説明

ドアホンシステム

【課題】ドアホン親機と中継器との通信エラー状況をモニタすることにより、システム全体での通信品質を向上させることが可能なドアホンシステムを提供する。
【解決手段】ドアホンシステムは、ドアホン子機、ドアホン親機、中継器、及びコードレス子機を備え、中継器を経由してドアホン親機とコードレス子機との無線通信リンクが確立されている。具体的には、ドアホンシステムは、中継器に対して送信される無線信号の通信エラーを判別して、ドアホン親機と中継器との間における通信エラー率を計測する。そして、通信エラー率に基づいてコードレス子機に無線信号を送信する回数を設定する。これにより、中継器からコードレス子機に送信される無線信号における通信エラーの発生を効果的に低減することができ、同報通信時におけるドアシステム全体での通信品質を向上させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、玄関口にドアホン子機を設置するとともに、家屋内にドアホン親機を設置し、ドアホン子機とドアホン親機との間で双方向の音声の送受信を行って来訪者との応対を行えるようにしたドアホンシステムが知られている。例えば、特許文献1には、コードレス電話の外線通信や内線通信とドアホンの呼出とが同時に発生した場合でも、無線リソース不足によるビジー状態の発生を低減し、又、それぞれの呼出の報知が可能なドアホンシステムが記載されている。この技術では、無線信号をパケット伝送している。また、特許文献2には、来訪者の来訪を表わす来訪者情報の報知動作が不可能な状態であっても、その来訪者情報を操作者に認識されることが可能なドアホンシステムが記載されている。その他にも、本発明に関連のある技術が、特許文献3及び4に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−13539号公報
【特許文献2】特開2004−241985号公報
【特許文献3】特開2004−304551号公報
【特許文献4】特開2006−101326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1乃至4に記載された技術では、コードレス子機の呼び出し時におけるドアホン親機からコードレス子機への同報送信動作などにおいて、通信エラーに対する回復処理を行うことができずに、システム全体での通信品質が低下してしまう場合があった。これは、コードレス子機の呼び出し時にはドアホン親機とコードレス子機との間で無線通信リンクを確立せずに片方向の同報送信を行っていること等に起因する。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、ドアホン親機と中継器との通信エラー状況をモニタすることにより、システム全体での通信品質を向上させることが可能なドアホンシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、ドアホン子機と、前記ドアホン子機と有線接続されたドアホン親機と、前記ドアホン親機と無線接続された中継器と、前記中継器と無線接続されたコードレス子機と、を備え、前記中継器を経由して前記ドアホン親機と前記コードレス子機との無線通信リンクを確立するドアホンシステムは、前記ドアホン親機から前記中継器に対して送信される無線信号における通信エラーを判別する通信エラー判別手段と、前記通信エラー判別手段によって判別された前記通信エラーに基づいて、前記ドアホン親機と前記中継器との間の無線通信における通信エラー率を計測する通信エラー率計測手段と、前記コードレス子機の呼び出し時において、前記通信エラー率計測手段によって計測された前記通信エラー率に基づいて、前記中継器から前記コードレス子機に対して前記無線信号を送信する回数を設定する送信回数設定手段と、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の1つの実施形態では、ドアホン子機と、前記ドアホン子機と有線接続されたドアホン親機と、前記ドアホン親機と無線接続された中継器と、前記中継器と無線接続されたコードレス子機と、を備え、前記中継器を経由して前記ドアホン親機と前記コードレス子機との無線通信リンクを確立するドアホンシステムは、前記ドアホン親機から前記中継器に対して送信される無線信号における通信エラーを判別する通信エラー判別手段と、前記通信エラー判別手段によって判別された前記通信エラーに基づいて、前記ドアホン親機と前記中継器との間の無線通信における通信エラー率を計測する通信エラー率計測手段と、前記コードレス子機の呼び出し時において、前記通信エラー率計測手段によって計測された前記通信エラー率に基づいて、前記中継器から前記コードレス子機に対して前記無線信号を送信する回数を設定する送信回数設定手段と、を備える。
【0008】
上記のドアホンシステムは、ドアホン子機とドアホン親機との間で双方向の音声の送受信を行って来訪者との応対を行うために好適に利用される。具体的には、ドアホンシステムは、ドアホン子機と、ドアホン子機と有線接続されたドアホン親機と、ドアホン親機と無線接続された中継器と、中継器と無線接続されたコードレス子機と、を備え、中継器を経由してドアホン親機とコードレス子機との無線通信リンクを確立する。この場合、通信エラー判別手段は、ドアホン親機から中継器に対して送信される無線信号における通信エラーを判別し、通信エラー率計測手段は、通信エラーに基づいて、ドアホン親機と中継器との間の無線通信における通信エラー率を計測する。そして、送信回数設定手段は、通信エラー率に基づいて、中継器からコードレス子機に対して無線信号を送信する回数を設定する。つまり、上記のドアホンシステムは、ドアホン親機と中継器との間の通信エラー状況(周囲の電波状況に相当する)を随時モニタして、その結果により、コードレス子機の呼び出し時において中継器からコードレス子機への同報送信動作を切り替える。これにより、中継器からコードレス子機に送信される無線信号における通信エラーの発生を効果的に低減することができ、同報通信時におけるドアシステム全体での通信品質を向上させることが可能となる。
【0009】
上記のドアホンシステムの一態様では、前記送信回数設定手段は、前記通信エラー率が所定値よりも大きい場合には前記無線信号を送信する回数を2回以上に設定し、前記通信エラー率が前記所定値以下である場合には前記無線信号を送信する回数を1回に設定することができる。
【0010】
上記のドアホンシステムの他の一態様では、前記中継器は、前記コードレス子機の呼び出し時において、前記通信エラー判別手段によって通信エラーと判別された無線信号の再送信を前記ドアホン親機に対して要求すると共に、前記通信エラー判別手段によって通信エラーがないと判別された無線信号が受信された場合に、前記送信回数設定手段によって設定された回数によって、前記無線信号を前記コードレス子機に対して送信する。これにより、コードレス子機の呼び出し時に、ドアホン親機と中継器との間における通信をエラーフリーとすることができる。
【0011】
上記のドアホンシステムにおいて好適には、前記無線信号は、前記ドアホン子機のカメラで撮像された画像データを画像圧縮し、前記画像圧縮した後の画像データを複数のパケットに分割して作成されたパケットデータに相当する。また、前記通信エラー判別手段は、前記パケットデータ内のエラー検出コードに基づいて前記通信エラーの判別を行う。更に、前記通信エラー判別手段は、1つの前記パケットデータごとに前記通信エラーの判別を行い、前記中継器は、前記通信エラー判別手段によって通信エラーと判別された場合に、1つの前記パケットデータごとに前記ドアホン親機に対して再送信の要求を行う。
【0012】
上記のドアホンシステムの他の一態様では、前記ドアホン親機と前記中継器と前記コードレス子機との間で、周波数ホッピング方式で無線通信が行われる。これにより、送信に使用される周波数が1回の送信ごとに変更されるため、通信エラー率が比較的高い場合において無線信号を複数回送信することにより、無線信号に使用される周波数が妨害波の周波数に重複してしまうことを適切に抑制することができ、コードレス子機における通信エラーの発生を効果的に低減することが可能となる。
【0013】
好適には、前記通信エラー率計測手段は、前記コードレス子機の呼び出し時に、前記通信エラー率を計測する。
【0014】
また好適には、前記通信エラー率計測手段は、来訪者と応対を行うための無線通信リンクが確立されていない時間を利用して、前記通信エラー率を計測する。
