ドライヤー
【課題】物体の乾燥機能と、空気清浄機能とを併せ持つドライヤーを提供すること。
【解決手段】このドライヤーは、ドライヤー本体60と、設置台とを備え、ドライヤー本体60のハウジング1内に、ファンと、ヒータ3と、イオン発生装置4を設置する。上記ファンは、ハウジング1の吸込口14から吹出口15までの空気の流れを生成し、ヒータ3は、上記空気を加熱し、イオン発生装置4は、上記空気の流れにイオンを放出する。ドライヤー本体60は、操作部10を有し、操作部10によって、ファンを低出力駆動し、ヒータ3を停止し、かつ、イオン発生装置4を駆動する空気清浄モードの運転を選択できるようになっている。
【解決手段】このドライヤーは、ドライヤー本体60と、設置台とを備え、ドライヤー本体60のハウジング1内に、ファンと、ヒータ3と、イオン発生装置4を設置する。上記ファンは、ハウジング1の吸込口14から吹出口15までの空気の流れを生成し、ヒータ3は、上記空気を加熱し、イオン発生装置4は、上記空気の流れにイオンを放出する。ドライヤー本体60は、操作部10を有し、操作部10によって、ファンを低出力駆動し、ヒータ3を停止し、かつ、イオン発生装置4を駆動する空気清浄モードの運転を選択できるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライヤーとしては、特開2002−191426号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
【0003】
このドライヤーは、マイナスイオン発生部を有し、マイナスイオンを発生できるようになっている。このドライヤーは、ドライヤーからの風に、マイナスイオンを含有させて、その風に含有させたマイナスイオンによって、毛髪のトリートメント行い得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−191426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のドライヤーは、ドライヤー本体の機能である毛髪トリートメントとしての機能しか持っていない。
【0006】
本発明者は、ドライヤーと、空気清浄機とが、共通のファンという構成要素を持っていることに着目して、ドライヤーを空気清浄機として機能させることを着想したのである。そして、本発明者は、そのようなドライヤーを実現できれば、全く新しい商品需要を生み出すことができ、かつ、ドライヤーの電化製品としての、新たな側面、価値の再発見、更には、ドライヤーの技術的価値に、革新をもたらすことができることに気が付いたのである。
【0007】
詳しくは、ドライヤーは、寝室における鏡台の周辺や、洗面所で使用されることが多い。ここで、寝室においては、人が睡眠時に長時間滞在することになり、睡眠時に、空気の清浄が行われることが好ましい。
【0008】
また、洗面所は、水跳や、風呂場からの蒸気等によって、湿度が高く、雑菌や、かびが繁殖し易い環境にある。したがって、空気清浄機で、それらの雑菌や、かびの繁殖を抑えることが好ましい。しかしながら、洗面所は、狭くて、物が多いことが多く、別途空気清浄機を、配置するスペースを確保しにくい場合がある。
【0009】
したがって、別途、空気清浄機を購入することなく、寝室の空気を清浄することができると好ましく、また、洗面所のかびや雑菌を、家電製品を増やさずに、死滅させることが所望されている。
【0010】
また、ドライヤーは、せいぜい一時間程度しか使用されない家電製品であり、ドライヤーとして使用されない時間、他の用途で使用できれば、ドライヤーの使用頻度を大きくできて、ドライヤーの対費用効果を格段に大きくできる。
【0011】
しかしながら、上述のように、上記従来のドライヤーを含めて従来のドライヤーで、空気清浄機として機能可能なものは、存在していない。
【0012】
そこで、本発明の課題は、物体(髪や衣類等)の乾燥機能と、空気清浄機能とを併せ持つドライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、この発明のドライヤーは、
吸込口と、吹出口とを有するハウジングと、
低出力駆動と、その低出力駆動よりも高出力の高出力駆動とが可能であると共に、上記ハウジング内に設けられて、上記吸込口から上記吹出口までの空気の流れを生成するファンと、
上記ハウジング内に設けられて、上記空気を加熱するヒータと、
上記ハウジング内に設けられて、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを上記空気の流れに放出するためのイオン発生装置と、
設置部と、
上記ファンを上記低出力駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードの運転を選択する空気清浄モード選択手段と
を備えることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、ファンを高出力駆動し、ヒータを駆動または非駆動にし、かつ、イオン発生装置を駆動または非駆動にすることによって、物体(例えば、髪や、衣類等)の乾燥を行うことができる。一方、本発明によれば、空気清浄モード選択手段によって空気清浄モードを選択することによって、ファンを低出力駆動し、ヒータを非駆動にし、かつ、イオン発生装置を駆動することによって、ドライヤーを空気清浄機として機能させることができる。
【0015】
したがって、例えば、ドライヤーが、寝室の鏡台の周辺に設置されている場合に、別途、空気清浄機を購入することなく、睡眠時等に、寝室の空気を清浄することができる。また、例えば、ドライヤーが、洗面所等の湿気が多い箇所に配置されている場合には、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができて、洗面所が狭い場合であっても、別途、大きな配置スペースが必要な空気清浄機を配置することがなく、洗面所の雑菌やカビの繁殖を抑制することができる。また、ドライヤーが、それ以外の場所に配置されている場合でも、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、ドライヤーが配置されている場所の空気の清浄のために使用することができる。
【0016】
また、本発明によれば、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができるから、ドライヤーの使用頻度を大きくできて、ドライヤーの対費用効果を格段に大きくすることができる。
【0017】
また、一実施形態では、
上記設置部は、上記吹出口を一定の方向に向けて上記ハウジングの位置および姿勢を定めて設置できるように構成されている。
【0018】
上記設置部としては、例えば、設置台や、ハウジングに形成されたフックや、ハウジングに形成された吸盤や、ハウジングの平面形状の底面等(この場合、吸込口は、ハウジングの側面にある)がある。
【0019】
上記実施形態によれば、設置部が、吹出口を一定の方向に向けてハウジングの位置および姿勢を定めて設置できるように構成されているから、空気清浄モードにおいて、吹出口から効率よく、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを吹き出すことができる。
【0020】
また、一実施形態では、
上記設置部は、上記ハウジングを設置する設置台を含んでいる。
【0021】
上記実施形態によれば、上記設置部は、上記ハウジングを設置する設置台を含んでいるから、上記ハウジングを、安定させて設置できる。
【0022】
また、一実施形態では、
上記設置台は、その設置台に上記ハウジングを互いに異なる複数の姿勢で設置可能である。
【0023】
上記実施形態によれば、ドライヤーからの風の風向きを、使用でより好適な向きにすることができる。
【0024】
また、一実施形態では、
上記設置台は、上記ハウジングを連続的に略全方位に姿勢を変えることができるように構成されている。
【0025】
上記実施形態によれば、ハウジングが、設置台に対して連続的に全方位に姿勢を変えることができるから、ユーザの好みにより、ドライヤーの向きを自在に変えることができる。
【0026】
また、一実施形態では、
上記空気清浄モード選択手段は、一つの選択スイッチから構成されている。
【0027】
上記実施形態によれば、ユーザは、ワンタッチで空気清浄モードを実現できる。
【0028】
また、一実施形態では、
上記ハウジングが上記設置部により設置されているか否かを検出するための位置センサと、
上記ファン、上記ヒータおよび上記イオン発生装置の駆動を制御する制御部と
を備え、
上記制御部は、上記位置センサから上記ハウジングが上記設置部により設置されたことを表す信号を受けると、自動的に、上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する。
【0029】
上記実施形態によれば、ハウジングによって画定されたドライヤー本体を、設置部により設置するだけで自動的に空気清浄機として機能させることができる。
【0030】
また、一実施形態では、
上記制御部は、上記位置センサからの信号に基づいて上記ハウジングが上記設置部により設置されている時間を計測するタイマを備え、
上記制御部は、上記タイマが計測する時間が、予め定められた時間になると、上記ファンおよび上記イオン発生装置を停止させる。
【0031】
上記実施形態によれば、ドライヤーを空気清浄機として機能させているときに、ドライヤーがつけっぱなしになることを防止できて、無駄な電力を消費することを防止できる。
【0032】
また、一実施形態では、
上記イオン発生装置は、正イオンおよび負イオンの両方を、上記空気の流れに放出する。
【0033】
上記実施形態によれば、雑菌やかびを殺菌する殺菌力を大きくすることができる。また、上記実施形態によれば、髪を乾かす風に正イオンおよび負イオンを混入することができて、正イオンおよび負イオンを含んだ風を、髪に吹き付けることができる。したがって、髪が静電気等によって帯電していても、髪の静電気を除電できて、髪のまとわりつき等を抑制できて、髪の乾燥を円滑に行うことができる。
【0034】
また、一実施形態では、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードを選択する除電熱風モード選択手段を有している。
【0035】
上記実施形態によれば、除電熱風モード選択手段で、除電熱風モードを選択することによって、髪のまとわりつき等を抑制しながら、髪を短時間で乾燥することができる。
【0036】
また、一実施形態では、
上記制御部は、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電冷風モード
のうちの一つを選択して運転することが可能であり、
上記除電熱風モード、上記空気清浄モード、上記除電冷風モードのいずれが運転しているのかを表示する表示部を備える。
【0037】
上記実施形態によれば、表示部の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードとを判別することができる。
【0038】
また、一実施形態では、
上記制御部は、さらに、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する冷風モード
の制御が可能であり、
上記表示部は、さらに、上記熱風モードおよび冷風モードの表示が可能である。
【0039】
上記実施形態によれば、表示部の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードと、熱風モードと、冷風モードとを判別することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、物体(髪や衣類等)の乾燥機能と、空気清浄機能とを適宜使い分けできるドライヤーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態のドライヤーのドライヤー本体の基本構成を示す模式図である。
