説明

ナノカーボン用分散剤およびナノカーボン分散液

【課題】耐熱性に優れ、長期間にわたって分散性を維持した分散液を調整可能なカーボンナノチューブ分散剤および当該分散剤を含む分散液の提供。
【解決手段】−(−Z(YXAr)−)n−で表される化合物の少なくとも一種を含有するナノカーボン分散剤。式中、Arは、アントラセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素基であり、Xは、炭素数1〜21の炭化水素基、又は直接結合を示し、Yは、O、NH、COO、CONH、又は直接結合を示し、Zはセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子の重合体、又は置換されていてもよいこれらの分子を示す。nは1以上の整数であるが、環状ホスト分子をシクロデキストリンとした場合には2以上の整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水等の分散媒に安定に分散したナノカーボン分散液のための分散剤及びナノカーボン分散液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノカーボンは、導電性、熱伝導性、機械的強度等の優れた特性を持つことから、多くの分野から注目を集めている新素材である。かかるナノカーボンに関し、単独での利用のみならず、これを他の材料に分散させた複合材料として利用することについても種々の検討が行われている。例えば、導電性塗料や放熱性塗料といった機能性塗料にも使用できる。また、導電性樹脂や放熱性樹脂などに用いれば、高強度かつ付加機能(導電性、放熱性)を持ち合わせた材料が考えられる。さらに電子デバイス、複合材料、センサー等にもこれらの性質を応用して使用され得る。
【0003】
一般にナノカーボンは、凝集を生じやすい性質を備えているため、多数のナノカーボンが凝集した状態で製造・販売されている。かかる凝集状態にあるナノカーボンは一時的に分散媒中に分散をさせてもすぐに再凝集する性質があるので、分散媒への安定的な分散が困難である。この分散の安定性をより簡単な方法で向上させることができれば、ナノカーボンを利用して上記のような複合材料を開発または製造する上で有効である。
そこで、特許文献1にはナノカーボンの分散方法として、所定の液体とあらかじめ凍結乾燥処理を施したカーボンナノチューブ(以下「CNT」という。)との混合液を分散剤および硬球と共に容器に入れ、該容器を振動させる方法が記載され、特許文献2には、CNTを水性溶媒に分散させるための方法として、界面活性剤として特定のものを選択してなる方法であって、その分散時には超音波処理やビーズミル等が例示されているに過ぎない方法が記載され、特許文献3にはCNTに界面活性剤と水を加えて、超音波処理することにより分散液を得る方法が記載され、特許文献4には、CNTを水性溶媒と両親媒性を有するトリフェニレン誘導体を含む分散媒とを混合し、これに超音波処理を行ってCNTを水性溶媒に分散させることが記載されているように、CNTを分散媒に分散させるための各種の方法が知られている。
【0004】
また、特許文献5には、シクロデキストリン等を分散剤としてCNTの水性分散液を得ることが記載されており、特許文献6にはフラーレンをシクロデキストリンが包接することにより分散媒に分散させることが記載されており、特許文献7には、シクロデキストリンを可溶化剤として水溶液を得ることが記載されている。
さらに非特許文献1には、クラウンエーテル部とピレン部を有する分子からなり、クラウンエーテル部をドナーとしピレン部をアクセプターとする化学センサーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−213108号公報
【特許文献2】特開2010− 13312号公報
【特許文献3】特開2008− 19309号公報
【特許文献4】特開2009−190940号公報
【特許文献5】特開2008− 37742号公報
【特許文献6】特開2007−182363号公報
【特許文献7】特開2005−213108号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】S.Nishizawa,M.Watanabe,T.Uchida,N.Teramae, J.Chem.Soc.Perkin Trans.2,1999,141-143
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、ナノカーボン分散液はナノカーボン自体の高い熱伝導性を反映して該分散液自体の熱伝導性が明らかに高いという性質を示す。このような性質は発熱体からの放熱を図る必要がある用途の熱媒体としても使用することが可能であるし、固体や液体を問わず他の媒体へのナノカーボンの分散性を向上させることもできる。
ナノカーボン分散液を製造する方法については様々な方法が知られているものの、これらの方法は高温での分散安定性を向上させることを目的としたものではなく、実際に得られた分散液は高温での長期の安定性が不足するものであった。このような安定性のレベルでは、高温下においてナノカーボンが凝集し分散性が著しく低下するために、高温下での実用に供することができなかった。
そこで、本発明は高温において長期間安定なナノカーボン分散液を得る方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決のために本発明者は以下の方法を発明した。
