ドライブレコーダ用カメラユニット
【課題】電子カメラを内蔵したカメラ本体が、車両前方の映像を記録する場合だけではなく、車内の映像を記録する場合にも使用することができると共に、車両の振動によるカメラ本体のぶれを低減することができるドライブレコーダ用カメラユニットを提供する。
【解決手段】ドライブレコーダを構成するカメラユニット1であって、このカメラユニット1は、電子カメラを内蔵したカメラ本体2と、カメラホルダー3とを備え、カメラ本体2は、カメラホルダー3に、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されている。
【解決手段】ドライブレコーダを構成するカメラユニット1であって、このカメラユニット1は、電子カメラを内蔵したカメラ本体2と、カメラホルダー3とを備え、カメラ本体2は、カメラホルダー3に、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に急激に発生した加速度を加速度センサによって検出し、検出した時間の前後の撮影画像を記録するようにしたドライブレコーダ等に用いられるドライブレコーダ用カメラユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の事故発生時の前後の車両状況情報(前方映像、車両速度、急加減速など)を記憶するドライブレコーダは、自動車の衝突事故などの際の検証に有益な情報を提供することになるので、特にトラック等の運送用の車両や、タクシー,バス等の営業用車両への搭載が広まっており、さらに、一般の車両にも搭載されつつある。
【0003】
このドライブレコーダは、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての前方映像とドライバーの運転操作(ブレーキ操作、ウインカー操作、走行経路等)状況を示す走行データとを記憶可能な構成となっている。映像データの記憶をする構成について簡単に説明すると、CCDカメラにて常時、運転者の視点(視野)から自車と周辺状況を撮像するとともに、その撮像した映像をリングバッファ等の一時記憶メモリに記憶する。この一時記憶メモリに記憶する映像は、逐次最新のものに更新され、設定された時間分だけ過去の映像データが保持される。一方、ドライブレコーダは、加速度センサ等の事故や急ブレーキ・急ハンドル時に発生する衝撃を検知するセンサを備え、そのセンサの出力値が閾値を超えた場合、閾値を超えた(衝撃検出)時点より前の一定期間の映像を一時記憶メモリから読み出して不揮発性メモリ(SDメモリカード等)に格納すると共に、閾値を超えた時点以降はその後に撮像したCCDカメラの映像を不揮発性メモリに直接或いは一時記憶メモリを経由して格納することで衝撃前及び衝撃後の所定時間にわたる映像と前記走行データ等を不揮発性メモリ(SDカード)に保存する機能を備える。
【0004】
そして、事故が発生したときには、不揮発性メモリに保存されている自車の車両状況情報(映像等)に基づいて、運転者の正当性を明確に証明することを可能としている。また、ドライブレコーダは、急ハンドル、急ブレーキ等の乱暴で危険な運転操作を検出すると、警告音等を発して運転者に注意を促すことで、運転者にある種の緊張感を与えることもできる。
【0005】
このドライブレコーダは、車両の前方映像を撮影し記憶することから、通常、車両のフロントガラス等に取り付ける。具体的には特許文献1、2に示すように、CCDカメラや加速度センサ等が内蔵された扁平矩形状の本体の上面に、本体に対して所定角度に傾斜する取付面を有する取付部材を設け、取付面に設けられた粘着テープ,両面接着テープや、吸盤などを用いてフロントガラスの所定位置に接着・固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−193057号公報
【特許文献2】特開2006−321423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2に記載のドライブレコーダは、CCDカメラと加速度センサとを内蔵していることから、CCDカメラの撮影用レンズの向きは、車両正面水平方向を向く状態に配置することで基準としている。そして、内蔵された加速度センサは、撮影用レンズが車両正面水平方向を向く状態にある場合を初期設定状態として配置されており、本体取付面であるフロントガラスの傾斜角度に対応して、車両の上下方向に微調整が行えるに過ぎなかった。
【0008】
しかしながら、最近では、トラック等の運送用の車両や、タクシー、バス等の営業用車両では、運行管理上、車両前方のみならず、車内の映像を記録しておく需要が高まっており、カメラ本体の撮影用レンズの向きが上下方向及び左右方向に調整することができるドライブレコーダ用カメラユニットが必要とされている。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電子カメラを内蔵したカメラ本体が、車両前方の映像を記録する場合だけではなく、車内の映像を記録する場合にも使用することができると共に、コスト高とならず、車両の振動によるカメラ本体のぶれを低減することができるドライブレコーダ用カメラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決する為に、本発明に係るドライブレコーダ用カメラユニットは、(1)ドライブレコーダを構成するカメラユニットであって、前記カメラユニットは、電子カメラを内蔵したカメラ本体と、カメラホルダーとを備え、前記カメラ本体は、前記カメラホルダーに、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されていることを特徴としている。したがって、上下方向の回動によって、従来どおり、車両前方方向の撮影を行うことができる。また、上下方向及び左右方向の回動によって、車内の撮影を行うことができるので、助手席にいる人や物を撮影し、記録することができる。
【0011】
ここで、上下方向とは、車両の接地面に対して垂直な方向を意味する。また、左右方向とは、車両の接地面に対して平行な方向を意味する。
【0012】
(2)前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴としている。したがって、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての車両の前方映像を再現することができ、これにより、事故原因の解明に繋がると共に、運転者の正当性の証明も容易となる。尚、光入射部とは、例えば、撮影用レンズや、ピンホールカメラにおける光入射孔等を意味する。光入射部を介して例えばCCD、CMOS等の撮像素子や撮像管等の撮像手段に物体の反射光を取り込み、光を電気信号に変換して、画像データにする。
【0013】
(3)前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの後方の車内を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴としている。したがって、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての車内の映像を再現することができ、これにより、事故原因の解明に繋がると共に、運転者の正当性の証明も容易となる。
【0014】
(4)前記カメラ本体は、前記カメラホルダーとの接触面を凸状の曲面にて形成し、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体との接触面を、前記カメラ本体の凸状の曲面に対応する凹状の曲面にて形成していることを特徴としている。したがって、カメラ本体の凸状の曲面に、カメラホルダーの凹状の曲面が接触することによって接触面積が広いことから、安定的にカメラ本体を保持することができる。また、摩擦抵抗を低減させることができることから、スムーズに上下方向及び左右方向の回動を行うことができる。
【0015】
(5)前記カメラ本体は、操作部を備え、該操作部は、車両の運転者側に設置されることを特徴としている。したがって、運転者が、車内の状況を撮影したい場合に、容易にカメラ本体の操作を行うことができる。
【0016】
(6)前記カメラホルダーは、前記カメラ本体の接触面との接触位置及び接触圧力を調節する調節部を備えていることを特徴としている。したがって、調節部により、接触圧力を弱めることによって、カメラ本体を上下方向及び左右方向に容易に回動させることができる。また、調節部により、接触圧力を強めることによって、カメラ本体をカメラホルダーに安定的かつ確実に保持することができる。
【0017】