【図2】上記ドライヤー本体の制御部と、各部位との入出力の関係を示すブロック図である。
【図3】この実施形態のドライヤーが備える設置台を示す斜視図である。
【図4】ドライヤー本体を吸込口側から見たときの斜視図である。
【図5】この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【図6】この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【図7】この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【図8】本実施形態のドライヤーの制御の一例を説明するフローチャートであり、連携モードの制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】変形例の設置台を、上方からみたときの図である。
【図10】変形例の設置台の断面の一部を示す図である。
【図11】図9に示す変形例の設置台に設置されるドライヤー本体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。尚、以下の実施形態において、上、下、上面、下面、水平面、上側、下側等、鉛直方向や、水平方向を示す文言が使用されたとき、それは、以下に詳述する設置台が、水平面に設置された状態での、方向を示しているものとする。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態のドライヤーのドライヤー本体60の基本構成を示す模式図である。
【0044】
図1に示すように、このドライヤー本体60は、ハウジング1と、送風ユニット2と、ヒータ3と、イオン発生装置4と、制御部5と、位置センサ6と、温度センサ7と、ヒータ制御装置8と、表示部9と、操作部10とを備える。
【0045】
上記ハウジング1は、筒状の本体部11と、取手部12とを有し、取手部12は、本体部11に接続している。上記本体部11は、吸込口14と、吹出口15とを有し、吸込口14は、本体部11の延在方向の一端部に位置する一方、吹出口15は、本体部11の延在方向の他端部に位置している。
【0046】
上記取手部12は、関節16により、本体部11に対して折り畳み可能になっている。上記取手部12は、図1に示す収容配置では、本体部11に沿うように延在する一方、取手の機能を発揮するときには、本体部11の軸方向に垂直な方向に延在するようになっている。
【0047】
上記送風ユニット2は、ハウジング1の本体部11内に配置されている。上記送風ユニットは、DC軸流ファン(直流軸流ファン:以下、単にファンという)と、DCファンモータ(以下、単にファンモータという)とを備え、ファンは、ファンモータによって駆動されるようになっている。上記ファンは、ハウジング1の本体部11内に、吸込口14から吹出口15までの空気の流れを生成するようになっている。上記制御部5によるファンモータの制御により、上記ファンは、多段出力駆動を可能にする周知の駆動回路により、高出力駆動と、その高出力駆動よりも低出力の低出力駆動とをできるようになっている。
【0048】
上記ヒータ3は、ハウジング1の本体部11内に位置している。上記ヒータ3は、吸込口14から吹出口15までの空気の流れの流路内であって、上記ファンおよび上記ファンモータよりも上記空気の流れの下流に位置している。上記ヒータ3は、吸込口14から取り込んだ空気を加熱して温風を生成するようになっている。
【0049】
上記イオン発生装置4は、特許第3680121号に記載されている著名のイオン発生装置で構成され、プラスとマイナスの著名なPCI(プラズマクラスターイオン)を放出できるようになっている。上記イオン発生装置4は、上記ファンおよび上記ファンモータよりも上記空気の流れの下流側で、かつ、ヒータ3よりも上記空気の流れの上流側に位置している。上記イオン発生装置4は、上記空気の流れの中に正負のPCIを放出するようになっている。
【0050】
上記位置センサ6は、磁気センサからなっている。上記位置センサ6は、本体部11内の軸方向の吸込口14側の端部に配置されている。上記位置センサ6は、後述する設置台に内蔵された磁石の磁場を検出すると、磁場を検出したことを表す信号を、制御部5に出力するようになっている。
【0051】
上記温度センサ7は、例えば、赤外線センサで構成され、主に髪の状態を検出する役割を担っている。上記温度センサ7は、ハウジング1の本体部11の外面の吹出口15の近傍に取り付けられている。上記温度センサ7は、赤外線を用いて吹出口15からの気体が吹き付けられる吹付対象体(例えば、髪や衣類等)の温度を測定するようになっている。
【0052】
上記ヒータ制御装置8は、接点を有している。上記ヒータ制御装置8は、制御部5からの信号を受けて、ヒータ3への電力の通遮電を行い、ヒータ3から発せされる熱量を制御するようになっている。
【0053】
上記操作部10は、ハウジング1の取手部12に形成されている。上記操作部10は、除電熱風モード選択手段、空気清浄モード選択手段、除電冷風モード選択手段、熱風モード選択手段および冷風モード選択手段を構成するボタン群(図示しない)からなっている。
【0054】
ユーザが、操作部10を用いて情報を入力すると、その情報は、制御部5に送られるようになっている。ユーザは、操作部10を介して、ヒータ3を駆動すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動する除電熱風モードと、ヒータ3を停止すると共に、上記ファンを低出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動する空気清浄モードと、ヒータ3を停止すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動する除電冷風モードと、ヒータ3を駆動すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を停止する熱風モードと、ヒータ3を停止すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を停止する冷風モードとを、自在に切り替えできるようになっている。
【0055】
また、ユーザは、操作部10を介して、ドライヤーを、物体(髪、衣類等)を乾燥させる用途で使用しているときに、後述の設置台に設置した後、自動的に空気清浄モードに変換させる連携モードを選択できるようになっている。また、ユーザは、操作部10を介して情報を入力することにより、連携モードまたは空気清浄の用途で単独で使用される際に、ドライヤー本体60が、後述の設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する時間を入力することができるようになっている。
【0056】
上記表示部9は、ハウジング1の取手部12に存在している。上記表示部9は、駆動されているモード(除電熱風モード〜冷風モードのうちのいずれか)を表示するようになっている。また、表示部9は、上記連携モードが選択されているか否かを表示するようになっている。また、ドライヤー本体60が、後述の設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する時間が入力されているときには、表示部9は、その時間を表示するようになっている。
【0057】
上記制御部5は、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)からなっている。上記制御部5は、プログラムおよびデータを格納する図示しないメモリにアクセスすることができるようになっている。また、制御部5と、各部とは、I/F(インターフェイス:Interface)によって、データを入出力するようになっている。上記制御部5および上記メモリは、上記空気の流れにおいて、送風ユニット2のファンよりも下流側で、かつ、ヒータ3よりも上流側に位置している。このようにして、上記制御部5の電装品およびメモリが、上記空気の流れで冷却されるようにしている。
【0058】
図2は、上記制御部5と、各部位との入出力の関係を示すブロック図である。
【0059】
図2に示すように、制御部5は、タイマ30を有している。上記制御部5には、ヒータ制御装置8、ファンモータ31、位置センサ6、温度センサ7、操作部10、PCI発生用高周波回路32および表示部9が接続されている。上記制御部5は、これらの部位の夫々と、I/Fを介してつながっている。
【0060】
上記制御部5は、操作部10からの情報、位置センサ6および温度センサ7からの信号に基づいて、ヒータ3のヒータ制御装置8を制御するようになっており、ヒータ3の駆動を制御するようになっている。また、上記制御部5は、操作部10からの情報および位置センサ6に基づいて、ファンモータ31およびPCI発生用高周波回路32を制御するようになっており、ファンおよびイオン発生装置4の駆動を制御するようになっている。
【0061】
また、上記制御部5は、操作部10を介して、後述の設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する設置時間が入力されているときには、設置時間をタイマ30で測定して、その入力時間の経過後、ドライヤーの空気清浄機能を停止すべく、各部位の駆動を停止させるようになっている。また、上記制御部5は、表示部9に表示情報を出力するようになっている。
【0062】
図3は、この実施形態のドライヤーが備える設置台35を示す斜視図である。
【0063】
この実施形態のドライヤーは、設置台35を備え、ドライヤー本体60(図1参照)が、設置台35に設置可能になっている。
【0064】
図3に示すように、上記設置台35は、上皿40と、下皿50とを有し、上皿40は、下皿50の上面に設置されるようになっている。上記上皿40には、磁石が埋め込まれている。上記上皿40は、凹面41と、貫通穴42と、レール状(畝状)の突出部43と、凸面47と、断面矩形状の溝45とを有する。上記凹面41は、上皿40の上面に存在している。上記上皿40は、環状部材で、貫通穴42は、上皿40の中央部に存在し、貫通穴42は、上皿40を上皿40の軸方向に貫通している。
【0065】
上記レール状の突出部43は、上皿40を上から見たときの平面図において、凹面41の縁を表す円の直径方向に、貫通穴42の存在箇所を除いて、一直線上に、形成されている。また、上記溝45は、上皿40を下から見たときの平面図において、凸面47の縁を表す円の直径方向に、貫通穴42の存在箇所を除いて、凸面47を横断するように一直線上に形成されている。上記溝45は、上皿40を上から見たときの平面図において、レール状の突出部43の延在方向に略直交する方向に延在している。
【0066】
上記下皿50は、凹面51と、レール状(畝状)の突出部53と、貫通穴55と、平面状の設置面57とを有する。上記凹面51は、下皿50の上面に形成されている。また、上記レール状の突出部53は、下皿50を上から見たときの平面図において、凹面51の縁を表す円の直径方向に、一直線上に、形成されている。
【0067】
上記凹面51は、上皿40の凸面47に対応する形状を有しており、レール状の突出部53は、上皿40の溝45に対応する形状を有している。上記凹面51は、上皿40の凸面47に当接するようになっており、レール状の突出部53は、上皿40の溝45に嵌め込まれるようになっている。このような構造により、上皿40は、下皿50に対して、下皿50のレール状の突出部53の延在方向に摺動自在になっており、静止摩擦力によって、上皿40は、下皿50に対して、自在の方向に傾けられた状態で、下皿50の上面に設置されることができるようになっている。
