説明

ナイアシン受容体アゴニスト、そのような化合物を含む組成物、及び治療方法

本発明は、アテローム性動脈硬化症及び脂質異常症などの治療に有用な式(I)の化合物並びにその薬学的に許容される塩及び水和物を包含する。また、医薬組成物及び使用方法も包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダゾール及びピラゾール誘導体、そのような化合物を含む組成物、並びに脂質異常症に関連する哺乳動物における治療又は予防の方法に関する。脂質異常症は、血清脂質が異常な状態である。高コレステロール及び低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)は、アテローム性動脈硬化症及び心臓血管疾患の危険性が正常より高いということに関して、アテローム性動脈硬化症の独立危険因子である。血清コレステロールに影響を及ぼすことが知られている因子としては、遺伝的素質、食物、体重、身体的活動の程度、年齢、および性別が挙げられる。正常量のコレステロールは、細胞膜及びステロイドや胆汁酸などの必須有機分子のための重要なビルディングブロックであるが、過剰なコレステロールは心臓血管疾患の原因となることが知られている。例えば、コレステロールは、泡沫細胞との関連から、冠状動脈に集まるプラークの主要な成分であり、アテローム性動脈硬化症と呼ばれる心臓血管疾患の原因となるものである。
【背景技術】
【0002】
コレステロールを減少させる従来の治療としては、スタチン(体内でのコレステロールの生成を減少させる)などの薬物投与が挙げられる。最近では、血中コレステロールを低下させることに関して栄養物及び栄養補助食品の重要性が非常に注目されている。例えば、可溶性繊維、ビタミンE、醤油、にんにく、オメガ−3脂肪酸、及びナイアシンなどの食品化合物はいずれも非常に注目されており、研究資金の提供を受けている。
【0003】
ナイアシン又はニコチン酸(ピリジン−3−カルボン酸)は、治験における冠状動脈事象を減らす薬である。これらは、高密度リポタンパク質(HDL)の血清レベルを上昇させる効果があることが一般的に知られている。また、重要なことは、ナイアシンは、他の脂質プロファイルに対しても有益な効果を有している。特に、低密度リポタンパク質(LDL)、極低密度リポタンパク質(VLDL)、およびトリグリセリド(TG)を減少させる。しかしながら、ニコチン酸の臨床使用は、皮膚血管拡張(しばしば、紅潮と呼ばれる)などの多くの有害な副作用のために制限される。
【0004】
血清コレステロール、血清トリグリセリドなどを抑制するための従来の方法及び代替の方法が注目を集めているにもかかわらず、かなりの人々は、総コレステロールレベルが200mg/dLより高く、したがって、脂質異常症療法の候補である。そのため、依然として、総コレステロール、血清トリグリセリドなどを減少させ、HDLを上昇させる化合物、組成物、及び代替方法が当技術分野において必要とされている。
【0005】
本発明は、血清脂質レベルの修正において効果を有することが判明した化合物に関する。
【0006】
したがって、本発明は、記載した方法に従い、総コレステロール及びトリグリセリド濃度を低下させ、HDLを上昇させるために効果的な組成物を提供する。
【0007】
したがって、本発明の目的の1つは、ナイアシン治療に関連する副作用を最小限に抑えつつ、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、メタボリック症候群、および関連する症状を治療するために使用することのできるニコチン酸受容体アゴニストを提供することにある。
【0008】
さらに別の目的は、経口使用のための医薬組成物を提供することにある。
【0009】
これら及び他の目的は、本明細書における説明から明らかとなるであろう。
【発明の概要】
【0010】
式I:
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、
Xは窒素原子又は炭素原子を表し;
YはC又はNを表し、Yが窒素を表す場合は、その窒素原子はH又はRで置換されていてもよく(ここで、Rは、1〜3つのハロ基で置換されていてもよいC1−3アルキルを表し、並びに、Yが炭素原子を表す場合には、その炭素原子は水素又はハロで置換されていてもよい);
pは1〜2の整数を表し、pが2の場合には、1つだけのYが窒素原子を表し;
点線は、任意の結合を表し;
Zへの点線が、存在する結合を表す場合、ZはO、S及びNHから選択され、(Y)pへの点線は、存在しない結合を表し;
Zへの点線が存在しない結合を表す場合、(Y)pへの点線は存在する結合を表し、ZはOH、SH、NH、COH及びSOHから選択される基を表し;
環Bは、フェニル、5〜7員環の炭素環又は5〜6員環のヘテロアリール、複素環基又は部分的芳香族複素環基を表し(該ヘテロアリール、複素環、及び部分的芳香族複素環基は、O、S、およびNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、有するヘテロ原子が最大2つまでにおいてさらに1つのN原子を有していてもよい);
各Rは、H又はハロであるか、又は
(a)フェニル、あるいは、O、S、及びNから選択される1つのヘテロ原子を有し、1〜3つのさらなるN原子を有してもよい5〜6員環のヘテロアリール基(該フェニル及びヘテロアリール基は1〜3つの置換基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル、及びハロC1−3アルコキシである)、及び
(b)1〜3つの置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル(その置換基のうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、OC1−3アルキル、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、NO、Hetcy、フェニル、並びに5〜6員のヘテロアリール基(O、S、及びNから選択される1つのヘテロ原子を有し、1〜3つのさらなるN原子を有していてもよい)から成る群から選択され、該フェニル及びヘテロアリール基は、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、その置換基のうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル、およびハロC1−3アルコキシから選択される)、
から成る群から選択され;
環Aは、6〜10員のアリール、5〜13員のヘテロアリール、又は部分的芳香族複素環基(該ヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい)であり、
及びRは、独立して、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、又はFであり、
nは1〜5の整数を表し、
各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2(ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、該C1−4アルキル又はフェニルは、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2つは、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、およびNHC1−3アルキルから成る群から選択される);
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(該基は、1〜3つの基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、1〜2つは、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy、及びCNから選択される);
c)Hetcy、NHC1−4アルキル、及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は、上記(b)で記載したような置換基で置換されていてもよい);
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル、およびC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は、上記(b)で記載したような置換基で置換されていてもよい);
e)NR’C(O)R’’、NR’SOR’’、NR’COR’’、及びNR’C(O)NR’’R’’’(ここで、
R’はH、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、
R’’は、
(a)1〜4つの基で置換されていてもよいC1−8アルキル(この置換基のうち、0〜4つはハロであり、0〜1つはOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl、及びHARから成る群から選択され、
該Hetcy、Aryl、およびHARは、さらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、およびハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい);
(b)Hetcy、Aryl、又はHAR(該アリール及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)
を表し、
並びにR’’’は、H又はR’’を表す);
f)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキルもしくはハロC1−3アルキル基、又は1〜2つのOC1−3アルキルもしくはハロOC1−3アルキル基、あるいは
i)OH;COH;CN;NH;S(O)0−2(ここで、Rは上記で説明されたとおりのものである)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(このアルキル部分は、1〜3つの基で置換されていてもよく、その置換基のうち、1〜3つはハロであり、1〜2つは、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CNから選択される)
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル、およびC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(このアルキル部分は、上記の(b)に記載されたように置換されていてもよい)
iv)NR’C(O)R’’、NR’SOR’’、NR’COR’’、及びNR’C(O)NR’’R’’’(ここで、
R’、R’’、及びR’’’は上記で説明したとおりである)
から成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)、
から成る群から選択される]
によって表される化合物及びその薬学的に許容される塩又は溶媒和物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
他に指定されない限り、下記のように定義される用語を使用して、本発明を詳細に説明する。
【0014】
アルコキシルやアルカノイルなどの接頭語「alk」を有する他の基と同様に、「アルキル」は、示された数の炭素原子を有する直鎖状、分岐鎖状、又は環状、あるいはそれらの組み合わせの炭素鎖を意味する。原子数が指定されていない場合、直鎖状アルキル基に対しては1〜6個の原子が意図され、分岐鎖状アルキル基に対しては3〜7個の炭素原子が意図される。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。シクロアルキルはアルキルのサブセットであり、よって、原子数の特定がない場合、3〜7個の炭素原子が意図され、縮合した1〜3つの炭素環を形成する。また、「シクロアルキル」は、アリール基に縮合した単環式の環も包含し、その結合点が非芳香族部分にある。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニルなどが挙げられる。
【0015】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、直鎖状又は分岐鎖状あるいはそれらの組合せであってもよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが挙げられる。「シクロアルケニル」なる用語は、アルケニルのサブセットである。
【0016】
炭素環は、水素で置換された炭素原子のみを含む5〜7員の環系である。環Bは、5〜7個の原子の炭素環であってもよい。
【0017】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、直鎖状又は分岐鎖状あるいはそれらの組合せであってもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−へプチニルなどが挙げられる。
【0018】
「Aryl」(Ar)は、6〜10個の炭素原子を有する単環式又は二環式芳香環を意味する。Arylの例としては、フェニル、ナフチル、インデニルなどが挙げられる。
【0019】
特に指定のない限り、「ヘテロアリール」(HAR)は、各環が5〜6個の原子を有し、O、S、S(O)、SO、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む単環式、二環式、及び三環式芳香族環系を意味する。HAR基は、5〜14個の原子、好ましくは5〜13個の原子を含んでいてもよい。例としては、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フロ(2,3b)ピリジル、ベンズオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ジヒドロインドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、2,3ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、ヘテロアリールは、非芳香族又は部分的芳香族である複素環に縮合した芳香族炭素環基又は芳香族複素環基も含み、さらにカルボニルを含んでもよい。別のヘテロアリール基の例として、インドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、及びシクロアルキル環に縮合した芳香族複素環基が挙げられる。また、例として、以下のものが挙げられる。
【0020】
【化2】

【0021】
また、ヘテロアリールは、例えば、ピリジニウムのような基の荷電した形態も含む。
【0022】
特に指定のない限り、「ヘテロシクリル」(Hetcy)は、N、SおよびOより選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む単環式及び二環式飽和環及び環系を意味し、上記の各環は、3〜10個の原子を有し、この原子における結合点は炭素か窒素である。「ヘテロシクリル」の例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、1,4−ジオキサニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、テトラヒドロチエニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、複素環は、互変異性型(例えば、2−及び4−ピリドン)において存在してもよい。そして、複素環は、例えば、ピペリジニウムのような基の荷電した形態も含む。
【0023】
「ハロゲン」(ハロ)としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素などが挙げられる。
【0024】
「実質的に紅潮を伴わずに」という語は、治療量のニコチン酸を投与した場合にしばしば見られる副作用を意味する。ニコチンの紅潮作用は、通常、投与される薬物に対して患者が耐性を獲得するに従って低頻度となり、重症度も低くなるが、それでもなお、紅潮作用はある程度は生じ、一過性となる場合がある。したがって、「実質的に紅潮を伴わずに」とは、紅潮が生じた場合のその重症度が低いか、又は、他の場合よりも紅潮の発生が少ないことを意味する。好ましくは、紅潮の発生率が(ナイアシンに比べて)、少なくとも約3分の1低下し、より好ましくは発生率が半分まで低下し、最も好ましくは、紅潮の発生率が約3分の2以上低下する。同様に、この重症度は(ナイアシンに比べて)、好ましくは少なくとも約3分の1低下し、より好ましくは少なくとも半分低下し、最も好ましくは少なくとも約3分の2低下する。明確に紅潮の発生率と重症度が100パーセント低下することが最も好ましいが、それは要求されるものではない。
【0025】
本発明の1つの態様は、式I:
【0026】
【化3】

