説明

ドネペジル塩の結晶多形、その製造方法及び応用

本発明は1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン(即ちドネペジル, Donepezil)のメタンスルホン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、没食子酸塩、アセチルサリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、アスコルビン酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、ソルビン酸塩、酢酸塩又はギ酸塩の製造方法に関し、また、これらから得る新規な結晶多形およびその製造方法に関し、また、ドネペジル塩酸塩とマレイン酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸又はコハク酸とから得る共結晶に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン(即ちドネペジル, Donepezil)のメタンスルホン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、没食子酸塩、アセチルサリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、アスコルビン酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、ソルビン酸塩、酢酸塩又はギ酸塩の製造方法、これらから得る新規な結晶多形およびその製造方法、並びにドネペジル塩酸塩とマレイン酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸又はコハク酸とから得る共結晶に関する。
【背景技術】
【0002】
ドネペジル塩酸塩(Donepezil Hydrogen Chloride)の化学名は1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン塩酸塩であり、その構造式は下記の通りである。
【化1】

【0003】
ドネペジル塩酸塩は二代目のコリンエステラーゼ(ChE)阻害剤であり、長効のアルツハイマー病(AD)の対症治療薬である。ADは記銘力低下を主な症状として、そのほかの認知障害を伴う獲得性智力低下である。過去30年間の研究で明らかになるように、ADコリン作動性ニューロンの進行性退化は記銘力低下、見当識障害、行為と性格変化の原因である。このコリン作動性理論はすでに組織学的に確認された。ドネペジルの治療作用はアセチルコリンエステラーゼ (AchE)によるアセチルコリンの加水分解が可逆的に抑制され、受容体部位におけるアセチルコリンの含有量を向上させ、周囲組織たとえば心筋、赤血球のアセチルコリンエステラーゼへの作用が弱くなる。ドネペジルはそのほかの機構を有する可能性もあり、ペプチドへの対処、神経伝達物質受容体またはCa2+チャンネルへの直接な作用が含まれる。ドネペジルは良好な選択性、高いバイオアベイラビリティ、長い半減期を有するため、投与は便利であり、肝毒性がなく、極めて患者の受容性に優れる。ドネペジルはアルツハイマー病 (AD)に対する治療効果が著しく高いため、市場規模が大きくなってきている。
【0004】
中国特許ZL200310106920.3ではドネペジルの製造方法が記載されている。
日本国特開昭64-79151(US4895841、EP296560) では、いくつかのドネペジル塩が開示され、特に老人性認知症の予防・治療薬として良好な薬効を有する塩酸塩がアルツハイマー病の予防・治療薬としての応用およびこれらの薬物の産業的製造方法が開示された。中国特許出願CN1874998Aではドネペジルシュウ酸塩の製造方法及び結晶多形が開示された。
老人性認知症は主に高齢者で発生する一般的な疾病であり、進行性認知障害と記銘力障害を主とする中枢神経系の変性であり、主な症状としては記銘障害、計算力の低下、視空間失認、言語障害、理解力や判断力の低下、感情障害、行動障害などが取上げられる。ADを治療するために長期間に渡って薬物を投与する必要があり、また従来、国内で販売されるドネペジル製剤は常規の経口投与製剤であるため、嚥下困難な高齢者にとって非常に不便である。
【0005】
経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠またはチュアブル剤は普通の錠剤と比べて、嚥下困難な高齢者にとって便利に安全に使用できる。特に、口腔内崩壊錠は水がなくてもまた噛まなくても、舌に置くだけで、唾液で速やかに崩壊することができ、薬効が速めに現れるなどの利点がある。また、貯蔵が便利であり、製造プロセスが成熟であり、コストが普通の錠剤に同等であり、嚥下困難な高齢者にとって便利に使用できる。先進国では、ドネペジル塩酸塩の口腔内崩壊錠は既によく使用される剤型になる。
【0006】
文献では、ドネペジル塩酸塩、臭化水素酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、シュウ酸塩、琥珀酸塩、マレイン酸塩とフマル酸塩の製造や新規な結晶型が報告されたが、いままでこれらの塩に対する味覚評価が報告されておらず、苦味がないドネペジル塩又は製剤も報告されていない。ただし、ドネペジル塩酸塩は苦味が強く、且つ苦味マスキング剤によりマスキングされることができないから、ドネペジル塩酸塩の口腔内崩壊錠を服用したくない患者が多くなる。従って、無味のドネペジル塩または無味のドネペジル塩の経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠またはチュアブル剤を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ZL200310106920.3号公報
【特許文献2】特開昭64−79151号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明は化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形または化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形及び製造方法が開示され、その中、XHはメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸を示す。
【化2】

【0009】
本発明はさらにいくつかの無苦味又はほろ苦いドネペジル塩が開示され、即ち、化学式(II)に示される化合物(その中、YHは硝酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、没食子酸又はマレイン酸を示す)、少なくとも一種の化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物または化学式(II)に示される化合物の結晶多形の口腔内崩壊錠、経口液、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、顆粒剤または凍結乾燥速溶錠が開示される。
【化3】

その中、YHは硝酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸又は没食子酸を示す場合、化学式(II)に示される化合物は無苦味である。YHはマレイン酸を示す場合、化学式(II)に示される化合物はほろ苦いであるが、製剤化するとき、マスキング剤により苦味をマスキングすることができる。
【0010】
本発明はさらにドネペジル塩酸塩とマレイン酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸又はコハク酸とから得る複合物、即ち化学式(III)に示される化合物、及び化学式(III)に示される化合物の共結晶、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶(その中、QHはマレイン酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸又はコハク酸を示す; m:n:q=(1-10):(0.1-10):(0.1-10))、ならびにその製造方法、少なくとも一種の化学式(III)に示される化合物の共結晶を含有する口腔内崩壊錠、経口液、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、顆粒剤、凍結乾燥速溶錠、普通の錠剤またはカプセル剤が開示される。
【化4】

【0011】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、使用されるときに、溶媒和しない形態であってよく、溶媒和している形態であってもよく、特に水和物又はアルコラートの形態である。
【0012】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、使用されるときに、単一の塩であってもよく、いくつかの塩の混合物であってもよい。
【0013】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、使用されるときに、不定形であってもよく、これらの各結晶型またはこれらの混合物であってもよい。
【0014】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、使用されるときに、S体であってもよく、R体であってもよく、又はS体とR体の混合物であってもよい。
【0015】
本発明において、ドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩の単位投与量は0.1 mg〜50 mgの範囲であり、好ましい単位投与量は1 mg〜30 mgであり、より好ましい単位投与量は2 mg〜20 mgの範囲である。
【0016】
本発明において、ドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩の最適な単位投与量は、2.5 mg、5 mg、10 mg、20 mgドネペジル塩酸塩に対して等モル当量の単位投与量であり、その中、最もよく使用される単位投与量は5 mgと10 mgドネペジル塩酸塩に対し等モル当量の単位投与量である。
【0017】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、適宜なその他の薬物と組み合わせて使用することができる。
【0018】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、適宜な漢方薬抽出物と組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明に係るドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩は、中枢性アセチルコリンの含有量を増加させることで緩解できる疾病または生理的障害を治療する薬物の製造に応用でき、これらの疾病または生理的障害は特に制限されていないが、アルツハイマー病 (AD)、記銘力退化、兒童過動症、進行性脳萎縮症とパーキンソン病が含まれる。
【0020】
本発明はさらにドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩の経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠、チュアブル剤、普通の錠剤又はカプセル剤の処方及びその製造方法が開示される。
【化5】

【0021】
本発明の、ドネペジル即ち化学式(XX)に示される化合物とメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩、即ち、化学式(I)に示される化合物又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の製造方法としては
(a)ドネペジルを適宜な甲溶媒に溶解して溶液Aを調製する、
(b)対応する酸XHを適宜な乙溶媒に溶解して溶液Bを調製する、
(c)溶液Aを溶液Bに加え、或いは、溶液Bを溶液Aに加えることによって混合溶液を調製し、混合溶液から分離してドネペジル塩(即ち化合式(I)に示される化合物)を得る。
【0022】
ここで言う甲溶媒又は乙溶媒は、それぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。ドネペジルと酸とのフィード比は1:0.2〜5 (モル比)である。
【0023】
また、本発明において、ドネペジル即ち化学式(XX)に示される化合物とメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩又は塩の溶媒和物より製造される結晶多形及びその製造方法が開示される。化学式(I)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の製造方法としては
(a)ネペジルを適宜な丙溶媒に溶解して溶液Cを調製する、
(b)対応する酸 XHを適宜な丁溶媒に溶解して溶液Dを調製する、
(c)溶液Cを溶液Dに加え、又は溶液Dを溶液Cに加えることによって混合溶液を調製する、
(d)混合溶液EにはЖ溶媒を加えても加えなくても良い。
【0024】
ここで言う丙溶媒、丁溶媒又はЖ溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。ドネペジルと酸とのフィード比は1:0.2〜5 (モル比)である。
【0025】
本発明に係る化学式(I)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形は以下の方法で製造されてもいい。ドネペジル塩をΩ溶媒に溶解し、さらにЖ溶媒を加えてもよく、結晶を析出させ、対応するドネペジル塩の結晶多形又は対応するドネペジル塩の溶媒和物の結晶多形を得る。
【0026】
ここで言うΩ溶媒又はЖ溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンより選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。
【0027】
なお、本発明において、パラ-トルエンスルホン酸と類似する置換ベンゼンスルホン酸としては、メチルベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、フルオロベンゼンスルホン酸を含むが、これに制限されていない。ニトロベンゼンスルホン酸は、本発明に係る方法で、対応するドネペジル塩、ドネペジル塩の溶媒和物、ドネペジル塩の結晶多形及びドネペジル塩の溶媒和物の結晶多形を製造できる。
これらの塩から形成される十四種類の新規な結晶多形は、
ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)の一種の結晶多形 (I-A)、
ドネペジルパラトルエンスルホン酸塩 (II)の一種の結晶多形 (II-A)、
ドネペジル琥珀酸塩 (III)の一種の結晶多形 (III-A)、
ドネペジル酒石酸塩 (IV)の一種の結晶多形 (IV-A)、
ドネペジル硫酸塩 (V)の二種の結晶多形 (V-A and V-B)、
ドネペジル硝酸塩 (VI)の一種の結晶多形 (VI-A)、
ドネペジルリン酸塩 (VII)の一種の結晶多形 (VII-A)、
ドネペジルサリチル酸塩 (VIIII)の一種の結晶多形 (VIII-A)、
ドネペジルフマル酸塩 (IX)の一種の結晶多形 (IX-A)、
ドネペジルマレイン酸塩 (X)の二種の結晶多形 (X-AとX-B)、
ドネペジルリンゴ酸塩 (XI)の一種の結晶多形 (XI-A)、と
ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)の一種の結晶多形 (XII-A)とを含む。
【0028】
粉末X線回折パターンの測定条件:
試料量:約100 mg
ターゲッ卜:Cu
フィルター:単色
電圧/電流:40kV/100mA
スリット:SS/DS 1°、RS 0.3 mm
走査速度:8 °/min
赤外吸収の測定条件:
解像度:4 cm-1
走査回数:20
スペクトル領域:4000-400 cm-1
熱重量-示差熱分析(TG-DTA) の測定条件:
試料量:約6 mg
参照:Al2O3
昇温速度:10 ℃/min
注入:0.7 秒
上限:250 ℃
下限:室温
【0029】
本発明に係る十四種の新規な結晶多形の融点は以下の通りである。
ドネペジルメタンスルホン酸塩(I)の結晶多形(I-A)の融点:179.1〜182.6 ℃
ドネペジルパラトルエンスルホン酸塩(II)の結晶多形(II-A):170.3〜171.0 ℃
ドネペジル琥珀酸塩(III)の結晶多形 (III-A):168.9〜170.2 ℃
ドネペジル酒石酸塩 (IV)の結晶多形 (IV-A):160.3〜164.5 ℃
ドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-A):175.1 ℃
ドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-B):130.0 ℃
ドネペジル硝酸塩 (VI)の結晶多形 (VI-A):213.5〜216.3 ℃
ドネペジルリン酸塩 (VII)の結晶多形 (VII-A):156.5 ℃
ドネペジルサリチル酸塩 (VIIII)の結晶多形 (VIII-A):174.8〜175.5 ℃
ドネペジルフマル酸塩 (IX)の結晶多形 (IX-A):170.0〜171.8 ℃
ドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-A):130.1〜132.4 ℃
ドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-B):131.1 ℃
ドネペジルリンゴ酸塩 (XI)の結晶多形 (XI-A):142.4〜144.7 ℃ ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)の結晶多形 (XII-A):175.8 ℃
【0030】
本発明に係る十四種の新規な結晶多形の粉末X線回折パターンとIRスペクトルのデータは以下の通りである。
(1) ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)の一種の結晶多形 (I-A)
【表1】

I-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr)(cm-1):437.8、478.3、543.8、576.6、640.3、665.3、721.3、792.6、823.5、877.5、904.5、962.3、987.4、1074.2、1135.9、1184.1、1290.2、1351.9、1396.2、1486.9、1548.6、1633.4、1814.7、1874.5、1947.8、2028.8、2123.3、2215.8、2294.9、2462.7、2653.6、2807.9、2861.9、2989.2、3141.5、3708.5、3743.2、3814.6、3851.2、3897.5、3928.3、3988.1。
【0031】
(2) ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II)の一種の結晶多形 (II-A)
【表2】

II-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):491.8、595.9、628.7、725.1、790.7、848.5、885.2、946.9、1020.2、1068.4、1139.7、1193.7、1242.0、1282.5、1344.2、1390.4、1481.1、1548.6、1633.4、1770.4、1816.6、1866.8、1959.4、2024.9、2102.1、2260.2、2580.3、2636.3、2694.1、2798.2、2858.0、2958.3、3155.0、3708.5、3741.3、3799.1、3851.2、3878.2、3939.9、3988.1。
【0032】
(3)ドネペジル琥珀酸塩 (III)の一種の結晶多形(III-A)
III-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):532.3、572.8、669.2、717.4、773.3、819.6、877.5、935.3、960.4、997.0、1053.0、1141.7、1186.0、1232.3、1294.0、1353.8、1411.7、1483.0、1535.1、1641.2、2183.1、2615.0、2688.3、2815.6、2850.3、2877.3、2985.3、3052.8、3147.3、3698.9.
【表3】

【0033】
(4) ドネペジル酒石酸塩 (IV)の一種の結晶多形 (IV-A)
【表4】

IV-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):513.0、572.8、642.2、738.6、773.3、833.1、896.8、987.4、1053.0、1095.4、1162.9、1238.1、1286.3、1353.8、1376.9、1446.4、1483.0、1537.0、1631.5、1951.6、2036.5、2140.6、2179.2、2597.7、2649.8、2777.0、2804.0、2863.8、2989.2、3018.1、3166.6、3388.4、3716.2、3793.4、3847.4、3878.2、3939.9、3988.1。
【0034】
(5) ドネペジル硫酸塩 (V)の二種の結晶多形V-AとV-B
【表5】

ドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-A)の赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):493.7、636.4、667.3、723.2、775.3、875.5、908.3、933.4、989.3、1091.5、1137.8、1199.5、1288.2、1392.4、1483.0、1548.6、1621.9、1874.5、1940.1、2001.8、2028.8、2094.3、2572.6、2605.4、2647.8、2678.7、2742.3、2775.1、2869.6、2985.3、3025.8、3164.7、3729.7、3776.0、3812.6、3851.2、3878.2。
【0035】
【表6】

ドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-B)の赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):474.4、511.1、638.3、667.3、719.3、773.3、904.5、946.9、983.5、1076.1、1135.9、1197.6、1288.2、1394.3、1436.7、1483.0、1546.7、1625.7、1805.1、1862.9、1938.1、2001.8、2028.8、2094.3、2607.3、2703.8、2771.3、2869.6、2975.7、3027.7、3263.0、3704.6、3772.1、3845.4、3876.3、3911.0、3953.4、3992.0。
【0036】
(6) ドネペジル硝酸塩 (VI)の一種の結晶多形 (VI-A)
VI-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):478.3、522.6、574.7、630.6、665.3、721.3、771.4、815.8、896.8、933.4、987.4、1054.9、1141.7、1238.1、1280.5、1351.9、1394.3、1442.5、1486.9、1546.7、1629.6、1805.1、1851.4、2028.8、2082.8、2456.9、2642.0、2690.3、2792.5、2883.1、2987.2、3151.2、3716.2、3791.4、3845.4、3876.3、3997.8。
【表7】

【0037】
(7) ドネペジルリン酸塩 (VII)の一種の結晶多形 (VII-A)
VII-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):480.2、518.8、570.8、661.5、736.7、775.3、833.1、900.6、987.4、1053.0、1093.5、1162.9、1238.1、1288.2、1388.5、1446.4、1483.0、1535.1、1637.3、1947.8、2032.6、2105.9、2580.3、2649.8、2773.2、2863.8、2989.2、3022.0、3176.2、3847.4、3876.3、3988.1。
【表8】

【0038】
(8) ドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の一種の結晶多形 (VIII-A)
【表9】

VIII-Aの赤外吸収スペクトル 波数(KBr) (cm-1):424.3、489.8、520.7、576.6、630.6、682.7、719.3、790.7、821.5、873.6、939.2、985.5、1054.9、1093.5、1145.5、1178.3、1230.4、1280.5、1336.4、1405.9、1531.2、1652.7、1747.2、1808.9、1841.7、1984.4、2024.9、2098.2、2352.8、2464.6、2537.9、2661.3、2699.9、2779.0、2860.0、2892.7、3043.2、3156.9、3224.4、3687.3。
【0039】
(9) ドネペジルフマル酸塩 (IX)の一種の結晶多形 (IX-A)
【表10】

IX-Aの赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):532.3、572.8、671.1、723.2、775.3、821.5、879.4、935.3、960.4、997.0、1068.4、1141.7、1184.1、1234.2、1292.1、1409.7、1484.9、1537.0、1633.4、2186.9、2607.3、2651.7、2815.6、2875.4、2987.2、3052.8、3099.1、3708.5、3741.3、3812.6、3851.2、3878.2、3939.9、3988.1。
【0040】
(10) ドネペジルマレイン酸塩 (X)の二種の結晶多形 (X-AとX-B)
【表11】

ドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-A)の赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):437.8、472.5、595.9、682.7、723.2、788.8、821.5、908.3、958.5、989.3、1054.9、1145.5、1236.2、1286.3、1336.4、1396.2、1481.1、1535.1、1637.3、1664.3、1774.2、1870.6、2044.2、2125.2、2314.2、2460.8、2742.3、2823.3、2879.2、2989.2、3097.2、3691.1、3712.4、3752.9、3822.3、3855.1、3934.1。
【0041】
【表12】

ドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-B)の赤外吸収スペクトル波数(KBr) (cm-1):426.2、480.2、594.0、680.8、719.3、790.7、821.5、908.3、960.4、989.3、1053.0、1143.6、1236.2、1284.4、1334.5、1398.2、1484.9、1537.0、1641.2、1805.1、1855.2、1897.6、2028.8、2094.3、2460.8、2738.5、2780.9、2821.4、2875.4、2989.2、3097.2、3714.3、3752.9、3855.1、3934.1。
【0042】
(11) ドネペジルリンゴ酸塩 (XI)の結晶多形 (XI-A)
【表13】

【0043】
(12) ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)の結晶多形 (XII-A)
【表14】

【0044】
本発明はドネペジルメタンスルホン酸塩(I)及びその一種の結晶多形(I-A)を製造するの複数の製造方法が開示される。
ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I) の製造方法としては
(I-1)ドネペジルの酢酸エチル溶液にメタンスルホン酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(I-2)ドネペジルの酢酸エチル溶液にメタンスルホン酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(I-3)ドネペジルの酢酸エチル溶液にメタンスルホン酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(I-4)ドネペジルのアセトン溶液にメタンスルホン酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0045】
実施例1〜4は方法 (I-1)〜(I-3)を説明する。
ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)の一種の結晶多形 (I-A) の製造方法としては
(I-A-1)ドネペジルメタンスルホン酸塩を無水エタノールに溶解し、澄明な溶液が得られ、その後冷却し結晶が得られる;
(I-A-2) ドネペジルメタンスルホン酸塩を無水エタノールに溶解し、澄明な溶液が得られ、その後2-プロピルエーテルを加え、次に冷却し結晶が得られる;
(I-A-3) ドネペジルメタンスルホン酸塩を無水エタノールに溶解し、澄明な溶液が得られ、その後n-ヘキサンを加え、次に冷却し結晶が得られる;
(I-A-4) ドネペジルの酢酸エチル溶液にメタンスルホン酸のアセトン溶液を加え澄明な溶液が得られ、その後冷却し結晶が得られる;
(I-A-5) ドネペジルの無水エタノール溶液にメタンスルホン酸の無水エタノール溶液を加え、澄明な溶液が得られ、その2-プロピルエーテルを加え、室温で撹拌し結晶が得られる;
(I-A-6) ドネペジルの無水エタノール溶液にメタンスルホン酸の無水エタノールと2-プロピルエーテルの混合溶液を加え、澄明な溶液が得られ、室温で撹拌し結晶が得られる。
【0046】
実施例5〜10は方法 (I-A-1)〜(I-A-6)を説明する。
【0047】
本発明はドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II)及びその一種の結晶多形(II-A) を製造するための複数の製造方法が開示される。
【0048】
ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II) の製造方法としては
(II-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液にパラ-トルエンスルホン酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(II-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液にパラ-トルエンスルホン酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(II-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液にパラ-トルエンスルホン酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0049】
実施例11〜13は方法 (II-1)〜(II-3)を説明する。
ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II) の一種の結晶多形 (II-A)の製造方法としては
(II-A-1) ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩を無水エタノールに溶解し、冷却し結晶が得られる;
(II-A-2) ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩を無水エタノールに溶解し、その後2-プロピルエーテルを加え、冷却し結晶が得られる。
【0050】
実施例14〜15は方法 (II-A-1)〜(II-A-2)を 説明する。
【0051】
本発明はドネペジル琥珀酸塩 (III) およびその一種の結晶多形(III-A)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジル琥珀酸塩 (III)の製造方法としては
(III-1)ドネペジルの酢酸エチル溶液にコハク酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(III-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液にコハク酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(III-3)ドネペジルの酢酸エチル溶液にコハク酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(III-4) コハク酸の無水エタノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(III-5) コハク酸のアセトン溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(III-6) コハク酸の2-プロパノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0052】
実施例16〜22は方法 (III-1)〜(III-6) を説明する。
ドネペジル琥珀酸塩 (III)の一種の結晶多形 (III-A)の製造方法としては:
(III-A-1) ドネペジル琥珀酸塩を無水エタノールに溶解して、冷却する;
(III-A-2) ドネペジル琥珀酸塩を無水エタノールに溶解して、その後n-ヘキサンを加え、冷却する;
(III-A-3) ドネペジル琥珀酸塩を無水エタノールに溶解して、その後蒸留水を加え、冷却する;
(III-A-4)ドネペジル琥珀酸塩をアセトンと水の混合液に溶解し、冷却する;
(III-A-5)ドネペジル琥珀酸塩を2-プロパノールに溶解して、冷却する。
【0053】
実施例23〜27は方法 (III-A-1)〜(III-A-5)を説明する。
【0054】
本発明はドネペジル酒石酸塩 (IV)及びその一種の結晶多形(IV-A)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジル酒石酸塩 (IV)の製造方法としては
(IV-1)ドネペジルの酢酸エチル溶液に酒石酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IV-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液に酒石酸のアセトン-水溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IV-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液に酒石酸の2-プロパノール-水溶液を加え、濃縮する;
(IV-4) 酒石酸の無水エタノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IV-5) 酒石酸のアセトン溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IV-6) 酒石酸の2-プロパノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、濃縮する。
【0055】
実施例28〜34は方法 (IV-1)〜(IV-6)を説明する。
ドネペジル酒石酸塩 (IV)の一種の結晶多形 (IV-A)の製造方法としては
(IV-A-1) ドネペジル酒石酸塩をアセトンに溶解して、冷却する;
(IV-A-2) ドネペジル酒石酸塩を2-プロパノールに溶解して、冷却する。
【0056】
実施例35〜36は方法 (IV-A-1)〜(IV-A-2)を説明する。
【0057】
本発明はドネペジル硫酸塩 (V)及びその二種の結晶多形(V-A)と(V-B)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジル硫酸塩 (V)の製造方法としては
(V-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液に硫酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(V-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液に硫酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(V-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液に硫酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0058】
実施例37〜39は方法 (V-1)〜(V-3)を説明する。
ドネペジル硫酸塩 (V)の第一の結晶多形 (V-A)の製造方法は(V-A-1)ドネペジル硫酸塩を無水エタノールに溶解して、冷却することである。
ドネペジル硫酸塩 (V)の第二の結晶多形 (V-B)の製造方法は (V-B-1)ドネペジル硫酸塩を2-プロパノールに溶解して、冷却することである。
【0059】
実施例40〜41は方法 (V-A-1)〜(V-B-1)を説明する。
【0060】
本発明はドネペジル硝酸塩 (VI) 及びその一種の結晶多形(VI-A)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジル硝酸塩 (VI)の製造方法としては、
(VI-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液に硝酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VI-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液に硝酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VI-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液に硝酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0061】
実施例42〜44は方法 (VI-1)〜(VI-3)を説明する。
ドネペジル硝酸塩 (VI)の一種の結晶多形 (VI-A)の製造方法としては、
(VI-A-1) ドネペジル硝酸塩を無水エタノール-水に溶解して、冷却する;
(VI-A-2) ドネペジル硝酸塩をアセトン-水に溶解して、冷却する;
(VI-A-3) ドネペジル硝酸塩を2-プロパノール-水に溶解して、冷却する。
【0062】
実施例45〜47は方法 (VI-A-1)〜(VI-A-3)を説明する。
【0063】
本発明はドネペジルリン酸塩 (VII)及びその一種の結晶多形(VII-A)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジルリン酸塩 (VII)の製造方法としては、
(VII-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液にリン酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VII-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液にリン酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VII-3) リン酸のアセトン溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VII-4) リン酸の2-プロパノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0064】
実施例48〜51は方法 (VII-1)〜(VII-4)を説明する。
ドネペジルリン酸塩(VII)の一種の結晶多形 (VII-A)の製造方法は (VII-A-1) ドネペジルリン酸塩を2-プロパノールに溶解し、その後2-プロピルエーテルを加え、冷却することである。
実施例52は方法 (VII-A-1)を説明する。
本発明はドネペジルサリチル酸塩 (VIII)及びその一種の結晶多形(VIII-A)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の製造方法としては、
(VIII-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液にサリチル酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VIII-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液にサリチル酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(VIII-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液にサリチル酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
実施例53〜55は方法 (VIII-1)〜(VIII-3)を説明する。
ドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の一種の結晶多形 (VIII-A)の製造方法としては、
(VIII-A-1) ドネペジルサリチル酸塩をアセトン-水に溶解して、冷却する;
(VIII-A-2)ドネペジルサリチル酸塩を2-プロパノール-水に溶解して、冷却する。
【0065】
実施例56〜57は方法 (VIII-A-1)〜(VIII-A-2)を説明する。
【0066】
本発明はドネペジルフマル酸塩 (IX)及びその一種の結晶多形(IX-A)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジルフマル酸塩 (IX)の製造方法としては、
(IX-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液にフマル酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IX-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液にフマル酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IX-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液にフマル酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IX-4) フマル酸の無水エタノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IX-5) フマル酸のアセトン溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(IX-6) フマル酸の2-プロパノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0067】
実施例58〜63は方法 (IX-1)〜(IX-6) を説明する。
【0068】
ドネペジルフマル酸塩 (IX)の一種の結晶多形 (IX-A)の製造方法としては、
(IX-A-1) ドネペジルフマル酸塩を無水エタノールに溶解して、冷却する;
(IX-A-2) ドネペジルフマル酸塩を2-プロパノールに溶解して、冷却する。
実施例64〜65は方法 (IX-A-1)〜(IX-A-2) を説明する。
【0069】
本発明はドネペジルマレイン酸塩 (X)及びその二種の結晶多形 (X-A)と (X-B)を製造するための複数の製造方法が開示される。
ドネペジルマレイン酸塩 (X)の製造方法としては、
(X-1) ドネペジルの酢酸エチル溶液にマレイン酸の無水エタノール溶液を加え、濃縮する;
(X-2) ドネペジルの酢酸エチル溶液にマレイン酸のアセトン溶液を加え、濃縮する;
(X-3) ドネペジルの酢酸エチル溶液にマレイン酸の2-プロパノール溶液を加え、濃縮する;
(X-4) マレイン酸の無水エタノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、濃縮する;
(X-5) マレイン酸のアセトン溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、濃縮する;
(X-6) マレイン酸の2-プロパノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、濃縮する;
(X-7) ドネペジルの酢酸エチル溶液にマレイン酸の無水エタノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(X-8) ドネペジルの酢酸エチル溶液にマレイン酸のアセトン溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(X-9) ドネペジルの酢酸エチル溶液にマレイン酸の2-プロパノール溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(X-10) マレイン酸の無水エタノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(X-11) マレイン酸のアセトン溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる;
(X-12) マレイン酸の2-プロパノール溶液にドネペジルの酢酸エチル溶液を加え、室温で撹拌し、固体を析出させる。
【0070】
実施例66〜77は方法 (X-1)〜(X-12)を説明する。
ドネペジルマレイン酸塩 (X)の一種の結晶多形 (X-A)の製造方法としては、
(X-A-1) ドネペジルマレイン酸塩を無水エタノールに溶解して、冷却する;
(X-A-2) ドネペジルマレイン酸塩をアセトンに溶解して、冷却する;
(X-A-3) ドネペジルマレイン酸塩を2-プロパノールに溶解して、冷却する;
(X-A-4) ドネペジルマレイン酸塩 (1/2 酸) を無水エタノールに溶解して、冷却する。
実施例78〜81は方法 (X-A-1)〜(X-A-4)を説明する。
ドネペジルマレイン酸塩 (X)の一種の結晶多形 (X-B)の製造方法としては
(X-B-1) ドネペジルマレイン酸塩 (1/2 酸)をアセトンに溶解して、冷却する;
(X-B-1) ドネペジルマレイン酸塩 (1/2 酸)を2-プロパノールに溶解して、冷却する。
【0071】
実施例82〜83は方法 (X-B-1)〜(X-B-2)を説明する。
【0072】
本発明に係る、ドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、琥珀酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩を製造する技術案から、これらのドネペジル塩の製造方法は一般的に下記の工程を含むことを明らかに概括することができる。
a)ドネペジルを適宜な甲溶媒に溶解して溶液Aを調製する工程、
b)対応する酸XHを適宜な乙溶媒に溶解して溶液Bを調製する工程、
c)溶液Aを溶液Bに加え、或いは、溶液Bを溶液Aに加え、混合溶液を調製する工程、
d)工程cで得られた混合溶液を濃縮又は室温で撹拌することによって、対応するドネペジル塩の固体を得る工程。
【0073】
ここで言う戊溶媒又は己溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。ドネペジルと酸とのフィード比は1:0.2-5 (モル比)である。
【0074】
本発明に係る、ドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、琥珀酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩の結晶多形を製造する技術案から、これらのドネペジル塩の結晶多形の製造方法は一般的に下記の工程を含むことを明らかに概括することができる。
a)ドネペジルを適宜な丙溶媒に溶解して溶液Cを調製する工程。
b)対応する酸 XHを適宜な丁溶媒に溶解して溶液Dを調製する工程。
c)溶液Cを溶液Dに加え、又は溶液Dを溶液Cに加えることによって澄明な溶液Eを調製する工程。
d)上記工程cで得られた溶液Eを室温で撹拌しドネペジル塩の結晶を析出させ、又は溶液Eを濃縮又は冷却し、対応するドネペジル塩の結晶多形を得、或いは、溶液Eに戊溶媒を加えて冷却又は濃縮することによって、対応するドネペジル塩の結晶多形を得る工程。
【0075】
ここで言う丙溶媒、丁溶媒又は戊溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。
【0076】
本発明に係る、ドネペジルとメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、琥珀酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、硝酸、リン酸又はベンゼンスルホン酸とから得る塩の結晶多形を製造するための複数の製造方法から、上述したドネペジル塩の結晶多形の第二の一般的な製造方法を概括することができる。即ち、ドネペジル塩を適宜な溶媒(己溶媒)に溶解して溶液を調製し、上記のドネペジル塩の溶液を濃縮又は冷却し、対応するドネペジル塩の結晶多形を得、又は上述したドネペジル塩の溶液に庚溶媒を加え、冷却し、対応するドネペジル塩の結晶多形を得る。ここで言う己溶媒又は庚溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、水からなる群より選ばれる。戊溶媒は酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。
【0077】
本発明に係る化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形は薬物活性成分としてアセチルコリンレベルの低下に起因する疾病又は生理機能低下と種々の疼痛を治療及び/又は改善できる。老人性認知症(AD)、若年性注意欠陥障害、記憶力低下、振戦麻痺(demeritia)、脳損傷(brain injury)、多発性硬化(multiple sclerosis)、ダウン症候群(Down’s Syndrome)、狂乱状態(delirium)、気分障害(mood disorder)、ハンチントン病(Huntington’s disease)と睡眠障害(sleep disorder)が含まれるが、これに限定されない。
本発明に係る化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形は薬物活性成分として種々の疼痛を治療改善でき、すべての痛覚がある不快、機能性疼痛症候群又は器質性疼痛症候群が含まれ、上記の痛み、機能性疼痛症候群及び器質性疼痛症候群は神経障害性頭痛、特に片頭痛(migraine)、線維筋肉痛(primary fibromyalgia)、切断傷による疼痛(amputation)、腫瘍神経傷害による疼痛(tumoral denervation)、外傷性神経傷害による疼痛(traumatic denervation)又は自己免疫機序(autoimmune mechanism)の病理学的変化による疼痛が含まれるが、これに限定されない。
【0078】
本発明に係る化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形は薬物活性成分として応用される場合、上記の化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の単位投与量は1.0mg〜50mgである。
【0079】
本発明に記載される単位投与量は、特に記述がない限り、一回の投与量を示す。
【0080】
本発明においては、初めていくつかの無苦味又はほろ苦いドネペジル塩、即ち化学式(II)に示される化合物(YHは硝酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、没食子酸又はマレイン酸を示す)が開示され、また、化学式(II)に示される化合物と、化学式(II)に示される化合物の結晶多形と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(II)に示される溶媒和物の結晶多形との少なくとも一つを含む口腔内崩壊錠、経口液、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、顆粒剤又は凍結乾燥速溶錠が開示される。
【化6】

