説明

ナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液

【課題】リード線や熱交換器、自動車用部品において好適に使用し得る高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法を提供すること。
【解決手段】アルミニウムハロゲン化物、ナノカーボン、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物等を含有し、アルミニウムハロゲン化物と1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物等をモル比で20:80〜80:20の割合で含有するナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液。1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物等は炭素数1〜12のアルキル基を有する。ナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を用い、乾燥無酸素雰囲気中で、直流電流等により、浴温0〜300℃、電流密度0.01〜50A/dmの電解条件で基材表面にめっきするナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法。これにより作製されたナノカーボン/アルミニウム複合材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液に係り、更に詳細には、送電線、リード線等の導電体、ラジエータ、コンデンサ、エバポレータ等の熱交換器、又は自動車用部品において好適に使用し得る高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、送電線、リード線等を構成するアルミニウム合金などの導電材料や、熱交換器に使用される材料は、高い電気伝導率や高い熱伝導率が要求されている。
また、最近、地球環境保護などの観点から、送電線、リード線、熱交換器又は自動車用部品などは、軽量化及び小型化が要求される方向にあり、送電線やリード線の微細化、熱交換器又は自動車用部品に使用される材料の薄肉化が推進される一方で、高強度であることも強く要求されている。
【0003】
これまでのところ、軽量且つ高強度であることを特徴とする複合材料として、炭素繊維強化アルミニウム合金が最も多く検討されている(特許文献1及び2参照。)。
【0004】
更に、近年、炭素繊維としてカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略記する。)が注目されている。CNTは強靱性、導電性、熱伝導性等の優れた諸特性から様々な分野での応用が研究されており、より一層の機能性向上が期待されている。
これまでにCNT複合材料として、銅、ニッケル、アルミニウム等の様々な金属がマトリックスとして用いられてきた(特許文献3及び4参照。)。
特に、CNT/アルミニウム複合材料は、強度の向上及び高い熱伝導性が報告されている(非特許文献1参照。)。
【0005】
一方、アルミニウムの製造方法としては、三層式電解法、分別結晶法、電析法といったものが知られている。
その中でも、電析法は単一工程で作製できることが魅力的である。しかし、アルミニウムは卑な標準電極電位(−1.68Vvs.SHE)を有するため、水系からの電析は水素発生の競争反応によって不可能である。
また、有機溶媒系からのアルミニウムの電析も行われているが、引火の危険を有するため工業的に実用化は難しい。
【特許文献1】特開2005−008989号公報
【特許文献2】特開2005−048206号公報
【特許文献3】特開2004−156074号公報
【特許文献4】特開2004−315297号公報
【非特許文献1】葛巻ら(T.Kuzamaki,et al.)、「ジャーナル オブ マテリアルズリサーチ(J.Mater.Res.)」、1998年、第13巻、p2445
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜4及び非特許文献1に記載されたナノカーボン/アルミニウム複合材料の製造方法は、例えばアルミニウムのケースにアルミニウム粉末とCNTを入れ、5.3×10−1Pa減圧下、600℃、1.5hで加熱した後、100MPaで60min加圧し、500℃、10MPa/minで押し出すという、複雑な多段階工程であった。
この製造方法は、溶融金属中にナノカーボンを添加し、撹拌、混合することになるが、金属とナノカーボンとでは比重が大きく異なることから、ナノカーボンを均一に溶融金属中に分散させることは極めて困難であるという問題点があった。
【0007】
また、炭素繊維/アルミニウム系複合材料は、非酸化性雰囲気下では500℃以下であれば、加熱保持を行っても強度低下は認められない。しかし、保持温度が550℃以上の場合には、炭素繊維とマトリックスとの界面反応により、アルミニウム炭化物(Al)が形成され、炭素繊維の断面積が減少すると共に、この炭化物の根本でのノッチ効果により強度が低下するという問題点があった。
更に、大気中での加熱は、酸化による炭素繊維の劣化が重大な問題となることがこれまでの研究によって明らかにされている。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、送電線、リード線等の導電体、ラジエータ、コンデンサ、エバポレータ等の熱交換器、又は自動車用部品において好適に使用し得る高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、常温型溶融塩(常温溶融塩、室温溶融塩又はイオン液体とも呼ばれる。)は、以下の(1)〜(3)に列挙する利点を有し、各種合金の電析浴や、電池用電解液として非常に有望であるという技術知見を得た。
