説明

ドライヤ

【課題】埃等の異物が内部に堆積しにくいドライヤを提供すること。
【解決手段】筺体1内に配置する送風装置6のファン19が、吸込口から吹出口までの第1の空気の流れを生成する正回転と、吹出口から吸込口までの第2の空気の流れを生成する逆回転との両方で回転できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライヤとしては、特開2008−307221号公報(特許文献1)に記載されているものがある。このドライヤは、ハウジングと、フィルタとを備え、フィルタは、ハウジングに着脱可能に固定されるようになっている。このドライヤは、フィルタで、吸込口から取り込まれるゴミや埃を捕捉するようになっており、フィルタを取り外して、フィルタを洗浄することにより、埃やゴミが、ドライヤの内部に堆積することを防止するようになっている。そして、埃やゴミが、ドライヤの内部に堆積することを防止して、ドライヤの故障を抑制するようにしている。
【0003】
しかしながら、上記従来のドライヤは、ユーザがフィルタを取り外さなければ、ゴミや埃の除去ができず、ドライヤのメンテナンスや清掃に手間と時間を要するという問題がある。
【0004】
また、通常、埃はプラスに帯電していて、マイナスに帯電したドライヤの内部の部材に電気的に吸着されているから、吸込口から吹出口への規則的な流れでは、ドライヤ本体内に堆積している埃等の異物を、除去しにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−307221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、埃等の異物が内部に堆積しにくいドライヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明のドライヤは、
吸込口と、吹出口とを有するハウジングと、
上記ハウジング内に設けられたファンと、
上記ハウジング内に設けられたヒータと、
上記吸込口から上記吹出口までの第1の空気の流れが生成されるように上記ファンの回転方向を制御可能であると共に、上記吹出口から上記吸込口までの第2の空気の流れが生成されるように上記ファンの回転方向を制御可能であるファン回転方向制御部と
を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、上記ファンが、通常の空気の流れの逆側の流れである吹出口から吸込口までの第2の空気の流れを生成することが可能であるから、髪の乾燥時等に生成する吸込口から吹出口までの通常の第1の空気の流れの際にハウジング内に堆積した埃等の異物を、上記第2の流れによって効率的に飛散させることができて、その飛散した埃等の異物を、吸込口から外部に排出できる。したがって、ハウジング内の異物を取り除くのに、フィルタを取り外すメンテナンスを行う必要がないか、または、その回数を減らすことができて、埃等の異物を除去する労力および時間を低減することができる。
【0009】
また、一実施形態では、
上記ハウジング内に設けられると共に、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを上記空気の流れに放出するためのイオン発生器を備える。
【0010】
上記実施形態によれば、ハウジング内にイオン発生器を備えるから、吐出されるイオンの電荷と反対の電荷を中和することができ、例えば、埃と、ドライヤの内部の部材とが電気的に結合することを抑制できる。
【0011】
また、一実施形態では、
上記イオン発生器は、上記ファンよりも上記第1の空気の流れの下流側に位置している。
【0012】
上記実施形態によれば、イオン発生器が、ファンよりも第1の空気の流れの下流側に位置しているので、ファンが通常の回転方向である正方向と反対の逆方向に回転して、第2の空気の流れが生成されている際、イオン発生器で発生させたイオンを、ファンに衝突させることができて、ファンの除電を行うことができる。したがって、静電気に基づいてファンに吸着している埃等の異物を、ファンから容易に引き離すことができて、ファンの清掃を効率的に行うことができる。
【0013】
また、一実施形態では
上記イオン発生器は、上記ファンよりも上記第1の空気の流れの上流側に位置している。
【0014】
上記実施形態によれば、イオン発生器が、ファンよりも第1の空気の流れの上流側に位置しているから、第2の空気の流れが生成されている際、イオン発生器から生成されたイオンを、ファンを経ずに吸込口を介して外部に排出することができる。したがって、埃等の異物が溜り易い吸込口付近の清掃を効率的に行うことができる。
