説明

ドーパミン受容体リガンドからなる製剤処方

本発明はドーパミン受容体リガンドからなる安定かつ体内に吸収利用される即放性処方に関する。本処方の投与による種々の疾患の治療方法についても述べる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドーパミン受容体リガンドからなる安定かつ体内に吸収利用される即放性製剤に関する。また、本製剤の投与による種々の疾患の治療方法についても述べる
【背景技術】
【0002】
固形の経口薬組成物あるいは製剤は、FDAガイドライン(“即放性固形経口製剤の溶解試験”、8/1997刊、IV−A節)に参照される即放性プロフィル、あるいはFDAガイドライン(“徐放性経口製剤:インビトロ/インビボ相関の開発、評価および応用”、食品医薬品局、CDER、1997年9月、17頁)に参照される徐放性プロフィルのような様々な放出特性をもつ。即放性プロフィルの溶解試験ガイドラインでは、最初の30から60分間に少なくとも80%溶液中に溶解する物質を即放性プロフィルとみなしている。それゆえ、即放性の固形製剤は60分またはそれ未満のような短時間で全てまたは殆どの活性成分の放出を可能にし、薬剤の迅速な吸収を可能にする。
【0003】
さらに、即放性製剤には標的薬物を低力価製剤で複数回でも強力価製剤で単回でも投与可能にすることによって薬剤投与の柔軟性を増す利点がある。
【0004】
食品医薬品局ガイドライン(例えば、ICHガイドラインQ3B、改正2、2006年7月を見よ)は製剤処方中に存在する分解物の限界量を規定している。
【0005】
【表1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
分解物の量が閾値を超えたならば、ガイドラインに従ってさらに安全性および毒性試験が求められるであろう。そこで、追加試験の必要を避けるため、長時間にわたって安定で、分解物の量がFDAガイドライン内にある投与形体の開発が重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
FDA分解物ガイドラインに適合する化合物を含む安定な投与形体が求められる。出願者は今や安定かつ体内に吸収利用される(チオ)−カルバモイル−シクロヘキサン誘導体を含む即放性製剤を開発した。これらの処方をここに開示する。
【0008】
ある実施例では、本発明は即放性投与形体に処方可能なカリプラジン(トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素)のような(チオ)−カルバモイル−シクロヘキサン誘導体および例えば塩酸カリプラジンのような薬学的に許容されるその塩に関連し、その投与形体は有利な安定特性を有し、好ましくは薬剤を急速に放出し、体内に吸収利用される。
【0009】
他の実施例では、加水分解物の量がおよそ1重量%未満であるカリプラジンあるいはその薬学的に許容される塩からなる安定で体内に吸収利用される製剤について述べる。
【0010】
さらに他の実施例では、加水分解物の量がおよそ1重量%未満である、塩酸カリプラジンからなる安定で体内に吸収利用される製剤について述べる。
【0011】
さらなる実施例では、その製剤の単回投与が(i)平均Cmaxがおよそ26.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0→∞がおよそ2ng.hr/mLより大、(iii)平均Tmaxがおよそ3時間かそれ以上のインビボ血漿プロフィルを与えるおよそ0.05mgから15mgのカリプラジンまたはその薬学的に許容される塩からなる製剤について述べる。
【0012】
他の実施例では、
(a) およそ0.5%からおよそ15%の塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素
(b) およそ5%からおよそ95%のラクトース一水和物
(c) 0%からおよそ10%のタルク
(d) 0%からおよそ5%のコロイド状ニ酸化ケイ素
(e) 0%からおよそ15%のデンプングリコール酸ナトリウム
(f) 0%からおよそ15%のヒドロキシプロピルセルロース、および
(g) およそ0.1%からおよそ3%のステアリン酸マグネシウム
からなる薬剤処方について述べる。
【0013】
さらに他の実施例では、
(a) およそ0.5%からおよそ15%の塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素
(b) およそ0.1%からおよそ20%の炭酸ナトリウム
(c) 0%からおよそ10%のタルク
(d) 0%からおよそ5%のコロイド状ニ酸化ケイ素
(e) 0%からおよそ15%のデンプングリコール酸ナトリウム
(f) およそ5%からおよそ95%の微結晶セルロース、および
(g) およそ0.1%からおよそ3%のステアリン酸マグネシウム
からなる製剤処方について述べる。
【0014】
さらなる実施例では、それを必要とする患者に投与した後、活性成分をおよそ60分以内におよそ80%以上の速度で放出する塩酸カリプラジンからなる製剤について述べる。
【0015】
さらに他の実施例では、それを必要とする患者に加水分解物の量がおよそ1重量%未満であるカリプラジンまたはその薬学的に許容される塩からなる製剤を有効量投与することからなる、ドーパミン受容体の調節が必要な疾患の治療方法について述べる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例は、トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤は1重量%未満のトランス−4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル−アミン、またはその薬学的に供される塩を含む。米国特許公開No.2006/0229297はドーパミンD/D受容体アンタゴニストとして(チオ)−カルバモイル−シクロヘキサン誘導体を開示している。米国特許公報に引用されている全ての誘導体は、ここにそのまま参考として含まれる。そこで開示された1つの特定の化合物は:
【化1】