【0068】
上記設置面57は、洗面台や、鏡台等にある水平面上に設置されることが予定されている。また、上記貫通穴55は、上皿40が下皿50に対して如何なる方向を向けて設置されたとしても、貫通穴42に連通するようになっている。このことから、上皿40が下皿50に対して如何なる方向を向けて設置されたとしても、設置台35の外部の空気が、貫通穴55から設置台35の内部に入り込んで、更に、貫通穴42から設置台35の外部に、抜け出ることが可能になっている。上記ドライヤー本体60を設置台35に設置したときに、ドライヤー本体60が如何なる姿勢であっても、貫通穴42の少なくとも一部が、ドライヤー本体60の吸込口14に面することができるようになっている。このようにして、ドライヤー本体60を設置台35に設置した際にも、ドライヤーでの空気の取り込みが円滑に行えるようにしている。
【0069】
図4は、ドライヤー本体60を吸込口14側から見たときの斜視図である。
【0070】
図4に示すように、ドライヤー本体60は、下面67と、溝61とを有し、下面67は、ハウジング1の本体部11の軸方向の吸込口14側に位置している。上記下面67は、凸面であって、設置台35の凹面41(図3参照)に対応する形状をしている。
【0071】
上記溝61は、下面67に存在している。上記溝61は、下面67を上から見たときの平面図において、下面67の縁を表す円68の直径方向に、吸込口14の存在箇所を除いて、下面67を横断するように一直線上に形成されている。上記溝61は、上皿40の凹面41のレール状の突出部43(図3参照)に対応する形状を有している。上記レール状の突出部43は、ドライヤー本体60の溝61に嵌め込まれるようになっている。このような構造により、ドライヤー本体60は、上皿40に対して、上皿40のレール状の突出部43の延在方向に摺動自在になっており、静止摩擦力によって、ドライヤー本体60は、上皿40に対して、自在の方向に傾けられた状態で、上皿40の上面に設置されることができるようになっている。
【0072】
図3および図4を参照して、上皿40は、水平面に設置される下皿50に対して、下皿50のレール状の突出部53の方向に連続的に傾斜可能に設置でき、更に、ドライヤー本体60は、上皿40に対して、レール状の突出部53に直交する方向に連続的に傾斜可能に設置できるようになっている。このようにして、ドライヤー本体60を、水平面に対して自在な方向に傾斜させることができるようになっており、ドライヤー本体60(ハウジング1)が、設置台35に対して連続的に全方位に姿勢を変えることができるようになっている。
【0073】
上記ドライヤー本体60が、設置台35に設置されている状態では、ドライヤー本体60が如何なる方向を向いていても、ドライヤー本体60の位置センサ6は、設置台35の上皿40に埋め込まれている磁石の磁場を検出できるようになっている。
【0074】
図5〜図7は、この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【0075】
詳しくは、図5は、ユーザが、ドライヤー本体60を、手に持って使用するときのドライヤー本体60を示す図である。図5に示すように、ユーザは、ドライヤー本体60を手に持って使用するとき、ハウジング1の取手部12を、ハウジング1の本体部11の延在方向に略直交する方向に延在させるようになっている。
【0076】
また、図6は、ユーザが、ドライヤーを空気清浄機として使用する場合での、設置台35に対するドライヤー本体60の設置の一態様を示す図である。この態様では、ドライヤー本体60のハウジング1の本体部11の軸方向が、設置台35の下皿の軸方向(鉛直方向)に略一致している。
【0077】
また、図7は、ユーザが、ドライヤーで髪の乾燥を行う場合での、設置台35に対するドライヤー本体60の設置の一態様を示す図である。この態様では、ドライヤー本体60のハウジング1の本体部11の軸方向が、設置台35の下皿の軸方向(鉛直方向)に対して傾斜している。ドライヤー本体60が、このように傾斜している状態で、頭をドライヤー本体60の吹出口15に向けることで、ハンドフリーで、髪を乾燥させることが可能になる。
【0078】
図8は、本実施形態のドライヤーの制御の一例を説明するフローチャートであり、連携モードの制御の一例を示すフローチャートである。
【0079】
詳しくは、ユーザの操作部10を介する入力により、ドライヤー本体60を、手に持っていずれかの乾燥モードで使用している際に、ドライヤー本体60を、設置台35に設置した場合に、自動的に、ドライヤーの使用モードが、空気清浄モードに切り替えられ、さらに、空気清浄モードに切り替えられてから所定時間後に、ドライヤーの駆動が終了する場合のフローチャートを示す図である。
【0080】
尚、この制御を行う前段階として、ユーザは、操作部10を介して、ドライヤー本体60を、手に持っていずれかの乾燥モードで使用している際に、ドライヤー本体60を、設置台35に設置した場合に、自動的に、ドライヤーの使用モードが、空気清浄モードに切り替える情報を入力したものとする。また、ドライヤー本体60を設置したときから所定時間後(例えば、所定時間は、5時間や、5時間半や、6時間等、如何なる時間に設定されることもできる)に、ドライヤーが停止して、ドライヤーの空気清浄機能が停止する情報を入力したものとする。
【0081】
上記操作部10を介して、制御をスタートさせると、まず、図8のステップS1で、いずれかの乾燥モード(除電熱風モード、除電冷風モード、熱風モードまたは冷風モード)が選択されて、髪や衣類等の乾燥を行う。次にステップS2で、位置センサ6が、磁場を検出したか否かを判断する。このステップS2で、位置センサ6が、磁場を検出していないと判断すると、再度ステップS2を行う。一方、ステップS2で、位置センサ6が、磁場を検出したと判断すると、ステップS3で、上記いずれかの乾燥モードを、自動的に空気清浄モードに切り替えると同時に、タイマ30が、計測を開始する。
【0082】
次に、ステップS4で、タイマ30の計測時間が、ユーザが入力した所定時間を経過しているか否かを判断する。このステップS4で、計測時間が所定時間経過前であると判断すると、再度ステップS4を行う。一方、ステップS4で、計測時間が所定時間を経過したと判断すると、ステップS5で、ファンと、イオン発生装置4を、停止して、制御がエンドになる。
【0083】
上記実施形態のドライヤーによれば、ファンを高出力駆動し、ヒータ3を駆動または非駆動にし、かつ、イオン発生装置4を駆動または非駆動にすることによって、物体(例えば、髪や、衣類等)の乾燥を行うことができる。一方、上記実施形態のドライヤーによれば、空気清浄モード選択手段によって空気清浄モードを選択することによって、ファンを低出力駆動し、ヒータ3を非駆動にし、かつ、イオン発生装置4を駆動することによって、ドライヤーを空気清浄機として機能させることができる。
【0084】
したがって、例えば、ドライヤーが、寝室の鏡台の周辺に設置されている場合に、別途、空気清浄機を購入することなく、睡眠時等に、寝室の空気を清浄することができる。また、例えば、ドライヤーが、洗面所等の湿気が多い箇所に配置されている場合には、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができて、洗面所が狭い場合であっても、別途、大きな配置スペースが必要な空気清浄機を配置することがなく、洗面所の雑菌やカビの繁殖を抑制することができる。また、ドライヤーが、それ以外の場所に配置されている場合でも、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、ドライヤーが配置されている場所の空気の清浄のために使用することができる。
【0085】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができるから、ドライヤーの使用頻度を大きくできて、ドライヤーの対費用効果を格段に大きくすることができる。
また、上記実施形態のドライヤーによれば、設置台35が、吹出口14を一定の方向に向けてハウジング1の位置および姿勢を定めて設置できるように構成されているから、空気清浄モードにおいて、吹出口から空気を清浄する空間に効率よくイオンを吹き出すことができる。
【0086】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、上記設置部が、ハウジング1を設置する設置台35を含んでいるから、ハウジング1を、安定させて設置できる。
【0087】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、設置台35が、その設置台35にハウジング1を互いに異なる複数の姿勢で設置可能であるから、ドライヤーからの風の風向きを、使用でより好適な向きにすることができる。
【0088】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、設置台35が、ハウジング1を連続的に略全方位に姿勢を変えることができるように構成されているから、ユーザの好みにより、ドライヤーの向きを自在に変えることができる。
【0089】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、制御部5が、位置センサ6からハウジング1が設置台35により設置されたことを表す信号を受けると、自動的に、ヒータ3を停止すると共に、ファンを低出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動するようにすることができる。したがって、ハウジング1によって画定されたドライヤー本体60を、設置台35により設置するだけで自動的に空気清浄機として機能させることができる。
【0090】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、制御部5が、位置センサ6からの信号に基づいてハウジング1が設置台35により設置されている時間を計測するタイマ30を備え、制御部5が、タイマ30が計測する時間が、予め定められた時間になると、ファンおよびイオン発生装置4を停止させることができる。したがって、ドライヤーを空気清浄機として機能させているときに、ドライヤーがつけっぱなしになることを防止できて、無駄な電力を消費することを防止できる。
【0091】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、イオン発生装置4が、正イオンおよび負イオンの両方を、放出するようになっているから、雑菌やかびを殺菌する殺菌力を大きくすることができる。また、上記実施形態のドライヤーによれば、髪を乾かす風に正イオンおよび負イオンを混入することができて、正イオンおよび負イオンを含んだ風を、髪に吹き付けることができる。したがって、髪が静電気等によって帯電していても、髪の静電気を除電できて、髪のまとわりつき等を抑制できて、髪の乾燥を円滑に行うことができる。
【0092】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、上記除電熱風モード選択手段で、除電熱風モードを選択することによって、髪のまとわりつき等を抑制しながら、髪を短時間で乾燥することができる。
【0093】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、表示部9の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードとを判別することができ、また、表示部9の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードと、熱風モードと、冷風モードとを判別することができる。