【0015】
また、一実施形態では、
設置部と、
上記第2の空気の流れが生成されるように上記ファンを駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生器を駆動する空気清浄モードの運転を選択する空気清浄モード選択手段と、
上記空気清浄モード選択手段によって、空気清浄モードが選択されると、上記第2の空気の流れが生成されるように上記ファンを駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生器を駆動する空気清浄制御部と
を備えている。
【0016】
尚、上記設置部は、ドライヤが鏡台や洗面台や棚やテーブル等に設置できるものであれば良く、例えば、ハウジングに設けられた載置のための平面部や凹部等で構成することができ、または、ハウジングを、吸込口を上側に向けた姿勢で保持できるハウジングと別部材のフック等の部品等で構成することができる。
【0017】
上記実施形態によれば、空気清浄モード選択手段によって空気清浄モードを選択することによって、ファンを通常の方向と逆方向に駆動し、ヒータを非駆動にし、かつ、イオン発生器を駆動できるから、ドライヤを空気清浄機として機能させることができる。
【0018】
したがって、例えば、ドライヤが、寝室の鏡台の周辺に設置されている場合に、別途、空気清浄機を購入することなく、睡眠時等に、寝室の空気を清浄することができる。また、例えば、ドライヤが、洗面所等の湿気が多い箇所に配置されている場合には、ドライヤを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができて、洗面所が狭い場合であっても、別途、大きな配置スペースが必要な空気清浄機を配置することがなく、洗面所の雑菌やカビの繁殖を抑制することができる。また、ドライヤが、それ以外の場所に配置されている場合でも、ドライヤを、髪の乾燥に使用しない期間に、ドライヤが配置されている場所の空気の清浄のために使用することができる。
【0019】
また、上記実施形態によれば、ドライヤを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができるから、ドライヤの使用頻度を大きくできて、ドライヤの対費用効果を格段に大きくすることができる。
【0020】
また、一実施形態では、
上記ファンを、所定時間の間、上記第2の空気の流れが生成されるように駆動した後に停止させる清掃停止モードを選択する清掃停止モード選択手段と、
上記清掃停止モード選択手段によって、上記清掃停止モードが選択されると、上記ファンを、所定時間の間、上記第2の空気の流れが生成されるように駆動した後に停止させるように制御する清掃停止モード制御部と
を備えている。
【0021】
上記実施形態によれば、清掃停止モードを選択することによって、ファンを停止させる前に、ファンを所定時間、通常の方向と反対の方向に回転させることができる。したがって、簡単にハウジング内の埃等の異物を清掃することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、埃等の異物が内部に堆積しにくいドライヤを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態のドライヤのドライヤ本体の斜視図である。
【図2】上記ドライヤ本体の縦断面図である。
【図3】上記制御部と、各部位との入出力の関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態のドライヤのドライヤ本体80の斜視図である。
【0026】
このドライヤは、ドライヤ本体80と、設置部としての設置台とを備え、図1に示すように、ドライヤ本体80は、ハウジングを構成する筺体1と、ハンドル2と、吸気フィルタ3とを有する。上記筺体1は、耐熱性に優れるプラスチックからなっている。上記筺体1は、内部が空洞になっている。上記筺体1は、吹出口15と、吸込口16とを有している。上記吸込口16は、筺体1の延在方向の一端部に位置する一方、吹出口15は、筺体1の延在方向の他端部に位置している。
【0027】
上記ハンドル2は、継手構造で筺体1に接続されている。上記ハンドル2は、関節により筺体1に対して折りたたみ可能になっている。上記記ハンドル2は、筺体1に対して折りたたまれた状態で、略筺体1の延在方向と略同一の方向に延在するようになっており、収容され易い構造になっている一方、取手の機能を発揮するときには、筺体1の軸方向に垂直な方向に延在するようになっている。
