説明

トンネル間連結掘削工法およびトンネル間連結掘削装置

【課題】2本のトンネル間の地山を効率よく、広範囲に掘削する。
【解決手段】所定間隔をあけて形成された2本のトンネル(T)の間の地山を掘削して両トンネル(T)を互いに連結するに際し、両トンネル(T)間に形成された発進空間(E)に、主、副グリッパ装置(13,14)により両トンネル(T)内の上、下レール部材(Ru,Rd)および支柱部材(P)に支持された推進フレーム(11)を配置し、推進フレーム(11)に設置された掘削機(12)により、掘削反力を上、下レール部材(Ru,Rd)および支柱部材(P)に支持させて両トンネル(T)間の地山を掘削して掘削空間を形成し、推進フレーム(11)に設置された推進装置(15)により、推進反力を支柱部材(P)に支持させて推進フレーム(11)を掘削空間に沿って前進させる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、トンネル間の地山を掘削するためのトンネル間連結掘削工法およびトンネル間連結掘削装置に関するものである。
【技術分野】
【0002】
道路分岐、合流部など大口径のトンネル施工部を掘削する場合に、トンネル施工部の外周部に所定間隔ごとにルーフシールドトンネルを掘削し、隣接するルーフシールドトンネル間の地山を掘削して形成された掘削空間部に、連結構造物(ルーフシールド先受け工)を設置することにより、トンネル施工部を切羽防護するトンネル工法が特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開2006−70530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このトンネル工法を実施する場合、ルーフシールドトンネルに沿って掘削機をトンネル軸心方向に移動させつつ、隣接するルーフシールドトンネルに向かって地山の拡張掘削を行う。この掘削作業では、各ルーフシールドトンネルごとに、それぞれ隣接するルーフシールドトンネルに対応してトンネル軸心の周囲360°のあらゆる方向に掘削することから、掘削機を掘削方向に対応する一定姿勢に保持して、トンネル軸心方向に前進させることが必要である。
【0004】
ところで、上記の拡張掘削作業では、トンネル内から掘削ヘッドを進展、揺動して地山を掘削するため、掘削範囲が限られて広範囲な拡張掘削ができず、またトンネルの壁面に接近した部位などの掘削が難しく、時間を要するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決して、2本のトンネル間の地山を効率よく、広範囲に掘削できるトンネル間連結掘削工法およびトンネル間連結掘削装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る請求項1記載のトンネル間連結掘削工法は、所定間隔をあけて隣接する2本のトンネル間の地山を掘削して両トンネルを互いに連結するに際し、両トンネル間に形成された発進空間に、両トンネル内の案内支持部材に支持された推進フレームを配置し、推進フレームに設置された掘削機により、掘削反力を前記案内支持部材に支持させて両トンネル間の地山を掘削して掘削部を形成し、推進フレームに設置された推進装置により、推進反力を前記案内支持部材に支持させて、推進フレームを掘削部に沿って前進させるものである。
【0007】
請求項2記載のトンネル間連結掘削装置は、所定間隔をあけて隣接する2本のトンネル間の地山を掘削して両トンネルを互いに連結するトンネル間連結掘削装置であって、両トンネルの互いに対向する外周壁と両トンネル間の地山を除去して形成された発進空間に配置される推進フレームに、当該推進フレームを両トンネル内にそれぞれ設置された案内支持部材に固定、解放可能に支持するフレーム固定機構と、当該フレーム固定機構の解放時に、推進フレームを前記案内支持部材に沿って案内するフレーム案内機構と、両トンネル間の前方の地山を掘削可能な掘削機と、前記案内支持部材に推進反力を支持させて推進フレームを前進させる推進装置とを具備したものである。
【0008】
請求項3記載のトンネル間連結掘削装置は、請求項2記載の構成において、掘削機は、トンネル軸心と平行な旋回軸心周りに回転自在な回転体と、当該回転体の一側部に揺動自在に支持された掘削機フレームと、当該掘削機フレームの前端部に回転自在に支持された掘削ヘッドとを有するものである。
【0009】
請求項4記載のトンネル間連結掘削装置は、請求項2または3記載の構成において、案内支持部材は、トンネル軸心方向に設置されて掘削反力の支持と推進フレームの案内とを受け持つ受圧案内部と、推進反力の支持を受け持つ推力支持部とを有し、フレーム固定機構とフレーム案内機構とを有する複数のグリッパ装置を具備し、前記グリッパ装置は、フレーム固定機構によりガイド部材を出退し前記受圧案内部に係合させて押圧することにより推進フレームを固定し、フレーム案内機構により前記ガイド部材が前記受案内部に沿って案内されるように構成され、推進装置は、トンネル軸心方向に前後2組が配置されて前記推力支持部を把持可能な把持装置と、前後の把持装置を接近離間させる推進駆動装置とを有するものである。
