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ドーパミン神経伝達の新たなモジュレーター
説明

ドーパミン神経伝達の新たなモジュレーター

【課題】ドーパミン神経伝達の新規モジュレーターおよびそれらの用途の提供。
【解決手段】式(1)で表される新規な3−置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンおよび4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジン化合物。さらに、この化合物を含む医薬組成、およびこの化合物が使用される中枢神経系の障害治療のための方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ドーパミン神経伝達の新規モジュレーターに関し、さらに特定すると新規な置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンおよび4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジン、およびそれらの用途に関する。
【0002】
(発明の背景)
ドーパミンは脳の神経伝達物質である。1950年代にこれが発見されて以来、脳におけるドーパミンの機能が熱心に探究されてきた。今日まで、ドーパミンが運動、認識、感覚、感情および自律(例えば食欲、体温、睡眠の調節)機能を含めた脳機能のいくつかの局面に必須であることが充分に立証されている。したがって、ドーパミン作動性の機能の調整は脳機能に影響を及ぼす広範囲の疾病の治療において有益である可能性がある。実際のところ、神経性疾患と精神疾患の両方が脳のドーパミン系およびドーパミン受容体との相互作用を基本とする薬物治療を施される。
【0003】
直接的または間接的に中枢のドーパミン受容体で作用する薬剤が神経性疾患と精神疾患、例えばパーキンソン病および精神分裂病の治療に共通して使用される。最近利用可能なドーパミン作動性の医薬は、抗精神病薬剤として使用されるドーパミン作動性のアンタゴニストにおける錐体外路性の副作用および遅発性ジスキネジー、および抗パーキンソン病薬剤として使用されるドーパミン作動性のアゴニストにおけるジスキネジーおよび精神病のような激しい副作用を有する。多くの点で治療効果は不満足なものである。ドーパミン作動性医薬の効果を改善して副作用を低下させるために、特異的なドーパミン受容体サブタイプに選択性を有するかまたは部位選択性を有する新規なドーパミン受容体リガンドが要求される。これに関連して、ドーパミン受容体での過度の阻害あるいは過度の刺激を避けてドーパミン受容体で最適な程度の刺激を達成するために、部分的なドーパミン受容体アゴニスト、すなわちドーパミン受容体でいくぶんかではあるが完全でない固有活性を備えたドーパミン受容体リガンドもやはり開発されつつある。
【0004】
置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンおよび置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジンの部類に属する化合物が以前に報告されている。これらの化合物の中で、いくつかはCNS(中枢神経系)で不活性であり、いくつかはセロトニン作動性またはセロトニン作動性/ドーパミン作動性混合型の医薬のプロフィールを示すがいくつかはドーパミン受容体に関して高い親和性を備えた完全な、または部分的なドーパミン受容体アゴニストないしアンタゴニストである。
【0005】
いくつかの4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンおよび4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジンの誘導体が知られており、例えばCostall et al.European J.Pharm.31,94,(1975)、Mewshaw et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.,8,295,(1988)に述べられている。報告された化合物は置換4−フェニルピペラジンであり、それらの殆どは2−、3−、または4−OHフェニル置換であってDA(ドーパミン)自己受容体アゴニスト特性を示す。
【0006】
Fuller R.W.et al.,J.Pharmacol.Exp.Therapeut.218,636,(1981)は、報告によるとセロトニンのアンタゴニストとして作用してセロトニン摂取を阻害する置換ピペラジン(例えば1−(m−トリフルオロ−メチルフェニル)ピペラジン)を開示している。Fuller R.W.et al.,Res.Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.17,551,(1977)は1−(p−クロロフェノール)−ピペラジンによるラット脳の3,4−ジヒドロキシ−フェニル酢酸への比較効果を開示し、Res.Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.29,201,(1980)は5−ヒドロキシインドール酢酸濃度への比較効果を開示している。
【0007】
Boissier J.et al.Chem.Abstr.61:10691cは二置換ピペラジンを開示している。報告によるとそれらの化合物は抗アドレナリン薬、抗高血圧薬、バルビツール薬増強剤、および中枢神経系の抑制薬である。
【0008】
いくつかの様々な置換ピペラジンが5−HT1Aのリガンドとして、例えばGlennon R.A.et al.J.Med.Chem.,31,1968,(1988)、van Steen B.J.,J.Med.Chem.,36,2751,(1993)、Mokrosz,J.et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)328,143−148(1995)、およびDukat M.−L.,J.Med.Chem.,39,4017,(1996)で発表されてきた。Glennon R.A.は国際特許出願WO 93/00313およびWO 91/09594で様々なアミンを開示しており、それらの中でシグマ受容体リガンドとして置換ピペラジンがある。精神分裂病患者のシグマ受容体リガンドの性質を調べた臨床学的研究は抗精神病活性または他の何らかのCNS疾患での活性の証拠を出してはいない。最も長期にわたって選択的シグマ受容体アンタゴニスト、BW234U(リムカゾール)およびBMY14802を調べたうちの2つは精神分裂病患者での臨床学的研究で両方共に失敗した(Borison et al.,1991,Psychopharmacol Bull 27(2):103−106;Gewirtz et al,1994,Neuropsychopharmacology 10:37−40)。
【0009】
さらに、WO 93/04684およびGB 2027703もやはりCNS障害の治療に有用な特異的な置換ピペラジンを記述している。
【0010】
(発明の概要)
本発明の目的は新規な医薬的に活性な化合物、特に中枢神経系の障害の治療に有用で上述した物質の欠点を有していない化合物を提供することにある。
【0011】
本発明につながる研究で、特異的な薬学的特性を備えた物質、すなわちドーパミン神経伝達への調節効果を有する物質を提供することが望まれることが見出された。これらの特性は以前には報告されておらず、以前に知られている化合物でそれらを得ることは可能でない。本発明による化合物は、脳の神経化学へのアンタゴニスト類似効果と正常な行動への緩やかなアゴニスト類似効果を備えて極めて驚異的で興味深い二元的なドーパミン作動性の作用プロフィールを有するが、多動性状態の行動の抑制を誘発する。
【0012】
本発明は、したがって、新規な3−置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンおよび3−置換の4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジンの遊離基の形またはその医薬的に受容可能な塩、前記化合物を含む医薬的組成、および治療における前記化合物の使用法に関する。
【0013】
本発明の1つの主題は治療用途のために新規な化合物を提供することであり、さらに正確にはヒトの脳を含めた哺乳動物の脳でドーパミン作動性の系を調節するための化合物を提供することである。
【0014】
本発明の別の主題は経口投薬後の治療効果を備えた化合物を提供することである。
【0015】
さらに正確には、本発明は式1の3−置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンおよび3−置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジン化合物、
【化2】