【0015】
好適な実施例では、前記通信エラー率計測手段は、前記中継器に備えられる。
【0016】
また好適な実施例では、前記通信エラー率計測手段は、前記ドアホン親機に備えられる。
【0017】
上記のドアホンシステムの他の一態様では、前記ドアホン親機は、前記中継器と無線通信を行う第1の無線部を備え、前記コードレス子機は、前記中継器と無線通信を行う第3の無線部を備え、前記中継器は、前記第1の無線部及び前記第3の無線部に対してそれぞれ親機として機能する回線制御部を備え、前記第1の無線部及び前記第3の無線部とそれぞれ無線通信を行う第2の無線部を備える。この場合、ドアホンシステムは、中継器が無線親機として機能し、ドアホン親機及びコードレス子機が無線子機として機能して、無線通信リンクが形成されている。
【0018】
上記のドアホンシステムの他の一態様では、前記中継器は、コードレス電話機として動作するための電話回線インターフェース回路を備える。この態様では、中継器はコードレス電話機として構成される。具体的には、上記のドアホンシステムでは、コードレス電話機が無線親機として機能し、ドアホン親機及びコードレス子機が無線子機として機能して、無線通信リンクが形成されている。これにより、ドアホンシステムとコードレス電話機とを組み合わせたシステムを容易に構築することが可能となる。また、コードレス電話子機を備えるものでは、このコードレス電話子機をコードレス子機として機能させることが可能となる。
【実施例】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
[システム構成]
まず、本発明の実施例に係るドアホンシステムについて説明する。図1は、実施例に係るドアホンシステム101のシステム構成を示す概略図である。
【0021】
ドアホンシステム101は、主に、ドアホン子機1と、ドアホン親機2と、中継器3と、コードレス子機4a〜4dと、を備える。以下では、コードレス子機4a〜4dのそれぞれを区別しないで用いる場合には、単に「コードレス子機4」と表記する。基本的には、ドアホンシステム101は、ドアホン子機1と、ドアホン親機2又はコードレス子機4との間で双方向の音声の送受信を行って、来訪者との応対が可能なシステムである。詳しくは、ドアホンシステム101は、音声信号だけでなく、ドアホン子機1のカメラで撮像された映像信号も通信可能なテレビドアホンシステムとして構成されている。
【0022】
ドアホン子機1は宅外(玄関口など)に設置され、ドアホン親機2は宅内(居間など)に設置される。ドアホン子機1とドアホン親機2とは、2線式の信号線Lによって有線接続されており、この信号線Lによって通信を行う。また、ドアホン親機2と中継器3とは無線接続されており、中継器3とコードレス子機4とは無線接続されている。具体的には、ドアホンシステム101においては、中継器3が無線親機として機能し、ドアホン親機2及びコードレス子機4が無線子機として機能して、無線通信リンクが形成されている。つまり、中継器3を経由して、ドアホン親機2とコードレス子機4との間の無線通信リンクが確立されている。これにより、ドアホン親機2とコードレス子機4との間の無線通信は、全て中継器3を経由して行われることとなる。
【0023】
また、中継器3は、コードレス子機4aを充電可能に構成されている。つまり、中継器3は、コードレス子機4aを充電する機能を有する充電部(不図示)を具備する。例えば、中継器3は、コードレス子機4aを上部に載置可能な充電台として構成される。更に、中継器3は、無線通信機能のオン/オフがスイッチなどにより切り替え可能に構成されている。一方、コードレス子機4b、4c、4dは、それぞれを充電可能な充電台5b、5c、5d上に載置されている。なお、図1では、4つのコードレス子機4a〜4dを用いて構成されたドアホンシステム101を示しているが、コードレス子機4を1つのみ用いてドアホンシステムを構成しても良いし、5つ以上のコードレス子機4を用いてドアホンシステムを構成しても良い。
【0024】
ここで、ドアホンシステム101における無線通信リンクについて簡単に説明する。基本的には、ドアホン子機1の呼出ボタンが押下された際に、ドアホン親機2と中継器3との間で無線通信リンクが確立されて双方向通信が行われる。この場合、中継器3とコードレス子機4との間では無線通信リンクが確立されず、中継器3からコードレス子機4への片方向の同報送信(ブロードキャスト)が行われる。この後に、コードレス子機4の通話ボタンが押下された場合に、中継器3とコードレス子機4との間で無線通信リンクが確立されて双方向通信が行われることとなる。具体的には、コードレス子機4a〜4dうちのいずれか(つまり、通話ボタンが押下げられたコードレス子機)と中継器3との間で双方向通信が行われる。
【0025】
[各構成部における構成]
図2は、本実施例に係るドアホンシステム101の全体構成を示すブロック図である。前述したように、ドアホンシステム101は、ドアホン子機1、ドアホン親機2、中継器3、及びコードレス子機4を備える。なお、図2では、説明の便宜上、1つのコードレス子機4を代表して示している。実際には、ドアホンシステム101は1つ以上のコードレス子機4を有している。
【0026】
ドアホン子機1は、主に、マイク11と、スピーカ12と、呼出ボタン13と、多重回路14と、カメラ15と、を備える。マイク11は来訪者の音声を集音し、スピーカ12はユーザ(宅内にいる者を意味するものとする)の音声などを出力する。呼出ボタン13は、来訪者が呼び出しを行う場合などに押下される。カメラ15は、CCD等の撮像素子を備えて構成され、来訪者を撮像する。なお、カメラ15は、呼出ボタン13が押下された際などに起動される。多重回路14は、音声信号や画像信号や、呼出ボタン13の操作に対応する信号などを処理すると共に、信号線Lを介してドアホン親機2との間で信号の入出力を行う。具体的には、多重回路14は、来訪者が呼出ボタン13を押下すると、呼出ボタン13の押下に対応する信号(以下、「呼び出し信号」とも呼ぶ。)をドアホン親機2に送信する。また、多重回路14は、マイク11によって集音された来訪者の音声に対応する信号が入力され、この信号をドアホン親機2へ送信すると共に、ドアホン親機2からユーザの音声に対応する信号を受信して、この信号をスピーカ12に出力する。更に、多重回路14は、カメラ15で撮像された画像データをドアホン親機2に送信する。
【0027】
次に、ドアホン親機2は、主に、多重回路21と、映像信号処理部22と、表示パネル23と、A/D変換部24aと、画像蓄積部24bと、画像圧縮処理部24cと、パケットデータバッファ24dと、無線ユニット25と、制御部26と、音声信号処理部27と、マイク27aと、スピーカ27bと、操作部28と、アンテナ29と、を備える。多重回路21は、制御部26によって制御されると共に、映像信号処理部22及び音声信号処理部27との間で信号の入出力を行う。映像信号処理部22は、ドアホン子機1のカメラ15で撮像された画像データを復調し、表示パネル23は、液晶などにより構成され、映像信号処理部22で復調された画像データを表示する。また、A/D変換部24aは映像信号処理部22からの画像データをA/D変換し、画像蓄積部24bはメモリ(フレームメモリ)に当該画像データを蓄積する。具体的には、画像蓄積部24bは、適切なタイミングでキャプチャされた画像データ(静止画像に相当する)を蓄積する。そして、画像圧縮処理部24cは画像蓄積部24bに蓄積された画像データをJPEGのフォーマット等により圧縮する処理を行い、パケットデータバッファ24dには圧縮された画像データを更にN個のパケットに分割して作成されたパケットデータが格納される。
【0028】
音声信号処理部27は音声信号の変調/復調を行い、マイク27aはユーザの音声を集音する。スピーカ27bは、来訪者の音声を出力すると共に、ドアホン子機1からの呼び出し信号が受信された際に、呼び出し音を発生させる。操作部28は、各種のボタン(不図示)からなり、ユーザがドアホン親機2によって通話を行う場合や、ユーザがドアホン親機2による通話を終了する場合などに操作される。制御部26は、操作部28からの信号が入力されると共に、多重回路21や映像信号処理部22や音声信号処理部27や無線ユニット25などに対する制御を行う。
【0029】
