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ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(TANACETUMPARTHENIUM))からのパルテノライドを含有しない生物活性成分及びその製造方法
説明

ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(TANACETUMPARTHENIUM))からのパルテノライドを含有しない生物活性成分及びその製造方法

本発明は、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する単離された生物活性画分を含む生物活性成分に関する。生物活性画分は、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかである。更に、生物活性画分は、抗炎症及び抗酸化活性を有する。本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する、及びα−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を少なくとも実質的に含有しない生物活性画分を単離する方法にも関する。本発明はまた、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しない安定化された細胞汁液漿液画分及び安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を製造する方法にも関する。本発明はまた、1以上の本発明の単離された生物活性画分の混合物を含む生物活性組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本出願は、2006年2月21日出願の米国特許仮出願番号60/775,257号の利益を主張する。前記仮出願は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液(cell juice)に由来する単離された生物活性画分を含む生物活性成分に関する。前記生物活性画分は、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド(parthenolide))を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかであり、抗炎症及び抗酸化活性を有する。本発明はまた、生物活性成分を製造する方法にも関する。本発明は更に、1以上の本発明の単離された生物活性画分の混合物を含む生物活性組成物に関する。
【発明の背景】
【0003】
タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium)L.Schulz−Bip.(別名:クリサンセマム・パルテニウム(Chrysanthemum parthenium)、ライカンセマム・パルテニウム(Leicanthemum parthenium)、マトリカリア・パルテニウム(Matricaria parthenium)、ピレスラム・パルテニウム(Pyrethrum parthenium))は、キク科(Compositae)(キク科(Asteraceae)、マトリカリア(Matricaria)又はデージー)の科に属する植物である。タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium)は、次の一般名の下に知られている:アルタミサ(altamisa)、アマルゴサ、バチェラーズ・ボタン(bachelor’s buttons)、フェザーフュー、フェザーホイル(featherfoil)、解熱性植物(febrifuge plant)、ナツシロギク(feverfew)、フラートワート、グランカモミーユ(grande camomille)、マンサニリャ(manzanilla)、マトリカリア、真夏のデージー(midsummer daisy)、モエダークルイド(moederkruid)、サンタ・マリア(Santa Maria)、及びヴァラディカ(varadika)。これらの一般名のうち、「ナツシロギク」という名が最も高い頻度で使用される。
【0004】
ナツシロギクは、丈の低い多年生植物であり、高さ15〜80cmに成長する。茎は、真っすぐに立ち、皺が寄り、毛で覆われている。葉は、二つに烈開し羽毛で覆われた緑色の葉であり、鋸状の縁を有する。花は、白色放射花弁及び平たい黄色芯を有する。傷んだときの植物の香りは、強く、芳香があり、苦い。ナツシロギクは、少なくとも2000年間は生え続けており、バルカン半島及びコーカサス山脈原産の植物である。現在では、ナツシロギクは、ヨーロッパ、北米、南米、北アフリカ、中国、日本、及びオーストラリアに生育している。ナツシロギク栽培の最適条件は次の通りである:pH=6.0...6.7(最適pH=6.3)を有する排水の良い土壌;十分な日光と部分的遮光;米国農務省(USDA)の温度ゾーンにおける耐寒性限界9から5まで(防寒措置なし)に適合。ナツシロギクのための最善の気候は、ゾーン5と7である。防寒措置をした状態では、ナツシロギクは、ゾーン3と4で栽培することができるが、もっとも、大陸性気候(例えば、合衆国のカンザス州;カナダのサスカチェワン州)においては、ナツシロギクは時には、一年生植物とみなされる。
【0005】
古代ギリシャ人及び初期ヨーロッパ人は、発熱、炎症、及び腫れ物を治療するため、並びに虫除けのため、並びに咬み傷及び刺し傷を治療するために、ナツシロギクを使用した。過去20年以内に、ナツシロギクは、片頭痛、関節炎、及び炎症性疾患の治療に対して少なからぬ興味を引くようになった。利用される植物の部分は、乾燥した又は新鮮な葉及び開花地上部である。ナツシロギクは、天然のままの草、乾燥した粉末、新鮮な葉、凍結乾燥した葉のカプセル剤、乾燥した葉のカプセル剤、ソフトカプセル剤、チンキ剤、煎じ薬(例えば、茶)、抽出物、及び機能性飲料成分の形態で使用される。明らかに、ナツシロギク植物全体が、非ステロイド性抗炎症薬と類似した形で作用する。しかしながら、ナツシロギク抽出物は、むしろコルチゾンと類似した作用をする(例えば、Feverfew.Botanical Monograph,American Journal of Natural Medicine 4(6):28−29(1997)を参照)。
【0006】
このような食い違い及び広域スペクトルの活性が、この植物の活性成分及びその誘導体の研究への注意を引いている。ナツシロギクの主要な既知活性化学物質は、セスキテルペンラクトン類(全含有量≦1.8%)及び精油(全含有量≦0.07%)である。ナツシロギクの活性化合物のリストは次のものを含む:(i)セスキテルペンラクトン類(アルテカニン(artecanin)、カニン(canin)、10−エピ−カニン(10-epi-canin)、クリサンセモライド(chrysanthemolide)、クリサンセモニン(chrysanthemonin)、エポキシアルテモリン(epoxyartemorin)1β−ヒドロキシアルブスクリン、3β−ヒドロキシパルテノライド,8β−ヒドロキシレイノシン、マグノリオライド(magnoliolide)、パルテノライド、レイノシン、サンタマリン、セコ−タナパルテノライドA(seco-tanaparthenolide A)、タナパルシン(tanaparthin)、タナパルシン−1α,4α−エポキシド、タナパルシン−1β,4β−エポキシドを含む);(ii)セスキテルペン類(ショウノウ、β−ファルネセン、及びゲルマクレンを含む);(iii)モノテルペン類;(iv)フラボノール類(タネチン(tanetin)、ケンペロール類、クエルセタゲニン類、アピゲニン、ルテオリン、及びクリソエリトール(chrysoeritol)を含む);並びに(v)スピロケタールエノールエーテルポリイン類。
【0007】
これらの化合物のうち最も豊富なグループは、α−不飽和γ−ラクトン類のグループである;特にパルテノライドであり、これがα−不飽和γ−ラクトン類のうちの〜85%に相当する。パルテノライドは、明らかにナツシロギクの葉の表面上の油細胞に位置しているが、最もよく知られ、最もよく研究されている(例えば、Smith et al.,J.Chromatogr.,627:255(1992)、及びSmith,R.M.,LC GC Int.,(Jan.8−15,1996)を参照)。パルテノライドを含むα-不飽和γ−ラクトン類は、ナツシロギクの生物活性を担う基本的な成分であると考えられているが、しばしばナツシロギク誘導体によって引き起こされるアレルギー反応を担う基本的な成分でもある。
【0008】
例えば、成功した臨床試験で使用されたナツシロギク製剤は、0.4%〜0.66%のパルテノライド含有量を有していたが、これは、潰瘍形成を起こしたり、滲出性皮膚炎を起こしたり、外部接触から生じる病的効果を起こしたりすることができる濃度を超えている(例えば、Awang,D.V.C.,“Feverfew,”Can.Pharm.J.,122:266−270(1989)を参照)。同時に、ナツシロギクの使用者のうちの約10〜18%は、いくつかの通常軽度の可逆的な副作用を報告している(例えば、Ernst et al.,“The efficacy and safety of feverfew(Tanacetum parthenium L.):an update of a systematic review,”Public Health Nutrition,3(4a):509−514(2000);Porter et al.,“Feverfew in Saskatchewan,”(www.agr.gov.sk.ca/DOCS/crops/special_crops/feverfew.asp?firstPick=&secondpck=&thirdpick=Production%20Information)(2004)を参照)。そして、パルテノライドがこれらの副作用の原因である可能性がある。α−不飽和γ−ラクトン類(パルテノライドを含む)が多数のアレルギー反応の引き金を引く能力には、十分な証拠書類がある(例えば、Arch.Dermatol.Forsch,251(3):235−244(1975);Arch.Dermatol.Forsch,255(2):111−121(1976);Contact Dermatitis,38(4):207−208(1988);Am.J.Contact Dermatol.,1:49−50(1998−1999);Br.J.Dermatol,132(4)543−547(1995)を参照)。
【0009】
近年に至り、α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有しないと主張し、より具体的にはパルテノライドを実質的に含有しないと主張するナツシロギク抽出物の製剤に向けて努力が進められてきた(例えば、米国特許第6,224,875号明細書及び米国特許第6,479,080号明細書を参照)。「α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有しない」及び「パルテノライドを実質的に含有しない」とは、α−不飽和γ−ラクトン又はパルテノライドの重量含有量を、それぞれ、約0.1%未満、より好ましくは0.1%未満、より好ましくは約0.09%未満、及び最も好ましくは0.07%未満有する抽出物を意味することに留意されたい。前記含有量は、0.4〜1.8%のパルテノライドを有する平均的なナツシロギクファイトマス中の含有量(例えば、Marino L.,“The effect of clonal micropropagation on parthenolide content in two genotypes of feverfew,Tanacetum parthenium,”AgroFarm Technologies Feverfew Report,London,Ontario(2004)を参照)よりも低いので、α−不飽和γ−ラクトン類、及び特にパルテノライドの含有量の低下した抽出物を製造するためには、溶媒の完全蒸発及びイオン交換樹脂の使用を含む、いくつもの有機溶媒及び精製を用いる多数の複雑な抽出工程が必要とされる。
【0010】
前記有機溶媒抽出物は、乾燥したナツシロギクファイトマスから次の諸工程を含む方法を用いて得られる:(a)アセトン、アルコール類又はこれらの溶媒と水との混合物を用いて植物の地上部から多量の植物性物質を抽出する工程;(b)工程(a)からの物質を炭化水素溶媒で抽出する工程;(c)残った非炭化水素の相を非極性溶媒で抽出する工程;(d)非極性溶媒抽出物を蒸発させ、残渣を水−アルコール性溶液中に再溶解し、次いで再溶解した残渣を強塩基性樹脂で処理する工程;(e)樹脂をアルコールで溶離して、溶離した溶液を除去する工程;(f)樹脂を酸のアルコール性又は水−アルコール性溶液で処理し、溶液を濃縮して、得られた残渣を非極性溶媒で抽出する工程;(g)工程(f)から非極性溶媒を蒸発させて、残渣を得、これを工程(b)からの炭化水素抽出物の蒸発からの残渣及び工程(c)の非極性溶媒での抽出後に得られたアセトン性又はアルコール性の相に添加する工程;及び(h)溶媒を蒸発させて、残った残渣を乾燥する工程。
