説明

ドライバーズエイドシステム

【課題】シャシーダイナモ上で実路を再現した走行試験を行う際、実路を再現して走行試験を行っている臨場感を向上させる。
【解決手段】被試験車両6の運転者が追従して運転するための走行速度パターンを表示装置4aに表示させるドライバーズエイド装置5aと、走行速度パターンを作成するデータに基づいて走行試験を行う走行経路を補助表示装置4bに表示させるドライバーズエイド補助装置5bとを備える。さらに、ドライバーズエイド補助装置5bは、補助表示装置4bに走行試験を行う走行経路と、この走行経路に対応する地図データを重ねて表示させる。そして、ドライバーズエイド補助装置5bは、走行速度パターンの指令値に基づいて走行経路の色を変化させる等により走行試験の経過状態を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シャシーダイナモ上で行われる車両の性能評価試験に使用する、前記車両の運転者(ドライバー)が追従して運転することを補助するドライバーズエイドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の性能評価試験に使用されるシャシーダイナモは、車両が実路上での走行に相当する実験を室内で容易に再現性良く実施できることから、燃料消費計測試験、排気ガス特性試験あるいは耐久試験などに広く利用されている。
【0003】
このシャシーダイナモによる車両走行試験では、ドライバーが再現性のある運転が可能となるように、モニタ上(ドライバーズエイド表示装置)に、車両の性能評価の運転操作を行うための運転パターン(走行速度パターン)を表示させている。
【0004】
ドライバーズエイドとは、ドライバーが被試験車両をどのような速度で運転するかを表示するものである。ドライバーズエイドに表示される、具体的な走行速度パターンの例としては、「10・15モード」や「US06モード」等の運転パターンが挙げられる(例えば、特許文献1、2)。
【0005】
そして、この走行速度パターンに追従するように、被試験車両をシャシーダイナモ上でドライバーが運転することで性能評価試験を行っている。
【0006】
このように、走行速度パターンに追従して被試験車両を運転する場合、被試験車両のドライバーは、主に走行速度パターンと被試験車両の速度が常に一致するように運転しなくてはならない。
【0007】
そこで、ドライバーが、走行速度パターン情報と実際の被試験車両の車速を確認しながら、他の情報(例えば、路面の勾配情報等)を確認できるように、車両の性能試験に必要な情報がドライバーズエイド表示装置に表示されている(例えば、特許文献1〜5)。
【0008】
現在、車両の性能評価方法が多様化しており、上記のような排気ガステストだけでなく、規格化されていない実路上での走行試験をシャシーダイナモ上で再現して行うことが要求されている。この走行試験を再現する場合、例えば、図10に示すように、シャシーダイナモでは、まず走行試験を行う路上を実際に車両9で走行することにより、測定データ(車速、路面の傾斜等)を収集する(例えば、特許文献6、7)。そして、この収集された測定データに基づいて、走行速度パターン作成手段52が走行速度パターンを作成し、制御手段51がドライバーズエイド表示装置4aに走行速度パターンを表示する。実路上での走行試験をシャシーダイナモメータ3上で再現して行う場合、ドライバーは、ドライバーズエイド表示装置4aに表示された走行速度パターンに追従しながら運転する。
【0009】
図11に例示するように、図10のドライバーズエイド表示装置4aの画面100に表示されるメイン画面11には走行速度パターン12が表示される。被試験車両6のドライバーは、この走行速度パターン12に被試験車両6の車速が追従するように運転を行う。さらに、ドライバーズエイド表示装置4aには、走行試験を行う全行程を表示するサブ画面11a、アナログの速度情報17、アナログの勾配情報18、被試験車両6の運転時間19、被試験車両6の走行距離20が表示されている。
【0010】
メイン画面11には、走行速度パターン12の他に、高度情報13等が表示される。さらに、メイン画面11には、被試験車両6の現在位置を示すラインとして基準線15が表示される。図11に示したメイン画面11の例では、基準線15と高度情報13との交点に車両の形状をしたマーカ14が表示されている。
【0011】
サブ画面11aには、走行速度試験の全行程の走行速度パターン12a、全行程の高度情報13a、被試験車両6が現在位置する場所を示す基準線15a等が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平8−170938号公報
【特許文献2】特開平11−160203号公報
【特許文献3】特開平11−37902号公報
【特許文献4】特開平11−153519号公報
