説明

ドレンカゴ構築用基本構造、ドレンカゴ構築方法およびドレンカゴ

【課題】側網の重複による無駄が生じず、それにより製造コスト・運搬コストの低減を図ることができ、取り扱い性・作業性をより高め、しかも高い強度の得られる、ドレンカゴを提供する。
【解決手段】ドレンカゴ構築用基本構造10は、長方形状の金網製パネル三枚3、1、2によって底網部6および隣接する第一側網部4ならびに第二側網部5が形成され、二の側面方向に開放端部7、8が形成されている構成とする。底網部6はドレンカゴの底網、第一側網部4ならびに第二側網部5はいずれもドレンカゴの側網を形成することになる。金網製パネル1等は、溶接金網製またはエキスパンドメタル製とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内部に石を詰めて各種土木作業において使用するドレンカゴに係り、特に強度に優れ、作業性にも優れる、新規なドレンカゴに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドレンカゴは、雪解け時の斜面の崩落を防止したい場合等、法面もしくは後背地から発生する湧水による法面土砂の侵食を防止するために使用されているが、その機能・効果は、これが敷設される法面を面的な排水構造にすることである。
【0003】
図6は、従来のドレンカゴの構造および使用態様を示す側面視の説明図である。図示するように従来はたとえば、現場で、シート状の菱形金網を使い、これを折り曲げたり、起こしたりして単独箱状のドレンカゴ610を組み立て、その中に所定の石を投入し、投入後、菱形金網の上蓋61(蓋網)を被せ、メッキ線等で周囲を結束することで、ドレンカゴ610が形成される。
【0004】
なおドレンカゴについては従来、技術的な提案もなされている。たとえば特許文献1に開示されている技術は、ドレンカゴの部品点数を減らして製品コストを削減することを目的として、ドレンカゴの底網と側網の共通骨線に、側網に対して略直角を呈するカール部を設けるというものである。これにより、カール部の外側部分で人力により骨線を容易に曲げることができるため、コイル材を用いるまでもなく、側網を簡単に立ち上げて成形できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3133937号公報「ドレン篭」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献に開示されている技術も含め、従来のドレンカゴには問題があった。すなわち従来のドレンカゴは、四つの側面方向全てに側網が設けられた箱状の形態であって、これを所定個数用いて一列になるよう設置するのであるが、設置する面においては、二つのドレンカゴの側網が重複してしまい、無駄が生じている。これは、製造コスト・運搬コストにも影響する。集積にも場所を多く取り、好ましくない。
【0007】
また、取り扱い性にも影響があり、このことは現場での敷設作業時における作業性にも影響する。さらに、従来のドレンカゴは通常、菱形金網で製作されているが、これは決して十分な強度を備えているとはいえず、敷設作業においても、また法面保護機能の点からも、より高い強度のものとすることが求められている。以上述べた従来の状況・問題点は、上記文献開示技術によっても何ら着目されておらず、当然ながら解決できるものでもない。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、側網の重複による無駄が生じず、それにより製造コスト・運搬コストの低減を図ることができ、さほど場所を取らずに集積もしやすく、取り扱い性・作業性をより高め、しかも高い強度の得られる、ドレンカゴおよびこれに関する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は上記課題について検討した結果、金網製パネル三枚を用いて底網部および隣接する第一側網部ならびに第二側網部が形成された状態の基本構造に基づいて課題解決が可能であることに想到し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0010】
(1) 長方形状の金網製パネル三枚によって底網部および隣接する第一側網部ならびに第二側網部が形成され、二の側面方向に開放端部が形成されていて、いずれかの側面方向に別の該金網製パネルを連結した場合には、新たな側網部が形成される、ドレンカゴ構築用基本構造。
(2) 前記底網部は、前記第一側網部および第二側網部により規定される長方形と同じ形状であることを特徴とする、(1)に記載のドレンカゴ構築用基本構造。
(3) 前記底網部を形成するための金網製パネルは、前記第一側網部および第二側網部により規定される長方形よりも大きい形状および面積を有しており、いずれかの側面方向に別の該金網製パネルを連結した場合には、新たな側網部が形成されることを特徴とする、(1)に記載のドレンカゴ構築用基本構造。