【0011】
様々な抽出工程のために好ましい溶媒は、次のものを含むがこれに限定されるものではない:工程(a)のために:アセトン、メタノール、エタノール又はそれらの水との混合物;工程(b)のために:ヘキサン、n−ペンタン、石油エーテル、リグロイン;工程(c)のために:塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、好ましくは塩化メチレン;及び工程(f)のために:酢酸エチル。
【0012】
米国特許第6,224,875号及び第6,479,080号明細書によれば、この「パルテノライドを実質的に含有しない」抽出物は、アレルギー反応を誘導する危険性の減少とともに好都合な薬理学的特性を有する。しかしながら、前記抽出物は、4つの異なるグループに属する、及びスキンケア製剤の多くの従来の成分とは限定された適合性を有する可能性のある、諸有機溶媒を使用する逐次的処理で単離される。従って、スキンケア製品用の成分として前記抽出物を適用することは、ある種の限界を有する(例えば、容易に水に溶解しない)。
【0013】
記載されているナツシロギク抽出物は、「パルテノライドを実質的に含有しない」けれども、許容された残留パルテノライド含有量のため、真にパルテノライドを含有しない物質ではない。パルテノライド自体のよく知られている高い特異的活性は、薬理学的特性及び抽出物の残留アレルゲン性の両方に寄与することができ、特に高濃度で使用されるときにはそうである。前記抽出物の薬理学的特性が特定の条件で特定の溶媒に可溶化されるそれらのナツシロギク成分のみの活性によって限定されることは重要である。従って、そのような抽出物は、生きているナツシロギク植物に存在する活性成分の一部のみを表している。例えば、凍結乾燥したナツシロギクの葉及び乾燥した葉は、プラセボに比較したとき、著しい有益な効果を示したが、しかしナツシロギクのエタノール抽出物は効果がなかった(例えば、Ernst et al.,“The efficacy and safety of feverfew(Tanacetum parthenium L.):An update of a systematic review,”Public Health Nutrition,3(4a):509−514(2000)を参照)。
【0014】
ナツシロギク生成物の異なった形態に見出された特異的活性の比較については、全乾燥葉の製剤がその抽出物よりも効果的であることがわかったこと、及び加えて、乾燥したナツシロギクの抽出物と新鮮なナツシロギクの抽出物が薬理学的効能とプロファイルにおいて顕著な相違を有すること、に留意されたい(例えば、Barsby et al.,“Feverfew and vascular smooth muscle:Extracts from fresh and dried plants show opposing pharmacological profiles,dependent upon sesquiterpene lactone content,”Planta Medica,59:20−25(1993)を参照)。例えば、乾燥したナツシロギクの葉の抽出物に比較して、及びそれとは対照的に、新鮮な葉の抽出物は、(a)濃度に相関した様態での不活性化電位依存性カリウム電流の低下;(b)白血球のトロンボキサン及びロイコトリエンB産生の用量依存性阻害;及び(c)トリプタミン、トロンボキサンに対する筋反応阻害及びアセチルコリン誘導の弛緩の低下、を有する。
【0015】
興味深いことには、ナツシロギク生成物の効果を最大化する強い願望が近年、植物の加工処理による影響を最低限にする、植物成分の全てを含有する生成物の製造の増加をもたらした。これらの生成物のうちには、凍結乾燥したナツシロギクの葉の製剤があるが、もっともそのような物質は限定された用途に適しており、スキンケアはそれらの用途にはない。
【0016】
加えて、ナツシロギク抽出物の活性及びこれらの抽出物中のパルテノライドレベルは、溶媒(単数又は複数)の選択及び探索された抽出方法に依存している(例えば、Kaplan,M.,“Comparison of Supercritical Fluid and Solvent Extraction of Feverfew(Tanacetum parthenium),”Turk J.Chem,26:473−480(2002)を参照)。従って、溶媒抽出により抽出された物質と超臨界流体抽出により抽出された物質とは異なる。例えば、超臨界流体CO抽出物は、クロロホルム抽出物よりも大きいパルテノライド含有量を有し、そのあとのアセトン抽出物においてはより多い。
【0017】
ナツシロギクの組成物は、植物材料の供給源並びに栽培及び収穫の条件に応じて、著しく変化する。パルテノライド量において膨大な変化が見出されている。例えば、アメリカ産の植物は、イギリス及びフランス産のナツシロギク中に見出されたパルテノライド濃度の50%以下を含有する。パルテノライド含有量は、灌漑されたナツシロギクに比較して、乾燥地についてはより高かった。ナツシロギクを単回の水ストレスイベントにさらすことによりパルテノライド含有量を増加し得ることが見出された(Fonseca et al.,“Parthenolide and abscisic acid synthesis in feverfew are associated but environmental factors affect them dissimilarly,”J.Plant Physiology,162,:485-494(2005))。花は最高レベルのパルテノライドを含有したが、一方茎は最少のパルテノライドを含有した。収穫が遅れるにつれて、花のパルテノライド含有量は増加し、茎と葉の含有量は減少した。午後に収穫したナツシロギクは、午前中に収穫した植物よりも著しく多量のパルテノライドを含有した、そしてナツシロギクを紫外(UV)光に暴露することによりパルテノライド含有量が著しく減少する結果となった。ナツシロギク誘導体中のパルテノライド量の幅広いバリエーションは2つの主要因子、即ち栽培条件と加工処理方法、の相互作用の本質的な結果であり得ることに留意されたい。残念ながら、米国特許第6,224,875号及び第6,479,080号明細書は、「パルテノライドを実質的に含有しない」ナツシロギク抽出物の再現性(reproducibility)に関して何らの情報も提供しない。しかしながら、前記の様に、原材料の大きいバラツキが、抽出物の特性に著しい影響力を有する可能性がある。
【0018】
従って、従来のナツシロギク生成物と抽出物について、再現性が乏しく、そして全く最適とはいえない品質をもたらす、多くの遺伝的、地理的、気候的、及び技術的な因子が存在している(例えば、Hepinstall et al.,“Parthenolide content and bioactivity of feverfew(Tanacetum parthenium(L.)Schultz−Bip.).Estimation of commercial and authenticated feverfew products,”J.Pharm.Pharmacol.,44:391−395(1992);Draves,A.H.and S.E.Walker,“Parthenolide Content of Canadian Commerical Feverfew Preparations:Label Claims are Misleading in Most Cases,”Canadian Pharm J.,136(10):23−30(Dec.2003/Jan.2004)を参照)、そしてこれらの因子が、薬草医学及びスキンケアにおけるナツシロギク誘導体の幅広い利用に対して重大な問題を生み出している。
【0019】
従って、広域スペクトルの望ましい生物活性を有する、高い再現性がありパルテノライドを含有しないナツシロギク誘導体の製造方法に対する必要性が存在している。前記広域スペクトルの望ましい活性とは、特定の溶媒に親和性を有するような活性だけによっては限定されない、即ち、そうではなく、従来の化学抽出の制限を受けない、そういう活性である。
【発明の要約】
【0020】
本発明は、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する単離された生物活性画分を含む生物活性成分に関する。前記生物活性画分は、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかである。更に、前記生物活性画分は、抗炎症及び抗酸化活性を有する。
【0021】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来し、そしてα−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかである生物活性画分を単離する方法にも関する。この方法は、ナツシロギク (タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスを供給する工程を含む。新鮮なバイオマスは、細胞汁液上澄み及び膜画分を生じるのに有効な条件下に、加工処理される。細胞汁液上澄みは、第1の細胞汁液漿液(serum)上澄み及び細胞質画分沈殿を生じるのに有効な条件下に、処理される。次いで細胞質画分沈殿は、α−不飽和γ−ラクトン類を少なくとも実質的に含有しない生物活性画分として単離される。本発明はまた、この方法により製造した細胞質画分沈殿を含み、抗炎症及び抗酸化活性を有する生物活性成分にも関する。
【0022】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来し、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しない生物活性画分である安定化された細胞汁液漿液画分を製造する方法にも関する。この方法は、第1の細胞汁液漿液上澄みを第2の細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、清澄化する工程(clarifying)を含む。安定剤が、安定化された細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、第2の細胞汁液漿液上澄みと混合される。安定化された細胞汁液漿液画分は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有しない生物活性画分である。本発明はまた、この方法により製造された安定化された細胞汁液漿液画分を含み、抗炎症及び抗酸化活性を有する生物活性成分にも関する。
【0023】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来し、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しない生物活性画分である安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を製造する方法にも関する。この方法は、濃縮細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、安定化された細胞汁液漿液画分を濃縮する工程を含む。安定剤が、安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、濃縮細胞汁液漿液上澄みと混合される。安定化された濃縮細胞汁液漿液画分は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有しない生物活性画分である。本発明はまた、この方法により製造された安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を含み、抗炎症及び抗酸化活性を有する生物活性成分にも関する。
【0024】
本発明は更に、1以上の本発明の単離された生物活性画分の混合物を含む生物活性組成物に関する。
【0025】
本発明は、本発明が、広域スペクトルの望ましい生物活性(例えば、抗炎症及び抗酸化活性)を有する、高い再現性があり、パルテノライドを含有しないか又は実質的にパルテノライドを含有しないナツシロギク誘導体を製造する手段を提供するという点で有用である。先行技術を超える本発明の或る利点は、本発明の方法が、本発明の生物活性画分を単離するのに過酷な有機溶媒の使用を必要としないことである。本発明の生物活性成分は、哺乳動物(ヒトを含む)に対する様々な局所及び経口適用における活性成分として有用である。これらの製剤は、皮膚組織の炎症活性を阻害するために、及び紫外線で誘発される損傷から皮膚を保護するために使用することができる。本発明の生物活性成分はまた、哺乳動物の皮膚組織の皮膚疾患を正常化するためにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の生物活性成分を製造する方法の或る実施態様を示す略図である。
【図2】本発明の方法の或る実施態様において使用されたナツシロギクの新鮮なバイオマスの高圧液体クロマトグラフィー(「HPLC」)のクロマトグラムである。下向き矢印は、パルテノライドのピークを示す。
