説明

ナトリウムオキシベートの即時放出投薬形態

本発明は、ナトリウムオキシベートの経口投与に適した固体単位投薬形態として提示する医薬品組成物を提供する。好ましい単位投薬形態は、比較的高い質量割合のナトリウムオキシベートを比較的低い質量割合の全賦形剤と組み合わせて含む錠剤である。これは、薬学的有効量、例えば約0.5〜1.5gのナトリウムオキシベートを各錠剤に液状形態のものと同様の送達プロファイルで含有/送達することを可能とする。錠剤は液状形態のものと生物学的に同等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への優先権主張
本願は2008年11月4日に出願された米国出願第12/264,709号の継続出願に基づくものであり、その内容のすべてを本明細書に参照して援用し、また本願の一部となる。
【背景技術】
【0002】
ナルコレプシーの潜在的治療としてのナトリウムオキシベートの使用における初期の関心は、ナトリウムオキシベート(比較的古い文献ではγ−ヒドロキシ酪酸塩として既知)の麻酔への使用中に行った観察結果に起因した。従来の睡眠薬と異なり、ナトリウムオキシベートは、正常な生理的睡眠に酷似した睡眠を誘発する(Mamelak et al., Biol Psych 1977: 12:273-288)。従って、初期の研究者は、ナルコレプシーを含む睡眠障害の疾患に苦しむ患者にγ−ヒドロキシ酪酸塩(GHB)を投与(Broughton et al. in Narcolepsy, NY, NY: Spectrum Publications, Inc. 1976: 659-668)し、総夜間睡眠時間を増やし、夜間覚醒を減じ、段階3〜4(徐波)の睡眠を増やすことが分かった。3つの非盲検および2つのプラセボ対照試験は、夜間睡眠の改善がカタプレクシーの減少および過剰な日中の眠気の改善を伴うことを示す根拠の主体を提供した(Broughton et al., Can J. Neurol Sci 1979;6:1-6およびBroughton et al., Can J. Neurol Sci 1980;7:23-30)。
【0003】
Scharfらは非盲検試験を行って、線維筋痛症を有する非ナルコレプシー患者の睡眠パターンおよび症状に対するGHBの効果を評価した(Scharf et al., J Rheumatol 1998;25:1986-1990)。全ての身体四半部に広範囲の筋骨格系疼痛および少なくとも5つの特異的トリガー部位に圧痛の少なくとも3ヶ月の病歴が報告された線維筋痛症の診断が予め確認された11人の患者が、研究に参加した。結果は、患者が基線量と比較してGHB処置の全4週間にわたる痛みおよび疲労レベルの主観的な評価における著しい改善ならびにGHB処置前後における総合的な健康の評価における著しい改善を報告したことを示した。
【0004】
国際公開第2006/053186号には、エタノール応答性ミオクローヌスおよび本態性振戦を含む多動性運動障害を有する5人の患者の非盲検試験が開示されている。ナトリウムオキシベートは、エタノール応答性ミオクローヌスおよび振戦の目隠し評価において用量依存性改善をもたらすことが報告され、臨床的利点を付与する投与量で許容されると言われた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ナルコレプシーに伴うカタプレクシーおよび過剰な日中の眠気に対しFDA承認治療薬であるXyrem(登録商標)、すなわちナトリウムオキシベート経口溶液は、リンゴ酸でpH=7.5に調整した水1mL当たり500mgナトリウムオキシベートを含有する。ヒトにおいて、経口投与されたナトリウムオキシベートの血漿半減期は約45分であり、2.25g〜4.5gの投与量は約2〜3時間の睡眠を誘発する(L. Borgen et al., J. Clin. Pharmacol., 40, 1053(2000)参照)。ナルコレプシーの最適な臨床有効性については、ナトリウムオキシベートを夜間に2回与えなければならず、水溶液として投与される。各投与量に関しては、所定量の経口溶液を一次容器から取り出し、投与前に水で希釈する別の容器へ移さなければならない。第二投与量を就寝時刻に調製し、真夜中での投与のために保存される。このレジームはわずらわしく、個々の投与量の調製において間違いやすい傾向がある。この理由のため、薬剤のより便利な単位投薬形態が臨床的に有利である。ナトリウムオキシベートは、極めて水溶性で、吸湿性および強アルカリ性である。逆説的ではあるが、その高い水溶性にも関わらず、水に溶解した際にゲルを形成する。これら特性は、臨床効果を達成するのに必要とされる多量の薬物とともに、ナトリウムオキシベートの使用者の消化管への即時放出用に考案された固体単位投薬形態を調製する課題を提示する。
【0006】
