説明

ナイアシン受容体アゴニスト、かかる化合物を含有する組成物、及び治療法

本発明は、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常などの治療に有用な式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。医薬組成物及び使用法もまた包含する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘテロ環式酸化合物、それらの誘導体、かかる化合物を含有する組成物、及び、哺乳類における脂質代謝異常に関連した治療又は予防の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂質代謝異常は、血清脂質が異常である症状である。上昇したコレステロールレベル、及び低いレベルの高密度リポタンパク質(HDL)は、アテローム性動脈硬化症の独立したリスク因子であり、正常よりも高いアテローム性動脈硬化症及び心臓血管疾患のリスクに関連づけられる。血清コレステロールに影響を及ぼすことが知られている因子は、遺伝的素因、食事、体重、身体活動度、年齢及び性別を包含する。正常な量のコレステロールは、細胞膜、及びステロイド及び胆汁酸のような本質的な有機分子にとって、生命維持に不可欠な構成要素であるが、過剰なコレステロールは、心臓血管疾患の一因となることが知られている。例えば、コレステロールは、泡沫細胞との相互関係を介して、冠動脈内に集まるプラークの主成分であり、アテローム性動脈硬化症と呼ばれる心臓血管疾患を生じる結果となる。
【0003】
コレステロールを低減するための伝統的な療法には、スタチン(これは身体によるコレステロールの産生を低減する)のような医薬品を包含する。より最近では、血中コレステロールの低減において栄養及び栄養サプリメントの価値が、大いに注目されてきている。例えば、可溶性線維、ビタミンE、ダイズ、ニンニク、オメガ−3脂肪酸及びナイアシンといった食事性化合物は、全て、かなりの注目及び研究基金を受けてきた。
【0004】
ナイアシン又はニコチン酸(ピリジン−3−カルボン酸)は、臨床試験では冠動脈事象を低減する薬物である。それは一般に、高密度リポタンパク質(HDL)の血清レベルを上げるその効果について知られている。重要なことに、ナイアシンはまた、他の脂質プロファイルに対しても薬効がある。それは特に、低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL)及びトリグリセリド(TG)を低減する。しかしながら、ニコチン酸の臨床使用は、時として潮紅と呼ばれる皮膚血管拡張を含む多くの不都合な副作用により制限されている。
【0005】
血清コレステロール、血清トリグリセリドなどを制御するための従来の及び代替の手段に焦点が向けられているにもかかわらず、人口のかなりの割合が、約200mg/dLより高いコレステロールレベルを有しており、したがって脂質異常療法の候補である。それ故、当該技術分野では、総コレステロール、血清トリグリセリドなどを低減し、かつHDLを上昇させる化合物、組成物及び代替方法の必要性が残されたままである。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、血清脂質レベルの修正に効果をもつことが見出されてきた化合物に関する。
【0007】
したがって本発明は、総コレステロール及びトリグリセリド濃度の低減、及びHDLの上昇に作用する組成物を、記載の方法によって提供する。
【0008】
したがって、本発明の1つの目的は、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、メタボリックシンドローム及び関連症状を治療するために使用可能であり、ナイアシン治療に付随する副作用を最小化する、ニコチン酸受容体アゴニストを提供することである。
【0009】
もう1つの目的は、経口使用のための医薬組成物を提供することである。
【0010】
これらの及び他の目的は、本明細書に提供した記載から明らかであろう。
【0011】
発明の要旨
式I:
【0012】
【化1】

【0013】
[式中、
、X及びXの1つは、硫黄原子を表し、その他の2つは炭素又は窒素原子を表し;
環Aは、6−10員のアリールであるか、又は5−13員のヘテロアリール若しくは部分芳香族ヘテロ環基であり、前記ヘテロアリール及び部分芳香族ヘテロ環基は、O、S、S(O)、S(O)、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、そして、O及びSから選択される1つの別のヘテロ原子を含有してもよく、1−3個の付加的なN原子を含有してもよく、5個までのヘテロ原子が存在し;
各R及びRは、独立して、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH又はFであり;
nは、2から4までの整数を表し;
各Rは、Hであるか、又は独立して、ハロ、SC1−4アルキル、CN、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシから選択され;
そして各Rは、Hであるか、又は独立して、以下の:
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、
R’は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R”は、(a)1−4個の基で置換されてもよいC1−8アルキルを表し、その0−4個は、ハロであり、その0−1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群より選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1−3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基でさらに置換されていてもよく;
(b)Hetcy、アリール又はHARであって、各々は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群より選択される1−3個の基で置換されていてもよく;
そして、R”’は、H又はR”を表し;
f)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、その0−1個は、以下の群より選択され:
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2であって、ここで、Rは上記記載の通りであり;
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、1−3個の基で置換されてもよく、その1−3個はハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択され;
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、上記記載の通りである;
からなる群より選択される]により表わされる化合物、及びその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を開示する。
【0014】
発明の詳細な記載
本発明は、他に特定されない限り、本明細書において、以下に定義した用語を用いて詳細に記載される。
【0015】
「アルキル」、並びに接頭語「alk」を有する他の基、例えばアルコキシ、アルカノイルなどは、指示された数の炭素原子を含有する、直鎖、分枝鎖又は環式の炭素鎖であるか、又はそれらの組合せを意味する。もし数が特定されていなければ、直鎖アルキル基には1−6個の炭素原子が、分枝アルキル基には3−7個の炭素原子が意図される。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどを包含する。シクロアルキルは、アルキルのサブセットである;もし原子数が特定されていなければ、3−7個の炭素原子が意図され、縮合した1−3個の炭素環を形成する。「シクロアルキル」はまた、アリール基へ縮合した単環も包含し、これにおいて結合点は、非芳香部分上である。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニルなどを包含する。
【0016】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、かつ直鎖又は分枝鎖か、又はそれらの組合せであってもよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例は、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどを包含する。
【0017】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、かつ直鎖又は分枝鎖か、又はそれらの組合せであってもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例は、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどを包含する。
【0018】
「アリール」(Ar)は、6−10個の炭素原子を含有する、単環及び二環式の芳香環を意味する。アリールの例は、フェニル、ナフチル、インデニルなどを包含する。
【0019】
「ヘテロアリール」(HAR)は、他に特定されない限り、O、S、S(O)、SO及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、各環が5−6原子を含有する、単環、二環及び三環式の芳香環系を意味する。HAR基は、5−14個、好ましくは5−13個の原子を含有してもよい。例は、制限されることはないが、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ジヒドロインドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジルなどを包含する。ヘテロアリールはまた、非芳香族又は部分芳香族でありかつカルボニルを含有してもよい、ヘテロ環へ縮合された芳香族炭素環又はヘテロ環基も包含する。更なるヘテロアリール基の例は、インドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、及び、シクロアルキル環へ縮合した芳香族ヘテロ環基を包含する。例はまた、以下:
【0020】
【化2】

【0021】
を包含する。ヘテロアリールはまた、荷電型の基、例えばピリジニウムも包含する。
【0022】
「ヘテロシクリル」(Hetcy)は、他に特定されない限り、N、S及びOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する単環及び二環式の飽和環、及び環系を意味し、前記環の各々は3−10個の原子を有し、その結合点は炭素又は窒素でよい。「ヘテロシクリル」の例は、制限されることはないが、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチエニルなどを包含する。ヘテロサイクルはまた、互変異性体型、例えば2−及び4−ピリドン、で存在してもよい。ヘテロサイクルはさらに、荷電型の基、例えばピペリジニウムを包含する。
【0023】
「ハロゲン」(Halo)は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を包含する。
【0024】
語句「実質的な潮紅なしに」は、治療用の量でニコチン酸を投与した場合に、しばしば見られる副作用を指す。ニコチン酸の潮紅作用は、通常、患者が治療用量での薬物に対し、耐性が起こるに従って頻度が減り、かつ重篤さも減っていくが、潮紅作用はなお、ある程度は発生し、かつ一過性であり得る。したがって、「実質的な潮紅なしに」は、潮紅が発生した場合の、その低減された重篤さ、又は、発生したであろう潮紅事象よりも少ない潮紅を指す。好ましくは、潮紅の発生率(ナイアシンに対する)は少なくとも約三分の一まで低減され、さらに好ましくは、該発生率は半分まで低減され、かつ最も好ましくは、潮紅発生率は約三分の二又はそれ以上まで低減される。同様に、重篤さ(ナイアシンに対する)は、好ましくは少なくとも約三分の一まで低減され、さらに好ましくは少なくとも半分まで、かつ最も好ましくは少なくとも約三分の二まで低減される。明らかに、100パーセントの潮紅発生率及び重篤さの低減が最も好ましいが、必要ではない。
【0025】
本発明の1つの観点は、式I:
【0026】
【化3】

【0027】
[式中、
、X及びXの1つは、硫黄原子を表し、その他の2つは炭素又は窒素原子を表し;
環Aは、6−10員のアリールであるか、又は5−13員のヘテロアリール若しくは部分芳香族ヘテロ環基であり、前記ヘテロアリール又は部分芳香族ヘテロ環基は、O、S、S(O)、S(O)及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、そして、O及びSから選択される1つの別のヘテロ原子を含有してもよく、1−3個の付加的なN原子を含有してもよく、5個までのヘテロ原子が存在し;
各R及びRは、独立して、H,C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH又はFであり;
nは、2から4までの整数を表し;
各Rは、Hであるか、又は独立して、ハロ、SC1−4アルキル、CN、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシから選択され;
そして各Rは、Hであるか、又は独立して以下の:
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、
R’は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R”は、(a)1−4個の基で置換されてもよいC1−8アルキルを表し、その0−4個は、ハロであり、その0−1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群より選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1−3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基でさらに置換されていてもよく;
(b)Hetcy、アリール又はHARであって、各々は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基からなる群より選択される1−3個の基で置換されていてもよく;
そして、R”’は、H又はR”を表し;
f)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、かつその0−1個は、以下の群より選択され:
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2であって、ここで、Rは上記記載の通りであり;
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、1−3個の基で置換されてもよく、その1−3個はハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択され;
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、ここで、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、上記記載の通りである;
からなる群より選択される]によって表わされる化合物、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
【0028】
興味のある化合物の1つのサブセットは、環Aが、フェニル若しくはナフチル基、5−6員の単環ヘテロアリール基、又は9−13員の二環若しくは三環式のヘテロアリール基である、式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0029】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、環Aが、フェニル、ナフチル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チエニル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、又は以下の群より選択される基:
【0030】
【化4】

