説明

ドーム状建物の開口部構造

【課題】 ドーム状建物の開口部構造を、建物全体に調和した簡素な構成で、組立や撤去も容易に行えるように構成する。
【解決手段】 空気封入される三角形状の外殻パネルを面ファスナで接合した殻構造のドーム状建物において、次の構成とする。外殻パネルの一部を開口部外殻パネル2Aとし、この開口部外殻パネル2Aに回転窓15を設ける。この回転窓15の窓枠17と戸19とに、互いに接合されて戸19の閉じ状態を保つ面ファスナ9を設ける。回転窓15の代わりに、出入り口となる開き戸を設けても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バンガロー,コテージ等のレジャー用建物や、店舗、イベント会場用建物、あるいはフラワードーム等に応用されるドーム状建物の開口部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コテージ、店舗、イベント会場、フラワードーム等の建物として、三角形状の面材部材を半球状に組み立てた殻構造のドーム状建物が提案されている。この種のドーム状建物は、構成が簡素で、その幾何学的外観が美麗なことから、近年構築が増えつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この殻構造のドーム状建物においても、窓や出入り口等の開口は、一般的な建物と同様な構造であり、建物全体の簡素化に応じた簡素な構造のものとはなっていない。そのため、開口周辺の構築や撤去に手間がかかっている。
また、従来のこの種のドーム状建物は、いずれも一般には固定的に設置されるものであり、組立性や撤去性、運搬性についてはあまり考慮されていない。そのため、短期使用を目的とした仮設用建物等については、応用が難しい。
【0004】
設増性や撤収性を高めた仮設用建物としては、大型テントや、室内の空気圧で膨らみ状態に保つ一重膜構造のドーム状建物があるが、前記テントでは居住性が悪く、また一重膜構造のドーム状建物は、その内圧を保つために、開閉可能な窓を設けることができず、出入り口にも特殊な構成が必要となる。
これらの課題を解消するものとして、本出願人は、前記三角形状の面材部材を、空気の封入で所定厚さに膨らむ袋体とし、これら面材部材を面ファスナで接合するものを試みた。しかし、その開口部構造について、構造の簡素化や、組立性、撤去性等につき、十分でなかった。
【0005】
この発明は、このような課題を解消するものであり、容易に組立や撤去ができる簡素な構成のドーム状建物の開口部構造を提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、袋体からなる外殻パネルを用いたドーム状建物との調和が図れる簡素な構成の開口部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1記載のドーム状建物の開口部構造は、三角形状に多数の外殻パネルを並べてこれら外殻パネルの隣合う各辺を相互に接合し、この接合を面ファスナで行う殻構造のドーム状建物において、以下の構成としたものである。すなわち、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルに回転窓を設け、この回転窓の窓枠と戸とに、互いに接合されて戸の閉じ状態を保つ面ファスナを設ける。
この構成によると、開口部外殻パネルを設け、隣の外殻パネルと面ファスナで接合するようにしたため、ドーム状建物の任意の箇所に回転窓を容易に設けることができ、撤去も容易に行うことができる。また、回転窓の窓枠に対する戸の閉じ状態を、面ファスナの接合によって保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。
【0007】
前記構成において、前記ドーム状建物の各外殻パネルを、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体とし、前記開口部外殻パネルの窓開口を除く部分を、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてもよい。
このように袋体の外殻パネルを接合してドーム状建物とすると、二重膜構造の外殻となるため、一重膜構造のドーム状建物と異なり、室内の空気圧の問題がなく、窓開口を自由に設けることができる。この場合に、開口部外殻パネルの窓開口を除く部分を、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体とすると、開口部外殻パネルと周囲の無開口の外殻パネルとで、パネル間の接合部の構成を共通な構成とでき、無開口の外殻パネルとの互換性が得られ、一層簡単にドーム状建物の任意箇所に窓開口を設けることができる。
これらの構成の外殻パネルにおいて、前記窓開口に、窓の戸が内部で回転可能な半球状の網戸を設けてもよい。この構成によると、網戸を開閉することなく、回転窓を全開状態に開くことができる。
【0008】
また、請求項4の発明のドーム状建物の開口部構造は、三角形状の多数の外殻パネルを並べてこれら外殻パネルの隣合う各辺を相互に接合し、この接合を面ファスナで行う殻構造のドーム状建物において、以下の構造としたものである。すなわち、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルは、上向き三角形の両側辺となる逆V字状の開口枠と、この開口枠に開閉回動自在に取付けられた両開き戸とを有するものとする。その両側の戸は断熱性のある材質のものとし、両側の戸の合わさり部で、一方の戸に把手を設ける。この把手と他方の戸とには、互いに接合される面ファスナを設ける。