L. Liangら(米国特許出願公開第2006/0210630 A1号明細書)は、即時放出成分および遅延/制御放出成分を用いたγ−ヒドロキシ酪酸の投与を開示する。即時放出成分が水溶液または「固体ペレット、ビーズもしくはミニ錠剤」であると開示する。実施例1に開示されたペレットが80〜90質量%ものγ−ヒドロキシ酪酸ナトリウムを含有する一方、これらは制御放出投薬形態の即時放出部分であり、圧縮錠剤に成形されない。これらを他の形態のナトリウムオキシベートに添加して制御放出投薬形態を調製する。
【0007】
生体内投与の後に治療に有効な量のナトリウムオキシベートを供給することができ、経口溶液のものと同様の薬物動態学的プロフィールを有する固体即時放出投薬形態のナトリウムオキシベートの継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ナトリウムオキシベートの治療量の経口投与に適した固体単位投薬形態として存在する医薬品組成物を提供する。好ましい単位投薬形態は、比較的高い質量割合のナトリウムオキシベートを比較的低い質量割合の総賦形剤と組み合わせて含む錠剤である。これは、錠剤が液体形態のものと類似の送達プロファイルで薬学的に有効な量、例えば各錠剤において約0.5〜1.5gのナトリウムオキシベートを含有/送達することを可能とする。錠剤は、液体形態と生物学的に同等である。
【0009】
本発明の一態様は、少なくとも50質量%のナトリウムオキシベートと、1〜10質量%の圧縮補助剤と、1〜50%結合剤とを含むナトリウムオキシベート0.5g〜1.25gの経口送達用ナトリウムオキシベート圧縮錠剤であり、該錠剤がナトリウムオキシベート経口溶液と生物学的に同等である。
【0010】
一実施形態によれば、錠剤を1〜10質量%の利得までフィルム塗膜で覆うことができる。錠剤は、70〜90質量%のナトリウムオキシベートまたは80〜90質量%のナトリウムオキシベートを含有することができる。錠剤は、超崩壊剤を含有する必要はない。錠剤は、0.1〜10質量%の界面活性剤をさらに含むことができる。
【0011】
本発明の別の態様は、約50〜95質量%のナトリウムオキシベートと、約2.5〜7.5質量%の微結晶セルロースと、約0.25〜2.5質量%の界面活性剤とを含む約0.5〜1.5gの錠剤からなる即時放出単位投薬形態を対象とするもので、ナトリウムオキシベートの少なくとも90%が錠剤の水溶媒体への曝露から1時間以内に錠剤から放出される。
【0012】
特定の実施形態においては、単位投薬形態を耐水性塗膜で被覆する。さらに、界面活性剤は、イオン性または非イオン性界面活性剤とすることができる。該投薬形態は、少量であるが、有効量の第二結合剤、崩壊剤、流動促進剤および潤滑剤の少なくとも一つを更に含むことができ、また0.5〜5質量%のポリビニルピロリドン、2.5〜7.5質量%のゼラチン化澱粉、0.1〜2.0質量%の二酸化ケイ素および/またはステアリン酸マグネシウムを含むことができる。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、一つ以上の上述した単位投薬形態または錠剤の有効量を患者に経口投与することによりナトリウムオキシベートで治療可能な疾患に悩むヒトを治療するための治療方法を対象とする。疾患としては、ナルコレプシー、運動障害(例えば下肢静止不能症候群または本態性振戦)、線維筋痛症または慢性疲労症候群を挙げることができる。
【0014】
本発明の別の態様は、ナトリウムオキシベート、圧縮剤および結合剤を含む無水組成物を粒状化し、粒状化組成物を圧縮して錠剤を得ることにより上述した錠剤および投薬形態の調製方法である。錠剤を、PVAおよびレシチンを含むことができる耐水性塗膜で被覆することができる。
【0015】
本発明のさらなる態様は、少なくとも50質量%のオキシベート塩と、5〜10質量%の圧縮補助剤と、1〜50%結合剤とを含むオキシベート塩0.5g〜1.25gの経口送達用のオキシベート塩の圧縮錠剤であり、該錠剤がナトリウムオキシベート経口溶液と生物学的に同等である。オキシベート塩は、カリウムオキシベート、カルシウムオキシベート、リチウムオキシベートおよびマグネシウムオキシベートからなる群から選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の即時放出ナトリウムオキシベート錠剤の溶解曲線を表すグラフである。
【図2】本発明に係る3種の即時放出ナトリウムオキシベート錠剤の溶解曲線を表すグラフである。
【図3】本発明に係るさらなる即時放出ナトリウムオキシベート錠剤の溶解曲線を表すグラフである。
【図4】本発明に係る3種の即時放出ナトリウムオキシベート錠剤の溶解曲線を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