【0031】
からなる群より選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0032】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、環Aが、フェニル、ナフチル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル及びベンゾチアゾリルからなる群より選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0033】
なおさらに詳細には、興味のある化合物のサブセットは、環Aが、フェニル、ナフチル及びオキサジアゾリルからなる群より選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0034】
もう1つの興味のある化合物のサブセットは、X、X及びXの1つがSであり、1つがCであり、そして1つがC又はNである式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0035】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、X、X及びXの1つがSであり、そして他の2つがCである式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0036】
もう1つの興味のある化合物のサブセットは、各RはHであるか、又は以下の;
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;及び
c)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個が、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個が、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、その0−1個が、以下の群より選択され:
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2であって、Rは上記記載の通りであり;
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、1−3個の基で置換されてもよく、その1−3個はハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択され;
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、式Iについて上記記載の通りである;
からなる群より選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0037】
とりわけ、興味のある化合物のもう1つのサブセットは、各RはHであるか、又は;
a)ハロ又はOH;
b)C1−4アルキル及びOC1−4アルキルであって、各々が1−3個のハロ基により置換されてもよい;
c)フェニル又は5−6員のヘテロアリール基であって、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個が、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個が、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、かつその0−1個がOHである;
からなる群より選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0038】
なおさらに詳細には、興味のある本発明の1つの観点は、各Rが、Hであるか、又は;
a)ハロ又はOH;
b)C1−3アルキル及びOC1−3アルキル;
c)フェニル又はピリジルであって、各々が1−3個の基で置換されてよく、その1−3個はハロから選択され、その1−2個は、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキルであり、その0−1個は、OHである;
からなる群より選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0039】
興味のある化合物のもう1つのサブセットは、R及びRが、独立して、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルである式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0040】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、R及びRが、独立して、H又はメチルである式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0041】
興味のある化合物のもう1つのサブセットは、nが2(から)又は4の整数を表わす式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0042】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、nが2である式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0043】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、nが4である式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0044】
興味のある化合物のもう1つのサブセットは、各RがHであるか、又は独立して、ハロ、C1−4アルキル、CN及びSC1−4アルキルから選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0045】
さらに詳細には、興味のある化合物の1つのサブセットは、各RがHであるか、又は独立して、C1−4アルキル、Cl、CN及びSC1−2アルキルから選択される式Iの化合物に関する。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0046】
興味のある本発明の1つのサブセットは、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関し、ここで:
環Aは、フェニル若しくはナフチル基であるか、又は5−6員の単環式のヘテロアリール基であり;
、X及びXの1つはSであり、1つはCであり、そして1つはC又はNであり;
各Rは、Hであるか、又は以下の:
a)ハロ、OH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;及び
c)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個が、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、かつその0−1個が、以下の群より選択され:
i)OH;CN;及びNH
ii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iii)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、式Iについて上記記載の通りである;からなる群より選択され;
及びRは、独立して、H又はC1−3アルキルであり;
nは、整数2又は4を表し;そして
は、Hであるか、又は独立して、ハロ、C1−4アルキル、CN及びSC1−4アルキル、から選択される。このサブセットの化合物の中では、他の全ての変数は、式Iについて定義されたとおりである。
【0047】
興味のある種の代表的な例を、以下の表に示す。
【0048】
【表1−1】

【0049】
【表1−2】

【0050】
【表1−3】

【0051】
薬学的に許容されるその塩及び溶媒和物も、同様に包含される。
【0052】
式Iの化合物の多くは、不斉中心を含有し、したがって、ラセミ体及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、及び個々のジアステレオマーとして生じてよい。かかる全ての異性体が包含される。
【0053】
さらに、一般式Iの、1つの立体中心を有するキラル化合物は、キラルな環境の存在下に、当業者に周知の方法を用いて、それぞれのエナンチオマーへ分割され得る。2つ以上の立体中心体をもつキラル化合物は、アキラルな環境下に、それらの物理的性質に基づき、当業者に周知の方法を用いて、それらのジアステレオマーへ分離され得る。ラセミ型で得られる単一のジアステレオマーは、上記記載のように、それらのエナンチオマーへ分割され得る。
【0054】
所望であれば、化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーを単離するように分離してもよい。分離は、当該技術分野における周知の方法により行ってよく、例えば、式Iの化合物のラセミ混合物を、エナンチオマーとして純粋な化合物へカップリングしてジアステレオマー混合物を形成し、それを次に、分別結晶又はクロマトグラフィーのような標準的な方法により個々のジアステレオマーへ分離する。カップリング反応は、しばしば、エナンチオマーとして純粋な酸又は塩基を使用した塩の形成である。ジアステレオマー誘導体は次に、付加したキラル残基をジアステレオマー化合物から切断することにより、実質的に純粋なエナンチオマーへ転換し得る。
【0055】
式Iの化合物のラセミ混合物はまた、キラル固定相を用いたクロマトグラフ法により、直接分離してもよく、この方法は、当該技術分野において周知である。
【0056】
別法として、一般式Iの化合物のエナンチオマーを、光学的に純粋な出発物質又は試薬を用いた立体選択的合成により取得してもよい。
【0057】
本明細書に記載された化合物のいくつかは、互変異性体として存在しており、これは、1つ以上の二重結合シフトを伴う水素の異なる結合点を有する。例えば、ケトン及びそのエノール型は、ケト−エノール互変異性体である。或いは例として、2−ヒドロキシキノリンは、互変異性体型の2−キノリンとして存在し得る。個々の互変異性体、並びにそれらの混合物が包含される。
【0058】
用量情報
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物の投薬量は、広い範囲の中で変動する。任意の特定の患者のための、具体的な投薬量レジメ及びレベルは、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排せつ連度、薬物の組合せ及び患者の症状の重とく度を含む、多様な因子に依存するであろう。これらの因子を考慮することは、症状を予防するか、対抗するか、又はその進行を止めるために必要な、治療上有効な、又は予防上有効な投薬量を決定するための、通常の技術の臨床家の権限の範囲内にある。一般に、該化合物は、約0.01mg/日程度の低さから、約2000mg/日程度の高さまでの範囲の量で単回又は分割して投与され得る。代表的な投薬量は、約0.1mg/日から、約1g/日までである。初期には低い投薬量を使用し、その後投薬量を増して任意の有害作用を最小化するまで増加してよい。本明細書に記載の化合物を、数か月、数年又は患者の生涯の間を含め、患者に関連のある医学的症状を治療又は予防するために適当な期間にわたり、毎日投与されることが期待される。
【0059】
併用療法
1つ以上の追加的な活性薬剤を、本明細書に記載の化合物と一緒に投与してもよい。追加的な活性薬剤又は複数の薬剤は、脂質修飾化合物、又は他の薬学的活性をもつ薬剤か、或いは、脂質修飾作用及び他の薬学的活性の双方をもつ薬剤でよい。使用してもよい追加的な活性薬剤の例は、制限されることはないが、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、これは、ラクトン化又はジヒドロキシオープン酸型のスタチン、及びその薬学的に許容される塩及びエステルを包含し、制限されることはないが、ロバスタチン(米国特許第4,342,767号参照)、シンバスタチン(米国特許第4,444,784号参照)、ジヒドロキシオープン酸シンバスタチン、特にそのアンモニウム又はカルシウム塩、プラバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許第4,346,227号参照)、フルバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許第5,354,772号参照)、アトルバスタチン、特にそのカルシウム塩(米国特許第5,273,995号参照)、NK−104とも呼ばれるピタバスタチン(PCT国際公開番号WO 97/23200参照)、及び、クレストール(登録商標、米国特許第5,260,440号参照)としても知られるロスバスタチン;HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクワレンエポキシダーゼ阻害剤;スクワレンシンセターゼ阻害剤(スクワレンシンターゼ阻害剤としても知られる)、アシル−コエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(これは、ACAT−1又はACAT−2の選択的阻害剤、並びにACAT−1及び−2の二重阻害剤を包含する);ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)阻害剤;内皮リパーゼ阻害剤;胆汁酸金属イオン封鎖剤;LDL受容体インデューサー;血小板凝集阻害剤、例えば、糖たんぱく質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン;ヒトペルオキシソームプロリフェレーター活性化受容体ガンマ(PPAR−ガンマ)アゴニスト(これは、グリタゾン、例えば一般的にピオグリタゾン及びロシグリタゾンと呼ばれる化合物を包含し、かつ、チアゾリジンジオンとして知られる構造クラス内に包含される化合物、並びに、チアゾリジンジオン構造クラス以外のPPARガンマアゴニストを包含する);PPAR−アルファアゴニスト、例えばクロフィブラート、微粉化フェノフィブラートを含むフェノフィブラート、及びジェムフィブロジル;PPAR二重アルファ/ガンマアゴニスト;ビタミンB(ピリドキシンとしても知られる)、及びその薬学的に許容される塩、例えばHCl塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られる);葉酸、又はその薬学的に許容される塩又はエステル、例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩;酸化防止剤ビタミン類、例えばビタミンC及びE、及びベータカロテン;ベータ遮断薬;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばロサルタン;アンギオテンシン転換酵素阻害剤、例えばエナラプリル及びカプトプリル;レニン阻害剤、カルシウムチャンネル遮断薬、例えば、二フェジピン及びジルチアゼム;エンドセリンアンタゴニスト;ABCA1遺伝子発現を増強する薬剤;コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害化合物、ファルネソイドX受容体(FXR)リガンド(これは、アンタゴニスト及びアゴニストの双方を包含する);肝臓X受容体(LXR)−アルファリガンド、LXR−ベータリガンド、ビスホスホナート化合物、例えばアレンドロネートナトリウム;シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えばロフェコキシブ及びセレコキシブ;及び血管炎症を減じる化合物を包含する。
【0060】
コレステロール吸収阻害剤もまた、本発明において使用し得る。かかる化合物は、腸管腔から小腸壁の腸細胞内へのコレステロールの移動を阻止し、したがって、血清コレステロールレベルを低減する。コレステロール吸収阻害剤の例は、米国特許第5,846,966、5,631,365、5,767,115、6,133,001、5,886,171、5,856,473、5,756,470、5,739,321、5,919,672、及びPCT出願WO 00/63703、WO 00/60107、WO 00/38725、WO 00/34240、WO 00/20623、WO 97/45406、WO 97/16424、WO 97/16455、WO 95/08532に記載されている。最も注目すべきコレステロール吸収阻害剤は、エゼチミベであり、米国特許第5,767,115及び5,846,966号に記載の、1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノンとしても知られる。
【0061】
治療上有効な量のコレステロール吸収阻害剤は、1日当たり、約0.01mg/kgから約30mg/kg体重の、好ましくは約0.1mg/kgから約15mg/kgの投薬量を包含する。
【0062】
糖尿病患者用には、本発明で使用される化合物は、通常の糖尿病用の薬剤と一緒に投与し得る。例えば、本明細書に記載の治療を受けている糖尿病患者は、インスリン又は経口用の抗糖尿病の投薬を受けていてもよい。本明細書において有用な経口用の抗糖尿病薬剤の1つの例は、メトホルミンである。
【0063】
これらのナイアシン受容体アゴニストが、ある程度の血管拡張を誘導する事象においては、式Iの化合物を血管拡張抑制剤と同時投与してもよいことが理解される。結果として、本明細書に記載の方法の1つの観点は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を潮紅を低減する化合物と組合せた使用に関する。アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、他のNSAID、COX−2選択的阻害剤などの通常の化合物が、この点に関し通常の用量において有用である。別法として、DPアンタゴニストが同様に有用である。DP受容体アンタゴニストの用量及び選択性は、DPアンタゴニストが実質的にCRTH2受容体を調節することなく、DP受容体を選択的に調節するような程度である。特に、DP受容体アンタゴニストは、理想的には、CRTH2受容体における親和性よりも少なくとも約10倍高い(数値的には低いK値)DP受容体における親和性(すなわち、K)を有する。これらのガイドラインに従って、DPと選択的に相互作用する任意の化合物は、「DP選択的」であると考えられる。このことは、参2004年11月18日出願の米国特許出願第2004/0229844A1号に従っており、ここに参照することにより組み込まれる。
【0064】
哺乳類患者、特にヒトにおける潮紅作用を低減又は予防するために有用な本明細書に記載のDPアンタゴニストの投薬量は、単回で又は分割された日用量で投与される、約0.01mg/日程度の低さから、約100mg/日程度の高さまでの範囲の投薬量を包含する。好ましくは、投薬量は、単回又は分割された日用量の、約0.1mg/日から、約1.0g/日程度である。
【0065】
DP受容体を選択的に拮抗し、かつ潮紅作用を抑制するために特に有用な化合物の例は、以下の:
【0066】
【化5】

