説明

ドライヤー

【課題】熱による頭髪の損傷を防ぐと共に、騒音の小さなドライヤーを提供する。
【解決手段】再生可能な吸湿材21と、吸湿材近傍に配置した通風孔23を少なくとも1つ設けた吸湿材保持部材22とを具え、再生可能な吸湿材21を直接頭髪に当接させることにより、熱による頭髪の損傷を防ぐと共に騒音を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪などを乾かす小型送風乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のドライヤーでは、濡れた頭髪を乾かすのにヒーターにより高温に加熱した空気を回転羽根により吹出口から吹き出し、濡れた頭髪に吹き付けることによって頭髪を乾かしている。
【0003】
また、吸湿剤ローターをドライヤー内部に組み込むことにより除湿乾燥した常温に近い空気を頭髪に当て頭髪を乾かしているものもある(例えば、特許文献1参照。)。図4は前記特許文献1に記載された従来のドライヤーの実装形態を示すものである。
【0004】
図4に示すように、ヘアードライヤー筒部(2)の内部の空気の通路を、隔壁(8)により上下に二分割し、上段は吸湿剤再生用の空気を通風させる再生空気通路とし、下段は本来のヘアードライヤーとしての機能を発揮する除湿空気通路とする。ファン(4)は、モーター(9)の駆動により、ファン駆動軸(10)を介して回転し、吸込口(3)より、空気をヘアードライヤー筒部(2)の内部に送り込む働きをする。一方、モーター(9)の駆動は、減速装置(11)及び吸湿剤ローター駆動軸(12)を介して吸湿剤ローター(1)にも伝達され、吸湿剤ローター(1)も旋回する。ファン(4)により、ヘアードライヤー筒部(2)の内部に送られた空気は、隔壁(8)により上段の再生空気通路と下段の除湿空気通路に送られる。下段の除湿空気通路に送られた空気は、吸湿剤ローター(1)を通過することにより除湿され、乾燥空気となって吹出口(5)から吹き出され、濡れた頭髪に吹きつけられることにより、頭髪を高温にせずに乾かす効果を発揮する。他方、上段の再生空気通路に送られた空気は、吸湿剤再生用ヒーター(7)により高温に加熱され、下段の除湿空気通路で湿気を吸着した後の吸湿剤ローター(1)の湿った部分が旋回して上段通路に現れるところに吹きつけられる。吸湿剤ローター(1)の湿った部分は、この高温空気により加熱されて水分を放出し、吸湿機能が再生される。その後、吸湿剤ローター(1)の再生された部分はさらに旋回して再び下段の除湿空気通路に向かう。吸湿剤ローター(1)を通過した空気は放風口(13)から放出される。
【0005】
また、吹出口(5)から吹き出される乾燥空気だけでは、濡れた頭髪を乾かす速度が不十分である場合には、下段の除湿空気通路に補助ヒーターを設けて、頭髪を傷めない範囲で、通過する乾燥空気を若干加熱してもよい。図5は、通常のヒーター加熱方式のヘアードライヤーのヒーター部分を取り外し、着脱可能な構造とした吸湿剤(6)に置き換えたものである。ファン(4)により吸込口(3)から取り入れた空気を吸湿剤(6)を通過させることで除湿し、吹出口(5)から常温に近い乾燥空気を吹き出すことにより濡れた頭髪を高温にせずに乾かす作用を発揮する。
【0006】
吹出口(5)から吹き出される乾燥空気だけでは、濡れた頭髪を乾かす速度が不十分である場合には、補助ヒーターを設けて、頭髪を傷めない範囲で、通過する乾燥空気を若干加熱してもよい。図6は、通常のヒーター加熱方式のヘアードライヤーのヒーター部分を吸湿剤再生用ヒーター(7)として利用し、その後方に再生可能な吸湿剤(6)を設置したものである。頭髪を乾かす時には、吸湿剤再生用ヒーター(7)を作動させず、ファン(4)により吸込口(3)から取り入れた空気を吸湿剤(6)を通過させることで除湿し、吹出口(5)から常温に近い乾燥空気を吹き出すことにより濡れた頭髪を高温にせずに乾かす作用を発揮させる。一方、吸湿剤再生時には、吸湿剤再生用ヒーターを作動させて、吸い込んだ空気を高温にして吸湿剤(6)に吹きつけ、吸湿剤(6)を再生する。