無線ユニット25は、アンテナ29を介して、中継器3と無線通信可能に構成されている。具体的には、無線ユニット25は、中継器3内の無線ユニット32に対して子機として機能して(つまり、無線ユニット32を親機として)、無線通信を行う。詳しくは、無線ユニット25は、ドアホン子機1からの呼び出し信号が受信された際に、アンテナ29を介して中継器3に対して呼び出し信号を送信することによって、中継器3との無線通信リンクを確立する。この際に、無線ユニット25は、パケットデータバッファ24dに格納されたパケットデータなどを中継器3に対して送信する。このように、無線ユニット25は、第1の無線部に相当する。
【0030】
また、本実施例では、制御部26は以下のような処理を行う。制御部26は、中継器3からコードレス子機4の呼び出し時などにおいて、無線ユニット25を介して中継器3よりパケットデータの再送信要求が受信された場合に、中継器3に対して当該パケットデータが再送されるように処理を行う。そして、制御部26は、中継器3から次のパケットデータの送信要求があった場合に、次のパケットデータが送信されるように処理を行う。こうして、制御部26は、1つの画像に相当するN個のパケットデータが全て中継器3に送信されるように処理を行う。
【0031】
次に、中継器3は、アンテナ31と、無線ユニット32と、パケットデータバッファ33と、制御部34と、通信エラー率計測部35と、を備える。パケットデータバッファ33は、無線ユニット32を介して受信されたパケットデータを格納し、制御部34は、無線ユニット32や通信エラー率計測部35などに対する制御を行う。通信エラー率計測部35は、ドアホン親機2から中継器3へ送信されたパケットデータにおける通信エラーに基づいて、ドアホン親機2と中継器3との間における通信エラー率を計測する。具体的には、通信エラー率計測部35は、中継器3が受信したパケット総数に対して通信エラーが発生したパケット数の割合を、通信エラー率として取得する。例えば、通信エラー率計測部35は、コードレス子機4の呼び出し時などにおいて、通信エラー率の計測を行う。このように、通信エラー率計測部35は、通信エラー率計測手段に相当する。
【0032】
無線ユニット32は、回線制御によって、ドアホン親機2内の無線ユニット25及びコードレス子機4内の無線ユニット42と無線通信可能に構成されている。具体的には、無線ユニット32は、回線制御部(不図示)などを内蔵し、無線ユニット25、42に対して親機として機能して(つまり、無線ユニット25、42を子機として)、無線通信を行う。これにより、中継器3を経由してドアホン親機2とコードレス子機4との間で無線通信を行うことが可能となる。無線ユニット32は、ドアホン親機2からの呼び出し信号を受信した際に、アンテナ31を介してコードレス子機4に対して呼び出し信号を送信することによって、コードレス子機4との無線通信リンクを確立する。より具体的には、無線ユニット32は、ドアホン親機2の無線ユニット25よりパケットデータなどを受信すると共に、パケットデータバッファ33に格納されたパケットデータなどをコードレス子機4に対して送信する。例えば、無線ユニット32は、コードレス子機4の呼び出し動作(ブロードキャスト)時には、コードレス子機4に対してパケットデータを同報送信する。なお、無線ユニット32は、ドアホンシステム101が複数のコードレス子機4を備えて構成されている場合には、全てのコードレス子機4に対してパケットデータを同報送信する。このように、無線ユニット32は、第2の無線部に相当する。
【0033】
また、本実施例では、制御部34は以下のような処理を行う。制御部34は、ドアホン親機2から中継器3へ送信されたパケットデータにおける通信エラーを判別し、通信エラーと判別されたパケットデータの再送信をドアホン親機2に対して要求するよう処理を行う。また、制御部34は、通信エラー率計測部35で計測された通信エラー率に基づいて、中継器3からコードレス子機4に対してパケットデータを送信する回数を設定する。そして、制御部34は、通信エラーがないと判別されたパケットデータが受信された場合に、このように設定された送信回数にて、当該パケットデータがコードレス子機4に同報送信されるように処理を行う。例えば、制御部34は、通信エラー率が所定値よりも大きい場合にはパケットデータを2回送信し、通信エラー率が所定値以下である場合にはパケットデータを1回のみ送信する処理を行う。なお、制御部34は、1つのパケットデータごとに通信エラーの判別を行い、1つのパケットデータごとに再送信の要求を行う。このように、中継器3内の制御部34は、通信エラー判別手段、及び送信回数設定手段として動作する。
【0034】
次に、コードレス子機4は、アンテナ41と、無線ユニット42と、制御部43と、パケットデータバッファ44aと、画像伸張処理部44bと、画像蓄積部44cと、表示パネルドライブ回路45と、表示パネル46と、音声信号処理部47と、マイク47aと、スピーカ47bと、通話ボタン48aと、終話ボタン48bと、を備える。パケットデータバッファ44aは無線ユニット42を介して受信されたパケットデータを格納し、画像伸張処理部44bはN個のパケットデータ(圧縮画像データに相当する)が全て受信された時点でJPEGのフォーマット等により画像データを伸張する処理を行い、画像蓄積部44cは伸張された画像データをメモリ(フレームメモリ)に蓄積する。そして、表示パネルドライブ回路45は表示パネル46を駆動することによって、画像蓄積部44cに蓄積された画像データを表示パネル46に表示させる。表示パネル46は、液晶などを用いて構成された表示装置である。
【0035】
音声信号処理部47は、音声信号の変調/復調を行う。マイク47aは、ユーザの音声を集音し、スピーカ47bは、来訪者の音声を出力すると共に、中継器3からの呼び出し信号を受信した際に呼び出し音を発生させる。通話ボタン48aは、ユーザがコードレス子機4によって通話を行う場合などに押下され、終話ボタン48bは、ユーザがコードレス子機4による通話を終了する場合などに押下される。制御部43は、通話ボタン48a及び終話ボタン48bからの信号が入力されると共に、音声信号処理部47や無線ユニット42などに対する制御を行う。
【0036】
無線ユニット42は、アンテナ41を介して、中継器3と無線通信可能に構成されている。具体的には、無線ユニット42は、中継器3内の無線ユニット32に対して子機として機能して(つまり、無線ユニット32を親機として)、無線通信を行う。詳しくは、無線ユニット42は、中継器3からの呼び出し信号を受信し、且つ通話ボタン48aの押下があった場合に、中継器3との無線通信リンクを確立する。これにより、ドアホン親機2と中継器3とコードレス子機4との間で無線通信リンクが確立されることなる。つまり、ドアホン子機1とドアホン親機2と中継器3とコードレス子機4との間で音声リンクが形成される。これにより、ドアホン子機1とコードレス子機4との間で、来訪者とユーザとが会話を行うことが可能となる。このように、無線ユニット42は、第3の無線部に相当する。
【0037】
ここで、図3を参照して、ドアホン親機2、中継器3、コードレス子機4間の無線通信方式について説明する。本実施例では、ドアホン親機2と中継器3とコードレス子機4との間における無線通信方式として、周波数ホッピング方式(FHSS;Frequency Hopping Spread Spectrum)を用いる。なお、図3では、横軸に時間を示し、縦軸に周波数を示している。図示のように、周波数ホッピング方式では、所定時間ごとに、無線信号を送受信する際に設定する周波数が変化される。言い換えると、1つのパケットデータごとに、送信時に使用される周波数が変化される。この例では、周波数をf0→f7→f4→f1→f5→f2→f6→f3の順で周波数が変化されている。このように変化させる周波数や周波数を変化させる順番などは、予め定められている。
【0038】
また、図3中のハッチング領域A1は、無線LANや電子レンジなどが用いている電波の周波数を表している。このような電波は、ドアホン親機2、中継器3、コードレス子機4間の無線通信において妨害波となり得る。具体的には、周波数f4がハッチング領域A1内に位置するため、周波数f4を用いた際の無線信号は通信エラーとなる可能性が高いものと考えられる。
【0039】
