説明

ナトリウムチャンネル遮断薬としてのビアリール置換ピラゾール

ビアリール置換ピラゾール化合物は疼痛および他の状態の治療に有用なナトリウムチャンネル遮断剤である。医薬組成物は有効量の本発明の化合物を単独で、または1種類またはそれ以上の治療上活性の化合物、および医薬適合性の坦体との組み合わせで含有する。急性疼痛、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛、および神経障害性疼痛を含む状態の治療方法は、有効量の本発明の化合物を単独で、または1種類またはそれ以上の治療上活性の化合物との組み合わせで投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一連のビアリール置換ピラゾール化合物を指向する。特に、本発明は慢性および神経障害性疼痛の治療に有用なナトリウムチャンネル遮断薬であるビアリール置換ピラゾールを指向する。本発明の化合物は、例えば、中枢神経系(CNS)障害、例えば、てんかん、躁うつ病、双極性障害、うつ病、不安および糖尿病性神経障害を含む他の状態の治療にも有用である。
【背景技術】
【0002】
電位依存性イオンチャンネルは電気興奮性細胞に活動ポテンシャルを生成および伝播させ、したがって、神経および筋肉機能に重要なものである。ナトリウムチャンネルは、活動ポテンシャルの立ち上がり期を構成し、次に電位依存性カルシウムおよびカリウムチャンネルを活性化する、急速脱分極を介在することによって特別な役割を果たす。電位依存性ナトリウムチャンネルは多重遺伝子ファミリーを代表する。現在までに9種類のナトリウムチャンネル・サブタイプがクローン化され、機能的に発現されている[Clare,J.J.,Tate,S.N.,Nobbs,M.& Romanos,M.A.Voltage−gated sodium channels as therapeutic targets.Drug Discovery Today 5,506−520 (2000)]。これらは筋肉および神経組織を通して差別的に発現し、異なる生物物理学的特性を示す。すべての電位依存性ナトリウムチャンネルは他のイオンを上回るナトリウムに対する高度の選択性およびこれらの電位依存的開口性を特徴とする。[Catterall,W.A.Structure and function of voltage−gated sodium and calcium channels.Current Opinion in Neurobiology 1,5−13 (1991)]。陰性または過分極膜ポテンシャルで、ナトリウムチャンネルは閉鎖する。膜脱分極に続いて、ナトリウムチャンネルは迅速に開口し、次いで不活性化する。ナトリウムチャンネルは開口状態でのみ電流を伝導し、ひとたび不活性化すると、これらが再開口可能となる前に、膜過分極に好ましい休止状態に戻らなければならない。異なるナトリウムチャンネル・サブタイプは、これを越えてこれらが活性化および不活性化する電位範囲に加えて、これらの活性化および不活性化速度論が変化する。
【0003】
ナトリウムチャンネルは、神経毒、抗不整脈薬、抗痙攣薬および局所麻酔薬を含む薬理学的作用物質の多様な陣列の標的である。[Clare,J.J.,Tate,S.N.,Nobbs,M.& Romanes,M.A.Voltage−gated sodium channels as therapeutic targets.Drug Discovery Today 5,506−520 (2000)]。ナトリウムチャンネル二次構造の幾つかの領域はこれらの遮断薬との相互作用に関与し、大部分は高度に保存される。実際、現在までに公知のナトリウムチャンネル遮断薬のほとんどは同様の効力ですべてのチャンネルサブタイプと相互作用する。にもかかわらず、てんかん(例えば、ラモトリジン、フェニトインおよびカルバマゼピン)および特定の心不整脈(例えば、リグノカイン、トカイニドおよびメキシレチン)の治療に対する治療上の選択性および十分な治療ウィンドウを有するナトリウムチャンネル遮断薬を製造することが可能である。
【0004】
神経における電位依存性Naチャンネルが神経障害性疼痛において重要な役割を果たすことは公知である。末梢神経系の損傷は、しばしば、初期の損傷解消の後に長期間持続する神経障害性疼痛を生じる。神経障害性疼痛の例には、これらに限定されるものではないが、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性下背部疼痛、幻肢痛、癌および化学療法から生じる疼痛、慢性骨盤痛、複合局所痛症候群(complex regional pain syndrome)並びに関連神経痛が含まれる。ヒト患者に加えて神経障害性疼痛の動物モデルにおいて、一次求心性感覚ニューロンに対する損傷が神経腫の形成および自発的な活動の他に正常非侵害性刺激に対する応答における活動の誘起につながり得ることが示されている。[Carter,G.T.and B.S.Galer,Advances in the management of neuropathic pain.Physical Medicine and Rehabilitation Clinics of North America,2001.12(2): p.447−459]。正常沈黙感覚ニューロンの局所的活動は神経障害性疼痛の生成および維持に貢献するものと考えられる。神経障害性疼痛は、一般に、損傷神経におけるナトリウムチャンネル活動の増加に関連するものと仮定される。[Baker,M.D.and J.N.Wood,Involvement of Na channels in pain pathways.TRENDS in Pharmacological Sciences,2001.22(1): p.27−31]。
【0005】
実際、末梢神経傷害のラットモデルにおいて、損傷神経における局所的活動は疼痛の挙動的徴候に対応する。これらのモデルにおいて、ナトリウムチャンネル遮断薬および局所麻酔薬リドカインの静脈内適用は、一般的な挙動および運動機能に影響を及ぼさない濃度で、局所的活動を抑制し、触覚性異痛を逆転させることができる。[Mao,J.and L.L.Chen,Systemic lidocaine for neuropathic pain relief.Pain,2000.87: p.7−17]。これらの有効濃度はヒトにおいて臨床的に有効であることが示されている濃度に類似していた。[Tanelian,D.L.and W.G.Brose,Neuropathic pain can be relieved by drugs that are use−dependent sodium channel blockers: lidocaine,carbamazepine and mexiletine.Anesthesiology,1991.74(5): p.949−951]。偽薬制御研究において、リドカインの連続注入は末梢神経傷害の患者において疼痛評点の減少を生じ、および、別の研究においては、静脈内リドカインがヘルペス後神経痛(PHN)に関連する疼痛強度を低下させた。[Mao,J.and L.L.Chen,Systemic lidocaine for neuropathic pain relief.Pain,2000.87: p.7−17.Anger,T.ら,Medicinal chemistry of neuronal voltage−gated sodium channel blockers.Journal of Medicinal Chemistry,2001,44(2): p.115−137]。皮膚パッチの形態で貼付されるリドカインであるLidoderm(登録商標)がPHNのための現在唯一のPDA認可治療である。[Devers,A.and B.S.Galer,Topical lidocaine patch relieves a variety of neuropathic pain conditions: an open−label study.Clinical Journal of Pain,2000.16(3): p.205−208]。
【0006】
神経障害性疼痛に加えて、ナトリウムチャンネル遮断薬にはてんかんおよび心不整脈の治療における臨床的用途がある。動物モデルからの最近の証拠では、ナトリウムチャンネル遮断薬が脳卒中または神経外傷によって生じる虚血状態の下での神経保護および多発性硬化症(MS)患者においても有用であり得ることが示唆される。[Clare,J.J.らおよびAnger,T.ら]。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
国際特許公開WO 00/57877は、アリール置換ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、およびピロール並びにナトリウムチャンネル遮断薬としてのこれらの使用を記載する。国際特許公開WO 01/68612は、アリール置換ピリジン、ピリミジン、ピラジンおよびトリアジン並びにナトリウムチャンネル遮断薬としてのこれらの使用を記載する。国際特許公開WO 99/32462は、CNS障害の治療のためのトリアジン化合物を記載する。しかしながら、現在公知の化合物よりも少ない副作用および高い効力でニューロンのナトリウムチャンネルを治療的に遮断する新規化合物および組成物に対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約)
本発明は慢性および神経障害疼痛の治療に有用なナトリウムチャンネル遮断薬であるビアリールピラゾール化合物を指向する。本発明の化合物は、CNS障害、例えば、てんかん、躁うつ病、不安、うつ病および双極性障害を含む他の状態の治療にも有用である。本発明は、本発明の化合物を単独で、または1種類またはそれ以上の治療上活性の化合物および医薬適合性の坦体との組み合わせで含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、さらに、ナトリウムチャンネルの活動に関連するか、またはこれから生じる状態、例えば、急性疼痛、慢性疼痛、内臓の疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛並びに、てんかん、躁うつ病、不安、うつ病および双極性障害を含む、CNSの障害を治療するための方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明の詳細な説明)
本発明において説明される化合物は式(I)、(II)、(III)または(IV):
【0011】
【化14】


またはこれらの医薬適合性の塩によって表され、式中、
HETは下記複素環のうちの1つであり:
【0012】
【化15】

【0013】

(a)H;
(b)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、もしくはC−C−アルキル−[C−C−シクロアルキル](これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−シクロアルキル、−S−C−C−アルキルもしくは−S−C−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、もしくは−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(e)−OH;
(f)−O−アリール、もしくは−O−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イゾキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1―10アルキル、から選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アリール炭素のうちの1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(g)−OCON(R)(R)、又は−OSON(R(R);
(h)−SH、又は−SCON(R)(R);
(i)NO
(j)NR、−N(COR)R、−N(SO)R、−N(R)SON(R、−N(OR)CONR、−N(R)SO又は−N(R)CON(R
(k)−CH(OR)R、−C(OR)CF、−CH(NHR)R、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、COOR、CN、CONR、−COCONR、−SONR、−CHO−SONR、SON(R)OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CHCONR
(l)−CONR(CH0−2C(R)(R)(CH0−2CONR
(m)テトラゾリル、テトラゾリノニリル、トリアゾリル、トリアゾリノニル、イミダゾリル、イミドゾロニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピラゾロニル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはフェニル(これらのいずれもが、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)R、v)C−C−アルキル、vi)−O−R、vii)−NR、viii)−C−C−アルキル−CO−OR、ix)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、x)−(C−C−アルキル)−CO−NR、xi)−S(O)0−2、xii)−SONR、xiii)−NHSO、xiv)−C−C−ペルフルオロアルキル、およびxv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換される);
(n)−C(R)=C(R)−COOR、又は−C(R)=C(R)−CONR
(o)
【0014】
【化16】

【0015】
(p)ピペリジン−1−イル、モルホリン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペラジン−1−イルもしくは4−置換ピペラジン−1−イル(これらのいずれもが、i)−CN、ii)−C(=O)(R)、iii)C−C−アルキル、iv)−OR、v)−NR、vi)−C−C−アルキル−CO−OR、vii)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、viii)−(C−C−アルキル)−CON(R)(R)、ix)−SR、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO xiii)−C−C−ペルフルオロアルキルおよびxiv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換される)
であり;

(a)H;
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、−OCONHC−Cアルキル−アリール)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NH、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、NHCONH(C−Cアルキル−アリール)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−Cアルキル)、CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、SONH、SONH(C−Cアルキル)、SONH(C−Cアルキル−アリール)、SON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHSONH、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、C−C−アルキル;
(c)C−C−アルキル−(C−C)−ペルフルオロアルキル;または
(d)−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(C−C−アルキル)、v)−O(C−C−アルキル)、vi)−N(C−C−アルキル)(C−C−アルキル)、vii)−C1−10アルキル、およびviii)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素のうちの1個またはそれ以上が−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい)
であり;

