説明

ドライブレコーダ

【課題】本発明は、限りある記録容量を有する記録媒体に対して映像情報等の記録を効率良く行うことが可能なドライブレコーダを提供することを目的とする。
【解決手段】撮像手段(3)で撮像された情報の圧縮を行う圧縮処理部(13)と、圧縮処理部によって撮像手段で撮像された情報を所定の圧縮率で圧縮して定常的に記録媒体(4)に記録し、所定の記録条件が成立した場合に撮像手段で撮像された情報を記録媒体に記録するように制御する制御部(10)を有することを特徴とするドライブレコーダ(2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダに関し、特に限られた記録容量を有する記録媒体に対して映像情報等の記録を効率良く行うためのドライブレコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設置したカメラにより車両周辺の映像を撮影し、衝突や急ブレーキなど車両に衝撃が加わった際に周辺映像や車両速度を記録する車載用映像等記録装置、いわゆるドライブレコーダが提案されている。ドライブレコーダを車両に備えることにより、事故が発生した場合には記録した情報を解析して、事故原因を検証することが可能である。また、ドライブレコーダで記録された情報を用いて、運転手の安全運転意識の向上が図れるとともに、日頃の運転状況を記録した映像を安全運転指導などに役立てることもできる。
【0003】
車載カメラにより撮影した映像を循環的に記録し、事故発生時に記録した映像を他の記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
また、複数のカメラを設け、衝撃検出手段が検出した衝撃レベル(加速度の右旋回、左旋回)に応じた特定のカメラからの撮像情報を記録するようにした、ドライブレコーダが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−16785号公報
【特許文献2】特開平06−237463号公報
【特許文献3】特開2006−321424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、重量の大きいトラックと重量の小さい車両が衝突した場合、トラックに取付けられたドライブレコーダでは衝撃が小さく、加速度を検知しにくいという場合があった。このように、映像情報を取得したい状況であっても衝撃が小さい場合等には、映像情報が記録されないという問題があった。しかしながら、衝撃が小さい場合であっても全て映像情報を記録していたのでは、直ぐに記録容量に限りのある記録媒体に記録を行うことができなくなってしまうという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を解決することを可能としたドライブレコーダを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、限りある記録容量を有する記録媒体に対して映像情報等の記録を効率良く行うことが可能なドライブレコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るドライブレコーダでは、撮像手段で撮像された情報を記録媒体に記録するドライブレコーダにおいて、撮像手段で撮像された情報の圧縮を行う圧縮処理部と、圧縮処理部によって撮像手段で撮像された情報を所定の圧縮率により圧縮して定常的に記録媒体に記録し、所定の記録条件が成立した場合に撮像手段で撮像された情報を記録媒体に記録するように制御する制御部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るドライブレコーダでは、常時記録では高圧縮率で情報を圧縮して記録媒体に記録し、所定の記録条件が成立した場合には低圧縮率で情報を圧縮して記録媒体するので、長時間に渡って定常記録用の情報を記録媒体に記録できるとともに、重大事故等の可能性がある重要な期間では詳細且つ鮮明な情報を記録媒体に記録することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面を参照して、本発明に係るドライブレコーダについて説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
最初に、ドライブレコーダにおける情報の記録について説明する。
【0013】
図1は、車両1にドライブレコーダ2を搭載した例を示す図である。
【0014】
車両1内にドライブレコーダ2が設置され、車両1の前方を撮影するカメラ3と接続されている。カメラ3による映像情報をドライブレコーダ2内のRAM12に循環的に記録を行う。所定の記録条件が成立すると、RAM12に記録された映像情報がメモリカード4に記録される。また、所定の記録条件が成立しない場合であっても、RAM12に記録された映像情報が、高圧縮率によって低画質で定常的にメモリカード4に記録される。所定の記録条件とは、事故等の発生により車両1へ衝撃が加わった場合等を言い、詳細については後述する。
【0015】
また、ドライブレコーダ2は、映像情報の他に、車両の速度情報などを含む運行情報を取得して、ドライブレコーダ2内のRAM12に循環的に記録する。運行情報は、映像情報と供にメモリカード4に記録される。運行情報の詳細については後述する。