この構成によると、ドーム状建物の一部の外殻パネルに代えて、前記開口部外殻パネルを用いることにより、簡単に出入り口となる開口を設けることができる。開口部外殻パネルは、逆V字状の開口枠と両開き戸とで構成されるため、構成が簡素であり、また両側の外殻パネルに接合されることで開口枠が補強されるため、開口枠にあまり強度が要求されず、これによっても簡素な構成となる。さらに、両開き戸の閉じ状態を、把手に設けられた面ファスナの接合により保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。このため、袋体の外殻パネルを用いるドーム状建物に対して、全体に調和のとれた簡素な構成の開口構造となる。
【0009】
前記構成において、前記把手の面ファスナの形成面を、把手の先端側が次第に他方の戸から離れる曲面としてもよい。この構成の場合、前記曲面のため、把手を引くことで、面ファスナが一側から次第に外れて行き、そのため軽い力で両開き戸を開くことができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明の請求項1記載の開口部構造は、三角形状の外殻パネルを面ファスナで接合する殻構造のドーム状建物において、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルに回転窓を設け、この回転窓の窓枠と戸とに、互いに接合されて戸の閉じ状態を保つ面ファスナを設けたため、簡素な構成のドーム状建物に対して調和のとれた簡単な構成の開口部を容易に形成でき、また撤去も容易に行える。しかも、回転窓の窓枠に対する戸の閉じ状態を、面ファスナの接合によって保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。
特に、各外殻パネルを、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体とし、前記開口部外殻パネルの窓開口を除く部分を空気封入で所定厚さに膨らむ袋体とした場合は、開口部を含むドーム状建物の全体を一層簡単な構成で、運搬や、組立、撤去性に優れたものとできる。また、空気封入を行う簡素な構成のドーム状建物でありながら、二重膜構造とするため、建物の任意箇所に開口を設けることができる。
請求項4の発明のドーム状建物の開口部構造は、逆V字形状の開口枠および両開き戸を有する開口部外殻パネルを設け、両側の戸を互いに閉じ状態に接合する面ファスナを把手に設けたたため、三角形状の外殻パネルを接合するドーム状建物において、簡素な構成の大きな出入り口を設けることができ、かつ閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。
前記把手の面ファスナの形成面を、把手の先端側が次第に他方の戸から離れる曲面とした場合は、面ファスナによる両開き戸の接合および接合解除を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施形態を図1ないし図12と共に説明する。
図1(A)〜(C)はこの実施形態に係る開口部構造を有するドーム状建物の水平断面図、縦断面図および上半部外観図である。このドーム状建物1は、三角形状の多数の外殻パネル2を半球状に並べて隣合う各辺を外殻パネル間継手3で相互に接合した殻構造のものである。各外殻パネル2は、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてある。また、隣合う外殻パネル2,2間は、図2(B)に示すように連通チューブ4で相互に連通させてある。連通チューブ4は外殻パネル2に着脱自在としてもよい。地面に近く配置される一つまたは複数の外殻パネル2には、給気チューブ5を介して給気ポンプ6を接続する。給気チューブ5も外殻パネル2に着脱可能とする。
【0012】
前記外殻パネル2は、図2(B)のように袋体を構成する二重の膜部2a,2aの間に、これら膜部2a,2aの最大間隔を規制する引張糸7を密生状態に設けたものとする。また、袋体の片面または両面には、断熱材8を重ねて設ける。断熱材8としては、グラスウール,ポリエチレン樹脂,または発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂を使用する。外殻パネル間継手4は、外殻パネル2の外周の端面に一部が外殻パネル2の表面から突出するように設けられた面ファスナ9で、隣合う外殻パネル2,2の相互を接合するようにしたものであり、その継手構成材として、面ファスナ9のほかに、互いに接合された対面する両側の面ファスナ9,9の外殻パネル表面から突出する部分を挟み込む状態で覆う継手部キャップ10とを有する。
【0013】
図1(C)におけるS部を図2(A)に拡大して示すように、5枚の外殻パネル2の隣合う各辺の接合は、これらの辺に設けた外殻パネル間継手3で行う。各外殻パネル2の角部が集まる箇所は、図2および図3に示すように外殻パネル角部間継手11で相互に接合する。この外殻パネル角部間継手11は、外殻パネル2の角部先端付近に重なる円柱状のキャップ本体12と、このキャップ本体12の中心に突設されて各外殻パネル2の角部先端間に嵌まり込む先端密封用ピン13とからなる。キャップ本体12の外殻パネル2が重なる面には、外殻パネル2を接合する面ファスナ9を設ける。また、この外殻パネル重なり面には、外殻パネル間継手3の面ファスナ突出部分を逃がす逃がし溝14が放射状に形成してある。図1(C)におけるS1部のように6枚の外殻パネル1の角部が集まる箇所では、図4に示すように、キャップ本体12の外殻パネル重なり面に6本の逃がし溝14を放射状に形成したものを使用する。
