説明

ナノワイヤの製造

ナノワイヤを形成する方法が開示される。1つの実施形態では、少なくとも1つの中心領域と支持構造とを備える一次プリフォームが形成される。次に、一次プリフォームがケーン状に引き伸ばされ、次いで、ケーンは、二次プリフォームを形成するために外部分の中へ挿入される。次に、二次プリフォームは、少なくとも1つの中心部分がナノワイヤになるまで引き伸ばされる。本方法は、既存の方法よりも遙かに大きな長さのナノワイヤを製作することが可能であり、取扱い時にナノワイヤを損傷する恐れを低減することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノメートル台の直径を有するワイヤの製造に関する。
【0002】
優先権
本出願は、以下の豪州特許仮出願の優先権を主張するものである。
2005年10月12日出願の"Fabrication of Nanowires"と題された第2005905619号、及び
2005年10月12日出願の"Method and Device for Forming Microstructured Fibre"と題された第2005905620号。
【0003】
これらの出願の内容全体は、ここで参照により組み込まれる。
【0004】
参照による組込み
"Nonlinearity enhancement of filled microstructured fibres operating in the nanowire regime", K.J. Rowland, Shahraam Afshar V, T.M. Monroe; Optical Fiber Communication Conference (OFC'2006), Anaheim 5-10 Mar 2006, Paper OThH4, 2006.
【0005】
この刊行物の内容全体が、ここで参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0006】
ナノワイヤとは、数百ナノメートル以下の直径を有するワイヤである。ナノワイヤは、その環境に極めて敏感であり、したがって、夥しい数の感知用途に適している。そのファイバーの幾何学形状は、極めて長い光路長を設けて、微量な試料の使用を可能にする。
【0007】
ナノワイヤは光の変化を検出することによって作用し、それによってナノワイヤは光の「レール」として機能するが、それは光の殆どが、空気又は流体が充満する穴を含む周囲被覆の中に位置しており、したがって光は、これらの穴の中で任意の物質(気体、液体、粒子等)と相互作用できるからである。物質との相互作用による光のモードフィールドの特性の変化が、ナノワイヤに沿って伝搬されることになり、ナノワイヤ装置の出力端で検出することが可能である。
【0008】
ナノワイヤでは、環境中の光の強度割合が、より大きな直径のワイヤよりも遙かに大きいので、より大きな直径のワイヤに比べて高い感度を有する。ナノワイヤを包囲する流体中の光のより大きな強度割合は、光と流体とのより大きな重なりをもたらし、ナノワイヤの高い感度をもたらす。
【0009】
しかし、ナノワイヤは製造することが難しい。研究室におけるナノワイヤの製造は、特に、直径が実質的にワイヤの長さにわたって変動せず、側壁の粗さが最低限に維持されているワイヤを製作することが望ましいので、相当な技術が要求される過程である。直径の変動、側壁の粗さ、及び汚染は、ワイヤを損失の少ない光導波として不適切なものにする恐れがある。
【0010】
広範囲にわたる商業的用途を有するために、ナノワイヤは実用に十分な長さであることが望ましい。例えば、ワイヤは、メートル台の寸法を有する構造の中へ埋め込まれたセンサとして必要とされうる。しかし、ナノワイヤの製造に関する知られた技法では、非常に短いワイヤ部分が得られるだけであり、それは科学的に興味深いが、商業的な実用可能性が限定されている。
【0011】
ナノワイヤを形成する1つの公知の技法は、2段階の引抜き過程を含む。第1の段階は、シリカファイバーをマイクロメートル径のワイヤに引き伸ばすために火炎の使用を伴う。次に、引き抜かれたワイヤの一端がテーパ付きチップ(通常はサファイヤファイバーのテーパ)の上に水平に置かれ、シリカのナノワイヤを巻くために、チップがその軸を中心にして回転される。この技法を使用すると、50nmよりも小さい直径を有するナノワイヤが得られるが、製作されたワイヤの長さは、数十ミリメートル台の長さに過ぎない。より長いナノワイヤに予想される問題は、それらがその環境に極めて高感度である一方で、それらは脆弱であり、且つ取扱い時に汚染を受けやすい。ナノワイヤを支持する1つの様態は、ワイヤをエーロゲルのような多孔性物質の中に包み込むことである。これはワイヤの取扱いを可能にするが、その欠点は、この配置にもはや柔軟性がなく、それによって商業的な用途ばかりでなく、センサとして作動する能力も限定されることである。
