入孔内に鋲撃銃等の銃口を挿入嵌合した状態で打込式のスタッドボルトを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に打ち込んで植設する、或いは上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトをスタッド溶接により上記内周面側の鋼製フレーム上に植設することもできる。
【発明の効果】
【００１１】
上記のように本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造は、トンネル内に敷設したセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に植設されたスタッドボルトを介して、該スタッドボルトにねじ込まれたナットにより耐火パネルをセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定するようにしたから、鋼製フレームを有するセグメントにあっても容易に耐火パネルを取付けた構造を形成することができる。その結果、前記特許文献１のように予めセグメント内にインサートナット等を埋設しておく面倒がなく、またスタッドボルトとその挿入孔との位置調整も容易であり、上記耐火パネルがセグメントの内周面側に簡単・確実に且つ精度よく取付けられてなる構造を形成することができる。
【００１２】
また、本発明になる取付構造において、上記耐火パネルは、予め所定位置にスタッドボルト挿入孔が形成されており、この挿入孔に挿入されたスタッドボルトと、スタッッドボルトねじ込まれたナットとによって、セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に直付けすることもできるので、トンネル空間内への張り出しが少なく、例えば前記特許文献２のようにセグメントの内方に取付金具を介して耐火パネルを取付ける場合に比べてトンネル空間内への張り出し量が大幅に低減され、トンネル供用空間を充分に確保することができる等の効果がある。
【００１３】
また本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法は、予め耐火パネルの所定位置に形成したスタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを植設するようにしたから、上記スタッドボルト挿入孔を基準にしてスタッドボルトをセグメントに精度よく且つ容易・迅速に形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法を、図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【００１５】
図１は本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造の一実施形態を示すトンネルの横断面図、図２（ａ）はその一部の拡大図、同図（ｂ）はそのトンネル内面側から見た側面図、同図（ｃ）は（ｂ）におけるｃ−ｃ断面図、図３（ａ）〜（ｃ）は図２（ａ）〜（ｃ）の部分拡大図、図４は図３（ａ）の拡大図、図５（ａ）および（ｂ）はそれぞれ図４のａ部およびｂ部の拡大図である。
【００１６】
本実施形態は、図１に示すようにトンネルＴの内面にトンネル覆工用セグメント１として略円弧状のスチールセグメントをトンネル周方向（以下、単に周方向という）およびトンネル軸方向（以下、単に軸方向という）に連続的に敷設して覆工Ｆを構成したもので、その周方向および軸方向に隣接するセグメント１は互いに連結ボルト等で連結固定されているが図には省略した。図中、ＴｉはトンネルＴの底部に打設したインバートコンクリートである。
【００１７】
上記各セグメント１は、本実施形態においては全体が鋼製のフレームのみで構成され、そのフレームは、図６に示すように円弧状に湾曲形成した外板１０と、その外板１０の軸方向両側に設けた側板１１・１１と、上記外板１０の周方向両端部に設けた端板１２・１２と、その両端板１２・１２間に所定の間隔をおいて設けた複数枚（図の場合は７枚）の仕切板１３と、その各仕切板１３の外板１０と反対側の端部に設けた帯状の内板１４とで構成され、それらの板１０〜１４は隣接する部分を溶接等で固着することによって一体的に連結固定されている。なお上記各セグメント１内は、上記仕切板１３によって複数個（図の場合は８つ）の空間に仕切られている。またセグメント１の内周面側の鋼製フレームを構成する上記仕切板１３と内板１４は断面Ｔ字形をなすように配置されている。
【００１８】
そして本発明は上記各セグメント１を図１〜図５に示すようにトンネルＴ内の所定の位置に敷設した状態で各セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上、図の場合は前記の内板１４の内面（トンネル空間側の面）にスタッドボルト３を植設すると共に、そのスタッドボルト３とナット５により耐火パネル２を上記セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に取付けたもので、その耐火パネル２の材質や形状等は適宜であるが、本実施形態においてはけい酸カルシウムやセラミック等のボード状の耐火材を方形、特に横長の長方形状に形成したものが用いられている。また上記耐火パネル２の横方向（トンネル軸方向）の長さは本実施形態においては上記各セグメント１のトンネル軸方向の幅とほぼ同等に形成され、トンネル周方向の長さは前記仕切板１３で仕切られた８つ空間のうち約２つずつを覆う大きさに形成されている。