1.下記式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有するナノカーボン分散剤。

式中、Arは、アントラセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素基であり、Xは、炭素数1〜21の炭化水素基、又は直接結合を示し、Yは、O、NH、COO、CONH、又は直接結合を示し、Zはセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子、又は置換されていてもよいこれらの分子を示す。nは1以上の整数であるが、環状ホスト分子をシクロデキストリンとした場合には2以上の整数である。
2.前記Arが、ピレン基である、1記載のナノカーボン分散剤。
3.前記Xが、主鎖の炭素数が3のアルキル基である、1又は2記載のナノカーボン分散剤。
4.前記Yが、CONHである、請求項1〜3のいずれかに記載のナノカーボン分散剤。
5.前記Zが、シクロデキストリンである、1〜4のいずれかに記載のナノカーボン分散剤。
6.シクロデキストリンが互いに架橋してなる1〜5のいずれかに記載のナノカーボン分散剤。
7.1〜5のいずれかに記載のナノカーボン分散剤に、エピクロロヒドリンを作用させて得られる.架橋型ナノカーボン分散剤。
8.1〜7のいずれかに記載のナノカーボン分散剤により分散されたナノカーボン分散液。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分散媒中のナノカーボンを高温下において長期にわたり安定的に分散させることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】超音波を利用した分散装置模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のナノカーボン用分散剤及びその分散剤により得られたナノカーボン分散液は、分散剤として下記式(1)で表される化合物を採用する。

式中、Arは、アントラセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素基であり、Xは、炭素数1〜21の炭化水素基、又は直接結合を示し、Yは、O、NH、COO、CONH、又は直接結合を示し、Zはセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子を示す。nは1以上の整数であるが、環状ホスト分子をシクロデキストリンとした場合には2以上の整数である。
【0012】
以下、具体的に本発明について述べる。
(ナノカーボン粒子)
本発明の分散剤により分散媒に分散されるナノカーボン粒子としては、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、グラフェン及びこれらの誘導体等からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
カーボンナノ粒子はフラーレンからなる粒子や、フラーレンがグラファイト層により被覆されたフラーレンナノオニオンである。
カーボンナノチューブは内部に金属等の原子を有するものでも良く、カップ状のカーボンが積層されたカップスタック型、カーボンナノチューブ内に炭素鎖が存在するカーボンナノワイヤ等でも良い。また、単層からなるものでも良く、2層以上の層からなるものでも良い。
カーボンナノホーンは一端部から他端部に向けてその径が連続的に大きくなる形状を有する形状であり、カーボンナノコイルは繊維状のカーボンがコイル形状を示している。
【0013】
本発明におけるナノカーボン粒子は公知の方法により製造された粒子であり、特にその製造方法が限定されるものではない。例えば、アーク放電法、レーザーアブレーション法、又はCVD法により合成されたカーボンナノチューブ、気相成長法により合成されたカーボンナノファイバー、並びにプラズマ法、アーク放電法などで合成されたフラーレンなどは、いずれも本発明のカーボンナノ粒子として使用される。
そして、本発明におけるナノカーボン粒子は、1nm〜10μm、好ましくは10〜500nmの径及び0.5μm〜1mm、好ましくは5〜500μmの長さの繊維状、又は0.5〜10nm、好ましくは2〜5nmの径の粒子状を呈している。
ナノカーボン粒子としては処理されないものでも良く、何らかの処理がされたものでもよいが、処理されたものであっても、その処理方法は本発明の分散剤による分散性向上効果を阻害しない処理方法であることが必要である。中でも未処理のナノカーボンを好ましく使用できる。
【0014】
(分散剤)
本発明は分散剤として、多環式芳香族炭化水素基を有するセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子誘導体及び/又はその重合体を使用する。
具体的には、下記式(1)にて示す化合物である。

式中、Arは、アントラセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素基であり、Xは、炭素数1〜21の炭化水素基、又は直接結合を示し、Yは、O、NH、COO、CONH、又は直接結合を示し、Zはセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子を示す。nは1以上の整数であるが、環状ホスト分子をシクロデキストリンとした場合には2以上の整数である。つまりZがシクロデキストリンである場合には多量体であるが、シクロデキストリン以外である場合には単量体又は多量体である。