(1)アルミニウムのような卑な標準電極電位を有する金属や合金のめっきを容易に行うことができる。
(2)常温での使用が可能であるため扱いが容易である。
(3)不揮発性・不燃性であるため引火の危険性がない。
【0010】
そして、かかる技術知見に基づき、更に研究を進めたところ、所定のめっき液を作製し、これを用いることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液は、アルミニウムハロゲン化物、ナノカーボン、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又はモノアルキルピリジニウムハロゲン化物を含有し、該アルミニウムハロゲン化物と、該1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又は該モノアルキルピリジニウムハロゲン化物とをモル比で20:80〜80:20の割合で含有し、該1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物は、炭素数1〜12のアルキル基を有し、該モノアルキルピリジニウムハロゲン化物は、炭素数1〜12のアルキル基を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の第1の製造方法は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を製造するに当たり、アルミニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物と1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/若しくはモノアルキルピリジニウムハロゲン化物とを混合し、溶融するか又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/若しくはモノアルキルピリジニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物とアルミニウムハロゲン化物とを混合し、溶融することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の第2の製造方法は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を製造するに当たり、アルミニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合するか又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/若しくはモノアルキルピリジニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物と、アルミニウムハロゲン化物並びに1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又はモノアルキルピリジニウムハロゲン化物を含有する溶融塩とを混合することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を用いた製造方法であって、乾燥無酸素雰囲気中、直流及び/又はパルス電流により、浴温0〜300℃、電流密度0.01〜50A/dmの電解条件で基材表面にめっきすることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法によって作製されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所定のめっき液を作製し、これを用いることなどとしたため、送電線、リード線等の導電体、ラジエータ、コンデンサ、エバポレータ等の熱交換器、又は自動車用部品において好適に使用し得る高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液について詳細に説明するが、本明細書及び特許請求の範囲において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0018】
上述の如く、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液は、アルミニウムハロゲン化物と、ナノカーボンと、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方又は双方とを含有し、該アルミニウムハロゲン化物と、該1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び該モノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方又は双方とをモル比で20:80〜80:20の割合で含有するものである。
そして、かかる1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物は、炭素数1〜12のアルキル基を有し、かかるモノアルキルピリジニウムハロゲン化物は、炭素数1〜12のアルキル基を有する。
【0019】
本発明においては、上記のように、アルミニウムハロゲン化物と、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方又は双方とを、モル比で20:80〜80:20の割合で含有することを要する。
かかる割合を満たさない場合には、常温で溶融せず、めっき液にならないか、仮に温度を上げて溶融させても、めっき液の粘性が高く、めっき液に不向きであり、高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材を形成し得るめっき液とならない。