【0094】
尚、上記実施形態のドライヤーでは、イオン発生装置4が、正、負のプラズマクラスターイオン(PCI)を、放出するようになっていたが、この発明では、イオン発生装置は、プラズマクラスターイオンでない、正イオンおよび負のイオンの両方を発生するようになっていても良い。
【0095】
また、上記実施形態のドライヤーでは、イオン発生装置4が、正、負のイオンの両方を放出するようになっていた。しかしながら、この発明では、イオン発生装置が、正のイオンか、または、負のイオンのいずれか一方のイオンしか放出しない構成であっても良く、上記実施形態で説明したドライヤーにおいて、正、負両イオンを放出できるイオン発生装置4を、正のイオンか、または、負のイオンのいずれか一方のイオンしか放出しないイオン発生装置に置き換えるだけで、そのようなドライヤーを実現することができる。
【0096】
また、上記実施形態のドライヤーでは、ハウジング1の本体部11内に、吸込口14から気体と共に吸い込まれる異物(花粉や埃等)を捕獲するフィルタが存在していなかったが、この発明では、ハウジングの本体部内に、吸込口から気体と共に吸い込まれる異物(花粉や埃等)を捕獲する着脱可能なフィルタを設けても良い。
【0097】
また、上記実施形態のドライヤーでは、空気清浄用途の際、ファンを、乾燥用途で使用しているときよりも低出力で、駆動するようにしたが、この発明では、空気清浄用途の際においても、ファンを、乾燥用途で使用している出力と同じ出力で駆動するようにしても良い。
【0098】
また、上記実施形態のドライヤーでは、表示部9が存在したが、この発明のドライヤーは、表示部を有していなくても良い。
【0099】
また、上記実施形態のドライヤーでは、ファンが、軸流ファンであったが、この発明では、ファンは、遠心ファンであっても良い。
【0100】
また、上記実施形態のドライヤーでは、ドライヤーを、物体(髪や、衣類等)を、乾燥する用途で使用する際、イオン発生装置4を、駆動することも、駆動しないことも可能であった。しかしながら、この発明では、ドライヤーを、物体(髪や、衣類等)を、乾燥する用途で使用する際、イオン発生装置を、駆動しないようにしても良く、また、逆に、ドライヤーを、物体(髪や、衣類等)を、乾燥する用途で使用する際、イオン発生装置を、必ず駆動するようにしても良い。
【0101】
また、上記実施形態のドイラヤーでは、設置部が、設置台35であったが、この発明では、設置部は、設置台でなくて、ドライヤー本体に、形成された、フックや、吸盤等であっても良く、これらのフック、吸盤等で、ドライヤー本体を壁に掛けることができるようにしても良い。このようにすると、ハンドフリーで髪を、容易に乾かすことができる。また、この発明では、設置部は、設置台でなくて、水平面に安定的に載置できる形状、例えば、ハウジング(ドライヤー本体)の平面からなる底面形状であっても良い。また、本発明では、設置部を、設置台、フック、吸盤、ハウジング(ドライヤー本体)の平面からなる底面形状のうちの二以上の構成要素で構成しても良い。尚、この発明が、ドライヤー本体のみで構成されても良いことは言うまでもない。
【0102】
また、上記実施形態のドライヤーでは、位置センサ6が、磁気センサであったが、この発明では、位置センサ6は、光学センサで構成されても良い、そして、水平面からの距離や、壁からの距離等を、光学センサで測定することにより、設置状態を検出しても良い。また、この発明では、設置部が、ドライヤー本体(ハウジング)の平面状の底面を含む場合に、位置センサを、その底面から突出するボタンで構成しても良い。そして、その底面が、水平面に載置されたときに、そのボタンが水平面からの垂直抗力で押圧されて、ドライヤー本体(ハウジング)内に沈み込むことによって、ドライヤー本体(ハウジング)が設置状態になったことを検出するようにしても良い。
【0103】
また、上記実施形態のドライヤーでは、上記操作部10が、除電熱風モード選択手段、空気清浄モード選択手段、除電冷風モード選択手段、熱風モード選択手段および冷風モード選択手段を構成するボタン群(図示しない)からなっていた。ここで、各モード選択手段(例えば、空気清浄モード選択手段)の夫々を、一のボタンで構成するようになっていても良く、複数のボタンで構成するようになっていても良い。ここで、各モード選択手段(例えば、空気清浄モード選択手段や、上記連携モードを選択する連携モード選択手段等)の夫々を、一のボタンで構成するようにすると、ワンタッチで空気清浄モード等の各モードを実現できる。
【0104】
また、上記実施形態のドライヤーでは、上皿40と、下皿50とで、ドライヤー本体60を、下皿50が設置されている水平面に対して自在に傾けることができるようにしたが、この発明では、それ以外の方法で、ドライヤー本体を、水平面に対して自在に傾けることができるようにしても良い。
【0105】
図9は、変形例の設置台135を、上方からみたときの図であり、後述する図11に示す変形例のドライヤー本体160を自在な姿勢で設置できる設置台135を、上方からみたときの図である。
【0106】
図9に示すように、この設置台135の上面は、図3に41で示す凹面と同様な凹面141になっていて、円形の縁158からその円の中央に行くにしたがって、凹面141の深さが深くなっている。上記設置台135は、図3に42で示す貫通穴に対応する貫通穴142を有している。
【0107】
図9に示すように、上記凹面141は、複数の有底の穴150を有している。上記複数の穴150は、凹面141の周方向に略均等に配置されている。また、上記複数の穴150は、図9の上面において、径方向に略均等に配置されている。尚、この明細書では、「略」は、視認において同じに見える程度を示す。
【0108】
図10は、設置台135の断面の一部を示す図であり、穴150の円形の縁の直径を含むと共に、設置台135が水平面に設置されている状態での鉛直方向を含む平面で、設置台135を切断したときの切断面の一部である。
【0109】
図10に示すように、上記各穴150は、穴150の底の方のスペースが広くなっており、壺状のスペースを画定している。再度、図9を参照して、参照番号180は、上方から見て、穴150のスペースが最も広がりを有している部分の縁の位置を示している。
【0110】
図11は、図9に示す変形例の設置台135に設置されるドライヤー本体160を示す図である。尚、図11においては、ドライヤー本体160の取手部の図示を省略している。
【0111】
図11に示すように、このドライヤー本体160は、吸込口114と、吹出口115と、円柱状の係止部190とを有する。上記吸込口114は、ハウジング101の本体部111の側面に存在している一方、吹出口115は、ハウジング101の本体部111の軸方向の一端部に存在している。また、上記係止部190は、ハウジング101の本体部111の軸方向の他端部の端面の中央から本体部111の軸方向に延在している。
【0112】
この変形例のドライヤーは、このドライヤー本体160の係止部190を、図9に示す設置台135のいずれかの穴150に差し込んで、ドライヤー本体160を、設置台135に設置するようになっており、ドライヤー本体160を、設置台135が設置される水平面に対して自在の方向に向けることができるようになっている。
【0113】
この変形例のドライヤーによれば、設置台135を単純な構造にすることができて、簡易な構造で、ドライヤー本体160を、設置台135が設置される水平面に対して自在の方向に向けることができる。
【符号の説明】
【0114】
1 ハウジング
2 送風ユニット
3 ヒータ
4 イオン発生装置
5 制御部
6 位置センサ
9 表示部
10 操作部
14 吸込口
15 吹出口
30 タイマ
35,135 設置台
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライヤーとしては、特開2002−191426号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
【0003】
このドライヤーは、マイナスイオン発生部を有し、マイナスイオンを発生できるようになっている。このドライヤーは、ドライヤーからの風に、マイナスイオンを含有させて、その風に含有させたマイナスイオンによって、毛髪のトリートメント行い得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−191426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のドライヤーは、ドライヤー本体の機能である毛髪トリートメントとしての機能しか持っていない。
【0006】
本発明者は、ドライヤーと、空気清浄機とが、共通のファンという構成要素を持っていることに着目して、ドライヤーを空気清浄機として機能させることを着想したのである。そして、本発明者は、そのようなドライヤーを実現できれば、全く新しい商品需要を生み出すことができ、かつ、ドライヤーの電化製品としての、新たな側面、価値の再発見、更には、ドライヤーの技術的価値に、革新をもたらすことができることに気が付いたのである。
【0007】
詳しくは、ドライヤーは、寝室における鏡台の周辺や、洗面所で使用されることが多い。ここで、寝室においては、人が睡眠時に長時間滞在することになり、睡眠時に、空気の清浄が行われることが好ましい。
【0008】
また、洗面所は、水跳や、風呂場からの蒸気等によって、湿度が高く、雑菌や、かびが繁殖し易い環境にある。したがって、空気清浄機で、それらの雑菌や、かびの繁殖を抑えることが好ましい。しかしながら、洗面所は、狭くて、物が多いことが多く、別途空気清浄機を、配置するスペースを確保しにくい場合がある。
【0009】
したがって、別途、空気清浄機を購入することなく、寝室の空気を清浄することができると好ましく、また、洗面所のかびや雑菌を、家電製品を増やさずに、死滅させることが所望されている。
【0010】
また、ドライヤーは、せいぜい一時間程度しか使用されない家電製品であり、ドライヤーとして使用されない時間、他の用途で使用できれば、ドライヤーの使用頻度を大きくできて、ドライヤーの対費用効果を格段に大きくできる。
【0011】
しかしながら、上述のように、上記従来のドライヤーを含めて従来のドライヤーで、空気清浄機として機能可能なものは、存在していない。
【0012】
そこで、本発明の課題は、物体(髪や衣類等)の乾燥機能と、空気清浄機能とを併せ持つドライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、この発明のドライヤーは、
吸込口と、吹出口とを有するハウジングと、
低出力駆動と、その低出力駆動よりも高出力の高出力駆動とが可能であると共に、上記ハウジング内に設けられて、上記吸込口から上記吹出口までの空気の流れを生成するファンと、
上記ハウジング内に設けられて、上記空気を加熱するヒータと、
上記ハウジング内に設けられて、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを上記空気の流れに放出するためのイオン発生装置と、
設置部と、
上記ファンを上記低出力駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードの運転を選択する空気清浄モード選択手段と
を備えることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、ファンを高出力駆動し、ヒータを駆動または非駆動にし、かつ、イオン発生装置を駆動または非駆動にすることによって、物体(例えば、髪や、衣類等)の乾燥を行うことができる。一方、本発明によれば、空気清浄モード選択手段によって空気清浄モードを選択することによって、ファンを低出力駆動し、ヒータを非駆動にし、かつ、イオン発生装置を駆動することによって、ドライヤーを空気清浄機として機能させることができる。