【0015】
上記Xは、炭素数1〜21の炭化水素基、又は直接結合を示す。
好ましくは、炭素数が10まで、更に好ましくは炭素数が6までの炭化水素基である。炭素数が22以上であると、分散剤自体の疎水性が高くなりすぎ、水性媒体への分散性向上効果が低下する。
炭素数1〜21の炭化水素基としては特に限定されないが、1又は2以上の水素原子を他のアルキル、アリール基で置換してもよい脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、その合計炭素数が1〜21である。
より具体的には、二重/三重結合を含んでもよい直鎖状または分岐状または環状の炭化水素基(アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基等)が挙げられる。
直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基、ヘンエイコシレン基が挙げられる。直鎖状アルケニレン基としては、ミリストレイレン基、パルミトレイレン基、オレイレン基、リノレイレン基、リノレニレン基、アラキドニレン基、オクタデシジエニレン基が挙げられる。シクロアルキレン基としては、シクロペンチルメチレン基、シクロペンチルエチレン基、シクロペンチルプロピレン基、シクロペンチルブチレン基、シクロペンチルペンチレン基、シクロペンチルヘキシレン基、シクロペンチルヘプチレン基、シクロペンチルオクチレン基、シクロペンチルノニレン基、シクロペンチルデシレン基、シクロペンチルウンデシレン基、シクロペンチルドデシレン基、シクロペンチルトリデシレン基、シクロペンチルテトラデシレン基、シクロペンチルペンタデシレン基、シクロペンチルヘキサデシレン基、シクロヘキシルメチレン基、シクロヘキシルエチレン基、シクロヘキシルプロピレン基、シクロヘキシルブチレン基、シクロヘキシルペンチレン基、シクロヘキシルヘキシレン基、シクロヘキシルヘプチレン基、シクロヘキシルオクチレン基、シクロヘキシルノニレン基、シクロヘキシルデシレン基、シクロヘキシルウンデシレン基、シクロヘキシルドデシレン基、シクロヘキシルトリデシレン基、シクロヘキシルテトラデシレン基、シクロヘキシルペンタデシレン基が挙げられる。その他、アリール基としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルペンチレン基、フェニルヘキシレン基、フェニルヘプチレン基、フェニルオクチレン基、フェニルノニレン基、フェニルデシレン基、フェニルウンデシレン基、フェニルドデシレン基、フェニルトリデシレン基、フェニルテトラデシレン基、フェニルペンタデシレン基、ナフチルメチレン基、ナフチルエチレン基、ナフチルプロピレン基、ナフチルブチレン基、ナフチルペンチレン基、ナフチルヘキシレン基、ナフチルヘプチレン基、ナフチルオクチレン基、ナフチルノニレン基、ナフチルデシレン基、ナフチルウンデシレン基が挙げられる。
【0016】
本発明におけるZ基としては、上記Yで示される基と結合できる部分を有するセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子、又は任意の基により置換されたこれらの分子であればよい。水酸基又はその他の官能基を有するこれらの分子が、Ar‐X基を有する分子と結合してYで示される基を形成するものであっても良い。
(多環式芳香族炭化水素)
本発明における多環式芳香族炭化水素基としては、縮合環を含む2環以上のものであれば使用することができる。そして例えば、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ベンゾピレン、ピレン、ナフタセン、トリフェニレン等の基を使用することが可能である。
【0017】
(多糖類)
多糖類としては、セルロース、デンプン、ペクチン、キチン、デキストリン等を採用することができ、中でもセルロースやデキストリンが好ましい。
【0018】
(生体高分子)
生体高分子としては、生体を構成する蛋白質、DNA、RNA、多糖類等を使用することができる。また、生体高分子と類似する構造を有するポリペプチド等も使用することが可能である。
【0019】
(環状ホスト分子)
環状ホスト分子としては、以下に示すような各種のシクロデキストリン、クラウンエーテル、クリプタンド、シクロファン等を採用することができる。
これらの環状ホスト分子は式1におけるnの値が1以上であるから、単量体であっても良く2量体以上の重合体であっても良いが、シクロデキストリンは式1におけるnの値が2以上であり、2量体以上の多量体からなる重合体を採用する。
前記シクロデキストリンは環状オリゴ糖であり、グルコースがα−1,4結合により環状に結合してなる化合物である。結合するグルコースの数により、α−、β−、γ−がある。
これらのホスト分子は、求めるナノカーボンの分散性や分散媒の種類に応じて選択することができるが、好ましくはβ−シクロデキストリンである。

【0020】
クラウンエーテル
12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等のクラウンエーテルを使用することができる。

【0021】
クリプタンドとしては、クリプタンド[2,2,2]等を使用することができる。

【0022】
