説明

ドライブ装置

【課題】ドライブ装置に直接組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを清掃できるようにする。
【解決手段】記録テープT及び記録テープTと連続したヘッドクリーニング用のクリーニングテープCが巻回された繰出リール10と、記録テープT及びクリーニングテープCが巻回される巻取リール20と、クリーニングテープCに圧接することで、クリーニングテープCを清掃する清掃部材32と、清掃部材32をクリーニングテープCに対して圧接させる圧接機構40と、を有するドライブ装置60とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドをクリーニングするクリーニングテープを清掃する清掃手段を備えたドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主にコンピューター等の情報記録再生媒体(データバックアップ)として使用される磁気テープ等の記録テープをリールに巻装し、そのリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジが知られている。そして、この記録テープカートリッジに収容されるリールには、ドライブ装置の記録再生ヘッドをクリーニングするクリーニングテープが、記録テープに連続して設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−179058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、ドライブ装置に対して着脱される記録テープカートリッジの場合では、記録テープカートリッジ毎にクリーニングテープが設けられていることから、記録再生ヘッドに対して、常に同じクリーニングテープが使われるということはない。しかしながら、ドライブ装置に直接組み込まれているリールの場合、長期間、同じクリーニングテープが使われることになるため、クリーニングテープの清掃が必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、ドライブ装置に直接組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを清掃できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のドライブ装置は、記録テープ及び該記録テープと連続したヘッドクリーニング用のクリーニングテープが巻回された繰出リールと、前記記録テープ及び前記クリーニングテープが巻回される巻取リールと、前記クリーニングテープに圧接することで、該クリーニングテープを清掃する清掃部材と、前記清掃部材を前記クリーニングテープに対して圧接させる圧接機構と、を有することを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ドライブ装置に組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを清掃することができる。
【0008】
また、請求項2に記載のドライブ装置は、請求項1に記載のドライブ装置であって、前記清掃部材は、シート状に形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、ドライブ装置に組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを良好に清掃することができる。
【0010】
また、請求項3に記載のドライブ装置は、請求項2に記載のドライブ装置であって、前記清掃部材は、繰出ロールから繰り出され、巻取ロールに巻き取られる構成とされていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ドライブ装置に組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを長期に亘って清掃することができる。
【0012】
また、本発明に係る請求項4に記載のドライブ装置は、記録テープ及び該記録テープと連続したヘッドクリーニング用のクリーニングテープが巻回された繰出リールと、前記記録テープ及び前記クリーニングテープが巻回される巻取リールと、前記繰出リール及び前記巻取リールが収容される筐体に対して着脱可能に構成されたケースに一部を露出させた状態で設けられ、前記クリーニングテープが圧接することで、該クリーニングテープを清掃する清掃部材と、前記クリーニングテープを前記清掃部材に対して圧接させる圧接機構と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、ドライブ装置に組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを清掃することができる。また、清掃部材が汚れたら交換できるので、長期に亘ってクリーニングテープを清掃することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ドライブ装置に直接組み込まれたリールに設けられているクリーニングテープを清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】リールが組み込まれたドライブ装置を示す斜視図