【特許文献1】特開2001−190324号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら前記従来の構成では、高温の空気を一定時間頭髪に吹き付けるため、頭髪が熱により損傷を受けたり、抜け毛を引き起こすという課題を有していた。また、回転羽根により空気を頭髪に吹き付け頭髪を乾かすので、多くの風量を必要とするため回転羽根を1万数千rpm程度の高速で回転させる必要があり、非常に大きな騒音が発生するという課題を有していた。また、回転数を上昇させるに伴い、消費電力も大きくなってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱による頭髪の損傷を防ぐと共に、騒音の小さなドライヤーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために本発明のドライヤーは、使用者が把持可能な把持部と、毛髪に接触させかつ送風を行う送風部とを一体的に構成したドライヤーであって、羽根とモータとを具備し前記モータを駆動して前記羽根を回転させることで送風動作を行う送風手段と、前記送風部に設けられ前記送風手段からの空気を外部へ噴出する孔部と、前記送風部に設けられかつ吸湿可能な吸湿手段とを備えたものである。
【0010】
本構成によって、前記吸湿材が頭髪の水分を吸着除去し頭髪を乾かす。
【発明の効果】
【0011】
本発明のドライヤーによれば、吸湿材を直接濡れた頭髪に当てて頭髪を乾かすことで、モータ及び羽根を低回転で回転させるだけでよくなり、モータや羽根の回転時に発生する騒音を低減させることができ、消費電力も低減させることができる。
【0012】
また、熱により頭髪を損傷させることなく頭髪を乾かすことができる。
【0013】
さらに、吸湿材を用いるので、速やかに頭髪を乾燥させることができる。
【0014】
また、送風部を櫛状にすることで、頭髪の乾燥を行いながら、整髪も行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の請求項1〜3に記載の発明は、使用者が把持可能な把持部と、毛髪に接触させかつ送風を行う送風部とを一体的に構成したドライヤーであって、羽根とモータとを具備し前記モータを駆動して前記羽根を回転させることで送風動作を行う送風手段と、前記送風部に設けられ前記送風手段からの空気を外部へ噴出する孔部と、前記送風部に設けられかつ吸湿可能な吸湿手段とを備えたものであり、これにより、吸湿材を直接濡れた頭髪に当てて頭髪を乾かすことで、回転羽根の高速回転による騒音を防ぐことができ、また熱により頭髪を損傷させることなく頭髪を乾かすことができる。
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるドライヤー本体の構成を示すものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
【0018】
図1において、100は人体の頭髪を乾燥させるドライヤー本体、26は使用者がドライヤー本体100を手で保持する際に把持する部分である把持部に相当するドライヤー筒部で、略筒形状を成しており、その内部に各種部品や構造を配している。
【0019】
22はドライヤー筒部の一端部に配された吸湿材保持部材で、樹脂成形品より構成され、内部が中空構造となっている略筒形状を成している。なお、吸湿材保持部材には後述する通気孔が設けられ、送風部を構成している。
【0020】
23は吸湿材保持部材22の外周面に開けられた通風孔で、吸湿材保持部材22の内部中空部分から外部へ通じるように設けられている。本実施の形態では、図1(a)に示すように複数個の通風孔を配する構成としたが、その個数は特に限定されるものではなく図1(b)に示すように1個であっても構わない。当然ながら、複数個設けることで通風孔23を介して噴射される空気(温風)の噴射範囲を広げることができる。また、通気孔23の個数を少なく(例えば1個)にすれば、通気孔23の一つ当たりの空気(温風)の噴射量あるいは噴射力を大きくすることができる。また、本実施の形態では、図1(a)に示すように複数の通気孔23を千鳥状に配したが、配置方法については他の構成であっても構わない。
【0021】
21は吸湿材保持部材22の筒状部外周面に配された吸湿材で、水分や湿気を速やかに吸収する材質より構成され、また吸収した水分や湿気を乾燥させることで再利用が可能となっている。なお、本実施の形態では、吸湿材21の材料は綿糸を編み込んだものか不織布によって構成したが、これらに特に限定はせず、水分や湿気を吸収可能で、かつ乾燥により再利用が可能であれば、綿系以外のどのような材料を使って構成してもよい。また、吸湿材21は吸湿材保持部材22に頭髪等の被乾燥物に接触するように配置され、吸湿材保持部材22には吸湿材1に乾燥するのに最適な風が当たるよう配置した通風孔23が設けられている。つまり、本実施の形態のドライヤー本体100は、この吸湿材21の部位を、使用者の頭髪に接触あるいは近接させることで、湿気を帯びた頭髪を乾燥させることができるものである。