【図3】本発明の方法の或る実施態様により単離された高繊維質物質のHPLCクロマトグラムである。下向き矢印は、パルテノライドのピークを示す。
【図4】本発明の方法の或る実施態様により単離された沈殿IのHPLCクロマトグラムである。下向き矢印は、パルテノライドのピークを示す。
【図5】本発明の方法の或る実施態様により単離された沈殿II(生物活性成分A)のHPLCクロマトグラムである。下向き矢印は、パルテノライドのピークを示す。
【図6】本発明の方法の或る実施態様により単離された最終上澄み(生物活性成分B)のHPLCクロマトグラムである。
【図7】本発明の方法の或る実施態様により単離された濃縮最終上澄み(生物活性成分C)のHPLCクロマトグラムである。
【発明の詳細な説明】
【0027】
本発明は、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する単離された生物活性画分を含む生物活性成分に関する。生物活性画分は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有しないか又は実質的に含有しない、そしてより具体的にはパルテノライドを含有しないか又は実質的に含有しない。本明細書で使用される用語「生物活性画分」及び「生物活性成分」は交換可能に使用することができる。本明細書に鑑みて、当業者は、そのような用語の交換可能な使用がいつ妥当であるかを知っているものである。本発明の生物活性成分は、抗炎症及び抗酸化活性を無制限に含む有利な活性を有する。
【0028】
本明細書で使用される用語「ナツシロギク」は、「タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium)」植物に対する一般名である。
【0029】
本明細書で使用される用語「α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有しない」及び「パルテノライドを実質的に含有しない」は、α−不飽和γ−ラクトン類又はパルテノライドの重量含有量を、それぞれ約0.01%以下有するが、しかしそれでもなお技術的によく知られている標準的な高圧液体クロマトグラフィー(「HPLC」)の分析的アッセイを用いてα−不飽和γ−ラクトン類又はパルテノライドに対する検出限界内の含有量を有する、ナツシロギク生物活性成分又は生物活性画分を指す。本明細書で使用される、本発明の生物活性成分/生物活性画分中のα−不飽和γ−ラクトン類又はパルテノライドの重量含有量又は濃度を指すために使用される全てのパーセンテージは、特に断りのない限り、重量によるパーセント(通常は記号「wt%」又は句「重量パーセント」により短縮される)を指す。
【0030】
本明細書で使用される用語「α−不飽和γ−ラクトン類を含有しない」及び「パルテノライドを含有しない」は、技術的によく知られている標準的なHPLCの分析的アッセイを用いてα−不飽和γ−ラクトン類又はパルテノライドの検出限界未満であるα−不飽和γ−ラクトン類又はパルテノライドの重量含有量をそれぞれ有する、ナツシロギク生物活性成分又は生物活性画分を指す。或る実施態様においてはパルテノライドを含有しない生物活性成分/生物活性画分は、0.00007wt%未満であるパルテノライドの重量含有量を有する。当業者であれば、「α−不飽和γ−ラクトン類を含有しない」又は「パルテノライドを含有しない」本発明の生物活性成分/生物活性画分を、それぞれ「α−不飽和γ−ラクトン類を全く含有しない」又は「パルテノライドを全く含有しない」ものであると特徴づけられるものと認めるであろう。
【0031】
パルテノライド量を検出するのに適した方法は更に、実施例6に(下に)記載される。簡単に言えば、パルテノライドを検出するそのような方法は、パルテノライド30μg/グラム(試料)〜パルテノライド900μg/グラム(試料)の範囲の6個のパルテノライド標準品(Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)を用いて作成した多点校正曲線を使用してパルテノライド濃度が測定される場合、225nmでの検出を含む。或る実施態様においては、これらの条件下でのパルテノライドの検出限界は、パルテノライド0.7μg/mL(試料)(すなわち、0.00007%)である。パルテノライド約30μg/グラム(試料)(すなわち、0.003%)は、これらの諸条件のセットを用いて定量することができる。
【0032】
或る実施態様においては、本発明の生物活性成分は、本明細書に定義される「細胞質画分沈殿」に相当する。図1に記載する方法の略図に関連して、この実施態様は、「沈殿II 36」がそれに属するであろう生物活性成分のカテゴリーを含む。更に、実施例の項に(下に)記載するように、この実施態様は、「生物活性成分A」がそれに属するであろう生物活性成分のカテゴリーを含む。実施例に示すように、本発明の生物活性成分Aの或る実施態様は、約0.01wt%のパルテノライドを含有することが示された、従って、パルテノライドを実質的に含有しないとみなされるであろう。別の実施態様においては、「細胞質画分沈殿」に相当する生物活性成分は、図5などに示すプロファイルに相当するHPLCプロファイルを有することができる。
【0033】
別の実施態様においては、本発明の生物活性成分は、本明細書に定義する「安定化された細胞汁液漿液画分」に相当する。実施例の項に(下に)及び図1に記載する方法の略図に関連して、この実施態様は、「生物活性成分B」及び「生物活性成分B 60」がそれに属するであろう生物活性成分のカテゴリーを含む。実施例に示すように、本発明の生物活性成分Bの或る実施態様は、0.00007wt%未満のパルテノライドを含有することが示された、従って、パルテノライドを含有しないと定義される。換言すれば、生物活性成分のこの実施態様中のパルテノライドの量は、パルテノライドを検出するのに使用された分析手法の検出限界未満であることが見出された(実施例6、「パルテノライド含有量の測定方法」を参照)。別の実施態様においては、「安定化された細胞汁液漿液画分」に相当する生物活性成分は、図6などに示されたプロファイルに相当するHPLCプロファイルを有することができる。この実施態様の生物活性成分は、容易に水に溶解する。
【0034】
さらに別の実施態様においては、本発明の生物活性成分は、本明細書に定義される「安定化された濃縮細胞汁液漿液画分」に相当する。実施例の項に(下に)及び図1に記載する方法の略図に関連して、この実施態様は、「生物活性成分C」及び「生物活性成分C 80」がそれに属するであろう生物活性成分のカテゴリーを含む。実施例に示されるように、本発明の生物活性成分Cの或る実施態様は、0.00007wt%未満のパルテノライドを含有することが示された、従って、パルテノライドを含有しないものと定義される。換言すれば、生物活性成分のこの実施態様におけるパルテノライドの量は、パルテノライドを検出するのに使用される分析手法の検出限界未満であることが見出された(下記実施例6を参照)。別の実施態様においては、「安定化された濃縮細胞汁液漿液画分」に相当する生物活性成分は、図7などに示したプロファイルに相当するHPLCプロファイルを有することができる。この実施態様の生物活性成分は、容易に水に溶解する。
【0035】
本発明の生物活性画分は、抗炎症及び抗酸化活性を有する。
【0036】
抗炎症活性については、そのような活性は、エラスターゼ阻害アッセイを用いて測定することができる(例えば、実施例6の「エラスターゼ阻害活性の測定方法」を参照)。或る実施態様においては、本発明の生物活性成分は、約0.1%(v/v)〜約2.0%(v/v)の範囲のIC50値、特に約0.3%(v/v)〜約1.7%(v/v)の範囲のIC50値で表現される抗炎症活性を有する。抗炎症活性を定義するために本明細書において使用される用語「IC50値」は、エラスターゼ酵素反応速度を50%減少させるのに必要な生物活性成分の濃度をいう。表4、7、10、及び13に示すように、同定された生物活性成分の抗炎症活性(IC50値)は、体積の用語(例えば、マイクロリットル、μL)で表現することができ、次いで単位体積当たりの体積(v/v)濃度の用語で再計算することができる。表4、7、10、及び13に示す抗炎症データは、反応混合物3.0mLの体積に基づいていた。
【0037】
抗酸化活性については、そのような活性は、スーパーオキシド捕捉アッセイを用いて測定することができる(例えば、実施例6の「スーパーオキシド捕捉活性の測定方法」を参照)。或る実施態様においては、本発明の生物活性成分は、約0.007%(v/v)〜約1.0%(v/v)の範囲のIC50値、特に約0.067%(v/v)〜約0.27%(v/v)の範囲のIC50値で表現される抗酸化活性を有する。抗酸化活性を定義するために本明細書で使用される用語「IC50値」は、シトクロムc還元速度を50%減少させるのに必要な生物活性成分の濃度をいう。表4、7、10、及び13に示すように、同定された生物活性成分の抗酸化活性(IC50値)は、体積の用語(例えば、マイクロリットル、μL)で表現することができ、次いで単位体積当たりの体積(v/v)濃度の用語で再計算することができる。表4、7、10、及び13に示す抗酸化剤は、反応混合物3.0mLの体積に基づいていた。
【0038】
或る実施態様においては、生物活性成分は、安定剤の有無にかかわらず、局所適用のために使用することができる。適切な安定剤は、従来技術的に使用される安定剤であり、無制限に、乳化剤、保存剤、抗酸化剤、ポリマーマトリックス、及びそれらの混合物を含むことができる。
【0039】
本明細書で使用される「局所適用」は、一般に、本発明の生物活性成分又はこれらの生物活性成分を含有する製剤を、例えば、手の使用により又は拭きとり繊維(wipe)などの塗布具を用いて、外皮上に直接に塗ること(laying on)又は塗布すること(spreading)に関する技術をいう。
【0040】
生物活性成分(及びそれらを含む製剤)は、「化粧品的に許容可能な」ものである。本明細書で使用される用語「化粧品的に許容可能な」ものは、過度の毒性、配合禁忌、不安定性、刺激性、及びアレルギー反応などを伴わずに、合理的なリスク対効果比率に見合って、哺乳動物の組織(例えば、ヒトの皮膚)と接触して使用するのに適している生物活性成分、製剤、化粧品的活性剤、又は不活性成分をいう。
【0041】
生物活性成分(及びそれを含む製剤)は、ヒトへの局所及び経口適用に有用であり、「安全且つ有効な量」で適用することができる。本明細書で使用される用語「安全且つ有効な量」は、調節又は治療される病態にプラスの改善を顕著に誘導するのに十分な、しかし重大な副作用を回避するのに十分低い、生物活性成分又は製剤の量をいう。生物活性成分を含有する生物活性成分又は製剤の安全且つ有効な量は、治療される特定の病態、末端消費者の年齢及び健康状態、治療/予防される病態の重度、治療の期間、併用療法の性質、採用される特異的生物活性成分又は製剤、使用される特定の化粧品的に許容可能な局所担体(topical carrier)、並びに類似の諸因子で変化するものである。
【0042】
本発明の生物活性成分を含有する製剤は、当業者によりよく知られている方法論を使用して製造することができる。
【0043】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する、及びα−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかである、生物活性画分を単離する方法にも関する。この方法は、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスを供給する工程を含む。適切な新鮮なバイオマスは、ナツシロギク植物の任意の部分を含むことができ、これには、例えば、その葉、花、シュート、茎、及び根が挙げられる。新鮮なバイオマスは、細胞汁液上澄み及び膜画分を生じるのに有効な条件下に、加工処理される。細胞汁液上澄みは、第1の細胞汁液漿液上澄み及び細胞質画分沈殿を生じるのに有効な条件下に、処理される。或る実施態様においては、「細胞質画分沈殿」は、生物活性成分Aに相当する(図1及び実施例の項を参照)。次いで細胞質画分沈殿は、α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有せず、特にパルテノライドを実質的に含有しない生物活性画分として単離される。
【0044】
細胞汁液上澄み及び膜画分を生じるのに有効な条件下に、新鮮なバイオマスを加工処理するための或る実施態様は、次のとおりである:(i)新鮮なバイオマスを細胞汁液成分及び高繊維質物質に分離する;(ii)細胞汁液成分を清澄化して、清澄化された細胞汁液成分を生じる;並びに(iii)清澄化された細胞汁液成分を細胞汁液上澄み及び膜画分に分離する。
