説明

ナノコンポジット並びにその製造方法

【課題】 ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジットの製造方法を提供すること。
【解決手段】 有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットの製造方法であって、
前記酸化金属ナノ粒子と、分散剤としての多価カルボン酸とを溶媒に添加して、前記酸化金属ナノ粒子の表面を前記多価カルボン酸により修飾することによって、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒に分散せしめて酸化金属ナノ粒子分散液を得る工程と、
前記酸化金属ナノ粒子分散液に前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を添加して、前記多価カルボン酸のうち前記酸化金属ナノ粒子の表面修飾に用いられなかった余剰の多価カルボン酸と前記化合物とを反応させることによって前記有機ポリマーを得る工程と、
を含むことを特徴とするナノコンポジットの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジット並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノコンポジットは、ナノオーダーの無機微粒子(ナノ粒子)が有機ポリマー中に分散した複合材料であり、無機材料と有機材料のメリットが相乗されるため、母材となる有機ポリマーと比較して各種物性(例えば、耐熱性、耐久性、耐ガス透過性、加工性)において優れていることが期待されている。特に光学材料分野では、ナノコンポジットにより光学部品を形成し、光学部品の高透明化、高屈折率化、高アッベ数化、高耐熱化、軽量化等を図ることが検討されている。
【0003】
通常、ナノコンポジットは、先ずナノ粒子を均一に溶媒に分散させ、得られたナノ粒子分散液を更に有機ポリマーと混合することによって作製される。一般的にナノ粒子は凝集し易く、さらに有機ポリマーに対する親和性が低いので、溶媒及び有機ポリマー中にナノ粒子を均一に分散させるためには、いわゆる分散剤(カップリング剤)を用いて、ナノ粒子の表面を修飾し、溶媒及び有機ポリマーとの親和性を向上させる必要がある。
【0004】
しかしながら、例えば、特開2008−69046号公報(特許文献1)に開示されているように、ナノ粒子を有機ポリマーに均一に分散させるためにナノ粒子の倍以上という大量の分散剤を添加する必要があり、ナノ粒子の表面修飾に用いられなかった余剰の分散剤は、ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過性の低下やナノコンポジットの高屈折率化の抑制を引き起こす要因となる。そのため、分散剤を用いて製造されたナノコンポジットの透過率及び屈折率の点において十分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−69046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジット並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、余剰の分散剤を有機ポリマーの前駆体又は一部として用いることにより、ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジットを得ることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のナノコンポジットの製造方法は、有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットの製造方法であって、
前記酸化金属ナノ粒子と、分散剤としての多価カルボン酸とを溶媒に添加して、前記酸化金属ナノ粒子の表面を前記多価カルボン酸により修飾することによって、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒に分散せしめて酸化金属ナノ粒子分散液を得る工程と、
前記酸化金属ナノ粒子分散液に前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を添加して、前記多価カルボン酸のうち前記酸化金属ナノ粒子の表面修飾に用いられなかった余剰の多価カルボン酸と前記化合物とを反応させることによって前記有機ポリマーを得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
【0009】
また、本発明のナノコンポジットは、有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットであって、前記有機ポリマーが余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物とを反応せしめて得られたものであることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明にかかる酸化金属ナノ粒子としては、酸化チタンナノ粒子であることが好ましい。
【0011】
また、本発明にかかる多価カルボン酸としては、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、デカン二酸、ノナン二酸、オクタン二酸、ヘプタン二酸、ヘキサン二酸、ペンタン二酸、ブタン二酸、プロパン二酸、エタン二酸、フェニレン二酢酸、ペンタントリカルボン酸、アダマンタン二酢酸、シクロヘキサン二酢酸及びテトラカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明にかかる多価カルボン酸の配合量としては、前記酸化金属ナノ粒子の表面積に対して、22〜350μmol/mであることが好ましい。