【0010】
請求項5記載のトンネル間連結掘削装置は、請求項2乃至4のいずれかに記載の構成において、推進フレームに、流動体を封入した伸縮バッグを発進空間または掘削部の掘削面に押し付ける防振装置を設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、トンネル間の発進空間に、トンネルT内の案内支持部材に支持された推進フレームを配置し、この推進フレームに設置された掘削機より、トンネル間の地山を掘削し、この掘削部に沿って推進フレームを前進させるので、トンネル間の地山を広範囲にかつ効率よく掘削することができ、トンネルの形成間隔が広い地山や、トンネルの形成間隔が変化する地山を容易に掘削することができる。また隣接する2つのトンネルの配置がトンネル軸心を中心とするあらゆる角度であっても、両トンネル内に設置された案内支持部材により、推進フレームを安定して支持させるとともにスムーズに前進させることができ、ルーフシールドトンネル間の接続に極めて有効となる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、トンネル間の発進空間に配置した推進フレームを、フレーム固定機構により両トンネル内の案内支持部材に固定し、推進フレームに設置した掘削機によりトンネル間の地山を掘削し、その掘削反力をフレーム固定機構を介して案内支持部材に支持させることができる。またフレーム固定機構の解放時に、フレーム案内機構により推進フレームを案内支持部材に案内させるとともに、推進装置により案内支持部材に推進反力を支持させて前進させるので、トンネル間の地山を広範囲にかつ効率よく掘削することができ、トンネルの形成間隔が広い地山や、トンネルの形成間隔が変化する地山を容易に掘削することができる。また隣接する2つのトンネルの配置がトンネル軸心を中心とするあらゆる角度であっても、両トンネル内に設置された案内支持部材により、推進フレームを安定して支持させるとともにスムーズに前進させることができ、ルーフシールドトンネル間の接続に極めて有効となる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、旋回軸心周りに旋回される回転体の一側部に、掘削機フレームを揺動自在に配置したので、トンネル間の地山を広範囲に効率よく掘削することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、グリッパ装置のフレーム固定機構により、ガイド部材を受圧案内部に係合し押圧して推進フレームを固定し、掘削反力を支持させることにより、トンネル間の地山を良好に掘削することができる。またフレーム案内機構により、ガイド部材を受圧案内部から少し後退させることで、ガイド部材が受圧案内部に移動自在に案内される。さらに、前後の把持装置によりトンネル内の推力支持部にそれぞれ把持させ、推進駆動装置により前後の把持装置を接近離間させて推進フレームを前進させることができ、推進フレームを受圧案内部に沿ってスムーズに安定して前進させることができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、防振装置により、掘削時の振動や衝撃を緩衝吸収して、推進フレームの振動を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
トンネル間連結掘削装置の実施の形態を図1〜図9を参照して説明する。
【0017】
本発明に係るトンネル間連結掘削装置(以下、掘削装置という)は、図5に示すように、たとえば大口径施工部を形成するために、大口径のトンネル施工部Bの周囲に所定間隔をあけて形成された複数本のルーフシールドトンネル(以下、トンネルという)Tのうち、隣接するトンネルT間の地山を掘削除去して、その掘削部に連結構造物(ルーフシールド先受け工)を設置することによりトンネルTを連結し、大口径のトンネル施工部Bを切羽防護するものである。
【0018】
この掘削装置は、図1〜図4に示すように、隣接するトンネルT間に、外周壁で互いに対向する壁部を削除して開口部Toを形成し、このトンネルT内から開口部Toを介して掘削された発進空間Eに配置される。これら両トンネルT内には、開口部Toに臨んでトンネル軸心方向に一定間隔ごとに支保工である支柱部材(案内支持部材、推力支持部)Pがそれぞれ立設配置され、これら支柱部材Pにわたってトンネル軸心に沿うパイプレールからなるレール部材(案内支持部材、受圧案内部)Rd,Ruが下部と上部にそれぞれ装着されている。
【0019】
掘削装置は、旋回式の掘削機12を具備した推進フレーム11と、推進フレーム11を両トンネルTのレール部材Rd,Ruにそれぞれ固定、解放可能なフレーム固定機構と、レール部材Rd,Ruに沿って案内可能なフレーム案内機構とを具備した主グリッパ装置13および副グリッパ装置14と、推進フレーム11をレール部材Rd,Ruに案内させて前進させる推進装置15と、掘削時の振動を軽減する防振装置16とを具備している。
