説明

ドットパターンが設けられたカード

【課題】 簡易な操作でカードのデータを変更することが可能であり、カードおよびゲームに対する興味を持続させることのできる、柔軟性に富んだカードを提供する。
【解決手段】 少なくとも一面に座標値またはコード値を所定のアルゴリズムでパターン化し所定の照射光により認識可能な第1のドットパターンが設けられ、前記第1のドットパターンが設けられた領域と重なる領域または異なる領域に所定のアルゴリズムでパターン化された第2のドットパターンが設けられたカードとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードゲームに用いるカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンタ等に設置されるアーケードゲーム機または家庭用のテレビモニタ等に接続して用いるゲーム機において、カードをゲーム機のステージに載置してプレイするカードゲーム装置が知られている。
【0003】
このようなプレイの際に用いるカードについては、カードの裏面に、赤外線などの不可視光を吸収する特殊なインクでパターンを印刷したカードが提案されている(例えば、特許文献1)。パターンには、選手のデータ等のカードデータが記録されており、ステージ下に設置された撮像手段がパターンを読み取ることにより、ゲームが行われる。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなカードでは、カードのパターンを変更することが不可能であるため、ユーザは、一度カードを入手すると、一定のデータおよびパラメータのもとでしかゲームを行うことができない。そのため、カードを入手しても、そのカードに対する興味を持続させることが困難であるという問題があった。また、カードに対する興味の低下が、ゲーム自体に対しての興味を失わせる、という問題もあった。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡易な操作でカードのデータを変更することが可能であり、カードおよびゲームに対する興味を持続させることのできる、柔軟性に富んだカードを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するため、以下の手段を採用した。
【0007】
すなわち、本発明の請求項1は、少なくとも一面に座標値またはコード値を所定のアルゴリズムでパターン化し所定の照射光により認識可能な第1のドットパターンが設けられ、前記第1のドットパターンが設けられた領域と重なる領域または異なる領域に所定のアルゴリズムでパターン化された第2のドットパターンが設けられたカードである。
【0008】
本発明の請求項2は、少なくとも前記第1のドットパターンは前記カードの一面の全部またはその一部に印刷により形成された請求項1記載のカードである。
【0009】
これによれば、1枚のカードに複数のドットパターンが形成されるため、キャラクタのパワー等のパラメータに柔軟性を持たせることが可能となる。
【0010】
本発明の請求項3は、前記第2または第3のドットパターンは前記カードに対して着脱可能な部材に形成されている請求項1記載のカードである。
【0011】
これによれば、カードのドットパターンを変更することが容易となる、すなわち、キャラクタのパワー等のパラメータを変更することが容易となるため、柔軟性があり変化に富んだゲームを提供することができる。
【0012】
本発明の請求項4は、前記着脱可能な部材はシールであり、前記シールの少なくとも一部に前記第2または第3のドットパターンが形成されている請求項3記載のカードである。
【0013】
本発明の請求項5は、前記シールは、前記カードの縁部に沿ってカードの表裏両面方向に折りたたみ可能な状態で装着される請求項4記載のカードである。
【0014】
これによれば、1枚のシールで2通りのパラメータを出力することが可能となり、ゲームに変化や柔軟性を持たせることが可能となる。
【0015】
本発明の請求項6は、前記シールの一面には粘着層が形成されており、当該粘着層は、折りたたみ線を境界として強粘着領域と弱粘着領域とに分割されており、カード装着前に、折りたたんだ状態で各粘着領域に1枚の剥離シートが介装されており、剥離シートからシールを剥離する際に、前記シールの強粘着領域のみに剥離シートが残着された状態で剥離シートの片面剥離が完了し、この片面剥離状態で露出された弱粘着領域を前記カードの表面または裏面に貼付し、前記強粘着領域の剥離シートを剥離した後に、前記カードの縁部に沿ってシールをたたみ込み強粘着領域をカードの裏面または表面に貼付する請求項5記載のカードである。
【0016】
これによれば、シールを提供する際に、剥離シートの両面を使用することでより少ない面積の剥離シートですむため、販売機等の省スペース化が可能となる。また、シールの各粘着領域における粘着力を異ならせることにより、ユーザは、カードの片面ずつ順にシールを貼付していくことが可能になる。すなわち、貼付位置のずれ等を防ぎ、容易に適正位置にシールを貼付することが可能となるため、ユーザに対する利便性が向上する。
【0017】
本発明の請求項7は、前記シールの一面には折りたたみ線を境界として同一の粘着力を有する粘着層が形成されており、カード装着前に折りたたんだ状態で各粘着領域に1枚の剥離シートが介装されており、該剥離シートは表裏面で剥離力が異なっており、剥離シートからシールを剥離する際に、前記剥離シートの弱剥離力(粘着性が強い)面のみに剥離シートが残着された状態で剥離シートの片面剥離が完了し、この片面剥離状態で露出された粘着領域を前記カードの表面または裏面に貼付し、次に前記剥離シートを残着された弱剥離力面から剥離した後に、前記カードの縁面に沿ってシールをたたみ込み露出された粘着領域をカードの裏面または表面に貼付する請求項5記載のカードである。