(4) 前記金網製パネルは、溶接金網製、エキスパンドメタル製またはひし形金網製のいずれかであることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載のドレンカゴ構築用基本構造。
【0011】
(5) (2)に記載のドレンカゴ構築用基本構造を用い、該ドレンカゴ構築用基本構造の少なくとも一の開放端部方向に別のドレンカゴ構築用基本構造を連結する連結工程を一回以上含む、ドレンカゴ構築方法。
(6) (3)に記載のドレンカゴ構築用基本構造を用い、該ドレンカゴ構築用基本構造の少なくとも一の開放端部方向に、別の前記第一側網部用の金網製パネル、および別の第二側網部用の金網製パネルのみを連結する連結工程を一回以上含む、ドレンカゴ構築方法。
(7) (1)ないし(4)のいずれかに記載のドレンカゴ構築用基本構造を用いて構築されている、
ドレンカゴ。
(8) (1)ないし(4)のいずれかに記載のドレンカゴ構築用基本構造を組み立てるための、金網製パネルのセット。
【発明の効果】
【0012】
本発明のドレンカゴ構築用基本構造、ドレンカゴ構築方法およびドレンカゴは上述のように構成されるため、これによれば、側網の重複による無駄が全く生じず、それにより製造コスト・運搬コストの大幅低減を図ることができる。また、本発明のドレンカゴ構築用基本構造は、要するに金網製パネルという単板を用いるものであるため、占有スペースを格段に小さくすることができ、保管や集積に大変便利である。
【0013】
また、たとえば、ドレンカゴ用の資材をまとめておきたい際には、本発明のドレンカゴ構築用基本構造は要するに、金網製パネルという単板を用いるものであるため、従来よりもまとめられる数が格段に多くなり、かつまとめやすくなるなど、取り扱い性が大いに改善される。したがって、現場でのドレンカゴ敷設作業時における作業性も高まる。さらに、溶接金網製の屈曲パネルや金網製部材とすることによって、従来よりも強度を高めることができるため、敷設作業もしやすく、また法面保護機能も高めることができる。
【0014】
また本発明によれば、屋外の、しかも風・雨・雪といった自然条件の影響を直接受ける状況での作業となるドレンカゴの敷設作業の苦労、過酷さを、根本的に解消することができる。またこのことは、上述のとおり作業効率を大いに向上させ、作業性を高めることに直接つながり、工期を短縮させることができ、その後の作業や工程を加速することができ、ひいては工事目的の構造物等における生産・製造活動の開始を、早めることができる。
【0015】
また本発明による作業労力軽減効果の改善は、かかる作業に従事することの多い老年者・高齢者にとっては特に喜ばれることであり、人に優しい、人間性重視の生産活動の一つとしても、大いに意義を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明ドレンカゴ構築用基本構造の基本的構成を示す斜視の説明図である。
【図2】図1に示すドレンカゴ構築用基本構造を用いて構築されるドレンカゴの基本構成およびその連結体の基本構成を示す斜視図である。
【図3】本発明ドレンカゴ構築用基本構造の別の構成例を示す斜視の説明図である。
【図4】図3に示すドレンカゴ構築用基本構造を用いて構築されるドレンカゴの基本構成およびその連結体の基本構成を示す斜視図である。
【図5】本発明ドレンカゴ等における結合方法例を示す説明図である。
【図6】従来のドレンカゴの構造および使用態様を示す側面視の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。なお、各図面においては、後記各屈曲パネルや他の金網部材はそれぞれ一定の厚さを備えたものとして示すが、これらはいずれも金網製であるところのものを、いわば模式的に示したものである。
図1は、本発明ドレンカゴ構築用基本構造の基本的構成を示す斜視の説明図である。また、
図2は、図1に示すドレンカゴ構築用基本構造を用いて構築されるドレンカゴの基本構成およびその連結体の基本構成を示す斜視図である。これらに図示するように本ドレンカゴ構築用基本構造10は、長方形状の金網製パネル三枚3、1、2によって底網部6および隣接する第一側網部4ならびに第二側網部5が形成され、二の側面方向に開放端部7、8が形成されていることを、主たる構成とする。なお第一網部4の形状は長方形であるが、各図では長方形の一例である略正方形の場合を示している。また図においては、底網部6はドレンカゴの底網、第一側網部4ならびに第二側網部5はいずれもドレンカゴの側網を形成することになる。
【0018】
つまり本ドレンカゴ構築用基本構造10は、長方形状の金網製パネル三枚3、1および2が、それぞれ、底網部6、隣接する第一側網部4および第二側網部5を形成するように連結されることによって、組み立てられる。これにより、ドレンカゴ構築用基本構造10は、その二の側面方向に開放端部7、8が形成された形態となっているが、これら開放端部7、8にはいずれも、上記金網製パネル1等と同サイズの別の金網製パネル(以下、これも単に「金網製パネル」ということがある。)を連結したり、あるいは別のドレンカゴ構築用基本構造10を連結したりすることができる。それらが連結されることによって、元のドレンカゴ構築用基本構造10においては、新たな側網部が形成された形態となる。