【0067】
【化6】

【0068】
並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を包含する。
【0069】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物、及びDPアンタゴニストは、同時に又は連続的に、単回又は多数回の日用量、例えば1日2回、1日3回又は1日4回で、本発明から離れることなく投与してもよい。もし持続放出が所望であれば、例えば24時間を超えて延長する放出プロファイルを示す持続放出製品なら、投薬量を1日おきに投与してもよい。しかしながら、毎日1回の投与が好ましい。同様に、朝又は夕に投薬してもよい。
【0070】
塩及び溶媒和物
式Iの化合物の塩及び溶媒和物もまた、本発明に包含され、ニコチン酸の多数の薬学的に許容される塩及び溶媒和物が、この点に関し有用である。アルカリ金属塩、特にナトリウム及びカリウムは、本明細書に記載の有用な塩を形成する。同様に、アルカリ土類金属、特にカルシウム及びマグネシウムは、本明細書に記載の有用な塩を形成する。アミンの種々の塩、例えばアンモニウム及び置換アンモニウム化合物もまた、本明細書に記載の有用な塩を形成する。同様に、式Iの化合物の溶媒和物もまた、本発明の範囲内において有用である。例として、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物及びセスキ水和物を包含する。
【0071】
本発明のヘテロ環式酸化合物はまた、式Iのエステルであって、薬学的に許容されるもの、並びに代謝的に不安定なものも包含する。代謝的に不安定なエステルには、C1−4アルキルエステル、好ましくはエチルエステルを包含する。多くのプロドラッグ戦略が、当業者に知られている。かかる戦略の1つは、リジンのようなペンダント求核性残基、これはそれ自体環化して遊離酸を放出することが可能であるが、エンジニアされたアミノ酸無水物を包含する。同様に、アセトン、酸及び活性酸に分解可能なアセトン−ケタールジエステルを使用してもよい。
【0072】
本発明において使用される化合物は、任意の通常の投与経路により投与可能である。好ましい投与経路は、経口である。
【0073】
医薬組成物
本明細書に記載の医薬組成物は、一般に、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を、薬学的に許容される担体と組合せて含んでなる。
【0074】
適当な経口用組成物の例には、タブレット、カプセル、トローチ、ロゼンジ、懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、シロップ及びエリキシルを包含する。担体成分の例には、希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤などを包含する。希釈剤の例には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム及びリン酸ナトリウムを包含する。造粒及び崩壊剤の例には、コーンスターチ及びアルギン酸を包含する。結合剤の例には、デンプン、ゼラチン及びアラビアゴムを包含する。潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及びタルクを包含する。タブレットは、コートされないか、又は既知の技術によりコートされてもよい。かかるコーティングは、崩壊を及び、したがって胃腸管内での吸収を遅延させ、それにより、より長期間にわたる持続性の作用を提供する。
【0075】
本発明の1つの実施態様においては、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物は、別の治療薬及び担体と組合されて、固定した配合製品を形成する。固定した配合製品は、経口使用用のタブレット又はカプセルであり得る。
【0076】
さらに詳細には、本発明のもう1つの実施態様においては、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物(約1−約1000mg)、及び第2の治療薬(約1−約500mg)を、薬学的に許容される担体と組合せて、経口使用用のタブレット又はカプセルを提供する。
【0077】
長時間にわたる持続放出は、製剤において特に重要である。モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルのような時間遅延素材を使用してもよい。剤形はまた、米国特許第4,256,108、4,166,452及び4,265,874号に記載の技術によりコートされ、制御放出法の浸透療法用タブレットを形成してもよい。
【0078】
他の制御放出技術もまた利用可能であり、本明細書に包含される。持続放出タブレットにおいてニコチン酸の放出を遅くするために有用な典型的な成分には、種々のセルロース化合物、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、デンプンなどを包含する。種々の天然及び合成素材もまた、持続放出製剤において使用される。例としては、アルギン酸及び種々のアルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、ローカストビーンゴム、グアーゴム、ゼラチン、種々の長鎖アルコール、例えばセチルアルコール及び蜜蝋を包含する。
【0079】
任意であり、かつさらに興味深いのは、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を含んでなり、さらにHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えばシンバスタチン又はアトルバスタチンを含有する上述のタブレットである。この特別な実施態様は、DPアンタゴニストも同様に含有してもよい。
【0080】
本発明による持続放出錠剤の典型的な放出時間は、約1から約48時間、好ましくは約4−約24時間、及びさらに好ましくは約8−約16時間の範囲である。
【0081】
硬ゼラチンカプセルは、経口用のもう1つの固形剤形を構成する。かかるカプセルは、同様に、上記記載の担体と混合された活性成分を包含する。軟ゼラチンカプセルは、プロピレングリコール、PEG及びエタノールのような水混和性の溶媒、又はピーナッツ油、流動パラフィン又はオリーブ油のような油と混合された活性成分を包含する。
【0082】
水性懸濁液もまた、活性物質を水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に含有するものとして考えられる。かかる賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムのような懸濁剤;例えばレシチンのような分散剤又は湿潤剤;例えば、エチル又はn−プロピルパラ−ヒドロキシベンゾエートのような保存剤、着色剤、着香剤、甘味剤などを包含する。
【0083】
水の添加により水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤との混合物中に提供する。適当な分散又は湿潤剤、及び懸濁剤は、上記にすでに言及したものに代表される。
【0084】
シロップ及びエリキシルもまた製剤されてよい。
【0085】
さらに詳細には、興味のある医薬組成物は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、AからAJまでの化合物からなる群より選択されるDP受容体アンタゴニストとを、薬学的に許容される担体と組合せて含んでなる持続放出タブレットである。
【0086】
さらに興味深いもう1つの医薬組成物は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、A、B、D、E、X、AA、AF、AG、AH、AI及びAJの化合物からなる群より選択されるDPアンタゴニスト化合物とを、薬学的に許容される担体と組合せて含んでなる。
【0087】
さらに特別興味深いなおもう1つの医薬組成物は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、A、B、D、E、X、AA、AF、AG、AH、AI及びAJの化合物からなる群より選択されるDP受容体アンタゴニスト、及びシンバスタチン又はアトルバスタチンとを、薬学的に許容される担体と組合せて含んでなる、持続放出タブレットに関する。
【0088】
用語「組成物」は、上記記載の医薬組成物を包含することに加えて、任意の2つ以上の成分、活性又は賦形剤の結合、錯化又は会合から、又は1つ以上の成分の解離から、或いは、1つ以上の成分の他のタイプの反応又は相互作用から、結果として直接又は間接的に生じる任意の生成物も包含する。したがって、本発明の医薬組成物は、この化合物と、任意の追加的な活性成分及び薬学的に許容される賦形剤を、混合するか又は他の方法で混ぜ合せることにより作成される任意の組成物を包含する。
【0089】
本発明のもう1つの観点は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物とDPアンタゴニストとの医薬品製造における使用に関する。この医薬品は、本明細書に記載の用途がある。
【0090】
さらに詳細には、本発明のもう1つの観点は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物、DPアンタゴニスト及びシンバスタチンのようなHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の医薬品製造における使用に関する。この医薬品は、本明細書に記載の用途がある。
【0091】
本発明化合物は、抗高脂血症活性を有しており、LDL−C、トリグリセリド、アポリポタンパク質及び総コレステロールの低減を引き起し、かつHDL−Cを増加する。結果として、本発明化合物は、脂質代謝異常の治療において有用である。本発明はしたがって、アテローム性動脈硬化症及び本明細書に記載の他の疾患及び症状の、治療、予防、又は後退であって、前記症状の治療、予防、又は後退のために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を投与することによる、該治療、予防、又は後退に関する。このことは、ヒトにおいて、前記症状の治療又は予防のために有効であると共に、潮紅作用を、頻度及び/又は重篤さの面で予防、低減又は最小化する量の、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を投与することにより達成される。
【0092】
本発明の興味のある1つの観点は、アテローム性動脈硬化症を、治療の必要なヒト患者において治療する方法であって、実質的な潮紅作用なしに、アテローム性動脈硬化症を治療するのに有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0093】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、血清HDLレベルを、治療の必要なヒト患者において上昇させる方法であって、血清HDLレベルを上昇させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0094】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、脂質代謝異常を、治療の必要なヒト患者において治療する方法であって、脂質代謝異常を治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0095】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、血清VLDL又はLDLレベルを、治療の必要なヒト患者において低減する方法であって、実質的な潮紅作用なしに、血清VLDL又はLDLレベルを低減させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0096】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、血清トリグリセリドレベルを、治療の必要なヒト患者において低減する方法であって、血清トリグリセリドレベルを低減させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0097】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、血清Lp(a)レベルを、治療の必要なヒト患者において低減する方法であって、血清Lp(a)レベルを低減させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。本明細書で用いる場合、Lp(a)はリポタンパク質(a)を指す。
【0098】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、糖尿病特に2型糖尿病を、治療の必要なヒト患者において治療する方法であって、糖尿病を治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0099】
本発明の興味のあるもう1つの観点は、メタボリックシンドロームを、治療の必要なヒト患者において治療する方法であって、メタボリックシンドロームを治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物を該患者へ投与することを含んでなる。
【0100】
本発明の特に興味深いもう1つの観点は、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病、メタボリックシンドローム又は関連症状を、治療の必要なヒト患者において治療する方法であって、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、DP受容体アンタゴニストとを該患者へ投与することを含んでなり、前記の組合せが、実質的な潮紅作用なしに、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病又は関連症状を治療するために有効な量で投与される。
【0101】
本発明の特に興味深いもう1つの観点は、DP受容体アンタゴニストが、AからAJまでの化合物及びその薬学的に許容される塩及び溶媒和物からなる群より選択される、上記記載の方法に関する。
【0102】
式Iの化合物の合成法
式Iの化合物は、以下の代表的な反応スキームにより調製された。これらの構造クラスと同様の試薬、条件又は他の合成アプローチが、有機合成の当業者に考えられることが理解される。それ故、これらの反応スキームは、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。全ての置換基は、他に示さない限り、上記に定義の通りである。
【0103】
【化7】

