説明

ドライブ制御装置、ドライブ制御方法およびドライブ制御プログラム

【課題】暗号化データを読み書きする媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データを読み書きする媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することを課題とする。
【解決手段】ドライブ制御装置40は、暗号化データが記憶されている媒体に暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令や、非暗号化データが記憶されている媒体に非暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令が送られてくるまで、上位装置に対して繰り返し使用不可の返答をするようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置の何れかにマウントするよう指示する上位装置からの命令を受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御装置、ドライブ制御方法およびドライブ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の媒体と、複数のドライブ装置と、ドライブ制御装置とで構成されているいわゆるテープライブラリ装置(例えば、特許文献1)は、上位装置からの命令を受けて所定の媒体を所定のドライブ装置にマウントする。
【0003】
具体的には、上位装置は、テープライブラリ装置に格納されている媒体において読み書きを実行しようとする場合には、その媒体と、その媒体をマウントするドライブ装置とを指定した情報を含んだ命令をドライブ制御装置に送る。この命令を受けて、ドライブ制御装置は、上位装置から指定されたドライブ装置が未使用であるかどうかを確認する。そして、ドライブ制御装置は、指定されたドライブ装置が未使用であることを確認した場合には、上位装置からの命令に従い、指定されたドライブ装置に指定された媒体をマウントするようロボットに信号を送る。
【0004】
一方、指定されたドライブ装置が使用中である場合には、ドライブ制御装置は、上位装置に対しドライブ装置が使用中であることを返答する。この返答を受けて、上位装置は、先行の命令において指定したドライブ装置とは別のドライブ装置を選択して、改めて上記と同様の情報を含んだ命令をドライブ制御装置に送る。この上位装置とドライブ制御装置との間のやり取りは、指定された媒体が指定されたドライブ装置にマウントされるまで繰り返し行われる。
【0005】
また、テープライブラリ装置に格納されている媒体には、暗号化データが記憶されている媒体と、暗号化されていないデータ(非暗号化データ)が記憶されている媒体とが存在する。そして、テープライブラリ装置を構成する装置の1つであるドライブ装置には、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応のドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応のドライブ装置とが存在する。
【0006】
【特許文献1】特開昭58−108571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させてテープライブラリ装置を構築しようとする場合には、ドライブ制御装置が、上位装置からの命令を忠実に実行する装置であるので、暗号化データが記憶されている媒体を非暗号化データ対応のドライブ装置にマウントしたり、非暗号化データが記憶されている媒体を暗号化データ対応のドライブ装置にマウントしたりしてしまうという問題があった。
【0008】
このため、現状では、ドライブ装置として暗号化データ対応のドライブ装置のみを備えたテープライブラリ装置と、非暗号化データ対応のドライブ装置のみを備えたテープライブラリ装置とは、別個の装置として物理的に分けて構築する必要があった。さらに、これらの装置を物理的に分けて構築することは、コストパフォーマンスの面やコンピュータ周辺機器のコンパクト化等の観点からも問題があった。
【0009】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、暗号化データ対応ドライブ装置と非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能なドライブ制御装置、ドライブ制御方法およびドライブ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御装置であって、前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手段と、前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手段と、前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手段と、前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記媒体情報記憶手段は、前記の複数ある媒体ごとに、各媒体が暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報を記憶することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記媒体情報記憶手段は、前記複数ある媒体の格納位置ごとに、各媒体が暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報を記憶することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御方法であって、前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶工程と、前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶工程と、前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定工程と、前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答工程と、を含んだことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントする方法をコンピュータに実行させるドライブ制御プログラムであって、前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手順と、前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手順と、前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手順と、前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、4および5の発明によれば、ドライブ制御装置は、暗号化データが記憶されている媒体に暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令や、非暗号化データが記憶されている媒体に非暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令が送られてくるまで、上位装置に対して繰り返し使用不可の返答をするようにしているので、暗号化データ対応のドライブ装置と非暗号化データ対応のドライブ装置とが混在していても、媒体とドライブ装置との組合せを適合させたマウントをテープライブラリ装置において実行できるようになる。