固体形態のナトリウムオキシベートの投与は、いくつかの課題を提示する。各投与量に関する患者によって服用される薬物量は、高く、通常少なくとも1.5g、高くて4.5gである。ナトリウムオキシベートで治療した患者は、彼らが取り扱いおよび飲み込みを困難にする疾病状態を有するか、または真夜中に目覚めて薬物を服用しなければならないためのいずれかで、経口による固体薬物を服用する困難さを有する場合がある。かかる状況は各投与量で投与される多量の薬物によって悪化する。従って、最大量の有効成分を組み込みながら錠剤のサイズをできるだけ小さく保つのが望ましい。さらに、既存のXyrem経口溶液と生物学的に同等にするため、溶解を促進するための高レベルの賦形剤なしに錠剤が速やかに溶解しなければならない。
【0018】
従って、本発明によれば、即時放出のナトリウムオキシベート組成物は、治療に有効な量のナトリウムオキシベートまたはその代替の塩を含む。ナトリウムオキシベートの構造は、下記の式(Ia)として得られる。
【0019】
【化1】

【0020】
本発明に有用な代替の塩は、式(I)の化合物を含む:
【0021】
【化2】

【0022】
式中のXは製薬学的に許容し得る陽イオンで、カリウム、カルシウム、リチウムおよびマグネシウムからなる群から選択することができ、YはOHである。γ−ヒドロキシ酪酸ナトリウム(GHB)は、現在Jazz Pharmaceuticals, Inc.からXyrem(登録商標)の経口溶液として入手可能である。
【0023】
「送達率」は、単位時間当たり本発明に係る組成物(錠剤または投薬形態)から生体内で放出されるナトリウムオキシベートの量、例えば単位時間当たり放出されたナトリウムオキシベートのmgとする。
【0024】
「即時放出」は、ナトリウムオキシベートをほぼ完全に使用者の消化管へ摂取から1時間未満、通常約0.1から約1時間の間、約0.75時間未満の期間内に放出する組成物を意味する。前記送達率は、薬物が経口溶液と生物学的に同等な方法で消化管によって吸収されることを可能にする。経口溶液の送達に続くナトリウムオキシベートのピーク血漿濃度が1時間以内に起こるため、錠剤からのナトリウムオキシベートの急速な放出が特に重要である。かかる急速な吸収は、錠剤が消化管の上部において溶解する場合のみ起こる可能性がある。
【0025】
「溶解速度」とは、単位時間当たり投薬形態から放出媒体中へ体外放出された薬物の量とする。ここに記載した研究における体外溶解速度は、37℃の一定温度で維持しながら撹拌された水を含有するUSP Type II浴中に置いた投薬形態に対して行った。溶解媒体のアリコートをクロマトグラフシステムに注入して各試験期間中に溶解した薬物の量を定量化した。
【0026】
本明細書に用いるような「生体利用効率」とは、曲線下の推定面積、すなわちXyrem、ナトリウムオキシベート経口溶液の経口投与後の体循環における活性薬物のAUCと比較した本発明に係る投薬形態の経口投与後の体循環における活性薬物のAUCを意味する。AUCは、薬物が消化管で吸収される範囲の影響を受ける。ナトリウムオキシベートの場合、吸収は上位消化管において最大であるので、経口溶液と生物学的に同等にするためには、固体投与形態が速やかに溶解しなければならない。
【0027】
参照製品に対するテスト製品の相対平均Cmax、AUC(0−t)およびAUC(0−∞)が80〜125%以内である場合、製品が「生物学的に同等」であると考えられる。
【0028】
「圧縮」錠剤とは、その目的のために設計した試験装置内で回転させた際に最小限のもろさ(1%未満)を示すよう薬物および賦形剤を一緒に十分結合したものである。
【0029】
「ナトリウムオキシベート経口溶液」とは現在Xyremとして知られている製品であり、リンゴ酸でpH=7.5に調整された500mgナトリウムオキシベート/水1mLを含有する溶液を意味する。
【0030】
「AUC0−t」という用語は、時間0から時間tまでの血漿濃度曲線下の面積を意味する。
【0031】
「AUC0−∞」または「AUC0−inf」という用語は、時間0から無限大までの血漿濃度曲線下の面積を意味する。
【0032】
「Cmax」とはナトリウムオキシベートの最大血漿濃度を意味する。即時放出錠剤の3g投与量のCmaxは、10〜200μg/mLの間であり、しばしば20〜120μg/mLの間である。かかるプロファイルは、ナルコレプシー、カタプレクシーのような疾病;本態性振戦および下肢静止不能症候群のような運動障害;線維筋痛症および慢性疲労症候群に対して特に望ましい。
【0033】
「tmax」とは最大血漿濃度までの時間を意味し、ナトリウムオキシベートについては0.5〜2.5時間、しばしば0.5〜1.5時間であり、「t1/2」とは50%血漿濃度までの時間を意味し、ナトリウムオキシベートについては0.4〜0.9時間、しばしば0.5〜0.7時間である。
【0034】
見掛けの消失速度定数は「λ」であり、0.5〜2.5時間−1とすることができる。
【0035】
「オキシベート塩」とは式Iの化合物を意味し、式中のXは製薬学的に許容し得る陽イオンで、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウムおよびマグネシウムからなる群から選択することができ、YはOHである。
【0036】
