説明

ナイアシン受容体アゴニスト、該化合物を含有する組成物及び治療の方法

本発明は、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常などを治療するのに有用である式(I)の化合物並びに医薬として許容されるその塩及び水和物を包含する。医薬組成物及び使用の方法も含まれる。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、アリール−シクロアルケン化合物、このような化合物を含有する組成物、並びに、主として脂質代謝異常に関連する疾病及び症状において、このような化合物を使用する治療又は予防の方法に関する。脂質代謝異常は、血清脂質が異常である症状である。上昇したコレステロール及び高密度リポタンパク質(HDL)の低いレベルは、アテローム性動脈硬化症及び心血管疾患の正常より高いリスクを伴う、アテローム性動脈硬化症に対する独立のリスク因子である。血清コレステロールに影響を与えることが知られた因子には、遺伝的素因、食事、体重、身体活動の程度、年齢及び性別が含まれる。正常な量のコレステロールは、細胞膜並びにステロイド及び胆汁酸などの必須有機分子に対する不可欠な構築単位であるが、過剰のコレステロールは、心血管疾患に寄与することが知られている。例えば、コレステロールは、泡沫細胞との関係を通じて、冠動脈中に集積して、アテローム性動脈硬化症と名付けられた心血管疾患をもたらすプラークの主要成分である。
【0002】
コレステロールを低下させるための伝統的な治療法には、(身体によるコレステロールの産生を減少させる)スタチンなどの医薬が含まれる。より最近では、血液コレステロールを低下させる上での栄養及び栄養補助食の価値が大きな注目を集めている。例えば、可溶性繊維、ビタミンE、大豆、にんにく、ω−3脂肪酸及びナイアシンなどの食事性化合物は全て、大きな注目と研究資金を集めている。
【0003】
ナイアシン又はニコチン酸(ピリジン−3−カルボン酸)は、臨床検査において、冠動脈イベントを低下させる薬物である。ナイアシン又はニコチン酸(ピリジン−3−カルボン酸)は、高密度リポタンパク質(HDL)の血清レベルを上昇させる効果に関して一般的に知られている。重要なことに、ナイアシンは、他の脂質特性に対する有益な効果も有する。具体的には、ナイアシンは、低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL)及びトリグリセリド(TG)を低下させる。しかしながら、ニコチン酸の臨床的な使用は、皮膚血管拡張(時に、顔面紅潮と呼ばれる。)などの多数の有害な副作用によって制約される。
【0004】
血清コレステロール、血清トリグリセリドなどを調節するための伝統的及び代替的な手段に対して寄せられている注目にも関わらず、集団の相当な部分は、約200mg/dLを上回る総コレステロールレベルを有しており、従って、脂質代謝異常治療に対する候補である。従って、総コレステロール、血清トリグリセリドなどを減少させ、及びHDLを上昇させる化合物、組成物及び代替法になどに対する本分野での要求がなお存在している。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、血清脂質レベルを変更する上で効果を有することが発見された化合物に関する。
【0006】
従って、本発明は、記載されている方法に従って、総コレステロール及びトリグリセリド濃度の低下を実施し、HDLを上昇させるための組成物を提供する。
【0007】
従って、本発明の1つの目的は、ナイアシン治療に伴う有害な効果を最小限に抑えながら、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、メタボリックシンドローム及び関連症状を治療するために使用することが可能なニコチン酸受容体アゴニストを提供することである。
【0008】
さらに別の目的は、経口用途のための医薬組成物を提供することである。
【0009】
これら及び他の目的は、本明細書に記載されている記述から自明である。
【0010】
(発明の概要)
式I:
【0011】
【化4】

によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物が開示されている。
【0012】
(Xは、炭素又は窒素原子を表し;
Zは、アリール及びヘテロアリールを表し、前記アリール及びヘテロアリールは、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択され;
は、H、フルオロ又は1から3個の基で場合によって置換されたC1−3アルキルであり、前記基の0から3個はハロであり、並びに前記基の0から1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN及びHetcyからなる群から選択され;
a及びbは、a及びbの合計が3であるように、各々整数1又は2であり;
環Aは、6から10員のアリール又は5から13員のヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリール基は、O、S、S(O)、S(O)及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、並びにO及びSから選択される1個の他のヘテロ原子を場合によって含有し、並びに1から3個のさらなるN原子を場合によって含有し、最大5個のヘテロ原子が存在し;
各R及びRは、独立に、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH又はFであり;
nは、2から4の整数を表し;
は−COH、
【0013】
【化5】

又は−C(O)NHSOを表し(Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、前記C1−4アルキル及びフェニルは、それぞれ、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個は、ハロ及びC1−3アルキルから選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。);
並びに各Rは、Hであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(Rは、前に定義されているとおりである。);
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個はハロであり、及び前記基の1から2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。);
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);
e)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
(R'は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R''は、(a)1から4個の基で場合によって置換されたC1−8アルキル(前記基の0から4個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群から選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1から3個の、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基で場合によってさらに置換されている。);
(b)Hetcy、アリール又はHAR(各々、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される1から3の要素で場合によって置換されている。);
を表し;
並びにR'''は、H若しくはR''を表す。);
f)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換された、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);及び
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)N''R'''(R',R''及びR'''は、上記のとおりである。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される。)
【0014】
(発明の詳細)
本発明は、別段の記載がなければ、以下に定義されている用語を用いて、本明細書において詳しく記載される。
【0015】
「アルキル」及び接頭辞「アルク」を有する他の基(アルコキシ、アルカノイルなど)は、直鎖、分岐若しくは環状又はこれらの組み合わせであり得る、炭素原子の表記数を含有する炭素鎖を意味する。数が明記されていなければ、直鎖アルキル基に関しては、1から6個の炭素原子が、分岐アルキル基に関しては、3から7個の炭素原子が意図される。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどが含まれる。シクロアルキルはアルキルの亜群である。原子の数が明記されていなければ、3から7個の炭素原子が意図され、縮合された1から3個の炭素環式環を形成する。「シクロアルキル」には、結合の点が非芳香族部分上に存在するアリール基に縮合された単環式環も含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニルなどが含まれる。
【0016】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖若しくは分岐又はこれらの組み合わせであり得る炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが含まれる。
【0017】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖若しくは分岐又はこれらの組み合わせであり得る炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどが含まれる。
【0018】
「アリール」(Ar)は、6から10個の炭素原子を含有する単環式及び二環式の芳香環を意味する。アリールの例には、フェニル、ナフチル、インデニルなどが含まれる。
【0019】
「ヘテロアリール」(HAR)は、別段の記載がなければ、O、S、S(O)、SO及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、各環が5から6個の原子を含有する単環式、二環式及び三環式芳香環系を意味する。HAR基は、5から14個、好ましくは5から13個の原子を含有し得る。例には、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ジヒドロインドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジルなどが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリールには、非芳香族又は部分的に芳香族である複素環に縮合され、及び場合によってカルボニルを含有する芳香族炭素環式又は複素環式基も含まれる。さらなるヘテロアリール基の例には、インドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル及びシクロアルキル環に縮合された芳香族複素環基が含まれる。例には、以下のものも含まれる。
【0020】
【化6】

【0021】
ヘテロアリールは、帯電された形態のこのような基(例えば、ピリジニウム)も含む。
【0022】
「ヘテロシクリル」(Hetcy)は、別段の記載がなければ、N、S及びOから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する、単環式及び二環式の飽和環及び環系を意味し、前記環の各々は、結合の点が炭素又は窒素であり得る、3から10個原子を有する。「ヘテロシクリル」の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチエニルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。複素環は、互変異性形態(例えば、2−及び4−ピリドン)でも存在することが可能である。さらに、複素環には、帯電された形態のこのような部分(例えば、ピペリジニウム)も含まれる。
【0023】
「ハロゲン」(ハロ)には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
【0024】
「実質的な顔面紅潮無しで」という用語は、ニコチン酸が治療的量で投与された場合に、しばしば見られる副作用を表す。ニコチン酸の顔面紅潮効果は、治療的用量の薬物に対して、患者が耐性を生じるにつれて、通常より低い頻度及びより低い重度となるが、顔面紅潮効果は、なお幾らかの程度で発生し、一過性であり得る。従って、「実質的な顔面紅潮無し」とは、顔面紅潮が生じる場合には、顔面紅潮の低下した重度を表し、又は本来生じるより少ない顔面紅潮現象を表す。好ましくは、(ナイアシンと比べて)顔面紅潮の発生は、少なくとも約1/3減少し、好ましくは、発生は1/2減少し、最も好ましくは、顔面紅潮の発生は、約2/3又はそれ以上減少する。同様に、(ナイアシンと比べた)重度は、好ましくは、少なくとも約1/3、より好ましくは少なくとも1/2、最も好ましくは、少なくとも約2/3減少する。明らかに、顔面紅潮の発生及び重度が100%減少することが最も好ましいが、必要ではない。
【0025】
本発明の一態様は、式I:
【0026】
【化7】

によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物に関する。
【0027】
(Xは、炭素又は窒素原子を表し;
Zは、アリール及びヘテロアリールを表し、前記アリール及びヘテロアリールは、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択され;
は、H、フルオロ又は1から3個の基で場合によって置換されたC1−3アルキルであり、前記基の0から3個はハロであり、並びに前記基の0から1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN及びHetcyからなる群から選択され;
a及びbは、a及びbの合計が3であるように、各々整数1又は2であり;
環Aは、6から10員のアリール又は5から13員のヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリール基は、O、S、S(O)、S(O)及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、並びにO及びSから選択される1個の他のヘテロ原子を場合によって含有し、並びに1から3個のさらなるN原子を場合によって含有し、最大5個のヘテロ原子が存在し;
各R及びRは、独立に、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH又はFであり;
nは、2から4の整数を表し;
は−COH、
【0028】
【化8】

又は−C(O)NHSOを表し(Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、前記C1−4アルキル及びフェニルは、それぞれ、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個は、ハロ及びC1−3アルキルから選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。);
並びに各Rは、Hであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(Rは、前に定義されているとおりである。);
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個はハロであり、及び前記基の1から2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。);
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);
e)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
(R'は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R''は、(a)1から4個の基で場合によって置換されたC1−8アルキル(前記基の0から4個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群から選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1から3個の、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基で場合によってさらに置換されている。);
(b)Hetcy、アリール又はHAR(各々、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される1から3の要素で場合によって置換されている。);
を表し;
並びにR'''は、H若しくはR''を表す。);
f)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換された、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);及び
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)N''R'''(R',R''及びR'''は、上記のとおりである。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される。)
【0029】
興味深い化合物のサブセットは、環Aがアリール基、5から6員の単環式へテロアリール基又は9から13員の二環式若しくは三環式へテロアリール基を表す式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
特に、興味深い化合物のサブセットは、環Aが、
フェニル及びナフチルから選択されるアリール;
ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ジヒドロインドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジルインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル又は
【0030】
【化9】

からなる群から選択される要素からなる群から選択されるHAR
からなる群から選択される式Iの化合物に関する。
【0031】
より具体的には、興味深い化合物のサブセットは、環Aが、フェニル、ナフチル、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル及びチエニルからなる群から選択される式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0032】
さらにより具体的には、興味深い化合物のサブセットは、環Aが、フェニル、ナフチル、オキサジアゾリル、ピラゾリル及びチアゾリルからなる群から選択される式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0033】
興味深い化合物の別のサブセットは、各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(Rは、先述の定義のとおりである。);
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。);
c)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び、それぞれ、1から3個の基で場合によって置換されたフェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記b)に記載されているように、場合によって置換される。);並びに
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''(R'、R''及びR'''は、上述のとおりである。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0034】
より具体的には、興味深い本発明の態様は、各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(Reは、先述の定義のとおりである。)並びに
b)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換された、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);及び
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''(R'、R''及びR'''は、上述のとおりである。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0035】
さらに具体的には、興味深い本発明の態様は、各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、CN、NH及び
b)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換されている、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;CN;NH;並びに
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);並びに
iii)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''(R'、R''及びR'''は、上述のとおりである。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0036】
興味深い化合物の別のサブセットは、Xが炭素原子を表す式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0037】
興味深い化合物の別のサブセットは、Xが窒素原子を表す式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0038】
興味深い化合物の別のサブセットは、R及びRが、独立に、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルである式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0039】
さらに具体的には、興味深い化合物の別のサブセットは、R及びRが、独立に、H又はメチルである式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0040】
興味深い化合物の別のサブセットは、nが2である式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0041】
興味深い化合物の別のサブセットは、Zが1から3個のハロ基並びにC1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択される0から1個の基で場合によって置換されたアリールである式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0042】
興味深い化合物の別のサブセットは、Zが1から3個のハロ基並びにC1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択される0から1個の基で場合によって置換されたヘテロアリールである式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0043】
興味深い化合物の別のサブセットは、RがH、フルオロ、又は1から3個のハロ基で場合によって置換されたメチルである式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0044】
興味深い化合物の別のサブセットは、Rが−COHを表す式Iの化合物に関する。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して定義されているとおりである。
【0045】
興味深い種の代表例は、以下の表Iに示されている。化合物のこのサブセット内で、他の全ての変数は、式Iに関して、初めに定義されているとおりである。
【0046】
【表3】




