説明

ドラムカートリッジ

【課題】転写ローラと感光体ドラムが安定して圧接できるドラムカートリッジを提供する。
【解決手段】ドラムカートリッジは、筐体110と、筐体110に回転可能に設けられる感光体ドラム27と、シャフト30Aを有し、筐体110に回転可能に設けられ、感光体ドラム27と対向する転写ローラ30と、転写ローラ30に電圧を印加するための転写電極200と、を備えている。そして、転写電極200は、感光体ドラム27と転写ローラ30の対抗方向において、転写ローラの感光体ドラム27とは反対側でシャフト30Aと接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムおよび転写ローラが回転可能に設けられたドラムカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置に用いられるドラムカートリッジとして、筐体と、筐体内に設けられる感光体ドラムと、転写ローラと、転写ローラに電圧を印加するための転写電極とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、転写ローラは、感光体ドラムの下方に設けられ、感光体ドラムと圧接するように対向して配置されている。そして、転写ローラは、装置本体内に設けられる制御装置に接続されている転写電極が、転写ローラの軸方向の外側から内側へ向けて、転写ローラの軸の端部に当接することで、電圧が印加されるようなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−330620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、転写ローラに、転写電極から感光体ドラムと転写ローラの対向方向と直交する方向に力が働くので、転写ローラと感光体ドラムの圧接が不安定になる可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、転写ローラと感光体ドラムが安定して圧接できるドラムカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明のドラムカートリッジは、筐体と、筐体に回転可能に設けられる感光体ドラムと、シャフトを有し、筐体に回転可能に設けられ、感光体ドラムと対向する転写ローラと、転写ローラに電圧を印加するための転写電極と、を備えている。
そして、転写電極は、感光体ドラムと転写ローラの対向方向において、転写ローラの感光体ドラムとは反対側でシャフトと接触している。
【0007】
このように構成されたドラムカートリッジによれば、転写電極から転写ローラに加わる力の向きは、感光体ドラムと転写ローラの対向方向と略平行になるので、従来のような、転写電極から転写ローラに加わる力の向きが、感光体ドラムと転写ローラの対向方向と直交する方向になる構成に比べ、転写ローラと感光体ドラムを安定して圧接させることができる。
【0008】
そして、前記したドラムカートリッジにおいて、転写電極は、シャフトの軸受けであることが望ましい。
【0009】
このように構成されたドラムカートリッジによれば、転写電極と転写ローラの軸受けを別体とする場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。また、シャフトまたは筐体の熱膨張などにより、シャフトまたは筐体の寸法が変化しても、転写電極を確実にシャフトに当接させることができる。
【0010】
また、前記したシャフトの軸受けである転写電極は、転写電極の感光体ドラムに最も近い部分が、転写電極がシャフトに圧接された状態で、前記対向方向において、シャフトの感光体ドラムに最も近い部分と同じ位置または当該同じ位置よりも感光体ドラムから離れた位置に設けられているのが望ましい。
【0011】
このように転写電極を設けることによって、転写電極を感光体ドラムから遠ざけることができるので、転写電極と感光体ドラムの間で電流が流れる(リークする)のを低減することができる。
【0012】
そして、前記したドラムカートリッジにおいて、筐体は、感光体ドラムと転写電極の間に配置されるカバー部を有しているのが望ましい。
【0013】
このように構成されたドラムカートリッジによれば、転写電極と感光体ドラムの間で電流がリークするのを確実に防止することができる。
【0014】
また、前記したカバー部を有するドラムカートリッジにおいて、カバー部は、シャフトの軸方向において、外側から内側へ向かって延び、カバー部の先端が、感光体ドラムの素管が露出している部分の内側端部よりも内側でかつ、転写電極の内側端部と同じ位置または転写電極の内側端部よりも外側に位置しているのが望ましい。
【0015】
このように構成されたドラムカートリッジによれば、感光体ドラムと転写ローラの圧接を邪魔しないように、リークが発生しやすい部分にのみカバー部を設けることができる。
【0016】
そして、前記したドラムカートリッジにおいて、転写電極は、シャフトと接触する面とは反対側の面に、シャフトの軸方向に延び、電源に接続される接点となる第1リブを有しているのが望ましい。
