説明

ナノパターンの電着

【課題】 ナノパターンの電着を提供する。
【解決手段】 本開示は、一般に、ナノパターンを電着するための技術に関する。より具体的には、周期構造を複雑なナノパターンで製作するためのシステムと方法について説明する。基板の表面の周囲に位置する1つまたは複数の電極に電気信号を印加することができる。印加電気信号に関連する1つまたは複数のパラメータ(周波数、振幅、周期、デューティサイクル等のうちの1つまたは複数を含む)により蒸着パターンの周期に影響を与えることができる。上述のパラメータは基板に蒸着される各線の重量に影響を与えることができ、電極の数、形状および位置はパターンの形状に影響を与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノパターンの電着に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
間隔の狭い配線は、共振器構造、光学機器、または光電子機器など様々な用途において有用である。共振器構造では、このような配線は薄膜バルク音響共振器(FBARまたはTFBAR)にとって有用であろう。光学機器では、導波管をドープするためにこのような配線を使用することができる。光電子機器では、圧電膜上にこのような配線の電極アレイを設けることができ、プラズモンまたは他の制御励起子を発射して光変調を行うためにこのような配線の電極アレイを使用することができる。
【0003】
一般的に、間隔の狭い配線等のナノスケール金属格子を電気めっきするためには光学マスクが使用される。より具体的には、金属の薄層が電着され、次に配線は光学マスクを使用しエッチングされる。このような光学マスクは高価であり得る。直接電気めっきするために、配線は通常、複雑なパターンを有さない縦方向に狭い間隔の配線として設けられる。さらに、このような電気めっき方法は通常、フォトレジストのスピン工程、洗浄工程、ベーキング工程、または他の支援工程を使用する。
【0004】
本開示の前述のおよび他の特徴は、添付図面と併せ、以下の説明と添付の特許請求の範囲から十分に明らかになるであろう。これらの図面は本開示によるいくつかの例だけを示し、したがって本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。本開示は、添付図面を用いることによりさらに具体的かつ詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
【図1】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、基板上の格子の電着方法を例示する。[0005]
【図2A】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、電気めっきシステムを示す。[0006]
【図2B】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、電着用に構成された例示的コンピュータ装置900を示すブロック線図である。[0007]
【図3A】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、異なる電位領域を有する成形電極を示す。[0008]
【図3B】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、図3Aの成形電極により発生された例示的パターンを示す。[0009]
【図4】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、ナノパターンを電着するための電極アレイを示す。[0010]
【図5A】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、ナノパターンの電着システムによる処理フロー図である。[0011]
【図5B】本開示の少なくともいくつかの例にしたがって構成される、ナノパターンの電着システムによる、基板全体にわたる処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0012]
詳細な説明
本明細書に記載の例においては以下の参照符号が使用される。ナノパターンの電着方法10は1つまたは複数の工程12、14、16、18を含むことができる。ナノパターンの電着システム30は、1つまたは複数の電極32、32a、32b、電源34、タンク36、電解液38、プロセッサ65、電源から電極までの接続60、プロセッサから電源までの接続67、基板40、電極配置領域42、および/または等電位線44を含むことができる。電極アレイ50は複数の電極52a−52fを含むことができる。ナノパターンの電着方法の処理フローは、電源から電極までのフロー方向61、電極から基板全体にわたる処理フロー方向63、電着線の方向64、および/または電着方向66のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0007】
[0013]
以下の詳細な説明では、説明の一部を構成する添付図面を参照する。添付図面では、文脈が規定しない限り同様の符号は通常、同様の構成部品を特定する。詳細な説明、添付図面、および特許請求範囲に記載する具体的な例は限定することを意味しない。本明細書で提示された主題の主旨または範囲から逸脱することなく他の例を使用することができ、また他の変更を行うことができる。本明細書に一般に説明されまた添付図面に示された本開示の態様は、そのすべてが明示的また暗示的に本明細書で考察される多種多様な構成で、構成、置換、合成、分離、および設計されてよいということが容易に理解されるであろう。
【0008】
[0014]
本開示は、とりわけ、ナノパターンを電気めっきする工程、具体的には周期構造を複雑なナノおよびマイクロパターンで製作する工程に概して関係する方法、装置、コンピュータプログラム、およびシステムに関する。複数の電極および/または成形電極を用いて基板上に周期構造の複雑なナノおよびマイクロパターンを製作する技術について説明する。いくつかの例では、シリコン基板上に導電材料(例えばナノスケールの銅線)等のナノスケール金属格子をパターン化することができる。したがって、光学マスクを用いることなくナノパターンを複雑な形状で電気めっきする様々な方法とシステムについて一般に開示する。本開示はナノスケール導電パターンとナノスケール金属格子の特定の複雑な形状に特に言及するが、本明細書で開示されたシステムと方法は、ナノおよびマイクロパターンの様々な材料を電気めっきするために使用され得、および様々な用途に使用され得ることを理解すべきである。
【0009】
[0015]
基板上に材料を比較的簡単かつ効果的に電着することができる。いくつかの例では、基板上にめっき材料の薄い層をめっきするために直流定電流を使用することができる。薄層セルでは、金属の電着により、不規則な形態構造を有する集合体(ナノ配線、薄い金属、デンドライト等を含む)を生成することができる。一般に、ナノ配線はナノメートル(10−9メートル)程度の直径を有するナノ構造体である。あるいは、ナノ配線は、数十ナノメートル以下に制限された横方向大きさと無制限の縦方向大きさとを有する構造と考えられる。ナノ配線は、金属(例えばNi、Pt、Au)、半導体(例えばSi、InP、GaN等)、または絶縁体(例えばSiO、TiO)等、様々であってよい。いくつかの例では、金属材料は蒸着され、層をパターン化するためにこの金属材料を使用することができる。小型回路等のコンピュータ装置、共振器構造、光学機器、光電子機器において、および導波管のパターニングにおいてナノ配線を使用することができる。導波管などのいくつかの用途では、ナノ構造を複雑なパターン(直線、曲線、面取り曲り、直角曲り、曲線曲り、丸形状、楕円形状、螺旋形状、および他の一般的な多角形パターン等の非連続または連続形状の任意の組み合わせを含む)で形成することは有用であろう。