【0104】
式Iの化合物は、スキーム1に例示したように調製され、1のようなエン酸の還元と、それに続くチオフェンアミノエステルのアシル化、及びその後の鹸化により、ナフチルチオフェン酸2のような化合物を生成する。
【0105】
【化8】

【0106】
式Iの化合物はまた、スキーム2に例示したように調製されてもよく、3のような適当なアルデヒドの同族体化で始まる。得られたエノアート4は、還元、塩素化、そしてラセミ混合物を分割して、5のような中間体を生成し得る。チオフェンアミノエステルの酸加水分解及びアシル化は、6のようなエステル中間体を与え得る。その後の、エステル又はエーテルのいずれかの脱メチル化のような転換により、各々7及び8のようなカルボン酸化合物を与え得る。
【0107】
【化9】

【0108】
式Iの化合物はまた、スキーム3に例示したように調製してもよく、メトキシナフチル前駆体の塩素化を経て、9のような中間体を得る。この臭化物9は、パラジウムカップリングを受けて、10のようなエノアート中間体を生成し得る。水素化、鹸化及びアミノチオフェンのアシル化は、ヒドロキシル及び酸官能基の遊離化の後、11のような所望の化合物を提供できる。
【0109】
【化10】

【0110】
式Iの化合物は、別法として、スキーム4に例示されたように調製してもよく、14のような高度な同族誘導体を入手する。12のようなエン酸は、その飽和アルデヒドへ転換され、それは次に安定イリドを用いて同族体化され、水素化及び鹸化により、13のような酸中間体を与え得る。13のアミノチオフェンとのアシル化は、鹸化の後、14のような所望の化合物を与える。
【0111】
【化11】

【0112】
式Iの化合物は、別法として、スキーム5に例示されたように調製してもよく、16のようなビアリール誘導体を入手する。15のような中間体は、適当なボロン酸を用いたパラジウム触媒による標準的なアリールカップリング反応を経て生成し得る。
【0113】
【化12】

【0114】
式Iの化合物はまた、スキーム6に例示されたように調製してもよく、ヘテロ環式ビアリール誘導体を入手する。ヒドロキシアミジン17のようなピリジル中間体は、オキサジアゾール18へ向けて生成されてもよい。19を与える脱保護は、チオフェンアミノエステルをアシル化して20を与え、それに続く21のような生成物へ向けた鹸化を可能にする。
【0115】
【化13】

【0116】
式Iの化合物は、別途スキーム7に例示されたように調製してもよく、置換チオフェン誘導体を入手する。チオフェンアミノエステルの塩素化は、22のような誘導体をもたらし得る。かかる塩化物中間体のシアン化は、23に例示されるニトリル誘導体生成を可能にする。
【0117】
【化14】

【0118】
式Iの化合物はまた、更にスキーム8に例示されたように調製されてもよく、チアゾール誘導体を入手する。24を合成するための文献の方法は、当業者に周知の典型的なアシル化、エーテル脱メチル化及び鹸化反応の後、25のような化合物の入手を可能にする。
【0119】
【化15】

【0120】
式Iの化合物はまた、スキーム9に例示されたように調製してもよく、26のような鎖置換されたビヘテロアリール誘導体を入手する。
【0121】
本明細書で利用した種々の有機基の変換及び保護基は、上記記載のもの以外の多くの方法により実行してもよい。本明細書に開示した中間体及び化合物の調製に利用できる他の合成法への参照は、例えば、スミス(M.B.Smith)、マーチ(J.March)著、「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」、第5版、ウィリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、2001年;ラロック(R.C.Larock)著、「総合有機転換、官能基調製へのガイド(Comprehensive Organic Transformation, A Guide to Functional Group Preparation)」、第2版、VCH出版社(VHC Publishers,Inc.)、1999年;ギルクリスト(T.L.Gilchrist)著、「ヘテロ環化学(Heterocyclic Chemistry)」第3版、アディソン・ウェズレー・ロングマン社(Addison Wesley Longman Ltd.)、1997年;ジュール(J.A.Joule)、ミル(K.Mills)、スミス(G.F.Smith)著、「ヘテロ環化学(Heterocyclic Chemistry)」、第3版、スタンレー・ソーンズ社(Stanley Thornes Ltd.)、1998年;ニューコム(G.R.Newkome)、パウドラー(W.W.Paudler)著、「Contemporyヘテロ環化学(Contempory Heterocyclic Chemistry)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1982年;又はウーツ(Wuts,P.G.M.)、グリーン(Greene, T.W.)著、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、1999年に見出すことができ、これら6つ全部を、参考することによりその全てが本明細書に組み込まれる。
【0122】
代表的な実施例
以下の実施例は、本発明をさらに完全に説明するために提供され、他に指定しない限りいかなる方法においても、その範囲を制限するものと解釈されるべきものではない。:
(i)全ての操作は、室温又は周囲温度において、すなわち18−25℃の範囲の温度において行なった;
(ii)溶媒の蒸発は、50℃までの浴温度にて、減圧下(4.5−30mmHg)、ロータリーエバポレーターを用いて行なった;
(iii)反応の経過は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、及び/又は、タンデム型高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びそれに続く質量分析装置(MS)(本明細書ではLCMSと呼ばれる)により追跡し、かついずれの反応時間も例示のためのみに示されている;
(iv)収率は、示されている場合、例示用に過ぎない;
(V)全ての最終化合物の構造は、以下の技術:MS(質量分析法)又はプロトン核磁気共鳴(HNMR)分光法、の少なくとも1つにより確認し、その純度は以下の技術:TLC又はHPLC、の少なくとも1つにより確認した;
(vi)HNMRスペクトルは、バリアン・ユニティ(Varian Unity)又はバリアン・イノバ(Inova)装置のいずれかで、500又は600MHzにおいて、指定の溶媒を用いて記録した;ラインリストした場合、NMRデータは、主要な診断プロトンのデルタ値の形であり、残留溶媒ピーク(多重度及び水素数)に対するパーツ・パー・ミリオン(ppm)で示される;シグナル形に使用される通常の略号は、s.シングレット;d.ダブレット(見かけ上);t.トリプレット(見かけ上);m.マルチプレット;br.ブロード、などである;
(vii)MSデータは、ヒューレット・パッカード(Hewlett−Packard)(アジレント(Agilent)1100)HPLC装置へ接続され、かつマスリンクス/オープンリンクス(MassLynx/OpenLynx)ソフトウェアで操作する、ウォーターズ・マイクロマス(Waters Micromass)ユニットで記録した;エレクトロスプレーイオン化法を、陽(ES+)又は陰イオン(ES−)検出により使用した;LCMS ES+のための方法は、1−2mL/分、5.5分間にわたる10−95%Bの直線勾配(B=0.05%TFA−アセトニトリル、A=0.05%TFA−水)であり、LCMS ES−のための方法は、1−2mL/分、5.5分間にわたる10−95%Bの直線勾配(B=0.1%ギ酸−アセトニトリル、A=0.1%ギ酸−水)、ウォーターズXTerraC18−3.5um−50x3.0mm(内径)、及びダイオードアレイ検出であった;
(viii)分取用逆相HPLC(RPHPLC)による化合物の精製は、ウォーターズ・シンメトリーPrep C18−5um−30x100mmID、又は、ウォーターズ・アトランティス Prep dC18−5um−20x100mmID;20mL/分、15分間にわたる10−100%Bの直線勾配(B=0.05%TFA−アセトニトリル、A=0.05%TFA−水)、及びダイオードアレイ検出で行なった;
(ix)分取用逆相HPLCによる化合物の自動精製は、ギルソン(Gilson)システムにおいて、YMC−パックプロ(PackPro)C18カラム(150x20mmi.d.)を用いて、0−50%の水中アセトニトリル(0.1%TFA)により、20mL/分で溶出して行なった;
(x)分取用薄層クロマトグラフィー(PTLC)による化合物の精製は、アナルテック(Analtech)から市販の、シリカゲルをコートした20x20cmのガラスprepプレート上で行なった;
(xi)カラムクロマトグラフィーは、バイオタージ(Biotage)カートリッジシステムにおいて行なった;
(xii)化学記号は、通常の意味をもつ;以下の略号もまた使用されてきた v(体積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq又はequiv(当量)、IC50(最大可能な阻害の50%を生じるモル濃度)、EC50(最大可能効力の50%を生じるモル濃度)、uM(マイクロモル)、nM(ナノモル);
(xiii)頭辞語の定義は、以下の通りである:
TEMPOは、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、遊離基であり;
NCSは、N−クロロスクシンイミドであり;
NMOは、N−メチルモルホリンN−オキシドであり;
TBSは、tert−ブチルジメチルシリルであり;
THFは、テトラヒドロフランであり;
DMFは、ジメチルホルムアミドであり;
TFAは、トリフルオロ酢酸であり;
DMSOは、ジメチルスルホキシドである。
【0123】
PMBOHは、p−メトキシベンジルアルコールであり、PMBOは、パラメトキシベンジルオキシである。
【0124】
実施例1
【0125】
【化16】

