説明

ドライエッチング装置

【課題】エッチング量が均一であり、エッチング時のウェハの温度を常温と低温の両方に設定できるドライエッチング装置を提供する。
【解決手段】エッチング対象のウェハ6と同じ材料からなり、クランプ7に対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハ6の周囲を取り囲むように設けられ、ウェハ6と共にエッチングされる常温エッチング用ダミーウェハ10と、エッチング対象のウェハ6と同じ材料からなり、クランプ7に対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハ6の周囲を取り囲むように設けられ、クランプ7とウェハ6間に介在してウェハ6を下部電極4に固定すると共に、ウェハ6と共にエッチングされる低温エッチング用ダミーウェハ11と、を備え、いずれかのダミーウェハ10,11を用いてエッチングを行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライエッチング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石英ガラスからなる光導波路(以下、ガラス導波路という)のコアを形成する際に、ドライエッチング装置を用いたドライエッチングが行われている。
【0003】
ガラス導波路のコア形状は、大きく分けて、断面視で矩形状、断面視で台形状(メサテーパ状)の2種類があり、適用する光部品や光回路の構造に応じて使い分けがなされている。
【0004】
コア形状はドライエッチング時のウェハの温度により決定される。ドライエッチング時にウェハの温度を低温(例えば−20℃)に保つと、エッチング幅が深さ方向に徐々に狭くなるようにエッチングが行われ、断面視で台形状のコア形状が得られる。ドライエッチング時にウェハを冷却しない場合は、エッチング幅が深さ方向に変化しないので、断面視で矩形状のコア形状が得られる。このように、ドライエッチング時にウェハを低温に保つかどうかがコア形状を決める重要なパラメータとなる。
【0005】
図5(a)に示すような断面視で矩形状のコア50を形成する場合、図5(b)に示すようなドライエッチング装置51が使用される。
【0006】
ドライエッチング装置51では、図示しないチャンバ内で対向配置された上部電極52と下部電極53間にRF電源54により高周波を印加して、上部電極52と下部電極53間に供給されたエッチングガスをプラズマ化し、当該プラズマPにより下部電極53の上面に載置されたウェハ55の表面をエッチングするようになっている。
【0007】
他方、図6(a)に示すような断面視で台形状のコア60を形成する場合、図6(b)に示すようなドライエッチング装置61が使用される。
【0008】
ドライエッチング装置61は、図5(b)のドライエッチング装置51と基本的に同じ構成であるが、下部電極53に載置されたウェハ55に冷却ガス(冷媒)を供給しつつエッチングを行うようになっている。プラズマP中でもウェハ55を低温に維持し続けるためには、ウェハ55の裏側に直接冷却ガスを当てて冷却する必要がある。そのため、下部電極53の上面には、冷却ガスによりウェハ55が動かないように、下部電極53にウェハ55を押さえつけて固定するクランプ62が設けられる。
【0009】
このように、従来は、形成するコア形状に応じた専用のドライエッチング装置51,61を用いていた。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平3−25933号公報
【特許文献2】特許第4020938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述のドライエッチング装置51,61では、ウェハ55が存在する領域のみでエッチングを行うため、エッチング範囲が狭く、ウェハ55の周縁でプラズマPの分布が不均一となり、ウェハ55のエッチング量が不均一となってしまう場合があった。
【0013】
また、2つのドライエッチング装置51,61を用意して形成するコア形状によって使い分けるというのは不経済であるから、断面視で矩形状、台形状の両方のコア形状を実現できるドライエッチング装置が望まれる。換言すれば、エッチング時のウェハの温度を常温と低温の両方に設定できるドライエッチング装置が望まれる。
【0014】