(a)H;または
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、NH、NH(C−Cアルキル、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN、又はCONHのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、C−C−アルキル、
であり;
は:
(a)H;
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、−C−C−アルキル、−C−C−シクロアルキルもしくは−C−C−アルキル−(C−C)−シクロアルキル;
(c)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(d)アリールもしくは−(C−C−アルキル)−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素のうちの1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(e)−C(=O)(R)、−CONR、COO−(C−C)アルキル、−SO、N(R)COR、−SON(R)(R
であり;
は、
(a)H;
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、−C−C−アルキル、−C−C−シクロアルキルもしくは−C−C−アルキル−(C−C)−シクロアルキル;
(c)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(d)アリールもしくは−(C−C−アルキル)−アリール(ここで、アリールは上に定義されたとおりである);
(e)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、−O−アリール又は−O(C−C−アルキル)−アリール;
(f)−C(=O)(R)、−SO、−SON(R)(R)、CN、NR、NO、F、Cl、Br、I、OH、OCONR、O(C−C−アルキル)CONR、−OSONR、COOR、N(R)COR、又はCONR
であり;
およびRは、各々独立して:
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−アルケニル、−C−C−アルキニルもしくは−C−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、−O−(C−C)アルキル、CN、−N(R)(R)、−N(R)CO−(C−C)アルキル、COOR、CON(R)(R)又はフェニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−アリール、もしくは−O−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4)アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、もしくは−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;または
(e)CN、NH、NO、F、Cl、Br、I、OH、OCON(R)(R)O(C−C−アルキル)CONR、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)、又はアリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡Cと入れ替わってもよい)
であり;並びに
、RおよびRは、各々独立して:
(a)H;
(b)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルもしくはC−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、OCON(R)(R)、NR、COOR、CN、CONR、N(R)CONR、N(R)SONR、SONR、S(O)0−2(C−C−アルキル)、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、もしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−シクロアルキル、−S−C−C−アルキルもしくは−S−C−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、NH、NH(C−C−アルキル)、N(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−C−アルキル)、CONH(C−C−アルキル)、SONH、SONH(C−C−アルキル)、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、もしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、もしくは−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(e)−O−アリール、もしくは−O−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡Cと入れ替わってもよい)
(f)CN、N(R)(R)、NO、F、Cl、Br、I、−OR、−SR、−OCON(R)(R)、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)、−N(R)CON(R)(R)、−N(R)SON(R)(R)、−C(OR)R、−C(OR)CF、−C(NHR)CF、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、−NHSO(C1−6−アルキル)、−NHSO−アリール、SON(R)(R)、CHOSON(R)(R)、SON(R)−OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CH又はアリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡Cと入れ替わってもよい)
であり;
または、RおよびRが隣接炭素原子上に存在するとき、RおよびRは、これらが結合する環と共に、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、およびベンズイミダゾリルから選択される二環式芳香族環を形成することができ、これらのいずれの芳香族環も、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)−CHO、v)−O−C1−4アルキル、vi)−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、vii)−C0−4アルキル−CO−O(C0−4アルキル)、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−O(C0−4アルキル)、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、x)−S(C0−4アルキル)、xi)−S(O)(C1−4アルキル)、xii)−SO(C0−4アルキル)、xiii)−SON(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xiv)−NHSO(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xv)−C1−10アルキルおよびxvi)−C1−10アルキルから選択される1−4の独立の置換基で場合により置換され、ここで、炭素の1個またはそれ以上が−N(C0−6アルキル)−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−C(O)−、−CH(OH)、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい。
【0016】
一側面において、本発明は、
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
化学式(I)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0017】
第2の側面において、本発明は、
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
化学式(II)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0018】
第3の側面において、本発明は、
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
化学式(III)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0019】
この第3の側面の一実施態様において、本発明は、
HETが
【0020】
【化17】

である、化学式(III)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0021】
この第3の側面の別の実施態様において、本発明は、
HETが
【0022】
【化18】

である、化学式(III)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0023】
この第3の側面のさらなる実施態様において、本発明は、
HETが
【0024】
【化19】

である、化学式(III)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0025】
この第3の側面のさらなる実施態様において、本発明は、
HETが
【0026】
【化20】

である、化学式(III)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0027】
この第3の側面のさらに別の実施態様において、本発明は、
HETが
【0028】
【化21】

である、化学式(III)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0029】
第4の側面において、本発明は、
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
化学式(IV)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0030】
この第4の側面の一実施態様において、本発明は、
HETが
【0031】
【化22】

である、化学式(IV)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0032】
この第4の側面の別の実施態様において、本発明は、
HETが
【0033】
【化23】

である、化学式(IV)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0034】
この第4の側面のさらなる実施態様において、本発明は、
HETが
【0035】
【化24】

である、化学式(IV)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0036】
この第4の側面のさらなる実施態様において、本発明は、
HETが
【0037】
【化25】

である、化学式(IV)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0038】
この第4の側面のさらなる実施態様において、本発明は、
HETが
【0039】
【化26】

である、化学式(IV)によって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を提供する。
【0040】
ここで用いられる場合、「アルキル」に加えて前置詞「アルク(alk)」を有する他の基、例えば、アルコキシ、アルカノイル、アルケニル、アルキニルは、直鎖もしくは分岐鎖またはこれらの組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびヘプチルが含まれる。「アルケニル」、「アルキニル」および他の同様の用語は少なくとも1つの不飽和C−C結合を含有する炭素鎖を含む。
【0041】
「シクロアルキル」という用語はヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、一、二および三環式飽和炭素環に加えて融合環系を含む。このような融合環系は、部分的に、または完全に不飽和である1つの環、例えば、ベンゼン環を含んで融合環系、例えば、ベンゾ融合炭素環を形成することができる。シクロアルキルはスピロ融合環系のような融合環系を含む。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、インデニル、フルオレニル、および1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンが含まれる。同様に、「シクロアルケニル」はヘテロ原子を含まず、および少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含む炭素環を意味し、一、二および三環式の部分的に飽和の炭素環に加えて、ベンゾ融合シクロアルケンを含む。シクロアルケニルの例には、シクロヘキセニル、およびインデニルが含まれる。
【0042】
「アリール」という用語は、これらに限定されるものではないが、単環または互いに融合する複数の環である芳香族置換基を含む。複数の環で形成されるとき、構成環の少なくとも1つは芳香族である。「アリール」という用語は、他に明確に注記されない限り、ヘテロアリールをも含み、したがって、炭素原子並びにN、OおよびSからなる群より選択される1から4個のヘテロ原子からなる、安定な5から7員単環式および安定な9から10員融合二環式複素環環系を含み、ここで、窒素およびイオウヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、および窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてもよい。適切なアリール基には、フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、およびオキサジアゾリルが含まれる。
【0043】
「シクロアルキルオキシ」という用語は、他に明言されない限り、短C1−2アルキルによってオキシ接続原子に接続するシクロアルキル基を含む。
【0044】
「C0−6アルキル」という用語は6、5、4、3、2、1または0個の炭素原子を含有するアルキルを含む。炭素原子を含まないアルキルは、このアルキルが末端基であるときは水素原子置換基であり、このアルキルが架橋基であるときは直接結合である。
【0045】
「ヘテロ」という用語は、他に明言されない限り、1個以上のO、S、またはN原子を含む。例えば、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、1個以上のO、S、またはN原子(このような原子の混合物を含む)を環内に含有する環系を含む。ヘテロ原子は環炭素原子を置換する。したがって、例えば、ヘテロシクロCアルキルは4から0個の炭素原子を含む5員環である。ヘテロアリールの例には、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンズチエニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルが含まれる。ヘテロシクロアルキルの例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、およびチオモルホリニルが含まれる。
【0046】
「ヘテロC0−4アルキル」という用語は、3,2、1、または0個の炭素原子を含むヘテロアルキルを意味する。しかしながら、少なくとも1個のヘテロ原子が存在しなければならない。したがって、例として、炭素原子は有さないが1個のN原子を有するヘテロC0−4アルキルは、架橋基の場合には−NH−であり、末端基の場合には−NHである。類似の架橋または末端基がOまたはSヘテロ原子について明確である。
【0047】
「アミン」という用語は、他に明言されない限り、一級、二級および三級アミンを含む。
【0048】
「カルボニル」という用語は、他に明言されない限り、このカルボニルが末端であるとき、C0−6アルキル置換基を含む。
【0049】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0050】
「場合により置換されている」という用語は、置換体および非置換体の両者を含むことが意図される。したがって、例えば、場合により置換されているアリールはペンタフルオロフェニルまたはフェニル環を表すことができる。さらに、場合により置換されている複数の部分、例えば、アルキルアリールは、アリールおよびアリール基が場合により置換されていることを意味することが意図される。複数の部分の1つだけが場合により置換されている場合、「アルキルアリール、該アリールはハロゲンまたはヒドロキシルで場合により置換されている」のように具体的に列挙される。
【0051】
ここで説明される化合物は1つまたはそれ以上の二重結合を含むことができ、したがって、シス/トランス異性体に加えて他の立体配座異性体を生じ得る。本発明は、他に明言されない限り、このような可能な異性体の全てに加えて、このような異性体の混合物を含む。
【0052】
ここで説明される化合物は1つまたはそれ以上の非対称中心を含むことができ、したがって、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じ得る。本発明はこのような可能なジアステレオマーの全てに加えて、これらのラセミ混合物、これらの実質的に純粋な分解鏡像異性体、全ての可能な幾何異性体、およびこれらの医薬適合性の塩を含む。上記化学式は特定の位置での最終的な立体化学なしに示されている。本発明はこれらの化学式の全ての立体異性体およびこれらの医薬適合性の塩を含む。さらに、立体異性体の混合物に加えて、単離された特定の立体異性体も含まれる。このような化合物の調製に用いられる合成手順の過程で、または当業者に公知のラセミ化もしくはエピマー化手順の使用において、このような手順の生成物は立体異性体の混合物であり得る。
【0053】
「医薬適合性の塩」という用語は医薬適合性の非毒性塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性であるとき、この対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬適合性の非毒性塩基から都合よく調製することができる。このような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二および第一)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二および第一)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が含まれる。医薬適合性の有機非毒性塩基から誘導される塩には一級、二級、および三級アミンに加えて環状アミンおよび置換アミン、例えば、天然および合成置換アミンの塩が含まれる。塩を形成することができる他の医薬適合性の有機非毒性塩基には、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンが含まれる。
【0054】
本発明の化合物が塩基性であるとき、この対応する塩は、無機および有機酸を含む医薬適合性の非毒性酸から都合よく調製することができる。このような酸には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。
【0055】
本発明の医薬組成物は、式I、II、IIIまたはIVによって表される化合物(またはこれらの医薬適合性の塩)、医薬適合性の担体および、場合により、1種類またはそれ以上のさらなる治療薬または補助剤を含有する。このようなさらなる治療薬には、例えば、i)オピエートアゴニストまたはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド性抗炎症剤(「NSAID」)、ix)選択的セロトニン再取込阻害剤(「SSRI」)並びに/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込阻害剤(「SSNRI」)、x)三環式抗うつ剤、xi)ノルエピネフリン修飾因子、xii)リチウム、xiii)バルプロエート、並びにxiv)ニューロンチン(ガバペンチン)が含まれる。本発明の組成物には、いかなる所定の場合においても最も適する経路はこの宿主、並びに活性成分を投与する状態の性質および重症度に依存するものの、経口、直腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および腹腔内を含む)投与に適する組成物が含まれる。これらの医薬組成物は単位投薬形態で都合よく提示することができ、薬学技術分野において公知の方法のいずれによっても調製することができる。
【0056】
本発明の化合物および組成物は慢性、内臓、炎症性および神経障害性疼痛症候群の治療に有用である。これらは外傷性神経損傷、神経圧迫または障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、および糖尿病性神経障害から生じる疼痛の治療に有用である。本発明の化合物および組成物は慢性下背部疼痛、幻肢痛、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合局所痛症候群、慢性関節痛および関連神経痛、並びに癌、化学療法、HIVおよびHIV治療誘導神経障害に関連する疼痛の治療にも有用である。本発明の化合物は局所麻酔薬として利用することもできる。本発明の化合物は過敏性腸症候群および関連障害に加えてクローン病の治療に有用である。
【0057】
本発明の化合物にはてんかん並びに部分的および全身性強直性痙攣の治療への臨床用途がある。これらは脳卒中または神経外傷によって生じる虚血状態下での神経保護および多発性硬化症の治療にも有用である。本発明の化合物は頻脈性不整脈の治療に有用である。加えて、本発明の化合物は、気分障害、例えば、うつ病またはより著しく抑うつ性の障害、例えば、シングルエピソード型もしくは再発性大うつ病および気分変調性障害、または双極性障害、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害および循環病;不安障害、例えば、広場恐怖症を伴うかもしくは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴を伴わない広場恐怖症、特別な恐怖症、例えば、特定動物の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害、並びに全身性不安障害含む、神経精神医学的障害の治療に有用である。
【0058】
うつ病または不安の治療に対して、本発明の化合物を他の抗うつ病または抗不安薬、例えば、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、α−アドレノ受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分的アゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、およびこれらの医薬適合性の塩と組み合わせて用いることができることは理解されるであろう。
【0059】
さらに、本発明の化合物を予防的に有効な投薬レベルで投与し、ナトリウムチャンネルの活動に関連する他の状態および障害を予防することに加えて、上記状態および障害を予防できることが理解される。
【0060】
本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液を局所用途に用いることができる。本発明の目的上、マウスウォッシュおよびうがい薬が局所用途の範囲に含まれる。
【0061】
毎日約0.01mg/体重kgから約140mg/kg、または代わりに、毎日患者当たり約0.5mgから約7gの投薬量レベルが炎症性および神経障害性疼痛の治療において有用である。例えば、毎日体重キログラム当たり約0.01mgから75mgの化合物、または代わりに、毎日患者当たり約0.5mgから約3.5gを投与することにより、炎症性疼痛を有効に治療することができる。神経障害性疼痛は毎日体重キログラム当たり約0.01mgから125mgの化合物、または代わりに、毎日患者当たり約0.5mgから約5.5gを投与することによって有効に治療することができる。
【0062】
担体材料と組み合わせて単一投薬形態を生成することができる活性成分の量は、治療を受ける宿主および投与様式に依存して変化する。例えば、ヒトへの経口投与を目的とする配合物は約0.5mgから約5gの活性薬剤を都合よく含有することができ、これは全組成物の約5から約95パーセントを変化し得る適切かつ好都合な量の担体材料と配合される。単位投薬形態は、一般に約1mgから約1000mgの活性成分を、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgを含有する。
【0063】
しかしながら、いかなる特定の患者への具体的な用量レベルも様々な要素に依存することは理解される。このような患者関連の要素には、患者の年齢、体重、一般的な健康、性別、および食事が含まれる。他の要素には、投与時間および経路、排泄速度、薬物の組合せ並びに治療を行っている疾患の重症度が含まれる。
【0064】
実施においては、式I、II、IIIおよびIVによって表される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を、活性成分として接触混合物中で、医薬担体と通常の医薬配合技術によって組み合わせることができる。この担体は、投与、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)に望ましい調製品の形態に依存して広範囲の形態を取ることができる。したがって、本発明の医薬組成物は、経口投与に適する別個の単位、例えば、所定の量の活性成分を各々含有するカプセル、カシューまたは錠剤として提示することができる。さらに、これらの組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体中の懸濁液として、非水性液体として、水中油エマルジョンとして、または油中水エマルジョンとして提示することができる。上述の通常の投薬形態に加えて、式I、II、III、およびIVによって表される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩は、制御放出手段および/または送達装置によって投与することもできる。これらの組成物は、薬学の方法のいずれかによっても調製することができる。一般に、このような方法は、活性成分を1種類またはそれ以上の必要成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、これらの組成物は、活性成分を液体担体もしくは微細化固体担体または両者と均一かつ緊密に混合することによって調製する。次に、この生成物を所望の呈示に都合よく成形することができる。
【0065】
したがって、本発明の医薬組成物は医薬適合性の担体および式I、II、III、もしくはIVの化合物または医薬適合性の塩を含むことができる。式I、II、III、およびIVの化合物、またはこれらの医薬適合性の塩は、1種類またはそれ以上の治療上活性の化合物と組み合わせて医薬組成物中に含めることもできる。
【0066】
用いられる医薬担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の例にはラクトース、石膏、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が含まれる。液体担体の例はシュガーシロップ、ラッカセイ油、オリーブ油、および水である。気体状担体の例には二酸化炭素および窒素が含まれる。
【0067】
経口投薬形態のための組成物の調製において、あらゆる通常の医薬媒体を用いることができる。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存剤、着色料等を用いて経口液体調製品、例えば、懸濁液、エリキシルおよび溶液を形成することができ;一方、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤のような坦体を用いて経口固体調製品、例えば、粉末、カプセルおよび錠剤を形成することができる。投与の容易さのため、錠剤およびカプセルが好ましい経口投薬形態であり、したがって固体医薬坦体が用いられる。場合により、錠剤は標準水性または非水性技術によってコートすることができる。
【0068】
本発明の組成物を含有する錠剤は圧縮または成型により、場合により1種類またはそれ以上の補助成分または補助剤と共に調製することができる。圧縮錠は、適切な機械内で、自由流動形態、例えば、粉末または顆粒であり、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤または分散剤と混合されている活性成分を圧縮することによって調製することができる。成型錠は、適切な機械内で、不活性液体希釈剤で加湿されている粉末化化合物の混合物を成型することによって製造することができる。各々の錠剤は、好ましくは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含有し、各々のカシューまたはカプセルは、好ましくは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含有する。したがって、錠剤、カシュー、またはカプセルは0.1mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、または500mgの活性成分を都合よく含有し、1日1、2、または3回、1または2個の錠剤、カシュー、またはカプセルが摂取される。
【0069】
非経口投与に適する本発明の医薬組成物は水中の活性化合物の溶液または懸濁液として調製することができる。適切な表面活性剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースを含めることができる。分散液をグリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中のこれらの混合液中に調製することもできる。さらに、保存剤を含めて微生物の有害成長を阻止することができる。
【0070】
注射用途に適する本発明の医薬組成物には無菌水性溶液または分散液が含まれる。さらに、これらの組成物は、このような無菌注射用溶液または分散液を即時調製するための無菌粉末の形態であってもよい。すべての場合において、最終注射用形態は無菌でなければならず、かつ安易なシリンジ操作性に有効な流動性でなければならない。これらの医薬組成物は製造および保存の条件下で安定でなければならず、したがって、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、および適切なこれらの混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0071】
本発明の医薬組成物は局所用途に適する形態、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、および粉剤等であり得る。さらに、これらの組成物は経皮装置における使用に適する形態であり得る。これらの処方は、式I、II、III、またはIVによって表される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を用いて、通常の処理方法によって調製することができる。例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料および水を約5wt%から約10wt%の化合物と共に混合して所望の硬度を有するクリームまたは軟膏を生成することによって調製する。
【0072】
本発明の医薬組成物は直腸投与に適する形態であってもよく、ここで、担体は、この混合物が単位投薬座剤を形成する場合、固体である。適切な担体にはカカオ脂および当該技術分野において通常用いられる他の材料が含まれる。座剤は、まず組成物を軟化または溶融担体(1種類以上)と混合し、次いで型内で冷却および成形することによって都合よく形成することができる。
【0073】
前述の担体成分に加えて、上述の医薬処方は、適切であるとき、1種類またはそれ以上のさらなる担体成分、例えば、希釈剤、緩衝剤、香味料、結合剤、表面活性剤、濃厚剤、潤滑剤、および保存剤(酸化防止剤を含む)を含むことができる。さらに、他の補助剤を含めてこの処方を目的とするレシピエントの血液と等張にすることができる。式I、II、III、またはIVによって記載される化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を含有する組成物は粉末または液体濃縮物形態で調製することもできる。
【0074】
本発明の化合物および医薬組成物はナトリウムチャンネルを遮断することが見出されている。したがって、本発明の一側面は、有効量の本発明の化合物を投与することによる、哺乳動物におけるニューロンナトリウムチャンネルの遮断による緩和に従う疾患、例えば、急性疼痛、慢性疼痛、内臓疼痛、炎症性疼痛、および神経障害性疼痛の治療である。「哺乳動物」という用語はヒトの他に他の動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、およびウシを含む。したがって、ヒト以外の哺乳動物の治療は上記状態に相関する非ヒト動物における臨床状態の治療を指す。
【0075】
さらに、上述のように、本発明の化合物は1種類またはそれ以上の治療上活性の化合物と組み合わせて用いることができる。特に、本発明の化合物は、i)オピエートアゴニストまたはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)ニューロキニン受容体1(NK1)アンタゴニスト、viii)非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ix)選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)並びに/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(「SSNRI」)、x)三環式抗うつ剤、xi)ノルエピネフリン修飾因子、xii)リチウム、xiii)バルプロエート、並びにxiv)ニューロンチン(ガバペンチン)との組合せで有利に用いることができる。
【0076】
ここで用いられる略語は以下の作表された意味を有する。以下の表に掲載されていない略語は、他に明言されない限り、通常用いられるこれらの意味を有する。
【0077】
【表11】