【0020】
推進フレーム11は、掘削機12を搭載した基部フレーム部21と、基部フレーム部から後方に接近離間自在に配置された進退フレーム部22とを具備している。基部フレーム部21は、底部で幅方向に配置された基部底辺ビーム21aと、基部底辺ビーム21aの左右端部から互いに平行に立設された前側辺ビーム21bと、これら左右の前側辺ビーム21bの上端部間を連結し中央部が頂部となるように山形に折り曲げられた前天辺ビーム21cとで、正面視が五角形に形成されている。さらに左右の前側辺ビーム21bの上部と前天辺ビーム21cの中央部に、それぞれ後方に伸びる3本の連結ビーム21dが連結されるとともに、左右の前側辺ビーム21bの下部から後方に伸びる一対のガイドビーム21eが連結されている。また、これら左右の連結ビーム21dとガイドビーム21eの後端部に、左右の後側辺ビーム21fがそれぞれ連結され、またこれら左右の後側辺ビーム21fの上端部間に中央部が頂部となるように山形に折り曲げられた後天辺ビーム21gに連結され、後天辺ビーム21gの中央部に連結ビーム21dが連結されている。
【0021】
前記進退フレーム部22は、両側のガイドビーム21e内にそれぞれスライド自在に嵌合されたスライドビーム22bと、左右のスライドビーム22bの後端部間に、下方に垂下されたブラケットを介して進退底辺ビーム22aが連結されている。
【0022】
旋回式の掘削機12は、基部フレーム部21の基部底辺ビーム21a、前側辺ビーム21bおよび前天辺ビーム21cの背面部に回転体33が配置され、この回転体33は、図1、図6に示すように、外周部に突設された外周レール33dが、基部フレーム部21に設けられた複数のガイドローラ31と振れ止めローラ32により案内されて、トンネル軸心と平行な旋回軸心Os周りに回転自在に支持されている。そして、回転体33の外周部に設けられたリングギヤ34aに噛合するピニオン34bをカッタ旋回駆動装置(たとえば油圧式モータ)34cにより回転駆動して回転体33を旋回させるカッタ旋回装置34が基部フレーム21に設けられている。また回転体33の外周側には、一側部に支持ブラケット33aが、他側部にバランスウエイト33bがそれぞれ設けられており、この支持ブラケット33aに接線方向の支軸33cを介して掘削機フレーム35が揺動自在に支持されている。また回転体33の他端側と掘削機フレーム35との間に、掘削機フレーム35を揺動させて掘削範囲を拡張する掘削揺動装置(たとえば油圧式ジャッキ)36が連結されている。そして掘削機フレーム35に、内装された掘削出退装置(たとえば油圧式ジャッキ)37により出退される掘削出退ヘッド38と、掘削出退ヘッド38に内装された掘削回転駆動装置(たとえば油圧式モータ)39により出退方向の軸心周りに回転駆動される掘削ヘッド40とが設けられている。
【0023】
主グリッパ装置13は、推進フレーム11の底部四隅側にそれぞれ4個が設置されている。すなわち、基部底辺ビーム21aと進退底辺ビーム22aの両端部にそれぞれ出退ビーム23が所定範囲で出退自在に内嵌されており、これら基部底辺ビーム21a内に、出退ビーム23を出退させる主グリッパ駆動装置(たとえば油圧式ジャッキ)24がそれぞれ内装されている。そして、各出退ビーム23の先端部に、下部のレール部材Rdにそれぞれ係脱自在なガイド部材25が固定されている。ここで、トンネルTの傾斜に対応してレール部材Rdの傾斜が大きい場合には、これらガイド部材25を、レール部材Rdの傾斜に対応して所定範囲で傾動自在に取り付けても良い。またこれらガイド部材25は、レール部材Rdに外嵌可能に開口された半円形断面に形成されてレール部材Rdに長さ方向にスライド自在に外嵌され、推進フレーム11をトンネル軸心方向に案内するように構成され、これらガイド部材25によりフレーム案内機構が構成されている。また基部、進退底辺ビーム21a,22aから出退される出退ビーム23、主グリッパ駆動装置24およびガイド部材25により、ガイド部材25をレール部材Rdに押圧して推進フレーム11を固定する下部のフレーム固定機構が構成されている。
【0024】
副グリッパ装置14は、前、後天辺ビーム21c,21gの左右両側で上部に、それぞれ伸縮フレーム26が上下方向に揺動自在に支持され、揺動調整装置(たとえば油圧式ジャッキ)27により伸縮フレーム26が所定範囲で上下方向に揺動されて姿勢が調整される。そして各伸縮フレーム26には、内嵌された出退筒26aを出退させる副グリッパ駆動装置(たとえば油圧式ジャッキ)28がそれぞれ内装され、これら出退筒26aの先端部に、それぞれ上部のレール部材Ruに係脱自在なガイド部材29が固定されている。ここで、トンネルTの傾斜に対応してレール部材Ruの傾斜が大きい場合には、これらガイド部材29を、レール部材Ruの傾斜に対応して所定範囲で傾動自在に取り付けても良い。またこれらガイド部材29は、レール部材Ruに外嵌可能に開口された半円形断面に形成されて、レール部材Ruに長さ方向にスライド自在に外嵌され、推進フレーム11をトンネル軸心方向に案内するように構成され、これらガイド部材29によりフレーム案内機構が構成されている。またこれら伸縮フレーム26から出退される出退筒26a、副グリッパ駆動装置28およびガイド部材29により、ガイド部材29をレール部材Ruに押圧して推進フレーム11を固定する上部のフレーム固定機構が構成されている。