シクロファンとしては、下記のシクロファン等を使用することができる。

シクロファン チアシクロファン アザシクロファン
【0023】
(分散剤の製造方法)
本発明における上記式(1)で示される分散剤について、シクロデキストリンの場合を例に挙げて、以下の方法により合成されることを説明する。
上記式(1)においてYがOである場合の本発明の分散剤は、例えば下記のようにシクロデキストリンエーテル化剤によるエーテル化により合成される。
シクロデキストリンのエーテル化剤としては、有利には末端に多環式芳香族炭化水素基を有する分岐状または非分岐状のC4〜C12−アルキルエポキシド、例えばω位に多環式芳香族炭化水素基を有する1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−デセンオキシド、環状C6〜C10−エポキシド、例えばシクロヘキセンオキシドまたはシクロオクテンオキシドまたは分岐状または非分岐状のC4〜C12−アルキル−グリシジルエーテル、例えばn−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、n−オクチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、またはC6〜C15−アリールまたはアラルキルグリシジルエーテル、例えばフェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、または上記の物質の混合物が使用される。
【0024】
中でも、ω位に多環式芳香族炭化水素基を有する1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−デセンオキシド、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、n−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、n−オクチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルまたはクレシルグリシジルエーテルを用いるとさらに有利である。
【0025】
上記式(1)においてYがNHである場合の本発明の分散剤は、例えば下記のように合成される。
シクロデキストリンにニトロベンゼンスルホニルクロリドを反応させてノシル化シクロデキストリンを合成し、これにハロゲン原子を有する多環式芳香族炭化水素、あるいはハロゲン原子を有する炭化水素基により置換された多環式芳香族炭化水素を反応させて、多環式芳香族炭化水素又は多環式芳香族炭化水素基により置換された炭化水素と、シクロデキストリンがアミノ基により結合されてなる分散剤が合成される。
【0026】
上記式(1)においてYがCOOである場合の本発明の分散剤は、下記のようにトシル化シクロデキストリンを経て合成される。
シクロデキストリンにp−トルエンスルホニルクロリドを反応させてトシル化シクロデキストリンを合成し、これにカルボキシ基を有する多環式芳香族炭化水素、あるいはカルボキシ基を有する炭化水素基により置換された多環式芳香族炭化水素を反応させて、多環式芳香族炭化水素又は多環式芳香族炭化水素基により置換された炭化水素と、シクロデキストリンがエステル基により結合されてなる分散剤が合成される。
【0027】
上記式(1)においてYがCONHである場合の本発明の分散剤は、下記のようにアミノ化シクロデキストリンを経て合成される。
アミノ化シクロデキストリン合成方法1
モノ-6-トシル-β-シクロデキストリンとアジ化ナトリウムを反応させ、モノ-6-アジド-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを合成し、これをトリフェニルホスフィンと共にDMFに溶解し、アンモニア水を加え、モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを合成する。
【0028】
アミノ化シクロデキストリン合成方法2
D(+)-グルコピラノース単位を6〜16からなるシクロデキストリンの水酸基のうち少なくとも一つの水酸基が、スルホン酸エステル化されてなる公知方法で製造されたシクロデキストリン誘導体を、公知方法によりアミノ化合物と反応させることにより、スルホン酸エステル基をアミノ基に置換してアミノ化シクロデキストリンを合成する方法も採用できる。
いずれの方法によっても、合成した化合物はイオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーで精製することが好ましい。
これらの方法により得たモノ-6-アミノ-6-デオキシ-β-シクロデキストリンやアミノ化シクロデキストリンとピレン酪酸とを、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)によるカップリング反応で縮合し、上記式(1)においてYがCONHである場合の本発明の分散剤を得る。
【0029】
(環状ホスト化合物重合体の合成方法)
ここでは、環状ホスト化合物としてシクロデキストリン及びクラウンエーテルを例に示して、シクロデキストリン及びクラウンエーテルの重合体の合成方法を述べる。
シクロデキストリン重合体はエピクロロヒドリンを架橋剤として反応させて得られるが、他にジエポキシ化合物、ジイソシアネート、アクリルアミド誘導体等を架橋剤として使用できる。ただし、操作の容易さおよび得られたシクロデキストリン重合体の熱、アルカリ等に対する安定性を考慮するとエピクロロヒドリンが特に好ましい。