【0078】
【表12】

【0079】
以下のイン・ビトロおよびイン・ビボ・アッセイを本発明の化合物の生物学的活性の評価において用いた。
【0080】
化合物評価(イン・ビトロ・アッセイ)
ナトリウムチャンネルの阻害の同定は、アゴニスト修飾チャンネルを通してナトリウムイオンが通過するときに細胞脱分極を生じるナトリウムチャンネルの能力に基づく。阻害剤の不在下で、ナトリウムイオンへのアゴニスト修飾チャンネルの露出は細胞脱分極を生じる。ナトリウムチャンネル阻害剤は、アゴニスト修飾ナトリウムチャンネルを通してのナトリウムイオンの移動によって生じる細胞脱分極を阻止する。膜電位の変化は、2種類の成分、供与体クマリン(CCDMPE)および受容体オキサノール(DiSBAC(3))を用いる電位感受性蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)色素対で決定することができる。オキサノールは親油性アニオンであり、膜電位に従って膜全体に分布する。ナトリウムチャンネルアゴニストの存在下ではあり、しかしながらナトリウムの不在下においては、細胞の内側は外側に対して陰性であり、オキサノールは膜の外側小葉状部分に堆積し、クマリンの励起がFRETを生じさせる。ナトリウムの添加は膜脱分極を生じ、これが細胞の内部へのオキサノールの再分布につながり、結果として、FRETの減少につながる。したがって、膜脱分極の後には割合変化(供与体/受容体)が増加する。ナトリウムチャンネル阻害剤の存在下においては、細胞脱分極が生じることはなく、したがって、オキサノールの分布およびFRETは不変のままである。
【0081】
PN1ナトリウムチャンネルが安定にトランスフェクトされている細胞(HEK−PN1)をポリリジン被覆96ウェルプレートにおいて約140,000細胞/ウェルの密度で成長させた。培地を吸引し、細胞をPBSバッファで洗浄し、0.02%プルロン酸(pluronic acid)中の10μMCC−DMPE 100μLと共にインキュベートした。25℃で45分間インキュベートした後、培地を除去し、細胞をバッファで2×洗浄した。細胞を、20μMベラトリジン、20nMブレベトキシン−3、および試験試料を含有するTMAバッファ中のDiSBAC(3)100μLと共にインキュベートした。暗所において25℃で45分間インキュベートした後、プレートをVIPR機器内に置き、CC−DMPEおよびDiSBAC(3)の両者の蛍光放射を10秒間記録した。この時点で、ナトリウム依存性細胞脱分極の程度を決定するために100μLの生理食塩水バッファをウェルに添加し、両色素の蛍光放射をさらに20秒間記録した。比CC−DMPE/DiSBAC(3)は、生理食塩水バッファを添加する前、1に等しい。阻害剤の不在下において、生理食塩水バッファ添加後のこの比は>1.5である。ナトリウムチャンネルが公知標準または試験化合物のいずれかによって完全に阻害されているとき、この比は1のままである。したがって、蛍光比の濃度依存性の変化を監視することにより、ナトリウムチャンネル阻害剤の活性を滴定することが可能である。
【0082】
電気生理学的アッセイ(イン・ビトロ・アッセイ):
細胞の調製:PN1ナトリウムチャンネル・サブタイプを安定に発現するHEK−293細胞株を社内で確立した。これらの細胞を、0.5mg/mL G418、50単位/mL Pen/Strepおよび1mL熱不活性化ウシ胎児血清を含むMEM成長培地(Gibco)において、37℃および10%COで培養した。電気生理学的な記録のため、細胞をポリ−D−リジンでコートした35mm皿上に置いた。
【0083】
全細胞記録:PN1ナトリウムチャンネル・サブタイプを安定に発現するHEK−293細胞を全細胞電位クランプ(Hamillら.Pfluegers Archives 391:85−100 (1981))によりEPC−9増幅器およびPulseソフトウェア(HEKA Electronics、Lamprecht、ドイツ)を用いて試験した。実験は室温で行った。電極は2−4MΩの抵抗まで先端熱加工した。電圧誤差は直列抵抗補償によって最小化し、過渡容量はEPC−9のビルト・イン回路を用いて解消した。データは50kHzでとり、7−10kHでフィルタ処理した。浴溶液は40mM NaCl、120mM NMDG Cl、1mM KCl、2.7mM CaCl、0.5mM MgCl、10mM NMDG HEPES、pH7.4からなり、内部(ピペット)溶液は110mM Cs−メタンスルホネート、5mM NaCl、20mM CsCl、10mM CsF、10mM BAPTA(テトラCs塩)、10mM Cs HEPES、pH7.4を含んでいた。
【0084】
チャンネルの休止および不活性化状態に対する化合物の定常状態アフィニティ(それぞれ、KおよびK)を見積もるのに以下のプロトコルを用いた。
【0085】
1)電圧を−90mVの保持電位から−60mVから+50mVに分極する8ms試験パルスを用いて電流−電圧関係(IV曲線)を構築した。IV曲線のピークに近い電圧(典型的には、−10または0mV)を実験の残りを通して試験パルス電圧として用いた。
2)−120mVから−10mVの範囲の電圧への10ms順化パルスに続く8ms試験パルスの間に活性化される電流を測定することによって定常状態不活性化(アベイラビリティ)曲線を構築した。
3)20−50%のチャンネルが不活性化されている保持電位で化合物を適用し、2s間隔での8ms試験パルスの間のナトリウムチャンネル遮断を監視した。
4)化合物が平衡化した後、化合物の存在下での安定状態不活性化の電圧依存性を上記プロトコル2)によって決定した。チャンネルの休止状態を遮断する化合物は試験パルスの間にすべての保持電位から誘導される電流を減少させ、これに対して主として不活性化状態を遮断する化合物は安定状態不活性化曲線の中点をシフトさせる。対照および化合物の存在下における負保持電位での最大電流(Imax)および安定状態不活性化曲線の中点の差(ΔV)を、下記等式を用いて、KおよびKの算出に用いた。
【0086】
【数1】