(7)前記カメラ本体が、前記光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影する状態と、フロントガラスの後方の車内を撮影する状態とに変更できるように、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体を着脱可能に保持する前記調節部を有することを特徴としている。したがって、調節部の接触圧力を弱めた後、カメラ本体をカメラホルダーから取り外して、光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影する状態、又はフロントガラスの後方の車内を撮影する状態へと変更することができる。
【0018】
(8)前記調節部は、前記カメラホルダーの外側であって、その下端部が、車両の接地面を基準として、前記カメラホルダーの下端部よりも上方に位置することを特徴としている。仮に、カメラホルダーの内側に調節部を設けた場合には、カメラ本体が、カメラホルダーに、左右方向に回動可能な状態で保持されていることから、カメラ本体の撮影範囲に入りやすくなり、無理にこれを回避しようとすれば設計の自由度が制約されることとなる。また、調節部がカメラホルダーの下端部よりも下方に位置する場合にも、カメラ本体が、カメラホルダーに、上下方向に回動可能な状態で保持されていることから、カメラ本体の撮影範囲に入りやすくなる。したがって、上記構成とすることにより、調節部がカメラ本体の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方方向の視界の妨げになることを極力避けることができる。
【0019】
(9)前記カメラホルダーは、車両のフロントガラスに固定する固定部を備えていることを特徴としている。したがって、固定部により、カメラホルダーをフロントガラスに固定することができ、フロントガラスを介して車両前方方向の映像を撮影することができる。また、通常、フロントガラスは、車内の最前部に位置していることから、このフロントガラスに固定する固定部を設けることによって、車内全体を撮影することもできる。
【0020】
(10)前記固定部を、車両のフロントガラスの傾斜面に対応する傾斜面にて形成していることを特徴としている。したがって、固定部の傾斜面に両面テープ等を貼付することによって、車両のフロントガラスの傾斜面に容易にドライブレコーダ用カメラユニットを固定することができる。
【0021】
(11)前記カメラホルダーは、前記固定部と、前記凹状の曲面を備えた凹状の球面の一部を有するリング状のカメラ本体保持部とで構成し、前記固定部の傾斜面が車両のフロントガラスの傾斜面に固定され、且つ前記カメラ本体の光入射部を水平方向と一致させた状態では、前記リング状のカメラ本体保持部が前記固定部の下方に位置し、該リング状のカメラ本体保持部の直径方向が、車両の接地面に対して垂直な方向と一致することを特徴としている。したがって、車両内部の撮影時には、カメラホルダーのリング状のカメラ本体保持部が車両後方に突出することがないので、カメラ本体の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方の撮影時には、カメラホルダーのリング状のカメラ本体保持部が車両前方のフロントガラス側に突出することがないので、カメラ本体の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。
【0022】
(12)前記カメラ本体は、撮影用レンズのレンズ幾何中心を通る軸線の方向を水平方向と一致させた状態を基準として、左方向及び右方向と、上方向及び下方向の各々に、所定角度の範囲を回動可能な状態で、前記カメラホルダーに設置されていることを特徴としている。したがって、カメラ本体を固定した場合に、撮影用レンズではカバーできない撮影範囲を、カメラ本体の所定角度の回動により撮影可能な範囲内とすることができる。
【0023】
(13)前記撮影用レンズが有する画角と、前記回動可能な所定角度とを組み合わせることによって、約180度の範囲で撮影可能であることを特徴としている。一般に、撮影用レンズによる撮影範囲は約120度前後であることから、上下左右に各々30度撮影範囲を広げることにより、約180度の範囲で撮影することができることから、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの後方の車内を撮影するように設置することによって、車内全体を撮影することが可能となる。
【0024】
(14)前記カメラ本体の回動可能な所定角度の範囲で、前記カメラ本体の前記凸状の曲面と、前記カメラホルダーの前記凹状の曲面との接触面積が一定の状態を維持していることを特徴としている。例えば、カメラ本体を所定角度の範囲で回動させる場合に、カメラホルダーに形成した凹状の曲面全体に、カメラ本体に形成した凸状の曲面の一部が常に接触している状態とすれば、カメラ本体を所定角度回動した場合においてもカメラホルダーとの接触面積が変わらないことから、安定的かつ確実にカメラ本体を保持することができる。
【0025】
(15)前記カメラホルダーは、所定幅のリング状のカメラ本体保持部を有するものであって、前記所定幅は、前記カメラ本体の回動可能な所定角度の最大角度によって決定されることを特徴としている。例えば、リング状のカメラ本体保持部の凹状の曲面全体に、カメラ本体の凸状の曲面の一部が接触する構成とすると、カメラ本体保持部によって保持できるカメラ本体の姿勢は、カメラ本体保持部の凹状の曲面の幅によって決定される。したがって、カメラ本体の回動可能な所定角度を大きくしたい場合には、リング状のカメラ本体保持部の幅は大きくして、カメラ本体保持部とカメラ本体との接触面積を大きくすればよい。また、カメラ本体の回動可能な所定角度を小さくすれば、カメラ本体保持部とカメラ本体との接触面積が小さくてもカメラ本体を保持することができるので、リング状のカメラ本体保持部の幅を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るドライブレコーダ用カメラユニットは、上下方向及び左右方向の回動によって、車内の撮影を行うことができるので、助手席にいる人や物を撮影し、記録することができ、カメラホルダーが、安定的かつ確実にカメラ本体を保持することによって、車両の振動によるカメラ本体のぶれを低減することができる。また、本発明に係るドライブレコーダ用カメラユニットは、車内全体を撮影することができ、運転者が容易にカメラ本体の操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るカメラユニットを左方向から見た斜視図
【図2】本発明に係るカメラユニットを右方向から見た斜視図
【図3】本発明に係るカメラユニットの正面図
【図4】本発明に係るカメラユニットの右側面図
【図5】本発明に係るカメラユニットの左側面図
【図6】本発明に係るカメラユニットの平面図
【図7】本発明に係るカメラユニットの底面図
【図8】本発明に係るカメラユニットの背面図
【図9】本発明に係るカメラユニットの右側面図
【図10】本発明に係るカメラユニットの左側面図
【図11】図3に示すカメラユニットのA−A概略断面図
【図12】図3に示すカメラユニットのB−B概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るドライブレコーダを構成するカメラユニット1を左方向から見た斜視図であり、図2は、右方向から見た斜視図である。また、図3は、本発明に係るドライブレコーダを構成するカメラユニット1の正面図、図4は、右側面図、図5は、左側面図、図6は、平面図、図7は、底面図、図8は、背面図である。また、図9は、図4とはカメラ本体2の向きを変えた場合の右側面図であり、図10は、図5とはカメラ本体2の向きを変えた場合の左側面図である。また、図11は、図3に示すカメラユニット1のA−A概略断面図であり、図12は、B−B概略断面図である。
【0029】
先ず、カメラユニット1の基本的構成を説明する。カメラユニット1は、電子カメラ10を内蔵したカメラ本体2と、カメラホルダー3とを備えている。また、カメラ本体2は、カメラホルダー3のリング状のカメラ本体保持部に、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されている。
【0030】
また、カメラホルダー3は、車両のフロントガラス11に固定する固定部を備えており、この固定部は、傾斜面からなる固定部材4にて構成している。また、カメラホルダー3のカメラ本体2の接触面との接触位置及び接触圧力を調節する調節部を備えており、この調節部は、分割片5a,5bと、この分割片5a,5bを貫通する調節ネジ6と、この調節ネジ6に螺合するナット7にて構成している。
【0031】
また、図4及び図5に示すように、カメラホルダー3の固定部を構成する固定部材4によって、カメラユニット1は、車両のフロントガラス11に固定される。固定手段としては、粘着テープや両面接着テープを使用する。
【0032】