【0027】
[式中、
Xは窒素原子又は炭素原子を表し;
YはC又はNを表し、Yが窒素を表す場合には、その窒素原子はH又はRで置換されていてもよく(ここで、Rは、1〜3つのハロ基で置換されていてもよいC1−3アルキルを表す);Yが炭素原子を表す場合には、その炭素原子は水素又はハロで置換されていてもよい);
pは1〜2の整数を表し、pが2の場合には、1つだけのYが窒素原子を表し、
点線は、任意の結合を表し、Zへの点線が、存在する結合を表す場合、ZはO、S、及びNHから選択され、(Y)pへの点線は、存在しない結合を表し;Zへの点線が存在しない結合を表す場合、(Y)pへの点線は存在する結合を表し、ZはOH、SH、NH、COH、及びSOHから選択される基を表し;
環Bは、フェニル、5〜7員の炭素環、あるいは5〜6員のヘテロアリール、複素環基又は部分的芳香族複素環基を表し(該ヘテロアリール、複素環、及び部分的芳香族複素環基は、O、S、およびNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、有するヘテロ原子が最大2つまでにおいて、さらに1つのN原子を有していてもよい);
各Rは、H又はハロであるか、又は
(a)フェニル、あるいはO、S及びNから選択される1つのヘテロ原子を有し、1〜3つのさらなるN原子を有してもよい5〜6員のヘテロアリール基(該フェニル及びヘテロアリール基は1〜3つの置換基で置換されていてもよく、その置換基のうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、NH,C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル、及びハロC1−3アルコキシである)、並びに、
(b)1〜3つの置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル(この置換基のうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、OC1−3アルキル、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、NO、Hetcy、フェニル、並びに5〜6員環のヘテロアリール基(O、S及びNから選択される1つのヘテロ原子を有し、1〜3つのさらなるN原子を有していてもよい)から成る群から選択され、該フェニル及びヘテロアリール基は、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、その置換基のうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシから選択される)、
から成る群から選択され;
環Aは、6〜10員のアリール、5〜13員のヘテロアリール、又は部分的芳香族複素環基であり(前記ヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい);
及びRは、独立して、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、又はFであり、
nは1〜5の整数を表し;
各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH,S(O)0−2(ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、該C1−4アルキル又はフェニルは、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、その置換基のうち、1〜3つはハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2つはOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH、およびNHC1−3アルキルから成る群から選択される)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(該基は、1〜3つの基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、1〜2つは、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy、及びCNから選択される)、
c)Hetcy、NHC1−4アルキル、及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は、上記(b)に記載したような置換基で置換されていてもよい)、
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル、およびC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(このアルキル部分は、上記(b)に記載したような置換基で置換されていてもよい)、
e)NR’C(O)R’’、NR’SOR’’、NR’COR’’、及びNR’C(O)NR’’R’’’(ここで、
R’はH、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、
R’’は、
(a)1〜4つの基で置換されていてもよいC1−8アルキル(その置換基のうち、0〜4つはハロであり、0〜1つはOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、Aryl及びHARから成る群から選択され、前記Hetcy、Aryl、およびHARは、さらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、およびハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、
(b)Hetcy、Aryl、又はHAR(前記Aryl及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、
並びにR’’’は、H又はR’’を表す)
を表し、
f)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキルもしくはハロC1−3アルキル基、又は1〜2つのOC1−3アルキルもしくはハロOC1−3アルキル基、あるいは
i)OH;COH;CN;NH;S(O)0−2(ここで、Rは上記で説明されたとおりのものである)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(このアルキル部分は、1〜3つの基で置換されていてもよく、その置換基のうち、1〜3つはハロであり、1〜2つは、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CNから選択される)、
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル、およびC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は、上記(b)に記載したような置換基で置換されていてもよい)、
iv)NR’C(O)R’’、NR’SOR’’、NR’COR’’、及びNR’C(O)NR’’R’’’(ここで、R’、R’’、及びR’’’は上記で説明したとおりである)
から成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
【0028】
興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、Yは、無置換の窒素原子又はRで置換された窒素原子を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0029】
あるいは、特別に興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、Yは炭素原子を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0030】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、pは1を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0031】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、pは2を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0032】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、Zへの点線が存在する結合を表し、かつZがOを表すか、又はZへの点線が、存在しない結合を表し、かつZがOHを表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0033】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、環Bはフェニル環又は5〜7員の炭素環を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0034】
より特段には、興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、環Bはフェニル環を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0035】
あるいは、興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、環Bは5〜7員の炭素環を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0036】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、環Aは、5〜13員のヘテロアリール、又は部分的芳香族複素環基であり、このヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0037】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、環Aは、5〜13員のヘテロアリールを表し、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有していてもよい)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0038】
より特段には、興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、環Aは、5員のヘテロアリールを表し、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、有するヘテロ原子が最大4つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有していてもよい)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0039】
さらにより特段には、興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、環Aは、オキサジアゾール、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、及びオキサゾールから成る群から選択される、5員環のヘテロアリール基を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0040】
さらにより特段には、興味深い化合物のサブセットは、式I(式中、環Aは、オキサジアゾール及びピラゾールから成る群から選択される、5員のヘテロアリール基を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0041】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、nは2、3、又は4を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0042】
より特段には、興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、nは2を表す)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0043】
特に興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、R及びRは、H、C1−3アルキル、OH及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがOH又はNHである)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0044】
より特段には、特に興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、R及びRは、H、C1−3アルキル、及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがNHである)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0045】
さらにより特段には、興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、R及びRは、H、CH及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがNHである)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0046】
興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ、OH、及びNH
b)NR’SOR’’(ここで、R’は、H、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、R’’は、Hetcy、Aryl、又はHARを表し、前記Aryl及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、及び
c)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキル基で置換されていてもよく、もしくは1〜2つのOC1−3アルキル又はハロOC1−3アルキル基で置換されていてもよく、あるいは1つの部分が、OH及びNHから成る群から選択される)
から成る群から選択される)
の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0047】
特に、興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ又はOH、
b)NR’SOR’’(ここで、R’は、H、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、R’’は、Hetcy、Aryl、又はHARを表し、前記Aryl及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、及び
c)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、メチル、またはハロメチル基で置換されていてもよく、あるいは1つの部分が、OH及びNHから成る群から選択される)
から成る群から選択される)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0048】
より特段には、興味深い化合物の別のサブセットは、式I(式中、各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ又はOH、並びに
b)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、メチル、またはハロメチル基で置換されていてもよく、あるいは1つの部分が、OH及びNHから成る群から選択される)
から成る群から選択される)の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物に関する。このサブセット内では、他のすべての変数は、式Iに関連して記載されているとおりである。
【0049】
本発明の化合物の好ましいサブセットは、式I(式中、
Yは、炭素原子又は窒素原子を表し、
pは1〜2の整数を表し、pが2の場合には、1つだけのYが窒素原子を表し、
点線は、任意の結合を表し、
Zへの点線が存在する結合を表す場合、ZはOを表し、かつ(Y)pへの点線は、存在しない結合を表し、Zへの点線が存在しない結合を表す場合、(Y)pへの点線は存在する結合を表し、かつZはOHを表し、
環Bは、フェニル環又は5〜7員の炭素環を表し、
環Aは、5〜13員のヘテロアリール、又は部分的芳香族複素環基であり(前記ヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい)、
nは、2、3、又は4を表し、
及びRは、H、C1−3アルキル、OH及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがOH又はNHであり、並びに
各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ、OH、及びNH
b)NR’SOR’’(ここで、R’は、H、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、R’’は、Hetcy、Aryl、又はHARを表し、前記アリール及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい);及び
c)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキルもしくはハロC1−3アルキル基、又は1〜2つのOC1−3アルキルもしくはハロOC1−3アルキル基、あるいはOH及びNHから成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0050】
本発明の化合物の例を、下記の表1に示す。
【0051】
【表1−1】