【0087】
化合物が休止状態に影響を与えなかった場合、下記等式を用いてKを算出した。
【0088】
【数2】

【0089】
ラット・ホルマリン肢試験(イン・ビボ・アッセイ)
化合物を、ホルマリン(5%)の50μL注射によって惹起される挙動的応答を阻害するこれらの能力について評価した。金属バンドをオスSprague−Dawleyラット(Charles River、200−250g)の左後肢に貼付し、各々のラットをプラスチックシリンダー(15cm径)内で60分間バンドに順化させた。ホルマリン投与の前(局所)または後(全身)のいずれかに、ラットにビヒクルまたは試験化合物のいずれかを投与した。局所投与については、化合物をエタノール、PEG400および生理食塩水の1:4:5ビヒクル(EPEGS)中に調製し、ホルマリンの5分前に左後肢の背部表面に皮下注射した。全身投与については、化合物をEPEGSビヒクルまたはTween80(10%)/無菌水(90%)ビヒクル中に調製し、i.v.(ホルマリンの15分後に側部尾静脈から)またはp.o.(ホルマリンの60分前)注入した。尻込みの回数を、自動痛覚分析器(UCSD Anesthesiology Research、San Diego、CA)を用いて60分間連続的にカウントした。早期(0−10分)および後期(11−60分)相に検出された全尻込みを対応のないt検定で比較することによって統計的有意性を決定した。
【0090】
ラットCFAモデルを用いるイン・ビボ・アッセイ:
左後肢の足底表面における完全フロイントアジュバント(CFA:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、Sigma;油/生理食塩水(1:1)エマルジョン中に懸濁;0.5mgミコバクテリウム/mL)の0.2ml注射で片側炎症を誘導した。この用量のCFAは著しい左肢腫脹を生じたが、これらの動物は実験の過程にわたって正常な毛繕い挙動および体重増加を示した。Randall−Selitto試験、Repeated Measures ANOVA、次いでDunnett’s Post Hoc試験を用いて、機械的痛覚過敏を組織損傷の後3日間評価した。
【0091】
SNL:機械的異痛(イン・ビボ・アッセイ):
神経損傷の前および2週間後にアップ・ダウン・パラダイムを用いて較正von Freyフィラメントで触覚異痛を評価した。動物をワイヤ・メッシュ床を有するプラスチックケージに入れ、各試験セッションの前に15分間馴化させた。50%応答閾値を決定するため、von Freyフィラメントを(0.4から28.8gの強度範囲にわたって)足底表面中央に8秒間、または引込め応答が生じるまで適用した。陽性応答に続いて、漸進的により弱い刺激を試験した。刺激に対する応答が存在しない場合、漸進的により強い刺激を与えた。初期閾値を通過した後、この手順を試験セッション毎に動物当たり4回刺激提示を反復した。試験化合物の経口投与の1および2時間後に機械的感受性を評価した。
【0092】
本発明において説明される化合物は上記イン・ビトロ・アッセイにおいて約<0.1μMから約<50μMのナトリウムチャンネル遮断活性を示した。化合物が<5μMのナトリウムチャンネル遮断活性をイン・ビトロ・アッセイにおいて示すことが有利である。化合物が<1μMのナトリウムチャンネル遮断活性をイン・ビトロ・アッセイにおいて示すことがより有利である。化合物が<0.5μMのナトリウムチャンネル遮断活性をイン・ビトロ・アッセイにおいて示すことがさらに有利である。化合物が<0.1μMのナトリウムチャンネル遮断活性をイン・ビトロ・アッセイにおいて示すことがとりわけ有利である。
【0093】
合成の方法
本発明の化合物は以下に示されるスキームに加えて実施例において示される手順に従って調製することができる。以下のスキームおよび実施例は本発明の範囲をさらに説明するが、これらを限定するものではない。置換基は、他に定義されるかまたは他に当業者に明らかである場合を除いて、上記式におけるものと同じである。
【0094】
本発明の新規化合物は当業者に公知の技術、例えば、Advanced Organic Chemistry,March,4th Ed.,John Wiley and Sons,New York,NY,1992;Advanced Organic Chemistry,Carey and Sundberg,Vol.A and B,3rd Ed.,Plenum Press,Inc.,New York,NY,1990;Protective groups in Organic Synthesis,Green and Wuts,2nd Ed.,John Wiley and Sons,New York,NY,1991;Comprehensive Organic Transformations,Larock,VCH Publishers,Inc.,New York,NY,1988;Handbook of Heterocyclic Chemistry,Katritzky and Pozharskii,2nd Ed.,Pergamon,New York,NY,2000 およびこれらに引用される参考文献における技術を用いて容易に合成することができる。本発明の化合物用の出発物質は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee、WI);Sigma Chemical Co.(St.Louis、MO);Lancaster Synthesis(Windham、N.H.);Ryan Scientific(Columbia、S.C.);Maybridge(Cornwall、UK);Matrix Scientific(Columbia、S.C.);Arcos(Pittsburgh、PA)およびTrans World Chemicals(Rockville、MD)等から市販されている化学的前駆体から調製することができる。
【0095】
ここで説明される、本発明の化合物を合成するための手順は、保護基操作および精製の1以上の工程、例えば、再結晶化、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、簿層クロマトグラフィー(TLC)、ラジアルクロマトグラフィーおよび高速クロマトグラフィー(HPLC)を含み得る。生成物は、プロトンおよび炭素−13核磁気共鳴(Hおよび13C NMR)、赤外線および紫外線分光法(IRおよびUV)、X線結晶学、元素分析およびHPLCおよび質量分析(LC−MS)を含む、化学技術分野において公知の様々な技術を用いることによって特徴付けることができる。保護基操作、精製、構造同定および定量化の方法は化学合成の分野における熟練者に公知である。
【0096】
本発明の化合物は以下のスキームの1以上を用いることによって調製することができる。
【0097】
【化27】

【0098】
適切な1,3−ジケトン1をアリールヒドラジン2と反応させてピラゾール−3−カルボキシレート3を得ることができ、これは対応するアミド4に容易に変換することができる。4と適切なフェニルボロン酸5とのPd触媒交差カップリング条件下[Suzukiら,Chem.Rev.,95: 2457,(1995)]での反応で所望のビフェニルピラゾール6を生成することができる。このPd触媒交差カップリング、別名Suzuki反応は、ビアリール化合物を合成するための最も汎用的な方法の1つである。この反応においては、適切なアリールブロモ、ヨード、またはトリフレート化合物、例えば、3または4をアリールボロン酸と、パラジウム触媒、例えば、酢酸パラジウムの存在下、トリフェニルホスフィンおよび炭酸ナトリウム水溶液と共に、溶媒、例えば、トルエンおよび共溶媒、例えば、n−プロパノール中で反応させる[Suzukiら,Chem.Rev.,95: 2457,(1995)]。様々なアリールボロン酸が市販されており、または対応する臭化またはヨウ化アリールから、これを有機リチウム誘導体に変換することにより[Baldwin,J.E.ら,Tetrahedron Lett.,39: 707−710 (1998)]、もしくはグリニヤール試薬、次いでトリアルキルボレートでの処理により[Li,J.J.ら,J.Med.Chem,38: 4570−4578 (1995)および Piettre,S.R.ら,J.Med Chem.,40: 4208−4221 (1997)]都合よく調製することができる。
【0099】
【化28】

【0100】
代わりのアプローチにおいて、ピラゾール6をスキーム2に示されるように合成することができる。Boc保護アリールヒドラジド8を上述のように交差カップリングして保護ビアリールヒドラジド9を得ることができる。化合物9のBoc保護基を標準条件、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の下で除去してヒドラジド10のTFA塩を得ることができ、これをNaOH水溶液で脱塩してジケトン1と反応させ、エステル11を得ることができる。エステル11を対応する酸12に加水分解し、次にこれをカルボニルジイミダゾール(CDI)とDMF中で、次いで酢酸アンモニウムまたは適切なアミンと反応させてピラゾールアミド13を得る。
【0101】
【化29】

【0102】
スキーム3において、ビアリール化合物、例えば、11および6を、アリールボロネート(14および16)を対応するハロ化合物、例えば、それぞれ、3および4から形成することによって調製することができる。アリールボロネートはこれらのPd触媒カップリング反応においてアリールボロン酸の代替物として用いることができる[Giroux,A.ら,Tetrahedron Lett.,38,3841(1997)]。これらのボロネートはアリール臭化物、ヨウ化物およびトリフルオロメタンスルホネートから Murata,M.ら,J.Org.Chem.65: 164−168 (2000)によって記載される方法を用いて容易に調製することができる。
【0103】
【化30】

【0104】
スキーム3において説明される化学も、ボロネートをこの場で形成し、次いでこれらを適切なハロゲン化アリール18とマイクロ波加熱の下でカップリングさせてピラゾール19を得ることによって達成することができる。
【0105】
【化31】

【0106】
ピラゾール3−カルボキサミド21を対応するカルボン酸20からスキーム5に概説されるように調製することができる。エステル11を−78℃で還元剤、例えば、水素化アルミニウムジイソブチル(DIBALH)で処理することによってアルデヒド22を調製することができる。しかしながら、0℃での11のDIBALHでの処理は対応するアルコール23をもたらし、これはスキーム7からカルバメート27に変換することができる。
【0107】
【化32】

【0108】
ケトン25の合成は、臭化マグネシウムメチルのアミド24との反応によって達成することができる。
【0109】
【化33】

【0110】
オレフィン性誘導体26をアルデヒド14からスキーム7に概説されるように容易に調製することができ、これをさらに入念に仕上げて本発明の適切な化合物を得ることができる。
【0111】
【化34】

【0112】
異性体ピラゾール32および33を調製するプロトコルにおいては、α−ケトエステル29を適切な置換ヒドラジンと反応させてピラゾールエステルの混合物を得る。これらはクロマトグラフィーによって分離することができる。次に、個々のエステル誘導体をアンモニアと反応させて30および31を得、これらをアリールボロン酸と反応させた後に32および33を得る。
【0113】
【化35】

【0114】
ピラゾール4−カルボキサミド38を合成するための典型的なスキームがスキーム9に概説されている。適切なヒドラジンと34との反応で3−アミノ−ピラゾール−4−カルボン酸エステル35を得、これをTHF中で硝酸イソアミルで処理(例えば、J.Het.Chem 1987,p.267を参照)してdes−アミノピラゾール36を生成することができる。
【0115】
【化36】

【0116】
スキーム10において、ピラゾールエステル39を、水素化ホウ素リチウムおよびグリニヤール試薬の混合物とのTHFのような非プロトン性溶媒中での反応により、二級アルコール40に変換することができる。代わりに、水素化アルミニウムリチウム(LAH)、水素化アルミニウムジイソブチル(DEBALH)および水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を含む幾つかの還元剤のいずれかによって39を一級アルコール42に還元することができる。アルコール40または42のいずれかを、あらゆる数の方法により、さらに誘導体化することができる。一例において、アルコール40を、クロムベースの試薬およびSwem型試薬(DMSOおよび塩化オキザリル)を含む様々な酸化試薬により、ケトン41に酸化することができる。
【0117】
【化37】

【0118】
アルコール48は、スキーム11において説明されるように、三フッ化ジエチルアミノイオウ(DAST)とジクロロメタン中、低温で反応させることにより、フルオロ誘導体43に変換することもできる。
【0119】
【化38】

【0120】
ピリジル−ピラゾール−3−カルボキシレート48をスキーム12に概説されるように調製することができる。
【0121】
適切な溶媒は、反応体の1つまたはすべてが少なくとも部分的に可溶性であり、および反応体または生成物のいずれかと有害に相互作用することがないものである。適切な溶媒には、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン)、ハロゲン化溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジグリム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン(例えば、2−ブタノン、ジエチルケトン、tert−ブチルメチルケトン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)および水が含まれる。2種類またはそれ以上の溶媒の混合液を用いることもできる。適切な塩基は、一般に、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、および水酸化カルシウム;アルカリ金属水素化物およびアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウム;アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミド;アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、および炭酸水素セシウム;アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドおよびマグネシウムエトキシド;アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムおよびアルキルマグネシウムハロゲン化物;有機塩基、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、コリジン、ルチジン、および4−ジメチルアミノピリジン;並びに、さらに、二環式アミン、例えば、DBUおよびDABCOが含まれる。
【0122】
前述のように、経口投与形体用の組成物の調製においては、通常の医薬媒体のいずれをも用いることができる。例えば、経口液体調製品、例えば、懸濁液、エリキシルおよび溶液の場合、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存剤、着色料等を用いることができ;または、経口固体調製品、例えば、粉末、カプセルおよび錠剤の場合、坦体、例えば、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等を含めることができる。これらの投与の容易性から、錠剤およびカプセルが最も有利な経口投薬単位形体を代表し、そこでは固体医薬坦体が明白に用いられる。所望であれば、標準水性または非水性技術によって錠剤をコートすることができる。上述の一般的な投薬形体に加えて、制御放出手段および/または送達装置を本発明の化合物および組成物の投与において用いることもできる。
【0123】
上記スキームにおいて説明される化合物中に存在する官能基を、適切であるならば、当業者が利用可能な標準官能基変換技術を用いてさらに操作し、本発明において説明される所望の化合物を得ることができることは理解される。
【0124】
他に明言されない限り、実験手順は以下の条件下で行った。すべての操作は室温または周囲温度;すなわち、18−25℃の範囲の温度で行った。溶媒の蒸発はロータリーエバポレーターを用いて減圧下(600−4000パスカル:4.5−30mm.Hg)、60℃までの浴温度で行った。反応の経過は簿層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡し、反応時間は説明のためのみに示される。融点は未修整であり、「d」は分解を示す。示される融点は説明される通りに調製された物質について得られたものである。多形は幾つかの調製品において異なる融点を有する物質の単離を生じることがある。すべての最終生成物の構造および純度は以下の技術の少なくとも1つによって確証した。TLC、質量分析、核磁気共鳴(NMR)分光測定または微量分析データ。示される場合、収率は説明のためのみである。示される場合、NMRデータは、300MHz、400MHzまたは500MHzで指示される溶媒を用いて決定される、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)示される、主要診断用プロトンに対するデルタ(δ)の形体である。シグナルの形状に用いられる通常略語は:s.一重項;d.二重項;t.三重項;m.多重項;br.ブロード;等である。加えて、「Ar」は芳香族シグナルを意味する。化学記号はこれらの通常の意味を有する。以下の略語が用いられる:v(容積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル(複数))、mL(ミリリットル)、g(グラム(複数))、mg(ミリグラム(複数))、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量(複数))。
【実施例】
【0125】
(実施例1)
【0126】
【化39】