また、カメラ本体2から延出しているケーブル17は、車両の所定箇所に設置されているドライブレコーダ本体(図示せず)に接続されている。このドライブレコーダ本体には、加速度センサ、記憶手段、通信手段等が内蔵されている。そして、カメラ本体2に設けられた光入射部を通してフロントガラス11の前方を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に保存する構成としている。
【0033】
一方、車内全体を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、上述の光入射部を通してフロントガラス11の前方を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合と同様の構成としてもよいが、随時撮影された画像データが、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に記憶されると共に、通信手段によって、監視場所等に伝送される構成とすることもできる。
【0034】
次に、図3〜図12を用いて本発明に係るドライブレコーダを構成するカメラユニット1の具体的構成を説明する。
【0035】
カメラ本体2は、上面、下面、右側面、及び左側面のカメラホルダー3との接触面を、凸状の曲面2aにて形成している。この凸状の曲面2aは、曲率半径が一定の球面にて形成されている。
【0036】
また、カメラホルダー3は、リング状のカメラ本体保持部の内周面におけるカメラ本体2との接触面を、カメラ本体2の凸状の曲面2aに対応する凹状の曲面3aにて形成している。このカメラボルダー3の凹状の曲面3aの曲率半径と、カメラ本体2の凸状の曲面2aの曲率半径とはほぼ同じ曲率半径となるように成形しているが、製造誤差により、カメラ本体2の凸状の曲面2aの曲率半径がカメラボルダー3の凹状の曲面3aの曲率半径よりも大きくならないように、僅かにカメラボルダー3の凹状の曲面3aの曲率半径を大きくなるようにして成形している。
【0037】
上記構成により、カメラ本体2の凸状の曲面2aの範囲の一部と、カメラホルダー3の凹状の曲面3aの全範囲とが接触することとなり、接触面積を広くとることができる。したがって、カメラホルダー3は、安定的にカメラ本体2を保持することができる。また、接触面が曲面2a,3aにて形成されていることから、摩擦抵抗を低減させることができ、カメラ本体2の上下方向及び左右方向の回動を、スムーズに行うことができる。
【0038】
また、上記構成により、カメラ本体2自体を操作部として、その外面を指で操作して回動させることができる。そして、図4及び図5に示すように、カメラ本体2の撮影用レンズ9が車内側を向くように、固定部材4をフロントガラス11に固定した場合には、カメラユニット1を車両の運転者側のフロントガラス11に設置して、運転者が、車内の状況を撮影し、容易にカメラ本体2の操作を行うことができる。尚、図8に示すように、カメラ本体2の背面に指挿入溝8を設けている。この指挿入溝8に運転者の指が挿入されることによって、カメラ本体を確実に掴むことができるので、カメラ本体2の操作が更に容易となる。
【0039】
ここで、カメラ本体2の上下方向及び左右方向の回動範囲は、撮影用レンズ9のレンズ幾何中心を通る軸線の方向を水平方向と一致させた状態を基準として、上下方向及び左右方向の各々に、30度の範囲を回動可能となるようにしている。即ち、カメラホルダー3は、リング状のカメラ本体保持部を構成するリング状保持部材12の内側の略全面が、凹状の曲面3aにて形成しており、この凹状の曲面3aの全体がカメラ本体2の凸状の曲面2aと接触している。一方、カメラ本体2は、レンズ用開孔14を有する前面と、ケーブル17が突出する後面以外の外周面を凸状の曲面2aで形成しており、この凸状の曲面2aの一部がリング状保持部材12の凹状の曲面3a全体と接触する構成としている。そして、この状態が維持される範囲を、カメラ本体2の回動可能な範囲と定義している。
【0040】
また、リング状のカメラ本体保持部を構成するリング状保持部材12は、固定部を構成する固定部材4の傾斜面が車両のフロントガラス11の傾斜面に固定され、且つカメラ本体2の光入射部を水平方向と一致させた状態では、リング状保持部材12が固定部材4の下方に位置し、リング状保持部材12の直径方向が、車両の接地面に対して垂直な方向と一致する構成としている。したがって、車両内部の撮影時には、カメラホルダー3のリング状保持部材12が車両後方に突出することがないので、カメラ本体2の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方の撮影時には、カメラホルダー3のリング状保持部材12が車両前方のフロントガラス11側に突出することがないので、カメラ本体2の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。
【0041】
そして、撮影用レンズ9による撮影範囲(撮影用レンズが有する画角)は約120度前後であることから、上下左右に各々30度撮影範囲を広げることにより、約180度の範囲で撮影することができるので、車内全体を撮影することができる。
【0042】
次に、図3に示すように、カメラホルダー3の調節部は、カメラホルダー3の外側に位置している。また、カメラユニット1を車両に設置し、カメラ本体2のカメラホルダー3への固定が完了した状態において、調節ネジ6の下端部が、車両の接地面を基準として、カメラホルダー3の下端部よりも上方に位置するように設計している。(図3の矢印T参照)。これにより、調節部がカメラ本体2の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方方向の視界の妨げになることを極力避けることができる。
【0043】
そして、カメラホルダー3の調節部を構成する調節ネジ6を緩めることによって、分割片5aと、分割片5bとの間の上下方向の隙間が拡がり、カメラホルダー3のリング状の保持部材12の内径が拡大する。そして、カメラ本体2の外径よりもリング状保持部材12の内径の方が大きくなった状態で、カメラ本体2をリング状保持部材12の前方の開口18a又は後方の開口18bから取り出すことによって、カメラ本体2をカメラホルダー3から分離可能な構成としている。
【0044】
そして、取り出したカメラ本体2を、図9及び図10に示すように、車外を撮影する向きにして、リング状保持部材12の前方の開口18a又は後方の開口18bから挿入する。さらに、カメラホルダー3の調節部を構成する調節ネジ6を締めることによって、分割片5aと、分割片5bとの間の上下方向の隙間が狭まり、カメラホルダー3のリング状保持部材12の内径が縮小する。そして、カメラ本体2の外径とリング状保持部材12の内径とがほぼ等しくなった状態で、カメラ本体2のカメラホルダー3への固定が完了する。
【0045】
上述のように、本実施形態では、カメラ本体2が車内を撮影する場合の向きとしているが、図9及び図10に示すように、逆向きとすることによって、フロントガラス11の前方を撮影するようにすることができ、このカメラ本体2の向きを変更する作業は、調節ネジ6を緩めることによって、容易に行うことができる。
【0046】
図11は、図3に示すカメラユニット1のA−A概略断面図であり、図12は、B−B概略断面図である。これらの図を用いてカメラ本体2の内部構造について説明する。カメラ本体2の内部には、CCDカメラ等の電子カメラ10が固定部材13によって固定されている。ここで、電子カメラの撮影用レンズ9は、光入射部を構成するレンズ用開孔14から露出するように配設されている。また、電子カメラ10の後方には、回路基板15が固定部材16によって、カメラ本体内部に固定されている。また、回路基板15には、ケーブル17が接続されている。
【0047】
このケーブル17は、回路基板15を介して電子カメラ10に電気を供給すると共に、車両の所定箇所に設置されているドライブレコーダ本体(図示せず)に接続されており、電子カメラ10からのデータを、ドライブレコーダ本体に内蔵されている記憶手段に伝送している(尚、ケーブル17は途中省略した状態を図示している。)。このケーブル17にUSBケーブルを適用し、カメラ本体2にUSB端子を設けた場合には、カメラ本体2とケーブル17との着脱が容易となり、車内撮影又は車外撮影に変更するためにカメラ本体2をカメラホルダー3から取り外す際に、予めケーブル17をカメラ本体2から取り外しておけば、変更作業が容易となる。
【0048】
尚、本実施形態では、光入射部をレンズ用開孔14と、撮影用レンズ9とによって構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、ピンホールカメラのように撮影用レンズ9を備えていない構成においては、カメラ本体2に設けられた光入射孔のみで光入射部を構成することもでき、これも本発明に含まれるものである。
【0049】