【0047】
医薬として許容されるその塩及び溶媒和物も含まれる。
【0048】
式Iの化合物の全ては、不斉立体中心を含有し、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個別のジアステレオマーとして存在することが可能である。このような全ての異性体形態が含まれる。
【0049】
さらに、一般式Iの1つの立体中心を有するキラル化合物は、当業者に公知の方法を用いて、キラル環境の存在下で、それらの鏡像異性体へと分割され得る。2個以上の立体中心を有するキラル化合物は、当業者に公知の方法を用いて、それらの物理的特性に基づいて、非キラル環境におけるそれらのジアステレオマーへと分離され得る。ラセミ形態で得られる単一のジアステレオマーは、上述のように、それらの鏡像異性体へと分割され得る。
【0050】
所望であれば、各鏡像異性体が単離されるように、化合物のラセミ混合物を分離し得る。分離は、式I化合物のラセミ混合物を、鏡像異性体として純粋な化合物に結合させてジアステレオマー混合物を形成した後に、分別結晶化又はクロマトグラフィーなどの標準的な方法によって個別のジアステレオマーへ分離するなど、本分野で周知の方法によって実施することが可能である。結合反応は、しばしば、鏡像異性体的に純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成である。ジアステレオマー誘導体は、次いで、添加されたキラル残基をジアステレオマー化合物から切断することによって、実質的に純粋な鏡像異性体へ変換され得る。
【0051】
式Iの化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー法によって直接分離することも可能であり、本方法は本分野において周知である。
【0052】
あるいは、一般式Iの化合物の鏡像異性体は、光学的に純粋な出発材料又は試薬を用いた立体選択的な合成によって取得され得る。
【0053】
本明細書に記載されている化合物の幾つかは、1つ又はそれ以上の二重結合のシフトを伴う水素に対して異なる結合点を有する互変異性体として存在する。例えば、ケトン及びそのエノール形態は、ケト−エノール互変異性体である。又は、例えば、2−ヒドロキシキノリンは、互変2−キノロン形態で存在することが可能である。各互変異性体及びその混合物が含まれる。
【0054】
投薬情報
式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物の投薬量は、幅広い限界内を変動する。具体的な患者に対する具体的な投薬計画及びレベルは、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、投与の経路、排泄の速度、薬物の組み合わせ及び患者の症状の重篤度など様々な因子に依存することが理解される。これらの因子の検討は、症状の進行を予防し、打ち消し又は停止させるために必要とされる治療的に有効な投薬量又は予防的に有効な投薬量の決定において、通常の技術を有する臨床医の能力の範囲に十分属する。一般的に、化合物は、単回投薬で、又は分割された投薬で、最低約0.01mg/日から最高約2000mg/日にわたる量で投与される。代表的な投薬量は、約0.1mg/日から約1g/日である。当初、より低い投薬量を使用し、不適切な効果をさらに最小限に抑えるために投薬量を増加させることが可能である。本明細書に記載される化合物は、月、年又は患者の生涯にわたって持続する治療の間など、患者に関する医学的症状を治療又は予防するのに適切な時間の長さにわたって、毎日投与される。
【0055】
併用療法
本明細書に記載されている化合物とともに、1つ又はそれ以上のさらなる活性因子を投与し得る。さらなる活性因子は、脂質変更化合物又は他の医薬活性を有する因子又は脂質変更効果と他の医薬活性を両方有する因子であり得る。使用され得るさらなる活性因子の例には、ラクトン化された形態又はジヒドロキシ開環酸形態のスタチン並びに医薬として許容されるその塩及びエステル(ロバスタチン(米国特許4,342,767参照)、シンバスタチン(米国特許4,444,784参照)、ジヒドロキシ開環酸シンバスタチン、特に、そのアンモニウム又はカルシウム塩、プラバスタチン、特に、そのナトリウム塩(米国特許4,346,227参照)、フルバスタチン、特に、そのナトリウム塩(米国特許5,354,772参照)、アトルバスタチン、特に、そのカルシウム塩(米国特許5,273,995参照)、NK−104と表記されるピタバスタチン(PCT公開WO97/23200参照)及びロスバスタチン(CRESTOR(R)としても知られる。);米国特許5,260,440参照)など)などの(但し、これらに限定されない。)HMG−CoA還元酵素阻害剤;HMG−CoA合成酵素阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレン合成酵素阻害剤(スクアレン合成酵素阻害剤としても知られる。)、アシル補酵素A:コレステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害剤(ACAT−1又はACAT−2の選択的阻害剤並びにACAT−1及び−2の二重阻害剤など);ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)阻害剤;内皮リパーゼ阻害剤;胆汁酸封鎖剤;LDL受容体誘導物質;血小板凝集阻害剤、例えば、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン;ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR−ガンマ)アゴニスト(グリタゾン(例えば、ピオグリタゾン及びロシグリタゾン)と一般に称される化合物など、並びにチアゾリジンジオンとして知られる構造クラス内に含まれる化合物及びチアゾリジンジオン構造クラス外のPPAR−ガンマアゴニスト);クロフィブラート、フェノフィブラート(微粉末化されたフェノフィブラートを含む。)及びゲムフィブロジルなどのPPAR−αアゴニスト;PPAR二重α/γアゴニスト;ビタミンB6(ピリドキシンとしても知られる。)及び医薬として許容されるその塩(HCl塩など);ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られる。);葉酸又は医薬として許容されるその塩又はエステル(ナトリウム塩及びメチルグルカミン塩)など;ビタミンC及びE及びβカロテンなどの抗酸化性ビタミン;β遮断剤;ロサルタンなどのアンギオテンシンIIアンタゴニスト;エナラプリル及びカプトプリルなどのアンギオテンシン変換酵素阻害剤;レニン阻害剤、ニフェジピン及びジルチアゼムなどのカルシウムチャンネル遮断剤;エンドセリンアンタゴニスト;ABCA1遺伝子発現を増強する薬剤;コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)阻害化合物、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害化合物、ファルネソイドX受容体(FXR)リガンド(アンタゴニスト及びアンタゴニストの両方を含む。);肝臓X受容体(LXR)−αリガンド、LXR−βリガンド、ナトリウムアレンドロナートなどのビスホスホナート化合物;ロフェコキシブ及びセレコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ−2−阻害剤;並びに血管の炎症を軽減する化合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
コレステロール吸収阻害剤も、本発明において使用することが可能である。このような化合物は、腸内腔から小腸壁の腸細胞中へのコレステロールの移動を遮断して、血清コレステロールレベルを低下させる。コレステロール吸収阻害剤の例は、米国特許5,846,966、5,631,365、5,767,115、6,133,001、5,886,171、5,856,473、5,756,470、5,739,321、5,919,672及びPCT出願番号WO00/63703、WO00/60107、WO00/38725、WO00/34240、WO00/20623、WO97/45406、WO97/16424、WO97/16455及びWO95/08532に記載されている。最も有名なコレステロール吸収阻害剤は、米国特許5,767,115及び5,846,966に記載されており、1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノンとしても知られるエゼチミブである。
【0057】
コレステロール吸収阻害剤の治療的有効量には、約0.01mg/kg体重/日から約30mg/kg体重/日まで、好ましくは約0.1mg/kgから約15mg/kgの投薬量が含まれる。
【0058】
糖尿病患者の場合、本発明において使用される化合物は、慣用の糖尿病医薬とともに投与することが可能である。例えば、本明細書に記載されているように治療を受けている糖尿病患者は、インシュリン又は経口抗糖尿病薬を服用していてもよい。本発明において有用な経口抗糖尿病薬の一例は、メトホルミンである。
【0059】
これらのナイアシン受容体アゴニストが血管拡張の幾らかの程度を誘導する場合には、式Iの化合物は、血管拡張抑制剤とともに投薬され得ることが理解される。したがって、本明細書に記載されている方法の一態様は、顔面紅潮を低下させる化合物と組み合わせた、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物の使用に関する。これに関して、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、その他のNSAID、COX−2選択的阻害剤などの慣用の化合物が、慣用の用量で有用である。あるいは、DPアンタゴニストも有用である。DP受容体アンタゴニストの用量及び選択性は、DPアンタゴニストが、CRTH2受容体を実質的に調節せずにDP受容体を選択的に調節するような用量及び選択性である。特に、DP受容体アンタゴニストは、理想的には、CRTH2受容体での親和性に比べて、少なくとも約10倍高い(数値的には、より低いK値)DP受容体での親和性(すなわち、K)を有する。これらの指針に従って、DPと選択的に相互作用する全ての化合物は、「DP選択的」と考えられる。これは、2004年11月18日に公開された米国公開出願2004/0229844A1(参照により本明細書に組み込まれる。)に従う。
【0060】
哺乳動物患者、特にヒトにおける顔面紅潮効果を低下又は予防するのに有用である、本明細書に記載されているDPアンタゴニストに対する投薬量には、単回投薬又は分割した毎日の投薬で投与される、最低約0.01mg/日から最高約100mg/日にわたる投薬量が含まれる。好ましくは、投薬量は、単回投薬又は分割された毎日の投薬で、約0.1mg/日から最高約1.0g/日である。
【0061】
選択的にDP受容体と拮抗し、顔面紅潮効果を抑制するのに特に有用である化合物の例には、以下のもの並びに医薬として許容されるこれらの塩及び溶媒和物が含まれる。
【0062】
【表4】


【0063】
式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物及びDPアンタゴニストは、本発明から逸脱することなく、単回投薬で又は一日に複数回の投薬(例えば、1日2回、1日3回又は1日4回)で、一緒に又は順次に投与することが可能である。24時間を超えて延長する放出特性を示す徐放製品などの徐放が望まれる場合には、投薬量は、一日おきに投与され得る。しかしながら、単回毎日投薬が好ましい。同様に、朝又は夕方の投薬を使用することも可能である。
【0064】
塩及び溶媒和物
式Iの化合物の塩及び溶媒和物も、本発明に含まれ、この点に関して、医薬として許容される多数のニコチン酸の塩及び溶媒和物が有用である。アルカリ金属塩、特に、ナトリウム及びカリウムは、本明細書に記載されているとおり、有用な塩を形成する。同様に、アルカリ土類金属、特に、カルシウム及びマグネシウムは、本明細書に記載されているとおり、有用な塩を形成する。アンモニウム及び置換されたアンモニウム化合物などのアミンの様々な塩も、本明細書に記載されているように、有用な塩を形成する。同様に、式Iの化合物の溶媒和された形態は、本発明において有用である。例には、ヘミ水和物、モノ、ジ−、トリ−及びセスキ水和物が含まれる。
【0065】
本発明の化合物には、医薬として許容されるエステル又はエステルプロドラッグ及び代謝的に分解され易いエステルも含まれる。代謝的に分解され易いエステルには、C1−4アルキルエステル、好ましくはエチルエステルが含まれる。多くのプロドラッグ戦略が、当業者に公知である。1つのこのような戦略には、それ自体に環化し、遊離酸を放出することが可能な、リジンなどの懸垂求核試薬を有する加工されたアミノ酸無水物が含まれる。同様に、アセトン、酸及び活性な酸へと分解することができるアセトン−ケタールジエステルを使用することが可能である。
【0066】
本発明において使用される化合物は、あらゆる慣用の投与経路を介して投与することが可能である。好ましい投与経路は、経口である。
【0067】
医薬組成物
本明細書に記載されている医薬組成物は、一般に、医薬として許容される担体と組み合わせた、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物から構成される。
【0068】
適切な経口組成物の例には、錠剤、カプセル、トローチ、懸濁液、薬用キャンディー、分散可能な粉末又は顆粒、エマルジョン、シロップ及びエリキシルが含まれる。担体成分の例には、希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、着香剤、着色剤、防腐剤などが含まれる。希釈剤の例には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム及びリン酸ナトリウムが含まれる。顆粒化剤及び崩壊剤の例には、コーンスターチ及びアルギン酸が含まれる。結合剤の例には、デンプン、ゼラチン及びアラビアゴムが含まれる。潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及びタルクが含まれる。錠剤は、被覆されなくてもよく、又は公知の技術によって被覆されてもよい。このようなコーティングは、崩壊を遅延させ、従って、胃腸管での吸収を遅延させることにより、より長期間にわたって、持続的な作用を与え得る。
【0069】
一実施形態において、代表的な医薬組成物は、医薬として許容される担体と組み合わせて、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物の約1mgから約100mgを含む錠剤の形態で記載されている。
【0070】
本発明の別の実施形態において、一定した組み合わせ生成物を形成するために、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物は、別の治療剤及び担体と組み合わされる。この一定した組み合わせ生成物は、経口用途のための錠剤又はカプセルであり得る。
【0071】
より具体的には、本発明の別の実施形態において、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物(約1から約1000mg)及び第二の治療剤(約1から約500mg)は、医薬として許容される担体と組み合わされ、経口用途のための錠剤又はカプセルを与える。
【0072】
より長期間にわたる徐放は、製剤において特に重要であり得る。モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用し得る。制御された放出のための浸透圧治療錠剤を形成するために、米国特許4,256,108;4,166,452及び4,265,874に記載されている技術によっても、剤形を被覆し得る。
【0073】
他の徐放技術も利用可能であり、本明細書に含まれる。徐放錠剤中でのニコチン酸の放出を遅らせるのに有用である典型的な成分には、メチルセルロース、エチルセロロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセロロース、微結晶セルロース、デンプンなどの様々なセルロース化合物が含まれる。徐放製剤において、様々な天然及び合成材料も有用である。例には、アルギン酸及び様々なアルギナート、ポリビニルピロリドン、トラガカント、ローカストビーンガム、グアーガム、ゼラチン、セチルアルコールなどの様々な長鎖アルコール並びに蜜蝋が含まれる。
【0074】
場合によって、及びさらに興味深いのは、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物から構成され、シンバスタチン又はアトロバスタチンなどのHMGCo−A還元酵素阻害剤をさらに含有する上記錠剤である。この具体的な実施形態は、場合によって、DPアンタゴニストも含有する。
【0075】
本発明における徐放錠剤に対する典型的な放出時間枠は、約1時間から最長約48時間、好ましくは4時間から約24時間、より好ましくは約8時間から約16時間にわたる。
【0076】
硬ゼラチンカプセルは、経口用途のための別の固体剤形を構成する。このようなカプセルは、同様に、上述のような担体材料と混合された活性成分を含む。軟ゼラチンカプセルは、プロピレングリコール、PEG及びエタノールなどの水混和性溶媒又はピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油などの油と混合された活性成分を含む。
【0077】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混合された活性物質を含有することも想定される。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント及びアカシア;分散剤又は湿潤剤、例えばレシチン;防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はn−プロピル、着色剤、着香剤、甘味剤などを含む。
【0078】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散可能な粉末及び顆粒は、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び1又はそれ以上の防腐剤と混合された活性な化合物を与える。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、既述されたものが例として挙げられる。
【0079】
シロップ及びエリキシルも調合し得る。
【0080】
より具体的には、興味深い医薬組成物は、医薬として許容される担体と組み合わせて、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物と、及び化合物AからAJからなる群から選択されるDP受容体アンタゴニストとから構成される徐放錠剤である。
【0081】
より興味深いさらに別の医薬組成物は、医薬として許容される担体と組み合わせて、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物と、及び化合物A、B、D、E,X、AA、AF、AG、AH、AI及びAJからなる群から選択されるDP受容体アンタゴニストとから構成される。
【0082】
より興味深いさらに別の医薬組成物は、医薬として許容される担体と組み合わせて、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物と、化合物A、B、D、E,X、AA、AF、AG、AH、AI及びAJからなる群から選択されるDP受容体アンタゴニスト、並びにシンバスタチン又はアトロバスタチンとから構成される徐放錠剤に関する。
【0083】
上記医薬組成物を包含することに加えて、「組成物」という用語は、活性成分若しくは賦形剤成分の何れかの2つ若しくはそれ以上の組み合わせ、錯化若しくは凝集から、又は前記成分の1つ若しくはそれ以上の解離から、又は前記成分の1つ若しくはそれ以上の反応若しくは相互作用の他の種類から、直接若しくは間接的に得られる全ての生成物も包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は、化合物、何れかの追加の活性成分及び医薬として許容される賦形剤とを混合し、又はその他の方法で組み合わせることによって作製される全ての組成物を包含する。
【0084】
本発明の別の態様は、医薬の製造における、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物及びDPアンタゴニストの使用に関する。本医薬は、本明細書中に記載されている用途を有する。
【0085】
より具体的には、本発明の別の態様は、医薬の製造における、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物、DPアンタゴニスト及びシンバスタチンなどのHMGCoA還元酵素阻害剤の使用に関する。本医薬は、本明細書中に記載されている用途を有する。
【0086】
本発明の化合物は、抗高脂血活性を有し、LDL−C、トリグリセリド、アポリポタンパク質及び総コレステロールの低下並びにHDL−Cの増加を引き起こす。従って、本発明の化合物は、脂質代謝異常を治療する上で有用である。本発明は、従って、アテローム性動脈硬化症並びに本明細書に記載されている他の疾病及び症状を治療し、予防し、又は回復させるのに有効な量で、式Iの化合物又は医薬として許容される塩若しくは溶媒和物を投与することによって、前記症状を治療、予防又は回復させることに関する。これは、頻度及び/又は重度の観点で、顔面紅潮効果を予防し、軽減し、又は最小化しながら、前記症状を治療又は予防するのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することによって、ヒトにおいて達成される。
【0087】
興味深い本発明の一態様は、アテローム性動脈硬化症の治療を必要としているヒト患者に、実質的な顔面紅潮無しでアテローム性動脈硬化症を治療するのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症を治療する方法である。
【0088】
興味深い本発明の別の態様は、血清HDLレベルを上昇させる治療を必要としている患者に、血清HDLレベルを上昇させるのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者において血清HDLレベルを上昇させる方法に関する。
【0089】
興味深い本発明の別の態様は、脂質代謝異常の治療を必要としている患者に、脂質代謝異常を治療するのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者における脂質代謝異常を治療する方法に関する。
【0090】
興味深い本発明の別の態様は、血清VLDL又はLDLレベルを低下させる治療を必要としているヒト患者に、実質的な顔面紅潮無しで、前記患者中の血清VLDL又はLDLレベルを低下させるのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者における血清VLDL又はLDLレベルを低下させる方法に関する。
【0091】
興味深い本発明の別の態様は、血清トリグリセリドレベルを低下させる治療を必要としている患者に、血清トリグリセリドレベルを低下させるのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者における血清トリグリセリドレベルを低下させる方法に関する。
【0092】
興味深い本発明の別の態様は、血清Lp(a)レベルを低下させる治療を必要としているヒト患者に、血清Lp(a)レベルを低下させるのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者における血清Lp(a)レベルを低下させる方法に関する。本明細書において使用されるLp(a)とは、リポタンパク質(a)を表す。
【0093】
興味深い本発明の別の態様は、糖尿病、特に2型糖尿病の治療を必要としているヒト患者に、糖尿病を治療するのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者における糖尿病、特に2型糖尿病を治療する方法に関する。
【0094】
興味深い本発明の別の態様は、メタボリックシンドロームの治療を必要としているヒト患者に、メタボリックシンドロームを治療するのに有効である量で、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物を投与することを含む、このような治療を必要としているヒト患者におけるメタボリックシンドロームを治療する方法に関する。
【0095】
興味深い本発明の別の態様は、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病、メタボリックシンドローム又は関連症状の治療を必要としているヒト患者において、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病、メタボリックシンドローム又は関連症状を治療する方法であり、式Iの化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物及びDP受容体アンタゴニストを前記患者に投与することを含み、前記組み合わせが、実質的な顔面紅潮無しで、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病又は関連症状を治療するのに有効である量で投与される、前記方法に関する。
【0096】
興味深い本発明の別の態様は、DP受容体アンタゴニストが、化合物AからAJ並びに医薬として許容されるその塩及び溶媒和物からなる群から選択される、上記方法に関する。
【0097】
式Iの化合物の合成方法
式Iの化合物は、以下の代表的な反応スキームによって調製される。有機化学の分野における当業者は、これらの構造クラスに対して、類似の試薬、条件又はその他の合成アプローチを想到可能であることが理解される。従って、これらの反応スキームは、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。別段の記載がなければ、全ての置換基は、上に定義されているとおりである。
【0098】
【化10】

