説明

ドネペジルの製造方法

【課題】ドネペジルの新規製造方法の提供。特に、反応時間の短縮、コスト低減、安全性向上を図る。
【解決手段】E2M、有機溶媒、弱塩基、亜ジチオン酸ナトリウム、及び相間移動触媒を混合して、E2M混合溶液を得る工程;E2M混合溶液を加熱し、水を加えて、有機層を有する加熱E2M水溶液を得る工程;及び、加熱E2M水溶液から有機層を抽出し、有機層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程を有する。還元剤として亜ジチオン酸ナトリウムを用いることによって、従来法で用いる水素ガスの安全性を向上させ、非常に高価な従来の貴金属触媒とは対照的に、コストを低下させる。さらに、本方法は、85%を超える有望な収率のドネペジルを合成するのにわずか60分の反応時間しか必要とせず、ドネペジルの生産効率及び経済的価値を大いに上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドネペジルの製造方法であって、特に、反応時間を短縮し、安全性を向上させるために、低コストの還元剤である亜ジチオン酸ナトリウム(Na)を用いる、ドネペジルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドネペジルは、アルツハイマー病を治療するための最も重要な薬剤のうちの一つであり、Aricept(商標)で1996年にFDAによって承認された。
【0003】
従来のドネペジルの製造方法は、前駆体として(E)−2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)メチレン)−5,6−ジメトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(以下、”E2M”と表す)を用いる還元反応によって開始する。その構造は、一般式1に示す。
一般式1
【0004】
【化1】

【0005】
ドネペジル、2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)−5,6−ジメトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンは、一般式2に示す構造を有する。
一般式2
【0006】
【化2】

【0007】
米国特許出願公開第2007/0088055号及び第2009/0253746号に関して、これらの方法では、E2Mの“炭素=炭素”二重結合は、触媒によってドネペジルの炭素‐炭素単結合に還元される。該引用文献で用いる触媒はそれぞれ、水素ガス(H)とパラジウム(Pd)/酸化アルミニウム(III)(Al)、及び水素ガスと白金(Pt)/炭素(C)であり、これらは共に、貴金属(パラジウム又は白金)表面の水素が、E2Mの“炭素=炭素”二重結合を“炭素−炭素”単結合に還元して、ドネペジルを生成することを可能にする。
【0008】
従来法を利用することによって、還元に水素を用いることによる安全性の懸念を急激に高めるだけでなく、パラジウム又は白金等の貴金属の使用により、コストを上げる。さらに、前述の引用文献で示すような非効率的な触媒反応の反応時間はそれぞれ、3時間及び7時間である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0088055号
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0253746号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
短所を克服するために、本発明は、前述した問題を緩和するか、又は回避するためのドネペジルの製造方法を提供する。
【0011】
本発明の主な目的は、ドネペジルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の方法は、E2M、有機溶媒、弱塩基、亜ジチオン酸ナトリウム、及び相間移動触媒を混合して、E2M混合溶液を得る工程;該E2M混合溶液を加熱し、水を加えて、有機層を有する加熱E2M水溶液を得る工程;及び、該加熱E2M水溶液から該有機層を抽出し、該有機層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程を含む。
【発明の効果】
【0013】
還元剤として亜ジチオン酸ナトリウムを用いることによって、従来法で用いる水素ガスの安全性を向上させ、非常に高価な従来の貴金属触媒とは対照的に、コストを低下させる。さらに、本発明の方法は、85%を超える有望な収率のドネペジルを合成するのにわずか60分の反応時間しか必要とせず、ドネペジルの生産効率及び経済的価値を大いに上げる。
【0014】
添付図面と共に利用する場合、本発明の他の目的、利点、及び新たな特徴は、次の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施例1のE2Mの水素1NMR(プロトンNMR)スペクトルである。
【図2】図2は、実施例2のドネペジルの水素1NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例1)
本実施例では、ドネペジルを製造するための前駆体E2Mの調製方法を示す。該E2Mの調製方法は、次の工程を含む:
1. 水酸化ナトリウムを水に溶解することによって水酸化カリウム水溶液を得る工程;
2. 1)臭化テトラブチルアンモニウム、2)5,6−ジメトキシ−1−インダノン、3)ジクロロメタン、及び4)N−ベンジルピペリジン−4−カルボキシアルデヒドを、前述の水酸化カリウム水溶液に加え、水酸化カリウム混合溶液を得る工程;
3. 該水酸化カリウム混合溶液を撹拌しながら加熱し、有機層を有する加熱水酸化カリウム混合溶液を得る反応を可能にする工程;及び、
4. メチルベンゼン(トルエン)によって該加熱水酸化カリウム混合溶液の該有機層を抽出して、生成物を得、該生成物を結晶化及びろ過してE2Mを得る工程。
【0017】
本実施例において、具体的には前述の工程を次のように行う。
【0018】
1. 11.11グラム又は0.0535molの一般式3に示す構造を有するN−ベンジルピペリジン−4−カルボキシアルデヒド、及び10グラム又は0.051molの一般式4に示す構造を有する5,6−ジメトキシ−1−インダノンを調製した。
一般式3
【0019】
【化3】