およびRは各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキルまたはアロイル、またはRおよびRは近接する窒素原子と複素環を形成する;
XはOまたはS;
nは1または2;
である構造式(I)の化合物および/またはその幾何学異性体および/または立体異性体および/またはジアステレオマーおよび/または塩および/または水和物および/または溶媒和物である。
【0017】
式(I)の化合物は経口で活性がある強力なD/D受容体アンタゴニストであり、D受容体よりもDにはるかに高い力価で結合する。
【0018】
式(I)の化合物は加水分解に不安定であることが見出されている。例えば、塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素(塩酸カリプラジン)はアミド結合が開裂してトランス−4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル−アミン二塩酸(De−BOC)になる。出願者は式(I)の化合物は一般に用いられる賦形剤(例えば無水リン酸二カルシウム、5%の水を含む微結晶セルロース)で製剤化したとき加水分解することを見出した。製剤処方中のDe−BOCのような分解物の形性は活性に有害である。さらに、分解物の量がFDAガイドラインを超えた場合、安全性および毒性の追加試験を実施しなければならない。それ故、分解物の量がFDAガイドラインの許容範囲内である、例えばカリプラジンおよびその塩を含む安定で体内に吸収利用される製剤を開発することは重要である。
【0019】
式(I)の化合物を含む安定で体内に吸収利用される投与形体の調製は、しかしながら、簡単ではない。例えば、低水分微結晶セルロース(例えば、アビセルPH112)、吸湿性/吸着剤(例えば、酸化マグネシウム)あるいはキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸“EDTA”)の使用は加水分解物生成に対し安定性が強化された製剤を与えない。
【0020】
出願者は驚くべきことに式(I)の化合物、またはその薬学的に供用される塩(例えば、塩酸カリプラジン)からなる安定で体内に吸収利用される即放性の投与形体が調製できることを見出した。その製剤は分解物生成に関する安定性の強化を示し、体内吸収利用性が高く胃の環境、例えばpH1−4で活性成分を放出する。
【0021】
ある面で、本発明の安定な製剤は固体状態の製剤の微環境pHを制御することによって得られる。かくして、ある実施例では、本発明は式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩および固形製剤のpH環境を調節する化合物(例えば、アルカリ性または酸性の緩衝剤)からなる製剤処方(例えば、固形経口投与形体)に関する。適切な緩衝剤は、例えば、有機化合物(例えば、トリエチルアミン、アルギニン、ジエタノールアミンおよびメグルミン)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム)および重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸リチウム、重炭酸カリウム、重炭酸マグネシウム)を含む。典型的な製剤は式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸カリプラジン)、および炭酸ナトリウムからなる。ある実施例では、緩衝剤(例えば、炭酸ナトリウム)の量はおよそ0.1%とおよそ50重量%の間、例えば、およそ1%とおよそ15重量%の間にある。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩と緩衝剤の適切な比率は、例えば、およそ1.2からおよそ12.8である。ある実施例では、製剤の微環境pHはおよそ6以上、例えば、およそ8以上、およそ9以上、およそ10以上である。
【0022】
理論に束縛されることは望まないが、出願者は製剤の固体状態での微環境pHを上げることは弱い塩基性の薬剤のイオン化を減少させることにより活性成分の加水分解に対する安定性を増強し、それによって加水分解を抑制すると信じる。
【0023】
他の面では、安定な製剤は式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を低水分活性の賦形剤(例えば、活性成分の加水分解に影響するように放出される自由水の量が少ない賦形剤)とともに製剤化することによって得られる。出願者は驚くべきことに賦形剤中にある全水分量は加水分解に関して制御因子にならないことを見出した。むしろ、賦形剤中に存在する放出に利用される水の量が加水分解を減少させる制御因子である。例えば、アビセルPH102(およそ5%の水を含む微結晶セルロース)を含む塩酸カリプラジン製剤は緩衝剤(例えば、炭酸ナトリウム)なしで40℃および75%相対湿度で1ヵ月貯蔵後にかなりのDe−BOCの生成を示す。対照的に、およそ5%の水を含むラクトース一水和物を含む塩酸カリプラジン製剤は同様の貯蔵条件で6カ月貯蔵後に検出できるレベルのDe−BOCを示さない。
【0024】
それ故、もう一つの実施例では、本発明は式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩とラクトース一水和物、ゼラチン前処理デンプン(例えば、デンプン 1500)、マンニトール、および第二リン酸カルシウム二水和物から選ばれる賦形剤からなる製剤処方に関する。典型的な製剤は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩(例えば塩酸カリプラジン)およびラクトース一水和物からなる。さらなる典型的な製剤は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩および第二リン酸カルシウム二水和物からなる。さらなる典型的な製剤は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩およびマンニトールからなる。
【0025】
式(I)の化合物のある実施例では、Rおよび/またはRがアルキルを表す場合、アルキル部分は直鎖または非直鎖で1から6個の炭素原子(例えば、1から4個の炭素原子)を含み、一つまたはそれ以上のC1−6アルコキシカルボニル、アリール(例えば、フェニル)または(C1−6アルコキシカルボニル)−C1−6アルキル基、またはその組合せで任意に置換した、置換または非置換飽和炭化水素ラジカルである。
【0026】
さらなる実施例では、RおよびRは近接する窒素原子と複素環を形成し、それは飽和あるいは不飽和の、任意に置換された、単環または二環であり、さらにO、N、あるいはSから選ばれるヘテロ原子を含んでもよい。例えば、複素環はピロリジン、ピペラジン、ピペリジンまたはモルホリンでよい。
【0027】
さらなる実施例では、Rおよび/またはRがアルケニルを表す場合、アルケニル部分は2から7個の炭素原子および1から3個の不飽和結合を持つ。
【0028】
さらなる実施例では、Rおよび/またはRがアリールを表す場合、アリール部分は、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、フルオロノニル、またはアンスラキノニル基(例えば、フェニルまたはナフチル)のような任意に置換された一、二または三環アリールから選ばれる。アリール部分は一つまたはそれ以上のC1−6アルコキシ、トリフルオロ−C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルカノイル、アリール、C1−6アルキルチオ、ハロゲン、シアノ基またはそれらの組合せで置換してもよい。
【0029】
さらなる実施例では、Rおよび/またはRがシクロアルキルを表す場合、シクロアルキル部分は任意に置換されたシクロヘキシルあるいはアダマンチルのような一、二または三環シクロアルキル基から選ばれる。
【0030】
さらなる実施例では、R1および/またはR2がアロイルを表す場合、そのアリール部分は例えばフェニルのように上記の定義による。
【0031】
典型的な実施例では、式(I)の化合物はトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩、例えば塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素である。
【0032】
さらなる実施例では、本発明はトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、その中に存在するDe−BOCの量は、およそ0.5重量%未満のように、およそ1重量%未満である。例えば、FDAガイドラインに従って、存在するDe−BOCの量は1重量%未満(およそ5mgまでの活性薬剤を含む投与形体に対し)、およそ0.5%未満(およそ5.1mgから10mgの活性薬剤を含む投与形体に対し)、およそ0.5%未満(およそ10.1mgから40mgの活性薬剤を含む投与形体に対し)である。
【0033】
典型的な塩酸カリプラジン製剤を表1および2に例示する。
【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
本発明の即放性製剤の血漿中濃度は、ヒト患者の最大血漿濃度時間(Tmax)がおよそ3から6時間の範囲にあり、およそ80%以上のインビトロの放出速度はおよそ60分、より好ましくは30分である。
【0037】
本発明の製剤処方は製剤の強度を変えることによって薬剤のTmaxに大きく影響することなしにCmaxの変更ができる。本発明で述べる即放性製剤は初期ピーク(Cmax)を譲歩することなく望ましいTmaxを与える。
【0038】
さらなる側面では、本発明はおよそ0.05mgからおよそ15mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなる製剤に関し、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ26.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ2ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ22.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ3ng.hr/mL、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0039】
ある実施例では、製剤はおよそ0.1mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ0.2ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ2ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ0.2ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ3ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0040】