およびその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
XはN、CH、およびCで構成されるグループから選択されるが、しかしながら化合物が点線に二重結合を含むときはXはCだけが可能であり、
はOSOCF、OSOCH、SOR、SO、COR、NO、およびCONHRで構成されるグループから選択されるもので、そこではRは下記のように定義され、XがCHないしCであるときにRはやはりCF、CN、F、Cl、Br、およびIで構成されるグループから選択され、
はC−Cアルキル、アリル、CHSCH、CHCHOCH、CHCHCHF、CHCF、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、および−(CH)−Rで構成されるグループから選択されるもので、そこではRは下記のように定義され、
はC−Cアルキル、CF、およびN(Rで構成されるグループから選択されるものでRは上記で定義した通りであり、
はC−Cシクロアルキル、2−テトラヒドロフラン、および3−テトラヒドロフランで構成されるグループから選択される。
【0016】
本発明による化合物はドーパミン調節特性を有し、精神病的症状および神経学的症状の両方を含めた数多くの中枢神経系障害を治療するのに有用である。
【0017】
ドーパミン作動性の系への調節効果を備えた化合物が有益となり得る疾病は、運動緩慢および鬱病の防止および精神的機能の向上のために老化に関係する障害にある。それらはまた、認識機能およびそれに関連した神経組織変性での情緒障害および発達障害の改善ならびに脳損傷の後の改善にも使用できる。
【0018】
本発明による化合物は、精神分裂病および分裂病様障害ならびに薬物誘発性の精神病障害を含めた精神病のすべての症状を改善するのに使用することができる。本発明による化合物はまた、通常は最初に乳児期、児童期、または思春期に診断される行動障害ならびに衝動制御障害にも使用され得る。連発性吃音のような言語障害もやはり改善され得る。それらはまた、物質濫用障害ならびに食物の誤用によって特徴付けられる障害を治療するのにも使用され得る。
【0019】
気分障害および不安性障害、人格障害、および転換ヒステリーもまた本発明による化合物で治療され得る。
【0020】
運動障害と同様にハンティングトン舞踏病および他の運動障害の処置を含む神経学的な兆候は薬剤により誘発される。睡眠発作のみならず下肢不穏状態および関連する障害もやはり本発明により含まれる化合物で治療され得る。それらはまたパーキンソン病、および関連するパーキンソン症候群における精神および運動機能を改善され得る。それらはまた様々な起源による震顫を良化するのに使用され得る。それらは頭痛の治療に使用され、血管ないし脳の傷害の後の脳機能を改善するのに使用され得る。さらに、それらは筋緊張の増大で特徴付けられる状態の痛みを和らげるのに使用され得る。
【0021】
本発明による化合物は、偶然にも脳のドーパミン作動性の系に特異的に作用することが見出された。それらは選択的なドーパミン・アンタゴニストの、例えばドーパミン代謝産物濃度の増加を起こすといった独特な特徴を備えて脳内の生化学的指標に対する影響を有する。
【0022】
さらに、ドーパミン受容体アンタゴニストは特徴的に行動活性を抑制してカタレプシーを誘発するが、本発明の化合物は自発的運動に対する抑制効果を示さないか、または限定されたものでしかない。対照的にそれらは、ドーパミン作動性のアゴニストで誘発されるのに類似して、小規模な運動、例えば行動記録場所の中央での停止の増加を随伴したわずかな行動の活性化を誘発する可能性がある。行動の活性化は、直接的ないし間接的なドーパミン作動性アゴニストによって誘発される活性の甚だしい増加に到達しないように制限される。一方で、この好ましい物質は直接的ないし間接的なドーパミン作動性のアゴニスト、すなわちd−アンフェタミンおよび同類のものによって誘発される活性の増大を低減する。
【0023】
こうして、本発明の化合物は驚くべきことに、脳の神経化学へのアンタゴニスト類似効果と正常な行動への穏やかなアゴニスト類似効果を備え、しかし多動性状態の行動を抑制するといった興味深い二元的なドーパミン作動性作用プロフィールを示す。この作用プロフィールは、ドーパミン作動性の機能に対してこれらの化学的部類に属する既知の化合物、またはこれらないしその他の化学的部類に由来する代表的なドーパミン受容体アンタゴニストないしアゴニストの予期される効果とは明らかに異なる調節効果を示唆する。
【0024】
極めて多様なCNS機能におけるドーパミンの関わり合いおよびドーパミン系に作用する現在利用可能な医薬の欠点が与えられると、本発明に示す新規な部類のドーパミン作動性モジュレーターは、CNSの機能不全に関連したいくつかの疾患の治療で現在知られているドーパミン作動性化合物よりも、効果のみならず副作用の点でも優れていることを立証することができる。
【0025】
本発明によるいくつかの化合物は、驚くべきことに、経口による高い生物学的薬物利用能を含めて優れた薬物動力学的特性を有する、ということが見出された。したがってそれらは経口投薬される医薬の製剤に適している。脳のドーパミン系に対するこの効果を備えた化合物をどのようにして得るか、という手引きは先行技術にはない。
【0026】
(発明の詳細)
薬理学
精神病的および神経学的障害においてCNSの神経伝達が阻害されるという証拠は入手可能である。多くの範例、例えば精神分裂病ないしパーキンソン病で、ドーパミン受容体でのアンタゴニズムないしアゴニズムを基本とした精神治療は有用であるが最適ではない。近年、効果を高めて副作用を減らすことを目的として、ドーパミン受容体サブタイプ(D、D、D、D、D)に関して新規で選択的なリガンドを見出すことに多くの努力が払われてきた。
【0027】
本発明はドーパミン系との相互作用に基づいた斬新な治療のために違った原理を提供する。本発明による化合物はドーパミンD受容体で、脳神経化学に対してアンタゴニストと同様の効果を有する。現在使用されるドーパミン受容体アンタゴニストとは対照的に、本発明による化合物は自発的運動に対する阻害効果を示さないかまたは限定的である。それらは、ドーパミン作動性のアゴニストで誘発されるのに類似して、小規模な運動、例えば行動記録場所の中央での停止の増加を随伴した行動の活性化を誘発する。行動の活性化は、直接的ないし間接的なドーパミン受容体アゴニストによって誘発される活性の甚だしい増加に到達しないように制限される。驚くべきことに、この好ましい物質は直接的ないし間接的なドーパミン作動性のアゴニスト、すなわちd−アンフェタミンおよび同類のもの、によって誘発される活性の増大を実際に低減することができる。
【0028】
好ましい構造は芳香環のメタの位置で置換されている。そのような構造の例はメタンスルホン酸の3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステルであり、これは下記の実施例14に示される。ラットで、この化合物は、n=4で調べると、50μmol/kgの皮下投与で線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸を1265±74ng/g組織(比較対照区)から3208±236ng/g組織へと増加させ、それと組み合わせて50μmol/kgの皮下投与で行動活性を1485±328cm/30分(比較対照区)から2126±240cm/30分へと少し増大させる。本発明による化合物のまた別の好ましい例は4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンであり、実施例6でさらに述べる。ラットで、この化合物は、50μmol/kgの皮下投与で線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸を914±19ng/g組織(比較対照区)から1703±19ng/g組織へと増加させる。ドーパミン代謝回転のこの増大は、運動活性の2030±299cm/60分から2879±398cm/60分、p=0.14への増大傾向に引き継がれる。運動性計測ボックスに慣れさせた動物で、実施例6に述べる化合物、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンは、行動活性を476±279cm/60分(比較対照区)から1243±72cm/60分、p<0.05、n=4へと増大させ、かつ50μmol/kgの皮下投与で線条体の4−ジヒドロキシフェニル酢酸を975±23ng/g組織(比較対照区)から2074±144ng/g組織、p<0.05、n=4へと増加させる。
【0029】
加えて、実施例6に述べる化合物、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンは、d−アンフェタミン(1.5mg/kgの皮下投与)とディゾルシピン(Mk−801、0.7mg/kgの腹膜内投与)の両方によって誘発される行動活性化を低下させる好ましい能力を有する。d−アンフェタミン多動性は、実施例6に述べる化合物の50μmol/kgの皮下投与で10694±2165cm/60分から1839±344cm/60分、p<0.05、n=4へと低下し、ディゾルシピン(Mk−801)によって誘発する行動活性化は、50μmol/kgの皮下投与で32580±4303cm/60分から18197±1389cm/60分、p<0.05へと低下する。驚くべきことに、実施例6に述べる化合物はラットで、85%の経口投与による利用率(F)を有する。
【0030】
WO 91/09594で述べられたいくぶん類似した化合物とは異なり、実施例6の化合物、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンはシグマ受容体の親和性が欠けており、ラット脳の膜に対して10μmol/Lで(Shirayama Y.et al.,1993,Eur.J.Pharmacol.237,p117で述べられたシグマ結合測定の方法による)[H]−DTG結合の阻害が<50%である。
【0031】
本発明による化合物の驚くべき効果を示すために、いくつかの化合物を先行技術による同様の化合物と比較した。比較実施例において本発明による化合物との比較に使用した化合物はしたがって、望ましい特性を示さないので本発明の化合物ではない。
【0032】
比較実施例1:4−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンはパラの位置での置換が不活性化合物を生じることを示す。4−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンは神経化学的実験で示したように線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸に対する効果を持っておらず、988±70ng/g組織(比較対照区)および50μmol/kg皮下投与区の928±51ng/g組織である。4−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンは本発明による望ましい特性を有していない。
【0033】
比較実施例2:所望の特性のための芳香環での置換の重要性をさらに示すために、4−フェニル−1−プロピル−ピペリジンが行動分析において活性を欠いていることを非前処理のラットで示され、33μmol/kg投与区で2553±471cm/60分、p>0.05、n=4であるのに対して比較対照区が3661±494cm/60分であり、神経化学的な実験で示した線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸への効果に欠けていて、1027±31ng/g組織(比較対照区)および33μmol/kg皮下投与区の1190±70ng/g組織、p>0.05であり、また、4−フェニル−1−プロピル−ピペリジンもやはりd−アンフェタミン刺激による行動活性の望ましい抑制に欠けている(33μmol/kg投与で13764±2919cm/60分に対してd−アンフェタミン区で17295±4738cm/60分、p>>0.05、n=4)。
【0034】
比較実施例3:さらに、WO 91/09594でシグマ受容体結合化合物として述べられている1−フェニル−4−プロピル−ピペラジンは非前処理動物で、比較対照区の3370±227から33μmol/kg皮下投与区の1923±204cm/60分、n=4、p<0.05へと行動活性を低下させることが見出され、したがって求められる特性に欠けるものである。
【0035】
比較実施例4:1−(2−メトキシ−フェニル)−4−プロピルピペラジンで例示されるようなオルトの位置での置換は、線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸を1028±9ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の3836±65ng/g組織、p<0.05、n=4へと増大させる化合物を生じる。これは本発明で要求されない、1651±300cm/60分(比較対照区)から50μg/kgの皮下投与区の67±34cm/60分、p<0.05、n=4へと行動活性を下げることに続く。
【0036】
比較実施例5:メタの位置での置換分の特性は重要である。1−プロピル−4−(3−トリフルオロ−メチル−フェニル)ピペラジンは線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸を1066±46ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の3358±162ng/g組織、p<0.05、n=4へと増大させるが、しかしながら、それに続いて行動抑制が1244±341cm/60分(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の271±137cm/60分、p<0.05、n=4になり、したがって本発明で要求される特性に欠ける。
【0037】
比較実施例6:さらに、3−(4−プロピル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾニトリルの化合物は線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸を1432±57ng/g組織(比較対照区)から100μmol/kg皮下投与区の4498±243ng/g組織、p<0.05、n=4へと増大させ、5−ヒドロキシインドール酢酸を630±16ng/g組織(比較対照区)から100μmol/kg皮下投与区の484±26ng/g組織、p<0.05、n=4へと低下させる。これらの効果は3959±688cm/60分(比較対照区)から100μmol/kg皮下投与区の634±266cm/60分、p<0.05、n=4への行動抑制によって引き継がれ、したがって本発明で求められる特性に欠ける。3−(4−プロピル−ピペラジン−イル)−ベンゾニトリルは以下の特性、すなわちm.p.159℃(フマル酸塩)MS m/z(相対強度、70eV)229(M+、28)、200(bp)、157(27)、129(22)、70(25)を有する。
【0038】
比較実施例7:置換分の重要性の別の例は調製物14であって、これは1121±36ng/g組織(比較対照区)に対して50μmol/kg皮下投与区で1169±42ng/g組織であって線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸に対する効果がない。
【0039】
比較実施例8:塩基性窒素の置換分の物理化学的な特性もまた望ましいプロフィールにとって重要である。WO 91/09594およびWO 93/00313でシグマ受容体リガンドとして述べられた1−フェネチル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペラジンで例示される何らかの置換分を使用することは可能ではなく、これは852±33ng/g組織(比較対照区)に対して50μmol/kg皮下投与区で1406±77ng/g組織、p<0.05、n=4であって線条体の3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸に対する効果をある程度有するが、しかし線条体の5−ヒドロキシインドール酢酸を358±20ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の289±16ng/g組織、p<0.05、n=4へ、およびセロトニン(5−HT)を379±10ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の282±6ng/g組織、p<0.05、n=4へと両方共に低下させ、それは報告にある5−HT1A受容体でのIC50が20.3nM(WO 93/00313)によることを除いて本発明による望ましくない特性である。
【0040】
比較実施例9:加えて、塩基性窒素上にベンジル置換分をもつ化合物の1−ベンジル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンと3−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−フェノールは両方共に、脳のセロトニン系と相互作用する望ましくない特性を有する。1−ベンジル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンは線条体の5−ヒドロキシインドール酢酸を428±20ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の487±7ng/g組織、p<0.05、n=4へと増大させ、セロトニン(5−HT)を442±15ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の345±18ng/g組織、p<0.05、n=4へと低下させ、セロトニン行動症候群を誘発する(セロトニン行動症候群は、例えばTricklebank et al.,1985,Eur.J.Pharmacol,106,pp271−282によって述べられている)。3−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−フェノールは線条体の5−ヒドロキシインドール酢酸を404±10ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の492±26ng/g組織、p<0.05、n=4へと増大させ、辺縁系領域のセロトニン(5−HT)を734±8ng/g組織(比較対照区)から50μmol/kg皮下投与区の677±20ng/g組織、p<0.05、n=4へと低下させる望ましくない性能を有する。
【0041】
比較実施例10:2−[4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−エタノール(GB 2027703に記載)に従って塩基性窒素上で置換をすると、行動活性試験で3238±1089cm/60分(比較対照区)から33μmol/kg皮下投与区の3782±962cm/60分、p>0.05、n=4へと不活性であり、同様に神経化学的な試験でも3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸への効果が1158±126ng/g組織(比較対照区)から33μmol/kg皮下投与区の1239±162ng/g組織、n=4、p>0.05へと不活性な化合物になる。
【0042】
本発明による化合物は特に中枢神経系の障害、中でもドーパミンの介在する障害の治療に適している。それらは例えば、肥満症で食欲抑制剤として、およびその他の食事疾患で気分傷害の症状を軽減するために、認識機能および関連する感情障害を改善するために、発育障害に付随する認識および運動機能不全を改善するために、精神分裂病と分裂病類似障害ならびにその他の精神病のすべての症状を改善するために、進行性の症状を改善するためならびに新たな精神病症状発現の発生を抑制するため、食物、コーヒー、茶、タバコ、アルコール、添加剤などの摂取に起因する病的障害を調節するために使用され得る。
【0043】
本発明による化合物はこうして、例えば次の症状を治療するために使用可能である。
−精神分裂病および、緊張型、解体型、偏執性、残遺型または差異型精神分裂病のようなその他の精神病;分裂病様障害;分裂感情型障害;妄想性障害;短期精神病障害;共有精神病性障害;妄想および/または幻覚を伴なう一般的な医学的状態に起因する精神病障害、
−鬱病、例えば気分変調ないし大鬱病障害のような気分障害;双極性障害、例えば双極性障害I、双極性障害II、および循環気質障害;鬱症状および/または躁特徴を伴なう一般的な医学的状態に起因する気分障害;薬物誘発による気分障害、
−急性ストレス性障害のような不安性障害、パニック性精神異常の前歴のない臨場恐怖症、一般的な医学的状態に起因する不安性障害、全体的不安性障害、強迫性障害、臨場恐怖症を伴なったパニック性精神異常、臨場恐怖症を伴なわないパニック性精神異常、外傷後ストレス障害、特異的恐怖症、社会的恐怖症、および薬物誘発性不安性障害、
−神経性無食欲症、神経性過食症、および肥満症のような摂食障害、
−例えば呼吸関連睡眠障害、サーカディアンリズム性睡眠障害、過剰睡眠症、不眠症、睡眠発作、および「時差ぼけ(ジェット機疲れ)」のような睡眠不全、
−間欠性激発神経症、盗癖、病的賭博癖、放火癖、および抜毛癖のような他に分類されない衝動制御障害、
−偏執症、分裂病質または分裂病的障害のような人格障害;反社会的、境界例、演技性、および自己愛型障害;回避性、依存性、強迫性障害、
−神経遮断薬誘発性のパーキンソン症候群、神経遮断性悪性症候群、神経遮断薬誘発性の急性で遅発性のジストニー、神経遮断薬誘発性のアカシジア、神経遮断薬誘発性の遅発性ジスキネジー、投薬誘発性の震え、および投薬誘発性のジスキネジーのような投薬で誘発される運動障害、
−濫用、依存のような薬物関連の障害、不安性障害、中毒、中毒性精神錯乱、精神病障害、幻想を伴なう精神病障害、気分障害、持続性健忘障害、持続性痴呆、持続性知覚障害、性的機能不全、睡眠障害、アルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン類似物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入薬、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン(またはフェンシクリジン類似物質)、鎮静剤、催眠剤、および/または不安緩解薬の使用ないし誤使用に起因する禁断症状、および精神錯乱を伴なう禁断症状、
−精神遅滞のような普通は乳児期、児童期、ないし思春期に最初に診断される障害;学習障害;運動技能障害、例えば発育調整障害;会話障害、例えば表現言語障害、音韻学的障害、受容表現言語障害および連発性吃音;広汎性発達障害、例えばアスペルガー障害、自閉障害、児童精神分裂障害、レット障害;注意欠陥および破壊行動障害、例えば注意欠陥多動性障害、行為傷害、および反抗性障害;乳児期または幼児期の給食と摂食障害、例えば乳児期または幼児期の摂食障害、異食、反芻障害;チック障害、例えば慢性的運動ないし発声のチック障害、およびトゥレット障害;乳児期、児童期、または思春期のその他の障害、例えば選択的無言症、常同症的運動障害、
−譫妄、痴呆、健忘およびアルツハイマー病やクロイツフェルト・ヤコブ病のようなその他の認識障害、無感覚外傷、ハンティングトン舞踏病、HIV疾病、ピック病、および、びまん性Lewy body痴呆、
−転換ヒステリー
−運動機能および精神機能の障害のような正常な老化に関連する状態、
−パーキンソン病および、多重器官系萎縮、例えば線条体黒質の退歩、オリーブ橋小脳萎縮退歩、およびシャイドレーガー症候群のような関連する障害;進行性の核上麻痺;皮質退歩;および血管のパーキンソン症候群、
−本態性、起立性、休息時、小脳性、および二次的震顫のような震顫、
−偏頭痛、群発性頭痛、緊張性頭痛、および発作性頭痛のような頭痛、
−例えばデネラル(deneral)薬剤状態、トラウマないし血管の外傷の二次的なもの、片側バリスム、アテトーシス、シドナム舞踏病、および発作性のものといったジスキネジーのような運動障害;ジストニー;エクボーム症候群(下肢静止不能);ウィルソン病;ハレルホルデン―シュパッツ病、
−例えば血管傷害ないし心的外傷となる脳傷害の後のリハビリテーションを向上させるリハビリテーション薬剤、
−線維筋痛、筋膜症候群、ジストニー、パーキンソン症候群のような、筋肉緊張の高まりによって特徴付けられる状態の痛み、ならびに、
−上記に関連する状態であって、さらに大きな分類に入るがそれらの分類の中のあらゆる特定の障害の基準にも合致しないもの。
【0044】
合成
本化合物の合成は関連する既知の化合物の合成のために普遍的な方法によって実施される。式1の化合物の合成は、概して、式2のアミン基を供給する中間体ピペリジンないしピペラジンをアルキル基に供給する中間体の反応を含む。
【化3】