【0025】
したがって、フレーム案内機構では、主グリッパ駆動装置24および副グリッパ駆動装置28により、出退ビーム23および出退筒26aをそれぞれ突出させてガイド部材25,29をレール部材Rd,Ruにそれぞれ係合させて押圧しない状態で、掘削装置の自重のみをレール部材Rd,Ruに支持させて前進移動を案内させることができる。さらにフレーム固定機構では、主、副グリッパ駆動装置24,28によりガイド部材25,29をレール部材Rd,Ruに押圧することにより、推進フレーム11をレール部材Rd,Ruを介してトンネルTに固定することができ、これにより掘削機12による掘削反力を支持させることができる。また、2つの隣接トンネルTが漸次接近したり、漸次離間するような場合には、出退ビーム23および出退筒26aの出退ストロークにより、トンネルTの間隔の変動やレール部材Rd,Ruの傾斜を吸収することができる。
【0026】
前記推進装置15は、主グリッパ装置13にそれぞれ設けられて支柱部材Pを把持しトンネル軸心方向の移動を規制する把持装置17F,17Rと、各ガイドビーム21e内にそれぞれ内装されて基部フレーム部21と進退フレーム部22とを互いに接近離間させる推進駆動装置(たとえば油圧式ジャッキ)41と、把持装置17F,17Rの把持位置を調整可能な把持位置調整機構47とで構成されている。
【0027】
前記把持装置17F,17Rは、基部、進退底辺ビーム21a,22aの両端部に配置されたガイド部材25にそれぞれ設けられており、図7、図8に示すように、ガイド部材25の上部に取り付けられた基台42と、この基台42に上下方向の垂直ピン43を中心に揺動され突出位置で把持凹部44aが支柱部材Pに外嵌可能なクランプアーム44と、基台42とクランプアーム44の遊端側との間に連結されてクランプアーム44を出退させるドグルリンク46と、このドグルリンク46を作動してクランプアーム44を出退駆動する開閉駆動装置(たとえば油圧式ジャッキ)45とを具備している。
【0028】
また把持位置調整機構47は、支柱部材Pの位置ずれを調整するためのもので、推進フレーム11の一側部(図では前進方向に向かって右側)に設けられている。これら把持位置調整機構47は、ガイド部材25の上部にトンネル軸心に平行に取り付けられたガイドレール48と、ガイドレール48にスライド自在に案内されるサドル部49と、サドル部49をガイドレール48に固定解放可能な固定具50とを具備し、サドル部49に把持装置17F,17Rの基台42が取り付けられている。したがって、発進空間Eに推進フレーム11が設置されると、固定具50を解除してサドル部49をガイドレール48に沿って移動させ、クランプアーム44の把持凹部44aが支柱部材Pに嵌合可能に位置調整し、固定具50を固定する。ここで、支柱部材Pは、トンネル軸心方向に一定間隔ごとに設置されているため、発進時の調整のみで良い。
【0029】
上記把持装置17F,17Rにおいて、開閉駆動装置45によりドグルリンク46を介してクランプアーム44を外方に揺動し突出させて把持凹部44aを支柱部材Pに外嵌させ、基部フレーム部21または進退フレーム部22と、支柱部材Pとを連結固定して推進反力を支持させることができる。また開閉駆動装置45によりドグルリンク46を介してクランプアーム44を内方に揺動し後退させて把持凹部44aを支柱部材Pから離脱させ、基部フレーム部21または進退フレーム部22と、支柱部材Pとを分離させることができる。
【0030】
したがって、基部フレーム部21の把持装置17Fと進退フレーム部22の把持装置17Rの一方で支柱部材Pを把持し、他方で支柱部材Pを解放した状態で、各推進駆動装置41を伸縮させて基部フレーム部21と進退フレーム部22とを接近または離間させ、これを交互に行うことにより、推進フレーム11を前進させることができる。
【0031】
前記防振装置16は、基部、進退底辺ビーム21a,22aの中央部下部と前、後天辺ビーム21c,21gの頂部上にそれぞれ配置されており、図9に示すように、ジャバラなどを有して膨出、退縮自在な加圧面を有する拡縮ケース51内に、加圧エアまたは加圧水などの加圧流動体を送り込んで膨張させる伸縮バッグ52が設けられている。そして、掘削時に伸縮バッグ52に加圧流動体を供給して膨張させ、伸縮バッグ52の外面を膨出させて拡縮ケース51の加圧面を掘削面に押し当てることにより、掘削機12から推進フレーム11に伝達された振動や衝撃を緩和して吸収させることができ、これら防振装置16により推進フレーム11の振動を軽減することができる。また拡縮ケース51は用いずに、伸縮バッグ52を直接地山に押し付けるように構成してもよい。
【0032】
上記掘削装置によるトンネルT間の地山の掘削方法を説明する。