【0012】
しかし、支持構造の内部に完全に封入されているナノワイヤは、コアが表面壁に十分に近接できないので、点検出を行う能力を喪失する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記で論じられた問題の少なくとも1つに対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの態様によれば、ナノワイヤを組み込んだファイバーを形成する方法が提供され、本方法は、
中心部分と中心部分を支持する支持構造とを備える一次プリフォームを形成するステップと、
ケーンを形成するために一次プリフォームを引き伸ばすステップと、
ケーンを受け入れるためにケーン受入れ部分を有する外側部分を形成するステップと、
二次プリフォームを形成するためにケーンをケーン受入れ部分の中へ挿入するステップと、
中心部分がナノワイヤになるまで二次プリフォームを引き伸ばすステップと、
を含む。
【0015】
1つの形態では、一次プリフォームは押出しによって形成される。
【0016】
1つの態様では、外側部分は、ケーン受入れ部分に通じる空間を設けるように形成される。
【0017】
1つの形態では、この空間は外側部分の中の楔形切取りである。
【0018】
別の形態では、本方法は、ナノワイヤを露出するために、この空間に露出される支持構造の少なくとも一部をエッチングで除去するステップをさらに含む。
【0019】
1つの形態では、一次プリフォームは軟質ガラスから作製される。
【0020】
この1つの態様では、軟質ガラスはケイ酸鉛である。
【0021】
別の形態では、一次プリフォームは重合体から作製される。
【0022】
本発明の別の態様によれば、ナノワイヤを内蔵するファイバーが提供され、このファイバーは、
ファイバーの外側表面を画定する外側部分と、
外側部分の内部のナノワイヤと、
ナノワイヤを支持する、外側部分とナノワイヤとの間の支持構造と、
を備える。
【0023】
1つの形態では、ファイバーは、ナノワイヤを包囲する少なくとも1つの被覆領域をさらに備える。
【0024】
1つの形態では、支持構造は、中心部分から放射状に延びる少なくとも1本の支柱を備える。
【0025】
1つの態様では、この少なくとも1本の支柱は、支持構造の周囲を形成する壁部分で終結する。
【0026】
別の態様では、支持構造は、中心部分から放射状に延びる4本の支柱を備える。
【0027】
1つの形態では、壁部分は断面が正方形である。
【0028】
1つの態様では、外側部分は、壁部分の一部に到達するための切欠きを備える。
【0029】
別の態様では、壁部分は正方形断面の3つの辺を画定する。
【0030】
1つの形態では、切欠きは楔形である。
【0031】
本発明の別の態様によれば、ナノワイヤを形成する方法が提供され、本方法は、
支持構造によって支持された中心部分と、中心部分及び支持構造を包囲する外側部分とを備えるプリフォーム構造を形成するステップと、
中心部分がナノワイヤになるまでプリフォーム構造を引き伸ばすステップと、
を含む。
【0032】
1つの形態では、プリフォーム構造を形成するステップは、中心部分及び支持構造を外側部分の中へ挿入するステップを含む。
【0033】
別の形態では、プリフォーム構造を形成するステップは、プリフォーム構造を押し出すステップを含む。
【0034】
1つの態様では、本方法は、一次プリフォーム構造を引き伸ばすことによって中心部分及び支持構造を形成するステップをさらに含む。
【0035】
別の態様では、本方法は、押出しによって一次プリフォーム構造を形成するステップをさらに含む。
【0036】
本発明の別の態様によれば、前出の方法のいずれか1つの方法に従って形成されたナノワイヤが提供される。
【0037】
本発明の別の態様によれば、ナノワイヤを内蔵するファイバーを形成するためのプリフォームが提供され、このプリフォームは、
支持構造によって支持された中心部分と、
中心部分及び支持構造を包囲する外側部分と、
を備える。
【0038】
1つの形態では、支持構造は、中心部分から放射状に延びる少なくとも1本の支柱を備える。
【0039】
1つの形態では、この少なくとも1本の支柱は、支持構造の周囲を形成する壁部分で終結する。
【0040】
別の形態では、支持構造は、中心部分から放射状に延びる4本の支柱を備える。
【0041】
1つの形態では、壁部分は断面が正方形である。
【0042】
1つの形態では、外側部分は、壁部分の一部に到達するための切欠きを備える。
【0043】
1つの形態では、切欠きは楔形である。
