説明

ドリップ式ティーバッグ

【課題】飲み頃の濃さと優れた風味を有する美味しい茶を安定していれられるドリップ式ティーバッグを提供する。
【解決手段】ドリップ式ティーバッグ1Aが、袋本体11と、袋本体11に充填された茶葉2と、袋本体11をティーカップ3の開口部近傍から上に掛止させる掛止部材20Aを備える。袋本体11は、平均繊維径1〜20μmのポリエステル系長繊維から形成された、目付20〜50g/m2 、最大開孔径40〜90μm、平均開孔径30〜60μm、厚み100〜200μm、平均見かけ密度0.16〜0.25g/cm3 の不織布からなる用フィルター材料から形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティーカップに掛止させて注湯することにより、容易にかつ安定的に美味しい茶をいれられるようにするドリップ式ティーバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
一杯分の茶を手軽に入れられるようにするティーバッグとして、通水性の織布又は不織布からなる袋本体に茶葉が充填され、糸タグが取り付けられたものが広く使用されている。このタイプのティーバッグは、茶葉が充填されている袋本体を、紅茶カップ、湯飲み等の茶を入れる容器(以下、ティーカップと略する)内で湯に浸漬しておくことで茶の抽出液を得る。
【0003】
また、茶葉が充填された平袋状の袋本体(フィルターバッグ)の対向する外表面に、薄板状材料からなるフック形の把手が貼着されているドリップ式ティーバッグが提案されている(特許文献1)。このドリップ式ティーバッグは、茶葉が充填されている袋本体をフック形の把手でティーカップに掛止させ、袋本体の上部開口部から注湯することにより茶の抽出液を得る。
【0004】
しかしながら、茶葉が充填されている袋本体をティーカップ内で湯に浸漬しておくタイプのティーバッグは、浸漬時間によって、茶の濃さや風味が異なるため、美味しい茶を安定的に得ることができない。特許文献1のドリップ式ティーバッグも、袋本体の中央部乃至底部が抽出液に浸るため、浸漬時間によって茶の濃さや風味が異なってしまう。
【0005】
一方、コーヒー用ドリップバッグとしては、コーヒー粉を充填した袋本体に、上述のフック形の把手が貼着されているものの他、袋本体をティーカップの開口縁近傍から上に掛止させる掛止部を袋本体に貼着したものがある(特許文献2、特許文献3)。このタイプのドリップバッグを茶の抽出に使用すると、袋本体がティーカップ内で抽出液に浸ることはない。しかしながら、茶葉が十分に広がって茶が抽出される前に抽出液が袋本体をおちきってしてしまい、美味しい茶をいれることができない。
【0006】
【特許文献1】特開2001-8623号公報
【特許文献2】実公昭52-2703号公報
【特許文献3】特開2004-242847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに対し、本発明は、飲み頃の濃さと優れた風味を有する美味しい茶を安定していれられるドリップ式ティーバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、茶を抽出するドリップ式ティーバッグを、袋本体をティーカップの開口縁近傍から上に掛止させるタイプとし、かつ、袋本体を特定のフィルター材料から形成すると、袋本体に湯を注ぎ始めてから抽出液が袋本体を落ちるまでの茶の抽出時間を、美味しい茶を入れるのに適した時間に制御できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、本発明は、平均繊維径1〜20μmのポリエステル系長繊維から形成された、目付20〜50g/m2 、最大開孔径40〜90μm、平均開孔径30〜60μm、厚み100〜200μm、平均見かけ密度0.16〜0.25g/cm3 の不織布からなるドリップ式ティーバッグ用フィルター材料を提供する。
【0010】
また、本発明は、このフィルター材料からなる袋本体と、袋本体に充填された茶葉と、袋本体をティーカップの開口部近傍から上に掛止させる掛止部材を備えたドリップ式ティーバッグを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のフィルター材料によれば、茶の抽出に適した通液性を有するので、これを袋状に形成してその中に茶葉を入れ、それをティーカップの開口部近傍から上に掛止し、注湯すると、湯を注ぎ始めてから抽出液が袋本体を落ちきるまでの茶の抽出時間を、安定的に、飲み頃の濃さと風味の美味しい茶を入れるのに適した時間とすることができる。
【0012】