なお、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物は、上記の割合を満たす範囲で、それぞれ単独で又は混合して用いることができる。
【0020】
また、本発明においては、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物が炭素数1〜12のアルキル基を有し、モノアルキルピリジニウムハロゲン化物が炭素数1〜12のアルキル基を有することを要する。
かかる炭素数のアルキル基を有さない場合には、常温で溶融せず、めっき液にならないか、仮に温度を上げて溶融させても、めっき液の粘性が高く、めっき液に不向きであり、高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材を形成し得るめっき液とならない。
【0021】
このような構成とすることにより、高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材を形成し得るめっき液となる。
【0022】
また、本発明においては、アルミニウムハロゲン化物と1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物の一方又は双方との合計体積に対して、0.01〜50g/Lの割合でナノカーボンを含有することが好ましく、0.01〜20g/Lの割合でナノカーボンを含有することがより好ましい。
含有するナノカーボンの割合が0.01g/L未満の場合には、アルミニウムめっき膜に取り込まれるナノカーボン粒子の量が少なくなり、所望の特性を得にくくなるので、好ましくない。一方、含有するナノカーボンの割合が50g/Lを超えると、電解浴におけるナノカーボン粒子の濃度が高まり、ナノカーボン粒子が凝集して沈降してしまい、また、電解終了時に電解浴から電解物を引き上げる際に、分散しているナノカーボン粒子が余分に付着してしまい、好ましくない。
【0023】
ここで、各構成成分について、より詳細に説明する。
まず、用いるアルミニウムハロゲン化物について説明する。
アルミニウムハロゲン化物としては、上述のようなナノカーボン/アルミニウム複合材を形成し得るめっき液が得られれば特に限定されるものではないが、例えば、塩化アルミニウム(AlCl)を使用することが好ましく、特に無水AlClを好適に使用することができる。
【0024】
次に、用いる1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物について説明する。
1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物は、上述の如く、炭素数が1〜12のアルキル基を少なくとも1つ有し、更に、上述のようなナノカーボン/アルミニウム複合材を形成し得るめっき液が得られれば特に限定されるものではないが、例えば炭素数が1〜5のアルキル基を1つ有することが好ましく、2つ有することがより好ましい。具体的には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(以下、「EMIC」と略記する。)を好適に使用することができる。
なお、2つのアルキル基は、同一でも異なってもよい。
【0025】
次に、用いるモノアルキルピリジニウムハロゲン化物について説明する。
モノアルキルピリジニウムハロゲン化物は、上述の如く、炭素数が1〜12のアルキル基を有し、更に、上述のようなナノカーボン/アルミニウム複合材を形成し得るめっき液が得られれば特に限定されるものではないが、例えば炭素数が1〜5のアルキル基を1つ有することが好ましい。具体的には、1−ブチルピリジニウムクロリド(以下、「BPC」と略記する。)を好適に使用することができる。
【0026】
また、得られるめっき液の物性、具体的には、めっき液の導電率や粘度、融点などについて考慮すると、融点が84℃程度と低い、EMICを用いることが特に望ましい。
【0027】
次に、用いるナノカーボンについて説明する。
ナノカーボンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、カーボンブラック、アセチレンブラック又はケッチェンブラック、及びこれらの任意の混合物を用いることができる。
【0028】
本発明においては、ナノカーボンの一種であるカーボンナノチューブとして、直径が1〜100nmであり、且つ長さが1〜100μmであり、且つアスペクト比が10〜100であるものを用いることが好適である。
直径1nm未満では凝集し易くなり沈降が起こり易いため、アルミニウムめっき膜中に取り込まれにくくなる。一方、直径100nmを超えても沈降が起こり易いため、アルミニウムめっき膜中に取り込まれにくくなる。また、長さ1μm未満でも直径1nm未満の場合と同様に凝集し易くなり沈降が起こり易いため、アルミニウムめっき膜中に取り込まれにくくなる。一方、長さ100μmを超えても直径100nmを超えた場合と同様に沈降が起こり易いため、アルミニウムめっき膜中に取り込まれにくくなる。
なお、用いるカーボンナノチューブは、単層又は多層のいずれであってもよく、それらを適宜混合して用いてもよい。
【0029】
次に、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の第1の製造方法は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を製造するに当たり、アルミニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物と1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方若しくは双方とを混合し、溶融するか又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方若しくは双方とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物とアルミニウムハロゲン化物とを混合し、溶融して、所望のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を得る方法である。