【0018】
これによれば、剥離シートを剥離する際に、剥離シートが途中部分から破れることがないため、剥離シートの剥離が極めて容易なシールを提供することができる。
【0019】
本発明の請求項8は、前記シールは、それぞれドットパターンが設けられた複数枚のシールを積層してなる請求項4記載のカードである。
【0020】
これによれば、シールをめくる毎に、キャラクタのパワー等のパラメータを変更できる。そのため本シールは、ユーザに対し、シールをめくるとどのようなパワーを持つようになるか、という期待感を持たせ、ゲームに対する興趣をより一層わかせることが可能となる。
【0021】
本発明の請求項9は、前記着脱可能な部材はカード本体を収納可能で、その一面に前記第2または第3のドットパターンが形成された透明体である請求項3記載のカードである。
【0022】
これによれば、透明体を変更することでカードのパラメータを変更させることが可能となるため、ユーザは、1枚のカードで様々なパラメータを得ることが可能である。
【0023】
本発明の請求項10は、前記透明体のカード表面側と裏面側とでは異なる値をパターン化したドットパターンが設けられている請求項9記載のカードである。
【0024】
これによれば、1枚の透明体で異なる2種類のパラメータを提供することが可能となる。
【0025】
本発明の請求項11は、前記着脱可能な部材は、カード本体の縁部を保持可能なクリップであり、そのクリップ面の少なくとも一部に前記第2または第3のドットパターンが形成されている請求項3記載のカードである。
【0026】
これによれば、クリップを交換するだけでカードのパラメータを変更できる。
【0027】
本発明の請求項12は、前記クリップの表裏両面にそれぞれ値の異なるドットパターンが形成されている請求項11記載のカードである。
【0028】
これによれば、1個のクリップで異なる2種類のパラメータを提供することが可能となる。
【0029】
本発明の請求項13は、前記クリップの第2または第3のドットパターンは、クリップの一面に貼付されたシールに形成されている請求項11記載のカードである。
【0030】
これによれば、シールを貼りかえることによりクリップのドットパターンを変化させることができるため、より多くのドットパターンを提供することができる。
【0031】
本発明の請求項14は、前記シールは、それぞれドットパターンが設けられた複数枚のシールを積層してなる請求項13記載のカードである。
【0032】
本発明の請求項15は、前記で積層されたシールは、積層状態で撮像されたドットパターンと、少なくともそのうちの1枚を剥離除去した状態で撮像されたドットパターンとでは異なる値を意味するパターンとなるように、各層のシールにドットパターンが形成された請求項4または14記載のカードである。
【0033】
本発明の請求項16は、前記シールはドットパターンを読み取るための照射光を当該層で反射する材質で構成されており、各層を構成するシールにはそれぞれ単独で値の異なるドットパターンが照射光を吸収する材質で設けられている請求項15記載のカードである。
【0034】
これによれば、撮像手段は、シールが積層されていても、下層シールに影響されずに、表面のシールに印刷されたドットパターンのみを読み取ることが可能となる。
【0035】
本発明の請求項17は、前記シールはドットパターンを読み取るための照射光を透過可能な材質で構成されており、少なくとも2枚以上の積層状態でドットパターンを撮像したときの各層を透過したときの照射光の撮像画像から得られるドットパターンと、少なくともそのうちの1枚を剥離除去して各層を透過したときの照射光の撮像画像から得られるドットパターンとでは異なる値を意味するよう各層にそれぞれドットが配置されている請求項15記載のカードである。
【0036】
これによれば、ユーザに対し、シールを剥離除去または貼付するとどのようなパワーを持つようになるか、という期待感を持たせ、ゲームに対する興趣をより一層わかせることが可能となる。
【0037】
本発明の請求項18は、前記各層のいずれかの層には、前記照射光を照射したときに下層に配置されたドットを撮像できないようにするために照射光を当該層で反射する材質で設けられたマスク部(マスクドット)を有する請求項17記載のカードである。
【0038】
これによれば、下層に配置されたドットをマスクドットにより容易に隠すことができるため、ドットパターンの値を異ならせることが容易となる。
【0039】
本発明の請求項19は、前記カードの縁部には、シールを装着する際の位置決めを行うための切欠部が設けられている請求項5記載のカードである。
【0040】
これによれば、シールがずれて貼られてしまうことを防ぎ、適正位置にシールを貼付することが可能となる。
【0041】
本発明の請求項20は、前記ドットパターンを構成するドットは前記照射光を吸収する材質で設けられている請求項1〜19のいずれかに記載のカードである。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、1枚のカードに複数のドットパターンを形成するため、カードのキャラクタのパワーやパラメータをより変化に富んだものとすることができる。更に、ドットパターンの一部を別体に構成することにより、ドットパターンを容易に変更することが可能になるため、1枚のカードで複数通りのパワーやパラメータを有することが可能となり、変化に富んだ柔軟性のあるゲームを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1は、本発明に係るカードの使用状態およびカードゲーム装置について説明するための図である。