【0052】
【表1−2】

【0053】
これらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物も含まれる。
【0054】
式Iの化合物の多くは、不斉中心を有しており、そのため、ラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、および個々のジアステレオマーとして生じ得る。そのようなすべての異性体型が包含される。
【0055】
さらに、1つの立体中心を有する一般式Iのキラル化合物は、当業者に周知の方法を用いて、キラル環境の存在下でそれらのエナンチオマーに分離され得る。2つ以上の立体中心を有するキラル化合物は、当業者に周知の方法を用いて、それらの物理的性質に基づいて、アキラル環境にてそれらのジアステレオマーに分離することができる。ラセミ形態で得られる単一のジアステレオマーは、上記にて説明したようなそれらのエナンチオマーに分離することができる。
【0056】
所望する場合、化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、当技術分野において周知の方法によって実施し、式Iの化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、次いでこれを分別結晶化又はクロマトグラフィーなどの標準的方法により、個々のジアステレオマーに分離することができる。このカップリング反応は、多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸又は塩基を用いる塩形成である。次いで、このジアステレオマー化合物は、付加させたキラル残基をこのジアステレオマー化合物から切断することによって実質的に純粋なエナンチオマーに変換することができる。
【0057】
また、式Iの化合物のラセミ混合物は、当技術分野において周知の方法であるキラル固定相を用いたクロマトグラフィー法によって直接分離することもできる。
【0058】
あるいは、一般式Iの化合物のエナンチオマーは、光学的に純粋な出発物質または出発試薬を用いた立体特異的合成によって得てもよい。
【0059】
本明細書で説明した化合物の中には、1つ以上の二重結合の移動に付随して水素の異なる結合点を有する互変異性体として存在するものもある。例えば、ケトンとそのエノール型は、ケト−エノール互変異性体である。または、例えば、2−ヒドロキシキノリンは、互変異性体の2−キノロン型として存在し得る。また、互変異性体は、任意の結合を表す点線により、式Iにおいて例示される。この個々の互変異性体とその混合物も包含される。
【0060】
投与量情報
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の投与量は、幅広い限度内で変わる。任意の特定患者に対しての固有の投与方法と量は、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与期間、投与経路、排泄速度、薬物組合わせ及び患者の症状の重症度などを含む様々な因子に依存する。これらの要因について考察することは、症状を予防し、消失させ、またはその進行を阻止するのに必要とされる治療有効量または予防有効量を決定する目的において、十分に通常の知識を有する臨床医の技量の範囲内である。一般的に、この化合物は、低用量の約0.01mg/日から高用量の約2000mg/日までの範囲において、単回又は分割して投与される。代表的な投与量の範囲は、約0.1mg/日から約1g/日までである。当初は低用量で使用し、好ましくない作用をさらに最小限にするために投与量を増加させて使用することができる。本明細書に記載の化合物は、患者に関係する医療状態を治療又は予防するために、適切な期間において毎日投与を基本として投与することが期待され、その期間は、月、年又は患者の生涯に及ぶ治療過程を含む。適当な投与量の例としては、約0.1mg、0.5mg、1mg、2mg、5mg、8mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、60mg、75mg、80mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、750mg、1000mgなどが挙げられる。
【0061】
併用療法
本明細書に記載の化合物とともに、1種以上の別の活性薬剤を投与してもよい。別の活性薬剤は、脂質改変化合物又は他の医薬活性を有する薬剤、又は脂質改変作用と他の医薬活性の両方を有する薬剤であってもよい。採用され得るさらなる別の薬剤としては、ラクトン化又はジヒドロキシ開環酸型のスタチン及びその薬学的に許容される塩もしくはエステルなどのHMG−CoA還元酵素阻害剤(例えば、ロバスタチン(米国特許第4,342,767号を参照のこと)、シンバスタチン(米国特許第4,444,784号を参照のこと)、ジヒドロキシ開環酸シンバスタチン、特にそのアンモニウム塩又はカルシウム塩、プラバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許第4,346,227号を参照のこと)、フルバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許第5,354,772号を参照のこと)アトルバスタチン、特にそのナトリウム塩(米国特許第5,273,995号を参照のこと)、NK−104とも呼ばれるピタバスタチン(PCT国際公開WO97/23200を参照のこと)、及び、CRESTOR(登録商標)として知られているロスバスタチン(米国特許第5,260,440号を参照のこと)などが挙げられるがこれに限定されるものではない);HMG−CoA合成阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレンシンセターゼ阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られている)、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害剤ならびにACAT−1およびACAT−2の二重阻害剤など);ミクロゾマールトリグリセリド移転タンパク質(MTP)阻害剤;内皮リパーゼ阻害剤;胆汁酸隔離剤;LDL受容体インデューサー;血小板凝集阻害剤(例えば、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリンなど);ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γアゴニスト(PPAR−γ)(例えば、ピオグリタゾン及びロシグリタゾンのような一般にグリタゾンと呼ばれる化合物、及び、例えば、チアゾリジンジオンとして知られる構造分類内に含まれる化合物、並びにチアゾリジンジオン構造分類以外のPPAR−γアゴニスト);PPAR−αアゴニスト(例えば、クロフィブレート、微粉化フェノフィブレートなどのフェノフィブレート、及びゲムフィブロジルなど);PPAR二重α/γアゴニスト;ビタミンB(ピリドキシンとしても知られている)及びHCl塩などのその薬学的に許容される塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られている);葉酸又はその薬学的に許容される塩もしくはエステル(例えば、ナトリウム塩およびメチルグルカミン塩など);抗酸化性ビタミン(例えば、ビタミンC及びビタミンE並びにベータカロテンなど);β遮断薬;アンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、ロサルタンなど);アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、エナラプリル及びカプトプリルなど);レニン阻害剤、カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、ニフェジピン及びジルチアゼムなど);エンドセリンアンタゴニスト;ABCA1遺伝子発現を高める薬剤;コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害化合物、アンタゴニスト及びアゴニストの両方を包含するファルネソイドX受容体(FXR)リガンド;肝臓X受容体(LXR)−アルファリガンド、LXR−ベータリガンド、ビスホスフォネート化合物(例えば、アレンドロネートナトリウムなど);シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ及びセレコキシブなど);及び血管の炎症を低減する化合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0062】
また、コレステロール吸収阻害剤も本発明において使用することができる。このような化合物は、腸の内腔から小腸壁の腸細胞へのコレステロールの移動を遮断し、結果として血清コレステロールのレベルを低下させる。コレステロール吸収阻害剤の例は、米国特許第5,846,966号;同第5,631,365号;同第5,767,115号;同第6,133,001号;同第5,886,171号;同第5,856,473号;同第5,756,470号;同第5,739,321号;同第5,919,672号;及びPCT出願WO00/63703;同WO00/60107;同WO00/38725;同WO00/34240;同WO00/20623;同WO97/45406;同WO97/16424;同WO97/16455;及び同WO95/08532に記載されている。最も注目すべきコレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブであり、1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノンとしても知られ、米国特許第5,767,115号及び同第5,846,966号に記載されている。
【0063】
コレステロール吸収阻害剤の治療有効量は、1日の体重当たり約0.01mg/kg〜約30mg/kgの投与量であり、好ましくは約0.1mg/kg〜約15mg/kgである。
【0064】
本発明で使用される化合物は、糖尿病患者に対し、従来の糖尿病投薬法に従って投与することができる。また、本明細書に記載の治療を受ける糖尿病患者は、例えば、インスリン投薬又は経口抗糖尿薬投与も受けることができる。本明細書において有用な経口抗糖尿薬投与の一例は、メトフォルミンである。
【0065】
これらナイアシン受容体アゴニストがある程度の血管拡張を誘発する場合には、式Iの化合物を血管拡張抑制剤と共に投与できることが理解される。従って、本明細書に記載した方法の1つの態様は、紅潮を低減する化合物との併用における、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用に関する。この点において、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、その他のNSAID、COX−2選択的阻害剤などの従来の化合物は、従来の投与量において有用である。あるいは、DPアンタゴニストも、同様に有用である。DP受容体アンタゴニストの投与量と選択性は、DPアンタゴニストがCRTH2受容体を実質的にモジュレートすることなく、DP受容体を選択的にモジュレートするようなものである。特に、DP受容体アンタゴニストは、DP受容体での親和性(すなわち、K)がCRTH2受容体での親和性よりも少なくとも約10倍高い(数値的には、より低いK値)親和性を有していることが理想的である。これらの指標に従って、DPと選択的に相互作用する任意の化合物は、「DP選択的」と見なされる。これは、2004年11月18日に公開された米国出願第2004/0229844(A1)号による(これは、参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0066】
本明細書で説明したDPアンタゴニストの投与量は、哺乳動物患者、特にヒトにおいて紅潮作用を低減又は予防するために有用なものとして低用量の約0.01mg/日から高用量の約100mg/日までの範囲の投与量であり、これを一日1回又は分割して投与する。好ましくは、投与量は、約0.1mg/日から高用量の約1.0g/日までの範囲であり、これを一日1回又は分割して投与する。
【0067】
DP受容体と選択的に拮抗し紅潮作用を抑制することにおいて特に有用な化合物の例としては、2004年12月2日に公開されたPCT出願WO2004/103370A1で開示されたものが挙げられる。
【0068】
式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物とDPアンタゴニストとは、同時に又は連続して、本発明から逸脱することなく、一日一回又は複数回(例えば、1日2回、1日3回、又は1日4回)の投与量で投与することができる。24時間を超える放出プロファイルを示すような徐放性製剤などの持続性放出を所望する場合、隔日において投与してもよい。しかしながら、1日1回の投与が好ましい。同様に、朝方又は夕方の投与も採用できる。
【0069】
塩及び溶媒和物
式Iの化合物の塩及び溶媒和物も本発明に含まれ、この点において、ニコチン酸の多数の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が有用である。アルカリ金属塩、特にナトリウム及びカリウムは、本明細書で説明したような有用な塩を形成する。同様に、アルカリ土類金属、特にカルシウム及びマグネシウムは、本明細書で説明したような有用な塩を形成する。また、アミンの様々な塩(例えば、アンモニウム及び置換アンモニウム化合物)も、本明細書で説明したような有用な塩を形成する。同様に、式Iの化合物の溶媒和された形態は、本発明において有用である。その例としては、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、及びセスキ水和物が挙げられる。
【0070】
また、本発明の複素環酸化合物は、式Iの薬学的に許容されるエステル、及び代謝的に不安定なものを包含する。代謝的に不安定であるエステルとしては、C1−4アルキルエステル、特にエチルエステルが挙げられる。多くのプロドラッグ戦略は、当業者に既知であり、そのような戦略の1つとしては、自身において環化して遊離酸を放出することができるように設計されたペンダント型求核試薬を有するアミノ酸無水物(例えば、リシン)が挙げられる。同様に、アセトン、酸、及び活性酸へと分解され得るアセトン−ケタールジエステルを使用することができる。
【0071】
本発明において使用する化合物は、従来の投与経路にて投与することができる。好適な投与経路は経口である。
【0072】
薬学的組成物
本明細書で説明した医薬組成物は、一般的に、薬学的に許容される担体との併用において、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む。
【0073】
好適な経口組成物の例としては、錠剤、カプセル剤、トローチ、ロゼンジ、懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、シロップ及びエリキシルが挙げられる。担体成分の例としては、希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤などが挙げられる。希釈剤の例としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、及びリン酸ナトリウムが挙げられる。顆粒化剤及び崩壊剤の例としては、コーンスターチ及びアルギン酸が挙げられる。結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、及びアラビアゴムが挙げられる。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、及びタルクが挙げられる。錠剤は、被覆されていなくてもよく、又は既知の技術によって被覆されていてもよい。そのような被覆は、崩壊を遅延する可能性があり、従って、胃腸管での吸収を遅延させ、それによって長時間にわたり持続作用を提供し得る。
【0074】
本発明の1つの態様において、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、別の治療薬剤及び担体と組合わせて、固定併用剤を形成する。この固定併用剤は、経口用の錠剤又はカプセル剤であってもよい。
【0075】
より詳しくは、本発明の別の態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物(約1〜約1000mg)及び第二の治療薬剤(約1〜約500mg)を薬学的に許容される担体と組合わせて、経口用の錠剤又はカプセルを提供する。
【0076】
長時間にわたる持続性放出は、製剤において特に重要な場合がある。時間遅延物質(例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなど)を採用してもよい。この投与剤形は、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号、及び同第4,265,874号に記載されている技術によって被覆して、制御放出用の浸透性治療錠剤を形成してもよい。
【0077】
また、他の制御放出技術も利用可能であり、本発明に含まれる。持続性放出錠剤においてニコチン酸の放出を遅延させるために有用な代表的成分としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、デンプンなどの様々なセルロース化合物が挙げられる。また、様々な天然及び合成物質も持続性放出製剤において使用される。その例としては、アルギン酸及び種々のアルギン酸エステル、ポリビニルピロリドン、トラガカント、ローカストビーンガム、グアガム、ゼラチン、様々な長鎖アルコール(例えばセチルアルコールなど)、及びミツロウなどが挙げられる。
【0078】
選択肢としてより興味深いのは、上記で説明したような錠剤であり、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含み、さらにはシンバスタチン又はアトルバスタチンなどのHMGCo−A還元酵素阻害剤を含む。この特定の実施形態は、同様にDPアンタゴニストを含んでいてもよい。
【0079】
本発明による持続性放出錠剤の代表的な放出時間枠の長さは、約1時間〜約48時間であり、好ましくは約4時間〜約24時間であり、より好ましくは約8時間〜約16時間である。
【0080】
ハードゼラチンカプセル剤は、経口用の別の固体投与形態を構成する。このようなカプセル剤は、上記で説明したような担体物質と混合した有効成分を同様に含む。ソフトゼラチンカプセル剤は、水混和性溶媒(例えば、プロピレングリコール、PEG及びエタノールなど)、又は油(例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油など)と混合した活性成分を含む。
【0081】
また、水性懸濁液も、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合において活性物質を含むものとして意図される。このような賦形剤としては、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント、及びアラビアゴムなど);分散剤又は湿潤剤(例えば、レシチンなど);保存剤(例えば、パラ−ヒドロキシ安息香酸エチル又はパラ−ヒドロキシ安息香酸−n−プロピルなど)、着色剤、着香剤、甘味剤などが挙げられる。
【0082】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1種以上の保存剤との混合において活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤並びに懸濁化剤は、すでに上で記載したもので例示される。
【0083】
また、シロップ及びエリキシルも製剤化することができる。
【0084】
より詳しくは、興味深い医薬組成物は、薬学的に許容される担体と組合わせて、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、2004年12月2日に公開されたWO2004/10337(A1)で開示されている化合物A〜AJからなる群より選択されるDP受容体アンタゴニストとから構成される徐放性錠剤である。
【0085】
より興味深い別の医薬組成物は、薬学的に許容される担体と組合わせて、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、2004年12月2日に公開されたWO2004/103370(A1)で開示されている化合物A、B、D、E、X、AA、AF、AG、AH、AI、及びAJからなる群より選択されるDPアンタゴニストとから構成される錠剤である。
【0086】
より興味深い別の医薬組成物は、薬学的に許容される担体との組合わせで、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と、2004年12月2日に公開されたWO2004/103370(A1)で開示されている化合物A、B、D、E、X、AA、AF、AG、AH、AI、及びAJからなる群より選択されるDP受容体アンタゴニストと、シンバスタチン又はアトルバスタチンとから構成される徐放性錠剤である。
【0087】
用語「組成物」とは、上記の医薬組成物を含有することに加えて、任意の2つ以上の成分、活性成分、賦形剤の併用、複合、又は凝集から、あるいは1つ以上のその成分の解離から、あるいは1つ以上の成分と他の種類との反応又は相互作用から、直接的又は間接的に生じる任意の製造物を包含する。したがって、本発明の医薬組成物は、この化合物と、任意のさらなる活性成分と、薬学的に許容される賦形剤とを混合又は他の方法で組み合わせることによって調製した任意の組成物を包含する。
【0088】
本発明の別の態様は、医薬の製造における、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物並びにDPアンタゴニストの使用に関する。この医薬品は、本明細書で説明した用途を有する。
【0089】
より詳しくは、本発明の別の態様は、医薬の製造における、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、DPアンタゴニスト、及びHMGCo−A還元酵素阻害剤(例えば、シンバスタチン)の使用に関する。この医薬品は、本明細書で説明した用途を有する。
【0090】
本発明の化合物は、抗高脂肪血症活性を有しており、そのために、LDL−C、トリグリセリド、アポリポタンパク質A及び総コレステロールを低下させ、HDL−Cを上昇させる。そのため、本発明化合物は脂質異常症の治療に有用である。したがって、本発明は、症状を治療、予防、又は逆転するために有効な量において式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することによって、アテローム性動脈硬化症並びに本明細書に記載した他の疾病及び症状を治療、予防、又は逆転することに関する。これは、症状を治療又は予防し、その一方で、紅潮の頻度及び/又は重症度の点においては、紅潮作用を予防、低減、又は最少化するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することにより、ヒトにおいて達成される。
【0091】
興味深い本発明の1つの態様は、治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症を治療する方法であって、この患者に、実質的に紅潮を伴わずにアテローム性動脈硬化症を治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法である。
【0092】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者において血清HDLレベルを上昇させる方法であって、この患者に、血清HDLレベルを上昇させるのに有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0093】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者において脂質異常症を治療する方法であって、この患者に、脂質異常症を治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0094】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者において血清VLDL又はLDLレベルを低下させる方法であって、この患者に、実質的に紅潮を伴わずに患者の血清VLDL又はLDLレベルを低下させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0095】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者において血清トリグリセリドレベルを低下させる方法であって、この患者に、血清トリグリセリドレベルを低下させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0096】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者において血清Lp(a)レベルを低下させる方法であって、この患者に、血清Lp(a)レベルを低下させるために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。本明細書において使用する場合、Lp(a)はリポタンパク質(a)を意味する。
【0097】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者において糖尿病、特に2型糖尿病を治療する方法であって、この患者に、糖尿病を治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0098】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者においてメタボリック症候群を治療する方法であって、この患者に、メタボリック症候群を治療するために有効な量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0099】
興味深い本発明の別の態様は、治療を必要とするヒト患者においてアテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリック症候群又は関連する症状を治療する方法であって、この患者に、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物並びにDP受容体アンタゴニスを投与することを含み、その併用剤が、実質的に紅潮を伴わずに、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリック症候群又は関連する症状を治療するために有効な量で投与することを含んでなる方法に関する。
【0100】
興味深い本発明の別の態様は、DP受容体アンタゴニストが化合物A〜AJ並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物から成る群から選択されるところの、上記において説明した方法に関する。
【0101】
式Iの化合物の合成方法
式Iの化合物は、以下の代表的な反応スキームに従って調製した。これらの構造部類に対する同様の試薬、条件、又はその他の合成方法は、有機合成における当業者が着想し得るものであるということは理解される。
従って、これらの反応スキームは、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。全ての置換基は、特に明記されない限り、上記の定義のとおりである。
【0102】
【化4】