【0016】
図2は、ドライブレコーダ2を車両1に設置した例を示す図である。
【0017】
ドライブレコーダ2は、カメラ3と電気的に接続されている。カメラ3は車室内ミラーの裏側のフロントガラス面に取り付けられ、車両前方を撮影し、映像情報をドライブレコーダ2へ送信する。なお、図1及び図2では、ドライブレコーダ2と1つのカメラ3のみを接続したが、車両の後方用、側方用、又は車内用など、複数のカメラと接続することも可能である。
【0018】
図3は、再生装置の外観例を示す図である。
【0019】
メモリカード4に記録された映像情報及び運行情報等はパーソナルコンピュータ等から構成される再生装置400により再生される。メモリカード4はパーソナルコンピュータに接続されたI/Fに挿入され、映像情報及び運行情報等が読み取られる。再生装置400において、メモリカード4に記録された映像情報等を再生することができる。
【0020】
図4は、ドライブレコーダ2の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】
なお、ドライブレコーダ2は図2に示す様に映像記録専用の装置としてカメラ3と分離して構成することもできるが、カメラ3と同一の筐体内に収容して一体的に構成してもよい。また、車載用ナビゲーション装置の一機能として構成することもできる。
【0022】
カメラ3は、車両1の前方を撮影してアナログのビデオ信号500を出力するよう構成され、例えば二次元イメージセンサとしてCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)から構成される。
【0023】
メモリカード4は、ドライブレコーダ2から取り外し可能な記録媒体であり、プログラム可能な不揮発性半導体メモリカードであるSDカード(Secure Digital Memory Card)が利用される。しかしながら、取り外し可能な他のメモリカードである、CFカード(Compact Flash Card)及びメモリスティック等を利用しても良い。なお、本例では取り外し可能な記録媒体としてメモリカード4を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、取り外し可能なハードディスク等を利用することもできる。
【0024】
加速度センサ5は、車両1に加わる衝撃の大きさを重力加速度として検出する、いわゆるGセンサ(Gravity Accelerative Sensor)で構成される。衝撃を受けるとその重力加速度に基づいた電流を発生する半導体からなり、車両の前後方向及び左右方向の重力加速度の大きさを検出して重力加速度情報505をCPU10へ出力する。
【0025】
撮影スイッチ(撮影SW)6は、ドライブレコーダ2の本体に取り付けられており、ユーザが操作することにより、電気的に接続されたCPU10へ押下げ信号506を送信する。これにより、CPU10は、後述する記録条件が成立したものとして、映像情報を記録させるよう制御する。
【0026】
車速センサ7は、車両1の車輪軸に設けられたローターの回転を回転パルス信号507として出力する磁気センサまたは光センサにより構成される。なお、CPU10は車速センサ7から受信するパルス信号から単位時間当たりの車輪回転数を算出することで車両1の速度情報を算出している。
【0027】
CPU(Central Processing Unit)10は、ドライブレコーダ2の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU10は、制御プログラム16に基づき、ドライブレコーダ2の各部の制御やデータ演算処理等を実行する。
【0028】
画像IC11は、カメラ3から入力されるビデオ信号500をデジタル信号に変換し、映像情報501を作成して出力する。例えば、画像IC11は、JPEG−IC(Joint Photographic coding Experts Group−Integrated Circuit)から構成され、JPEG形式の静止画像データを作成する。この場合、JPEG−ICは、例えば、640×480ピクセル、30フレーム/秒の映像情報501をRAM(Random Access Memory)12へ出力する。
【0029】
RAM12は、画像IC11によって変換された非圧縮映像情報501を循環的に常時40秒間分(30×40=1200フレーム分)記録する。なお、RAM12は、後述する運行情報についても、各静止画像データとリンクさせて循環的に記録する。RAM12には、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられる。SDRAMはCPUのクロックに同期して動作するよう設計されているため、入出力の待ち時間が短く、従来のDRAM(Dynamic Random Access Memory)に比較してアクセスを高速に行うことができ、大容量の映像データを高速に処理する制御に適しているためである。なお、上記のRAM12の記録容量は一例であって、これに限定されるものではない。RAM12は、循環的に記録されている映像情報及び運行情報を含む情報502を圧縮処理回路13へ出力する。
【0030】