【００１９】
上記スタッドボルト３は、前述のようにセグメント１をトンネル内の所定位置に敷設してから施工する、いわゆる、あと付け施工を行うもので、上記スタッドボルト３としては、本実施形態においては鋲撃銃等によって打ち込んで植設（打設）する、いわゆる打込式のものが用いられている。そのスタッドボルト３が図４および図５に示すように各セグメント１の内周面側の鋼製フレームを構成する内板１４の内面側に植設されており、そのスタッドボルト３に対応してスタッドボルト挿入孔４を形成した耐火パネル２が上記各セグメントの内周面側に並べて配置されており、上記スタッドボルト挿入孔４内に上記スタッドボルト３を位置させ、そのスタッドボルト３にナット５がねじ込まれて上記耐火パネル２が上記各セグメント１の内周面側の鋼製フレーム上に固定された構造である。
【００２０】
なお、図の場合は上記スタッドボルト挿入孔４を図５に示すようにセグメント１側が小径で、それと反対側がそれよりも大径の段付孔とし、上記スタッドボルト３にねじ込んだナット５をワッシャ６を介して上記挿入孔４の段部４ａに当接させるように上記スタッドボルトにねじ込むことによって、上記ワッシャ６を介して上記ナット５と内板１４との間に耐火パネル２が狭持されて固定され、且つ上記スタッドボルト３およびナット５とワッシャ６とが上記挿入孔４内に収容配置されてなる構成である。
【００２１】
上記スタッドボルト３とナット５等による各耐火パネル２の取付位置や取付個数等は適宜であるが、図の場合は各耐火パネル２の周方向両端部と中央部に、それぞれ４つずつ設けて上記各耐火パネルをセグメント１の内周面側の鋼製フレームを構成する内板１４に取付けたもので、トンネルの周方向に隣り合う耐火パネル２・２の隣接する端部は、図５（ａ）に示すように共通の内板１４に、それぞれスタッドボルト３とナット５等で取付けられ、また各耐火パネル２のトンネルの周方向中央部は、図５（ｂ）に示すように別の内板１４または端版１２に、それぞれスタッドボルト３とナット５等で取付られている。なお、上記の端版１２に耐火パネル２を取付けるためのスタッドボルト３は耐火パネル２の周方向中央部に設けると、隣り合うセグメント１・１の端版１２・１２間に位置してしまうので、周方向に僅かにずらすことによって上記スタッドボルト３が上記の隣接する端版１２・１２のいずれか一方の厚さ方向ほぼ中央部に位置するようにしている。
【００２２】
また、上記スタッドボルト３および耐火パネル２の取付時期や取付順序等は適宜であるが、少なくとも上記スタッドボルト３はセグメント１をトンネル内の所定の位置に敷設してから植設（打設）し、耐火パネル２には予めスタッドボルト挿入孔４を工場等で形成してから現場に搬入するのが望ましい。また上記スタッドボルト３の植設作業は、耐火パネル２をセグメント１の内面に配置する前に行ってもよいが、例えば予め工場等でスタッドボルト挿入孔４を形成した耐火パネル２をセグメント１の内面の所定の位置に配置し、必要に応じて上記耐火パネル２をセグメント１に適宜の手段で固定してから、上記スタッドボルト挿入孔４を位置決め用のガイドにしてスタッドボルト３を植設すると、所定の位置に精度よく植設することができる。例えば前記のような打込式のスタッドボルトにあっては、図７に示すようにスタッドボルト挿入孔４内に鋲撃銃Ｇ等の銃口Ｇ１を挿入嵌合した状態でスタッドボルト３を打設すれば、上記挿入孔４を利用して所定の位置に精度よく植設することができる。
【００２３】
以上のように本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造は、トンネル内に敷設したセグメント１の内周面側の鋼製フレーム上にスタッドボルト３を植設して該スタッドボルト３により耐火パネル２をセグメント内面に取付けるようにしたから、鋼製フレームを有するセグメント１にあっても容易に耐火パネル２を取付けることができる。また上記耐火パネル２は上記スタッドボルト３と、それを挿入するスタッドボルト挿入孔４とによってセグメントの内面に直付けできるので、耐火パネルがトンネル空間内に大きく張り出してトンネル供用空間が狭められるのを防止することができる。
【００２４】
また本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法は、予め耐火パネルの所定位置に形成したスタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを植設するようにしたから、上記スタッドボルト挿入孔を基準にしてスタッドボルトをセグメントに精度よく且つ容易・迅速に植設することができるものである。
【００２５】
なお上記実施形態は、トンネル覆工用セグメント１として、全体が鋼製のフレームで構成されたスチールセグメントに適用した場合を例にして説明したが、少なくとも内周面側（内周面およびその近傍）に鋼製のフレームを有するセグメントであれば、上記以外のセグメントにも適用できる。
【００２６】