【0019】
なお、金網製パネル1等と同サイズの別の金網製パネルや、別のドレンカゴ構築用基本構造10を連結する箇所は、ドレンカゴ構築用基本構造10の開放端部7、8だけではなく、それとは別の側面方向であるところの第一側網部4や第二側網部5であってもよい。もっともその場合は、別の金網製パネルではなく別のドレンカゴ構築用基本構造10を連結するのがよい。それにより、ドレンカゴの形成やドレンカゴ連結体の構築を効率よく行うことができる。なお、ドレンカゴの形成およびドレンカゴ連結体の構築いずれの場合も、これらを完成させるために最終的に必要な蓋網については、ここでは除外して説明する。以下の各説明においても同様である。
【0020】
図示するように本ドレンカゴ構築用基本構造10においては、底網部6は、第一側網部4および第二側網部5により規定される長方形と同じ形状であるものとすることができる。すなわち、第一側網部4を形成するための金網製パネル1における底網部6との連結用の辺の長さと、第二側網部5を形成するための金網製パネル2における底網部6との連結用の辺の長さとを、底網部6を形成するための金網製パネル3の両辺の長さとすることができる。
【0021】
かかる構成により、長方形状の金網製パネル三枚3、1および2が、それぞれ、底網部6、隣接する第一側網部4および第二側網部5を形成するように連結されて組み立てられた本ドレンカゴ構築用基本構造10においては、その二の側面方向のいずれに別の本ドレンカゴ構築用基本構造10を連結した場合にも、連結のなされた開放端部において、一方のドレンカゴ構築用基本構造10の底網部と他方のドレンカゴ構築用基本構造10の側網部とが重複や不足を生じることのない連結状態を得ることができる。
【0022】
したがって、かかる構成の本発明ドレンカゴ構築用基本構造10を用いれば、金網製パネル1等と同サイズの別の金網製パネルを連結したり、あるいは別のドレンカゴ構築用基本構造10を連結したりすることによって、新たな側網部が形成されながら、連結部位における各側網部や底網部の重複や不足を生じることなく、効率のよいドレンカゴの形成やドレンカゴ連結体の構築を得ることができる。
【0023】
図2に示すように、ドレンカゴ構築用基本構造10を複数用い、ドレンカゴ構築用基本構造10の少なくとも一の開放端部7等またはそれに対応する側面方向に、別のドレンカゴ構築用基本構造10を連結する連結工程を一回以上行うことによって、ドレンカゴやドレンカゴ連結体50を構築していくことができる。このとき、必要に応じて連結方向(伸長方向)の終端においては、適宜に金網製パネル1等を側網として補えばよい。
【0024】
たとえば、一のドレンカゴ構築用基本構造10の一方の開放端部8方向には他のドレンカゴドレンカゴ構築用基本構造10を連結し、他方の開放端部7方向には金網製部材1を連結すれば、四枚全ての側網が揃ったドレンカゴの基本的な構成(上述のとおり、蓋網は除き。)が形成される。後はこれに、蓋網を被せ連結すれば一つのドレンカゴは完成する。
【0025】
図示するように、ドレンカゴ構築用基本構造10を連結して伸長していく方向は、両方向でもよいし、またいずれか一方のみでもよい。連結する個数も任意である。いずれにしても、最終的には必要に応じて連結方向(伸長方向)の終端に適宜に金網製パネル1等が側網として補われ、全てのドレンカゴの上には蓋網が被せられ連結されて、ドレンカゴおよびドレンカゴ連結体50を完成することができる。
【0026】
本発明によれば、隣接する二つのドレンカゴの間で側網部が全く重複することがなく、従来のような無駄が生じない。これは、隣接する二つのドレンカゴにおいて側網を共用する構造となるからである。したがって、製造コスト・運搬コストを大幅に低減でき、保管・集積も格段にしやすくなり、優れた取り扱い性や作業性を実現することができる。なお、側網部や底網部に不足が生じないことも、上述のとおりである。
【0027】
以上述べた本発明においては、金網製パネル1等としては特に、溶接金網またはエキスパンドメタルを用いるものとすることができる。これらの材料によれば、従来の菱形金網製のものを用いる場合と比べて最終的に構築されるドレンカゴ全体が堅固になり、耐久性にも優れ、敷設作業時においても作業性がよく、堅牢なドレンカゴ連結体として敷設することができる。なお、ドレンカゴの蓋網にも溶接金網やエキスパンドメタルを用いることができる。またこれは、以下説明する全ての本発明についても同様である。
【0028】
図3は、本発明ドレンカゴ構築用基本構造の別の構成例を示す斜視の説明図である。また、