次に、図4を参照して、中継器3が無線通信を行う際の送信スロット及び受信スロットの状態の例について説明する。図4は、送信スロット及び受信スロットからなる時分割多重のスロットを示している。具体的には、送信スロットはスロットSL1及びスロットSL2から構成され、受信スロットはスロットSL3及びスロットSL4から構成される。スロットSL1は中継器3からドアホン親機2へパケットデータを送信するために用いられ、スロットSL2は中継器3からコードレス子機4へパケットデータを同報送信するために用いられる。これに対して、スロットSL3は中継器3がドアホン親機2からのパケットデータを受信するために用いられ、スロットSL4は未使用となっている。
【0040】
次に、図5を参照して、パケットデータ構造の例について説明する。図示のように、パケットデータは、画像通し番号に対応するデータD1と、パケット番号に対応するデータD2と、画像データD3と、エラー検出コードD4とから構成される。画像通し番号は、ドアホン親機2でキャプチャされた画像における通し番号に相当し、パケット番号はN個に分割されたパケットデータにおける通し番号に相当する。また、画像データD3は、画像圧縮された画像データをN個のパケットに分割したデータに相当する。つまり、画像データD3はペイロードに相当する。更に、エラー検出コードD4は、チェックサムやCRC(Cyclic Redundancy Check)等に相当する。このエラー検出コードD4は、ドアホン親機2によりパケットデータ内に埋め込まれる。そして、中継器3は、エラー検出コードD4に基づいて、パケットデータにおける通信エラーを判別する。
【0041】
[各構成部が行う処理]
以下では、ドアホン親機2、中継器3、及びコードレス子機4が行う処理について説明する。
【0042】
本実施例では、中継器3は、コードレス子機4の呼び出し時に、通信エラー率計測部35で計測された通信エラー率に基づいて、コードレス子機4に対してパケットデータを送信する回数を設定する。具体的には、中継器3は、通信エラー率が所定値よりも大きい場合にはパケットデータを2回以上送信し、通信エラー率が所定値以下である場合にはパケットデータを1回のみ送信するように同報送信動作を切り替える。つまり、本実施例では、ドアホン親機2と中継器3との間の通信エラー状況(周囲の電波状況に相当する)を随時モニタして、その結果により、コードレス子機4の呼び出し時における中継器3からコードレス子機4への同報送信動作を切り替える。更に、本実施例では、コードレス子機4の呼び出し時において、中継器3は、通信エラーと判別されたパケットデータの再送信をドアホン親機2に対して要求するよう処理を行い、このような処理の結果、通信エラーのないパケットデータがドアホン親機2から受信された際に、当該パケットデータがコードレス子機4に送信されるように処理を行う。
【0043】
上記した通信を行うのは、以下のような理由による。コードレス子機4の呼び出し時には、中継器3とコードレス子機4との間では無線通信リンクが確立されず、中継器3からコードレス子機4への片方向の同報送信が行われる。そのため、中継器3からコードレス子機4へ送信されたパケットデータにおいて通信エラーが発生しても、基本的には、エラー回復を行うことはできない。つまり、コードレス子機4の呼び出し時には中継器3とコードレス子機4との間で双方向通信が行われないため、コードレス子機4は通信エラーのあるパケットデータの再送信を中継器3に対して要求することができず(言い換えると中継器3はコードレス子機4からの再送信要求を受け取ることができず)、エラー回復ができない。そのため、ドアホンシステム全体での通信品質が低下してしまう場合がある。
【0044】
したがって、本実施例では、ドアホン親機2と中継器3との間の通信状況を随時モニタして、その結果に基づいて、コードレス子機4の呼び出し時に中継器3からコードレス子機4への同報送信動作を最適なものに切り替える。基本的には、コードレス子機4は中継器3の近傍に配置される傾向にあるので、ドアホン親機2と中継器3との間の通信状況(通信エラー率に相当する)が、ドアホン親機2〜コードレス子機4間の通信状態を代表して表しているものと考えることができる。よって、通信エラー率に応じて同報送信動作を切り替えることにより、中継器3からコードレス子機4に送信されるパケットデータにおける通信エラーの発生を効果的に低減することが可能となる。具体的には、周波数ホッピング方式で無線通信を行った場合には、送信に使用される周波数が1パケット送信ごとに変更されるため、通信エラー率が比較的高い場合においてパケットデータを複数回送信することにより、パケットデータに使用される周波数が妨害波の周波数に重複してしまうことを適切に抑制することができ(図3参照)、コードレス子機4における通信エラーの発生を効果的に低減することが可能となる。以上より、本実施例によれば、同報通信時におけるドアシステム101全体での通信品質を向上させることが可能となる。
【0045】
ここで、図6乃至図9を参照して、ドアホン親機2、中継器3、及びコードレス子機4が行う処理について具体的に説明する。
【0046】
図6は、ドアホン親機2、中継器3、及びコードレス子機4のそれぞれが行う全体処理を示すフローチャートである。具体的には、図6は、ドアホン親機2、中継器3、コードレス子機4間の無線通信リンクを確立して、当該無線通信リンクを切断するまでの処理を大まかに示している。また、ステップS101〜S105の処理はドアホン親機2によって行われ、ステップS106〜S112の処理は中継器3によって行われ、ステップS113〜S118の処理はコードレス子機4によって行われる。
【0047】
まず、ドアホン親機2が行う処理について説明する。ステップS101では、ドアホン親機2は、来訪者によりドアホン子機1の呼出ボタン13の押下があったか否かを判定する。つまり、ドアホン子機1より呼び出し信号が受信されたか否かを判定する。呼出ボタン13の押下があった場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、呼出ボタン13の押下がなかった場合(ステップS101;No)、処理はステップS101に戻る。
【0048】
ステップS102では、ドアホン親機2は、中継器3を呼び出すための処理を実行する。具体的には、ドアホン親機2は、呼出ボタン13の押下があったため(ステップS101;Yes)、ドアホン子機1からの呼び出し信号が受信されるので、中継器3に対して呼び出し信号を送信する。そして、処理はステップS103に進む。ステップS103では、ドアホン親機2は、中継器3との無線通信リンクを確立する。具体的には、中継器3における回線制御部の制御により、ドアホン親機2及び中継器3が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが確立される。そして、処理はステップS104に進む。
【0049】
ステップS104では、ドアホン親機2は、後述するパケットデータ送信処理を実行する。そして、処理はステップS105に進む。ステップS105では、ドアホン親機2は、中継器3との無線通信リンクを切断する。具体的には、ユーザによるコードレス子機4の終話ボタン48bの押下があり、中継器3とコードレス子機4との無線通信リンクが切断された場合に、ドアホン親機2は、中継器3との無線通信リンクを切断する。この場合、中継器3の回線制御部の制御により、ドアホン親機2及び中継器3が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが切断される。その後、ドアホン親機2は、待ち受け状態に推移する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
【0050】
次に、中継器3が行う処理について説明する。ステップS106では、中継器3は、ドアホン親機2から呼び出しがあったか否かを判定する。つまり、ドアホン親機2からの呼び出し信号が受信されたか否かを判定する。なお、ドアホン親機2は、前述したステップS102の処理において、中継器3に対して呼び出し信号を送信する。ドアホン親機2から呼び出しがあった場合(ステップS106;Yes)、処理はステップS107に進み、呼び出しがなかった場合(ステップS106;No)、処理はステップS106に戻る。
【0051】
ステップS107では、ドアホン親機2から呼び出しがあったため、中継器3は、ドアホン親機2との無線通信リンクを確立する。具体的には、中継器3の回線制御部の制御により、ドアホン親機2及び中継器3が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが確立される。そして、処理はステップS108に進む。ステップS108では、中継器3は、コードレス子機4を呼び出すための処理を実行する。具体的には、中継器3は、コードレス子機4に対して呼び出し信号を送信する。そして、処理はステップS109に進む。