したがって、このフィルター材料を用いた本発明のドリップ式ティーバッグによれば、茶を入れるときに、茶の抽出時間を気にかけることなく、安定的に、飲み頃の濃さと優れた風味を有する美味しい茶を入れることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明のフィルター材料を詳細に説明する。
【0014】
本発明のフィルター材料は、ドリップ式で緑茶、紅茶、中国茶等の茶を入れる場合、特に、緑茶を入れる場合に好ましく用いられるもので、ポリエステル系長繊維から形成された不織布からなる。
【0015】
このポリエステル系長繊維は平均繊維径が1〜20μmの極細乃至細繊維である。平均繊維径がこの範囲のポリエステル系長繊維を使用することにより、不織布における繊維間隙を、茶の抽出に適した適度の通液性を発揮する大きさとし、かつ茶葉の粉漏れを抑制するのに十分な細かさにすることができる。
【0016】
ポリエステル系長繊維としては、単独の太さの繊維を用いてもよいが、1〜8μmの極細繊維と平均繊維径10〜20μmの細繊維を混合して用いてもよく、特に、平均繊維径1〜8μmのポリエステル系長繊維からなる極細繊維不織布層と平均繊維径10〜20μmのポリエステル系長繊維からなる細繊維不織布層とを積層することが好ましく、中でも、極細繊維不織布層の上下に細繊維不織布層を積層することが好ましい。このように極細繊維不織布層と細繊維不織布層との積層構造とすることにより、茶葉の粒度分布が異なっても、目詰まりを起させずに、茶の抽出の時間を一定に保ち、誰にでも飲み頃の濃さの美味しい茶を抽出することが可能となる。
【0017】
この繊維を構成するポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等を使用することが好ましい。
【0018】
また、不織布にヒートシール性を付与するため、不織布を積層構造とする場合には少なくとも不織布の片面をなす一層に融点30℃以下のポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレンイソフタレート共重合体等の低融点樹脂を含有させることが好ましい。この他、ポリエステル系長繊維を芯鞘型とし、芯に融点240〜280℃の高融点ポリエステル系樹脂を使用し、鞘に融点100〜220℃の低融点ポリエステル系樹脂や非晶性で融点の存在しないポリエステル系樹脂を使用してもよい。
【0019】
このようなポリエステル系長繊を用いた不織布の製造方法としては、スパンボンド法、メルトブロー法とすることができる。
【0020】
この不織布の目付は、目付20〜50g/m2とし、好ましくは25〜40g/m2とする。目付が小さすぎると繊維間隙が大きくなり、これをドリップ式ティーバッグ用のフィルター材料として用いた場合に茶葉の粉漏れが多くなる。反対に、目付が大きすぎると茶葉の粉漏れは少なくなるが、通液速度が低下し、茶の抽出時間が過度に長くなるので得られる茶が渋く濃いものになる。
【0021】
不織布の開孔径分布については、最大開孔径を40〜90μmとし、かつ平均開孔径を30〜60μmとする。最大開孔径又は平均開孔径が小さ過ぎると、この不織布をドリップ式ティーバッグ用のフィルター材料として用いた場合に茶の抽出時間が過度に長くなるので得られる茶は渋く濃いものとなり、また最大開孔径又は平均開孔径が大き過ぎると茶葉の粉漏れが多くなる。
【0022】
不織布の厚みは、100〜200μmとし、好ましくは120〜150μmとする。厚みが薄すぎると、これをドリップ式ティーバッグ用のフィルター材料として用いた場合に茶の抽出時間が過度に短くなるので得られる茶は薄いものになり、反対に、厚すぎると抽出時間が過度に長くなるので得られる茶は渋く濃いものになる。
【0023】
不織布の平均見かけ密度は0.16〜0.25g/cm3 とし、好ましくは0.17〜0.23g/cm3 とする。平均見かけ密度が小さすぎると、これをドリップ式ティーバッグ用のフィルター材料として用いた場合に茶葉の粉漏れが多くなり、反対に大きすぎると茶葉の粉漏れは少なくなるが、通液速度が低下し、茶の抽出時間が過度に長くなるので、得られる茶は渋く濃いものになる。
【0024】
不織布には、熱エンボスロール等を用いる部分熱圧着処理、又は超音波融着処理等により、融着区域を散在させることが不織布の形態保持性や強度を向上させる点で好ましい。この融着パターンは、点状、島状、縞状等任意のパターンにすることができるが、融着区域の不織布表面に占める面積率(部分熱圧着率)は、15〜30%とすることが好ましい。部分熱圧着率が小さすぎると、これをドリップ式ティーバッグ用のフィルター材料として用いた場合に、通液性は高くなるが強度や剛性が低下し、反対に大きすぎると強度や剛性は高くなるが通液性が低下する。