ある実施例では、製剤はおよそ0.25mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ0.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ5ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ0.4ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ7ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0041】
ある実施例では、製剤はおよそ0.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ0.9ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ10ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ0.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ15ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0042】
ある実施例では、製剤はおよそ1mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ1.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ20ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ1.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ30ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0043】
ある実施例では、製剤はおよそ1.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ2.7ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ30ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ2.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ45ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0044】
ある実施例では、製剤はおよそ2mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ3.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ40ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ3.0ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ60ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0045】
ある実施例では、製剤はおよそ2.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ4.4ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ50ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ3.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ75ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0046】
ある実施例では、製剤はおよそ3mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ5.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ60ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ4.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ90ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0047】
ある実施例では、製剤はおよそ4.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ7.9ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ90ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ6.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ135ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0048】
ある実施例では、製剤はおよそ5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ8.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ100ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ7.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ150ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0049】
ある実施例では、製剤はおよそ6mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ10.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ120ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ9.0ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ180ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0050】
ある実施例では、製剤はおよそ7.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ13.2ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ150ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ11.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ225ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0051】
ある実施例では、製剤はおよそ9mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ15.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ180ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ13.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ270ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0052】
ある実施例では、製剤はおよそ12.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ21.9ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ250ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ18.8ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ375ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0053】
ある実施例では、製剤はおよそ15mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ26.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ300ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ22.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ450ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0054】
薬学的に許容される塩は、塩基として作用する主化合物を、塩を形成するように無機または有機酸と反応して得られる塩、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、ギ酸、臭化水素酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、サリチル酸、マンデル酸、およびカルボン酸の塩を含む。薬学的に許容される塩はまた主化合物が酸として作用し、塩を形成するように適切な塩基と反応して得られる塩、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびコリン塩を含む。当業者はさらに酸付加塩は、化合物の適切な無機あるいは有機酸との既知の多くの方法の何れかを用いる反応によって得られることを認めるだろう。また、アルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の既知の方法を用いて、本発明の化合物と適切な塩基との反応によって得ることができる。
【0055】
以下は無機あるいは有機酸との反応によって得られる酸性塩のさらなる例である:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレン−スルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩およびウンデカン酸塩。