【0099】
スキーム1は、構造4を有する化合物の調製の概略を記載している(Wallace et al,Organic Letters,2003,4749を参照。)。このように、1,4−ジオキサンなどの極性溶媒中、Pd(dba)などの触媒、キサントホスなどのリガンド及び炭酸セシウムなどの塩基の存在下で、トリフラート1を、2のような適切なアミドで処理することによって、所望のアミド3が得られる。エステルは、NaOH/THF/MeOH−HOなどの当業者に公知の方法によって鹸化することができ、所望の化合物4が得られる。
【0100】
【化11】

【0101】
スキーム2は、トリフラート1の調製の概略を示している。チアゾールの脱プロトン化は、3−エトキシ−シクロヘキセノン5への1,2−付加後に、β−置換されたエノン6への転位を行うための陰イオンを生成し得る。メチルエステルの導入は、LDA又はLHMDSなどの適切な非求核性塩基で6を処理した後、Manderの試薬で処理することによって達成することができ、7が得られる(Mander et al,Tetrahedron Letters,1983,5425参照)。二重結合の水素添加は、メタノール又はエタノールのような適切な極性溶媒中で、H(g)、Pd/Cなどの標準的な条件を用いて達成することが可能であり、8が得られる。最後に、水素化ナトリウムなどの適切な塩基で8を処理した後、THFのような溶媒中のCominの試薬(Comins et al,Tetrahedron Letters,1992,6299参照)などのトリフラート化試薬で処理することによって、エノール−トリフラート1を調製することが可能であり、所望の生成物が得られる。
【0102】
【化12】

【0103】
アミド2の合成が、スキーム3に概説されている。このように、還流条件下で、トルエン又はキシレンなどの非極性溶媒中のメチル(トリフェニルホスホルアニリデン)アセタートなどの適切なイリドで、6−メトキシ−2−ナフトアルデヒド9を処理して、所望のオレフィン10を得ることができる。二重結合の水素添加は、メタノール又はエタノールのような適切な極性溶媒中で、H(g)、Pd/Cなどの標準的な条件を用いて達成することが可能であり、11が得られる。フェノールの脱メチル化は、低温で三臭化ホウ素を用いて達成することが可能であり、12が得られる。最後に、ジオキサン中の水酸化アンモニウム溶液でエステルを処理することによって、所望のカルボキサミド生成物2が得られる。
【0104】
【化13】

【0105】
スキーム4は、構造18の化合物を合成するために使用される戦略を概説する。EDCIなどの適切なカップリング試薬を用いて、市販の3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸13をN−ヒドロキシスクシンイミドとカップリングすることによって、エステル14が得られる。この材料は、水酸化アンモニウムでの処理によって、アミド15に転化することができる。トリフラート1とのカップリングは、スキーム1に記載されている条件を用いて達成される。臭化物16は、ビス−tert−ブチルフェロセンパラジムジクロリドなどの触媒の存在下で、4−ヒドロキシフェニルボロン酸などの適切なボロン酸とのSuzuki反応を介して、17に転化することができる。最後に、メチルエステルは、当業者に公知の方法によって鹸化することができ、構造18の化合物が得られる。
【0106】
【化14】

【0107】
スキーム5は、構造25の化合物を合成するために使用される戦略を概説する。エノール−トリフラート20は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物及び2,6−ルチジンで、シクロヘキサン−1,3−ジオン19で処理することによって調製することができる。トリフラート20は、ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどの触媒の存在下における、フェニルボロン酸などの適切なボロン酸との標準的なSuzuki反応を介して、3置換されたエノン21に転化することができる。エノン21は、標準的な条件を用いたエノンへのメチルクプラート付加を介して、3,3−二置換されたケトン22へ転化することが可能である。メチルエステルの導入は、LDA又はLHMDSなどの適切な非求核塩基で22を処理した後、Manderの試薬で処理することによって達成することができ、23が得られる。この中間体は、スキーム2に記載されている条件を用いて、ビニルトリフラート24へ転化することが可能である。最後に、前述のカップリング及び鹸化操作(スキーム1)を用いて、トリフラート24は所望の生成物25へ転化される。
【0108】
【化15】

【0109】
構造30を有する化合物は、スキーム6に概説されている戦略を用いて調製することができる。3−カルボメトキシ−4−フェニル−ピペルドン(piperdone)28は、「Deshmukh,et al Synthetic Communications,1995,177」によって記載されている操作を用いて調製することができる。このように、ヨウ化銅及び酢酸の存在下で、メタノール中の過剰なアクリル酸メチルでアニリン26を処理することによって、N置換されたジ(β−カルボメトキシ−エチル)アミン27が得られる。27の28へのDieckmann環化は、トリエチルアミンの存在下で、ジクロロメタン中の四塩化チタンを用いて達成することができる。この材料は、スキーム2に記載されている条件を用いて、ビニルトリフラート29へ転化することが可能である。最後に、前述のカップリング及び鹸化操作(スキーム1)を用いて、トリフラート29は所望の生成物30へ転化することができる。
【0110】
【化16】

【0111】
スキーム7は、構造39の化合物を合成するために使用される戦略を概説する。このように、シクロヘキサン−1,4−ジオンモノケタール31は、LDA又はLHMDSのような適切な塩基及びCominの試薬のようなトリフラート化剤を用いて、トリフラート32へ転化することができる。ビニルトリフラート32は、ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)などの触媒の存在下における、2−フルオロ−3−ピリジルフェニルボロン酸などの適切なボロン酸との標準的Suzuki反応を介して、置換されたオレフィン33に転化することができる。二重結合の水素添加は、メタノール又はエタノールのような適切な極性溶媒中で、H(g)、Pd/Cなどの標準的な条件を使用した後、酸水溶液によって触媒される標準的条件を用いて、ケタール保護基を除去することによって達成することが可能であり、ケトン34が得られる。ケトン34のアシル化は、LDA又はLHMDSのような適切な塩基及びManderの試薬を用いて達成され、35が得られる。この材料は、スキーム2に記載されている条件を用いて、ビニルトリフラート36へ転化することが可能である。最後に、前述のカップリング及び鹸化操作(スキーム4)を用いて、トリフラート36を所望の生成物39へ転化することができる。
【0112】
【化17】

【0113】
スキーム8は、構造44の化合物を合成するために使用される経路を概説する。このように、ビニルトリフラート32は、ヨウ化銅又は塩化リチウム及びジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)などの触媒の存在下での標準的なStille操作を介して、2−ピリジルトリ−n−ブチルスタンナンにカップリングされて、40を与える。この材料は、スキーム7に概説されている経路を用いて、トリフラート43へ転化される。最後に、前述のカップリング及び鹸化操作(スキーム1)を用いて、トリフラート43は所望の生成物44へ転化することができる。
【0114】
【化18】

【0115】
スキーム9は、構造53の化合物を合成するために使用される戦略を概説する。このように、5−ブロモ−2−シアノピリジンは、水素化ナトリウム及び4−メトキシベンジルアルコールで処理されて、中間体46を与えることができる。この材料は、NaOHなどの適切な塩基の存在下で、ヒドロキシアミン塩酸塩での処理によって、中間体47に転化され得る。アシル化に続くオキサジアゾール49への環化は、ピリジンなどの適切な溶媒中の市販の酸塩化物48で中間体47を処理した後、加熱還流することによって達成することができる。PMB保護基の除去は、TFA/DCMなどの当業者に公知の標準的な方法を用いて達成することができる。ジオキサン中の水酸化アンモニウム溶液でエステル50を処理することによって、所望のカルボキサミド51が得られる。最後に、前述のカップリング及び鹸化条件(スキーム1)を用いて、トリフラート36(スキーム7)を所望の生成物53へ転化することができる。
【0116】
【化19】

【0117】
スキーム10は、構造61の化合物を合成するために使用される戦略を概説する。このように、nブチルリチウム及びホウ酸トリイソプロピルでメチルピラゾール54を処理した後、酸性処理を行うことによって、所望のボロン酸55が得られる。ボロン酸は、標準的なSuzuki反応を介して、トリフラート32にカップリングされ、先述の操作に従って(スキーム7)、所望のビニルトリフラート59へ加工される。化合物51は、TBS−Clとイミダゾールのような適切な塩基などの当業者に公知の方法を用いて、TBS基で保護されることができ、60を与える。最後に、先述の条件を用いて、アミド60をトリフラート59にカップリングされることができ、続いて、メチルエステルの鹸化及び脱保護によって、所望の生成物61が得られる(スキーム1)。
【0118】
【化20】

【0119】
スキーム11は、構造66を有する化合物を入手するために使用される合成経路を概説する。エノール−トリフラート20(スキーム5)は、ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどの触媒の存在下での、2,3,5−トリフルオロフェニルボロン酸62との標準的なSuzuki反応を介して、3−(2,3,5−トリフルオロフェニル)エノン63に転化することができる。エノン63は、LDA又はLHMDSなどの適切な塩基の存在下で、Manderの試薬でアシル化された後、触媒としてPd/Cを用いて水素添加することができ、所望のケトエステル64が得られる。ケトエステル64は、スキーム2に記載されている条件を用いて、ビニルトリフラート65へ転化される。最後に、前述のカップリング及び鹸化操作(スキーム1)を用いて、トリフラート65は所望の生成物66へ転化される。
【0120】
【化21】

【0121】
スキーム12は、構造73を有する化合物の調製の概略を示している。シクロヘキサン−1,4−ジオンモノケタール31は、「Danishefsky,et al J.Am.Chem.Soc.2004,126,14358」によって記載されている操作を用いて、LHMDSなどの適切な塩基の存在下でヨウ化メチルでアルキル化されて、67を与えることができる。ケトン67は、LDA又はLHMDSのような適切な塩基及びCominの試薬のようなトリフラート化剤を用いて、トリフラート68へ転化される。ビニルトリフラート68は、ジクロロ−(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)などの触媒の存在下における、2,3,5−トリフルオロフェニルボロン酸などの適切なボロン酸との標準的Suzuki反応を介して、置換されたオレフィン69に転化することができる。二重結合の水素添加は、メタノール又はエタノールのような適切な極性溶媒中で、H(g)、Pd/Cなどの標準的な条件を使用した後、酸水溶液によって触媒される標準的条件下で、ケタール保護基を除去することによって達成することが可能であり、ケトン70が得られる。ケトン70のアシル化は、LDA又はLHMDSのような適切な塩基及びManderの試薬を用いて達成されて、71が得られる。この材料は、スキーム2に記載されている条件を用いて、ビニルトリフラート72へ転化することが可能である。最後に、前述のカップリング及び鹸化操作(スキーム1)を用いて、トリフラート72は所望の生成物73へ転化することができる。
【0122】
【化22】

【0123】
スキーム13は、構造78に関連する化合物の調製を示している。例えば、シアノアミノピリジン74は、当業者に公知の標準的な条件下で、フッ化され、ヒドロキシルアミンで処理されて、75を与えることができる。次いで、この中間体は環化されて、オキサジアゾール76を形成し、カルボキサミドへ転化された後、ビニルトリフラートとカップリングされて(スキーム5)、77を与えることができる。鹸化すると、所望の生成物78が取得され得る。
【0124】
【化23】

【0125】
スキーム14は、構造88に関連する化合物の調製を示している。例えば、エチル3−ピラゾールカルボキシラートは、電子欠乏ブロモピリジンでアリール化されて、79を形成することができる。ニトロ官能基は還元することができ、アミンはジアゾ中間体へ転化され、無水物で捕捉されて80を形成することが可能である。アセタートの加水分解及びアルコールの保護によって、81が得られる。エステルの還元及び臭素化によって、求電子試薬82を得ることができる。続いて、マロナートでの置換、加水分解及び脱炭酸によって、酸83が得られる。次いで、この酸は、そのカルボキサミド84へ転化され得る。平行して、1,3−シクロヘキサンジオンはそのトリフラートへ転化され、アリール化されて85を与えることができ、Manderの試薬でカルボキシル化され、水素添加され、トリフラート化されて、中間体86を形成することができる。このトリフラート86は84とカップリングされて、87を形成することができる。当業者に公知の条件下でのビス脱保護(bis−deprotection)を行うと、88が取得され得る。
【0126】
【化24】

【0127】
スキーム15は、構造93に関連する化合物の調製を示している。例えば、1,4−シクロヘキサンジオンモノケタールはトリフラート化及びアリール化されて89を形成することができる。二重結合の水素添加及びケタールの加水分解によって、90を得ることができる。この中間体は、上記のように、Manderの試薬でカルボキシル化されることができ、次いで、トリフラート化によって中間体91が得られる。前スキーム中に示されている類似のカップリング条件は、91及び84などの中間体を結合して92を与え、当業者に公知の条件下でこれをビス脱保護化すると、93などの化合物が得られる。
【0128】
本明細書において使用される様々な有機基の変換及び保護基は、上記以外の多数の操作によって実施することができる。本明細書に開示されている中間体又は化合物を調製するために使用することができる他の合成操作に関する参考文献は、例えば、M.B.Smith,J.March Advanced Organic Chemistry,5th Edition,Wiley−Interscience(2001);R.C.Larock Comprehensive Organic Transformations,A Guide to Functional Group Preparations,2nd Edition,VCH Publishers,Inc.(1999);T.L.Gilchrist Heterocyclic Chemistry,3rd Edition,Addison Wesley Longman Ltd.(1997);J.A.Joule,K.Mills,G.F.Smith Heterocyclic Chemistry,3rd Edition,Stanley Thornes Ltd.(1998);G.R.Newkome,W.W.Paudler Contempory Heterocyclic Chemistry,John Wiley and Sons(1982);又はWuts,P.G.M.;Greene,T.W.;Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Edition,John Wiley and Sons,(1999)に見出すことができる(6つの全参考文献の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。)。
【実施例】
【0129】
代表的実施例
以下の実施例は、本発明を更に詳しく説明するために提供されているが、いかなる意味においてもその範囲を限定すると解釈すべきでない。別段の記載がなければ、
(i)全ての作業は、室温又は周囲温度、すなわち18から25℃の範囲の温度で行った。
【0130】
(ii)溶媒の蒸発は、最高50℃の浴温で、減圧下(4.5から30mmHg)において、回転式蒸発装置を用いて行った。
【0131】
(iii)反応の過程に、薄層クロマトグラフィー(TLC)及び/又は直列型高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、次いで質量分析(MS)(本明細書中ではLCMSと称される。)が続き、反応時間は、例示のために記載されているに過ぎない。
【0132】
(iv)収率が記載されている場合、例示に過ぎない。
【0133】
(v)MS又はプロトン核磁気共鳴(1HNMR)分光法のうち少なくとも一つの方法により、全最終化合物の構造を確認し、TLC又はHPLCのうち少なくとも一つの方法により、純度を確認した。
【0134】
(vi)1HNMRスペクトルは、表記の溶媒を使用し、500又は600MHzにおいて、Varian Unity又はVarian Inovaのいずれかの装置で記録し、線が列記されている場合には、NMRデータは、残留溶媒ピーク(水素の多重度及び数)に対して百万分率(ppm)で記載されている主診断プロトンに対するデルタ値の形式であり、信号の形状に対して使用される慣用の略号は、s−一重線、d−二重線(明瞭)、t−三重線(明瞭)、m−多重線、br−広幅である。
【0135】
(vii)Hewlett−Packard(Agilent1100)HPLC装置が結合され、MassLynx/OpenLynxソフトウェア上で稼動しているWaters Micromassユニット上で、MSデータを記録した。陽性(ES+)又は陰性イオン(ES−)検出を用いたエレクトロスプレーイオン化を使用した。LCMSES+に対する方法は、1から2mL/分、5.5分にわたり10から95%Bの直線勾配(B=0.05%TFA−アセトニトリル、A=0.05%TFA−水)であり、LCMSES−に対する方法は、1から2mL/分、5.5分にわたり10から95%Bの直線勾配(B=0.1%ギ酸−アセトニトリル、A=0.1%ギ酸−水)であった。WatersXTerraC18−3.5μm−50×3.0mmID及びダイオードアレイ検出であった。。
【0136】
(viii)水(0.1%TFA)中の0から50%アセトニトリルを用いて20mL/分で溶出するYMC−PackProC18カラム(150×20mm内径)を使用するGilsonシステム上で、分取逆相HPLCによる化合物の自動化された精製を実行した。
【0137】
(ix)Kieselgel60、0.063から0.200mm(Merck)又はBiotageカートリッジシステムを使用して、ガラスのシリカゲルカラム上で、カラムクロマトグラフィーを行った。
【0138】
(x)化学記号は、それらの通常の意味を有しており、以下の略語も使用されている:v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq又はequiv(当量)、IC50(可能な最大阻害の50%をもたらすモル濃度)、EC50(可能な最大効力の50%をもたらすモル濃度)、μM(マイクロモラー)、nM(ナノモラー)。
【0139】
(xi)頭字語の定義は次のとおりである:
BBrは、三臭化ホウ素である。
DIBALHは、水素化ジイソブチルアルミニウムである。
TBSOTFは、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホナートである。
TBSクロリドは、t−ブチルジメチルシリルクロリドである。
THFは、テトラヒドロフランである。
DMFは、ジメチルホルムアミドである。
DCMは、ジクロロメタン(塩化メチレン)である。
OTfは、トリフラートである。
Pd(PPhは、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)である。
PMBOは、p−メトキシベンジルオキシである。
PPTSは、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸である。
TFAは、トリフルオロ酢酸である。
TBAFは、フッ化テトラブチルアンモニウムである。
LDAは、リチウムジイソプロピルアミドである。
LHMDSは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドである。
DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンである。
DMSOは、ジメチルスルホキシドである。
【0140】
(実施例1)
【0141】
【化25】