【0030】
また、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の第2の製造方法は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を製造するに当たり、アルミニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合するか又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方若しくは双方とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物と、アルミニウムハロゲン化物並びに1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方若しくは双方を含有する溶融塩とを混合して、所望のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を得る方法である。
【0031】
なお、第1又は第2の製造方法において、用いる1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物は、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基を有し、それらは同一でも異なっていてもよい。
また、アルミニウムハロゲン化物やナノカーボンについても特に限定されるものではなく、上述したものを用いることができる。
【0032】
本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液は、アルミニウムハロゲン化物と、ナノカーボンと、所定の1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方又は双方とを所定の割合で含有すれば、上述の如き、本発明の第1又は第2の製造方法により作製されたものに限定されるものではないが、上述の如き、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を第1の製造方法により作製した場合には、あらかじめ塩にナノカーボン粒子を混合することで、ナノカーボン粒子が凝集しにくい状態であり、ナノカーボン粒子のめっき液への均一分散の観点から望ましく、一方、第2の製造方法により作製した場合には、アルミニウムハロゲン化物並びに1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及びモノアルキルピリジニウムハロゲン化物のいずれか一方若しくは双方を含有する混合物自体が溶融塩であり、混合物を直接溶融塩に投入することから、さらに均一分散が促進されるという観点から望ましい。
【0033】
より具体的な例を挙げて説明すると、例えば、めっき液の製法としては、アルミニウムハロゲン化物の一例であるAlClと、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物の一例であるEMICとを所定のモル比で混合した常温型溶融塩をベースとし、ナノカーボンの一例であるCNTを適宜添加すればよい。
そして、CNTを添加する際には、用いるAlClやEMICに予め分散させておくことがハンドリングが容易となるという観点から望ましい。
また、常温型溶融塩が完全に溶融していない場合には、加熱して完全に溶融することが望ましい。
更に、AlCl−EMIC常温型溶融塩の不純物を除去するために、CNTを添加する前に、完全に溶融した常温型溶融塩にAl線を1週間以上浸す方が望ましい。
更にまた、AlCl−EMIC常温型溶融塩に、CNTを分散させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば超音波照射や攪拌などを挙げることができる。
【0034】
次に、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を用いた製造方法であって、乾燥無酸素雰囲気中で、直流及びパルス電流のいずれか一方又は双方を適宜組合わせることにより、浴温0〜300℃、電流密度0.01〜50A/dmの電解条件で基材表面にめっきして、所望のナノカーボン/アルミニウム複合材を得る方法である。
【0035】
浴温が0℃より低い場合には、めっき液が凝固してしまうことから、また、浴温が300℃より高い場合には、めっき液自体が熱分解してしまうことから、いずれの場合も電解が困難となる。
また、電流密度が0.01A/dmより低い場合には、電解時間が長くなるので実用的ではなく、電流密度が50A/dmより高い場合には、めっき液が分解電圧に到達し、めっきすること自体が困難になる。
なお、本発明において、「乾燥無酸素雰囲気」とは、水分量が2ppm以下、酸素量が1ppm以下である雰囲気を意味し、通常は、アルゴン(Ar)や窒素(N)雰囲気中で行なえばよい。
【0036】
このような方法とすることにより、基材表面に高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材(めっき膜)を形成することができる。
また、電気めっきという手段を用いるので、簡単な単一工程でナノカーボン/アルミニウム複合材のめっき膜を得ることができ、しかも任意の形状に対して加工が可能となる。
【0037】
より具体的な例を挙げて説明すると、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法においては、特に限定されるものではないが、例えば従来公知の2電極式セルを用いることができる。