【0013】
また、本発明にかかる多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物としては、多価アルコール、多価チオール及びエポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明にかかる多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物としては、グリセリン、プロパンジオール、キシレングリコール、エチレングリコール、フロログルシノール、レソルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、ヘキサンジオール、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシベンゼン、フェニルエチレングリコール、ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、トリヒドロキシアントラセン、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ベンゼンジチオール、ヒドロキシベンゼンチオール、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3−ブタジエンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【0015】
また、本発明にかかる余剰の多価カルボン酸と、本発明にかかる多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物との混合比(本発明にかかる余剰の多価カルボン酸:本発明にかかる多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物)は、モル比で10:1〜1:10であることが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる溶媒は極性溶媒であることが好ましい。
【0017】
なお、本発明のナノコンポジット並びにその製造方法によって、ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジットを得ることができる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、分散剤をナノコンポジットの母材である有機ポリマーの前駆体又は一部として用いることで、有機ポリマーの透過性の低下やナノコンポジットの高屈折率化の抑制を引き起こす要因である余剰の分散剤を低減することができ、ひいてはナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジットを得ることが可能になると本発明者らは推察する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジットを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1で得られたナノコンポジットの測定波長と透過率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1で得られたナノコンポジット及び比較例1で得られた有機ポリマーの測定波長と屈折率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0021】
本発明のナノコンポジットの製造方法は、有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットの製造方法であって、
前記酸化金属ナノ粒子と、分散剤としての多価カルボン酸とを溶媒に添加して、前記酸化金属ナノ粒子の表面を前記多価カルボン酸により修飾することによって、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒に分散せしめて酸化金属ナノ粒子分散液を得る工程と、
前記酸化金属ナノ粒子分散液に前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を添加して、前記多価カルボン酸のうち前記酸化金属ナノ粒子の表面修飾に用いられなかった余剰の多価カルボン酸と前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物とを反応させることによって前記有機ポリマーを得る工程と、を含むことを特徴とする方法である。
【0022】
先ず、本発明において用いられる酸化金属ナノ粒子について説明する。本発明において用いられる酸化金属ナノ粒子としては、ナノオーダーの酸化金属からなる粒子であればよく、酸化金属ナノ粒子の一次粒子径は特に制限されないが、3〜50nmであることが好ましい。前記一次粒子径が前記下限未満だと、後述の溶媒及び有機ポリマーにおける酸化金属ナノ粒子の分散に多量の分散剤を要するようになるため、透過率及び屈折率の高いナノコンポジットが得られにくい傾向にあり、他方、前記上限を超えると得られるナノコンポジットの光透過性が低くなる傾向にある。
【0023】
また、本発明において用いられる酸化金属ナノ粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状、管状、針状、紡錘状が挙げられる。これらの中では、後述の有機ポリマーに緻密に充填されるという観点から、本発明において用いられる酸化金属ナノ粒子は球状であることが好ましい。
【0024】
また、前記酸化金属としては、例えば、酸化チタン、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、及びこれらの複合体が挙げられ、これらの中では、透過率及び屈折率の高いナノコンポジットが得られやすいという観点から、酸化チタンが好ましい。また、酸化チタンとしては特に制限されず、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型、非晶質のもの、又はこれらの混合物を用いることができる。