「ナトリウムオキシベート」とは式Iaの化合物を意味する。
【0037】
経口投与に適した即時放出医薬組成物は固体単位投薬形態または「錠剤」からなり、患者による1つ以上の錠剤の摂取で治療に有効な量のナトリウムオキシベートを送達できるもので、各錠剤はナトリウムオキシベート(またはその等価物)の約0.5〜1.5gの投与量を提供することができる。さらに、錠剤を容易に飲み込めるようにするために成形し、評価することができる。
【0038】
錠剤に有用な充填剤/圧縮補助剤の例としては、ラクトース、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、圧縮性糖類、デキストラート、デキストリン、デキストロース、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロースおよび/またはサッカロースがある。
【0039】
錠剤に有用な結合剤の例としては、ポビドンおよびゼラチン化澱粉がある。結合剤の他の例は、デキストリン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、澱粉およびゼインを含む。結合剤のさらなる例は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(架橋ポリアクリレート)、ポリメタクリレート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、グアーゴム、水素化植物油(タイプ1)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよび/またはアルギン酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0040】
界面活性剤/湿潤剤の濃度は、錠剤中の薬剤量を補完するため0.1〜10質量%の範囲とすることができる。界面活性剤/湿潤剤の例は、イオン性および非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステアレートおよび/またはポロキサマーがある。イオン性界面活性剤の例としては、限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクセート(ジオクチルスルホコハク酸のナトリウム塩)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミド(臭化アルキルトリメチルアンモニウム、主にC14アルキル)がある。非イオン性界面活性剤のさらなる例は、ポリソルベート、ソルビタンエステルおよびモノオレイン酸グリセリルを含むが、これらに限定されない。
【0041】
錠剤中の流動促進剤の濃度は、薬剤量を補完するため0.1〜5質量%の範囲とすることができる。流動促進剤の例は、第二リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、澱粉、タルクまたはそれらの組合せである。
【0042】
錠剤中の潤滑剤の濃度は、0.1〜5質量%の範囲とすることができる。有用な潤滑剤の例としては、ステアリン酸カルシウム、水素化ヒマシ油、水素化植物油、軽油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛がある。
【0043】
また、ナトリウムオキシベート組成物の保管中の水からの保護は、錠剤を実質的に水溶性または不溶性のポリマーの連続塗膜で被覆することにより付与または向上することができる。有用な不水溶性または耐水性被覆ポリマーとしては、エチルセルロースおよびポリ酢酸ビニルがある。更なる不水溶性または耐水性被覆ポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等を含む。適切な水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコールおよびHPMCがある。更なる適切な水溶性ポリマーは、PVP、HPC、HPEC、PEG、HEC等を含む。
【0044】
例えば、本発明の錠剤は、約50〜95質量%、好ましくは約70〜92.5質量%のナトリウムオキシベート、より好ましくは約75〜90質量%のナトリウムオキシベートを含む組成物約750mg〜1.5gの固形物である。本発明の錠剤はまた、一つ以上の微結晶性セルロース約2.5〜7.5質量%を含有する。これら物質としては、Avicel(登録商標)PH101およびSMCC50を挙げることができ、直接的な圧縮結合剤として機能する。
【0045】