【0126】
3−(2−ナフチル)アクリル酸(1.5g、7.56mmol)の1:1のエタノール−酢酸エチル(50mL)中の溶液に、Pd/Cを添加し、得られた混合物を、Hバルーン下に18時間攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、真空中で濃縮して、所望のプロピオン酸を白色固体として生じた。この酸(197mg、1.0mmol)及び塩化チオニル(0.7mL)のトルエン(5mL)中の溶液を、4時間還流加熱し、冷却し、真空中で濃縮し、さらに、トルエン(3x3mL)との共沸により過剰の塩化チオニルを除去した。黄色の油をトルエン(3mL)中に希釈し、スキーム1に示したように、必要なチオフェンアミノエステル(52mg、0.33mmol)と混ぜ合わせた。反応混合物を、150℃で10分間加熱し(マイクロ波、300W)、冷却し、真空中で濃縮し、残渣を分取用RPHPLCにより精製した。メチルエステル(34mg、0.1mmol)を、(3:1:1)THF−メタノール−水中、過剰の1N水酸化リチウム水溶液を用いて室温で鹸化した。反応混合物を真空中で濃縮し、揮発性物質を除去し、1N HCl水溶液でpH=7まで酸性化し、分取用RPHPLCにより精製した。H NMR(アセトン−d,500MHz)δ10.3(1H,s),8.14(1H,d),7.83(4H,m),7.75(1H,d),7.46(3H,m),3.22(2H,t),2.91(2H,t);LCMSm/z326(M+1)。
【0127】
実施例2−6
以下の化合物を、上記実施例1に記載し、かつスキーム1に例示したものと同様の条件下に調製した。
【0128】
【化17】

【0129】
選択した実施例についてのNMRデータ:
実施例2
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.85−7.80(m,3H),7.74(s,1H),7.48−7.41(m,3H),3.08(t,2H),2.91(t,2H),2.19(s,3H),2.16(s,3H)。
【0130】
実施例3
H NMR(アセトン−d,500MHz)δ10.2(1H,s),8.27(1H,d),8.04(1H,d),7.82(4H,m),7.45(3H,m),3.21(2H,t),2.87(2H,t)。
【0131】
実施例4
H NMR(アセトン−d,500MHz)δ11.1(1H,s),7.85(4H,m),7.48(3H,m),7.22(1H,d),6.91(1H,d),3.25(2H,t),3.03(2H,t)。
【0132】
実施例5
H NMR(500MHz,CDOD)δ7.86−7.83(m,3H),7.77(s,1H),7.51−7.45(m,3H),6.90(s,1H),3.24(t,2H),2.97(t,2H),2.77(q,2H),1.31(t,3H)。
【0133】
実施例6
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.83−7.79(m,3H),7.73(s,1H),7.47−7.41(m,3H),3.20(t,2H),2.91(t,2H),2.25(s,3H),2.25(s,3H)。
【0134】
実施例7
【0135】
【化18】

【0136】
6−メトキシ−2−ナフトアルデヒド(0.855g、4.585mmol)のキシレン溶液に、スキーム2に示した安定イリド(2.16g、5.96mmol、1.3当量)を室温で添加した。溶液を、4時間還流加熱した。溶媒を真空下に除去し、残渣を、AcOEt/ヘキサン(4対1)を用いてクロマトグラフィーを行ない、エチルエノアート中間体を得た。この中間体(5.73g)のメタノール溶液に、Pd/C(0.3g)を添加し、混合物をHガスのバルーン雰囲気下に、室温で16時間水素化した。溶液を濾過し、溶媒を真空中で除去して、飽和エステルを得た。メトキシナフチルエステル(5.73g)を、DMF溶媒中、NCS(0.82g、6.11mmol、1.1当量)で、室温において処理し、溶液を16時間攪拌した。真空中でDMFを除去し残渣を与え、それをメタノール/塩化メチレンから再結晶して、塩素化された中間体を得た。この塩化物のラセミ混合物(1.5g、3.69mmol)を、キラルセル(Chiralcel)OJカラムによるキラルHPLCを用い、及び35%イソプロパノール−ヘプタンによるアイソクラチック溶出を用いて、その単一のエナンチオマーへ分離した。エチルエステル中間体(65mg、0.21mmol)を、(1:1)酢酸−HCl(2mL)中に溶解し、110℃で10分間加熱した。5mLの水を添加し、溶液を0℃に冷却し、濾過の後、酸中間体を得た。この酸中間体(45mg、0.1mmol)のCHCl(2mL)溶液に、塩化オキサリル(0.3mmol)を添加し、1滴のDMFを0℃で添加した。溶液を室温で1時間攪拌した後、溶媒を真空中で除去した。残渣をTHF(2mL)中に溶解し、この溶液を、3−アミノ−2−カルボキシルチオフェン(0.11mmol)及びEtN(0.3mmol)のTHF(2mL)溶液へ、0℃において添加した。純粋なチオフェンメチルエステル中間体を、HPLC精製の後に得た。このメチルエステル中間体(0.09mmol)のTHF溶液に、カリウムトリメチルシラノラート(4当量、0.4mmol)を、0℃において添加した。溶液を、室温で2時間攪拌し、分取用RPHPLC精製により所望の生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ8.07(d,1H),7.99(d,1H),7.74(d,1H),7.66(s,1H),7.64(d,1H),7.47(dd1H),7.40(d,1H),4.00(s,3H),3.17(m,1H),2.97(m,2H),1.30(d,3H);LCMSm/z402(M−1)。
【0137】
実施例8
【0138】
【化19】

【0139】
三臭化ホウ素(1M CHCl溶液、0.3mL)を、0℃において実施例7のCHCl溶液(0.05mmol)へ添加し、溶液を3時間攪拌した、反応混合物を20分間にわたり徐々に室温に温め、再び0℃に冷却した。5滴のメタノールを添加し、続いて5mLの水を添加した。分取用RPHPLC精製の後、純粋な所望の生成物を得た。H NMR(CDOD,500MHz)δ10.38(s,1H),7.98(d,1H),7.97(d,1H),7.60(d,1H),7.58(s,1H),7.56(d,1H),7.39(d,1H),7.13(d,1H),3.13(m,1H),2.90(m,2H),1.27(d,3H);LCMSm/z388(M−1)。
【0140】
実施例9−10
以下の化合物を、上記実施例7−8に記載し、かつスキーム2に例示したものと同様の条件下に調製した。
【0141】
【化20】

【0142】
選択した実施例についてのNMRデータ:
実施例9
H NMR(CDOD,500MHz)δ8.07(d,1H),7.74(d,1H),7.65(s,1H),7.46(dd,1H),7.40(d,1H),7.16(d,1H),6.84(d,1H),4.00(s,3H),3.18(m,1H),3.02(m,2H),1.25(d,3H)。
【0143】
実施例10
H NMR(CDOD,500MHz)δ11.12(s,1H),7.98(d,1H),7.56(s,1H),7.49(d,1H),7.39(dd,1H),7.14(t,2H),6.82(d,1H),3.14(m,1H),2.97(m,2H),1.29(d,3H)。
【0144】
実施例11
【0145】
【化21】

【0146】
NCSによる2−ブロモ−6−メトキシナフタレンの塩素化は、実施例7に記述され、かつ文献:ヴャース(Vyas,P.V.);バート(Bhatt,A.K.);ラマチャンダライア(Ramachandraiah,G.);ベデカー(Bedekar、A.V.)著、「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」、2003年、第44巻、第21号、p.4085−4088.に記載されている類似の方法に従った。スキーム3に示したように、この臭化物中間体(6g、22.1mmol)を、メチルアクリレート(5.9mL、66.4mmol)、トリエチルアミン(60mL)、トリス(O−トリル)リン(III)リガンド(120mg)、及び酢酸パラジウム(II)(226mg)と混ぜ合わせた。反応混合物を、封管内でアルゴン雰囲気下に、100℃で15時間加熱し、次いで冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配し、沈澱物を収集し、カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル−ヘキサン)により精製した。上記実施例と同様に、このエノアート中間体を、Hガスのバルーン下に水素化し、その後に水酸化リチウムで鹸化し、飽和酸を塩化オキサリル媒介活性化のもとでチオフェンアミド生成物へ転換した。生成物を、上記実施例と同様に、エーテルのBBr媒介する脱メチル化の後に得て、分取用RPHPLCにより該生成物を精製した。H NMR(CDOD,600MHz)δ8.00(d,1H),7.63(d,1H),7.60(d,1H),7.45(dd,1H),7.16(d,1H),7.13(d,1H),6.82(d,1H),3.16(t,2H),2.90(t,2H);LCMSm/z376(M+1)。
【0147】
実施例12
【0148】
【化22】

【0149】
市販の3(2−ナフチル)アクリル酸(5g)を、50mLの(1:1)メタノール−塩化メチレン中、触媒パラジウムカーボンで処理し、水素を充満したバルーンを用いて、1気圧下に12時間水素化した。反応混合物をセライトで濾過し、真空中で濃縮して、透明な粗酸を与えた。この中間体(1g、5mmol)を、ジエチルエーテル(100mL)中、水素化アルミニウムリチウム(380mg、10mmol)の無水ジエチルエーテル(100mL)中の溶液中へ、窒素雰囲気下に滴下添加した。反応混合物を12時間エージングし、ロッシェル塩水溶液でクエンチし、さらに2時間攪拌し、飽和NaHCO水溶液とジエチルエーテルとの間に分配し、有機層を分離して、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、次いで減圧下に蒸発して、粗アルコール生成物を与えた。このアルコール(1.0g、5.4mmol)を、塩化メチレン溶媒(30mL)中、ヨードベンゼンジアセタート(1.7g、5.9mmol)及び触媒TEMPO(10%)を用いて直接酸化した。2時間後、反応混合物を、チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、塩化メチレンで分配し、有機層をNaHCO水溶液で洗浄し、有機層を真空中で濃縮して、透明なアルデヒド生成物を油として与えた。この粗アルデヒド中間体(240mg、1.3mmol)を、トルエン(5mL)中、メチル(トリフェニルホスホルアニリデン)アセタート(650mg、1.94mmol)と混ぜ合わせ、反応混合物を2時間還流加熱した。混合物を真空中で濃縮して残渣とし、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望のメチルエノアートを与えた。この中間体を次に、メタノール(10mL)中、触媒パラジウムカーボンで処理し、水素を充満したバルーンを用いて、1気圧下に4時間水素化した。反応混合物をセライトで濾過し、真空中で濃縮して、透明な粗エステルを与え、これを(3:1:1)THF−MeOH−HO(10mL)中に溶解し、1N NaOH水溶液(2.6mL)で処理し、6時間エージングし、混合物を酸性化し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を真空中で濃縮し、透明な酸を与え、これをスキーム4の化合物13と定義した。この中間体酸を、上記実施例と同様の方法で、実施例12へ転換した。化合物を分取用RPHPLCにより精製し、所望の生成物を与えた。H NMR(CDOD,500MHz)δ10.42(s,1H),7.99(d,1H),7.78(d,1H),7.76(d,2H),7.65(d,1H),7.64(s,1H),7.41(m,2H),7.35(dd,1H),2.84(t,2H),2.51(t,2H),1.80(m,4H);LCMSm/z354(M+1)。
【0150】
実施例13−15
以下の化合物を、上記実施例に記載し、かつスキーム4に例示したものと同様の条件下に調製した。
【0151】
【化23】