図4は、図3に示すドレンカゴ構築用基本構造を用いて構築されるドレンカゴの基本構成およびその連結体の基本構成を示す斜視図である。これらに図示するように本ドレンカゴ構築用基本構造310は、長方形状の金網製パネル三枚33、31、32によって底網部366および隣接する第一側網部34ならびに第二側網部35が形成され、二の側面方向に開放端部37、38が形成されていて、特に底網部36を形成する金網製パネル33が、第一側網部34および第二側網部35により規定される長方形よりも大きい形状および面積を有していることを、特徴的な構成とする。なお第一網部34の形状は長方形であるが、各図では長方形の一例である略正方形の場合を示している。また図においては、底網部36はドレンカゴの底網、第一側網部34ならびに第二側網部35はいずれもドレンカゴの側網を形成することになる。
【0029】
つまり本ドレンカゴ構築用基本構造310は、長方形状の金網製パネル三枚33、31および32が、それぞれ、底網部36、隣接する第一側網部34および第二側網部35を形成するように連結されることによって、組み立てられる。これにより、ドレンカゴ構築用基本構造310は、その二の側面方向に開放端部37、38が形成された形態となっているが、これら開放端部37、38にはいずれも、上記金網製パネル31または32と同サイズの別の金網製パネルを側網として連結することができる。それによって、元のドレンカゴ構築用基本構造310においては、新たな側網部が形成された形態となる。なお、金網製パネル31等と同サイズの別の金網製パネルを連結する箇所は、図1等に示した本発明の基本的構成と同様、別の側面方向であるところの第一側網部34や第二側網部35であってもよい。つまり、別の金網製パネルを連結する方向は限定されない。
【0030】
本構成例において、底網部36形成用の金網製パネル33が上述の構成をとることにより、長方形状の金網製パネル三枚33、31および32が、それぞれ、底網部36、隣接する第一側網部34および第二側網部35を形成するように連結されて組み立てられた本ドレンカゴ構築用基本構造310においては、開放端部37、38またはそれらに対応する二の側面方向のいずれに別の金網製パネル31または32を連結した場合にも、連結のなされた開放端部において、側網部や底網部の重複や不足を生じることのない連結状態を得ることができる。
【0031】
しかも、本ドレンカゴ構築用基本構造310は一つあれば、後は別の金網製パネル31等を順次連結していくだけで、別の底網部用の金網製パネル33を敢えてさらに使うことなく、ドレンカゴの作成やドレンカゴ連結体350の構築を得ることができる。つまり、かかる本発明ドレンカゴ構築用基本構造310構成例を用いれば、金網製パネル31等と同サイズの別の金網製パネルを連結することによって、新たな側網部が形成されながら、連結部位における各側網部や底網部の重複や不足を生じることなく、効率のよいドレンカゴの形成やドレンカゴ連結体の構築を得ることができる。
【0032】
なお図3において、第一側網部34および第二側網部35からなるL字状体は、その開放端部38が底網部36用の金網製パネル33の側端に位置するような金網製パネル33上位置に設けられているが、これは一例であり、本発明がこれに限定されるものではない。つまり、該第二側網部35が金網製パネル33の側端に位置するようにしてもよいし、それ以外の設置場所としてもよい。すなわち、ドレンカゴ構築用基本構造から最初のドレンカゴ形成をし、さらに伸長してドレンカゴ連結体を構築していくための、最初のL字状体は、金網製パネル33上のいかなる位置に設けることも可能である。したがってL字状体は、たとえば金網製パネル33の中央部等に設けられてもよい。
【0033】
また、底網部36形成用の金網製パネル33のサイズや、金網製パネル31、32に対するサイズ比率は、全く限定されない。要するに底網部36形成用の金網製パネル33は、複数のドレンカゴを形成できるだけの面積および形状を備えたものであればよい。
【0034】
図4に示すように、ドレンカゴ構築用基本構造310を一つ用い、ドレンカゴ構築用基本構造310の開放端部37、38、またはそれに対応する側面方向に、別の金網製パネル31、32を連結する連結工程を一回以上行うことによって、ドレンカゴやドレンカゴ連結体350を構築していくことができる。また、連結方向(伸長方向)の終端においては、必要に応じて、適宜に別の金網製パネル31等を側網として補えばよい。
【0035】
図示するように、ドレンカゴを伸長してドレンカゴ連結体を構築いく方向は、両方向でもよいし、またいずれか一方のみでもよい。連結する個数も任意である。いずれにしても、最終的には必要に応じて連結方向(伸長方向)の終端に適宜に金網製パネル31等が側網として補われ、全てのドレンカゴの上には蓋網が被せられ連結されて、ドレンカゴおよびドレンカゴ連結体350を完成することができる。
【0036】
本発明によれば、底網部を形成するための金網製パネルは一枚あればよく、また、隣接する二つのドレンカゴの間で側網部が全く重複することがなく、従来のような無駄が生じない。これは、隣接する二つのドレンカゴにおいて側網を共用する構造となるからである。したがって、製造コスト・運搬コストを大幅に低減でき、保管・集積も格段にしやすくなり、優れた取り扱い性や作業性を実現することができる。なお、側網部や底網部に不足が生じないことも、上述のとおりである。