【0142】
段階A
【0143】
【化26】

【0144】
−78℃まで冷却された無水THF(40mL)中のチアゾール(1mL、14.02mmol)の溶液に、nButLi(9.35mL、14.96mmol、ヘキサン中1.6M)を添加した。20分後、3−エトキシ−シクロヘキセン−オン(1.26mL、9.35mmol)を添加した。反応を室温まで加温し、30分間撹拌した。1NHCl(30mL)で反応を停止した。得られた混合物を、室温で16時間撹拌した。層を分離し、酢酸エチル(3×)を用いて水層を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、黄色−茶色の固体として所望の生成物を得た。
【0145】
段階B
【0146】
【化27】

【0147】
−78℃まで冷却された無水THF(50mL)中の段階Aから得られた中間体(1.2g、6.69mmol)の溶液に、LHMDS(7.36mL、7.36mmol、THF中1.0M)を添加した。20分後、シアノギ酸メチル(0.63mL、8.02mmol)を添加した。反応を−20℃までゆっくり加温し、1NHClで反応停止させた。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、黄色の油として所望の生成物を得た。
【0148】
段階C
【0149】
【化28】

【0150】
酢酸エチル(20mL)中の段階Bから得られた中間体(1.2g、5.06mmol)の溶液に、メタノール(2mL)、続いてPd(OH)(0.1g)を添加した。得られた混合物を、水素のバルーン下で18時間撹拌した。セライトを通して反応混合物をろ過し、残留物をメタノールで洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、15%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を油として得た。
【0151】
段階D
【0152】
【化29】

【0153】
0℃まで冷却された無水THF(20mL)中の段階Cから得られた中間体(0.425g、1.77mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.106g、2.65mmol、60重量%)を添加した。30分後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(0.83g、2.12mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液で反応を停止した。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。15%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、無色の油として所望の生成物を得た。
【0154】
段階E
【0155】
【化30】

【0156】
圧力容器中に配置されたトルエン(40mL)中の6−メトキシ−2−ナフトアルデヒド(3.72g、20.0mmol)の溶液に、メチル(トリフェニルホスホルアニリデン)アセタート(6.7g、20mmol)を添加した。得られた混合物を、120℃で18時間還流した。反応混合物を真空中で濃縮し、溶出剤として15%酢酸エチル−ヘキサンを用いるBiotageフラッシュ40Mカラムを使用して精製した。
【0157】
段階F
【0158】
【化31】

【0159】
1:1のジクロロメタン−メタノール(100mL)中の段階Eから得られた中間体(4.64g、19.14mmol)の溶液に、PdCを添加した。得られた混合物を、Hバルーン下、室温で18時間撹拌した。セライトを通して反応混合物をろ過し、真空中で濃縮して、所望の化合物を白色固体として得た。
【0160】
段階G
【0161】
【化32】

【0162】
0℃まで冷却されたDCM(80mL)中の段階Fから得られた中間体(3.0g、12.3mmol)の溶液に、BBr(61.5mL、DCM中1.0M)を添加した。30分後、メタノール(50mL)で、続いて冷水で反応を停止させた。得られた混合物を真空中で濃縮した。残留物を水で希釈し、ジクロロメタン(3×)で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。さらなる精製を一切行わずに、この材料を次の段階で使用した。
【0163】
段階H
【0164】
【化33】

【0165】
圧力管中に配置された1,4−ジオキサン(50mL)中の段階Gから得られた中間体(3.0g、12.3mmol)の溶液に、濃NHOH溶液を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチル中に懸濁し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。50%酢酸エチル−ヘキサン、次いで100%酢酸エチルを溶出剤として使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、灰白色の固体として所望の生成物を得た。
【0166】
段階I
【0167】
【化34】

【0168】
無水ジオキサン(2mL)中の段階Dから得られた中間体(100mg、0.27mmol)の溶液に、工程Hから得た中間体H(48mg、0.22mol)、キサントホス(31mg、0.053mmol)、炭酸セシウム(122mg、0.376mmol)及びPd(dba)(15mg、0.016mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で2時間、反応を50℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、35%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。
【0169】
段階J
THF(2mL)中の段階Iから得られた中間体(52mg、0.112mmol)の溶液に、1NNaOH(1mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で5時間撹拌した。1NHCl(1mL)の添加によって、反応を停止した。得られた混合物を真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHZ,DMSO)11.62(s,1H),7.75(d,1H),7.68(d,1H),7.55(m,2H),7.3(dd,1H),7.05(m,2H),3.4(dd,1H),3.3(m,1H),3.15(m,1H),2.95(t,2H),2.66(t,2H),2.35(m,2H),2.07(m,1H),1.72(m,1H)。LCMSm/z423(M+1)。
【0170】
(実施例2)
【0171】
【化35】

【0172】
段階A
【0173】
【化36】

【0174】
DCM(50mL)中の3−(4−ブロモフェニル)プロピオン酸(4.0g、17.46mmol)の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(4.02g、34.93mmol)及びEDC(6.7g、34.93mmol)を添加した。室温で18時間、反応を撹拌した後、真空中で濃縮した。得られた混合物を酢酸エチル中に懸濁し、水(2×)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を1,4−ジオキサン(100mL)中に溶解した。反応を30分間撹拌した後、濃水酸化アンモニウム溶液(100mL)を添加し、真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル中に懸濁し、水(2×)及び塩水(1×)で洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を白色固体として得た。
【0175】
段階B
【0176】
【化37】

【0177】
無水ジオキサン(2mL)中の実施例1段階Dから得られた中間体(100mg、0.27mmol)の溶液に、3−(4−ブロモフェニル)プロパンアミド:工程Aから得られた中間体(48mg、0.22mol)、キサントホス(31mg、0.053mmol)、炭酸セシウム(122mg、0.376mmol)及びPd(dba)(15mg、0.016mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で2時間、反応を50℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。
【0178】
段階C
【0179】
【化38】

【0180】
THF(1.5mL)中の段階Bから得られた中間体(38mg、0.084mmol)の溶液に、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(18mg、0.127mmol)、KCO(1mL、1.0M溶液)、続いて、1,1'−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(10mg)を添加した。反応を50℃で1時間加熱した後、室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。40%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、所望の生成物を得た。
【0181】
段階D
THF(2mL)中の段階Cから得られた中間体(27mg)の溶液に、1NNaOH(1mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で5時間撹拌した。1NHCl(1mL)の添加によって、反応を停止した。得られた混合物を真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,DMSO)11.62(s,1H),7.75(d,1H),7.63(d,1H),7.48(m,3H),7.26(d,2H),6.82(d,2H),3.4(dd,1H),3.3(m,1H),3.1(m,1H),2.9(t,2H),2.65(t,2H),2.4(m,2H),2.1(m,1H),1.7(m,1H)。LCMSm/z448.15(M+1)。
【0182】
(実施例3)
【0183】
【化39】

【0184】
段階A
【0185】
【化40】

【0186】
0℃まで冷却されたDCM中の、シクロヘキサン1,3−ジオン(1.0g、8.92mmol)及び2,6−ルチジン(2.07mL、17.84mmol)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.25mL、13.38mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、1NCHlの添加によって反応を停止した。得られた混合物を、DCMで抽出した。有機層を1NHClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。20%酢酸エチルヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、薄茶色の油として所望の生成物を得た。
【0187】
段階B
【0188】
【化41】

【0189】
THF(5mL)中の段階Aから得られた中間体(1.0g、4.09mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(749mg、6.13mmol)、NaCO(3mL、1.0M溶液)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(144mg、0.2mmol)を添加した。反応混合物を50℃で30分間加熱した後、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。10%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、白色の固体として所望の化合物を得た。
【0190】
段階C
【0191】
【化42】

【0192】
雰囲気下で0℃まで冷却された無水ジエチルエーテル(30mL)中のヨウ化銅(I)(3.77g、19.8mmol)の懸濁液に、メチルリチウム(24.8mL、39.6mmol)を添加した。15分後に、反応混合物を−78℃まで冷却し、エーテル(20mL)中の段階Bから得られた中間体(0.69g、3.96mmol)の溶液を添加した。反応を室温までゆっくり加温し、1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液の添加によって、反応を停止した。セライトを通して、得られた二相混合物をろ過し、酢酸エチルで徹底的に洗浄した。ろ液中の層を分離し、酢酸エチルを用いて水層を抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。5%酢酸エチルヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、所望の化合物を得た。
【0193】
段階D
【0194】
【化43】

【0195】
−78℃まで冷却された無水THF(20mL)中の段階Cから得られた中間体(0.64g、3.36mmol)の溶液に、LHMDS(4mL、4.04mmol、THF中1.0M)を添加した。20分後、シアノギ酸メチル(0.32mL、4.04mmol)を添加した。反応を−20℃までゆっくり加温し、1NHClで反応停止させた。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。10%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、所望の生成物を得た。
【0196】
段階E
【0197】
【化44】

【0198】
0℃まで冷却された無水THF(20mL)中の段階Dから得られた中間体(0.548g、2.22mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.133g、3.34mmol、60重量%)を添加した。30分後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(1.04g、2.66mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液で反応を停止した。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。2%、次いで5%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、無色の油として所望の生成物を得た。
【0199】
段階F
【0200】
【化45】

【0201】
無水ジオキサン(2mL)中の段階Eから得られた中間体(100mg、0.26mmol)の溶液に、実施例21段階Hから得た中間体H(48mg、0.22mol)、キサントホス(30mg、0.052mmol)、炭酸セシウム(120mg、0.369mmol)及びPd(dba)(15mg、0.016mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気し、50℃でN雰囲気下、2時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。
【0202】
段階G
THF(4mL)中の段階Fから得られた中間体(47mg)の溶液に、1NNaOH(3mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で5時間撹拌した。1NHCl(3mL)の添加によって、反応を停止した。得られた混合物を真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,DMSO)12.54(s,1H),11.54(s,1H),9.61(s,1H),7.69(d,1H),7.61(d,2H),7.32(d,2H),7.2(m,3H),7.16(m,1H),7.05(m,2H),3.49(d,1H),3.0(t,2H),2.83(d,1H),2.72(t,2H),2.26(m,1H),2.0(m,1H),1.85(m,1H),1.64(m,1H),1.2(s,3H)。LCMSm/z430.2(M+1)。
【0203】
(実施例4)
【0204】
【化46】

【0205】
段階A
【0206】
【化47】

【0207】
圧力管中に配置されたメタノール(20mL)中のアニリン(2mL、21.69mmol)の溶液に、アクリル酸メチル(6.05mL、67.23mmol)、塩化銅(I)(400mg、4.03mmol)及び酢酸(2.4mL、40.03mmol)を添加した。得られた混合物を18時間還流加熱した。反応を室温まで冷却し、水、10%アンモニア水溶液、水及び塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、無色の油として所望の生成物を得た。
【0208】
段階B
【0209】
【化48】

【0210】
雰囲気下で、−20℃まで冷却された無水ジクロロメタン(20mL)中の段階Aから得られた中間体(2.65g、10mmol)の溶液に、四塩化チタン(10mL、10mmol、THF中1.0M)を添加した。−20℃と−5℃の間で2時間、反応を撹拌した後、トリエチルアミン(3.06mL、22mmol)を10分にわたって滴加した。反応を室温まで加温し、18分間撹拌し続けた。NaClの飽和溶液中に注ぐことによって、反応を停止した。pH=8になるまで、トリエチルアミンを添加した。セライトを通して、得られた混合物をろ過した。ジクロロメタンを用いて、ろ液を抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。10%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、黄色の固体として所望の化合物を得た。
【0211】
段階C
【0212】
【化49】

【0213】
0℃まで冷却された無水THF(40mL)中の段階Bから得られた中間体(1.0g、4.29mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.258g、6.64mmol、60重量%)を添加した。30分後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(2.02g、5.14mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム溶液で反応を停止した。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。15%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、黄色の固体として所望の生成物を得た。
【0214】
段階D
【0215】
【化50】

【0216】
無水ジオキサン(2mL)中の段階Cから得られた中間体(110mg、0.3mmol)の溶液に、実施例1段階Hから得た中間体(54mg、0.25mol)、キサントホス(16mg、0.027mmol)、炭酸セシウム(137mg、0.421mmol)及びPd(dba)(8mg、0.009mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で18時間、反応を50℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。
【0217】
段階E
THF(2mL)中の段階Dから得られた中間体(57mg)の溶液に、1NNaOH(1mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で5時間撹拌した。1NHCl(1mL)の添加によって、反応を停止した。得られた混合物を真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,DMSO)11.52(s,1H),7.65(d,1H),7.55(m,2H),7.3(d,1H),7.25(m,2H),7.1(m,2H),6.9(d,2H),6.8(t,1H),3.85(bs,1H),3.48(t,1H)3.36(t,2H),3.05(bt,2H),2.95(t,2H),2.7(t,2H)。LCMSm/z417.2(M+1)。
【0218】
(実施例5)
【0219】
【化51】

【0220】
段階A
【0221】
【化52】

【0222】
無水ジオキサン(4mL)中の実施例4段階Cから得られた中間体(220mg、0.6mmol)の溶液に、実施例22段階Aから得た中間体H(114mg、0.5mol)、キサントホス(32mg、0.05mmol)、炭酸セシウム(275mg、0.846mmol)及びPd(dba)(16mg、0.017mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で18時間、反応を50℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、5%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。
【0223】
段階B
【0224】
【化53】

【0225】
THF(1mL)中の段階Aから得られた中間体(50mg、0.112mmol)の溶液に、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(23mg、0.168mmol)、NaCO(1mL、1.0M溶液)、続いて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4mg、0.005mmol)を添加した。反応混合物を50℃で30分間加熱した後、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。20%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、白色の固体として所望の化合物を得た。
【0226】
段階C
THF(2mL)中の段階Bから得られた中間体(57mg)の溶液に、1NNaOH(1mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で5時間撹拌した。1NHCl(1mL)で反応を停止した。得られた混合物を真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,DMSO)11.52(s,1H),7.45(m,4H),7.25(m,4H),6.96(d,2H),6.8(m,3H),3.86(bs,1H),3.45(bt,1H),3.37(t,2H),3.05(bt,2H),2.87(t,2H),2.67(t,2H)。LCMSm/z443.2(M+1)。
【0227】
(実施例6)
【0228】
【化54】

【0229】
段階A
【0230】
【化55】

【0231】
雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(130mL)中の1,4−シクロヘキサンジオンモノ−エチレンケタール(4.0g、25.61mmol)の溶液に、LHMDS(28mL、28mmol、THF中1.0M)を添加した。1時間撹拌した後、THF(100mL)中の溶液2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(10.0g、25.46mmol)を添加した。反応を室温まで加温し、18時間撹拌した。反応を水で停止させ、酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。(0%EtOAc/ヘキサン−>20%EtOAc/ヘキサン)を使用するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)によって残留物を精製して、無色の油として所望の生成物を得た。
【0232】
段階B
【0233】
【化56】

【0234】
THF(200mL)中の段階Aから得られた中間体(7.00g、24.29mmol)の溶液に、2−フルオロ−3−ピリジンボロン酸(3.42g、24.29mmol)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.00g、0.900mmol)を添加した。炭酸ナトリウム水溶液(1M、48mL)を添加し、反応混合物にNを流し、50℃まで1時間加熱した。反応を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(20%EtOAc/ヘキサン−>40%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0235】
段階C
【0236】
【化57】

【0237】
MeOH(10mL)中の段階Bから得られた中間体(5.71g、24.3mmol)の溶液に、MeOH(10mL)中のパラジウム炭素(5%、2g)を添加した。反応混合物を、水素のバルーン下で18時間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、真空中で濃縮した。THF/EtOH(100mL/40mL)中に未精製材料を溶解し、HCl(80mL、3N)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、1NNaOHを用いてpH=8になるように調整した。得られた混合物をEtOAc(2×)で抽出し、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン−>60%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0238】
段階D
【0239】
【化58】

【0240】
雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(61mL)中の段階Cから得られた中間体(1.18g、6.11mmol)の溶液に、LHMDS(6.16mL、9.16mmol、THF中1.0M)を添加した。1時間後、シアノギ酸メチル(0.686mL、8.54mmol)を添加し、2時間にわたって、反応を−40℃まで加温させた。1NHClで反応を停止し、EtOAC(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。さらなる精製を一切行わずに、この材料を次の段階で使用した。
【0241】
段階E
【0242】
【化59】