【0044】
別の形態では、4本の支柱は、壁部分のそれぞれの角部内で終結する。
【0045】
本発明の別の態様によれば、ナノワイヤを形成する方法が提供され、本方法は、支持構造によって支持された中心部分を有するケーンを、中心部分がナノワイヤになるまで引き伸ばすステップを含む。
【0046】
本発明の別の態様によれば、ナノワイヤの非線形性を増大させる方法が提供され、本方法は、ナノワイヤを非線形流体で包囲するステップを含む。
【0047】
1つの形態では、ナノワイヤは、ナノワイヤと流体連通する少なくとも1つのチャンネルを画定する支持構造及び外側部分によって包囲され、ナノワイヤを非線形流体で包囲するステップは、非線形流体を少なくとも1つのチャンネルの中へ導入するステップを含む。
【0048】
1つの形態では、非線形流体は二硫化炭素である。
【0049】
本発明の他の態様によれば、前出の方法のいずれか1つに従う方法によって形成された、ナノワイヤを組み込んだファイバーが提供される。
【0050】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つの被覆領域の内部に存在する環境の少なくとも1つのパラメータを感知するために、本発明の前出の態様のいずれか1つに従うファイバーを備えるセンサが提供される。
【0051】
本発明の他の態様によれば、複数のナノワイヤを組み込んだファイバーを形成する方法が提供され、本方法は、
複数の中心部分と複数の中心部分を支持するための支持構造とを備える一次プリフォームを形成するステップと、
ケーンを形成するために一次プリフォームを引き伸ばすステップと、
ケーンを受け入れるためにケーン受入れ部分を有する外側部分を形成するステップと、
二次プリフォームを形成するためにケーンをケーン受入れ部分の中へ挿入するステップと、
複数の中心部分がナノワイヤになるまで二次プリフォームを引き伸ばすステップと、
を含む。
【0052】
1つの形態では、一次プリフォームが押出しによって形成される。
【0053】
1つの形態では、外側部分は、ケーン受入れ部分に通じる空間を設けるように形成される。
【0054】
1つの形態では、空間は外側部分の中の楔形切取りである。
【0055】
1つの形態では、本発明は、ナノワイヤの少なくとも1本を露出するために、空間に露出される支持構造の少なくとも一部をエッチングで除去するステップをさらに含む。
【0056】
1つの形態では、一次プリフォームは軟質ガラスから作製される。
【0057】
1つの態様では、軟質ガラスはケイ酸鉛である。
【0058】
別の形態では、一次プリフォームは重合体から作製される。
【0059】
本発明の別の態様によれば、複数のナノワイヤを内蔵するファイバーが提供され、このファイバーは、本発明の前出の態様の方法によって作製される。
【0060】
1つの形態では、ナノワイヤの数は2である。
【0061】
別の態様では、ナノワイヤの数は3である。
【0062】
本発明の他の態様によれば、長さが10mmよりも大きいナノワイヤが提供される。
【0063】
1つの形態では、ナノワイヤは長さが約1kmである。
【0064】
別の形態では、ナノワイヤは長さが約10kmである。
【0065】
本明細書の全体を通じて、文脈が別途に要求しない限り、「備える(comprise)」及び「含む(include)」、並びに「備えている(comprising)」及び「含んでいる(including)」というような言葉は、明記された完全体又は完全体の集まりを包含することを含意するが、他の任意の完全体又は完全体の集まりの除外を含意するものではないことが理解されよう。
【0066】
本明細書で従来技術に言及することがあっても、このような従来技術がいずれも共通の一般的な知見の一部を形成するという認識又は何らかの形態の示唆として受け取られるものではなく、且つ受け取られるべきではない。
【0067】
ここで、添付図を参照し且つそれらにおいて例示されたように、発明の特定の実施形態が、さらに詳細に説明される。本実施形態は例示的であり、本発明の範囲を限定しようとするものではない。他の実施形態の示唆及び説明は本発明の範囲内に含まれうるものであるが、それらは添付図に例示されていない場合もありうるし、又は別様に、本発明の特徴構造が図示されているが、本明細書には説明されていない場合もありうる。
【0068】
本発明の実施形態が、添付の図面に例示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