【0044】
図に示す如く、カードは、カードゲーム装置でゲームを行う場合に用いる。本カードゲーム装置では、1個のセンサユニット(撮像手段)でカード配置パネルの下面全体を撮像する。カード配置パネル下面の空間には、センサユニットのパネル面からの撮像光を避けた位置に、前記パネル面上のカード面のドットパターンに照射光を照射するIRLEDと、この照射光をパネル下面に対して拡散させる拡散フィルタとが設けられている。
【0045】
拡散フィルタは、装置筐体を構成する側壁部からカード配置パネルの下面空間に対して突出するような枠板状に設けられている。この拡散フィルタは透明又は半透明のガラス板又は合成樹脂板で構成されており、その一面に梨地加工が施されている。そしてIRLEDの照射光はこの拡散フィルタを介して拡散されることでカード配置パネルの下面全体に照射光を照射できるようになっている。そして、この照射光はカード配置パネル上にカードが載置されている場合、このカード面に照射されてその反射光がセンサユニットで撮像されるようになっている。
【0046】
また、図示は省略するが、センサユニットは、ケーブルを介してフレームバッファを有する中央処理装置(MPU)に接続されている。この中央処理装置(MPU)はゲーム中央処理ユニットに接続されており、ゲーム中央処理ユニットにはディスプレイおよびスピーカが接続されている。センサユニットおよび中央処理装置(MPU)がカードに印刷されたドットパターンを読み込むと、当該ドットパターンをコード値に変換して、当該コード値に対応した画像・動画像をディスプレイ装置に表示する。
【0047】
次に、本実施形態のカードに用いられるドットパターンについて説明する。
【0048】
本実施形態におけるカードに用いるドットパターンは、図10〜図11に示したドットパターンであるが、まず、図2〜図9を用いて、当該ドットパターンの前提となる基本原理を説明する。
【0049】
図2は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0050】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0051】
図3はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図4(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0052】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報処理装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0053】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図2に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図2の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0054】
1つのブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させ、または、複数のブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させることができる。
【0055】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(X,Y)=f(X’,Y’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0056】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0057】
キードット2は、図2に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。情報ドット3がX,Y座標値を表す場合に、キードット2を下方に0.1mmずらした位置が座標点となる。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0058】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図3(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0059】
図3(b)は、図2のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0060】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0061】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0062】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0063】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0064】
たとえば,情報ドット3は、図4(a)に示すように、ブロック中心から時計回りでIからI16を配置する格子間隔は0.5mmであり、2mm×2mmで3ビット×16=48ビットを表現する。
【0065】
なお、ブロック内に個々に独立した情報内容を有し、かつ他の情報内容に影響されないサブブロックをさらに設けることができる。図4(b)はこれを図示したものであり、4つの情報ドット3で構成されるサブブロック[I、I、I、I]、[I、I、I、I]、[I、I10、I11、I12]、[I13、I14、I15、I16]は各々独立したデータ(3ビット×4=12ビット)が情報ドット3に展開されるようになっている。このようにサブブロックを設けることにより、エラーチェックをサブブロック単位で容易に行うことができる。