【0045】
本発明の化合物を合成する便利な方法はヨウ化アルキル(例えば1−ヨウ化プロピル)の使用によるものである。もちろん、場合によってはアルキル基上でヨウ化物のそばにスルホン酸、特にメタンスルホン酸ないしトルエンスルホン酸、臭素基などのような他の脱離基を使用することもある。アルキル中間体は何らかの便利な酸スカベンジャーの存在下で適切なアミンと反応させられる。アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素塩および水酸化物のような普通の塩基は、トリアルキルアミンおよびトリアルカノールアミンのようないくつかの有機の塩基のように、有用な酸スカベンジャーである。そのような反応のための反応溶液は塩基条件で不活性な何らかの便利な有機溶剤であってもよく、アセトニトリル、酢酸エチルのようなエステルなど、およびハロゲン化したアルケン溶剤が有用である。普通、この反応は常温から反応混合液の還流温度まで、特に50℃から約100℃までのように温度を上げて実施されるであろう。
【0046】
本化合物の合成の別法の便利な方法は式2のアミンでの還元的アミノ化を含み、
【化4】

アルデヒドまたはケトンと共に、シアノ水素化ホウ素ナトリウムやトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下で行なわれるか、または引き続いて還元、例えば触媒による水素化をすることで式1の対応した化合物を生じる。
【0047】
式3の化合物は次のとおりであり、
【化5】