また、図11及び図12に示すように、本発明に係るカメラユニット1は、カメラ本体2の回動可能な所定角度(本実施形態の場合は30度)の範囲で、カメラ本体2の凸状の曲面2aと、カメラホルダー3の凹状の曲面3aとの接触面積が一定の状態を維持している。即ち、カメラホルダー3の凹状の曲面3aの全体がカメラ本体2の凸状の曲面2aの一部と接触した状態を常に維持している。したがって、カメラ本体2を所定角度の範囲で回動した場合においてもカメラホルダー3との接触面積が変わらないことから、カメラホルダー3は、安定的かつ確実にカメラ本体2を保持することができる。
【0050】
また、カメラホルダー3は、所定幅のリング状の保持部材12から構成されるカメラ本体保持部を有するものであって、リング状の保持部材12の所定幅は、カメラ本体2の回動可能な所定角度の最大角度(本実施形態の場合は30度)によって決定される。即ち、図11及び図12に示すように、リング状保持部材12は、内側の略全面が、凹状の曲面3aにて形成しており、この凹状の曲面3aの全体がカメラ本体2の凸状の曲面2aと接触している。一方、カメラ本体2は、レンズ用開孔14を有する前面と、ケーブル17が突出する後面以外の外面を凸状の曲面2aで形成しており、この凸状の曲面2aの一部がリング状保持部材12の凹状の曲面3a全体と接触する構成としている。
【0051】
ここで、カメラ本体2を上下方向及び左右方向に回動して、リング状保持部材12の凹状の曲面3aの一部に、カメラ本体2の凸状の曲面2aと接触していない部分が生じた場合には、接触面積が減少することとなるので、カメラホルダー3のカメラ本体2への接触圧が変動し、カメラ本体2の保持が不安定化することとなる。そこで、カメラ本体2を上下方向及び左右方向に回動して、凹状の曲面3aの全体が、カメラ本体2の凸状の曲面2aの一部と接触している状態の最大角度をカメラ本体2の回動可能な所定角度の最大角度としている。
【0052】
本発明に係るカメラユニット1は、上述の構成となっているので、カメラ本体2の回動可能な所定角度を大きくしたい場合には、リング状の保持部材12の幅を大きくすればよく、カメラ本体2の回動可能な所定角度を小さくしたい場合には、リング状の保持部材12の幅を小さくすればよい。
【0053】
次に、本発明に係るカメラユニット1を使用したドライブレコーダの作用について説明する。カメラ本体2から延出しているケーブル17は、車両の所定箇所に設置されているドライブレコーダ本体(図示せず)に接続されている。このドライブレコーダ本体には、加速度センサ、記憶手段、通信手段等が内蔵されている。そして、カメラ本体2に設けられた光入射部を通してフロントガラス11の前方を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に保存する構成としている。したがって、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての前方映像を再現することができ、これにより、事故原因の解明に繋がると共に、運転者の正当性の証明も容易となる。
【0054】
一方、車内全体を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、随時撮影された画像データが、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に記憶されると共に、通信手段によってタクシー会社本部や、トラック輸送会社本部に伝送される構成としている。したがって、タクシーに乗車している乗客の迷惑行為をタクシー会社本部に知らせることができ、記憶手段に記憶された画像データは、後日損害賠償等を請求する際の証拠として利用することができる。また、トラック輸送会社本部は、トラック運転手が居眠り運転をしていないか随時監視することができ、助手席にビール缶や酒瓶が置かれていないか等を監視することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 カメラユニット
2 カメラ本体
2a 凸状の曲面
3 カメラホルダー
3a 凹状の曲面
4 固定部材
5a,5b 分割片
6 調節ネジ
7 ナット
8 指挿入溝
9 撮影用レンズ
10 電子カメラ
11 フロントガラス
12 リング状の保持部材
13 固定部材
14 レンズ用開孔
15 回路基板
16 固定部材
17 ケーブル
18a,18b 開口
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に急激に発生した加速度を加速度センサによって検出し、検出した時間の前後の撮影画像を記録するようにしたドライブレコーダ等に用いられるドライブレコーダ用カメラユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の事故発生時の前後の車両状況情報(前方映像、車両速度、急加減速など)を記憶するドライブレコーダは、自動車の衝突事故などの際の検証に有益な情報を提供することになるので、特にトラック等の運送用の車両や、タクシー,バス等の営業用車両への搭載が広まっており、さらに、一般の車両にも搭載されつつある。
【0003】
このドライブレコーダは、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての前方映像とドライバーの運転操作(ブレーキ操作、ウインカー操作、走行経路等)状況を示す走行データとを記憶可能な構成となっている。映像データの記憶をする構成について簡単に説明すると、CCDカメラにて常時、運転者の視点(視野)から自車と周辺状況を撮像するとともに、その撮像した映像をリングバッファ等の一時記憶メモリに記憶する。この一時記憶メモリに記憶する映像は、逐次最新のものに更新され、設定された時間分だけ過去の映像データが保持される。一方、ドライブレコーダは、加速度センサ等の事故や急ブレーキ・急ハンドル時に発生する衝撃を検知するセンサを備え、そのセンサの出力値が閾値を超えた場合、閾値を超えた(衝撃検出)時点より前の一定期間の映像を一時記憶メモリから読み出して不揮発性メモリ(SDメモリカード等)に格納すると共に、閾値を超えた時点以降はその後に撮像したCCDカメラの映像を不揮発性メモリに直接或いは一時記憶メモリを経由して格納することで衝撃前及び衝撃後の所定時間にわたる映像と前記走行データ等を不揮発性メモリ(SDカード)に保存する機能を備える。
【0004】
そして、事故が発生したときには、不揮発性メモリに保存されている自車の車両状況情報(映像等)に基づいて、運転者の正当性を明確に証明することを可能としている。また、ドライブレコーダは、急ハンドル、急ブレーキ等の乱暴で危険な運転操作を検出すると、警告音等を発して運転者に注意を促すことで、運転者にある種の緊張感を与えることもできる。
【0005】
このドライブレコーダは、車両の前方映像を撮影し記憶することから、通常、車両のフロントガラス等に取り付ける。具体的には特許文献1、2に示すように、CCDカメラや加速度センサ等が内蔵された扁平矩形状の本体の上面に、本体に対して所定角度に傾斜する取付面を有する取付部材を設け、取付面に設けられた粘着テープ,両面接着テープや、吸盤などを用いてフロントガラスの所定位置に接着・固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−193057号公報
【特許文献2】特開2006−321423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2に記載のドライブレコーダは、CCDカメラと加速度センサとを内蔵していることから、CCDカメラの撮影用レンズの向きは、車両正面水平方向を向く状態に配置することで基準としている。そして、内蔵された加速度センサは、撮影用レンズが車両正面水平方向を向く状態にある場合を初期設定状態として配置されており、本体取付面であるフロントガラスの傾斜角度に対応して、車両の上下方向に微調整が行えるに過ぎなかった。
【0008】
しかしながら、最近では、トラック等の運送用の車両や、タクシー、バス等の営業用車両では、運行管理上、車両前方のみならず、車内の映像を記録しておく需要が高まっており、カメラ本体の撮影用レンズの向きが上下方向及び左右方向に調整することができるドライブレコーダ用カメラユニットが必要とされている。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電子カメラを内蔵したカメラ本体が、車両前方の映像を記録する場合だけではなく、車内の映像を記録する場合にも使用することができると共に、コスト高とならず、車両の振動によるカメラ本体のぶれを低減することができるドライブレコーダ用カメラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決する為に、本発明に係るドライブレコーダ用カメラユニットは、(1)ドライブレコーダを構成するカメラユニットであって、前記カメラユニットは、電子カメラを内蔵したカメラ本体と、カメラホルダーとを備え、前記カメラ本体は、前記カメラホルダーに、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されていることを特徴としている。したがって、上下方向の回動によって、従来どおり、車両前方方向の撮影を行うことができる。また、上下方向及び左右方向の回動によって、車内の撮影を行うことができるので、助手席にいる人や物を撮影し、記録することができる。