【0052】
ステップS109では、中継器3は、後述するパケットデータ送受信処理を実行する。そして、処理はステップS110に進む。ステップS110では、中継器3は、コードレス子機4との無線通信リンクを確立する。具体的には、ユーザによりコードレス子機4における通話ボタン48aの押下があった場合に、中継器3は、コードレス子機4との無線通信リンクを確立する。この場合、中継器3の回線制御部の制御により、中継器3及びコードレス子機4が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが確立される。そして、処理はステップS111に進む。
【0053】
ステップS111では、中継器3は、コードレス子機4との無線通信リンクを切断する。具体的には、ユーザによりコードレス子機4における終話ボタン48bの押下があった場合に、中継器3は、コードレス子機4との無線通信リンクを解除する。この場合、中継器3の回線制御部の制御により、中継器3及びコードレス子機4が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが切断される。そして、処理はステップS112に進む。ステップS112では、中継器3は、ドアホン親機2との無線通信リンクを切断する。この場合にも、中継器3の回線制御部の制御により、中継器3及びドアホン親機2が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが切断される。これにより、ドアホン親機2と中継器3とコードレス子機4との間で無線通信リンクが切断されることとなる。この後、中継器3は、待ち受け状態に推移する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
【0054】
次に、コードレス子機4が行う処理について説明する。ステップS113では、コードレス子機4は、中継器3から呼び出しがあったか否かを判定する。つまり、中継器3からの呼び出し信号が受信されたか否かを判定する。なお、中継器3は、前述したステップS108の処理において、コードレス子機4に対して呼び出し信号を送信する。中継器3から呼び出しがあった場合(ステップS113;Yes)、処理はステップS114に進み、呼び出しがなかった場合(ステップS113;No)、処理はステップS113に戻る。
【0055】
ステップS114では、コードレス子機4は、後述するパケットデータ受信処理を実行する。そして、処理はステップS115に進む。ステップS115では、コードレス子機4は、ユーザによりコードレス子機4における通話ボタン48aの押下があったか否かを判定する。通話ボタン48aの押下があった場合(ステップS115;Yes)、処理はステップS116に進み、通話ボタン48aの押下がなかった場合(ステップS115;No)、処理はステップS114に戻る。
【0056】
ステップS116では、通話ボタン48aの押下があったため、コードレス子機4は、中継器3との無線通信リンクを確立する。具体的には、中継器3の回線制御部の制御により、コードレス子機4及び中継器3が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが確立される。この場合、コードレス子機4から中継器3を介してドアホン親機2に対して、通話開始要求信号が送信される。これにより、ドアホン親機2と中継器3とコードレス子機4との間で無線通信リンクが確立される。つまり、ドアホン子機1とドアホン親機2と中継器3とコードレス子機4との間で音声リンクが形成される。以上の処理が終了すると、処理はステップS117に進む。
【0057】
ステップS117では、コードレス子機4は、ユーザにより終話ボタン48bの押下があったか否かを判定する。終話ボタン48bの押下があった場合(ステップS117;Yes)、処理はステップS118に進み、終話ボタン48bの押下がなかった場合(ステップS117;No)、処理はステップS117に戻る。
【0058】
ステップS118では、終話ボタン48bの押下があったため、コードレス子機4は、中継器3との無線通信リンクを切断する。この場合、中継器3の回線制御部の制御により、コードレス子機4及び中継器3が相互に通信し合うことによって、無線通信リンクが切断される。その後、コードレス子機4は、待ち受け状態に推移する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
【0059】
図7は、前述したステップS104におけるパケットデータ送信処理を示すフローチャートである。このパケットデータ送信処理は、ドアホン親機2によって実行され、主に、中継器3に対してパケットデータを送信するために行われる。
【0060】
まず、ステップS201では、ドアホン親機2は、ドアホン子機1のカメラ15で撮像された画像データを適切なタイミングでキャプチャして静止画像とする。そして、処理はステップS202に進む。ステップS202では、ドアホン親機2は、ステップS201でキャプチャされた画像(キャプチャ画像)を画像圧縮する処理を行う。例えば、JPEGのフォーマット等により画像圧縮する処理を行う。そして、処理はステップS203に進む。
【0061】
ステップS203では、ドアホン親機2は、ステップS202で圧縮された画像データ(圧縮画像データ)をN個のパケットに分割してパケットデータを生成する。そして、ドアホン親機2は、作成されたパケットデータをパケットデータバッファ24dに格納する。以上の処理が終了すると、処理はステップS204に進む。ステップS204では、ドアホン親機2は、中継器3に対して送信すべきパケットデータの番号に相当するパケット番号カウンタPNを初期化する(PN=0)。そして、処理はステップS205に進む。
【0062】
ステップS205では、ドアホン親機2は、パケット番号カウンタPNが指し示すパケットデータを中継器3に対して送信する。具体的には、ドアホン親機2は、周波数ホッピング方式に従ってパケットデータを送信する。この場合、ドアホン親機2は、予め定められた時間間隔(タイムスロット)で1パケットデータずつ送信する。なお、送信に使用する周波数は1パケット送信ごとに変更される。以上の処理が終了すると、処理はステップS206に進む。
【0063】
ステップS206では、ドアホン親機2は、中継器3よりパケットデータの再送信要求を受け取ったか否かを判定する。再送信要求があった場合(ステップS206;Yes)、処理はステップS205に戻る。この場合には、ドアホン親機2は、中継器3より再送信要求があったパケットデータを送信する処理を再度行う(ステップS205)。一方、再送信要求がなかった場合(ステップS206;No)、処理はステップS207に進む。
【0064】
ステップS207では、ドアホン親機2は、パケット番号カウンタPNをインクリメントする。つまり、パケット番号カウンタPNに「1」加算する。そして、処理はステップS208に進む。ステップS208では、ドアホン親機2は、中継器3より次のパケットデータの送信要求を受け取ったか否かを判定する。次のパケットデータの送信要求があった場合(ステップS208;Yes)、処理はステップS209に進む。これに対して、次のパケットデータの送信要求がなかった場合(ステップS208;No)、処理はステップS208に戻る。つまり、次のパケットデータの送信要求があるまで待機する。
【0065】
ステップS209では、ドアホン親機2は、パケット番号カウンタPNに基づいて、N個全てのパケットデータの送信が完了したか否かを判定する。全てのパケットデータの送信が完了している場合(ステップS209;Yes)、処理はステップS210に進む。これに対して、全てのパケットデータの送信が完了していない場合(ステップS209;No)、処理はステップS205に戻る。この場合には、ドアホン親機2は、全てのパケットデータの送信が完了するまで、ステップS205〜S209の処理を繰り返す。
【0066】