【0014】
また、連通チューブ4は、図5に示すように外径面の両端の先細りのテーパ部4aと、両端のテーパ部4a,4a間に形成した嵌合用円周溝4bとを有する。この連通チューブ4の取付けは、図5(A),(B)に示すように、互いに接する両外殻パネル2,2の端面に弾性材料からなる接続口部材41を設け、連通チューブ4の両端のテーパ部4aを接続口部材41の接続口41aから外殻パネル2内部に挿入し、連通チューブ4の嵌合用円周溝4b内に両接続口部材41,41を重なり状態でかつ圧縮状態に挟み込むことにより行う。
【0015】
前記外殻パネル2のうち、一部の外殻パネルは開口部外殻パネル2A,2Bとする。開口部外殻パネル2Aは、図6に示すように回転窓15を設けた三角形状のものであり、窓開口16を除く部分を上述した外殻パネル2と同様に内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてある。袋体を構成する二重の膜部2a,2aの間に引張糸7を密生状態に設けること、袋体の片面または両面に断熱材8を重ねて設けること、外周の端面に一部が開口部外殻パネル2Aの表面から突出するように、外殻パネル間継手3の継手構成材となる面ファスナ9を設けることは一般の外殻パネル2と同様である。
【0016】
回転窓15は、窓開口16に設けた円形の窓枠17と、両側部に突設した支軸18の回りに回転自在に支持した円形の透明戸19とからなる。透明戸19は、ガラス板または樹脂板等の透明板19aの周縁に樹脂製枠材19bを装着したものである。透明戸19の周縁部と、透明戸19の閉じ状態で透明戸周縁部が当接する窓枠17の表面や裏面には、互いに接合されて透明戸19の閉じ状態を保つ面ファスナ9,9が設けてある。また、窓開口16には、透明戸19が内部で回転可能な半球状の網戸20を設けている。これにより、透明戸19を開いて換気可能な状態としても、屋外から蚊等の虫がドーム内に侵入するのを防止できる。また、網戸20を開くことなく、透明戸19を全開することができる。
【0017】
別の開口部外殻パネル2Bは、図7に示すように一般の外殻パネル2と同様の三角形状のものであり、上向き三角形の両側辺となる逆V字状の開口枠21と、この開口枠21にヒンジ22を介して開閉回動自在に取付けた両開き戸23とを有する。開口枠21の外周側の側面には外殻パネル間継手3の継手構成材となる面ファスナ9を外殻パネル2と同様に設ける。
【0018】
両開き戸23を構成する両側の戸24,24は、発泡ウレタン樹脂等の板状の断熱材をシート状の表面材で覆ったものからなる。これら各戸24の合い欠き状に互いに合わさる部分24a,24aのうち、一方の戸24の合わさり部分24aには把手25を設けている。この把手25と、この把手25に対向する他方の戸24の合わさり部分24aとに、互いに接合される面ファスナ9,9を設けている。これにより、両開き戸23を閉じ状態に保つことができる。把手25の面ファスナ9の形成面は、図7(C)に示すように、把手25の先端側が次第に他方の戸24から離れる曲面としてある。これにより、両開き戸23を開くときに面ファスナ9が一側部から次第に外れ、軽い操作で容易に開くことができる。各戸24の合わさり部分24aの相互に接合する箇所には、気密性を保つためのパッキング26が設けてある。
【0019】
図8は、開口部外殻パネル2Bの他の例を示す。この開口部外殻パネル2Bは、片開き戸27を設けた三角形状のものであり、開き戸開口28を除く部分を上述した外殻パネル2と同様に内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてある。袋体を構成する二重の膜部2a,2aの間に引張糸7を密生状態に設けること、袋体の片面または両面に断熱材8を重ねて設けること、外周の端面に一部が開口部外殻パネル2Bの表面から突出するように、外殻パネル間継手3の継手構成材となる面ファスナ9を設けることは一般の外殻パネル2と同様である。片開き戸27の一側縁は、ヒンジ29等の回動支持部材を介して開き戸開口28の一側縁に回動自在に設ける。
【0020】
図12は上述した外殻パネル間継手2等に使用する面ファスナ9の各例を示したものである。図12(A)の面ファスナ9は、ファスナ基材9cに半球形の頭部を有する無数の係合体9aを設けたファスナ9Aと、ファスナ基材9cにループ状の無数の係合体9bを植毛したファスナ9Bとの組み合わせからなる。図12(B)の面ファスナ9は、ファスナ基材9cにフック状の無数の係合体9aを設けたファスナ9Aと、ファスナ基材9cにループ状の無数の係合体9bを設けたファスナ9Bとの組み合わせからなる。図12(C)の面ファスナ9は、球形の頭部を有する無数の係合体9aをファスナ基材9cに植毛した一組みのファスナ9A,9Bからなる。面ファスナ9は、このように互いに係合する無数の係合体を有するものであれば良く、図12(A),(B)の例のように2種類のものを組み合わせるものであっても、また図12(C)の例のように同じ種類のものを相互に接合するものであっても良い。
【0021】