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、エッチング量が均一であり、エッチング時のウェハの温度を常温と低温の両方に設定できるドライエッチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、チャンバ内で対向配置された上部電極と下部電極間に高周波を印加して、前記上部電極と前記下部電極間に供給されたエッチングガスをプラズマ化し、当該プラズマにより前記下部電極の上面に載置されたウェハの表面をエッチングするドライエッチング装置において、前記下部電極に載置されたウェハを冷却する冷却ガスを供給する冷却ガス供給手段と、前記下部電極の上面に設けられ、前記冷却ガスによりウェハが動かないように、前記下部電極にウェハを固定するためのクランプと、エッチング対象のウェハと同じ材料からなり、前記クランプに対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハの周囲を取り囲むように設けられ、ウェハと共にエッチングされる常温エッチング用ダミーウェハと、エッチング対象のウェハと同じ材料からなり、前記クランプに対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハの周囲を取り囲むように設けられ、前記クランプとウェハ間に介在してウェハを前記下部電極に固定すると共に、ウェハと共にエッチングされる低温エッチング用ダミーウェハと、を備え、エッチング幅が深さ方向に変化しないようにエッチングを行う際には、前記冷却ガス供給手段による冷却ガスの供給を停止すると共に、前記常温エッチング用ダミーウェハを用いてエッチングを行い、エッチング幅が深さ方向に徐々に狭くなるようにエッチングを行う際には、前記冷却ガス供給手段により冷却ガスを供給しつつ、前記低温エッチング用ダミーウェハを用いてエッチングを行うドライエッチング装置である。
【0016】
前記常温エッチング用ダミーウェハと前記低温エッチング用ダミーウェハは、周縁部が前記クランプに係止される円盤状の本体部と、該本体部の中央部に形成されたウェハを収容するための凹部と、該凹部の中央部に形成された貫通孔と、を有し、前記常温エッチング用ダミーウェハとして用いる場合は前記凹部が形成された面を上側とし、前記低温エッチング用ダミーウェハとして用いる場合は前記凹部が形成された面を下側として使用する共通のダミーウェハからなってもよい。
【0017】
エッチング対象のウェハが石英ガラスからなり、前記常温エッチング用ダミーウェハと前記低温エッチング用ダミーウェハは、石英ガラスからなってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、エッチング量が均一であり、エッチング時のウェハの温度を常温と低温の両方に設定できるドライエッチング装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係るドライエッチング装置を示す図であり、(a)は概略構成図、(b)はその常温エッチング時の要部拡大断面図、(c)はその低温エッチング時の要部拡大断面図である。
【図2】(a)は、共通のダミーウェハを常温エッチング用ダミーウェハとして用いる場合のウェハとの関係を説明する図であり、(b)は、共通のダミーウェハを低温エッチング用ダミーウェハとして用いる場合のウェハとの関係を説明する図である。
【図3】(a),(b)は、常温エッチング用ダミーウェハの変形例を示す図である。
【図4】(a),(b)は、低温エッチング用ダミーウェハの変形例を示す図である。
【図5】(a)は、エッチングにより断面視で矩形状のコアを形成したウェハの断面図であり、(b)は、その矩形状のコアを形成する際に用いる従来のドライエッチング装置の概略構成図である。
【図6】(a)は、エッチングにより断面視で台形状のコアを形成したウェハの断面図であり、(b)は、その台形状のコアを形成する際に用いる従来のドライエッチング装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るドライエッチング装置を示す図であり、(a)は概略構成図、(b)はその常温エッチング時の要部拡大断面図、(c)はその低温エッチング時の要部拡大断面図である。
【0022】
図1に示すように、ドライエッチング装置1は、チャンバ2内で対向配置された上部電極3と下部電極4間にRF電源5により高周波を印加して、上部電極3と下部電極4間に供給されたエッチングガスをプラズマ化し、当該プラズマPにより下部電極4の上面に載置されたウェハ6の表面をエッチングするものである。
【0023】
上部電極3は、エッチングガスを吹き出す細孔が多数形成されており、当該細孔からシャワー状にエッチングガスを吹き出すようになっている。また、チャンバ2には排気口9が形成されており、この排気口9からエッチングに使用したガスを排気するようになっている。
【0024】
ドライエッチング装置1は、下部電極4に載置されたウェハ6を冷却する冷却ガス(Heなど)を供給する冷却ガス供給手段(図示せず)を備えており、低温エッチング時に、冷却ガスをウェハ6の裏側に直接吹き付けることができるように構成されている。