【0025】
次に、本発明において用いられる多価カルボン酸について説明する。本発明において用いられる多価カルボン酸としては、後述の溶媒及び前記酸化金属ナノ粒子と親和性を有し、前記酸化金属ナノ粒子の表面を修飾することができ、分子中にカルボキシル基を二つ以上有する化合物であればよい。このような化合物としては、後述の多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物、との反応性が高いという観点から、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、デカン二酸、ノナン二酸、オクタン二酸、ヘプタン二酸、ヘキサン二酸、ペンタン二酸、ブタン二酸、プロパン二酸、エタン二酸、フェニレン二酢酸、ペンタントリカルボン酸、アダマンタン二酢酸、シクロヘキサン二酢酸及びテトラカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一つの化合物が好ましく、これらの中では、屈折率の高いナノコンポジットが得られやすいという観点から、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。
【0026】
次に、本発明において用いられる溶媒について説明する。本発明において用いられる溶媒としては、前記多価カルボン酸に表面を修飾された前記酸化金属ナノ粒子を均一に分散させられるものであればよく特に制限されないが、前記多価カルボン酸の溶解性が高いという観点から、極性溶媒であることが好ましい。また、本発明において用いられる極性溶媒としては、高温での重合反応が可能であるという観点から、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン又はN,N−ジメチルホルムアミドであることがより好ましい。
【0027】
次に、本発明において用いられる多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物について説明する。本発明において用いられる多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物としては、前記多価カルボン酸と反応し結合することで有機ポリマーを形成することが可能な化合物であればよく特に制限されないが、前記多価カルボン酸との反応性が高いという観点から、多価アルコール、多価チオール及びエポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【0028】
さらに、前記多価アルコールとしては、1分子中に2個以上の水酸基を有していればよく特に制限されないが、前記多価カルボン酸との反応効率が高いという観点から、グリセリン、プロパンジオール、キシレングリコール、エチレングリコール、フロログルシノール、レソルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、ヘキサンジオール、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシベンゼン、フェニルエチレングリコール、ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びトリヒドロキシアントラセンからなる群から選択される少なくとも一つの化合物が好ましく、これらの化合物の中では、汎用性があり、得られるナノコンポジットの屈折率を制御しやすいという観点から、グリセリン、ベンゼンジメタノールがより好ましい。
【0029】
また、前記多価チオールとしては1分子中に2個以上のチオール基を有していればよく特に制限されないが、屈折率の高いナノコンポジットが得られやすいという観点から、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ベンゼンジチオール及びヒドロキシベンゼンチオールからなる群から選択される少なくとも一つの化合物が好ましい。
【0030】
また、前記エポキシ化合物としては1分子中に1個以上のエポキシ基を有していればよく特に制限されないが、前記多価カルボン酸との反応性が高いという観点から、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3−ブタジエンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの化合物が好ましく、これら化合物の中では、汎用性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることがより好ましい。
【0031】
本発明のナノコンポジットの製造方法においては、先ず、前記酸化金属ナノ粒子と、分散剤としての多価カルボン酸とを溶媒に添加して、前記酸化金属ナノ粒子の表面を前記多価カルボン酸により修飾することによって、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒に分散せしめて酸化金属ナノ粒子分散液を得る。
【0032】
前記溶媒に添加する前記多価カルボン酸の配合量としては、前記酸化金属ナノ粒子の表面積に対して、22〜350μmol/mであることが好ましく、22〜100μmol/mであることがより好ましい。前記配合量が前記下限未満だと、前記酸化金属ナノ粒子の分散効果が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、屈折率の高いナノコンポジットが得られにくい傾向にある。
【0033】
