説明

ドアハンドル装置

【課題】ハンドルグリップのガタツキを防ぐとともに、組立作業性を高めることができるドアハンドル装置を提供すること。
【解決手段】相対向する一対の支持基板3bの間に設けられたハンドル支持部3cを有するベース部材3と、一端側に突設されたアーム部2A、該アーム部2Aの先端に設けられて前記ベース部材3のハンドル支持部3cによって回動可能に支持される軸支部2a及び他端側に前記ベース部材3に設けられたレバー11を操作するための操作部2Bが設けられたハンドルグリップ2と、前記ベース部材3の一対の支持基板3b間に掛け渡される規制部9aを有し、それ自身の付勢力によって前記ベース部材3の支持基板3bに係着されたダブルトーションスプリング(弾性部材)9を含んでドアハンドル装置1を構成し、前記ハンドルグリップ2のアーム部2Aに、前記ダブルトーションスプリング9の規制部9aが係合する凹部2bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルグリップの操作によって車両用ドアのロックを解除するドアハンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアのロックを解除するためのドアハンドル装置は、ドアパネルに固定されたベース部材と、該ベース部材に一端が回動可能に軸支されたハンドルグリップを備えている。斯かるドアハンドル装置において、乗員がハンドルグリップを開操作すると、ベース部材に設けられたレバーが動作してドアロック装置による車両用ドアのロックが解除されるため、乗員は車両用ドアを開くことができる。
【0003】
ところで、ドアハンドル装置に関して、特許文献1には、ハンドルグリップの回動軸が収容される凹溝状の支持部が形成された固定ピースをナットとボルトによってフレームに締結する構成が提案されている。この構成によれば、固定ピースの支持部にハンドルグリップの回動軸が係合することによってハンドルグリップの長手方向のガタツキが防がれる。又、ボルトを回して固定ピースを移動させて該固定ピースの支持部とハンドルグリップの回動軸との係合を解除可能とすることによって、ハンドルグリップを容易に着脱することができるため、当該ドアハンドル装置の組立作業性が高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−002621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において提案された構成においては、固定ピースをナットとボルトによってフレームに固定する必要があるため、その組み付けに手間と時間が掛かってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ハンドルグリップのガタツキを防ぐとともに、組立作業性を高めることができるドアハンドル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
車両のドアパネルに固定され、相対向する一対の支持基板の間に設けられたハンドル支持部を有するベース部材と、
一端側に突設されたアーム部、該アーム部の先端に設けられて前記ベース部材のハンドル支持部によって回動可能に支持される軸支部及び他端側に前記ベース部材に設けられたレバーを操作するための操作部が設けられたハンドルグリップと、
前記ベース部材の一対の支持基板間に掛け渡される規制部を有し、それ自身の付勢力によって前記ベース部材の支持基板に係着された弾性部材と、
を備えたドアハンドル装置であって、
前記ハンドルグリップのアーム部に、前記弾性部材の規制部が係合する凹部を形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ハンドルグリップのアーム部に、前記弾性部材の規制部を付勢力に抗して前記凹部へと案内するための傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記弾性部材は、その規制部が前記ハンドルグリップを操作前の初期位置側へ向けて付勢する付勢力を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記弾性部材は、その両端に設けられた係止部と、該係止部と前記規制部との間にそれぞれ設けられたコイル部とを備えたダブルトーションスプリングによって構成され、