5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【0127】
工程1:
【0128】
【化40】

エチル1−(3−ブロモフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート:
【0129】
酢酸(44ml)中の塩酸3−ブロモフェニルヒドラジン(2g、8.9mmol)およびエチル−2,4−ジオキソバレレート(1.69g、10.7mmol)の溶液を16時間還流させた。反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。この残滓を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を水、飽和重炭酸塩およびブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウム乾燥させ、濾過して真空中で濃縮した。このようにして得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(4.8:0.2 ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、生成物(2.34g、84%)をシロップとして得た。
【0130】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.71(s,1H),7.65(d,1H),7.38(d,1H),7.32(t,1H),6.76(s,1H),4.45(q,2H),2.38(s,3H),1.42(t,3H)。
MS(ESI):m/e310.3(M+2)
【0131】
工程2:
【0132】
【化41】

1−(3−ブロモフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【0133】
2N NaOH(17.85ml)中のエチル1−(3−ブロモフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(4.28g、17.8mmol)の溶液を16時間還流した。反応物を室温に冷却し、10%クエン酸で中和して酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(3.29g、89%)を得た。
【0134】
DMF(47ml)中のこのカルボン酸(3.79g、14.1mmol)の溶液に1,1−カルボニルジイミダゾール(3.45g、21.2mmol)を添加し、この混合物を室温で3時間攪拌した。次に、無水酢酸アンモニウム(10.9g、141mmol)を添加し、この反応物を室温でさらに16時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウムに分配した。有機相を水、ブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:3 ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、生成物を白色固体として得た(3.23g、82%)。
【0135】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.69(s,1H),7.61(d,1H),7.44−7.39(m,2H),6.81(br s,1H),6.77(s,1H),5.50(br s,1H)。
【0136】
MS(ESI):m/e281.2(M+1)
【0137】
工程3:
【0138】
【化42】

2−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸:
【0139】
n−ブチルリチウム(5.9ml、9.5mmol)をテトラヒドロフラン(28ml)中の1−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(2g、8.2mmol)の溶液に−78℃で添加し、45分間攪拌した。トリイソプロピルボレート(2.58ml、11.1mmol)をこの反応混合物に滴下により添加し、この溶液を16時間にわたって徐々に室温にした。反応混合物を水で失活させ、2N NaOHで塩基性にして酢酸エチルで抽出した。水溶液を2N HClで酸性にし、室温で1時間攪拌して酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これを濾過して濃縮し、生成物(1.10g、65%)を白色固体として得た。
【0140】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.96(dd,J=7.2,1.6Hz,1H),7.53(ddd,J=9.1,7.3,1.8Hz,1H),7.38(td,J=7.3,0.7Hz,1H),7.28(d,J=8.2Hz,1H),5.25(br s,2H)。MS:m/e206.9(M+1)
【0141】
工程4:
【0142】
【化43】

5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:
【0143】
n−プロパノール/トルエン(1.27ml:0.42ml)混合液中のエチル1−(3−ブロモフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.237g、0.8mmol)および2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(0.262g、1.2mmol)の溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.019g、0.01mmol)および2M炭酸ナトリウム(0.84ml)を添加した。この反応混合物を90℃で16時間加熱した後、冷却して酢酸エチルおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。この粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3.5:1.5 ヘキサン/アセトン)によって精製し、生成物(0.270g、88%)を固体として得た。
【0144】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.64−7.57(m,3H),7.53−7.41(m,5H),6.85(br s,1H),6.79(s,1H),5.49(br s,1H),2.42(s,3H)。
MS(ESI):m/e:362.0(M+1)
【0145】
(実施例2)
【0146】
【化44】

5−tert−ブチル−1−(2’−クロロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:
【0147】
酢酸(10ml)中の塩酸3−ブロモフェニルヒドラジン(0.5g、2.2mmol)およびエチル5,5−ジメチル−2,4−ジオキソヘキサノエート(0.54g、2.68mmol)の溶液を16時間還流した。この反応物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残滓を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を水、飽和重炭酸塩およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。この粗製物質をカラムクロマトグラフィー(4.8:0.2 ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、エチル1−(3−ブロモフェニル)−5−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(0.59g、74%)をシロップとして得た。
【0148】
n−プロパノール:水(2.35ml:0.482ml)混合液中のエチル1−(3−ブロモフェニル)−5−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートおよび2−クロロフェニルボロン酸(0.279g、1.78mmol)の溶液に酢酸パラジウム(0.005g)、トリフェニルホスフィン(0.016g)および2N炭酸ナトリウム(0.497ml)を添加し、この溶液を16時間還流した。この反応物にNaOHの2N溶液(1.5ml)を添加し、さらに2時間還流した。この溶液を冷却し、10%クエン酸で酸性化して酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して0.212gの5−tert−ブチル−1−(2’−クロロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を得た。
【0149】
DMF(1ml)中のこのカルボン酸(0.062g、0.17mmol)の溶液にpyBOP(0.138g、0.26mmol)、HOBT(0.035g、0.2mmol)、ジエチルイソプロピルアミン(0.147ml、0.87mmol)および塩化アンモニウム(0.056g、1.05mmol)を添加した。この反応混合物を室温で16時間攪拌した後、冷却して酢酸エチルおよび水に分配した。有機相をブラインで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(3:2 ヘキサン/酢酸エチル)による粗製生成物の精製で生成物(0.062g、64%)を固体として得た。
【0150】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.61−7.56(m,2H),7.54−7.49(m,2H),7.43(d,1H),7.38−7.321(m,3H),6.80(s,1H),6.75(br s,1H),5.39(br s,1H),1.26(s,9H)。
MS(ESI):m/e354.2(M+1)
【0151】
(実施例3)
【0152】
【化45】

エチル−5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
【0153】
表題の化合物を、(実施例1の工程1からの)エチル1−(3−ブロモフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートを(実施例1の工程3からの)2−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸と実施例1の工程4において説明される反応条件の下で反応させることによって調製した。
【0154】
MS(ESI):m/e391.0(M+1)
【0155】
(実施例4)
【0156】
【化46】

5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
【0157】
MeOH(5ml)および2N NaOH(2ml)の混合液中の(実施例3からの)エチル−5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(0.39g、1mmol)の溶液を16時間還流させた。次に、この反応物を冷却して水で希釈し、10%クエン酸で酸性化して酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄して乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空中で濃縮して表題の化合物を得た。
【0158】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.64−7.57(m,3H),7.53−7.41(m,5H),6.79(s,1H),2.42(s,3H)。
MS(ESI):m/e363.0(M+1)
【0159】
(実施例5)
【0160】
【化47】

1−[4’−フルオロ−2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド:
【0161】
DMSO(1.14ml)中の(実施例1の工程2からの)エチル1−(3−ブロモフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.069g、0.24mmol)の溶液にビス(ピナコロエート)ジボラン(0.075g、0.3mmol)、次いで酢酸カリウム(0.072g、0.74mmol)およびPdCl(dppf)(0.005g、3mol%)を添加した。この溶液をSmith Creator(商標)マイクロ波反応器(Personal Chemistry,Inc.から市販されている)において140℃で1200秒間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、2−ブロモ−5−フルオロベンゾトリフルオリド(0.12g、0.5mmol)、PdCl(dppf)(0.005g、3mol%)および2M炭酸ナトリウム(0.61ml、1.2mmol)を反応混合物に添加した。次に、この反応物にマイクロ波放射を140℃で2800秒間施した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcおよび水に分配した。有機層を飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。粗製生成物の逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:10分にわたって45%から100%アセトニトリル)による精製で0.036mgの生成物を得た(収率41%、反応時間5.1分)。
【0162】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.63−7.59(m,3H),7.49−7.44(m,4H),6.71(s,1H),2.38(s,3H)。
MS(ESI):m/e363.2(M+1)
【0163】
表1にまとめられる以下のさらなる実施例は、上記実施例1−5において説明される方法を用いて調製した。
【0164】
【表13】





【0165】
以下のさらなる実施例も上記実施例1−5において説明される方法を用いて調製され、表2にまとめられる。
【0166】
【表14】


(実施例112)
【0167】
【化48】

1−(2’−クロロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド:
【0168】
AcOH(20ml)中の塩酸3−ブロモフェニルヒドラジン(1g、4.4mmol)およびエチル2−(エトキシメチレン)−4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブチレート(1.16g、4.8mmol)の溶液を16時間還流させた後、室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去し、残滓を酢酸エチルおよび水に分配した。有機層を水、飽和重炭酸塩およびブライン溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して真空中で濃縮した。得られた粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中6%の酢酸エチルを用いる)によって精製し、表題の化合物(0.75g、92%)をシロップとして得た。
【0169】
n−プロパノール:水(2.35ml:0.482ml)混合液中のエチル1−(3−ブロモフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.5g、1.37mmol)および2−クロロフェニルボロン酸(0.28g、1.78mmol)の溶液に酢酸パラジウム(0.005g)、トリフェニルホスフィン(0.016g)および2N炭酸ナトリウム(0.497ml)を添加した。この混合物を16時間還流した。次に、2N NaOH(1.5ml)を添加し、還流をさらに2時間継続した。この反応物を冷却し、10%クエン酸で酸性化して酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して0.402gの1−(3−ブロモフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を得た。
【0170】
1.4molのDMF中の上記カルボン酸(0.103g、0.2mmol)の溶液にpyBOP(0.219g、0.42mmol)、HOBT(0.056g、0.4mmol)、ジエチルイソプロピルエチルアミン(0.236ml、1.4mmol)および塩化アンモニウム(0.090mg、1.6mmol)を添加し、この混合物を室温で16時間攪拌した。次に、この反応混合物を酢酸エチルおよび水に分配し、有機相をブラインで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。(ヘキサン中60%の酢酸エチルを用いる)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる粗製生成物の精製で生成物(0.034g、32%)を固体として得た。HNMR(CDCl)(δ,ppm):8.01(s,1H),7.63−7.52(m,3H),7.42(s,1H),7.52−7.48(m,1H),7.45(d,1H),7.38−7.32(m,2H)。
MS(ESI):m/e366.2(M+1)
【0171】
(実施例113)
【0172】
【化49】

3−アミノ−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド:
【0173】
工程1:エチル3−アミノ−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:
酢酸(15.1ml)および水(5.04ml)中の塩酸3−ブロモフェニルヒドラジン(2.25g、10.1mmol)の溶液にエチル(エトキシメチレン)シアノアセテート(1.88g、11.1mmol)および酢酸ナトリウム(3.02g、22.2mmol)を添加し、この溶液を16時間還流した。反応物を氷浴で冷却および失活させた。形成された沈殿を濾過して水で洗浄し、減圧下で24時間乾燥させて2.95gの表題の化合物を得た(収率93%)。
【0174】
工程2:エチル3−アミノ−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:
トルエン(4ml)中の工程1からの生成物(0.452g、1.45mmol)の溶液に2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(0.450g、2.18mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.050g、3mol%)および2M炭酸ナトリウム(1.45ml、2.9mmol)を添加した。この反応物を16時間還流した後、冷却し、EtOAcおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾液を真空中で濃縮し、粗製生成物をヘキサン中4%のEtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して0.42gの生成物を得た(収率73%)。
【0175】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.83(s,1H),7.63(s,1H),7.62−7.60(d,2H),7.53−7.39(m,5H),5.39(s,2H),4.34(q,2H),1.39(t,3H)。
MS:m/e:392.2(M+1)
【0176】
工程3:3−アミノ−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド:
メタノール(2.74ml)中の工程2からのエステル(0.215g、5.49mmol)の溶液に2N NaOH(549□L、1.09mmol)を添加し、この混合物を3時間還流した。次に、反応物を冷却し、10%クエン酸で酸性化してEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して0.199gの対応するカルボン酸を得、これをこのようなものとして次工程に用いた。
【0177】
DMF(2.1ml)中のこのカルボン酸(0.186g、5.12mmol)の溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.25g、1.54mmol)を添加し、この溶液を室温で4時間攪拌した。酢酸アンモニウム(0.5g、6.48mmol)を添加し、攪拌を室温で16時間継続した。この反応混合物をEtOAcおよび水に分配し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して粗製生成物を得た。逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:12分にわたって10%から90%のアセトニトリル)を用いる精製で表題の化合物(0.036mg)を収率19%で得た(保持時間6.53分)。
【0178】
HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.85(s,1H),7.68−7.65(m,2H),7.58(t,2H),7.53−7.42(m,4H)。
MS(ESI):m/e363.3(M+1)
【0179】
(実施例114)
【0180】
【化50】