また、前記溶媒に添加する前記酸化金属ナノ粒子の配合量は、前記溶媒100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましい。前記配合量が前記下限未満だと、前記酸化金属ナノ粒子の濃度が薄いため前記酸化金属ナノ粒子の分散効率が悪くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、前記酸化金属ナノ粒子分散液がペースト状となり前記酸化金属ナノ粒子の分散効率が悪くなる傾向にある。
【0034】
また、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒に分散させる方法としては特に制限はなく、例えば、ビーズミル、ジェットミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、ボールミル、サンドミル、超音波ホモジナイザーによる分散方法が挙げられる。このような方法の中では、コスト及び消費するエネルギーが低く、前記酸化金属ナノ粒子の分散効率が高いという観点から、ビーズミルによる分散方法が好ましい。
【0035】
さらに、本発明において用いられるビーズミルによる分散方法としては、プロペラ等の回転によって運動エネルギーを与えられたビーズと前記酸化金属ナノ粒子とが衝突することにより、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒中に均一に分散させることのできる方法であればよく、分散に用いるビーズとしては特に制限はなく、例えば、酸化ジルコニウム粒子、ガラス粒子、酸化アルミニウム粒子が挙げられる。また、これらビーズの粒子径としては特に制限されないが、10〜200μmであることが好ましい。
【0036】
さらに、ビーズミルによる分散の際のプロペラ等の回転速度としては特に制限はないが、周速100〜300m/分であることが好ましい。
【0037】
また、ビーズミルによる分散の際の温度としては特に制限はないが、50〜80℃であることが好ましく、ビーズミルによる分散の処理時間としては特に制限はないが、90〜900分であることが好ましい。
【0038】
次に、本発明のナノコンポジットの製造方法においては、前記酸化金属ナノ粒子分散液に前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を添加して、前記多価カルボン酸のうち前記酸化金属ナノ粒子の表面修飾に用いられなかった余剰の多価カルボン酸と前記化合物とを反応させることによって有機ポリマーを得る。
【0039】
前記余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物との混合比(前記余剰の多価カルボン酸:前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物)は、モル比で10:1〜1:10であることが好ましく、2:1〜1:2であることがより好ましい。前記混合比が前記下限未満である場合又は前記上限を超えた場合、透過率及び屈折率の高いナノコンポジットが得られにくい傾向にある。
【0040】
また、前記酸化金属ナノ粒子分散液は、透過率及び屈折率の高いナノコンポジットが得られやすいという観点から、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を添加する前に遠心分離を施し、沈降した酸化金属ナノ粒子の凝集体等を除去しておくことが好ましい。
【0041】
さらに、前記余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物とを反応させる条件としては特に制限されないが、130〜250℃で30〜300分間程度反応せしめることが好ましい。
【0042】
また、前記余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物との反応の際に、前記溶媒を加熱処理等により除去することが好ましい。
【0043】
次に、本発明のナノコンポジットについて説明する。本発明のナノコンポジットは、有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットであって、前記有機ポリマーが余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物とを反応せしめて得られたものであることを特徴とするものである。
【0044】
本発明のナノコンポジットは、前述の本発明において用いられる酸化金属ナノ粒子、多価カルボン酸及び前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を用いて得られるものであり、余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物とを反応せしめて得られた有機ポリマーを母材とするものである。
【0045】
本発明において用いられる有機ポリマーとしては、例えば、前記余剰の多価カルボン酸と前記多価アルコール又は前記エポキシ化合物とを反応せしめて得られたポリエステル樹脂、前記余剰の多価カルボン酸と前記多価チオールとを反応せしめて得られたポリチオエステル樹脂が挙げられる。
また、本発明のナノコンポジットとしては、前記ナノコンポジット100容量%に対して前記酸化金属ナノ粒子の含有量は0.5〜35容量%であることが好ましい。前記含有量が前記下限未満だと、屈折率が低くなり過ぎ、ナノコンポジットとしてのメリットを活かしにくい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、本発明のナノコンポジットの透過率及び屈折率は低くなる傾向にある。
【実施例】
【0046】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