【0028】
上記ハンドル2は、一以上のボタンからなる操作部17を有している。上記操作部17は、ハンドル2の前方側かつハンドル2の長さ方向の中央部付近に位置している。上記操作部17は、空気清浄モード選択手段を含み、また、清掃停止モード選択手段を含んでいる。
【0029】
上記吸気フィルタ3は、筺体1の軸方向の後方側に着脱可能に取り付けられている。上記吸気フィルタ3は、金属又はプラスチック製であり、網目状や格子状に孔が開いている。上記吸気フィルタ3は、埃等大きな異物が入らないように、また、動作中に誤って指がファンに触れないようにする役割を果たしている。
【0030】
図2は、上記ドライヤ本体80の縦断面図である。
【0031】
図2に示すように、このドライヤ本体80は、ヒータ5と、送風装置6と、イオン発生器7と、制御部8と、AC/DCコンバータとを備え、ヒータ5、送風装置6、イオン発生器7は、筺体1内に配置されている一方、制御部8は、ハンドル2内に配置されている。
【0032】
上記送風装置6は、DC軸流ファン(直流軸流ファン:以下、単にファンという)19と、DCファンモータ(以下、単にファンモータという)とを備え、ファン19は、ファンモータによって駆動されるようになっている。
【0033】
上記ファン19は、下記に詳述するが、正回転と、正回転とは反対の逆回転とを行うことができ、ファン19が正回転で回転している際には、筺体1内に、吸込口16から吹出口15(図1参照)までの第1の空気の流れが生成される一方、ファン19が逆回転で回転している際には、筺体1内に、吹出口15から吸込口16までの第2の空気の流れが生成されるようになっている。
【0034】
また、上記制御部8によるファンモータの制御により、ファン19は、正回転および逆回転のいずれの回転においても、多段出力駆動を可能にする周知の駆動回路により、高出力駆動と、その高出力駆動よりも低出力の低出力駆動とをできるようになっている。
【0035】
上記ヒータ5は、吸込口16から吹出口15までの第1の空気の流れの流路内であって、ファン19および上記ファンモータよりも上記第1の空気の流れの下流に位置している。上記ヒータ5は、吸込口16から取り込んだ空気を加熱して温風を生成するようになっている。上記ヒータ5は、ヒータ制御装置で、制御され、ヒータ制御装置は、接点を有している。上記ヒータ制御装置は、制御部8からの信号を受けて、ヒータ5への電力の通遮電を行い、ヒータ5から発せされる熱量を制御するようになっている。
【0036】
上記イオン発生器7は、特許第3680121号に記載されている著名のイオン発生器で構成され、プラスとマイナスの著名なPCI(プラズマクラスターイオン)を放出できるようになっている。上記イオン発生器7は、ファン19およびファンモータよりも上記第1の空気の流れの上流側で、かつ、ヒータ5よりも上記第1の空気の流れの上流側に位置している。上記イオン発生器7は、上記空気の流れの中に正負のPCIを放出するようになっている。また、上記AC/DCコンバータは、商用電源(交流)から供給される電圧を、直流電圧に変換するようになっている。
【0037】
上記制御部8は、CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)からなっている。上記制御部8は、プログラムおよびデータを格納する図示しないメモリにアクセスすることができるようになっている。また、制御部8と、各部とは、I/F(インターフェイス:Interface)によって、データを入出力するようになっている。上記制御部8および上記メモリは、ハンドル2(図1参照)内に位置している。
【0038】
尚、詳述しないが、参照番号10は、仕切り板である。上記仕切り板10は、空気の流れを規制して、空気の流れを整流する役割を担っている。
【0039】
図3は、上記制御部8と、各部位との入出力の関係を示すブロック図である。
【0040】
図3に示すように、制御部8は、タイマ30と、ファン回転方向制御部41と、ファン回転速度制御部42と、PCI駆動制御部43と、ヒータ制御部44とを有している。また、上記制御部11には、ヒータ制御装置18、ファンモータ31、操作部17およびPCI発生用高周波回路32が接続されている。上記制御部8は、これらの部位の夫々と、I/Fを介してつながっている。
【0041】