【図2】リールが組み込まれたドライブ装置を示す平面図
【図3】クリーニングテープをクリーニングする第1実施形態に係るクリーニング手段を示す斜視図
【図4】クリーニングテープをクリーニングする第1実施形態に係るクリーニング手段を示す平面図
【図5】クリーニングテープをクリーニングする第2実施形態に係るクリーニング手段を示す斜視図
【図6】クリーニングテープをクリーニングする第2実施形態に係るクリーニング手段を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図1における矢印UPを上方向、矢印DOを下方向とし、本実施形態に係るドライブ装置60に直接組み込まれる繰出リールとしてのリール10及び巻取リールとしてのリール20の回転軸方向を上下方向(高さ方向)とする。
【0017】
本実施形態に係るドライブ装置60に直接組み込まれるリール10、20は、例えばポリカーボネート(PC)等の合成樹脂製とされており、図1で示すように、ドライブ装置60の筐体61(図1では底板61Aと3本の支柱61Bのみが示されている)内に一対で収容されている。
【0018】
すなわち、リール10は、記録テープTの繰り出し用とされ、リール20は、記録テープTの巻き取り用とされており、リール10から繰り出された記録テープTが、リール20に巻き取られつつ、記録再生ヘッド70に摺接するようになっている。つまり、この記録再生ヘッド70によって、その記録テープTに対してデータが記録されたり、その記録テープTに記録されたデータが再生されたりするようになっている。
【0019】
なお、記録再生ヘッド70の両側における底板61Aには、複数個(図示のものは2個ずつで計4個)のテープガイド72が回転自在に設けられており、リール10から引き出され、リール20に巻き取られる記録テープTが、各テープガイド72によって、ガイドされるようになっている。
【0020】
繰り出し用のリール10は、軸心部を構成する略円筒状のリールハブ12と、その上端部側に設けられる環状の上フランジ14と、その下端部側に設けられる環状の下フランジ16と、リールハブ12の内周面における高さ(軸)方向略中央部に一体に連設された補強部18と、を含んで構成されている。
【0021】
同様に、巻き取り用のリール20も、軸心部を構成する略円筒状のリールハブ22と、その上端部側に設けられる環状の上フランジ24と、その下端部側に設けられる環状の下フランジ26と、リールハブ22の内周面における高さ(軸)方向略中央部に一体に連設された補強部28と、を含んで構成されている。
【0022】
そして、繰り出し用のリール10におけるリールハブ12の外周面には、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTと、その記録テープTに連続したクリーニングテープCが巻回されるようになっており、上フランジ14及び下フランジ16によって、巻回された記録テープT及びクリーニングテープCの幅方向の端部が保持されるようになっている。
【0023】
なお、リール10から繰り出されたクリーニングテープC及び記録テープTは、巻き取り用のリール20におけるリールハブ22の外周面に巻回され、上フランジ24及び下フランジ26によって、その幅方向の端部が保持されるようになっている。また、クリーニングテープCは、記録テープTの繰り出し方向側端部に連続して設けられている。
【0024】
また、本実施形態における「略円筒状」には、記録テープTが巻回される各リールハブ12、22の外周面(巻面)の形状が太鼓形状等に形成されている概ね円柱状であるもの、及び各リールハブ12、22の内周面側にリブ等が突設されている完全な円筒状でない中空状であるものなども含まれる。
【0025】
また、ドライブ装置60には、回転駆動源としてのモーター(図示省略)が配置されており、そのモーターの回転軸(図示省略)から伝達ギア(図示省略)を介して回転駆動力が伝達される一対の樹脂製又は金属製の回転部材が、ドライブ装置60の筐体61(底板61A)に形成された一対の開口部内にそれぞれ回転可能に設けられている。そして、各回転部材に、各リール10、20におけるリールハブ12、22の補強部18、28が、ビスによって固定されるようになっている。
【0026】
次に、クリーニングテープCをクリーニングする第1実施形態に係るクリーニング手段30について説明する。図1、図2で示すように、このクリーニング手段30は、リール10から繰り出されたクリーニングテープCが記録再生ヘッド70に摺接する前にクリーニングできるように、記録再生ヘッド70よりも記録テープTの繰り出し方向上流側の底板61Aに配設されている。
【0027】
クリーニング手段30は、図3、図4で示すように、クリーニングテープCと同じ幅か、それよりも若干大きい幅とされたシート状のクリーニング部材32と、クリーニング部材32を繰り出す繰出ロール34と、クリーニング部材32を巻き取る巻取ロール36と、繰出ロール34から繰り出され、巻取ロール36に巻き取られるクリーニング部材32を、クリーニングテープCに対して対向させるように所定間隔を隔ててガイドする、フリー回転可能に支持された一対のガイドロール38と、を有している。
【0028】