【特許文献5】特開平11−160204号公報
【特許文献6】特開昭63−215936号公報
【特許文献7】特開平8−304237号公報
【特許文献8】特開昭61−255380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、このような走行速度パターン12は、ドライバーが追従して運転することを補助することを目的としているため、ドライバーズエイド表示装置4aに、走行試験を行っている実路の地形情報や走行試験の経過状況が視覚的に表示されることがなかった。したがって、ドライバー以外の第三者(例えば、ドライバー以外の試験員や試験設備の見学者)は、ドライバーズエイド表示装置4aに表示された走行速度パターン12から、実路の走行試験を行っているという臨場感を得ることができなかった。
【0014】
また、GPSにより取得される位置データの精度が悪いので、実際の走行データと地図データを重ねて表示させる場合、この走行データと地図データにずれが生じてしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を鑑みて、本発明のドライバーズエイドシステムは、シャシーダイナモ上で被試験車両の性能評価試験を行うため、その被試験車両の運転者が追従して運転するための走行速度パターンを表示するドライバーズエイドシステムであって、前記走行速度パターンを第1の表示手段に表示させる第1の制御手段と、前記走行速度パターンに対応した走行経路を第2の表示手段に表示させる第2の制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
また、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記第2の表示手段は、高度情報が付加された走行経路を表示させるとよい。
【0017】
さらに、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記第2の制御手段は、前記表示された走行経路に、当該経路に対応した地図データを重ねて表示させてもよい。
【0018】
そして、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記第2の制御手段は、前記走行経路と前記地図データの表示位置を補正する補正手段を備えるとよい。
【0019】
また、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記走行速度パターンは、GPSを搭載した車両で走行試験を行う路上を走行して得られた走行データに基づいて作成するとよい。
【0020】
そして、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記第2の制御手段は、前記走行経路上に被試験車両の現在位置を示すマーカを前記走行速度パターンの指令値に基づいて表示させるとよい。
【0021】
さらに、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記第2の制御手段は、走行経路において、走行試験が終了した経路の色を変化させて表示させてもよい。
【0022】
また、上記ドライバーズエイドシステムにおいて、前記第2の制御手段が、前記GPSを搭載した車両に備えられる車載カメラの映像を前記第2の表示手段に表示させてもよい。
【発明の効果】
【0023】
以上の発明によれば、走行試験を行う経路の地理的情報や走行試験の経過状況を視覚的に正確に把握すること(臨場感を得ること)ができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムを備えたシャシーダイナモの構成図。
【図2】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムによって表示制御された画面の一例を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムによって表示制御された画面の一例を示す図であり、走行試験を行う路面を表示(スケルトン表示)させた図。
【図4】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムによって表示制御された画面の一例を示す図の拡大図であり、走行試験を行う車両の現在値での標高情報を表示する表示部の拡大図。
【図5】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムによって表示制御された画面の一例を示す図であり、走行試験を行う路面を表示(スケルトン表示)させた図の拡大図。
【図6】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムによって表示制御された画面の一例を示す図であり、地形情報に走行試験を行う路面を表示(サーフェス表示)させた図。