【0025】
本発明のドリップ式ティーバッグは、上述した不織布からなるフィルター材料を用いて袋本体を形成し、その中に茶葉を充填したものであって、袋本体をティーカップの開口部近傍から上に掛止できるように掛止部材を備えたものである。
【0026】
ここで、袋本体をティーカップの開口部近傍から上に掛止するとは、茶の抽出時に、袋本体がティーカップ内の抽出液に浸らないように、ティーカップの上方に掛止させることをいう。したがって、ティーカップにおける袋本体の掛止位置が、厳密にティーカップの開口縁より上にのみ位置する場合の他、袋本体の底部はティーカップの開口縁よりも下側に位置するが、適量の湯(通常、ティーカップの容量の80%以下)を用いて茶の抽出を完了させ、ティーカップ内の抽出液の液面が高くなっている状態においても、袋本体の底部が抽出液の液面より高い位置にある場合を含む。
【0027】
茶葉としては、緑茶、紅茶、中国茶等の茶葉をあげることができ、中でも緑茶の茶葉とすると、抽出時間が美味しさに大きく影響するので本発明の効果を顕著に奏じさせることができる。茶葉の粒度については、一般に、湯に浸漬し、その抽出液を飲むように調製したものであれば特に制限はなく、粉茶、茎茶、芽茶、頭等や、それらを仕上げ加工、篩い分けする前の荒茶とすることができる。即ち、前述の要件を満たす本発明のフィルター材料は、茶葉の種類や粒度に関わらず、大凡茶葉である限り、荒茶であっても、粉茶であっても、あるいはそれらの混合物であっても、それらから飲み頃の濃さの美味しい茶を入れることを可能とする。
【0028】
以下、本発明のドリップ式ティーバッグの一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0029】
図1は、本発明の一実施例のドリップ式ティーバッグ1Aの使用状態の斜視図であり、図2(a)はこのドリップ式ティーバッグ1Aの平面図、同図(b)はその断面図である。
【0030】
このドリップ式ティーバッグ1Aは、袋本体11、袋本体11の上部開口部を覆う通水性のカバーシート12、袋本体11の内部に充填された茶葉2及び袋本体11に貼着している掛止部材20Aからなる。
【0031】
袋本体11は、図2に示すように、本発明のフィルター材料10からなる矩形シートに一対のマチ13を折りたたんだ状態で、その周縁部14を、カバーシート12を挟んで掛止部材20Aの裏面の周縁部近傍に熱シールしたものとなっている。
【0032】
カバーシート12は、本発明のドリップ式ティーバッグにおいては、袋本体11から茶葉2が溢れないようにするため、掛止部材や袋本体の形状により必要に応じて設けられる。カバーシート12としては、通水性がよく、透明性の高いものが好ましく、例えば、紗織物、特許3939326号記載の透明性の高い不織布、孔開きフィルム等を使用することができ、中でも、紗織物等が好ましい。
【0033】
茶葉2は、袋本体11内に、カバーシート12で蓋をされるようにして充填されている。
この充填量は、通常の一杯分の分量でよく、例えば、緑茶の場合1.8〜2.5gとするのが好ましい。
【0034】
掛止部材20Aは、紙、プラスチックシート等の薄板状材料から形成されている。
図2(a)に示すように、掛止部材20Aの中央部には矩形の開口部21が開けられている。この開口部21は、図1に示すドリップ式ティーバッグの使用状態では、注湯口となるため、その大きさは、一般的なティーカップの開口径よりも小さくなるように、縦35〜75mm、横35〜75mm程度とすることが好ましい。
【0035】
開口部21をなす矩形の各頂点22からは長手方向Aに切れ込み23が形成され、その切れ込み23の先端24と掛止部材の側辺25との間には折線26としてミシン目が形成されている。この折線26の側辺25上の端点26aの位置は、各折線26とも、切れ込み23の先端24より掛止部材20Aの中央部寄りとなっている。
【0036】
また、同図における掛止部材20Aの上下周縁部には、それぞれ中央と左右に突出部27a、27bが形成されている。この突出部27a、27bと開口部21とで挟まれた領域が、図1に示すドリップ式ティーバッグ1Aの使用状態では、ティーカップ3の開口縁上に起立する起立片28となる。
【0037】
図2のドリップ式ティーバッグ1Aを用いて茶を抽出する際は、まず、開口部21を挟んで上周縁部の起立片28と下周縁部の起立片28が対向するように掛止部材20Aを折り曲げ、図1に示すように、中央突出部27aと左右突出部27bとでティーカップ3の開口縁を挟むようにして掛止部材20Aをティーカップ3上に掛止させる。これにより、袋本体11は、マチ13が広がりドリップ式ティーバッグ1Aの天面29から垂れ下がった状態となるが、袋本体11の底部はティーカップ3の開口部近傍から上に位置し、注湯後においても袋本体11がティーカップ3内にたまった茶の抽出液に浸ることはない。