【0243】
0℃まで冷却された無水THF中の段階Dから得られた中間体(1.54g、6.11mmol)の溶液に、NaH(366mg、9.16mmol、60%)を添加した。30分後、THF(20mL)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(2.88g、7.33mmol)の溶液を添加した。反応を室温で18時間撹拌し、次いで、水で反応を停止した。得られた混合物を、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン−>30%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0244】
段階F
【0245】
【化60】

【0246】
無水ジオキサン(18mL)中の段階Eから得られた中間体(700mg、1.83mmol)の溶液に、実施例2段階Aから得た中間体(416mg、1.83mol)、キサントホス(95mg、0.165mmol)、炭酸セシウム(832mg、2.56mmol)及びPd(dba)(50mg、0.055mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で18時間、反応を55℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、30%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)によって精製して、所望の生成物を得た。ChiralIAHPLCカラム、15%エタノール−ヘプタンでの均一濃度溶出及び45分の溶出時間を用いて、この中間体をその鏡像異性体へと分割した。
【0247】
段階G
【0248】
【化61】

【0249】
THF(5mL)中の段階Fから得られた中間体(300mg、0.65mmol)の溶液に、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(134mg、0.975mmol)、KCO(5mL、1.0M溶液)、続いて、(1,2'−ビス(ジ−t−ブチホスフィノ(butyphosphino))フェロセンパラジウムジクロリド(13mg、0.02mmol)を添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱した後、室温まで冷却し、水で希釈した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン−>100%EtOAc/ヘキサン)によって残留物を精製して、所望の化合物を得た。
【0250】
段階H
THF(4.5mL)中の段階Gから得られた中間体(230mg)の溶液に、1NLiOH(3mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。1NHCl(3mL)で反応を中和した。得られた混合物を真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物(分割された鏡像異性体を含む。)を得た。HNMRδ(500MHz,CDOD)8.04(d,1H),7.82(t,1H),7.46−7.40(m,4H),7.28−7.24(m,3H),6.84−6.81(m,2H),3.20−2.96(m,5H),2.73(m,1H),2.65(t,2H),2.34(m,1H),1.97(m,1H),1.82(m,1H)LCMSm/z459(M−1)。
【0251】
(実施例7)
【0252】
【化62】

【0253】
段階A
【0254】
【化63】

【0255】
無水THF(20mL)中の実施例6段階Aから得られた中間体(0.993g、3.35mmol)の溶液に、2−ピリジル−トリ−n−ブチルスタンナン(1.0g、4.13mmol)、ヨウ化銅(I)(131mg、0.69mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(242mg、0.345mmol)を添加した。N雰囲気下で、45分間、反応を加熱還流した。反応を室温まで冷却し、飽和KF溶液を添加した(20mL)。得られた混合物を45分間撹拌した後、セライトを通してろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(ヘキサン−>30%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、純粋なオレンジ色の油を得た。
【0256】
段階B
【0257】
【化64】

【0258】
MeOH(10mL)中の段階Aから得られた中間体(423mg、1.95mmol)の溶液に、Pd/C(400mg)を添加し、得られた混合物を水素バルーン下で4時間撹拌した。セライトを通して、反応をろ過して、真空中で濃縮した。さらなる精製を一切行わずに、この材料を次の段階で使用した。
【0259】
段階C
【0260】
【化65】

【0261】
2:1THF/EtOH(7.5mL)中の段階Bから得られた中間体(351mg、1.6mmol)の溶液に、HCl(5mL、3N)を添加した。室温で18時間、反応混合物を撹拌した後、真空中で濃縮した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で残留物を中和し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、茶色の油を得た。さらなる精製を一切行わずに、この材料を次の段階で使用した。
【0262】
段階D
【0263】
【化66】

【0264】
−78℃まで冷却された無水THF(8mL)中の段階Cから得られた中間体(210mg、1.2mmol)の溶液に、LHMDS(1.32mL、1.32mmol、THF中1.0M)を添加した。反応を0℃まで加温し、30分間撹拌した。次いで、反応を−78℃まで冷却し、クロロギ酸メチル(0.114mL、1.44mmol)を添加した。2時間にわたって、反応を−20℃まで加温し、1NHClで反応停止させた。酢酸エチル(2×)を用いて、得られた混合物を抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、オレンジ色の油を得た。さらなる精製を一切行わずに、この材料を次の段階で使用した。
【0265】
段階E
【0266】
【化67】

【0267】
0℃まで冷却された無水THF(9mL)中の段階Dから得られた中間体(248mg、1.22mmol)の溶液に、NaH(58mg、1.46mmol、60%)を添加した。30分後、THF(2mL)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(485mg、1.22mmol)を添加し、得られた反応物を室温で2時間撹拌した。1NHClで反応を停止し、次いで、EtOAC(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、茶色の油を得た。溶出剤として50%EtOAc/ヘキサンを使用するPrep−TLC(SiO)によって、この材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0268】
段階F
【0269】
【化68】

【0270】
無水ジオキサン(2mL)中の段階Eから得られた中間体(67mg、0.183mmol)の溶液に、実施例21段階Hから得た中間体(39mg、0.183mol)、キサントホス(10mg、0.016mmol)、炭酸セシウム(83mg、0.256mmol)及びPd(dba)(6mg、0.006mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で18時間、反応を50℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、溶出剤として60%酢酸エチル−ヘキサンを使用するPrepTLC(SiO)によって精製して、所望の生成物を得た。
【0271】
段階G
THF(2mL)中の段階Fから得られた中間体(37mg、0.085mmol)の溶液に、1NNaOH(1mL)、続いてMeOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。1NHCl(1mL)の添加によって、反応を停止した。得られた混合物を集めて、真空中で濃縮した。酢酸エチル(3×)を用いて、残留物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,CDOD)8.66(d,1H),8.38(t,1H),7.86(d,1H),7.79(t,1H),7.63(d,1H),7.56(d,1H),7.55(s,1H),7.27(m,1H),7.06−7.02(m,2H),3.25−2.96(m,5H),2.86(d,1H),2.72(t,2H),2.49(m,1H),2.11(m,1H),1.88(m,1H)。LCMSm/z417(M+1)。
【0272】
(実施例8−37)
以下の実施例は、上記実施例1から7に記載されており、及びスキーム1から8に例示されている条件と類似の条件下で調製された。
【0273】
【表5】





選択された実施例に対するNMRデータ。
【0274】
(実施例8)
HNMR(500MHz,DMSO)δ7.58(d,2H),7.53(d,2H),7.41(t,2H),7.32−7.16(m,8H),3.16(d,1H),3.02−2.91(m,3H),2.76−2.65(m,3H),2.31(m,1H),1.96(m,1H),1.75(m,1H),1.28(m,1H)。
【0275】
(実施例9)
HNMR(500MHz,DMSO)δ7.86−7.82(m,3H),7.72(s,1H),7.48−7.41(m,3H),7.30−7.18(m,5H),3.11−3.02(m,3H),2.86(m,1H),2.72−2.65(m,3H),2.62−2.52(m,1H)2.19(m,1H),1.86(m,1H),1.67(m,1H)。
【0276】
(実施例10)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.79−7.75(m,3H),7.65(s,1H),7.44−7.35(m,3H),7.3−7.2(m,2H),7.2−7.16(m,3H),3.2(dd,1H),3.1(t,2H),2.85(m,1H),2.75(m,1H),2.7(t,2H),2.55(m,1H),2.35(m,1H),1.9(m,1H),1.65(m,1H)。
【0277】
(実施例11)
HMMRδ(500MHz,DMSO)12.62(bs,1H),11.61(s,1H),9.59(s,1H),7.64(d,1H),7.54(d,1H),7.31(s,1H),7.2(m,6H),7.0(m,2H),3.1(d,1H),2.95(t,2H),2.75(m,2H),2.6(t,2H),2.4(m,1H),2.3(m,1H),1.8(m,1H),1.7(m,1H)。
【0278】
(実施例12)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.04(d,1H),7.82(t,1H),7.64−7.56(dd,2H),7.56(s,1H),7.28−7.25(m,2H),7.06−7.02(m,2H),3.18−3.05(m,3H),3.03−2.91(m,2H),2.72−2.68(m,3H),2.32(m,1H),1.95(m,1H),1.80(m,1H)。
【0279】
(実施例13)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.86−7.82(m,3H),7.72(s,1H),7.48−7.41(m,3H),7.32−7.23(m,2H),7.16−7.11(m,2H),3.12−2.83(m,5H),2.71(t,2H),2.92−2.48(m,1H),2.21(m,1H),1.83(m,1H),1.75(m,1H)。
【0280】
(実施例14)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.62(d,2H),7.58(d,2H),7.44(t,2H),7.34−7.23(m,5H),7.16−7.12(m,2H),3.12(d,1H),2.99(m,1H),2.92−2.84(m,3H),2.65−2.55(m,3H),2.22(m,1H),1.85(m,1H),1.77(m,1H)。
【0281】
(実施例15)
HNMRδ(500MHz,DMSO)12.64(bs,1H),11.62(s,1H),7.67(d,2H),7.56(d,2H),7.4(t,2H),7.3−7.2(m,8H),3.2(d,1H),2.85(t,2H),2.75(m,2H),2.6(t,2H),2.42(m,1H),2.26(t,1H),1.82(m,1H),1.65(m,1H)。
【0282】
(実施例16)
HNMRδ(500MHz,DMSO)12.64(bs,1H),11.62(s,1H),9.46(s,1H),7.48(d,2H),7.31−7.19(m,8H),6.96(m,2H),6.71(dd,1H),3.2(d,1H),2.86(t,2H),2.73(m,2H),2.6(t,2H),2.42(m,1H),2.3(m,1H),1.8(m,1H),1.66(m,1H)。
【0283】
(実施例17)
HNMRδ(500MHz,DMSO)11.6(s,1H),9.48(s,1H),8.12(d,1H),7.91(t,1H),7.44(m,4H),7.23(d,2H),7.11(dd,1H),6.8(dd,2H),3.2(m,1H),2.9(m,3H),2.6(m,3H),2.45(m,1H),2.2(m,1H),1.8(m,2H)。
【0284】
(実施例18)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.86−7.82(m,3H),7.72(s,1H),7.48−7.31(m,4H),7.34−7.30(m,2H),7.09−7.08(m,1H),3.11−3.02(m,3H),2.85(m,1H),2.76−2.52(m,3H)2.19(m,1H),1.86(m,1H),1.67(m,1H),1.22(m,1H)。
【0285】
(実施例19)
HNMRδ(500MHz,CDOD)7.80−7.77(m,3H),7.67(s,1H),7.43−7.30(m,4H),7.05−7.01(m,2H),3.14−3.07(m,3H),2.95−2.81(m,2H),2.75−2.70(m,3H),2.30(m,1H),2.03(m,1H),1.66(m,1H)。
【0286】
(実施例20)
HNMRδ(500MHz,CDOD)7.64−7.55(dd,2H),7.55(s,1H),7.32−7.25(m,2H),7.06−7.01(m,4H),3.11−3.04(m,3H),2.95−2.81(m,2H),2.75−2.66(m,3H),2.30(m,1H),2.03(m,1H),1.66(m,1H)。
【0287】
(実施例21)
HNMRδ(500MHz,CDOD)7.80−7.77(m,3H),7.68(s,1H),7.44−7.37(m,3H),6.97−6.96(m,2H),3.16−3.08(m,3H),2.98(m,1H),2.80−2.67(m,4H),2.24(m,1H),2.20(s,3H),1.96(m,1H),1.62(m,1H)。
【0288】
(実施例22)
HNMRδ(500MHz,CDOD)7.64−7.55(dd,2H),7.55(s,1H),7.28−7.26(dd,1H),7.06−6.95(m,4H),3.16−3.05(m,3H),2.94(m,1H),2.78−2.67(m,4H),2.24(m,1H),2.20(s,3H),1.96(m,1H),1.64(m,1H)。
【0289】
(実施例23)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.77−7.74(m,3H),7.65(s,1H),7.40−7.34(m,3H),7.14−6.99(m,4H),3.05−2.99(m,3H),2.91−2.81(m,2H),2.68−2.61(m,3H)2.23(s,3H),2.10(m,1H),1.72(m,1H),1.65(m,1H)。
【0290】
(実施例24)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.62(d,2H),7.57(d,2H),7.43(t,2H),7.34−7.31(m,3H),7.18−7.05(m,4H),3.13−3.09(m,1H),2.93−2.87(m,3H),2.65−2.61(m,2H),2.54−2.94(m,2H)2.27(s,3H),2.13(m,1H),1.78(m,1H),1.70(m,1H)。
【0291】
(実施例25)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.86−7.81(m,3H),7.72(s,1H),7.48−7.40(m,3H),7.28−7.25(m,2H),7.09(t,2H),3.09−3.02(m,3H),2.85(m,1H),2.73−2.68(m,3H),2.54(m,1H),2.17(m,1H),1.84(m,1H),1.66(m,1H)。
【0292】
(実施例26)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.62(d,2H),7.57(d,2H),7.44(t,2H),7.34−7.26(m,5H),7.10(t,2H),3.09(m,1H),2.92−2.80(m,3H),2.71(m,1H),2.65−2.62(m,2H),2.55(m,1H),2.19(m,1H),1.85(m,1H),1.67(m,1H)。
【0293】
(実施例27)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.75(s,1H),8.68(d,1H),8.49(d,1H),7.95(m,1H),7.81−7.77(m,3H),7.68(s,1H),7.45−7.37(m,3H),3.23−3.12(m,3H),3.07−2.98(m,2H),2.83−2.74(m,3H),2.40(m,1H),2.06(m,1H),1.85(m,1H)。
【0294】
(実施例28)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.69(d,2H),7.89(d,2H),7.63(d,1H),7.56(d,1H),7.55(s,1H),7.27(d,1H),7.06−7.02(m,2H),3.21−2.97(m,5H),2.81−2.69(m,3H),2.40(m,1H),2.06(m,1H),1.83(m,1H)。
【0295】
(実施例29)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.71(d,2H),7.95(d,2H),7.46−7.24(m,6H),6.84−6.81(m,2H),3.23−2.97(m,5H),2.82(m,2H),2.66(t,1H),2.43(m,1H),2.08(m,1H),1.87(m,1H)。
【0296】
(実施例30)
HNMRδ(500MHz,DMSO)7.65(d,1H),7.58(d,1H),7.56(s,1H),7.30−7.16(m,7H),7.05−7.01(m,2H),3.09(d,1H),2.96(t,2H),2.86(m,1H),2.70−2.52(m,3H),2.20(m,1H),1.86(m,1H),1.66(m,1H),1.22(m,1H)。
【0297】
(実施例31)
HNMRδ(500MHz,CDOD)7.65(d,1H),7.58(d,1H),7.56(s,1H),7.27(d,1H),7.12−7.01(m,6H)3.06(d,1H),2.96(t,1H),2.85(m,1H),2.67−2.62(m,3H),2.54−2.48(m,1H),2.24(s,3H),2.17(m,1H),1.83(m,1H),1.64(m,1H),1.22(m,1H)。
【0298】
(実施例32)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.66(d,1H),8.38(t,1H),7.86(d,1H),7.78(t,1H),7.46−7.41(m,4H),7.25(d,2H),6.84−6.82(m,2H),3.23−2.97(m,5H),2.87(d,1H),2.67(t,2H),2.52(m,1H),2.14(m,1H),1.91(m,1H)。
【0299】
(実施例33)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.07(s,1H),7.86(m,1H),7.63(d,1H),7.56(d,1H),7.55(s,1H),7.27(d,1H)7.06−6.99(m,3H),3.16(m,1H),3.07(t,2H),2.95(m,1H),2.81(m,1H),2.71−2.67(m,3H),2.29(m,1H),1.95(m,1H),1.74(m,1H)。
【0300】
(実施例34)
HNMRδ(500MHz,CDOD)8.75(s,1H),7.67(d,1H),7.46(d,1H),7.94(m,1H),7.46−7.40(m,4H),7.25(d,2H),6.84−6.81(m,2H),3.22(m,1H),3.08−2.97(m,4H),2.82(m,1H),2.66(t,2H),2.41(m,1H),2.07(m,1H),1.85(m,1H)
(実施例35)
HNMRδ(500MHzCDOD)8.08(s,1H),7.85(t,1H),7.46−7.41(m,4H),7.26(d,2H),7.01(dd,1H),6.84−6.82(m,2H),3.18(m,1H),2.99−2.96(m,3H),2.84(m,1H),2.72(m,1H),2.65(t,2H),2.32(m,1H),1.97(m,1H),1.77(m,1H)。
【0301】
(実施例36)
HNMRδ(500MHz,DMSO)12.7(bs,1H),11.62(s,1H),9.61(bs,1H),8.12(d,1H),7.86(t,1H),7.67(d,1H),7.58(m,2H),7.36(t,1H),7.27(d,1H),7.05(m,2H),3.2(dd,1H),3.0(m,1H),2.94(t,2H),2.85(m,1H),2.65(t,2H),2.42(m,1H),2.32(m,1H),1.83(m,1H),1.73(m,1H)。
【0302】
(実施例37)
HNMRδ(500MHz,DMSO)12.7(bs,1H),11.61(s,1H),9.5(s,1H),8.12(d,1H),7.88(t,1H),7.45(m,4H),7.34(t,1H),7.25(d,2H),6.82(d,2H),3.25(dd,1H),3.0(m,1H),2.9(t,2H),2.8(m,1H),2.65(t,2H),2.45(m,1H),2.35(m,1H),1.86(m,1H),1.75(m,1H)。
【0303】
(実施例38)
【0304】
【化69】