【0056】
例えば、薬学的に許容される塩は塩酸塩、臭化水素酸塩またはメシル酸塩でよい。ある実施例では、薬学的に許容される塩は塩酸塩である。
【0057】
もう一つの実施例では、本発明の製剤は塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素を含む。
【0058】
さらに他の実施例では、本発明はおよそ0.05mgからおよそ15mg、およそ0.1mg、およそ0.25mg、およそ0.5mg、およそ1mg、およそ1.5mg、およそ2mg、およそ2.5mg、およそ3mg、およそ4.5mg、およそ5mg、およそ6mg、およそ7.5mg、およそ9mg、およそ12.5mg、またはおよそ15mgの塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素を含む製剤に関する。他の実施例では、製剤は何れか2つの用量の間で変動する量で投与される。
【0059】
さらに他の例では、本発明は0.05mgからおよそ15mgの塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素を含む製剤に関し、そこで製剤の単回投与は(i)平均Cmaxおよそ26.3ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ2ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。例えば、製剤は(i)平均Cmaxおよそ22.5ng/mL未満、(ii)平均AUC0−∞およそ3ng.hr/mL以上、および(iii)平均Tmaxおよそ3時間またはそれ以上からなるインビボ血漿プロフィルを与える。
【0060】
ここに述べる処方に有用な化合物のいくつかは、様々な多形で存在する。当技術分野で周知のように、多形は化合物が1つ以上の異なる結晶すなわち“多形”種として結晶化する能力である。そのような多形の利用は本発明の範囲内である。
【0061】
ここに述べる製剤中の有用な化合物のいくつかは種々の溶媒和した形で存在する。本発明の化合物の溶媒和物もまた溶媒分子が結晶化工程の間に化合物の結晶格子構造中に組み込まれるときに生じる。例えば、適切な溶媒和物は水和物、例えば一水和物、二水和物、セスキ水和物、および半水和物を含む。そのような水和物の利用は本発明の範囲内である。
【0062】
投与形体
本発明による化合物の投与に適した様々な製剤を調製する方法について述べている多くの標準的な参考文献が利用可能である。可能性のある剤形および製剤の例は、例えば、医薬品賦形剤ハンドブック、米国薬学会(現行版);医薬品投与形体:錠剤(リーベルマン、ラックマンおよびシュワルツ編)現行版、マーセルデッカー社、同様にレミントンの薬学(アーサー オーソル編)、i553−1593(現行版)に含まれている。
【0063】
投与方法および投与形体は所与の治療用途に望ましくかつ有効な化合物または製剤の治療量に密接に関係する。
【0064】
適切な投与形体は、これに限らないが、経口、直腸、舌下、粘膜、経鼻、点眼、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、脊髄、髄腔内、関節内、動脈内、くも膜下、気管支、リンパ管、子宮内投与、および活性物質の全身送達のためのその他の投与形体を含む。経口投与に適した製剤が好ましい(例えば、錠剤、カプセル)。
【0065】
そのような投与形体を調製するために、一般に活性成分は通常の医薬配合技術によって医薬担体と混合される。担体は、投与に望まれる調剤の形によって多種多様な形をとることができる。
【0066】
経口投与型の製剤を調製するために、通常の医薬媒体はどれでも使用できる。かくして、例えば、懸濁、エリシキルおよび溶液のような液体経口製剤のためには、適切な担体および水、グリコール、オイル、アルコール、着香料、保存料、着色剤などを含む添加剤が用いられる。例えば、粉末、カプセルおよび錠剤のような固形経口製剤のためには、適切な担体およびデンプン、砂糖、稀釈剤、造粒剤、潤滑剤、崩壊剤などを含む添加剤が用いられる。適切な担体および添加剤は、例えば、蔗糖、マンニトール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、クレモフォア、ツイ−ン、スパン、プルロニック、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、タルク、ヒュームド・シリカ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ワックス、および脂肪酸などを含む。
【0067】
投与の容易さのため、錠剤およびカプセルは最も有利な経口投与単位形体を代表する。望むならば、錠剤は標準的な技術による糖衣または腸溶コートにしてもよい。
【0068】
非経口製剤に対して、担体は、例えば、溶解性あるいは保存性を補助する成分のような他の成分を含んでもよいが、通常、滅菌水からなる。注射用溶液もまた調製されるが、そこでは適切な安定剤が用いられる。
【0069】
ある種の用途では、活性薬剤を、リポソームまたは他のカプセル材料でカプセル化する、あるいは、例えば、タンパク、リポタンパク、糖タンパク、および多糖類から選ばれる適切な生体分子上に共有結合、キレート化、配位結合によって結合するといった“ベクトル化した”形で用いるのが有利である。
【0070】
経口投与に適した製剤を用いる本発明の治療法は、カプセル、カシェー、錠剤またはトローチ剤のような、各々が粉末または顆粒として予め定められた量の活性成分を含む個々の単位とし与えられる。任意に、シロップ、エリキシル、エマルジョンまたはドラフトのような水性液または非水性液体中の懸濁液が用いられる。
【0071】
錠剤は、任意に1つまたはそれ以上の補助成分とともに、圧縮あるいは成型または湿式造粒によってつくられる。圧縮錠は適切な機械中で、粉末または顆粒のような自由流動性形体の活性化合物を、任意に、例えば、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、不活性稀釈剤、界面活性剤または帯電防止剤と混合して圧縮することによってつくられる。粉砕した活性化合物と適切な担体からなる成型錠は適切な機械中で成型することによってつくられる。
【0072】
シロップは活性化合物を糖類、例えば蔗糖の濃厚水溶液に添加することによってつくられ、それにどんな補助成分もまた加えてよい。そのような補助成分は香料、適切な保存料、糖の結晶化遅延剤、およびポリヒドロキシアルコール、例えばグリセロールまたはソルビトールのような他の成分の溶解度を増強する物質を含む。
【0073】
非経口投与に適する製剤は通常、活性化合物の滅菌水製剤からなり、それは受容者の血液と等張であることが望ましい(例えば、生理食塩水)。そのような製剤は懸濁剤および増粘剤および化合物を血液成分あるいは1つまたはそれ以上の器官を標的とするよう考案されたリポソームまたは他の微粒子システムを含む。製剤は1回分または複数回分の形で与えられる。
【0074】
非経口投与は全身への搬送または直接CNSへの搬送に適した形からなる。投与は例えば静脈内、動脈内、髄腔内、筋肉内、皮下、筋肉内、腹内(例えば、腹腔内)などであり、注入ポンプ(外付けあるいは埋め込み)または望まれる投与様式にふさわしい適切な手段によって行われる。
【0075】
鼻および他の粘膜スプレー製剤(例えば吸入剤)は、活性化合物の精製水溶液と保存剤および等張剤からなる。そのような製剤は好ましくは鼻または他の粘膜にあうpHおよび等張状態に調整される。あるいは、気体キャリヤに懸濁した細かく分割された固体粉末の形でもよい。そのような製剤は、例えば、ネブライザ−、アトマイザー、定量吸入器、または同様の適切な手段あるいは方法によって与えられる。
【0076】
直腸投与のための製剤はココアバター、水素化脂肪、または水素化脂肪酸のような適切な担体を用いた坐薬として提供される。
【0077】
経皮製剤は、活性薬剤をセルロース媒体のようなチクソトロピックまたはゲル状の担体、例えばメチルセルロースあるいはヒドロキシエチルセルロース中に組み入れることによって調製され、得られた製剤は使用者の皮膚との接触を確実にするよう適合した経皮デバイスに詰められる。
【0078】
前述の成分に加えて、本発明の製剤はさらに稀釈剤、緩衝剤、香料、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、保存料(抗酸化剤を含む)などから選ばれる1つまたはそれ以上の補助成分を含んでもよい。
【0079】
投薬量
製剤中に存在する活性成分は、通常、例えば、およそ0.05mgからおよそ50mgの間、およそ0.1mgからおよそ20mgの間、およそ0.1mgからおよそ15mgの間、およそ0.1mgからおよそ12.5mgの間の組み合わせの日用量レジメで投与される。
【0080】
ある実施例では、製剤処方はおよそ0.05mg、およそ0.1mg、およそ0.2mg、およそ0.25mg、およそ0.3mg、およそ0.4mg、およそ0.5mg、およそ0.75mg、およそ1mg、およそ1.5mg、およそ2mg、およそ2.5mg、およそ3mg、およそ3.5mg、およそ4mg、およそ4.5mg、およそ5mg、およそ5.5mg、およそ6mg、およそ6.5mg、およそ7mg、およそ7.5mg、およそ8mg、およそ8.5mg、およそ9mg、およそ9.5mg、およそ10mg、およそ10.5mg、およそ11mg、およそ11.5mg、およそ12.0mg、およそ12.5mg、およそ13.0mg、およそ13.5mg、およそ14.0mg、14.5mgまたはおよそ15.0mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素あるいはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素)のような活性成分を含む。
【0081】
例えば、薬剤処方はおよそ0.1mg、およそ0.25mg、およそ0.5mg、およそ1mg、およそ1.5mg、およそ2mg、およそ2.5mg、およそ3mg、およそ5mg、およそ6mg、およそ7.5mg、およそ9mg、およそ9.5mg、およそ10mg、およそ12.5mg、またはおよそ15.0mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素あるいはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素)のような活性成分を含む。
【0082】
さらなる実施例では、活性成分(例えばトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素あるいはその薬学的に許容される塩)は製剤中にこれら2つの投与量の間(例えば、およそ0.1mgからおよそ15mgの間、およそ0.5mgからおよそ12.5mgの間、およそ1.5mgからおよそ6mgの間、およそ6mgからおよそ12.5mgの間)で変わる量存在する。
【0083】