【0152】
選択した実施例についてのNMRデータ:
実施例13
H NMR(CDOD,500MHz)δ8.02(d,1H),7.66(m,3H),7.57(s,1H),7.31(dd,1H),7.18(s,1H),7.08(dd,1H),3.90(s,3H),2.80(t,2H),2.51(t,2H),1.80(m,4H)。
【0153】
実施例14
H NMR(CDOD,500MHz)δ8.00(d,1H),7.63(m,2H),7.55(d,1H),7.52(s,1H),7.24(dd,1H),7.06(d,1H),7.02(dd,1H),2.77(t,2H),2.49(t,2H),1.78(m,4H)。
【0154】
実施例15
H NMR(CDOD,500MHz)δ7.62(d,1H),7.55(d,1H),7.52(s,1H),7.25(dd,1H),7.21(d,1H),7.05(m,1H),7.01(dd,1H),6.84d(d,1H),2.77(t,2H),2.57(t,2H),1.79(m,4H)。
【0155】
実施例16
【0156】
【化24】

【0157】
市販の3−(4−ヨードフェニル)プロピオン酸(200mg、0.72mmol)を、(1:1)ジオキサン−エタノール(5mL)中、フェニルボロン酸(177mg、1.45mmol)、触媒テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20mg)、及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、1.45mL、1.45mmol)と混ぜ合わせた。反応混合物を100℃で一晩加熱し、室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取用RPHPLCにより精製して、ビアリールプロピオン酸中間体を与え、これをスキーム5の化合物15と定義した。この中間体酸を、上記実施例と同様の方法で、実施例16へ転換した。化合物を分取用RPHPLCにより精製して、所望の生成物を与えた。
H NMR(CDOD,500MHz)δ7.68−7.62(m,4H),7.51−7.38(m,5H),6.93(s,1H),3.12(t,2H),2.93(t,2H),2.80(q,2H),2.66(s,1H),1.33(t,3H);LCMSm/z378(M−1)。
【0158】
実施例17−20
以下の化合物を、上記実施例に記載し、かつスキーム5に例示したものと同様の条件下に調製した。
【0159】
【化25】

【0160】
選択した実施例についてのNMRデータ:
実施例17
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.59(d,1H),7.55(d,1H),7.42(t,2H),7.35−7.30(m,3H),3.07(t,2H),2.84(t,2H),2.62(m,1H),2.56(s,6H)。
実施例18
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.80(s,1H),7.61(d,2H),7.56(d,2H),7.43(t,2H),7.35−7.31(m,3H),2.95(t,2H),2.78(t,2H),1.32(s,9H)。
実施例19
H NMR(500MHz,CDOD)δ7.60−7.54(m,4H),7.44−7.31(m,5H),6.87(s,1H),3.09(t,2H),2.86(t,2H),2.39(s,3H)。
実施例20
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.56(d,1H),7.52(d,1H),7.40(t,2H),7.33−7.28(m,3H),6.49(s,1H),3.07(t,2H),2.84(t,2H),2.35(s,3H)。
【0161】
実施例21
【0162】
【化26】

【0163】
NaH(7.2g、60%)に、DMF(100mL)を、続いて4−メトキシベンジルアルコール(18.7mL)を0℃において添加した。0℃で25分後、混合物を室温に温め、さらに30分間攪拌した。得られた溶液に、5−ブロモ−2−シアノピリジン(22.9g)を一括添加した。反応は発熱性であり、室温への冷却に先立ち、10分間攪拌した。混合物を500mLの酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した(500mLx3)。最初の2つの水性層を、ジクロロメタンで抽出した(500mLx2)。合わせたジクロロメタン層を、水で洗浄した(500mLx3)。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で脱水し、濃縮して、4−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−シアノピリジン(22.6g)を、白色固体として与えた。4−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−シアノピリジン(24.6g)及び塩酸ヒドロキシルアミン(8.55g)のエタノール(500mL)中の懸濁液に、NaOH(水中、50mL、4.92g)を滴下添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。固体を濾過により収集し、4−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアミジニルピリジン17を白色固体として与えた。
【0164】
この中間体(180mg、0.66mmol)の8mLのピリジン中の溶液に、モノアシルクロリド(199mg、1.32mmol)を添加した。得られた混合物を、130℃で30分間加熱した。殆どの溶媒を除去した後、残渣をジクロロメタンで希釈し、バイオタージ(Biotage)クロマトグラフィー(ヘキサン中、10−50%酢酸エチル)により精製し、オキサジアゾール中間体を白色固体として与えた。このオキサジアゾール中間体(126mg、0.34mmol)に、4mLのトリフルオロ酢酸及びジクロロメタン(1:1)混合物を23℃において添加した。30分後、紫色の反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を、さらに精製することなしに次の段階で使用した。この粗ヒドロキシピリジンメチルエステルの20mLのTHF:メタノール:水(3:1:1)中の混合物に、水酸化リチウム(5mL、1N)の溶液を添加した。1時間後、殆どの揮発性物質を真空中で除去した。残渣に、15mLの水を添加し、混合物をクロロホルム中の30%イソプロパノール(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をRPHPLCにより精製し、酸中間体を無色の油として与えた。この酸(68mg、0.29mmol)の10mLのジクロロメタン中の混合物に、トリエチルアミン(102mg、0.14mL)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(109mg、0.73mmol)を23℃で添加した。3時間後、混合物を水でクエンチし、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮して、ビス−TBS保護された生成物を褐色の油として与え、これを、そのまま次の段階で使用した。ジクロロメタン(5mL)中、この中間体に、氷浴中で、1滴のDMFを、次いで塩化オキサリル(0.28mL、ジクロロメタン中、2N)の溶液を添加した。1.5時間後、混合物を23℃に温め、さらに1.5時間攪拌した。得られた混合物を真空中で濃縮し、次いでジクロロメタン(5mL)中に溶解した。得られた溶液に、次に、メチル−2−アミノチオフェンカルボキシラート(88mg、0.56mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、溶媒を次に除去し、粗残渣を、10mLのTHF:メタノール:水(3:1:1)中に溶解した。この溶液に、水酸化リチウム(6mL、1N)の水溶液を添加した。1時間後、殆どの揮発性物質を真空中で除去した。残渣に、5mLの水を添加し、混合物をクロロホルム中の30%イソプロパノール(3x10mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をRPHPLCにより精製して、所望の化合物を淡褐色の固体として与えた。H NMR(アセトン−d,500MHz)δ11.2(1H,s),8.35(1H,s),7.99(1H,d),7.40(1H,dd),7.21(1H,d),6.91(1H,d),3.42(2H,t),3.29(2H,t);LCMSm/z361(M+1)。
【0165】
実施例22−23
以下の化合物を、上記実施例に記載し、かつスキーム6に例示したものと同様の条件下に調製した。
【0166】
【化27】

【0167】
選択した実施例についてのNMRデータ:
実施例22
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ10.6(1H,bs),10.3(1H,s),8.24(1H,d),7.88(2H,m),7.81(1H,d),7.28(1H,dd),3.26(2H,t),3.07(2H,t)。
実施例23
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ10.6(1H,bs),10.2(1H,s),8.27(2H,m),7.85(2H,m),7.29(1H,dd),3.26(2H,t),3.02(2H,t)。
【0168】
実施例24
【0169】
【化28】

【0170】
スキーム7に示したように、N−クロロスクシンイミド(105mg、0.793mmol)を、テトラヒドロフラン(8mL)中、市販のチオフェンアミノエステル(204mg、0.793mmol)へ添加した。反応混合物を一晩攪拌し、溶媒を除去した。塩化物中間体を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。このクロロアミノエステルを、上記実施例に記載の条件下、アシル化及び鹸化し、実施例24を与えた。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.86−7.81(m,3H),7.75(s,1H),7.49−7.44(m,3H),7.11(s,1H),3.10(t,2H),3.02(t,2H);LCMSm/z358(M−1)。
【0171】
実施例25
【0172】
【化29】

【0173】
スキーム7に示したように、クロロアミドエステル(120mg、0.321mmol)を、N,N’−ジメチルアセトアミド(3mL)中、シアン化亜鉛(30mg、0.257mmol)及び1,1’−ビ(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(71mg、0.128mmol)と混ぜ合わせ、溶液を脱気した。触媒、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(59mg、0.064mmol)を添加し、溶液を再度脱気した。反応混合物を、マイクロ波反応器中で、60W及び170℃において1時間加熱した。反応混合物を、NHOH:水の溶液(1:5)でクエンチし、酢酸エチルで希釈し、酢酸エチル層を食塩水で洗浄した。有機層をNaSO上で脱水し、濃縮し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。このシアノアミドエステルを、上記実施例に記載の条件下に鹸化して、実施例25を与えた。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.84(s,1H)7.80−7.76(m,3H),7.71(s,1H),7.45−7.39(m,3H),3.22(t,2H),3.01(t,2H);LCMSm/z350(M−1)。
【0174】
実施例26
【0175】
【化30】

【0176】
実施例26を、上記実施例に記載し、かつスキーム7に例示したものと同様の条件下に調製した。H NMR(DMSO−d,500MHz)δ8.28(s,1H),7.86−7.82(m,3H),7.70(s,1H),7.48−7.42(m,3H),3.12(t,2H),2.90(t,2H);LCMSm/z350(M−1)。
【0177】
実施例27
【0178】
【化31】

【0179】
スキーム8に示したように、アセトアミドシアノエステルを、必要なチアゾールアミノエステルへ、文献の方法:ゴランキエビッツ・ボゼンナ(Golankiewicz,Bozenna);ヤヌーシュチク・ピョートル(Januszczyk,Piotr);グダニエク・マリア(Gdaniec,Maria);コスターキエビッツ・ゾフィア(Kosturkiewicz,Zofia)著、「テトラヘドロン増刊(Tetrahedron EN)」、1985年、第41巻、第24号、p.5989、に従って転換した。このチアゾールアミノエステル中間体を、上記実施例に記載と類似の条件下で、それ自体もまた上記実施例に記載の類似のスズキ条件下に調製されたスキーム8に示したメトキシクロロビフェニル酸クロリド、とカップリングした。得られたアミドビアリールメチルエーテルを、上記記載の類似の条件下に、BBrで脱メチル化し、生成物を鹸化し、分取用RPHPLCにより精製した。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.29(s,4H),7.22(d,1H),7.02(d,1H)6.91(dd,1H),3.07(t,2H),2.90(t,2H),2.59(s,3H);LCMSm/z415(M−1)。
【0180】
実施例28−34
以下の化合物を、上記実施例に記載したものと同様の条件下に調製した。
【0181】
【化32】