【0016】
言い換えれば、このドライブ制御装置によって、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能となる。また、上位装置に対する使用不可の返答は、従来、上位装置が指定したドライブ装置が使用中の場合にドライブ制御装置から送られる信号と同様のものであるので、上位装置の構成に手を入れることなく、上記の効果を得ることが可能となる。
【0017】
また、請求項2の発明によれば、ドライブ制御装置は、複数ある媒体のそれぞれについて、暗号化されたデータを記憶しているかものかどうかの情報を記憶しているので、媒体ごとに細やかな管理が可能となる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、ドライブ制御装置は、複数ある媒体のそれぞれについて、暗号化されたデータを記憶しているかものかどうかの情報を、テープライブラリ装置においてそれぞれが格納されている格納位置ごとに記憶しているので、格納位置ごとに媒体を管理することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るドライブ制御装置、ドライブ制御方法およびドライブ制御プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、いわゆるテープライブラリ装置におけるドライブ制御装置を実施例1として説明した後に、本発明に含まれる他の実施例を実施例2として説明する。
【実施例1】
【0020】
以下の実施例1では、実施例1に係るドライブ制御装置の概要および特徴、ドライブ制御装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
【0021】
[概要および特徴(実施例1)]
まず最初に、図1を用いて、実施例1に係るドライブ制御装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係るドライブ制御装置の概要および特徴を説明するための図である。同図に示すように、ドライブ制御装置40は、複数の媒体と、複数のドライブ装置とともにテープライブラリ装置30の一部を構成する。
【0022】
ここで、テープライブラリ装置30は、上位装置であるクライアント装置10から、サーバ装置20を中継して、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定する情報(例えば、媒体A***:ドライブ装置1)を含んだ命令を受け付けるが、その際、その命令はそのままドライブ制御装置40に送られる。
【0023】
この命令を受けて、ドライブ制御装置40は、クライアント装置10から指定されたドライブ装置1が未使用の状態であるかを確認する。そして、ドライブ装置1が未使用であることを確認した場合には、ドライブ装置1にその媒体(ボリュームラベル:A***)をマウントするようにロボット50に対して信号を送る。一方、ドライブ装置1が使用中であることを確認した場合には、指定されたドライブ装置1は使用不可であるものとして、サーバ装置20を中継させて、クライアント装置10に対し返答する。
【0024】
このような概要を有するドライブ制御装置40は、ドライブ装置が未使用であるかを確認することに加えて、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定するクライアント装置10からの命令における、媒体とドライブ装置との組合せが適合するものかどうかを判定する点に主たる特徴がある。このことから、暗号化データ対応ドライブ装置と非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能となる。
【0025】
この主たる特徴について簡単に説明すると、ドライブ制御装置40は、図1に例示すように、テープライブラリ装置30に格納された複数の媒体の各々が、暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報と、テープライブラリ装置に備えられた複数のドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応しているものかどうかの情報とを持っている。そして、クライアント装置10から指定されたドライブ装置1が未使用であることを確認した場合には、続いて、それらの情報に基づいて、媒体(ボリュームラベル:A***)とドライブ装置1との組合せが適合するどうかを判定する。
【0026】
ここで、媒体とドライブ装置との組合せが適合するかどうかを、ドライブ制御装置40がどのように判定するかについて簡単に説明すると、暗号化データが記憶されている媒体に対して暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合および非暗号化データが記憶されている媒体に対して非暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合には、媒体とドライブ装置との組合せが適合するものと判定し、暗号化データが記憶されている媒体に対して非暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合および非暗号化データが記憶されている媒体に対して暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合には、媒体とドライブ装置との組合せが不適合と判定する。
【0027】
そして、図1に示す場合においては、ドライブ制御装置40は、暗号化データが記憶されている媒体(ボリュームラベル:A***)と非暗号化データ対応のドライブ装置1との組合せを不適合と判定するので、指定されたドライブ装置1は使用不可であるものとして、クライアント装置10に対し返答する。
【0028】