【0045】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来して、α−不飽和γ−ラクトン類(例えば、パルテノライド)を含有しない生物活性画分である、安定化された細胞汁液漿液画分を製造する方法にも関する。この方法は、第2の細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、第1の細胞汁液漿液上澄み(前記)を清澄化する工程を含む。安定剤(その適切な実施例が本明細書に記載される)は、安定化された細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、第2の細胞汁液漿液上澄みと混合される。安定化された細胞汁液漿液画分は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有せず、特にパルテノライドを含有しない生物活性画分である。或る実施態様においては、「安定化された細胞汁液漿液画分」は、生物活性成分Bに相当する(図1及び実施例の項を参照)。
【0046】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来して、α−不飽和γ−ラクトン類を含有せず、特にパルテノライドを含有しない生物活性画分である、安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を製造する方法にも関する。この方法は、濃縮細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、安定化された細胞汁液漿液画分(前記)を濃縮する工程を含む。安定剤(その適切な実施例が本明細書に記載される)は、安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、濃縮細胞汁液漿液上澄みと混合される。安定化された濃縮細胞汁液漿液画分は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有せず、特にパルテノライドを含有しない生物活性画分である。或る実施態様においては、「安定化された濃縮細胞汁液漿液画分」は、生物活性成分Cに相当する(図1及び実施例の項を参照)。
【0047】
本発明はまた、例えば以下のものを含有する生物活性成分を含む、前記の方法で製造された生物活性成分にも関する:(i)本発明の方法により製造された細胞質画分沈殿;(ii)本発明の方法により製造された安定化された細胞汁液漿液画分;及び(iii)本発明の方法により製造された安定化された濃縮細胞汁液漿液画分。これらの生物活性成分は、抗炎症及び抗酸化活性を有する。
【0048】
実施例として、本発明の生物活性成分(例えば、生物活性成分A、生物活性成分B、及び生物活性成分C)を製造する全体方法の或る実施態様を、略図的に図1に示す。この方法の諸工程の詳細を更に、この詳細な説明及び実施例において以下に記載する。
【0049】
図1に描いたように、新鮮なナツシロギク10(すなわち、ナツシロギクの新鮮なバイオマス)が供給される。或る実施態様においては、この段落に記載される工程は、「ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスを供給する工程」と定義される工程に相当する。
【0050】
新鮮なナツシロギク10を、新鮮なナツシロギク10を細胞汁液16及び高繊維質物質14に分離するのに有効な条件下に、粉砕、解離、及び加圧(grinding, maceration, and pressing)12にかける。次いで細胞汁液16を、清澄化された細胞汁液20を生じるのに有効な条件下に、清澄化(clarification)18にかける。清澄化された細胞汁液20を、沈殿I 26(膜画分)及び上澄みI 30(細胞汁液上澄み)を生じるのに有効な条件下に、pH調整/マイクロ波処理22にかけ、次いで冷却/遠心分離24にかける。この工程は、実質的な量のα−不飽和γ−ラクトン類(特にパルテノライド)を、沈殿I 26(これはまた、清澄化された細胞汁液20中に見出された多量の膜物質をも含む)中に分配することにおいて有効である。沈殿I 26中に含有されるα−不飽和γ−ラクトン類(特にパルテノライド)の量を記載するために使用される用語「実質的な量」は、0.01wt%を超える、及び/又は新鮮なナツシロギク中のα−不飽和γ−ラクトン類(特にパルテノライド)の含有量に匹敵する、α−不飽和γ−ラクトン類(特にパルテノライド)の含有量をいう。従って、この段階により製造される上澄みI 30は、α−不飽和γ−ラクトン類を少なくとも実質的に含有せず、特にパルテノライドを少なくとも実質的に含有しない細胞汁液を含む。或る実施態様においては、この段落に記載される工程は、「細胞汁液上澄み及び膜画分を生じるのに有効な条件下に、新鮮なバイオマスを加工処理する工程」と定義される工程に相当する。
【0051】
上澄みI 30を、上澄みII 40(例えば、第1の細胞汁液漿液上澄み)及び沈殿II 36(例えば、細胞質画分沈殿)を生じるのに有効な条件下に、等電沈殿32にかけて、そのあと遠心分離34にかける。或る実施態様においては、この段落に記載される工程は、「第1の細胞汁液漿液上澄み及び細胞質画分沈殿を生じるのに有効な条件下に、細胞汁液上澄みを処理する工程」と定義される工程に相当する。
【0052】
次いで沈殿II 36を単離する。或る実施態様においては、沈殿II 36は、生物活性成分Aに相当して、α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有せず、特にパルテノライドを実質的に含有しない。或る実施態様においては、この段落に記載される工程は、「細胞質画分沈殿を単離する工程」と定義される工程に相当する。沈殿II 36(生物活性成分A)はまた、抗炎症及び抗酸化活性を含むがこれに限定されるものではない様々な有利な生物活性をも有する。
【0053】
上澄みII 40(例えば、第1の細胞汁液漿液上澄み)を、pH調整42にかけ、そのあと最終上澄み50(或る実施態様においては「第2の細胞汁液漿液上澄み」ともいう)に有効な条件下に、清澄化44にかける。次いで最終上澄み50を、生物活性成分B 60(或る実施態様においては「安定化された細胞汁液漿液画分」ともいう)を生じるのに有効な条件下に、安定剤との混合52にかける。生物活性成分B 60は、α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有せず、特にパルテノライドを実質的に含有しない。或る実施態様においては、この段落に記載される集合的な工程は、以下に定義される諸工程に相当する:(i)「第2の細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、第1の細胞汁液漿液上澄みを清澄化する工程」;及び(ii)「安定化された細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、安定化剤を第2の細胞汁液漿液上澄みと混合する工程」。生物活性成分B 60はまた、抗炎症及び抗酸化活性を含むがこれに限定されるものではない様々な有利な生物活性を有する。
【0054】
生物活性成分B 60を、生物活性成分B 60を濃縮するのに有効な条件下に、蒸発62にかけて、濃縮最終上澄み70(或る実施態様においては「濃縮細胞汁液漿液上澄み」ともいう)を得る。或る実施態様においては、この工程は「濃縮細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、安定化された細胞汁液漿液画分を濃縮する工程」と定義される工程に相当する。次いで濃縮最終上澄み70を、生物活性成分C 80(或る実施態様においては「安定化された濃縮細胞汁液漿液画分」ともいう)を生じるのに有効な条件下に、安定剤との混合72にかける。或る実施態様においては、この工程は、「安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、安定剤を濃縮細胞汁液漿液上澄みと混合する工程」という工程に相当する。生物活性成分C 80は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有せず、特にパルテノライドを含有しない。生物活性成分C 80はまた、抗炎症及び抗酸化活性を含むがこれに限定されるものではない様々な有利な生物活性をも有する。
【0055】
本発明の生物活性成分は、図1に描かれる細胞汁液由来の生物活性画分の全てを含む。すなわち次のもので表される生物活性画分である:(i)上澄みI 30;(ii)上澄みII 40;(iii)沈殿II 36(生物活性成分A);(iv)最終上澄み50;(v)生物活性成分B 60;(vi)濃縮最終上澄み70;及び(vii)生物活性成分C 80。この段落でリストアップされたものにより表される生物活性画分はそれぞれ、α−不飽和γ−ラクトン類を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかであり、特にパルテノライドを含有しないか又は実質的に含有しない。更に、この段落でリストアップされたものにより表される生物活性画分はそれぞれ、抗炎症及び抗酸化活性を有する。
【0056】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する1以上の単離された生物活性画分の混合物を含む生物活性組成物にも関する。適切な生物活性画分は、無制限に、任意の本発明の生物活性画分を含むことができる。特に、適切な生物活性画分はそれぞれ、α−不飽和γ−ラクトン類を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかであり、特にパルテノライドを含有しないか又は実質的に含有しない。更に、適切な生物活性画分は、抗炎症及び抗酸化活性を有する。或る実施態様においては、生物活性組成物は、無制限に、1以上の図1に描かれる生物活性画分/生物活性成分の混合物、すなわち、上澄みI 30、上澄みII 40、沈殿II 36(生物活性成分A)、最終上澄み50、生物活性成分B 60、濃縮最終上澄み70、及び/又は生物活性成分C 80の混合物、を含むことができる。本発明の生物活性組成物は、α−不飽和γ−ラクトン類を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかであり、特にパルテノライドを含有しないか又は実質的に含有しない。生物活性組成物はまた、抗炎症及び抗酸化活性を有する。或る実施態様においては、生物活性組成物は安定剤を含む。本発明の生物活性組成物を与えるために1以上の本発明の生物活性画分を混合する方法は、技術的によく知られており、本発明の一部と考えられる。
【0057】
本発明の生物活性成分及び生物活性組成物は、哺乳動物(ヒトを含む)のために様々な方法で使用することができる。更に、生物活性成分中のパルテノライド濃度が低いために(又はパルテノライドを全く欠如するために)、前記生物活性成分を使用する方法は、成人に対してだけでなく全ての年齢の子供達(乳児、幼児、及び少年少女、及びティーンエージャーを無制限に含む)に対しても安全な適用を含むことができる。
【0058】
更に、本発明の生物活性成分の実施態様を以下に要約する。
【0059】
或る実施態様においては、生物活性成分は、最大収穫を与える期間を含むがこれに限定されるものではなく、満開の初期(10%開花)から満開(100%開花)時期まで、任意の成長期にあるナツシロギクの新鮮な地上(aerial)バイオマスに由来する。
【0060】
或る実施態様においては、生物活性成分は、成長の最初の年及び/又は翌年以降に栽培された植物から集めることができる、新鮮なファイトマスに由来することができる。
【0061】
別の実施態様においては、生物活性成分は、畑及び/又は温室及び/又はファイトトロン及び/又は組織培養及び/又はカルス培養で栽培される、新鮮なファイトマスに由来することができる。
【0062】
適切な生物活性成分は、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない、植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。
【0063】
或る実施態様においては、適切な生物活性成分は、抗炎症特性を有し、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない、植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。
【0064】
別の実施態様においては、適切な生物活性成分は、ヒト組織の炎症反応において放出されるプロテイナーゼに対する阻害活性を有する植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。前記のプロテイナーゼは、プロテイナーゼのうちで比較的に破壊的な酵素の一つであるヒト好中球エラスターゼを含むことができるがこれに限定されるものではない。エラスターゼは、ヒト組織の細胞外マトリックスの多数の成分を分解することができるので、エラスターゼ阻害剤は、幅広い種類の炎症病態と関連する組織損傷を減少することのできる重要な生物活性物質と考えられている。精製したパルテノライド自体が特定の抗エラスターゼ活性を示すけれども、本発明の実質的にパルテノライドを含有しない及び全くパルテノライドを含有しない生物活性成分が、より高いエラスターゼ阻害活性、すなわち精製したパルテノライドの活性よりも約2桁高いエラスターゼ阻害活性を有することを思いがけなく見出した。
【0065】