【0182】
選択した実施例についてのNMRデータ:
実施例28
H NMR(500MHz,CDOD)δ7.81−7.76(m,3H),7.71(s,1H),7.45−7.37(m,3H),3.21(t,2H),2.98(t,2H),2.59(s,3H)。
【0183】
実施例29
H NMR(DMSO−d,500MHz)δ7.87−7.83(m,12H),7.74(s,1H),7.48−7.43(3H),3.06(t,2H),2.89(t,2H),2.68(s,3H)。
【0184】
実施例30
H NMR(500MHz,CDOD)δ7.31(s,4H),7.25(d,1H),7.07(s,1H),7.05(d,1H)6.93(dd,1H),3.83(s,3H),3.08(t,2H),2.89(t,2H),2.63(m,1H)。
【0185】
実施例31
H NMR(500MHz,CDOD)δ7.28(s,4H),7.12(d,1H),7.05(s,1H),6.88(d,1H)6.75(dd,1H),3.06(t,2H),2.87(t,2H)。
【0186】
実施例32
H NMR(CDOD,500MHz)δ8.18(1H,d),7.92(1H,dd),7.28(4H,s),7.12(1H,d),6.88(1H,d),6.76(1H,dd),3.06(2H,t),2.76(2H,t)。
【0187】
実施例33
H NMR(CDOD,500MHz)δ7.28(4H,s),7.24(1H,d),7.16(1H,d),6.88(1H,d),6.84(1H,d),6.76(1H,dd),3.08(2H,t),2.87(2H,t)。
【0188】
実施例34
H NMR(CDOD,500MHz)δ8.01(1H,d),7.62(1H,dd),7.28(4H,s),7.12(1H,d),6.88(1H,d),6.75(1H,dd),3.06(2H,t),2.79(2H,t)。
【0189】
実施例35
【0190】
【化33】