この返答を受けて、クライアント装置10は、図1に例示すように、ドライブ装置1とは別のドライブ装置3を選択して、改めて上記と同様の情報(媒体A***:ドライブ装置3)を含んだ命令を、サーバ装置20を介してテープライブラリ装置30に送る。
【0029】
この指令を受けて、ドライブ制御装置40は、上述したのと同様に、クライアント装置10から指定されたドライブ装置3が、未使用の状態であるかを確認する。続いて、ドライブ装置3が未使用であることを確認した場合には、媒体(ボリュームラベル:A***)とドライブ装置3が適合するかどうかを判定する。ここで、図1に示す場合においては、ドライブ制御装置40は、暗号化データが記憶されている媒体(ボリュームラベル:A***)と暗号化データ対応のドライブ装置3との組合せが適合するものと判定するので、ドライブ装置3にその媒体(ボリュームラベル:A***)をマウントするようにロボット50に対して信号を送る。
【0030】
したがって、ドライブ制御装置40は、暗号化データが記憶されている媒体に暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令や、非暗号化データが記憶されている媒体に非暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令が送られてくるまで、上位装置であるクライアント装置10に対して繰り返し使用不可の返答をするようにしているので、暗号化データ対応のドライブ装置と非暗号化データ対応のドライブ装置とが混在していても、媒体とドライブ装置との組合せを適合させたマウントをテープライブラリ装置30において実行できるようになる。
【0031】
言い換えれば、このドライブ制御装置40によって、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能となる。また、クライアント装置10に対する使用不可の返答は、従来、クライアント装置10が指定したドライブ装置が使用中の場合にドライブ制御装置から送られる信号と同様のものであるので、クライアント装置10の構成に手を入れることなく、上記の効果を得ることが可能となる。
【0032】
[ドライブ制御装置の構成(実施例1)]
続いて、図2、図3および図4を用いて、図1に示したテープライブラリ装置30におけるドライブ制御装置40の構成を説明する。図2は、実施例1にかかるドライブ制御装置40の構成を示すブロック図である。図3は、実施例1に係る媒体情報記憶部に記憶されている情報を示す図であり、図4は、実施例1に係るドライブ情報記憶部に記憶されている情報を示す図である。図2に示すように、このドライブ制御装置40は、通信制御IF部41と、記憶部42と、出力制御部43と、制御部44とから構成される。
【0033】
このうち、通信制御IF部41は、サーバ装置20との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する手段であり、具体的には、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定する情報を含んだクライアント装置10から送信される命令を、サーバ装置20を介して受け付ける。
【0034】
記憶部42は、後に詳述する制御部44による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、媒体情報記憶部42aと、ドライブ情報記憶部42bとを備える。なお、媒体情報記憶手段42aは、特許請求の範囲に記載の「媒体情報記憶手段」に対応し、ドライブ情報記憶手段42bは、同じく「ドライブ情報記憶手段」に対応する。
【0035】
かかる記憶部42のなかで、媒体情報記憶部42aは、テープライブラリ装置30に複数格納されている媒体それぞれに関する各種の情報を記憶する手段であり、具体的には、図3に例示するように、各々の媒体ごとに、一意に付された媒体識別情報(例えば、ボリュームラベル)と、暗号化されたデータを記憶しているものであるか否かの情報(例えば、有・無)とを対応させて記憶して構成される。
【0036】
ドライブ情報記憶部42bは、ドライブ装置に関する各種の情報を記憶する手段であり、具体的には、図4に例示するように、ドライブ装置ごとに、一意に付されたドライブ装置番号と暗号化データに対応するものか否かの情報とを対応づけて記憶して構成される。
【0037】
出力部42は、各種の情報を出力する出力手段であり、具体的には、後述するコントローラ部44aからロボット50を制御する信号を受け付けて、ロボット50に対しその信号を出力する。
【0038】
制御部44は、所定の制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、コントローラ部44aと、適合判定部44bと、通信制御部44cとを備える。なお、適合判定部44bは、特許請求の範囲に記載の「適合判定手段」に対応し、通信制御部44cは、同じく「使用不可返答手段」に対応する。
【0039】
かかる制御部44の中で、コントローラ部44aは、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定した情報を含んだクライアント装置10(例えば、コンピュータ装置に組み込まれたソフトウェア)からの命令に従って、指定された媒体を指定されたドライブ装置にマウントするロボット50を制御する処理部である。具体的には、後述する適合判定部44bからの信号を受けて、指定された媒体を指定されたドライブ装置にマウントするようにロボット50に対して指令する。
【0040】
適合判定部44bは、クライアント装置10から指定されたドライブ装置が使用可能かどうか判定する処理部である。ここで、ドライブ装置が使用可能とは、指定されたドライブ装置が未使用であり、かつ、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置との組合せが適合する場合をいう。具体的には、まず、ドライブ制御装置40が受け付けたクライアント装置10からの命令において指定されたドライブ装置が未使用の状態であるか確認する。そして、未使用の状態である場合には、前述の命令において指定された媒体と指定されたドライブ装置との組合せが適合するかどうかの判定をする。
【0041】
例えば、適合判定部44bは、暗号化データが記憶されている媒体に対して暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合や、非暗号化データが記憶されている媒体に対して非暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合には、媒体とドライブ装置との組合せが適合するものと判定する。一方、暗号化データが記憶されている媒体に対して非暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合や、非暗号化データが記憶されている媒体に対して暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合には、媒体とドライブ装置との組合せが不適合と判定する。