YHは硝酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸又は没食子酸を示す場合、化学式(II)に示される化合物は無苦味である。YH はマレイン酸を示す場合、化学式(II)に示される化合物はほろ苦いであるが、製剤化する場合、マスキング剤で苦味をマスキングすることができる。
【0081】
本発明に係る化学式(II) に示される化合物又はその溶媒和物の製造方法は以下の工程を含む。
1)化学式(XX)に示される化合物を適宜な辛溶媒に溶解して溶液Fを調製する工程;
【化7】

2)対応する酸YHを適宜な壬溶媒に溶解して溶液Gを調製する工程;
3)溶液Fを溶液Gに加え、或いは溶液Gを溶液Fに加え、混合溶液を調製し、混合溶液からドネペジル塩(即ち化学式(II)に示される化合物)を分離する工程。
【0082】
ここで言う辛溶媒又は壬溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。
【0083】
本発明に係る化学式(II)に示される化合物の結晶多形又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の製造方法は以下の工程を含む。
1)化学式(XX)に示される化合物を適宜な辛溶媒に溶解して溶液Hを調製する工程;
2)対応する酸YHを適宜な壬溶媒に溶解して溶液Jを調製する工程;
3)溶液Hを溶液Jに加え、溶液Jを溶液Hに加え、溶液Kを調製する工程;
4)溶液Kを室温で撹拌し、化学式(II)に示される化合物の結晶多形又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形を析出させ、或いは溶液Kを濃縮又は冷却し化学式(II)に示される化合物の結晶多形又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形を得、或いは溶液Kに癸溶媒を加え、撹拌し、冷却又は濃縮し化学式(II)に示される化合物の結晶多形又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形を得る工程。
【0084】
ここで言う辛溶媒、壬溶媒または癸溶媒はそれぞれ酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1、2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。ドネペジルと酸とのフィード比は1:0.2〜5 (モル比)である。
【0085】
本発明に係る化学式(II)に示される化合物は、使用されるときに、溶媒和しない形態であってよく、溶媒和している形態であってもよく、特に水和物又はアルコラートの形態である。
【0086】
本発明はさらに化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の結晶多形の経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠、チュアブル剤または錠剤の製造方法を開示する。
【0087】
それに応じて、本発明は化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の口腔内崩壊錠の製剤と処方を提供する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られた口腔内崩壊錠が口で速めに崩壊し、活性成分を釈放し、且つ風味が良いことを特徴とする。当該製剤の剤型において代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 0.1〜20 %
充填剤: 35〜90 %
崩壊剤: 1〜30 %
矯味剤: 0.0〜5 %
滑剤: 0.1〜10 %
流動促進剤: 0.01〜5 %
着色剤: 0.0〜1 %
結合剤: 0〜5 %
好ましい処方:
ドネペジル硝酸塩: 1〜15 %
充填剤: 50〜80 %
崩壊剤: 4〜25 %
矯味剤: 0.1〜2 %
滑剤: 0.4〜8 %
流動促進剤: 0.1〜3 %
着色剤: 0.0〜1%
結合剤: 0〜5 %
さらに好ましい処方:
ドネペジル硝酸塩: 5〜13%
充填剤: 65〜75 %
崩壊剤: 8〜20 %
矯味剤: 0.5〜1 %
滑剤: 0.5〜5 %
流動促進剤: 0.2〜1.5 %
着色剤: 0.0〜1%
結合剤: 0〜5 %
【0088】
本発明に係る口腔内崩壊錠の処方に用いられる充填剤はデキストリン、微結晶性セルロース (MCC)、ラクトース、マンニトール、エリトリトール、デンプン、粉砂糖からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔内崩壊錠の処方に用いられる崩壊剤は低置換度ヒドロキシプロピルセルロース (L-HPC)、クロスポリビニルピロリドン (PVPP)、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム (CCNa)、クロスカルボキシメチルデンプンナトリウム (CCMS-Na)、処理寒天 (TAG) からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔内崩壊錠の処方に用いられる矯味剤は天然又は人工甘味料、例えばステビオシド、キシリトール、アスパルテーム、オレンジ固体エッセンス、シクラミン酸ナトリウム、ソルボースからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔内崩壊錠の処方に用いられる滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ラウリル硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔内崩壊錠の処方に用いられる流動促進剤はシリカゲル微粉末、Cab-O-sil (Cabot社)、Arosil (Degussa社)、アルミノケイ酸ナトリウム水和物からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔内崩壊錠の処方に用いられる結合剤は水、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (CMC-Na)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース (MC)、エチルセルロース (EC)、ポリビニルピロリドン (PVP)、エタノールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無苦味ドネペジル塩の口腔内崩壊錠の処方にはさらに適宜な着色剤を加えてもよく、着色剤はカロチン、サンセットイエロー、タートラジン、カーミン、クロロフィルからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無苦味ドネペジル塩の口腔内崩壊錠の処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、口腔内崩壊錠の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0089】
本発明において開示される無苦味ドネペジル塩の口腔内崩壊錠の製造方法としては、主薬、充填剤、崩壊剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、次に流動促進剤と滑剤を加え、均一に混合した後、粉末の含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、口腔内崩壊錠が得られる。当該製剤の崩壊時間は1〜60 秒であり、崩壊された後、粒径は710 μmより小さい。
上記の無苦味ドネペジル塩の口腔内崩壊錠の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれにに限定されないものである。従って、口腔内崩壊錠の製造に適する他の方法も本発明の保護範囲に含まれる。
【0090】
本発明に係る無苦味ドネペジル塩の口腔内崩壊錠は合理的な処方がなされ、崩壊性能がよく、口で砂利感も不快な味もなく、患者の服薬順守を向上させ、特に嚥下困難な高齢者に適合することを技術的特徴とする。当該製剤は常規の錠剤製造設備により製剤化されることができ、製造プロセスは粉末を直接に打錠し、プロセスが簡単であり、コントロールしやすく、産業的生産に適する。
【0091】
本発明はさらに化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の顆粒剤の製剤処方と製造プロセスを開示する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られた顆粒剤が水、ジュース、酸性飲料、牛乳で速めに溶解し、活性成分を釈放し、且つ風味が良いことを特徴とする。当該顆粒剤の代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 0.05〜1 %
充填剤: 92〜99.9 %
矯味剤: 0.0〜5 %
着色剤: 0.0〜2 %
結合剤: 0.01〜3 %
【0092】
本発明に係る顆粒剤の処方に用いられる充填剤はデンプン、粉砂糖、ラクトース、デキストリン、微結晶性セルロース、エリトリトール、マンニトールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る顆粒剤の処方に用いられる結合剤は水、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (CMC-Na)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース (MC)、エチルセルロース (EC)、ポリビニルピロリドン (PVP)、エタノールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る顆粒剤の処方に用いられる矯味剤は天然又は人工甘味料、例えばステビオシド、アスパルテーム、オレンジ固体エッセンス、シクラミン酸ナトリウム、ソルボース、スクロース、グルコースからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無苦味ドネペジル塩の顆粒剤処方にさらに適宜な着色剤を加えてもよく、着色剤はカロチン、サンセットイエロー、タートラジン、カーミン、クロロフィルからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無苦味ドネペジル塩の顆粒剤処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、顆粒剤の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0093】
本発明に開示する無苦味ドネペジル塩の顆粒剤の製造方法としては、主薬、充填剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、着色剤を結合剤に溶解し、結合剤を順次に加え、軟質材料を製造し、14目の篩を通過させ造粒し、粒子を60 ℃で1〜2時間乾燥し、16目の篩で整粒して得られる。
上記の無味ドネペジル塩の顆粒剤の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、顆粒剤の製造に適する他の方法も本発明の保護範囲に含まれる。
【0094】
本発明はさらに化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の発泡錠の処方と製造プロセスを開示する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られた発泡錠が水、ジュース、酸性飲料、牛乳で速めに溶解し、活性成分を釈放し、且つ風味が良いことを特徴とする。当該発泡錠の代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 1〜20 %
充填剤: 30〜80 %
発泡剤: 5〜40 %
崩壊剤: 1〜30 %
矯味剤: 0.0〜5 %
結合剤: 0.1〜3 %
滑剤:0.1〜10 %
着色剤: 0〜1 %
【0095】
本発明に係る発泡錠の処方に用いられる充填剤はデンプン、粉砂糖、ラクトース、デキストリン、微結晶性セルロース、エリトリトール、マンニトールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る発泡錠の処方において、発泡剤における酸源はクエン酸、酒石酸、テトラヘキサン酸、リジン、アルギニンからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る発泡錠の処方において、発泡剤におけるアルカリ源は重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウムからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る発泡錠の処方に用いられる崩壊剤はデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース (L-HPC)、カルボキシメチルデンプンナトリウム、クロスポリビニルピロリドン (PVPP)、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム (CCNa)、クロスカルボキシメチルデンプンナトリウム (CCMS-Na)、処理寒天(TAG)からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る発泡錠の処方に用いられる結合剤は水、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (CMC-Na)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース (MC)、エチルセルロース (EC)、ポリビニルピロリドン (PVP)、エタノールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る発泡錠の処方に用いられる矯味剤は天然又は人工甘味料、例えばステビオシド、アスパルテーム、オレンジエッセンス、シクラミン酸ナトリウム、ソルボース、からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る発泡錠の処方に用いられる滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ラウリル硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の発泡錠の処方にさらに適宜な着色剤を加えてもよく、着色剤はカロチン、サンセットイエロー、タートラジン、カーミン、クロロフィルからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の発泡錠処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、発泡錠の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0096】
本発明はさらに無味ドネペジル塩の発泡錠の製造方法を開示し、この方法としては、主薬、充填剤、崩壊剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、結合剤を順次に加え、軟質材料を製造し、25目の篩を通過させ造粒し、粒子を60 ℃で1〜2時間乾燥し、30目の篩で整粒し、さらに滑剤を加え、均一に混合した後、粒子含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、発泡錠が得られる。
上記の無味ドネペジル塩の発泡錠の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、発泡錠の製造に適する他の方法も本発明の保護範囲に含まれる。
【0097】
本発明は化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の口腔錠の製剤と処方を提供する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られた口腔錠は風味が良いことを特徴とする。当該製剤の剤型において代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 1〜20 %
充填剤: 70〜95 %
滑剤: 0.05〜5 %
結合剤: 0.1〜3 %
矯味剤: 0.0〜5 %
着色剤: 0.0〜1 %
【0098】
本発明に係る口腔錠の処方に用いられる充填剤はデンプン、粉砂糖、ラクトース、デキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、ソルビトールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔錠の処方に用いられる結合剤は水、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (CMC-Na)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース (MC)、エチルセルロース (EC)、ポリビニルピロリドン (PVP)、エタノールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔錠の処方に用いられる矯味剤はステビオシド、アスパルテーム、果実精、シクラミン酸ナトリウム、ソルボース、スクロース、グルコース、メントール、クエン酸、アスコルビン酸からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る口腔錠の処方に用いられる滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール 4000、ポリエチレングリコール 6000、ラウリル硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の口腔錠の処方にはさらに適宜な着色剤を加えてもよく、着色剤はカロチン、サンセットイエロー、タートラジン、カーミン、クロロフィルからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の口腔錠の処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、口腔錠の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0099】
本発明は無味ドネペジル塩の口腔錠の製造方法を開示し、この方法としては、主薬、充填剤、矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、結合剤を順次に加え、軟質材料を製造し、25目の篩を通過させ造粒し、粒子を60 ℃で1〜2時間乾燥し、30目の篩で整粒し、さらに滑剤と着色剤を加え、均一に混合した後、粒子含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、口腔錠が得られる。
上記の無味ドネペジル塩の口腔錠の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、口腔錠の製造に適するその他の方法はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0100】
本発明は化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形のチュアブル剤の処方と製造プロセスを提供する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られたチュアブル剤は風味が良いことを特徴とする。当該チュアブル剤の代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 1〜20 %
充填剤: 65〜95 %
矯味剤: 0.0〜5 %
結合剤: 0.1〜3 %
滑剤: 0.1〜10 %
崩壊剤: 0〜10 %
着色剤: 0〜1 %
【0101】
本発明に係るチュアブル剤の処方に用いられる充填剤はデンプン、粉砂糖、ラクトース、デキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、ソルビトールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係るチュアブル剤の処方に用いられる結合剤チュアブル剤は水、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (CMC-Na)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース (MC)、エチルセルロース (EC)、ポリビニルピロリドン (PVP)、エタノールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係るチュアブル剤の処方に用いられる矯味剤はステビオシド、アスパルテーム、果実精、オレンジエッセンス、シクラミン酸ナトリウム、ソルボース、スクロース、グルコース、メントール、クエン酸、アスコルビン酸からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係るチュアブル剤の処方に用いられる滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール 4000、ポリエチレングリコール 6000、ラウリル硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩のチュアブル剤の処方にはさらに適宜な崩壊剤を加えてもよく、崩壊剤はデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース (L-HPC)、カルボキシメチルデンプンナトリウム、クロスポリビニルピロリドン (PVPP)、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム (CCNa)、クロスカルボキシメチルデンプンナトリウム (CCMS-Na)、処理寒天 (TAG) からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩のチュアブル剤の処方にはさらに適宜な着色剤を加えてもよく、着色剤はカロチン、サンセットイエロー、タートラジン、カーミン、クロロフィルからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩のチュアブル剤の処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、チュアブル剤の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0102】
本発明はさらに無味ドネペジル塩のチュアブル剤の製造方法を開示し、この方法としては、主薬、充填剤、矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、結合剤を順次に加え、軟質材料を製造し、25目の篩を通過させ造粒し、粒子を60 ℃で1〜2時間乾燥し、30目の篩で整粒し、さらに滑剤を加え、均一に混合した後、粒子含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、チュアブル剤が得られる。なお、軟質材料を製造する際に崩壊剤や着色剤を添加してもいい。
上記の無味ドネペジル塩のチュアブル剤の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、チュアブル剤の製造に適するその他の方法はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0103】
本発明は化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の凍結乾燥速溶錠の処方と製造プロセスを提供する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られた凍結乾燥速溶錠は口の中ですぐ溶け、風味が良いことを特徴とする。凍結乾燥速溶錠の代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 1〜20 %
充填剤: 78〜96 %
矯味剤: 0.0〜5 %
【0104】
本発明に係る凍結乾燥速溶錠の処方に用いられる充填剤はマンニトール、ゼラチン、塩化ナトリウム、デキストラン、グルコース、ラクトース、マルトース、スクロース、ソルビトール、ヒドロエチルセルロースからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る凍結乾燥速溶錠の処方に用いられる矯味剤はステビオシド、アスパルテーム、果実精、シクラミン酸ナトリウム、メントール、クエン酸、アスコルビン酸からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の凍結乾燥速溶錠の処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、凍結乾燥速溶錠の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0105】
本発明は無味ドネペジル塩の凍結乾燥速溶錠の製造方法を開示し、この方法としては、主薬、充填剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、主薬をヒドロエチルセルロース溶液に懸濁させ、他の補助材料を溶解し、溶液を調製し、両溶液を混合し、ダイに置いて、低温で凍結させ、凍結乾燥機で真空にし、混合物を完全に乾燥させ、シールし、凍結乾燥速溶錠が得られる。
上記の無味ドネペジル塩の凍結乾燥速溶錠の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、凍結乾燥速溶錠の製造に適するその他の方法はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0106】
本発明は化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の経口液の処方と製造プロセスを提供する。当該プロセスは、操作が簡単であり、得られた経口液は風味が良いことを特徴とする。経口液の代表的な処方は以下の通りである(ドネペジル硝酸塩を例とし、重量部):
ドネペジル硝酸塩: 0.05〜0.5 %
溶解補助剤: 0.2〜10 %
防腐剤: 0.01〜1 %
矯味剤: 0.0〜5 %
溶媒: 85〜99.5 %
着色剤: 0〜1 %
【0107】
本発明に係る経口液の処方に用いられる溶媒は水、水とポリエチレングリコール 200、ポリエチレングリコール 300、ポリエチレングリコール 400又はポリエチレングリコール 600との混合物、水とグリセロールとの混合物からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る経口液の処方に用いられる溶解補助剤はポロキサマー、エタノール、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール 200〜600からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る経口液の処方に用いられる防腐剤はニパギン系、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸からなる群より選ばれる一種又は一種以上であり、その中ニパギン系はメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る経口液の処方に用いられる矯味剤は天然又は人工甘味料、例えばステビオシド、アスパルテーム、オレンジ固体エッセンス、シクラミン酸ナトリウム、ソルボース、スクロース、グルコースからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の経口液の処方にはさらに適宜な着色剤を加えてもよく、着色剤はカロチン、サンセットイエロー、タートラジン、カーミン、クロロフィルからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
上記の無味ドネペジル塩の経口液の処方はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、経口液の製造に適する他の処方も本発明の保護範囲に含まれる。
【0108】
本発明はさらに無味ドネペジル塩の経口液の製造方法を開示し、この方法としては、溶解補助剤を蒸留水に溶解し、主薬を加え、完全に溶解するように撹拌し、防腐剤を加え、均一に撹拌し、濾過し、一定の体積になるまで蒸留水を加え、滅菌し、経口液が得られる。
上記の無味ドネペジル塩の経口液の製造方法はただ本発明の主旨を説明するための特定の実施例だけであり、本発明は特にこれに限定されないものである。従って、経口液の製造に適するその他の方法はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0109】
化学式(II)に示される化合物と、化学式(II)に示される化合物の結晶多形と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形との少なくとも一つを含有する経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠はアセチルコリンエステラーゼ抑制剤の製造に応用され、YHはサリチル酸、硝酸、没食子酸、マレイン酸又はアセチルサリチル酸を示し、上記の応用はアルツハイマー病 (AD)、記銘力退化、兒童過動症、進行性脳萎縮症、パーキンソン病を治療する薬物の製造に応用されることを特徴とする。
【0110】
化学式(II)に示される化合物と、化学式(II)に示される化合物の結晶多形と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形との少なくとも一つを含有する経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠はアセチルコリンエステラーゼ抑制剤の製造に応用される場合、単位投与量は0.5 mg〜50 mgの範囲であり、より好ましい単位投与量は1 mg〜30 mgであり、最も好ましい単位投与量は2 mg〜20 mgである。
化学式(II)に示される化合物と、化学式(II)に示される化合物の結晶多形と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形との少なくとも一つを含有する経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠はアセチルコリンエステラーゼ抑制剤に応用される場合、最適な単位投与量は5 mg、10 mg又は20 mgのドネペジル塩酸塩に相当する投与量である。
【0111】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶の製造方法としては、ドネペジル塩酸塩を適宜なγ 溶媒に溶解し、β 溶媒を加え(或いは加えなく)、対応する酸 QHを加え、濃縮し或いは冷却し或いはΨ 溶媒を加え、固体を析出させ、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶が得られる。
【0112】
その中、上記のγ溶媒、β溶媒又はΨ溶媒は酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。ドネペジル塩酸塩と酸 QHとのフィード量は1:0.1〜10 (モル比)である。
【0113】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶の第二の製造方法としては、化学式(III)に示される化合物又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物をδ溶媒に溶解し、冷却して固体を析出させ、或いはπ溶媒を加えて固体を析出させ、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶が得られる。
【0114】
その中、上記のδ溶媒又はπ 溶媒は酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、石油エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンからなる群より選ばれる一種又は一種以上の混合溶媒である。
【0115】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物の結晶多形又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の粉末X線回折パターンのデータは以下の通りである。
【表15】

【0116】
【表16】

【0117】
【表17】

【0118】
【表18】

【0119】
【表19】

【0120】
【表20】

【0121】
【表21】

【0122】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶は、薬物活性成分としてアセチルコリンレベルの低下に起因する疾病又は生理機能低下と種々の疼痛を治療及び/又は改善できる。老人性認知症 (AD)、若年性注意欠陥障害、記憶力低下、振戦麻痺 (demeritia)、脳損傷(brain injury)、多発性硬化(multiple sclerosis)、ダウン症候群(Down’s Syndrome)、狂乱状態(delirium)、気分障害(mood disorder)、ハンチントン病(Huntington’s disease)と睡眠障害(sleep disorder)が含まれるが、これに限定されない。
【0123】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶は、薬物活性成分として種々の疼痛を治療でき、すべての痛覚がある不快、機能性疼痛症候群又は器質性疼痛症候群が含まれ、上記の痛み、機能性疼痛症候群及び器質性疼痛症候群としては、特に限定されていないが、神経障害性頭痛、特に片頭痛(migraine)、線維筋肉痛(primary fibromyalgia)、切断傷による疼痛(amputation)、腫瘍神経傷害による疼痛(tumoral denervation)、外傷性神経傷害による疼痛(traumatic denervation)又は自己免疫機序(autoimmune mechanism)の病理学的変化による疼痛を含む。
【0124】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶は、薬物活性成分として応用される場合、上記の結晶多形の単位投与量は1.0 mg 〜50 mgである。
【0125】
本発明に係る化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶の製剤は、少なくとも一種の結晶多形と適合な薬用補助材料とからなることを特徴とする。前記薬用補助材料はキャリヤ、充填剤、溶媒、希釈剤、着色剤、結合剤を含む。これらの薬用補助材料の種類及び使用量は経口投与、口腔投与、静脈内投与、腹膜内投与、皮下注射、筋肉注射、経鼻投与、眼内投与、吸入投与、直腸投与、膣内投与、経皮投与などの投与態様により決められる。
【0126】
発明者は、化学式(I)に示される化合物(XHはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、サリチル酸、硝酸、酒石酸、クエン酸、没食子酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リン酸、アセチルサリチル酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、硫酸又はコハク酸を示す)が良好な水溶性を有し、これらの化合物から製造される錠剤がドネペジル塩酸塩錠剤と類似する人工胃液への放出曲線を有することを発現した。そのため、化学式(I)に示される化合物は普通の錠剤の製造に適する。
【化8】