【0025】
下部電極4の上面には、低温エッチング時に供給される冷却ガスによりウェハ6が動かないように、下部電極4にウェハ6を固定するためのクランプ7が形成されている。また、下部電極4の上面には、ウェハ6の下側に冷却ガスを通す空間を確保するためのOリング等のシール材8が配置されている。
【0026】
また、図1では図示省略しているが、ドライエッチング装置1は、エッチング対象のウェハ6をチャンバ2内へ搬入し下部電極4の上面に載置し、エッチング後のウェハ6をチャンバ2外へ搬出するウェハ搬送装置21を備えている(図2参照)。
【0027】
ここでは、ウェハ6が石英ガラスからなり、ドライエッチングによりガラス導波路のコアを形成する場合を説明する。この場合、ウェハ6としては、石英ガラスからなる基板上に低屈折率のクラッド層、高屈折率のコア層を順次形成し、コア層の表面にさらにメタル膜をパターン形成したものを用い、メタル膜が形成されていない部分のコア層をドライエッチングにより除去して、コアを形成することになる。コアを形成した後に、コアを覆うように低屈折率のクラッド層を形成すれば、ガラス導波路が得られる。なお、この場合、エッチングガスとしては、例えばCHF3を用いることができる。
【0028】
さて、本実施の形態に係るドライエッチング装置1は、エッチング幅が深さ方向に変化しないようにエッチングを行う際(つまり断面視で矩形状のコアを形成する常温エッチングの際)に用いる常温エッチング用ダミーウェハ10と、エッチング幅が深さ方向に徐々に狭くなるようにエッチングを行う際(つまり断面視で台形状のコアを形成する低温エッチングの際)に用いる低温エッチング用ダミーウェハ11と、を備えている。
【0029】
ドライエッチング装置1では、常温エッチングの際には、冷却ガス供給手段による冷却ガスの供給を停止すると共に、常温エッチング用ダミーウェハ10を用いてエッチングを行い、低温エッチングの際には、冷却ガス供給手段により冷却ガスを供給しつつ、低温エッチング用ダミーウェハ11を用いてエッチングを行うように構成されている。
【0030】
図1(b)および図2(a)に示すように、常温エッチング用ダミーウェハ10は、エッチング対象のウェハ6と同じ材料(ここでは石英ガラス)からなり、クランプ7に対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハ6の周囲を取り囲むように設けられ、ウェハ6と共にエッチングされるものである。
【0031】
図1(c)および図2(b)に示すように、低温エッチング用ダミーウェハ11は、エッチング対象のウェハ6と同じ材料(ここでは石英ガラス)からなり、クランプ7に対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハ6の周囲を取り囲むように設けられ、クランプ7とウェハ6間に介在してウェハ6を下部電極4に固定すると共に、ウェハ6と共にエッチングされるものである。
【0032】
常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11は、ウェハ6を下部電極4に載置する際に、クランプ7に係止されることにより、ウェハ6を下部電極4上に位置決めして固定するアタッチメントの役割と、ウェハ6と共にエッチングが行われるようにエッチング範囲を広げてプラズマPの分布が不均一なエリアをウェハ6よりも外側に位置させ、ウェハ6の周縁部におけるプラズマPの分布を均一にして、ウェハ6のエッチング量を均一にする役割を兼ねている。
【0033】
なお、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11として、エッチング対象のウェハ6と異なる材料からなるものを用いた場合、プラズマPがダミーウェハ10,11に集中するなどして正常なエッチングが困難になる場合がある。そのため、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11としては、エッチング対象のウェハ6と同じ材料からなるものを用いる必要がある。常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11は、繰返し使用するとエッチングにより徐々に薄くなるので、使用回数が所定の回数(例えば数十〜数百回)に達したら新しいものに取り替えることが望ましい。
【0034】
本実施の形態に係るドライエッチング装置1では、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11として、共通のダミーウェハ12を用いている。
【0035】