【0066】
情報ドット3のベクトル方向(回転方向)は、30度〜90度毎に均等に定めるのが望ましい。
【0067】
図5は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0068】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0069】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で2の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0070】
図6は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0071】
図7はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0072】
図2と図4に示すドットパターン1は、1ブロックに16(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0073】
次に、本実施形態におけるカードに用いられているドットパターンについて説明する。図8(a)および(b)は、図2〜図7で説明したドットパターンにおいて、3×3=9個の格子領域で構成されるブロックのドットパターンにおいて、特定の格子領域(ディレクション領域)だけ情報ドット3の配置方向を他の格子領域(ディレクション領域)と変えることによって、ブロックの方向を定義したものである。
【0074】
すなわち、図8(a)において、左下の格子領域34a、中央の格子領域34b、左下の格子領域34cは中心から縦横方向に情報ドット3が配置され、その他の格子領域では中心から斜め方向に情報ドット3が配置されている。このように格子領域34a,34b,34cを配置することでこの格子領域を結ぶ三角形の形状、すなわち、底辺34a,34cに対する頂点34bの関係から、当該ブロックが上向きであることが認識できる。
【0075】
このように、ブロック中の情報ドット3の配置方向を変更した(中心から縦横方向に情報ドットを配置した)格子領域34a,34b,34cの配置関係(ここでは三角形)によってブロックの方向を定義することができる。これによって、ブロック中の全ての格子領域に情報ドット3を配置することができるため、キードットのために格子領域を犠牲にすることがなく、全ての格子領域に情報ドット3を配置することができる。
【0076】
なお、図8(b)は、図8(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0077】
図9(a)および(b)は、図8(a)および(b)に対応した情報ドット3の配置状態を示す図である。
【0078】
図10〜図11は、ドットパターンとコード値と識別子との関係を示した説明図である。
【0079】
図10に示す如く、ドットパターンは、3×3個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、このブロック内でC1−0〜C17−16に区画されている。各領域のドットコードフォーマットを示したものが図11である。
【0080】
図11に示す如く、C〜Cがキャラクタコード、C〜C15がコンテンツ/アプリケーションコード、C16〜C17がパリティをそれぞれ意味している。
【0081】
なお、ドットパターンをカードの裏面に印刷する場合については、格子間の距離が約15mm、ドットの大きさがドット間距離の約15%程度が望ましい。したがって、2mmないし2.5mmが望ましいが、これに限定されるものではない。撮像した際のドット間距離の解像度は14ピクセル以上あることが望ましい。
【0082】
なお、本発明においては、後述するシールにもドットパターンを用いている。図12は、このシールに用いるドットパターンについて説明したものである。
【0083】
図12(a)では、情報ドットの数およびその配置により、0から15の値を表現している。情報ドットが無い場合は0を意味しており、情報ドットが1個の場合は、その配置により1〜4のいずれかを意味している。また、2個の場合は5〜10、3個の場合は11〜14、4個の場合は15をそれぞれ意味している。
【0084】
図12(b)では、0000から1111までの4ビットの値を表現している。仮想格子点5に対して+y方向が1の位、+x方向が2の位、−y方向が4の位、−x方向が8の位を意味しており、それぞれ、情報ドットを配置した場合を1、情報ドットを配置しなかった場合を0とする。例えば、情報ドットがどの位置にも配置されていない場合は0000である。また、+y方向と+x方向にのみ配置されている場合は、1の位と2の位が1、4の位と8の位が0であるから、0011となる。
【0085】
図13は、本実施形態で用いるカードおよびカードに装着する別部材について説明する図である。
【0086】
本発明におけるカードは、少なくとも一面に座標値またはコード値を上述のアルゴリズムでパターン化し所定の照射光により認識可能な第1のドットパターンが設けられ、第1のドットパターンが設けられた領域と重なる領域または異なる領域に所定のアルゴリズムでパターン化された第2のドットパターンが設けられていることを特徴とする。第1のドットパターンと第2のドットパターンは、その両者がカードに印刷されていてもよいし、また、後述する如く、第1のドットパターンがカードに印刷され、第2のドットパターンが着脱可能な別部材に形成されていてもよい。あるいは、第1のドットパターンと第2のドットパターンがカードに印刷され、第3のドットパターンが着脱可能な別部材に形成されるようにしてもよい。