【0017】
このように構成されたドラムカートリッジによれば、転写電極の第1リブが電源に接続される接点であるので、熱膨張などにより転写電極の位置がシャフトの軸方向に変化しても、転写電極を確実に電源に接続することができる。
【0018】
また、前記したドラムカートリッジにおいて、転写電極は、シャフトと接触する面とは反対側の面に、シャフトの周方向に延びる一対の第2リブをさらに有していてもよい。
このドラムカートリッジにおいては、筐体が、一対の第2リブの間に入って、軸方向における転写電極の位置決めをする凸部を有しているのが望ましい。
【0019】
このように構成されたドラムカートリッジによれば、転写電極の幅内を利用して、転写電極の位置決めをすることができるので、転写電極の外側に位置決め部を設ける場合に比べて、転写電極を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、転写電極が感光体ドラムと転写ローラの対向方向において、転写ローラの感光体ドラムとは反対側で転写ローラのシャフトと接触しているので、転写ローラに加わる力が、転写ローラが感光体ドラムに向かう方向のみになり、転写ローラと感光体ドラムの間の圧接が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るドラムカートリッジを備えたレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るドラムカートリッジのスコロトロン型帯電器を外した状態を示す図である。
【図3】転写電極の下面図(a)と、(a)のIV−IV断面図(b)である。
【図4】感光体ドラムと転写ローラの右端近傍の概略構成を示す図である。
【図5】筐体と転写電極を示す斜視図(a)と、筐体、転写電極および転写ローラを示す斜視図(b)である。
【図6】ドラムカートリッジを下方から見た斜視図(a)と、ドラムカートリッジの転写電極近傍を拡大した下面図(b)である。
【図7】変形例に係る転写電極の正面図(a)と、下面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<レーザプリンタの全体構成>
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、本発明の実施形態に係るレーザプリンタ1(画像形成装置)の概略構成について説明した後、本発明の特徴部分について説明する。
【0023】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、装置本体2内に記録シートの一例としての用紙3を供給するためのフィーダ部4や、供給された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0024】
なお、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1にける上下方向を「上下」とする。
【0025】
フィーダ部4は、装置本体2内の底部に着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6から用紙3を画像形成部5へ搬送する用紙供給機構7を主に備えている。フィーダ部4では、給紙トレイ6内の用紙3が、用紙供給機構7によって一枚ずつ分離されて画像形成部5に供給される。
【0026】
画像形成部5は、スキャナ部16、プロセスカートリッジ17、定着装置18、制御装置50などを備えている。
【0027】
スキャナ部16は、装置本体2内の上部に設けられ、画像データに基づくレーザ光が、ポリゴンミラー19、レンズ20,21、反射鏡22,23,24などを通って(1点鎖線参照)、感光体ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。
【0028】
プロセスカートリッジ17は、装置本体2に対して着脱自在に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ17は、現像カートリッジ28と、ドラムカートリッジ100とで主に構成されている。
【0029】
現像カートリッジ28は、ドラムカートリッジ100に装着された状態で、装置本体2に対して着脱自在となっている。なお、現像カートリッジ28は、装置本体2に固定されたドラムカートリッジ100に対して着脱自在に構成されていてもよい。現像カートリッジ28は、ケース本体34、現像ローラ31、層厚規制ブレード32および供給ローラ33を備え、ケース本体34には、トナーが収容されている。
【0030】
この現像カートリッジ28では、ケース本体34内のトナーが供給ローラ33により現像ローラ31に供給され、このとき、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32と現像ローラ31との間に進入し、さらに摩擦帯電されつつ、一定の厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