望ましい用量が、1日を通して適切な時間間隔で投与される1日1回またはそれ以上の分服として投与されるか、あるいは、1回服用、例えば、朝投与または夕方投与、で投与される。例えば、1日服用量は1日1,2,3または4分割投与に分けてもよい。
【0084】
治療の期間は、効果が続く限り、数十年、数年、数カ月、数週間あるいは数日間でもよい。
【0085】
治療法
本発明はさらにドーパミン受容体、特に、ドーパミンDおよび/またはD受容体の調節を必要とする疾患の治療のための方法を提供する。さらなる実施例では、本発明はドーパミンDおよび/またはD受容体の調節を必要とする疾患を1つまたはそれ以上の本発明の製剤を用いて治療する方法を提供する。
【0086】
ドーパミン作動性の神経伝達物質系の機能不全は、それぞれ、統合失調症、薬物依存およびパーキンソン病のようないくつかの精神神経疾患および神経変性疾患の病理に関与する。ドーパミンの作用はD−(D,D)またはD−(D,D,D)ファミリーに属する少なくとも5つの異なるドーパミン受容体を介して調節される。D受容体は脳のドーパミン作動系に特徴的な分布を持つことが示されてきた。すなわち、側坐核およびカレハ島のような特定の辺縁系構造に高密度に見られた。それゆえ、D受容体を優先的に標的とすることはドーパミン作動性機能のより選択的な調節に有望な方法であり、その結果として統合失調症、心理的あるいは認知機能障害および依存症(例えば、Sokoloff,P.et al.:Nature,1990,347,146;Schwartz,J.C.,et al.:Clin.Neuropharmacol.1993,16,295;Levant,B.:Pharmacol.Rev.1997,49,231を見よ)、依存症(例えば、Pilla,C.et al.:Nature 1999,400,371を見よ)およびパーキンソン病(例えば、Levant,B.et al.:CNS Drugs 1999,12,391を見よ)あるいは痛み(例えば、Levent,B.et al.:Neurosci.Lett.2001,303,9を見よ)のようないくつかの障害へのよい治療的介入となる。
【0087】
ドーパミンD受容体は脳に広く分布し、多くの生理的機能および病理状態に関与することが知られている。Dアンタゴニストは、例えば、抗精神病薬として広く用いられている薬物である。しかしながら、D受容体の重度の拮抗作用は錐体外路運動症状、精神運動性沈静状態あるいは認知障害のような望ましくない副作用に導くこともまたよく知られている。これらの副作用はDアンタゴニスト化合物の臨床利用を大きく限定する。(Wong A.H.C.et al.,Neurosci.Biobehav.Rev.,27,269,2003)
【0088】
さらなる面では、本発明は、例えば精神病(例えば統合失調症、分裂情動性障害)、認知障害を伴う統合失調症、軽度から中等度の認知障害、痴呆、痴呆に伴う精神状態、精神性うつ病、躁病、急性躁病、偏執症および妄想型統合失調症、パーキンソン病のような運動障害疾患、精神抑制薬誘導パーキンソン症候群、遅発性ジスキネジー、摂食障害(例えば神経性過食症)、注意欠陥障害、子どもの多動性障害、うつ病、不安、性機能不全、睡眠障害、嘔吐、攻撃、自閉症および薬物乱用などのドーパミンDおよび/またはD受容体の優先的調節を要する状態の治療方法を与え、その方法はそれを必要とする患者に有効量の本発明化合物および/または製剤を投与することからなる。
【0089】
本発明によるD優先的なD/Dアンタゴニストの好ましい用途は統合失調症、分裂情動性障害、認知障害を伴う統合失調症、軽度から中等度の認知障害、痴呆、痴呆に伴う精神状態、精神性うつ病、躁病、偏執症および妄想型統合失調症、パーキンソン病のような運動障害疾患、精神抑制薬誘導パーキンソン症候群、うつ病、不安、薬物乱用(例えばコカイン乱用)の治療である。
【0090】
上述の2つの受容体作用の独特な組み合わせは、D拮抗の有益な作用(例えば認知増強効果、錐体外路運動症候の抑制、薬物乱用の抑制)およびD拮抗の有益な作用(例えば抗精神病効果)の両方を同時に示すことを可能にする。さらに、同じ組み合わせは驚くべきことにD拮抗の不利な特性(例えば錐体外症候、精神運動鎮静、認知障害)を取り除く結果となる。
【0091】
代表的な実施例において、本発明は統合失調症(例えば、統合失調症の陽性症状、統合失調症の陰性症状)の治療方法に関する。他の実施例では、本発明は統合失調症に伴う認知障害の治療方法に関する。
【0092】
もう1つの実施例では、本発明は急性躁病の治療方法に関する。
【0093】
さらに別の実施例では、本発明は双極性障害の治療方法に関する。
【0094】
定義
用語“薬学的に許容される”は動物またはヒトにおけるインビボでの使用に生物学的にあるいは薬理学的に合うことを意味し、望ましくは、動物での使用、より望ましくはヒトでの使用に対し連邦または州の規制当局によって承認されること、あるいは米国薬局法または他の一般に認められている薬局方に掲載されることを意味する。
【0095】
用語“統合失調症”は思考および知覚障害によって特徴付けられる一群の精神疾患を含むことを意味し、統合失調症(およびそのすべての亜型;妄想型、緊張型、解体型、残遺型、未分化型)および統合失調症様障害および統合失調性感情障害、短期精神障害などのようなその他の精神病(精神病の診断および統計マニュアル、第4版、ワシントンD.C(1994):米国精神医学会、あるいはICD−10精神および行動障害の分類:臨床記述と診断ガイダンス、ジュネーブ(1992):世界保健機構による)を含む。
【0096】
臨床評価において、統合失調症は一般に、幻覚(特に通常声として経験される幻聴)、思考過程の混乱および妄想のような“陽性症状”、同様に情緒平坦、失語症、意欲消失、および快感消失を含む“陰性症状”によって特徴付けられる。
【0097】
用語“統合失調症の陰性症状”は機能的、方向づけされた思考あるいは活動の‘損失’を反映すると考えられる統合失調症の1群の症状をいう。統合失調症の陰性症状は当業界ではよく知られており、情緒平坦(例えば、表情が動かないおよび/または無表情、アイコンタクトが乏しいおよびボディランゲージが少ないことで特徴付けられる)、失語症(‘会話の欠乏’または短く、簡潔なおよび/または空ろな応答)、意欲喪失(目標に向けた活動を開始し実行する能力の減少または欠如によって特徴付けられる)、快感喪失(興味あるいは喜びの喪失)、非社交性(社会的動因および相互作用の低下)、無感情およびその他の当業界で知られている症候を含む。統合失調症の陰性症状はこれに限るものではないが簡易精神医学評価スケール(BPRS)および陽性および陰性症候スケール(PANSS)を含む当業界で知られているどんな方法を用いても評価できる。BPRSおよびPANSSは陰性症状の測定に用いることができるサブスケールまたは要素を持つ。陰性症状を特定的に扱う他のスケールが考案されてきた:例えば陰性症状の評価スケール(SANS)、陰性症状評価(NSA)および欠損症候群一覧(SDS)。陽性症状を特定的に評価する方法(例えば陽性症状の評価スケール、すなわちSAPS)も利用できるが、BPRSおよびPANSSのサブスケールもまた陽性症状の評価に用いられる。
【0098】
用語“統合失調症に伴う認知障害”および“統合失調症に伴う認知欠陥”は統合失調症患者における認知欠損をいう。統合失調症における認知障害は疾患の核となる特徴である(すなわち、治療の結果あるいは臨床症状ではない)。認知欠損は、これに限るものではないが、注意/警戒、動作記憶、言語学習および記憶、視覚空間記憶、論証/問題解決および社会的認識の欠損を含む。ウィスコンシンカード分類テスト(WCST)のような、統合失調症における認知欠損の測定に用いられる多くの神経心理テストがある。
【0099】
用語“治療”、“治療する”および“治療している”は以下の1つまたはそれ以上をいう:被験者の障害の徴候の少なくとも1つの緩和または軽減;被験者によって経験される障害の発現強度および/または期間の緩和または軽減;および発病の抑制、遅延(すなわち、障害の臨床的発現の前の期間)および/または障害の発現または悪化のリスクの軽減。
【0100】
“有効量”は状態、障害あるいは症状を治療するため患者に投与したときその治療が十分効果的であるような本発明による製剤の量を意味する。“有効量”は活性成分、治療すべき哺乳動物の治療すべき状態、障害または症状およびその重症度、および年齢、体重、体調および反応性によって変わる。
【0101】
投与量または量に適用される用語“治療的に有効”はそれを必要とする哺乳動物への投与において望ましい活性をもたらすに十分な化合物または製剤処方の量をいう。トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素あるいはその薬学的に許容される塩、例えば塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素からなる製剤処方に関してここで用いられるように、用語“治療的に有効な量/投与量”は、併用した場合、哺乳動物への投与において有効な反応を生じるに十分な化合物の量/投与量をいう。
【0102】
治療用化合物の投与が疾患または障害の有効な治療法である被験者または患者は好ましくはヒトであるが、試験またはスクリーニングまたは活性実験に関係する実験用動物を含むどんな動物でもよい。このように、当業者によって容易に認められるように、本発明の方法、化合物および製剤はいかなる動物への投与に特に適する、特に哺乳動物への投与に特に適するものであり、また決してこれに限るものではないが、ヒト、ネコやイヌのような家畜、これに限るものではないがウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、およびブタのような家畜、野生動物(野外または動物園内のどちらでも)、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコなどの研究動物、ニワトリ、シチメンチョウ、鳴禽などの鳥類を含む動物への投与に適する、すなわち獣医学的用途に適するものである。
【0103】
用語“およそ”あるいは“おおよそ”は当業者によって定められた特定の値に対し許容誤差範囲内であることを意味し、ある程度その値がどのように測定あるいは決定されたか、すなわち、測定システムの限界に依存する。例えば、“およそ”は行われる技術につき、1標準偏差または1標準偏差以上の範囲内を意味する。あるいは、製剤に関して“およそ”はプラスまたはマイナス20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%までの範囲を意味する。
【0104】
ここで述べる薬物動態パラメーターは血中濃度−時間曲線下面積(AUC0−tおよびAUC0−∞)、最大血中濃度(Cmax)、最大血中濃度時間(Tmax)、および最終排出半減期(T1/2)を含む。最大濃度時間、TmaxはCmaxに対応する時間として決定される。最終測定可能濃度に対応する時間までの血中濃度−時間曲線下面積(AUC0−∞)は以下の線形台形公式を用いる数値積分法によって計算される:
【数1】