前記ベース部材の支持基板に、前記ダブルトーションスプリングのコイル部を支持する突出部と、前記係止部を係止するスプリング係止部とを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記ベース部材の支持基板に設けられた突出部を前記ハンドルグリップの回動支点と同軸に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ハンドルグリップのアーム部に形成された凹部に弾性部材の規制部が係合するため、ハンドルグリップのベース部材のハンドル支持部を中心とする回動がガタ無く確実になされて車両用ドアのロックが解除される。又、弾性部材は、それ自身の付勢力によってベース部材の支持基板に係着されるため、該弾性部材をボルト等の締結部材を用いることなくベース部材に容易に装着することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、ハンドルグリップの一端をベース部材のハンドル支持部に装着する際には、弾性部材の規制部がハンドルグリップのアーム部に設けられた傾斜面に沿って凹部へと案内されて該凹部に係合する。従って、ハンドルグリップをベース部材に対してスライドさせて装着することによって、弾性部材の規制部がハンドルグリップの凹部に自動的に係合するため、当該ドアハンドル装置の組付作業性が高められる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、ハンドルグリップは弾性部材の付勢力によって操作前の初期位置側(閉方向)に付勢されるため、外部からの衝撃でハンドルグリップが慣性力によって不意に開方向に作動して車両用ドアのロックが解除されるという不具合の発生が防がれる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、弾性部材をダブルトーションスプリングによって構成したため、該ダブルトーションスプリングをベース部材に容易に取り付けることができるとともに、該ダブルトーションスプリングの振動等による脱落を防ぐことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、ベース部材の支持基板に設けられた突出部をハンドルグリップの回動支点と同軸に配置したため、ダブルトーションスプリングの規制部は、ハンドルグリップの回動支点となるベース部材のハンドル支持部と同軸の突出部を支点として回動する。このため、ハンドルグリップを開方向に操作した状態においても、ダブルトーションスプリングの規制部はハンドルグリップの凹部との係合状態を維持することができ、ハンドルグリップの操作時の径方向へのガタツキが抑制され、該ハンドルグリップをガタ無く確実に操作して車両用ドアのロックを解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るドアハンドル装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係るドアハンドル装置の組付要領を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係るドアハンドル装置の斜視図である。
【図4】本発明に係るドアハンドル装置要部の平面図である。
【図5】本発明に係るドアハンドル装置の非操作時の状態を示す縦断面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明に係るドアハンドル装置の操作時の状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係るドアハンドル装置の分解斜視図、図2は同ドアハンドル装置の組付要領を示す縦断面図、図3は同ドアハンドル装置の斜視図、図4は同ドアハンドル装置要部の平面図、図5は同ドアハンドル装置の非操作時の状態を示す縦断面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は同ドアハンドル装置の操作時の状態を示す縦断面図である。
【0020】
本発明に係るドアハンドル装置1は、車両用ドアに取り付けられるものであって、乗員が把持して操作するためのハンドルグリップ2と、該ハンドルグリップ2の一端を回動可能に支持するベース部材3を含んで構成されている。
【0021】
上記ハンドルグリップ2は、車両前後方向(図2の左右方向)に長い部材であって、その一端(前端)にはアーム部2Aが水平に延設されており、他端(後端)には操作部2Bが内側(図1及び図2の下側)に向かって直角に突設されている。
【0022】
ここで、図1に示すように、ハンドルグリップ2のアーム部2Aの先端両側部には、前端が開口する横U溝状の軸支部2aが形成されている。又、アーム部2Aの上面の長手方向中間部には横方向(組付状態においては上下方向)に貫通する溝状の凹部2bが形成されており、この凹部2bの前側には、凹部2bに向かって高さが高くなるよう傾斜した傾斜面2cが形成されている。
【0023】