本発明の錠剤はまた、約0.25〜2.5質量%の界面活性剤、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドクセートのような陰イオン性界面活性剤を含むのが好ましい。また、ポロキサマー、ポリソルベート、グリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよび/または脂肪アルコールのポリオキシエチレンエーテルのような非イオン性界面活性剤;および塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミドのような陽イオン性界面活性剤を用いることができる。通常、薬剤粒子の表面を濡らすため、界面活性剤を水溶性に乏しい薬剤の製剤に添加する。一般に、これらはナトリウムオキシベートのような水溶性薬物の溶解にほとんど又は全く効果がない。しかし、少量の界面活性剤の錠剤への添加が実質的により早い溶解を生じるが、等量または比較的多い量の界面活性剤の溶解媒質への添加が同じ効果を生じなかったことは驚くべきことであった。
【0046】
また、本発明の錠剤は、少量であるが有効量の他の圧縮補助剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤および/または潤滑剤を含むことができる。例えば、本発明の錠剤は、ポリビニルピロリドン、ゼラチン化澱粉、ラクトース、第二リン酸カルシウムおよびソルビトールのような圧縮性糖を含む好ましくは約2.5〜15質量%、例えば約3〜10質量%の他の結合剤、崩壊剤、流動促進剤またはそれらの組み合わせを含有することができる。
【0047】
第二結合剤は、約0.5〜5質量%のポリビニルピロリドン(ポビドン)および約2.5〜7.5質量%のゼラチン化澱粉の混合物からなるのが好ましい。流動促進剤/崩壊剤は、0.1〜0.75質量%の二酸化ケイ素(例えば、Cab−O−Sil(登録商標)MPS)が好ましく、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸塩またはステアリン酸である。本発明の質量パーセントは、未被覆カプセルにおける成分の質量パーセントである。
【0048】
ナトリウムオキシベートが吸湿性のため、本発明の錠剤を耐湿性の塗膜、例えばポリビニルアルコール/レシチンに基づく塗膜(Opadry(登録商標)AMB)またはヒプロメロース、微結晶性セルロース、ステアリン酸塗膜(Sepifilm(登録商標)LP014)で被覆するのが好ましい。塗膜は、被覆カプセルの質量の約1〜5質量%、例えば未被覆カプセルの約1.25〜5.5質量%を占めることができる。
【0049】
意外にも、本発明の錠剤は、Xyrem(登録商標)のナトリウムオキシベート経口溶液によって達成されるものと等価の生体内生体利用効率を達成するために、高性能な崩壊剤、例えばクロスカルメロースナトリウム(架橋カルボキシメチルセルロース)のような変性セルロース崩壊剤の使用を必要としない。通常、かかる高性能崩壊剤が即時放出組成物の約5〜10質量%で添加される。この場合、薬物が水にさらすとゲルを形成するので、ナトリウムオキシベートの高い溶解度にも関わらず、速かに分解する固体経口投薬形態を製造することを試みた際に固有の問題が生じる。「超崩壊剤」を通常添加するが、このゲル形成薬剤を用いると、かかる添加剤が崩壊に役立たない。そのかわりに、界面活性剤をローラー圧縮の前に混合物に添加するので、これが粒内に合体される。かかる粒内合体がゲル化薬剤の分散を速めるので、錠剤がより速く溶解する。さらに、水が投薬形態に入り、その崩壊に役立つのを可能とするので、ナトリウムオキシベートのような疎水性のものよりむしろ親水性薬物で予期される現象である。
【0050】
遅延または制御放出成分および即時放出成分を含むγ−ヒドロキシ酪酸塩の制御放出製剤が米国特許出願公開2006/0210630A1号に開示されている。ペレットが、通常10〜50質量%の一つ以上の微結晶性セルロースを40〜90質量%のナトリウムオキシベートと組み合わせて含む組成物から形成される。該ペレットは、GHBペレットを得る組成物の造粒および押出処理中に10〜20質量%の水を添加することによって形成される。次いで、ペレットをGHB溶液に分散する。
【0051】
本発明の即時放出投薬形態は、治療レベルのナトリウムオキシベートを所定時間隔にわたって達成し、維持するような経口投与に適している。錠剤は、比較的高い割合かつ絶対量のナトリウムオキシベートを含有するので、大量の液体または液/固懸濁液を摂取する必要性に置き換わることによって患者の服薬順守および利便性を改善することが期待される。比較的短期間におけるナトリウムオキシベートの被検体への治療に有効な投与量を提供するため、1個以上の即時放出錠剤を経口摂取により、例えば狭い間隔で投与することができる。例えば、500mg〜1.0g錠剤の崩壊は、約95〜100%のオキシベートを被検体に約30〜60分で提供することができる。
【0052】
本発明はまた、有効量の一つ以上の本発明の投薬形態を投与することにより前述したもののようなナトリウムオキシベートによる治療に敏感に反応する疾患を治療するための治療法を提供する。
【0053】
本発明の投薬形態を投与してナルコレプシーを患ったヒトを治療し、カタプレクシーおよび/または日中の眠気を減少させることができる。
【0054】