【0042】
通信制御部44cは、前述した適合判定部44bからの信号を受けて、通信制御IF部41を介し、クライアント装置10に所定の情報を送信する処理部である。具体的には、クライアント装置10から指定されたドライブ装置が使用中であることを確認した場合、または、指定された媒体と指定されたドライブ装置との組合せは不適合であると判定した場合に、適合判定部44bから送られてくる信号を受け付けて、クライアント装置10に対して指定したドライブ装置が使用不可であることを返答する。
【0043】
[適合判定処理(実施例1)]
続いて、図5を用いて、実施例1におけるドライブ制御装置による適合判定処理を説明する。図5は、実施例1に係るドライブ制御装置の適合判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
図5に示すように、適合判定部44bは、クライアント装置10から送信されたマウント要求を通信制御部44cから受け取ると(ステップS501肯定)、かかるマウント要求の際に送信される命令に含まれる、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定する情報から、指定されたドライブ装置が未使用の状態であるかどうかを確認する(ステップS502)。ここで、ドライブ装置が未使用である場合には(ステップS502肯定)、適合判定部44bは、指定された媒体と指定されたドライブ装置との組合せが適合するかどうかを判定する(ステップS503)。
【0045】
ここで、媒体とドライブ装置との組合せが適合すると判定する場合(例えば、暗号化データが記憶されている媒体に対して暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合、または、非暗号化データが記憶されている媒体に対して非暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合には、媒体とドライブ装置との組合せが適合するものと判定)には(ステップS503肯定)、適合判定部44bは、クライアント装置10によって指定された媒体を指定されたドライブ装置にマウントするようコントローラ部44aに信号を送って(ステップS504)、適合判定処理を終了する。
【0046】
ここで、ステップS502の説明に戻ると、適合判定部44bが、クライアント装置10から指定されたドライブ装置が使用中であることを確認した場合に(ステップS502否定)、適合判定部44bから送られる信号を受け付けた通信制御部44cが、指定されたドライブ装置は使用不可であることを、クライアント装置10に返答して(ステップS505)、適合判定処理を終了する。
【0047】
ここで、ステップS503の説明に戻ると、適合判定部44bが、媒体とドライブ装置との組合せが不適合であると判定する場合(例えば、暗号化データが記憶されている媒体に対して非暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合、または、非暗号化データが記憶されている媒体に対して暗号化データ対応のドライブ装置が指定されている場合には、媒体とドライブ装置との組合せは不適合と判定する)に(ステップS503否定)、適合判定部44bから送られる信号を受け付けた通信制御部44cが、指定されたドライブ装置は使用不可であることを、クライアント装置10に返答して(ステップS506)、適合判定処理を終了する。
【0048】
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1によれば、ドライブ制御装置40は、暗号化データが記憶されている媒体に暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令や、非暗号化データが記憶されている媒体に非暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令が送られてくるまで、上位装置であるクライアント装置10に対して繰り返し使用不可の返答をするようにしているので、暗号化データ対応のドライブ装置と非暗号化データ対応のドライブ装置とが混在していても、媒体とドライブ装置との組合せを適合させたマウントをテープライブラリ装置30において実行できるようになる。
【0049】
言い換えれば、このドライブ制御装置によって、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能となる。また、クライアント装置10に対する使用不可の返答は、従来、クライアント装置10が指定したドライブ装置が使用中の場合にドライブ制御装置から送られる信号と同様のものであるので、クライアント10装置の構成に手を入れることなく、上記の効果を得ることが可能となる。
【0050】
また、実施例1によれば、ドライブ制御装置40は、複数ある媒体のそれぞれについて、暗号化されたデータを記憶しているかものかどうかの情報を記憶しているので、媒体ごとに細やかな管理が可能となる。
【実施例2】
【0051】
さて、これまで実施例1にかかるドライブ制御装置について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例2として種々の異なる実施例を(1)〜(4)に区分けして説明する。
【0052】
(1)媒体情報の管理
上記の実施例1では、テープライブラリ装置において複数格納されている媒体それぞれが暗号化されたデータを記憶しているものであるか否かを、各々の媒体ごとに一意に付された媒体識別情報(例えば、ボリュームラベル)に対応づけて媒体情報記憶部42aに記憶して管理する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に例示するように、テープライブラリ装置30において複数の媒体の各々が格納されている格納位置(例えば、棚番号)によって、管理するようにしてもよい。
【0053】
このことから、複数ある媒体のそれぞれについて、暗号化されたデータを記憶しているかものかどうかの情報を、テープライブラリ装置においてそれぞれが格納されている格納位置ごとに記憶しているので、格納位置ごとに媒体を管理することが可能となる。なお、図6は、実施例2に係る媒体情報記憶部に記憶されている情報を示す図である。
【0054】
(2)サーバ装置における適合判定
上記の実施例1では、上位装置であるクライアント装置10によって指定された媒体とドライブ装置との組合せが適合するどうかドライブ制御装置40において判定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ装置20において判定するようにしてもよい。そこで、以下に、このサーバ装置20の概要および特徴、サーバ装置20の構成を順に説明し、最後にこのサーバ装置20による効果を説明する。