更に、ハンドルグリップ2のアーム部2Aの左右両側部には、ハンドルグリップ2の回動操作時にアーム部2Aがベース部材3に衝突することによる衝突音の発生を防ぐための緩衝材としての撓曲可能なハンドルシート2dが設けられている。そして、各ハンドルシート2dには、ベース部材3に設けられた不図示のストッパに係合してハンドルグリップ2の回動を規制するための突起部2e(図1及び図2には一方のみ図示)が突設されている。
【0024】
又、ハンドルグリップ2の他端(後端)に直角に突設された前記操作部2Bには係合凹部2fが形成されている。
【0025】
他方、前記ベース部材3は、図5に示すように、ドアパネル10の内面に取り付けられるものであって、前側のネジ4とナット5及び後側のネジ6とナット7とエンドカバー8によってドアパネル10を挟み込むことによって該ベース部材3がドアパネル10に取り付けられている。このベース部材3にはドアパネル10の凹形状10aに沿う凹形状部3aが形成されており、この凹形状部3aとハンドルグリップ2との間には乗員が手を差し込むための空間(隙間)Sが形成されている。
【0026】
又、図1に示すように、ベース部材3の前端部と後端部には、ハンドルグリップ2のアーム部2Aを収納するための箱状のアーム部収納部3Aと矩形の貫通孔3Bがそれぞれ形成されている。ここで、アーム収納部3Aは、相対向する一対の支持基板3bの間に形成されており、一対の支持基板3bの各前端部の内面にはピン状のハンドル支持部3cがそれぞれ設けられており、同時支持基板3bの各前端部の外面には同じくピン状の突出部3dが前記ハンドル支持部3cと同軸に突出している。尚、図2及び図5に示すように、ベース部材3のアーム収納部3Aの前端底部には板バネ片3eが一体に形成されており、この板バネ片3eに上面には突起3fが突設されている。
【0027】
更に、ベース部材3のアーム収納部3Aの前端両側下部にはスプリング係止部3gが形成されており、左右一対の支持基板3bの上部には切込溝3hがそれぞれ形成されている。そして、ベース部材3の左右の支持基板3bの前端部には、弾性部材であるコの字状のダブルトーションスプリング9が係着されている。
【0028】
上記ダブルトーションスプリング9は、ベース部材3の一対の支持基板3b間に掛け渡される規制部9aを有し、それ自身の付勢力によってベース部材3の支持基板3bに係着される。ここで、ダブルトーションスプリング9の両端(自由端)には係止部9bがそれぞれ設けられており、該係止部9bと前記規制部9aとの間にはコイル部9cがそれぞれ設けられている。そして、このトーションスプリング9は、図1及び図4に示すように、先ず、左右のコイル部9cがベース部材3の左右の突出部3dにそれぞれ支持され、次に規制部9aがベース部材3の一対の支持基板3bの切欠溝3hに係止され、最後に左右両端部(自由端)の係止部9bがベース部材3の前端に形成されたスプリング係止部3gに係止されることによって前述のようにベース部材3の一対の支持基板3bに、図1において時計方向に付勢力が働いた状態で係着されている。
【0029】
他方、ベース部材3の貫通孔3Bには、図3及び図5に示すようにハンドルグリップ2の操作部2Bが挿入されるが、該ベース部材3の貫通孔3Bの側部には図6に示すようにレバー11がベース部材3の軸部3iによって回動可能に軸支されている。レバー11は、軸部3iに巻装されたトーションスプリング12によって図6の矢印方向(ドアロック方向)に付勢されており、そのストッパ部11aがベース部材3に当接することによってその位置が図示のように規制されており、この状態では、該レバー11の操作受部11bがハンドルグリップ2の操作部2Bに形成された係合凹部2fに係合してハンドルグリップ2を図6の下方(ドアロック方向)に付勢している。尚、レバー11のロッド連結部11cには不図示のロッドの一端が連結されており、ロッドの他端は不図示のドアロック装置に連結されている。
【0030】
次に、以上のハンドルグリップ2とベース部材3及びダブルトーションスプリング9を備えるドアハンドル装置1の組付手順について説明する。
【0031】
ドアハンドル装置1の組み付けに際しては、先ず、ベース部材3に前述のようにダブルトーションスプリング9を係着するとともに、レバー11を装着する。
【0032】
次に、ベース部材3を車体内側からドアパネル10に装着し、ネジ4とナット5によってベース部材3をドアパネル10に仮止めし、その後、ハンドルグリップ2を車両外側からドアパネル10の装着孔10b(図2参照)を貫通させてベース部材3に装着する。このとき、ハンドルグリップ2を若干傾けてアーム部2Aをベース部材3のアーム部収納部3Aに先に挿入し、図2に示すようにアーム部2Aの先端部両側に形成された軸支部2aにベース部材3の左右のハンドル支持部3cに係合させる。そして、その状態からハンドルグリップ2を図2の矢印a方向に回動させ、その後端部に突設された操作部2Bをベース部材3の貫通孔3Bに挿入し、ハンドルグリップ2を略水平に保った状態で図2の矢印b方向(車両前方)に押し込む。
【0033】