ここで、Cは対応する採血時点tにおける血中メマンチン濃度、nは最終定量可能濃度を含むそれまでの時点数である。
【0105】
最終半減期(T1/2)は以下の式を用いて計算される:
【数2】

ここで、λは最終排出速度定数である。
【0106】
時間0から無限大までの血中濃度−時間曲線下面積は以下の式に従って計算される:
【数3】

ここで、Clastは最終測定可能濃度である。
【実施例】
【0107】
以下の例は本発明の単なる例示であり、当業者にとって本開示を読むことで本発明に包含される多くの変化や同等のものが明らかになることから本発明の範囲を決して限定するものではない。
【0108】
アビセルPH102はFMCバイオポリマー(フィラデルフィア、ペンシルバニア)から入手できる微結晶セルロースである。アビセルPH112はFMCバイオポリマー(フィラデルフィア、ペンシルバニア)から入手できる低水分微結晶セルロースである。アビセル200VVはエボニックインダストリーズ/デグサ(パーシッパニー、ニュージャージー)から入手できるヒュームドシリカである。プロソルブSMC C90はJRSファーマ(パターソン、ニューヨーク)から入手できる微結晶セルロースである。スターチ1500およびスターカップ1500はカラーコン(ウェストポイント、ペンシルバニア)から入手できる共処理デンプンである。スターラック(85%ラクトース一水和物と15%トウモロコシデンプンの混合物)はロケットファーム(ケオクク、アイオワ)から入手できる。サイロイド63FPはW.R.グレース社のデヴィソン化学事業部(ボルチモア、メリーランド)から入手できるシリカゲルである。
【0109】
溶解速度はUSP装置II(パドル)を用いて0.25%ポリソルベートを含む0.01N塩酸500mlで測定した。
【0110】
実施例1:塩酸カリプラジンを含むカプセル製剤の調製
実施例1A
塩酸カリプラジンおよび無水リン酸水素カルシウムを含むカプセルを表3に従って調製した。
【0111】
【表4】

【0112】
微結晶セルロース(アビセルPH102)と無水リン酸水素カルシウムを一緒に0.80mmの篩を通して篩った。最終的に得られた粉末を高せん断力ミキサーで2分間混合した。空のカプセル殻に手動カプセル充填機を用いて粉末混合物を充てんした。ついで多量のカプセルを手作業でガラス瓶に詰めた。
【0113】
カプセル製剤の安定性(40℃、75%RH)を表4に示す。
【0114】
【表5】

【0115】
カプセルIについて3ヶ月後に高レベルのさらなる分解生成物が見られた。
【0116】
実施例1B
塩酸カリプラジンとゼラチン前処理デンプンを含むカプセルを表5に従って調製した。
【0117】
【表6】

【0118】
ゼラチン前処理デンプンとカリプラジンを#20の篩を通して篩い、Vブレンダーで20分間、最終工程で増強バーを用い5段階で幾何級数的に混合した。ステアリン酸マグネシウムを#20スクリーンで篩って加え混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、MG2フーツラカプセル充填機を用いてカプセルに充填した。カプセルはHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0119】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでのカプセル製剤の安定性(40℃、75%RH)を表6に示す。
【0120】
【表7】

【0121】
カプセルIIおよびIIIの溶解速度を表7に示す。
【0122】
【表8】

【0123】
実施例1C
塩酸カリプラジン、スターラック(85%ラクトース一水和物と15%デンプンの配合)を含むカプセルを表8に従って調製した。
【0124】
【表9】

【0125】
スターラックとカリプラジンを#20の篩を通して篩い、Vブレンダーで20分間、最終工程で増強バーを用い5段階で幾何級数的に混合した。ステアリン酸マグネシウムを#20スクリーンで篩って加え混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、MG2フーツラカプセル充填機を用いてカプセルに充填した。カプセルはHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0126】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでのカプセル製剤の安定性(40℃、75%RH)を表9に示す。
【0127】
【表10】

【0128】
実施例1D
塩酸カリプラジンとマンニトールを含むカプセルを表10に従って調製した。
【0129】
【表11】

【0130】
マンニトールとカリプラジンを#20の篩を通して篩い、Vブレンダーで20分間、最終工程で増強バーを用い5段階で幾何級数的に混合した。ステアリン酸マグネシウムを#20スクリーンで篩って加え混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、MG2フーツラカプセル充填機を用いてカプセルに充填した。カプセルはHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0131】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでのカプセル製剤の安定性(40℃、75%RH)を表11に示す。
【0132】
【表12】