ここでX=Nは式4の化合物
【化6】

を式5の化合物
【化7】

と反応させることによって達成され、ここでZは脱離基状のヨウ化物である。もちろん、アルキル基上でヨウ化物のそばにスルホン酸、特にメタンスルホン酸ないしトルエンスルホン酸、臭素基などのような他の脱離基を使用することもある。アルキル中間体は何らかの便利な酸スカベンジャーの存在下で適切なアミンと反応させられる。アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素塩および水酸化物のような普通の塩基は、トリアルキルアミンおよびトリアルカノールアミンのようないくつかの有機の塩基のように、有用な酸スカベンジャーである。反応はn−ブタノールのような適切な溶剤中で約50−150℃で加熱することによって実施される。
【0048】
式1の化合物においてX=Nはまた、式6の化合物を
【化8】

式7の脱離基
【化9】

で置換されたアリルと反応させることによっても達成され、ここでZは例えば塩素基、臭素基、ヨウ素基といったハロゲン、または例えば−OSOCF、ないし−OSOFといったスルホン酸塩であり、塩基およびPdやNiのような無価の遷移金属触媒の存在下で知られている方法(Tetrahedron Letters,vol.37,1996,4463−4466、J.Org.Chem.,vol.61,1996,1133−1135)に従って行なわれる。
【0049】
Pdであることが好ましい触媒はリガンド複合体を形成して酸化的に付加する能力を有するであろう。代表的なPd触媒はPd(dba)(ここでdbaはジーベンジリデンアセトンと称する)、Pd(PPh、Pd(OAc)、またはPdCl[P(o−tol)であろう、そして代表的なホスフィンリガンドはBINAP、P(o−tol)、dppf、またはそれらの類似物質であろう。アルカリ金属ないしアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素塩およびアルキル酸化物のような普通の塩基は、トリアルキルアミンおよびトリアルカノールアミンのようないくつかの有機の塩基のように、有用な酸スカベンジャーである。そのような反応のための反応溶液は塩基状態で不活性なあらゆる有機溶剤であってもよく、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、DME(ジメトキシエタン)、DMF(N,N−ジメチルフォルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)およびTHF(テトラヒドロフラン)溶剤が有用である。普通、これらの反応は常温から反応混合液の還流温度まで、特に50℃から約120℃までのように温度を上げて実施されるであろう。
【0050】
式1の化合物においてX=Nはまた、上記で述べたような塩基の存在下で式6の化合物を、求核的芳香核置換反応を介して脱離基(例えばFないしCl)で置換したアリルと反応させることによっても達成される。
【0051】
式1の化合物においてX=CHはまた、例えばスズキ及びスチラー反応のように当業者に知られている遷移金属の触媒する架橋結合反応によっても達成される。反応は式8の化合物
【化10】

ここでYは、例えばジアルキルボラン、ジアルケニルボランないしホウ素の酸(ボロン酸)(例えばBEt、B(OH)(点線は二重結合もあり得る))またはトリアルキルスズ(例えばSnMe、SnBu)、それと式7の脱離基
【化11】

(Zの定義については上記参照)で置換されたアリルとの間で、塩およびPdやNiのような無価の遷移金属触媒の存在下で、知られている方法(Chem.Pharm.Bull.,vol.33,1985,4755−4763、J.Am.Chem.Soc.,vol.109,1987,5478−5486、Tetrahedron Lett.,vol.33,1992,2199−2202)に従って反応させることにより実施されてもよい。加えて、Yは知られている方法(Tetrahedron Lett.,vol.33,1992,5373−5374、Tetrahedron Lett.,vol.37,1996,5491−5494)に従って亜鉛またはマグネシウムのハロゲン化物(例えばZnCl、ZnBr、ZnI、MgBr、MgI)であってもよい。
【0052】
Pdであることが好ましいこの触媒はリガンド複合体を形成して酸化的に付加する能力を有するであろう。リガンド、塩基および溶剤の規定は上述されている。
【0053】
場合によっては、遷移金属の触媒する架橋結合反応は反対側の置換パターン
【化12】

でも実施可能であって、塩基およびPdやNiのような無価の遷移金属触媒の存在下で、前の段落で考察した知られている方法に従って、式10の脱離基
【化13】

で置換されたヘテロアルキル/アルケニルで置換される。
【0054】
式11の化合物は、
【化14】

概してカーボンに付けたパラジウム、PtO2、またはラネーニッケルを触媒として当該技術で知られている標準的な方法を使用して、前の段落のテトラヒドロピリジンないしピリジンを触媒で水素化することにより調製することができる。反応はエタノールや酢酸エチルのような不活性な溶剤中で、酢酸や塩酸のようなプロトン性の酸の存在下ないし非存在下で実施される。ピリジン環がアルキル基で第四級化されると、環はNaBHないしNaCNBHで部分的に還元されてテトラヒドロピリジン類似体を生じ、これを触媒による水素化でさらに還元することができる。
【0055】
式1の化合物の合成のまた別の便利な方法においてX=CHはまた、ZをCl、Br、またはIとするときの式7のアリルハライド、
【化15】

を不活性な溶剤中で、アルキルリチウム試薬、例えばブチルリチウム、第二ブチルリチウムないし第三ブチルリチウムで好ましくはブチルリチウムあるいはMg(グリニャール反応)で処理することによっても達成される。適切な溶剤には、例えばエーテルないしテトラヒドロフランが含まれ、テトラヒドロフランが好ましい。反応温度は約−110℃から約60℃までの範囲である。中間体のリチウムアニオンないしマグネシウムアニオンはその後さらに式12の適切な求電子剤
【化16】

と反応し、ここでAはt−Boc(第三ブトキシカルボニル)、Fmoc(フルオレニルメトキシカルボニル)、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)ないしベンジル類似アルキル基のような保護基として規定される。形成される式13の中間体
【化17】

は、式1の化合物(X=CH)に結果としてなるようにヒドロキシ基が除去されることを必要とする。
【0056】
このステップは当該技術で知られているいくつかの標準的な方法のうちの1つによって達成可能である。例えば、チオカルボニル誘導体(例えばキサントゲン酸塩)を調製してフリーラジカル処理で除去してもよく、それは当業者に知られている。場合によっては、ヒドロキシル基は、例えばトリフルオロ酢酸ないし三フッ化ホウ素などを使用して、酸性条件下でトリエチルシランのような水素化物源で還元することによって除去することができる。還元反応はそのままで実施してもよいし、または塩化メチレンのような溶剤中で実施することもできる。さらなる別法は、標準的な方法を使用して最初にヒドロキシル基をトシラートないし塩化物のような適切な脱離基に変換することである。その後、例えば水素化アルミニウムリチウムのような求核性水素化物で脱離基が除去される。この最後の反応は通常はエーテルまたはテトラヒドロフランのような不活性溶剤中で実施される。
【0057】
ヒドロキシル基を除去するためのまた別の方法は、最初にバージェス塩(J.Org.Chem.,vol.38,1973,26)のような試薬でアルコールをオレフィンに脱水し、続いてカーボンに付けたパラジウムのような触媒で標準的な条件下にて二重結合の触媒作用による水素化を行なうことである。アルコールはp−トルエンスルホン酸又はトリフルオロ酢酸のような酸で処理することによってもやはりオレフィンへと脱水することができる。
【0058】
保護基Aは当業者に知られている標準的な条件下で除去される。例えば、t−Boc切断はトリフルオロ酢酸でもって、そのままかまたは塩化メチレンと組み合わせて手軽に実施される。F−mocは、普通はDMFおよびアセトニトリルのような極性溶剤中で、アンモニア、ピペリジン、またはモルホリンのような単純な塩基で手軽に切断される。AがCbzないしベンジルであるとき、これらは触媒による水素化条件下で手軽に切断される。ベンジル基はまた、α−クロロエチルクロロギ酸エステルによる処理(J.Org.Chem.,vol.49,1984,2081−2082)のようなN−脱アルキル条件下でも切断することができる。
【0059】
さらに式1の化合物内の遊離基Rを別の遊離基Rに変換すること、例えば硫化メチルを(例えばm−クロロペロキシ安息香酸によって)酸化することによってメチルスルホンへと変換することが可能であり、トリフラートないしハロゲン化物のシアンによる置換(例えばパラジウム触媒によるシアン化)、トリフラートないしハロゲン化物のケトンによる置換(例えばパラジウム触媒によるブチルビニルエーテルとのHeck反応)、トリフラートないしハロゲン化物のカルボキサミドによる置換(例えばパラジウム触媒によるカルボニル化)、または例えばメトキシ基を対応するヒドロキシル誘導体に変換することによるエーテルの切断が可能であり、これはさらに対応するメシラートないしトリフラートに変換することができる。メシラートおよびトリフラートという用語はそれぞれ、OSOCH、CHSO、またはOSOCF、CFSOを称する。
【0060】
要約すると、本化合物を調製するための一般的な方法は6つの主要な変形を有し、それらは簡単に次のように説明できる、すなわちスキーム1によると、
【化18】