【図7】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムによって表示制御された画面の一例を示す図であり、地形情報に地図情報及び走行試験を行う路面を表示させた図。
【図8】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムの座標入力画面の一例を示す図。
【図9】本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムの補正入力ボタンの表示例を示す図。
【図10】従来技術に係るシャシーダイナモシステムのシステム構成図。
【図11】従来技術に係るドライバーズエイドにおける走行速度パターンの表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のドライバーズエイドシステムは、シャシーダイナモに備えられ、走行速度パターンを第1の表示手段に表示させる第1の制御手段と、走行試験を行う経路(以下、走行経路という)とこの経路に対応する地図データを第2の表示手段に重ねて表示させる第2の制御手段を備えるものである。
【0026】
したがって、本発明のドライバーズエイドシステムによれば、被試験車両の運転者以外の人が、第2の表示手段に表示された走行経路や該走行経路に対応する地図データを観ることにより、走行経路の地理的な情報や走行試験の経過状況を直感的に理解できる。
【0027】
本発明の実施形態に係るドライバーズエイドシステムを備えたシャシーダイナモについて図1を参照して詳細に説明する。ただし、本発明に係るドライバーズエイドシステムはこの実施形態に限定されるものではなく、適宜上記課題を解決するように変更が可能であり、この変更された形態も本発明の技術範囲に属する。例えば、既存の都市部や高速道路を想定した走行パターンに基づいて性能評価試験を行う場合に、この走行パターンが想定する走行経路、及びこの走行経路に対応した地図データを表示してもよい。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るシャシーダイナモ1は、被試験車両6の駆動輪が載せられるシャシーダイナモメータ3と、ドライバーズエイドシステム5から構成される。そして、ドライバーズエイドシステム5は、前記第1の制御手段としてドライバーズエイド装置5a、前記第2の制御手段としてドライバーズエイド補助装置5b、ドライバーズエイド表示装置4a、及び補助表示装置4bを備える。
【0029】
シャシーダイナモメータ3は、操作計測盤22によって、ダイナモ制御盤23を介して制御される。なお、制御用コンピュータ装置21は、マンマシーンインターフェースであり、操作計測盤22の手動操作及び補正等を行うものである。なお、操作計測盤22には、ドライバーズエイド装置5aから試験スケジュール情報(速度情報、勾配情報)、及びシャシーダイナモメータ3で検出された情報(被試験車両6の車速等)が入力される。
【0030】
ドライバーズエイド装置5aは、制御手段51と走行速度パターン作成手段52を備える。
【0031】
走行速度パターン作成手段52は、走行試験を行う路上を実際に走行した車両9の測定データに基づいて図11に例示したような走行速度パターンを作成する。
【0032】
なお、図1に示すように、GPS(Global Positioning System)受信機8が搭載された車両9で走行試験を行う路上を走行し、走行データを取得すると、走行速度パターン作成手段52には、GPS受信機8が受信した情報(例えば、緯度、経度)が入力される。
【0033】
走行速度パターン作成手段52は、車両9が、走行速度試験を行う路上を実際に走行して収集された測定データに基づいて走行速度パターンを作成するとともに、GPS受信機8が受信した情報に基づいて、緯度・経度等の情報を付加する。したがって、GPS受信機8が受信した情報に基づく、より正確な走行速度試験を行うことができる。
【0034】
また、GPS受信機8によって取得された情報から、車両9の位置及び、その位置での車速情報を得ることができるので、走行試験を行う路上での車両9の走行距離をGPS受信機8が受信した情報より求めることができる。したがって、走行速度パターン作成手段52は、走行速度パターンの横軸を走行距離とした走行速度パターンや走行速度パターンの横軸を時間とした走行速度パターンを容易に作成できる。
【0035】
制御手段51は、走行速度パターン作成手段52により作成された走行速度パターンをドライバーズエイド表示装置4aに表示させる。さらに、制御手段51は、被試験車両6のドライバーが前記走行速度パターンに追従して被試験車両6を運転するために必要な情報(勾配情報等)をドライバーズエイド表示装置4aに表示させる。
【0036】