図1のように、このドーム状建物の床面には、内部に空気を封入することで膨らむ三角形状の多数のエアマット状床パネル30を並設した床31を設ける。これら各床パネル30は、内部を空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてあり、外殻パネル2と同様に引張糸7が設けてある。各床パネル30の各辺にも、図11に示すように床パネル30を相互に接合する床パネル間継手3Aの面ファスナ9が設けてある。各床パネル30は、図11に示すように連通チューブ4で相互に連通させてあり、また、外殻パネル2と床パネル30との間も連通チューブ4Aで相互に連通させてある。これにより、図1のように給気ポンプ6から外殻パネル2,開口部外殻パネル2Aに給気を行うときに、各床パネル30への給気も同時に行える。
【0022】
また、床パネル30の上面には、面ファスナ9によって床仕上げ面材32を接合する。この仕上げ面材32は、例えば図9のように正六角形または正六角形を二分割した台形のタイルからなり、これらの組み合わせによって、モザイク状の模様を有する床仕上げ面を構成する。さらに、床パネル30の一箇所または複数箇所、例えば図9のように複数の床パネル30の角部が集中して接合される箇所や、床パネル30が隣接する箇所には、ポール挿通穴33を設ける。このポール挿通穴33は、図10に示すように支持円板34の中央に突設した円形パイプ35からなり、その円形パイプ35の外周面には面ファスナ9が設けてある。この円形パイプ35を、床31の設置に先立ち、床パネル30の角部が集中する箇所等に設置し、地面に敷設する床パネル30の角部先端を円形パイプ35の周面に接合させることにより、前記ポール挿通穴33を床パネル30の集中する箇所等に形成することができる。床パネル30は、地面に差し込んだアンカーボルト36に接続することにより、地面に固定する。この実施形態では、図10のように支柱37を前記ポール挿通穴33に差し込んで立設することにより、ドーム状建物内の一部の領域に2階部分38の床を設ける。また、螺旋階段39の支柱39aを前記ポール挿通穴33に差し込んで立設することにより、2階部分38へ昇降する螺旋階段39を設置する。
【0023】
上記構成のドーム状建物の開口部構造によると、回転窓15を有する開口部外殻パネル2Aを隣の外殻パネル2に面ファスナ9で接合することにより、回転窓15を有するドーム状建物1を容易に組立られ、撤去も容易に行うことができる。また、回転窓15の窓枠17に対する透明戸19の閉じ状態を、面ファスナ9の接合によって保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。また、相互に接合した各外殻パネル2も、空気を封入することにより簡単にドーム状に組み立てることができ、また各外殻パネル2の空気を抜くことにより簡単に解体できる。このため、短期間の使用を行って何度も再利用する仮設用建物として好適に使用でき、また折り畳み状態や各外殻パネルを分離した状態で保管や運搬することもでき、しかも軽量であって、運搬性や保管性にも優れる。さらに三角形状の外殻パネル2、開口部外殻パネル2A,2Bがドーム状に並ぶ形状から、幾何学的な美麗な外観が得られる。
【0024】
また、隣合う外殻パネル2の各辺に、両開き戸23を有する開口部外殻パネル2Bを面ファスナ9で接合することにより、出入り用の両開き戸23を有するドーム状建物1を容易に組立でき、撤去も容易に行うことができる。また、両開き戸23の閉じ状態を、一方の戸24の把手25と、他方の戸24とを面ファスナ9の接合により保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態に係る開口部構造を有するドーム状建物の水平断面図、(B)は同建物の縦断面図、(C)は同建物の外観斜視図である。
【図2】(A)は図1(C)のS部の拡大図、(B)は図2(A)のII−II矢視断面図である。
【図3】(A)は同S部における外殻パネル角部間継手の分解斜視図、(B)は同継手を構成する角部キャップの裏面図、(C)は同角部キャップの斜視図である。
【図4】図1(C)のS1部に使用する同外殻パネル角部間継手の裏面図である。
【図5】(A)は挿通チューブの取付け前の状態を示す分解断面図、(B)は同挿通チューブの取付け状態を示す断面図、(C)は同挿通チューブの斜視図である。
【図6】(A)は回転窓付き開口部外殻パネルの正面図、(B)は図6(A)のVI−VI矢視断面図、(C)は同開口部外殻パネルの要部拡大縦断面図である。
【図7】(A)は両開き戸付き開口部外殻パネルの正面図、(B)は図7(A)のVII −VII 矢視断面図、(C)は同開口部外殻パネルの要部拡大水平断面図、(D)はドーム状建物の開口部付近を示す開き状態の斜視図である。
【図8】(A)は片開き戸付き開口部外殻パネルの正面図、(B)は図8(A)のVIIIa−VIIIa矢視断面図、(C)は(A)のVIIIb−VIIIb矢視断面図である。
【図9】前記ドーム状建物における床の部分拡大図である。
【図10】同床におけるポール挿通穴構造を示す斜視図である。
【図11】同床構造を示す縦断面図である。
【図12】前記ドーム状建物に使用する面ファスナの各例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
1…ドーム状建物、2…外殻パネル、9…面ファスナ、15…回転窓、16…窓開口、17…窓枠、19…透明戸、20…網戸、21…開口枠、23…両開き戸、24…戸、24a…合わさり部分、25…把手