本発明の1つの態様によれば、最初に、必要とされる構造を内部に備える一次プリフォームが形成される。図1Aは、中心部分16を包囲する壁12及び支柱14を有する支持構造を備える一次プリフォーム10の断面図である。「中心部分」という用語は、幾何学的又は数学的な中心を示唆しようとするものではなく、支持構造によって支持された領域又は要素を指すものであり、中心からずれていてもよく、実際に幾つかの他の「中心部分」の1つであってもよいことが理解されよう。支持構造及び中心部分は又、一次プリフォーム10の長手軸に沿って延びる被覆又は空気チャンネル18も画定しうる。これらの目的は、下でさらに詳細に説明される。被覆領域が設けられることは必須ではないことが理解されよう。
【0070】
1つの形態では、一次プリフォーム10が、適切に設計された金型に通して適切な材料のビレットを押し出すことによって形成される。一次プリフォームを形成するのに適切な材料には、重合体と、フッ化物、重金属酸化物、カルコゲニド、及び他のガラス類のような軟質ガラスとが含まれる。1つの特定の実施形態では、その材料は、520℃の温度及び0.2mm/分の固定ラム速度で金型に通して送られたケイ酸鉛のような軟質ガラスである。
【0071】
本発明の他の形態では、一次プリフォーム10が、成型、鋳造、穿孔、積重ね、又は手による組立さえも含む他の方法によって形成されうる。
【0072】
図1Aの一次プリフォームの幅は約25mmであるが、この幅は、約5mm〜50mm(網羅するものではない)又はそれ以上にわたる寸法を含む任意適切な寸法でよく、10mm〜20mm、15mm〜25mm、20mm〜30mm、25mm〜40mm、30mm〜50mm又はそれ以上でよく、押出しによって形成されるときは、プリフォームが押し出される金型の寸法に応じることになる。同様に中心部分16の直径も所望に応じて様々でありうるが、1つの実施例では約2mmである。
【0073】
適切な金型及び押出し方法が、2005年10月12日出願の豪州特許仮出願第2005905620号の優先権を主張する"Method and device for forming micro-structured fibre"と題され、その内容全体がここで参照により組み込まれる同時係属の出願に詳述されている。
【0074】
実用可能である任意の支柱の数が一次プリフォーム10の内部に配置されうることが理解されよう。例えば、4本ではなく、3本の支柱が使用されうる。実際に、支柱の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10本又はそれ以上でありうる。さらには、一次プリフォームは正方形状の断面を有する必要はなく、それに代わる任意所望の形状でありうる。例えば、断面が、円形、三角形、長方形、5角形、6角形、7角形、8角形等でよく、又は不規則な形状でもよい。支柱が図1Aに例示されたものとは異なる形状であってもよく、例えば、支柱が湾曲していてもよく、それによって実質的に半円形断面を備える被覆又は空気チャンネルを画定する。図1Bは、そのような構造の1つの実施例である。他の任意の形状も使用可能であり、楔形状を含むか又は不規則な辺を有する。これらの任意の組合せも使用可能であり、実際に個々の支柱の各々が同じ形状である必要はない。
【0075】
図1Cは、図1Aに示されたプリフォームの3次元構造を示す一次プリフォーム10の斜視図である。
【0076】
一次プリフォーム10は、一旦形成されると、図2に示されたケーン20を形成するために、引抜きタワーの中で一定の割合で縮小される。引抜き動作及び引抜きタワーの使用は、ファイバーを形成するために当分野でよく知られており、これに関する詳細は、本明細書で説明される必要がない。この特定の実施例では、プリフォームを引抜きタワー炉の高温域の中へ移動させるための送り速度が、毎分数ミリメートル台、例えば、0.5〜3/分であり、他方では、材料がどれだけ速く高温域から引き出されるかに関連する引抜き速度は、毎分数百又は数千ミリメートル台、例えば、10〜20m/分である。上で挙げられたプリフォームの寸法数値の実施例では、これが、約77ミクロンのコア径を備える約1mmのケーン幅を与える。図2は、ある一定の長さ(尺度に合わせて描かれてはいない)のケーン20の一部を示す。このケーンは、(ケーン形成過程時の構造の縮小に起因する形状及び寸法のばらつきが存在しうるけれども)一次プリフォームと実質的に同じ空間配置を有することが理解されよう。
【0077】
先に説明されたように、一次プリフォーム10が2つの(又はそれ以上の)中心部分16a及び16bを有していてもよい(例えば、各々の中心部分が一次プリフォーム10の幾何学的中心からずれているが、別個の支柱構造の中心を形成する)。図3A〜3Dは、複数の中心部分を有する一次プリフォームの断面を示す。図3Aでは、支柱14は、2つの中心部分16a及び16bが接合されるように配置される。図3Bでは、支柱は、2つの中心部分16a及び16bが相互に接合されていないように配置される。適切な金型又は他の技法によって、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の、適切な幾何学形状で配置された中心部分を有する一次プリフォームが製作されることも可能である。