【0020】
一般式4
【0021】
【化4】

【0022】
13.46グラム又は0.2039molの水酸化カリウム(KOH)、100mlの水、8.39グラム又は0.0255molの臭化テトラブチルアンモニウム、及び80mlのジクロロメタンを調製した。なお、前述の化合物のモル比は、N−ベンジルピペリジン−4−カルボキシアルデヒド:5,6−ジメトキシ−1−インダノン:水酸化カリウム:臭化テトラブチルアンモニウム=1.05:1:4:0.5であった。
【0023】
容器中で水酸化カリウムを水に溶解し、臭化テトラブチルアンモニウム、ジクロロメタン、N−ベンジルピペリジン−4−カルボキシアルデヒド、及び5,6−ジメトキシ−1−インダノンを加えて、混合物を生成した。次いで、該混合物を撹拌及び加熱して、38℃、1.5時間反応させて、加熱水酸化カリウム混合溶液を得た。なお、臭化テトラブチルアンモニウムは、相間移動触媒として用いた。
【0024】
2. 有機層は、該加熱水酸化カリウム混合溶液の水層から分離し、80mlの水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮及び乾燥した。
【0025】
3. 100mlのメチルベンゼンを該有機層に加えて、混合物を得た。該混合物を撹拌し、78℃まで加熱し、溶解及び浄化させた。徐々に温度を68℃まで下げ、結晶を形成させた。該混合物の撹拌を30分間続け、温度を更に室温まで下げた。該混合物を2時間氷浴し、ろ過し、粉末を得た。
【0026】
図1に関して、水素1NMR分析によって、該粉末はE2Mと同定される。本実施例に示す方法では、E2Mの分子量は377.5であり、E2Mの収率は90%より多く、その純度は、98.551%に達する。
【0027】
本実施例で行う反応を反応1に示す。
反応1
【0028】
【化5】

【0029】
(実施例2)
本実施例では、E2Mによるドネペジルの製造方法を示す。ドネペジルの製造方法は、次の工程を含む:
1. メチルベンゼン、E2M、炭酸水素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、及び臭化テトラブチルアンモニウムを混合して、E2M混合溶液を得る工程;
2. 該E2M混合溶液を加熱し、水を加え、メチルベンゼン層を有する加熱E2M水溶液を得る反応を可能にする工程;及び、
3. 該加熱E2M水溶液から該メチルベンゼン層を抽出し、該メチルベンゼン層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程。
【0030】
本実施例において、具体的には前述の工程を次のように行う。
【0031】
1. 室温で、1グラム又は0.0026molのE2M粉末と10mlのメチルベンゼンを容器に入れ、4.01グラム又は0.0472molの炭酸水素ナトリウム、4.83グラム又は0.0236molの亜ジチオン酸ナトリウム、及び0.43グラム又は0.0013molの臭化テトラブチルアンモニウムを更に加えた。なお、E2M:炭酸水素ナトリウム:亜ジチオン酸ナトリウム:臭化テトラブチルアンモニウムのモル比は、1:18:9:0.5であった。
【0032】
メチルベンゼン、E2M、炭酸水素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、及び臭化テトラブチルアンモニウムを容器に加え、温度を70℃まで上げ、20mlの水を5 ml/分の速度で加えて60分間反応させた。次いで、加熱を止めて、反応を停止し、加熱E2M水溶液を得た。
【0033】
2. 該加熱E2M水溶液からメチルベンゼン層をとり、10mlの水で洗浄し、濃縮及び乾燥した。
【0034】
3. 濃縮及び乾燥したメチルベンゼン層から粉末を得た。
【0035】
図2に関して、水素1NMR分析によって、該粉末はE2Mと同定される。本実施例に示す方法では、ドネペジルの分子量は379.5であり、ドネペジルの収率は85%より多く、生成したドネペジルの純度は、99.756%に達する。
【0036】
本実施例で行う反応を反応2に示す。
反応2
【0037】
【化6】