【0305】
段階A
【0306】
【化70】

【0307】
無水DMF(35mL)中の4−メトキシベンジルアルコール(3.77mL、30.4mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.32g、33.1mmol、60%分散液)を添加した。25分後、5−ブロモ−2−シアノピリジンを添加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌した後、水(100mL)を添加することによって反応を停止した。酢酸エチル(200mL)を用いて、得られた混合物を抽出した。水(4×)で、続いて飽和塩化ナトリウム(1×)で有機層を洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)ですりつぶして、白色結晶固体として所望の生成物を得、これをろ過によって集めた。
【0308】
段階B
【0309】
【化71】

【0310】
エタノール(120mL)中の段階Aから得られた中間体(5.0g、20.83mmol)の懸濁液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.74g、25mmol)、続いてNaOH(5mL、5N)を添加した。得られたスラリーを18時間撹拌した後、ろ過した。沈殿を冷エタノールで洗浄し、真空下で乾燥させて、白色結晶固体として所望の生成物を得た。
【0311】
段階C
【0312】
【化72】

【0313】
無水ピリジン(15mL)中の段階Bから得られた中間体(5.0g、18.3mmol)の懸濁液に、4−クロロ−4−オキソ−メチルブチラート(2.68mL、21.97mmol)を添加した。得られた反応混合物を、120℃で3時間加熱した。反応を室温まで冷却し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に溶解し、水(4×)で洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、濃い茶色の固体を得た。この材料をメタノールですりつぶして、淡い黄褐色の固体として所望の生成物を得た。
【0314】
段階D
【0315】
【化73】

【0316】
DCM(50mL)中の段階Cから得られた中間体(1.0g、2.71mmol)の溶液に、TFA(20mL)を添加した。室温で30分間、反応を撹拌した後、真空中で濃縮した。酢酸エチルで残留物を懸濁し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3×)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。
【0317】
段階E
【0318】
【化74】

【0319】
圧力容器中に配置されたジオキサン(10mL)中の段階Dから得られた中間体(0.5g、2mmol)の溶液に、濃水酸化アンモニウム溶液(14N、50mL)を添加した。得られた混合物を、50℃で18時間撹拌した。反応を室温まで冷却し、真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(3×)で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、白色固体を得た。
【0320】
段階F
【0321】
【化75】

【0322】
ジオキサン(2mL)中の、実施例6段階Eから得られた中間体(80mg、0.21mmol)及び段階Eから得られた中間体(73g、0.18mmol)の溶液に、DMF(0.5mL)、Xantphos(24mg、0.04mmol)及び炭酸セシウム(81mg、0.25mmol)を添加した。反応混合物にNを流し、Pd(dba)(19mg、0.02mmol)を添加した。50℃で1時間撹拌した後、室温まで反応を冷却し、EtOAcで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、逆相HPLC(Gilson)50%CHCN/HO0−100%CHCNによって精製して所望の生成物を得た。
【0323】
段階G
ジオキサン(4mL)中の段階Fから得られた中間体の溶液に、MeOH(4mL)、続いて1NLiOH(1.5mL)を添加した。室温で4時間撹拌した後、1NHCl(1.5mL)の添加によって、反応混合物を中和した。反応混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(Gilson)によって精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,DMSO)8.27(d,1H),7.92(d,1H),7.36−7.31(m,2H),7.12−7.09(m,2H),7.02(m,1H),3.21(t,2H),3.07(m,1H),2.94(m,2H),2.87(m,1H),2.75(m,1H),2.59(m,1H),2.24(m,1H),1.87(m,1H),1.70(m,1H)。LCMSm/z454(M+1)。
【0324】
(実施例39)
【0325】
【化76】

【0326】
段階A
【0327】
【化77】

【0328】
雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(100mL)中のN−メチルピラゾール(2.0g、24.4mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(16.8mL、26.82mmol、ヘキサン中1.6M)を添加した。30分後、ホウ酸トリイソプロピル(6.75mL、29.27mmol)を添加した。1時間にわたって、反応混合物を0℃までゆっくり加温した後、1NHClで反応停止させた。得られた混合物を、1時間激しく撹拌した。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、所望の生成物を白色固体として得た。
【0329】
段階B
【0330】
【化78】

【0331】
2:1THF/2MNaCO(計75mL)中の段階Aから得られた中間体(1.34g、1.2当量)の溶液に、実施例6段階Aから得られた中間体(2.56g、1.0当量)を添加した。得られた混合物に窒素を流し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(513mg、5mol%)を添加した。40℃で1時間、反応を撹拌した後、室温まで冷却し、1NHClで中和した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。有機層をろ過し、真空中で濃縮し、1:1EtOAc/Hextoを使用するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製して、黄色の油を得た。
【0332】
段階C
【0333】
【化79】

【0334】
MeOH(100mL)中の段階Bから得られた中間体(1.65g、7.5mmol)の溶液に、Pd/C(2匙山盛り)を添加し、Hバルーン下で3日間撹拌した。セライトを通して反応混合物をろ過し、濃縮して白色固体を得た。アセトン(60mL)中にこの材料(1.5g、6.75mmol)を溶解し、PPTS(1.59g、6.75mmol)を添加し、反応を3日間加熱還流した。反応混合物を真空中で濃縮し、EtOAc中に再度溶解した。有機層を飽和NaHCO、塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。50から100%EtOAc/Hexを用いたフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)によって残留物を精製して、白色固体を得た。
【0335】
段階D
【0336】
【化80】

【0337】
窒素雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(30mL)中の段階Cから得られた中間体(710mg、4mmol)の溶液に、LHMDS(1M、4.38mL、1.1当量)を添加した。−78℃で45分間反応を撹拌した後、シアノギ酸メチル(0.347mL、4.38mmol)を添加した。
2時間にわたって、反応を−20℃まで加温した後、1NHClの添加によって反応停止させた。反応混合物を、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。有機層をろ過し、真空中で濃縮して、所望の生成物をオレンジ色の油として得た。
【0338】
段階E
【0339】
【化81】

【0340】
0℃のTHF(40mL)中の段階Dから得られた中間体(1.04g、4.4mmol)の溶液に、NaH(60%、211mg、1.2当量)を添加した。室温で30分間、反応を撹拌した後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(1.75g、4.4mmol)を添加した。反応を18時間撹拌した後、水の添加によって反応を停止した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。50から70%EtOAc/Hexを用いるフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)によって未精製生成物を精製して、黄色の油として所望の生成物を得た。
【0341】
段階F
【0342】
【化82】

【0343】
DCM(50mL)中の実施例38段階Eから得られた中間体(0.5g、2mmol)の懸濁液に、イミダゾール(204mg、3mmol)、続いてTBS−Cl(362mg、2.4mmol)を添加した。得られた反応を、室温で16時間撹拌した。反応物混合物を水の中に注ぎ、DCM(3×)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。50%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、白色の固体として所望の生成物を得た。
【0344】
段階G
【0345】
【化83】

【0346】
ジオキサン(1.5mL)中の、段階Eから得られた中間体(77mg、0.21mmol)及び段階Fから得られた中間体(75mg、0.21mmol)の溶液に、Xantphos(20mg、0.034mmol)及び炭酸セシウム(68mg、0.2mmol)を添加した。反応にNを流し、Pd(dba)(11mg、0.012mmol)を添加した。60℃で一晩撹拌した後、室温まで反応を冷却し、EtOAcで希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、Prep−TLC(100%EtOAC/Hex)によって精製して、所望の生成物を得た。
【0347】
段階H
THF(2mL)中の段階Gから得られた中間体(20mg)の溶液に、1NNaOH(1.0mL)及びMeOH(0.5mL)を添加した。反応を室温で一晩撹拌した後、1NHClの添加によって、pH6になるように酸性化した。得られた混合物を、30%IPA/CHClで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮した。逆相Gilson(10から70%CHCN/HO)によって残留物を精製して、所望の化合物を得た。HNMR(CDOD,500MHz),δ8.23(s,1H),8.05−8.03(d,J=8.7Hz,1H)7.45(s,1H),7.40−7.38(dd,J=8.4,2.5Hz,1H),6.17(s,1H),3.84(s,3H),3.27(m,2H),3.16−3.12(d,J=18.5Hz,1H),3.02−2.99(m,4H),2.81−2.77(dd,J=17.2,4.3Hz,1H),2.36−2.33(m,1H),2.03−2.00(m,1H),1.7−1.66(m,1H)。LCMSm/z439(M+1)。
【0348】
(実施例40)
【0349】
【化84】

【0350】
段階A
【0351】
【化85】

【0352】
THF(100mL)中の実施例3段階Aから得られたトリフラート(8.71g、35.7mmol)の溶液に、2,3,5−トリフルオロフェニルボロン酸、NaCO(50mL、2.0M溶液)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0g)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、60℃で加熱した。30分後、反応を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。10%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、淡黄色の固体として所望の生成物を得た。
【0353】
段階B
【0354】
【化86】

【0355】
窒素雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(−78mL)中の段階Aから得られた中間体(7.5g、33.15mmol)の溶液に、LHMDS(36.5mL、36.5mmol、THF中1.0M)を添加した。反応混合物を、0℃で25分間撹拌した。次いで、反応を−78℃まで冷却し、シアノギ酸メチル(3.16mL、39.78mmol)を添加した。30分後、水(100mL)の中に注ぐことによって反応を停止した。酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。10%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって、残留物を精製して、黄色の固体として所望の生成物を得た。
【0356】
段階C
【0357】
【化87】

【0358】
メタノール(100mL)中の段階Bから得られた中間体(7.49g、26.37mmol)の溶液に、Pd/C(100mg、10重量%)を添加した。得られた反応を、Hのバルーン下で18時間撹拌した。セライトを通して、反応混合物をろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、10%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を無色の油として得た。
【0359】
段階D
【0360】
【化88】

【0361】
0℃まで冷却された無水THF(100mL)中の段階Cから得られた中間体(4.71g、16.47mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.99g、24.7mmol、60%分散液)を添加した。20分後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(7.76g、19.76mmol)を添加した。反応を室温で4時間撹拌し、次いで、水で反応を停止した。酢酸エチル(2×)を用いて、得られた混合物を抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。5%酢酸エチル−ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、無色の油として所望の生成物を得た。
【0362】
段階E
【0363】
【化89】

【0364】
無水ジオキサン(3mL)中の、段階Dから得られた中間体(0.12g、0.28mmol)及び実施例40段階Fから得られた中間体(0.085g、0.24mmol)の溶液に、Xantphos(33mg、0.057mmol)、炭酸セシウム(131mg、0.4mmol)、続いてPd(dba)(26mg、0.028mmol)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、60℃で3.5時間撹拌した。反応を室温まで冷却し、セライトのパッドを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、50%酢酸エチル−ヘキサン、次いで5%MeOH−酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を淡黄色の固体として得た。
【0365】
段階F
THF(2mL)及びMeOH(1mL)中の段階Eから得られた中間体(75mg、0.12m)の溶液に、1NNaOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。1NHCl(1mL)の添加によって、pH=7になるように反応のpHを調整した。得られた混合物を真空中で濃縮した。残留物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRd(500MHzDMSO)11.66(s,1H),10.62(bs,1H),8.26(d,J=2.3Hz,1H),7.9(d,J=8.4Hz,1H),7.38(m,1H),7.31(m,1H),7.11(m,1H),3.5(m,1H),3.2(m,3H),3.1(bm,1H),2.95(m,2H),2.8(m,1H),2.35(m,1H),1.8(m,2H)。LCMSm/z489(M+1)。
【0366】
(実施例41)
【0367】
【化90】

【0368】
段階A
【0369】
【化91】

【0370】
雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(100mL)中のケトン(4.0g、23.5mmol)の溶液に、LHMDS(40mL、40mmol、THF中1.0M)を添加した。1時間撹拌した後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(10.0g、25.46mmol)を添加した。反応を室温まで加温し、18時間撹拌した。反応を水で停止させ、酢酸エチル(3×)を用いて、得られた混合物を抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。(0%EtOAc/ヘキサン−>10%EtOAc/ヘキサン)を使用するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)によって残留物を精製して、薄いオレンジ色の油として所望の生成物を得た。
【0371】
段階B
【0372】
【化92】

【0373】
THF(200mL)中の段階Aから得られた中間体(6.50g、24.29mmol)の溶液に、2,3,5−トリフルオロボロン酸(4.54g、25.8mmol)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.00g、0.900mmol)を添加した。炭酸ナトリウム水溶液(1M、43mL)を添加し、反応混合物にNを流し、50℃まで1時間加熱した。反応を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン−>30%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0374】
段階C
【0375】
【化93】

【0376】
MeOH(150mL)中の段階Bから得られた中間体(6.3g、21.9mmol)の溶液に、MeOH(10mL)中のパラジウム炭素(5%、2g)を添加した。反応混合物を、水素のバルーン下で18時間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、真空中で濃縮した。THF/EtOH(100mL/40mL)中に未精製材料を溶解し、HCl(20mL、3N)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムを用いてpH=8になるように調整した。得られた混合物をEtOAc(2×)で抽出し、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン−>30%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0377】
段階D
【0378】
【化94】

【0379】
雰囲気下で、−78℃まで冷却された無水THF(100mL)中の段階Cから得られた中間体(1.64g、6.66mmol)の溶液に、LHMDS(8.00mL、8.00mmol、THF中1.0M)を添加した。30分後、シアノギ酸メチル(0.695mL、8.66mmol)を添加し、数時間にわたって、反応を0℃まで加温した。1NHClで反応を停止し、EtOAC(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。さらなる精製を一切行わずに、この材料を次の段階で使用した。
【0380】
段階E
【0381】
【化95】

【0382】
無水THF(100mL)中の段階Dから得られた中間体(2.00g、6.66mmol)の溶液に、NaH(399mg、9.99mmol、60%)を添加した。15分後、THF(20mL)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(2.88g、7.33mmol)の溶液を添加した。反応を室温で18時間撹拌し、次いで、水で反応を停止した。得られた混合物を、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,Horizon)(0%EtOAc/ヘキサン−>20%EtOAc/ヘキサン)によって未精製材料を精製して、所望の生成物を得た。
【0383】
段階F
【0384】
【化96】

【0385】
無水ジオキサン(2mL)及びDMF(0.5mL)中の段階Eから得られた中間体(100mg、0.239mmol)の溶液に、前記アミド(56mg、0.239mol)、キサントホス(32mg、0.05mmol)、炭酸セシウム(46mg、0.36mmol)及びPd(dba)(15mg、0.016mmol)を添加した。Nを通気することによって、得られた混合物を2分間脱気した。N雰囲気下で18時間、反応を55℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過した。ろ液を真空中で濃縮し、逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。
【0386】
段階G
THF(2mL)及びMeOH(1mL)中の段階Fから得られた中間体の溶液に、1NNaOH(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。1NHCl(1mL)の添加によって、pH=7になるように反応のpHを調整した。得られた混合物を真空中で濃縮した。残留物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(Gilson)によって残留物を精製して、所望の生成物を得た。HNMRδ(500MHz,DMSO)8.26(d,1H),7.90(d,1H),7.38(m,1H),7.30(dd,1H),6.98(m,1H),3.21(t,2H),3.07(m,1H),2.94(m,2H),2.99−2.54(m,4H),2.13(m,1H).0.71(d,3H)。LCMSm/z503(M+1)。
【0387】
(実施例42)
【0388】
【化97】

【0389】
実施例38に関して記載された類似の操作に従って、実施例42を調製した。HNMRδ(500MHz,DMSO)1.94(s,1H),8.11−8.04(m,2H),7.84(m,1H),7.48(m,1H),7.27(m,1H),3.29(t,2H),3.17(m,1H),3.03−3.97(t,3H),2.78(m,1H),2.53(m,1H),2.38(m,1H),1.98(m,1H),1.83(m,1H)。LCMSm/z453(M+1)。
【0390】
(実施例43)
【0391】
【化98】