すると、ハンドルグリップ2のアーム部2Aに設けられた傾斜面2cがダブルトーションスプリング9の規制部9aを付勢力に抗して押し上げ、該規制部9aをハンドルグリップ2の凹部2bまで案内する。そして、ハンドルグリップ2が更に押し込まれると、図5に示すように該ハンドルグリップ2の左右の軸支部2aにベース部材3のハンドル支持部3cが完全に係合されてハンドルグリップ2がベース部材3のハンドル支持部3cを中心として回動可能に軸支される。又、ダブルトーションスプリング9の規制部9aが自身の復元力によってハンドルグリップ2の凹部2bに係合し(図4参照)、ハンドルグリップ2は、ダブルトーションスプリング9の規制部9aによってベース部材3のハンドルハンドルグリップ支持部3cに対して径方向への移動が規制されるとともに、操作前の初期位置(図5に示す位置)側へ向けて付勢される。即ち、ダブルトーションスプリング9は、その規制部9aがハンドルグリップ2を操作前の初期位置側へ向けて付勢する付勢力を有している。又、図5に示すように、ハンドルグリップ2のアーム部2Aの底面にベース部材3の板バネ片3eの突起3fが当接するため、アーム部2Aの軸支部2aがベース部材3のハンドル支持部3c側(図5の上方)に付勢され、これによってハンドルグリップ2の上下方向のガタツキが抑えられる。
【0034】
そして、最後にエンドカバー8をネジ6によって固定すると、ベース部材3がドアパネル10に対して脱落不能に取り付けられ、図3及び図5に示すようにドアハンドル装置1が組み付けられる。
【0035】
而して、以上のように組み付けられたドアハンドル装置1において、乗員がハンドルグリップ2とベース部材3との間の空間(隙間)Sに手を差し込んでハンドルグリップ2を把持し、該ハンドルグリップ2を手前側(図7の上方)に引くと、該ハンドルグリップ2は、ベース部材3のハンドル支持部3cを中心として図7の矢印方向に回動する。このようにハンドルグリップ2が回動すると、該ハンドルグリップ2の操作部2Bがレバー11の操作受部11bに作用して図6に示すレバー11をトーションスプリング12の付勢力に抗して軸部3iを中心として反矢印方向(図6の反時計方向)に回動させるため、該レバー11のロッド連結部11cに連結された不図示のロッドを介して不図示のドアロック装置が操作され、該ドアロック装置によるドアのロックが解除されて乗員はドアを開くことができる。
【0036】
以上において、本発明に係るドアハンドル装置1によれば、ハンドルグリップ2のアーム部2Aに形成された凹部2bにダブルトーションスプリング9の規制部9aが係合するため、ハンドルグリップ2のベース部材3のハンドル支持部3cを中心とする回動がガタ無く確実になされて車両用ドアのロックが解除される。そして、ダブルトーションスプリング9は、それ自身の付勢力によってベース部材3の支持基板3bに係着されるため、該ダブルトーションスプリング9をボルト等の締結部材を用いることなくベース部材3に容易に装着することができる。
【0037】
又、本発明に係るドアハンドル装置1によれば、ハンドルグリップ2の一端をベース部材3のハンドル支持部3cに装着する際には、ダブルトーションスプリング9の規制部9aがハンドルグリップ2のアーム部2Aに設けられた傾斜面2cに沿って凹部2bへと案内されて該凹部2bに係合するため、ハンドルグリップ2をベース部材3に対してスライドさせて装着することによって、ダブルトーションスプリング9の規制部9aがハンドルグリップ2の凹部2bに自動的に係合される。このため、ダブルトーションスプリング9をハンドルグリップ2に容易に取り付けることができる。又、弾性部材をダブルトーションスプリング9によって構成したため、該ダブルトーションスプリング9をベース部材3に容易に取り付けることができ、ダブルトーションスプリング9の振動等による脱落を防ぐことができる。
【0038】
更に、本発明に係るドアハンドル装置1においては、ハンドルグリップ2はダブルトーションスプリング9の付勢力によって操作前の初期位置側(閉方向)に付勢されるため、外部からの衝撃でハンドルグリップ2が慣性力によって不意に開方向に作動して車両用ドアのロックが解除されるという不具合の発生が防がれる。
【0039】
又、本発明に係るドアハンドル装置1においては、ベース部材3の支持基板3bに設けられた突出部3dをハンドル支持部3cと同軸に配置したため、ダブルトーションスプリング9の規制部9aは、ハンドルグリップ2の回動支点となるベース部材3のハンドル支持部3cと同軸の突出部3dを支点として回動する。このため、ハンドルグリップ2を開方向に操作した状態においても、ダブルトーションスプリング9の規制部9aはハンドルグリップ2の凹部2bとの係合状態を維持することができ、ハンドルグリップ2の操作時の径方向へのガタツキが抑制され、該ハンドルグリップ2をガタ無く確実に操作して車両用ドアのロックを解除することができる。