所定間隔をあけて隣接する2本のトンネルTは、複数のセグメントが連結された外周壁により覆工され、少なくともトンネルTの接近する側の外周壁に臨んで、複数の支柱部材Pがトンネル軸心に沿って一定間隔ごとに立設されて外周壁を支持している。これら支柱部材Pに、トンネル軸心に沿うレール部材Rd,Ruが下部および上部にそれぞれ取付部材を介して取り付けられている。
【0033】
1)発進位置に対応して、隣接するトンネルTに接近する側の外周壁をそれぞれ部分的に削除し、その開口部Toを介して発進空間Eを形成する。
2)発進空間E内に推進フレーム11やその他構成部材を搬入して、掘削装置を組み立てる。すなわち、推進フレーム11の基部、進退底辺ビーム21a,22aと前、後天辺ビーム21c,21gの両側にそれぞれ設けられた主、副グリッパ装置13,14のガイド部材25,29を、両トンネルTのレール部材Rd,Ruにそれぞれ係合させて推進フレーム11を支持させる。そして、主、副グリッパ装置13,14によりガイド部材25,29をそれぞれレール部材Rd,Ruに押圧して推進フレーム11を固定する。さらに把持位置調整機構47により、支柱部材Pに対応して一側部の把持装置17F,17Rの位置を調整した後、把持装置17F,17Rにより支柱部材Pをそれぞれ把持させる。さらに防振装置16の伸縮バッグ52に加圧流動体を供給して拡縮ケース51を膨出させ発進空間Eの掘削面に押し当てる。
【0034】
3)掘削機12により地山を掘削する。掘削回転駆動装置39により掘削ヘッド40を回転駆動するとともに、掘削出退装置37により掘削ヘッド40を出退させて、トンネルT間の地山を掘削する。さらに掘削揺動装置36により掘削機フレーム35を揺動させるとともに、カッタ旋回装置34により回転体33を回転させることにより掘削範囲を拡張する。この時の掘削反力が、主、副グリッパ装置13,14によりガイド部材25,29を介して両トンネルTのレール部材Rd,Ruにそれぞれ支持される。また防振装置16により、推進フレーム11の振動が緩衝されて軽減される。そして、掘削した土砂をトンネルTを介して排出し、さらに掘削が進むに従って、掘削部に接するトンネルTの外周壁を順次削除して開口部Toを前方に拡張する。
【0035】
4)掘削作業が終了すると、掘削機12を前進させる。すなわち、掘削状態では、推進フレーム11において基部フレーム部21と進退フレーム部22とが離間された状態にあり、まず主、副グリッパ駆動装置24,28を少し収縮させて、ガイド部材25,29によるレール部材Rd,Ruへの押圧固定を解除し、推進フレーム11の自重のみをレール部材Rd,Ruに支持させる。ついで、進退フレーム部22に設けられた後部の把持装置17Rのクランプアーム44を後退させて支柱部材Pから離脱させる。さらに、各推進駆動装置41をそれぞれ収縮させて進退フレーム部22を基部フレーム部21に接近させる。そして、進退フレーム部22に設けられた後部の把持装置17Rにより支柱部材Pを把持させ、前部の把持装置17Fを支柱部材Pから離脱させた後、推進駆動装置41をそれぞれ伸展させて基部フレーム部21を前進させ、進退フレーム部22から離間させて推進フレーム11を前進させる。
【0036】
5)主、副グリッパ駆動装置24,28によりガイド部材25,29をレール部材Rd,Ruに押圧するとともに、前部の把持装置17Fにより支柱部材Pを把持させる。そして、再度、掘削機12を駆動してトンネルT間の地山を掘削する。
【0037】
これを繰り返すことで、トンネルT間の地山を掘削する。
なお、図では、水平方向に対向するトンネルT間の地山を掘削する掘削装置を示しているが、ルーフシールドトンネルの場合は、360°あらゆる方向に対向するトンネルT間の地山を掘削することになる。
【0038】
上記実施の形態1のトンネル連結掘削工法および装置によれば、トンネルT間の発進空間Eに、トンネルT内のレール部材Rd,Ruに主、副グリッパ装置13,14を介して支持された推進フレーム11を配置し、推進フレーム11に設置された掘削機12により、トンネルT間の地山を掘削する。そして掘削終了後、前後の把持装置17F,17Rにより支柱部材Pを把持させて推進反力を支持させ、推進フレーム11を掘削部に沿って推進フレーム11を前進させるので、トンネルT間の地山を確実にかつ効率よく掘削することができ、トンネルT間の間隔が長い地山や、トンネルT間の距離が変化する地山に容易に対応することができる。また隣接する2つのトンネルTの配置があらゆる角度であっても、両トンネル内に設置されたレール部材Rd,Ruと支柱部材Pとにより、推進フレーム11を安定して支持させスムーズに前進させることができ、ルーフシールドトンネル間の接続掘削に極めて有効となる。
【0039】
また掘削機12において、トンネル軸心と平行な旋回軸心Os周りに回転自在な回転体33の一側部に、掘削ヘッド40を有する掘削機フレーム35を揺動自在に配置し、掘削機フレーム35を揺動させつつ回転体33を回転することにより、トンネルT間の地山を広範囲に効率よく掘削することができる。
【0040】