【0031】
ドラムカートリッジ100は、感光体ドラム27、スコロトロン型帯電器29および転写ローラ30を主に備えている。そして、このドラムカートリッジ100内において、感光体ドラム27の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部16からのレーザ光の高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0032】
次いで、現像ローラ31が感光体ドラム27に接触して回転することにより、現像ローラ31の表面に担持されている正帯電されたトナーが、感光体ドラム27の表面上に形成された静電潜像に供給されて、感光体ドラム27の表面上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム27と転写ローラ30の間で用紙3が搬送される際に、感光体ドラム27上のトナー像が、後述する転写電極200を介して制御装置50より電圧が印加されている転写ローラ30に引き寄せられて用紙3に転写される。なお、ドラムカートリッジ100の詳細構成については、後で詳しく説明する。
【0033】
定着装置18は、プロセスカートリッジ17の後方に設けられ、加熱ローラ41と、加熱ローラ41を加圧する加圧ローラ42とを備えている。そして、定着装置18では、用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させている。なお、定着装置18で熱定着された用紙3は、搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送される。そして、排紙パス44に送られた用紙3は、排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排出される。
【0034】
制御装置50は、装置本体2内の適宜な位置に配置され、装置本体2に支持されている本体側電極60を介して、後述する転写電極200に接続され、転写ローラ30に転写バイアス(電圧)を印加する電源として機能する(図2参照)。
【0035】
<ドラムカートリッジの詳細構成>
次に、本発明の特徴部分であるドラムカートリッジ100の構成について詳しく説明する。
【0036】
図2に示すように、ドラムカートリッジ100は、筐体110の後方に、感光体ドラム27と、金属製のシャフト30Aを有する転写ローラ30と、転写電極200とを備えている。
【0037】
転写電極200は、転写ローラ30に電圧を印加する部材であり、導電性樹脂などから形成されている。そして、転写電極200は、転写ローラ30のシャフト30Aの軸受けとしての機能も有している。転写電極200は、図3(a),(b)に示すように、断面視略U形状の軸受け部210と、軸受け部210の前後方向における両端部から前後方向外側に向けて延びるフランジ部220とを有している。
【0038】
軸受け部210は、シャフト30Aと接触する内周面211とは反対側の面である外周面212に、第1リブ230と、一対の第2リブ240を有している。
【0039】
第1リブ230は、装置本体2内に設けられている制御装置50に接続される接点であり、軸受け部210の最も下方に位置する部分に、外周面212から下方に向けて突出し、シャフト30Aの軸方向(以下、単に軸方向という)に延びて形成されている。
【0040】
一対の第2リブ240は、軸受け部210の左右端の2箇所が外周面212から突出し、前後のフランジ部220を繋ぐように、シャフト30Aの周方向に延びて形成されている。
【0041】
そして、転写電極200は、図4に示すように、転写電極200と転写ローラ30のシャフト30Aが圧接された状態で、感光体ドラム27に最も近い部分であるフランジ部220の上面221が、上下方向において、シャフト30Aの感光体ドラム27に最も近い部分である上端30Bよりも感光体ドラム27から離れた位置に設けられるように上下方向の大きさが設定されている。
【0042】
筐体110は、左右壁(右壁111のみ図示)に、後述する感光体ドラム27のシャフト27Bが配置される孔111Aを有し、図5(a)に示すように、底壁114に、転写ローラ30を収容する転写ローラ収容部121と、電極収容部122を有している。
【0043】
転写ローラ収容部121は、底壁114が下方へ凹むようにして形成され、転写ローラ30のローラ部分を収容できる大きさを有している。なお、転写ローラ30は、シャフト30Aの一端に、外部から駆動力が入力されて回転する図示しないギヤが固定されており、図5(b)に示すように、筐体110に組み付けた状態においては、ギヤが固定されていない他端が右側、つまり、電極収容部122側に配置されている。
【0044】