本発明の投薬形態を、ヒト、特に高齢者(>50歳)に投与して睡眠の質又は生体内での成長ホルモンレベルの増加が望ましい状態を改善することができる。
【0055】
また、本発明の投与形態を使用して線維筋痛症または慢性疲労症候群を治療する、例えば線維筋痛症または慢性疲労症候群の少なくとも一つの症状を軽減することができる。米国特許第5,990162号明細書を参照。
【0056】
本発明の投薬形態はまた、錠剤をフォイル包みまたはブリスターパックにおけるように個々に包装し得る複数個の本発明の即時放出錠剤を含有した容器を別々にパックして含むキットとして提供することができる。錠剤を乾燥剤または他の素材の有無にかかわらず多数の形態でパックして水の浸入を妨ぐことができる。また、印刷ラベルのような取扱い説明書または手段を、例えば連続的な所定時間および/または所定時間隔の投与用に含めて、所望レベルのナトリウムオキシベートを生体内で所定期間に得て所定の疾患を治療することができる。
【0057】
本発明はまた、錠剤化処理の前、その最中またはその後に外因性水の添加なしに圧縮によって錠剤化することができる顆粒のような粒状組成物を提供する。これは、錠剤調製処理中にナトリウムオキシベートの生体利用効率を保存するのを助けることができる。
【0058】
約1〜1000mg/kgのナトリウムオキシベート、または式(I)の化合物のような他のオキシベート塩の1日量を投与して、本明細書に記載した治療結果を達成することができる。例えば、ナトリウムオキシベートまたは式(I)の化合物の約0.5〜20g、好ましくは約1〜15gの1日の投与量を単一または分割量で投与することができる。例えば、有用な投与量および投与方法が米国特許第5,990,162号明細書および米国特許第6,472,432号明細書に開示されている。マウスのような実験動物で効果的であると認められた投与量からヒトに効果的な投与量を推定するための方法が当業界で既知である。米国特許第5,294,430号明細書または米国特許第4,939,949号明細書を参照。
【0059】
上述したように、本発明の投薬形態は、カタプレキシーおよび/または日中の眠気を減じて睡眠の質を改善するためのナルコレプシーのようなナトリウムオキシベートによる治療に敏感に反応する様々な疾患の治療、若しくは生体内での成長ホルモンレベルの増加が望ましい状態、または線維筋痛症または慢性疲労症候群を治療するのに有用である。本発明の投薬形態を用いて、薬物およびアルコールの乱用を含む他の適応症の宿主;不安神経症;脳血管疾病;中枢神経系障害;パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む神経障害;多発性硬化症;自閉症;うつ病;過敏性腸障害、限局性回腸炎および潰瘍性大腸炎のような腸の障害を含む炎症性障害;自己免疫炎症性障害;特定の内分泌障害および糖尿病を治療することができる。
【0060】
また、本発明の投薬形態を脳卒中におけるような低酸素/無酸素後の保護を含む組織保護、臓器移植、臓器保存、心筋梗塞または虚血、再かん流傷害;化学療法、放射線、早老症または例えば頭部外傷による脳圧の上昇したレベルに続く保護の目的のために投与することができる。本発明の投薬形態を用いて、脂質過酸化および/またはフリーラジカルにより生起または悪化したと考えられる他の病状、例えば正常な老化を含む酸化ストレスに伴う病状を治療することもできる。米国特許出願公開第2004/0092455A1号明細書を参照。本発明の投薬形態を用いて、下肢静止不能症候群、ミオクローヌス、失調症および/または本能性振戦を含む運動障害を治療することもできる。Frucht et al, Movement Disorders, 20(10), 1330(2005)を参照。
【実施例】
【0061】
以下の詳細な実施例を参照とすることにより本発明を更に説明する。
【0062】
実施例1 即時放出ナトリウムオキシベート錠剤
本例は、70%を超える薬物負荷を有するナトリウムオキシベートの圧縮錠剤の3つの製剤を提供する。ローラー圧縮を造粒用の製造方法として用いて錠剤を調製した。錠剤の組成を以下の表1に要約する:
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
表1の錠剤の1kgバッチを調製するため、全ての成分を20メッシュスクリーンに通して手で篩別した。ステアリン酸マグネシウムを除く全ての成分をブレンダーへ移し、5分間混合した。ステアリン酸マグネシウムの粒内部分(6.2g)をブレンダーに加え、混合を3分間続けた。材料をローラー圧縮機に通して、水の添加なしに1.4±0.5mmの厚さを有するリボンを作成した。リボンをミルにかけ、次いで16メッシュスクリーンで粒状化した。粒状物をブレンダーに添加し、5分間混合した。残余のステアリン酸マグネシウム(4.5g)を混合物に添加し、3分間混合した。混合物を標準の錠剤圧縮機で下記の仕様で錠剤に圧縮した:(a)質量888mg;(b)硬度:15kP硬度;(c)崩壊時間:NMT15分;および(d)脆さ:100滴後NMT1.0%(n=10)。