また上記実施形態はスタッドボルト３として鋲撃銃等で打設する打込式のものを用いたが、これに限らず、セグメント１を敷設後そのセグメントを構成する鋼製フレームにあとから植設することのできるスタッドボルトであれば、各種の方式のスタッドボルトが適用可能であり、例えばセグメント１を構成する鋼板の表面にスタッド溶接等で固着するタイプのスタッドボルトを用いることもできる。その場合にも予め耐火パネルに形成したスタッドボルト挿入孔４内にスタッドボルト３を挿入した状態でスタッド溶接する等、上記スタッドボルト挿入孔４を位置決め用のガイドにしてスタッドボルト３を植設することができる。
【００２７】
また上記スタッドボルト３にねじ込むナット５は、前記図５に示すような構成のものに限らず、例えば図８（ａ）に示すような座付きナット５０や、図に省略した袋ナット等、若しくは同図（ｂ）に示すような雌ねじ付きスリーブ５１ａを一体に設けたナット５１を用いることもできる。６はワッシャである。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
以上のように本発明によるトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造および取付方法によれば、鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントにあっても、その内面に耐火パネルを容易に取付けることができるもので、上記実施形態のようなスチールセグメントや他の各種構成のスチールセグメントはもとより、ＮＭセグメント等の他の鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントに対しても良好に適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本発明による耐火パネル取付構造の一実施形態を示すトンネルの横断面図。
【図２】（ａ）は上記耐火パネル取付構造の一部の拡大図、（ｂ）はそのトンネル内面側から見た側面図、（ｃ）は（ｂ）におけるｃ−ｃ断面図。
【図３】（ａ）〜（ｃ）はそれぞれ図２（ａ）〜（ｃ）の一部の拡大図。
【図４】図３（ａ）の拡大図。
【図５】（ａ）および（ｂ）はそれぞれ図４のａ部およびｂ部の拡大図。
【図６】セグメントの斜視図。
【図７】セグメントにスタッドボルトを植設（打設）する状態の一例を示す説明図。
【図８】（ａ）および（ｂ）は耐火パネル取付部の変更例を示す説明図。
【符号の説明】
【００３０】
Ｔ トンネル
１ セグメント
１１ 外板
１２ 側版
１３ 端板
１４ 内板
２ 耐火パネル
３ スタッドボルト
４ スタッドボルト挿入孔
４ａ 段部
５ ナット
６ ワッシャ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内周面側に鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造であって、
トンネル内に敷設した上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置され且つ予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルと、
上記耐火パネルのスタッドボルト挿入孔内に挿入され且つ上記セグメントの内周面側の鋼製フレームに植設されたスタッドボルトと、
上記スタッドボルトにねじ込んで上記耐火パネルを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定するナットと、
から構成されたことを特徴とするトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造。
【請求項２】
上記スタッドボルト挿入孔を段付孔とし、その段付孔の段部に当接するように上記スタッドボルトにねじ込まれた上記ナットと上記セグメントの内周面側の鋼製フレームとの間に、上記耐火パネルが挟持されて固定され、且つ上記スタッドボルトとナットとが上記スタッドボルト挿入孔内に収容配置されてなる請求項１に記載のトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造。
【請求項３】
上記ナットとして、雌ねじ付きスリーブを一体に設けたナットを用いることを特徴とする請求項１に記載のトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造。
【請求項４】
内周面側に鋼製フレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法であって、
予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルを、トンネル内に敷設したセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置し、上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを上記内周面側の鋼製フレーム上に植設し、そのスタッドボルトにナットをねじ込んで上記耐火パネルをセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定したことを特徴とするトンネル覆工用セグメントの耐火パネル取付方法。
【請求項５】