【0038】
本実施例は、亜ジチオン酸ナトリウムが、水素ガスより安全な還元剤であることを示す。さらに、亜ジチオン酸ナトリウムは、弱塩基性環境で非常に安定し、反応を促進するための炭酸水素ナトリウムの添加と共に、加熱E2M水溶液に提供することができる。合成反応は、亜ジチオン酸ナトリウムが、有機相(メチルベンゼン)に代わって、水相のみで溶解する、二相性の反応である。しかしながら、E2Mは有機化合物であり、有機相でしか溶解しないので、相間移動触媒である臭化テトラブチルアンモニウムを加えて、反応させる。要約すると、本実施例で示すように、本発明で用いる還元剤亜ジチオン酸ナトリウムは、低コストで、安全である。また、それとの合成は、わずか60分の短い反応時間しか必要としない。
【0039】
(実施例3)
本実施例は、他のE2Mによるドネペジルの製造方法を示す。該方法は、次の工程を含む:
1. 酢酸エチル、E2M、炭酸水素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、臭化テトラブチルアンモニウム、及び水を混合して、E2M混合溶液を得る工程;
2. 該E2M混合溶液を加熱して、有機層を有する加熱E2M水溶液を得る工程;及び、
3. 該加熱E2M水溶液から該有機層を抽出し、該有機層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程。
【0040】
本実施例において、具体的には前述の工程を次のように行う。
【0041】
1. 室温で、1グラム又は0.0026molのE2M粉末と15mlの酢酸エチルを容器に入れ、1.35グラム又は0.0159molの炭酸水素ナトリウム、1.09グラム又は0.0053molの亜ジチオン酸ナトリウム、及び0.44グラム又は0.0013molの臭化テトラブチルアンモニウムを更に加えた。なお、E2M:炭酸水素ナトリウム:亜ジチオン酸ナトリウム:臭化テトラブチルアンモニウムのモル比は、1:6:2:0.5であった。
【0042】
酢酸エチル、E2M、炭酸水素ナトリウム、及び臭化テトラブチルアンモニウムを容器に加え、15mlの水を更に加え、温度を65℃まで上げ、亜ジチオン酸ナトリウムを加えて30分間反応させた。次いで、加熱を止めて、反応を停止し、加熱E2M水溶液を得た。
【0043】
2. 該加熱E2M水溶液から有機層をとり、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、次いで、濃縮及び乾燥し、濃縮及び乾燥した有機層から粉末を得た。
【0044】
本実施例に示す方法では、ドネペジルの分子量は379.5であり、ドネペジルの収率は88%より多く、生成したドネペジルの純度は、99.802%に達する。
【0045】
本実施例で行う反応を反応3に示す。
反応3
【0046】
【化7】

【0047】
(実施例4)
本実施例は、他のE2Mによるドネペジルの製造方法を示す。該方法は、次の工程を含む:1. イソブタノール(イソブチルアルコール又は2−メチルプロパン−1−オール)、E2M、炭酸水素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、臭化テトラブチルアンモニウム、及び水を混合して、E2M混合溶液を得る工程;2. 該E2M混合溶液を加熱して、有機層を有する加熱E2M水溶液を得る工程;及び、3. 該加熱E2M水溶液から該有機層を抽出し、該有機層を結晶化及びろ過して、ドネペジルを得る工程。
【0048】
本実施例において、具体的には前述の工程を次のように行う。
【0049】
1. 室温で、1グラム又は0.0026molのE2M粉末と15mlのイソブタノールを容器に入れ、2.7グラム又は0.0318molの炭酸水素ナトリウム、1.09グラム又は0.0053molの亜ジチオン酸ナトリウム、及び0.44グラム又は0.0013molの臭化テトラブチルアンモニウムを更に加えた。なお、E2M:炭酸水素ナトリウム:亜ジチオン酸ナトリウム:臭化テトラブチルアンモニウムのモル比は、1:12:2:0.5であった。
【0050】
イソブタノール、E2M、炭酸水素ナトリウム、及び臭化テトラブチルアンモニウムを容器に加え、15mlの水を更に加え、温度を65℃まで上げ、亜ジチオン酸ナトリウムを加えて30分間反応させた。次いで、加熱を止めて、反応を停止し、加熱E2M水溶液を得た。
【0051】
2. 該加熱E2M水溶液から有機層をとり、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、次いで、濃縮及び乾燥し、濃縮及び乾燥した有機層から粉末を得た。
【0052】
本実施例に示す方法では、ドネペジルの分子量は379.5であり、ドネペジルの収率は84.93%であり、生成したドネペジルの純度は、91.178%に達する。
【0053】
本実施例で行う反応を反応4に示す。
反応4
【0054】
【化8】