1−(2’−クロロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド:
【0181】
工程1:エチル3−アミノ−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:
15.1mlの酢酸および5.04mlの水中の塩酸3−ブロモフェニルヒドラジン(2.25g、10.1mmol)の溶液にエチル(エトキシメチレン)シアノアセテート(1.88g、11.1mmol)および酢酸ナトリウム(3.02g、22.2mmol)を添加し、この溶液を16時間還流した。溶液を室温に冷却し、氷水を添加した。形成された沈殿を濾過して水で洗浄し、減圧下で24時間乾燥させて2.95gの生成物を得た(収率93%)。
【0182】
工程2:エチル−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
THF(4.3ml)中の工程1からのエステル(0.5g、1.61mmol)の溶液に硝酸イソアミル(0.434ml、3.23mmol)を添加し、この混合物を16時間還流した。これを室温に冷却し、濃縮して乾燥させ、いかなる精製もなしにこのようなものとして次工程に用いた。
【0183】
工程3:エチル1−(2’−クロロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:
n−プロパノール(2.76ml)および水(0.56ml)中の工程2からの生成物(0.477g、1.6mmol)の溶液に2−クロロフェニルボロン酸(0.328g、2.1mmol)、酢酸パラジウム(0.001g、0.3mol%)、トリフェニルホスフィン(0.004g、0.9mol%)および2M炭酸ナトリウム(0.96ml、1.9mmol)を添加し、反応物を16時間還流した。この反応混合物を冷却し、EtOAcおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。次に、これを濾過して濃縮し、ヘキサン中20%のEtOAcを用いるクロマトグラフィーによって精製して0.412gの生成物を得た(79%)。
【0184】
工程4:1−(2’−クロロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド:
メタノール(2.19ml)および2N NaOH(0.66ml、1.3mmol)の混合液中の工程3からのエステル(215mg、0.6mmol)の溶液を3時間還流した後、冷却し、10%クエン酸で酸性化した。この混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して0.2gの対応するカルボン酸を得た。
【0185】
DMF(2.6ml)中のこのカルボン酸(0.2g、0.6mmol)の溶液にPyBOP(0.522g、1mmol)、HOBT(0.135g、1mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.562ml、3.3mmol)および塩化アンモニウム(0.071g、1.3mmol)を添加し、この混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAcおよび水に分配し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濃縮して粗製生成物を得、これをヘキサン中30%のEtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して0.125gの表題の生成物を得た(63%)。
【0186】
HNMR(CDSO)(δ,ppm):8.9(s,1H),8.15(s,1H),7.84(d,2H),7.62−7.58(m,2H),7.52−7.39(m,4H)。
MS(ESI):m/e298.3(M+1)
【0187】
以下のさらなる(表3にまとめられる)実施例は上記実施例113および114において説明される方法を用いて調製した。
【0188】
【表15】

【0189】
(実施例123)
【0190】
【化51】

{5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イル}メタノール:
【0191】
無水ジクロロメタン(10mL)中のエチル−5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(実施例3)(l.lg、2.82mmol)の冷(0℃)溶液にトルエン溶液中のDIBAL−H(1.0M、6.8mL、6.8mmol)を添加した。この反応物を0℃で30分間攪拌した後、0.5mLのメタノールを添加した。反応物を室温まで暖め、さらに30分間連続的に攪拌した。5gのCeliteおよび5gの無水MgSOを添加した後、飽和NHCl水溶液を滴下により添加した。生じるスラリーを1時間激しく攪拌した。次に、この混合物を濾過し、濃縮して粗製生成物を得た。得られた粗製アルコールをシリカゲルでのフラッシュ−カラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋な表題の化合物を黄色油として得た(0.9g、収率93%)。
【0192】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.52−7.35(m,8H),6.19(s,1H),4.69(s,2H),2.34(s,3H)。
MS(ESI):m/e348.9(M+1)
【0193】
(実施例124)
【0194】
【化52】

5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド:
【0195】
無水ジクロロメタン(10mL)中の(実施例3からの)エチル5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1.1g、2.82mmol)の溶液にトルエン溶液中のDIBAL−H(1.0M、6.8mL、6.8mmol)を−78℃で添加した。この温度で20分間攪拌した後、実施例123において上述されるようにメタノールで反応を停止させた。実施例123において説明されるように、さらなるワークアップおよび精製で表題の化合物が生成された。
【0196】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.52−7.35(m,8H),6.19(s,1H),4.69(s,2H),2.34(s,3H)。
MS(ESI):m/e347(M+1)
【0197】
(実施例125)
【0198】
【化53】

{3−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−5−イル}メタノール:
【0199】
表題の化合物を、エチル3−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(実施例21)をDIBALHと実施例123において説明される方法で反応させることによって調製した。MS(ESI):m/e349(M+1)
【0200】
以下のさらなる(表4および5にまとめられる)実施例は実施例123および124の生成物から上記方法を用いて調製した。
【0201】
【表16】

【0202】
【表17】

【0203】
(実施例132)
【0204】
【化54】

{5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イル)メチルメチルカルバメート
【0205】
乾燥ジクロロメタン(3mL)中の実施例123からのアルコール(0.050g、0.14mmol)の溶液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.023g、0.14mmol)を添加した。この反応溶液を室温で1時間攪拌した後、メチルアミンを添加した。次に、反応物を同じ温度で一晩攪拌した。10%HCl水溶液で反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。この生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カルバメートが白色固体として得られた、0.0565g、収率97%。
【0206】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.56−7.37(m,10H),6.37(s,1H),5.59(s,2H),2.36(s,3H)。
【0207】
MS(ESI):m/e428.0(M+Na)
【0208】
(実施例133)
【0209】
【化55】

{5−メチル−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イル}メチルメチルカルバメート
【0210】
エタノール(2mL)中の実施例123からのアルコール(0.050g、0.14mmol)の溶液にトリメチルシリルイソシアネート(0.023g、0.14mmol)を添加した。この反応溶液を2時間還流した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。この生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。カルバメートが白色固体として得られた、0.055g、収率97%。
【0211】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.68−7.24(m,9H),6.20(s,1H),5.15(bs,1H),4.70(s,2H),2.35(s,3H)。
MS(ESI):m/e349.9(M−CONH+1)
【0212】
以下のさらなる(表6にまとめられる)実施例は上記実施例132において説明される方法を用いて調製した。
【0213】
【表18】

【0214】
(実施例137)
【0215】
【化56】

エチル5−メチル−1−{6−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
【0216】
工程1:
【0217】
【化57】

エチル1−(6−クロロピリジン−2−イル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
【0218】
酢酸(5mL)中の2−クロロ−6−ピリジンヒドラジン(0.23g、1.6mmol)の溶液にエチル2,4−ジオキシバレレート(0.278g、1.78mmolを添加した。この反応物を室温で12時間攪拌した。反応物を濃縮し、残滓を酢酸エチルに取って0.5N HCl、ブラインで洗浄した。得られた粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュ−カラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋なピラゾールを白色固体として得た、0.165g、収率38%。この対応するレギオ異性体も白色固体として単離した、0.214g(50%)。
【0219】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):8.01(d,J=8Hz,1H),7.84(t,J=9Hz,1H),7.32(d,J=8Hz,1H),6.74(s,1H),4.46(q,J=7.5,21.5Hz,2H),2.76(s,3H),1.46(t,J=7.0Hz,3H)。
MS(ESI):m/e266.0(M+1)
【0220】
工程2:
【0221】
【化58】

エチル5−メチル−1−{6−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
トルエン:n−プロパノール(3mL:3mL)中の2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(0.192g、0.92mmol)および工程1からの2−クロロピリジン化合物(0.165g、0.62mmol)の溶液にテトラビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.072g、0.062mmol)および重炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.62mL、1.2mmol)を添加した。この反応混合物を90度で16時間攪拌した。室温に冷却した後、Celiteパッドを通して混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した(3回)。濾液を濃縮した。生じる残滓を酢酸エチルに溶解して飽和重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにかけ、表題の化合物を黄色油として得た、30mg、収率12.3%。
【0222】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.95−7.90(m,2H),7.71(m,2H),7.46−7.29(m,3H),6.69(s,1H),4.20(q,J=7.5,21.5Hz,2H),2.41(s,3H),1.51(t,J=7.0Hz,3H)。
MS(ESI):m/e413.6(M+Na)
【0223】
(実施例138)
【0224】
【化59】

5−メチル−1−{6−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【0225】
アンモニウム−メタノール溶液(7.0M、3mL)中の実施例137の工程2からのエステル(0.025g、0.064mmol)の溶液(密封管内に収容)を70℃で2日間攪拌した。冷却後、この反応物を濃縮し、表題の化合物を黄色粉末として得た(0.02g)。
【0226】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.94−7.77(m,3H),7.60(d,J=5Hz,1H),7.46−7.35(m,3H),6.79(s,1H),5.64(bs,1H),5.40(bs,1H),2.35(s,3H)。
MS(ESI):m/e363.1(M+1)
【0227】
(実施例139)
【0228】
【化60】

2−{3−[2’−{トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル}−1H−ピラゾル−1−イル}ピリジン:(A)
2−{5−[2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピリジン:(B)
【0229】
工程1:3−(ジメチルアミノ)−1−[2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]プロプ−2−エン−1−オン:
DMF(1.45ml)中の1−(2’−トリフルオロメチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)エタノン(0.325g、1.3mmol)の溶液に1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(0.18ml、1.43ml)を添加し、この溶液をSmith Creator(商標)マイクロ波反応器(Personal Chemistry,Inc.から市販されている)において165℃で1200秒間加熱した。この混合物を室温に冷却してEtOAcおよび水に分配し、ブラインで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮し、0.395gの粗製生成物を得た(95%)(これはこのようなものとして次工程に用いた)。
【0230】
工程2:2−{3−[2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピリジン:(A)および
2−{5−[2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピリジン:(B)
エタノール(3.5ml)中の工程1からの生成物(0.224g、0.7mmol)の溶液に2−ヒドラジノピリジン(0.076g、0.7mmol)を添加し、この溶液を16時間還流した。反応物を冷却してEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を濾過して濃縮し、この粗製生成物を逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:12分にわたって30%から100%のアセトニトリル)によって精製して生成物A(0.033g、収率29%、保持時間5.28分)およびレギオ異性体生成物B(0.021g、収率18%、保持時間7.25分)を得た。
【0231】
生成物A:HNMR(CDOD)(δ,ppm):8.39(s,1H),7.93(t,1H),7.79(s,1H),7.73(d,1H),7.60(t,1H),7.52(t,1H),7.49(d,1H),7.48−7.39(m,3H),7.34(d,1H),7.28(d,1H),7.09(s,1H),6.67(s,1H)。
MS(ESI):m/e366.5(M+1)
【0232】
生成物B:HNMR(CDOD)(δ,ppm):8.63(s,1H),8.43(d,1H),8.06(d,1H),8.00(d,1H),7.97(t,1H),7.90(s,1H),7.82(d,1H),7.69(t,1H),7.58(t,1H),7.58(t,1H),7.50(t,1H),7.45(d,1H),7.33−7.30(m,2H),6.94(s,1H)。MS(ESI):m/e366.2(M+1)
【0233】
(実施例140)
【0234】
【化61】

1−メチル−3−[2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(1)
1−メチル−5−[2’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(2)
【0235】
工程1:エチル3−(3−ブロモフェニル)−3−オキソプロパノエート:
DMF(9.4ml)中の水素化ナトリウム(0.361g、9mmol)の懸濁液に3−ブロモアセトフェノン(0.99ml、9.53mmol)を0℃で添加し、室温で35分間攪拌した。次に、この反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルオキザレート(1.32ml、9.7mmol)を添加した後、室温で16時間攪拌した。次に、反応物を氷水に注ぎ入れ、1N HClで酸性化した。形成された固体沈殿を濾過して冷水で洗浄し、真空下で乾燥させて表題の生成物(2.1g、93%)を黄色固体として得た。
【0236】
工程2:エチル3−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(3)
エチル5−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート:(4)
エタノール(16.5ml)およびメチルヒドラジン(0.177ml、3.3mmol)中の工程1からのエチル−3−(3−ブロモフェニル)−3−オキソプロパノエート(1g、3.3mmol)の溶液を16時間還流した。この反応物を冷却してEtOAcで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム、水、ブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。この粗製生成物を、20%EtOAを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2種類のレギオ異性体ピラゾールエステル3および4を得た。
【0237】
生成物3:HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.98(s,1H),7.73(d,1H),7.46(d,1H),7.31(s,1H),7.14(s,1H),4.40(q,2H),4.25(s,3H),1.43(t,3H)。MS(ESI):m/e309.2(M+1)
【0238】
生成物4:HNMR(CDCl)(δ,ppm):7.61(s,2H),7.38(m,2H),6.8(s,1H),4.45(q,2H),3.98(s,3H),1.43(t,3H)。MS(ESI):m/e309.2(M+1)
【0239】
工程3:3−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(5):
5−(3−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(6):
メタノール中の工程2からの3(0.090g、0.29mmol)の溶液をアンモニアガスで飽和し、密封管内に収容して室温で48時間攪拌した。次に、この反応物を濃縮し、真空下で乾燥させて0.086gの表題の生成物5(収率95%)を得た。生成物6は4から同様に調製した。
【0240】
工程4:1−メチル−3−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(1)
1−メチル−5−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(2):
カルボキサミド5(0.042g、0.1mmol)を実施例137の工程2において説明されるように2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸と反応させた。得られた粗製生成物を、(3.5:1.5;ヘキサン/EtOAc)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.025g(54 %)の表題の生成物1を得た。
【0241】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.89(s,1H),7.82(d,1H),7.55−7.42(m,6H),7.20(s,1H),4.18(s,3H)。MS(ESI):m/e362.1(M+1)
【0242】
表題の生成物2はカルボキサミド6(工程3)から同様にして得た。
【0243】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.62−7.55(m,5H),7.50−7.44(m,3H),6.84(s,1H),3.96(s,3H)。MS(ESI):m/e362.1(M+1)
【0244】
(実施例141)
【0245】
【化62】