【0087】
また、これらのドットパターンを構成するドットは、赤外線等の照射光を吸収する材質で設けられていることが望ましい。
【0088】
図13(a)に示す如く、カードの裏面(または表面)には、上述したドットパターンが印刷されている。このドットパターンには、キャラクタを意味するコード値が登録されている。同図(b)は、本実施形態で用いられる別部材について示したものである。別部材はシールとして形成されている。シールの表面には、ドットパターンが印刷されている。ドットパターンには、ゲーム上でのパワーを意味するパラメータとしてのコード値が登録されている。例えば、立ち技が強い、寝技が強い等、技の種類とその強弱が数値化されたコード値として登録されている。同図(c)は、カードおよびシールの使用方法について説明した図である。図に示す如く、(b)に示したシールは、カードの下部に貼付して用いる。カードゲーム装置内部のセンサユニットは、カードのドットパターンおよびシールのドットパターンの両方を読み取る。そして、ドットパターンに対応したキャラクタおよびパワーが出力され、ゲームが行われる。
【0089】
なお、本発明においては、カードに用いるドットとシールに用いるドットの大きさを異なるものとしてもよい。例えば、図14に示す如く、カードに用いるドットを大きなドット、シールに用いるドットを小さなドットとすることが可能である。この逆としてもよいことはもちろんである。
【0090】
図15〜図17は、カードの下部に貼付されるシールについて説明するための図である。
【0091】
図15は、平面状に形成されたシールである。すなわち、ドットパターンが印刷された表面基材の裏面(表面)に粘着材が塗布されており、その面上にはシリコンオイルが塗布されて剥離容易な台紙が貼付されている。粘着材としては、粘着力が比較的弱く再粘着が可能な材質が用いられている。これにより、シールを繰り返しカードに着脱することが可能となる。
【0092】
図16は、折り曲げて使用することを特徴とするシールである。本シールは、カードの縁部に沿って、カードの表裏両面方向に折りたたみ可能な状態で装着される。(a)は折り曲げた状態、(b)はシールに印刷されたドットパターンの具体例を示したものである。シールの裏側には台紙が貼られており、台紙の中央には、縦方向に切込みが設けられている。これにより、片面ずつ貼付することが容易なように構成されている。本実施例では、(b)に示す如く、8を意味するドットパターンと1を意味するドットパターンとが印刷されている。8を意味するドットパターンがカード裏面(ドットパターンが印刷されている面)に位置するようにシールを貼付する場合と、1を意味するドットパターンがカード裏面に位置するようにシールを貼付する場合とでは、キャラクタのパワーが異なってくる。
【0093】
これにより、1枚のシールで2通りのパラメータを出力することが可能となり、ゲームに柔軟性を持たせることが可能となる。
【0094】
図17は、折り曲げて使用するシールの変形例を示したものである。本シールは、(a)に示す如く、提供時にシールが閉じている構造となっている。
【0095】
(c)に示す如く、シールの一面には粘着層が形成されており、当該粘着層は、折りたたみ線を境界として強粘着領域と弱粘着領域とに分割されている。カード装着前には、折りたたんだ状態で各粘着領域に1枚の剥離シートが介装されている。(b)に示す如く、剥離シートからシールを剥離する際に、シールの強粘着領域のみに剥離シートが残着された状態で剥離シートの片面剥離が完了する。この片面剥離状態で露出された弱粘着領域を、カードの表面または裏面に貼付する。そして、強粘着領域の剥離シートを剥離した後に、カードの縁部に沿ってシールをたたみ込み、強粘着領域をカードの裏面または表面に貼付する。
【0096】
このように、シールを折りたたんだ構造とすることにより、シールを提供する際に、より少ない面積で提供することができる。そのため、販売機等の省スペース化が可能となる。また、シールの各粘着領域における粘着力を異ならせることにより、ユーザは、カードの片面ずつ順にシールを確実に剥離していくことが可能になる。
【0097】
また、下記のように、剥離シートの剥離力を表裏面で異ならせることにより、提供時にシールを閉じた構造とするようにしてもよい。
【0098】
シールの一面には折りたたみ線を境界として同一の粘着力を有する粘着層が形成されている。カード装着前には、折りたたんだ状態で各粘着領域に1枚の剥離シートが介装されている。剥離シートは表裏面で剥離力が異なっている。剥離シートからシールを剥離する際に、剥離シートの弱剥離力(粘着性が強い)面のみに剥離シートが残着された状態で剥離シートの片面剥離が完了する。この片面剥離状態で露出された粘着領域をカードの表面または裏面に貼付する。次に、剥離シートを残着された弱剥離力面から剥離した後に、カードの縁面に沿ってシールをたたみ込み、露出された粘着領域をカードの裏面または表面に貼付する。
【0099】
図17で示したような、強粘着領域と弱粘着領域とを設けたシールは、製造する際の製造工程が複雑となる。シールの粘着力を同一とし、剥離シートの剥離力を表裏面で異ならせることにより、簡易な製造工程で、ユーザに対する貼付剥離の利便性を向上させたシールを提供することができる。
【0100】
図18〜図19は、シールの他の実施形態について説明するための図である。
【0101】