さらに主、副グリッパ装置13,14に設けられたフレーム固定機構により、ガイド部材25,29をレール部材Rd,Ruにそれぞれ係合して押圧し、推進フレーム11を固定して掘削反力を支持させることにより、トンネルT間の地山を良好に掘削することができる。またフレーム案内機構により、ガイド部材25,29をレール部材Rd,Ruから少し後退させることで、推進フレーム11の自重のみをガイド部材25,29を介してレール部材Rd,Ruに支持させる。さらに、前後の把持装置17F,17RによりトンネルT内の支柱部材Pをそれぞれ把持させて推進反力を支持させるとともに、推進駆動装置41により基部フレーム部21と進退フレーム部22とを接近離間させて推進フレーム11を前進させることができ、推進フレーム11をレール部材Rd,Ruに沿ってスムーズに安定して前進させることができる。
【0041】
さらに、推進フレーム11の基部、進退底辺ビーム21a,22aと前、後天辺ビーム21c,21gとに防振装置16を設けたので、掘削機12から推進装置15に伝達される振動や衝撃を緩衝して効果的に低減することができる。
[実施の形態2]
本発明に係るトンネル間連結掘削装置の実施の形態2を図10〜図12を参照して説明する。なお、実施の形態1と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
この掘削装置は、実施の形態1に比較して、推進フレーム11における基部フレーム部61の構造が異なっており、基部フレーム部61に基部底辺ビーム21aと左右一対のガイドビーム21eを有しているが、前側辺ビーム21b、前天辺ビーム21c、後側辺ビーム21f、後天辺ビーム21gおよび連結ビーム21dは削除されている。また防振装置16がない。さらに副グリッパ装置14に替えて、掘削部の底面と天面とを押圧する補助グリッパ装置62が設けられている。そして旋回式の掘削機12に替えてスイング式の掘削機63が設けられている。
【0043】
基部フレーム部61には、基部底辺ビーム21aと左右のガイドビーム21eの間に基台部61aが設けられている。
そして、この基台部61aの中央部にスイング式の掘削機63が設置されている。この掘削機63は、基台部61aの中央部に上下方向の旋回軸心Ou周りに回動自在な旋回テーブル64が配置され、旋回テーブル64と基台部61aとの間に、旋回テーブル64を所定範囲で回動させる周方向揺動ジャッキ65が連結されている。また旋回テーブル64に立設された架台部66に、旋回軸心Ouに垂直なスイング軸66aを介してスイングフレーム67が揺動自在に支持され、架台部66とスイングフレーム67との間に連結されたスイングジャッキ68によりスイングフレーム67が所定範囲で揺動される。そしてスイングフレーム67の筒部67aに掘削機フレーム69が支持され、掘削機フレーム69には、掘削出退ジャッキ70により出退自在に支持された掘削出退ヘッド71と、掘削出退ヘッド71に設けられたカッタ駆動モータ72により出退方向の軸心周りに回転駆動される掘削ヘッド73が設けられている。
【0044】
補助グリッパ装置62は、上方グリッパ部62Uと下方グリッパ部62Dとで構成されている。上方グリッパ部62Uは、左右のガイドビーム21e上に、所定間隔をあけてガイド筒81がそれぞれ立設され、各ガイド筒81内に内装された上グリップ駆動装置(たとえば油圧式ジャッキ)83によりスライド自在に嵌合されたスライド筒82が出退される。そして各スライド筒82の上端部にトンネル軸心に平行な支持ピン82aを介して押圧部材84がそれぞれ設けられるとともに、左右の押圧部材84が連結ビーム85を介して互いに連結されて正面視で門形に形成さている。また下方グリッパ部62Dは、基台部61aの四隅位置にガイド筒86が貫設され、これらガイド筒86に出退自在に内嵌されたスライド筒87が、下グリップ駆動装置(たとえば油圧式ジャッキ)88により下方に向かって出退され、これらスライド筒87の下端部にそれぞれ押圧部材89が取り付けられている。
【0045】
したがって、掘削時に、補助グリッパ装置62により、上方、下方グリッパ部62U、62Dの上、下グリップ駆動装置83,88をそれぞれ伸展させて押圧部材84,89を掘削部の天面と底面とにそれぞれ押し付けることにより、推進フレーム11を固定して、掘削反力や振動などを補助グリッパ装置62を介して掘削部の天面と底面とに支持させることができる。
【0046】
上記構成における掘削工法を説明する。
1)発進位置に対応して、隣接するトンネルTに互いに接近する外周壁をそれぞれ部分的に削除し、その開口部Toを介して発進空間Eを形成する。
【0047】
2)発進空間E内に推進フレーム11やその他構成部材を搬入して、掘削装置を組み立てる。すなわち、推進フレーム11の基部、進退底辺ビーム21a,22aの両側にそれぞれ設けられた主グリッパ装置13のガイド部材25を、両トンネルTのレール部材Rdにそれぞれ係合させて推進フレーム11を支持させる。そして、主グリッパ駆動装置24を伸展してガイド部材25をレール部材Rdに押圧させるとともに、補助グリッパ装置62の上方、下方グリッパ部62U,62Dにより、押圧部材84,89で発進空間Eの天面と底面にそれぞれ押圧して推進フレーム11を固定し、掘削反力を支持させる。さらに把持位置調整機構47により、一側側の把持装置17F,17Rの位置を支柱部材Pの位置に対応させ、把持装置17F,17Rにより支柱部材Pを把持させる。