【0030】
反応に用いるエピクロロヒドリンはシクロデキストリン1モルに対して1〜400モルの範囲にて使用することができる。エピクロロヒドリンの使用量によって得られるシクロデキストリンの分子量を制御することも可能であり、使用量が多い程得られるシクロデキストリン重合体の分子量は大きくなる。
本発明におけるシクロデキストリン重合体はシクロデキストリン単位を2つ以上有する化合物である。本発明においては分散安定性を考慮して重合体中のシクロデキストリン単位の数は2〜5である。この範囲であれば、加熱下における分散安定性に優れるナノカーボン分散剤を得ることが可能となる。
【0031】
シクロデキストリンとエピクロロヒドリンの反応は、例えば、NaOH水溶液にシクロデキストリンを溶解し、ここにエピクロロヒドリンを添加し、室温で3時間攪拌した後、室温にて中和処理を行い、再沈殿を行って未反応物質を除去することにより、求めるシクロデキストリン重合体を得ることができる。
クラウンエーテル重合体は、クラウンエーテルとジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とを、チオールの存在下でチオール・ジスルフィド交換反応によってロタキサン構造による結合で架橋する方法等により得ることができる。この場合においてもクラウンエーテルとジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩の使用量の比によって、得られる重合体の分子量を調整することができる。
【0032】
(分散媒)
本発明にて使用できる分散媒としては、ナノカーボンと反応せずに、分散剤と共に安定した溶媒である。
具体的には、水、水溶性有機溶媒のいずれか一種、若しくは二種以上からなる混合溶媒でも良い。
該水溶性有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコールなど)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン類(スルホランなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどを使用することができる。
【0033】
分散媒に含有される分散剤の濃度は、含有される分散質であるナノカーボンの量によっても異なるが、ナノカーボンが溶媒に充分になじむ程度の濃度であることが必要である。このような分散剤の濃度としては、0.1〜5.0wt%、好ましくは0.3〜3.0wt%、より好ましくは0.5〜2.0wt%である。このような範囲であれば、分散媒中においてナノカーボンを充分に分散することが可能となり、分散できない状態となることはない。
【0034】
(その他分散剤)
本発明において、ナノカーボン粒子の分散性を損なわない限り、併用可能なその他分散剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の分散性向上作用を有する公知の分散剤を使用できる。
【0035】
アニオン性界面活性剤としては、芳香族スルホン酸系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等)、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤などである。コール酸、オレイン酸なども好適に使用でき、アニオン性官能基を有する糖類であるアルギン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等はそのまま好適に使用でき、シクロデキストリンなどはアニオン性官能基で修飾することによって使用することが可能である。
エステル基を有するポリマー、オリゴマーはエステル部分を加水分解してアニオン性官能基に変換して使用することも可能である。
【0036】
カチオン性界面活性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド等のカチオン性基を有する化合物である。
【0037】
ノニオン性界面活性剤としては、エーテル系(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等)およびエステル系(ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等)、ソルビトールおよびグリセリン等の多価アルコール脂肪酸のアルキルエーテルおよびアルキルエステル、アミノアルコール脂肪酸アミド等を使用できる。
【0038】
両性界面活性剤としてはアルキルベタイン系界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、プロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、スルホベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤を使用することができる。
【0039】
(ナノカーボン)
本発明にて用いるナノカーボンとしては、単層のナノカーボン、多層のナノカーボンのいずれでも良く、分散液の用途に応じて選択することができる。またナノカーボンの製造方法に関しても特に制限されるものではなく、炭素含有ガスを触媒と接触させる熱分解法、炭素棒間にてアーク放電を発生させてなるアーク放電法、カーボンターゲットにレーザーを照射するレーザー蒸発法、金属微粒子の存在下で炭素源のガスを高温で反応させるCVD法、一酸化炭素を高圧下で分解するHiPco法等のいずれでも良い。