【0011】
ここで、上下方向とは、車両の接地面に対して垂直な方向を意味する。また、左右方向とは、車両の接地面に対して平行な方向を意味する。
【0012】
(2)前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴としている。したがって、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての車両の前方映像を再現することができ、これにより、事故原因の解明に繋がると共に、運転者の正当性の証明も容易となる。尚、光入射部とは、例えば、撮影用レンズや、ピンホールカメラにおける光入射孔等を意味する。光入射部を介して例えばCCD、CMOS等の撮像素子や撮像管等の撮像手段に物体の反射光を取り込み、光を電気信号に変換して、画像データにする。
【0013】
(3)前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの後方の車内を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴としている。したがって、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての車内の映像を再現することができ、これにより、事故原因の解明に繋がると共に、運転者の正当性の証明も容易となる。
【0014】
(4)前記カメラ本体は、前記カメラホルダーとの接触面を凸状の曲面にて形成し、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体との接触面を、前記カメラ本体の凸状の曲面に対応する凹状の曲面にて形成していることを特徴としている。したがって、カメラ本体の凸状の曲面に、カメラホルダーの凹状の曲面が接触することによって接触面積が広いことから、安定的にカメラ本体を保持することができる。また、摩擦抵抗を低減させることができることから、スムーズに上下方向及び左右方向の回動を行うことができる。
【0015】
(5)前記カメラ本体は、操作部を備え、該操作部は、車両の運転者側に設置されることを特徴としている。したがって、運転者が、車内の状況を撮影したい場合に、容易にカメラ本体の操作を行うことができる。
【0016】
(6)前記カメラホルダーは、前記カメラ本体の接触面との接触位置及び接触圧力を調節する調節部を備えていることを特徴としている。したがって、調節部により、接触圧力を弱めることによって、カメラ本体を上下方向及び左右方向に容易に回動させることができる。また、調節部により、接触圧力を強めることによって、カメラ本体をカメラホルダーに安定的かつ確実に保持することができる。
【0017】
(7)前記カメラ本体が、前記光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影する状態と、フロントガラスの後方の車内を撮影する状態とに変更できるように、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体を着脱可能に保持する前記調節部を有することを特徴としている。したがって、調節部の接触圧力を弱めた後、カメラ本体をカメラホルダーから取り外して、光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影する状態、又はフロントガラスの後方の車内を撮影する状態へと変更することができる。
【0018】
(8)前記調節部は、前記カメラホルダーの外側であって、その下端部が、車両の接地面を基準として、前記カメラホルダーの下端部よりも上方に位置することを特徴としている。仮に、カメラホルダーの内側に調節部を設けた場合には、カメラ本体が、カメラホルダーに、左右方向に回動可能な状態で保持されていることから、カメラ本体の撮影範囲に入りやすくなり、無理にこれを回避しようとすれば設計の自由度が制約されることとなる。また、調節部がカメラホルダーの下端部よりも下方に位置する場合にも、カメラ本体が、カメラホルダーに、上下方向に回動可能な状態で保持されていることから、カメラ本体の撮影範囲に入りやすくなる。したがって、上記構成とすることにより、調節部がカメラ本体の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方方向の視界の妨げになることを極力避けることができる。
【0019】
(9)前記カメラホルダーは、車両のフロントガラスに固定する固定部を備えていることを特徴としている。したがって、固定部により、カメラホルダーをフロントガラスに固定することができ、フロントガラスを介して車両前方方向の映像を撮影することができる。また、通常、フロントガラスは、車内の最前部に位置していることから、このフロントガラスに固定する固定部を設けることによって、車内全体を撮影することもできる。
【0020】
(10)前記固定部を、車両のフロントガラスの傾斜面に対応する傾斜面にて形成していることを特徴としている。したがって、固定部の傾斜面に両面テープ等を貼付することによって、車両のフロントガラスの傾斜面に容易にドライブレコーダ用カメラユニットを固定することができる。
【0021】
(11)前記カメラホルダーは、前記固定部と、前記凹状の曲面を備えた凹状の球面の一部を有するリング状のカメラ本体保持部とで構成し、前記固定部の傾斜面が車両のフロントガラスの傾斜面に固定され、且つ前記カメラ本体の光入射部を水平方向と一致させた状態では、前記リング状のカメラ本体保持部が前記固定部の下方に位置し、該リング状のカメラ本体保持部の直径方向が、車両の接地面に対して垂直な方向と一致することを特徴としている。したがって、車両内部の撮影時には、カメラホルダーのリング状のカメラ本体保持部が車両後方に突出することがないので、カメラ本体の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方の撮影時には、カメラホルダーのリング状のカメラ本体保持部が車両前方のフロントガラス側に突出することがないので、カメラ本体の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。
【0022】
(12)前記カメラ本体は、撮影用レンズのレンズ幾何中心を通る軸線の方向を水平方向と一致させた状態を基準として、左方向及び右方向と、上方向及び下方向の各々に、所定角度の範囲を回動可能な状態で、前記カメラホルダーに設置されていることを特徴としている。したがって、カメラ本体を固定した場合に、撮影用レンズではカバーできない撮影範囲を、カメラ本体の所定角度の回動により撮影可能な範囲内とすることができる。
【0023】
(13)前記撮影用レンズが有する画角と、前記回動可能な所定角度とを組み合わせることによって、約180度の範囲で撮影可能であることを特徴としている。一般に、撮影用レンズによる撮影範囲は約120度前後であることから、上下左右に各々30度撮影範囲を広げることにより、約180度の範囲で撮影することができることから、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの後方の車内を撮影するように設置することによって、車内全体を撮影することが可能となる。
【0024】
(14)前記カメラ本体の回動可能な所定角度の範囲で、前記カメラ本体の前記凸状の曲面と、前記カメラホルダーの前記凹状の曲面との接触面積が一定の状態を維持していることを特徴としている。例えば、カメラ本体を所定角度の範囲で回動させる場合に、カメラホルダーに形成した凹状の曲面全体に、カメラ本体に形成した凸状の曲面の一部が常に接触している状態とすれば、カメラ本体を所定角度回動した場合においてもカメラホルダーとの接触面積が変わらないことから、安定的かつ確実にカメラ本体を保持することができる。
【0025】