圧縮処理回路13は、CPU10からの制御信号504に応じて、RAMから出力され情報502の内の映像情報の圧縮率の可変及び/又は所定の映像情報及び運行情報を間引く処理を行い、処理済み記録情報503をインターフェイス(I/F)14へ出力する。圧縮処理回路13の処理の詳細については後述する。
【0031】
インターフェイス(I/F)14は、ドライブレコーダ2に設けられたメモリカード4の差込口、いわゆるスロット部を構成する。I/F14は、圧縮処理回路13から出力される記録情報503を、差し込まれたメモリカード4へ転送する。
【0032】
不揮発性ROM15は、ドライブレコーダ2を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム16等を記録する。不揮発性ROM15には、マスクROMを用いてもよいが、プログラム可能な不揮発性半導体メモリであるフラッシュメモリ、EEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、強誘電体メモリ等を用いればプログラムの書き込みや消去が可能となる。
【0033】
制御プログラム16は、不揮発性ROM15内に記録されドライブレコーダ2の起動時にCPU10に読み出され、各部の制御やデータ演算処理のプログラムとして機能する。
【0034】
図5は、再生装置400の電気的構成を示すブロック図である。
【0035】
インターフェイス(I/F)411は、再生装置400に設けられたメモリカード4の差込口、いわゆるスロット部を構成する。I/F411は、メモリカード4に記録された、映像情報及び運行情報等を再生装置400側に転送する。
【0036】
RAM414は、CPU410がメモリカード4から転送された映像情報の画像処理及び運行情報の情報処理等を行う際に一時的にデータを記録するために利用される。RAM412には、例えばSDRAMが用いられる。
【0037】
不揮発性ROM415は、再生装置400を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム416等を記録する。不揮発性ROM415には、例えば、EEPROM、強誘電体メモリ等が用いられる。
【0038】
制御プログラム416は、不揮発性ROM415内に記録され、再生装置400の起動時にCPU410に読み出され、各部の制御やデータ演算処理のプログラムとして機能する。
【0039】
CPU410は、再生装置400の制御装置として動作し、マイクロコンピュータ等により構成される。CPU410は、制御プログラム416に基づき、再生装置400の各部の制御やデータ演算処理等を実行する。
【0040】
操作部430は、キーボード、マウス等から構成され、ユーザが再生装置400を操作する場合に、CPU410への操作入力を行うための手段として利用する。
【0041】
表示部440は、液晶表示装置等から構成され、メモリカード4に記録された映像情報及び運行情報等を適宜表示するために利用される。
【0042】
地図情報記録部450は、ハードディスク、DVD等の記録媒体によって構成され、道路情報及び制限速度情報等を含んだ地図情報が記録されている。
【0043】
カード情報記録部460は、ハードディスク等の記録媒体によって構成され、メモリカード4に記録された映像情報及び運行情報等を、記録するために利用される。
【0044】
次に、ドライブレコーダ2における映像情報及び運行情報等の記録手順について説明する。ドライブレコーダ2における記録には、所定の記録条件が成立した場合の記録と、常時記録(定常的な記録)の2種類が存在する。
【0045】
記録条件が成立する場合とは、以下の3つ場合を言う。
【0046】
1.「G検知」:加速度センサ5が、所定の閾値以上の重力加速度を検出した場合。具体的には、車両1の前後方向の重力加速度をGy及び車両1の左右方向の重力加速度をGxとすると、CPU10が、加速度センサ5からの出力の合成重力加速度の絶対値(Gx2+Gy20・5を10ミリ秒毎に検出し、閾値加速度以上の値が、閾値継続時間以上連続して検出された場合に、記録条件が成立したと判断する。なお、閾値加速度を0.40Gに、閾値継続時間を100ミリ秒設定することができるが、これらの値は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0047】
2.「撮影SW」:撮影SW6が操作された場合。
【0048】
3.「速度トリガ」:車速センサ7から検出した車両1の所定の期間内の速度差が、閾値以上となった場合。具体的には、60km/h以上で走行中に、1秒間の減速が、14km/h以上となった場合に、記録条件が成立したと判断する。
【0049】
なお、上記3つの記録条件は、一例であって、他の条件を記録条件とすることも可能である。
【0050】
運行情報とは、以下の情報を言う。
【0051】
1.加速度センサ5から検出した重力加速度情報(Gy、Gx)。
2.車速センサ7から検出した速度情報。
3.CPU10から出力される日時情報。
【0052】
なお、上記3つの運行情報は一例であって、これらに限定されるものでは無い。
【0053】
図6は、メモリカード4の記録領域の利用例を示す図である。
【0054】