【0103】
【化5】

【0104】
【化6】



【0105】
【化7】

【0106】
【化8】

【0107】
【化9】

【0108】
【化10】








【0109】
【化11】

【0110】
【化12】

【0111】
【化13】

【0112】
代表的な実施例
以下の実施例は、本発明をより完全に説明するために提供するものであり、いかなる方法においてもその範囲を限定すると解釈すべきではない。特に記載のない限り、以下のようにして実施した。
(i)全ての操作は、室温又は周囲温度(rt又はRT)、すなわち18〜25℃の範囲の温度で実施した。
(ii)溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下(4.5〜30mmHg)において50℃までの浴温で実施した。
(iii)反応の経過は、薄層クロマトグラフィー(TLC)及び/又はタンデム式高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により追跡し、次いで質量分析(MS)(本明細書ではLCMSと呼ぶ)を行った(反応時間はいずれも説明のためのみに記した)。
(iv)収率は、記載されている場合、説明目的のみである。
(v)全ての最終的な化合物の構造は、MS又はプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトル法の少なくとも1つの技術によって確認し、純度は、TLC又はHPLCの少なくとも1つの技術によって確認した。
(vi)H NMRスペクトルは、Varian Unity又はVarian Inovaの装置のいずれかによって、指定の溶媒を用い、500又は600MHzで記録した;行リストとして記載したNMRデータは、主要な診断プロトンに対するデルタ値の形態であり、残留溶媒ピークと比較して100万分の1(ppm)で示した(多重度及び水素数);シグナルの形状に対して使用した簡便な略号は:s.一重線;d.二重線(見かけ上);t.三重線(見かけ上);m.多重線;br.ブロード;などである。
(vii)MSデータは、ヒューレット−パッカード(エイジレント1100)HPLC装置と接続したウォーターズマイクロマスユニットで記録し、マスリンクス/オープンリンクスソフトウエアで操作した;エレクトロスプレー−イオン法は、正(ES+)又は負(ES−)イオン検出により使用した;LCMS ES+の方法は、1〜2mL/分、10〜95%B直線勾配で5.5分間(B=0.05%TFA−アセトニトリル、A=0.05%TFA−水)とした;及びLCMS ES−の方法は、1〜2mL/分、10〜95%B直線勾配5.5分間(B=0.1%ギ酸−アセトニトリル、A=0.1%ギ酸−水)、ウォーターズXテラC18−3.5μm−50×3.0mmID及びダイオードアレイ検出とした。
(viii)分取用逆相HPLCによる化合物の自動精製は、YMC−パックプロC18カラム(150×20mm i.d.)を用いるギルソンシステムにて、0〜50%アセトニトリル/水(0.1%TFA)により20mL/分で溶出して実施した。
(ix)分取用逆相HPLC(RPHPLC)による化合物の手動精製は、ウォーターズシンメトリープレップC18−5μm−30×100mmID、又はウォーターズアトランティスプレップdC18−5μm−20×100mmID;20mL/分、10−100%B直線勾配15分間(B=0.05%TFA−アセトニトリル、A=0.05%TFA−水);及びダイオードアレイ検出とした。
(x)分取用薄層クロマトグラフィー(PTLC)による化合物の精製は、シリカゲルを塗布した20×20cmのガラス分取プレートにて実施した(アナルテックから入手可能)。
(xi)フラッシュカラムクロマトグラフィーは、キーゼルゲル60、0.063−0.200mm(SiO)を用いたガラスシリカゲルカラムにて、又はバイオテージホリゾン及びバイオテージSP−1システムを含むバイオテージSiOカートリッジシステムステムにて実施した。
(xii)化学記号は、それらの通常の意味を有し、以下の略号を使用した:h(時間)、min(分)、v(容積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq又はequiv(当量)、IC50(最大可能阻害の50%となるモル濃度)、EC50(最大可能効力の50%となるモル濃度)、μM(マイクロモル)、nM(ナノモル)。
(xiii)頭文字及び略語の定義は以下のとおりである。
【0113】
【表2−1】

【0114】
【表2−2】

【0115】
中間体A
【0116】
【化14】

【0117】
メチル−2−オキソシクロヘキサンカルボキシレート(1.56g、10mmol)を、乾燥エタノール5mLに溶解し、ヒドラジン水和物(15mmol、0.47mL)を加えた。得られた溶液を15時間加熱還流した。室温まで冷却すると、白色固体として所望する生成物が沈殿し、これを濾過し冷エタノールで洗浄して、スキーム1で定義した純粋な生成物中間体Aを得た。
【0118】
実施例1
【0119】
【化15】

【0120】
スキーム2に示すように、NaH(7.2g、60%)をDMF(100mL)に加え、続いて0℃で4−メトキシベンジルアルコール(18.7mL)を加えた。0℃にて25分間後、この混合物を23℃まで昇温させ、さらに30分間攪拌した。得られた溶液に、ピリジルシアノブロミド(22.9g)を一度に加えた。この反応物は発熱性であり、10分間攪拌した後、室温まで冷却した。この混合物を酢酸エチル500mLで希釈し、水で洗浄した(500mLで3回)。最初の2つの水層をジクロロメタンで抽出した(500mLで2回)。収集したジクロロメタン層を水で洗浄した(500mLで3回)。収集した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、白色固体としてPMBエーテルを得た。
【0121】
エタノール(500mL)中におけるこの中間体(24.6g)、およびヒドロキシルアミン塩酸塩(8.55g)の懸濁液にNaOH(水50mL中4.92g)を滴下した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。この固体を濾過によって収集して、白色固体としてN−ヒドロキシアミジンを得た。
【0122】
このアミジン中間体(15.4g)に、ピリジン(40mL)及びスキーム2に示した酸塩化物(8.3mL)を加えた。この混合物を120℃で2時間加熱し、次いで130℃で1時間加熱した。ほとんどのピリジンを取り除いた後に、残留物を水とジクロロメタンに分配させた。その有機層を水で4回洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した後、残留物に適量のメタノールを加えた。そして、得られるスラリーを濾過した。濾過で収集した固体をメタノールで洗浄し、減圧にて乾燥して、淡いピンク色の固体としてメチルエステル中間体を得た。
【0123】
このエステル(30g)をTHF/メタノール/水=3:1:1(700mL)に懸濁させ、LiOH(300mL、1N)を加えた。この混合物を室温で1時間攪拌した。ほとんどの溶媒を除去した後、水層をpH=3まで酸性化した。得られたスラリーを濾過して、白色固体を得た。これを水、ジエチルエーテルで洗浄し、トルエンで共沸して、白色固体として酸を得た。
【0124】
中間体A(43mg、0.28mmol)、および上述のカルボン酸(100mg、0.28mmol)をジクロロメタンに溶解させ、0℃に冷却した。HOAt(57mg、0.42mmol)、EDCI(81mg、0.42mmol)、およびDMAP(5mg)を加え、得られた反応混合物を15時間かけて室温まで徐々に昇温させた。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を収集し、エバポレートして、得られた残留物を逆相HPLCによって精製して、白色固体として所望のエステル中間体(106mg)を得た。
【0125】
このエーテル中間体(12mg、0.026mmol)を0℃に冷却したDCM(0.5mL)に溶解させ、TFA(0.25mL)およびトリイソプロピルシラン(0.125mL)を加えた。この反応混合物を1時間0℃に維持し、次いで、減圧下でエバポレートした。その残留物を逆相HPLCで精製して、スキーム2で定義した実施例1を得た。HNMR(DMSO−d,500MHz),δ 10.95(1H,s),10.61(1H,s),8.25(1H,s),7.87(1H,d),7.29(1H,dd),3.51(2H,t),3.27(t,3H),2.79(brs,2H),2.23(brs,2H),1.67−1.61(m,4h);LCMSm/z356(M+1)。
【0126】
実施例2
【0127】
【化16】

【0128】
実施例2は、市販のエチル−4−メチル−2−シクロヘキサノン(スキーム1)から調製した中間体を用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz),δ 10.96(1H,s),10.61(1H,s),8.25(1H,s),7.87(1H,d),7.30(1H,d),3.48(2H,m),3.26(2H,t),3.02(1H,dd),2.30(2H,brm),2.22(1H,brm),1.73(2H,brm),1.23(1H,brm),0.99(3H,d);LCMSm/z370(M+1)。
【0129】
実施例3
【0130】
【化17】

【0131】
実施例3は、市販のメチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレート(スキーム1)から調製した中間体を用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(CDOD,500MHz)δ 8.25(d,1H),7.87(d,1H),7.29(dd,1H),3.46(t,2H),3.29(t,2H),2.83(brs,2H),2.49−2.48(m,2H),2.48−2.41(m,2H);LCMSm/z342(M+1)。
【0132】
実施例4
【0133】
【化18】

【0134】
実施例4は、市販のメチル2−オキソシクロヘプタンカルボキシレート(スキーム1)から調製した中間体を用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 10.92(brs,1H),10.59(brs,1H),8.25(d,1H),7.87(d,1H),7.29(dd,1H),3.54(t,2H),3.25(t,2H),3.17(t,2H),2.35(t,2H),1.73−1.71(m,2H),1.62(brs,2H),1.58−1.57(m,2H);LCMSm/z370(M+1)。
【0135】
実施例5
【0136】
【化19】

【0137】
実施例5は、市販の3−インダゾリノンを用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(CDOD,600MHz),δ 8.24(d,1H),8.19(s,1H),7.94(d,1H),7.70(d,1H),7.54(t,1H),7.33(t,1H),7.29(dd,1H),3.69(t,2H),3.41(t,2H);LCMSm/z352(M+1)。
【0138】
実施例6
【0139】
【化20】

【0140】
実施例6は、市販の7−ニトロ−1,2−ジヒドロ−3H−インダゾール−3−オンを用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(アセトン−d,600MHz)δ 8.58(d,1H),8.33−8.31(m,2H),7.94(d,1H),7.46(t,1H),7.38(d,1H),3.81(t,2H),3.49(t,2H),LCMSm/z397(M+1)。
【0141】
実施例7
【0142】
【化21】