上記ファン回転方向制御部41は、スイッチング回路を有し、そのスイッチング回路は、AC/DCコンバータ接続されて、操作部17からの信号により、ファンモータ31中を流れる電流の向きを適宜変化させて、ファンの正回転および逆回転を制御するようになっている。また、上記ファン回転速度制御部42は、操作部17からの信号により、ファンが正回転するときのファンモータ31の回転速度と、ファンが逆回転するときのファンモータ31の回転速度とを制御するようになっている。
【0042】
また、上記PCI駆動制御部43は、操作部17からの信号に基づいて、PCI発生用高周波回路32を制御するようになっており、イオン発生器7の駆動を制御するようになっている。また、上記ヒータ制御部44は、操作部17からの信号に基づいて、ヒータ5のヒータ制御装置18を制御するようになっており、ヒータ5の駆動を制御するようになっている。
【0043】
ユーザは、操作部17を操作することによって、上記ファンモータの回転速度を複数段階(例えば、2段階)に調整できるようになっており、適宜風の強さを調整できるようになっている。また、ユーザは、操作部17を操作することによって、ヒータ5の駆動と停止とを選択できるようになっており、冷風と、熱風とを適宜、選択できるようになっている。また、ユーザは、操作部17を操作することにより、ファン19の回転の向きを適宜変えることができるようになっている。
【0044】
詳しくは、ユーザが、操作部17によりドライヤモードを選択すると、操作部17からの信号を受けたファン回転方向制御部41が、ファンモータ内の電流の向きをファン19が正回転する向きに制御し、ファン19が正回転して、吸込口16から吹出口15への第1の空気の流れが生成される。
【0045】
一方、ユーザが、操作部17により空気清浄モードを選択すると、操作部17からの信号を受けたファン回転方向制御部41およびファン回転速度制御部42が、ファンモータ内の電流の向きをファン19が逆回転する向きに制御すると同時に、ファン19を低出力駆動して、吹出口15から吐吸込口16への第2の空気の流れが生成されるようになっている。また、これと同時に、PCI駆動制御部43が、PCI発生用高周波回路32を駆動するようになっており、イオン発生器7が駆動されると同時に、ヒータ制御部44が、ヒータ5の駆動を停止するようになっている。上記ファン回転方向制御部41と、ファン回転速度制御部42と、PCI駆動制御部43と、ヒータ制御部44とで、空気清浄制御部を構成している。尚、この実施形態では、空気清浄モードで、ファン19が逆回転で低出力駆動されたが、この発明では、空気清浄モードで、ファンが逆回転で高出力駆動されても良い。
【0046】
また、ユーザが、操作部17によって、清掃停止モードを選択すると、タイマが、所定の時間(例えば、30秒、1分、2分、5分等)を計測するまでは、操作部17からの信号を受けたファン回転方向制御部41およびファン回転速度制御部42が、ファンモータ内の電流の向きをファン19が逆回転する向きに制御すると同時に、ファン19を高出力駆動して、吹出口15から吐吸込口16への第2の空気の流れが生成されるようになっている。また、これと同時に、PCI駆動制御部43が、イオン発生器7を駆動すると共に、ヒータ制御部44が、ヒータ5の駆動を停止するようになっている。一方、タイマ30が、所定の時間以上であることを計測すると、ヒータ5の停止に加えて、ファン回転速度制御部42PCI駆動制御部43が、ファン19およびイオン発生器7の駆動を停止させるようになっている。上記タイマ30と、ファン回転方向制御部41と、ファン回転速度制御部42と、PCI駆動制御部43と、ヒータ制御部44とで、清掃停止モード制御部を構成している。
【0047】
尚、ユーザは、ドライヤモードを選択した際には、合わせて、操作部17によって、除電熱風モード、除電冷風モード、熱風モードまたは冷風モードを選択できるようになっている。そして、除電熱風モードが選択された場合には、ヒータ5が駆動されると共に、上記ファン19が高出力駆動され、かつ、イオン発生器7が駆動されるようになっている一方、除電冷風モードが選択された場合には、ヒータ5が停止されると共に、上記ファン19が高出力駆動され、かつ、イオン発生器7が駆動されるようになっている。また、熱風モードが選択された場合には、ヒータ5が駆動される共に、上記ファン19が高出力駆動され、かつ、イオン発生器7が停止されるようになっている一方、冷風モードが選択された場合には、ヒータ5が停止されると共に、上記ファン19が高出力駆動され、かつ、イオン発生器7が停止されるようになっている。