ドライバーズエイド補助装置5bは、制御手段53と補正手段54を備える。
【0037】
制御手段53は、走行速度パターン作成手段52より入力された測定データと位置データ(緯度、経度等)、外部から入力された地図データ2を重ねて補助表示装置4bに表示制御する。地図データ2は、ドライバーズエイド補助装置5bに予め格納すればよい、またネットワークを介して地図情報2´から地図データ2を取得してもよい。そして、補助表示装置4bに地図データ2を表示する際には、衛星写真、等高線地図、市街地地図などを用途に応じて添付すればよい。なお、補助表示装置4bは複数備えてもよい。
【0038】
補正手段54は、補助表示装置4bに表示される前述の位置データに基づく走行経路と地図データ2上の経路との表示位置の補正を行う。
【0039】
走行速度パターン作成手段52より入力された位置データは、GPSに基づいて得られるものであるが、GPSから取得される位置データ(緯度・経度)は、地図データ2の緯度・経度の情報と比較して精度が劣る。したがって、GPSから取得された位置データに基づいて表示される走行経度と、この走行経路に対応する地図データ2上の路面を重ね合わせて表示すると、この走行経路と地図データ2の表示位置に誤差が生じてしまう。そこで、補正手段54が、走行経路またはこの経路に対応した地図データ2の表示位置の補正を行うことで、走行経路と地図データ2上の路面が一致するように地図データ2を表示させることができる。
【0040】
なお、ドライバーズエイド補助装置5bに図示省略の入力装置(キーボードや3Dマウス等)を備え、この入力装置からの情報に基づいて補正手段54が表示された地図データ2や走行経路等の拡大・縮小、及び表示向き・表示角度の変更を行うことができるようにすると、第三者の好みに応じた表示形態を選択できる。この操作において、地図データ2の拡大・縮小を行う中心点や、表示向き・表示角度を変更させる時の中心点は、補助表示装置4b上に表示されたマウスポインタや被試験車両6の位置を示す点等とするとよい。
【0041】
この制御手段51、53、走行速度パターン作成手段52、補正手段54の機能は、コンピュータとプログラムによっても実現できる。前記プログラムは既知の記録媒体に格納してまたはネットワークを通じて提供することもできる。また、ドライバーズエイド装置5aとドライバーズエイド補助装置5bは、実施形態においては、各々単一のハードウェアで構成しているが、一体のハードウェアで構成してもよい。
【0042】
図2に、ドライバーズエイド装置5a、及びドライバーズエイド補助装置5bの表示制御例を示す。ドライバーズエイド装置5aとドライバーズエイド補助装置5bは、相互にデータを送受信できるようになっている。ドライバーズエイド装置5aとドライバーズエイド補助装置5bの接続方法は、特に限定されるものではないが、例えば、LANで接続する方法が挙げられる。ドライバーズエイド表示装置4a、補助表示装置4bは、CRT等のモニタを用いればよい。
【0043】
ドライバーズエイド表示装置4aは、ドライバーズエイド装置5aから出力される走行速度パターンを表示する。そして、被試験車両6のドライバーは、この走行速度パターンを確認しながら、被試験車両6の走行速度がこの走行速度パターンに追従するようにシャシーダイナモメータ3上の被試験車両6を運転する。
【0044】
一方、補助表示装置4bは、ドライバーズエイド補助装置5bから出力される走行経路、及びこの経路に対応する地図データ2を表示する。走行試験を行う場合、ドライバーズエイド補助装置5bは、ドライバーズエイド装置5aからリアルタイムに送信される走行速度パターンの指令値に基づいて、前記表示された走行経路の色を変化させる等の方法で、走行試験の経過状態を補助表示装置4bに表示させる。これにより、第三者が、走行経路の地理的状況や走行試験の経過状態を直感的に把握できる。
【0045】
図3は、ドライバーズエイド補助装置5bの制御手段53が、補助表示装置4bの画面101に走行経路7を3Dでスケルトン表示した例である。すなわち、補助表示装置4bの画面101には、走行試験を行う経路の高度情報が付加された走行経路7が表示されている。
【0046】
また、この画面101には、走行経路7の他に、緯度情報表示部41、経度情報表示部42、標高情報表示部43、走行距離表示部44等を表示させてもよい。緯度情報表示部41は、被試験車両6の現在地の緯度を表示し、経度情報表示部42は、被試験車両6の現在地の経度を表示する。そして、標高情報表示部43は、被試験車両6の現在地における標高を表示し、走行距離表示部44は、被試験車両6の現在地における走行距離情報を表示する。さらに、図4に例示するように、標高情報表示部43の現在高度の数値表示フィールドがバーグラフを兼ね、経路上地点の標高の最小値、最大値を基準とした現在値の比率を表示すると、より直感的に現在の高度情報を把握できる。同様に、図3において走行距離表示部44の数値表示フィールドが標高情報表示部43と同様の機能を備えてもよい。