3−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド:
【0246】
工程1:エチル3−オキソ−3−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]プロパノエート:
0℃の、DMF(3mL)中の1−(2’−トリフルオロメトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)エタノン(0.63g、2.3mmol)の溶液を水素化ナトリウムで処理し、室温で10分間攪拌した。次に、ジエチルオキザレート(0.4ml、2.9mmol)を添加し、室温で16時間攪拌を継続した。この反応混合物を氷冷水に注ぎ入れ、1N HClで酸性化し、形成された固体を濾過し、真空中で乾燥させて表題の生成物(0.80g、収率91%)を得た。
【0247】
工程2:エチル3−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート:
工程2からのエステル(0.23g、0.6mmol)、エタノール(2mL)およびヒドラジン水和物(0.026ml、0.9mmol)の混合物を16時間還流した後、室温に冷却し、EtOAcおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。ヘキサン中20%のEtOAcを用いるクロマトグラフィーによる粗製生成物の精製で表題の生成物(0.095g、42%)を固体として得た。
【0248】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.88(s,1H),7.81(d,1H),7.57−7.43(m,6H),7.18(s,1H),4.40(q,2H),1.40(t,3H)。MS(ESI):m/e377.5(M+1)
【0249】
工程3:3−[2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド:
工程2からのピラゾールエステル(47mg、0.1mmol)を、実施例140の工程2において説明されるように、密封管内においてアンモニアガスで処理し、逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:11分にわたって40%から100%アセトニトリル)による精製の後、表題の化合物を収率74%で得た(0.036g、保持時間6.57分)。
【0250】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.84(s,1H),7.77(d,1H),7.57−7.53(m,2H),7.49−7.42(m,3H),7.12(s,1H)。MS(ESI):m/e348.1(M+1)
【0251】
以下のさらなる(表7にまとめられる)実施例は実施例141において説明される方法を用いて調製した。
【0252】
【表19】

【0253】
本発明のさらなる例を表8にまとめる。
【0254】
【表20】


【0255】
(実施例165)
【0256】
【化63】

1−[6−フルオロ−2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【0257】
工程1:
【0258】
【化64】

エチル−1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
【0259】
エタノール(40ml)中の3−クロロ−4−フルオロフェニルヒドラジン(2g、12.4mmol)およびエチル−2,4−ジオキソバレレート(2.36g、14.9mmol)の溶液を16時間還流した後、室温に冷却してEtOAcおよび水に分配した。有機層を飽和重炭酸塩、ブラインで洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮し、ヘキサン中4%のEtOAcを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して生成物(2.45g、71%)を固体として得た。
【0260】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.76(dd,1H),7.56−7.53(m,1H),7.47(t,1H),6.77(s,1H),4.37(q,2H),2.23(s,3H),1.39(t,3H)。MS(ESI):m/e283.1(M+1)
【0261】
工程2:
【0262】
【化65】

1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【0263】
アンモニアガスを、MeOH(1.5ml)中の(工程1からの)エチル1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1.0g、3mmol)の冷却溶液中に5分間泡立てた。生じる混合物を密封管内に収容し、室温で2日間攪拌した。次に、この反応物を真空中で濃縮し、得られた残滓を真空下で濃縮して表題の生成物(0.72g、80%)を固体として得た。
【0264】
HNMR(CDOD)δ,ppm):7.79(dd,1H),7.58−7.54(m,1H),7.45(t,1H),6.71(s,1H),2.39(s,3H)。
MS(ESI):m/e254.2(M+1)
【0265】
工程3:1−[6−フルオロ−2’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
ジオキサン(1ml)中の(工程2からの)カルボキサミド(0.063g、0.2mmol)および2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(0.076g、0.37mmol)の溶液にNiCl(dppf)(0.002g、1mole%)およびリン酸カリウム(0.158g、0.74mmol)を添加し、この混合物を95℃で16時間攪拌した。冷却後、反応物をEtOAcおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム、ブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相の濃縮で得られる粗製生成物を逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:10分にわたって10%から90%アセトニトリル)によって精製し、表題の生成物を得た(0.009g、9.5%)。
【0266】
HNMR(CDOD)(δ,ppm):7.66−7.63(m,1H),7.58−7.39(m,6H),6.71(s,1H),2.37(s,3H)。MS(ESI):m/e380.1(M+1)
【0267】
以下のアミド類似体(表9)は、酢酸アンモニウムを適切なアミンで置き換えて、実施例1の工程2を用いて調製した。
【0268】
【表21】

【0269】
(実施例179)
【0270】
【化66】

【0271】
工程1:ジエチル−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキシレート:
ジクロロメタン(22ml)中のジエチル−3,5−ピラゾールジカルボキシレート(1.0g、4.71mmol)、3−ブロモフェニルボロン酸(1.89g、9.42mmol)および塩化ジ−ミクロン−ヒドロキソ−ビス[(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)](0.21g、0.47mmol)の混合物を大気下で36時間攪拌した。これを短シリカゲルパッドで濾過して濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル;90:10)によって精製して1.45g(85%)の生成物を白色固体として得た。
【0272】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.64(t,J=1.8Hz,1H),7.61−7.60(m,1H),7.51(s,1H),7.40−7.38(m,1H),7.33(t,J=8.0Hz,1H),4.44(q,J=7.1Hz,2H),4.27(q,J=7.1Hz,2H),1.41(t,J=7.1Hz,3H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
MS(ESI):m/e367.2(M+I)
【0273】
工程2:1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキサミド:
エタノール(5.9ml)中のジエチル−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキシレート(0.71g、1.96mmol)の溶液に、0℃で5分間、これを通してアンモニアガスを泡立てた。次に、この溶液を室温で16時間攪拌した。反応物を濃縮し、逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:15分にわたって25%から90%アセトニトリル)によって精製して表題のジアミド(140mg、収率23%、保持時間4.05分)を白色固体として得た。
【0274】
H NMR(CDOD)(δ,ppm):7.57(t,J=1.8Hz,1H),7.65−7.63(m,1H),7.52−7.50(m,1H),7.42(t,J=8.1Hz,1H),7.31(s,1H)。
MS(ESI):m/e309(M+1)
【0275】
以下の2種類のさらなる生成物もこの反応から得られた。
エチル−5−アミノカルボニル)−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(160mg、収率24%、保持時間6.71分)。
【0276】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.73−7.72(m,1H),7.62−7.60(m,1H),7.47−7.45(m,1H),7.35(t,J=8.0Hz,1H),7.31(s,1H),5.95(br s,1H),5.78(br s,1H),4.48(q,J=7.1Hz,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
MS(ESI):m/e338.1(M+1)
【0277】
およびエチル−3−アミノカルボニル)−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(130mg、収率19%、保持時間7.35分)。
【0278】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.63−7.62(m,2H),7.54(s,1H),7.40−7.34(m,2H),6.78(br s,1H),5.53(br s,1H),4.27(q,J=7.1Hz,2H),1.28(t,J=7.1Hz,3H)。
MS(ESI):m/e338.1(M+1)
【0279】
工程3:1−[2’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3イル−1]−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキサミド:
エタノール/トルエン(0.23ml:0.70ml)混合液中の1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボキサミド(90mg、0.28mmol)および2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(116mg、0.56mmol)の溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6.5mg、0.005mmol)および2N炭酸ナトリウム(0.28ml、0.56mmol)を添加した。この反応混合物を90℃で16時間加熱し、冷却して酢酸エチルおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.5:4.5 ヘキサン/酢酸エチル)によって精製し、生成物(65mg、59%)を白色固体として得た。
【0280】
H NMR(CDOD)(δ,ppm):7.61(s,1H),7.59−7.55(m,4H),7.51−7.42(m,3H),7.29(s,1H)。
MS(ESI):m/e391.4(M+1)
【0281】
(実施例180)
【0282】
【化67】

エチル−3−(アミノカルボニル)−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート:
【0283】
エタノール(0.61ml)中のエチル−3−アミノカルボニル)−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(62mg、0.18mmol)の溶液に2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(75mg、0.36mmol)、次いでPdCl(dppf)(2.4mg、0.003mmol)を添加した。この溶液をSmith Creator(商標)マイクロ波反応器(Personal Chemistry,Inc.から市販されている)内において150℃で1000秒間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcおよび水に分配した。有機相を飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:15分にわたって25%から90%アセトニトリル)による粗製生成物の精製で55mg(収率72%、保持時間8.9分)の生成物を白色固体として得た。
【0284】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.65−7.63(m,1H),7.60−7.57(m,3H),7.52−7.39(m,5H),6.84(br s,1H),5.51(br s,1H),4.28(q,J=7.1Hz,2H),1.27(t,J=7.1Hz,3H)。
MS(ESI):m/e420.1(M+1)
【0285】
(実施例181)
【0286】
【化68】

エチル−5−(アミノカルボニル)−1−[2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3イル]−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート:
【0287】
エタノール(0.61ml)中のエチル−5−アミノカルボニル)−1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(62mg、0.18mmol)の溶液に2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(75mg、0.36mmol)、次いでPdCl(dppf)(2.4mg、0.003mol)を添加した。この溶液をSmith Creator(商標)マイクロ波反応器(Personal Chemistry,Inc.から市販されている)内において150℃で1000秒間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcおよび水に分配した。有機層を飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮した。逆相HPLC(アセトニトリル/水系)(勾配:15分にわたって25%から90%アセトニトリル)による粗製生成物の精製で45mg(収率59%、保持時間8.6分)の生成物を白色固体として得た。
【0288】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.61−7.51(m,4H),7.46−7.39(m,5H),6.14(br s,1H),5.88(br s,1H),4.44(q,J=7.1Hz,2H),1.41(t,J=7.1Hz,3H)。
MS(ESI):m/e420.1(M+1)
【0289】
以下のさらなる(表10にまとめられる)実施例は実施例179−181において説明される方法を用いて調製した。
【0290】
【表22】



【0291】
(実施例245)
【0292】
【化69】

【0293】
工程1:
【0294】
【化70】

【0295】
無水メタノール(5ml)中の5−ニトロ−3−ピラゾールカルボン酸(500mg、3.2mmol)の0℃溶液に塩化チオニル(417ml、3.5mmol)を滴下により添加した。この反応物を0℃で30分間攪拌し、1時間還流した。この反応溶液を真空中で濃縮し、塩酸メチルエステルを白色固体として得た、570mg、MS(ESI):m/e172.03(M+1)。上記メチルエステルを窒素の下でメタノールに溶解し、20分間のエイジングの後、10%Pd付着炭素を慎重に添加し、この混合物を水素雰囲気下で6時間攪拌した。Pd触媒をCeliteパッドを通して濾別した。生じる溶液を濃縮し、オフホワイトの固体を得た、419.5mg、2工程にわたり収率93%。
【0296】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):6.02(s,1H),6.20−5.70(bs,2H),3.87(s,3H),3.47(s,1H)。
MS(ESI):m/e109.95(M−OMe)
【0297】
工程2:
【0298】
【化71】

【0299】
乾燥ジクロロメタン(3ml)中の(工程1からの)5−アミノ−3−ピラゾールメチルエステル(400mg、2.84mmol)の溶液に3−ブロモフェニルボロン酸(800mg、4.0mmol)および塩化ジ−ミクロン−ヒドロキソ−ビス[(N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン)銅(II)](264mg、0.57mmol)を添加した。この反応混合物を大気下で24時間還流した後、Celiteパッドを通して濾過した。濾過ケークをジクロロメタン(3×)で洗浄し、合わせた有機層を真空中で濃縮した。粗製生成物(レギオ異性体の混合物)をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の生成物を黄色固体として得た(140mg、収率17%)。
【0300】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.62(s,1H),7.54(d,1H,J=8Hz),7.42(bs,1H),7.36(d,1H,J=7Hz),7.31(m,2H),6.44(bs,1H),3.84(s,3H)。
MS(ESI):m/e298.06(M+1)
【0301】
工程3:
【0302】
【化72】