メモリカード4の記録領域100には、記録条件が成立した場合に記録情報503が記録される第1領域101と、常時記録による記録情報503が記録される第2領域102、及びその他領域103が割当られている。なお、その他領域103には、メモリカード6の管理プログラム、管理データ、メモリカード6の固有のID、メモリカード6を利用した利用者(例えば、タクシー乗務員等)のID(又は氏名のデータ)等が記録されている。
【0055】
タクシー会社等において、複数の車両の運営及び管理を行い、全ての車両にドライブレコーダ2を取り付ける場合には、車両の運行状況等を考慮して、第1領域101には、記録条件が成立した場合の記録情報503が少なくとも10〜20イベント分記録できる記録容量を有することが好ましく、第2領域102には、少なくとも8時間分の常時記録による記録情報503を記録できる記録容量を有することが好ましい。
【0056】
図7は、メモリカードへの記録方法の一例を示す図である。
【0057】
前述したように、画像IC11は、640×480ピクセル、30フレーム/秒の映像情報501をRAM12へ出力しており、RAM12は入力される40秒間分の映像情報を循環的に保存している。また、RAM12には、各静止画像データと対応した運行情報も、記録されるように設定されている。RAM12からは、所定のタイミングで、映像情報及び運行情報を含む情報502が圧縮処理回路13へ出力される。
【0058】
図7では、時刻T0から時刻T4までの間のメモリカード4への記録方法の一例を示しており、時刻T2において、記録条件が成立したものとする。
【0059】
時刻T2において記録条件が成立した場合、圧縮処理回路13は、CPU10からの制御信号504に応じて、記録条件成立前12秒(時刻T1)から記録条件成立後8秒(時刻T3)までの20秒間分の高フレームレート(30フレーム/秒)の映像情報及びそれに対応する運行情報を、低圧縮率(例えば、2kbps)で圧縮して、メモリカード4に記録するように、記録情報503としてIF14へ出力する。これによって、時刻T1〜T3までの30×20=600フレームの静止画像データが高画質でメモリカード4の第1領域101に記録される。なお、記録条件が成立した場合に必ず圧縮して映像情報等をメモリカード4に記録しなければならないわけではなく、圧縮せずにメモリカード4に記録するように制御しても良い。
【0060】
これに対して常時記録では、圧縮処理回路13は、CPU10からの制御信号504に応じて、まずは高フレームレート(30フレーム/秒)の映像情報から低フレームレート(10フレーム/秒)に映像情報を間引き、その後、低フレームレート(10フレーム/秒)の映像情報及びそれに対応する運行情報を、圧縮率を可変して、高圧縮率(例えば、500kbps)で圧縮して、メモリカード4に記録するように、記録情報503としてIF14へ出力する。これによって、常に、時刻T0〜T4における静止画像データが低画質でメモリカード4の第2領域102に記録される。
【0061】
上述したように、常時記録では低フレームレート且つ高圧縮率で映像情報を圧縮してメモリカード4に記録し、所定の記録条件が成立した場合には高フレームレート且つ低圧縮率(又は無圧縮)で映像情報を圧縮してメモリカード4に記録するので、長時間に渡って定常記録用の情報を記録媒体に記録できるとともに、重大事故等の可能性がある重要な期間では詳細且つ鮮明な情報を記録媒体に記録することが可能となった。即ち、常時記録では、第1の圧縮率によって映像情報等を圧縮して記録媒体に記録しているのに対し、記録条件が成立した場合には、第1の圧縮率より低い第2の圧縮率(無圧縮を含む)により映像情報等を圧縮して記録媒体に記録していることとなる。
【0062】
なお、上述した記録条件成立時及び常時記録におけるにフレームレート、記録時間、圧縮率等は一例であって、これらに限定されるものでは無い。
【0063】
図7に示す上述した例では、常に(時刻T0〜T4)常時記録がなされ、記録条件の成立条件(時刻T1〜T3)では記録条件の成立による記録が実行される。しかしながら、時刻T1〜T3では、記録条件の成立による記録と常時記録による記録が重複することとなる。したがって、メモリカード4の記録容量を効率的に利用するために、時刻T1〜T3については、常時記録を行わないように設定するようにしても良い。
【0064】
また、上述した例では、記録条件の成立時には、常時記録の場合に対して、高フレームレート且つ高圧縮率の記録情報503をメモリカード4へ記録しているが、高フレームレート又は高圧縮率で記録するようにしても良い。
【0065】
さらに、上述した例では、カメラ3から出力されるビデオ信号の解像度(例えば、640×480)は一定であった。しかしながら、カメラ3として解像度の変更できるタイプの撮像装置を用い、CPU10からの制御信号によって、解像度を変更するように制御しても良い。即ち、常時記録の場合には、低解像度(例えば、320×240)のビデオ信号を出力するようにし、記録条件が成立した場合にのみ高解像度(例えば、640×480)に解像度を変更するように制御する。図7の例で言えば、時刻T2で記録条件が成立した場合には、直後にカメラ3の解像度を高解像度へ変更し、時刻T2〜T3の期間については、高解像度の映像情報を記録するようにすれば良い。このように設定することによって、常時記録時において、さらに少ないデータ量で映像情報の記録を行うことが可能となる。
【0066】