【0010】
[0016]
基板上のナノ構造の成長形態に影響を与え得る多くの要因が存在する。例えば、印加電流信号の周波数、印加電流信号の周波数を変化させること、複数の電極を使用すること、および/または成形電極を使用すること、により成長形態に影響を与えることができる。印加電流の周波数は線の周期を決定することができる。したがって、特定の周波数は結果的に特定の周期となると考えられる。蒸着中の周波数の変化は結果的に線の周期の変化となると考えられる。あるいは、印加電流信号の周波数は一定に保たれ、特定周期に合わせて選択されてよい。したがって、いくつかの実施形態では、直流めっき電流または長期にわたって連続印加される他の電流等一定めっき電流を印加する代わりに、電気めっき溶液内のイオンを局所的に減少させるパルス電流を使用することができる。様々な例では、パルス電流は関連するパルス周波数を有する交流信号であってよい。一般に、印加電位の周波数を変化させて電着のパターンを制御することができる。具体的な例では、半正弦波または正弦波の電位を、所与の選択周波数における周波数で(単一周期の線用)、あるいは周波数を変化させて(周期が変化する線用)印加することができる。別の例では、パルス電流はほぼ正弦波形を有する任意の電流信号であってもよく、ゲート制御でオンオフされる正弦波信号であってもよく、あるいはパルスでオンオフされる直流電流信号であってもよい。このような電流により基板上に間隔の狭い配線を実現できる。いくつかの別の実施形態では、基板上の配線の形状に影響を及ぼすために成形電極を使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、成形電極とパルス電流を使用して基板上に間隔の狭い配線を複雑な形状で設けることができる。本明細書に記載の様々な例では、2以上の電極(例えば2〜10以上の電極)を使用してもよく、あるいは電極間で極性を交互に変えてもよく、あるいは他の要因を変化させて複雑な形状のグリッドとしてもよい。
【0011】
[0017]
電気めっきは、所望の材料のカチオンを溶液から減少させるとともに導電物質などの基板上に金属などの材料の薄層を蒸着するために電流を使用することができる。電気めっきで使用される処理は電着と呼ばれることがある。従来はパターンを実現するために、材料は電気めっきされ、次に光学マスクを使用することによりエッチングされた。このようなエッチングとは対照的に、本明細書に記載の様々な例によると、材料を複雑なパターンで蒸着することができる。
【0012】
[0018]
本明細書に記載の様々な実施形態によると、複雑な形態構造を有するナノおよびマイクロスケールのパターンを形成するために成形電極または一組の成形電極を使用することができる。例えば、チャープ状(chirped)、曲線状、または他の形状のパターンを形成することができる。いくつかの例によると、電気めっきによりナノ寸法の構造(nanofeatures)(ナノ寸法の金属配線等)の非直線パターン(曲線パターンまたは凸凹パターン等)を形成することができる。
【0013】
[0019]
図1には、本開示の少なくともいくつかの例による、基板上に格子を電着する方法10を示す。電着は、めっき材料を含む電解液に電流を通すことにより基板上に金属または他の材料などのめっき材料を蒸着できる電気化学的方法である。図示のように、工程12で材料を含む電解液を供給し、工程14で電解液中に基板を少なくとも部分的に浸漬し、工程16で複数の成形電極を基板に対応付け、工程18で電流を基板全体に印加することにより材料をあるパターンで基板上に蒸着することができる。電流はパターンの周期に合わせて選択された周波数で印加されてよい。
【0014】
[0020]
より具体的には、蒸着対象の材料を含む電解液を供給することができる。電解液は基板を収容するのに好適なタンク内に供給されてよい。基板は蒸着対象の材料を含む電解液内に置かれてよい。基板は完全にまたは部分的に浸漬されてよい。電極を基板に接触させる等により電極を基板に対応付けることができ、次に電流が印加される。
【0015】
[0021]
いくつかの例では、基板は陰極として働くことができる。電流を印加すると、溶液からの正の金属イオンを基板上に蒸着することができる。ある周波数で電流を印加する(選択周波数で半正弦波の電位を印加する等)ことにより材料を格子パターン等の周期パターンで蒸着することができる。別の例では、他の波形パターン(例えばパルス信号等)を使用することができる。さらに、蒸着中に印加電流の周波数(すなわち周期)を変えることができる。一般に、選択周波数を有する半正弦波等の波形を印加することにより、いくつかの領域を空乏化するとともに他の領域では安定電位を与え、これにより等電位線全体にわたる格子線を生成することができる。
【0016】
[0022]
蒸着の線の周期は、幅の狭い成長パターンを有する高周波の印加電圧の周波数に対応するものと考えられる。電極の形状および位置は、格子線が複雑かつ予測可能となるように特定の等電位に合わせて選択されてよい。こうして印加電圧の周波数に対応する位置の等電位線に沿って格子線を蒸着することができる。様々な例では、周波数は0.4〜1.2Hzの範囲であってよい。一例では、周波数は0.8Hzであってよい。
【0017】
[0023]
一般に、蒸着される物質の重量はタンク内を流れる電流の量に比例する。したがって、高レベルの電流により蒸着材料の重量を増すことができる。いくつかの例では、陽極は、電解液から蒸着イオンを補充するのに適した犠牲陽極であってよい。他の例では、非消耗材料で陽極を形成することができ、また溶液を補充することができる。
【0018】
[0024]
いくつかの例では、電着に対する適応性を高めるために基板を用意することができる。例えば、基板は洗浄されてもよく、親水性被膜で覆われてもよく、金等の導電性皮膜で覆われてもよく、電気めっきシード層で覆われてもよく、あるいは他の方法で用意されてもよい。さらに、基板は電着前またはその後に最終用途に合わせ寸法決めされ成形されてよい。したがって、いくつかの例では、材料を複雑なパターンで電着する前に基板をチップサイズに切断または細分化することができる。他の例では、基板はモノリシック片で供給され、その上に材料を複雑なパターンで電着し、その後、基板は用途に適した大きさに切断または細分化されてよい。
【0019】
[0025]
したがって、電極(いくつかの電極を含む)の形状と位置はパターンの形状に影響を与え、一方、印加信号(例えば、電流または電圧または定常波)の周波数はパターンの周期に影響を与え、印加信号のレベル(例えば、電流、電圧、または定常波の大きさ)は材料の蒸着レベルに影響を与えることができる。したがって、様々な例によると、様々な数の電極が使用され、様々な形状の電極が使用され、様々な周波数が使用され、および/または様々な電流レベルが使用されてよい。所望の蒸着パターンに基づきこれらの要素の1つまたは複数を選択することができる。
【0020】
[0026]
一般に、多周波共振器は圧電材料で製作されてよい。いくつかの例では、バルク音響共振器および/またはバルク音波共振器を製作することができる。印加信号が圧電材料の周波数と一致する周波数を有すると、好適な共振を実現することができる。あるいは、様々な周波数信号の配列(例えば信号のスペクトル)または複合共振器を製作してもよい。様々なパターンの電極(上述のめっきを使用して蒸着される、異なる間隔の線等)を使用してこのような装置を製作することができる。例えば、周波数は第1の期間中は約0.4Hzに保持され、第2の期間中は約0.8Hzに保持され、第3の期間中は約1.2Hzに保持されてよい。したがって、蒸着される線の周期を、1つの周期が0.4Hzに、別の周期が0.8Hzに、さらに別の周期が1.2Hzになるように変えることができる。いくつかの例では、一方の電極はグラウンドに保持され、他方の電極にはパルス信号(ゲート制御されてオン/オフされ得るAC信号あるいはパルス制御されてオン/オフされ得るDC信号)を印加することができる。一般に、印加電流は非常に小さくてよい(数ミリアンペアまたは数ナノアンペア等)。例えば、基板がほぼチップサイズである場合は数ナノアンペアを使用し、基板がほぼウェーハサイズである場合は数ミリアンペアを使用することができる。