【0143】
亜硝酸ナトリウム(1.2g、16.5mmol)を水2.5mLに溶解し、得られた溶液を濃塩酸水溶液3mL及び水15mL中の2−アミノ−5−フルオロベンゼン酸(2.6g、16.5mmol)に0℃で滴下した。反応混合物を30分間攪拌し、その後、水15mL中の亜硫酸ナトリウム(5.7g、450mmol)を一度に加えた。次いで、この溶液を2時間攪拌した後、濃塩酸水溶液5mLを加えた。この反応混合物を、48時間継続して攪拌し、沈殿した白色固体を濾別し、メタノールで洗浄して、所望する6−フルオロ−1,2−ジヒドロ−3H−インダゾール−3−オンを得た。
【0144】
実施例7は、上述のようにして合成した6−フルオロ−1,2−ジヒドロ−3H−インダゾール−3−オンを用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調整した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 8.21(d,1H),7.97(d,1H),7.52−7.46(m,2H),7.33−7.27(m,2H),7.74(t,2H),3.44(t,2H);LCMSm/z370(M+1)。
【0145】
実施例8
【0146】
【化22】

【0147】
実施例8は、市販の2−アミノ−5−クロロ安息香酸を用いて、実施例7(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 12.39(s,1H),10.60(s,1H),8.24(d,1H),8.21(d,1H),7.87(d,1H),7.83(d,1H),7.63(dd,1H),7.28(dd,1H),3.64(t,1H),3.38(t,2H);LCMSm/z386(M+1)。
【0148】
実施例9
【0149】
【化23】

【0150】
実施例9は、市販の2−アミノ−5−ニトロ安息香酸を用いて、実施例7(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 9.11(d,1H),8.23−8.20(m,2H),7.97(d,1H),7.93(d,1H),7.31(dd,1H),3.75(t,2H),3.46(t,2H;LCMSm/z397(M+1)。
【0151】
実施例10
【0152】
【化24】

【0153】
スキーム3に示すように、−78℃に冷却した無水THF(130mL)中における1,4−シクロヘキサンジオン−モノ−エチレンケタール(4.0g、25.6mmol)を、N雰囲気下にてLHMDS(28mL、28mmol、THF中1.0M)に加えた。1時間攪拌した後、THF(100mL)中における2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(10.0g、25.4mmol)を加えた。この反応混合物を室温まで昇温し、18時間攪拌して、水でクエンチし、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(3回)。収集した有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、(0%EtOAc/ヘキサン→20%EtOAc/ヘキサン)を用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、Horizon)で精製して、無色のオイルとして所望するトリフラート生成物を得た。
【0154】
THF(200mL)中におけるこのトリフレート中間体(7.00g、24.2mmol)の溶液に、2−フルオロ−3−ピリジンボロン酸(3.42g、24.2mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.00g、0.9mmol)を加えた。含水炭酸ナトリウム溶液(1M、48mL)を加え、この反応混合物をNでフラッシングして、50℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈して、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。この粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage Horizon)(20%EtOAc/ヘキサン→40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望するフルオロピリジン生成物を得た。
【0155】
MeOH(10mL)中におけるこのフルオロピリジン中間体(5.71g、24.3mmol)の溶液に、MeOH(10mL)中におけるパラジウム炭素(5%、2g)を加えた。この反応混合物を水素風船下で18時間攪拌し、セライトを通して濾過して、減圧下で濃縮した。この粗材料をTHF/エタノール(100mL/40mL)に溶解し、HCl(80mL、3N)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、1NのNaOHでpH8に調整した。得られた混合物をEtOAcで抽出し(2回)、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン→60%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望するケトン生成物を得た。
【0156】
−78℃に冷却した無水THF(61mL)中におけるこのケトン中間体(1.18g、6.11mmol)の溶液に、N雰囲気下でLHMDS(6.16mL、9.16mmol、THF中1.0M)を加えた。1時間後、Mander試薬(0.686mL、8.54mmol)を加え、その混合物を2時間かけて−40℃まで昇温した。この反応混合物を、1NのHClでクエンチし、EtOAcで抽出した(2回)。その有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。
このケトエステル生成物を、さらなる精製を行わずに、中間体Aについてスキーム1に示したようにして、中間体に変換した。
【0157】
実施例10は、上記中間体を用いて実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 8.25(d,1H),8.10(d,1H),7.92−7.87(m,2H),7.33−7.29(m,2H),3.54−2.47(m,2H),3.31−3.28(m,2H),3.07d,1H),2.89−2.83(m,1H),2.58(dd,1H),1.99−1.87(m,2H);LCMSm/z451(M+1)。
【0158】
実施例11
【0159】
【化25】

【0160】
0℃に冷却したDCM中におけるシクロヘキサン−1,3−ジオン(1.0g、8.92mmol)および2,6−ルチジン(2.07mL、17.84mmol)の溶液を、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.25mL、13.38mmol)で処理した。この反応混合物を室温で30分間攪拌し、1NのHClを加えてクエンチした。得られた混合物をDCMで抽出した。その有機層を1NのHClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物を20%酢酸エチル−ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、明褐色のオイルとして所望のトリフラート生成物を得た。
【0161】
THF(100mL)中におけるこのトリフレート(8.71g、35.7mmol)の溶液に、2,3,5−トリフルオロフェニルボロン酸、NaCO(50mL、2.0M溶液)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(1.0g)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下にて60℃で加熱した。30分後、その反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。その有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物を10%酢酸エチル−ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、明黄色のオイルとして所望のトリフルオロフェニル化合物を得た。
【0162】
−78℃に冷却した無水THF中におけるこのトリフルオロフェニル誘導体(7.5g、33.2mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、LHMDS(36.5mL、36.5mmol、THF中1.0M)を加えた。この反応混合物を、0℃で25分間攪拌した。次いで、それを−78℃に冷却し、シアノギ酸メチル(3.16mL、39.78mmol)を加えた。30分後、この反応混合物を水(100mL)に注いでクエンチした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(3回)。その有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、濾過し、減圧下で濃縮した。その残留物を10%酢酸エチル−ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、黄色固体として所望のケトエステル生成物を得た。
【0163】
メタノール(100mL)中におけるこのケトエステル中間体(7.49g、26.4mmol)の溶液に、Pd/C(100mg、10重量%)を加えた。得られた反応物を、H風船下で18時間攪拌した。この反応混合物をセライトを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、10%酢酸エチル−ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、無色のオイルとして所望の飽和生産物を得た(スキーム4)。このケトエステル生成物を、さらなる精製を行わずに、スキーム1に示したようにして、中間体に変換した。
【0164】
実施例11は、上記中間体を用いて実施例1(スキーム2)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz),δ 8.25(s,1H),7.87(d,1H),7.40−7.37(m,1H),7.31(dd,1H),7.15−7.13(m,1H),3.56−3.48(m,2H),3.27−3.19(m,4H),2.84(q,1H);LCMSm/z486(M+1)。
【0165】
実施例12
【0166】
【化26】

【0167】
実施例12は、市販の3,5−ジフルオロフェニルボロン酸から開始して、実施例11と同様の方法により調製した(スキーム4)。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.06(brs,1H),10.59(brs,1H),8.25(d,1H),7.88(d,1H),7.30(dd,1H),7.06(d,2H),3.52(t,2H),3.29(t,2H),3.06(d,1H),2.91(brs,1H),2.82(brs,1H),2.56(d,1H),2.37(d,1H),1.97(brs,1H),1.88−1.85(m,1H);LCMSm/z468(M+1)。
【0168】
実施例13
【0169】
【化27】

【0170】
スキーム5に示すように、20mLのトルエン溶液中における5−ブロモ−2−シアノピリジン(1g、5.5mmol)、炭酸セシウム(3.6g、11mmol)、4−メトキシベンジルアルコール(1.5g、10.9mmol)の混合物を、窒素下で素早く1,10−フェナントロリン(98mg、0.55mmol)およびヨウ化銅(I)(52mg、0.27mmol)に加えた。反応混合物を120℃で一晩加熱した。次いで、この混合物に水(150mL)を加え、酢酸エチルで2回分配した(100mLで2回)。次に、水層をジクロロメタンで2回抽出した(100mLで2回)。収集した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。その残留物をDMSOに溶解し、RPHPLCで精製して、淡黄色固体として5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−シアノピリジンを得た。8mLのエタノール中におけるこの中間体(60mg、0.25mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(38mg、0.55mmol)のスラリーに、3Nの水酸化ナトリウム水溶液0.17mLを加えた。この反応混合物を23℃で一晩攪拌した。この残留物をRPHPLCで精製して、白色固体として5−(4−メトキシベンジルオキシ)−2−ヒドロキシアミジニルピリジンを得た。CHCl(100mL)中における市販のBoc−tert−ブトキシド−アスパラギン酸(10.0g、35mmol)に、CDI(11g、69mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、上述で調製した対応するN’−ヒドロキシ−ピリジンカルボキシミドアミド(19.0g、69mmol)を加えた。この反応混合物を、さらに2時間攪拌し、その時点で濾過して、その有機層を飽和塩化アンモニウム(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。さらなる精製を行わずに、トルエン(50mL)中におけるアスパラギン酸誘導体(5.0g、9.1mmol)を130℃で16時間加熱した。この混合物を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 40M)で精製した。THF/MeOH/HO(2:5:1)50mL中におけるこのオキサジアゾール(3.71mg、7.0mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(0.84g、21mmol)を加えた。この二層溶液をさらに12時間攪拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、水10mLで希釈して、0℃まで冷却し、濃HClでpH3まで酸性化した。この酸性溶液を酢酸エチル(20mL)で3回抽出し、その有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、所望のカルボン酸を得た。
【0171】
実施例13は、上述のカルボン酸誘導体及び市販の3−インダゾリノンを用いて、実施例1(スキーム2)と同様の方法により調整した(スキーム5)。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 8.84(brs,2H),8.28(d,1H),8.26(d,1H),7.83(d,1H),7.75(d,1H),7.71(t,1H),7.47(t,1H),7.28(d,1H),5.41(q,1H),3.85(dd,1H),3.74(dd,1H);LCMSm/z367(M+1)。
【0172】
実施例14
【0173】
【化28】

【0174】
実施例14は、実施例11のために調製した中間体を用いて実施例13(スキーム5)と同様の方法で調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 10.76(brs,1H),8.65(brs,1H),8.26(dd,1H),7.90(d,1H),7.87(t,1H),7.45−7.40(m,1H),7.38−7.32(m,1H),7.20−7.15(m,2H),5.29(q,1H),3.79−3.55(3H),3.33−3.25(m,2H),2.92−2.90(m,1H),2.76−2.66(m,2H),2.46−2.39(m,2H),1.96−1.91(m,2H);LCMSm/z501(M+1)。
【0175】
実施例15
【0176】
【化29】

【0177】
実施例15は、実施例10のために調製した中間体を用いて実施例13(スキーム5)と同様の方法で調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.43(s,1H),10.71(s,1H),8.62(s,2H),8.27(d,1H),8.13(d,1H),7.93−7.87(m,2H),7.36−7.33(m,2H),5.30(s,1H),3.78−3.64(,2H),3.15−3.11(m,2H),2.98−2.93(m,1H),2.62−2.53(m,2H),2.09−2.08(m,2H),1.98−1.94(m,1H);LCMSm/z466(M+1)。
【0178】
実施例16
【0179】
【化30】

【0180】
実施例16は、実施例2のために調製した中間体を用いて実施例13(スキーム5)と同様の方法で調製した。(主要なジアステレオマー)HNMR(DMSO−d,600MHz),δ 11.08(s,1H),8.46(s,1H),7.40(d,1H),6.94(d,1H),5.59−5.56(m,1H),3.61−3.31(m,3H),3.09−3.00(m,1H),2.61−2.56(m,1H),2.36−3.26(m,1H),2.21−2.16(m,1H),2.08−2.06(m,1H),1.88−1.74(m,2H),1.32(d,2H)1.27−1.21(m,1H);LCMSm/z385(M+1)。
【0181】
実施例17
【0182】
【化31】