ダミーウェハ12は、周縁部がクランプ7に係止される円盤状の本体部13と、本体部13の中央部(上面視における中央部)に形成されたウェハ6を収容するための凹部14と、凹部14の中央部(上面視における中央部)に形成された貫通孔15と、を有している。本体部13は、ウェハ6の径よりも大きい径に形成され、凹部14は、ウェハ6と略同じ径(ウェハ6よりも若干大きい径)に形成され、貫通孔15は、ウェハ6よりも若干小さい径に形成される。また、凹部14の深さは、ウェハ6の厚さと略同じとなるように形成され、凹部14にウェハ6を収容した際に、ウェハ6の表面と本体部13の表面とが略一致するようにされる。
【0036】
ダミーウェハ12を常温エッチング用ダミーウェハ10として用いる場合は、凹部14が形成された面を上側とし、その凹部14にウェハ6を収容した状態(つまりダミーウェハ12にウェハ6を載置した状態)とし、その状態でウェハ搬送装置21によりチャンバ2内に搬送して下部電極4の上面に載置して、ダミーウェハ12の本体部13の周縁部をクランプ7に係止させる。この状態で冷却ガスの供給を行わずにエッチング(常温エッチング)を行うと、断面視で矩形状のコアが得られることになる。
【0037】
ダミーウェハ12を低温エッチング用ダミーウェハ11として用いる場合は、凹部14が形成された面を下側とし、その凹部14にウェハ6を収容した状態(つまりウェハ6にダミーウェハ12を被せた状態)とし、その状態でウェハ搬送装置21によりチャンバ2内に搬送して下部電極4の上面に載置し、ダミーウェハ12の本体部13の周縁部をクランプ7に係止させる。このとき、貫通孔15の周縁の本体部13(凹部14の底壁に相当する部分)がクランプの役割を果たし、クランプ7が下部電極4側にダミーウェハ12をおさえつけ、さらにダミーウェハ12がウェハ6を下部電極4側に押さえつけて、ウェハ6を下部電極4に固定するようなかたちとなる。この状態で、冷却ガスをウェハ6の裏側に吹き付けてウェハ6を冷却しつつエッチング(低温エッチング)を行うと、断面視で台形状のコアが得られることになる。
【0038】
なお、本実施の形態では、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11として共通のダミーウェハ12を用いたが、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11は、別体であっても構わない。換言すれば、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11は、異なる形状であっても構わない。
【0039】
例えば、常温エッチング用ダミーウェハ10として、図3(a),(b)に示す形状のものを用いるようにしてもよい。図3(a)に示す常温エッチング用ダミーウェハ10は、上述のダミーウェハ12の貫通孔15を省略してトレイ状としたものであり、図3(b)に示す常温エッチング用ダミーウェハ10は、上述のダミーウェハ12の凹部14を省略してリング状(ドーナツ状)としたものである。なお、ウェハ搬送装置21での搬送の容易さの観点からは、常温エッチング用ダミーウェハ10として、ウェハ6を載置して搬送できるものを用いることが望ましく、上述のダミーウェハ12、あるいは図3(a)に示すトレイ状のものを用いることが望ましい。
【0040】
また、低温エッチング用ダミーウェハ11として、図4(a),(b)に示す形状のものを用いるようにしてもよい。図4(a)に示す低温エッチング用ダミーウェハ11は、上述のダミーウェハ12において、凹部14を形成した側の本体部13の周縁部に脚部41を形成したものであり、図4(b)に示す低温エッチング用ダミーウェハ11は、上述のダミーウェハ12において、凹部14の底壁に相当する部分を、本体部13の凹部14を形成した側と反対側に突出するように鉤型に形成したものである。
【0041】
なお、図3,4はあくまで一例を示したものであり、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11の形状は、下部電極4の形状、クランプ7の形状等に応じて適宜変更することが可能である。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態に係るドライエッチング装置1によれば、クランプ7に対して着脱自在な常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11を備えることにより、エッチング時のウェハ6の温度を常温と低温の両方に設定できるドライエッチング装置1を実現できる。よって、断面視で矩形状、台形状の両方のコア形状を1つの装置で実現可能となり、設備コストを低減できる。
【0043】