【0021】
[0027]
図2Aに、本開示の少なくともいくつかの例による電気めっきシステムを示す。図示のように、電気めっきシステム30は、1つまたは複数の電極32(例えば、陽極と陰極を含む)、信号発生器または電源34、タンク36(めっきタンクとも呼ぶ)、電解液38、およびプロセッサ65を含むことができる。タンク36はプラスチック材料等の一般に非金属の材料で製作されてよい。電解液38はタンク36中に供給される。電解液38はイオン形態でめっきされる金属材を含むことができる。例えば、銅めっきでは、電解液38は分析用試薬CuSOとミリポア水を含んでよい。一実施形態では、CuSO電解液の濃度は約0.05Mであってよく、電解液のpHは約2.4であってよい。信号発生器または電源34は1つまたは複数の電極32の少なくとも1つに電気信号または電流を印加するように構成されてよい。電源34は、1つまたは複数の電極32間に時変信号として電気信号を印加するように構成されてよい。このような時変信号は、連続的に変化する信号、周期的に変化する信号、あるいはその両方の重畳信号に対応することができる。あるいは、このような時変信号は、正弦波信号、パルス信号、またはその両方の重畳信号に対応することができる。周波数変調器(図示せず)またはパルス変調器(図示せず)は、印加電気信号に関係する周波数(および/またはパルス繰り返し数またはパルス幅)が調整され得るように信号発生器または電源34に関係付けられてよい。温度を制御する1つまたは複数の装置(ペルティエ素子や温度検知器等)を設けることができる(図示せず)。温度を低下させることにより、電解液38を凝固することができる。
【0022】
[0028]
材料を蒸着するために、基板40は電解液38に入れられる。基板に対する電極の配向は任意の好適な接触配向(例えば、基板上に電極を置くことを含む)であってよいことを理解すべきである。一般に、成形電極32は、直線パターンとは異なる形態構造を蒸着パターンに与えるために基板の表面の周囲に成形され配置されてよい。
【0023】
[0029]
いくつかの例では、基板の表面上にパターンを電気めっきするシステムは図2Aの電極32などの第1の成形電極と第2の成形電極を含むことができる。基板の表面は蒸着材料を受容するように構成されてよい。第1の成形電極は第1の場所において基板の表面の周囲に位置決めされてよく、また電気信号を受信するように構成されてよい。第2の成形電極は第1の場所とは異なる第2の場所における基板の表面の周囲に位置決めされてよい。第1の成形電極と第2の成形電極は、電気信号が第1の成形電極に印加されると、材料が所望パターンに従って基板の表面上に蒸着されるように導通経路が第1の成形電極と第2の成形電極間に形成されるように構成されてよい。いくつかの例では、複数の第1の成形電極および/または複数の第2の成形電極を設けることができる。
【0024】
[0030]
様々な例では、電源/信号発生器、周波数変調器(図示せず)、および/またはパルス変調器(図示せず)は、他の任意の波形パラメータに加えて、生成される波形の振幅、パルス持続時間(または幅)、パルス周期(または周波数)、デューティサイクル、および/または露光時間などの電気信号に関連する1つまたは複数のパラメータを変更するように構成されてよい。
【0025】
[0031]
いくつかの例では、本明細書に記載のシステムと方法はさらにコンピュータシステム(図示せず)を含むことができる。コンピュータシステムは、上述の処理の1つまたは複数の制御装置として動作するように構成されてもよく、および/または上述の処理に使用される他の装置の1つまたは複数を構成するようにされてよい。例えば、コンピュータシステムは、信号レベル、周波数、周期、パルス持続時間、デューティサイクル、露光時間、または1つまたは複数の電極32に印加される電気信号の他のある特性のうちの1つまたは複数を調整または制御するために信号発生器または電源34を駆動するようにされてよい。いくつかの例では、周波数変化により蒸着の一様性を増すことができる。1つの特定の例では、プロセッサ65は、信号発生器または電源34により供給される電流信号の周波数および/または信号レベルを制御するようにされてもよい。別の例では、信号発生器および/またはオシロスコープを使用することにより半正弦状の波形(例えば、印加正弦波形電圧)をプログラムすることができる。
【0026】
[0032]
図2Bは、本開示の少なくともいくつかの例による、電着用に構成された例示的コンピュータ装置900を示すブロック線図である。ごく基本的な構成901では、コンピュータ装置900は通常、1つまたは複数のプロセッサ910とシステムメモリ920とを含むことができる。プロセッサ910とシステムメモリ920間の通信にメモリバス930を使用することができる。
【0027】
[0033]
所望の構成に依存するが、プロセッサ910は、これらに限定されないがマイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはその任意の組み合わせを含む任意のタイプのものであってよい。プロセッサ910は、レベル1のキャッシュ911とレベル2のキャッシュ912などの1つまたは複数のレベルのキャッシュ、プロセッサコア913、およびレジスタ914を含むことができる。例示的プロセッサコア913は、演算装置(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、ディジタル信号処理コア(DSPコア)、またはその任意の組み合わせを含むことができる。例示的メモリコントローラ915はまたプロセッサ910と共に使用されてもよく、あるいはメモリコントローラ915はいくつかの実施形態ではプロセッサ910の内部部品であってもよい。
【0028】
[0034]
所望の構成に依存して、システムメモリ920は、これらに限定されないが揮発性メモリ(RAM等)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ等)あるいはその任意の組み合わせを含む任意のタイプであってよい。システムメモリ920は、オペレーティングシステム921、1つまたは複数のアプリケーション922、プログラムデータ924を含むことができる。アプリケーション922は、印加電気信号の1つまたは複数の周波数を生成するように構成されてよい周波数生成アルゴリズム923を含むことができる。プログラムデータ924は、特定の周期に対応する周波数を決定するために役立つであろう周波数周期データ925を含むことができる。いくつかの実施形態では、アプリケーション922は、所望周波数(および/または信号振幅、パルス繰り返し数等)を有する電気信号が蒸着の線の周期を変更または調整する上述の方法/処理/工程の1つまたは複数に合致する方法で1つまたは複数の電極に印加されるように、オペレーティングシステム921上のプログラムデータ924により動作するように構成されてよい。上述の基本構成は、図2Bでは破線901内のこれら部品により示される。
【0029】
[0035]