(15)前記カメラホルダーは、所定幅のリング状のカメラ本体保持部を有するものであって、前記所定幅は、前記カメラ本体の回動可能な所定角度の最大角度によって決定されることを特徴としている。例えば、リング状のカメラ本体保持部の凹状の曲面全体に、カメラ本体の凸状の曲面の一部が接触する構成とすると、カメラ本体保持部によって保持できるカメラ本体の姿勢は、カメラ本体保持部の凹状の曲面の幅によって決定される。したがって、カメラ本体の回動可能な所定角度を大きくしたい場合には、リング状のカメラ本体保持部の幅は大きくして、カメラ本体保持部とカメラ本体との接触面積を大きくすればよい。また、カメラ本体の回動可能な所定角度を小さくすれば、カメラ本体保持部とカメラ本体との接触面積が小さくてもカメラ本体を保持することができるので、リング状のカメラ本体保持部の幅を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るドライブレコーダ用カメラユニットは、上下方向及び左右方向の回動によって、車内の撮影を行うことができるので、助手席にいる人や物を撮影し、記録することができ、カメラホルダーが、安定的かつ確実にカメラ本体を保持することによって、車両の振動によるカメラ本体のぶれを低減することができる。また、本発明に係るドライブレコーダ用カメラユニットは、車内全体を撮影することができ、運転者が容易にカメラ本体の操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るカメラユニットを左方向から見た斜視図
【図2】本発明に係るカメラユニットを右方向から見た斜視図
【図3】本発明に係るカメラユニットの正面図
【図4】本発明に係るカメラユニットの右側面図
【図5】本発明に係るカメラユニットの左側面図
【図6】本発明に係るカメラユニットの平面図
【図7】本発明に係るカメラユニットの底面図
【図8】本発明に係るカメラユニットの背面図
【図9】本発明に係るカメラユニットの右側面図
【図10】本発明に係るカメラユニットの左側面図
【図11】図3に示すカメラユニットのA−A概略断面図
【図12】図3に示すカメラユニットのB−B概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るドライブレコーダを構成するカメラユニット1を左方向から見た斜視図であり、図2は、右方向から見た斜視図である。また、図3は、本発明に係るドライブレコーダを構成するカメラユニット1の正面図、図4は、右側面図、図5は、左側面図、図6は、平面図、図7は、底面図、図8は、背面図である。また、図9は、図4とはカメラ本体2の向きを変えた場合の右側面図であり、図10は、図5とはカメラ本体2の向きを変えた場合の左側面図である。また、図11は、図3に示すカメラユニット1のA−A概略断面図であり、図12は、B−B概略断面図である。
【0029】
先ず、カメラユニット1の基本的構成を説明する。カメラユニット1は、電子カメラ10を内蔵したカメラ本体2と、カメラホルダー3とを備えている。また、カメラ本体2は、カメラホルダー3のリング状のカメラ本体保持部に、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されている。
【0030】
また、カメラホルダー3は、車両のフロントガラス11に固定する固定部を備えており、この固定部は、傾斜面からなる固定部材4にて構成している。また、カメラホルダー3のカメラ本体2の接触面との接触位置及び接触圧力を調節する調節部を備えており、この調節部は、分割片5a,5bと、この分割片5a,5bを貫通する調節ネジ6と、この調節ネジ6に螺合するナット7にて構成している。
【0031】
また、図4及び図5に示すように、カメラホルダー3の固定部を構成する固定部材4によって、カメラユニット1は、車両のフロントガラス11に固定される。固定手段としては、粘着テープや両面接着テープを使用する。
【0032】
また、カメラ本体2から延出しているケーブル17は、車両の所定箇所に設置されているドライブレコーダ本体(図示せず)に接続されている。このドライブレコーダ本体には、加速度センサ、記憶手段、通信手段等が内蔵されている。そして、カメラ本体2に設けられた光入射部を通してフロントガラス11の前方を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に保存する構成としている。
【0033】
一方、車内全体を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、上述の光入射部を通してフロントガラス11の前方を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合と同様の構成としてもよいが、随時撮影された画像データが、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に記憶されると共に、通信手段によって、監視場所等に伝送される構成とすることもできる。
【0034】
次に、図3〜図12を用いて本発明に係るドライブレコーダを構成するカメラユニット1の具体的構成を説明する。
【0035】
カメラ本体2は、上面、下面、右側面、及び左側面のカメラホルダー3との接触面を、凸状の曲面2aにて形成している。この凸状の曲面2aは、曲率半径が一定の球面にて形成されている。
【0036】
また、カメラホルダー3は、リング状のカメラ本体保持部の内周面におけるカメラ本体2との接触面を、カメラ本体2の凸状の曲面2aに対応する凹状の曲面3aにて形成している。このカメラボルダー3の凹状の曲面3aの曲率半径と、カメラ本体2の凸状の曲面2aの曲率半径とはほぼ同じ曲率半径となるように成形しているが、製造誤差により、カメラ本体2の凸状の曲面2aの曲率半径がカメラボルダー3の凹状の曲面3aの曲率半径よりも大きくならないように、僅かにカメラボルダー3の凹状の曲面3aの曲率半径を大きくなるようにして成形している。
【0037】
上記構成により、カメラ本体2の凸状の曲面2aの範囲の一部と、カメラホルダー3の凹状の曲面3aの全範囲とが接触することとなり、接触面積を広くとることができる。したがって、カメラホルダー3は、安定的にカメラ本体2を保持することができる。また、接触面が曲面2a,3aにて形成されていることから、摩擦抵抗を低減させることができ、カメラ本体2の上下方向及び左右方向の回動を、スムーズに行うことができる。
【0038】
また、上記構成により、カメラ本体2自体を操作部として、その外面を指で操作して回動させることができる。そして、図4及び図5に示すように、カメラ本体2の撮影用レンズ9が車内側を向くように、固定部材4をフロントガラス11に固定した場合には、カメラユニット1を車両の運転者側のフロントガラス11に設置して、運転者が、車内の状況を撮影し、容易にカメラ本体2の操作を行うことができる。尚、図8に示すように、カメラ本体2の背面に指挿入溝8を設けている。この指挿入溝8に運転者の指が挿入されることによって、カメラ本体を確実に掴むことができるので、カメラ本体2の操作が更に容易となる。
【0039】
ここで、カメラ本体2の上下方向及び左右方向の回動範囲は、撮影用レンズ9のレンズ幾何中心を通る軸線の方向を水平方向と一致させた状態を基準として、上下方向及び左右方向の各々に、30度の範囲を回動可能となるようにしている。即ち、カメラホルダー3は、リング状のカメラ本体保持部を構成するリング状保持部材12の内側の略全面が、凹状の曲面3aにて形成しており、この凹状の曲面3aの全体がカメラ本体2の凸状の曲面2aと接触している。一方、カメラ本体2は、レンズ用開孔14を有する前面と、ケーブル17が突出する後面以外の外周面を凸状の曲面2aで形成しており、この凸状の曲面2aの一部がリング状保持部材12の凹状の曲面3a全体と接触する構成としている。そして、この状態が維持される範囲を、カメラ本体2の回動可能な範囲と定義している。
【0040】
また、リング状のカメラ本体保持部を構成するリング状保持部材12は、固定部を構成する固定部材4の傾斜面が車両のフロントガラス11の傾斜面に固定され、且つカメラ本体2の光入射部を水平方向と一致させた状態では、リング状保持部材12が固定部材4の下方に位置し、リング状保持部材12の直径方向が、車両の接地面に対して垂直な方向と一致する構成としている。したがって、車両内部の撮影時には、カメラホルダー3のリング状保持部材12が車両後方に突出することがないので、カメラ本体2の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方の撮影時には、カメラホルダー3のリング状保持部材12が車両前方のフロントガラス11側に突出することがないので、カメラ本体2の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。
【0041】
そして、撮影用レンズ9による撮影範囲(撮影用レンズが有する画角)は約120度前後であることから、上下左右に各々30度撮影範囲を広げることにより、約180度の範囲で撮影することができるので、車内全体を撮影することができる。
【0042】
次に、図3に示すように、カメラホルダー3の調節部は、カメラホルダー3の外側に位置している。また、カメラユニット1を車両に設置し、カメラ本体2のカメラホルダー3への固定が完了した状態において、調節ネジ6の下端部が、車両の接地面を基準として、カメラホルダー3の下端部よりも上方に位置するように設計している。(図3の矢印T参照)。これにより、調節部がカメラ本体2の撮影範囲内に入ることを防ぐことができる。また、車両前方方向の視界の妨げになることを極力避けることができる。