α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない本発明の生物活性成分が、純粋なパルテノライドの活性より優れた抗エラスタ−ゼ活性を有することを見出した。
【0066】
或る実施態様においては、本発明の適切な生物活性成分は、エラスタ−ゼ阻害特性を有し、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない、植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。
【0067】
或る実施態様においては、本発明の適切な生物活性成分は、抗酸化特性を有し、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない、植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。
【0068】
本発明はまた、(i)α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に又は全く含有せず、並びに局所及び経口適用を含むスキンケアに対して望ましい(ii)抗炎症特性、及び(iii)抗酸化特性を有する、生物活性成分にも関する。
【0069】
或る実施態様においては、適切な生物活性成分は、抗炎症及び抗酸化特性を有し、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない、植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。
【0070】
或る実施態様においては、適切な生物活性成分は、エラスタ−ゼ阻害特性及び抗酸化特性を有し、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに結合性及び/又は親和性を有しない、植物細胞の任意の成分を無制限に含むことができる。
【0071】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))の新鮮なバイオマスの細胞汁液から、(i)α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に又は全く含有せず、(ii)抗炎症特性、及び/又は(iii)抗酸化特性を所有する、スキンケアのための生物活性成分を単離する方法にも関する。
【0072】
本発明はまた、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))の新鮮なバイオマスから得られる細胞汁液から、(i)α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に又は全く含有せず、(ii)エラスタ−ゼ阻害特性、及び/又は(iii)抗酸化特性を所有する、スキンケアのための生物活性成分を単離する方法にも関する。
【0073】
或る実施態様においては、本発明の方法は、ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))の新鮮なバイオマスを含む。次いで新鮮なバイオマスは、細胞汁液及び高繊維質物質に分離される。
【0074】
ナツシロギク栽培の条件、成長の年、及び特に収穫期に依存して、植物バイオマス中の乾燥物質含有量が、著しく変化することがあり、それが細胞汁液特性の一貫性に影響を与えることがあり、それにより細胞汁液に由来する生物活性成分の再現性に影響を与えることがあることに留意されたい。本発明は、生物活性成分の再現性を改善するために、細胞汁液特性の標準化(standardization)を考慮に入れている。
【0075】
或る実施態様においては、細胞汁液特性の標準化は、ナツシロギクの栽培及び収穫に対する一様な条件を探索することにより改善される。
【0076】
別の実施態様においては、新鮮なナツシロギクの粉砕、解離、及び加圧の体制の適正な調整により、比較的狭い範囲(例えば、7.0±1.6%)で変化する乾燥物質含有量を有する細胞汁液を得ることが可能となる。例えば、植物バイオマスの乾燥物質含有量が、環境の影響により減少する場合、ナツシロギクの細粉砕及びより高い圧力により、細胞汁液の乾燥物質含有量を増加させて、その再現性を改善することが可能となる。植物バイオマスの乾燥物質含有量が増加する場合、粗粉砕及びより低い圧力を使用することができる。
【0077】
別の実施態様においては、細胞汁液の標準化は、その温度の望ましくない増加がない状態で、与えられる。
【0078】
前記の調整が、細胞汁液の再現性に焦点をあてること、及び乾燥物質ベースで新鮮なナツシロギク又は高繊維質物質と比較したとき、細胞汁液中のα−不飽和γ−ラクトン類の含有量、特にパルテノライドの含有量を必ずしも減少させないかもしれないこと、を指摘すべきである。パルテノライドは明らかに、ナツシロギク葉の表面上に局在している油細胞中に濃縮されるけれども(例えば、Smith et al.,J.Chromatogr.,627:255(1992);及びSmith,R.M.,LC GC Int.,Jan.8−15,1996を参照。前記文献は、それらの全体が、参照することにより本明細書に組み込まれる)、パルテノライドが高繊維質物質中に優勢には濃縮されずに、むしろ前記物質と細胞汁液との間に分配されることを、思いがけなく見出した。
【0079】
或る実施態様においては、高繊維質物質は、乾燥するか、又は冷凍庫条件(freezer conditions)で保存することができる。
【0080】
別の実施態様においては、高繊維質物質を含有するパルテノライドは、一般に技術的に使用されるナツシロギク誘導体の従来の適用に利用される。
【0081】
新鮮なナツシロギク細胞汁液は、暗緑色を有する比較的安定なコロイド分散である。この色には、褐色を有する連続的な細胞汁液の相に分散して、他の細胞質成分で富化されている、葉緑体及びそれらの断片が寄与している。このコロイド分散系中では、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドが、葉緑体及びそれらの断片と強い結合性及び/又は親和性を有することを、思いがけなく見出した。
【0082】
或る実施態様においては、細胞汁液から葉緑体及びそれらの断片を除去することにより、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有しない、連続的な細胞汁液の相を得ることが可能であった。細胞汁液からのこれらの望ましくない化合物の除去は、pH調整、熱処理、マイクロ波放射、遠心分離、精密濾過、限外濾過及びそれらの組合せを含むがこれに限定されるものではなく、様々な処理により達成することができる。
【0083】
或る実施態様においては、新鮮なナツシロギク細胞汁液は、葉緑体からなる暗緑色ペースト状沈殿とα−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有しない褐色液体上澄みとに分離される。
【0084】
別の実施態様においては、前記分離は、中速又は高速遠心分離(≧15,000g)により達成することができる。結果として、全葉緑体及びそれらの断片は、沈殿(以下、沈殿Iと称する)中に濃縮することができ、単離された上澄み(以下、上澄みIと称する)は、クロロフィルを全く含まないままである。結果として、このコロイド分散系のほとんど全てのパルテノライドプールは、沈殿I中に濃縮されて、それにより上澄みIは、最初の細胞汁液に比較して、20倍以下より低いパルテノライド含有量(例えば、0.03%)を有する。すなわち、本発明の前記の上澄みIは、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有しないものと分類されるべきである。(本発明の上澄みは、米国特許第6,224,875号及び第6,479,080号明細書に記載されるナツシロギク抽出物の好ましい実施態様レベルに比較して、著しくより低い残留パルテノライド含有量を有する。前記特許明細書は、それらの全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)
【0085】
中速及び高速遠心分離は、特に大きい工業規模については、特定の技術的及び/又は経済的制限を有する。或る実施態様においては、新鮮なナツシロギク細胞汁液は、葉緑体及びそれらの断片の安定性を減少させるように処理されて、次いで不安定化された細胞汁液は、低速遠心分離(≦3,000g)を用いて効果的に分離される。効果的分離の基準は、上澄みIのスペクトルにおいて特徴的なクロロフィル最大吸収波長(maximum)の欠如である。
【0086】
本発明は、葉緑体及びそれらの断片の凝固を開始する、ナツシロギク細胞汁液の相安定性を減少させるためのいくつかの処理を含む。或る実施態様においては、細胞汁液の安定性は、凍結融解処理(≧1サイクル)、熱処理(≧40℃)、pH調整(pH=3.0...4.0)、及び/又はそれらの組合せを用いて減少させることができる。ナツシロギク細胞汁液の前記処理とそのあとの低速遠心分離により、6.5〜7.3%の乾燥物質及び0.01〜0.035%のみのパルテノライドを含有する細胞汁液上澄みIを得ることが可能となる。葉緑体及びそれらの断片の分離は、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有しない、上澄みIの製造を可能にする。
【0087】
或る実施態様においては、上澄みI中の乾燥物質の含有量は、そのパルテノライド含有量を著しく変化せずに、増加することができる。例えば、分離に先立って、細胞汁液は、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに強い結合性を有しない及び/又は親和性を有しない葉緑体成分の一部が連続的な(可溶性の)分散相中に移動することを可能にするために、激しい撹拌(例えば、ロトスタット(rotostat)を使用)若しくはホモジナイズ処理(例えば、ポリトロンホモジナイザー(polytron homogenizer)を使用)を用いて、又は超音波処理を用いて、又はマイクロ波放射を用いて、及び/又はそれらの組合せを用いて、処理される。前記方法は更に、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドの含有量を上昇せずに、上澄みI中の乾燥物質含有量の増加を可能にする。結果として、分離された葉緑体及びそれらの断片は、全細胞汁液乾燥物質のうちの15〜20%のみを沈殿I中に捕捉することができ、それにより全乾燥物質のうちの80〜85%が濃縮された細胞汁液上澄みI中に残存する。
【0088】
或る実施態様においては、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドで富化された沈殿Iは、温度≦−20℃で保存される。別の実施態様においては、沈殿Iは乾燥される(例えば、凍結乾燥機又は噴霧乾燥機又は流動床乾燥機を使用)。別の実施態様においては、沈殿Iは貯蔵されて(例えば、0.75%グルコノデルタラクトン及び0.25%エリソルビン酸ナトリウムとともに、又は1.0%フェノニップ(Phenonip)とともに)、次いで冷蔵条件(refrigerated conditions)で保存される。
【0089】
或る実施態様においては、沈殿Iを含有するパルテノライドは、技術的に一般に使用されるナツシロギク誘導体の従来用途に利用される。
【0090】
上澄みIは、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有しないけれども、本発明は、その望ましい生物活性を減少させることなく、上澄みからこれらの望ましくない成分を定量的に除去することを可能にする。
【0091】
或る実施態様においては、残存α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドの定量的除去は、上澄みIの様々な付加的な処理を利用することにより達成される。これらの処理としては、以下のものが挙げられるがこれに限定されるものではない:(i)α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドに親和性を有する成分の等電沈殿を開始するための、上澄みIのpH増加(6.0≦pH≦10.0);(ii)沈殿II中の沈殿成分の濃縮を可能にするために、遠心分離及び/又は濾過を使用する、沈殿成分の分離;(iii)細胞汁液の最初のpH値までの、得られた上澄みIIのpH調整;並びに(iv)最終上澄みの取得を可能にするために、遠心分離及び/又は濾過若しくは精密濾過(孔径≦0.22μm)若しくは限外濾過(分子量カットオフ≧10,000ダルトン)を使用する、上澄みIIの付加的清澄化。前記のことにより、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを全く含有しないが、しかし望ましい生物活性を全て含有する、最終上澄みの単離という結果を得た。
【0092】
或る実施態様においては、得られた沈殿IIは乾燥される(例えば、凍結乾燥機又は噴霧乾燥機又は流動床乾燥機を使用)。別の実施態様においては、沈殿IIは、冷凍条件(freezing conditions)で保存される。