電解方法としては、例えばAlCl−EMIC常温型溶融塩にCNTを分散させて得られためっき液に、カソード及びアノードを浸漬した状態で、両電極に接続した直流電源によって、両電極に定電流及びパルス電流のいずれか一方又は双方を組合わせることにより電圧を印加する方法を挙げることができる。
印加する電圧は、所定間隔ごとにその大きさを変化させてもよい。
また、電解時間は、継続的に0.1〜600秒間程度印加すればよい。
更に、必要に応じて、周期的に0.1〜1秒程度の間隔で、印加と停止を繰り返してもよい。
【0038】
また、ナノカーボン/アルミニウム複合材のめっき量は、ナノカーボンの分散量や電流密度、電解時間などを適宜調整することにより、制御することができる。
例えば、ナノカーボン/アルミニウム複合材のめっき量を多くするためには、ナノカーボンの分散量を多くする、電解電圧を高めにして電流密度を高くする、又は電解時間を長くする、及びこれらを適宜組合わせて電解すればよい。
なお、連続生産する際には、ナノカーボンとAlCl−EMIC常温型溶融塩とを順次補給してナノカーボンの分散量の低下を補うことが望ましい。
【0039】
更に、用いる陰極(カソード若しくは負極)としては、めっき液に対して、化学的、電気化学的に安定性のある導体であれば、その材質や形状については特に限定されず、種々のものを用いることができる。
カソードの材料としては、例えば銅や真鍮、ニッケル、ステンレス、タングステン、モリブデンなどを挙げることができ、電気化学的な安定性や延伸性、経済性などを考慮すると、銅又は真鍮が好ましいが、これに限定されるものではない。
そして、カソードの形状としては、その表面状態や厚さ、大きさについて特に限定されるものではなく、例えば、箔状や板状、ワイヤーをスパイラル状にしたもの、発泡状、不織布状、メッシュ状、フェルト状、エキスパンデッド状のような多孔質金属基体などを挙げることができ、その中でも、箔状や板状のものが好適である。
なお、上述のような方法で電解を行なうと、基材となるカソードの表面にめっき膜が被覆形成される。
【0040】
更にまた、用いる陽極(アノード若しくは正極)としては、公知の導電性基板を特に限定されることなく使用することができ、その材質については、例えば化学的、電気化学的に安定な白金やグラファイト、又は溶解してもめっき液が汚染されることのないアルミニウムを好適に用いることができる。
正極の形状は、板状でもスパイラル状であってもよく、特に限定されるものではない。
【0041】
次に、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材について説明する。
上述の如く、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材は、上記本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法によって作製されるものである。
このような構成とすることにより、送電線やリード線、熱交換器、自動車部品などに用いた場合に、高い電気伝導率や高い熱伝導率を維持して、材料の薄肉化による軽量化や小型化を促進することができ、軽量で高強度な複合材料として望ましいものとなる。
【0042】
例えば、上述したような電解方法によって、カソードの表面にナノカーボン/アルミニウム複合材のめっき膜を形成することができる。
本発明においては、ナノカーボンの含有率が0.1〜50%であることが好ましく、0.1〜20%であることがより好ましい。
ナノカーボンの含有率が0.1%未満の場合には、ナノカーボンの特性が殆ど反映されないため、所望の特性を得ることができないため、好ましくない。また、ナノカーボンの含有率が50%を超える場合には、アルミニウム量が少なくなるので、マトリックスであるアルミニウムによって結合されていたナノカーボン同士の結合力が弱まり、急激に強度が低下する可能性がある。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
AlClとEMICとをモル比で66.7:33.3となるように秤量し、撹拌しながら混合した。完全に溶融したものにAl線を1週間以上浸す置換法によって精製した。これに、多層カーボンナノチューブ(MWCNT;チューブ直径1.2〜20nm,チューブ長さ2〜5μm)を、0.1〜30.0g/L添加して、MWCNT/アルミニウム複合材形成用めっき液を得た。
これを充分に撹拌しながら、定電流電解を行って、本例のMWCNT/アルミニウム複合材を得た。
【0045】
なお、めっき液の作製と電解操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。また、定電流電解には2電極セルを用いて、カソードとしてCu板(99.96%)を、アノードにAl板(99.99%)を用いた。カソードの前処理として、エメリー紙(2000番)による研磨の後、10% o−ケイ酸ナトリウム水溶液で電解脱脂、10vol%HClによる酸処理を施した。電解条件は、浴温度30℃、電流密度5、10、20、30mA/cm、電析電気量50C/cmとした。
【0046】
走査電子顕微鏡(SEM;JOEL,JSM−6500F&HITACHI,S−2600N)を用いて、MWCNT/アルミニウム複合材の表面状態を観察した。MWCNTがAl析出物中に取り込まれていく様子が、実際に観察された。まず、MWCNTが電析物表面に吸着した直後、Alの初期析出核(原子数として1〜10万個程度)に取り押さえられている様子が観察された。ついで、MWCNTが、核から成長したAl析出核に完全に取り込まれた様子が観察された。そして、MWCNTがほぼ完全にAl析出物中に埋没した様子が観察された。
以上のことから、MWCNTが単分散の形でAlと共析することが明らかになった。
【0047】