【0055】
このサーバ装置20は、上位装置であるクライアント装置10から、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定する情報を含んだ命令を受け付け、クライアント装置10から指定されたドライブ装置が未使用の状態であるかを確認する。そして、ドライブ装置が未使用であることを確認した場合には、ドライブ装置に媒体をマウントするようドライブ制御装置40に対して信号を送る。一方、ドライブ装置が使用中であることを確認した場合には、指定されたドライブ装置1は使用不可であるものとして、クライアント装置10に対し返答する。
【0056】
このような概要を有するサーバ装置20は、ドライブ装置が未使用であるかを確認することに加えて、クライアント装置からの命令において指定された媒体とその媒体をマウントするドライブ装置との組合せが適合するものかどうかを判定する点に主たる特徴がある。
【0057】
具体的には、暗号化データが記憶されている媒体に暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令や、非暗号化データが記憶されている媒体に非暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令が送られてくるまで、クライアント装置10に対して繰り返し使用不可の返答をするようにしている。このため、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能となる。
【0058】
図7は、実施例2にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、サーバ装置20は、通信制御IF部41と、記憶部42と、出力制御部43と、制御部44とから構成される。このうち、通信制御IF部21は、クライアント装置10とサーバ装置20との間、またはサーバ装置20とドライブ制御装置40との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する手段である。具体的には、クライアント装置10から送信されてくる媒体とその媒体をマウントするドライブ装置とを指定する情報を含んだ命令を受け付けて、後に詳述する制御部23によってその情報を処理した後、クライアント装置10やドライブ制御装置40に、その処理結果に応じて送る信号を中継する。
【0059】
記憶部22は、後に詳述する制御部44による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、媒体情報記憶部22aと、ドライブ情報記憶部22bとを備える。
【0060】
かかる記憶部22のなかで、媒体情報記憶部22aは、テープライブラリ装置30に複数格納されている媒体それぞれに関する各種の情報を記憶する手段であり、具体的には、図7に例示するように、各々の媒体ごとに一意に付された媒体識別情報(例えば、ボリュームラベル)に対応づけて暗号化されたデータを記憶しているものであるか否かを記憶して構成される。
【0061】
ドライブ情報記憶部22bは、ドライブ装置に関する各種の情報を記憶する手段であり、具体的には、図7に例示するように、ドライブ装置に一意に付されたドライブ装置番号に対応づけて暗号化データに対応するものか、または、非暗号化データに対応するものかを記憶して構成される。
【0062】
制御部44は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、図7に示すように、適合判定部23aと、通信制御部23bとを備える。
【0063】
適合判定部23aは、クライアント装置10から指定されたドライブ装置が使用可能かどうか判定する処理部である。ここで、ドライブ装置が使用可能とは、指定されたドライブ装置が未使用であり、かつ、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置との組合せが適合する場合をいう。具体的には、上記の実施例1でドライブ制御装置40が行う判定と同様である。
【0064】
通信制御部23bは、前述した適合判定部23aからの信号を受けて、クライアント装置10やドライブ制御装置40に所定の情報を通信制御IF部21を介して送信する処理部である。具体的には、クライアント装置10から指定されたドライブ装置が使用中であることを確認した場合や、指定された媒体と指定されたドライブ装置との組合せは不適合であると判定した場合に、適合判定部23aから送られてくる信号を受け付けて、クライアント装置10に対して指定したドライブ装置が使用不可であることを返答する。
【0065】
また、クライアント装置10から指定された媒体と指定されたドライブ装置との組合せは適合すると判定した場合には、指定された媒体を指定されたドライブ装置にマウントするようドライブ制御装置40に信号を送る。
【0066】
上述してきたように、このサーバ装置20によれば、暗号化データが記憶されている媒体に暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令や、非暗号化データが記憶されている媒体に非暗号化データ対応のドライブ装置を指定する命令が送信されてくるまで、上位装置に対して繰り返し使用不可の返答をするようにしているので、暗号化データ対応のドライブ装置と非暗号化データ対応のドライブ装置とが混在していても、媒体とドライブ装置との組合せを適合させたマウントを実行できるようになる。
【0067】
言い換えれば、このサーバ装置20によって、暗号化データが記憶されている媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データが記憶されている媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することが可能となる。また、クライアント装置10に対する使用不可の返答は、従来、クライアント装置10が指定したドライブ装置が使用中の場合に送られる信号と同様のものであるので、クライアント装置10の構成に手を入れることなく、上記の効果を得ることが可能となる。さらに、ドライブ制御装置40も、従来と同様に、所定の媒体を所定のドライブ装置にマウントするよう指示する上位装置からの命令をそのまま実行するので、ドライブ制御装置40の構成に手を入れることなく、上記の効果を得ることが可能となる。
【0068】
なお、上述した実施例2(2)では、サーバ装置20においてクライアント装置10から指定されたドライブ装置が使用中であるかどうかを確認するとともに、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置との組合せが適合するかどうかを判定するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ装置20は、媒体とその媒体をマウントするドライブ装置との組合せが適合するかどうかのみを判定し、ドライブ装置が使用中であるかどうかについては、従来と同様に、ドライブ制御装置40が確認するようにしてもよい。