【0015】
したがって、例えば、ドライヤーが、寝室の鏡台の周辺に設置されている場合に、別途、空気清浄機を購入することなく、睡眠時等に、寝室の空気を清浄することができる。また、例えば、ドライヤーが、洗面所等の湿気が多い箇所に配置されている場合には、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができて、洗面所が狭い場合であっても、別途、大きな配置スペースが必要な空気清浄機を配置することがなく、洗面所の雑菌やカビの繁殖を抑制することができる。また、ドライヤーが、それ以外の場所に配置されている場合でも、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、ドライヤーが配置されている場所の空気の清浄のために使用することができる。
【0016】
また、本発明によれば、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができるから、ドライヤーの使用頻度を大きくできて、ドライヤーの対費用効果を格段に大きくすることができる。
【0017】
また、一実施形態では、
上記設置部は、上記吹出口を一定の方向に向けて上記ハウジングの位置および姿勢を定めて設置できるように構成されている。
【0018】
上記設置部としては、例えば、設置台や、ハウジングに形成されたフックや、ハウジングに形成された吸盤や、ハウジングの平面形状の底面等(この場合、吸込口は、ハウジングの側面にある)がある。
【0019】
上記実施形態によれば、設置部が、吹出口を一定の方向に向けてハウジングの位置および姿勢を定めて設置できるように構成されているから、空気清浄モードにおいて、吹出口から効率よく、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを吹き出すことができる。
【0020】
また、一実施形態では、
上記設置部は、上記ハウジングを設置する設置台を含んでいる。
【0021】
上記実施形態によれば、上記設置部は、上記ハウジングを設置する設置台を含んでいるから、上記ハウジングを、安定させて設置できる。
【0022】
また、一実施形態では、
上記設置台は、その設置台に上記ハウジングを互いに異なる複数の姿勢で設置可能である。
【0023】
上記実施形態によれば、ドライヤーからの風の風向きを、使用でより好適な向きにすることができる。
【0024】
また、一実施形態では、
上記設置台は、上記ハウジングを連続的に略全方位に姿勢を変えることができるように構成されている。
【0025】
上記実施形態によれば、ハウジングが、設置台に対して連続的に全方位に姿勢を変えることができるから、ユーザの好みにより、ドライヤーの向きを自在に変えることができる。
【0026】
また、一実施形態では、
上記空気清浄モード選択手段は、一つの選択スイッチから構成されている。
【0027】
上記実施形態によれば、ユーザは、ワンタッチで空気清浄モードを実現できる。
【0028】
また、一実施形態では、
上記ハウジングが上記設置部により設置されているか否かを検出するための位置センサと、
上記ファン、上記ヒータおよび上記イオン発生装置の駆動を制御する制御部と
を備え、
上記制御部は、上記位置センサから上記ハウジングが上記設置部により設置されたことを表す信号を受けると、自動的に、上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する。
【0029】
上記実施形態によれば、ハウジングによって画定されたドライヤー本体を、設置部により設置するだけで自動的に空気清浄機として機能させることができる。
【0030】
また、一実施形態では、
上記制御部は、上記位置センサからの信号に基づいて上記ハウジングが上記設置部により設置されている時間を計測するタイマを備え、
上記制御部は、上記タイマが計測する時間が、予め定められた時間になると、上記ファンおよび上記イオン発生装置を停止させる。
【0031】
上記実施形態によれば、ドライヤーを空気清浄機として機能させているときに、ドライヤーがつけっぱなしになることを防止できて、無駄な電力を消費することを防止できる。
【0032】
また、一実施形態では、
上記イオン発生装置は、正イオンおよび負イオンの両方を、上記空気の流れに放出する。
【0033】
上記実施形態によれば、雑菌やかびを殺菌する殺菌力を大きくすることができる。また、上記実施形態によれば、髪を乾かす風に正イオンおよび負イオンを混入することができて、正イオンおよび負イオンを含んだ風を、髪に吹き付けることができる。したがって、髪が静電気等によって帯電していても、髪の静電気を除電できて、髪のまとわりつき等を抑制できて、髪の乾燥を円滑に行うことができる。
【0034】
また、一実施形態では、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードを選択する除電熱風モード選択手段を有している。
【0035】
上記実施形態によれば、除電熱風モード選択手段で、除電熱風モードを選択することによって、髪のまとわりつき等を抑制しながら、髪を短時間で乾燥することができる。
【0036】
また、一実施形態では、
上記制御部は、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電冷風モード
のうちの一つを選択して運転することが可能であり、
上記除電熱風モード、上記空気清浄モード、上記除電冷風モードのいずれが運転しているのかを表示する表示部を備える。
【0037】
上記実施形態によれば、表示部の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードとを判別することができる。
【0038】
また、一実施形態では、
上記制御部は、さらに、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する冷風モード
の制御が可能であり、
上記表示部は、さらに、上記熱風モードおよび冷風モードの表示が可能である。
【0039】
上記実施形態によれば、表示部の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードと、熱風モードと、冷風モードとを判別することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、物体(髪や衣類等)の乾燥機能と、空気清浄機能とを適宜使い分けできるドライヤーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態のドライヤーのドライヤー本体の基本構成を示す模式図である。
【図2】上記ドライヤー本体の制御部と、各部位との入出力の関係を示すブロック図である。
【図3】この実施形態のドライヤーが備える設置台を示す斜視図である。
【図4】ドライヤー本体を吸込口側から見たときの斜視図である。
【図5】この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【図6】この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【図7】この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【図8】本実施形態のドライヤーの制御の一例を説明するフローチャートであり、連携モードの制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】変形例の設置台を、上方からみたときの図である。
【図10】変形例の設置台の断面の一部を示す図である。
【図11】図9に示す変形例の設置台に設置されるドライヤー本体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。尚、以下の実施形態において、上、下、上面、下面、水平面、上側、下側等、鉛直方向や、水平方向を示す文言が使用されたとき、それは、以下に詳述する設置台が、水平面に設置された状態での、方向を示しているものとする。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態のドライヤーのドライヤー本体60の基本構成を示す模式図である。
【0044】
図1に示すように、このドライヤー本体60は、ハウジング1と、送風ユニット2と、ヒータ3と、イオン発生装置4と、制御部5と、位置センサ6と、温度センサ7と、ヒータ制御装置8と、表示部9と、操作部10とを備える。
【0045】
上記ハウジング1は、筒状の本体部11と、取手部12とを有し、取手部12は、本体部11に接続している。上記本体部11は、吸込口14と、吹出口15とを有し、吸込口14は、本体部11の延在方向の一端部に位置する一方、吹出口15は、本体部11の延在方向の他端部に位置している。
【0046】
上記取手部12は、関節16により、本体部11に対して折り畳み可能になっている。上記取手部12は、図1に示す収容配置では、本体部11に沿うように延在する一方、取手の機能を発揮するときには、本体部11の軸方向に垂直な方向に延在するようになっている。
【0047】
上記送風ユニット2は、ハウジング1の本体部11内に配置されている。上記送風ユニットは、DC軸流ファン(直流軸流ファン:以下、単にファンという)と、DCファンモータ(以下、単にファンモータという)とを備え、ファンは、ファンモータによって駆動されるようになっている。上記ファンは、ハウジング1の本体部11内に、吸込口14から吹出口15までの空気の流れを生成するようになっている。上記制御部5によるファンモータの制御により、上記ファンは、多段出力駆動を可能にする周知の駆動回路により、高出力駆動と、その高出力駆動よりも低出力の低出力駆動とをできるようになっている。
【0048】
上記ヒータ3は、ハウジング1の本体部11内に位置している。上記ヒータ3は、吸込口14から吹出口15までの空気の流れの流路内であって、上記ファンおよび上記ファンモータよりも上記空気の流れの下流に位置している。上記ヒータ3は、吸込口14から取り込んだ空気を加熱して温風を生成するようになっている。
【0049】
上記イオン発生装置4は、特許第3680121号に記載されている著名のイオン発生装置で構成され、プラスとマイナスの著名なPCI(プラズマクラスターイオン)を放出できるようになっている。上記イオン発生装置4は、上記ファンおよび上記ファンモータよりも上記空気の流れの下流側で、かつ、ヒータ3よりも上記空気の流れの上流側に位置している。上記イオン発生装置4は、上記空気の流れの中に正負のPCIを放出するようになっている。
【0050】
上記位置センサ6は、磁気センサからなっている。上記位置センサ6は、本体部11内の軸方向の吸込口14側の端部に配置されている。上記位置センサ6は、後述する設置台に内蔵された磁石の磁場を検出すると、磁場を検出したことを表す信号を、制御部5に出力するようになっている。
【0051】
上記温度センサ7は、例えば、赤外線センサで構成され、主に髪の状態を検出する役割を担っている。上記温度センサ7は、ハウジング1の本体部11の外面の吹出口15の近傍に取り付けられている。上記温度センサ7は、赤外線を用いて吹出口15からの気体が吹き付けられる吹付対象体(例えば、髪や衣類等)の温度を測定するようになっている。
【0052】
上記ヒータ制御装置8は、接点を有している。上記ヒータ制御装置8は、制御部5からの信号を受けて、ヒータ3への電力の通遮電を行い、ヒータ3から発せされる熱量を制御するようになっている。
【0053】