【0392】
エーレンマイヤーフラスコ中の0℃まで冷却されたHF−ピリジン(100g)中の5−アミノ−2−シアノピリジン(20.0g、0.168mmol)の懸濁液に、4つに分けた亜硝酸ナトリウム(17.4g、0.251mmol)を添加した。0℃で45分後、反応混合物を室温で30分間撹拌した後、80℃まで90分間加熱した。氷/水混合物中に注ぐことによって、反応混合物を反応停止した。得られた混合物を、DCMで抽出した。無水硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、ろ過し、濃縮して、オレンジ色の固体としてフルオロピリジンニトリル得た。メタノール(200mL)中のこのフルオロピリジンニトリル中間体(16.0g、0.131mmol)の懸濁液に、ヒドロキシルアミン(9.63mL、0.157mmol、50重量%)を添加した。室温で48時間、反応混合物を撹拌した後、フリット付き漏斗を通してろ過した。沈殿をエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、黄色固体としてN−ヒドロキシアミジンを得た。無水ピリジン(10mL)中のこのアミジン中間体(5.32g、34.32mmol)の懸濁液に、4−クロロ−4−オキソ−メチルブチラート(5mL、41.18mmol)を添加した。得られた反応混合物を、120℃で2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残留物を酢酸エチル中に懸濁し、1NHCl、水及び塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、濃い茶色の固体を得た。25%から60%酢酸エチル−ヘキサン勾配を使用するBiotageによって、この材料を精製して、淡黄色の固体としてヘテロビアリール中間体を得た。ジオキサン(3mL)中のこのエステル中間体(900mg、3.58mmol)の溶液に水酸化アンモニウム(3mL)を添加し、室温で12時間、混合物を撹拌した。終了した時点で、混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage40M)を介してアミドを精製した。ジオキサン(7mL)の脱気された溶液中のアミド(0.25g、1.0mmol)に、対応するトリフラート(0.92g、2.1mmol)、炭酸セシウム(1.0g、3.0mmol)、xantphosリガンド(0.1g、0.2mmol)及びPd(dba)触媒(0.09g、0.1mmol)を添加し、反応混合物を75℃まで6時間加熱した。混合物を冷却し、ろ過し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage40M)を介して精製した。THF/HO(1:1)中の所望のシクロアルケン(0.26g、0.5mmol)に、水酸化ナトリウム(0.06g、1.5mmol)を添加した。二相性反応混合物を、室温で12時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(Gilson)によって精製して、所望の生成物実施例43を得た。HNMR(DMSOd,500MHz)δ11.46(s,1H),8.76(s,1H),8.12(m,1H),7.94(m,1H),7.41(m,1H),6.87(m,1H),3.43(m,2H),3.26(m,2H),2.89(m,2H),2.18(m,1H),2,11(m,2H)1.88,(m,1H),1.30(m,3H);LCMSm/z527(M+Na)。
【0393】
(実施例44)
【0394】
【化99】

【0395】
0℃のDMF(40mL)中のエチル−3−ピラゾールカルボキシラート(3.53g、25.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.21g、30.2mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で40分間撹拌した後、5−ニトロ−2−ブロモピリジン(5.1g、25.2mmol)を添加した。20分間撹拌した後、ジクロロメタン(1000mL)と水(500mL)の間に反応混合物を分配し、有機相を水(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。80%DCM/ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、所望の生成物を得た。酢酸(220mL)中のこのニトロ中間体(6.77g、25.8mmol)に、亜鉛粉末(16.77g、258mmol)を添加した。得られた混合物を、60℃で30分間加熱した後、ろ過した。ろ液を真空中で濃縮した。残留物にDCM(1000mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(1000mL)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。(0.1%トリエチルアミンを含有する)DCM中の5%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、黄色の固体として所望の生成物を得た。0℃のテトラフルオロホウ酸(48%、130mL)中のこのアミン中間体(5.96g、25.7mmol)に、水(20mL)中の亜硝酸ナトリウム(1.95、28.3mmol)の溶液を滴加した。ろ過の前に、得られた溶液を0℃で1時間撹拌した。固体を水及びジエチルエーテルで洗浄して、黄色固体として所望の生成物を得た。無水酢酸(250mL)中のこのジアゾ中間体(6.66g)の混合物を70℃で一晩加熱した後、真空中で濃縮した。DCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、白色の固体として所望の生成物を得た。硫酸4滴の存在下のエタノール(400mL)中のこのアセタート中間体(3.5g、12.7mmol)の溶液を、還流下で一晩加熱した。真空中で濃縮された後、DCM(300mL)と水(200mL)の間に残留物を分配した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液によって、得られた混合物のpHをpH=5に調整した。硫酸ナトリウムでDCM相を乾燥させ、真空中で濃縮して、固体として生成物を得た。0℃のDMF(40mL)中のこのヒドロキシル中間体(2.86g、12.3mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、589mg、14.73mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で40分間撹拌した後、4−メトキシベンジルアルコール(2.31g、14.73mmol)及びヨウ化ナトリウム(10mg)を添加した。得られた混合物を、80℃で0.5時間加熱した。室温まで冷却した後、DCM(500mL)と塩水(500mL)の間に反応混合物を分配した。DCM相を塩水(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサン(50mL)で残留物を処理し、混合物をろ過して所望の生成物を得た。ろ液を濃縮し、20%EtOAC/ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、白色の固体としてさらなる生成物を得た。THF(300mL)中の、このエチルエステル中間体(4.13g、11.9mmol)及び水素化ホウ素リチウム(384mg、17.6mmol)の懸濁液を還流下で一晩加熱した後、0℃まで冷却し、pH=6まで1NHClによって反応を停止した。得られた混合物をEtOAc(400mL)中に希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、所望の生成物を白色固体として得た。0℃のDCM(200mL)中のこのアルコール(3.7g、11.88mmol)の溶液に、ピリジン(1.13g、14.27mmol)、トリフェニルホスフィン(8.73g、33.29mmol)及びNBS(6.34g、35.66mmol)を添加した。得られた溶液を、0℃で1.5時間撹拌した。DCM相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。DCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、白色の固体として生成物を得た。0℃のDMF(100mL)中のジメチルマロナート(6.0g、45.6mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(2.0g、50.15mmol、60%)を添加した。0℃で40分間、混合物を撹拌した後、臭化物中間体(3.41g、9.12mmol)を一度に添加した。得られた混合物を室温で40分間撹拌した後、酢酸エチル(500mL)と飽和塩化アンモニウム(300mL)の間に分配した。EtOAc相を塩水(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、白色の固体として所望の生成物を得た。THF/MeOH/HO(3:1:1、300mL)の混合物溶媒中のこのジエステル(3.8g、8.9mmol)の溶液に、水酸化リチウム(1N、150mL)を室温で滴加した。溶液を40分間撹拌した後、有機溶媒を除去するために真空中で濃縮した。次いで、3NHClによって、得られたアルカリ溶液をpH=3まで酸性化した後、EtOAc(2×300mL)で抽出した。合わせたEtOAc相を塩水(3×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。DMF(40mL)中のこの二酸(3.28g、8.26mmol)の溶液を、130℃で20分間加熱した。室温まで冷却した後、EtOAc(300mL)と塩水(300mL)の間に反応混合物を分配した。EtOAc相を塩水(2×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、生成物を白色固体として得た。DCM(100mL)中の、この一酸中間体(2.7g、7.7mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.97g、8.4mmol)、EDCI(1.76g、9.2mmol)の溶液を、室温で3時間撹拌した後、400mLDCMによって希釈した。DCM相を塩水(3×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して生成物を得た。1,4−ジオキサン(200mL)中のこの残留物の溶液に、水酸化アンモニウム(28%、30mL)を室温で滴加した。得られた混合物を30分間撹拌した後、濃HClによって中和した。次いで、混合物を真空中で濃縮した。DCM(500mL)と水(500mL)の間に残留物を分配した。DCM(3×200mL)を用いて水相を抽出した。次いで、合わせたDCM相を飽和炭酸水素ナトリウム(3×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、カルボキサミド共通中間体を白色固体として得た(スキーム14中に記されている中間体84)。平行して、−78℃のDCM(250mL)中の1,3−シクロヘキサンジオン(6.0g、53.5mmol)の溶液に、2,6−ルチジン(8.6g、80.3mmol)及びトリフルオロ酢酸無水物(18.1g、64.2mmol)を滴下した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した後、塩酸(1N、3×100mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム上でDCM相を乾燥させ、真空中で濃縮して、赤茶色の油として生成物を得た。THF(100mL)中の、このトリフラート(4.0g、16.39mmol)、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸(3.11g、19.67mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリドパラジウム(II)(0.5g、0.71mmol)及び炭酸ナトリウム(2M、40mL)の混合物に窒素を流した後、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(200mL)で反応停止させ、EtOAC(3×300mL)で洗浄した。合わせたEtOAc相を塩水(3×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、白色の固体として所望の生成物を得た。−78℃のTHF(100mL)中のこの中間体(2.94g、14.1mmol)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(15.5mL、THF中1N)を滴加した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌した後、この溶液に、−78℃のシアノギ酸メチル(1.32g、15.5mmol)を滴加した。次いで、得られた溶液を−20℃で2時間撹拌した後、pH=4まで、HCl(1N)によって反応停止した。混合物をEtOAc(200mL)で抽出し、EtOAc相を塩水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、油として所望の生成物を得た。パラジウム/炭素(5%、0.43g)の存在下、室温で、水素バルーン下、1.5時間、このエノン(2.15g、8.1mmol)をメタノール(150mL)中の水素添加にかけた後、セライトを通して窒素雰囲気下でろ過した。ろ液を真空中で濃縮した。8%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して固体として生成物を得た。0℃のTHF(20mL)中のこのβ−ケトエステル(0.38g、1.43mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(74.3g、1.85mmol、60%)を添加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌した後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(0.59g、1.5mmol)を上記混合物に添加し、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した後、水(100mL)を添加した。混合物を、EtOAc(200mL)で抽出した。EtOAc相を塩水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。5%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製して、油としてトリフラートを得た。1,4−ジオキサン(40mL)中の、前記カルボキサミド共通中間体(0.22g、0.62mmol)、トリ(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(57mg、0.062mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(91mg、0.16mmol)、トリフラート(0.31g、0.78mmol)及び炭酸セシウム(0.41g、1.25mmol)の混合物を、アルゴン下、80℃で一晩加熱した。セライトを通して、反応混合物をろ過して、ろ液を真空中で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して、油として生成物アミドを得た。0℃のDCM(1.4mL)中の、この中間体(0.17g、0.28mmol)及びトリイソプロピルシラン(0.11g、0.70mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.7mL)を添加した。室温で20分間、得られた溶液を撹拌した後、12℃未満で、真空中で濃縮した。0℃のTHF/MeOH/HO(3:1:1、20mL)の混合溶媒中に残留物を溶解した。上記溶液に、水酸化リチウム(10mL、1N)を滴加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。真空中で有機溶媒を除去した後、1NHClによって、水溶液をpH=4に酸性化した後、イソプロパノール/クロロホルム(30%、2×40mL)で混合物を抽出した。次いで、合わせた有機相を真空中で濃縮した。調製用RP−HPLC上で残留物を精製して、所望の生成物実施例44を得た。LCMS:469(M+1),HNMR(500MHz,DMSO−d):11.66(1H,s),10.02(1H,s),8.32(1H,d),7.94(1H,d),7.67(1H,d),7.30(2H,m),7.17(2H,m),6.32(1H,d),
2.88(2H,t),2.67(2H,t),3.16(1H,m),2.94(1H,m),2.58(1H,m),2.43(1H,m),1.94(1H,m),1.81(1H,m)。
【0396】
(実施例45)
【0397】
【化100】