【0067】
製剤Cの錠剤を被覆するため、10%のOpadry(登録商標)AMB分散液をエタノール/水中で調製した。エタノールおよび水をステンレス鋼製ポットに投入し、オーバーヘッド型ミキサーを用いて3分間混合した。Opadry(登録商標)AMB Blueを撹拌された液体の渦中に緩徐に添加した。撹拌速度を下げ、撹拌を>30分間継続した。錠剤をコーティングパンに置き、45℃まで予熱した。錠剤を4質量%の利得(35.5mg/単位)まで被覆した。
【0068】
実施例2
ナトリウムオキシベート錠剤の生体利用効率および生物学的同等性
製剤A(6錠剤として与えられた4.5gの製剤A:治療A)、製剤B(6錠剤として与えられた4.5gの製剤B:治療B)およびXyrem(4.5gのナトリウムオキシベート経口溶液:治療C)の第1段階、3方向、非盲検、ランダム化された単一投与量の交差研究である。1〜21日間のスクリーニング期間の後、各被検体の研究期間は約7日間で、期間1が1〜2日目、期間2が3〜4日目、期間3が5〜6日目である。2日目の洗浄期間(最初の日の午前中投薬し、その後1日の洗浄)は、治療A、BおよびCを区別した。
【0069】
ナトリウムオキシベート固体投薬製剤AおよびBの単一の投与量(6×750mg錠剤として4.5g)ならびにナトリウムオキシベート経口溶液の単一の投与量(4.5g)を被検体に10時間の断食に続く午前中に経口投与し、服用後さらに4時間断食のままとした。ナトリウムオキシベートについてのPKプロファイルを、服用前に採取した血液サンプル(5mL)に基づき、各治療に続いて服用後10、20、30、4560および75分;および服用後1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7および8時間で8時間の期間にわたって評価した。血漿ナトリウムオキシベート濃度に対して算出されたPKパラメータとしては、最後の定量化可能な濃度の時間0から時間tまでの血漿濃度時間曲線下の面積[AUC0−t]、時間0から無限大までの血漿濃度時間曲線下の面積[AUC0−∞]、ナトリウムオキシベートの最高血漿濃度(Cmax)、最高血漿濃度までの時間(tmax)、見掛けの消失速度定数(λ)および半減期(t1/2)、Xyremに対する固体投薬製剤AおよびBの相対的生体利用効率がある。
【0070】
AUC値に基づく治療C(Xyrem)に対する治療AおよびBの相対的な生体利用効率は、それぞれ98%および100%である。全ての治療が、ナトリウムオキシベートの経口投与後Cmaxおよび全暴露AUCに関し生物学的に同等なものであることが分かった。
【0071】
【表4】

【0072】
実施例3
ナトリウムオキシベート錠剤の溶解プロファイル
図1は、本発明の一実施形態の溶解プロファイルを示す。実施例1に製剤Cとして記載した投薬形態は、即時放出プロファイを有する。即時放出錠剤は、ナトリウムオキシベートを1時間未満内に放出する。この放出プロファイルは、実施例1に記載の即時放出組成物の2つの溶解曲線(製剤AおよびB−図2参照)の間の中間で、Xyrem(登録商標)溶液と生物学的に同等であることを示し(実施例2参照)、従って該組成物がまたXyrem(登録商標)溶液と生物学的に同等であることを立証した。
【0073】
実施例4
【表5】

【0074】
製剤Dの錠剤の1kgのバッチを、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりにポロキサマーを界面活性剤として使用することを除いて、実施例1に記載されたように調製した。図3は、製剤Dの溶解プロファイルを示す。該錠剤は、即時放出プロファイルを有し、1時間未満内にナトリウムオキシベートを送達する。この放出プロファイルは、実施例1に記載の即時放出組成物の2つの溶解曲線(製剤AおよびB−図4参照)の間の中間で、Xyrem(登録商標)溶液と生物学的に同等であることを示し(実施例2参照)、従って該組成物がまたXyrem(登録商標)溶液と生物学的に同等であることを立証した。
【0075】
全ての刊行物、特許および特許出願を、ここに参照して援用する。本明細書において本発明をその特定の好ましい実施形態に関して記載し、多くの細目が説明のため記載される一方、本発明が更なる実施形態を許すことができ、またここに記載の細目の特定のものを本発明の基本原理から逸脱することなく大幅に変え得ることができるのは、当業者に明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも50質量%のナトリウムオキシベートと、5〜10質量%の圧縮補助剤と、1〜50%の結合剤とを含むナトリウムオキシベート0.5〜1.25gの経口投与用のナトリウムオキシベート圧縮錠剤で、該錠剤がナトリウムオキシベート経口溶液と生物学的に同等であることを特徴とする圧縮錠剤。
【請求項2】
前記錠剤を1〜10質量%利得までフィルム塗膜で被覆する請求項1に記載の圧縮錠剤。