【0183】
スキーム6に示すように、エルレンマイヤーフラスコ中にて、0℃に冷却したHF−ピリジン(100g)中における5−アミノ−2−シアノピリジン(20.0g、0.168mmol)の懸濁液に亜硝酸ナトリウム(17.4g、0.25mol)を4回に分けて加えた。0℃で45分間後、この反応今後物を室温で30分間攪拌し、次いで、80℃で90分間加熱した。この反応混合物を、氷/水混合液に注いでクエンチした。得られた混合物をDCMで抽出した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、橙黄色固体としてフルオロピリジンを得た。
【0184】
メタノール(200mL)中におけるこのフルオロピリジンニトリル中間体(16.0g、0.13mol)の懸濁液に、ヒドロキシルアミン(9.63mL、0.16mmol、50重量%)を加えた。この反応混合物を室温で48時間攪拌した後、それをフリット漏斗を通して濾過した。この沈殿物をエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して、黄色固体としてN−ヒドロキシアミジンを得た。
【0185】
無水ピリジン(10mL)中におけるこのアミジン中間体(5.32g、34.3mmol)の懸濁液に、4−クロロ−4−オキソ−メチルブチラート(5mL、41.2mmol)を加えた。得られた反応混合物を120℃で2時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶かし、1NのHCl、水、及び塩水で洗浄した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して暗茶色固体を得た。この物質を、25%〜60%エチル酢酸−ヘキサン勾配を用いたBiotageによって精製し、淡黄色固体としてヘテロビアリール中間体を得た。
【0186】
THF(4mL)中におけるこのエステル中間体(900mg、3.58mmol)の溶液に、メタノール(2mL)を加え、さらに5NのNaOH(1mL)を加えた。30分後、この反応混合物を1NのHCl(5mL)を加えて中和し、次いで濃縮した。残留物を酢酸エチルで抽出し、その有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、カルボン酸の淡黄色固体を得た。
【0187】
実施例17は、上述のカルボン酸と、実施例2のために調製した中間体との反応により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 10.95(brs,1H),8.75(d,1H),8.12(dd,1H),7.95−7.91(m,1H).50(t,2H),3.31(t,2H),3.03(d,1H),2.32−2.21(m,3H),1.75(brs,2H),1.26−1.24(m,1H)m0.99(d,3H);LCMSm/z372(M+1)。
【0188】
実施例18
【0189】
【化32】

【0190】
実施例18は、実施例11のために調製した中間体を用いて実施例17(スキーム6)と同様の方法により、調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.09(s,1H),8.75(d,1H),8.11(dd,1H),7.93(dt,1H),7.40−7.37(m,1H),7.16−7.13(m,1H),3.59−3.48(m,3H),3.32−3.19(m,3H),2.84(dd,1H),2.42−2.37(m,2H),1.90−1.95(m,2H);LCMSm/z488(M+1)。
【0191】
実施例19
【0192】
【化33】

【0193】
実施例19は、実施例10のために調製した中間体を用いて実施例17(スキーム6)と同様の方法により調製した。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 11.08(s,1H),8.76(s,1H),8.12−8.10(m,2H),7.94−7.91(m,2H),7.33(brs,1H),3.54(t,1H),3.06(t,2H),2.87(brs,1H),2.59−2.38(m,4H),1.98−1.90(m,2H);LCMSm/z453(M+1)。
【0194】
実施例20
【0195】
【化34】

【0196】
実施例20は、所望の生成物を得るために中間体として5−フルオロ−2−ヒドロキシアミジニルピリジン(スキーム6)を使用した実施例13(スキーム5)と同様の方法により調製した。実施例11のために調製した中間体を、実施例20の合成に用いた。(主要なジアステレオマー)HNMR(CDOD,500MHz)δ 8.67(d,1H),8.25(dd,1H),7.87−7.83(m,1H),7.08−7.04(m,1H),6.98−6.96(m,1H),5.50−5.46(m,1H),3.98−3.94(m,1H),3.83(dd,1H),3.47−3.37(m,2H),2.98−2.92(m,1H),2.55−2.42(m,2H),2.06(d,1H),1.95(d,1H);LCMSm/z503(M+1)。
【0197】
実施例21
【0198】
【化35】

【0199】
実施例21は、実施例10のために調製した中間体を用いて実施例20と同様の方法により調製した。(主要なジアステレオマー)HNMR(CDOD,500MHz)δ 8.69(s,1H),8.28−8.26(m,1H),8.08(d,1H),7.91−7.85(m,2H),7.33−7.30(m,1H),5.49(q,1H),3.96(dd,1H),3.85−3.78(m,1H),3.21−3.18(m,2H),3.04−3.00(m,1H),2.70−2.62(m,1H),2.47−2.44(m,1H),2.17−2.01(m,2H);LCMSm/z468(M+1)。
【0200】
実施例22
【0201】
【化36】

【0202】
スキーム7に示すように、無水テトラヒドロフラン(20mL)中における市販の2−ブロモ−6−メトキシナフタレン(2.9g、12.2mmol)を窒素雰囲気下で−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.6M、7.6mL、12.2mmol)の溶液を滴下して処理した。この反応混合物を10分間熟成させて、次に、窒素雰囲気下で無水テトラヒドロフランの30mL中における2−ブテン酸(500mg、5.8mmol)の溶液で処理した。この反応混合物を−78℃で1時間熟成させて、水でクエンチし、酢酸エチルに分配させ、その水層を2NのHClでpH2まで酸性化し、酢酸エチルで洗浄して、その有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下でエバポレートして所望の粗カルボン酸生成物を得た。
【0203】
このカルボン酸中間体を、実施例1と同様の方法により市販の3−インダゾリノンとカップリングさせ、所望するインダゾリノンアミド中間体を得た。
【0204】
このインダゾリノンアミド中間体(50mg、0.14mmol)を無水メチレンクロリド(3mL)に溶解し、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却して、三臭化ホウ素(1M、0.1.4mL、0.7mmol)の溶液で処理した。この反応混合物を室温まで昇温し、3時間熟成し、次にメチレンクロライドと水に分配し、その有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で留去した。この生成物を逆相HPLCで精製して、実施例22を得た。HNMR(CDOD,500MHz)δ 8.18(1H,d),7.62(1H,d),7.55−7.44(4H,m),7.26(2H,m),6.94(2H,m),3.54(1H,m),3.37(1H,m),3.26(1H,m),1.35(3H,d);LCMSm/z347(M+1)。
【0205】
実施例23
【0206】
【化37】

【0207】
スキーム8に示すように、THEの200mL中におけるジイソプロピルアミン(5.3g、52mmol)の溶液を、−78℃でn−ブチルリチウム(22.4mL、56mmol、ヘキサン中2.5M)で処理した。得られた溶液を−78℃で30分間攪拌し、次いでさらに室温で30分間攪拌した。この溶液を再び−78℃まで冷却し、この溶液にTHFの80mL中におけるテトラロン(7.03g、39.9mmol)の溶液を滴下した。さらに−78℃で1時間後、上述の溶液にメチル−4−クロロ−4−オキソブチラート(8.43g、6.84mL、56mmol)を一度に加えた。得られた溶液を2時間かけて23℃まで昇温した。次いで、溶媒を留去して、その残留物をTHF/MeOH/水(v:v:v=3:1:1)200mLで希釈した。この混合物に水酸化リチウム(水中で1M)の100mLを加え、得られた溶液を一晩攪拌した。減圧下で溶媒を幾分除去した後、残留した水層を酢酸エチルで抽出した。その水層を、HClによりpH3まで酸性化した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、収集した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、灰色固体としてケト酸を得た。
【0208】
エタノール15mL中におけるこのケト酸中間体(0.72g、2.6mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.22g、3.1mmoL)およびトリエチルアミン(320mg、0.44mL、3.1mmol)を加えた。得られた混合物を5時間加熱還流した。減圧下でエタノールを除去した後、残留物を酢酸エチル(100mL)と1NのHCl(20mL)で希釈した。その水層を、クロロホルム中30%イソプロパノールでさらに抽出した(2×30mL)。その有機層を収集し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、淡黄色固体として三環式物を得た。この中間体をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、0℃にて三臭化ホウ素(10mL、ジクロロメタン中1M)を加えた。得られた暗溶液を室温で4時間攪拌してから、それを0℃にて水100mLでクエンチした。この混合物を、クロロホルム中30%イソプロパノールで抽出した。この水層には黄色固体である多くの生成物が含まれており、それを濾過して収集した。この水層をクロロホルム中30%イソプロパノールによってさらに抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮し、逆相HPLCで精製した後、黄色固体としてヒドロキシ生成物を得た。
【0209】
ジクロロメタン15mL中におけるこのヒドロキシ酸中間体(110mg、0.42mmol)の溶液に、室温でイミダゾール(87mg、1.3mmol)およびtert−ブチルジメチルシリルクロライド(192mg、1.3mmoL)を加えた。得られた混合物を4時間攪拌した。この混合物をBiotageで精製し、無色のオイルとして所望する生成物を得た。このカルボン酸中間体(7mg、0.05mmol)を2mLのDCMに溶解させ、塩化オキサイル(DCM中において2M)(0.14,mmol、0.7mL)を加え、続いて無水DMFを2滴加えた。この反応物を30分間攪拌し、その後40℃に加熱して、窒素を流しながらエバポレートした。残留物を真空ポンプで1時間減圧し、次いでTHF(2mL)に取り、トリエチルアミン(0.14mmol、0.02mL)の5.0当量を加えた。得られた懸濁液を5分間攪拌し、シリンジで取り、THF2mLに溶解させた3−テトラヒドロインダゾリノン(0.13mmol、17mg)の溶液に加えて、0℃に冷却した。次いで、この反応混合物を0℃で3時間攪拌してから、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。収集した有機抽出物を減圧にてエバポレートし、5%MeOH/DCM中におけるPTLCによって実施例23を精製した(スキーム8)。HNMR(CDOD,500MHz)δ 7.70(d,1H),7.55(t,1H),7.45−7.43(m,2H),7.15(d,1H),7.08−7.04(m,1H),6.68−6.64(m,2H),3.32−3.23(m,4H),2.91−2.86(m,4H),2.81(brs,2H),2.60−2.57(m,2H);LCMSm/z380(M+1)。
【0210】
実施例24
【0211】
【化38】