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バンガロー,コテージ等のレジャー用建物や、店舗、イベント会場用建物、あるいはフラワードーム等に応用されるドーム状建物の開口部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コテージ、店舗、イベント会場、フラワードーム等の建物として、三角形状の面材部材を半球状に組み立てた殻構造のドーム状建物が提案されている。この種のドーム状建物は、構成が簡素で、その幾何学的外観が美麗なことから、近年構築が増えつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この殻構造のドーム状建物においても、窓や出入り口等の開口は、一般的な建物と同様な構造であり、建物全体の簡素化に応じた簡素な構造のものとはなっていない。そのため、開口周辺の構築や撤去に手間がかかっている。
また、従来のこの種のドーム状建物は、いずれも一般には固定的に設置されるものであり、組立性や撤去性、運搬性についてはあまり考慮されていない。そのため、短期使用を目的とした仮設用建物等については、応用が難しい。
【0004】
設増性や撤収性を高めた仮設用建物としては、大型テントや、室内の空気圧で膨らみ状態に保つ一重膜構造のドーム状建物があるが、前記テントでは居住性が悪く、また一重膜構造のドーム状建物は、その内圧を保つために、開閉可能な窓を設けることができず、出入り口にも特殊な構成が必要となる。
これらの課題を解消するものとして、本出願人は、前記三角形状の面材部材を、空気の封入で所定厚さに膨らむ袋体とし、これら面材部材を面ファスナで接合するものを試みた。しかし、その開口部構造について、構造の簡素化や、組立性、撤去性等につき、十分でなかった。
【0005】
の発明の目的は、袋体からなる外殻パネルを用いたドーム状建物との調和が図れる簡素な構成の開口部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のドーム状建物の開口部構造は、三角形状の多数の外殻パネルを並べてこれら外殻パネルの隣合う各辺を相互に接合し、この接合を面ファスナで行う殻構造のドーム状建物において、以下の構造としたものである。すなわち、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルは、上向き三角形の両側辺となる逆V字状の開口枠と、この開口枠に開閉回動自在に取付けられた両開き戸とを有するものとする。その両側の戸は断熱性のある材質のものとし、両側の戸の合わさり部で、一方の戸に把手を設ける。この把手と他方の戸とには、互いに接合される面ファスナを設ける。
この構成によると、ドーム状建物の一部の外殻パネルに代えて、前記開口部外殻パネルを用いることにより、簡単に出入り口となる開口を設けることができる。開口部外殻パネルは、逆V字状の開口枠と両開き戸とで構成されるため、構成が簡素であり、また両側の外殻パネルに接合されることで開口枠が補強されるため、開口枠にあまり強度が要求されず、これによっても簡素な構成となる。さらに、両開き戸の閉じ状態を、把手に設けられた面ファスナの接合により保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。このため、袋体の外殻パネルを用いるドーム状建物に対して、全体に調和のとれた簡素な構成の開口構造となる。
【0007】
前記構成において、前記把手の面ファスナの形成面を、把手の先端側が次第に他方の戸から離れる曲面としてもよい。この構成の場合、前記曲面のため、把手を引くことで、面ファスナが一側から次第に外れて行き、そのため軽い力で両開き戸を開くことができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明のドーム状建物の開口部構造は、逆V字形状の開口枠および両開き戸を有する開口部外殻パネルを設け、両側の戸を互いに閉じ状態に接合する面ファスナを把手に設けたたため、三角形状の外殻パネルを接合するドーム状建物において、簡素な構成の大きな出入り口を設けることができ、かつ閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。
前記把手の面ファスナの形成面を、把手の先端側が次第に他方の戸から離れる曲面とした場合は、面ファスナによる両開き戸の接合および接合解除を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の一実施形態を図1ないし図12と共に説明する。
図1(A)〜(C)はこの実施形態に係る開口部構造を有するドーム状建物の水平断面図、縦断面図および上半部外観図である。このドーム状建物1は、三角形状の多数の外殻パネル2を半球状に並べて隣合う各辺を外殻パネル間継手3で相互に接合した殻構造のものである。各外殻パネル2は、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてある。また、隣合う外殻パネル2,2間は、図2(B)に示すように連通チューブ4で相互に連通させてある。連通チューブ4は外殻パネル2に着脱自在としてもよい。地面に近く配置される一つまたは複数の外殻パネル2には、給気チューブ5を介して給気ポンプ6を接続する。給気チューブ5も外殻パネル2に着脱可能とする。