図5(a)に戻り、電極収容部122は、転写ローラ収容部121の右側に隣接して設けられており、図2に示すように、筐体110の底壁114が下方へ凹むとともに、底が上下に貫通している。そして、電極収容部122は、転写電極200のフランジ部220を支持する電極支持部123と、転写電極200の一対の第2リブ240の間に入る凸部128(図6(a),(b)参照)と、カバー部125(図5(a),(b)参照)とを有している。
【0045】
電極支持部123は、電極収容部122の前壁と後壁の両方から、前後方向の内側へ平板状に延びて形成されている。
【0046】
凸部128は、図6(a),(b)に示すように、電極支持部123の下方において、前壁および後壁の略中央部から2つずつ、前後方向の内側に向けて突出して形成されている。
【0047】
カバー部125は、図5(a)に示すように、筐体110の右壁111から左方、つまり、転写ローラ30のシャフト30Aの軸方向の外側から内側へ向かって延び、感光体ドラム27と転写電極200の間に配置されている。
【0048】
具体的に、感光体ドラム27は、図4に示すように、金属製の素管27Aの表面に感光層27Dを塗布してなり、感光体ドラム27の左右端において、素管27Aの一部が露出している。この感光体ドラム27は、シャフト27Bが、筐体110の孔111Aに配置されることで、筐体110に回転可能に支持され、転写ローラ30と対向している。また、転写電極200は、感光体ドラム27の素管27Aが露出している部分の下方に配置されている。そして、カバー部125は、先端125Aが、感光体ドラム27の素管27Aが露出している部分の内側端部27Cよりも左側(内側)でかつ、転写電極200の内側端部201よりも右側(外側)に位置している。
【0049】
そして、転写電極200は、図6(a),(b)に示すように、一対の第2リブ240の間に左右に並ぶ凸部128を挟むように、電極収容部122に配置されている。また、図5(a)に示すように、フランジ部220が電極支持部123と当接することで、転写電極200の下方への移動が規制されている。
【0050】
以上のように構成されたドラムカートリッジ100の作用および効果について説明する。
ドラムカートリッジ100を装置本体2に装着すると、図2に示すように、転写電極200の第1リブ230が本体側電極60と接触し、転写電極200が上方へ押し上げられる。これにより、転写電極200が転写ローラ30のシャフト30Aの下部、つまり、上下方向において転写ローラ30の感光体ドラム27とは反対側に圧接し、転写ローラ30が、転写電極200によって感光体ドラム27側へ押し上げられる。したがって、従来のような、転写電極から転写ローラ30に加わる力の向きが、感光体ドラム27と転写ローラ30の対向方向と直交する方向になる構成に比べ、転写ローラ30に加わる力の向きが、感光体ドラム27と転写ローラ30の対向方向と略平行になるので、転写ローラ30が感光体ドラム27に安定して接触することができる。
【0051】
そして、転写電極200は、シャフト30Aの軸受けであるため、転写電極とシャフト30Aの軸受けを別体とする場合に比べて、部品点数を少なくすることができる。また、熱膨張などにより、シャフト30Aまたは筐体110の寸法が変化しても、転写電極200を確実に転写ローラ30のシャフト30Aに当てることができる。
【0052】
また、転写電極200のフランジ部220の上面221は、転写電極200がシャフト30Aに圧接された状態で、シャフト30Aの上端30Bよりも感光体ドラム27から離れた位置に設けられているので、転写電極200を感光体ドラム27からなるべく遠ざけ、転写電極200と感光体ドラム27の間で電流がリークするのを抑制することができる。
【0053】
そして、筐体110は、感光体ドラム27と転写電極200の間に配置されるカバー部125を有しているので、転写電極200と感光体ドラム27の間で電流がリークするのを確実に抑制する。
【0054】
また、カバー部125は、軸方向において、先端125Aが感光体ドラム27の素管27Aが露出している部分の内側端部27Cよりも内側でかつ、転写電極200の内側端部201よりも外側に位置しているので、感光体ドラム27と転写ローラ30の圧接を邪魔しないように、転写電極200と感光体ドラム27の間の電流がリークしやすい部分のみカバー部125を設けることができる。
【0055】
そして、転写電極200は、軸方向に延びる第1リブ230を有し、この第1リブ230が制御装置50に接続される接点となるので、熱膨張により、転写電極200の位置が軸方向に変化しても、転写電極200は本体側電極60に当接することができる。
【0056】
また、転写電極200に設けられている周方向に延びる一対の第2リブ240の間に、筐体110の凸部128が入っているので、転写電極200の幅内を利用して、転写電極200の位置決めをすることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0058】