【0048】
このドライヤは、設置台を備え、この設置台は、筒状の構造を有し、設置台の内周面は、設置台を水平面に載置した状態で、鉛直方向に延在するようになっている。ハンドル2を折り畳んだ状態で、かつ、吹出口15側を下に向けた、ドライヤ本体80の側面を、上記設置台の内周面で支えることにより、載置台にドライヤ本体80を設置できるようになっている。上記載置台の下方側(載置台を水平面に載置した場合の下方側の意味)の側面には、貫通穴が存在している。このようにして、空気清浄モードが選択された際、その貫通穴から吹出口16へ空気が流れることができるようにしている。
【0049】
尚、操作部17を介して、設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する設置時間がメモリに記憶されている場合には、その設置時間をタイマ30で測定して、その入力時間の経過後、ドライヤの空気清浄機能を停止すべく、各部位の駆動を停止させるようになっている。
【0050】
また、ユーザは、操作部17を介して、ドライヤを、物体(髪、衣類等)を乾燥させる用途で使用しているときに、後述の設置台に設置した後、自動的に空気清浄モードに変換させる連携モードを選択できるようになっている。また、ユーザは、操作部17を介して情報を入力することにより、連携モードまたは空気清浄の用途で単独で使用される際に、ドライヤ本体が、設置台に設置されてから空気清浄機として駆動を継続する時間を入力することができるようになっている。
【0051】
上記実施形態のドライヤによれば、上記ファン19が、吹出口15から吸込口16までの第2の空気の流れを生成することが可能であるから、髪の乾燥時等に発生させる吸込口16から吹出口15までの通常の第1の空気の流れとは異なる第2の流れによって、第1の空気の流れの際に筺体1内に堆積した埃等の異物を、効率的に飛散させることができて、その飛散した埃等の異物を、吸込口16から外部に排出できる。したがって、筺体1内の異物を取り除くのに、フィルタを取り外すメンテナンスを行う必要がないか、または、その回数を減らすことができて、埃等の異物を除去する労力および時間を低減することができる。
【0052】
また、上記実施形態のドライヤによれば、筺体1内にイオン発生器7を備えるから、吐出されるイオンの電荷と反対の電荷の除電を行うことができ、例えば、埃と、ドライヤの内部の部材とが電気的に結合することを抑制できる。
【0053】
また、上記実施形態のドライヤによれば、イオン発生器7が、ファン19よりも第1の空気の流れの上流側に位置しているから、第2の空気の流れが生成されている際、イオン発生器7から生成されたイオンを、ファン19を経ずに吸込口16を介して外部に排出することができる。したがって、埃等の異物が溜り易い吸込口付近の清掃を効率的に行うことができる。
【0054】
また、上記実施形態のドライヤによれば、操作部17によって空気清浄モードを選択することによって、ファン19を逆回転駆動し、ヒータ5を非駆動にし、かつ、イオン発生器7を駆動することによって、ドライヤを空気清浄機として機能させることができる。
【0055】
したがって、例えば、ドライヤが、寝室の鏡台の周辺に設置されている場合に、別途、空気清浄機を購入することなく、睡眠時等に、寝室の空気を清浄することができる。また、例えば、ドライヤが、洗面所等の湿気が多い箇所に配置されている場合には、ドライヤを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができて、洗面所が狭い場合であっても、別途、大きな配置スペースが必要な空気清浄機を配置することがなく、洗面所の雑菌やカビの繁殖を抑制することができる。また、ドライヤが、それ以外の場所に配置されている場合でも、ドライヤを、髪の乾燥に使用しない期間に、ドライヤが配置されている場所の空気の清浄のために使用することができる。
【0056】
また、上記実施形態のドライヤによれば、ドライヤを、髪の乾燥に使用しない期間に、空気清浄機として機能させることができるから、ドライヤの使用頻度を大きくできて、ドライヤの対費用効果を格段に大きくすることができる。
【0057】
また、上記実施形態のドライヤによれば、清掃停止モードを選択することによって、ファン19を停止させる前に、ファン19を所定時間逆回転させることができる。したがって、簡単に、筺体1内の埃等の異物を清掃することができる。
【0058】