コンピュータ装置900は、付加的特徴または機能と、基本構成901と任意の必要な装置およびインタフェースとの間の通信を容易にする追加のインタフェースと、を有することができる。例えば、記憶装置インタフェースバス941を介した基本構成901と1つまたは複数のデータ記憶装置950間の通信を容易にするためにバス/インタフェースコントローラ940を使用することができる。データ記憶装置950は、着脱可能記憶装置951、固定型記憶装置952、またはその組み合わせであってよい。着脱可能記憶装置と固定型記憶装置の例としていくつかを挙げると、フレキシブルディスク駆動装置、ハードディスク駆動装置(HDD)などの磁気ディスク装置と、コンパクトディスク(CD)駆動装置またはディジタル多用途ディスク(DVD)駆動装置などの光ディスク駆動装置と、固体駆動装置(SSD:solid state drive)と、磁気テープ駆動装置などがある。例示的コンピュータ記憶装置媒体としては、コンピュータ読取り可能命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実現される揮発性および不揮発性および着脱可能および固定型の媒体が挙げられる。
【0030】
[0036]
システムメモリ920、着脱可能記憶装置951、固定型記憶装置952はすべてコンピュータ記憶装置媒体の例である。コンピュータ記憶装置媒体としては限定しないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、ディジタル多用途ディスク(DVD)または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、または所望の情報を格納するために使用されコンピュータ装置900によりアクセスすることができる他の任意の媒体が挙げられる。このような任意のコンピュータ記憶装置媒体は装置900の一部であってよい。
【0031】
[0037]
コンピュータ装置900はまた、バス/インタフェースコントローラ940を介した様々なインタフェース装置(例えば、出力インタフェース、周辺インタフェース、通信用インタフェース)から基本構成901までの通信を容易にするためのインタフェースバス942を含むことができる。例示的出力装置960としては、1つまたは複数のA/Vポート963を介し表示装置またはスピーカなどの様々な外部装置と通信するように構成されてよいグラフィック処理ユニット961と音声処理ユニット962が挙げられる。例示的周辺インタフェース970としては、1つまたは複数のI/Oポート973を介し入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置等)などの外部装置または他の周辺機器(例えば、プリンタ、スキャナ等)と通信するように構成されてよいシリアルインタフェースコントローラ971またはパラレルインタフェースコントローラ972が挙げられる。例示的通信装置980としては、1つまたは複数の通信ポート982を介したネットワーク通信リンク上の1つまたは複数の他のコンピュータ装置990との通信を容易にするように構成されてよいネットワークコントローラ981が挙げられる。
【0032】
[0038]
ネットワーク通信リンクは通信媒体の一例と考えられる。通信媒体は通常、コンピュータ読取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他の搬送機構等の変調データ信号内の他のデータにより具現化されてよい。この通信媒体の例としては任意の情報送達媒体が挙げられる。「変調データ信号」は1つまたは複数組の特性を有する信号であってもよく、あるいは情報を信号に符号化するような方法で変換されてもよい。限定しないが一例として、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)などの無線媒体と、その他の無線媒体とを含むことができる。本明細書で使用される用語「コンピュータ読取り可能媒体」は記憶媒体と通信媒体の両方を含むことができる。
【0033】
[0039]
コンピュータ装置900は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、個人用メディアプレーヤ装置、無線ウェブ視聴装置、個人用ヘッドセット装置、特殊用途装置、または上記機能の任意のものを含む複合装置などの小型携帯(または移動体)電子装置の一部として実現されてよい。コンピュータ装置900はまた、ラップトップコンピュータと非ラップトップコンピュータ構成の両方を含むパーソナルコンピュータとして実現されてよい。
【0034】
[0040]
通常、電気めっき用の電極は一様で均一な電気めっきとなるように設計されている。単一電極は、基板が陰極として働き陽極が単一の板状電極として設けられる多くの従来方法において使用されている。このような単一の板状電極とは対照的に、本明細書に記載の様々な技術の実施形態は、1つまたは複数の成形電極(いくつかの例における複数の電極対または複数の陽極を含む)を使用することができる。いくつかの例では、電極は約1mm以下の長さまたは直径であってよい。このような電極は小寸法に機械加工されてもよく、あるいは微細機械加工されてもよい。
【0035】
[0041]
図3Aには、本開示の少なくともいくつかの例による、異なる電位領域を有する成形電極を示す。図3Bには、図3Aの成形電極により生成されたパターンの一例を示す。図3Aには第1の電極32aと第2の電極32bを示す。図示のように、第1の電極32aと第2の電極32bは異なる大きさおよび/または形状を有することができ、したがって異なる電位(DCまたはAC)で保持された、異なる領域を有することができる。これらは「電位領域」と呼ばれることがある。一般に、2以上の電極を設けることにより、各電極の場所(図3Bに示す点42などの各電極に対応する)に対応する複数の点を設けることができる。点42は等電位線のノードを表す。図3Bに示すように、広範囲の等電位部は上側と下側に沿って設けられ、複雑なチャープ状領域はその右側に設けられる。様々な例では、チャープ状領域は単調でかつ滑らかに変化する空間周波数を有する領域を指すことがある。具体的な例では、少なくとも電極の形状は等電位線が密集した領域と等電位線が離間された領域とを生じさせるので、同じめっき周波数でチャープ状領域を生成することができる。図3Bにはさらに等電位領域または線44を示す。
【0036】
[0042]
電極は、所望の等電位線を形成するのに好適な任意の形状で形成されてよい。いくつかの例では、電極の形状は直線であり得る。あるいは電極の形状は弧を有する半円であり得る。利用される様々な形状と等電位線は、勾配電場におけるこのような線を追跡することにより決定される。等電位線をたどると、電気めっき中に蒸着形状の指標が得られる。等電位とは、領域内のすべての点が同電位にある空間の領域を指す。
【0037】
[0043]
n次元スカラーポテンシャル関数を(n−1)次元空間で視覚化するために等電位面を使用することができる。スカラーポテンシャルでは、等電位領域内の勾配はおよそ零である。これは電位の値に変化がないことによる。このことは、物体にかかる力はこの力のポテンシャル関数の勾配によりしばしば決定されるので物理学では重要である。例えば、等電位領域(すなわち、定電圧の領域)内には大きな電界はない。等電位線は各点における電位線に垂直な方向に等電位線を通過する勾配を有し得るということを理解すべきである。このような等電位領域内の荷電粒子は大きな電気力を受けない。したがって、電子を駆動する力は存在しないので等電圧の2点間に流れる電流は存在しない。
【0038】
[0044]
任意の好適な材料で電極を形成することができる。一般に、電極は、機械加工に好適な材料で、いくつかの例では微細機械加工に好適な材料で形成されてよい。したがって、例えば、電極はニッケル、銅または黒鉛を含む材料のうちの1つまたは複数で形成されてよい。電解液により空乏化することができる材料で形成された電極は再使用には好適ではないことがあるが、電解液により空乏化することができる材料で形成された電極は再使用に好適であろう。別の例では電極は再使用に好適な材料で形成されてよい。
【0039】
[0045]