【0010】
前記外殻パネル2は、図2(B)のように袋体を構成する二重の膜部2a,2aの間に、これら膜部2a,2aの最大間隔を規制する引張糸7を密生状態に設けたものとする。また、袋体の片面または両面には、断熱材8を重ねて設ける。断熱材8としては、グラスウール,ポリエチレン樹脂,または発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂を使用する。外殻パネル間継手4は、外殻パネル2の外周の端面に一部が外殻パネル2の表面から突出するように設けられた面ファスナ9で、隣合う外殻パネル2,2の相互を接合するようにしたものであり、その継手構成材として、面ファスナ9のほかに、互いに接合された対面する両側の面ファスナ9,9の外殻パネル表面から突出する部分を挟み込む状態で覆う継手部キャップ10とを有する。
【0011】
図1(C)におけるS部を図2(A)に拡大して示すように、5枚の外殻パネル2の隣合う各辺の接合は、これらの辺に設けた外殻パネル間継手3で行う。各外殻パネル2の角部が集まる箇所は、図2および図3に示すように外殻パネル角部間継手11で相互に接合する。この外殻パネル角部間継手11は、外殻パネル2の角部先端付近に重なる円柱状のキャップ本体12と、このキャップ本体12の中心に突設されて各外殻パネル2の角部先端間に嵌まり込む先端密封用ピン13とからなる。キャップ本体12の外殻パネル2が重なる面には、外殻パネル2を接合する面ファスナ9を設ける。また、この外殻パネル重なり面には、外殻パネル間継手3の面ファスナ突出部分を逃がす逃がし溝14が放射状に形成してある。図1(C)におけるS1部のように6枚の外殻パネル1の角部が集まる箇所では、図4に示すように、キャップ本体12の外殻パネル重なり面に6本の逃がし溝14を放射状に形成したものを使用する。
【0012】
また、連通チューブ4は、図5に示すように外径面の両端の先細りのテーパ部4aと、両端のテーパ部4a,4a間に形成した嵌合用円周溝4bとを有する。この連通チューブ4の取付けは、図5(A),(B)に示すように、互いに接する両外殻パネル2,2の端面に弾性材料からなる接続口部材41を設け、連通チューブ4の両端のテーパ部4aを接続口部材41の接続口41aから外殻パネル2内部に挿入し、連通チューブ4の嵌合用円周溝4b内に両接続口部材41,41を重なり状態でかつ圧縮状態に挟み込むことにより行う。
【0013】
前記外殻パネル2のうち、一部の外殻パネルは開口部外殻パネル2A,2Bとする。開口部外殻パネル2Aは、図6に示すように回転窓15を設けた三角形状のものであり、窓開口16を除く部分を上述した外殻パネル2と同様に内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてある。袋体を構成する二重の膜部2a,2aの間に引張糸7を密生状態に設けること、袋体の片面または両面に断熱材8を重ねて設けること、外周の端面に一部が開口部外殻パネル2Aの表面から突出するように、外殻パネル間継手3の継手構成材となる面ファスナ9を設けることは一般の外殻パネル2と同様である。
【0014】
回転窓15は、窓開口16に設けた円形の窓枠17と、両側部に突設した支軸18の回りに回転自在に支持した円形の透明戸19とからなる。透明戸19は、ガラス板または樹脂板等の透明板19aの周縁に樹脂製枠材19bを装着したものである。透明戸19の周縁部と、透明戸19の閉じ状態で透明戸周縁部が当接する窓枠17の表面や裏面には、互いに接合されて透明戸19の閉じ状態を保つ面ファスナ9,9が設けてある。また、窓開口16には、透明戸19が内部で回転可能な半球状の網戸20を設けている。これにより、透明戸19を開いて換気可能な状態としても、屋外から蚊等の虫がドーム内に侵入するのを防止できる。また、網戸20を開くことなく、透明戸19を全開することができる。
【0015】
別の開口部外殻パネル2Bは、図7に示すように一般の外殻パネル2と同様の三角形状のものであり、上向き三角形の両側辺となる逆V字状の開口枠21と、この開口枠21にヒンジ22を介して開閉回動自在に取付けた両開き戸23とを有する。開口枠21の外周側の側面には外殻パネル間継手3の継手構成材となる面ファスナ9を外殻パネル2と同様に設ける。
【0016】
両開き戸23を構成する両側の戸24,24は、発泡ウレタン樹脂等の板状の断熱材をシート状の表面材で覆ったものからなる。これら各戸24の合い欠き状に互いに合わさる部分24a,24aのうち、一方の戸24の合わさり部分24aには把手25を設けている。この把手25と、この把手25に対向する他方の戸24の合わさり部分24aとに、互いに接合される面ファスナ9,9を設けている。これにより、両開き戸23を閉じ状態に保つことができる。把手25の面ファスナ9の形成面は、図7(C)に示すように、把手25の先端側が次第に他方の戸24から離れる曲面としてある。これにより、両開き戸23を開くときに面ファスナ9が一側部から次第に外れ、軽い操作で容易に開くことができる。各戸24の合わさり部分24aの相互に接合する箇所には、気密性を保つためのパッキング26が設けてある。
【0017】