【0078】
図3Cは、3つの中心部分16a、16b、及び16cを有する一次プリフォーム10の断面を示す。この実施例では、一次プリフォーム10は三角形の周囲を有するが、他の任意適切な形状も可能であることに留意されたい。図3Dでは、一次プリフォーム10は4つの中心部分16a、16b、16c、及び16dを有する。このプリフォームは半円形の周囲を有する。
【0079】
2つ以上の中心部分を有する利点は、マルチ中心部分がマルチナノワイヤの形成を可能とすることである(下でさらに詳細に説明される)。その場合に、各々のナノワイヤは、別個のセンサとしても又は結合センサとしても使用可能であり、所望であれば、各々のナノワイヤセンサが異なるスペクトル特徴を有しうる。別法として、一方のナノワイヤが一方向における光のためのレールの役目を果たしてもよく、他方のナノワイヤが、この光のための戻りレールとしての役目を果たしてもよい。
【0080】
図4Aは、一次プリフォームの押出しに関する場合と同様の温度及び速度を使用して、適切に設計された金型に通して押し出すことによっても形成されうるケーン外被又は外側部分22の断面図である。当然のことであるが、他の任意の方法、例えば、鋳造、穿孔、又は成型が使用されてもよい。外被は、一次プリフォームに関して上記で説明されたものと同じ材料又は適切であれば異なる材料から形成可能である。
【0081】
ケーン外被22は、このケーン外被の長手軸に沿って延びる長手チャンネルを形成するケーン受入れ部分24を有する。この長手チャンネルが、図4Aのケーン外被22の斜視図である図4Bにおいてより明確に示されている。
【0082】
ケーン受入れ部分24は空間の内部に配置されるが、その空間は、1つの実施形態では楔形の切取り26である。この楔形の切取りは、ケーン20が手で外被の中に挿入されることを可能にし、それによってプリフォーム組立体、即ち、図5に示された二次プリフォーム28を形成する。図5は、ケーン外被22の内部に配置されたケーン20を示すプリフォーム組立体28の斜視図である。別法として、ケーン20は、ケーン受入れ部分の中へ一端から滑入されてもよい。
【0083】
プリフォーム組立体28と同様の構造が、上で説明されたように、引き続いて接合される2つの別個に作製された部分から形成されるのではなく、1つの一体プリフォームとして製作されていてもよい。しかし、ケーン20の寸法が相対的に小さければ(即ち、ケーンの幅が1mmであれば)、ケーンをマクロ的な一次プリフォームから引き伸ばすことが好ましいが、これは寸法がケーンの長さに沿って一定のままであることを保証するからである。しかし、一体ケーン及びケーン外被を設ける複雑な構造は、例えば、"Method and Device for Forming Microstructured Fibre"と題され、先に組み込まれた参照文献に説明されたような金型を使用して押出しによって得ることができる。
【0084】
上で概説されたように、一次プリフォーム10は正方形断面以外の断面を有していてもよい。この場合には、外被22のケーン受入れ部分24は、ケーン20を受入れ部分の中へぴったり嵌めるように、対応する形状である。例えば、ケーン20が円形断面であれば、外被22のケーン受入れ部分は半円形として形作られうる。ケーン20が三角形であれば、ケーン受入れ部分も三角形として形作られうる。
【0085】
1つの実施形態では、ケーン外被が約23mmの外径を有し、ケーン受入れ部分が約1.3mmの内部縁間の長さを有する。この場合も、当業者には理解されるように、他の任意適切な寸法が可能である。
【0086】
プリフォーム組立体又は二次プリフォーム28は、一旦組み立てられると、コア31(図6)を有するファイバー30を創出するために、引抜きタワーの中で引き抜かれる。毎分数ミリメートル(例えば、0.5〜3mm/分)のプリフォーム送りと、毎分数十メートル(例えば、10〜20m/分)の引抜き速度との組合せは、100〜200ミクロンの外幅及び数百ナノメートルのコアサイズを有するファイバーにプリフォーム組立体を縮小可能にする。プリフォーム組立体に関連して上に挙げた寸法の実施例では、これは、約150ミクロンの外径及び約0.5ミクロンのコア径を有する引抜きファイバーとなる。この実施例で製作されたファイバー及びナノワイヤの長さは、約1kmである。
【0087】