また、金属原子がドープされてなるナノカーボンであっても良い。
本発明における分散媒中のナノカーボンの濃度は、0.1〜10.0wt%であり、好ましくは0.3〜5.0wt%、更に好ましくは0.5〜3.0wt%である。濃度が低すぎると分散されたナノカーボンを得る効率が悪く、高すぎるとナノカーボンの分散性が低下する。
【0040】
(その他成分)
本発明における分散液に配合可能な他の成分としては、各種の水溶性樹脂や水分散性樹脂、タンパク質等の生体内の高分子等、ナノカーボン及び分散液の用途に応じて必要な成分を配合することが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類が好ましく、さらにカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらの水溶性樹脂及び/又はセルロース類を採用した場合には、他の分散剤を併用することも可能である。
【0041】
(分散液製造方法及び装置)
本発明の分散剤を用いて分散液を得るために使用可能な装置は、分散媒、分散剤及びナノカーボンを含有する混合物を十分に混合・分散できる装置であれば特に限定されない。
このような装置としては、例えばナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機などによるメディアを使用しない分散方法、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等が挙げられる。
中でも、好ましくは分散装置のなかでも超音波を用いてナノカーボンを分散する装置であり、超音波を分散媒中のナノカーボンに照射することによって、ナノカーボン粒子の凝集が破壊されて一次粒子の分散体となる。その状態において本発明の分散剤が該一次粒子に付着することにより、ナノカーボンが均一に分散される。この場合、複数種の周波数の超音波を照射することもできる。
【0042】
例えば、本発明のナノカーボン分散液の製造方法に用いる製造装置の模式図である図1に示すように、タンクと超音波装置を管路で接続し、タンクと超音波装置の下流にはポンプを接続して、この系内に分散媒、分散剤及びナノカーボンを含有した原料液を供給し、ポンプを稼働させて系内を循環させる。そして、循環しながら超音波装置を稼働させて、系内を循環するナノカーボン分散液に対して超音波装置内にて超音波を照射して処理を行う。
これら上記のナノマイザー、ボールミル、超音波装置等の装置を使用し、周波数、メディア粒子径、時間、流量、回転数、圧、温度などの分散条件を適宜選択することにより、粒子径を調節することができ、また分散処理後の分散液をろ過、遠心分離等することによって粗大な粒子を除去して、粒子径を一定の範囲内とすることもできる。
【実施例】
【0043】
本発明の分散剤はピレン部位を有するπ共役化合物であり、好ましい形態のものは、以下の化学反応式のようにして合成する。
モノ-6-トシル-β-シクロデキストリンとアジ化ナトリウムを反応させ、モノ-6-アジド-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを合成する。
モノ-6-アジド-6-デオキシ-β-シクロデキストリンとトリフェニルホスフィンをDMFに溶解し、アンモニア水を加え、モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを合成する。合成した化合物はイオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーで精製することが好ましい。
モノ-6-アミノ-6-デオキシ-β-シクロデキストリンとピレン酪酸とをジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)によるカップリング反応で縮合して、ピレン化シクロデキストリンを得た。
【0044】
(比較例1:ポリオキシアルキレンアルキルエーテルによるCNT分散液の作成)
分散剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル(東邦化学、ペグノール O−20)を用いた。イオン交換水にポリオキシアルキレンアルキルエーテルを溶解して1wt%の水溶液を得た。この水溶液に多層CNT(保土谷化学、MWNT−7)を1wt%となるように添加した。この溶液にホモミクサー(プライミクス株式会社、T.K.ホモミクサーHV)を用いて予備攪拌を4000rpmで10分間行った。この混合液を、周波数20kHz、振幅50μmのホーン型超音波装置(株式会社日本精機製作所 Model RUS-1200TCVP)とローラーポンプ(EYELA東京理化器械株式会社)を用いて100mL/minの流速で循環させながら、120分間連続的に超音波を照射し、CNTを分散させた。
【0045】
(比較例2:ピレン化シクロデキストリン単量体によるCNT分散液の作成)
分散剤として、ピレン化シクロデキストリン単量体を用い、このシクロデキストリン単量体を溶解して1wt%の水溶液を得た。この水溶液に多層CNTを1wt%となるように添加した。この溶液にホモミクサーを用いて予備攪拌を4000rpmで10分間行った。この混合液を、周波数20kHz、振幅50μmのホーン型超音波装置にローラーポンプを用いて100mL/minの流速で循環させながら、120分間連続的に超音波を照射し、CNTを分散させた。