その上に電気めっきすることができる限り、任意の好適な材料を基板として使用することができる。例えば、硝酸アルミニウム基板材料などのピエゾ電気基板を使用することができる。電子機器に対しては、基板上に金の薄層を設けることができる。電気めっき用の共通基板材料としては、時にはシード層を有する圧電材料、絶縁体上シリコン(酸化膜上シリコンなどのSOI)材料、酸化物材料および高分子材料が挙げられる。直線パターンとは異なる蒸着パターンの形態構造を生成するために電極を成形することができる。一般に、生成されるパターンは電極間の等電位に基づくと考えられる。いくつかの例では、設けられた1つまたは複数の電極はすべて同じ形状および寸法を有してよい。他の例では、少なくとも1つの寸法が複数の電極間で異なってもよい。
【0040】
[0046]
任意の好適な電解液を使用することができる。一般に、電解液は1つまたは複数の溶解金属塩と電気の流れを可能にする他のイオンとを含む。溶解金属塩は基板上に蒸着される材料を含む。
【0041】
[0047]
複雑な形状を有するナノパターンを基板上に形成するために本明細書に記載のシステムと方法を使用することができる。電子機器、光学機器および導波管を含む様々な用途に本明細書に記載のシステムと方法を使用することができる。導波管は一般的にはシリコンウェーハ上にパターン化され、複雑な多角形状と、多くの場合曲線形状とを有する。したがって、本明細書に記載のシステムと方法はアレイ導波管と曲線状導波管タイプの構造をパターン化するために有用であろう。一般に、パターンが、蒸着された材料の導電率が基板の導電率以下になる厚さに保たれた場合、本明細書に記載の処理を使用して追加のパターンを、蒸着された層の上に重ねて生成することができる。したがって、複雑な形状のグリッドを形成することができる。
【0042】
[0048]
図4には、本開示の少なくともいくつかの例による、基板40上に位置する複雑な電着パターンを生成するための一組の電極アレイ50の例を示す。図示の例では、電極52a−52fは半円として成形されている。他の例では、電極52a−52fは任意の好適な形状または大きさ(同一の形状/大きさまたは異なる形状/大きさのすべての電極を含む)を有してよいことを理解すべきである。図示のように、6つの電極52a−52fは1つの電極から次の電極まで描かれる線が閉ループを形成するように位置決めされてよい。これを本明細書では概して閉ループ構成と呼ぶことがある。このようなループは例えば円、楕円、正方形または矩形の形状であってよい。いくつかの例では、電極に対応付けられる極性は構成のループに沿って交互となるように構成されてよい。例えば、第1番目の電極52a、第3番目の電極52cおよび第5番目の電極52eは正極性を有し、第2番目の電極52b、第4番目の電極52dおよび第6番目の電極52fは負極性を有してよい。これより多いまたは少ない電極がこのような閉ループ構成で設けられてもよく、電極の数は偶数であっても奇数であってもよいことを理解すべきである。
【0043】
[0049]
図5Aと5Bには、本開示の少なくともいくつかの例により設けられた電着システムを使用する工程フローを図示する。図示のように、電力は電力発生器34において発生され、電極32に至る矢印61の方向に接続60に沿って電気信号として渡される。いくつかの例では、電極32は第1の成形電極と第2の成形電極として設けられてよく、電気信号が第1の成形電極により受信されると材料が所望パターンに従って基板の表面上に蒸着されるように導通経路が第1の成形電極と第2の成形電極間に形成されるようにする。他の例では、電極32は電気信号が電極32のそれぞれに印加されるように設けられてよい。電力発生器34は、これらに限定しないが周波数、振幅、パルス持続時間、パルス周期、デューティサイクル、露光時間等のうちの1つまたは複数を含む電気信号に関連する1つまたは複数のパラメータを制御するように構成されてよいプロセッサ65に接続されてよい。したがって、プロセッサ65は接続67を介し電力発生器34と通信を行うように構成されてよい。電力発生器34からの電気信号(例えば、電力、電圧、電流等)に応答して、電極は電流信号を矢印62の方向の基板40の表面領域全体にわたって印加することができる。電極間の電流の流れは、電解液38中の材料63が基板40上に蒸着されるのを促進することができる。材料を矢印66の方向のパターン64で蒸着することができる。印加電流信号となる電気信号に関連する周波数(または他のパラメータ)の変動によりパターン64の周期に影響を与えることができる。すなわち、印加電流信号の電流レベル(例えば振幅)により各蒸着線の重量に影響を与えることができ、電極32の数、形状および位置によりパターン64の形状に影響を与えることができる。基板40は固定電位または変動電位に保たれてよい。
【0044】
[0050]
本開示は、本出願に記載された様々な態様の具体例として意図された特定の例に限定されるべきではない。当業者にとって明らかなように、多くの変形と変更は、本開示の主旨と範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて本開示の範囲内の機能的に等しい方法と装置は、前述の説明から当業者にとって明らかである。このような変形と変更は添付の特許請求の範囲に入るように意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲の文言と、このような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とのみによって限定されるべきである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物組成または生物システムに限定されなく、これらは当然変化し得ることを理解すべきである。また、本明細書で使用される用語は、あくまでも特定の例を記載するためのものであり、限定するように意図されていないことを理解すべきである。これまで、複雑なナノパターンの電着の様々な例について述べた。以下は、複雑なナノパターンの電着の方法とシステムの具体的な例である。これらはあくまで例示のためのものであって限定するように意図されていない。
【0045】
[0051]
本開示は、一般に、複雑なナノパターンの電着のためのシステムと方法に関する。いくつかの例では、基板上にパターンを電気めっきするシステムは導電体蒸着を受容可能な表面と複数の成形電極とを有する基板を含む。複数の成形電極は基板の表面に対応付けられる。複数の成形電極は電流が電極に印加されるとパターンが蒸着されるように電源に接続するように構成される。本システムは基板が少なくとも部分的に浸漬される電解液を含むことができる。本システムは周波数変調器を有する電源を含むことができる。
【0046】
[0052]
様々な実施態様では、電極は、直線でない形態構造をパターンに設けるために基板の表面上に成形され配置されてよい。電極は再使用可能であってよい。電極の少なくとも1つは犠牲陽極であってよい。電極はほぼ線形であってよく、ほぼ半円であってもよく、あるいは他の形状であってもよい。電極の少なくとも1つの寸法は電極の少なくとも2つで異なってよい。電極は閉ループ構成で設けられてよい。電極の極性は隣接する電極間で交互であってよい。パターンは電極の等ポテンシャルに基づいてよい。
【0047】
[0053]
様々な実施態様では、基板は、ピエゾ材料、シリコン材料、酸化物材料、高分子材料または他の好適な材料であってよい。基板は、蒸着に対する基板の適合性を高めるように選択された被膜を含んでよい。例えば、被膜は基板の導電率を増加する、および/または親水性であってよい。基板はその表面に蒸着されたパターンを有することができる。
【0048】
[0054]