【0022】
25はドライヤー筒部26内の中空部に配されたモータで、別途設けられた電源スイッチ(図示せず)をONにすることで、コンセントなどからプラグ28を介して電源が供給されて、所定回転数にて回転駆動するものである。なお、供給電源は、一般的にはコンセントなどからの交流電源を用いるが、電池などを装着可能として直流電源により動作させるようにしてもよい。
【0023】
24はモータ25により回転駆動される回転羽根で、モータ25における回転軸に配されている。この回転羽根24が回転することで、空気の流れを発生させることができる。本実施の形態では、外気を吸気口27を介して矢印Aに示す方向へ取り込むような空気の流れを発生させている。なお、回転羽根24とモータ25とで送風手段を構成している。
【0024】
27はドライヤー筒部26の他端部に設けられた吸気口で、ドライヤー筒部26の内部中空と外部とが連通するように設けられている。なお図示では省略しているが、吸気口27の外郭部には、ドライヤー本体100内へ異物が侵入したりするのを防ぐために、金属製などで構成される網状のネットあるいは不織布を設けてもよい。
【0025】
以上のように構成された本実施の形態のドライヤーについて、以下その動作について説明する。
【0026】
まず、ドライヤー本体100を使用する際は、プラグ28をコンセント(図示せず)に挿入し、電源を確保する。次に、ドライヤー本体100に設けられた電源スイッチ(図示せず)をONにすることで、ドライヤー筒部26内に設けられたモータ25に電源が供給されて回転駆動する。モータ25が駆動すると、モータの回転軸に配された回転羽根24が矢印Dに示すように回転する。回転羽根25が回転すると、吸気口27を介して、外気が矢印A方向に示すようにドライヤー筒部26内へ流入する。
【0027】
流入した外気はさらに矢印Bに示すように移動し、吸湿材保持部22の内部中空部分へ移動する。吸湿材保持部22には、通気孔23が開口しているため、流入した外気は矢印Cに示すように通気孔23から吸湿材21へと噴出される。そして、吸湿材21を介して外部へと流出することになる。
【0028】
本ドライヤーを使用する際は、モータ25を駆動させた状態で、吸湿材21の部分を、人体の頭髪へ接触させる。これにより、頭髪に含まれた湿気や水分は吸湿材21へ吸収されることになる。さらに、通気孔23を介して空気が噴出されるため、頭髪の乾燥を促進させるとともに、湿気を含んだ吸湿材21を速やかに乾燥させることができる。
【0029】
以上のように本実施の形態によれば、再生可能な吸湿部材21が直接頭髪に当接して速やかに頭髪の水分を吸着除去するため、頭髪を損傷せずに速やかに乾かすことができる。
【0030】
また、回転羽根24によりドライヤー筒部26に送られ通風孔23から吹き出された空気が、頭髪の乾燥を促進させると共に吸湿材21を乾燥し再生させる。この時、回転羽根24を高速で回転させる必要がないため、耳元での騒音を抑えることができるとともに、消費電力を低減させることもできる。
【0031】
さらに、不織布などからなる吸湿材21を設けているため、モータ25で発生する音を吸音することができ、実際に聞こえるモータ25の騒音を低減させることができる。
【0032】
なお、再生可能な吸湿部材21と通風孔23から吹き出される空気だけでは、乾かす速度が不十分であるほど大量の濡れた頭髪を乾かす場合には、ドライヤー筒部26内部に補助ヒーターを設けて、頭髪を傷めない範囲で、通過する空気を過熱してもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、頭髪を乾燥させる用途して用いたが、吸湿材21を接触させて湿気や水分を吸着させることができれば、頭髪以外の箇所を乾燥させる目的で使用してもよい。例えば、犬や猫などの哺乳類の体毛を乾燥させる用途としても用いてもよい。
【0034】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態1におけるドライヤー本体の構成を示すものであり、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
【0035】
図2において、100は人体の頭髪を乾燥させるドライヤー本体、36は使用者がドライヤー本体100を手で保持する際に把持する部分であるドライヤー筒部で、略筒形状を成しており、その内部に各種部品や構造を配している。
【0036】
32はドライヤー筒部の一端部に配された吸湿材保持部材で、樹脂成形品より構成され、内部が中空構造となっている略筒形状を成している。なお、吸湿材保持部材には後述する通気孔が設けられ、送風部を構成している。