ステップS210では、ドアホン親機2は、中継器3との無線通信リンクを切断すべき状況であるか否かを判定する。具体的には、ユーザによるコードレス子機4の終話ボタン48bの押下があり、中継器3とコードレス子機4との無線通信リンクが切断されているか否かを判定する。無線通信リンクを切断する場合(ステップS210;Yes)、処理は当該フローを抜け、無線通信リンクを切断しない場合(ステップS210;No)、処理はステップS201に戻る。つまり、ドアホン親機2は、無線通信リンクが切断されるまで、中継器3へのパケットデータの送信を継続する。
【0067】
図8は、前述したステップS109におけるパケットデータ送受信処理を示すフローチャートである。このパケットデータ送受信処理は、中継器3によって実行され、主に、ドアホン親機2からパケットデータを受信するため、及びコードレス子機4に対してパケットデータを送信するために行われる。また、当該処理は、コードレス子機4の呼び出し時に実行される。
【0068】
まず、ステップS301では、中継器3は、パケットデータの受信待機状態に遷移する。そして、処理はステップS302に進む。ステップS302では、中継器3は、通信エラー率計測部35を初期化するための処理を行う。具体的には、通信エラーが発生したパケット数に対応するエラーカウンタErrCntを「0」にすると共に、中継器3が受信したパケット総数に対応するパケット数カウンタPktCntを「0」にする。なお、通信エラー率は、「エラーカウンタErrCnt/パケット数カウンタPktCnt」に相当する。以上の処理が終了すると、処理はステップS303に進む。
【0069】
ステップS303では、中継器3は、ドアホン親機2よりパケットデータが受信されたか否かを判定する。パケットデータが受信された場合(ステップS303;Yes)、処理はステップS304に進み、パケットデータが受信されてない場合(ステップS303;No)、処理はステップS303に戻る。ステップS304では、中継器3は、ドアホン親機2よりパケットデータが受信されたため、パケット数カウンタPktCntをインクリメントする。つまり、パケット数カウンタPktCntに「1」加算する。そして、処理はステップS305に進む。
【0070】
ステップS305では、中継器3は、受信されたパケットデータ(受信パケットデータ)が正常か否かを判定する。つまり、中継器3は、1つのパケットデータごとに通信エラーを判定する。具体的には、中継器3は、パケットデータ内に埋め込まれたエラー検出コードD4に基づいて通信エラーを判別する。例えば、中継器3は、パケットデータ内の画像データD3に基づいてエラー検出コードを自ら生成し、これがパケットデータ内に埋め込まれたエラー検出コードD4に一致するか否かによって通信エラーを判別する。パケットデータが正常である場合(ステップS305;Yes)、処理はステップS307に進む。
【0071】
これに対して、パケットデータが正常でない場合(ステップS305;No)、つまり通信エラーと判別された場合、処理はステップS306に進む。ステップS306では、中継器3は、エラーカウンタErrCntをインクリメントすると共に、ドアホン親機2に対してパケットデータの再送を要求する。つまり、通信エラーと判別されたパケットデータと同一のパケットデータの再送を要求する。そして、処理はステップS303に戻る。このようにステップS303〜S306の処理を行うことにより、通信エラー発生時に適切にエラー回復を行うことができ、ドアホン親機2と中継器3との間における通信をエラーフリーとすることが可能となる。
【0072】
ステップS307では、中継器3は、正常であると判定されたパケットデータをパケットデータバッファ33に格納する。そして、処理はステップS308に進む。ステップS308では、中継器3は、1つのパケットデータをコードレス子機4に対して同報送信する。具体的には、中継器3は、周波数ホッピング方式に従ってパケットデータを同報送信する。この場合、中継器3は、予め定められた時間間隔(タイムスロット)で1パケットデータずつ送信する。なお、同報送信に使用する周波数は1パケット送信ごとに変更される。以上の処理が終了すると、処理はステップS309に進む。
【0073】
ステップS309では、中継器3は、通信エラー率が所定値よりも大きいか否かを判定する。ここでは、中継器3は、コードレス子機4に対する同報送信動作を切り替えるための処理(具体的にはコードレス子機4にパケットデータを送信する回数を切り替えるための処理)を行う。この場合、中継器3は、「エラーカウンタErrCnt/パケット数カウンタPktCnt」を演算することによって通信エラー率を得て、判定を行う。なお、判定に用いる所定値は予め設定される。
【0074】
通信エラー率が所定値よりも大きい場合(ステップS309;Yes)、処理はステップS310に進む。この場合には、通信エラー率が比較的大きいため、通信エラーが発生しやすい状況であると考えられる。したがって、中継器3は、再度、パケットデータをコードレス子機4に対して同報送信する(ステップS310)。つまり、ステップS308で送信したパケットデータと同一のパケットデータを、再度送信する。この場合には、中継器3は、コードレス子機4に対して同一のパケットデータを2回送信することとなる。そして、処理はステップS311に進む。これに対して、通信エラー率が所定値以下である場合(ステップS309;No)、処理はステップS311に進む。この場合には、通信エラー率が比較的小さいため、通信エラーが発生しやすい状況であるとは考えられない。そのため、中継器3は、再度、パケットデータをコードレス子機4に対して同報送信しない。言い換えると、中継器3は、パケットデータをコードレス子機4に対して1回のみ同報送信する。
【0075】
ステップS311では、中継器3は、ドアホン親機2に対して、次のパケットデータの送信を要求する。そして、処理はステップS312に進む。ステップS312では、中継器3は、コードレス子機4との無線通信リンクを確立するか否かを判定する。具体的には、ユーザによるコードレス子機4の通話ボタン48aの押下があり、コードレス子機4との無線通信リンクを確立すべき状況であるか否かを判定する。無線通信リンクを確立する場合(ステップS312;Yes)、処理は当該フローを抜け、無線通信リンクを確立しない場合(ステップS312;No)、処理はステップS303に戻る。つまり、中継器3は、コードレス子機4との無線通信リンクを確立するまで、ステップS303〜S312の処理を繰り返し行う。
【0076】
なお、上記の図8に示した処理では、通信エラー率が所定値よりも大きい場合に、コードレス子機4に対してパケットデータを2回送信したが(ステップS310など参照)、パケットデータを3回以上送信しても良い。また、通信エラー率が所定値以下である場合にも、コードレス子機4に対してパケットデータを2回以上送信しても良い。更に、上記のように、通信エラー率が所定値よりも大きいか否かを判定することによって、2種類の送信回数(1回と2回)を切り替えることに限定はされない。2つ以上の判定値を用いた通信エラー率に対する判定を行うことで3種類以上の送信回数を切り替えても良いし、通信エラー率に応じて連続的に送信回数を変化させても良い。
【0077】
図9は、前述したステップS114におけるパケットデータ受信処理を示すフローチャートである。このパケットデータ受信処理は、コードレス子機4によって実行され、主に、中継器3からパケットデータを受信するため、及び中継器3から受信されたパケットデータに基づいた画像を表示するために行われる。なお、パケットデータ受信処理は、コードレス子機4の呼び出し時に実行される。つまり、当該処理は、ユーザによってコードレス子機4の通話ボタン48aが押下されるまでの間、繰り返し実行される(図6中のステップS115参照)。
【0078】
まず、ステップS401では、コードレス子機4は、パケットデータの受信待機状態に遷移する。更に、コードレス子機4は、パケットデータバッファ44aを初期化する。そして、処理はステップS402に進む。ステップS402では、コードレス子機4は、中継器3よりパケットデータが受信されたか否かを判定する。パケットデータが受信された場合(ステップS402;Yes)、処理はステップS403に進み、パケットデータが受信されてない場合(ステップS402;No)、処理はステップS402に戻る。
【0079】