【0212】
スキーム9に示すように、ジエチルエーテル(15mL)中におけるカルボン酸誘導体(実施例22において調製した)(250mg、1.0mmol)を、窒素雰囲気下にて、無水ジエチルエーテル15mL中におけるリチウムアルミニウムヒドライド(76mg、2.0mmol)の溶液に滴下した。この反応混合物を熟成させ、ロッシェル塩水溶液でクエンチし、さらに2時間攪拌して、飽和NaHCO水溶液とジエチルエーテルに分配させ、その有機層を分離して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にてエバポレートして粗アルコール生成物(200mg)を得た。このアルコール(180mg、0.75mmol)を、塩化メチレン溶媒(15mL)中におけるヨードベンゼンジアセタート(266mg、0.83mmol)及び触媒性TEMPO(10%)によって直接酸化した。この反応混合物を含水チオ硫酸ナトリウムでクエンチし、メチレンクロライドで分配して、その有機層をNaHCO水溶液で洗浄し、この有機層を減圧にて濃縮して混じりけのないアルデヒド生成物を得た。この粗アルデヒド中間体(180mg、0.75mmol)を、トルエン(20mL)中におけるメチル(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸(376mg、1.1mmol)と混合し、その反応混合物を加熱還流した。この混合物を減圧にて濃縮し、その残留物をフラッシュカラムクロトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製して所望するエン酸メチルを得た。この中間体をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、1NのNaOH水溶液(2mL)で処理し、還流して、その混合物を冷却し、酸性化して、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を減圧にて濃縮し、清浄なエン酸を得た。それを、メタノール(15mL)中における触媒パラジウム炭素で直接処理して、水素を充填した気球により1気圧で水素添加した。この反応混合物をセライトで濾過し、減圧にて濃縮して、混じりけのないカルボン酸中間体を得た。
【0213】
この中間体(60mg、0.22mmol)を無水メチレンクロライド(3mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で−78℃に冷却して、三臭化ホウ素(1M、1.1mL、1.1mmol)の溶液で処理した。反応混合物を室温まで昇温し、3時間熟成させて、メチレンクロライドと水に分配させて、その有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にてエバポレートした。この生成物を逆相HPLCによって精製し、所望するヒドロキシル中間体を得た。
【0214】
ジクロロメタン5mL中におけるこのヒドロキシ酸中間体(31mg、0.11mmol)の溶液に、室温でトリエチルアミン(0.1mL、0.72mmol)、DMAP(3mg)、およびtert−ブチルジメチルシリルクロライド(54mg、0.36mmoL)を加えた。得られた混合物を6時間攪拌した。次いで、この混合物を10%MeOH/DCMのPTLCによって精製し、所望するシリル保護された生成物(34mg)を得た。このシリル保護された中間体(33mg、0.09mmol)を2mLのDCMに溶解させ、オキサリルクロライド(DCM中において2M)(0.27mmol、0.13mL)を加え、さらに無水DMFを2滴加えた。この反応物を30分間攪拌してから40℃まで加熱し、窒素を流しながらエバポレートした。残留物を真空ポンプで1時間減圧し、次いでTHF(2mL)に取って0℃に冷却し、THF1mL中に溶解させた中間体A(0.23mmol、30mg)の溶液を加えた。そして、この反応混合物を、室温までゆっくりと一晩昇温させ、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。収集した有機抽出物を減圧にてエバポレートし、この生成物を逆相HPLCによって精製した。この中間体(7mg、0.01mmol)をメチレンクロライド(0.5mL)およびトリフルオロ酢酸(0.5mL)に取り、室温で1時間攪拌してから、その反応混合物を減圧にてエバポレートした。この反応残留物を、10%MeOH/DCMのPTLCによって精製し、実施例24を得た。HNMR(DMSO−d,500MHz)δ 7.67(d,1H),7.55−7.48(m,1H),7.44(s,1H),7.20(d,1H),7.05(t,1H),6.98−6.91(m,1H),2.97(t,2H),2.80−2.78(m,1H),1.76−1.55(m,4H),1.36)d,3H);LCMSm/z379(M+1)。
【0215】
実施例25
【0216】
【化39】