図8は、この発明とは異なるが、開口部外殻パネル2Bの他の例を示す。この開口部外殻パネル2Bは、片開き戸27を設けた三角形状のものであり、開き戸開口28を除く部分を上述した外殻パネル2と同様に内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてある。袋体を構成する二重の膜部2a,2aの間に引張糸7を密生状態に設けること、袋体の片面または両面に断熱材8を重ねて設けること、外周の端面に一部が開口部外殻パネル2Bの表面から突出するように、外殻パネル間継手3の継手構成材となる面ファスナ9を設けることは一般の外殻パネル2と同様である。片開き戸27の一側縁は、ヒンジ29等の回動支持部材を介して開き戸開口28の一側縁に回動自在に設ける。
【0018】
図12は上述した外殻パネル間継手2等に使用する面ファスナ9の各例を示したものである。図12(A)の面ファスナ9は、ファスナ基材9cに半球形の頭部を有する無数の係合体9aを設けたファスナ9Aと、ファスナ基材9cにループ状の無数の係合体9bを植毛したファスナ9Bとの組み合わせからなる。図12(B)の面ファスナ9は、ファスナ基材9cにフック状の無数の係合体9aを設けたファスナ9Aと、ファスナ基材9cにループ状の無数の係合体9bを設けたファスナ9Bとの組み合わせからなる。図12(C)の面ファスナ9は、球形の頭部を有する無数の係合体9aをファスナ基材9cに植毛した一組みのファスナ9A,9Bからなる。面ファスナ9は、このように互いに係合する無数の係合体を有するものであれば良く、図12(A),(B)の例のように2種類のものを組み合わせるものであっても、また図12(C)の例のように同じ種類のものを相互に接合するものであっても良い。
【0019】
図1のように、このドーム状建物の床面には、内部に空気を封入することで膨らむ三角形状の多数のエアマット状床パネル30を並設した床31を設ける。これら各床パネル30は、内部を空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体としてあり、外殻パネル2と同様に引張糸7が設けてある。各床パネル30の各辺にも、図11に示すように床パネル30を相互に接合する床パネル間継手3Aの面ファスナ9が設けてある。各床パネル30は、図11に示すように連通チューブ4で相互に連通させてあり、また、外殻パネル2と床パネル30との間も連通チューブ4Aで相互に連通させてある。これにより、図1のように給気ポンプ6から外殻パネル2,開口部外殻パネル2Aに給気を行うときに、各床パネル30への給気も同時に行える。
【0020】
また、床パネル30の上面には、面ファスナ9によって床仕上げ面材32を接合する。この仕上げ面材32は、例えば図9のように正六角形または正六角形を二分割した台形のタイルからなり、これらの組み合わせによって、モザイク状の模様を有する床仕上げ面を構成する。さらに、床パネル30の一箇所または複数箇所、例えば図9のように複数の床パネル30の角部が集中して接合される箇所や、床パネル30が隣接する箇所には、ポール挿通穴33を設ける。このポール挿通穴33は、図10に示すように支持円板34の中央に突設した円形パイプ35からなり、その円形パイプ35の外周面には面ファスナ9が設けてある。この円形パイプ35を、床31の設置に先立ち、床パネル30の角部が集中する箇所等に設置し、地面に敷設する床パネル30の角部先端を円形パイプ35の周面に接合させることにより、前記ポール挿通穴33を床パネル30の集中する箇所等に形成することができる。床パネル30は、地面に差し込んだアンカーボルト36に接続することにより、地面に固定する。この実施形態では、図10のように支柱37を前記ポール挿通穴33に差し込んで立設することにより、ドーム状建物内の一部の領域に2階部分38の床を設ける。また、螺旋階段39の支柱39aを前記ポール挿通穴33に差し込んで立設することにより、2階部分38へ昇降する螺旋階段39を設置する。
【0021】
上記構成のドーム状建物の開口部構造によると、回転窓15を有する開口部外殻パネル2Aを隣の外殻パネル2に面ファスナ9で接合することにより、回転窓15を有するドーム状建物1を容易に組立られ、撤去も容易に行うことができる。また、回転窓15の窓枠17に対する透明戸19の閉じ状態を、面ファスナ9の接合によって保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。また、相互に接合した各外殻パネル2も、空気を封入することにより簡単にドーム状に組み立てることができ、また各外殻パネル2の空気を抜くことにより簡単に解体できる。このため、短期間の使用を行って何度も再利用する仮設用建物として好適に使用でき、また折り畳み状態や各外殻パネルを分離した状態で保管や運搬することもでき、しかも軽量であって、運搬性や保管性にも優れる。さらに三角形状の外殻パネル2、開口部外殻パネル2A,2Bがドーム状に並ぶ形状から、幾何学的な美麗な外観が得られる。
【0022】
また、隣合う外殻パネル2の各辺に、両開き戸23を有する開口部外殻パネル2Bを面ファスナ9で接合することにより、出入り用の両開き戸23を有するドーム状建物1を容易に組立でき、撤去も容易に行うことができる。また、両開き戸23の閉じ状態を、一方の戸24の把手25と、他方の戸24とを面ファスナ9の接合により保つので、閉じ状態を保つ構造も簡単なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態に係る開口部構造を有するドーム状建物の水平断面図、(B)は同建物の縦断面図、(C)は同建物の外観斜視図である。
【図2】(A)は図1(C)のS部の拡大図、(B)は図2(A)のII−II矢視断面図である。