【0127】
従って、本発明はさらに、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤又はコート錠の応用に関する。その中、XHはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、サリチル酸、硝酸、酒石酸、クエン酸、没食子酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リン酸、アセチルサリチル酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、硫酸又はコハク酸を示す。その特徴としては、化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(I)に示される化合物の結晶多形が、アルツハイマー病 (AD)、記銘力退化、兒童過動症、進行性脳萎縮症、パーキンソン病を治療するための薬物の製造に応用される。当該製剤の剤型において代表的な処方は以下の通りである(重量部):
化学式(I)に示される化合物: 1〜20 %
充填剤: 35〜90 %
崩壊剤: 1〜30 %
矯味剤: 0.01〜5 %
滑剤: 0.1〜10 %
流動促進剤: 0.01〜5 %
結合剤: 0〜5 %
【0128】
本発明に係る、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤に用いられる充填剤は、デンプン、デキストリン、ラクトース、粉砂糖、グルコース、マンニトール、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース、エリトリトールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤の処方に用いられる結合剤は、水、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース (HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム (CMC-Na)、ヒドロキシプロピルセルロース (HPC)、メチルセルロース (MC)、エチルセルロース (EC)、ポリビニルピロリドン (PVP)、エタノールからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤に用いられる崩壊剤は、デンプン、改質デンプン、セルロース、アルギン酸カルボキシメチルデンプンナトリウム、微結晶性セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース (L-HPC)、カルボキシメチルデンプンナトリウム、クロスポリビニルピロリドン (PVPP)、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム (CCNa)、クロスカルボキシメチルデンプンナトリウム (CCMS-Na)、処理寒天 (TAG) からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤に用いられる矯味剤は、ステビオシド、アスパルテーム、果実精、シクラミン酸ナトリウム、ソルボース、スクロース、グルコース、メントール、クエン酸、アスコルビン酸からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤に用いられる滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油、ポリオキシエチレンモノステアレート、軽油、ワックス、トリアセチン、ポリエチレングリコール 4000、ポリエチレングリコール 6000、ラウリル硫酸マグネシウムからなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
本発明に係る、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤に用いられる流動促進剤は、シリカゲル微粉末、Cab-O-sil、Arosil、アルミノケイ酸ナトリウム水和物からなる群より選ばれる一種又は一種以上である。
【0129】
化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤またはコート錠は、アセチルコリンエステラーゼ抑制剤に応用される場合、単位投与量は0.5 mg〜50 mgの範囲であり、より好ましい単位投与量は1 mg〜30 mgの範囲であり、最も好ましい単位投与量は2 mg〜20 mgの範囲である。
また、化学式(I)に示される化合物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形と、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(I)に示される化合物の結晶多形との少なくとも一つを含有する錠剤またはコート錠は、アセチルコリンエステラーゼ抑制剤に応用される場合、最適な単位投与量は5 mg、10 mg又は20 mgのドネペジル塩酸塩に相当する投与量である。
【0130】
同様に、本発明に係る化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶は普通の錠剤、経口液、顆粒剤、口腔錠、口腔内崩壊錠、発泡錠、凍結乾燥速溶錠、チュアブル剤又はカプセル剤などに製造されることができる。
【0131】
化学式(III)に示される化合物と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(III)に示される化合物の共結晶と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶との少なくとも一つを含有する経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠又は普通の錠剤は、アセチルコリンエステラーゼ抑制剤を製造する薬物に応用される場合、単位投与量は0.5 mg〜50 mgの範囲であり、より好ましい単位投与量は1 mg〜30 mgの範囲であり、最も好ましい単位投与量は2 mg〜20 mgの範囲である。
【0132】
化学式(III)に示される化合物と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(III)に示される化合物の共結晶と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶との少なくとも一つを含有する経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠又は普通の錠剤は、アセチルコリンエステラーゼ抑制剤を製造する薬物に応用される場合、最適な単位投与量は5 mg、10 mg又は20 mg のドネペジル塩酸塩に相当する投与量である。
【0133】
化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶によって普通の経口錠剤を製造する代表的な処方、製造方法と補助材料は、化学式(I)に示される化合物によって普通の経口錠剤を製造する代表的な処方、製造方法と補助材料を参照することができる。ただし、化学式(I)に示される化合物によって普通の経口錠剤を製造する代表的な処方、製造方法と補助材料は、ただ本発明の化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶によって普通の経口錠剤を製造する処方、製造方法と補助材料を説明するための特定の実施例だけである。本発明の化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶による普通の経口錠剤の製造に対しては何ら制限するものではない。従って、当業者が従来技術を組み合わせて得られる、化学式(III)に示される化合物と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(III)に示される化合物の共結晶と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶との少なくとも一つを含有するその他の普通の錠剤の処方、製造方法又は補助材料は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0134】
化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶によって経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠を製造する代表的な処方、製造方法と補助材料は、化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(II)に示される化合物の共結晶又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の共結晶によって経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠を製造する代表的な処方、製造方法と補助材料を参照することができる。ただし、化学式(I)に示される化合物によって経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠を製造する代表的な処方、製造方法と補助材料は、ただ本発明の化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶を経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠を製造する処方、製造方法又は補助材料を説明するための特定の実施例だけであり、本発明の化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の共結晶又は化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶による経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠の製造に対しては何ら制限するものではない。従って、当業者が従来技術を組み合わせて得られる、化学式(III)に示される化合物と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物と、化学式(III)に示される化合物の共結晶と、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の共結晶との少なくとも一つを含有するその他の経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、チュアブル剤、口腔内崩壊錠又は凍結乾燥速溶錠の処方、製造方法又は補助材料は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0135】
味覚評価:2 mgの原料薬を1ml脱イオン水で調製した溶液、又は、5 mg の原料薬を含む、矯味剤を加えた口腔内崩壊錠を七人のボランティアに口腔投与し、それぞれ評価してもらった。極めて苦い:++++、非常に苦い:+++、より苦い:++、苦い:+、僅かに苦い:±、無苦味:-。
総合評価する場合、七人のボランティアがいずれも無味と評価すれば、無味と表記する。四人以下のボランティアは僅かに苦いと評価し、その他は無味と評価すれば、僅かに苦いと表記する。評価結果は表22に記す。
【表22】

【0136】
本発明に係る化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物又は化学式(I)に示される化合物の結晶多形の製剤は、化学式(I)に示される化合物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形、化学式(I)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)に示される化合物の結晶多形の中の少なくとも一つと、適合な薬用補助材料とからなることを特徴とする。これらの薬用補助材料はキャリヤ、充填剤、溶媒、希釈剤、着色剤、結合剤を含む。これらの薬用補助材料の種類及び使用量は経口投与、口腔投与、静脈内投与、腹膜内投与、皮下注射、筋肉注射、経鼻投与、眼内投与、吸入投与、直腸投与、膣内投与、経皮投与などの投与態様により決められる。
【0137】
本発明に係るドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形 (I-A)の錠剤の打錠と溶出試験
錠剤の製造プロセス:
処方:化合物 I-A 1.14g; 水溶性デンプン 6g; 微結晶性セルロース 4g; ラクトース 7.46g; 低置換度HPMC 0.8g; 1% HPMC 10ml; ステアリン酸マグネシウム 0.6g。
製造プロセス:
薬物と補助材料は80目の篩を通過した後、処方に基づいて主薬と補助材料を称り、均一に混合し、1% HPMCを数回に分けて加え、軟質材料を製造し、軟質材料は24目の篩を通過して造粒する。粒子を60℃のオーブンで2.5時間乾燥した後、30目の篩で整粒する。粒子の実際測定量に比例してステアリン酸マグネシウムを添加し、均一に混合し、打錠して錠剤が得られる。
杵径:6 mm、錠剤重量:100±2 mg。
溶出試験:RC806 溶出テスター
試料を6錠取り、米国薬局方溶出試験法第二法に従って測定する。溶出媒体は900ml 脱気水であり、温度は37℃であり、回転速度は100 rpmである。5 min、10 min、15 min、20 minにそれぞれ1ml試料を取り、溶出媒体を補充しない。0.45 ミクロ細孔フィルムにより試料を濾過した後、90 μl試料を注入し、測定する。結果は図面13に示す。
【0138】
本発明に係る化学式(III) に示される化合物における化合物Φ-1〜Φ-7の元素分析結果は以下の通りである。
【表23】