上記操作部10は、ハウジング1の取手部12に形成されている。上記操作部10は、除電熱風モード選択手段、空気清浄モード選択手段、除電冷風モード選択手段、熱風モード選択手段および冷風モード選択手段を構成するボタン群(図示しない)からなっている。
【0054】
ユーザが、操作部10を用いて情報を入力すると、その情報は、制御部5に送られるようになっている。ユーザは、操作部10を介して、ヒータ3を駆動すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動する除電熱風モードと、ヒータ3を停止すると共に、上記ファンを低出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動する空気清浄モードと、ヒータ3を停止すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動する除電冷風モードと、ヒータ3を駆動すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を停止する熱風モードと、ヒータ3を停止すると共に、上記ファンを高出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を停止する冷風モードとを、自在に切り替えできるようになっている。
【0055】
また、ユーザは、操作部10を介して、ドライヤーを、物体(髪、衣類等)を乾燥させる用途で使用しているときに、後述の設置台に設置した後、自動的に空気清浄モードに変換させる連携モードを選択できるようになっている。また、ユーザは、操作部10を介して情報を入力することにより、連携モードまたは空気清浄の用途で単独で使用される際に、ドライヤー本体60が、後述の設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する時間を入力することができるようになっている。
【0056】
上記表示部9は、ハウジング1の取手部12に存在している。上記表示部9は、駆動されているモード(除電熱風モード〜冷風モードのうちのいずれか)を表示するようになっている。また、表示部9は、上記連携モードが選択されているか否かを表示するようになっている。また、ドライヤー本体60が、後述の設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する時間が入力されているときには、表示部9は、その時間を表示するようになっている。
【0057】
上記制御部5は、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)からなっている。上記制御部5は、プログラムおよびデータを格納する図示しないメモリにアクセスすることができるようになっている。また、制御部5と、各部とは、I/F(インターフェイス:Interface)によって、データを入出力するようになっている。上記制御部5および上記メモリは、上記空気の流れにおいて、送風ユニット2のファンよりも下流側で、かつ、ヒータ3よりも上流側に位置している。このようにして、上記制御部5の電装品およびメモリが、上記空気の流れで冷却されるようにしている。
【0058】
図2は、上記制御部5と、各部位との入出力の関係を示すブロック図である。
【0059】
図2に示すように、制御部5は、タイマ30を有している。上記制御部5には、ヒータ制御装置8、ファンモータ31、位置センサ6、温度センサ7、操作部10、PCI発生用高周波回路32および表示部9が接続されている。上記制御部5は、これらの部位の夫々と、I/Fを介してつながっている。
【0060】
上記制御部5は、操作部10からの情報、位置センサ6および温度センサ7からの信号に基づいて、ヒータ3のヒータ制御装置8を制御するようになっており、ヒータ3の駆動を制御するようになっている。また、上記制御部5は、操作部10からの情報および位置センサ6に基づいて、ファンモータ31およびPCI発生用高周波回路32を制御するようになっており、ファンおよびイオン発生装置4の駆動を制御するようになっている。
【0061】
また、上記制御部5は、操作部10を介して、後述の設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する設置時間が入力されているときには、設置時間をタイマ30で測定して、その入力時間の経過後、ドライヤーの空気清浄機能を停止すべく、各部位の駆動を停止させるようになっている。また、上記制御部5は、表示部9に表示情報を出力するようになっている。
【0062】
図3は、この実施形態のドライヤーが備える設置台35を示す斜視図である。
【0063】
この実施形態のドライヤーは、設置台35を備え、ドライヤー本体60(図1参照)が、設置台35に設置可能になっている。
【0064】
図3に示すように、上記設置台35は、上皿40と、下皿50とを有し、上皿40は、下皿50の上面に設置されるようになっている。上記上皿40には、磁石が埋め込まれている。上記上皿40は、凹面41と、貫通穴42と、レール状(畝状)の突出部43と、凸面47と、断面矩形状の溝45とを有する。上記凹面41は、上皿40の上面に存在している。上記上皿40は、環状部材で、貫通穴42は、上皿40の中央部に存在し、貫通穴42は、上皿40を上皿40の軸方向に貫通している。
【0065】
上記レール状の突出部43は、上皿40を上から見たときの平面図において、凹面41の縁を表す円の直径方向に、貫通穴42の存在箇所を除いて、一直線上に、形成されている。また、上記溝45は、上皿40を下から見たときの平面図において、凸面47の縁を表す円の直径方向に、貫通穴42の存在箇所を除いて、凸面47を横断するように一直線上に形成されている。上記溝45は、上皿40を上から見たときの平面図において、レール状の突出部43の延在方向に略直交する方向に延在している。
【0066】
上記下皿50は、凹面51と、レール状(畝状)の突出部53と、貫通穴55と、平面状の設置面57とを有する。上記凹面51は、下皿50の上面に形成されている。また、上記レール状の突出部53は、下皿50を上から見たときの平面図において、凹面51の縁を表す円の直径方向に、一直線上に、形成されている。
【0067】
上記凹面51は、上皿40の凸面47に対応する形状を有しており、レール状の突出部53は、上皿40の溝45に対応する形状を有している。上記凹面51は、上皿40の凸面47に当接するようになっており、レール状の突出部53は、上皿40の溝45に嵌め込まれるようになっている。このような構造により、上皿40は、下皿50に対して、下皿50のレール状の突出部53の延在方向に摺動自在になっており、静止摩擦力によって、上皿40は、下皿50に対して、自在の方向に傾けられた状態で、下皿50の上面に設置されることができるようになっている。
【0068】
上記設置面57は、洗面台や、鏡台等にある水平面上に設置されることが予定されている。また、上記貫通穴55は、上皿40が下皿50に対して如何なる方向を向けて設置されたとしても、貫通穴42に連通するようになっている。このことから、上皿40が下皿50に対して如何なる方向を向けて設置されたとしても、設置台35の外部の空気が、貫通穴55から設置台35の内部に入り込んで、更に、貫通穴42から設置台35の外部に、抜け出ることが可能になっている。上記ドライヤー本体60を設置台35に設置したときに、ドライヤー本体60が如何なる姿勢であっても、貫通穴42の少なくとも一部が、ドライヤー本体60の吸込口14に面することができるようになっている。このようにして、ドライヤー本体60を設置台35に設置した際にも、ドライヤーでの空気の取り込みが円滑に行えるようにしている。
【0069】
図4は、ドライヤー本体60を吸込口14側から見たときの斜視図である。
【0070】
図4に示すように、ドライヤー本体60は、下面67と、溝61とを有し、下面67は、ハウジング1の本体部11の軸方向の吸込口14側に位置している。上記下面67は、凸面であって、設置台35の凹面41(図3参照)に対応する形状をしている。
【0071】
上記溝61は、下面67に存在している。上記溝61は、下面67を上から見たときの平面図において、下面67の縁を表す円68の直径方向に、吸込口14の存在箇所を除いて、下面67を横断するように一直線上に形成されている。上記溝61は、上皿40の凹面41のレール状の突出部43(図3参照)に対応する形状を有している。上記レール状の突出部43は、ドライヤー本体60の溝61に嵌め込まれるようになっている。このような構造により、ドライヤー本体60は、上皿40に対して、上皿40のレール状の突出部43の延在方向に摺動自在になっており、静止摩擦力によって、ドライヤー本体60は、上皿40に対して、自在の方向に傾けられた状態で、上皿40の上面に設置されることができるようになっている。
【0072】
図3および図4を参照して、上皿40は、水平面に設置される下皿50に対して、下皿50のレール状の突出部53の方向に連続的に傾斜可能に設置でき、更に、ドライヤー本体60は、上皿40に対して、レール状の突出部53に直交する方向に連続的に傾斜可能に設置できるようになっている。このようにして、ドライヤー本体60を、水平面に対して自在な方向に傾斜させることができるようになっており、ドライヤー本体60(ハウジング1)が、設置台35に対して連続的に全方位に姿勢を変えることができるようになっている。
【0073】
上記ドライヤー本体60が、設置台35に設置されている状態では、ドライヤー本体60が如何なる方向を向いていても、ドライヤー本体60の位置センサ6は、設置台35の上皿40に埋め込まれている磁石の磁場を検出できるようになっている。
【0074】
図5〜図7は、この実施形態のドライヤーの使用形態を説明するための図である。
【0075】
詳しくは、図5は、ユーザが、ドライヤー本体60を、手に持って使用するときのドライヤー本体60を示す図である。図5に示すように、ユーザは、ドライヤー本体60を手に持って使用するとき、ハウジング1の取手部12を、ハウジング1の本体部11の延在方向に略直交する方向に延在させるようになっている。
【0076】
また、図6は、ユーザが、ドライヤーを空気清浄機として使用する場合での、設置台35に対するドライヤー本体60の設置の一態様を示す図である。この態様では、ドライヤー本体60のハウジング1の本体部11の軸方向が、設置台35の下皿の軸方向(鉛直方向)に略一致している。
【0077】
また、図7は、ユーザが、ドライヤーで髪の乾燥を行う場合での、設置台35に対するドライヤー本体60の設置の一態様を示す図である。この態様では、ドライヤー本体60のハウジング1の本体部11の軸方向が、設置台35の下皿の軸方向(鉛直方向)に対して傾斜している。ドライヤー本体60が、このように傾斜している状態で、頭をドライヤー本体60の吹出口15に向けることで、ハンドフリーで、髪を乾燥させることが可能になる。
【0078】
図8は、本実施形態のドライヤーの制御の一例を説明するフローチャートであり、連携モードの制御の一例を示すフローチャートである。
【0079】
詳しくは、ユーザの操作部10を介する入力により、ドライヤー本体60を、手に持っていずれかの乾燥モードで使用している際に、ドライヤー本体60を、設置台35に設置した場合に、自動的に、ドライヤーの使用モードが、空気清浄モードに切り替えられ、さらに、空気清浄モードに切り替えられてから所定時間後に、ドライヤーの駆動が終了する場合のフローチャートを示す図である。
【0080】
尚、この制御を行う前段階として、ユーザは、操作部10を介して、ドライヤー本体60を、手に持っていずれかの乾燥モードで使用している際に、ドライヤー本体60を、設置台35に設置した場合に、自動的に、ドライヤーの使用モードが、空気清浄モードに切り替える情報を入力したものとする。また、ドライヤー本体60を設置したときから所定時間後(例えば、所定時間は、5時間や、5時間半や、6時間等、如何なる時間に設定されることもできる)に、ドライヤーが停止して、ドライヤーの空気清浄機能が停止する情報を入力したものとする。