【0133】
実施例1E
塩酸カリプラジンとラクトース一水和物を含むカプセルを表12に従って調製した。
【0134】
【表13】

【0135】
ラクトース一水和物とカリプラジンを#20の篩を通して篩い、Vブレンダーで20分間、最終工程で増強バーを用い5段階で幾何級数的に混合した。ステアリン酸マグネシウムを#20スクリーンで篩って加え混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、MG2フーツラカプセル充填機を用いてカプセルに充填した。カプセルはHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0136】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでのカプセル製剤の安定性(40℃、75%RH)を表13に示す。
【0137】
【表14】

【0138】
実施例1F
塩酸カリプラジン、スターカップ1500(コーンスターチとゼラチン前処理デンプンとの共処理混合物)を含むカプセルを表14に従って調製した。
【0139】
【表15】

【0140】
スターカップ1500とカリプラジンを#20の篩を通して篩い、Vブレンダーで20分間、最終工程で増強バーを用い5段階で幾何級数的に混合した。ステアリン酸マグネシウムを#20スクリーンで篩って加え混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、MG2フーツラカプセル充填機を用いてカプセルに充填した。カプセルはHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0141】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでのカプセル製剤の安定性(40℃、75%RH)を表15に示す。
【0142】
【表16】

【0143】
実施例2:カリプラジンを含む安定な錠剤処方の調製
実施例2A
塩酸カリプラジンラクトース一水和物を含む錠剤処方を表16に示すように調製した。
【0144】
【表17】

【0145】
ステアリン酸マグネシウムを除く全ての成分は#20篩を通して篩いVブレンダーで10分間混合した。混合は最終工程で増強バーを用いてさらに10分間継続した。ステアリン酸マグネシウムを#20スクリーンを通して篩って添加し、混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、コルシュPH106圧縮機を用いて錠剤に圧縮した。錠剤はHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0146】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤の安定性(40℃、75%RH)を表17に示す。
【0147】
【表18】

【0148】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤Iの40℃、75.5%RHで貯蔵後の溶解速度を表18に示す。
【0149】
【表19】

【0150】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤IIの40℃、75.5%RHで貯蔵後の溶解速度を表19に示す。
【0151】
【表20】

【0152】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤IIIの40℃、75.5%RHで貯蔵後の溶解速度を表20に示す。
【0153】
【表21】

【0154】
実施例2B
塩酸カリプラジンとラクトース一水和物を含む錠剤処方を表21に示すように調製した。
【0155】
【表22】

【0156】
ステアリン酸マグネシウムを除く全ての成分は#20篩を通して篩いVブレンダーで10分間混合した。混合は最終工程で増強バーを用いてさらに10分間継続した。ステアリン酸マグネシウムは#20スクリーンを通して篩って添加し、混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、コルシュPH106圧縮機を用いて錠剤に圧縮した。錠剤はHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0157】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤の安定性(40℃、75%RH)を表22に示す。
【0158】
【表23】

【0159】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤Iの40℃、75.5%RHで貯蔵後の溶解速度を表23に示す。
【0160】
【表24】

【0161】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤IIの40℃、75.5%RHで貯蔵後の溶解速度を表24に示す。
【0162】
【表25】

【0163】
実施例2C
塩酸カリプラジンと緩衝剤として炭酸ナトリウムを含む錠剤を表25に従って調製した。
【0164】
【表26】

【0165】
ステアリン酸マグネシウムを除く全ての成分は#20篩を通して篩いVブレンダーで15分間混合した。ステアリン酸マグネシウムは#20スクリーンを通して篩って添加し、混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、コルシュPH106圧縮機を用いて錠剤に圧縮した。錠剤はHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0166】
誘電シールしたHDPEボトル中乾燥剤なしでの錠剤の安定性(40℃、75%RH)を表26に示す。
【0167】
【表27】

【0168】
異なる量の炭酸ナトリウムを含む製剤中に存在するDe−BOCの量(シールした60cc HDPEボトル中、乾燥剤なしで40℃、75%RHで3ヵ月貯蔵)を表27に示す。錠剤を採集し2%固体を含む懸濁液をつくるために必要な正確な容積の脱イオン水中に分散することによって、スラリーを調製した。ついでスラリーのpHをpHメーターを用いて測定した。
【0169】
【表28】

【0170】
実施例3:比較例
さらに塩酸カリプラジンとその他の賦形剤を含む錠剤を表28に従って調製した。
【0171】
【表29】

【0172】
ステアリン酸マグネシウムを除く全ての成分は#20篩を通して篩いVブレンダーで15分間混合した。ステアリン酸マグネシウムは#20スクリーンを通して篩って添加し、混合物をさらに2分間混合した。ついで最終混合物を、コルシュPH106圧縮機を用いて錠剤に圧縮した。錠剤はHDPEボトルに詰め誘電シールした。
【0173】
表29の錠剤処方の安定性(誘電シールした60cc HDPEボトル中乾燥剤なしで40℃、75%RHで貯蔵)を表29に示す。
【0174】
【表30】

【0175】
表30に見られるように、これらの錠剤処方中に存在するDe−BOCの2か月での量は、実施例1および2で述べた本発明のカプセルおよび錠剤よりも多い。
【0176】
実施例4:健康な男子ボランティアで実施したプラセボ対照単回投与二重盲検試験
健康な男子ボランティアにおけるカリプラジン(カプセル)の薬物動態パラメーターのプラセボ対照単回投与二重盲検試験を実施した。
【0177】
【表31】

【0178】
カプセルの組成を下の表31に示す。
【0179】
【表32】

【0180】
カリプラジン0.5から2.5mgを単回投与した後の平均薬物動態パラメーターを下の表32に示す。
【0181】
【表33】

【0182】
平均最大血中濃度(Cmax)は一般に投与およそ3からおよそ6時間に得られた。Tmax値はおよそ3からおよそ6時間である。
【0183】
塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル尿素の0.5mgから2.5mgの範囲にわたる単回投与での薬物動態は、AUCに関連した曝露はおおよそ投与量に比例することを示唆する。2.0mgを超える投与量に対して2.0mgのデータ(表35、AUClastの80%、処置群I)、また0.5mg以下の濃度に対して0.5mgのデータ(表33)に基づいた薬物動態線形パラメーター計算値を表33に示す。
【0184】
【表34】