【0069】
(3)装置構成
また、図2に示したドライブ制御装置40や図7に示したサーバ装置20の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、ドライブ制御装置40の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、例えば、適合判定部44bと通信制御部44cを統合するなど、各構成要素の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0070】
(4)ドライブ制御プログラム
ところで、上記の実施例1で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図8を用いて、上記の実施例1と同様の機能を有するドライブ制御プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図8は、ドライブ制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0071】
同図に示すように、ドライブ制御装置としてのコンピュータ60は、通信制御IF部61、出力部62、HDD63、RAM64、ROM65およびCPU66をバス70で接続して構成される。ここで、通信制御IF部61は、図2に示した通信制御IF部41に対応し、出力部62は同じく出力部43に対応する。
【0072】
そして、ROM65には、上記の実施例1に示したドライブ制御装置40と同様の機能を発揮するドライブ制御プログラム、つまり、図8に示すように、コントローラプログラム65a、適合判定プログラム65bおよび通信制御プログラム65cがあらかじめ記憶されている。なお、これらのプログラム65a、65bおよび65cについては、図2に示したドライブ制御装置40の各構成要素と同様、適宜統合または分散してもよい。
【0073】
そして、CPU66が、これらのプログラム65a、65bおよび65cをROM67から読み出して実行することで、図8に示すように、各プログラム65a、65bおよび65cは、コントローラプロセス66a、適合判定プロセス66bおよび通信制御プロセス66cとして機能するようになる。なお、各プロセス66a、66bおよび66cは、図2に示したコントローラ部44a、適合判定部44bおよび通信制御部44cにそれぞれ対応する。
【0074】
また、HDD63には、図8に示すように、媒体情報テーブル63aおよびドライブ情報テーブル63bが設けられる。この媒体情報テーブル63aおよびドライブ情報テーブル63bは、図2に示した媒体情報記憶部42aおよびドライブ情報記憶部42bにそれぞれ対応する。そして、CPU66は、媒体情報テーブル63aおよびドライブ情報テーブル63bから媒体情報データ64aおよびドライブ情報データ64bを読み出してRAM64に格納し、RAM64に格納された媒体情報データ64aおよびドライブ情報データ64bに基づいて適合判定処理を実行する。
【0075】
なお、上記した各プログラム65a、65bおよび65cについては、必ずしも最初からROM65に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ60に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータ60の内外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ40に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ60がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0076】
(付記1)複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御装置であって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手段と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手段と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手段と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手段と、
を備えたことを特徴とするドライブ制御装置。
【0077】
(付記2)前記媒体情報記憶手段は、前記の複数ある媒体ごとに、各媒体が暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報を記憶することを特徴とする付記1に記載のドライブ制御装置。
【0078】
(付記3)前記媒体情報記憶手段は、前記複数ある媒体の格納位置ごとに、各媒体が暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報を記憶することを特徴とする付記1に記載のドライブ制御装置。
【0079】
(付記4)複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御方法であって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶工程と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶工程と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定工程と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答工程と、
を含んだことを特徴とするドライブ制御方法。
【0080】
(付記5)複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントする方法をコンピュータに実行させるドライブ制御プログラムであって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手順と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手順と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手順と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするドライブ制御プログラム。