【0055】
次の表1は、複数の先行技術文献に開示された従来法との比較における本発明の利点を示す。
【0056】
【表1】

【0057】
(実施例5)
本実施例は、本発明の方法によって製造されたドネペジルによる誘導体(例えば、塩酸ドネペジル)の製造方法を示す。塩酸ドネペジルの製造方法は、次の工程を含む:
1. 実施例2〜4に記載の方法のうちのいずれかによって、ドネペジルを調製する工程;
2. ドネペジルをメタノールに加えて、ドネペジルメタノール溶液を得る工程;
3. 該ドネペジルメタノール溶液を加熱し、濃塩酸を加えて、塩酸ドネペジルメタノール溶液を得る工程;及び、
4. 該塩酸ドネペジルメタノール溶液にジイソプロピルエーテルを加え、該溶液の温度を下げて結晶の形成を促進し、該溶液を氷浴した後、該溶液をろ過及び減圧乾燥して、塩酸ドネペジルを得る工程。
【0058】
本実施例において、具体的には前述の工程を次のように行う。
【0059】
1. 1.67グラム又は0.0044molのドネペジルを1.98mlのメタノールに加えて、混合物を得た。該混合物を40℃まで加熱して、ドネペジルメタノール溶液を得るためにドネペジルを溶解した。
【0060】
2. 該ドネペジルメタノール溶液に、0.6ml又は0.0053molの濃塩酸を0.5 mL/分の速度で加えて、混合物を得た。該混合物のろ過を行い、ろ過混合物を得た。
【0061】
3. 該ろ過混合物に32.89mlのジイソプロピルエーテルを加えて、第2混合物を得た。該第2混合物の結晶の形成を可能にするように、温度を15分当たり3℃の速度で下げた。そして、温度が室温に低下するまで、該第2混合物の撹拌を30分間続けた。
【0062】
4. 該第2混合物を5〜10℃、2時間氷浴し、ろ過を行い、ろ過ケーキを得た。該ろ過ケーキを、容積測定的に等しい量のメタノール及びジイソプロピルエーテルの冷却溶液で洗浄し、真空乾燥を行い、塩酸ドネペジルの白色粉末を得た。その分子量は416であった。
【0063】
本実施例に示す方法では、塩酸ドネペジルの収率は90%であり、その純度は、99.637%である。
【0064】
本実施例で行う反応を反応5に示す。
反応5
【0065】
【化9】

【0066】
還元剤として亜ジチオン酸ナトリウムを用いることによって、従来法で用いる水素ガスの安全性を向上させ、非常に高価な従来の貴金属触媒とは対照的に、コストを低下させる。さらに、本発明の方法は、85%を超える有望な収率のドネペジルを合成するのにわずか60分の反応時間しか必要とせず、ドネペジルの生産効率及び経済的価値を大いに上げる。
【0067】
上述したとおり、本発明によるドネペジルの製造方法は、短所を克服し、先行技術の問題を緩和するか、又は回避することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(E)−2−((1−ベンジルピペリジン−4−イル)メチレン)−5,6−ジメトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(以下、”E2M”と表す)、有機溶媒、弱塩基、亜ジチオン酸ナトリウム、及び相間移動触媒を混合して、E2M混合溶液を得る工程;
該E2M混合溶液を加熱し、水を加えて、有機層を有する加熱E2M水溶液を得る工程;及び、
該加熱E2M水溶液から有機層を抽出し、該有機層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程
を含む、ドネペジルの製造方法。
【請求項2】
前記有機溶媒が、メチルベンゼン、酢酸エチル、及びイソブタノールからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記弱塩基が炭酸水素ナトリウムである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記相間移動触媒が、臭化テトラブチルアンモニウムである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記有機溶媒がメチルベンゼンであり、前記弱塩基が炭酸水素ナトリウムであり、前記相間移動触媒が、臭化テトラブチルアンモニウムであり、かつ、E2M:炭酸水素ナトリウム:亜ジチオン酸ナトリウム:臭化テトラブチルアンモニウムのモル比が、1:18:9:0.5である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記有機溶媒が酢酸エチルであり、前記弱塩基が炭酸水素ナトリウムであり、前記相間移動触媒が、臭化テトラブチルアンモニウムであり、かつ、E2M:炭酸水素ナトリウム:亜ジチオン酸ナトリウム:臭化テトラブチルアンモニウムのモル比が、1:6:2:0.5である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記有機溶媒がイソブタノールであり、前記弱塩基が炭酸水素ナトリウムであり、前記相間移動触媒が、臭化テトラブチルアンモニウムであり、かつ、E2M:炭酸水素ナトリウム:亜ジチオン酸ナトリウム:臭化テトラブチルアンモニウムのモル比が、1:12:2:0.5である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記E2M混合溶液を加熱し、水を加えて、有機層を有する加熱E2M水溶液を得る工程において、該E2M混合溶液を65〜70℃まで加熱し、水を加えて、有機層を有する加熱E2M水溶液を得るように、30〜60分間反応させる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記加熱E2M水溶液から有機層を抽出し、該有機層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程が、
該有機層を抽出し、該有機層を洗浄して、洗浄有機層を得る工程;及び、
該洗浄有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、該有機層を濃縮及び乾燥して、ドネペジルを得る工程
を含む、請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−40150(P2013−40150A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179817(P2011−179817)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(505257844)信東生技股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】