スキーム2によると、
【化19】

スキーム3によると、
【化20】

スキーム4によると、
【化21】

スキーム5によると、
【化22】

スキーム6によると、
【化23】

である。
【0061】
ここで使用する用語C−Cアルキルは1〜4個の炭素原子を何らかの異性体の形で含むアルキルを称する。様々な炭素部分は以下のように規定される。アルキルは脂肪族炭化水素基を称し、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルのような枝分かれのあるものや無いものを含む。シクロアルキルという用語はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルのような飽和の環式炭化水素の基を称する。
【0062】
ここで使用する「患者」という用語は、本発明による治療を必要としている個人を称する。
【0063】
ここで使用する「治療」という用語は、疾病または状態を治癒させるかまたは和らげるために処置すること、および疾病または状態の進行を阻止するために処置することの両方に関する。治療は急性患者用および慢性患者用のいずれかの方式で実施可能である。
【0064】
本発明による化合物の無毒で医薬的に受容可能な酸添加塩を形成するのに、有機と無機の酸の両方が使用可能である。例示される酸は硫酸、硝酸、リン酸、塩酸、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、パルミチン酸、エタンジスルホン酸、スルファミン酸、コハク酸、シクロヘキシルスルファミン酸、フマル酸、マレイン酸、および安息香酸である。これらの塩は当該技術で知られている方法で容易に調製することができる。
【0065】
本発明による化合物を含む医薬組成はまた、医薬製剤の作製または製剤の投与を容易にするために使用される物質をも含むことがある。そのような物質は当業者にはよく知られており、例えば医薬的に受容可能なアジュバント、基剤および保存薬であってもよい。
【0066】
臨床実用では、本発明に従って使用される化合物は、遊離の塩基または医薬的に受容可能な無毒の塩酸塩、乳酸塩、酢酸塩、スルファミン酸塩のような酸付加塩として活性成分を含む医薬製剤の形で、医薬的に受容可能な基剤と組み合わせて、普通は経口投与、直腸投与、または注射により投与されるであろう。基剤は固体、半固体または液体製剤であってもよい。普通はこの活性物質は製剤の0.1から99重量%までの間で構成され、さらに特定すると注射を意図した製剤には0.5から20重量%までの間、経口投与に適した製剤には0.2から50重量%までの間である。
【0067】
経口使用のための投薬ユニットの形で本発明による化合物を含む医薬製剤を作製するために、選択した化合物を賦形剤、例えばラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ポテトスターチやコーンスターチないしアミロペクチンのようなスターチ、セルロース誘導体、ゼラチンやポリビニルピロリドンのようなバインダー、およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ワックス、パラフィンのような潤滑剤などと混合し、それからタブレットに圧縮してもよい。コーティングしたタブレットが必要な場合、上記のようにして調製したコアを、例えばアラビアゴム、ゼラチン、タルカム、二酸化チタンなどを含むこともあり得る濃縮糖液でコーティングしてもよい。場合によっては、タブレットは容易に蒸発する有機溶剤ないし有機溶剤の混合液に溶解した当業者にはよく知られているポリマーでコーティングすることもできる。様々な活性物質または様々な量の活性物質を含むタブレット間で簡単に見分けをつけるためにこれらのコーティングに染料を添加してもよい。
【0068】
軟質のゼラチンカプセルを調製するために活性物質を、例えば植物油あるいはポリエチレングリコールと混合してもよい。硬質のゼラチンカプセルは記載したタブレット用の賦形剤、例えばラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、スターチ(例えばポテトスターチ、コーンスターチないしアミロペクチン)、セルロース誘導体またはゼラチンのいずれかを使用した活性物質の顆粒を含むこともある。液体ないし半固体の薬剤が硬質のゼラチンカプセルに充填されることもやはりあり得る。
【0069】
直腸使用のための投薬ユニットは溶液ないし懸濁液であってもよく、中性の脂肪基剤との混合物で活性物質を含む坐薬、または植物油ないしパラフィン油との混合物で活性物質を含むゼラチンの直腸カプセルの形で調製されることもある。経口使用のための液体製剤はシロップないし懸濁液、例えば平衡剤を糖およびエタノール、水、グリセロールとプロピレングリコールの混合液として、記載した活性物質を重量で約0.2%から約20%まで含む溶液の形であってもよい。場合によってはそのような液体製剤は着色剤、香料、サッカリンおよび粘稠剤としてのカルボキメチルセルロースあるいは当業者に知られている他の賦形剤を含むことがある。
【0070】
注射による非経口使用のための溶液は活性物質の水溶性で医薬的に受容可能な塩の水溶液で、好ましくは重量で0.5%から約10%までの濃度で調製することができる。これらの溶液はまた、安定化剤および/またはバッファ剤を含むこともあり、便宜的に様々な投薬ユニットアンプルで供給されることもある。診療所での治療対象患者への使用法および投薬法は当業者にとって容易に明白となるであろう。
【0071】
治療処置で、本発明による化合物の効果的な量ないし治療的な量は1日当たり約0.01から約500mg/kg体重であり、好ましくは1日当たり0.1から10mg/kg体重である。化合物は経口ないし非経口のようなあらゆる適切な方法で投薬することができる。1日当たりの服用量は、1日に1から4回の個々の投薬で服用することが好ましいであろう。
【0072】
芳香環の非置換位置の水素をフッ素原子で置き換えることで、化合物の経口による生物学的利用能を低下させる酵素によるヒドロキシル化の可能性を阻止し得ることは当業者に知られている。この種の置き換え(HからFへ)が薬理学的なプロフィールを変えることは滅多にない。このようにして、いくつかのケースでは式1の化合物の芳香環のいずれかの非置換位置でフッ素原子を導入することで経口による生物学的利用能を改善することは重要となり得る。
【0073】
本発明をさらに以下の実施例で例証するが、決して本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0074】
実施例1:1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−4−プロピル−ピペラジン
1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペラジン(350mg)とすり潰したKCO(403mg)の懸濁液を室温でCHCN(25mL)中で撹拌した。1−ヨードプロパン(712μL)を加えた。この混合液を一晩還流した。この反応混合液を濾過し、揮発成分を真空で蒸発させた。油性の残渣はMeOH:CHCl(1:30(v/v))を溶離液としてシリカ・カラムでクロマトグラフィーにかけた。純粋な生成物を含む画分の収集および溶剤の蒸発を行なって純粋の1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−4−プロピル−ピペラジン(220mg)を得た。このアミンを塩酸塩に変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化させたものは、m.p.233℃、MS m/z(相対強度、70eV)282(M、30)、254(15)、253(bp)、210(17)、70(21)であった。
【0075】
実施例2から11までによる以下の化合物は実施例1で述べた方式と同様の方式で調製した。
【0076】
実施例2:1−プロピル−4−(3−トリフルオロメタンスルホニル−フェニル)−ピペラジン
MS m/z(相対強度、70eV)336(M+、16)、307(bp)、77(18)、70(38)、56(23)であった。
【0077】
実施例3:1−[3−(4−プロピル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−エタノン
1−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−エタノンとn−Pr−Iを開始材料とし、m.p.119℃(シュウ酸塩)、MS m/z(相対強度、70eV)246(M+、10)、217(33)、132(18)、70(bp)、56(41)、Rf 0.23(EtOAc)であった。
【0078】
実施例4:1−プロピル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン
4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジンとn−Pr−Iを開始材料とし、m.p.195℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)271(M+、4)、243(16)、242(bp)、159(13)、70(49)であった。
【0079】
実施例5:1−ブチル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン
4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジンとn−Bu−Brを開始材料とし、m.p.222℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)285(M+、3)、243(12)、242(bp)、70(51)、56(17)であった。
【0080】
実施例6:4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン
m.p.200℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)281(M+、5)、252(bp)、129(20)、115(20)、70(25)であった。
【0081】
実施例7:4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジンとヨードプロパンを開始材料とし、MS m/z(相対強度、70eV)279(M+、26)、250(bp)、171(6)、128(12)、115(8)であった。
【0082】
実施例8:4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−エチル−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンとヨードエタンを開始材料とし、m.p.158℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)267(M+、20)、252(bp)、130(10)、115(12)、84(20)であった。
【0083】
実施例9:1−イソプロピル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンとi−臭化プロピルを開始材料とし、m.p.220℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)281(M+、4)、266(bp)、187(5)、129(5)、115(5)であった。
【0084】
実施例10:4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−ブチル−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンとn−BuClを開始材料とし、MS m/z(相対強度、70eV)295(M+、3)、252(bp)、130(5)、115(3)、70(8)であった。
【0085】
実施例11:1−イソブチル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンとi−臭化ブチルを開始材料とし、m.p.212℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)295(M+、1)、252(80)、129(40)、115(50)、70(bp)であった。
【0086】
実施例12:3−(1−プロピル−ピペリジン−1−イル)−ベンゾニトリル
3−(1−プロピル−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド(350mg)とDMF無水物(6ml)中のPOCl(326μL)の溶液をアルゴン雰囲気中で80℃で3時間加熱した。溶剤を蒸発させて暗色の油状残渣を生じさせ、これを水に溶解した。この溶液を塩基化し、CHClで抽出した。化合有機相を乾燥(MgSO)させ、濾過および蒸発させた。油性の残渣はMeOH:CHCl(1:19(v/v))を溶離液としてシリカ・カラムでクロマトグラフィーにかけた。純粋な生成物を含む画分の収集および溶剤の蒸発を行なって純粋の3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(127mg)を得た。このアミンをフマル酸塩に変換し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶化させたものは、m.p.122℃、MS m/z(相対強度、70eV)228(M+、2)、199(42)、129(26)、70(bp)、56(53)であった。
【0087】
実施例13:1−sec−ブチル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン塩酸(20mg)、氷酢酸(4.4mg)および2−ブタノン(5.1mg)を1,2−ジクロロエタン(5mL)中で混合した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(23.5mg)をこの溶液に加え、窒素雰囲気中でこの反応混合液を5時間、室温で撹拌した(G.L.C分析で反応の完結が示された)。反応は飽和NaHCO水溶液で急冷し、生成物をCHClで抽出した。化合有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、溶剤を蒸発させて1−sec−ブチル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンを油状の残渣として得た。生成物はCHCl:MeOH(9:1(v/v))を溶離液としてシリカ・カラムでクロマトグラフィーにかけた。純粋な生成物を含む画分の収集および溶剤の蒸発を行なって得られた純粋のアミン(15mg、71%)は、MS m/z(相対強度、70eV)295(M+、1)、280(7)、266(bp)、187(4)、129(4)であった。
【0088】
実施例14:メタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル
20mlのCHClに溶かした3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェノール(340mg)とトリエチルアミン(187mg)を0℃に冷却した。その後、10mlのCHClに溶かしたメタンスルホニルクロリド(194mg)を滴下して加えた。この反応混合液を室温になるまで放置し、その後、25℃で2.5時間撹拌した。最終的に反応を水で急冷した。有機層を分離し、10%のHClおよびその後10%のNaCOで洗浄した。
【0089】
乾燥(MgSO)の後、減圧下で溶剤を除去した。残渣はMeOH:CHCl(1:9(v/v))を溶離液として使用してシリカ・カラムでクロマトグラフィーにかけた。純粋なメタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステルを含む画分を収集し、真空中で溶剤を除去し、得られた206mgの表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)297(M+、3)、268(bp)、189(24)、131(13)、79(16)であった。
【0090】
実施例15から19までの以下の化合物は実施例14で説明した方式と同様の方式で調製した。
【0091】
実施例15:メタンスルホン酸3−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル
3−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−フェノールとメタンスルホニルクロリドを開始材料とし、MS m/z(相対強度、70eV)283(M+、6)、268(bp)、189(54)、131(20)、79(70)であった。
【0092】
実施例16:メタンスルホン酸3−(1−ブチル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル
3−(1−ブチル−ピペリジン−4−イル)−フェノールとメタンスルホニルクロリドを開始材料とし、MS m/z(相対強度、70eV)311(M+、3)、268(bp)、189(20)、131(18)、79(12)であった。
【0093】
実施例17:メタンスルホン酸3−(4−プロピル−ピペリジン−1−イル)−フェニルエステル
3−(4−プロピル−ピペリジン−1−イル)−フェノールとメタンスルホニルクロリドを開始材料とし、m.p.143−144℃(フマル酸塩)MS m/z(相対強度、70eV)298(M+、35)、269(95)、121(25)、84(30)、70(bp)であった。
【0094】
実施例18:トリフルオロ−メタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル
3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェノールとトリフラート無水物を開始材料とし、MS m/z(相対強度、70eV)351(M+、4)、322(65)、189(30)、131(20)、69(bp)であった。
【0095】
実施例19:トリフルオロ−メタンスルホン酸3−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル
3−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−フェノールとトリフラート無水物を開始材料とし、MS m/z(相対強度、70eV)337(M+、4)、322(65)、189(30)、131(20)、69(bp)であった。
【0096】
実施例20:1−[3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−エタノン
DMF(4ml)に溶かしたトリフルオロ−メタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル(300mg)の撹拌溶液にアルゴン常圧下で室温にて続けてNEt(356μL)、ブチルビニルエーテル(823μL)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(50mg)、およびPd(OAc)(19mg)を加えた。それからこの反応混合液を80℃に加熱し、2時間後に反応を停止した。5%塩酸溶液(6ml)を添加し、この化合混合液を45分間撹拌した。その後CHClを加え、相を分離した。その後、CHClで水溶性の層を抽出した。化合有機相を乾燥(MgSO)、濾過、蒸発させて乾燥物にした。粗生成物はフラッシュ・クロマトグラフィー(MeOH:CHCl(1:9(v/v))で精製した。純粋な生成物を含む画分を収集し、溶剤を蒸発させて得られた純粋の1−[3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−エタノン(35mg)は、MS m/z(相対強度、70eV)245(M+、4)、216(bp)、100(19)、70(36)、57(13)であった。
【0097】
実施例21:1−プロピル−4−(3−トリフルオロメチルスルホニルフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン
4−(3−トリフルオロメチルスルホニルフェニル)−ピリジン(0.3g)を1−ヨード−プロパン(2ml)に溶解し、100℃にて2時間加熱した。その後、揮発成分を蒸発させ、残渣を無水EtOH(20ml)に再溶解し、NaBH(340mg)を−20℃で何回かに分けて加えた。その後、この混合液を室温に達するまで放置し、一晩撹拌した。この混合液に10%NaCO溶液(20ml)を加えた。水溶性の層をCHClで抽出し、化合有機相を乾燥(MgSO)、濾過および蒸発させて乾燥物にした。この粗生成物はフラッシュ・クロマトグラフィー(MeOH:CHCl(1:9(v/v))で精製した。純粋な生成物を含む画分を収集し、溶剤を蒸発させて得られた純粋の1−プロピル−4−(3−トリフルオロメチルスルホニルフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(150mg)は、MS m/z(相対強度、70eV)333(M+、21)、305(16)、304(bp)、171(14)、128(14)、Rf 0.55(MeOH)であった。
【0098】
実施例22:1−プロピル−4−(3−トリフルオロメチルスルホニルフェニル)−ピペリジン
1−プロピル−4−(3−トリフルオロメチルスルホニル−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを開始材料とし、調製物9で述べる手法によって回収した1−プロピル−4−(3−トリフルオロ−メチルスルホニルフェニル)−ピペリジンは、MS m/z(相対強度、70eV)335(M+、3)、307(17)、306(bp)、173(26)、70(10)であった。
【0099】
実施例23:1−アリル−4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンと臭化アリルを開始材料とし、実施例1で説明した手法によって回収した表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)279(M+、74)、96(bp)、82(98)、68(74)、55(93)、Rf=0.42(MeOH、0.08(EtOAc)であった。
【0100】
実施例24:4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−ピペリジン
4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジンとテトラヒドロフルフリルクロリドを開始材料とし、実施例1で説明した手法によって回収した表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)323(M+、1)、252(bp)、129(9)、115(6)、70(17)、Rf=0.3(MeOH、0.03(EtOAc)であった。
【0101】
以上の実施例で使用した中間体の合成法を以下の調製物で説明する。
【0102】
調製物1:4−ヒドロキシ−4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル
1−ブロモ−3−メチルスルファニル−ベンゼン(5.0g、24.6mmol)をTHF無水物(40ml)に溶かし、アルゴン(g)流の中で−78℃に冷却した。n−BuLi(12.8ml、ヘキサン中で2.5M、31.9mmol)を注射器で滴下し、この反応混合液を−78℃で30分間追加的に撹拌し、その後、温度を5分間0℃に上昇させ、それから−78℃に低下させた。THF無水物(30ml)に溶かした1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリドン(5.4g、27.06mmol)を注射器で加えた。この反応混合液を室温に達するまで放置し、その後、1時間撹拌し、最後に飽和塩化アンモニウム溶液(30ml)で急冷した。この混合液をEtOAcで数回抽出し、化合有機相を乾燥(MgSO)、濾過および蒸発させて乾燥物にした。油状の残渣はCHCl:MeOH(19:1(v/v))を溶離液としてシリカ・カラムでクロマトグラフィーにかけ、得られた4−ヒドロキシ−4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル(6g、76%)は、MS m/z(相対強度、70eV)323.1(M+、6)、223.0(11)、178.0(7)、152(3)、57(bp)、56(30)であった。
【0103】
調製物2:1−ベンジル−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−4−オール
3−ブロモアニソール(5g)と1−ベンジル−4−ピペリジン(5.5g)を開始材料とし、調製物1で説明した手法によって回収した4.58gの1−ベンジル−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−4−オールは、MS m/z(相対強度、70eV)297(M+、8)、279(13)、206(28)、146(17)、91(bp)であった。
【0104】
調製物3:1−ベンジル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−4−オール
3−トリフルオロメチル−ヨードベンゼン(3g)と1−ベンジル−4−ピペリドン(2.1g)を開始材料とし、調製物1で説明した手法によって回収した1.75gの表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)335(M+、29)、244(22)、146(19)、91(bp)、56(19)であった。
【0105】
調製物4:4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン
4−ヒドロキシ−4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル(3.97g)をCHCl(500ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(80ml)を一度に加えた。この混合液を1時間還流し、その後、10%のNaCOで2回洗浄し、乾燥(MgSO)、濾過および蒸発させて乾燥物にした。得られた2.07gは、MS m/z(相対強度、70eV)205(M+、73)、158(44)、129(95)、128(80)、82(bp)であった。
【0106】
調製物5:1−ベンジル−4−(3−メトキシ−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン
1−ベンジル−4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−4−オール(4.5g)とトリフルオロ酢酸(80ml)を開始材料とし、調製物4で説明した手法によって回収した3.5gの1−ベンジル−4−(3−メトキシ−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジンは、MS m/z(相対強度、70eV)279(M+、35)、145(13)、115(15)、91(bp)、65(22)であった。
【0107】
調製物6:1−ベンジル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン
1−ベンジル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−4−オール(1.74g)を開始材料とし、調製物4で説明した手法(正味CFCOOH)によって回収した1.44gの表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)317(M+、71)、226(13)、172(15)、91(bp)、65(17)であった。
【0108】
調製物7:4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸メチルエステル
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン(2g)とNEt(1g)をCHCl(75ml)に溶解し、0℃に冷却した。CHCl(20ml)に溶解したクロロギ酸メチル(0.96g)を滴下して加え、その後、反応混合液を室温に達するまで放置した。追加的に2時間室温に置いた後、反応混合液を10%のNaCO溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)、濾過および蒸発による濃縮を行なった。油状の残渣はCHCl:MeOH(19:1(v/v))を溶離液として使用してシリカ・カラムでクロマトグラフィーにかけ、得られた4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸メチルエステル(1.4g)は、MS m/z(相対強度、70eV)263(M+、45)、248(89)、129(83)、128(bp)、59(96)であった。
【0109】
調製物8:4−(3−メタンスルフォニル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸メチルエステル
4−(3−メチルスルファニル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸メチルエステル(1.4g)をCHCl(150ml)に溶解し、0℃に冷却した。m−クロロペロキシ安息香酸(2.48g)を何回かに分けて添加し、この混合液を室温で3時間撹拌した。結果として得られた澄んだ溶液を10%のNaCO溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)、濾過および蒸発による濃縮を行ない、得られた油状の残渣(1.3g)は、MS m/z(相対強度、70eV)295(M+、19)、280(56)、129(70)、128(89)、59(bp)であった。
【0110】
調製物9:4−(3−メタンスルフォニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル
4−(3−メタンスルフォニル−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸メチルエステル(2.0g)をメタノール(40ml)に溶解した。濃塩酸(2ml)とPd/C(500mg)を加えた。結果として得られた混合液を水素ガス圧(50psi)の下で8時間水素化させ、その後、セライトのパッドを通して濾過した。溶剤を真空で蒸発させ、残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(CHCl:MeOH、3:1(v/v))によって精製した。得られた0.92gは、MS m/z(相対強度、70eV)297(M+、54)、282(62)、238(bp)、115(92)、56(93)であった。
【0111】
調製物10:4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン
1−ベンジル−4−(3−メトキシ−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン(5.1g)と900mgのPd/Cを開始材料とし、調製物9で説明した手法によって1.7gの4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジンを回収した。油状の残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO、CHCl:MeOH、3:1(v/v)、1%のNEt)によって精製し、得られた純粋な表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)191(M+、75)、160(60)、83(55)、57(80)、56(bp)であった。
【0112】
調製物11:4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン
1−ベンジル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン(1.44g)を開始材料とし、調製物9で説明した方式によって塩酸塩として回収した1gの表題の化合物は、m.p.202℃(HCl)、MS m/z(相対強度、70eV)229(M+、44)、228(33)、83(12)、57(54)、56(bp)であった。
【0113】
調製物12:4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン
エタノール(15ml)に溶かした4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル(0.92g)と8MのHCl(40ml)を12時間還流した。その後、混合液を真空中で蒸発させて乾燥物とし、得られた0.85gは、MS m/z(相対強度、70eV)239(M+、59)、238(50)、69(20)、57(79)、56(bp)であった。
【0114】
調製物13:3−ピペリジン−4−イル−フェノール
4−(3−メトキシ−フェニル)−ピペリジン(1.7g)を48%のHBr(60ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下で120℃にて3時間撹拌した。その後、余剰のHBrを蒸発させ、無水エタノールを加え、蒸発を行なった。この手法を数回繰り返し、得られた乾燥結晶の3−ピペリジン−4−イル−フェノール×HBr(2.3g)は、MS m/z(相対強度、70eV)177(M+、bp)、176(23)、91(14)、57(44)、56(60)であった。
【0115】
調製物14:3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェノール×HBr
3−ピペリジン−4−イル−フェノール×HBr(300mg)とn−ヨウ化プロピル(200mg)を開始材料とし、実施例1で説明した手法によって340mgの3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェノールを回収した。そのHBr塩として調製した表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)219(M+、21)、190(bp)、119(22)、91(30)、70(63)、m.p.181−184℃(HBr)であった。
【0116】
調製物15:3−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−フェノール
3−ピペリジン−4−イル−フェノール×HBr(200mg)とヨウ化エチル(121mg)を開始材料とし、実施例1で説明した手法によって回収した120mgの3−(1−エチル−ピペリジン−4−イル)−フェノールは、MS m/z(相対強度、70eV)205(M+、12)、190(bp)、119(36)、91(22)、70(87)であった。
【0117】
調製物16:3−(1−ブチル−ピペリジン−4−イル)−フェノール
3−ピペリジン−4−イル−フェノール×HBr(200mg)とn−塩化ブチル(73mg)を開始材料とし、実施例1で説明した手法によって回収した118mgの3−(1−ブチル−ピペリジン−4−イル)−フェノールは、MS m/z(相対強度、70eV)233(M+、6)、190(bp)、119(42)、91(26)、70(45)であった。
【0118】
調製物17:1−(3−メタンスルホニル−フェニル)−ピペラジン
1−ブロモ−3−メタンスルホニル−ベンゼン(0.8g)、ピペラジン(1g)、ナトリウム第三ブトキシド(0.5g)、BINAP(42mg)およびトルエン(7ml)に溶かしたPd(dba)(38mg)の混合液をアルゴン雰囲気下で24時間、80℃に加熱した。室温に冷却した後に溶媒の蒸発を行なって乾燥物とした。この粗物質を、EtOAcを使用したシリカゲルによるフラッシュ・クロマトグラフィーで精製して得られた0.48gは、MS m/z(相対強度、70eV)240(M+、17)、199(12)、198(bp)、119(9)、56(7)であった。
【0119】
調製物18:1−(3−トリフルオロメタンスルホニル−フェニル)−ピペラジン
3−ブロモ−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンとピペラジンを開始材料とし、調製物17で説明した手法によって回収した表題のcmpは、MS m/z(相対強度、70eV)294(M+、22)、252(bp)、119(32)、104(10)、56(15).(45)であった。
【0120】
調製物19:1−(3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−エタノン
3−ブロモ−アセトフェノンとピペラジンを開始材料とし、調製物17で説明した手法によって回収した表題のcmpは、MS m/z(相対強度、70eV)204(M+、5)、162(35)、77(30)、57(35)、56(bp)であった。
【0121】
調製物20:3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−安息香酸メチルエステル
トリフルオロ−メタンスルホン酸3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−フェニルエステル(1.2g)、トリエチルアミン(0.9g)、MeOH(5.4ml)、Pd(OAc)(25mg)および15mlのDMSOに溶かした1,3−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)プロパン(45mg)の混合液を室温で15分間撹拌した。この溶液にCO(g)流を4から5分間通気させ、その後、この反応器をわずかに正圧のCO(g)下に置き、温度を70℃に上げた。6時間後に反応物を室温まで放冷した。その後に水を加え、この水溶液を酢酸エチルで5回抽出処理し、化合有機相を乾燥(MgSO)させ、蒸発処理した。MeOH:CHCl(1:9(v/v))を溶離液として使用し、シリカ・カラムで残渣をクロマトグラフィーにかけた。純粋な表題化合物を含む画分を収集し、真空中で溶剤を除去して得た650mgの表題の化合物は、MS m/z(相対強度、70eV)261(M+、5)、233(16)、232(bp)、161(5)、70(20)であった。
【0122】
調製物21:3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−ベンズアミド
3−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−安息香酸メチルエステル(0.6g)とDMF(9ml)に溶かしたホルムアミド(320μL)をアルゴンで覆って100℃に加熱した。メタノールに溶かしたナトリウムメトキシド(30%、770μL)を滴下して加え、1時間後にGC分析したところ開始材料が完全に無くなっていることが判明し、表題の化合物が唯一の生成物となっていることが判った。冷却後にCHClを加え、結果として得られた溶液をセライトのパッドを通して濾過し、蒸発処理して乾燥物にした。MeOH:CHCl(1:3(v/v))を溶離液として使用し、シリカ・カラムで残渣をクロマトグラフィーにかけた。純粋な表題化合物を含む画分を収集し、真空中で溶剤を除去して得た400mgの表題の化合物は、m.p.182℃(シュウ酸塩)MS m/z(相対強度、70eV)246(M+、4)、217(bp)、131(19)、100(22)、70(63)であった。
【0123】
調製物22:4−(3−トリフルオロメチルスルホニル−フェニル)−ピリジン
1−ブロモ−3−トリフルオロメチルスルホニルベンゼン(580mg)と4−ピリジンボロン酸(275mg)をトルエン(5ml)と無水EtOH(5ml)に溶解した。その後、この混合液にアルゴン雰囲気下でNaCO(424mg)とPd(PPh(119mg)を添加した。その結果得られた混合液を18時間、90℃に加熱した。その後、CHClを加え、有機相を水で洗浄し、乾燥(MgSO)、濾過および蒸発処理して乾燥物にした。その後、残渣をそれ以上精製せずに使用して、MS m/z(相対強度、70eV)287(M+、33)、218(22)、154(bp)、127(56)、69(27)の結果を得た。
【0124】
以下の試験は本発明による化合物を評価するために使用した。
【0125】
イン・ヴィーボの試験:行動
行動を試験するために、16×16のフォトセル(デジスキャン
アクティビティ モニター RXYZM(16)TAO,オムニテック エレクトロニックス,USA)のアレーを備えてオムニテック デジスキャン(Omnitech Digiscan)アナライザおよびデジタル・インターフェースボード(NB DIO−24,ナショナル
インスツルメンツ,USA)を装着したアップル マッキントッシュ(Apple Macintosh)のコンピュータに接続された50×50×50cmの運動性測定ボックスに実験動物を別々に入れた。各々の運動性測定ボックスから得られた、各々の時間での動物の位置(重心)を表わす行動データを25Hzのサンプリング頻度で記録し、カスタム仕様で書かれたLABView(商標)アプリケーションを使用して収集した。各々の記録期間のデータは、記録の期間内での行程の距離と小規模の運動、例えば行動記録場所の中央での停止に関して分析した。中央での停止を判定するために、各々の時点での速度を前のサンプル以後の経過時間で除算した前のサンプル以後の行程距離として算出する。その後、速度が非ゼロの値からゼロへと変化する回数として停止回数が算出される。行動記録場所の中央での停止回数は記録場所のエッジから少なくとも10センチメートルの位置で起こる停止回数として算出される。順応した動物の行動を試験するために、試験化合物を投与する30分前に動物達を運動性測定ボックスに入れた。各々の行動記録期間は、試験化合物を投与した直後に開始して60または30分間続けた。同様の行動記録手法を未順応ラット、順応ラットおよび薬剤前処理したラットについて適用した。d−アンフェタミンで前処理したラットは、運動性測定器での行動期間の5分前に皮下注入で1.5mg/kgを投薬される。ディゾルシピン(Mk−801)で前処理されたラットは、運動性測定器での行動期間の90分前に腹膜注射で0.7mg/kgを投薬される。
【0126】
イン・ヴィーボ試験:神経化学
行動活性期間の後にラットを断頭し、それらの脳を手早く取り出して氷冷したペトリ皿に置いた。各々のラットの辺縁系前脳部、線条体、前頭部皮質および残りの大脳半球部分解剖して凍結した。各々の脳部分はその後にモノアミンとその代謝産物の含有量に関して分析にかけられた。分析したモノアミン作動性の指標はドーパミン(DA)、3,4−ジヒドロキシ−フェニル酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、3−メトキシチラミン(3−MT)、セロトニン(5−HT)、5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)、およびノルアドレナリン(NA)であった。解剖した組織中のすべてのモノアミン作動性の指標はSvensson K,et al.,1986,Naunyn−Schmiedeberg’s Arch Pharmacol 334:234−245およびそこで引用された参考文献で述べられているような電気化学的検出を備えたHPLCの手段によって分析した。
【0127】
イン・ヴィーボ試験:ラットでの薬物動力学
本発明による試験化合物の経口による生物学的利用能(F)および血漿半減期(t1/2)を判定するためにラットで実施する実験に着手した。当日、ケタミン麻酔下で1本のカテーテルを頚静脈に埋め込み、1本のカテーテルを頚動脈に埋め込む措置を一群のラットに行なった。3種の試験化合物は当日に経口または頚静脈内のいずれかで投与される。血液サンプルは8時間にわたって動脈カテーテルから収集される。これらの血液サンプルはヘパリン処理して遠心分離した。遠心分離したサンプルから血漿を収集して凍結した。後に、ガスクロマトグラフィー/質量分析の手段(ヒューレット−パッカード 5972MSD)によって各サンプルの試験化合物の程度を判定した。スプレーグ−ドゥリィ(Sprague−Dawley)系統のラットから採取した血漿サンプル(0.5ml)を水(0.5ml)で希釈し、内部標準として30pmol(50μl)の((−)−S−3−(3−エチルスルホニルフェニル)−N−n−プロピル−ピペリジンを加えた。pHは25μlの飽和NaCOを添加することによって11.0に調節した。混合した後、サンプルは4mlのジクロロメタンで、20分間振とうすることによって抽出した。遠心分離した後、有機層をさらに小さな試験管に移し、窒素流の下で蒸発させて乾燥させ、続いてGC−MS分析のために40μlのトルエンに再溶解させた。1〜500pmolの範囲にわたる標準曲線はブランクの血漿サンプルに適切な量の試験化合物を加えることによって準備し、GCはHP−ウルトラ2キャピラリー・カラム(12m×0.2mm ID)で実施し、スプリットレスのモードで2μlを注入した。GCの温度は注入に続いて1分間は90℃に保ち、その後、30℃/分で290℃の最終温度まで上昇させた。各々のサンプルは二重で実施した。試験化合物の最低検出濃度は概して1pmol/mlであることが判った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の3−置換4−(フェニル−N−アルキル)−ピペラジンまたは4−(フェニル−N−アルキル)−ピペリジン化合物であって、
【化1】