【0046】
(実施例1:ピレン化シクロデキストリン重合体によるCNT分散液の作成)
分散剤として、上記ピレン化シクロデキストリンを重合してなるピレン化シクロデキストリン重合体を用いた。ピレン化シクロデキストリン重合体は、NaOH水溶液にピレン化シクロデキストリンを溶解し、ここにエピクロロヒドリンを添加し、室温で3時間攪拌した後、室温にて中和処理を行い、再沈殿を行って未反応物質を除去することにより得たものである。
イオン交換水にピレン化シクロデキストリン重合体を溶解して1wt%の水溶液を得た。この水溶液に多層CNTを1wt%となるように添加した。この溶液にホモミクサーを用いて予備攪拌を4000rpmで10分間行った。この混合液を、周波数20kHz、振幅50μmのホーン型超音波装置とローラーポンプを用いて100mL/minの流速で循環させながら、120分間連続的に超音波を照射し、CNTを分散させた。
【0047】
上記の実施例1及び比較例1、2により得られた分散液について、所定温度条件下、所定時間静置して、分散液の凝集及び沈殿の状況を目視にて評価を行った。下記表1に以下の判断基準による評価を示す。
○:凝集・沈降なし
×:凝集・沈降あり
【0048】
分散剤A(比較例1):ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
分散剤Py-B-CD(比較例2):ピレン化シクロデキストリン単量体
分散剤Polymer(実施例1):ピレン化シクロデキストリン重合体
【0049】
【表1】

【0050】
表1において、比較例1による分散液の凝集及び沈殿の状況は、23℃〜40℃においては分散後6時間までは凝集や沈降はみられないが、50℃では分散後6時間の時点において凝集・沈殿が発生し、60℃以上では分散後0.5時間経過の時点において凝集・沈殿が生じる。
比較例2による結果については、23℃〜50℃の温度下では、分散後96時間経過しても沈殿や分散が見られないものの、60℃〜80℃では分散後1〜2時間の時点において凝集・沈殿が発生し、100℃の条件下においては分散後0.5時間後には凝集・沈殿がみられた。
実施例1による分散液は、23℃〜60℃の条件下において、分散後96時間経過しても凝集や沈殿は発生せず、80℃〜100℃の高温条件下において、24時間経過後には凝集・沈殿がみられた。
このような結果によれば、本発明の分散液は80℃までは長期間の安定性に優れ、凝集や沈殿を発生せず、80℃以上という高温条件下においても、24時間経過して凝集・沈殿を生じるという結果であった。そして、本発明によれば、長期間の分散安定性や、高温下での安定性に優れる分散液を得るという効果を生じることが理解でき、このような効果は、比較例1及び2による効果よりも極めて優れている。
また、分散剤としてカルボキシメチルセルロースNa塩を使用した場合に対しても、本発明の分散剤は、ナノカーボンの分散性に優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含有するナノカーボン分散剤。

式中、Arは、アントラセン、ピレン等の多環式芳香族炭化水素基であり、Xは、炭素数1〜21の炭化水素基、又は直接結合を示し、YはO、NH、COO、CONH、又は直接結合を示し、Zはセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子又はクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子、又は置換されていてもよいこれらの分子を示す。nは1以上の整数であるが、環状ホスト分子をシクロデキストリンとした場合には2以上の整数である。
【請求項2】
前記Arが、ピレン基である、請求項1記載のナノカーボン分散剤。
【請求項3】
前記Xが、主鎖の炭素数が3のアルキル基である、請求項1又は2記載のナノカーボン分散剤。
【請求項4】
前記Yが、CONHである、請求項1〜3のいずれかに記載のナノカーボン分散剤。
【請求項5】
前記Zが、シクロデキストリンである、請求項1〜4のいずれかに記載のナノカーボン分散剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のナノカーボン分散剤においてシクロデキストリンが互いに架橋してなるナノカーボン分散剤。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のナノカーボン分散剤に、エピクロロヒドリンを作用させて得られる、架橋型ナノカーボン分散剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のナノカーボン分散剤により分散されたナノカーボン分散液。

【図1】
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【公開番号】特開2012−213701(P2012−213701A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80087(P2011−80087)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000106771)シーシーアイ株式会社 (245)
【Fターム(参考)】