【請求項3】
前記錠剤が70〜90質量%のナトリウムオキシベートを含む請求項1に記載の圧縮錠剤。
【請求項4】
前記錠剤が80〜90質量%のナトリウムオキシベートを含む請求項3に記載の圧縮錠剤。
【請求項5】
前記錠剤が超崩壊剤を含有しない請求項1に記載の圧縮錠剤。
【請求項6】
前記錠剤が0.1〜10質量%の界面活性剤をさらに含む請求項1に記載の圧縮錠剤。
【請求項7】
約50〜95質量%のナトリウムオキシベートと、約2.5〜7.5質量%の微結晶性セルロースと、約0.25〜2.5質量%の界面活性剤とを含む錠剤約0.5〜1.5gを備えた即時放出単位投薬形態で、ナトリウムオキシベートの少なくても90%を水性媒体への錠剤の曝露から1時間以内に該錠剤から放出することを特徴とする単位投薬形態。
【請求項8】
前記錠剤を耐水性塗膜で被覆する請求項7に記載の単位投薬形態。
【請求項9】
前記界面活性剤がイオン性界面活性剤である請求項7に記載の単位投薬形態。
【請求項10】
少量であるが、有効量の第二結合剤、崩壊剤、流動促進剤および潤滑剤の少なくとも一つをさらに含む請求項7に記載の単位投薬形態。
【請求項11】
約0.5〜5質量%のポリビニルピロリドンをさらに含む請求項10に記載の単位投薬形態。
【請求項12】
約2.5〜7.5質量%のゼラチン化澱粉をさらに含む請求項10に記載の単位投薬形態。
【請求項13】
約0.1〜0.75質量%の二酸化ケイ素をさらに含む請求項10に記載の単位投薬形態。
【請求項14】
ステアリン酸マグネシウムをさらに含む請求項10に記載の単位投薬形態。
【請求項15】
ナトリウムオキシベートで治療可能な疾患に悩むヒトを治療するにあたり、前記ヒトに請求項7の単位投薬形態の有効量を経口投与することによる治療方法。
【請求項16】
前記疾患がナルコレプシーである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記疾患が運動障害である請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記運動障害が、下肢静止不能症候群および本態性振戦からなる群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患が、線維筋痛症および慢性疲労症候群からなる群から選択される請求項15に記載の方法。
【請求項20】
ナトリウムオキシベート、圧縮剤および結合剤を含む水無しの組成物を粒状化し、粒状組成物を圧縮して錠剤を得ることによる請求項1に記載の錠剤の製造方法。
【請求項21】
前記錠剤を耐水性塗膜で被覆することをさらに備える請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記塗膜が、PVAおよびレシチンを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも50質量%のオキシベート塩と、5〜10質量%の圧縮補助剤と、1〜50%の結合剤とを含むオキシベート塩0.5〜1.25gの経口投与用のオキシベート塩圧縮錠剤で、該錠剤がナトリウムオキシベート経口溶液と生物学的に同等であることを特徴とする圧縮錠剤。
【請求項24】
前記オキシベート塩がカリウムオキシベート、カルシウムオキシベート、リチウムオキシベートおよびマグネシウムオキシベートからなる群から選択される請求項23に記載の圧縮錠剤。
【請求項25】
薬物療法に用いる請求項1の圧縮錠剤または請求項7の単位投薬形態。
【請求項26】
前記薬物療法が、ナルコレプシー、運動障害、線維筋痛症または慢性疲労症候群を治療することである請求項25に記載の使用。
【請求項27】
ナルコレプシー、運動障害、線維筋痛症または慢性疲労症候群を治療するための薬剤の製造への請求項1に記載の圧縮錠剤または請求項7の単位投薬形態の使用。
【請求項28】
ナルコレプシー、運動障害、線維筋痛症または慢性疲労症候群の治療に用いる請求項1の圧縮錠剤または請求項3に記載の単位投与量。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−507532(P2012−507532A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534614(P2011−534614)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/061312
【国際公開番号】WO2010/053691
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(511073113)ジャズ ファーマスーティカルス インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】JAZZ PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】