そして更に、このクリーニング手段30は、一対のガイドロール38の間で、クリーニングテープCの張架方向(延在方向)と直交する方向(以下「圧接方向A」及び「離隔方向B」という:図3、図4参照)に移動可能に構成され、クリーニングテープCから退避している状態のクリーニング部材32をクリーニングテープCに圧接させる圧接機構40と、を有している。
【0029】
圧接機構40は、シート状のクリーニング部材32に対向する外周面42Aを有する押圧部材としての押圧ロール42と、押圧ロール42をフリー回転可能に支持するシャフト44と、シャフト44を圧接方向A及び離隔方向Bへ移動させる移動手段(図示省略)と、を有している。なお、移動手段としては、例えばラックとピニオン等の任意の構成を採用することができる。
【0030】
また、押圧ロール42における外周面42Aの高さは、クリーニング部材32の幅と略同一とされており、筐体61(底板61A)には、シャフト44の移動を許容する長孔部62が形成されている。したがって、押圧ロール42は、クリーニング部材32から退避した退避位置と、クリーニング部材32をクリーニングテープCに対して押し付ける圧接位置とを取り得る構成である。
【0031】
また、巻取ロール36は、図示しないステッピングモーター等の回転駆動源によって回転駆動されるようになっており、繰出ロール34は、従動回転するようになっている。したがって、クリーニング部材32の一部の摺接面がクリーニングテープCに摺接することで汚れたら、巻取ロール36(繰出ロール34)が一方向に所定量回転することにより、クリーニング部材32の新しい摺接面でクリーニングテープCをクリーニングできる構成である。
【0032】
なお、クリーニング部材32は、不織布等で構成されている。また、巻取ロール36は、クリーニング部材32のクリーニングテープCとの摺接(接触)面側を内側にして巻き取るようになっている。これにより、クリーニング部材32の汚れた摺接面が露出されない構成であり、その摺接面から塵埃等が落下するのを防止できる構成である。
【0033】
また、クリーニング部材32の摺接面の交換時期は、例えばクリーニングテープCの全長を1回クリーニングしたら交換するなど、そのクリーニング回数などから判断される。また、クリーニングテープCに対してクリーニング部材32を摺接させるようにするタイミングは、リール10の繰り出し量(リール20の巻き取り量)を検出することなどによって判断される。
【0034】
また、図1、図2で示すように、押圧ロール42と一方のガイドロール38との間及び押圧ロール42と他方のガイドロール38との間で、かつクリーニングテープCの走行経路Pを挟んだ反対側には、クリーニング部材32が押し付けられたクリーニングテープCを張架状態に支持する一対の支持ロール46が、所定間隔を隔ててフリー回転可能に設けられている。
【0035】
これにより、クリーニングテープCがクリーニング部材32に対して摺接可能となる構成である。すなわち、クリーニング部材32がクリーニングテープCを全長に亘ってクリーニングできるようになる構成である。
【0036】
以上のような構成のクリーニング手段30において、次にその作用について説明する。なお、リール10とリール20との間に張架されてクリーニングテープCは、記録テープTの繰り出し方向側端部に連続して設けられているので、リール10の使用前(記録テープTにデータを記録又は記録テープTからデータを読み取る前)において、リール10の繰り出し量(リール20の巻き取り量)を制御することにより、クリーニング部材32に対向する位置に配置することができる。
【0037】
さて、リール10を使用する(記録テープTにデータを記録又は記録テープTからデータを読み取る)際には、クリーニングテープCによって記録再生ヘッド70をクリーニングしてから、その記録再生ヘッド70に記録テープTが摺接される。したがって、記録再生ヘッド70を何度もクリーニングすることにより、クリーニングテープCが汚れてきたら、クリーニング手段30によって、そのクリーニングテープCをクリーニングする。
【0038】
すなわち、まず、記録テープT及びクリーニングテープCをリール10に完全に巻き取る。そして、リール10の繰り出し量(リール20の巻き取り量)を制御(検出)し、クリーニングテープCの繰り出し方向側端部をクリーニング部材32に対向配置させる。次いで、退避位置に待機している押圧ロール42を、移動手段により圧接方向Aへ移動させる。
【0039】
このとき、クリーニングテープCは、一対の支持ロール46によって張架状態に支持されているため、一対のガイドロール38間に張架されているクリーニング部材32は、押圧ロール42が圧接方向Aに移動することにより、クリーニングテープCに圧接される(図4参照)。クリーニング部材32がクリーニングテープCに圧接されたら、リール10、20を所定量(クリーニングテープCの全長をクリーニングできる量)回転させ、クリーニングテープCをクリーニング部材32に相対的に摺接させる。
【0040】
これにより、クリーニングテープCが全長に亘って良好にクリーニングされ、クリーニングされたクリーニングテープCにより、再び、記録再生ヘッド70のクリーニングがなされる。なお、クリーニング部材32によるクリーニングテープCのクリーニングが完了したら、移動手段により、押圧ロール42を離隔方向Bへ移動させ、走行経路Pを走行する記録テープTからクリーニング部材32を退避させる。