【0037】
33は吸湿材保持部材32の外周面に開けられた通風孔で、吸湿材保持部材32の内部中空部分から外部へ通じるように設けられている。本実施の形態では、図2に示すように複数個の通風孔を配する構成としたが、その個数は特に限定されるものではなく、1個であっても構わない。当然ながら、複数個設けることで通風孔33を介して噴射される空気(温風)の噴射範囲を広げることができる。また、通気孔33の個数を少なく(例えば1個)にすれば、通気孔33の一つ当たりの空気(温風)の噴射量あるいは噴射力を大きくすることができる。また、本実施の形態では、図2に示すように複数の通気孔23を、櫛状部38と交互に配したが、配置方法については他の構成であっても構わない。
【0038】
31は櫛状部38の外周面に配された吸湿材で、水分や湿気を速やかに吸収する材質より構成され、また吸収した水分や湿気を乾燥させることで再利用が可能となっている。なお、本実施の形態では、吸湿材31の材料は特に限定せず、水分や湿気を吸収可能で、かつ乾燥により再利用が可能であれば、どのような材料を使って構成してもよい。また、吸湿材31は吸湿材保持部材32に頭髪等の被乾燥物に接触するように配置され、吸湿材保持部材32には吸湿材31に乾燥するのに最適な風が当たるよう配置した通風孔33が設けられている。つまり、本実施の形態のドライヤー本体100は、この吸湿材31の部位を、使用者の頭髪に接触あるいは近接させることで、湿気を帯びた頭髪を乾燥させることができるものである。
【0039】
35はドライヤー筒部36内の中空部に配されたモータで、別途設けられた電源スイッチ(図示せず)をONにすることで、コンセントなどからプラグを介して電源が供給されて、所定回転数にて回転駆動するものである。なお、供給電源は、一般的にはコンセントなどからの交流電源を用いるが、電池などを装着可能として直流電源により動作させるようにしてもよい。
【0040】
34はモータ35により回転駆動される回転羽根で、モータ35における回転軸に配されている。この回転羽根34が回転することで、空気の流れを発生させることができる。本実施の形態では、外気を吸気口37を介して矢印Aに示す方向へ取り込むような空気の流れを発生させている。なお、回転羽根34とモータ35とで送風手段を構成している。
【0041】
37はドライヤー筒部36の他端部に設けられた吸気口で、ドライヤー筒部36の内部中空と外部とが連通するように設けられている。なお図示では省略しているが、吸気口37の外郭部には、ドライヤー本体100内へ異物が侵入したりするのを防ぐために、金属製などで構成される網状のネットあるいは不織布を設けてもよい。
【0042】
38は吸湿材保持部32に複数本植立して配した櫛状部で、頭髪を解いて整髪するためのものである。本実施の形態では、吸湿材31は櫛状部38の外周部に設けている。本実施の形態では、略棒状の櫛状部38の先端以外の側面に吸湿材31を配したが、配置方法はこれに限るものではなく、櫛状部38の先端を含めて吸湿材31を配してもよいし、断片的に配置してもよい。櫛状部38を図示のように設けたことで、通気孔33は櫛状部38の根元部分に配されることになる。
【0043】
以上のように構成された本実施の形態のドライヤーについて、以下その動作について説明する。
【0044】
まず、ドライヤー本体100を使用する際は、プラグをコンセント(図示せず)に挿入し、電源を確保する。次に、ドライヤー本体100に設けられた電源スイッチ(図示せず)をONにすることで、ドライヤー筒部36内に設けられたモータ35に電源が供給されて回転駆動する。モータ35が駆動すると、モータの回転軸に配された回転羽根34が矢印Dに示すように回転する。回転羽根35が回転すると、吸気口37を介して、外気が矢印A方向に示すようにドライヤー筒部36内へ流入する。
【0045】
流入した外気はさらに矢印Bに示すように移動し、吸湿材保持部32の内部中空部分へ移動する。吸湿材保持部32には、通気孔33が開口しているため、流入した外気は矢印Cに示すように通気孔33から外部へと噴出される。
【0046】
本ドライヤーを使用する際は、モータ35を駆動させた状態で、櫛状部38で人体の頭髪を解く。すると、櫛状部38には吸湿材31が配されているため、吸湿材31が頭髪へ接触することとなる。これにより、頭髪を解いて整髪しながら、頭髪に含まれた湿気や水分は吸湿材31へ吸収されることになる。さらに、通気孔33を介して空気が噴出されるため、頭髪の乾燥を促進させるとともに、湿気を含んだ吸湿材31を速やかに乾燥させることができる。