【0037】
図5は、本発明ドレンカゴ等における結合方法例を示す説明図である。結合方法はここに図示する方法に限定されないが、このように側網の端部をL字状、あるいはU字状に曲げて底網に差し込むようにすることで、容易に両者を結合させることができる。なお、側網−側網間、側網−底網間、側網−蓋網間の結合は、コイル・クリップ・結束線等、適宜の方法を用いて行うものとすることができる。
【0038】
なおまた、蓋網の結合については、ドレンカゴ連結体の上面全部を被覆できる蓋網を被せ取り付ける方法、単体のドレンカゴごとに蓋網を取り付ける方法、単体のドレンカゴ二個以上に亘ってその上面を被覆できる蓋網を取り付ける方法、いずれでもよい。
【0039】
以上述べたとおり、本発明は、ドレンカゴ構築用基本構造、ドレンカゴ構築方法およびドレンカゴに係るものであるが、ドレンカゴ連結体や、ドレンカゴ構築用基本構造を組み立てるための金網製パネルのセットもまた、本発明の範囲内である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のドレンカゴ構築用基本構造、ドレンカゴ構築方法およびドレンカゴによれば、側網の重複による無駄が全く生じず、それにより製造コスト・運搬コストの大幅低減を図ることができ、集積もしやすく、取り扱い性や作業性をより高められ、さらに高い強度を得ることができる。また自然条件の影響を直接受ける状況での作業となるドレンカゴの敷設作業の苦労、過酷さを、根本的に解消し、作業性を高め、工期を短縮することができる。したがって、関連する全ての産業分野において産業上利用性が高い発明である。
【符号の説明】
【0041】
1、2、3、31、32、33…金網製パネル三枚
4、34…第一側網部
5、35…第二側網部
6、36…底網部
7、8、37、38…開放端部
10、310…ドレンカゴ構築用基本構造
50、350…ドレンカゴ連結体
61…上蓋(蓋網)
610…ドレンカゴ
D…排水方向
























【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の金網製パネル三枚によって底網部および隣接する第一側網部ならびに第二側網部が形成され、二の側面方向に開放端部が形成されていて、いずれかの側面方向に別の該金網製パネルを連結した場合には、新たな側網部が形成される、ドレンカゴ構築用基本構造。
【請求項2】
前記底網部は、前記第一側網部および第二側網部により規定される長方形と同じ形状であることを特徴とする、請求項1に記載のドレンカゴ構築用基本構造。
【請求項3】
前記底網部を形成するための金網製パネルは、前記第一側網部および第二側網部により規定される長方形よりも大きい形状および面積を有しており、いずれかの側面方向に別の該金網製パネルを連結した場合には、新たな側網部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のドレンカゴ構築用基本構造。
【請求項4】
前記金網製パネルは、溶接金網製、エキスパンドメタル製またはひし形金網製のいずれかであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のドレンカゴ構築用基本構造。
【請求項5】
請求項2に記載のドレンカゴ構築用基本構造を用い、該ドレンカゴ構築用基本構造の少なくとも一の開放端部方向に別のドレンカゴ構築用基本構造を連結する連結工程を一回以上含む、ドレンカゴ構築方法。
【請求項6】
請求項3に記載のドレンカゴ構築用基本構造を用い、該ドレンカゴ構築用基本構造の少なくとも一の開放端部方向に、別の前記第一側網部用の金網製パネル、および別の第二側網部用の金網製パネルのみを連結する連結工程を一回以上含む、ドレンカゴ構築方法。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載のドレンカゴ構築用基本構造を用いて構築されている、ドレンカゴ。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれかに記載のドレンカゴ構築用基本構造を組み立てるための、金網製パネルのセット。











【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−14946(P2013−14946A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148723(P2011−148723)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(501297996)青森昭和産業 株式会社 (4)
【Fターム(参考)】