【0038】
また、図1のようにドリップ式ティーバッグ1Aをティーカップ3上に掛止させると、起立片28の上端部28aがカバーシート12の縁部から起立した状態となり、天面29は開口部21側が下がった傾斜面となる。
【0039】
次に、開口部21からカバーシート12を通して注湯する。この場合、開口部21が起立片の上端部28aと傾斜した天面29で囲まれているため、開口部21を覆っているカバーシート12で湯がはねても、湯が開口部21の周囲に散ることを防止できる。
【0040】
注がれた湯は直ちには袋本体11を通過せず、徐々にフィルター材料10を通過する。このため湯は袋本体11内に滞留し、茶の抽出に適した時間をかけてティーカップ3内に落ちきる。この注湯開始後、抽出液がティーカップに落ちきるまでの茶の抽出時間は、茶の種類や茶葉の粒度にもよるが、通常40〜80秒程度となる。
【0041】
したがって、注湯した後は、抽出時間を気にかけることなく、常に、飲み頃の濃さと優れた風味を有する美味しい茶を入れることが可能となる。
【0042】
このドリップバッグ1Aは、次のように製造することができる。
【0043】
まず、図3(a)に示すように、帯状のフィルター材料原反10o にマチ13を折りたたんだものと、帯状のカバーシート原反12o を重ね合わせ、両側縁部をシールして筒状とし、次いで、幅方向のシールとドリップ式ティーバッグ1個分の茶葉2の充填を順次繰り返し、幅方向のシール部分で切り離すことにより、袋本体11とカバーシート12からなる袋体に茶葉2が充填された茶葉充填体30を得る。
【0044】
一方、同図(b)に示すように、帯状の薄板状材料31に開口部21と切れ込み23を打ち抜き、折線26を形成しておく。そして、茶葉充填体30を位置合わせして薄板状材料31に重ね、茶葉充填体30の周縁部14を薄板状材料31と熱接着し、掛止部材の中央突出部27a及び左右突出部27bを打ち抜きつつドリップ式ティーバッグ1個分ずつに薄板状材料31を切り離し、ドリップ式ティーバッグ1Aを得る。
【0045】
本発明のフィルター材料を用いるドリップ式ティーバッグは、それをティーカップに掛止させ、注湯して茶をいれるときに、茶葉が充填されている袋本体がティーカップの開口部近傍から上に掛止され、袋本体がティーカップ内の抽出液に浸らない限り種々の態様をとることができる。
【0046】
例えば、前述のドリップ式ティーバッグ1Aにおいて、切れ込み23や折線26の形成を省略した掛止部材を用いてもよい。図5(a)は、そのように形成した掛止部材20Bを用いたドリップ式ティーバッグ1Bの平面図であり、同図(b)は断面図である。このドリップ式ティーバッグ1Bによれば、図4に示すように、使用状態で天面29が平坦となる。
【0047】
また、特許文献3のように、使用時にV字型に開く掛止部材で袋本体を掛止するものでもよい。
【実施例】
【0048】
実施例1〜3及び比較例1〜7
表1に示す繊維からなる不織布を用いて図1と同様のドリップ式ティーバッグを作製した。なお、表中の「不織布の層構成」は、例えば実施例1では、平均繊維径15μmで融点260℃のポリエステル系繊維不織布層と、平均繊維径8μmで融点260℃のポリエステル系繊維不織布層と、平均繊維径15μmで融点260℃(芯)と180℃(鞘)の芯鞘型のポリエステル系繊維不織布層との積層構造であることを表している。
【0049】
また、フィルター材料の通液性を計測するため、茶葉を充填しないものも同様に作製した。
【0050】
茶葉を充填したドリップ式ティーバッグにおいて、茶葉としては、緑茶の荒茶又は粉茶を使用し、ドリップ式ティーバッグ1個あたりの充填量は2.0gとした。
【0051】
この荒茶と粉茶の粒度分布をふるいにより計測した。結果を図6に示す。
【0052】
また、各不織布の(a)目付、(b)厚み、(c)平均見かけ密度、(d)開口径、(e)部分熱圧着率を次のように測定し、さらに(f)注湯試験を次のように行った。これらの結果を表1に示す。
【0053】
(a)目付
JIS L 1906 一般長繊維不織布試験方法 4.2(単位面積あたりの質量)により測定した。
【0054】
(b)厚み
JIS L 1096の6.5(厚さ)により測定した。
【0055】
(c)平均見かけ密度
(a)で求めた目付mと、(b)で求めた厚さTから、次式により算出した。
平均見かけ密度d(g/cm3 )=m/T