【0041】
また、クリーニング部材32によるクリーニングテープCのクリーニングが完了したら、押圧ロール42が退避位置に退避している状態で、巻取ロール36(繰出ロール34)を一方向(クリーニング部材32を巻き取る方向)に回転させ、クリーニングテープCに摺接させるクリーニング部材32の摺接面を交換する。
【0042】
これにより、次回のクリーニングテープCに対するクリーニング動作に備えることができる。また、繰出ロール34に巻回されているクリーニング部材32を使い切るまで、クリーニングテープCをクリーニングできるため、長期に亘って、クリーニングテープCをクリーニングすることができる。
【0043】
次に、クリーニングテープCをクリーニングする第2実施形態に係るクリーニング手段50について説明する。なお、上記第1実施形態に係るクリーニング手段30と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。この第2実施形態に係るクリーニング手段50は、ドライブ装置60の筐体61(底板61A)に対して着脱可能に構成されている。
【0044】
すなわち、このクリーニング手段50は、図5、図6で示すように、略矩形状のケース52を有しており、このケース52は、筐体61の底板61Aに位置決めされた状態で、かつ着脱可能に設けられている。なお、ケース52を底板61Aに対して位置決めする手段としては、例えば底板61A上に図示しないリブ等を突設するなど、公知の手段が採用できる。
【0045】
また、ケース52を底板61Aに対して着脱可能とする構成としては、例えば後述する支持ロール56Aに、後述するステッピングモーター64の回転軸66が取り外し可能に接続されることで着脱される構成にしてもよいし、他の公知の手段によって着脱される構成にしてもよい。
【0046】
また、このケース52内には、不織布等で構成されたシート状のクリーニング部材32と、クリーニング部材32の一端部と他端部に、それぞれ一端部及び他端部が接続されたベルト54と、ベルト54が巻き掛けられる(張架される)とともに、そのベルト54を移動可能に支持する複数本(例えば4本)の支持ロール56と、が設けられている。
【0047】
そして、このケース52のクリーニングテープCに対向する側壁には、クリーニング部材32の一部を露出させる開口部52Aが形成されており、その開口部52Aに臨むケース52内には、クリーニング部材32の一部を開口部52Aから露出させるように支持する支持ロール58がフリー回転可能に設けられている。
【0048】
また、クリーニング手段50(ケース52)がドライブ装置60に装着されたとき、複数本の支持ロール56のうち、少なくとも1本の支持ロール56Aには、ドライブ装置60に設けられた回転駆動源としてのステッピングモーター64の回転軸66が相対回転不能に、かつ取り外し可能に接続されるようになっている。
【0049】
このステッピングモーター64の回転軸66が所定量回転することにより、各支持ロール56がベルト54を介して回転し、クリーニング部材32の開口部52Aから露出している摺接面が移動されるようになっている。つまり、これにより、クリーニング部材32の摺接面が交換可能とされている。
【0050】
なお、ケース52内に設けられたクリーニング部材32を使い切ったとき(クリーニング部材32において、クリーニングできる摺接面が無くなったとき)には、ドライブ装置60の筐体61(底板61A)からクリーニング手段50(ケース52)を取り外し、新しいクリーニング手段50(ケース52)を、その筐体61(底板61A)に装着できるようになっている。
【0051】
また、図5、図6で示すように、この第2実施形態においては、一対の支持ロール46が、圧接方向A及び離隔方向B(第1実施形態の圧接方向A及び離隔方向Bとはそれぞれ逆方向となる)へ、圧接機構40の移動手段によって移動可能に構成されている。つまり、この一対の支持ロール46が押圧部材とされ、クリーニングテープCから退避した退避位置と、クリーニングテープCをクリーニング部材32に対して押し付ける圧接位置とを取り得るようになっている。
【0052】
したがって、一対の支持ロール46により、クリーニングテープCが圧接方向Aへ移動され、クリーニング部材32に対してクリーニングテープCが圧接しつつ摺接することにより、そのクリーニングテープCがクリーニング部材32によってクリーニングされる構成である。なお、この場合も、筐体61(底板61A)には、支持ロール46のシャフト48の移動を許容する長孔部62が形成されている。
【0053】
以上のような構成のクリーニング手段50において、次にその作用について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の作用については、その説明を省略する。記録再生ヘッド70を何度もクリーニングすることにより、クリーニングテープCが汚れてきたら、クリーニング手段50によって、そのクリーニングテープCをクリーニングする。
【0054】
すなわち、まず、記録テープT及びクリーニングテープCをリール10に完全に巻き取る。そして、リール10の繰り出し量(リール20の巻き取り量)を制御(検出)し、クリーニングテープCの繰り出し方向側端部をクリーニング部材32に対向配置させる。次いで、退避位置に待機している一対の支持ロール46を、移動手段により圧接方向Aへ移動させる。