【0217】
スキーム10に示すように、0℃にて、THF(40mL)中におけるトリメチルホスホノアセテート(582mg、3.19mmol)を、n−ブチルリチウム(1.6M、3.49mmol、2.18mL)に加えた。得られた反応混合物を30分間攪拌してから、THF(10mL)中における1−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサルデヒド(628mg、2.91mmol)を加え、その反応混合物を室温までゆっくりと一晩昇温させた。この反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。減圧下でエバポレートして得た残留物を、カラムクロトグラフィー(SiO)で精製して、所望するα、β−不飽和エステル生成物を得た。
【0218】
このα、β不飽和エステル中間体(740mg)を、THF(5mL)、MeOH(5mL)、および1NのLiOH水溶液(5mL)に溶解させた。3時間後、この反応混合物をpH4に酸性化して、酢酸エチルで抽出した。収集した有機抽出物をエバポレートして、白色固体として所望するカルボン酸生成物を得た。これを、さらなる精製を行わずに使用した。
【0219】
メタノール20mL中におけるこの中間体(250mg、1.0mmol)およびPd/C(10%、50mg)を、水素ガス1気圧下(風船)で2時間攪拌した。このスラリーを濾過して、減圧にて濃縮した。この所望の飽和生成物は、さらなる精製を行わずに使用した。
【0220】
この中間体(30mg、0.11mmol)をジクロロメタン(2.5mL)に溶解させ、0℃にて三臭化ホウ素(0.57mL、ジクロロメタン中1M)に加えた。得られた暗溶液を、室温で4時間攪拌してから、それを0℃にて水10mLでクエンチした。この混合物を、クロロホルム中30%イソプロパノールで抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、逆相HPLCで精製した後、白色固体として所望するヒドロキシル生成物を得た。
【0221】
ジクロロメタン2mL中におけるこのヒドロキシ酸中間体(28mg、0.1mmol)の溶液に、室温でトリエチルアミン(0.11mL、0.74mmol)、DMAP(3mg)、およびtert−ブチルジメチルシリルクロライド(50mg、0.33mmoL)を加えた。得られた混合物を6時間攪拌してから、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。所望の粗シリル生成物は、さらなる精製を行わずに使用した。
【0222】
このカルボン酸中間体(10mg、0.03mmol)を2mLDCMに溶解させ、塩化オキサイル(DCM中において2M)(0.09mmol、0.04mL)を加え、さらに無水DMFを1滴加えた。この反応物を30分間攪拌し、その後40℃に加熱して、窒素を流しながらエバポレートした。残渣を真空ポンプで1時間減圧し、DCM(2mL)中に入れた。得られた懸濁液を0℃に冷却し、3−インダゾリノン(0.08mmol、10mg)を加えた。この反応混合物を、15時間かけてゆっくりと室温まで昇温させてから、飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。収集した有機抽出物を減圧下でエバポレートして、逆相HPLCによって実施例25を精製した。HNMR(CDOD,500MHz)δ 8.24(d,1H),7.64(d,1H),7.50(t,1H),7.40(s,1H),7.29(t,1H),7.09(d,2H),6.80(d,2H),3.23(t,2H),2.89(t,2H),2.12(s,3H);LCMSm/z363(M+1)。
【0223】
生物学的アッセイ
ナイアシン受容体のアフィニティ及び機能に関する本発明の化合物の活性は、以下のアッセイを用いて評価することができる。
【0224】
H−ナイアシン結合アッセイ:
1.膜:膜画分調製物は、以下の溶液中にて液化窒素中に保存する。
20mmM HEPES、pH7.4
0.1mM EDTA
【0225】
受容体膜を急速に解凍し、氷上におく。
ピペットで激しく上下させて再懸濁し、全ての管にプールし、よく混合する。
15μg/ウェルの混じりけのないヒト受容体膜、10μg/ウェルの混じりけのないマウス受容体膜、30μg/ウェルの混じりけのない調製膜を使用する。
【0226】
1a.(ヒト):結合緩衝液中で希釈する。
1b.(人間+4%血清):100%ヒト血清ストック(−20℃で保存されていた)の5.7%を加えて最終濃度を4%にする。結合緩衝液中で希釈する。
1c.(マウス):結合緩衝液中で希釈する。
【0227】
2.緩衝液で洗浄し、緩衝液で希釈する:以下の氷冷結合緩衝液10リットルを作製する:
20mM HEPES、pH7.4
1mM MgCl
0.01% CHAPS(w/v)
分子グレード又はddHO水を使用する
【0228】
3.[5,6−H]−ニコチン酸:American Radiolabeled Chemicals, Inc.(カタログ番号#ART−689)。ストックは、〜50Ci/mmol、1mCi/ml、エタノール中の1mlの合計→20μM
【0229】
7.5%EtOH及び0.25μMトレーサーを含む中間体H−ナイアシン使用液を作製する。この溶液の40μLを各ウェル中合計200μLに希釈する→最終濃度は、1.5%EtOH、50nMトレーサー
【0230】
4.未標識のニコチン酸
100mM、10mM、および80uMのストックを作製し、−20℃で保存する。DMSOで希釈する。
【0231】
5.プレートの準備
1)手動でプレートに分取する。すべての化合物について二回ずつ試験する。各実験において、10mMの未標識ニコチン酸が試料化合物として含有されていなければならない。
2)10mMの化合物をすべてのプレートにおいて1:5(8μl:40μl)で希釈する。
3)195μLの結合緩衝液を中間プレートのすべてのウェルに加えて使用液を作製する(250μM→0)。各薬物プレートに対し1つの中間プレートがある。
4)薬物プレートから中間プレートに5μLを移入する。4、5回混ぜる。
【0232】
6.手順
1)好適に希釈した19CD膜の140μLをすべてのウェルに加える。それぞれの薬物プレートには3つのプレートがあり、1つはヒト、1つはヒト+血清、1つはマウス用である。
2)好適な中間プレートから化合物20μLを加える。
3)0.25μMのH−ニコチン酸40μLをすべてのウェルに加える。
4)プレートを密封し、アルミホイルで覆い、滴定プレートシェーカーによりスピード2において室温で3〜4時間振盪する。
5)濾過して、200μLの氷冷した結合緩衝液で8回洗浄する。
最後のプレートの後に必ず1リットル以上の水で装置を洗浄する。
6)フード中にて一晩空気乾燥する(空気が貫流できるように、プレートを支持する)。
7)プレートの後部を密封する。
8)各ウェルに40μLのMicroscint−20を加える。
9)シーラーで上部を密封する。
10)Packard Topcountシンチレーションカウンターで計測する。
11)計算プログラムにデータを送り、Prismで生の計測値をプロットして、発生したグラフと、IC50値が一致することを確認する。
【0233】
本発明の化合物は、概して、H−ニコチン酸競合結合アッセイにおいて1nM〜25μMの範囲内のIC50を有している。
【0234】
35S−GTPγS結合アッセイ
ナイアシン受容体又はベクター対照(7μg/アッセイ)を安定的に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞から調製した膜を、ワラックシンチストリッププレートにて、アッセイ緩衝液(100mM HEPES、100mM NaCl、及び10mM MgCl、pH7.4)で希釈し、40μMのGDPを含有するアッセイ緩衝液(最終[GDP]は10μM)で希釈した試験化合物と10分間プレインキュベートしてから、さらに35S−GTPγSを0.3nMまで加えた。化合物が沈殿しないように、すべての化合物を最初に100%DMSO中で調製し、次いでアッセイ緩衝液で希釈して、アッセイ中のDMSOの最終濃度を3%にした。結合を1時間進行させてから、プレートを室温にて、4000rpmで15分間遠心分離し、続いてTopCountシンチレーションカウンターで計測した。GraphPad Prismにて結合曲線の非線形回帰分析を実施した。
【0235】
膜の調製
材料
CHO−K1細胞培地:10%FBS、2mML−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、及び400μg/mlのG418を含むF−12ケーイン(Kaighn’s)改変細胞培地
【0236】
膜掻き取り緩衝液バッファー: 20mM HEPES
10mM EDTA、pH7.4
膜洗浄緩衝液: 20mM HEPES
0.1mM EDTA、pH7.4
プロテアーゼ阻害剤カクテル: P−8340(シグマ社、セントルイス、MO)
【0237】
手順
(調製中は全てのもの(緩衝液及び細胞のプレート)を氷冷中に保持する)
・15cmのプレートから細胞培地を吸引し、5mLの冷PBSで洗浄して、吸引する。
・5mLの膜掻き取り緩衝液を加え、細胞を掻き取る。掻き取ったものを50mL遠心管に移す。50μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを加える。
・4℃にて20,000rpmで17分間回転させる。
・上清を吸引し、ペレットを30mLの膜洗浄緩衝剤に再懸濁する。50μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルを加える。
・4℃にて20,000rpmで17分間回転させる。
・膜ペレットから上清を吸引する。このペレットは、後の使用のために、−80℃に凍結してもよいし、又は直ちに使用してもよい。
【0238】
アッセイ
材料
グアノシン5’−二リン酸ナトリウム塩(GDP、Sigma−Aldrich社 カタログ番号#87127)
グアノシン5’−[γ35S]チオトリフォスフェート、トリエチルアンモニウム塩([35S]GTPγS、Amersham Biosciences社 カタログ番号#SJ1320、〜1000Ci/mmol)
96ウェル−シンチプレート(Perkin−Elmer社#1450−501)
結合緩衝液: 20mM HEPES、pH7.4
100mM NaCl
10mM MgCl
GDP緩衝液:0.4〜40μMの範囲の結合緩衝液プラスGDPをアッセイ前に新たに作製する。
【0239】
手順
(総アッセイ容量=100μ/ウエル)
化合物の有無にかかわらないGDP緩衝液25μL(最終濃度はGDP10μM−そのため40μMストック液使用)
結合緩衝液中の膜50μL(0.4mgタンパク質/mL)
結合緩衝液中の[35S]GTPγS25μL これは5μlの[35S]GTPγSストック液を10mLの結合緩衝液(このバッファーはGDPを含まない)に加えて調製する。
【0240】
・スクリーニングのために化合物プレートを解凍する(100%DMSO中2mMの化合物5μLを入れたdaughter plate)。
・化合物2mMを245μLのGDP緩衝液により1:50で希釈して2%DMSO中40μMにする(注:GDP緩衝液中のGDPの濃度は、受容体によって変わり、ノイズに対してシグナルが最大になるように最適化しなければならない;40μM)。
・凍結膜ペレットを氷上で解凍する(注:それらはこの時点では膜であり、膜調製工程中、塩を含まない低張緩衝液中で細胞は壊され、ほとんどの細胞蛋白質は洗い流される)。
・POLYTRON PT3100(7000rpm設定のプローブPT−DA3007/2)を用いて懸濁液となるまで、膜を手早く(数秒−膜が温まらないようにする。そのために破壊及び均一化は氷上で行う)均一化する。ブラッドフォードアッセイにより膜タンパク質濃度を決定する。膜を、結合緩衝液中0.40mg/mlのタンパク質濃度に希釈する(注:最終アッセイ濃度は20μg/ウエルである)。
・1ウェル当たり25μLの化合物(GDP緩衝液中)をシンチプレートに加える。
・1ウェル当たり50μLの膜をシンチプレートに加える。
・室温で5〜10分間プレインキュベートする(化合物が光に感応する場合があるので、プレートをホイルで覆う)。
・25μLの希釈した[35S]GTPγSを加える。室温で60分間、シェーカー(Lab−Lineモデル#1314、設定4で振盪)上でインキュベートする。化合物が光に感応する場合があるので、プレートをホイルで覆う。
・プレートカバーで密封したプレートを22℃で2500rpmにて20分間回転することにより、アッセイを停止する。
・TopCountNXTシンチレーションカウンター−35Sプロトコールで読み取る。
【0241】
本発明の化合物は、一般的に、1μM未満〜おおよそ100μMの範囲での機能インビトロGTPγS結合アッセイにおいて、EC50を有する。
【0242】
レーザードップラーによる紅潮
雄C57B16マウス(〜25g)を10mg/ml/kgのネンブタールナトリウムで麻酔する。アンタゴニストを投与するときには、アンタゴニストをネンブタール麻酔と一緒に注射する。10分後、この動物をレーザーの下に置き、耳たぶを裏返して固定し、腹側を露出させる。レーザーを耳の中心部に合わせ、8.4〜9.0Vの強度に絞る(一般的には耳の上〜4.5cm)。データの取得は、15×15の画像フォーマット、自動間隔、60画像、及び中間分解能で20秒間の遅れで開始する。10番目の画像の後に、試験化合物を腹腔空隙への注射により投与する。画像1〜10は動物のベースラインと考えられ、データはベースライン平均強度の平均に正規化する。
【0243】
材料及び方法−Laser Doppler Pirimed PimII;ナイアシン(Sigma社);ネンブタール(Abbott Labs社)。
【0244】
本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体を本明細書に組み入れるものとする。
ある特定の好適な実施形態が本明細書において詳細に記載されているが、多くの代替の実施形態が本発明の範囲内に包含されるものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
Xは窒素原子又は炭素原子を表し;
YはC又はNを表し;Yが窒素を表す場合には、該窒素原子はH又はRで置換されていてもよく(ここで、Rは、1〜3つのハロ基で置換されていてもよいC1−3アルキルを表し、Yが炭素原子を表す場合には、該炭素原子は水素又はハロで置換されていてもよい);
pは1〜2の整数を表し;pが2の場合には、1つだけのYが窒素原子を表し、
点線は、任意の結合を表し、Zへの点線が、存在する結合を表す場合、ZはO、S、及びNHから選択され、(Y)への点線は、存在しない結合を表し;Zへの点線が存在しない結合を表す場合、(Y)pへの点線は存在する結合を表し、ZはOH、SH、NH、COH、及びSOHから選択される基を表し;
環Bは、フェニル、5〜7員の炭素環、あるいは5〜6員のヘテロアリール、複素環基、又は部分的芳香族複素環基を表し(該ヘテロアリール、複素環、及び部分的芳香族複素環基は、O、S、およびNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、有するヘテロ原子が最大2つまで、さらに1つのN原子を有していてもよい);
各Rは、H又はハロであるか、又は
(a)フェニル、あるいは、O、S、及びNから選択される1つのヘテロ原子を有し、1〜3つのさらなるN原子を有してもよい5〜6員のヘテロアリール基(該フェニル及びヘテロアリール基は1〜3つの置換基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、NH,C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル、及びハロC1−3アルコキシである)、並びに
(b)1〜3つの置換基で置換されていてもよいC1−3アルキル(該置換基のうち、1〜3つはハロ原子であり、0〜1つは、OH、OC1−3アルキル、NH,NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN、NO,Hetcy、フェニル、並びに、O、S、及びNから選択される1つのヘテロ原子を有し、1〜3つのさらなるN原子を有していてもよい5〜6員のヘテロアリール基(該フェニル及びヘテロアリール基は、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、0〜1つは、OH、NH,C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル、およびハロC1−3アルコキシから選択される)から成る群から選択される)
から成る群から選択され;
環Aは、6〜10員のアリール、5〜13員のヘテロアリール、又は部分的芳香族複素環基であり(該ヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい);
及びRは、独立して、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH,又はFであり;
nは1〜5の整数を表し;
各Rは、Hであるか、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH,S(O)0−2(ここで、Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、該C1−4アルキル又はフェニルは、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基のうち、1〜3つはハロ及びC1−3アルキルから選択され、1〜2つはOC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH,およびNHC1−3アルキルから成る群から選択される)、
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(該基は、1〜3つの基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、1〜2つは、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH,NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル),Hetcy、及びCNから選択される)、
c)Hetcy、NHC1−4アルキル、及びN(C1−4アルキル)(これらのアルキル部分は、上記(b)に記載したような置換基で置換されていてもよい)、
d)C(O)NH,C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル、およびC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(これらのアルキル部分は、上記(b)に記載したような置換基で置換されていてもよい)、
e)NR’C(O)R’’、NR’SOR’’、NR’COR’’、及びNR’C(O)NR’’R’’’(ここで、
R’はH、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、
R’’は、
(a)1〜4つの基で置換されていてもよいC1−8アルキル(該置換基のうち、0〜4つはハロであり、0〜1つはOC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH,NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル),CN、Hetcy、Aryl、及びHARから成る群から選択され、
該Hetcy、Aryl、およびHARは、さらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、およびハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、
(b)Hetcy、Aryl、又はHAR(該Aryl及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)
を表し、
R’’’はH又はR’’を表す)
f)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキルもしくはハロC1−3アルキル基、又は1〜2つのOC1−3アルキルもしくはハロOC1−3アルキル基、又は
i)OH;COH;CN;NH;S(O)0−2(ここで、Rは上記で説明したとおりのものである)、
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(該アルキル部分は、1〜3つの基で置換されていてもよく、そのうち、1〜3つはハロであり、1〜2つは、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH,NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CNから選択される)、
iii)C(O)NH,C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル、およびC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(該アルキル部分は、上記(b)に記載したような置換基で置換されていてもよい)、
iv)NR’C(O)R’’、NR’SOR’’、NR’COR’’、及びNR’C(O)NR’’R’’’(ここで、R’、R’’、及びR’’’は上記で説明したとおりである)
から成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される]
によって表される化合物又は医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
Yが、無置換の窒素原子、又はRで置換された窒素原子を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが炭素原子を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
pが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
pが2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記点線が任意の結合を表し、
Zへの該点線が存在する結合を表す場合、ZはOを表し、
Zへの該点線が存在しない結合を表し、(Y)への該点線が存在する結合を表す場合、ZはOHを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環Bが、フェニル環又は5〜7員の炭素環を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
環Bがフェニル環を表す、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
環Bが5〜7員の炭素環を表す、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
環Aが、5〜13員のヘテロアリール又は部分的芳香族複素環基であり、該ヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子1つを有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
環Aが、5〜13員のヘテロアリール基を表し、該ヘテロアリールがO、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有しており、かつ有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有していてもよい、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
環Aは、5員のヘテロアリール基を表し、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有しており、かつ有するヘテロ原子が最大4つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有していてもよい、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
環Aが、オキサジアゾール、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、及びオキサゾールから成る群から選択される5員のヘテロアリール基を表す、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
環Aが、オキサジアゾール及びピラゾールから成る群から選択される5員環のヘテロアリール基を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
nが2、3、又は4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
nが2である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
及びRが、H、C1−3アルキル、OH、及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがOH又はNHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
及びRが、H、C1−3アルキル、及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがNHである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
及びRは、H、CH、及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがNHである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
各Rが、Hであるか、あるいは、
a)ハロ、OH、及びNH
b)NR’SOR’’(ここで、R’は、H、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、R’’は、Hetcy、Aryl、又はHARを表し、該Aryl及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、並びに
c)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキルもしくはハロC1−3アルキル基、又は1〜2つのOC1−3アルキルもしくはハロOC1−3アルキル基、又はOH及びNHから成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
各Rが、Hであるか、あるいは、
a)ハロ又はOH、
b)NR’SOR’’(ここで、R’は、H、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、R’’は、Hetcy、Aryl、又はHARを表し、該Aryl及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、並びに
c)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、メチルもしくはハロメチル基、又はOH及びNHから成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
各Rが、Hであるか、あるいは、
a)ハロ又はOH、並びに
b)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、メチルもしくはハロメチル基、又はOH及びNHから成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
Yが、炭素原子又は窒素原子を表し、
pが1〜2の整数を表し、ただし、pが2の場合には1つだけのYが窒素原子を表し;
点線は、任意の結合を表し;
Zへの点線が存在する結合を表す場合、ZはOを表し、かつ(Y)への点線は、存在しない結合を表し;
Zへの点線が存在しない結合を表す場合、(Y)への点線は、存在する結合を表し、かつZはOHを表し;
環Bは、フェニル環又は5〜7員の炭素環を表し;
環Aは、5〜13員環のヘテロアリール、又は部分的芳香族複素環基であり(該ヘテロアリール及び部分的芳香族複素環基は、O、S、及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有し、さらに有するヘテロ原子が最大5つまでにおいて、O及びSから選択される別のヘテロ原子を1つ有していてもよく、さらに1〜3つのN原子を有してもよい);
nは、2,3,又は4を表し;
各R及びRは、H、C1−3アルキル、OH、及びNHから成る群から選択され、ただし、一方だけがOH又はNHであり、並びに、
各Rが、Hであるか、あるいは
a)ハロ、OH、及びNH
b)NR’SOR’’(ここで、R’は、H、C1−3アルキル、又はハロC1−3アルキルを表し、R’’は、Hetcy、Aryl、又はHARを表し、該アリール及びHARはさらに1〜3つのハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、及びハロC1−4アルコキシ基で置換されていてもよい)、並びに
c)フェニル、あるいは5〜6員のヘテロアリール又は複素環基(任意の結合可能な位置で結合し、1〜3つのハロ、C1−3アルキルもしくはハロC1−3アルキル基、又は1〜2つのOC1−3アルキルもしくはハロOC1−3アルキル基、あるいはOH及びNHから成る群から選択される一部分で置換されていてもよい)
から成る群から選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
表3:
【表1−1】

【表1−2】


から選択される請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項26】
治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症を治療する方法であって、該患者にアテローム性動脈硬化症を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項27】
治療を必要とするヒト患者において、脂質異常症を治療する方法であって、該患者に脂質異常症を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項28】
治療を必要とするヒト患者において、糖尿病を治療する方法であって、該患者に糖尿病を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項29】
治療を必要とするヒト患者において、メタボリック症候群を治療する方法であって、該患者にメタボリック症候群を治療するために有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項30】
治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、メタボリック症候群又は関連する症状を治療する方法であって、該患者に請求項1に記載の化合物及びDP受容体アンタゴニスを投与することを含み、該化合物が、実質的に紅潮を伴わずに、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病又は関連する症状を治療するために有効な量において投与される方法。

【公表番号】特表2010−506915(P2010−506915A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533345(P2009−533345)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/022072
【国際公開番号】WO2008/051403
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】