【0048】
3)掘削機63によりトンネルT間の地山を掘削する。カッタ駆動モータ72により掘削ヘッド73を回転駆動するとともに、掘削出退ジャッキ70により掘削ヘッド73を出退させて地山を掘削する。さらにスイングジャッキ68により掘削機フレーム69を揺動させるとともに、周方向揺動ジャッキ65により旋回テーブル64を旋回させて掘削ヘッド73を移動させることにより掘削範囲を拡張する。そして、掘削した土砂をトンネルTを介して排出する。また掘削が進むに従って、掘削部に接するトンネルTの外周壁を順次削除して、開口部Toを前方に拡張する。
【0049】
4)掘削作業が終了すると、掘削機12を前進させる。すなわち、掘削状態で推進フレーム11は、基部フレーム部21と進退フレーム部22とが離間された位置にあり、まず進退フレーム部22の把持装置17Rのクランプアーム44を後退させて支柱部材Pから離脱させる。そして、主グリッパ駆動装置24を少し収縮させて推進フレーム11の固定を解除し、レール部材Rdに推進フレーム11の自重のみを支持させる。ついで、上方、下方グリッパ部62U,62Dの上、下グリップ駆動装置83,88を収縮させて押圧部材84,89を発進空間Eの天面と底面から離間させる。そして各推進駆動装置41をそれぞれ収縮させて、進退フレーム部22を基部フレーム部21に接近させる。さらに、後部の把持装置17Rにより支柱部材Pを把持させ、前部の把持装置17Fを支柱部材Pから離脱させた後、各推進駆動装置41をそれぞれ伸展させて基部フレーム部21を進退フレーム部22から離間させ、推進フレーム11を前進させる。
【0050】
5)主グリッパ装置13の主グリッパ駆動装置24をそれぞれ伸展してガイド部材25をレール部材Rdに押圧し、さらに補助グリッパ装置62により押圧部材84,89をそれぞれ掘削面に押圧して推進フレーム11を固定し、さらに前部の把持装置17F,17Rにより支柱部材Pを把持させる。そして、再度掘削機63を駆動してトンネルT間の地山を掘削する。これを繰り返し行う。
【0051】
上記実施の形態2によれば、推進フレーム11の四隅側に配設されてトンネルT内のレール部材Rdに固定される主グリッパ装置13と、押圧部材84,89を掘削部の天面と底面とにそれぞれ押圧する補助グリッパ装置62により、推進フレーム11を安定して固定して掘削反力を支持させることができ、トンネルT間の地山を効率よく掘削することができる。
【0052】
[実施の形態3]
本発明に係るトンネル間連結掘削装置の実施の形態3を図13〜図15を参照して説明する。なお、この掘削装置は、実施の形態2の掘削装置から補助グリッパ装置62を削除したもので、他は同一構成であるため、実施の形態1および2と同一部材には、同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
掘削時には、補助グリッパ装置62により推進フレーム11が固定されることがないので、掘削反力の支持力が小さいが、部材が少なくコンパクトで低コストで製造することができ、地山が比較的軟質や砂礫質の時に有効となる。
【0054】
なお、上記実施の形態1〜3では、掘削装置の案内支持部材として、掘削反力の支持用および前進移動の案内用として、上部(下部)のレール部材Rd,Ruを設け、推進反力の支持用として支柱部材Pを設けたが、図16に示すように、これらを一体に設けることもできる。すなわち、支柱部材Pに取付部材を介して支持されたレール部材(受圧案内部)Rd,Ruに一定間隔ごとに、推進反力支持用の推力支持ブロック(推力支持部)RSを一体に設けることもできる。
【0055】
また主、副グリッパ装置13,14に、フレーム固定機構とフレーム案内機構とを兼用で設けたが、それぞれ別々に構成することもできる。
さらに、上記説明では便宜的に、「左、右」および「幅方向」、「上、下」および「高さ方向」を用いたが、これらの位置および方向は、隣接する2つのトンネルTの配置で変化するものであるため、「左、右」および「幅方向」は、「2つの隣接トンネルTの軸心を結ぶ線の両端側」および「2つの隣接トンネルTの軸心を結ぶ線に沿う方向」と読み替え、また「上、下」および「高さ方向」は、「2つの隣接トンネルTの軸心と直交する線の両端側」および「2つの隣接トンネルTの軸心と直交する線に沿う方向」と読み替えるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るトンネル間連結掘削装置の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】掘削装置の平面視の断面図である。
【図3】掘削装置の側面図である。
【図4】掘削装置の縦断面図である。
【図5】ルーフシールドトンネルの掘削工法を説明する横断面図で、(a)は概略全体図、(b)は(a)に示すA部拡大図である。