【0081】
上記操作部10を介して、制御をスタートさせると、まず、図8のステップS1で、いずれかの乾燥モード(除電熱風モード、除電冷風モード、熱風モードまたは冷風モード)が選択されて、髪や衣類等の乾燥を行う。次にステップS2で、位置センサ6が、磁場を検出したか否かを判断する。このステップS2で、位置センサ6が、磁場を検出していないと判断すると、再度ステップS2を行う。一方、ステップS2で、位置センサ6が、磁場を検出したと判断すると、ステップS3で、上記いずれかの乾燥モードを、自動的に空気清浄モードに切り替えると同時に、タイマ30が、計測を開始する。
【0082】
次に、ステップS4で、タイマ30の計測時間が、ユーザが入力した所定時間を経過しているか否かを判断する。このステップS4で、計測時間が所定時間経過前であると判断すると、再度ステップS4を行う。一方、ステップS4で、計測時間が所定時間を経過したと判断すると、ステップS5で、ファンと、イオン発生装置4を、停止して、制御がエンドになる。
【0083】
上記実施形態のドライヤーによれば、ファンを高出力駆動し、ヒータ3を駆動または非駆動にし、かつ、イオン発生装置4を駆動または非駆動にすることによって、物体(例えば、髪や、衣類等)の乾燥を行うことができる。一方、上記実施形態のドライヤーによれば、空気清浄モード選択手段によって空気清浄モードを選択することによって、ファンを低出力駆動し、ヒータ3を非駆動にし、かつ、イオン発生装置4を駆動することによって、ドライヤーを空気清浄機として機能させることができる。
【0084】
したがって、例えば、ドライヤーが、寝室の鏡台の周辺に設置されている場合に、別途、空気清浄機を購入することなく、睡眠時等に、寝室の空気を清浄することができる。また、例えば、ドライヤーが、洗面所等の湿気が多い箇所に配置されている場合には、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができて、洗面所が狭い場合であっても、別途、大きな配置スペースが必要な空気清浄機を配置することがなく、洗面所の雑菌やカビの繁殖を抑制することができる。また、ドライヤーが、それ以外の場所に配置されている場合でも、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、ドライヤーが配置されている場所の空気の清浄のために使用することができる。
【0085】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、ドライヤーを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができるから、ドライヤーの使用頻度を大きくできて、ドライヤーの対費用効果を格段に大きくすることができる。
また、上記実施形態のドライヤーによれば、設置台35が、吹出口14を一定の方向に向けてハウジング1の位置および姿勢を定めて設置できるように構成されているから、空気清浄モードにおいて、吹出口から空気を清浄する空間に効率よくイオンを吹き出すことができる。
【0086】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、上記設置部が、ハウジング1を設置する設置台35を含んでいるから、ハウジング1を、安定させて設置できる。
【0087】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、設置台35が、その設置台35にハウジング1を互いに異なる複数の姿勢で設置可能であるから、ドライヤーからの風の風向きを、使用でより好適な向きにすることができる。
【0088】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、設置台35が、ハウジング1を連続的に略全方位に姿勢を変えることができるように構成されているから、ユーザの好みにより、ドライヤーの向きを自在に変えることができる。
【0089】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、制御部5が、位置センサ6からハウジング1が設置台35により設置されたことを表す信号を受けると、自動的に、ヒータ3を停止すると共に、ファンを低出力駆動し、かつ、イオン発生装置4を駆動するようにすることができる。したがって、ハウジング1によって画定されたドライヤー本体60を、設置台35により設置するだけで自動的に空気清浄機として機能させることができる。
【0090】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、制御部5が、位置センサ6からの信号に基づいてハウジング1が設置台35により設置されている時間を計測するタイマ30を備え、制御部5が、タイマ30が計測する時間が、予め定められた時間になると、ファンおよびイオン発生装置4を停止させることができる。したがって、ドライヤーを空気清浄機として機能させているときに、ドライヤーがつけっぱなしになることを防止できて、無駄な電力を消費することを防止できる。
【0091】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、イオン発生装置4が、正イオンおよび負イオンの両方を、放出するようになっているから、雑菌やかびを殺菌する殺菌力を大きくすることができる。また、上記実施形態のドライヤーによれば、髪を乾かす風に正イオンおよび負イオンを混入することができて、正イオンおよび負イオンを含んだ風を、髪に吹き付けることができる。したがって、髪が静電気等によって帯電していても、髪の静電気を除電できて、髪のまとわりつき等を抑制できて、髪の乾燥を円滑に行うことができる。
【0092】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、上記除電熱風モード選択手段で、除電熱風モードを選択することによって、髪のまとわりつき等を抑制しながら、髪を短時間で乾燥することができる。
【0093】
また、上記実施形態のドライヤーによれば、表示部9の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードとを判別することができ、また、表示部9の表示を確認するだけで、除電熱風モードと、空気清浄モードと、除電冷風モードと、熱風モードと、冷風モードとを判別することができる。
【0094】
尚、上記実施形態のドライヤーでは、イオン発生装置4が、正、負のプラズマクラスターイオン(PCI)を、放出するようになっていたが、この発明では、イオン発生装置は、プラズマクラスターイオンでない、正イオンおよび負のイオンの両方を発生するようになっていても良い。
【0095】
また、上記実施形態のドライヤーでは、イオン発生装置4が、正、負のイオンの両方を放出するようになっていた。しかしながら、この発明では、イオン発生装置が、正のイオンか、または、負のイオンのいずれか一方のイオンしか放出しない構成であっても良く、上記実施形態で説明したドライヤーにおいて、正、負両イオンを放出できるイオン発生装置4を、正のイオンか、または、負のイオンのいずれか一方のイオンしか放出しないイオン発生装置に置き換えるだけで、そのようなドライヤーを実現することができる。
【0096】
また、上記実施形態のドライヤーでは、ハウジング1の本体部11内に、吸込口14から気体と共に吸い込まれる異物(花粉や埃等)を捕獲するフィルタが存在していなかったが、この発明では、ハウジングの本体部内に、吸込口から気体と共に吸い込まれる異物(花粉や埃等)を捕獲する着脱可能なフィルタを設けても良い。
【0097】
また、上記実施形態のドライヤーでは、空気清浄用途の際、ファンを、乾燥用途で使用しているときよりも低出力で、駆動するようにしたが、この発明では、空気清浄用途の際においても、ファンを、乾燥用途で使用している出力と同じ出力で駆動するようにしても良い。
【0098】
また、上記実施形態のドライヤーでは、表示部9が存在したが、この発明のドライヤーは、表示部を有していなくても良い。
【0099】
また、上記実施形態のドライヤーでは、ファンが、軸流ファンであったが、この発明では、ファンは、遠心ファンであっても良い。
【0100】
また、上記実施形態のドライヤーでは、ドライヤーを、物体(髪や、衣類等)を、乾燥する用途で使用する際、イオン発生装置4を、駆動することも、駆動しないことも可能であった。しかしながら、この発明では、ドライヤーを、物体(髪や、衣類等)を、乾燥する用途で使用する際、イオン発生装置を、駆動しないようにしても良く、また、逆に、ドライヤーを、物体(髪や、衣類等)を、乾燥する用途で使用する際、イオン発生装置を、必ず駆動するようにしても良い。
【0101】
また、上記実施形態のドイラヤーでは、設置部が、設置台35であったが、この発明では、設置部は、設置台でなくて、ドライヤー本体に、形成された、フックや、吸盤等であっても良く、これらのフック、吸盤等で、ドライヤー本体を壁に掛けることができるようにしても良い。このようにすると、ハンドフリーで髪を、容易に乾かすことができる。また、この発明では、設置部は、設置台でなくて、水平面に安定的に載置できる形状、例えば、ハウジング(ドライヤー本体)の平面からなる底面形状であっても良い。また、本発明では、設置部を、設置台、フック、吸盤、ハウジング(ドライヤー本体)の平面からなる底面形状のうちの二以上の構成要素で構成しても良い。尚、この発明が、ドライヤー本体のみで構成されても良いことは言うまでもない。
【0102】
また、上記実施形態のドライヤーでは、位置センサ6が、磁気センサであったが、この発明では、位置センサ6は、光学センサで構成されても良い、そして、水平面からの距離や、壁からの距離等を、光学センサで測定することにより、設置状態を検出しても良い。また、この発明では、設置部が、ドライヤー本体(ハウジング)の平面状の底面を含む場合に、位置センサを、その底面から突出するボタンで構成しても良い。そして、その底面が、水平面に載置されたときに、そのボタンが水平面からの垂直抗力で押圧されて、ドライヤー本体(ハウジング)内に沈み込むことによって、ドライヤー本体(ハウジング)が設置状態になったことを検出するようにしても良い。
【0103】
また、上記実施形態のドライヤーでは、上記操作部10が、除電熱風モード選択手段、空気清浄モード選択手段、除電冷風モード選択手段、熱風モード選択手段および冷風モード選択手段を構成するボタン群(図示しない)からなっていた。ここで、各モード選択手段(例えば、空気清浄モード選択手段)の夫々を、一のボタンで構成するようになっていても良く、複数のボタンで構成するようになっていても良い。ここで、各モード選択手段(例えば、空気清浄モード選択手段や、上記連携モードを選択する連携モード選択手段等)の夫々を、一のボタンで構成するようにすると、ワンタッチで空気清浄モード等の各モードを実現できる。
【0104】
また、上記実施形態のドライヤーでは、上皿40と、下皿50とで、ドライヤー本体60を、下皿50が設置されている水平面に対して自在に傾けることができるようにしたが、この発明では、それ以外の方法で、ドライヤー本体を、水平面に対して自在に傾けることができるようにしても良い。
【0105】
図9は、変形例の設置台135を、上方からみたときの図であり、後述する図11に示す変形例のドライヤー本体160を自在な姿勢で設置できる設置台135を、上方からみたときの図である。
【0106】