本発明のドライエッチング装置1は、基本的に、従来より用いられている低温エッチングが可能なドライエッチング装置(図6(b)参照)に、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11を備えるだけで実現が可能であり、装置の内部構造やウェハ搬送装置21の改造を行うことなく、1つの装置で台形状、矩形状の両方のコア形状を実現することが可能となる。
【0044】
また、ドライエッチング装置1によれば、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11を、エッチング対象のウェハ6と同じ材料で形成すると共に、上面視でウェハ6の周囲を取り囲むように形成しており、ウェハ6と共に常温エッチング用ダミーウェハ10または低温エッチング用ダミーウェハ11をエッチングすることにより、エッチング範囲を広げてプラズマPの分布が不均一なエリアをウェハ6よりも外側に位置させ、ウェハ6の周縁部におけるプラズマPの分布を均一にして、ウェハ6のエッチング量を均一にすることが可能となる。
【0045】
さらに、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11を共通のダミーウェハ12とすることで、パーツの数を減らしてコストをさらに低減できる。
【0046】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
例えば、上記実施の形態では、エッチング対象のウェハ6として石英ガラスからなるものを用いたが、これに限定されるものではなく、例えばSiからなるものを用いることも可能である。ただし、エッチング量を均一とするため、常温エッチング用ダミーウェハ10と低温エッチング用ダミーウェハ11としては、ウェハ6と同じ材料からなるものを用いる必要がある。
【符号の説明】
【0048】
1 ドライエッチング装置
2 チャンバ
3 上部電極
4 下部電極
5 RF電源
6 ウェハ
7 クランプ
10 常温エッチング用ダミーウェハ
11 低温エッチング用ダミーウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内で対向配置された上部電極と下部電極間に高周波を印加して、前記上部電極と前記下部電極間に供給されたエッチングガスをプラズマ化し、当該プラズマにより前記下部電極の上面に載置されたウェハの表面をエッチングするドライエッチング装置において、
前記下部電極に載置されたウェハを冷却する冷却ガスを供給する冷却ガス供給手段と、
前記下部電極の上面に設けられ、前記冷却ガスによりウェハが動かないように、前記下部電極にウェハを固定するためのクランプと、
エッチング対象のウェハと同じ材料からなり、前記クランプに対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハの周囲を取り囲むように設けられ、ウェハと共にエッチングされる常温エッチング用ダミーウェハと、
エッチング対象のウェハと同じ材料からなり、前記クランプに対して着脱自在に設けられると共に、上面視でウェハの周囲を取り囲むように設けられ、前記クランプとウェハ間に介在してウェハを前記下部電極に固定すると共に、ウェハと共にエッチングされる低温エッチング用ダミーウェハと、を備え、
エッチング幅が深さ方向に変化しないようにエッチングを行う際には、前記冷却ガス供給手段による冷却ガスの供給を停止すると共に、前記常温エッチング用ダミーウェハを用いてエッチングを行い、
エッチング幅が深さ方向に徐々に狭くなるようにエッチングを行う際には、前記冷却ガス供給手段により冷却ガスを供給しつつ、前記低温エッチング用ダミーウェハを用いてエッチングを行う
ことを特徴とするドライエッチング装置。
【請求項2】
前記常温エッチング用ダミーウェハと前記低温エッチング用ダミーウェハは、
周縁部が前記クランプに係止される円盤状の本体部と、該本体部の中央部に形成されたウェハを収容するための凹部と、該凹部の中央部に形成された貫通孔と、を有し、前記常温エッチング用ダミーウェハとして用いる場合は前記凹部が形成された面を上側とし、前記低温エッチング用ダミーウェハとして用いる場合は前記凹部が形成された面を下側として使用する共通のダミーウェハからなる
請求項1記載のドライエッチング装置。
【請求項3】
エッチング対象のウェハが石英ガラスからなり、
前記常温エッチング用ダミーウェハと前記低温エッチング用ダミーウェハは、石英ガラスからなる
請求項1または2記載のドライエッチング装置。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98483(P2013−98483A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242449(P2011−242449)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】