【0139】
塩素含有量の測定法:試料を適量に取り、水を加え、超音波溶解し、希硝酸を添加して酸化させ、過剰の0.1M 硝酸銀滴定液を加え、不溶物を濾去する。得られた濾液に指示薬として適宜量の8% NHFe(SO溶液を添加する。0.1Mの NHSCN滴定液で過剰の塩酸銀を滴定し、Ag+の消費量を計算して試料に含まれる塩素含有量を獲得する。
本発明において、特に記述がない限り、核磁気共鳴測定に用いられる溶媒はいずれもDOである。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1−A−1】それぞれドネペジルメタンスルホン酸塩(I)の結晶多形 (I-A) の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図1−A−2】それぞれドネペジルメタンスルホン酸塩(I)の結晶多形 (I-A) の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図1−A−3】それぞれドネペジルメタンスルホン酸塩(I)の結晶多形 (I-A) の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図1−A−4】はそれぞれドネペジルメタンスルホン酸塩(I)の結晶多形 (I-A) の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図2−A−1】それぞれドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩(II)の結晶多形 (II-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図2−A−2】それぞれドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩(II)の結晶多形 (II-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図2−A−3】それぞれドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩(II)の結晶多形 (II-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図2−A−4】それぞれドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩(II)の結晶多形 (II-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図3−A−1】それぞれドネペジル琥珀酸塩(III)の結晶多形 (III-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図3−A−2】それぞれドネペジル琥珀酸塩(III)の結晶多形 (III-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図3−A−3】それぞれドネペジル琥珀酸塩(III)の結晶多形 (III-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図3−A−4】それぞれドネペジル琥珀酸塩(III)の結晶多形 (III-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4−A−1】それぞれドネペジル酒石酸塩(IV)の結晶多形 (IV-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4−A−2】それぞれドネペジル酒石酸塩(IV)の結晶多形 (IV-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4−A−3】それぞれドネペジル酒石酸塩(IV)の結晶多形 (IV-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4−A−4】それぞれドネペジル酒石酸塩(IV)の結晶多形 (IV-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−A−1】それぞれドネペジル硫酸塩(V)の結晶多形 (V-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−A−2】それぞれドネペジル硫酸塩(V)の結晶多形 (V-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−A−3】それぞれドネペジル硫酸塩(V)の結晶多形 (V-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−A−4】それぞれドネペジル硫酸塩(V)の結晶多形 (V-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−B−1】それぞれドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−B−2】それぞれドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−B−3】それぞれドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図5−B−4】それぞれドネペジル硫酸塩 (V)の結晶多形 (V-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図6−A−1】それぞれドネペジル硝酸塩 (VI)の結晶多形 (VI-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図6−A−2】それぞれドネペジル硝酸塩 (VI)の結晶多形 (VI-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図6−A−3】それぞれドネペジル硝酸塩 (VI)の結晶多形 (VI-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図6−A−4】それぞれドネペジル硝酸塩 (VI)の結晶多形 (VI-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図7−A−1】それぞれドネペジルリン酸塩 (VII)の結晶多形 (VII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図7−A−2】それぞれドネペジルリン酸塩 (VII)の結晶多形 (VII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図7−A−3】それぞれドネペジルリン酸塩 (VII)の結晶多形 (VII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図7−A−4】それぞれドネペジルリン酸塩 (VII)の結晶多形 (VII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図8−A−1】それぞれドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の結晶多形 (VIII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図8−A−2】それぞれドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の結晶多形 (VIII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図8−A−3】それぞれドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の結晶多形 (VIII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図8−A−4】それぞれドネペジルサリチル酸塩 (VIII)の結晶多形 (VIII-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図9−A−1】それぞれドネペジルフマル酸塩 (IX)の結晶多形 (IX-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図9−A−2】それぞれドネペジルフマル酸塩 (IX)の結晶多形 (IX-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図9−A−3】それぞれドネペジルフマル酸塩 (IX)の結晶多形 (IX-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図9−A−4】それぞれドネペジルフマル酸塩 (IX)の結晶多形 (IX-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−A−1】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−A−2】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−A−3】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−A−4】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-A)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−B−1】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−B−2】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−B−3】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図10−B−4】それぞれドネペジルマレイン酸塩 (X)の結晶多形 (X-B)の粉末X線回折パターン、赤外吸収スペクトル、熱重量-示差熱分析スペクトルと核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図11】ドネペジルリンゴ酸塩の結晶多形の粉末X線回折パターンを示す。
【図12】ドネペジルベンゼンスルホン酸塩の結晶多形の粉末X線回折パターンを示す。
【図13】ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形 (I-A) の錠剤の溶出試験結果を示す。
【図14−1】ドネペジル塩酸塩マレイン酸の共結晶Φ-1の粉末X線回折パターンを示す。
【図14−2】はドネペジル塩酸塩マレイン酸の共結晶Φ-1の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図15−1】はドネペジル塩酸塩フマル酸の共結晶Φ-2の粉末X線回折パターンを示す。
【図15−2】はドネペジル塩酸塩フマル酸の共結晶Φ-2の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図16−1】はドネペジル塩酸塩フマル酸の共結晶Φ-3の粉末X線回折パターンを示す。
【図16−2】はドネペジル塩酸塩フマル酸の共結晶Φ-3の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図17−1】はドネペジル塩酸塩クエン酸の共結晶Φ-4の粉末X線回折パターンを示す。
【図17−2】はドネペジル塩酸塩クエン酸の共結晶Φ-4の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図18−1】はドネペジル塩酸塩サリチル酸の共結晶Φ-5の粉末X線回折パターンを示す。
【図18−2】はドネペジル塩酸塩サリチル酸の共結晶Φ-5の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図19−1】はドネペジル塩酸塩酒石酸の共結晶Φ-6の粉末X線回折パターンを示す。
【図19−2】はドネペジル塩酸塩酒石酸の共結晶Φ-6の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図20−1】はドネペジル塩酸塩コハク酸の共結晶Φ-7の粉末X線回折パターンを示す。
【図20−2】はドネペジル塩酸塩コハク酸の共結晶Φ-7の核磁気共鳴スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0141】
(実施例1) ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)
ドネペジル3.79gを酢酸エチル70mlに溶解し、室温で撹拌しながらメタンスルホン酸 (0.65ml) の無水エタノール (35ml)溶液を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:181.9℃。
【0142】
(実施例2) ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にメタンスルホン酸 (0.65ml;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:181.1℃。
【0143】
(実施例3) ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)
室温で撹拌しながらドネペジル(3.79g) の酢酸エチル (70ml)溶液にメタンスルホン酸 (0.65ml;2-プロパノール 35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:182.2℃。
【0144】
(実施例4) ドネペジルメタンスルホン酸塩 (I)
ドネペジル3.79gをアセトン80mlに溶解し、メタンスルホン酸の無水エタノール溶液10mlを徐々に加える。固体が析出し、濾過して表題化合物が得られる。55℃で真空乾燥する。融点:181.6℃。
【0145】
(実施例5)ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形(I-A)
加熱しながら、ドネペジルメタンスルホン酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。徐々に冷却し、析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:182.6℃。
【0146】
(実施例6)ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形(I-A)
加熱しながら、ドネペジルメタンスルホン酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。適宜量の2-プロピルエーテルを加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:182.6℃。
【0147】
(実施例7)ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形(I-A)
加熱しながら、ドネペジルメタンスルホン酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。適宜量のn-ヘキサンを加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:181.5℃。
【0148】
(実施例8)ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形(I-A)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にメタンスルホン酸 (0.65ml;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で撹拌し固体が析出した後、すぐに析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:180.1℃。
【0149】
(実施例9)ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形(I-A)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g) の無水エタノール (38ml)溶液にメタンスルホン酸 (1.3ml;無水エタノール11mlに溶解されている)を徐々に加え、さらに2-プロピルエーテル 50mlを加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:180.3℃。
【0150】
(実施例10)ドネペジルメタンスルホン酸塩の結晶多形(I-A)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g) の無水エタノール (38ml)の溶液にメタンスルホン酸 (1.3ml;無水エタノール11ml と2-プロピルエーテル50mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で撹拌し固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:177.4℃。
【0151】
(実施例11) ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にパラ-トルエンスルホン酸 (1.902g;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.8℃。
【0152】
(実施例12) ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にパラ-トルエンスルホン酸 (1.902g;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.8℃。
【0153】
(実施例13) ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (II)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にパラ-トルエンスルホン酸 (1.902g;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.8℃。
【0154】
(実施例14)ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩の結晶多形(II-A)
加熱しながら、ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:171.0℃。
【0155】
(実施例15)ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩の結晶多形(II-A)
加熱しながら、ドネペジルパラ-トルエンスルホン酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。適宜量の2-プロピルエーテルを加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.3℃。
【0156】
(実施例16) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に琥珀酸 (1.18g;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:169.1℃。
【0157】
(実施例17) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に琥珀酸 (1.18g;アセトン35mlと水5mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:168.0℃。
【0158】
(実施例18) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)のテトラヒドロフラン (70ml)溶液に琥珀酸 (1.18g;アセトン35mlと水5mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:168.7℃。
【0159】
(実施例19) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に琥珀酸 (1.18g;2-プロパノール35mlと水5mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:165.7℃。
【0160】
(実施例20) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、コハク酸 (0.59g) の無水エタノール (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:169.5℃。
【0161】
(実施例21) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、コハク酸 (0.59g) のアセトン(35ml)と水 (5ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:169.2℃。
【0162】
(実施例22) ドネペジル琥珀酸塩 (III)
室温で撹拌しながら、コハク酸 (0.59g)の2-プロパノール(35ml) と水 (5ml)の溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:167.5℃。
【0163】
(実施例23)ドネペジル琥珀酸塩の結晶多形(III-A)
加熱しながら、ドネペジル琥珀酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:169.6℃。
【0164】
(実施例24)ドネペジル琥珀酸塩の結晶多形(III-A)
加熱しながら、ドネペジル琥珀酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。適宜量のn-ヘキサンを加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:168.4℃。
【0165】
(実施例25)ドネペジル琥珀酸塩の結晶多形(III-A)
加熱しながら、ドネペジル琥珀酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。適宜量の蒸留水を加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:168.8℃。
【0166】
(実施例26)ドネペジル琥珀酸塩の結晶多形(III-A)
加熱しながら、ドネペジル琥珀酸塩 (いかなる形態)を適宜量のアセトン-水混合液に溶解し、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.2℃。
【0167】
(実施例27)ドネペジル琥珀酸塩の結晶多形(III-A)
加熱しながら、ドネペジル琥珀酸塩 (いかなる形態)を適宜量の2-プロパノールに溶解し、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:169.3℃。
【0168】
(実施例28) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に酒石酸 (1.5g;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:169.6℃。
【0169】
(実施例29) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (200ml)溶液に酒石酸 (1.5g;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0170】
(実施例30) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に酒石酸 (1.5g;2-プロパノール-水混合液35mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0171】
(実施例31) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、酒石酸 (0.75g) の無水エタノール (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:168.0℃。
【0172】
(実施例32) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、酒石酸のアセトン(35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチルの200mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0173】
(実施例33) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g) の無水エタノール (70ml)溶液に酒石酸 (1.18g;水7mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0174】
(実施例34) ドネペジル酒石酸塩 (IV)
室温で撹拌しながら、酒石酸 (0.75g)の2-プロパノール(35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0175】
(実施例35)ドネペジル酒石酸塩の結晶多形(IV-A)
加熱しながら、ドネペジル酒石酸塩 (いかなる形態)を適宜量のアセトンに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:164.5℃。
【0176】
(実施例36)ドネペジル酒石酸塩の結晶多形(IV-A)
加熱しながら、ドネペジル酒石酸塩 (いかなる形態)を適宜量の2-プロパノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:161.6℃。