酸化チタン(TiO)ナノ粒子(Nanostructured & Amorphous Materials社製、一次粒子径:10nm、アナターゼ型、球状、比表面積:120m/g)2g、フタル酸1g、ジメチルスルホキシド50mlを、酸化ジルコニウムビーズ(東ソー株式会社製、製品名「TZ−B53」、粒子径:38〜75μm)300gと共に500mlフラスコに投入し、フラスコ内のプロペラを周速120m/分の回転速度で回転させ、60℃に加熱しながら、5時間以上、酸化チタンナノ粒子、フタル酸及びジメチルスルホキシドからなる混合溶液が半透明になるまで攪拌し、フタル酸によって修飾された酸化チタンナノ粒子をジメチルスルホキシド中に分散させた後、フラスコ内をジメチルスルホキシド25mlで2回洗浄し、酸化チタンナノ粒子分散液を得た。得られた酸化チタンナノ粒子分散液を14000rpmで10分間回転させ、遠心分離し、上澄みを約90ml回収した。得られた上澄み液にグリセリンを0.23g添加した後、スライドグラス上に塗布し、160℃で3時間ベーキングし、フィルム状のポリエステル樹脂を母体とするナノコンポジット(酸化チタンナノ粒子の体積分率:約30容量%、厚さ:約3μm)を得た。
【0048】
(実施例2)
酸化チタン(TiO)ナノ粒子(MTI Corporation製、製品名:NP−TiO−R−20、一次粒子径:20nm、ルチル型、球状、比表面積:>30m/g)1.5g、2,3−ナフタレンジカルボン酸0.3g、ジメチルスルホキシド50mlを、酸化ジルコニウムビーズ(東ソー株式会社製、製品名「TZ−B53」、粒子径:38〜75μm)300gと共に500mlフラスコに投入し、フラスコ内のプロペラを周速130m/分の回転速度で回転させ、70℃に加熱しながら、5時間以上、酸化チタンナノ粒子、2,3−ナフタレンジカルボン酸及びジメチルスルホキシドからなる混合溶液が半透明になるまで攪拌し、2,3−ナフタレンジカルボン酸によって修飾された酸化チタンナノ粒子をジメチルスルホキシド中に分散させた後、フラスコ内をジメチルスルホキシド25mlで2回洗浄し、酸化チタンナノ粒子分散液を得た。得られた酸化チタンナノ粒子分散液を11000rpmで10分間回転させ、遠心分離し、上澄みを約90ml回収し、回収した上澄み液にベンゼンジメタノールを0.14g添加し混合した。得られた混合溶液0.5mlに、2,3−ナフタレンジカルボン酸とベンゼンジメタノールとの混合溶液(1mmol/ml、2,3−ナフタレンジカルボン酸:ベンゼンジメタノール(モル比)=1:1)0.1mlを更に添加し混合した後、スライドグラス上に塗布し、210℃で3時間ベーキングし、フィルム状のポリエステル樹脂を母体とするナノコンポジット(酸化チタンナノ粒子の体積分率:約20容量%、厚さ:約2μm)を得た。
【0049】
(実施例3)
酸化チタン(TiO)ナノ粒子(Nanostructured & Amorphous Materials社製、一次粒子径:10nm、アナターゼ型、球状、比表面積:120m/g)2g、フタル酸1g、ジメチルスルホキシド50mlを、酸化ジルコニウムビーズ(東ソー株式会社製、製品名「TZ−B53」、粒子径:38〜75μm)300gと共に500mlフラスコに投入し、フラスコ内のプロペラを周速120m/分の回転速度で回転させ、60℃に加熱しながら、5時間以上、酸化チタンナノ粒子、フタル酸及びジメチルスルホキシドからなる混合溶液が半透明になるまで攪拌し、フタル酸によって修飾された酸化チタンナノ粒子をジメチルスルホキシド中に分散させた後、フラスコ内をジメチルスルホキシド25mlで2回洗浄し、酸化チタンナノ粒子分散液を得た。得られた酸化チタンナノ粒子分散液を14000rpmで10分間回転させ、遠心分離し、上澄みを約90ml回収した。得られた上澄み液1mlにビスフェノールA型エポキシ樹脂の一種である2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)−プロパンを10mg添加した後、スライドグラス上に塗布し、150℃で3時間ベーキングし、フィルム状のエポキシ樹脂を母体としたナノコンポジット(酸化チタン粒子の体積分率:約15容量%、厚さ:2〜3μm)を得た。
【0050】
(比較例1〜3)
酸化チタンナノ粒子を用いなかった以外は実施例1〜3と同様にして有機ポリマーを作製した。すなわち、比較例1においてはフタル酸とグリセリンとの生成物であるフィルム状のポリエステル樹脂(厚さ:2〜3μm)を、比較例2においては2,3−ナフタレンジカルボン酸とベンゼンジメタノールとの生成物であるフィルム状のポリエステル樹脂(厚さ:2〜3μm)を、比較例3においてはフタル酸と2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)−プロパンとの生成物であるフィルム状のエポキシ樹脂(厚さ:4〜5μm)を各々得た。
【0051】
(比較例4)
実施例3で得られたナノコンポジットの比較対象として、多価カルボン酸を用いずにナノコンポジットを作製した。すなわち、酸化チタン(TiO)ナノ粒子(Nanostructured & Amorphous Materials社製、一次粒子径:10nm、アナターゼ型、球状、比表面積:120m/g)1g、デカン酸0.51g、ジメチルスルホキシド50mlを、酸化ジルコニウムビーズ(東ソー株式会社製、製品名「TZ−B53」、粒子径:38〜75μm)300gと共に500mlフラスコに投入し、フラスコ内のプロペラを周速140m/分の回転速度で回転させ、60℃に加熱しながら、5時間以上、酸化チタンナノ粒子、デカン酸及びジメチルスルホキシドからなる混合溶液が半透明になるまで攪拌し、デカン酸によって修飾された酸化チタンナノ粒子をジメチルスルホキシド中に分散させた後、フラスコ内をジメチルスルホキシド25mlで2回洗浄し、酸化チタンナノ粒子分散液を得た。得られた酸化チタンナノ粒子分散液を14000rpmで10分間回転させ、遠心分離し、上澄みを約95ml回収した。得られた上澄み液0.8mlにビスフェノールA型エポキシ樹脂の一種である2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)−プロパン0.5gと、無水フタル酸−ジメチルスルホキシド溶液(無水フタル酸0.15gをジメチルスルホキシド1mlに溶解させたもの)0.02mlとを添加した後、スライドグラス上に塗布し、150℃で3時間ベーキングし、フィルム状のエポキシ樹脂を母体としたナノコンポジット(酸化チタン粒子の体積分率:13〜14容量%、厚さ:7〜8μm)を得た。