ステップS403では、コードレス子機4は、受信されたパケットデータ(受信パケットデータ)が正常か否かを判定する。つまり、コードレス子機4は、パケットデータにおける通信エラーを判定する。具体的には、コードレス子機4は、パケットデータ内に埋め込まれたエラー検出コードD4に基づいて通信エラーを判別する。パケットデータが正常である場合(ステップS403;Yes)、処理はステップS404に進む。この場合には、コードレス子機4は、受信パケットデータをパケットデータバッファ44aに格納する(ステップS404)。そして、処理はステップS405に進む。これに対して、パケットデータが正常でない場合(ステップS403;No)、つまり通信エラーと判別された場合、処理はステップS402に戻る。この場合には、コードレス子機4は、受信パケットデータをパケットデータバッファ44aに格納しない。つまり、コードレス子機4は、正常なパケットデータのみパケットデータバッファ44aに格納する。
【0080】
ステップS405では、コードレス子機4は、N個のパケットデータが全て揃ったか否かを判定する。N個のパケットデータが全て揃っている場合(ステップS405;Yes)、処理はステップS406に進む。これに対して、N個のパケットデータが全て揃っていない場合(ステップS405;No)、処理はステップS402に戻る。この場合には、N個のパケットデータが全て揃うまで、ステップS402〜S405の処理を繰り返し行う。
【0081】
ステップS406では、コードレス子機4は、パケットデータバッファ44aに格納されたN個のパケットデータ(圧縮画像データに相当する)に基づいて、これを伸張する処理を行う。例えば、JPEGのフォーマット等により画像伸張する処理を行う。そして、処理はステップS407に進む。ステップS407では、コードレス子機4は、ステップS406で伸張された画像を表示パネル46上に表示させる。具体的には、表示パネルドライブ回路45を制御することで、表示パネル46上に画像を表示させる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
【0082】
以上のように、本実施例に係るドアホンシステムは、ドアホン子機と、ドアホン子機と有線接続されたドアホン親機と、ドアホン親機と無線接続された中継器と、中継器と無線接続されたコードレス子機と、を備え、中継器を経由してドアホン親機とコードレス子機との無線通信リンクを確立する。そして、通信エラー判別手段は、ドアホン親機から中継器に対して送信される無線信号における通信エラーを判別し、通信エラー率計測手段は、通信エラーに基づいて、ドアホン親機と中継器との間の無線通信における通信エラー率を計測し、送信回数設定手段は、通信エラー率に基づいて、中継器からコードレス子機に対して無線信号を送信する回数を設定する。これにより、コードレス子機の呼び出し時(同報通信時)におけるドアシステム全体での通信品質を向上させることが可能となる。
【0083】
[変形例]
上記では、ドアホン親機2と中継器3との間の無線通信における通信エラー率の計測を中継器3で行う例を示したが、言い換えると通信エラー率計測部35を中継器3に設ける例を示したが、これに限定はされない。他の例では、ドアホン親機2において、ドアホン親機2と中継器3との間の無線通信における通信エラー率の計測を行うことができる。つまり、ドアホン親機2に通信エラー率計測部を設けることができる。この場合には、ドアホン親機2は、中継器3から受信されるパケットデータの再送信要求(この要求は、中継器3に送信されたパケットデータに通信エラーが発生したことを示している)に基づいて、通信エラー率の計測を行う
また、上記では、ドアホン親機2と中継器3との無線通信リンクが確立された後に通信エラー率を求めて、パケットデータの送信回数を設定する例を示したが(図8参照)、これに限定はされない。つまり、ドアホン親機2と中継器3との無線通信リンクの確立後に、エラーカウンタErrCnt及びパケット数カウンタPktCntを「0」にして(ステップS302参照)、通信エラー率を求めることに限定はされない。他の例では、今までの無線通信リンク確立時における通信エラー率も考慮に入れて、つまり通信エラー率の過去の履歴も考慮に入れて、コードレス子機4へのパケットデータの送信回数を設定することができる。即ち、無線通信リンクを確立するごとに通信エラー率をリセットして、通信エラー率を新たに求める必要はない。
【0084】
更に、上記では、コードレス子機4の呼び出し時に通信エラー率を計測する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、来訪者と応対を行うための無線通信リンクが確立されていない時間を利用して、通信エラー率を計測することができる。つまり、来訪者と応対を行うための無線通信リンクが確立されていない時間に、ドアホン親機2と中継器3との無線通信リンクを確立して無線通信を行うことによって、通信エラー率を自動的に計測しても良い。
【0085】
次に、図10は、第1の変形例に係るドアホンシステム102のシステム構成を示す概略図である。ドアホンシステム102は、主に、ドアホン子機1と、ドアホン親機2と、中継器3aと、3つのコードレス子機4b、4c、4dと、を備える。なお、前述したドアホンシステム101(図1参照)と同一の構成要素に対しては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
前述したドアホンシステム101では、中継器3はコードレス子機4を充電可能に構成されていたが、第1の変形例に係るドアホンシステム102では、中継器3aはコードレス子機4を充電可能に構成されていない。つまり、第1の変形例では、中継器3aは、コードレス子機の充電台としての機能を有していない。なお、ドアホンシステム102でも、ドアホン親機2と中継器3aとが無線接続されており、中継器3aとコードレス子機4b〜4dとが無線接続されている。具体的には、ドアホンシステム102においては、中継器3aが無線親機として機能し、ドアホン親機2及びコードレス子機4b〜4dが無線子機として機能して、無線通信リンクが形成されている。
【0087】
次に、図11は、第2の変形例に係る103のシステム構成を示す概略図である。ドアホンシステム103は、主に、ドアホン子機1と、ドアホン親機2と、コードレス電話親機6と、コードレス電話子機7と、を備える。なお、前述したドアホンシステム101(図1参照)と同一の構成要素に対しては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
第2の変形例に係るドアホンシステム103は、中継器3の代わりにコードレス電話親機6を用い、コードレス子機4の代わりにコードレス電話子機7を用いてシステムが構築されている点で、前述したドアホンシステム101とは異なる。言い換えると、第2の変形例に係るドアホンシステム103は、前述した中継器3と同様の機能(具体的には、無線親機としての機能)を有するコードレス電話親機6によってシステムが構成されている。つまり、ドアホンシステム103は、来訪者と会話するためのドアホン通話機能、及び電話回線を介して電話通話を行うための電話通話機能の2つの機能を有する。
【0089】
具体的には、コードレス電話親機6は、ユーザが実際に会話を行うためのマイク及びレシーバを有するハンドセットユニット63、及び電話回線インターフェース回路(不図示)を備え、電話回線を介して電話通話が可能に構成されている。また、コードレス電話親機6とドアホン親機2とは無線接続されており、コードレス電話親機6とコードレス電話子機7とは無線接続されている。具体的には、ドアホンシステム103においては、コードレス電話親機6が無線親機として機能し、ドアホン親機2及びコードレス電話子機7が無線子機として機能して、無線通信リンクが形成されている。つまり、コードレス電話親機6を経由して、ドアホン親機2とコードレス電話子機7との間の無線通信リンクが確立されている。これにより、ドアホン親機2とコードレス電話子機7との間の無線通信は、全てコードレス電話親機6を経由して行われることとなる。このように、第2の変形例に係るドアホンシステム103では、コードレス電話親機6が、ドアホンシステム103においてドアホン親機2とコードレス電話子機7との無線通信を中継する中継器として機能する。また、ドアホンシステム103は、ドアホン親機2に内蔵の無線ユニット25及びコードレス電話子機7の通信プロトコルを、既存のコードレス電話機の通信プロトコルに準拠したもの(互換性があるもの)として実装してシステムが構築されている。
【0090】
以上の第2の変形例に係るドアホンシステム103によれば、ドアホン親機2を無線子機として機能させ、且つコードレス電話親機6を無線親機として機能させて、無線通信リンクを確立しているので、ドアホンシステムとコードレス電話機とを組み合わせたシステムを容易に構築することが可能となる。