【0303】
(工程2からの)3−ブロモフェニルピラゾールメチルエステル(300mg、1mmol)を密封管内でアンモニア−メタノール(7.0N、4ml)と混合し、70℃で一晩加熱した。冷却後、この反応混合物を濃縮し、対応するアミド生成物を黄色の泡として得た、220mg(73%)。トルエン(4ml)およびメタノール(1ml)中の2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(134mg、0.65mmol)および上記3−ブロモフェニルピラゾールアミド(130mg、0.46mmol)の溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(106mg、0.13mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(2.0M、0.5ml、1.3mmol)を添加した。この反応混合物を90℃で14時間攪拌した。室温に冷却した後、Celiteパッドを通して混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した(3×)。合わせた濾液を真空中で濃縮し、生じる残滓を酢酸エチルに溶解した。有機相を飽和炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、この粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を黄色固体として得た(125mg、収率75%)。
【0304】
H NMR(CDCl)(δ,ppm):7.80−7.70(m,3H),7.59−7.44(m,6H),6.79(bs,1H),5.40(bs,1H)。
MS(ESI):m/e363.16(M+1)
【0305】
以下のさらなる(表11および12にまとめられる)実施例は実施例141において説明される方法を用いて調製した。
【0306】
【表23】


【0307】
【表24】


【0308】
当業者に明らかである他の変形および変更は本発明の範囲および教示内にある。本発明は、以下の請求の範囲に記載されるようなものを除いて、限定されるべきものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)によって表される化合物:
【化1】

(式中、
HETは下記複素環のうちの1つであり:
【化2】


(a)H;
(b)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、もしくはC−C−アルキル−[C−C−シクロアルキル](これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−シクロアルキル、−S−C−C−アルキルもしくは−S−C−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、もしくは−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(e)−OH;
(f)−O−アリール、もしくは−O−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イゾキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1―10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アリール炭素のうちの1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(g)−OCON(R)(R)、又は−OSON(R(R);
(h)−SH、又は−SCON(R)(R);
(i)NO
(j)NR、−N(COR)R、−N(SO)R、−N(R)SON(R、−N(OR)CONR、−N(R)SO又は−N(R)CON(R
(k)−CH(OR)R、−C(OR)CF、−CH(NHR)R、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、COOR、CN、CONR、−COCONR、−SONR、−CHO−SONR、SON(R)OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CHCONR
(l)−CONR(CH0−2C(R)(R)(CH0−2CONR
(m)テトラゾリル、テトラゾリノニリル、トリアゾリル、トリアゾリノニル、イミダゾリル、イミドゾロニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピラゾロニル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、もしくはフェニル(これらのいずれもが、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)R、v)C−C−アルキル、vi)−O−R、vii)−NR、viii)−C−C−アルキル−CO−OR、ix)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、x)−(C−C−アルキル)−CO−NR、xi)−S(O)0−2、xii)−SONR、xiii)−NHSO、xiv)−C−C−ペルフルオロアルキル、およびxv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換される);
(n)−C(R)=C(R)−COOR、又は−C(R)=C(R)−CONR
(o)
【化3】

(p)ピペリジン−1−イル、モルホリン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペラジン−1−イルもしくは4−置換ピペラジン−1−イル(これらのいずれもが、i)−CN、ii)−C(=O)(R)、iii)C−C−アルキル、iv)−OR、v)−NR、vi)−C−C−アルキル−CO−OR、vii)−(C−C−アルキル)−NH−CO−OR、viii)−(C−C−アルキル)−CON(R)(R)、ix)−SR、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO xiii)−C−C−ペルフルオロアルキルおよびxiv)−O−C−C−ペルフルオロアルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換される)
であり;

(a)H;
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、−OCONHC−Cアルキル−アリール)、−OCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NH、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、NHCONH(C−Cアルキル−アリール)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル−アリール)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−Cアルキル)、CON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、SONH、SONH(C−Cアルキル)、SONH(C−Cアルキル−アリール)、SON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHSONH、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、C−C−アルキル;
(c)C−C−アルキル−(C−C)−ペルフルオロアルキル;または
(d)−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(C−C−アルキル)、v)−O(C1−C−アルキル)、vi)−N(C−C−アルキル)(C−C−アルキル)、vii)−C1−10アルキル、およびviii)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素のうちの1個またはそれ以上が−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい)
であり;

(a)H;または
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、−OCONH、−OCONH(C−Cアルキル)、NH、NH(C−Cアルキル、N(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、NHCONH、NHCONH(C−Cアルキル)、−NHCON(C−Cアルキル)(C−Cアルキル)、COO−(C−C−アルキル)、COOH、CN、又はCONHのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、C−C−アルキル、
であり;
は:
(a)H;
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、−C−C−アルキル、−C−C−シクロアルキルもしくは−C−C−アルキル−(C−C)−シクロアルキル;
(c)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(d)アリールもしくは−(C−C−アルキル)−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素のうちの1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(e)−C(=O)(R)、−CONR、COO−(C−C)アルキル、−SO、N(R)COR、−SON(R)(R
であり;
は、
(a)H;
(b)下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、S(O)0−2−(C−C)アルキル、O−CONR、NR、N(R)CONR、COO−(C−C)アルキル、COOH、CN、CONR、SONR、N(R)SONR、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される、−C−C−アルキル、−C−C−シクロアルキルもしくは−C−C−アルキル−(C−C)−シクロアルキル;
(c)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(d)アリールもしくは−(C−C−アルキル)−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素のうちの1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(e)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、−O−アリール又は−O(C−C−アルキル)−アリール;
(f)−C(=O)(R)、−SO、−SON(R)(R)、CN、NR、NO、F、Cl、Br、I、OH、OCONR、O(C−C−アルキル)CONR、−OSONR、COOR、N(R)COR、又はCONR
であり;
およびRは、各々独立して:
(a)H;
(b)−C−C−アルキル、−C−C−アルケニル、−C−C−アルキニルもしくは−C−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、−O−(C−C)アルキル、CN、−N(R)(R)、−N(R)CO−(C−C)アルキル、COOR、CON(R)(R)又はフェニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−アリール、もしくは−O−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4)アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、もしくは−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;または
(e)CN、NH、NO、F、Cl、Br、I、OH、OCON(R)(R)O(C−C−アルキル)CONR、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)、又はアリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡Cと入れ替わってもよい)
であり;並びに
、RおよびRは、各々独立して:
(a)H;
(b)C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルもしくはC−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、OCON(R)(R)、NR、COOR、CN、CONR、N(R)CONR、N(R)SONR、SONR、S(O)0−2(C−C−アルキル)、−C(=NH)NH、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、もしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(c)−O−C−C−アルキル、−O−C−C−シクロアルキル、−S−C−C−アルキルもしくは−S−C−C−シクロアルキル(これらのいずれもが下記置換基:F、CF、OH、O−(C−C)アルキル、NH、NH(C−C−アルキル)、N(C−C−アルキル)、COOH、CN、CONH、CONH(C−C−アルキル)、CONH(C−C−アルキル)、SONH、SONH(C−C−アルキル)、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、フェニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、もしくはピペラジニルのうちの1またはそれ以上で場合により置換される);
(d)−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル、もしくは−O−C−C−アルキル−C−C−ペルフルオロアルキル;
(e)−O−アリール、もしくは−O−C−C−アルキル−アリール(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡Cと入れ替わってもよい)
(f)CN、N(R)(R)、NO、F、Cl、Br、I、−OR、−SR、−OCON(R)(R)、−OSON(R)(R)、COOR、CON(R)(R)、−N(R)CON(R)(R)、−N(R)SON(R)(R)、−C(OR)R、−C(OR)CF、−C(NHR)CF、−C(=O)R、C(=O)CF、−SOCH、−SOCH、−NHSO(C1−6−アルキル)、−NHSO−アリール、SON(R)(R)、CHOSON(R)(R)、SON(R)−OR、−C(=NH)NH、−CR=N−OR、CH=CH又はアリール、(ここで、アリールはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、もしくはオキサジアゾリルであり、これらのいずれのアリールも、i)F、Cl、Br、I、ii)−CN、iii)−NO、iv)−C(=O)(R)、v)−OR、vi)−NR、vii)−C0−4アルキル−CO−OR、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−OR、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(R)(R)、x)−S(O)0−2、xi)−SON(R)(R)、xii)−NRSO、xiii)−C1−10アルキル、およびxiv)−C1−10アルキルから選択される1−3の置換基で場合により置換され、ここで、アルキル炭素の1個またはそれ以上が−NR−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−C(O)−N(R)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C=C−、又は−C≡Cと入れ替わってもよい)
であり;
または、RおよびRが隣接炭素原子上に存在するとき、RおよびRは、これらが結合する環と共に、ナフチル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、およびベンズイミダゾリルから選択される二環式芳香族環を形成することができ、これらのいずれの芳香族環も、i)ハロゲン、ii)−CN、iii)−NO、iv)−CHO、v)−O−C1−4アルキル、vi)−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、vii)−C0−4アルキル−CO−O(C0−4アルキル)、viii)−(C0−4アルキル)−NH−CO−O(C0−4アルキル)、ix)−(C0−4アルキル)−CO−N(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、x)−S(C0−4アルキル)、xi)−S(O)(C1−4アルキル)、xii)−SO(C0−4アルキル)、xiii)−SON(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xiv)−NHSO(C0−4アルキル)(C0−4アルキル)、xv)−C1−10アルキルおよびxvi)−C1−10アルキルから選択される1−4の独立の置換基で場合により置換され、ここで、炭素の1個またはそれ以上が−N(C0−6アルキル)−、−O−、−S(O)1−2−、−O−C(O)−、−C(O)−O−、−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−、−N(C0−6アルキル)−C(O)−N(C0−6アルキル)−、−C(O)−、−CH(OH)、−C=C−、又は−C≡C−と入れ替わってもよい)
またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項2】
式(I)によって表される請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項3】
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
請求項2による化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項4】
式(II)によって表される請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項5】
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
請求項4に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項6】
式(III)によって表される請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項7】
HETが
【化4】

である、請求項6に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項8】
HETが
【化5】

である、請求項6に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項9】
HETが
【化6】

である、請求項6に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項10】
HETが
【化7】

である、請求項6に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項11】
HETが
【化8】

である、請求項6に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項12】
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
請求項6に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項13】
式(IV)によって表される請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項14】
HETが
【化9】

である、請求項13に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項15】
HETが
【化10】

である、請求項13に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項16】
HETが
【化11】

である、請求項13に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項17】
HETが
【化12】

である、請求項13に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項18】
HETが
【化13】

である、請求項13に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項19】
が、H以外であり、およびオルト位で結合している、
請求項13に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩。
【請求項20】
以下によって表される化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表1】

【請求項21】
以下によって表される請求項1に記載の化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表2】




【請求項22】
以下によって表される請求項1の化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表3】


【請求項23】
以下によって表される化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表4】

【請求項24】
以下によって表される化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表5】

【請求項25】
以下によって表される化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表6】

【請求項26】
以下によって表される請求項1の化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表7】

【請求項27】
以下によって表される化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表8】


【請求項28】
以下によって表される請求項1の化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表9】



【請求項29】
以下によって表される請求項1の化合物またはこれらの医薬適合性の塩。
【表10】


【請求項30】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩、および医薬適合性の坦体を含有する医薬組成物。
【請求項31】
i)オピエートアゴニスト、ii)オピエートアンタゴニスト、iii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iv)5HT受容体アゴニスト、v)5HT受容体アンタゴニスト、vi)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、vii)NMDA受容体アゴニスト、viii)NMDA受容体アンタゴニスト、ix)COX−2選択的阻害剤、x)NK1アンタゴニスト、xi)非ステロイド性抗炎症剤、xii)選択的セロトニン再取込阻害剤、xiii)選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込阻害剤、xiv)三環式抗うつ剤、xv)ノルエピネフリン修飾因子、xvi)リチウム、xvii)バルプロエート、並びにxviii)ニューロンチンからなる群より選択される第2の治療薬をさらに含有する、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項32】
疼痛の治療または予防方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項33】
慢性、内臓、炎症性および神経障害性疼痛症候群の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項34】
外傷性神経損傷、神経圧迫もしくは障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、癌および化学療法から生じるか、またはこれらに関連する疼痛の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項35】
慢性下背部疼痛の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項36】
幻肢痛の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項37】
HIVおよびHIV治療誘導神経障害、慢性骨盤痛、神経腫疼痛、複合局所痛症候群、慢性関節痛および関連神経痛の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項38】
局所麻酔剤の投与方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項39】
過敏性腸症候群およびクローン病の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項40】
てんかん並びに部分的および全身性強直性痙攣の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項41】
脳卒中または神経外傷によって生じる虚血状態下での神経保護のための方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項42】
多発性硬化症の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項43】
双極性障害の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。
【請求項44】
頻脈性不整脈の治療方法であって、これらを必要とする患者に治療上有効な量、または予防上有効な量の、請求項1に記載の化合物、またはこれらの医薬適合性の塩を投与する工程を含む前記方法。

【公表番号】特表2006−522130(P2006−522130A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509477(P2006−509477)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/009713
【国際公開番号】WO2004/092140
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】