説明

ドーパミン作動性ニューロンの神経突起成長および生存を促進するための方法

本発明は、一般的には、ドーパミン作動性ニューロンの再生、成長、および生存を促進するための方法に関する。この方法には、上記ドーパミン作動性ニューロンを、Sp35アンタゴニストを含む組成物の有効量と、接触させる工程が、含まれる。加えて、本発明は、一般的には、ドーパミン作動性ニューロンの変性または死が関係している様々な疾患、障害、あるいは損傷を、Sp35アンタゴニストの投与によって処置する方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーパミン作動性ニューロンの再生、成長、または生存を促進するための方法であって、前記ドーパミン作動性ニューロンを、以下:
(i)可溶性Sp35ポリペプチド;
(ii)Sp35抗体またはその免疫特異的断片;
(iii)Sp35アンタゴニストポリヌクレオチド;
(iv)Sp35アプタマー;および
(v)2つ以上の前記Sp35アンタゴニストの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35アンタゴニストを含む組成物の有効量と接触させる工程が含まれる、方法。
【請求項2】
哺乳動物においてドーパミン作動性ニューロンの再生、成長、または生存を促進するための方法であって、その必要がある哺乳動物に対して、以下:
(i)可溶性Sp35ポリペプチド;
(ii)Sp35抗体またはその断片;
(iii)Sp35アンタゴニストポリヌクレオチド、および
(iv)Sp35アプタマー;ならびに、
(v)2つ以上の前記Sp35アンタゴニストの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35アンタゴニストを含む組成物の有効量を投与する工程が含まれる、方法。
【請求項3】
前記哺乳動物が、ドーパミン作動性ニューロンの変性が関係している疾患、障害、または損傷に罹患している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記疾患、障害、または損傷が、パーキンソン病(PD)、多系統萎縮症、線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群、パーキンソン病様の特徴を有している運動神経疾患、レヴィー小体認知症、進行性核上麻痺、皮質をベースとする神経節の変性、前頭側頭認知症、パーキンソニズムを伴うアルツハイマー病、ウィルソン病、ハレルフォルデン・スパッツ病、チェディアック・東症候群、SCA−3脊髄小脳失調、X連鎖ジストニア・パーキンソニズム(DYT3)、ハンチントン病(ウェストファール変異体)、プリオン病、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、脳血管性パーキンソニズム、脳性小児麻痺、繰り返し起こる頭部外傷、脳炎後のパーキンソン病、神経梅毒、および統合失調症からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記疾患、障害、または損傷がパーキンソン病(PD)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記Sp35アンタゴニストに可溶性Sp35ポリペプチドが含まれる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、以下:
(i)Sp35 Igドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、
(ii)Sp35 LRRドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、
(iii)Sp35細胞質ドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、
(iv)Sp35膜貫通ドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、
(v)LRRドメインに対してC末端側にあるSp35塩基性領域、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、ならびに、
(vi)(i)から(v)の上記Sp35ドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体の少なくとも2つの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35領域が含まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記可溶性Sp35ポリペプチドには以下:
(i)Sp35 Igドメイン、
(ii)Sp35 LRRドメイン、
(iii)Sp35細胞質ドメイン、
(iv)Sp35膜貫通ドメイン、
(v)LRRドメインに対してC末端側にあるSp35塩基性領域、および
(vi)(i)から(v)の上記Sp35ドメインの少なくとも2つの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35領域が欠失している、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記可溶性Sp35ポリペプチドにはSp35膜貫通ドメインとSp35細胞質ドメインが欠失している、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、
(i)Sp35 LRRドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、
(ii)LRRドメインに対してC末端側にあるSp35塩基性領域、またはその断片、変異体、もしくは誘導体、および
(iii)Sp35免疫グロブリン(Ig)ドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体
が含まれている、請求項6から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、Sp35 LRRドメインの少なくとも一部が含まれているが、Sp35 Igドメイン、Sp35塩基性領域、Sp35膜貫通ドメイン、およびSp35細胞質ドメインが欠失している、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、以下:
【化1】

【化2】

【化3】

(cxxi)任意の前記ポリペプチド断片の変異体または誘導体、および
(cxxii)任意の前記ポリペプチド断片またはその変異体もしくは誘導体の少なくとも2つの組み合わせ
からなる群より選択されるポリペプチド断片が含まれている、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、配列番号2のアミノ酸残基34〜532、または配列番号2のアミノ酸残基36〜532が含まれている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、Sp35 Igドメイン、またはその断片、変異体、もしくは誘導体が含まれている、請求項6〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、配列番号2のアミノ酸417〜493が含まれている、請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記可溶性Sp35ポリペプチドに、Sp35以外の部分がさらに含まれている、請求項6から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記Sp35以外の部分が、前記可溶性Sp35ポリペプチドに融合させられたポリペプチドである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記Sp35以外の部分が、抗体Ig部分、血清アルブミン部分、標的化部分、レポーター部分、および精製を容易にする部分からなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記Sp35以外の部分が抗体Ig部分である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体Ig部分がヒンジ部分およびFc部分である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記可溶性Sp35ポリペプチドがポリマーに結合させられている、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記ポリマーが、ポリアルキレングリコール、糖ポリマー、およびポリペプチドからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ポリマーがポリアルキレングリコールである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記可溶性Sp35ポリペプチドが1個、2個、3個、または4個のポリマーに結合させられている、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリマーの分子量の合計が、5,000Daから100,000Daまでである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記Sp35アンタゴニストに、Sp35抗体またはその断片が含まれる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記Sp35抗体またはその断片が、以下:
【化4】