【0091】
なお、上記では、中継器3の代わりにコードレス電話親機6を用いてドアホンシステム103を構成する例を示したが、他の例では、中継器3を有するドアホンシステム101(図1参照)に対して、コードレス電話親機6を追加することによって新たなドアホンシステムを構築することができる。この場合には、中継器3における無線通信機能をオフ(無効化)にして(これにより、中継器3はコードレス子機4aの充電台としてのみ機能することとなる)、ドアホン親機2と、コードレス子機4と、コードレス電話親機6との間の親子関係を再登録することによって、新たなシステムを構築することができる。つまり、コードレス電話親機6を無線親機とし、且つドアホン親機2及びコードレス子機4を無線子機として、無線通信リンクを新たに構築する。更に他の例では、ドアホンシステム102(図10参照)に対して、コードレス電話親機6を追加することによって新たなシステムを構築することができる。また、ドアホンシステム101若しくはドアホンシステム102に対して、コードレス電話親機6だけでなくコードレス電話子機7も追加することによって、新たなシステムを構築することも可能である。
【0092】
更に、本発明は、ルーム(ベビー)モニタシステム、セキュリティー(監視)カメラシステムや、これらのシステムなどにおいてレコーダを有するシステムなどにも適用可能である。加えて、本発明は、情報同報表示装置(無線接続されたメッセージボードの類)などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施例に係るドアホンシステムのシステム構成を示す概略図である。
【図2】ドアホンシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】ドアホン親機、中継器、コードレス子機間の無線通信方式を説明するための図である。
【図4】中継器が無線通信を行う際の送信スロット及び受信スロットの状態を説明するための図である。
【図5】パケットデータ構造の例を説明するための図である。
【図6】ドアホン親機、中継器、及びコードレス子機のそれぞれが行う全体処理を示すフローチャートである。
【図7】ドアホン親機によって実行されるパケットデータ送信処理を示すフローチャートである。
【図8】中継器によって実行されるパケットデータ送受信処理を示すフローチャートである。
【図9】コードレス子機によって実行されるパケットデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図10】第1の変形例に係るドアホンシステムのシステム構成を示す概略図である。
【図11】第2の変形例に係るドアホンシステムのシステム構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ドアホン子機
2 ドアホン親機
3、3a 中継器
4、4a、4b、4c、4d コードレス子機
5b、5c、5d 充電台
6 コードレス電話親機
7 コードレス電話子機
101、102、103 ドアホンシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアホン子機と、前記ドアホン子機と有線接続されたドアホン親機と、前記ドアホン親機と無線接続された中継器と、前記中継器と無線接続されたコードレス子機と、を備え、前記中継器を経由して前記ドアホン親機と前記コードレス子機との無線通信リンクを確立するドアホンシステムであって、
前記ドアホン親機から前記中継器に対して送信される無線信号における通信エラーを判別する通信エラー判別手段と、
前記通信エラー判別手段によって判別された前記通信エラーに基づいて、前記ドアホン親機と前記中継器との間の無線通信における通信エラー率を計測する通信エラー率計測手段と、
前記コードレス子機の呼び出し時において、前記通信エラー率計測手段によって計測された前記通信エラー率に基づいて、前記中継器から前記コードレス子機に対して前記無線信号を送信する回数を設定する送信回数設定手段と、を備えることを特徴とするドアホンシステム。
【請求項2】
前記送信回数設定手段は、前記通信エラー率が所定値よりも大きい場合には前記無線信号を送信する回数を2回以上に設定し、前記通信エラー率が前記所定値以下である場合には前記無線信号を送信する回数を1回に設定することを特徴とする請求項1に記載のドアホンシステム。
【請求項3】
前記中継器は、前記コードレス子機の呼び出し時において、前記通信エラー判別手段によって通信エラーと判別された無線信号の再送信を前記ドアホン親機に対して要求すると共に、前記通信エラー判別手段によって通信エラーがないと判別された無線信号が受信された場合に、前記送信回数設定手段によって設定された回数によって、前記無線信号を前記コードレス子機に対して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のドアホンシステム。
【請求項4】
前記無線信号は、前記ドアホン子機のカメラで撮像された画像データを画像圧縮し、前記画像圧縮した後の画像データを複数のパケットに分割して作成されたパケットデータに相当することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項5】
前記通信エラー判別手段は、前記パケットデータ内のエラー検出コードに基づいて前記通信エラーの判別を行うことを特徴とする請求項4に記載のドアホンシステム。
【請求項6】
前記通信エラー判別手段は、1つの前記パケットデータごとに前記通信エラーの判別を行い、
前記中継器は、前記通信エラー判別手段によって通信エラーと判別された場合に、1つの前記パケットデータごとに前記ドアホン親機に対して再送信の要求を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載のドアホンシステム。
【請求項7】
前記ドアホン親機と前記中継器と前記コードレス子機との間で、周波数ホッピング方式で無線通信が行われることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項8】
前記通信エラー率計測手段は、前記コードレス子機の呼び出し時に、前記通信エラー率を計測することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項9】
前記通信エラー率計測手段は、来訪者と応対を行うための無線通信リンクが確立されていない時間を利用して、前記通信エラー率を計測することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項10】
前記通信エラー率計測手段は、前記中継器に備えられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項11】
前記通信エラー率計測手段は、前記ドアホン親機に備えられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項12】
前記ドアホン親機は、前記中継器と無線通信を行う第1の無線部を備え、
前記コードレス子機は、前記中継器と無線通信を行う第3の無線部を備え、
前記中継器は、前記第1の無線部及び前記第3の無線部に対してそれぞれ親機として機能する回線制御部を備え、前記第1の無線部及び前記第3の無線部とそれぞれ無線通信を行う第2の無線部を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のドアホンシステム。
【請求項13】
前記中継器は、コードレス電話機として動作するための電話回線インターフェース回路を備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のドアホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−147773(P2009−147773A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324297(P2007−324297)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000111878)パイオニアコミュニケーションズ株式会社 (44)
【Fターム(参考)】