【0081】
(付記6)複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、ドライブ制御装置に中継するサーバ装置であって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手段と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手段と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手段と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手段と、
前記適合判定手段によって前記組合せが適合すると判定された場合には、前記命令を前記ドライブ制御装置に送信するする命令送信手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明に係るドライブ制御装置、ドライブ制御方法およびドライブ制御プログラムは、複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置の何れかにマウントするよう指示する上位装置からの命令を受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントする場合に有用であり、特に、暗号化データを読み書きする媒体に対応した暗号化データ対応ドライブ装置と、非暗号化データを読み書きする媒体に対応した非暗号化データ対応ドライブ装置とを混在させて構成されるテープライブラリ装置を実現することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例1に係るドライブ制御装置の概要を示す図である。
【図2】実施例1に係るドライブ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1に係る媒体情報記憶部に記憶されている情報を示す図である。
【図4】実施例1に係るドライブ情報記憶部に記憶されている情報を示す図である。
【図5】実施例1に係るドライブ制御装置による適合判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例2に係る媒体情報記憶部に記憶されている情報を示す図である。
【図7】実施例2に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図8】ドライブ制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10 クライアント装置
20 サーバ装置
21 通信制御IF部
22 記憶部
23 制御部
30 テープライブラリ装置
40 ドライブ制御装置
41 通信制御IF部
42 記憶部
42a 媒体情報記憶部
42b ドライブ情報記憶部
43 出力部
44 制御部
44a コントローラ部
44b 適合判定部
44c 通信制御部
50 ロボット
60 コンピュータ
61 通信制御IF部
62 出力部
63 HDD(Hard disk memory)
64 RAM(Random access memory)
65 ROM(Read only memory)
66 CPU(Central processing unit)
70 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御装置であって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手段と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手段と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手段と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手段と、
を備えたことを特徴とするドライブ制御装置。
【請求項2】
前記媒体情報記憶手段は、前記の複数ある媒体ごとに、各媒体が暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載のドライブ制御装置。
【請求項3】
前記媒体情報記憶手段は、前記複数ある媒体の格納位置ごとに、各媒体が暗号化されたデータを記憶しているものかどうかの情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載のドライブ制御装置。
【請求項4】
複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントするドライブ制御方法であって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶工程と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶工程と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定工程と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答工程と、
を含んだことを特徴とするドライブ制御方法。
【請求項5】
複数ある媒体のうち所定の媒体を、複数あるドライブ装置のうち所定のドライブ装置にマウントする旨の命令を上位装置から受けて、当該所定の媒体を当該所定のドライブ装置にマウントする方法をコンピュータに実行させるドライブ制御プログラムであって、
前記の複数ある媒体の各々に記憶されているデータが、暗号化されたものであるかどうかの情報を記憶する媒体情報記憶手順と、
前記複数あるドライブ装置の各々が、暗号化されたデータに対応したものであるかどうかの情報を記憶するドライブ情報記憶手順と、
前記媒体情報記憶手段およびドライブ情報記憶手段に記憶されている各情報に基づいて、前記上位装置からの命令におけるドライブ装置と媒体との組合せが、暗号化または非暗号化の組合せとして適合するかどうかを判定する適合判定手順と、
前記適合判定手段よって前記組合せが不適合と判定された場合には、当該所定のドライブ装置が使用不可であることを前記上位装置に返答する使用不可返答手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするドライブ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−268766(P2006−268766A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89813(P2005−89813)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】