【0398】
−78℃のTHF(180mL)中の1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−オン(8.0g、51.2mmol)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(56.4mL、1N)を滴加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌した後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(20.0g、51.2mmol)を上記混合物に添加し、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した後、水(200mL)によって反応を停止した。混合物を、EtOAc(300mL)で抽出した。EtOAc相を塩水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して、油としてトリフラートを得た。THF(100mL)中の、この中間体(5.0g、16.6mmol)、3.5−ジフルオロフェニルボロン酸(3.14g、19.9mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリドパラジウム(II)(0.91g、1.0mmol)及び炭酸ナトリウム(2M、40mL)の混合物に窒素を流した後、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(200mL)によって反応停止させ、EtOAC(3×300mL)で抽出した。合わせたEtOAc相を塩水(3×300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、未精製生成物を油として得た。パラジウム/炭素(5%、0.35g)の存在下、室温で、水素バルーン下において一晩、この未精製中間体をメタノール(100mL)中での水素添加にかけた後、セライトを通して窒素雰囲気下で反応混合物をろ過した。ろ液を真空中で濃縮して、未精製固体を得た。THF(100mL)中のこのケタール中間体の溶液に、HCl(3N、20mL)を添加した。得られた混合物を室温で5時間撹拌した後、真空中で濃縮した。EtOAc(2×100mL)で酸性の水相を抽出した。合わせたEtOAc相を、水(2×100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(2×100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、真空中で濃縮した。8%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製して白色固体として生成物を得た。−78℃のTHF(40mL)中のこのケトン(2.82g、13.4mmol)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(16.1mL、1N)を滴加した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌した後、この溶液に、−78℃のシアノギ酸メチル(1.61g、18.8mmol)を滴加した。次いで、得られた溶液を−20℃で2時間撹拌した後、pH=4まで、HCl(1N)を添加した。混合物をEtOAc(200mL)で抽出し、EtOAc相を塩水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、油として所望の生成物を得た。0℃のTHF(50mL)中のこのβ−ケトエステル(1.47g、5.49mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(285mg、7.13mmol、60%)を添加した。得られた混合物を室温で20分間撹拌した後、2−[N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]−5−クロロピリジン(2.37g、6.04mmol)を上記混合物に添加し、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌下後、水(100mL)を添加した。混合物を、EtOAc(200mL)で抽出した。EtOAc相を塩水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。5%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、得られた残留物を精製して、油として産物を得た。1,4−ジオキサン(40mL)中の、前記カルボキサミド共通中間体(0.22g、0.62mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(57mg、0.062mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(91mg、0.16mmol)、トリフラート(0.50g、1.2mmol)及び炭酸セシウム(0.41g、1.25mmol)の混合物を、アルゴン下、80℃で一晩加熱した。セライトを通してろ過した後、ろ液を真空中で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製して、油として生成物を得た。0℃のDCM(1.4mL)中の、この中間体(0.18g、0.30mmol)及びトリイソプロピルシラン(0.11g、0.70mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.7mL)を添加した。室温で20分間、得られた溶液を撹拌した後、12℃未満で、真空中で濃縮した。0℃のTHF/MeOH/HO(3:1:1、20mL)の混合溶媒中に残基を溶解した。上記溶液に、水酸化リチウム(10mL、1N)を滴加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。真空中で有機溶媒を除去した後、1NHClによって、水溶液をpH=4に酸性化した後、イソプロパノール/クロロホルム(30%、2×40mL)で抽出した。次いで、合わせた有機相を真空中で濃縮した。調製用RP−HPLC上で残留物を精製して、所望の生成物実施例45を得た。LCMS:469(M+1),HNMR(500MHz,CDOD):8.30(1H,d),7.94(1H,d),7.72(1H,d),7.33(1H,q),6.88(2H,m),6.76(1H,m),6.33(1H,d),3.32(2H,t),3.20(1H,m),2.95(1H,m),2.74(2H,t),2.80(2H,m),2.30(1H,m),1.97(1H,m),1.74(1H,m)。
【0399】
生物学的アッセイ
以下のアッセイを使用して、ナイアシン受容体親和性及び機能に関する本発明の化合物の活性を評価することが可能である。
【0400】
H−ナイアシン結合アッセイ
1.膜:膜調製物は、以下の物質中の液体窒素内で保存する。
20mMHEPES、pH7.4
0.1mMEDTA
【0401】
受容体膜を迅速に融解し、氷上に置く。上下に激しくピペット操作することにより再懸濁し、全ての管をプールし、よく混合する。15μg/ウェルの無菌ヒト、10μg/ウェルの無菌マウス、30μg/ウェルの汚染調製物を使用する。
【0402】
1a.(ヒト):結合緩衝液中に希釈する。
1b.(ヒト+4%血清):4%の最終濃度になるように、100%ヒト血清原液5.7%(−20℃で保存)を添加する。結合緩衝液中に希釈する。
1c.(マウス):結合緩衝液中に希釈する。
【0403】
2.洗浄緩衝液及び希釈緩衝液:氷冷した結合緩衝液10Lを作製する。
【0404】
20mMHPEPES、pH7.4
1mMMgCl
0.01%CHAPS(w/v)
分子グレード又はddHO水を使用
【0405】
3.[5,6−H]−ニコチン酸:American Radiolabeled Chemicals,Inc.(cat#ART−689)。原液は、約50Ci/mmol、1mCi/ml、エタノール中の総量1ml→20μM。
7.5%EtOH及び0.25μMトレーサーを含有する中間体H−ナイアシンの作業溶液を作製する。各ウェル中で、この40μLを総量200μLへと希釈する→1.5%EtOH、最終50nMトレーサー
【0406】
4.非標識ニコチン酸:
100mM、10mM及び80μMの原液を作製し、−20℃で保存する。DMSO中で希釈する。
【0407】
5.プレート調製:
1)手作業で分取試料をプレート中へ。全ての化合物は2回検査する。各実験において、10mMの非標識ニコチン酸をサンプル化合物として含めなければならない。
2)プレート全体にわたって、10mMの化合物を1:5の希釈度(8μl:40μl)で希釈する。
3)中間プレートの全ウェルへ、結合緩衝液195μLを添加し、作業溶液を作製する(250μM→0)。各薬剤プレートに対し、1つの中間プレートが存在する。
4)薬剤プレートからの5μLを中間プレートに移す。4から5回混合する。
【0408】
6.操作:
1)適切な希釈された19CD膜140μLを全ウェルに添加する。各薬剤プレートに対して3つのプレート(ヒト用1つ、ヒト+血清用1つ、マウス用1つ)が存在する。
2)適切な中間プレートから化合物20μLを添加する。
3)0.25μMのH−ニコチン酸40μLを全ウェルに添加する。
4)プレートを密閉し、アルミニウムホイルで覆って、滴定プレートシェーカーにおいて、室温で3から4時間、スピード2で振盪する。
5)ろ過し、氷冷結合緩衝液8×200μLで洗浄する。最後のプレートを終了後、1Lを超える水で装置を必ずすすぐこと。
6)フード中で一晩風乾させる(空気が流れるように、プロッププレートを上にする)。
7)プレートの背側を密閉する。
8)40μLのMicroscint−20を各ウェルへ添加する。
9)密封機で上部を密閉する。
10)Packard Topcountシンチレーションカウンターで計数する。
11)計算プログラムにデータをアップロードし、Prismで生のカウント数をプロットして、グラフが作成された、IC50値が一致することを決定する。
【0409】
本発明の化合物は、一般的には、H−ニコチン酸競合結合アッセイにおいて、1nMから約25μMの範囲内でIC50を有する。
【0410】
35S−GTPγS結合アッセイ:
Wallac Scintistripプレート内において、ナイアシン受容体を安定的に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)−K1細胞又はベクター対照から調製した膜(7μg/アッセイ)を、アッセイ緩衝液(100mMHEPES、100mMNaCl及び10mMMgCl、pH7.4)中に希釈し、40μMGDP(最終GDP濃度は10μMであった。)を含有するアッセイ緩衝液中に希釈された試験化合物とともに、約10分間予め温置した後、0.3nMまで35S−GTPγSを添加した。発生し得る化合物の沈殿を回避するために、まず、全ての化合物を100%DMSO中に調製し、次いで、アッセイ緩衝液で希釈し、アッセイでは、3%DMSOの最終濃度とした。結合を1時間進行させた後、室温で4000rpmにて、プレートを15分間遠心分離し、続いて、TopCountシンチレーションカウンター中で計数した。結合曲線の非線形回帰解析をGraphPad Prismで行った。
【0411】
膜の調製
材料:
CHO−K1細胞培養培地:10%FBS、2mML−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム及び400μg/ml G418を加えたF−12Kaighn改変細胞培地
膜剥離緩衝液:20mMHEPES
10mMEDTA、pH7.4
膜洗浄緩衝液:20mMHEPES
0.1mMEDTA、pH7.4
プロテアーゼ阻害剤カクテル:P−8340(Sigma、St.Louis、MO)
【0412】
方法:
(調製を通じて、全材料;緩衝液及び細胞のプレートを氷上に置く。)
・15cmプレートから細胞培地を吸引し、冷PBS5mLですすぎ、吸引する。
・膜剥離緩衝液5mlを添加して細胞を剥離する。剥離物を50mLの遠心管中に移す。プロテアーゼ阻害剤カクテル50μLを添加する。
・4℃にて、20,000rpmで17分間回転させる。
・上清を吸引除去し、ペレットを膜洗浄緩衝液30mL中に再懸濁する。プロテアーゼ阻害剤カクテル50μLを添加する。
・4℃にて、20,000rpmで17分間回転させる。
・膜ペレットから上清を吸引除去する。後に使用するため、ペレットは、−80℃で凍結してもよく、又は直ちに使用してもよい。
【0413】
アッセイ
材料:
グアノシン5'−二リン酸ナトリウム塩(GDP、Sigma−Aldrich、カタログ#87127)
グアノシン5'−[γ35S]チオ三リン酸、トリエチルアンモニウム塩([35S]GTPγS、Amersham Biosciences、カタログ#SJ1320、約1000Ci/mmol)
96ウェルScintiplate(Perkin−Elmer、#1450−501)
結合緩衝液:20mMHEPES、pH7.4
100mMNaCl
10mMMgCl
GDP緩衝液:GDPを加えた結合緩衝液、0.4から40μMの範囲、アッセイ前に新たに作製
【0414】
操作:
(全アッセイ容積=100μウェル)
化合物を加えた又は加えないGDP緩衝液25μL(最終GDP10μM−従って、40μMの原液を使用)
結合緩衝液中の膜50μL(タンパク質0.4mg/mL)
結合緩衝液中の[35S]GTPγS25μL。これは、結合緩衝液10mL中へ(この緩衝液はGDPを含まない。)、[35S]GTPγS原液5μLを添加することにより作製される。
【0415】
・スクリーニングすべき化合物プレートを融解する(100%DMSO中2mMにおける化合物5μLを加えた娘プレート)。
・GDP緩衝液245μLで、2mMの化合物を1:50希釈して、2%DMSO中40μMにする(注意:GDP緩衝液中のGDPの濃度は受容体に依存し、最大の信号対ノイズが得られるように最適化するべきである;40μM)。
・氷上で凍結された膜ペレットを融解する(注意:それらはこの時点で実際に膜であり、膜調製物段階の間、塩を含まない低張緩衝液中で細胞が破砕され、大部分の細胞タンパク質が洗い流された)。
・POLYTRONPT3100(7000rpmに設定したプローブPT−DA3007/2)を使用し、懸濁状態になるまで、短時間、膜を均質化する(数秒−膜が温まらないにようにするため、均質化の実施中は氷上に置く。)。Bradfordアッセイにより、膜タンパク質濃度を測定する。結合緩衝液中において、膜を0.40mg/mlのタンパク質濃度に希釈する(注意:最終アッセイ濃度は20μg/ウェルである。)。
・GDP緩衝液中の化合物25μL/ウェルをSintiplateに添加する。
・膜50μL/ウェルをSintiplateに添加する。
・室温で5から10分間、予め温置する(化合物が感光性であり得るため、プレートをホイルで覆う。)。
・希釈された[35S]GTPγSを25μL添加する。室温で60分間、震盪器上で温置する(Lab−Line、モデル#1314、4の設定で振盪)。化合物が感光性であり得るため、プレートをホイルで覆う。
・22℃において、2500rpmで20分間、プレートカバーで密閉したプレートを回転させることにより、アッセイを停止する。
・TopCountNXTシンチレーションカウンターを読み取る−35Sプロトコル。
【0416】
本発明の化合物は、一般に、約10nMから最大約100μMの範囲内で、機能的インビトロGTPγS結合アッセイにおけるEC50を有する。
【0417】
レーザードップラーによる顔面紅潮
10mg/ml/kgのネンブタールナトリウムを使用して、雄のC57B16マウス(約25g)に麻酔をかける。アンタゴニストを投与する際には、アンタゴニストをネンブタール同時注入する。10分後、動物をレーザー下に置き、腹側を曝露するために耳を折り曲げる。レーザーを耳の中央に配置し、8.4から9.0Vの強度に焦点を合わせた(一般的に、耳の上約4.5cm)。データ収集は、15×15の画像フォーマット、自動間隔、60画像及び中分解能における20秒の時間遅延で開始した。腹膜腔中への注入による10番目の画像後に、化合物を投与する。画像1−10は動物のベースラインであると見なし、ベースライン平均強度の平均値に対して、データを標準化する。
【0418】
材料及び方法−Laser Doppler Pirimed PimII、ナイアシン(Sigma)、ネンブタール(Abbott labs)。
【0419】
本明細書に引用されている全ての特許、特許出願及び公報は、参照により、その全体が本明細書中に組み込まれる。ある種の好ましい実施形態が、本明細書中に詳しく記載されているが、他の数多くの実施形態が、本発明の範囲に属することが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

によって表される化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物
(Xは、炭素又は窒素原子を表し;
Zは、アリール及びヘテロアリールを表し、前記アリール及びヘテロアリールは、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OH、NH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロC1−3アルキル及びハロC1−3アルコキシ基からなる群から選択され;
は、H、フルオロ又は1から3個の基で場合によって置換されたC1−3アルキルであり、前記基の0から3個はハロであり、並びに前記基の0から1個はOC1−3アルキル、OH、NH、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)、CN及びHetcyからなる群から選択され;
a及びbは、a及びbの合計が3であるように、各々整数1又は2であり;
環Aは、6から10員のアリール又は5から13員のヘテロアリール基を表し、前記ヘテロアリール基は、O、S、S(O)、S(O)及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、並びにO及びSから選択される1個の他のヘテロ原子を場合によって含有し、並びに1から3個のさらなるN原子を場合によって含有し、最大5個のヘテロ原子が存在し;
各R及びRは、独立に、H、C1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH又はFであり;
nは、2から4の整数を表し;
は−COH、
【化2】

又は−C(O)NHSOを表し(Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、前記C1−4アルキル及びフェニルは、それぞれ、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個は、ハロ及びC1−3アルキルから選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。);
並びに各Rは、Hであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(Rは、前に定義されているとおりである。);
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個はハロであり、及び前記基の1から2個はOH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。);
c)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);
d)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)Hetcy、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);
e)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
(R'は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R''は、(a)1から4個の基で場合によって置換されたC1−8アルキル(前記基の0から4個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群から選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1から3個の、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基で場合によってさらに置換されている。);
(b)Hetcy、アリール又はHAR(各々、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される1から3の要素で場合によって置換されている。);
を表し;
並びにR'''は、H若しくはR''を表す。);
f)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換された、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);及び
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)N''R'''(R',R''及びR'''は、上記のとおりである。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される。)。
【請求項2】
環Aがアリール基、5から6員の単環式へテロアリール基又は9から13員の二環式若しくは三環式へテロアリール基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが、
(a)フェニル及びナフチルから選択されるアリール;
(b)ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ジヒドロインドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル インドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル又は
【化3】

からなる群から選択される要素からなる群から選択されるHAR、
からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
環Aが、フェニル、ナフチル、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル及びチエニルからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
環Aが、フェニル、ナフチル、オキサジアゾリル、ピラゾリル及びチアゾリルからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO(Rは、C1−4アルキル又はフェニルを表し、前記C1−4アルキル及びフェニルは、それぞれ、1から3個の基で場合によって置換されており、前記基の1から3個は、ハロ及びC1−3アルキルから選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル、ハロC1−3アルキル、ハロC1−3アルコキシ、OH、NH及びNHC1−3アルキルからなる群から選択される。);
b)C1−6アルキル及びOC1−6アルキル(前記C1−6アルキル及びOC1−6アルキルのアルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、OCO1−4アルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、Hetcy及びCNから選択される。);
c)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び、それぞれ、1から3個の基で場合によって置換されたフェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記b)に記載されているように、場合によって置換される。);並びに
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
(R'は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R''は、(a)1から4個の基で場合によって置換されたC1−8アルキル(前記基の0から4個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群から選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1から3個の、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基で場合によってさらに置換されている。);
(b)Hetcy、アリール又はHAR(各々、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される1から3の要素で場合によって置換されている。);
を表し;
並びにR'''は、H若しくはR''を表す。)
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、COH、CN、NH、S(O)0−2、C(O)R、OC(O)R及びCO、並びに
b)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換された、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;COH;CN;NH及びS(O)0−2(Rは、上記のとおりである。);
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);
iii)C(O)NH、C(O)NHC1−4アルキル、C(O)N(C1−4アルキル)、C(O)NHOC1−4アルキル及びC(O)N(C1−4アルキル)(OC1−4アルキル)(前記アルキル部分は、上記(b)に記載されているように、場合によって置換される。);及び
iv)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、CN、NH及び
b)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換されている、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに、前記基の0から1個は、
i)OH;CN;NH
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);並びに
iii)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
からなる群から選択される。)
からなる群から独立に選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xが炭素原子を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Xが窒素原子を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
及びRが、独立に、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
及びRが、独立に、H又はメチルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
nが2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Zが、1から3個のハロ基並びにC1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択される0から1個の基で場合によって置換されたアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Zが、1から3個のハロ基並びにC1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択される0から1個の基で場合によって置換されたヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
がH、フルオロ、又は1から3個のハロ基で場合によって置換されたメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
が−COHを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
環Aが、フェニル、ナフチル、オキサジアゾリル、ピラゾリル及びチアゾリルからなる群から選択され;
各RがHであり、又は
a)ハロ、OH、CN及びNH;並びに
b)何れかの利用可能な環原子に結合し、及び各々、1から3個の基で場合によって置換されている、フェニル又は5から6員のヘテロアリール又はHetcy(前記基の1から3個は、ハロ、C1−3アルキル及びハロC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の1から2個は、OC1−3アルキル及びハロOC1−3アルキル基から選択され、並びに前記基の0から1個は、
i)OH;CN;NH
ii)NHC1−4アルキル及びN(C1−4アルキル)(前記アルキル部分は、場合によって、1から3個の基で置換されており、前記基の1から3個はハロであり、並びに前記基の1から2個は、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)及びCNから選択される。);並びに
iii)NR'C(O)R''、NR'SOR''、NR'COR''及びNR'C(O)NR''R'''
(R'は、H、C1−3アルキル又はハロC1−3アルキルを表し、
R''は、(a)1から4個の基で場合によって置換されたC1−8アルキル(前記基の0から4個はハロであり、並びに前記基の0から1個は、OC1−6アルキル、OH、COH、CO1−4アルキル、CO1−4ハロアルキル、NH、NHC1−4アルキル、N(C1−4アルキル)、CN、Hetcy、アリール及びHARからなる群から選択され、
前記Hetcy、アリール及びHARは、1から3個の、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル又はハロC1−4アルコキシ基で場合によってさらに置換されている。);
(b)Hetcy、アリール又はHAR(各々、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル及びハロC1−4アルコキシ基からなる群から選択される1から3の要素で場合によって置換されている。);
を表し;
並びにR'''は、H若しくはR''を表す。)
からなる群から独立に選択され;
及びRが、独立に、H又はメチルであり;
nが2であり;
Zが、1から3個のハロ基並びにC1−3アルキル及びハロC1−3アルキルから選択される0から1個の基で場合によって置換された、アリール又はヘテロアリールであり;
が、H、フルオロ、又は1から3個のハロ基で場合によって置換されたメチルであり、及び
が−COHを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
以下の表:
【表1】




から選択される請求項1に記載の化合物又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項20】
医薬として許容される担体と組み合わせて、請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項21】
アテローム性動脈硬化症の治療を必要としているヒト患者においてアテローム性動脈硬化症を治療する方法であり、アテローム性動脈硬化症の治療に対して有効である量で請求項1に記載の化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項22】
脂質代謝異常の治療を必要としているヒト患者において脂質代謝異常を治療する方法であり、脂質代謝異常の治療に対して有効である量で請求項1に記載の化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項23】
糖尿病の治療を必要としているヒト患者において糖尿病を治療する方法であり、糖尿病の治療に対して有効である量で請求項1に記載の化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項24】
メタボリックシンドロームの治療を必要としているヒト患者においてメタボリックシンドロームを治療する方法であり、メタボリックシンドロームの治療に対して有効である量で請求項1に記載の化合物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項25】
アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病、メタボリックシンドローム又は関連症状の治療を必要としているヒト患者において、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病、メタボリックシンドローム又は関連症状を治療する方法であり、請求項1に記載の化合物及びDP受容体アンタゴニストを前記患者に投与することを含み、前記化合物が、実質的な顔面紅潮無しで、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、糖尿病又は関連症状を治療するのに有効である量で投与される、方法。
【請求項26】
DP受容体アンタゴニストが、化合物AからAJ:
【表2】


又は医薬として許容されるその塩若しくは溶媒和物からなる群から選択される、請求項25に記載の治療の方法。

【公表番号】特表2009−526058(P2009−526058A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554287(P2008−554287)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/002994
【国際公開番号】WO2007/092364
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】