図9に示すように、この設置台135の上面は、図3に41で示す凹面と同様な凹面141になっていて、円形の縁158からその円の中央に行くにしたがって、凹面141の深さが深くなっている。上記設置台135は、図3に42で示す貫通穴に対応する貫通穴142を有している。
【0107】
図9に示すように、上記凹面141は、複数の有底の穴150を有している。上記複数の穴150は、凹面141の周方向に略均等に配置されている。また、上記複数の穴150は、図9の上面において、径方向に略均等に配置されている。尚、この明細書では、「略」は、視認において同じに見える程度を示す。
【0108】
図10は、設置台135の断面の一部を示す図であり、穴150の円形の縁の直径を含むと共に、設置台135が水平面に設置されている状態での鉛直方向を含む平面で、設置台135を切断したときの切断面の一部である。
【0109】
図10に示すように、上記各穴150は、穴150の底の方のスペースが広くなっており、壺状のスペースを画定している。再度、図9を参照して、参照番号180は、上方から見て、穴150のスペースが最も広がりを有している部分の縁の位置を示している。
【0110】
図11は、図9に示す変形例の設置台135に設置されるドライヤー本体160を示す図である。尚、図11においては、ドライヤー本体160の取手部の図示を省略している。
【0111】
図11に示すように、このドライヤー本体160は、吸込口114と、吹出口115と、円柱状の係止部190とを有する。上記吸込口114は、ハウジング101の本体部111の側面に存在している一方、吹出口115は、ハウジング101の本体部111の軸方向の一端部に存在している。また、上記係止部190は、ハウジング101の本体部111の軸方向の他端部の端面の中央から本体部111の軸方向に延在している。
【0112】
この変形例のドライヤーは、このドライヤー本体160の係止部190を、図9に示す設置台135のいずれかの穴150に差し込んで、ドライヤー本体160を、設置台135に設置するようになっており、ドライヤー本体160を、設置台135が設置される水平面に対して自在の方向に向けることができるようになっている。
【0113】
この変形例のドライヤーによれば、設置台135を単純な構造にすることができて、簡易な構造で、ドライヤー本体160を、設置台135が設置される水平面に対して自在の方向に向けることができる。
【符号の説明】
【0114】
1 ハウジング
2 送風ユニット
3 ヒータ
4 イオン発生装置
5 制御部
6 位置センサ
9 表示部
10 操作部
14 吸込口
15 吹出口
30 タイマ
35,135 設置台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と、吹出口とを有するハウジングと、
低出力駆動と、その低出力駆動よりも高出力の高出力駆動とが可能であると共に、上記ハウジング内に設けられて、上記吸込口から上記吹出口までの空気の流れを生成するファンと、
上記ハウジング内に設けられて、上記空気を加熱するヒータと、
上記ハウジング内に設けられて、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを上記空気の流れに放出するためのイオン発生装置と、
設置部と、
上記ファンを上記低出力駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードの運転を選択する空気清浄モード選択手段と
を備えることを特徴とするドライヤー。
【請求項2】
請求項1に記載のドライヤーにおいて、
上記設置部は、上記吹出口を一定の方向に向けて上記ハウジングの位置および姿勢を定めて設置できるように構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドライヤーにおいて、
上記設置部は、上記ハウジングを設置する設置台を含んでいることを特徴とするドライヤー。
【請求項4】
請求項3に記載のドライヤーにおいて、
上記設置台は、その設置台に上記ハウジングを互いに異なる複数の姿勢で設置可能であることを特徴とするドライヤー。
【請求項5】
請求項4に記載のドライヤーにおいて、
上記設置台は、上記ハウジングを連続的に略全方位に姿勢を変えることができるように構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載のドライヤーにおいて、
上記空気清浄モード選択手段は、一つの選択スイッチから構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載のドライヤーにおいて、
上記ハウジングが上記設置部により設置されているか否かを検出するための位置センサと、
上記ファン、上記ヒータおよび上記イオン発生装置の駆動を制御する制御部と
を備え、
上記制御部は、上記位置センサから上記ハウジングが上記設置部により設置されたことを表す信号を受けると、自動的に、上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動することを特徴とするドライヤー。
【請求項8】
請求項7に記載のドライヤーにおいて、
上記制御部は、上記位置センサからの信号に基づいて上記ハウジングが上記設置部により設置されている時間を計測するタイマを備え、
上記制御部は、上記タイマが計測する時間が、予め定められた時間になると、上記ファンおよび上記イオン発生装置を停止させることを特徴とするドライヤー。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載のドライヤーにおいて、
上記イオン発生装置は、正イオンおよび負イオンの両方を、上記空気の流れに放出することを特徴とするドライヤー。
【請求項10】
請求項9に記載のドライヤーにおいて、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードを選択する除電熱風モード選択手段を有していることを特徴とするドライヤー。
【請求項11】
請求項7または8に記載のドライヤーにおいて、
上記制御部は、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電冷風モード
のうちの一つを選択して運転することが可能であり、
上記除電熱風モード、上記空気清浄モード、上記除電冷風モードのいずれが運転しているのかを表示する表示部を備えることを特徴とするドライヤー。
【請求項12】
請求項11に記載のドライヤーにおいて、
上記制御部は、さらに、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する冷風モード
の制御が可能であり、
上記表示部は、さらに、上記熱風モードおよび冷風モードの表示が可能であることを特徴とするドライヤー。
【請求項1】
吸込口と、吹出口とを有するハウジングと、
低出力駆動と、その低出力駆動よりも高出力の高出力駆動とが可能であると共に、上記ハウジング内に設けられて、上記吸込口から上記吹出口までの空気の流れを生成するファンと、
上記ハウジング内に設けられて、上記空気を加熱するヒータと、
上記ハウジング内に設けられて、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを上記空気の流れに放出するためのイオン発生装置と、
設置部と、
上記ファンを上記低出力駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードの運転を選択する空気清浄モード選択手段と
を備えることを特徴とするドライヤー。
【請求項2】
請求項1に記載のドライヤーにおいて、
上記設置部は、上記吹出口を一定の方向に向けて上記ハウジングの位置および姿勢を定めて設置できるように構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドライヤーにおいて、
上記設置部は、上記ハウジングを設置する設置台を含んでいることを特徴とするドライヤー。
【請求項4】
請求項3に記載のドライヤーにおいて、
上記設置台は、その設置台に上記ハウジングを互いに異なる複数の姿勢で設置可能であることを特徴とするドライヤー。
【請求項5】
請求項4に記載のドライヤーにおいて、
上記設置台は、上記ハウジングを連続的に略全方位に姿勢を変えることができるように構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載のドライヤーにおいて、
上記空気清浄モード選択手段は、一つの選択スイッチから構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載のドライヤーにおいて、
上記ハウジングが上記設置部により設置されているか否かを検出するための位置センサと、
上記ファン、上記ヒータおよび上記イオン発生装置の駆動を制御する制御部と
を備え、
上記制御部は、上記位置センサから上記ハウジングが上記設置部により設置されたことを表す信号を受けると、自動的に、上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動することを特徴とするドライヤー。
【請求項8】
請求項7に記載のドライヤーにおいて、
上記制御部は、上記位置センサからの信号に基づいて上記ハウジングが上記設置部により設置されている時間を計測するタイマを備え、
上記制御部は、上記タイマが計測する時間が、予め定められた時間になると、上記ファンおよび上記イオン発生装置を停止させることを特徴とするドライヤー。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載のドライヤーにおいて、
上記イオン発生装置は、正イオンおよび負イオンの両方を、上記空気の流れに放出することを特徴とするドライヤー。
【請求項10】
請求項9に記載のドライヤーにおいて、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードを選択する除電熱風モード選択手段を有していることを特徴とするドライヤー。
【請求項11】
請求項7または8に記載のドライヤーにおいて、
上記制御部は、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記低出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する空気清浄モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を駆動する除電冷風モード
のうちの一つを選択して運転することが可能であり、
上記除電熱風モード、上記空気清浄モード、上記除電冷風モードのいずれが運転しているのかを表示する表示部を備えることを特徴とするドライヤー。
【請求項12】
請求項11に記載のドライヤーにおいて、
上記制御部は、さらに、
上記ヒータを駆動すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する熱風モードと、
上記ヒータを停止すると共に、上記ファンを上記高出力駆動し、かつ、上記イオン発生装置を停止する冷風モード
の制御が可能であり、
上記表示部は、さらに、上記熱風モードおよび冷風モードの表示が可能であることを特徴とするドライヤー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−275(P2013−275A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133144(P2011−133144)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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