【0052】
(比較例5)
比較例4の比較対象として、酸化チタンナノ粒子を用いなかった以外は比較例4と同様にして有機ポリマーを作製した。すなわち、比較例5においては無水フタル酸と2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)−プロパンとの生成物であるフィルム状のエポキシ樹脂(厚さ:5〜6μm)を得た。
【0053】
このようにして得られた各ナノコンポジット及び各有機ポリマーについて、以下の評価を行った。
【0054】
(透過率測定)
波長594nmにおける光の透過率を、分光光度計(Shimadzu社製、製品名「UV−3100」)を用いて、各ナノコンポジット及び各有機ポリマーについて測定した。得られた結果を表1に示す。また、実施例1で得られたナノコンポジットについては、300〜1600nmの波長領域における光の透過率を測定した。得られた結果を図1に示す。
【0055】
(屈折率測定)
波長594nmにおける光の屈折率を、屈折計(Metricon社製、製品名「2010/M」)を用いて、温度25℃の条件下で各ナノコンポジット及び各有機ポリマーについて測定した。得られた結果を表1に示す。また、実施例1で得られたナノコンポジット及び比較例1で得られた有機ポリマーについては、波長407nm及び782nmにおける光の屈折率も測定した。得られた結果を図2に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
表1、図1及び図2に示した結果から明らかなように、本発明の製造方法によって得られたナノコンポジット(実施例1〜3)は、各々のナノコンポジットの母材である有機ポリマー(比較例1〜3)と比較して、同等の透過率を有しており、屈折率は高いものであった。
【0058】
また、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)−プロパンと、フタル酸又は無水フタル酸との生成物を母材とするナノコンポジットにおいて、表1に示した結果から明らかなように、本発明の製造方法によって得られたナノコンポジット(実施例3)は、実施例3で得られたナノコンポジットの母材である有機ポリマー(比較例3)と比較して透過率において3%低くなっており、屈折率において0.14高くなっていた。一方、本発明の製造方法を用いずに得られたナノコンポジット(比較例4)は、比較例4で得られたナノコンポジットの母材である有機ポリマー(比較例5)と比較して透過率において4%低くなっており、屈折率において0.11高くなっていた。すなわち、本発明の製造方法によって、余剰の分散剤による有機ポリマー(ナノコンポジットの母材)における透過率の低減を約25%抑制することができ、しかもナノコンポジットの屈折率が約27%向上することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、ナノコンポジットの母材である有機ポリマーの透過率を損なわずに高屈折率を有するナノコンポジットを提供することが可能となる。
【0060】
したがって、本発明のナノコンポジット並びにその製造方法は、高い透過率及び高い屈折率を有するため、光導波路の作製、レンズの作製及び反射防止膜(AR)コーティング等として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットの製造方法であって、
前記酸化金属ナノ粒子と、分散剤としての多価カルボン酸とを溶媒に添加して、前記酸化金属ナノ粒子の表面を前記多価カルボン酸により修飾することによって、前記酸化金属ナノ粒子を前記溶媒に分散せしめて酸化金属ナノ粒子分散液を得る工程と、
前記酸化金属ナノ粒子分散液に前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物を添加して、前記多価カルボン酸のうち前記酸化金属ナノ粒子の表面修飾に用いられなかった余剰の多価カルボン酸と前記化合物とを反応させることによって前記有機ポリマーを得る工程と、
を含むことを特徴とするナノコンポジットの製造方法。
【請求項2】
前記酸化金属ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項3】
前記多価カルボン酸は、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、デカン二酸、ノナン二酸、オクタン二酸、ヘプタン二酸、ヘキサン二酸、ペンタン二酸、ブタン二酸、プロパン二酸、エタン二酸、フェニレン二酢酸、ペンタントリカルボン酸、アダマンタン二酢酸、シクロヘキサン二酢酸及びテトラカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項4】
前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物は、多価アルコール、多価チオール及びエポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項5】