上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにして該スタッドボルト挿入孔内に鋲撃銃等の銃口を挿入嵌合した状態で打込式のスタッドボルトを上記内周面側の鋼製フレーム上に打ち込んで植設するようにした請求項４に記載のトンネル覆工用セグメントの耐火パネル取付方法。
【請求項６】
上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトをスタッド溶接により上記内周面側の鋼製フレーム上に植設するようにした請求項４に記載のトンネル覆工用セグメントの耐火パネル取付方法。
【請求項１】
内周面側に鋼製のフレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造であって、
トンネル内に敷設した上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置され且つ予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルと、
上記耐火パネルのスタッドボルト挿入孔内に挿入され且つ上記セグメントの内周面側の鋼製フレームに植設されたスタッドボルトと、
上記スタッドボルトにねじ込んで上記耐火パネルを上記セグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定するナットと、
から構成されたことを特徴とするトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造。
【請求項２】
上記スタッドボルト挿入孔を段付孔とし、その段付孔の段部に当接するように上記スタッドボルトにねじ込まれた上記ナットと上記セグメントの内周面側の鋼製フレームとの間に、上記耐火パネルが挟持されて固定され、且つ上記スタッドボルトとナットとが上記スタッドボルト挿入孔内に収容配置されてなる請求項１に記載のトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造。
【請求項３】
上記ナットとして、雌ねじ付きスリーブを一体に設けたナットを用いることを特徴とする請求項１に記載のトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付構造。
【請求項４】
内周面側に鋼製フレームを有するトンネル覆工用セグメントの内周面に耐火パネルを取付けるようにしたトンネル覆工用セグメントへの耐火パネル取付方法であって、
予め所定位置にスタッドボルト挿入孔を形成した耐火パネルを、トンネル内に敷設したセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に配置し、上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトを上記内周面側の鋼製フレーム上に植設し、そのスタッドボルトにナットをねじ込んで上記耐火パネルをセグメントの内周面側の鋼製フレーム上に固定したことを特徴とするトンネル覆工用セグメントの耐火パネル取付方法。
【請求項５】
上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにして該スタッドボルト挿入孔内に鋲撃銃等の銃口を挿入嵌合した状態で打込式のスタッドボルトを上記内周面側の鋼製フレーム上に打ち込んで植設するようにした請求項４に記載のトンネル覆工用セグメントの耐火パネル取付方法。
【請求項６】
上記スタッドボルト挿入孔を位置決め用のガイドにしてスタッドボルトをスタッド溶接により上記内周面側の鋼製フレーム上に植設するようにした請求項４に記載のトンネル覆工用セグメントの耐火パネル取付方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２００８−３８３４４（Ｐ２００８−３８３４４Ａ）
【公開日】平成２０年２月２１日（２００８．２．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２０９９５５（Ｐ２００６−２０９９５５）
【出願日】平成１８年８月１日（２００６．８．１）
【出願人】（０００２０６２１１）大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】（０００１２６６０９）株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【出願人】（０００１２９７５８）株式会社ケー・エフ・シー (120)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年２月２１日（２００８．２．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年８月１日（２００６．８．１）
【出願人】（０００２０６２１１）大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】（０００１２６６０９）株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【出願人】（０００１２９７５８）株式会社ケー・エフ・シー (120)
【Ｆターム（参考）】
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