【0043】
そして、カメラホルダー3の調節部を構成する調節ネジ6を緩めることによって、分割片5aと、分割片5bとの間の上下方向の隙間が拡がり、カメラホルダー3のリング状の保持部材12の内径が拡大する。そして、カメラ本体2の外径よりもリング状保持部材12の内径の方が大きくなった状態で、カメラ本体2をリング状保持部材12の前方の開口18a又は後方の開口18bから取り出すことによって、カメラ本体2をカメラホルダー3から分離可能な構成としている。
【0044】
そして、取り出したカメラ本体2を、図9及び図10に示すように、車外を撮影する向きにして、リング状保持部材12の前方の開口18a又は後方の開口18bから挿入する。さらに、カメラホルダー3の調節部を構成する調節ネジ6を締めることによって、分割片5aと、分割片5bとの間の上下方向の隙間が狭まり、カメラホルダー3のリング状保持部材12の内径が縮小する。そして、カメラ本体2の外径とリング状保持部材12の内径とがほぼ等しくなった状態で、カメラ本体2のカメラホルダー3への固定が完了する。
【0045】
上述のように、本実施形態では、カメラ本体2が車内を撮影する場合の向きとしているが、図9及び図10に示すように、逆向きとすることによって、フロントガラス11の前方を撮影するようにすることができ、このカメラ本体2の向きを変更する作業は、調節ネジ6を緩めることによって、容易に行うことができる。
【0046】
図11は、図3に示すカメラユニット1のA−A概略断面図であり、図12は、B−B概略断面図である。これらの図を用いてカメラ本体2の内部構造について説明する。カメラ本体2の内部には、CCDカメラ等の電子カメラ10が固定部材13によって固定されている。ここで、電子カメラの撮影用レンズ9は、光入射部を構成するレンズ用開孔14から露出するように配設されている。また、電子カメラ10の後方には、回路基板15が固定部材16によって、カメラ本体内部に固定されている。また、回路基板15には、ケーブル17が接続されている。
【0047】
このケーブル17は、回路基板15を介して電子カメラ10に電気を供給すると共に、車両の所定箇所に設置されているドライブレコーダ本体(図示せず)に接続されており、電子カメラ10からのデータを、ドライブレコーダ本体に内蔵されている記憶手段に伝送している(尚、ケーブル17は途中省略した状態を図示している。)。このケーブル17にUSBケーブルを適用し、カメラ本体2にUSB端子を設けた場合には、カメラ本体2とケーブル17との着脱が容易となり、車内撮影又は車外撮影に変更するためにカメラ本体2をカメラホルダー3から取り外す際に、予めケーブル17をカメラ本体2から取り外しておけば、変更作業が容易となる。
【0048】
尚、本実施形態では、光入射部をレンズ用開孔14と、撮影用レンズ9とによって構成しているが、これに限定されるものではない。例えば、ピンホールカメラのように撮影用レンズ9を備えていない構成においては、カメラ本体2に設けられた光入射孔のみで光入射部を構成することもでき、これも本発明に含まれるものである。
【0049】
また、図11及び図12に示すように、本発明に係るカメラユニット1は、カメラ本体2の回動可能な所定角度(本実施形態の場合は30度)の範囲で、カメラ本体2の凸状の曲面2aと、カメラホルダー3の凹状の曲面3aとの接触面積が一定の状態を維持している。即ち、カメラホルダー3の凹状の曲面3aの全体がカメラ本体2の凸状の曲面2aの一部と接触した状態を常に維持している。したがって、カメラ本体2を所定角度の範囲で回動した場合においてもカメラホルダー3との接触面積が変わらないことから、カメラホルダー3は、安定的かつ確実にカメラ本体2を保持することができる。
【0050】
また、カメラホルダー3は、所定幅のリング状の保持部材12から構成されるカメラ本体保持部を有するものであって、リング状の保持部材12の所定幅は、カメラ本体2の回動可能な所定角度の最大角度(本実施形態の場合は30度)によって決定される。即ち、図11及び図12に示すように、リング状保持部材12は、内側の略全面が、凹状の曲面3aにて形成しており、この凹状の曲面3aの全体がカメラ本体2の凸状の曲面2aと接触している。一方、カメラ本体2は、レンズ用開孔14を有する前面と、ケーブル17が突出する後面以外の外面を凸状の曲面2aで形成しており、この凸状の曲面2aの一部がリング状保持部材12の凹状の曲面3a全体と接触する構成としている。
【0051】
ここで、カメラ本体2を上下方向及び左右方向に回動して、リング状保持部材12の凹状の曲面3aの一部に、カメラ本体2の凸状の曲面2aと接触していない部分が生じた場合には、接触面積が減少することとなるので、カメラホルダー3のカメラ本体2への接触圧が変動し、カメラ本体2の保持が不安定化することとなる。そこで、カメラ本体2を上下方向及び左右方向に回動して、凹状の曲面3aの全体が、カメラ本体2の凸状の曲面2aの一部と接触している状態の最大角度をカメラ本体2の回動可能な所定角度の最大角度としている。
【0052】
本発明に係るカメラユニット1は、上述の構成となっているので、カメラ本体2の回動可能な所定角度を大きくしたい場合には、リング状の保持部材12の幅を大きくすればよく、カメラ本体2の回動可能な所定角度を小さくしたい場合には、リング状の保持部材12の幅を小さくすればよい。
【0053】
次に、本発明に係るカメラユニット1を使用したドライブレコーダの作用について説明する。カメラ本体2から延出しているケーブル17は、車両の所定箇所に設置されているドライブレコーダ本体(図示せず)に接続されている。このドライブレコーダ本体には、加速度センサ、記憶手段、通信手段等が内蔵されている。そして、カメラ本体2に設けられた光入射部を通してフロントガラス11の前方を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に保存する構成としている。したがって、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての前方映像を再現することができ、これにより、事故原因の解明に繋がると共に、運転者の正当性の証明も容易となる。
【0054】
一方、車内全体を撮影するようにカメラ本体2が設置されている場合には、随時撮影された画像データが、ドライブレコーダ本体に内蔵された記憶手段に記憶されると共に、通信手段によってタクシー会社本部や、トラック輸送会社本部に伝送される構成としている。したがって、タクシーに乗車している乗客の迷惑行為をタクシー会社本部に知らせることができ、記憶手段に記憶された画像データは、後日損害賠償等を請求する際の証拠として利用することができる。また、トラック輸送会社本部は、トラック運転手が居眠り運転をしていないか随時監視することができ、助手席にビール缶や酒瓶が置かれていないか等を監視することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 カメラユニット
2 カメラ本体
2a 凸状の曲面
3 カメラホルダー
3a 凹状の曲面
4 固定部材
5a,5b 分割片
6 調節ネジ
7 ナット
8 指挿入溝
9 撮影用レンズ
10 電子カメラ
11 フロントガラス
12 リング状の保持部材
13 固定部材
14 レンズ用開孔
15 回路基板
16 固定部材
17 ケーブル
18a,18b 開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダを構成するカメラユニットであって、
前記カメラユニットは、電子カメラを内蔵したカメラ本体と、カメラホルダーとを備え、前記カメラ本体は、前記カメラホルダーに、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されていることを特徴とするドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項2】
前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項3】
前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの後方の車内を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項4】
前記カメラ本体は、前記カメラホルダーとの接触面を凸状の曲面にて形成し、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体との接触面を、前記カメラ本体の凸状の曲面に対応する凹状の曲面にて形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項5】
前記カメラ本体は、操作部を備え、該操作部は、車両の運転者側に設置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項6】