ここで、XはN、CH、およびCで構成されるグループから選択されるが、しかしながら化合物が点線に二重結合を含むときはXはCだけが可能であり、
がOSOCF、OSOCH、SOR、SO、COR、NO、およびCONHRで構成されるグループから選択されるもので、そこではRは下記のように定義され、XがCH又はCであるときにRはやはりCF、CN、F、Cl、Br、およびIで構成されるグループから選択され、
がC−Cアルキル、アリル、CHSCH、CHCHOCH、CHCHCHF、CHCF、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、および−(CH)−Rで構成されるグループから選択されるもので、そこではRは下記のように定義され、
がC−Cアルキル、CF、およびN(Rで構成されるグループから選択されるものでRは上記で定義した通りであり、
がC−Cシクロアルキル、2−テトラヒドロフラン、および3−テトラヒドロフラン、で構成されるグループから選択される、化合物、または医薬的に許容し得るその塩。
【請求項2】
XがCHまたはCである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がOSOCF、OSOCH、SOCH、SOCF、COCH、CF、CN、CON(CH、およびSON(CHで構成されるグループから選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
XがCHである、請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がSOCF、SOCH、COCH、CF、およびCNで構成されるグループから選択され、XがCHである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がn−プロピルおよびエチルで構成されるグループから選択される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
XがCHであり、RがSOCHであり、Rがn−プロピルである、請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成。
【請求項10】
中枢神経系の障害を治療するための、請求項9に記載の医薬組成。
【請求項11】
ドーパミンの介在する障害を治療するための、請求項10に記載の医薬組成。
【請求項12】
医原性および非医原性のパーキンソン症候群、ジスキネジーおよびジストニーのような運動障害、チック、震顫、トゥレット病、連発性吃音およびその他の言語障害で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項13】
精神分裂病および分裂病様障害を含む医原性および非医原性の精神病および幻覚症で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項14】
抑鬱症、鬱病および強迫性疾病を含む気分障害および不安性障害で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項15】
注意欠陥障害、自閉障害、運動緩慢と精神過程緩慢および認識機能不全を含む神経発達障害および老人性障害で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項16】
睡眠障害、性的障害、摂食障害、肥満症、および頭痛その他の痛みで構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項17】
運動機能の改善、認識機能および関連する神経組織変性での情緒障害および発達障害の改善、および精神分裂病と分裂病様障害とで構成されるグループから選択される状態の外傷性、毒性、炎症性、感染性、腫瘍性、血管性、低酸素性ないし代謝性の原因療法によって誘発される脳傷害の後の改善のための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項18】
薬物性の傷害を治療するための、請求項9から11までのいずれか一項に記載の医薬組成。
【請求項19】
中枢神経系の傷害を治療する医薬組成を製造するための、請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物の用途。
【請求項20】
前記医薬組成がドーパミン介在性の障害の治療のためのものである、請求項19に記載の用途。
【請求項21】
前記医薬組成が、医原性および非医原性のパーキンソン症候群、ジスキネジーおよびジストニーのような運動障害、チック、震顫、トゥレット病、連発性吃音およびその他の言語障害で構成されるグループから選択される状態を治療するためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項22】
前記医薬組成が、精神分裂病および分裂病様障害を含む医原性および非医原性の精神病および幻覚症で構成されるグループから選択される状態を治療するためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項23】
前記医薬組成が、抑鬱症、鬱病および強迫性疾病を含む気分障害および不安性障害で構成されるグループから選択される状態を治療するためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項24】
前記医薬組成が、注意欠陥障害、自閉障害、運動緩慢と精神過程緩慢および認識機能不全を含む神経発達障害および老人性障害で構成されるグループから選択される状態を治療するためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項25】
前記医薬組成が、睡眠障害、性的障害、摂食障害、肥満症、および頭痛その他の痛みで構成されるグループから選択される状態を治療するためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項26】
前記医薬組成が、運動機能の改善、認識機能および関連する神経組織変性での情緒障害および発達障害の改善、および精神分裂病と分裂病様障害とで構成されるグループから選択される状態の外傷性、毒性、炎症性、感染性、腫瘍性、血管性、低酸素性ないし代謝性の原因療法によって誘発される脳傷害の後の改善のためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項27】
前記医薬組成が薬物性の障害を治療するためのものである、請求項19または請求項20に記載の用途。
【請求項28】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の化合物の医薬的に活性な量が前記患者に投薬される、障害治療の方法。
【請求項29】
ドーパミン介在性の障害を治療するための、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
医原性および非医原性のパーキンソン症候群、ジスキネジーおよびジストニーのような運動障害、チック、震顫、トゥレット病、連発性吃音およびその他の言語障害で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項31】
精神分裂病および分裂病様障害を含む医原性および非医原性の精神病および幻覚症で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項32】
抑鬱症、鬱病および強迫性疾病を含む気分障害および不安性障害で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項33】
注意欠陥障害、自閉障害、運動緩慢と精神過程緩慢および認識機能不全を含む神経発達障害および老人性障害で構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項34】
睡眠障害、性的障害、摂食障害、肥満症、および頭痛その他の痛みで構成されるグループから選択される状態を治療するための、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項35】
運動機能の改善、認識機能および関連する神経組織変性での情緒障害および発達障害の改善、および精神分裂病と分裂病様障害とで構成されるグループから選択される状態の外傷性、毒性、炎症性、感染性、腫瘍性、血管性、低酸素性ないし代謝性の原因療法によって誘発される脳傷害の後の改善のための、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項36】
薬物性障害を治療するための、請求項28または請求項29に記載の方法。

【公開番号】特開2009−7358(P2009−7358A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158572(P2008−158572)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【分割の表示】特願2001−547056(P2001−547056)の分割
【原出願日】平成12年12月22日(2000.12.22)
【出願人】(500503171)ニューロサーチ スウェーデン アーベー (1)
【Fターム(参考)】