【0093】
或る実施態様においては、最終上澄みの安定化は、米国特許出願公開公報第2003/0175235号(これはその全体が参照することに本明細書に組み込まれる)に既に記載されたような保存剤を添加することにより、及び混合物を完全な可溶化が達成されるまでインキュベーションすることにより完成される。使用する保存剤としては、以下のものが挙げられた:0.1%ソルビン酸カリウム、0.1%安息香酸ナトリウム、0.1%メチルパラベンナトリウム、0.1%メタ重亜硫酸ナトリウム、及び0.1%クエン酸75%。貯蔵された最終上澄みは、周囲条件で保存される。
【0094】
或る実施態様においては、最終上澄みは、蒸発又は電気透析又は逆浸透又はそれらの組み合わせを使用して濃縮される。蒸発が好ましい技術として選択された。何故なら、蒸発は水以外の任意の成分の望ましくない除去をせずに、生物活性成分の完全な状態が保存されることを可能にするからである。
【0095】
別の実施態様においては、濃縮最終上澄みは、自発的に淡ベージュ色沈殿を形成することのできる不安定な乳白光を発する暗褐色懸濁液であるが、これは、5.0%以上のグリセリン又はペンチレングリコール(1,2−ペンタンジオール又は1,2−ジヒドロキシペンタン)を含むがこれに限定されるものではない安定剤と混合される。
【0096】
本発明は更に、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有せず又は全く含有せず、望ましい生物活性を有する、単離された生物活性成分、すなわち沈殿II(生物活性成分A)、最終上澄み(生物活性成分B)、及び濃縮最終上澄み(生物活性成分C)、に関する。
【0097】
或る実施態様においては、単離された生物活性成分は、安定剤と混合される。特に適切な安定剤としては、無制限に、保存剤、抗酸化剤、及び/又はそれらの混合物を挙げることができる。
【0098】
別の実施態様においては、単離された生物活性成分は、経口及び局所適用のためのスキンケアにおける更なる利用のために、濃縮され、次いで安定化される。
【0099】
本発明の生物活性成分は更に、技術的に一般に使用される送達システム中に含まれることができる。
【0100】
本発明の全ての生物活性成分は、局所及び経口適用を含むスキンケア製品中に組み込まれた、液剤、懸濁剤、分散剤、ペースト剤、又は乾燥した散剤として使用することができる。
【実施例】
【0101】
以下の実施例は、本発明の特定の実施態様を説明することを意図するが、決して本発明の範囲を限定する意図はない。
【0102】
<実施例1−新鮮なナツシロギクに由来する生物活性成分の製造>
以下は、本発明の方法の或る実施態様に関連する態様の記載である。
【0103】
新鮮なナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))地上部の十分な量を、成長の満開期に収穫して、約100kgの乾燥物質を得た。新鮮なナツシロギク中の乾燥物質のレベルは、23.77%であると測定され、100kgの乾燥物質を得るためには約420.7kgの新鮮な植物ファイトマスを収穫する必要があった。使用したナツシロギクのHPLCクロマトグラムを図2に示す。
【0104】
新鮮なナツシロギクの生来の水分含有量を保つため及び水分損失によるしおれを避けるために、注意をした。収穫は、集めた新鮮なナツシロギクの叩き切り(chopping)、すりつぶし(mashing)、及び押しつぶし(crushing)を避けるか又は最小化するようなやり方で行なった。全ての工程を、可能な最短時間で完成した。これは、新鮮なナツシロギクを日光、高温、及びその他のマイナスの環境因子への暴露を最小化するために行なわれた。
【0105】
次いで更に加工処理をする前に、植物から土壌粒子及びその他の瓦礫類を除去するために、洗浄工程を行なった。その工程は、収穫したナツシロギクを、1kg/cm以下の水圧で、5分以下の間洗浄することにより達成した。残留水洗液は任意の緑色又は褐色の色素を含有しなかった。このことは水圧及び洗浄時間が適切なことを示した。過剰の水を洗浄したファイトマスから除去した。
【0106】
細胞内含有物(すなわち、細胞汁液)を得て、高繊維質物質から分離するために、洗浄したナツシロギクを、粉砕、解離、及び加圧にかけた。5馬力(HP)のエンジン及び一組の篩を有するハンマーミル(Model VS35,Vincent Corporation,Tampa,FL)を使用して、バイオマスを粉砕して、最短時間量で及びバイオマス温度の著しい上昇なしで、適切に小さいサイズのナツシロギクの組織粒子を得た。ハンマーミルは、10秒以下の処理の間に、最大サイズ2.0センチメートル以下の解離された植物粒子を生じるように設定した。バイオマスの温度は、5℃以下だけ上昇した。
【0107】
解離されたナツシロギクから細胞汁液を得るために、圧縮空気により支持された錐体を備えた水平連続式ねじプレス(horizontal continuous screw press)(Compact Press CP−6,Vincent Corporation,Tampa,FL)を、直ちに使用した。錐体上の圧力を、20kg/cm以上のレベルに維持して、ねじ速度12rpmの状態で、温度上昇は5℃以下であった。
【0108】
この処理により、高繊維質物質及び細胞汁液を得た。細胞汁液の清澄化のために、半自動式連続フロー遠心分離機(semi-automatic continuous flow centrifuge)(Model 12−413V,AML Industries,Inc.,Hatboro,PA)を用いて、3,000rpm以下及び保持時間30sec以上で、残留小繊維粒子を細胞汁液から更に除去した。沈殿を集めて、ナツシロギクの加圧後に得た高繊維質物質と混合した。
【0109】
前記の方法は、乾燥物質レベル8.20%を有するナツシロギク細胞汁液217.2kg及び乾燥物質レベル40.39%を有する高繊維質物質203.5kgの製造を可能にした。高繊維質物質のHPLCクロマトグラムを、図3に示す。
【0110】
次いで細胞汁液を、pH調整、マイクロ波放射及び分離を含む様々な処理にかけた。新鮮なナツシロギク細胞汁液のpH(初期pH=5.3)を、3.6リットルの5.0N塩酸(HCl)を使用して滴定法を用いて調整して、細胞汁液のpHを3.5まで低下させた。次いで調整した細胞汁液を、直ちに周波数2.45GHz及び出力3,200ワットを有する特別に設計した連続フローシステムを使用するマイクロ波放射(Microwave Research & Applications,Inc.,Laurel,MD)に暴露した。このシステムは、定速撹拌器BDC1850(Caframo Ltd.,Wiarton,Ontario,Canada)及び温度制御プローブを備えていた。マイクロ波室中の細胞汁液の温度が92℃に達するまでこの処理を継続し、次いで処理した細胞汁液を直ちに1馬力(HP)の再循環冷却機(Model 6106P,Polyscience Corporation,Niles,IL)と連結した連続式フローデバイスにポンプで通した。
【0111】
処理した細胞汁液の温度を30℃以下まで低下させた後、連続式フロー遠心分離機CEPA LE(Carl Padberg Zentrifugenbau GmbH,Germany)を用いて、15,000rpm及び保持時間30sec以上で、物質を分離した。処理した細胞汁液220.8kgの分離で、乾燥物質含有量26.2%を有する暗緑色ペースト状沈殿(以下、沈殿Iと称する)19.2kg及び乾燥物質含有量6.34%を有する褐色でわずかに乳白光を発する液体上澄み(以下、上澄みIと称する)201.6kgを得た。
【0112】
沈殿IのHPLCクロマトグラムを、図4に示す。沈殿Iに対して図4に示されるHPLCプロファイルが、米国特許第6,479,080号明細書(図1を参照)に記載されたナツシロギク抽出物のHPLCプロファイルと著しく異なることは注目に値する。従って、沈殿Iの組成物と米国特許第6,479,080号明細書に記載されたナツシロギク抽出物の組成物は、著しく異なっている。
【0113】
次いで上澄みIを、pH調整及び分離を含む更なる処理にかけた。最初のpH調整を、1.07リットルの50%水酸化カリウム(KOH)を使用して滴定法を用いて誘導し、細胞汁液上澄みIのpHを3.5から9.0まで増加させた。この処理の結果、乳白光を発現したより暗色の物質を得て、これを直ちに、連続式フロー遠心分離機CEPA LE(Carl Padberg Zentrifugenbau GmbH,Germany)を用いて、15,000rpm及び保持時間30sec以上で、清澄化した。前記分離により、乾燥物質含有量38.2%を有する暗ベージュ色ペースト状沈殿(以下、沈殿IIと称する)0.55kg及び乾燥物質含有量6.22%を有する褐色でわずかに乳白光を発する上澄み(以下、上澄みIIと称する)202.12kgを得た。
【0114】
沈殿IIのHPLCクロマトグラムを、図5に示す。沈殿IIに対して図5に示されるHPLCプロファイルが、米国特許第6,479,080号明細書(図1を参照)に記載されたナツシロギク抽出物のHPLCプロファイルと著しく異なることは注目に値する。従って、沈殿IIの組成物と米国特許第6,479,080号明細書に記載されたナツシロギク抽出物の組成物は、著しく異なっている。
【0115】
HPLC分析により測定した時に0.01%のパルテノライドを含有した沈殿IIは、生物活性成分Aを表し、これは、α−不飽和γ−ラクトン類、特にパルテノライドを実質的に含有しない。
【0116】
上澄みIIを、5.0N塩酸(HCl)を使用する等電滴定にかけて、最初の上澄みIに存在したように、pH値をpH=3.5まで戻した。そのような処理の結果、わずかに乳白光を増した物質を得たが、それを連続式フロー遠心分離機CEPA LE(Carl Padberg Zentrifugenbau GmbH,Germany)を用いて、15,000rpm及び保持時間60sec以上で、効果的に清澄化した。清澄化された物質(以下、最終上澄みと称する)は、HPLC分析により測定した時に0.00007%未満のパルテノライドを含有した。従って、検出限界に基づき、前記最終上澄みは、パルテノライドを含有しないと考えられるべきであり、特にパルテノライドを全く含有しないと考えられるべきである。
【0117】
最終上澄みの安定化を、保存剤及び抗酸化剤を添加することにより、並びに混合物を完全可溶化が達成されるまでインキュベーションすることにより達成した。使用した保存剤及び抗酸化剤は以下のものを含んでいた:0.1%ソルビン酸カリウム、0.1%安息香酸ナトリウム、0.1%メチルパラベンナトリウム、及び0.2%メタ重亜硫酸ナトリウム。この調製の結果、6.8%乾燥物質を含有する生物活性成分Bを201.6kg製造した。最初のナツシロギクバイオマスの乾燥物質100kgからの生物活性成分Bの収量は、乾燥物質約12.5kgである。
【0118】
生物活性成分BのHPLCクロマトグラムを、図6に示す。生物活性成分Bに対して図6に示されたHPLCプロファイルが、米国特許第6,479,080号明細書(図1を参照)に記載されたナツシロギク抽出物のHPLCプロファイルと著しく異ることは、注目に値する。従って、生物活性成分Bの組成物と米国特許第6,479,080号明細書に記載されたナツシロギク抽出物の組成物は、著しく異なる。
【0119】
生物活性成分Bを更に、8個の0.6リットルチューブ、2.550リットルの液体トラップ及びダイヤフラム真空ポンプ(Model 2018B−01,Welch Rietsche Thomas,Skokie,IL)を備えたラピッドバップ(Rapid Vap)真空蒸発システム(Labconco,Kanzas City,MO)を使用して濃縮した。操作圧力=100mBar、温度=60℃及びボルテックス速度=40%を用いて、生物活性成分Bを90分サイクルで濃縮して、乾燥物質含有量19.89%を有する濃縮物質の全量63.16リットル(又は70.11kg)を得た。次いで濃縮物質に5.0%(w/w)ペンチレングリコールを添加し、60sec以上の間、適度に混合した後、透明暗褐色を生じた液体:生物活性成分Cを得た。生物活性成分Cは、HPLC分析により測定した時に0.00007%未満のパルテノライドを含有した。従って、検出限界に基づき、前記生物活性成分Cは、パルテノライドを含有しないと考えられるべきであり、特にパルテノライドを全く含有しないと考えられるべきである。
【0120】
生物活性成分CのHPLCクロマトグラムを、図7に示す。生物活性成分Cに対して図7に示されたHPLCプロファイルが、米国特許第6,479,080号明細書(図1を参照)に記載されたナツシロギク抽出物のHPLCプロファイルと著しく異なることは注目に値する。従って、生物活性成分Cの組成物と米国特許第6,479,080号明細書に記載されたナツシロギク抽出物の組成物は、著しく異なる。
【0121】
<実施例2−生物活性成分Bの特徴及び特性>
生物活性成分Bを、前記実施例1に記載した方法に従って製造した。生物活性成分Bの分析を行ない、その様々な物理化学的、化学的、及び微生物的特徴を測定した。
【0122】
生物活性成分Bの選択された物理化学的及び化学的特徴を、下記表1に示す。
【表1】