【0177】
(実施例37) ドネペジル硫酸塩 (V)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に硫酸 (0.53ml;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0178】
(実施例38) ドネペジル硫酸塩 (V)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に硫酸 (0.53ml;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0179】
(実施例39) ドネペジル硫酸塩 (V)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に硫酸塩 (0.53ml;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0180】
(実施例40)ドネペジル硫酸塩の結晶多形(V-A)
加熱しながら、ドネペジル硫酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:175.1℃。
【0181】
(実施例41)ドネペジル硫酸塩の結晶多形(V-B)
加熱しながら、ドネペジル硫酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解する。適宜量の2-プロピルエーテルを加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:130.5℃。
【0182】
(実施例42) ドネペジル硝酸塩 (VI)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に硝酸 (0.45ml;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:213.7℃。
【0183】
(実施例43) ドネペジル硝酸塩 (VI)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に硝酸 (0.45ml;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:212.8℃。
【0184】
(実施例44) ドネペジル硝酸塩 (VI)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液に硝酸塩 (0.45ml;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:213.7℃。
【0185】
(実施例45)ドネペジル硝酸塩の結晶多形(VI-A)
加熱しながら、ドネペジル硝酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノール-水混合液に溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:215.8℃。
【0186】
(実施例46)ドネペジル硝酸塩の結晶多形(VI-A)
加熱しながら、ドネペジル硝酸塩 (いかなる形態)を適宜量のアセトン-水混合液に溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:213.5℃。
【0187】
(実施例47)ドネペジル硝酸塩の結晶多形(VI-A)
加熱しながら、ドネペジル硝酸塩 (いかなる形態)を適宜量の2-プロパノール-水混合液に溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:216.3℃。
【0188】
(実施例48) ドネペジルリン酸塩 (VII)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にリン酸 (0.58ml;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0189】
(実施例49) ドネペジルリン酸塩 (VII)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にリン酸 (0.58ml;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0190】
(実施例50) ドネペジルリン酸塩 (VII)
室温で撹拌しながら、リン酸 (0.29ml) のアセトン(35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0191】
(実施例51) ドネペジルリン酸塩 (VII)
室温で撹拌しながら、リン酸 (0.29ml)の2-プロパノール(35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0192】
(実施例52)ドネペジルリン酸塩の結晶多形(VII-A)
加熱しながら、ドネペジルリン酸塩 (いかなる形態)を適宜量の2-プロパノールに溶解し、適宜量の2-プロピルエーテルを加え、僅かに懸濁させる。さらに加熱し、澄明な溶液にした後、徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:156.5℃。
【0193】
(実施例53) ドネペジルサリチル酸塩 (VIII)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にサリチル酸 (1.38g;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:176.5℃。
【0194】
(実施例54) ドネペジルサリチル酸塩 (VIII)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にサリチル酸 (1.38g;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:175.8℃。
【0195】
(実施例55) ドネペジルサリチル酸塩 (VIII)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にサリチル酸 (1.38g;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:174.5℃。
【0196】
(実施例56)ドネペジルサリチル酸塩の結晶多形(VIII-A)
加熱しながら、ドネペジルサリチル酸塩 (いかなる形態)を適宜量のアセトン-水混合液に溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:175.5℃。
【0197】
(実施例57)ドネペジルサリチル酸塩の結晶多形(VIII-A)
加熱しながら、ドネペジルサリチル酸塩 (いかなる形態)を適宜量の2-プロパノール-水混合液に溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:174.8℃。
【0198】
(実施例58) ドネペジルフマル酸塩 (IX)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にフマル酸 (1.16g;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:167.7℃。
【0199】
(実施例59) ドネペジルフマル酸塩 (IX)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にフマル酸 (1.16g;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.1℃。
【0200】
(実施例60) ドネペジルフマル酸塩 (IX)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にフマル酸塩 (1.16g;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:168.5℃。
【0201】
(実施例61) ドネペジルフマル酸塩 (IX)
室温で撹拌しながら、フマル酸 (0.58g) の無水エタノール (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:166.9℃。
【0202】
(実施例62) ドネペジルフマル酸塩 (IX)
室温で撹拌しながら、フマル酸 (0.58g)のアセトン (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:167.4℃。
【0203】
(実施例63) ドネペジルフマル酸塩 (IX)
室温で撹拌しながら、フマル酸 (0.58g)の2-プロパノール (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:173.1℃。
【0204】
(実施例64)ドネペジルフマル酸塩の結晶多形(IX-A)
加熱しながら、ドネペジルフマル酸塩 (いかなる形態)を適宜量の無水エタノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.4℃。
【0205】
(実施例65)ドネペジルフマル酸塩の結晶多形(IX-A)
加熱しながら、ドネペジルフマル酸塩 (いかなる形態)を適宜量の2-プロパノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:170.0℃。
【0206】
(実施例66) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にマレイン酸 (1.161g;無水エタノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0207】
(実施例67) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にマレイン酸 (1.161g;アセトン35mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0208】
(実施例68) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にマレイン酸 (1.161g;2-プロパノール35mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0209】
(実施例69) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、マレイン酸 (0.58g) の無水エタノール (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0210】
(実施例70) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、マレイン酸 (0.58g) のアセトン (35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0211】
(実施例71) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、マレイン酸 (0.58g)の2-プロパノール(35ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル70mlに溶解されている)を徐々に加える。室温で3時間撹拌した後、真空濃縮し、表題化合物が得られる。
【0212】
(実施例72) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (20ml)溶液にマレイン酸 (1.161g;無水エタノール10mlに溶解されている)を徐々に加え、さらに2-プロピルエーテル 10mlを加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:132.2℃。
【0213】
(実施例73) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (20ml)溶液にマレイン酸 (1.161g;アセトン10mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0214】
(実施例74) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (20ml)溶液にマレイン酸 (1.161g;2-プロパノール10mlに溶解されている)を徐々に加え、さらに2-プロピルエーテル 10mlを加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:126.8℃。
【0215】
(実施例75) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、マレイン酸 (0.58g) の無水エタノール (5ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル20mlに溶解されている)を徐々に加え、さらに2-プロピルエーテル 10mlを加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:127.8℃。
【0216】
(実施例76) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、マレイン酸 (0.58g) のアセトン (5ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル20mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:130.3℃。
【0217】
(実施例77) ドネペジルマレイン酸塩 (X)
室温で撹拌しながら、マレイン酸 (0.58g)の2-プロパノール(5ml)溶液にドネペジル(3.79g;酢酸エチル20mlに溶解されている)を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:129.5℃。
【0218】
(実施例78)ドネペジルマレイン酸塩の結晶多形(X-A)
加熱しながら、ドネペジルマレイン酸塩 (モル比はドネペジル:マレイン酸=1:1である)を適宜量の無水エタノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:130.1℃。
【0219】
(実施例79)ドネペジルマレイン酸塩の結晶多形(X-A)
加熱しながら、ドネペジルマレイン酸塩 (モル比はドネペジル:マレイン酸=1:1である)を適宜量のアセトンに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:132.4℃。
【0220】
(実施例80)ドネペジルマレイン酸塩の結晶多形(X-A)
加熱しながら、ドネペジルマレイン酸塩 (モル比はドネペジル:マレイン酸=1:1である)を適宜量の2-プロパノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0221】
(実施例81)ドネペジルマレイン酸塩の結晶多形(X-A)
加熱しながら、ドネペジルマレイン酸塩 (モル比はドネペジル:マレイン酸=2:1である)を適宜量の無水エタノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:130.5℃。
【0222】
(実施例82)ドネペジルマレイン酸塩の結晶多形(X-B)
加熱しながら、ドネペジルマレイン酸塩 (モル比はドネペジル:マレイン酸=2:1である)を適宜量のアセトンに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:131.1℃。
【0223】
(実施例83)ドネペジルマレイン酸塩の結晶多形(X-B)
加熱しながら、ドネペジルマレイン酸塩 (モル比はドネペジル:マレイン酸=2:1である)を適宜量の2-プロパノールに溶解し、溶液を徐々に冷却する。析出した結晶を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。
【0224】
(実施例84) ドネペジルリンゴ酸塩 (XI)
ドネペジル1.901g を酢酸エチル15mlに溶解し、リンゴ酸 (0.679g) の無水エタノール溶液(4ml)を徐々に滴下し、溶液を撹拌する。固体を析出した後、析出した固体を吸引ろ過し、目的化合物が得られる。
【0225】
(実施例85)ドネペジルリンゴ酸塩の結晶多形(XI-A)
ドネペジルリンゴ酸塩3.206gを無水エタノール10mlに溶解し、溶液を加熱し、澄明になり、溶液を冷却し、固体を析出させ、目的化合物が得られる。
【0226】
(実施例86) ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)
ドネペジル3.790g を酢酸エチル70mlに溶解し、ベンゼンスルホン酸 (1.852g) の無水エタノール溶液(35ml)を徐々に滴下する。固体が析出した後、析出した固体を吸引濾過し、目的化合物が得られる。
【0227】
(実施例87) ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)
ドネペジル3.790gを酢酸エチル70mlに溶解し、ベンゼンスルホン酸 (1.852g) のアセトン溶液(35ml)を徐々に滴下する。固体が析出した後、析出した固体を吸引濾過し、目的化合物が得られる。
【0228】
(実施例88) ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)
ドネペジル3.790gを酢酸エチル70mlに溶解し、ベンゼンスルホン酸 (1.852g)のイソプロパノール溶液(35ml) を徐々に滴下する。固体が析出した後、析出した固体を吸引濾過し、目的化合物が得られる。
【0229】
(実施例89) ドネペジルベンゼンスルホン酸塩 (XII)
ドネペジル3.790gをエタノール20mlに溶解し、ベンゼンスルホン酸 (1.852g)のアセトン溶液(35ml)を徐々に滴下する。固体が析出した後、析出した固体を吸引ろ過し、目的化合物が得られる。
【0230】
(実施例90)ドネペジルベンゼンスルホン酸塩の結晶多形(XII-A)
ドネペジル3.790gを酢酸エチル70mlに溶解し、ベンゼンスルホン酸 (1.852g)のアセトン溶液(35ml)を徐々に滴下する。固体が析出した後、析出した固体を吸引濾過し、目的化合物が得られる。
【0231】
(実施例91) ドネペジルマロン酸塩
室温で撹拌しながら、ドネペジル(3.79g)の酢酸エチル (70ml)溶液にマロン酸 (1.18g;2-プロパノール35mlと水5mlに溶解されている) を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過し、55℃で真空乾燥し、表題化合物が得られる。融点:165.7℃。
【0232】
(実施例92) ドネペジルアセチルサリチル酸塩
ドネペジル3.79gを酢酸エチル70mlに溶解し、室温で撹拌しながら、アセチルサリチル酸 (1.80g)のアセトン(35ml)溶液を徐々に加える。固体が析出した後、析出した固体を濾過する。融点:173〜176℃。
【0233】
(実施例93) ドネペジル安息香酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジル安息香酸。
H NMR(DO):δ 7.33〜7.28 (m、5H)、6.87 (s、1H)、6.84 (s、1H)、4.07 (s、2H)、3.70 (s、3H)、3.62 (s、3H)、3.35〜3.28 (m、2H)、3.05〜2.98 (m、1H)、2.83〜2.75 (m、2H)、2.63 (d、2H、J = 16 Hz)、2.53 (s、2H)、2.49 (s、2H)、1.88〜1.82 (m、1H)、1.72〜1.67 (m、1H)、1.53〜1.48 (m、2H)、1.25〜1.13 (m、3H)
【0234】
(実施例94) ドネペジルアスパラギン酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジルアスパラギン酸塩。
H NMR(DO):δ 7.30〜7.28 (m、5H)、6.68 (s、1H)、6.66 (s、1H)、4.08 (s、2H)、3.66 (dd、1H、J = 4Hz、J =16Hz)、3.62 (s、3H)、3.54 (s、3H)、3.34〜3.28 (m、2H)、2.89〜2.76 (m、3H)、2.58 (dd、1H、J =4Hz、J = 16Hz)、2.47〜2.33 (m、3H)、1.82〜1.79 (m、1H)、1.70〜1.66 (m、1H)、1.57〜1.51 (m、2H)、1.21〜1.09(m、3H)
【0235】
(実施例95) ドネペジルクエン酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジルクエン酸塩。
H NMR(DO):δ 7.33〜7.28 (m、5H)、6.87 (s、1H)、6.84 (s、1H)、4.07 (s、2H)、3.70 (s、3H)、3.62 (s、3H)、3.35〜3.28 (m、2H)、3.05〜2.98 (m、1H)、2.83〜2.75 (m、2H)、2.63 (d、2H、J = 16Hz)、2.53 (s、2H)、2.49 (s、2H)、1.88〜1.82 (m、1H)、1.72〜1.67 (m、1H)、1.53〜1.48 (m、2H)、1.25〜1.13 (m、3H)
【0236】
(実施例96) ドネペジルアスコルビン酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジルアスコルビン酸塩。
【0237】
(実施例97) ドネペジルギ酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジルギ酸塩。
H NMR(DO):δ 8.21 (s、1H)、7.30〜7.28 (m、5H)、6.71 (s、2H)、4.07 (s、2H)、3.64 (s、3H)、3.56 (s、3H)、3.35〜3.28 (m、2H)、2.93〜2.86 (m、1H)、2.82〜2.75 (m、2H)、2.38 (d、2H、J = 16Hz)、1.84〜1.80 (m、1H)、1.70〜1.66 (m、1H)、1.55〜1.45 (m、2H)、1.24〜1.08 (m、3H)
【0238】
(実施例98) ドネペジル没食子酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジル没食子酸塩。
H NMR(DO):δ 7.28〜7.24 (m、5H)、6.74 (s、2H)、6.72 (s、1H)、6.69 (s、1H)、4.03 (s、2H)、3.63 (s、3H)、3.56 (s、3H)、3.31〜3.23 (m、2H)、2.89〜2.83 (m、1H)、2.77〜2.70 (m、2H)、2.35 (d、2H、J = 16 Hz)、2.53 (s、2H)、2.49 (s、2H)、1.88〜1.77 (m、1H)、1.67〜1.63 (m、1H)、1.49〜1.45 (m、2H)、1.24〜1.05 (m、3H)
【0239】
(実施例99) ドネペジル塩酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジル塩酸塩。
【0240】
(実施例100) ドネペジル酢酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジル酢酸塩。
【0241】
(実施例101) ドネペジル乳酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジル乳酸塩。
H NMR(DO):δ 7.30〜7.28 (m、5H)、6.78 (s、1H)、6.77 (s、1H)、4.07 (s、2H)、3.91〜3.85 (m、1H)、3.66 (s、3H)、3.59 (s、3H)、3.31〜3.23 (m、2H)、2.97〜2.91 (m、1H)、2.84〜2.74 (m、2H)、2.43 (d、2H、J = 16 Hz)、1.84〜1.78 (m、1H)、1.70〜1.66 (m、1H)、1.58〜1.46 (m、2H)、1.23〜1.13 (m、3H)、1.09 (d、3H、J = 3.0)
【0242】
(実施例102) ドネペジルソルビン酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジルソルビン酸塩。
H NMR(DO):δ 7.22 (s、5H)、6.79 (s、1H)、6.78 (s、1H)、6.69〜6.62 (m、1H)、5.92〜5.86 (m、1H)、5.82〜5.74 (m、1H)、5.48 (d、1H、J = 16 Hz)、4.01 (s、2H)、3.63 (s、3H)、3.55 (s、3H)、3.23〜3.16 (m、2H)、2.93 (d、2H、J = 16 Hz)、2.74〜2.68 (m、2H)、2.41 (d、2H、J = 16 Hz)、1.74 (d、1H、J = 14 Hz)、1.63 (d、1H、J = 14 Hz)、1.53〜1.46 (m、2H)、1.49 (d、3H、J = 4 Hz)、1.28〜1.12 (m、3H)
【0243】
(実施例103) ドネペジルグルタミン酸塩
実施例92に記載される製造方法により得られるドネペジルグルタミン酸塩。
H NMR(DO):δ 7.28〜7.23 (m、5H)、6.67 (s、2H)、4.03 (s、2H)、3.59 (s、3H)、3.52 (s、3H)、3.48〜3.45 (m、2H)、3.29〜3.22 (m、2H)、2.88〜2.68 (m、3H)、2.34 (d、2H、J = 16 Hz)、2.09〜2.06 (m、2H)、1.85〜1.73 (m、3H)、1.66〜1.62 (m、1H)、1.50〜1.39 (m、2H)、1.10〜1.03 (m、3H)
【0244】
(実施例104)ドネペジルサリチル酸塩口腔内崩壊錠の製造
処方:
ドネペジルサリチル酸塩:5 %
ラクトース:15 %
MCC:25 %
PVPP:10 %
マンニトール:40 %
シリカゲル微粉末:3 %
ステアリン酸マグネシウム:1 %
アスパルテーム:1 %