本実施形態では、それぞれドットパターンが設けられた複数枚のシールを積層した構造となっている。積層されたシールは、積層状態で撮像されたドットパターンと、少なくともそのうちの1枚を剥離除去した状態で撮像されたドットパターンとでは異なる値を意味するパターンとなるように、各層のシールにドットパターンが形成されている。シールは、ドットパターンを読み取るための照射光を当該層で反射する材質で構成されており、各層を構成するシールにはそれぞれ単独で値の異なるドットパターンが照射光を吸収する材質で設けられている。これにより、2枚目以降のシールに印刷されたドットパターンが、シールをめくるまで認識できないようになっている。そのため、シールごとに独立のドットパターンが印刷されており、シールに印刷された情報ドットは、他のシールのドットパターンに影響を与えない。図18(a)は、シールをめくる前の状態を示した図、同図(b)はシールを1枚めくった状態を示した図、同図(c)は、シールをさらにもう1枚めくった状態を示した図である。
【0102】
図19は、シールが重ね合わせてある状態を示した斜視図である。
【0103】
このように、シールをめくるごとに、異なるドットパターンが現れる。すなわち、シールをめくると、キャラクタのパワーが異なってくる。そのため本シールは、ユーザに対し、シールをめくるとどのようなパワーを持つようになるか、という期待感を持たせ、ゲームに対する興趣をより一層わかせることが可能となる。
【0104】
図20は、ドットパターンを印刷したビニールケースについて説明した図である。(a)はビニールケースの外観およびその使用方法について示した図、(b)は、カードがビニールケースに装着された状態を示した図である。ビニールケースには、不可視インクでドットパターンが印刷されている。一方、カードにはドットパターンは印刷されていない。ユーザは、(b)に示す如く、カードをビニールケースに挿入した状態でゲームを行う。
【0105】
これによれば、ドットパターンが異なるビニールケースに変更することでカードのパラメータを変更させることが可能となるため、ユーザは、1枚のカードで様々なパラメータを得ることが可能である。
【0106】
なお、図21に示す如く、ドットパターンは、ビニールケースの両面に印刷されていてもよい。両面に印刷されていることにより、1枚のビニールシートでより多くのパラメータを提供することが可能となる。
【0107】
なお、本実施例ではドットパターンを印刷したビニールケースについて説明したが、本発明はこれに限らず、プラスチックケース等、カード本体を収納可能で、その一面また両面にドットパターンが形成された透明体であれば、他の部材であってもよい。また、カードに第1のドットパターンが印刷されており、透明体に第2または第3のドットパターンが印刷されていてもよい。
【0108】
図22は、カードに装着する別部材を、カード本体の縁部を保持可能なクリップとしたものである。本クリップは、薄型の樹脂で構成されている。クリップの一面または表裏両面には、ドットパターンが印刷されている。あるいは、クリップの一面または表裏両面には、ドットパターンを印刷したシールが貼付されていてもよい。ユーザはクリップをカードに装着する。そして、その状態でゲームを行う。
【0109】
シールを別部材とすると、剥離や粘着を多数繰り返すとシールの粘着力が弱まるという問題がある。また、粘着材によっては、カードに粘着材が残ってしまい、カードの美観を損ねるという可能性がある。しかし、別部材をクリップとすることにより、別部材の取り付け、取り外しを繰り返し行っても、取り付ける力が弱まることがないため、より自在に繰り返し使用することが可能となる。
【0110】
なお、クリップのドットパターンをシールに形成した場合、シールは、図18に示す如く、それぞれドットパターンが設けられた複数枚のシールを積層してなるようにしてもよい。
【0111】
次に、ドットパターンを透明な材質に印刷したシールを剥離除去または貼付することによりドットパターンを変化させる実施例について示したものである。
【0112】
シールはドットパターンを読み取るための照射光を透過可能な材質で構成されており、少なくとも2枚以上の積層状態でドットパターンを撮像したときの各層を透過したときの照射光の撮像画像から得られるドットパターンと、少なくともそのうちの1枚を剥離除去して各層を透過したときの照射光の撮像画像から得られるドットパターンとでは異なる値を意味するよう各層にそれぞれドットが配置されている。
【0113】
または、図23〜図24に説明する如く、1枚または2枚以上積層されているシールに、更にシールを貼付して積層させた場合に、ドットパターンが異なる値を意味するようにしてもよい。
【0114】
図23(a)は、ドットの数を増加させてドットパターンを変化させる例である。(1)は、下地シール、すなわち、1枚目のシールを示したものである。下地シールは、不透明な材質または透明な材質が用いられている。(2)は透明シールである。透明シールは、赤外線を透過する性質を有する。下地シール、透明シールには、それぞれ、基準格子点ドットおよび情報ドットが印刷されている。当該基準格子点ドットおよび情報ドットは、赤外線を吸収するインクで印刷されている。(3)は、下地シールの上に透明シールを貼付した状態を示した図である。シールを重ね合わせたことで、ドットパターンの意味する値が変化する。具体的には、(1)では、ドットパターンの意味する値は4、(2)では2であったが、(3)では9である。
【0115】
なお、不可視インクでドットを印刷する場合には、下地シールおよび透明シールに、貼付位置決定用のマーカーを印刷する必要がある。可視インクでドットを印刷する場合には、ユーザは、両者の基準格子点ドットを合わせて、透明シールを貼付する。また、基準格子点ドットは可視インクで印刷し、情報ドットを不可視インクで印刷するようにしてもよい。
【0116】