前記カメラホルダーは、前記カメラ本体の接触面との接触位置及び接触圧力を調節する調節部を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項7】
前記カメラ本体が、前記光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影する状態と、フロントガラスの後方の車内を撮影する状態とに変更できるように、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体を着脱可能に保持する前記調節部を有することを特徴とする請求項6に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項8】
前記調節部は、前記カメラホルダーの外側であって、その下端部が、車両の接地面を基準として、前記カメラホルダーの下端部よりも上方に位置することを特徴とする請求項6又は7に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項9】
前記カメラホルダーは、車両のフロントガラスに固定する固定部を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項10】
前記固定部を、車両のフロントガラスの傾斜面に対応する傾斜面にて形成していることを特徴とする請求項9に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項11】
前記カメラホルダーは、前記固定部と、前記凹状の曲面を備えた凹状の球面の一部を有するリング状のカメラ本体保持部とで構成し、前記固定部の傾斜面が車両のフロントガラスの傾斜面に固定され、且つ前記カメラ本体の光入射部を水平方向と一致させた状態では、前記リング状のカメラ本体保持部が前記固定部の下方に位置し、該リング状のカメラ本体保持部の直径方向が、車両の接地面に対して垂直な方向と一致することを特徴とする請求項10に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項12】
前記カメラ本体は、撮影用レンズのレンズ幾何中心を通る軸線の方向を水平方向と一致させた状態を基準として、左方向及び右方向と、上方向及び下方向の各々に、所定角度の範囲を回動可能な状態で、前記カメラホルダーに設置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項13】
前記撮影用レンズが有する画角と、前記回動可能な所定角度とを組み合わせることによって、約180度の範囲で撮影可能であることを特徴とする請求項12に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項14】
前記カメラ本体の回動可能な所定角度の範囲で、前記カメラ本体の前記凸状の曲面と、前記カメラホルダーの前記凹状の曲面との接触面積が一定の状態を維持していることを特徴とする請求項12又は13に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項15】
前記カメラホルダーは、所定幅のリング状のカメラ本体保持部を有するものであって、前記所定幅は、前記カメラ本体の回動可能な所定角度の最大角度によって決定されることを特徴とする請求項14に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項1】
ドライブレコーダを構成するカメラユニットであって、
前記カメラユニットは、電子カメラを内蔵したカメラ本体と、カメラホルダーとを備え、前記カメラ本体は、前記カメラホルダーに、上下方向及び左右方向に回動可能な状態で保持されていることを特徴とするドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項2】
前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項3】
前記ドライブレコーダは、カメラ本体に設けられた光入射部を通してフロントガラスの後方の車内を撮影するように、固定手段を介して車両内部に取り付けられ、前記光入射部を通して取得された画像データであって、少なくとも加速度センサが所定の加速度を検出した時間帯を含むその前後の時間帯の画像データを保存するようにしたドライブレコーダであることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項4】
前記カメラ本体は、前記カメラホルダーとの接触面を凸状の曲面にて形成し、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体との接触面を、前記カメラ本体の凸状の曲面に対応する凹状の曲面にて形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項5】
前記カメラ本体は、操作部を備え、該操作部は、車両の運転者側に設置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項6】
前記カメラホルダーは、前記カメラ本体の接触面との接触位置及び接触圧力を調節する調節部を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項7】
前記カメラ本体が、前記光入射部を通してフロントガラスの前方を撮影する状態と、フロントガラスの後方の車内を撮影する状態とに変更できるように、前記カメラホルダーは、前記カメラ本体を着脱可能に保持する前記調節部を有することを特徴とする請求項6に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項8】
前記調節部は、前記カメラホルダーの外側であって、その下端部が、車両の接地面を基準として、前記カメラホルダーの下端部よりも上方に位置することを特徴とする請求項6又は7に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項9】
前記カメラホルダーは、車両のフロントガラスに固定する固定部を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項10】
前記固定部を、車両のフロントガラスの傾斜面に対応する傾斜面にて形成していることを特徴とする請求項9に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項11】
前記カメラホルダーは、前記固定部と、前記凹状の曲面を備えた凹状の球面の一部を有するリング状のカメラ本体保持部とで構成し、前記固定部の傾斜面が車両のフロントガラスの傾斜面に固定され、且つ前記カメラ本体の光入射部を水平方向と一致させた状態では、前記リング状のカメラ本体保持部が前記固定部の下方に位置し、該リング状のカメラ本体保持部の直径方向が、車両の接地面に対して垂直な方向と一致することを特徴とする請求項10に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項12】
前記カメラ本体は、撮影用レンズのレンズ幾何中心を通る軸線の方向を水平方向と一致させた状態を基準として、左方向及び右方向と、上方向及び下方向の各々に、所定角度の範囲を回動可能な状態で、前記カメラホルダーに設置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項13】
前記撮影用レンズが有する画角と、前記回動可能な所定角度とを組み合わせることによって、約180度の範囲で撮影可能であることを特徴とする請求項12に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項14】
前記カメラ本体の回動可能な所定角度の範囲で、前記カメラ本体の前記凸状の曲面と、前記カメラホルダーの前記凹状の曲面との接触面積が一定の状態を維持していることを特徴とする請求項12又は13に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【請求項15】
前記カメラホルダーは、所定幅のリング状のカメラ本体保持部を有するものであって、前記所定幅は、前記カメラ本体の回動可能な所定角度の最大角度によって決定されることを特徴とする請求項14に記載のドライブレコーダ用カメラユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−244614(P2012−244614A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116341(P2011−116341)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
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