いくつかの例では、基板上にパターンを電着する方法が提供される。本方法は、材料を含む電解溶液を供給する工程と、電解溶液内に基板を少なくとも部分的に浸漬する工程と、複数の成形電極と基板とを対応付ける工程と、基板全体にわたって電流を印加することにより材料をあるパターンで基板上に蒸着する工程と、を含む。パターンは電極の等電位に基づいてよい。電流の周波数はパターンの周期を決定することができる。いくつかの例では、電流の周波数を半正弦波で印加することができ、および/または電流の周波数は約0.4Hz〜約1.2Hzの範囲であってよい。パターンが直線でないように電極の数と位置を選択することができる。本方法は、基板全体にわたって電流を印加する前またはその後に基板をチップサイズに細分化する工程をさらに含んでよい。
【0049】
[0055]
システムの態様のハードウェア実装とソフトウェア実装間の区別はほとんどなく、ハードウェアを使用するかあるいはソフトウェアを使用するかは、一般に(ただし、状況によってはハードウェアとソフトウェア間の選択が重要となり得るという点で必ずしもではない)コスト対効率のトレードオフに代表される設計上の選択事項である。本明細書に記載の処理および/またはシステムおよび/または他の技術が有効となり得る様々な実装手段(vehicle)(例えばハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)がある。好ましい実装手段は、上記処理および/またはシステムおよび/または他の技術が展開される状況に応じて異なる。例えば、実装者が速度と精度が最重要であると判断した場合、実装者は主としてハードウェアおよび/またはファームウェア実装手段を選択することができ、柔軟性が最重要な場合、実装者は主としてソフトウェア実装を選択することができる。あるいは代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのある組み合わせを選択することができる。
【0050】
[0056]
上述の詳細な説明は、ブロック線図、フローチャート、および/または例を使用することにより装置および/または処理の様々な例を説明した。このようなブロック線図、フローチャート、および/または例は1つまたは複数の機能および/または動作を含む限り、このようなブロック線図、フローチャートまたは例内の各機能および/または動作は広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの実質的に任意の組み合わせにより個々におよび/または集合的に実施することができることは当業者により理解されるであろう。一例では、本明細書に記載の主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)または他の集積化形式を介し実施することができる。しかしながら、当業者は、本明細書に開示された例のいくつかの態様は、その全部または一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で実行する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で実行する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で実行する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、またはそれらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路で等価的に実施することができるということと、回路を設計することおよび/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアのコードを書くことは本開示に照らして通常の当業者の技能の範囲内であることと、を認識するであろう。さらに、当業者は、本明細書に記載の主題の機構は様々な形式のプログラム製品として配布され得ることと、本明細書に記載の主題の具体的な例は、実際に配布を行うために使用される信号担持媒体の特定タイプにかかわらず適用されるということとを理解するであろう。信号担持媒体の例としては限定するものではないが、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、ディジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能型媒質と、ディジタルおよび/またはアナログ通信媒体などの伝送型媒体(例えば光ファイバーケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク等)とが挙げられる。
【0051】
[0057]
当業者は、装置および/または処理を本明細書に記載のやり方で記述しその後このように記述された装置および/または処理をデータ処理システムに集積化するための技術的手法を使用することは当該技術分野内では一般的であることを認識するであろう。すなわち、本明細書に記載の装置および/または処理の少なくとも一部は合理的な実験量でもってデータ処理システムに集積化することができる。当業者は、通常のデータ処理システムは一般的に、システム装置筐体、映像表示装置、揮発性および不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタルシグナルプロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算型エンティティ、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、アプリケーションプログラムのうちの1つまたは複数、そしてタッチパッドまたはスクリーンなどの相互作用装置および/またはフィードバックループと制御モータとを含む制御システム(例えば、位置および/または速度を感知するためのフィードバック、構成部品および/または量を移動および/または調整するための制御モータ)のうちの1つまたは複数、を含むということを認識するであろう。通常のデータ処理システムは、データ計算/通信および/またはネットワーク計算/通信システムにおいて通常見られるものなど市販の任意の好適な構成部品を利用することにより実施することができる。
【0052】
[0058]
本明細書に記載された主題は、他の異なる構成部品内に含まれるあるいはそれに接続される、異なる構成部品を例示することがある。このように描写されたアーキテクチャは単に例であって、実際上は同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャが実施され得ることを理解すべきである。概念的な意味では、同じ機能を実現するための構成部品の任意の配置は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付けられる」。したがって特定の機能を実現するために組み合わせられる本明細書内の任意の2つの構成部品は、所望の機能がアーキテクチャまたは中間構成部品に関係なく実現されるように互いに「関連付けられる」と見てよい。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成部品はまた、所望の機能を実現するために互いに「動作可能に接続されている」または「動作可能に結合されている」と見てよく、そのように関連付けられ得る任意の2つの構成部品はまた、所望の機能を実現するために互いに「動作可能に結合され得る」と見てよい。動作可能に結合可能な具体的な例としては限定するものではないが、物理的に連結可能なおよび/または物理的に相互作用する構成部品、および/または無線で相互作用可能なおよび/または無線で相互作用する構成部品、および/または論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能な構成部品が挙げられる。
【0053】
[0059]