次に、全有機炭素計(島津製作所製,TOC−5000A)を用いて、得られたMWCNT/アルミニウム複合材中のMWCNTの含有率を測定した結果、MWCNTの含有率は0.1〜20%の範囲で含まれていることが分かった。
そこで、めっき液中のMWCNT添加量と、当該複合材のビッカース硬度の関係を調べた(図1参照。)。即ち、MWCNTの共析量の増加が当該複合材の硬度の上昇を予測させると考えて、半定量的に議論を進めることとする。また、MWCNTの添加量0g/Lの場合に得たAlめっき膜の硬度を比較例とする。電流密度5、10、20、30mA/cmのいずれにおいても、Alめっき膜の硬度は50Hvであった。図1に示すように、各電流密度において、浴中へのMWCNT添加量が増加するに伴い、複合材の硬度はAlめっき膜の硬度よりも増加した。金属中にナノ粒子が存在すると、一般的にその金属の硬度が上昇するといわれており、本例の複合材の強度が上昇したことから、MWCNTの共析が裏付けられた。なお、硬度測定には、ビッカース硬度計(アカシ,HM−124)を用いた。
【0048】
また、四端子法を用いて、本例の複合材の抵抗率を測定したところ、いずれの複合材の抵抗率もAlめっき膜のそれより低い値を示した。
以上の結果を踏まえて、その他のナノカーボン粒子について検討したところ、単層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、カーボンブラック、アセチレンブラック又はケッチェンブラックにおいても同様な効果が得られたことから、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液の有用性が分かった。
【0049】
(実施例2)
所定量のEMICとMWCNT(チューブ直径1.2〜20nm,チューブ長さ2〜5μm)とを混合し、その混合物をAlClと混合し、溶融した。めっき液中のAlClとEMICのモル比は66.7:33.3となるように設定し、MWCNTの添加量は0.1〜30.0g/Lとなるように設定して、MWCNT/アルミニウム複合材形成用めっき液を得た。
これを充分に撹拌しながら、定電流電解を行って、実施例1と同様に本例のMWCNT/アルミニウム複合材を得た。なお、めっき液の作製と電解操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。また、電解に用いた2電極セル、カソードの前処理およびその電解条件は、実施例1と同じにした。
【0050】
SEMを用いて、MWCNT/アルミニウム複合材の表面状態を観察したところ、実施例1と同様に、MWCNTが単分散の形でAlと共析することが明らかになった。
【0051】
次に、全有機炭素計(島津製作所製,TOC−5000A)を用いて、得られたMWCNT/アルミニウム複合材中のMWCNTの含有率を測定した結果、MWCNTの含有率は0.1〜20%の範囲で含まれていることが分かった。
そこで、めっき液中のMWCNT添加量と、当該複合材のビッカース硬度の関係を調べた(図2参照。)。実施例1と同様に、MWCNTの添加量0g/Lの場合に得たAlめっき膜の硬度を比較例とした。図2に示すように、各電流密度において、浴中へのMWCNT添加量が増加するに伴い、複合材の硬度はAlめっき膜の硬度よりも増加した。金属中にナノ粒子が存在すると、一般的にその金属の硬度が上昇するといわれており、本例の複合材の強度が上昇したことから、MWCNTの共析が裏付けられた。なお、硬度測定には、ビッカース硬度計(アカシ,HM−124)を用いた。
【0052】
また、四端子法を用いて、本例の複合材の抵抗率を測定したところ、いずれの複合材の抵抗率もAlめっき膜のそれより低い値を示した。
以上の結果を踏まえて、その他のナノカーボン粒子について検討したところ、単層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、カーボンブラック、アセチレンブラック又はケッチェンブラックにおいても同様な効果が得られたことから、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液の有用性が分かった。
【0053】
(実施例3)
所定量のEMICとMWCNT(チューブ直径1.2〜20nm,チューブ長さ2〜5μm)とを混合し、その混合物をAlCl−EMIC溶融塩と混合した。めっき液中のAlCl−EMICのモル比は66.7:33.3となるように設定し、MWCNTの添加量は0.1〜30.0g/Lとなるように設定して、MWCNT/アルミニウム複合材形成用めっき液を得た。
これを充分に撹拌しながら、定電流電解を行って、実施例1と同様に本例のMWCNT/アルミニウム複合材を得た。なお、めっき液の作製と電解操作は乾燥窒素雰囲気下で行った。また、電解に用いた2電極セル、カソードの前処理およびその電解条件は、実施例1と同じにした。
【0054】
SEMを用いて、MWCNT/アルミニウム複合材の表面状態を観察したところ、実施例1と同様に、MWCNTが単分散の形でAlと共析することが明らかになった。
【0055】
次に、全有機炭素計(島津製作所製,TOC−5000A)を用いて、得られたMWCNT/アルミニウム複合材中のMWCNTの含有率を測定した結果、MWCNTの含有率は0.1〜20%の範囲で含まれていることが分かった。
そこで、めっき液中のMWCNT添加量と、当該複合材のビッカース硬度の関係を調べた(図3参照。)。実施例1と同様に、MWCNTの添加量0g/Lの場合に得たAlめっき膜の硬度を比較例とした。図3に示すように、各電流密度において、浴中へのMWCNT添加量が増加するに伴い、複合材の硬度はAlめっき膜の硬度よりも増加した。金属中にナノ粒子が存在すると、一般的にその金属の硬度が上昇するといわれており、本例の複合材の強度が上昇したことから、MWCNTの共析が裏付けられた。なお、硬度測定には、ビッカース硬度計(アカシ,HM−124)を用いた。
【0056】