図23(b)は、ドットの数を減少させてドットパターンを変化させる例である。本実施例は、各層のいずれかの層に、照射光を照射したときに下層に配置されたドットを撮像できないようにするために、照射光を当該層で反射する材質で設けられたマスク部(マスクドット)を有することを特徴とする。
【0117】
(1)は下地シール、(2)は透明シール、(3)は下地シールの上に透明シールが貼付された状態を示した図である。透明シールには、赤外線遮断(反射)インクで印刷されたドット(マスクドット)が印刷されている。赤外線吸収インクで印刷されたドット上にマスクドットが配置されると、赤外線吸収インクで印刷されたドットが隠れ、撮像手段により撮像されなくなる。そのため、赤外線吸収インクで印刷されたドットのみが撮像されるため、認識されるドットパターンが変化する。具体的には、(1)では、ドットパターンの意味する値は5である。(2)では、+x方向にマスクドットが印刷されている。(3)では、+x方向に赤外線吸収インクで印刷されたドットが隠れるため、撮像される情報ドットは+y方向のドットのみとなり、ドットパターンの意味する値は1となる。
【0118】
図23(c)は、(a)の例と(b)の例を組み合わせた例である。すなわち、ドットの数を増加させることと減少させることの両方により、ドットパターンを変化させるものである。(1)に示す如く、下地シールの情報ドットの意味する値は5である。(2)では、−y方向には赤外線吸収インクでドットが印刷され、+x方向には赤外線遮断(反射)インクでマスクドットが印刷されている。(1)の下地シールの上に(2)の透明シールを貼付すると、+y方向と−y方向のドットが撮像され、ドットパターンの意味する値は6となる。
【0119】
図24は、図23(a)〜(c)の例において、シールを重ね合わせた状態を示した斜視図である。
【0120】
これによると、シールを剥離除去または貼付するたびに、異なるドットパターンが現れる。すなわち、シールを剥離除去または貼付すると、キャラクタのパワーが異なってくる。そのため本シールは、ユーザに対し、シールを剥離除去または貼付するとどのようなパワーを持つようになるか、という期待感を持たせ、ゲームに対する興趣をより一層わかせることが可能となる。
【0121】
図25は、本発明に係るカードの他の実施例を示した図である。本実施例は、カードの縁部に、シールを装着する際の位置決めを行うための切欠部が設けられているものである。本カードは、主に、図16および図17に示したシールを使用する際に用いる。このような切欠部を設けることにより、折り曲げられた状態のシールをカードに装着する際に、シールがずれて貼られてしまうことを防ぎ、適正位置にシールを貼付することが可能となる。
【0122】
切欠部は、図25(a)に示す如く1個だけでもよいし、同図(b)に示す如く、2個有していてもよい。2個の切欠部を有しているカードに図5で示したシールを貼付する場合、2枚のシールによるドットパターンの組み合わせは、256×256=65536通りとなる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、ゲームセンタ等の業務用および家庭用のカードゲーム機に用いるカードに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明に係るカードを使用するカードゲーム装置について示した図である。
【図2】ドットパターンの一例を示す説明図である。
【図3】ドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図4】情報ドットの配置を示す説明図である。
【図5】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図6】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図7】ドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図8】図2から図7に示したドットパターンにおいて、情報ドットの配置の仕方を変更してブロックの方向を定義する説明図である。
【図9】図2から図7に示したドットパターンにおいて、情報ドットの配置の仕方を変更してブロックの方向を定義する説明図であり、情報ドットの配置を示したものである。
【図10】本実施形態におけるドットの配置を示した説明図である。
【図11】本実施形態におけるドットパターンのフォーマットについて説明した図である。
【図12】ドットの配置の他の例について説明するための図である。
【図13】本発明に係るカードおよびシールについて説明するための図である。
【図14】カードとシールでドットの大きさを異ならせた実施例について説明するための図である。
【図15】本発明に係るシールについて説明するための図である。
【図16】折り曲げて使用することを特徴とするシールについて説明するための図である。
【図17】折り曲げて使用することを特徴とするシールにおいて、閉じた状態で提供することを特徴とするシールについて説明するための図である。
【図18】複数枚重ね合わせてあることを特徴とするシールについて説明するための図である。
【図19】図18のシールにおいて、重ね合わせてある状態を示した斜視図である。
【図20】本発明に係るビニールケースについて説明するための図(1)である。
【図21】本発明に係るビニールケースについて説明するための図(2)である。
【図22】本発明に係るクリップについて説明するための図である。
【図23】ドットパターンの上にシールを貼ることによりドットパターンを変化させるシールについて説明するための図である。
【図24】図23のシールにおいて、シールを重ね合わせた状態を示した斜視図である。
【図25】カード下部に切欠部を設けたカードについて説明するための図である。