【0047】
図3の表示例において、底面7aは海抜0m地点を表しており、走行経路7の海抜に応じて走行経路7が立体的に表示されている。また、走行経路7には、例えば、標高100mごとに標高基準線7bが表示されている。この標高基準線7bは、標高100mごとに表示することに限るものではなく、例えば25mごとに表示すればよい。そして、底面7aの基準も海抜0m地点に限るものではなく、走行経路7のうち標高の最も低い地点を基準とする等、適宜設定変更が可能である。
【0048】
また、図3を拡大した図5に示すように、走行経路7において、走行試験が終了した経路7dの色を変化させて表示させると、走行試験の経過情報をより把握しやすくなる。また、走行経路7において、被試験車両6の現在位置を示すマーカ7cを表示させてもよい。マーカの形状や表示位置は、わかりやすいように適宜選択して表示する。このマーカ7cの現在位置は、走行速度パターンの指令値に基づいて表示するとよい。なぜならば、走行速度パターンの速度表示と被試験車両6の速度は、常に一致するものではないので、被試験車両6の検出速度に基づいてマーカ7cの現在位置を表示させると、マーカ7cが走行経路7の現在位置からずれて表示されるためである。
【0049】
図6は、ドライバーズエイド補助装置5bの制御手段53が、補助表示装置4bの画面101に走行経路7とこの走行経路7に対応した地形情報を有する地図データ2aを表示(サーフェス表示)した例である。なお、図3に示した画面101の表示例と同様のものについては同じ符号を付し詳細な説明を省略する(図7に示す画面101の表示例についても同様である)。
【0050】
図6に示すように、画面101に走行経路7と地図データ2aを重ねて表示することで、実路(山間部、平野部等)を走行して車両の性能評価試験をしているという臨場感を得ることができる。
【0051】
なお、図1の走行試験を行う路上を実際に走行した車両9に車載カメラ(図示省略)等を備え、この車載カメラで撮影した映像を画面101に表示すると走行試験を行う路上の様子がより伝わる。なお、この車載カメラからの映像も、前記走行試験の経過情報と同様に、走行速度パターンの指令値に基づいて表示させるとよい。
【0052】
図7は、ドライバーズエイド補助装置5bの制御手段53が、補助表示装置4bの画面101に走行経路7とこの走行経路7に対応した3Dの地図情報を有する地図データ2bを表示した例である。
【0053】
図7に示すように走行経路7と地図データ2bを重ねて表示する場合、地図データ2b上の道路と表示された走行経路7を一致させる必要がある。そこで、走行経路7から選択された地点の緯度、経度と地図データ2bの緯度、経度の照合を行うことで地図データ2b上の道路と走行経路7を一致させる。
【0054】
地図データ2bを表示する場合、2Dの地図データを表示してもよいが、3Dで表示した場合のほうが、どのような実路の走行試験を行っているかという情報をより詳しく伝えることができる。
【0055】
図8に示した補正手段54のグラフィックインターフェース21において、point1として走行試験を行う出発点の緯度、経度を枠22の各記入欄に入力し、point2として走行試験の終了点の緯度、経度を枠23の各記入欄に入力し、再計算ボタン26を押す。再計算ボタン26を押すと、表示されている走行経路に対応して表示させる地図データ2bの左下座標(北緯・東経)と右上座標(北緯・東経)が計算される。この左下座標と右下座標が補助表示画面4bの表示画面の左下座標と右下座標と一致するように地図データ2bを表示することにより、走行経路7と地図データ2b上の道路が一致するように表示することができる。なお、pointとして入力する地点は、出発点や終了点に限らず、適宜選択が可能である。また、pointの数は2つ以上あればよく、pointの数を増やすことにより地図の表示精度が向上する。特に、2つのpointの距離が近い場合は、その2点から離れた地点(緯度、経度)をpoint3として入力するとより精度よく地図データ2bを表示することができる。
【0056】
図9に、ドライバーズエイド補助装置5bの制御手段53が、走行経路7(図中点線で示す)とこの走行経路7と対応する2Dの地図データ2cを補助表示装置4bの画面101に表示した表示例を示す。図9の例では、走行経路7は地図データ2c上の路面と一致して表示されている。さらに、図9の表示例では、補正手段54の補助機能として補正入力ボタン10が表示されている。例えば、走行経路7と地図データ2c上の路面が目視にて一致していない場合、補正入力ボタン10からの入力に基づいて、走行経路7若しくは表示された地図データ2cの表示位置を平行移動させることにより走行経路7及び当該経路7に対応する地図データ2cの表示位置を補正することができる。