【0185】
この開示のお陰で当業者は製剤中に用いられるカリプラジンのどんな特定の用量に対しても薬物動態パラメーターを容易に決めることができる。
【0186】
実施例5:一施設、無作為、非盲検、並列群での単回投与試験
本研究の目的は(i)カリプラジン(2mg錠)の経口での生物学的利用能に対する食物の影響を評価する、(ii) カリプラジンの単回経口投与(2mg錠)後の経口での生物学的利用能に対する性の影響を評価する、および(iii)カリプラジンおよびその代謝物の経口投与(2mg錠)後の薬物動態を評価することであった。
【0187】
方法
この臨床試験は一施設、無作為、非盲検、並列群での単回投与試験として実施された。年齢18−45歳の健康な男女被験者を全部で42人、男女比およそ1:1で選んだ。
【0188】
投与は5ないし7日空けて2つの処置セッション(処置1および処置2)で行った。被験者は男女比〜1:1に無作為に分け次の2つの処置の1つを受けた:
処置1:絶食状態で2mgカリプラジン錠を1錠単回経口投与(女12名、男11名)
処置2:給食状態で2mgカリプラジン錠を1錠単回経口投与(女10名、男9名)
【0189】
被験者は診療所で第1日目の08:00時に絶食/給食状態で被験薬物を240mLの水とともに与えられた。処置1の被験者は第1日目の投与前の10時間夜中絶食し、投与後さらに4時間絶食を続けた。処置2の被験者は投与第1日目の0730時に米国食品医薬局標準高脂肪朝食を食べる前まで10時間夜中絶食した。
【0190】
この試験の期間は30日であった(第1日目から第29日目の最後の薬物動態(PK)用血液試料採取まで)。
【0191】
患者の評価
バイタルサイン/有害事象評価
心拍数および血圧は、試験を通して同じ腕でまた対応する血液試料を採取する前に、仰臥位で測定した(被験者は測定前に少なくとも5分間横臥した)。スクリーニングおよび試験終了時の測定に加えて、バイタルサイン(BPおよび心拍数)を:
第1日目:(0.0(投与前)、投与後2、4、8および12時間)
第2日目:第1日目の薬剤投与25時間後
第3日目:第1日目の薬剤投与48時間後
第5日目:第1日目の薬剤投与96時間後
に測定した。
【0192】
血液採取
血液採取はカリプラジンの血中濃度を測定するために以下の時間に行った:
0.0(投与前)、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、24、36、48、72、96、168、336、504および672時間
【0193】
試験中に観察した平均血中動態パラメーターを表34に示す。
【0194】
【表35】

【0195】
実施例6:健康な男子ボランティアで実施した多様な投与試験
32人の健康な男子被験者を無作為に4群(I‐IV)に分けた。各群で、2人はプラセボを6人は以下の処置の1つを受けた。
(I)0.5mgカリプラジンを1日おきに、7回投与;
(II)0.5mgカリプラジンを毎日、14回投与;
(III)0.5mgカリプラジンを2回、引き続き1.0mgカリプラジンを12回、毎日投与;および
(IV)1.0mgカリプラジンを毎日、21回投与
【0196】
血液試料をカリプラジンについ検証したLC−MS/MS分析によりて分析した(内部標準:重水素化化合物;資料調製:アルカリ化後液−液抽出;資料容積:1mL;較正範囲:0.05−25ng/mL;イオン化:MRMモードで+ESI)。
【0197】
試験のデザインを下の表35に示す。
【0198】
【表36】

【0199】
観測された平均薬物動態パラメーターを下の表36に示す。
【0200】
【表37】

【0201】
本発明はここに述べた特定の実施例による範囲に限るものではない。実際、ここに述べたことに加えて、当業者にとっては、これまでの記述および付随する図表から本発明の多くの修飾が明らかである。そのような修飾は付記の請求項の範囲にあると見なされる。さらにすべての値はおおよその値であり、また記述のために与えられたことを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、およそ1重量%未満のトランス−4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシルアミン、またはその薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする製剤処方。
【請求項2】
およそ0.05からおよそ15mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ26.3ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ2ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする製剤処方。
【請求項3】
およそ0.1mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ0.2ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ2ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
およそ0.25mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ0.5ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ5ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項5】
およそ0.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ0.9ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ10ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項6】
およそ1mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ1.8ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ20ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項7】
およそ1.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ2.7ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ30ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項8】
およそ2mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ3.5ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ40ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項9】
およそ2.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ4.4ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ50ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項10】
およそ3mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ5.3ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ60ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項11】
およそ4.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ7.9ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ90ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項12】
およそ5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ8.8ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ100ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項13】
およそ6mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ10.5ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ120ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項14】
およそ7.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ13.2ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ150ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項15】
およそ9mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ15.8ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ180ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項16】
およそ12.5mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ21.9ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ250ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項17】
およそ15mgのトランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩からなり、
(i)平均Cmaxはおよそ26.3ng/mL未満
(ii)平均AUC0−∞はおよそ300ng.hr/mLより大
(iii)平均Tmaxはおよそ3時間またはそれ以上
であるインビボ血液プロフィルを与えることを特徴とする請求項2に記載の製剤。
【請求項18】
塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素からなることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の製剤。
【請求項19】
(a)およそ0.5%からおよそ15%の塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素
(b)およそ5%からおよそ95%のラクトース一水和物
(c)0からおよそ10%のタルク
(d)0からおよそ5%のコロイド状二酸化ケイ素
(e)0からおよそ15%のデンプングリコール酸ナトリウム
(f)0からおよそ15%のヒドロキシプロピルセルロース、および
(g)およそ0.1%からおよそ3%のステアリン酸マグネシウム
からなることを特徴とする薬剤処方。
【請求項20】
(a)およそ0.5%からおよそ15%の塩酸トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素
(b)およそ0.1%からおよそ20%の炭酸ナトリウム
(c)0からおよそ10%のタルク
(d)0からおよそ5%のコロイド状二酸化ケイ素
(e)0からおよそ15%のデンプングリコール酸ナトリウム
(f)およそ5%からおよそ95%の微結晶セルロース、および
(g)およそ0.1%からおよそ3%のステアリン酸マグネシウム
からなることを特徴とする薬剤処方。
【請求項21】
およそ1重量%未満のトランス−4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシルアミン、またはその薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする請求項19または請求項20の何れかに記載の製剤処方。
【請求項22】
トランス−1{4−[2−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−エチル]−シクロヘキシル}−3,3−ジメチル−尿素、またはその薬学的に許容される塩を、その製剤を必要とする患者に投与後最初のおよそ60分間以内におよそ80%以上の速度で放出することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の製剤剤処方。
【請求項23】
それを必要とする患者に請求項1の製剤を有効量投与することからなるドーパミン受容体の調節を必要とする疾患の治療方法。
【請求項24】
疾患が統合失調症であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
疾患が双極性障害であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
疾患が急性躁病であることを特徴とする請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2011−528374(P2011−528374A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518910(P2011−518910)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050835
【国際公開番号】WO2010/009309
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(591180314)リヒター ゲデオン ニルバーノシャン ミーケデーレスベニュタールシャシャーグ (33)
【Fターム(参考)】