(xvii)任意の前記ポリペプチド断片の変異体または誘導体;および
(xviii)任意の前記ポリペプチド断片またはそれらの変異体もしくは誘導体の2つ以上の組み合わせ
からなる群より選択されるポリペプチド断片から本質的に構成されるエピトープに特異的に結合する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記Sp35アンタゴニストにSp35アンタゴニストポリヌクレオチドが含まれる、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記Sp35アンタゴニストポリヌクレオチドが、以下:
(i)アンチセンスポリヌクレオチド;
(ii)リボザイム;
(iii)低分子干渉RNA(siRNA);および
(iv)低分子ヘアピンRNA(shRNA)
からなる群より選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記Sp35アンタゴニストポリヌクレオチドが、Sp35 mRNAのコード部分に相補的な少なくとも10塩基を含むアンチセンスポリヌクレオチドである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記Sp35アンタゴニストポリヌクレオチドがリボザイムである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記Sp35アンタゴニストポリヌクレオチドがsiRNAである、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記Sp35アンタゴニストポリヌクレオチドがshRNAである、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記shRNAに、ヌクレオチド配列:
【化5】

(配列番号13)が含まれている、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記Sp35アンタゴニストがボーラス注射または長期間にわたる注入によって投与される、請求項1から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記Sp35アンタゴニストが中枢神経系に直接投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
請求項1から37のいずれか1項に記載の方法であって:(a)前記ドーパミン作動性ニューロンの中に、発現制御配列に対する動作可能な連結によって前記Sp35アンタゴニストをコードするポリヌクレオチドを導入する工程、および(b)前記Sp35アンタゴニストを発現させる工程が含まれる、方法。
【請求項39】
前記ポリヌクレオチドが、以下:
(a)トランスフェクション;
(b)エレクトロポレーション;
(c)形質導入;および
(d)直接のマイクロインジェクション
からなる群より選択される方法によって前記ドーパミン作動性ニューロンの中に導入される、請求項38または39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
請求項2から37のいずれか1項に記載の方法であって:(a)前記哺乳動物に対して、発現制御配列に対する動作可能な連結によって前記Sp35アンタゴニストをコードするポリヌクレオチドを投与する工程、および(b)前記Sp35アンタゴニストを発現させる工程が含まれる、方法。
【請求項41】
前記ポリヌクレオチドが前記ポリヌクレオチドを発現することができる培養された宿主細胞に投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記ポリヌクレオチドが発現ベクターとして投与される、請求項38から41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記発現ベクターがウイルスベクターである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ポリヌクレオチドが、前記哺乳動物に、神経系の疾患、障害、または損傷の部位に、あるいはその付近に導入される、請求項38から41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記培養された宿主細胞が、(a)レシピエント宿主細胞を、請求項40に記載のポリヌクレオチド、または請求項42もしくは請求項43に記載のベクターで形質転換またはトランスフェクトする工程、および(b)前記形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を培養する工程が含まれる方法によって作成される、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記宿主細胞が処置される哺乳動物に由来する、請求項41から45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記Sp35アンタゴニストが、神経系の疾患、障害、もしくは損傷の部位またはその付近でのドーパミン作動性ニューロンの再生、成長、あるいは生存の阻害を少なくするために十分な量で発現させられる、請求項1から46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクター、アルファウイルスベクター、エンテロウイルスベクター、ペスチウイルスベクター、レンチウイルスベクター、バキュロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、パポバウイルスベクター、パルボウイルス、およびポックスウイルスベクターからなる群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記ヘルペスウイルスベクターが、単純ヘルペスウイルスベクターおよびエプスタイン・バーウイルスベクターからなる群より選択される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ポックスウイルスベクターがワクシニアウイルスベクターである、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記レンチウイルスベクターがpLL3.7である、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記パルボウイルスベクターがアデノ随伴ウイルス(AAV)である、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記ベクターが、局所投与、眼内投与、非経口投与、髄腔内投与、硬膜下投与、および皮下投与からなる群より選択される経路によって投与される、請求項43、または48から52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
ドーパミン作動性ニューロンの中でのEGFRとSp35の相互作用を阻害するための方法であって、前記ドーパミン作動性ニューロンを、以下:
(i)可溶性Sp35ポリペプチド;
(ii)Sp35抗体またはその断片;
(iii)Sp35アンタゴニストポリヌクレオチド;
(iv)Sp35アンタゴニストアプタマー;および
(v)2つ以上の前記Sp35アンタゴニストの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35アンタゴニストを含む組成物の有効量と接触させる工程が含まれる、方法。
【請求項55】
ドーパミン作動性ニューロンの中でのAktリン酸化を増加させるための方法であって、前記ドーパミンニューロンを、以下:
(i)可溶性Sp35ポリペプチド;
(ii)Sp35抗体またはその断片;
(iii)Sp35アンタゴニストポリヌクレオチド;
(iv)Sp35アンタゴニストアプタマー;および
(v)2つ以上の前記Sp35アンタゴニストの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35アンタゴニストを含む組成物の有効量と接触させる工程が含まれる、方法。
【請求項56】
ドーパミン作動性ニューロンの中でのEGFRの発現を増大させるための方法であって、前記ドーパミン作動性ニューロンを、以下:
(i)可溶性Sp35ポリペプチド;
(ii)Sp35抗体またはその断片;
(iii)Sp35アンタゴニストポリヌクレオチド;
(iv)Sp35アンタゴニストアプタマー;および
(v)2つ以上の前記Sp35アンタゴニストの組み合わせ
からなる群より選択されるSp35アンタゴニストを含む組成物の有効量と接触させる工程が含まれる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【公表番号】特表2009−517340(P2009−517340A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539068(P2008−539068)
【出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/042990
【国際公開番号】WO2007/056161
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【出願人】(508135585)ザ マックリーン ホスピタル コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】