前記実施形態では、転写電極200のフランジ部220の上面221が、上下方向において、転写電極200がシャフト30Aに圧接された状態で、シャフト30Aの上端30Bよりも感光体ドラム27から離れた位置に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、転写電極200のフランジ部220の上面221が、上下方向において、転写電極200がシャフト30Aに圧接された状態で、シャフト30Aの上端30Bと同じ位置であってもよい。
【0059】
また、前記実施形態では、カバー部125の先端125Aは、感光体ドラム27の素管27Aが露出している部分の内側端部27Cよりも左側でかつ、転写電極200の内側端部201よりも右側に位置していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カバー部125の先端125Aは、軸方向において、転写電極200の内側端部201と同じ位置であってもよい。
【0060】
そして、前記実施形態では、転写電極200に一対の第2リブ240が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7(a),(b)に示すように、転写電極200に形成される第2リブ240は1つであってもよい。具体的に、この変形例の第2リブ240は、転写電極200の外周面212における左右方向の略中央部に形成されている。そして、筐体110には、左右方向の略中央部にそれぞれ2つずつ前後方向に突出する凸部128が形成されており、この2つの凸部128で第2リブ240を挟んでいる。このように構成されていても、転写電極200の軸方向における位置決めをすることができる。
【0061】
また、前記実施形態では、転写電極200に第1リブ230が1つ形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1リブ230は、転写電極200の前後方向の中央部から等距離の位置に、2つ設けられていてもよい。
【0062】
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 レーザプリンタ
27 感光体ドラム
27A 素管
28 現像カートリッジ
30 転写ローラ
30A シャフト
39 ドラムカートリッジ
50 制御装置
60 本体側電極
100 ドラムカートリッジ
110 筐体
121 転写ローラ収容部
122 電極収容部
123 電極支持部
125 カバー部
128 凸部
200 転写電極
210 軸受け部
230 第1リブ
240 第2リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に回転可能に設けられる感光体ドラムと、
シャフトを有し、前記筐体に回転可能に設けられ、前記感光体ドラムと対向する転写ローラと、
前記転写ローラに電圧を印加するための転写電極と、を備えたドラムカートリッジであって、
前記転写電極は、前記感光体ドラムと前記転写ローラの対向方向において、前記転写ローラの前記感光体ドラムとは反対側で前記シャフトと接触していることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項2】
前記転写電極は、前記シャフトの軸受けであることを特徴とする請求項1に記載のドラムカートリッジ。
【請求項3】
前記転写電極の前記感光体ドラムに最も近い部分は、前記転写電極が前記シャフトに圧接された状態で、前記対向方向において、前記シャフトの前記感光体ドラムに最も近い部分と同じ位置または当該同じ位置よりも前記感光体ドラムから離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項4】
前記筐体は、前記感光体ドラムと前記転写電極の間に配置されるカバー部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項5】
前記カバー部は、前記シャフトの軸方向において、外側から内側へ向かって延び、先端が、前記感光体ドラムの素管が露出している部分の内側端部よりも内側でかつ、前記転写電極の内側端部と同じ位置または前記転写電極の内側端部よりも外側に位置していることを特徴とする請求項4に記載のドラムカートリッジ。
【請求項6】
前記転写電極は、前記シャフトと接触する面とは反対側の面に、前記シャフトの軸方向に延び、電源に接続される接点となる第1リブを有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項7】
前記転写電極は、前記シャフトと接触する面とは反対側の面に、前記シャフトの周方向に延びる一対の第2リブをさらに有し、
前記筐体は、前記一対の第2リブの間に入って、前記軸方向における前記転写電極の位置決めをする凸部を有していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−247766(P2012−247766A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122018(P2011−122018)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】