前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物は、グリセリン、プロパンジオール、キシレングリコール、エチレングリコール、フロログルシノール、レソルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、ヘキサンジオール、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシベンゼン、フェニルエチレングリコール、ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、トリヒドロキシアントラセン、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ベンゼンジチオール、ヒドロキシベンゼンチオール、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3−ブタジエンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項6】
前記溶媒は極性溶媒であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項7】
前記多価カルボン酸の配合量は、前記酸化金属ナノ粒子の表面積に対して、22〜350μmol/mであることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項8】
前記余剰の多価カルボン酸と前記化合物との混合比(前記余剰の多価カルボン酸:前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物)がモル比で10:1〜1:10であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジットの製造方法。
【請求項9】
有機ポリマーと、前記有機ポリマーに分散している酸化金属ナノ粒子とを備えるナノコンポジットであって、前記有機ポリマーが余剰の多価カルボン酸と、前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物とを反応せしめて得られたものであることを特徴とするナノコンポジット。
【請求項10】
前記酸化金属ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子であることを特徴とする請求項9に記載のナノコンポジット。
【請求項11】
前記多価カルボン酸は、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、デカン二酸、ノナン二酸、オクタン二酸、ヘプタン二酸、ヘキサン二酸、ペンタン二酸、ブタン二酸、プロパン二酸、エタン二酸、フェニレン二酢酸、ペンタントリカルボン酸、アダマンタン二酢酸、シクロヘキサン二酢酸及びテトラカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項9又は10に記載のナノコンポジット。
【請求項12】
前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物は、多価アルコール、多価チオール及びエポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項9〜11のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジット。
【請求項13】
前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物は、グリセリン、プロパンジオール、キシレングリコール、エチレングリコール、フロログルシノール、レソルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、ヘキサンジオール、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシベンゼン、フェニルエチレングリコール、ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、トリヒドロキシアントラセン、ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ベンゼンジチオール、ヒドロキシベンゼンチオール、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3−ブタジエンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項9〜11のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジット。
【請求項14】
前記多価カルボン酸の配合量は、前記酸化金属ナノ粒子の表面積に対して、22〜350μmol/mであることを特徴とする請求項9〜13のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジット。
【請求項15】
前記余剰の多価カルボン酸と前記化合物との混合比(前記余剰の多価カルボン酸:前記多価カルボン酸と結合し得る官能基を有する化合物)がモル比で10:1〜1:10であることを特徴とする請求項9〜14のうちのいずれか一項に記載のナノコンポジット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−178841(P2011−178841A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42415(P2010−42415)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「国際共同研究先導調査事業(研究者派遣型国際共同研究調査事業)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】