【符号の説明】
【0125】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面に座標値またはコード値を所定のアルゴリズムでパターン化し所定の照射光により認識可能な第1のドットパターンが設けられ、
前記第1のドットパターンが設けられた領域と重なる領域または異なる領域に所定のアルゴリズムでパターン化された第2のドットパターンが設けられたカード。
【請求項2】
少なくとも前記第1のドットパターンは前記カードの一面の全部またはその一部に印刷により形成された請求項1記載のカード。
【請求項3】
前記第2または第3のドットパターンは前記カードに対して着脱可能な部材に形成されている請求項1記載のカード。
【請求項4】
前記着脱可能な部材はシールであり、前記シールの少なくとも一部に前記第2または第3のドットパターンが形成されている請求項3記載のカード。
【請求項5】
前記シールは、前記カードの縁部に沿ってカードの表裏両面方向に折りたたみ可能な状態で装着される請求項4記載のカード。
【請求項6】
前記シールの一面には粘着層が形成されており、当該粘着層は、折りたたみ線を境界として強粘着領域と弱粘着領域とに分割されており、カード装着前に、折りたたんだ状態で各粘着領域に1枚の剥離シートが介装されており、剥離シートからシールを剥離する際に、前記シールの強粘着領域のみに剥離シートが残着された状態で剥離シートの片面剥離が完了し、この片面剥離状態で露出された弱粘着領域を前記カードの表面または裏面に貼付し、前記強粘着領域の剥離シートを剥離した後に、前記カードの縁部に沿ってシールをたたみ込み強粘着領域をカードの裏面または表面に貼付する請求項5記載のカード。
【請求項7】
前記シールの一面には折りたたみ線を境界として同一の粘着力を有する粘着層が形成されており、カード装着前に折りたたんだ状態で各粘着領域に1枚の剥離シートが介装されており、該剥離シートは表裏面で剥離力が異なっており、剥離シートからシールを剥離する際に、前記剥離シートの弱剥離力(粘着性が強い)面のみに剥離シートが残着された状態で剥離シートの片面剥離が完了し、この片面剥離状態で露出された粘着領域を前記カードの表面または裏面に貼付し、次に前記剥離シートを残着された弱剥離力面から剥離した後に、前記カードの縁面に沿ってシールをたたみ込み露出された粘着領域をカードの裏面または表面に貼付する請求項5記載のカード。
【請求項8】
前記シールは、それぞれドットパターンが設けられた複数枚のシールを積層してなる請求項4記載のカード。
【請求項9】
前記着脱可能な部材はカード本体を収納可能で、その一面に前記第2または第3のドットパターンが形成された透明体である請求項3記載のカード。
【請求項10】
前記透明体のカード表面側と裏面側とでは異なる値をパターン化したドットパターンが設けられている請求項9記載のカード。
【請求項11】
前記着脱可能な部材は、カード本体の縁部を保持可能なクリップであり、そのクリップ面の少なくとも一部に前記第2または第3のドットパターンが形成されている請求項3記載のカード。
【請求項12】
前記クリップの表裏両面にそれぞれ値の異なるドットパターンが形成されている請求項11記載のカード。
【請求項13】
前記クリップの第2または第3のドットパターンは、クリップの一面に貼付されたシールに形成されている請求項11記載のカード。
【請求項14】
前記シールは、それぞれドットパターンが設けられた複数枚のシールを積層してなる請求項13記載のカード。
【請求項15】
前記で積層されたシールは、積層状態で撮像されたドットパターンと、少なくともそのうちの1枚を剥離除去した状態で撮像されたドットパターンとでは異なる値を意味するパターンとなるように、各層のシールにドットパターンが形成された請求項4または14記載のカード。
【請求項16】
前記シールはドットパターンを読み取るための照射光を当該層で反射する材質で構成されており、各層を構成するシールにはそれぞれ単独で値の異なるドットパターンが照射光を吸収する材質で設けられている請求項15記載のカード。
【請求項17】
前記シールはドットパターンを読み取るための照射光を透過可能な材質で構成されており、少なくとも2枚以上の積層状態でドットパターンを撮像したときの各層を透過したときの照射光の撮像画像から得られるドットパターンと、少なくともそのうちの1枚を剥離除去して各層を透過したときの照射光の撮像画像から得られるドットパターンとでは異なる値を意味するよう各層にそれぞれドットが配置されている請求項15記載のカード。
【請求項18】
前記各層のいずれかの層には、前記照射光を照射したときに下層に配置されたドットを撮像できないようにするために照射光を当該層で反射する材質で設けられたマスク部(マスクドット)を有する請求項17記載のカード。
【請求項19】
前記カードの縁部には、シールを装着する際の位置決めを行うための切欠部が設けられている請求項5記載のカード。
【請求項20】
前記ドットパターンを構成するドットは前記照射光を吸収する材質で設けられている請求項1〜19のいずれかに記載のカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−161578(P2008−161578A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356469(P2006−356469)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【特許番号】特許第3998701号(P3998701)
【特許公報発行日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】