【0191】
エチル2−メチル−4−ペンテノアート(3.1g)及びNMO(6.4g)の20mLのジクロロメタン中の溶液に、OsO(2.7mL、水中4%)を添加した。12時間後、この混合物に、水(100mL)、ジクロロメタン(200mL)及びクロロホルム(100mL)中の30%イソプロパノールを添加した。有機層を濃縮した。残渣に、アセトン及び、50mLの水中の過ヨウ素酸ナトリウム(9.3g)を添加した。白色沈澱が形成され、スラリーを30分間攪拌し、濾過した。濾液を濃縮し、ジクロロメタン(200mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残渣をバイオタージにより精製し、アルデヒドを無色の油として与えた。この油に、15mLのt−ブタノール、2−メチルブテン(10mL)、及びリン酸二水素ナトリウム(12g)及び亜塩素酸ナトリウム(9g、80%)の50mLの水中の溶液を添加した。1.5時間後、混合物をNaOHで塩基性化した。有機層を除去し、水性層をHClでpH=3まで酸性化した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、一塩基酸をダーク油として与えた。45mLのジクロロメタン中、この一塩基酸(7.2g)に、DMF(0.05mL)及び塩化オキサリル(45mL、ジクロロメタン中、2N)を、0℃において添加した。混合物を0℃で15分間、次に室温で1時間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣を、17(12.3g)及び60mLのピリジンで処理した。得られた混合物を、130℃で一晩加熱し、真空中でピリジンを除去した。残渣を、水とジクロロメタンとの間で分配した。有機層を濃縮し、バイオタージ(ヘキサン中、20−40%酢酸エチル)により精製して、オキサジアゾールを褐色の油として与えた。このエチルエステル(155mg)に、10mLの、THF:メタノール:水(3:1:1)、及び1Nの水酸化リチウム溶液(4mL)を添加した。2時間後、混合物を濃縮した。この水溶性残渣に、HClをpH=4まで添加した。この混合物を、クロロホルム中(20mL)の30%イソプロパノールで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、真空中で濃縮して、酸を褐色の油として与えた。この酸中間体を、上記実施例に記載の条件を用いて、実施例35へ仕上げた。H NMR(アセトン−d,500MHz)δ11.4(1H,s),8.32(1H,s),7.94(1H,d),7.35(1H,dd),7.23(1H,d),6.93(1H,d),3.47(2H,m),3.24(1H,q),1.47(3H,d);LCMSm/z375(M+1)。
【0192】
生物学的アッセイ
本発明化合物のナイアシン受容体の親和性及び機能に関する活性は、以下のアッセイを用いて評価できる:
H−ナイアシン結合アッセイ:
1.膜: 膜標品を:
20mM HEPES、pH7.4
0.1mM EDTA
中で、液体窒素中に貯蔵する。
【0193】
受容体膜を素早く、氷上に置く。上下の激しいピペッティングにより再懸濁し、全てのチューブにため、充分に混合する。清浄なヒト標品を15μg/ウエルで、清浄なマウス標品を10ug/ウエルで、清浄でない標品を30ug/ウエルで使用する。
【0194】
1a.(ヒト):結合緩衝液中に希釈する。
【0195】
1b.(ヒト+4%血清):5.7%の、100%ヒト血清ストック(−20℃で貯蔵)を、最終濃度4%に添加する。結合緩衝液中に希釈する。
【0196】
1c.(マウス):結合緩衝液中に希釈する。
【0197】
2.洗浄緩衝液及び希釈緩衝液:10リットルの氷冷した結合緩衝液を作成する:
20mM HEPES、pH7.4
1mM MgCl
0.01% CHAPS(w/v)
分子グレード又はddHO水を使用する。
【0198】
3.[5,6−H]−ニコチン酸:アメリカン・ラジオラベルド・ケミカルズ・インク(American Radiolabeled Chemicals,Inc.)(カタログ番号ART−689)。ストックは、〜50Ci/mmol、1mCi/ml、エタノール中全量1ml→20μM
7.5%EtOH及び0.25μMトレーサーを含有する、中間体H−ナイアシンワーキング溶液を作成する。この40μLを、各ウエルにおいて、全量200μLに希釈→最終濃度1.5%EtOH、50nMトレーサーとする。
【0199】
4.未標識ニコチン酸:
100mM、10mM、及び80μMのストックを作成;−20℃で貯蔵する。DMSO中に希釈する。
【0200】
5.プレートの調製:
1)手動によりプレートへ分注する。化合物は全て二重に試験する。10mMの未標識ニコチン酸を、試料化合物として各実験に必ず含むようにする。
【0201】
2)10mMの化合物を、プレート全体にわたり1:5希釈する(8μl:40μl)。
【0202】
3)195μLの結合緩衝液を、中間体プレートの全てのウエルに加え、ワーキング溶液を作成する(250μM→0)。各薬物プレートにつき1つの中間体プレートとする。
【0203】
4)薬物プレートから5μLを中間体プレートへ移す。4−5回攪拌する。
【0204】
6.方法:
1)140μLの適当に希釈した19CD膜を、全てのウエルに添加する。各薬物プレートにつき3つのプレート:1つはヒト、1つはヒト+血清、1つはマウス、とする。
【0205】
2)20μLの適当な中間体プレートからの化合物を添加する。
【0206】
3)40μLの0.25μMH−ニコチン酸を、全てのウエルへ添加する。
【0207】
4)プレートをシールし、アルミホイルで覆い、室温で3−4時間、タイタープレートシェーカーで、スピード2で振とうする。
【0208】
5)フィルターを通して濾過し、8x200μLの氷冷した結合緩衝液で洗浄する。最後のプレートの後、1リットルを超える水で装置を確実に洗浄すること。
【0209】
6)フード内で一晩空気乾燥する(空気の流れを通せるようにプレートを支える)。
【0210】
7)プレート裏面をシールする。
【0211】
8)40μLのマイクロシンチ(Microscint)−20を各ウエルへ添加する。
【0212】
9)シーラーで上部をシールする。
【0213】
10)パッカード・トップカウント(Packard Topcount)シンチレーションカウンターでカウントする。
【0214】
11)データを計算プログラムへアップロードし、また生カウントをプリズム(Prism)にプロットして、生成されたグラフとIC50値が合致することを判定する。
【0215】
本発明化合物は一般に、H−ニコチン酸競合結合アッセイにおいて、1nM−約25μMの範囲内のIC50値を有する。
【0216】
35S−GTPγS結合アッセイ:
ナイアシン受容体又はコントロールベクター(7μg/アッセイ)を安定に発現するチャイニーズ・ハムスター・オバリー(CHO)−K1細胞から調製した膜を、ワラック・シンチストリップ(Wallac Scintistrip)プレート中で、アッセイ緩衝液(100mM HEPES、100mM NaCl、及び10mM MgCl、pH7.4)中に希釈し、0.3nMまでの35S−GTPγSの添加に先立ち、40μM GDP(最終[GDP]は10μMであった)を含有するアッセイ緩衝液中に希釈した試験化合物と、〜10分間プレインキュベートした。起こり得る化合物の沈澱を避けるため、全ての化合物をまず、100%DMSO中に調製し、次いでアッセイ緩衝液で希釈して、結果としてアッセイ中に3%DMSOの最終濃度を生じるようにした。結合は、プレートを4000rpmで15分間室温で遠心分離した後にトップカウント(TopCount)シンチレーションカウンターでカウントするに先立ち、1時間にわたり進行させた。結合曲線の非線形回帰分析を、グラフパッド・プリズム(GraphPad Prism)で行なった。
【0217】
膜の調製
材料:
CHO−K1細胞培地:10%FBS、2mM L−グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム、及び400μg/mlのG418を加えたF−12カイン(Kaighn’s)変法細胞培地
膜スクレープ用緩衝液:20mM HEPES
10mM EDTA、pH7.4
膜洗浄用緩衝液: 20mM HEPES
0.1mM EDTA、pH7.4
プロテアーゼ阻害剤カクテル: P−8340(シグマ(Sigma)、ミズーリ州セントルイス)
【0218】
方法:
(調製全体を通じ、全てを氷上に保持する;緩衝液及び細胞のプレート)
・15cmプレートから細胞培養培地を吸引し、5mLの冷PBSで洗浄し、吸引する。
【0219】
・5mlの膜スクレープ緩衝液を添加し、細胞を掻き取る。スクレープを50mLの遠心管へ移す。50uLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを加える。
【0220】
・20,000rpmで、4℃において17分間回転する。
【0221】
・上清を吸引し、ペレットを30mLの膜洗浄緩衝液中に再懸濁する。50μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを加える。
【0222】
・20,000rpmで、4℃において17分間回転する。
【0223】
・膜ペレットから上清を吸引する。ペレットは、後の使用に向けて−80℃で凍結してもよく、又は直ちに使用してもよい。
【0224】
アッセイ
材料:
グアノシン5’−二リン酸ナトリウム塩(GDP、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)、カタログ番号87127)
グアノシン5’−[γ35S]チオ三リン酸、トリエチルアンモニウム塩([35S]GTPγS、アマシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences)、カタログ番号SJ1320、〜1000Ci/mmol)
96穴シンチプレート(パーキン−エルマー(Perkin−Elmer)、カタログ番号1450−501)
結合緩衝液:20mM HEPES、pH7.4
100mM NaCl
10mM MgCl
GDP緩衝液: 結合緩衝液プラスGDP(0.4から40μMの範囲にわたる)、アッセイ前に新たに作成する。
【0225】
方法;
(全アッセイ体積=100μウエル)
25μLの、化合物を含むか又は含まないGDP緩衝液(最終GDPは10μM−故に40μMのストック溶液を使用)
50μLの結合緩衝液中の膜(0.4mgタンパク質/mL)
25μLの結合緩衝液中の[35S]GTPγS。これは、5μlの[35S]GTPγSストックを10mLの結合緩衝液(この緩衝液はGDPを含まない)へ添加することにより作成した。
【0226】
・スクリーンするべき化合物プレートを融解する(5μLの化合物(@100%DMSO中に2mM)入りのドータープレート)。
【0227】
・2mMの化合物を、245μLのGDP緩衝液を用いて1:50希釈し、2%DMSO中40μMとする。(注意:GDP緩衝液中のGDP濃度は、受容体に依存し、最大のシグナル対ノイズ比を得るように最適化するべきである;40μM)。
【0228】
・凍結した膜ペレットを、氷上で融解する。(注意:それらは実際にその時点で膜であり、細胞は、膜調製を通じ、何ら塩を含まない低張の緩衝液中で破壊され、殆どの細胞タンパク質は洗い流されている)
・ポリトロン(POLYTRON)PT3100(プローブ PT−DA3007/2、7000rpmにセット)を用いて、懸濁状態になるまで膜を短時間ホモジナイズする(数秒間−膜を温めないようにするため、ホモジナイゼーションのバーストの間に、氷上に保持する)。膜タンパク質濃度を、ブラッドフォードアッセイにより測定する。結合緩衝液中で、0.40mg/mlのタンパク質濃度まで膜を希釈する。(注意:最終アッセイ濃度は20μg/ウエルである)。
【0229】
・ウエル当たりGDP緩衝液中の25μLの化合物をシンチプレートへ添加する。
【0230】
・ウエル当たり50μLの膜を、シンチプレートへ添加する。
【0231】
・室温で5−10分間プレインキュベートする。(化合物が光感受性であり得ることから、プレートをホイルで覆う)
・25μLの希釈された[35S]GTPγSを添加する。シェーカー(ラブライン(Lab−Line)モデル番号1314、4に設定して振とう)上で、室温で60分間インキュベートする。いくつかの化合物は光感受性であり得ることから、プレートをホイルで覆う。
【0232】
・プレートカバーでシールしたプレートを、2500rpmで、22℃で20分間回転することにより、アッセイを停止する。
【0233】
・トップカウントNXTシンチレーションカウンターで、35Sプロトコールで読み取る。
【0234】
本発明化合物は一般に、実用のインビトロのGTPγS結合アッセイにおいて、約1μM未満から約100μMまでの範囲内のEC50を有する。
【0235】
レーザードップラーによる潮紅
雄のC57B16マウス(〜25g)を、10mg/ml/kgのネンブタールナトリウムを用いて麻酔する。アンタゴニストを投与する場合、それらをネンブタール麻酔と同時に注射する。10分後、動物をレーザー下に置き、耳を折り返して腹面を露出する。レーザーを耳の中央に位置を定め、8.4−9.0Vの強度にフォーカスする(一般に、耳の〜4.5cm上である)。データ収集は、15x15のイメージフォーマット、オートインターバル、60イメージ、及び20秒間のタイムディレーにより、中程度の解像力を用いて開始する。試験化合物は、10番目のイメージの後に、腹腔内への注射により投与する。イメージ1−10を動物のベースラインとみなし、データをベースラインの平均強度の平均値に対し標準化する。
材料及び方法−レーザードップラー(Laser Doppler)Pirimed PimII;ナイアシン(シグマ);ネンブタール(アボット・ラボ)。
【0236】
本明細書に引用した全ての特許、特許出願及び出版物は、その全てを参照することにより本明細書に組み込まれる。いくつかの好適な実施態様を本明細書において詳細に記載してきたが、多くの代替の実施態様が本発明の範囲内に入るものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
、X及びXの1つは、硫黄原子を表し、その他の2つは炭素又は窒素原子を表し;
環Aは、6−10員のアリールであるか、又は5−13員のヘテロアリール若しくは部分芳香族へテロ環基であり、前記ヘテロアリール及び部分芳香族ヘテロ環基は、O、S、S(O)、S(O)、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、そして、O及びSから選択される1つの別のヘテロ原子を含有してもよく、1−3個の付加的なN原子を含有してもよく、5個までのヘテロ原子が存在し;
各R及びRは、独立して、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH又はFであり;
nは、2から4までの整数を表し;
各Rは、Hであるか、又は独立して、ハロ、SC1−4アルキル、CN、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシから選択され;
そして、各Rは、Hであるか、又は独立して、以下の:
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;
e)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、
R’は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R”は、(a)1−4個の基で置換されてもよいC1−8アルキルを表し、その0−4個は、ハロであり、その0−1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群より選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1−3個のハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基でさらに置換されていてもよく;
(b)Hetcy、アリール又はHARであって、各々は、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群より選択される1−3個の基で置換されていてもよく;
そして、R”’は、H又はR”を表し;
f)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、かつその0−1個は、以下の群より選択され:
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2であって、ここで、Rは上記記載の通りであり;
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、1−3個の基で置換されてもよく、その1−3個はハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択され;
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、上記記載の通りである;
からなる群より選択される]により表わされる化合物、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物。
【請求項2】
環Aが、フェニル若しくはナフチル基か、又は5−6員の単環式ヘテロアリール基か、又は9−13員の二環式若しくは三環式のヘテロアリール基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが、フェニル、ナフチル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チエニル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、又は以下の:
【化2】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Aが、フェニル、ナフチル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル及びベンゾチアゾリルからなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
環Aが、フェニル、ナフチル及びオキサジアゾリルからなる群より選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
、X及びXの1つがSであり、1つがCであり、そして1つがC又はNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
、X及びXの1つがSであり、そして他の2つがCである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
各Rが、Hであるか、又は以下の:
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;及び
c)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個が、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個が、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、その0−1個が、以下の群より選択され:
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2であって、ここで、Rは上記記載の通りであり;
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、1−3個の基で置換されてもよく、その1−3個はハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択され;
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル、及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iv)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、式Iについて上記記載の通りである;
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
各RがHであるか、又は以下の;
a)ハロ又はOH;
b)C1−4アルキル及びOC1−4アルキルであって、各々が1−3個のハロ基により置換されてもよい;
c)フェニル又は5−6員のヘテロアリール基であって、1−3個の基で置換されてもよく、その1−3個が、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個が、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、その0−1個がOHである;
からなる群より選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
各RがHであるか、又は以下の;
a)ハロ又はOH;
b)C1−3アルキル及びOC1−3アルキル;
c)フェニル又はピリジルであって、各々が1−3個の基で置換されてよく、その1−3個がハロから選択され、その1−2個が、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキルから選択され、その0−1個が、OHである;
からなる群より選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
及びRが、独立して、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
及びRが、独立して、H又はメチルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
nが、整数2又は4を表わす、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが2である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
nが4である、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
各RがHであるか、又は独立して、ハロ、C1−4アルキル、CN及びSC1−4アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
各RがHであるか、又は独立して、C1−4アルキル、Cl、CN及びSC1−2アルキルから選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
環Aが、フェニル若しくはナフチル基であるか、又は5−6員の単環式のヘテロアリール基であり;
、X及びXの1つはSであり、1つはCであり、かつ1つはC又はNであり;
各Rは、Hであるか、又は以下の:
a)ハロ、OH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R、及びCOであって、ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルであり、各々は1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロ又はC1−3アルキルであり、その1−2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルから選択され;
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキルであって、前記C1−6アルキル、及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個は、ハロであり、その1−2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択され;
c)任意の利用可能な環原子に結合した、フェニルであるか、又は5−6員のヘテロアリール若しくはHetcy基であって、各々が、1−3個の基で置換されていてもよく、その1−3個が、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、その1−2個が、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、かつその0−1個が、以下の群より選択され:
i)OH、CN及びNH
ii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)であって、これらのアルキル部分は、上記(b)に示したように置換されてもよく;及び
iii)NR’C(O)R”、NR’SOR”、NR’COR”、及び、NR’C(O)NR”R”’であって、ここで、R’、R”及びR”’は、式Iについて上記記載の通りであり;
からなる群より選択され;
及びRは、独立して、H又はC1−3アルキルであり;
nは、整数2又は4を表し;そして
は、Hであるか、又は独立して、ハロ、C1−4アルキル、CN及びSC1−4アルキルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
以下の表:
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物を、薬学的に許容される担体と組合せて含んでなる医薬組成物。
【請求項21】
治療の必要な患者においてアテローム性動脈硬化症を治療する方法であって、アテローム性動脈硬化症を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を、ヒト患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項22】
治療の必要な患者において脂質代謝異常を治療する方法であって、脂質代謝異常を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を、ヒト患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項23】
治療の必要な患者において糖尿病を治療する方法であって、糖尿病を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を、ヒト患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項24】
治療の必要な患者においてメタボリックシンドロームを治療する方法であって、メタボリックシンドロームを治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を、ヒト患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項25】
治療の必要な患者においてアテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病、メタボリックシンドローム又は関連症状を治療する方法であって、請求項1に記載の化合物及びDP受容体アゴニストを、ヒト患者へ投与することを含み、前記化合物が、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病又は関連症状を、実質的な潮紅なしに治療するために有効な量において投与される方法。
【請求項26】
DP受容体アンタゴニストが、化合物AからAJまで:
【化3】

【化4】

からなる群より選択される化合物であるか、又はその薬学的に許容される塩又は溶媒和物である、請求項21に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533436(P2009−533436A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505401(P2009−505401)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/008584
【国際公開番号】WO2007/120575
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】