【図3】(A)は同S部における外殻パネル角部間継手の分解斜視図、(B)は同継手を構成する角部キャップの裏面図、(C)は同角部キャップの斜視図である。
【図4】図1(C)のS1部に使用する同外殻パネル角部間継手の裏面図である。
【図5】(A)は挿通チューブの取付け前の状態を示す分解断面図、(B)は同挿通チューブの取付け状態を示す断面図、(C)は同挿通チューブの斜視図である。
【図6】(A)は回転窓付き開口部外殻パネルの正面図、(B)は図6(A)のVI−VI矢視断面図、(C)は同開口部外殻パネルの要部拡大縦断面図である。
【図7】(A)は両開き戸付き開口部外殻パネルの正面図、(B)は図7(A)のVII −VII 矢視断面図、(C)は同開口部外殻パネルの要部拡大水平断面図、(D)はドーム状建物の開口部付近を示す開き状態の斜視図である。
【図8】(A)は片開き戸付き開口部外殻パネルの正面図、(B)は図8(A)のVIIIa−VIIIa矢視断面図、(C)は(A)のVIIIb−VIIIb矢視断面図である。
【図9】前記ドーム状建物における床の部分拡大図である。
【図10】同床におけるポール挿通穴構造を示す斜視図である。
【図11】同床構造を示す縦断面図である。
【図12】前記ドーム状建物に使用する面ファスナの各例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0024】
1…ドーム状建物、2…外殻パネル、9…面ファスナ、15…回転窓、16…窓開口、17…窓枠、19…透明戸、20…網戸、21…開口枠、23…両開き戸、24…戸、24a…合わさり部分、25…把手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三角形状に多数の外殻パネルを並べてこれら外殻パネルの隣合う各辺を相互に接合し、この接合を面ファスナで行う殻構造のドーム状建物において、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルに回転窓を設け、この回転窓の窓枠と戸とに、互いに接合されて戸の閉じ状態を保つ面ファスナを設けたドーム状建物の開口部構造。
【請求項2】
前記ドーム状建物の各外殻パネルが、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体であって、前記開口部外殻パネルの窓開口を除く部分を、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体とした請求項1記載のドーム状建物の開口部構造。
【請求項3】
前記窓開口に、窓の戸が内部で回転可能な半球状の網戸を設けた請求項1または請求項2記載のドーム状建物の開口部構造。
【請求項4】
三角形状の多数の外殻パネルを並べてこれら外殻パネルの隣合う各辺を相互に接合し、この接合を面ファスナで行う殻構造のドーム状建物において、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルは、上向き三角形の両側辺となる逆V字状の開口枠と、この開口枠に開閉回動自在に取付けられた両開き戸とを有し、その両側の戸を断熱性のある材質のものとし、両側の戸の合わさり部で、一方の戸に把手を設け、この把手と他方の戸とに、互いに接合される面ファスナを設けたドーム状建物の開口部構造。
【請求項5】
前記把手の面ファスナの形成面を、把手の先端側が次第に他方の戸から離れる曲面とした請求項4記載のドーム状建物の開口部構造。
【請求項6】
前記ドーム状建物の各外殻パネルが、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体である請求項4または請求項5記載のドーム状建物の開口部構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三角形状の多数の外殻パネルを並べてこれら外殻パネルの隣合う各辺を相互に接合し、この接合を面ファスナで行う殻構造のドーム状建物において、一部の外殻パネルを開口部外殻パネルとし、この開口部外殻パネルは、上向き三角形の両側辺となる逆V字状の開口枠と、この開口枠に開閉回動自在に取付けられた両開き戸とを有し、その両側の戸は断熱性のある材質のものとし、両側の戸の合わさり部で、一方の戸に把手を設け、この把手と他方の戸とに、互いに接合される面ファスナを設けたドーム状建物の開口部構造。
【請求項2】
前記把手の面ファスナの形成面を、把手の先端側が次第に他方の戸から離れる曲面とした請求項1記載のドーム状建物の開口部構造。
【請求項3】
前記ドーム状建物の各外殻パネルが、内部に空気を封入することで所定厚さに膨らむ袋体である請求項1または請求項2記載のドーム状建物の開口部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−83700(P2006−83700A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350028(P2005−350028)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【分割の表示】特願平8−334464の分割
【原出願日】平成8年11月28日(1996.11.28)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【出願人】(596137634)鈴木エドワード建築設計事務所株式会社 (1)
【Fターム(参考)】