【図6】図1に示す断面図で、(a)はa−a断面図、(b)はb−b断面図である。
【図7】グリッパ装置の平面図で、(a)は把持状態、(b)は解放状態を示す。
【図8】グリッパ装置の正面図で、(a)は右側部、(b)は左側部を示す。
【図9】防振装置を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係るトンネル間連結掘削装置の実施の形態2を示す正面図である。
【図11】掘削装置の平面視の断面図である。
【図12】掘削装置の側面図である。
【図13】本発明に係るトンネル間連結掘削装置の実施の形態3を示す正面図である。
【図14】掘削装置の平面視の断面図である。
【図15】掘削装置の側面図である。
【図16】案内支持部材の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
T トンネル
Tw 対向壁
P 支柱部材(案内支持部材、支持部材)
Rd,Ru レール部材(案内支持部材、案内部材)
Os 旋回軸心
Ou 旋回軸心
E 発進空間
11 推進フレーム
12 掘削機
13 主グリッパ装置
14 副グリッパ装置
15 推進装置
16 防振装置
17F,17R 把持装置
21 基部フレーム部
22 進退フレーム部
24 主グリッパ駆動装置
25 ガイド部材
27 揺動調整装置
28 副グリッパ駆動装置
29 ガイド部材
33 回転体
33c 支軸
34 カッタ旋回装置
35 掘削機フレーム
40 掘削ヘッド
41 推進駆動装置
44 クランプアーム
44a 把持凹部
45 開閉駆動装置
51 拡縮ケース
52 伸縮バッグ(弾性体)
61 基部フレーム部
62 補助グリッパ装置
62U 上方グリッパ部
62D 下方グリッパ部
63 掘削機
64 旋回テーブル
67 スイングフレーム
73 掘削ヘッド
83 上グリップ駆動装置
84 押圧部材
88 下グリップ駆動装置
89 押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔をあけて隣接する2本のトンネル間の地山を掘削して両トンネルを互いに連結するに際し、
両トンネル間に形成された発進空間に、両トンネル内の案内支持部材に支持された推進フレームを配置し、
推進フレームに設置された掘削機により、掘削反力を前記案内支持部材に支持させて両トンネル間の地山を掘削して掘削部を形成し、
推進フレームに設置された推進装置により、推進反力を前記案内支持部材に支持させて、推進フレームを掘削部に沿って前進させる
ことを特徴とするトンネル間連結掘削工法。
【請求項2】
所定間隔をあけて隣接する2本のトンネル間の地山を掘削して両トンネルを互いに連結するトンネル間連結掘削装置であって、
両トンネルの互いに対向する外周壁と両トンネル間の地山を除去して形成された発進空間に配置される推進フレームに、
当該推進フレームを両トンネル内にそれぞれ設置された案内支持部材に固定、解放可能に支持するフレーム固定機構と、
当該フレーム固定機構の解放時に、推進フレームを前記案内支持部材に沿って案内するフレーム案内機構と、
両トンネル間の前方の地山を掘削可能な掘削機と、
前記案内支持部材に推進反力を支持させて推進フレームを前進させる推進装置とを具備した
ことを特徴とするトンネル間連結掘削装置。
【請求項3】
掘削機は、トンネル軸心と平行な旋回軸心周りに回転自在な回転体と、当該回転体の一側部に揺動自在に支持された掘削機フレームと、当該掘削機フレームの前端部に回転自在に支持された掘削ヘッドとを有する
ことを特徴とする請求項2記載のトンネル間連結掘削装置。
【請求項4】
案内支持部材は、トンネル軸心方向に設置されて掘削反力の支持と推進フレームの案内とを受け持つ受圧案内部と、推進反力の支持を受け持つ推力支持部とを有し、
フレーム固定機構とフレーム案内機構とを有する複数のグリッパ装置を具備し、
前記グリッパ装置は、フレーム固定機構によりガイド部材を出退し前記受圧案内部に係合させて押圧することにより推進フレームを固定し、フレーム案内機構により前記ガイド部材が前記受案内部に沿って案内されるように構成され、
推進装置は、トンネル軸心方向に前後2組が配置されて前記推力支持部を把持可能な把持装置と、前後の把持装置を接近離間させる推進駆動装置とを有する
ことを特徴とする請求項2または3記載のトンネル間連結掘削装置。
【請求項5】
推進フレームに、流動体を封入した伸縮バッグを発進空間または掘削部の掘削面に押し付ける防振装置を設けた
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のトンネル間連結掘削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−18969(P2010−18969A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178533(P2008−178533)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】