【0123】
生物活性成分Bは、任意の割合で容易に水に溶解する。
【0124】
下記表2は、生物活性成分Bの微生物的特徴を記載する。このデータは、生物活性成分Bが、総平板菌数、カビ及び酵母菌数、並びに病原体の不在に関して、スキンケア産業の要件を満たすことを示す。
【表2】

【0125】
下記表3に示す抗菌効果試験の結果は、生物活性成分Bが保存剤の有効システムを有することを示す。
【表3】

【0126】
表4は、生物活性成分Bの抗炎症及び抗酸化活性に関するデータを含む。抗炎症活性は、ヒト好中球エラスターゼアッセイを用いて測定し、抗酸化活性は、シトクロムc還元アッセイを用いて測定した。
【表4】

【0127】
生物活性成分Bは、光を遮断した密閉容器中で15〜25℃の温度で保存したとき、少なくとも12ヶ月間は安定である(すなわち、物理的及び化学的全体性を維持する)と判断された。
【0128】
<実施例3−生物活性成分Cの特徴及び特性>
生物活性成分Cを、前記実施例1に記載した方法に従って製造した。生物活性成分Cの分析を、その様々な物理化学的、化学的、微生物的、及び生物活性の特徴を測定するために行なった。
【0129】
生物活性成分Cの選択された物理化学的及び化学的特徴を、下記表5に示す。
【表5】

【0130】
生物活性成分Cは、任意の割合で容易に水に溶解する。
【0131】
下記表6は、生物活性成分Cの微生物的特徴を記載する。このデータは、生物活性成分Cが総平板菌数、カビ及び酵母菌数、並びに病原体の不在に関して、スキンケア産業の要件を満たすことを示す。
【表6】

【0132】
表7は、生物活性成分Cの抗炎症及び抗酸化活性に関する。抗炎症活性は、ヒト好中球エラスターゼアッセイを用いて測定し、抗酸化活性は、シトクロムc還元アッセイを用いて測定した。
【表7】

【0133】
生物活性成分Cは、光を遮断した密閉容器中で温度15〜25℃で保存した時に、少なくとも12ヶ月間は安定である(すなわち物理的及び化学的全体性を維持する)と判断された。
【0134】
<実施例4−生物活性成分Aの特徴及び特性>
生物活性成分Aを、前記実施例1に記載した方法に従って製造した。生物活性成分Aの分析は、その様々な物理化学的、化学的、微生物的、及び生物活性の特徴を測定するために行なった。
【0135】
生物活性成分Aの選択された物理化学的及び化学的特徴を、下記表8に示す。
【表8】

【0136】
下記表9は、生物活性成分Aの微生物的特徴を記載する。このデータは、生物活性成分Aが総平板菌数、カビ及び酵母菌数、及び病原体の不在に関して、スキンケア産業の要件を満たすことを示す。
【表9】

【0137】
表10は、生物活性成分Aの抗炎症及び抗酸化活性に関する。抗炎症活性は、ヒト好中球エラスターゼアッセイを用いて測定し、抗酸化活性は、シトクロムc還元アッセイを用いて測定した。
【表10】

【0138】
生物活性成分Aは、光を遮断した密閉容器中で冷凍庫(freezer)に保存した時に、12ヶ月間は安定である(すなわち、物理的及び化学的全体性を維持する)と判断された。
【0139】
<実施例5−異なる収穫期から、そして異なる季節において集めたナツシロギクから得た生物活性成分の比較>
生物活性成分の再現性を、同じ畑から2つの連続した季節に収穫した新鮮なナツシロギクを用いて分析した。更に、新鮮なナツシロギクを、同じ成長期に、季節当たり2回収穫した。前記の全ての新鮮なナツシロギクバイオマス試料を、前記実施例1に記載した方法を用いて加工処理した。生物活性成分B及びCの収量、選択された特徴及び特性の比較に関連するデータを下に示す。(生物活性成分Aに関連するデータは、実施例に含まれない。何故なら、この成分の結果は非常に小さい収量であったからである。)
【0140】
100kgの乾燥物質を生じるナツシロギク量から、約12.4±2.1kgの生物活性成分の乾燥物質が製造されたことを見出した。新鮮なナツシロギクバイオマス中の平均乾燥物質〜20%及び従って〜190kgの生物活性成分B又は〜62kgの生物活性成分Cを得ることができるであろう。
【0141】
第1の収穫期及び第2の収穫期から得た生物活性成分の収量の間に(p値=0.8893)及び2つの連続した季節に得た生物活性成分の収量の間に(p値=0.6531)有意差は見出されなかった。更に、生物活性成分中の乾燥物質含有量の間に(p値=0.5334)及び前記成分のパルテノライド含有量の間に(p値=0.9923)有意差は見出されなかった。
【0142】
異なる収穫期から、そして異なる季節において集めた新鮮なナツシロギクから得た生物活性成分の選択された物理化学的及び化学的特徴を、下記表11に示す。これは生物活性成分B及び生物活性成分Cの高い再現性を示唆している。
【表11】

【0143】
生物活性成分中のパルテノライド含有量が、用いたHPLC分析手法の検出限界未満であったことに留意されたい。
【0144】
下記表12に、生物活性成分の微生物的特徴を記載する。このデータは、異なる収穫期から、そして異なる季節において集めたナツシロギクから得た生物活性成分が、総平板菌数、カビ及び酵母菌数、並びに病原体の不在に関して、スキンケア産業の要件を満たすことを示す。
【表12】

【0145】
表13は、生物活性成分の抗炎症及び抗酸化活性に関する。抗炎症活性は、ヒト好中球エラスターゼアッセイを用いて測定し、抗酸化活性は、シトクロムc還元アッセイを用いて測定した。異なる収穫期から、そして異なる季節において集めた新鮮なナツシロギクから得た生物活性成分の前記活性の間に有意差は見出されなかった。これは生物活性成分B及び生物活性成分Cの高い再現性を示唆する。
【表13】