製造工程:各成分を称り、主薬、充填剤、崩壊剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過させ、均一に混合し、さらに流動促進剤と滑剤を加え、均一に混合した後、粉末の含有量を測定し、錠剤重量を確定した後、打錠し、口腔内崩壊錠が得られる。
得られた錠剤は純水での崩壊時間が25sであり、砂利感がなく、味が甘く、清涼感がある。
【0245】
(実施例105)ドネペジル硝酸塩口腔内崩壊錠の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:5 %
MCC:30 %
CCMs-Na:7 %
マンニトール:50 %
シリカゲル微粉末:5 %
タルク粉末:1 %
ステビオシド:2 %

製造方法は実施例26と同じである。
得られた錠剤は純水での崩壊時間が49sであり、砂利感がなく、味が甘く、清涼感がある。
【0246】
(実施例106)ドネペジル硝酸塩口腔内崩壊錠の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:10 %
粉砂糖:10 %
MCC:28 %
L-HPC :7 %
PVPP:5%
マンニトール:35 %
シリカゲル微粉末:3 %
ステアリン酸マグネシウム:1 %
キシリトール:1 %

製造方法は実施例104と同じである。
得られた錠剤は純水での崩壊時間が37sであり、砂利感がなく、味が甘く、清涼感がある。
【0247】
(実施例107)ドネペジルメタンスルホン酸塩口腔内崩壊錠の製造
処方:
ドネペジルメタンスルホン酸塩:5 %
ラクトース:15 %
MCC:25 %
CCNa:6 %
マンニトール:46.5 %
シリカゲル微粉末:2 %
ステアリン酸マグネシウム:0.5 %

製造方法は実施例104と同じである。
得られた錠剤は純水での崩壊時間が21sである。
【0248】
(実施例108)ドネペジル没食子酸塩口腔内崩壊錠の製造
処方:
ドネペジル没食子酸塩:5 %
ラクトース:15 %
MCC:25 %
CCNa:6 %
マンニトール:31 %
エリトリトール:15 %
シリカゲル微粉末:2 %
ステアリン酸マグネシウム:0.5 %
アスパルテーム:0.5 %

製造方法は実施例104と同じである。
【0249】
実施例104に記載される処方と口腔内崩壊錠の製造方法(方法A)により、ドネペジルの塩酸塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸二水素塩、琥珀酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、アセチルサリチル酸塩、安息香酸塩、アスパラギン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩の口腔内崩壊錠を製造する。得られた口腔内崩壊錠について味覚評価を行う。
実施例106に記載される処方と口腔内崩壊錠の製造方法(方法B)により、ドネペジルの塩酸塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸二水素塩、琥珀酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、アセチルサリチル酸塩、安息香酸塩、アスパラギン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩の口腔内崩壊錠を製造する。
【0250】
(実施例109)ドネペジル硝酸塩口腔錠の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:5.3 %
ラクトース:29 %
マンニトール:40 %
エリトリトール:23.15 %
メントール:0.5 %
タートラジン:0.05 %
4 % PVP-50 % エタノール 溶液:適量
ポリエチレングリコール 4000:1 %

製造工程:主薬、充填剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、結合剤を逐次に加えて軟質材料を製造し、軟質材料は25目の篩を通過させ、 粒子を60℃で1〜2時間乾燥し、30目の篩で整粒し、さらに滑剤と着色剤を加え、均一に混合した後、粒子の含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、口腔錠が得られる。
得られた錠剤は砂利感がなく、味が甘く、清涼感がある。
【0251】
(実施例110)ドネペジル硝酸塩発泡錠の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:5.3 %
クエン酸:15 %
重炭酸ナトリウム:9 %
クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム:6 %
ラクトース:15 %
デンプン:27.7 %
微結晶性セルロース:20 %
オレンジエッセンス:0.5 %
1 % HPMC 溶液:適量
ステアリン酸マグネシウム:0.5 %

製造工程:主薬、充填剤、崩壊剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、結合剤を逐次に加えて軟質材料を製造し、軟質材料は25目の篩を通過させ、粒子を60℃で1〜2時間乾燥し、30目の篩で整粒し、さらに滑剤を加え、均一に混合した後、粒子の含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、口腔錠が得られる。
得られた錠剤は2分間で純水にすべて崩壊し、味が甘く、清涼感がある。
【0252】
(実施例111)ドネペジル硝酸塩顆粒剤の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:0.2 %
デンプン:34 %
微結晶性セルロース:27 %
ラクトース:38.7 %
ステビオシド:0.05 %
サンセットイエロー:0.05 %
80 % エタノール :適量

製造工程:主薬、充填剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、着色剤を結合剤に溶解し、結合剤を逐次に加えて軟質材料を製造し、軟質材料は14目の篩を通過させ製粒し、粒子を60℃で1〜2時間乾燥し、16目の篩で整粒し、顆粒剤が得られる。
得られた顆粒剤は熱水で5分間以内すべて溶解し、味が甘く、清涼感がある。
【0253】
(実施例112)ドネペジル硝酸塩経口液の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:0.1 %
ポロキサマー:0.5 %
アスパルテーム:0.2 %
メチルヒドロキシ安息香酸塩:0.05 %
蒸留水:99.15 %

製造工程:ポロキサマーを蒸留水に溶解し、ドネペジル硝酸塩を加え、完全に溶解するまで撹拌し、メチルヒドロキシ安息香酸塩を加え、均一に混合し、濾過し、1000mlになるように蒸留水を加え、滅菌して経口液が得られる。
【0254】
(実施例113)ドネペジル硝酸塩チュアブル剤の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:5.3 %
ラクトース:40 %
ソルビトール:22 %
マンニトール:30 %
メントール:0.1 %
オレンジエッセンス:0.1 %
カロチン:0.5 %
1 % HPMC 溶液:適量
ステアリン酸マグネシウム:1 %

製造工程:主薬、充填剤、矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、結合剤を逐次に加えて軟質材料を製造し、軟質材料は25目の篩を通過させ; 粒子を60℃で1〜2時間乾燥し、30目の篩で整粒し、さらに滑剤と着色剤を加え、均一に混合した後、粒子の含有量を測定し、錠剤重量を確定した後、打錠し、チュアブル剤が得られる。
得られたチュアブル剤は果物のような甘さを持ち、砂利感がない。
【0255】
(実施例114)ドネペジル硝酸塩凍結乾燥速溶錠の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:10.6 %
マンニトール:49.4 %
グルコース:30 %
ゼラチン:2.5 %
ヒドロキシエチルセルロース:7.5 %
水:適量

製造工程:主薬と充填剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、主薬をヒドロキシエチルセルロース溶液に懸濁させ、他の補助材料を溶解して溶液を調製し、両溶液を混合し、モールドに入れ、低温で凍結させ、凍結乾燥機中で真空にして材料を完全に乾燥させ、シールして凍結乾燥速溶錠が得られる。
得られた凍結乾燥速溶錠は口で5秒以内速やかに溶解し、味が甘い。
【0256】
(実施例114)ドネペジル硝酸塩錠剤の製造
処方:
ドネペジル硝酸塩:5 %
ラクトース:16 %
MCC:25 %
CCNa:6 %
マンニトール:31 %
エリトリトール:15 %
シリカゲル微粉末:1.5 %
アスパルテーム:0.5 %