【0047】
以上のように本実施の形態によれば、再生可能な吸湿部材31が直接頭髪に当接して速やかに頭髪の水分を吸着除去するため、頭髪を損傷せずに乾かすことができる。
【0048】
また、回転羽根34によりドライヤー筒部36に送られ通風孔33から吹き出された空気が、頭髪の乾燥を促進させると共に吸湿材31を乾燥し再生させる。この時、回転羽根34を高速で回転させる必要がないため、耳元での騒音を抑えることができるとともに、消費電力を低減させることもできる。
【0049】
さらに、不織布などからなる吸湿材31を設けているため、モータ35で発生する音を吸音することができ、実際に聞こえるモータ35の騒音を低減させることができる。
【0050】
さらには、吸湿材31を櫛状部38の外周部に設けているため、櫛状部38で頭髪を解いて整髪しながら、頭髪の湿気や水分を除去することができる。
【0051】
なお、再生可能な吸湿部材31と通風孔33から吹き出される空気だけでは、乾かす速度が不十分であるほど大量の濡れた頭髪を乾かす場合には、ドライヤー筒部36内部に補助ヒーターを設けて、頭髪を傷めない範囲で、通過する空気を過熱してもよい。
【0052】
なお、本実施の形態では、頭髪を乾燥させる用途して用いたが、吸湿材31を接触させて湿気や水分を吸着させることができれば、頭髪以外の箇所を乾燥させる目的で使用してもよい。例えば、犬や猫などの哺乳類の体毛を乾燥させる用途としても用いてもよい。
【0053】
なお、本実施の形態において、吸湿材保持部材32は櫛状部38を設けたが、図3(a)のように薄板状の保持部42を設けて、その両面に吸湿材41を貼り付けてもよい。この構成では、薄板状の保持部42を用いて頭髪を解くことで、頭髪に含まれる湿気や水分を吸湿材で吸湿させることができると同時に、整髪も行うことができる。なお、43は複数の保持部42の間に設けられた通気孔である。
【0054】
また、図3(b)のように、略円筒形状の吸湿材保持部52の側面から、放射状に櫛状部58を複数設けてもよい。この構成では各櫛状部58の先端に略球形状の吸湿材51を設けている。そして、吸湿材保持部52には複数の通気孔53が設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明にかかるドライヤーは、熱による頭髪の損傷を防ぐことができると共に、騒音を抑えることが可能になるので、頭髪などを乾かす小型送風乾燥装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(a)本発明の実施の形態1におけるドライヤーの斜視図(b)本発明の実施の形態1におけるドライヤーの断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態2におけるドライヤーの斜視図(b)本発明の実施の形態2におけるドライヤーの断面図
【図3】本発明の実施の形態2におけるドライヤーの斜視図
【図4】従来のドライヤーの断面図
【図5】従来のドライヤーの断面図
【図6】従来のドライヤーの断面図
【符号の説明】
【0057】
21、31 吸湿材
22、32 吸湿材保持部材
23、33 通風孔
24、34 回転羽根
25、35 モータ
26、36 ドライヤー筒部
27、37 吸込口
28、38 通気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が把持可能な把持部と、毛髪に接触させかつ送風を行う送風部とを一体的に構成したドライヤーであって、羽根とモータとを具備し前記モータを駆動して前記羽根を回転させることで送風動作を行う送風手段と、前記送風部に設けられ前記送風手段からの空気を外部へ噴出する孔部と、前記送風部に設けられかつ吸湿可能な吸湿手段とを備えたことを特徴とするドライヤー。
【請求項2】
送風部に、棒状突起が複数植立した櫛状部を設け、吸湿材を前記櫛状部の表面に配置したことを特徴とする請求項1に記載のドライヤー。
【請求項3】
送風部に、複数の薄板状の保持部を設け、吸湿材を前記保持部表面に配置したことを特徴とする請求項1に記載のドライヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−130035(P2006−130035A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321668(P2004−321668)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)