【0055】
このとき、クリーニング部材32は、支持ロール58によって支持された状態で開口部52Aから露出しているため、一対の支持ロール46が圧接方向Aに移動することにより、クリーニングテープCがクリーニング部材32に圧接される(図6参照)。クリーニングテープCがクリーニング部材32に圧接されたら、リール10、20を所定量(クリーニングテープCの全長をクリーニングできる量)回転させ、クリーニングテープCをクリーニング部材32に相対的に摺接させる。
【0056】
これにより、クリーニングテープCがクリーニングされ、クリーニングされたクリーニングテープCにより、再び、記録再生ヘッド70のクリーニングがなされる。なお、クリーニング部材32によるクリーニングテープCのクリーニングが完了したら、移動手段により、支持ロール46を離隔方向Bへ移動させ、クリーニング部材32から記録テープTを退避させる。
【0057】
また、クリーニング部材32によるクリーニングテープCのクリーニングが完了したら、支持ロール46が退避位置に退避している状態で、ステッピングモーター64により支持ロール56A(支持ロール56)を一方向に回転させてベルト54を所定量移動させ、クリーニングテープCに摺接させるクリーニング部材32の摺接面を交換する。これにより、次回のクリーニングテープCに対するクリーニング動作に備えることができる。
【0058】
また、クリーニング手段50のケース52内に設けられたクリーニング部材32を使い切ったら、ドライブ装置60の筐体61(底板61A)から、そのクリーニング手段50(ケース52)を取り外す。そして、新しいクリーニング手段50(ケース52)を、その筐体61(底板61A)に装着する。これにより、長期に亘って、クリーニングテープCをクリーニングすることができる。
【0059】
以上、本実施形態に係るドライブ装置60について図面を基に説明したが、本実施形態に係るドライブ装置60は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更可能なものである。例えば、第2実施形態におけるクリーニング手段50のケース52内に、第1実施形態におけるクリーニング手段30の繰出ロール34と巻取ロール36とに張架されたクリーニング部材32を設ける構成にしてもよい。
【0060】
また、第2実施形態におけるクリーニング手段50を新しいものに交換する際、ケース52内からクリーニング部材32だけ、又はクリーニング部材32とベルト54だけを取り出し、新しいクリーニング部材32、又は新しいクリーニング部材32とベルト54をケース52内に設けるようにして、ケース52(支持ロール56、56Aを含む)を再利用する構成にしてもよい。
【0061】
また、本実施形態に係るドライブ装置60において、リール10が巻取リールとされ、リール20が繰出リールとされてもよい。つまり、リール10及びリール20は、その役割(繰出及び巻取)が反転し得るものである。また、記録再生ヘッド70は、記録、再生の少なくとも一方を行うヘッドであればよい。
【符号の説明】
【0062】
10 リール(繰出リール)
20 リール(巻取リール)
30 クリーニング手段
32 クリーニング部材(清掃部材)
34 繰出ロール
36 巻取ロール
40 圧接機構
50 クリーニング手段
52 ケース
60 ドライブ装置
70 記録再生ヘッド
C クリーニングテープ
T 記録テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録テープ及び該記録テープと連続したヘッドクリーニング用のクリーニングテープが巻回された繰出リールと、
前記記録テープ及び前記クリーニングテープが巻回される巻取リールと、
前記クリーニングテープに圧接することで、該クリーニングテープを清掃する清掃部材と、
前記清掃部材を前記クリーニングテープに対して圧接させる圧接機構と、
を有することを特徴とするドライブ装置。
【請求項2】
前記清掃部材は、シート状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドライブ装置。
【請求項3】
前記清掃部材は、繰出ロールから繰り出され、巻取ロールに巻き取られる構成とされていることを特徴とする請求項2に記載のドライブ装置。
【請求項4】
記録テープ及び該記録テープと連続したヘッドクリーニング用のクリーニングテープが巻回された繰出リールと、
前記記録テープ及び前記クリーニングテープが巻回される巻取リールと、
前記繰出リール及び前記巻取リールが収容される筐体に対して着脱可能に構成されたケースに一部を露出させた状態で設けられ、前記クリーニングテープが圧接することで、該クリーニングテープを清掃する清掃部材と、
前記クリーニングテープを前記清掃部材に対して圧接させる圧接機構と、
を有することを特徴とするドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−195023(P2012−195023A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56534(P2011−56534)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)