【0057】
なお、図9を例示して説明した補正手段53の機能は、走行経路7と地図データ2cを画面101に表示させた時のみに用いるものではなく、例えば、図6に示した地形情報を有する地図データ2aを表示する場合に用いてもよい。
【0058】
以上説明したように、本発明に係るドライバーズエイドシステムによれば、実路の走行試験をシャシーダイナモで行う場合において、走行試験を行っているドライバー以外の第三者が、走行試験を行う経路の概要(地形情報等)や走行試験の経過情報を把握することができる。したがって、実路を再現した走行パターンに追従するように被試験車両を運転する車両の性能評価試験において、実路の走行試験を行っているという臨場感を直感的に得ることができる。
【0059】
また、走行経路上の複数の点に基づいて走行経路に対応する地図データの表示位置を補正する補正手段を備えることにより、走行経路と地図データ上の道路が対応するように表示させることができる。さらに、補正手段が、表示された走行経路若しくは地図データを平行移動させる機能を備えることにより、表示された走行経路と地図データの表示位置を微調整できる。
【符号の説明】
【0060】
1…シャシーダイナモ
2、2a、2b、2c…地図データ
3…シャシーダイナモメータ
4a…ドライバーズエイド表示装置(第1の表示手段)
4b…補助表示装置(第2の表示手段)
5…ドライバーズエイドシステム
5a…ドライバーズエイド装置(第1の制御手段)
5b…ドライバーズエイド補助装置(第2の制御手段)
6…被試験車両
7…走行経路
10…補正入力ボタン
11…メイン画面(走行速度パターンを表示する領域)
12、12a…走行速度パターン
13…高度情報
14…マーカ
15、15a…基準線
51、53…制御手段
52…走行速度パターン作成手段
54…補正手段
101…補助表示装置の画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシーダイナモ上で被試験車両の性能評価試験を行うため、その被試験車両の運転者が追従して運転するための走行速度パターンを表示するドライバーズエイドシステムであって、
前記走行速度パターンを第1の表示手段に表示させる第1の制御手段と、
前記走行速度パターンに対応した走行経路を第2の表示手段に表示させる第2の制御手段と、を備えた
ことを特徴とするドライバーズエイドシステム。
【請求項2】
前記第2の表示手段は、高度情報が付加された走行経路を表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載のドライバーズエイドシステム。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、前記表示された走行経路に、当該経路に対応した地図データを重ねて表示させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドライバーズエイドシステム。
【請求項4】
前記第2の制御手段は、前記走行経路と前記地図データの表示位置を補正する補正手段を備えた
ことを特徴とする請求項3に記載のドライバーズエイドシステム。
【請求項5】
前記走行速度パターンは、GPSを搭載した車両で走行試験を行う路上を走行して得られた走行データに基づいて作成される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のドライバーズエイドシステム。
【請求項6】
前記第2の制御手段は、前記走行経路上に被試験車両の現在位置を示すマーカを前記走行速度パターンの指令値に基づいて表示させる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のドライバーズエイドシステム。
【請求項7】
前記第2の制御手段は、前記走行経路において、走行試験が終了した経路の色を変化させて表示させる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のドライバーズエイドシステム。
【請求項8】
前記第2の制御手段が、前記GPSを搭載した車両に備えられる車載カメラの映像を前記第2の表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のドライバーズエイドシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−112601(P2011−112601A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271497(P2009−271497)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【出願人】(591108710)昌栄電機株式会社 (3)