また、四端子法を用いて、本例の複合材の抵抗率を測定したところ、いずれの複合材の抵抗率もAlめっき膜のそれより低い値を示した。
以上の結果を踏まえて、その他のナノカーボン粒子について検討したところ、単層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、カーボンブラック、アセチレンブラック又はケッチェンブラックにおいても同様な効果が得られたことから、本発明のナノカーボン/アルミニウム複合材、その製造方法及びこれに用いるめっき液の有用性が分かった。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例1及び比較例のMWCNT添加量と硬度の関係を示すグラフである。
【図2】実施例2及び比較例のMWCNT添加量と硬度の関係を示すグラフである。
【図3】実施例3及び比較例のMWCNT添加量と硬度の関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムハロゲン化物、ナノカーボン、1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又はモノアルキルピリジニウムハロゲン化物を含有するナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液であって、
上記アルミニウムハロゲン化物と、上記1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又は上記モノアルキルピリジニウムハロゲン化物とをモル比で20:80〜80:20の割合で含有し、
上記1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物は、炭素数1〜12のアルキル基を有し、
上記モノアルキルピリジニウムハロゲン化物は、炭素数1〜12のアルキル基を有することを特徴とするナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液。
【請求項2】
上記アルミニウムハロゲン化物と、上記1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又は上記モノアルキルピリジニウムハロゲン化物との合計体積に対して、0.01〜50g/Lの割合で上記ナノカーボンを含有することを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液。
【請求項3】
上記ナノカーボンが、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラックから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液。
【請求項4】
上記カーボンナノチューブは、直径が1〜100nmであり、且つ長さが1〜100μmであり、且つアスペクト比が10〜100であることを特徴とする請求項3に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を製造するに当たり、
アルミニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物と1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/若しくはモノアルキルピリジニウムハロゲン化物とを混合し、溶融するか又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/若しくはモノアルキルピリジニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物とアルミニウムハロゲン化物とを混合し、溶融することを特徴とするナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を製造するに当たり、
アルミニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合するか又は1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又はモノアルキルピリジニウムハロゲン化物とナノカーボンとを混合し、次いで、得られた混合物と、アルミニウムハロゲン化物並びに1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又はモノアルキルピリジニウムハロゲン化物を含有する溶融塩とを混合することを特徴とするナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材形成用めっき液を用いたナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法であって、
乾燥無酸素雰囲気中、直流及び/又はパルス電流により、浴温0〜300℃、電流密度0.01〜50A/dmの電解条件で基材表面にめっきすることを特徴とするナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材の製造方法によって作製されたことを特徴とするナノカーボン/アルミニウム複合材。
【請求項9】
ナノカーボンの含有率が0.1〜50%であることを特徴とする請求項8に記載のナノカーボン/アルミニウム複合材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−70689(P2007−70689A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258646(P2005−258646)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000184078)
【Fターム(参考)】