製造工程:上記の各成分を称り、主薬、充填剤、崩壊剤と矯味剤をそれぞれ微粉砕し、80目の篩を通過し、均一に混合し、さらに流動促進剤と滑剤を加え、均一に混合した後、粉末の含有量を測定し、錠剤重量を確定した後打錠し、錠剤が得られる。
【0257】
(実施例115)ドネペジル塩酸塩マレイン酸の共結晶 Φ-1の製造
ドネペジル塩酸塩 1 g (2.5mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール20 mlを加える。65℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になる直前、水1 mlを加え、澄明になった後、マレイン酸 5 mmolを加え、さらに65℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体は析出しない。混合液に酢酸エチル20 mlと石油エーテル20 mlを加える。固体はなお析出しない。溶媒が回転除去され、エタノール 10 mlを加え、70℃で加熱し溶解させ、次に室温で撹拌する。固体が析出された。吸引濾過後のケーキを洗浄し、得られた白い固体を真空乾燥する。
融点測定:試料は167℃の時から灰色になり、196℃の時からブラウンになり、203℃の時からすべて黒くなって気泡が現れ始めた。
三つの測定値は212.6〜212.7℃、213.3〜212.2℃、211.1〜211.7℃である。注入チューブでの測定値は208.1℃である。
【0258】
(実施例116)ドネペジル塩酸塩フマル酸の共結晶 Φ-2の製造
ドネペジル塩酸塩 1g (2.5mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール20mlを加える。60℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になった後、フマル酸2.5mmolを加え、さらに65℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体が析出する。吸引濾過後のケーキを洗浄し、得られた白い固体を真空乾燥する。
融点測定:試料は168℃の時から黄色になり、185℃の時からトップは黒くなり、逐次に分解する。
三つの測定値は211.8〜214.8℃、213.8〜217.1℃、217.0〜217.1℃。注入チューブでの測定値は204.3℃である。
【0259】
(実施例117)ドネペジル塩酸塩フマル酸の共結晶 Φ-3の製造
ドネペジル塩酸塩 1g (2.5mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール20mlを加える。65℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になる直前、水1mlを加え、澄明になった後、フマル酸 5mmolを加え、さらに65℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体は析出しない。混合液に酢酸エチル20mlと石油エーテル20mlを加えた後、固体が析出する。続いて徹夜で撹拌する。翌日、吸引濾過後のケーキを洗浄し、得られた白い固体を真空乾燥する。
融点測定:試料は159℃の時から黄色になり、且つ僅かに融解し、185℃の時からトップは融解し、195℃の時からガス化し始まり、試料は若干膨張する。
三つの測定値は211.3℃、211.9℃、208.6℃である。注入チューブでの測定値は199.1℃である。
【0260】
(実施例118)ドネペジル塩酸塩クエン酸の共結晶 Φ-4の製造
ドネペジル塩酸塩 1g (2.5mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール5mlと水1mlを加える。70℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になった後、クエン酸5 mmolを加え、さらに70℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体は析出しない。混合液にジエチルエーテルを加え、続いて徹夜で撹拌する。翌日、吸引濾過後のケーキを洗浄し、得られた白い固体を真空乾燥する。
融点測定:試料は135℃の時から黄色になり、208℃の時から黒くなりはじめ、210の時黒くなり、且つ試料は僅かに融解し、212のとき気泡が生成する。
三つの測定値は219.4℃、216.3℃、216.1℃である。平均値は217.3℃である。
【0261】
(実施例119)ドネペジル塩酸塩サリチル酸の共結晶 Φ-5の製造
ドネペジル塩酸塩 1g (2.5 mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール5mlと水1mlを加える。70℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になった後、サリチル酸5mmolを加え、さらに70℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体は析出しない。混合液にジエチルエーテルを加え、続いて徹夜で撹拌する。翌日、吸引濾過後のケーキを洗浄し、白い固体が得られる。
融点測定:試料は167℃のときから灰色になり、180℃のとき銀白色であり、且つトップは黄色であり、193℃のとき銀白色になった部分はガス化し、透明になり、トップの黄色物は膨張し、元の銀白色部分を代替する。200℃のときトップは黒くなり、且つ気泡が生成する。202℃のとき灰黒色になり、206℃のとき黒くなり、試料はほとんど分解する。
三つの測定値は204.5℃、208.1℃、206.1℃である。平均値は206.2℃である。
【0262】
(実施例120)ドネペジル塩酸塩酒石酸の共結晶 Φ-6の製造
ドネペジル塩酸塩 1g (2.5mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール5mlと水1mlを加える。70℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になった後、酒石酸5 mmolを加え、さらに70℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体は析出しない。混合液にジエチルエーテルを加え、続いて徹夜で撹拌する。翌日、吸引濾過後のケーキを洗浄し、白い固体が得られる。
融点測定:試料は180℃のときから黄色になり、198℃のときブラウンになり、且つ僅かに膨張し、206℃のときトップは黒くなり、210℃のとき膨張し始まり、且つ試料は黒くなり、212℃のとき気泡は生成し始まる。
三つの測定値は215.2℃、215.5℃、214.9℃である。平均値は215.2である。
【0263】
(実施例121)ドネペジル塩酸塩コハク酸の共結晶 Φ-7の製造
ドネペジル塩酸塩 1g (2.5mmol)を250ml フラスコに投入し、エタノール5mlと水1mlを加える。70℃の水浴に混合液を撹拌し、澄明になった後、コハク酸5 mmolを加え、さらに70℃の水浴に混合液を0.5時間撹拌し、次に室温で20時間撹拌する。固体は析出しない。混合液にジエチルエーテルを加え、続いて徹夜で撹拌する。翌日、吸引濾過後のケーキを洗浄し、白い固体が得られる。
融点測定:試料は173℃のときから黄色になり、215℃のとき気泡は生成し始まり、219℃のときトップは黒くなり、気泡は生成し、分解してブラウンブラックの溶液が得られる。
三つの測定値は228.2℃、229.0℃、225.7℃である。平均値は227.6である。
【0264】
(実施例122)ドネペジル塩酸塩の融点測定
試料は219℃のときトップは黒くなり、222℃のときすべて黒くなり、気泡は生成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

(その中、XHはメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、フマル酸、マレイン酸、硫酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸又はリン酸を示す)
上記化学式(I)に示される化合物の結晶多形、又は、当該化合物の溶媒和物の結晶多形、これら結晶多形の製造方法および薬物活性成分としての応用。
【請求項2】
【化2】

(その中、XHはメタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、酒石酸、サリチル酸、硫酸、没食子酸、アセチルサリチル酸、硝酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マロン酸、リンゴ酸、ソルビン酸、酢酸、ギ酸又はリン酸を示す。)
上記化学式(I)に示される化合物、又は、当該化合物の溶媒和物、その製造方法及び薬物活性成分としての応用。
【請求項3】
【化3】

(その中、YHはサリチル酸、硝酸、没食子酸、アセチルサリチル酸又はマレイン酸を示す。)
上記化学式(II)に示される化合物、当該化合物の溶媒和物、当該化合物の結晶多形、又は、当該化合物の溶媒和物の結晶多形、その製造方法及び薬物活性成分としての応用。
【請求項4】
【化4】

(その中、QHはマレイン酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、酒石酸又はコハク酸を示しており、m:n:q = (1〜10):(0.1〜10):(0.1〜10)。)
上記化学式(III)に示される化合物、当該化合物の溶媒和物、当該化合物の結晶多形、又は、当該化合物の溶媒和物の結晶多形、その製造方法及び薬物活性成分としての応用。
【請求項5】
XH又はYHがメタンスルホン酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は、図1-A-1に示される粉末X線回折パターン、図1-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図1-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図1-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項6】
XH又はYHがパラ-トルエンスルホン酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図2-A-1に示される粉末X線回折パターン、図2-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図2-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図2-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項7】
XH又はYHがコハク酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図3-A-1に示される粉末X線回折パターン、図3-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図3-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図3-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項8】
XH又はYHが酒石酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図4-A-1に示される粉末X線回折パターン、図4-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図4-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図4-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項9】
XH又はYHが硫酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図5-A-1に示される粉末X線回折パターン、図5-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図5-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図5-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項10】
XH又はYHが硫酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の第二種の結晶多形は図5-B-1に示される粉末X線回折パターン、図5-B-2に示される赤外吸収スペクトル、図5-B-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図5-B-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項11】
XH又はYHが硝酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図6-A-1に示される粉末X線回折パターン、図6-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図6-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図6-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項12】
XH又はYHがリン酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図7-A-1に示される粉末X線回折パターン、図7-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図7-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図7-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項13】
XH又はYHがサリチル酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図8-A-1に示される粉末X線回折パターン、図8-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図8-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図8-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項14】
XH又はYHがフマル酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図9-A-1に示される粉末X線回折パターン、図9-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図9-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図9-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項15】
XH又はYHがマレイン酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の結晶多形は図10-A-1に示される粉末X線回折パターン、図10-A-2に示される赤外吸収スペクトル、図10-A-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図10-A-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項16】
XH又はYHがマレイン酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の第二種の結晶多形は図10-B-1に示される粉末X線回折パターン、図10-B-2に示される赤外吸収スペクトル、図10-B-3に示される熱重量-示差熱分析スペクトル及び図10-B-4に示される核磁気共鳴スペクトルの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項17】
XH又はYHがリンゴ酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の第二種の結晶多形は図11に示される粉末X線回折パターンの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項18】
XH又はYHがベンゼンスルホン酸を示す場合、化学式(I)に示される化合物の第二種の結晶多形は図12に示される粉末X線回折パターンの物理的特性を有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形、あるいは化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項19】
【化5】

(a)化学式(XX)に示される化合物 (ドネペジル) を適宜に溶媒に溶解して溶液Aを調製する工程と、
(b)対応する酸XHを適宜に溶媒に溶解して溶液Bを調製する工程と、
(c)溶液Aを溶液Bに加え、或いは、溶液Bを溶液Aに加えることによって混合溶液を調製する工程と
(d)上記工程(c)で得られた混合溶液を濃縮又は冷却することによって、対応するドネペジル塩の固体を得る工程と、
を含むことを特徴とする請求項1、2、3、5〜18のいずれか一項に記載の、化合式(I)又は(II)に示される化合物又はその溶媒和物の製造方法。
【請求項20】
【化6】

(a)化学式(XX)に示される化合物(ドネペジル)を適宜に溶媒に溶解して溶液Cを調製する工程と、
(b)対応する酸XHを適宜に溶媒に溶解して溶液Dを調製する工程と、
(c)溶液Cを溶液Dに加え、或いは、溶液Dを溶液Cに加えることによって、溶液Eを調製する工程と、
(d)上記工程(c)で得られた溶液Eに対して、濃縮又は冷却し、或いは、他の溶媒を加えて冷却することによって、対応するドネペジル塩の結晶多形を得る工程と、
を含むことを特徴とする請求項1、2、3、5〜18のいずれか一項に記載の、化合式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形又は化合式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の製造方法。
【請求項21】
化学式(I)又は(II)に示される化合物を適宜に溶媒に溶解して溶液を調製し、ドネペジル塩の溶液を濃縮又は冷却して対応する化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形を得、或いは、化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶液に他の溶媒を添加し、さらに冷却して対応する化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形を得ることを特徴とする請求項1、2、3、請求項5〜18のいずれか一項に記載の、化学式(I)又は(II)に示される化合物の結晶多形又は化学式(I)又は(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の製造方法。
【請求項22】
QHがマレイン酸を示し、m:n:q=4:3:1である場合、一水和物の結晶多形は図14-1に示される粉末X線回折パターンと図14-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項23】
QHがフマル酸を示し、m:n:q=4:3:1である場合、結晶多形は図15-1に示される粉末X線回折パターンと図15-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項24】
QHがフマル酸を示し、m:n:q=1:1:2である場合、結晶多形は図16-1に示される粉末X線回折パターンと図16-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項25】
QHがクエン酸を示し、m:n:q=4:3:1である場合、一水和物の結晶多形は図17-1に示される粉末X線回折パターンと図17-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項26】
QHがサリチル酸を示し、m:n:q=2:1:1である場合、結晶多形は図18-1に示される粉末X線回折パターンと図18-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項27】
QHが酒石酸を示し、m:n:q=4:3:1である場合、二水和物の結晶多形は図19-1に示される粉末X線回折パターンと図19-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項28】
QHがコハク酸を示し、m:n:q=4:4:1である場合、結晶多形は図20-1に示される粉末X線回折パターンと図20-2に示される核磁気共鳴スペクトルを有することを特徴とする請求項4に記載の、化学式(III)に示される化合物、化学式(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(III)に示される化合物の結晶多形または化学式(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形。
【請求項29】
請求項1〜18、22〜28のいずれか一項に記載の、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の結晶多形、又は、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の薬物活性成分としての応用であって、
上記化合物、上記化合物の溶媒和物、上記化合物の結晶多形、又は、上記化合物の溶媒和物の結晶多形は、アセチルコリンレベルの低下に起因する疾病又は生理機能低下と種々の疼痛を治療及び/又は改善する薬物の製造に応用されることを特徴とする、化合物、化合物の溶媒和物、化合物の結晶多形、又は化合物の溶媒和物の結晶多形の、薬物活性成分としての応用。
【請求項30】
請求項1〜18、22〜28のいずれか一項に記載の、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の結晶多形、又は、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の薬物活性成分としての応用であって、
上記の疾病又は生理機能低下は老人性認知症 (AD)、若年性注意欠陥障害、記銘力低下、振戦麻痺 (demeritia)、脳損傷(brain injury)、多発性硬化(multiple sclerosis)、ダウン症候群(Down’s Syndrome)、狂乱状態(delirium)、気分障害(mood disorder)、ハンチントン病(Huntington’s disease)と睡眠障害(sleep disorder)を含むことを特徴とする請求項29に記載の、アセチルコリンレベルの低下に起因する疾病又は生理機能低下。
【請求項31】
請求項1〜18、22〜28のいずれか一項に記載の、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の結晶多形、又は、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の薬物活性成分としての応用であって、
上記化合物、上記化合物の溶媒和物、上記化合物の結晶多形、又は上記化合物の溶媒和物の結晶多形の単位投与量は0.5〜50mgであることを特徴とする化合物、化合物の溶媒和物、化合物の結晶多形、又は化合物の溶媒和物の結晶多形の薬物活性成分としての応用。
【請求項32】
経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠又はチュアブル錠であって、
経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠、チュアブル錠又は素片に好適な製造方法により、請求項1〜18、22〜28のいずれか一項に記載の、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の結晶多形、又は化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の少なくとも一つと、適宜な薬用補助材料とから製造されることを特徴とする経口液、顆粒剤、口腔錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、凍結乾燥速溶錠又はチュアブル錠。
【請求項33】
請求項1〜18、22〜28のいずれか一項に記載される化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物、化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の結晶多形、又は化学式(I)、(II)又は(III)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形を含有する錠剤であって、
化合式 (I)、(II)又は(III)に示される化合物:1〜20 %、充填剤:5〜90 %、崩壊剤:1〜30 %、矯味剤:0.01〜5 %、滑剤:0.1〜10 %、流動促進剤:0.01〜5 %、結合剤:0〜5 % 、
という処方(重量部)により製造されることを特徴とする錠剤。
【請求項34】
化学式(II)に示される化合物、化学式(II)に示される化合物の溶媒和物、化学式(II)に示される化合物の結晶多形、又は化学式(II)に示される化合物の溶媒和物の結晶多形の少なくとも一つを含有する口腔内崩壊錠であって、
化合式(II)に示される化合物:1〜20 %、充填剤:35〜90 %、崩壊剤:1〜30%、矯味剤:0.0〜5 %、滑剤:0.1〜10 %、流動促進剤:0.01〜5 %、着色剤:0〜1%、結合剤:0〜5 % 、
という処方(重量部)により製造されることを特徴とする口腔内崩壊錠。

【図1−A−1】
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【図1−A−2】
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【図1−A−3】
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【図1−A−4】
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【図2−A−1】
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【図2−A−2】
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【図2−A−3】
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【図2−A−4】
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【図3−A−1】
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【図3−A−2】
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【図3−A−3】
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【図3−A−4】
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【図4−A−1】
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【図4−A−2】
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【図4−A−3】
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【図4−A−4】
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【図5−A−1】
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【図5−A−2】
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【図5−A−3】
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【図5−A−4】
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【図5−B−1】
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【図5−B−2】
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【図5−B−3】
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【図5−B−4】
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【図6−A−1】
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【図6−A−2】
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【図6−A−3】
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【図6−A−4】
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【図7−A−1】
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【図7−A−2】
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【図7−A−3】
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【図7−A−4】
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【図8−A−1】
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【図8−A−2】
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【図8−A−3】
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【図8−A−4】
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【図9−A−1】
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【図9−A−2】
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【図9−A−3】
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【図9−A−4】
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【図10−A−1】
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【図10−A−2】
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【図10−A−3】
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【図10−A−4】
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【図10−B−1】
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【図10−B−2】
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【図10−B−3】
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【図10−B−4】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18−1】
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【図18−2】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【公表番号】特表2010−540470(P2010−540470A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526129(P2010−526129)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001646
【国際公開番号】WO2009/049479
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(507328405)天津和美生物技▲術▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】