【0146】
異なる収穫期から、そして異なる季節において集めたナツシロギクから得た生物活性成分は、光を遮断した密閉容器中で冷凍庫(freezer)に保存した時に、少なくとも12ヶ月間は安定である(すなわち、物理的及び化学的全体性を維持する)と判断された。
【0147】
<実施例6−生物活性成分の特定の特徴を測定するために使用したプロトコル>
以下は、生物活性成分の特定の特徴を測定するために使用した様々な方法である。これらの方法は前記実施例の全体にわたり参照される。以下「試験される生成物」又は「試験試料」への言及は、生物活性成分を指す。
【0148】
乾燥物質の測定方法:
乾燥物質の測定のための手法は、100℃の水浴中完全な水の蒸発までの試験される生成物の蒸発、105℃で3時間の試料のオーブン貯蔵、室温までの冷却、及び固体物質を有する容器の重量の即時の測定を包含した。
【0149】
L*a*b*値の測定方法:
L*a*b*値の測定のための手法は、Hunter Labscanの固定形状比色計(fixed geometry colorimeter)を用いて、0°/45°の形状(geometry)を測定した。上に面した覗き窓を有する標準光源D65を用いた。試験される生物活性成分を有する容器を、覗き窓上に設置して、底部を介して測定した。次のCIELAB式を用いた:

【0150】
パルテノライド含有量の測定方法:
メタノール及び30分の長音波処理を用いて試料を抽出した。固定相としてC18逆相カラムを使用し、移動相として44%アセトニトリル:56%水及び0.1%リン酸を使用した。パルテノライド検出は225nmで行ない、パルテノライド濃度は、30μg/g〜900μg/gの範囲の6個のパルテノライド標準品(Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)を用いて作成した多点校正曲線を使用して測定した。これらの条件下での検出限界は0.7μg/mlである。これらの条件のセットを用いて、約30μg/gのパルテノライドを定量することができる。
【0151】
微生物学的特徴の測定方法:
試験される試料の微生物学的特徴は、米国薬局方(United States Pharmacopoeia;USP)の方法UPS XXVII,NF22,<61>,Microbiological Limit Tests(これはその全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)に従って測定した。前記試験は、総好気性菌数、総カビ及び酵母(好気性平板菌数)、サルモネラ種(Salmonella(sp.))・大腸菌(E.coli)・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びシュードモナス種(Pseudomonas sp.)の測定を含む。
【0152】
保存剤負荷試験(challenge studies)は、USP XXVII,NF22,<51>,Antimicrobial Effective Testing,pp.2148−2150(これはその全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)の方法を用いて行なった。播種した被験物質のインキュベーションを20〜25℃で行い、7、14、21及び28日の時間間隔でアッセイした。
【0153】
エラスターゼ阻害活性の測定方法:
試験される生物活性成分のエラスターゼ阻害活性は、ヒト好中球エラスターゼ(Elastin Products Company,Inc.,Owenswille,MO)及び合成ペプチド可溶性基質N−MeO−Suc−Ala−Ala−Pro−Val−p−NA(Sigma−Aldrich Corporation,St.Louis,MO)を用いるアッセイを使用して測定した。このアッセイは、Elastin Products Company’s Catalog,“Determination of human elastase activity,”Research Biochemical Catalog,Elastin Product Company,Inc.,Owensville,MO,at page84(2004)(これはその全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されている修正手法を包含する。基質の酵素開裂は、50mM NaClを含有する0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.5)を用いて、410nm及び25℃で測定した。分光光度計キュベットの反応培地の全容積は、3.0mLであった。試験される各生物活性成分は、酵素反応速度の50%阻害(IC50)を達成するのに必要な諸濃度で試験した。
【0154】
スーパーオキシド捕捉活性の測定方法:
用いた方法は、Quick et al.,“Rapid microplate assay for superoxide scavenging efficiency,”J.Neuroscience Methods,97:139−144(2000)(これはその全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)の論文に記載された手法に基づいた。
【0155】
このアッセイは、スーパーオキシド捕捉の比較の抗酸化活性を測定するための迅速正確な生物活性成分の試験を可能にした。前記アッセイは、ヒポキサンチン、キサンチンオキシダーゼ及びシトクロムcを包含した。ヒポキサンチンは基質として働き、2段階のプロセスでキサンチンオキシダーゼにより代謝されて、2個のスーパーオキシドアニオンを生じた。これらの遊離アニオンがシトクロムcを還元して、550nmピークの顕著な増加をもたらした。分光光度計キュベット中の反応培地の全容積は、3.0mLであった。
【0156】
好ましい実施態様を本明細書に詳細に描き記載したけれども、本発明の精神を逸脱することなく様々な修正、付加、及び置換などがなされ得ること、並びに従ってこれらが以下の請求の範囲に定義される本発明の範囲内にあると考えられることは、当業者にとっては明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する単離された生物活性画分を含む生物活性成分であって、前記生物活性画分がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかであり、並びに前記生物活性画分が抗炎症及び抗酸化活性を有する、前記生物活性成分。
【請求項2】
生物活性画分がパルテノライドを含有しない、請求項1に記載の生物活性成分。
【請求項3】
生物活性画分がパルテノライドを実質的に含有しない、請求項1に記載の生物活性成分。
【請求項4】
生物活性画分が約0.01重量パーセント以下のパルテノライド濃度を有する、請求項3に記載の生物活性成分。
【請求項5】
生物活性画分が約0.01パーセント(体積/体積)と約2.0パーセント(体積/体積)の間のIC50値の範囲の抗炎症活性を有し、前記IC50値がエラスターゼ酵素反応速度を50パーセント減少させるのに必要な生物活性成分の濃度を表す、請求項1に記載の生物活性成分。
【請求項6】
生物活性画分が約0.007パーセント(体積/体積)と約1.0パーセント(体積/体積)の間のIC50値の範囲の抗酸化活性を有し、前記IC50値がシトクロムc還元速度を50パーセント減少させるのに必要な生物活性成分の濃度を表す、請求項1に記載の生物活性成分。
【請求項7】
更に安定剤を含む、請求項1に記載の生物活性成分。
【請求項8】
ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来し、α−不飽和γ−ラクトン類を実質的に含有しない生物活性画分を単離する方法であって、前記方法が:
ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスを供給する工程;
細胞汁液上澄み及び膜画分を生じるのに有効な条件下に、新鮮なバイオマスを加工処理する工程;
第1の細胞汁液漿液上澄み及び細胞質画分沈殿を生じるのに有効な条件下に、細胞汁液上澄みを処理する工程;並びに
細胞質画分沈殿を単離する工程であって、前記細胞質画分沈殿がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を実質的に含有しない生物活性画分である、前記工程;
を含む方法。
【請求項9】
新鮮なバイオマスを加工処理する工程が:
新鮮なバイオマスを細胞汁液成分及び高繊維質物質に分離する工程;
細胞汁液成分を清澄化して、清澄化された細胞汁液成分を得る工程;並びに
清澄化された細胞汁液成分を細胞汁液上澄み及び膜画分に分離する工程;
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
更に:
第2の細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、第1の細胞汁液漿液上澄みを清澄化する工程;
安定剤を、安定化された細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、第2の細胞汁液漿液上澄みと混合する工程であって、
前記安定化された細胞汁液漿液画分が、α−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を実質的に含有しない生物活性画分である、前記工程;
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
更に、濃縮細胞汁液漿液上澄みを生じるのに有効な条件下に、安定化された細胞汁液漿液画分を濃縮する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
更に:
安定剤を、安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を生じるのに有効な条件下に、濃縮細胞汁液漿液上澄みと混合する工程であって、
前記安定化された濃縮細胞汁液漿液画分がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を含有しない生物活性画分である、前記工程;
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法に従って製造された細胞質画分沈殿を含む生物活性成分であって、前記細胞質画分沈殿がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を実質的に含有しない生物活性画分である、前記生物活性成分。
【請求項14】
請求項10に従って製造された安定化された細胞汁液漿液画分を含む生物活性成分であって、前記安定化された細胞汁液漿液画分がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を実質的に含有しない生物活性画分である、前記生物活性成分。
【請求項15】
請求項14に記載の生物活性成分であって、前記安定化された細胞汁液漿液画分が約0.01パーセント(体積/体積)と約2.0パーセント(体積/体積)の間のIC50値の範囲の抗炎症活性を有し、前記IC50値がエラスターゼ酵素反応速度を50パーセント減少させるのに必要な生物活性成分の濃度を表す、前記生物活性成分。
【請求項16】
請求項14に記載の生物活性成分であって、前記安定化された細胞汁液漿液画分が約0.007パーセント(体積/体積)と約1.0パーセント(体積/体積)の間のIC50値の範囲の抗酸化活性を有し、前記IC50値がシトクロムc還元速度を50パーセント減少させるのに必要な生物活性成分の濃度を表す、前記生物活性成分。
【請求項17】
請求項12に従って製造された安定化された濃縮細胞汁液漿液画分を含む生物活性成分であって、前記安定化された濃縮細胞汁液漿液画分がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を含有しない生物活性画分である、前記生物活性成分。
【請求項18】
請求項17に記載の生物活性成分であって、前記安定化された濃縮細胞汁液漿液画分が約0.01パーセント(体積/体積)と約2.0パーセント(体積/体積)の間のIC50値の範囲の抗炎症活性を有し、前記IC50値がエラスターゼ酵素反応速度を50パーセント減少させるのに必要な生物活性成分の濃度を表す、前記生物活性成分。
【請求項19】
請求項17に記載の生物活性成分であって、前記安定化された濃縮細胞汁液漿液画分が約0.007パーセント(体積/体積)と約1.0パーセント(体積/体積)の間のIC50値の範囲の抗酸化活性を有し、前記IC50値がシトクロムc還元速度を50パーセント減少させるのに必要な生物活性成分の濃度を表す、前記生物活性成分。
【請求項20】
ナツシロギク(タナセタム・パルテニウム(Tanacetum parthenium))植物の新鮮なバイオマスの細胞汁液に由来する1以上の単離された生物活性画分の混合物であって、生物活性画分がα−不飽和γ−ラクトン類(前記α−不飽和γ−ラクトン類はパルテノライドを含む)を含有しないか又は実質的に含有しないかいずれかであり、生物活性画分が抗炎症及び抗酸化活性を有する、前記混合物:
を含む生物活性組成物。
【請求項21】
1以上の単離された生物活性画分が、上澄みI、上澄みII、沈殿II(生物活性成分A)、最終上澄み、生物活性成分B、濃縮最終上澄み、及び生物活性成分Cからなる群から選択された生物活性画分を含む、請求項20に記載の生物活性組成物。
【請求項22】
更に安定剤を含む、請求項1に記載の生物活性組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−527582(P2009−527582A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556525(P2008−556525)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/062498
【国際公開番号】WO2007/098471
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(506240399)インテグレイティッド ボタニカル テクノロジーズ エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】