さらに、上述した例では、記録条件成立時及び常時記録時において、それぞれメモリカード4の所定の領域に記録され、それぞれの領域が一杯となれば、それ以上の記録を行えないように構成されていた。しかしながら、それぞれの領域が一杯となった場合には、最も古い情報を上書きするようにして最新の情報がメモリカード4に記録されるように構成することが好ましい。
【0067】
図8は、メモリカード4の運用例のフローを示した図である。
【0068】
最初にユーザは、メモリカード4を、再生装置400のI/F414に挿入してカードの初期化を行う(S1)。カードの初期化では、CPU410によってそれまでにメモリカード4に記録されていたデータが消去され、図7に示したような第1領域102〜第3領域103の割り当て等のフォーマット化が行われる。さらに、第3領域103には、メモリカード4の固有のID、メモリカード4を利用した利用者(例えば、タクシー乗務員等)のID又は氏名のデータが、記録される。
【0069】
次に、ユーザは、初期化されたメモリカード4を、運行開始時に(例えば、タクシー乗務員が、日勤勤務(7:45〜17:15)の開始時に)、自己が運転する車両1のドライブレコーダ2のI/F14に挿入して、情報記録を開始する(S2)。それに伴って、前述した2つの記録条件の何れかが成立した場合には映像情報及び運行情報がメモリカード4の第1領域101に記録され、常時記録による映像情報及び運行情報がメモリカード4の第2領域102に記録される。
【0070】
次に、ユーザは、運行終了時に(例えば、タクシー常務員が、日勤勤務の終了時に)に、車両1のドライブレコーダ2のI/F14に挿入されていたメモリカード6を抜き、再生装置400のI/F414に挿入して、記録された映像情報及び運行情報を再生装置のカード情報記録部460に転送して記録して(S3)、一連の処理を終了する。なお、メモリカード4に記録されたデータの再生装置400への転送は、原則一車両の一運行単位で行われる。しかしながら、1枚のメモリカード4を、複数の車両に用いたり、複数の運行に兼用したりしても良い。
【0071】
再生装置400側では、CPU410が、メモリカード4に記録された記録条件が成立した場合の映像情報及び運行情報と、常時記録による映像情報及び運行情報に、読み込んだメモリカードのID、利用者のID及び読み込み日時データをそれぞれ付加して、カード情報記録部460に記録する。その後、再生装置400のオペレータによる操作部430の所定の操作によって、カード情報記録部460に記録された映像情報及び運行情報を表示部440において再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】ドライブレコーダを車両に搭載した例を示す図である。
【図2】ドライブレコーダ等を車両内に配置した例を示す図である。
【図3】再生装置の外観例を示す図である。
【図4】ドライブレコーダの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】再生装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】メモリカードの記録領域の利用例を示す図である。
【図7】記録方法の一例を示す図である。
【図8】メモリカードの運用例のフローを示した図である。
【符号の説明】
【0073】
1 車両
2 ドライブレコーダ
3 カメラ
4 メモリカード
5 加速度センサ
6 撮影スイッチ
7 車速センサ
10 CPU
11 画像IC
12 RAM
13 圧縮処理回路
14 IF
15 不揮発性ROM、
16 制御プログラム
18 表示灯
400 再生装置
410 CPU
430 操作部
440 表示部
450 地図情報記録部
460 カード情報記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段で撮像された情報を記録媒体に記録するドライブレコーダにおいて、
撮像手段で撮像された情報の圧縮を行う圧縮処理部と、
前記圧縮処理部によって撮像手段で撮像された情報を所定の圧縮率で圧縮して定常的に記録媒体に記録し、所定の記録条件が成立した場合に撮像手段で撮像された情報を記録媒体に記録するように制御する制御部と、
を有することを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
前記制御部は、撮像手段で撮像された情報を低フレームレートで定常的に記録媒体に記録し、所定の記録条件が成立した場合に撮像手段で撮像された情報を高フレームレートで記録媒体に記録するように制御する、請求項1に記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
前記制御部は、撮像手段において低解像度で撮像された情報を定常的に記録媒体に記録し、所定の記録条件が成立した場合に撮像手段において高解像度で撮像された情報を記録媒体に記録するように制御する、請求項1又は2に記載のドライブレコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−146477(P2010−146477A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325726(P2008−325726)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】