本明細書における実質的に任意の複数および/または単数の用語の使用に関しては、当業者は文脈および/または適用に適切なように複数から単数へ、および/または単数から複数へ読み換えることができる。様々な単数/複数の置換は、明瞭化のために本明細書では明示的に記載されることがある。
【0054】
[0060]
概して、本明細書そして特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は「オープン」用語として意図されている(例えば用語「含んでいる」は「限定しないが含んでいる」と解釈すべきであり、用語「有する」は「少なくとも有する」と解釈すべきであり、用語「含む」は「限定しないが含む」と解釈すべきである、等)ことを当業者は理解するであろう。導入された請求項記載の特定の数が意図された場合はこのような意図は請求項内に明示的に記載されること、そしてこのような記載がない場合はこのような意図はないということを当業者はさらに理解するであろう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は請求項記載を導入するために導入句「少なくとも1つの」と「1つまたは複数の」の使用を含むことがある。しかしながら、このような句の使用は、単数形による請求項記載の導入が、同じ請求項が導入句「1つまたは複数」または「少なくとも1つの」と単数形の記載とを含むときでさえ、このような導入された請求項記載を含む任意の特定の請求項を、このような記載を1つのみ含む例に限定することを意味すると解釈すべきでない(例えば単数形の記載は「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味するものと解釈すべきである)。同じことは請求項記載を導入するために使用される「前記」の使用にも当てはまる。さらに、導入された請求項記載の特定の数が明示的に記載されたとしても、当業者は、このような記載は少なくとも記載された数を意味する(例えば、他の修飾語を持たない「2つ」というありのままの記載は少なくとも2つまたは2つ以上を意味する)ように解釈すべきであることを認識するであろう。さらに、「A、B、C等の少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、一般的には、このような構造は、当業者はこの慣習的表現を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、B、Cの少なくとも1つを有するシステム」は限定しないがAのみ、Bのみ、Cのみ、A、Bともに、A、Cともに、B、Cともに、および/またはA、B、Cともに有するシステムなどを含むであろう)。「A、B、またはC等の少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、一般的には、このような構造は、当業者はこの慣習的表現を理解するであろうという意味で意図されている(例えば、「A、BまたはCの少なくとも1つを有するシステム」は限定しないがAのみ、Bのみ、Cのみ、A、Bともに、A、Cともに、B、Cともに、および/またはA、B、Cともに有するシステムなどを含むであろう)。2つ以上の代替用語を表す実質的に任意の離接語(disjunctive word)および/または離接句(disjunctive phrase)は、本明細書、特許請求の範囲または図面にかかわらず、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることを当業者はさらに理解するであろう。例えば句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AとB」の可能性を含むように理解される。
【0055】
[0061]
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群によって記載される場合、当業者は、この開示もまたマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたは下位群メンバーの意味で記載されることを認識するであろう。
【0056】
[0062]
当業者により理解されるように、書面による明細書を提供するという意味でなど任意のおよび全ての目的のため、本明細書で開示される全ての範囲はまた、任意のおよび全ての可能な部分的範囲と、その部分的範囲の組み合わせとを包含する。任意の掲載範囲は、少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分などに分割された同じ範囲を十分に記載し可能にするものと容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明された各範囲は、下三分の一、中三分の一、上三分の一等に容易に分割することができる。また当業者により理解されるように、「まで」、「少なくとも」、「より多い」、「より少ない」等のすべての文言は、記載または参照された数を含み、かつ上に説明したように後で部分的範囲に分割することができる範囲を参照する。最後に、当業者により理解されるように範囲は個々の各メンバーを含む。したがって例えば、1〜3個のセルを有する群は、1個、2個、または3個のセルを有する群を指す。同様に、1〜5個のセルを有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個のセルを有する群などを指す。
【0057】
[0063]
様々な態様と例が本明細書で開示されたが、他の態様と例は当業者にとって明白であろう。本明細書で開示された様々な態様と例は説明のためのものであって、限定するように意図するものではなく、真の範囲と主旨は以下の特許請求の範囲により示される。
【符号の説明】
【0058】
10:電着方法
12、14、16、18:工程
30:ナノパターン電着システム
32、32a、32b:電極
34:電源
36:タンク
38:電解液
40:基板
42:電極配置領域
44:等電位線
50:電極アレイ
52a−52f:電極
60、67:接続
61:フロー方向
63:処理フロー方向
64:電着線方向
65:プロセッサ
66:電着方向
900:コンピュータ装置
901:基本構成
910:プロセッサ
911:レベル1 キャッシュ
912:レベル2 キャッシュ
913:プロセッサコア
914:レジスタ
915:メモリコントローラ
920:システムメモリ
921:オペレーティングシステム
922:アプリケーション
923:周波数発生アルゴリズム
924:プログラムデータ
925:周波数/周期データ
930:メモリバス
940:バス/インタフェースコントローラ
941:記憶装置インタフェースバス
942:インタフェース
950:記憶装置
951:着脱可能記憶装置
952:固定型記憶装置
960:出力装置
961:グラフィック処理ユニット
962:音声処理ユニット
963:A/Vポート
970:周辺インタフェース
971:シリアルインタフェースコントローラ
972:パラレルインタフェースコントローラ
973:I/Oポート
980:通信装置
981:ネットワークコントローラ
982:通信ポート
990:他のコンピュータ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸着材料を受容するように構成された基板の表面にパターンを電気めっきするためのシステムであって、
第1の場所の前記基板の表面の周囲に位置する、電気信号を受信するように構成された第1の成形電極と、
前記第1の場所とは異なる第2の場所の前記基板の表面の周囲に位置する第2の成形電極と、を含み、