尚、上記実施形態のドライヤでは、イオン発生器7が、第1の空気の流れにおいて、ファン19よりも上流側に位置していたが、この発明では、イオン発生器は、第1の空気の流れにおいて、ファンよりも下流側に位置していても良い。この場合、イオン発生器が、ファンよりも第1の空気の流れの下流側に位置しているので、ファンが逆回転して、第2の空気の流れが生成されている際、イオン発生器で発生させたイオンを、ファンに衝突させることができて、ファンの除電を行うことができる。したがって、静電気に基づいてファンに吸着している埃等の異物を、ファンから容易に引き離すことができて、ファンの清掃を効率的に行うことができる。
【0059】
また、上記実施形態のドライヤでは、ファン19の回転速度を、複数段階に制御するようになっていたが、この発明では、ファンの回転速度は、一定で、変えることができない構成であっても良い。
【0060】
また、上記実施形態のドライヤでは、設置部が、載置台であったが、この発明では、設置部は、ヒータ等を覆っている筺体の軸方向の端部や側面部に形成された平面部であっても良い。そして、その平面部を、水平面に当接することにより、水平面に対して、筺体を安定に載置する構成であっても良い。
【0061】
また、上記実施形態のドライヤでは、イオン発生器7は、プラスイオンと、マイナスイオンとを同時に発生させる構成であったが、この発明では、イオン発生器は、プラスイオンのみを生成する構成であっても良く、また、マイナスイオンのみを生成する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 筺体
5 ヒータ
6 送風装置
7 イオン発生器
15 吹出口
16 吸込口
17 操作部
19 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と、吹出口とを有するハウジングと、
上記ハウジング内に設けられたファンと、
上記ハウジング内に設けられたヒータと、
上記吸込口から上記吹出口までの第1の空気の流れが生成されるように上記ファンの回転方向を制御可能であると共に、上記吹出口から上記吸込口までの第2の空気の流れが生成されるように上記ファンの回転方向を制御可能であるファン回転方向制御部と
を備えることを特徴とするドライヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のドライヤにおいて、
上記ハウジング内に設けられると共に、正イオンと負イオンとのうちの少なくとも一方のイオンを上記空気の流れに放出するためのイオン発生器を備えることを特徴とするドライヤ。
【請求項3】
請求項2に記載のドライヤにおいて、
上記イオン発生器は、上記ファンよりも上記第1の空気の流れの下流側に位置していることを特徴とするドライヤ。
【請求項4】
請求項2に記載のドライヤにおいて、
上記イオン発生器は、上記ファンよりも上記第1の空気の流れの上流側に位置していることを特徴とするドライヤ。
【請求項5】
請求項2から4までのいずれか1項に記載のドライヤにおいて、
設置部と、
上記第2の空気の流れが生成されるように上記ファンを駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生器を駆動する空気清浄モードの運転を選択する空気清浄モード選択手段と、
上記空気清浄モード選択手段によって、空気清浄モードが選択されると、上記第2の空気の流れが生成されるように上記ファンを駆動し、上記ヒータを停止し、かつ、上記イオン発生器を駆動する空気清浄制御部と
を備えることを特徴とするドライヤ。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のドライヤにおいて、
上記ファンを、所定時間の間、上記第2の空気の流れが生成されるように駆動した後に停止させる清掃停止モードを選択する清掃停止モード選択手段と、
上記清掃停止モード選択手段によって、上記清掃停止モードが選択されると、上記ファンを、所定時間の間、上記第2の空気の流れが生成されるように駆動した後に停止させるように制御する清掃停止モード制御部と
を備えることを特徴とするドライヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−111226(P2013−111226A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259901(P2011−259901)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】