【0056】
(d)最大開孔径、平均開孔径
バブルポイント法(JIS K 3832) による細孔径分布測定器により測定した。
【0057】
(e)部分熱圧着率
エンボス加工用のロールの凸部の面積に基づいて算出した。
【0058】
(f)注湯試験
(f-1)茶葉が充填されていない場合と粉茶が充填されている場合のそれぞれについて、ドリップ式ティーバッグに湯(90℃)を140mL注ぎ、注湯開始から抽出液が完全に袋本体から落ちきるまでの時間を計測した。
【0059】
(f-2)また、(f-1)の注湯によりティーカップに入った茶の味を緑茶評価の専門家が評価した。











【0060】
【表1】

【0061】
表1から、本発明の実施例のドリップ式ティーバッグによれば、茶の抽出時間が、大凡40〜80秒の範囲にあり、美味しい茶を得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、茶を手軽にいれる抽出具として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ドリップ式ティーバッグ1Aの使用状態の斜視図である。
【図2】ドリップ式ティーバッグ1Aの平面図及び断面図である。
【図3】ドリップ式ティーバッグ1Aの製造方法の説明図である。
【図4】異なる態様のドリップ式ティーバッグ1Bの使用状態の斜視図である。
【図5】ドリップ式ティーバッグ1Bの平面図及び断面図である。
【図6】実施例で用いた荒茶と粉茶の粒度分布図である。
【符号の説明】
【0064】
1A、1B 実施例のドリップ式ティーバッグ
2 茶葉
3 ティーカップ
10 フィルター材料
10o フィルター材料原反
11 袋本体
12 カバーシート
12o カバーシート原反
13 マチ
14 周縁部
20A、20B 掛止部材
21 開口部
22 頂点
23 切れ込み
24 切れ込みの先端
25 側辺
26 折線
26a 折線の端点
27a 中央突出部
27b 左右突出部
28 起立片
28a 起立片の上端部
29 天面
30 茶葉充填体
31 薄板状材料
A 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均繊維径1〜20μmのポリエステル系長繊維から形成された、目付20〜50g/m2 、最大開孔径40〜90μm、平均開孔径30〜60μm、厚み100〜200μm、平均見かけ密度0.16〜0.25g/cm3 の不織布からなるドリップ式ティーバッグ用フィルター材料。
【請求項2】
平均繊維径1〜8μmのポリエステル系長繊維と平均繊維径10〜20μmのポリエステル系長繊維を含む請求項1記載のフィルター材料。
【請求項3】
平均繊維径1〜8μmのポリエステル系長繊維からなる極細繊維不織布層と平均繊維径10〜20μmのポリエステル系長繊維からなる細繊維不織布層との積層構造を有する請求項1又は2記載のフィルター材料。
【請求項4】
部分圧着率が15〜30%である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター材料。
【請求項5】
不織布層の少なくとも1層が融点30℃以下の低融点繊維を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター材料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のフィルター材料からなる袋本体と、
袋本体に充填された茶葉と、
袋本体をティーカップの開口部近傍から上に掛止させる掛止部材を備えたドリップ式ティーバッグ。
【請求項7】
茶葉が粉茶を含む請求項6記載のティーバッグ。
【請求項8】
掛止部材が、袋本体に貼着した薄板状材料からなり、
中央部に開けられた開口部、
開口部を挟んで対向するように折り曲げられ、ティーカップの開口縁上に起立する起立片、及び
起立片の周縁部に設けられて起立片をティーカップの開口縁に掛止させる突出部を有し、
開口部が通水性カバーシートで覆われている請求項6又は7記載のティーバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−262991(P2009−262991A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118316(P2008−118316)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(590002389)静岡県 (173)
【出願人】(396015057)大紀商事株式会社 (19)
【Fターム(参考)】