前記第1の成形電極と前記第2の成形電極は、前記電気信号が前記第1の成形電極により受信されると前記材料が所望パターンに従って前記基板の表面上に蒸着されるように導通経路が前記第1の成形電極と前記第2の成形電極間に形成されるように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1の成形電極に前記電気信号を供給するように構成された電源をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電源は前記第1の成形電極と前記第2の成形電極の両方に前記電気信号を印加するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電源は前記第1と第2の成形電極間に時変信号として前記電気信号を印加するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記電源はさらに、前記時変信号が、連続的に変化する信号、定期的に変化する信号またはその両方の重ね合せ信号に対応するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記電源はさらに、前記時変信号が正弦波信号、パルス信号、またはその両方の重ね合せ信号に対応するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記電源は、前記電気信号に関連する周波数が調整されるように構成された周波数変調器を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記電源は、前記電気信号の振幅、露光時間、パルス持続時間、パルス周期またはデューティサイクルのうちの1つまたは複数を変更するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
複数の第1の成形電極と複数の第2の成形電極とをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1と第2の成形電極は、直線パターンとは異なる形態構造を前記パターンに与えるために前記基板の表面の周囲に成形され配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1と第2の成形電極は再使用可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記基板を少なくとも部分的に浸漬するように構成された電解液をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記基板は、圧電材料、シリコン材料、酸化物材料、高分子材料またはその組み合わせのうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記基板は、電着に対する前記基板の表面の適合性を高めるように選択された被膜を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記被膜は前記基板の表面の導電率を増加するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記被膜は親水性被膜を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1と第2の成形電極の少なくとも1つは犠牲陽極である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1と第2の成形電極はほぼ線形状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1と第2の成形電極はほぼ半円形状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1と第2の成形電極の少なくとも1つの寸法は互いに異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記所望パターンは、前記第1と第2の成形電極の等電位に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1と第2の成形電極は閉ループ構成で設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記閉ループ構成は、円、楕円、正方形または矩形のうちの1つである、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1と第2の成形電極は異なる極性を有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
基板の表面に所望パターンを電着する方法であって、
材料を含む電解液を供給する工程と、
前記電解液内に前記基板を少なくとも部分的に浸漬する工程と、
前記基板の表面の周囲の異なる場所に複数の成形電極を位置決めする工程と、
前記材料が前記基板の表面上に前記所望パターンで蒸着されるように前記複数の成形電極間に前記基板の表面全体にわたって電流信号を印加する工程と、を含む方法。
【請求項26】
前記電流信号は半正弦波に対応する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記半正弦波に関連する周波数は約0.4Hz〜約1.2Hzの範囲である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記所望パターンは直線とは異なる、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記基板をチップサイズに細分化する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記細分化工程は、前記基板の表面にわたって前記電流信号を印加する前に行われる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記細分化工程は、前記基板の表面にわたって電流信号を印加した後に行われる、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記所望パターンは電極の等電位に基づく、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
電解液からの材料を基板の表面に所望パターンで電着する装置であって、
前記基板の表面の第1の場所の周囲に位置する第1の成形電極と、
前記基板の表面の前記第1の場所とは異なる第2の場所の周囲に位置する第2の成形電極と、
制御信号に応答して前記第1の成形電極と前記第2の成形電極間に電気信号を供給するように構成された電源と、
前記電解液からの前記材料が前記所望パターンで前記基板の表面上に蒸着されるように前記電源に制御信号を供給するように構成されたプロセッサと、を含む装置。
【請求項34】
前記プロセッサは、前記所望パターンに従って前記電気信号に関連する1つまたは複数のパラメータを制御するために前記電源に前記制御信号を供給するように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記プロセッサは、前記所望パターンに従って前記電気信号の周波数を時間とともに動的に変更するために前記電源に前記制御信号を供給するように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記パラメータは、電気信号の振幅、周波数、露光時間、パルス持続時間、パルス周期またはデューティサイクルのうちの1つまたは複数に対応する、請求項34に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2011−32574(P2011−32574A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−35598(P2010−35598)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】