【0040】
尚、本実施の形態においては、ハンドルグリップ2の軸支部2aを横U溝状に形成するとともに、ベース部材3のハンドル支持部3cをピン状に設けて、ハンドルグリップ2をベース部材3に軸支するように構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、逆に、ハンドルグリップ2の軸支部2aをピン状に突出させて設けるとともに、ベース部材3のハンドル支持部3cを横U溝状に形成してしても良い。この場合、ハンドルグリップ2の回動支点は軸支部2aとなり、これと同軸となるように突出部3dを設けるようにすれば、ハンドルグリップ2を開方向に操作した状態においても、ダブルトーションスプリング9の規制部9aはハンドルグリップ2の凹部2bとの係合状態を維持することができ、ハンドルグリップ2の径方向へのガタツキを抑制することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ドアハンドル装置
2 ハンドルグリップ
2A ハンドルグリップのアーム部
2B ハンドルグリップの操作部
2a ハンドルグリップの軸支部
2b ハンドルグリップの凹部
2c ハンドルグリップの傾斜面
2d ハンドルグリップのハンドルシート
2e ハンドルグリップの突起部
2f ハンドルグリップの係合凹部
3 ベース部材
3A ベース部材のアーム部収納部
3B ベース部材の貫通孔
3a ベース部材の凹形状部
3b ベース部材の支持基板
3c ベース部材のハンドル支持部
3d ベース部材の突出部
3e ベース部材の板バネ片
3f ベース部材の突起
3g ベース部材のスプリング係止部
3h ベース部材の切込溝
3i ベース部材の軸部
4 ネジ
5 ナット
6 ネジ
7 ナット
8 エンドカバー
9 ダブルトーションスプリング(弾性部材)
9a ダブルトーションスプリングの規制部
9b ダブルトーションスプリングの係止部
9c ダブルトーションスプリングのコイル部
10 ドアパネル
10a ドアパネルの凹形状
10b ドアパネルの装着孔
11 レバー
11a レバーのストッパ部
11b レバーの操作受部
11c レバーのロッド連結部
12 トーションスプリング
S 空間(隙間)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアパネルに固定され、相対向する一対の支持基板の間に設けられたハンドル支持部を有するベース部材と、
一端側に突設されたアーム部、該アーム部の先端に設けられて前記ベース部材のハンドル支持部によって回動可能に支持される軸支部及び他端側に前記ベース部材に設けられたレバーを操作するための操作部が設けられたハンドルグリップと、
前記ベース部材の一対の支持基板間に掛け渡される規制部を有し、それ自身の付勢力によって前記ベース部材の支持基板に係着された弾性部材と、
を備えたドアハンドル装置であって、
前記ハンドルグリップのアーム部に、前記弾性部材の規制部が係合する凹部を形成したことを特徴とするドアハンドル装置。
【請求項2】
前記ハンドルグリップのアーム部に、前記弾性部材の規制部を付勢力に抗して前記凹部へと案内するための傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1記載のドアハンドル装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、その規制部が前記ハンドルグリップを操作前の初期位置側へ向けて付勢する付勢力を有することを特徴とする請求項1又は2記載のドアハンドル装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、その両端に設けられた係止部と、該係止部と前記規制部との間にそれぞれ設けられたコイル部とを備えたダブルトーションスプリングによって構成され、
前記ベース部材の支持基板に、前記ダブルトーションスプリングのコイル部を支持する突出部と、前記係止部を係止するスプリング係止部とを設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のドアハンドル装置。
【請求項5】
前記ベース部材の支持基板に設けられた突出部を前記ハンドルグリップの回動支点と同軸に配置したことを特徴とする請求項4記載のドアハンドル装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−112986(P2013−112986A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259677(P2011−259677)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)