本発明の様々な態様に従って製作されたナノワイヤは、現時点で実現可能なものよりも遙かに大きな長さを実現することができる。一体成形で製作されたナノワイヤの長さは、数十ミリメートルから数百キロメートルの長さにわたりうる。例えば、ナノワイヤは、5mm〜10mm、1cm〜5cm、5cm〜10cm、10cm〜20cm、20cm〜50cm、15cm〜75cm、50cm〜100cm、100cm〜250cm、200cm〜500cm、500cm〜1000cm、1km〜1.5km、2km〜5km、5km〜10km、10km〜50km、50km〜100km、100km〜200kmでありうる。
【0088】
ファイバー30はプリフォーム組立体28と実質的に同じ空間配置を有するが、断面寸法は実質的に縮小されることが理解されるべきである。最も重要なことであるが、一次プリフォーム10の中心部分16は、今やナノメートル台の幅を有し、それによってナノワイヤ32となる。
【0089】
ナノワイヤ32は、ワイヤ周囲に被覆又は空気チャンネル18を画定する支持構造又は壁12によって支持される。使用に際して、誘導された光の実質的な部分が、ナノワイヤ32を包囲する空気チャンネル18の中に位置することになり、ナノワイヤは、この光のパイプというよりもレールとして働く。支持構造12は、ナノワイヤ32が従来的なファイバーとして取り扱われることを可能にする外被22によってさらに支持される。外被によってナノワイヤに設けられた構造的完全性は、過去において製造されたナノワイヤに関する難題となっていた脆弱性及び汚染の問題がある程度まで排除されることを意味する。
【0090】
図6に、周囲の空気に露出されている支持構造又は壁12の一部が明確に見えており、壁34として符号が付けられている。壁34は、ナノワイヤ32の一部を周囲の雰囲気に露出するために、重合体の場合には有機溶剤(例えば、アセトン)を使用するか、又は軟質ガラスの場合には無機酸(例えば、硝酸、硫酸、又はフッ化水素酸)を使用してエッチングで除去されうる。ファイバーの連続的な長さをエッチングすると、ファイバーの長さに沿って(一端が最終的に光源に接続され、他端が最終的に検出器に接続される両端から離れて)環境感度が備わることになる。別法として、壁34の一部が、ファイバー30のコア31に局部的に到達することを可能にするために、所望に応じて選択的にエッチングされうる。
【0091】
楔形切取り26は、ファイバー30のコア31に部分的に到達することを許容する任意の形状を有していてもよい。例えば、外被22の切取り部分は、相互に実質的に平行である側面を有する溝でありうる。
【0092】
露出されたコアファイバーは、支持体のためにその感度を損なわざるをえない支持されたナノワイヤを有するという問題に対処する。この配置では、コアが可能な限り表面に近接しているので、感度を損なうことはなく、ナノワイヤは支持され且つ高感度である。
【0093】
支柱14は、一旦、支持構造12の一部がエッチングで除去されると、ファイバー30のコア31全体が露出されるわけではなく、例えば、1つの空気チャンネル18(例えば、図1A)が周囲の空気に露出されるように配置されうることが理解されるべきである。残りの空気チャンネルは封止された状態に留まり、それはコアの汚染を低減する。図7Aは、この配置を示すが、その図では、壁34がエッチングで除去されるか又は別様に除去されており、チャンネル18を、したがってナノワイヤ32を一部が環境に露出された様態に残す。これは、他の3つのチャンネル18を環境に対して封止された状態に残す。
【0094】
当然のことであるが、壁34ばかりでなく、壁34の端部の2本の支柱も全部又は一部がエッチングされ、よって感知されるべき流体が、3つの空気チャンネルに到達するような様態でエッチングを実行できることも理解されよう。この場合には、コアは、図7Bに示されたように、2本の支柱のみによって支持されうる。この配置では、1つのチャンネル18が環境から隔離された状態に留まる。
【0095】
ケーン20は、外被22に組み込まれると、エッチングを必要とすることなくナノワイヤが露出されるように、1つ又は複数の壁が欠損した状態で製作されていてもよい。しかし、一旦ファイバーが形成されてから壁をエッチングすると、(上で説明されたように)ファイバーの使用前にナノワイヤが周囲環境に露出されることを低減し、それによって汚染を低減する。
【0096】
必須ではないが、異なる流体の導入及び隔離を可能にする1つ又は複数の「封止された」チャンネルを有することが有用でありうる。これは、2つの異なる環境間における差異的な検出を可能にするために使用可能であり、即ち、実際には内部参照を行うための基準流体を収容するためにチャンネルの1つを使用することができる。
【0097】
実用では、チャンネルの中へ導入された物質(気体、液体、粒子等)を使用して、本発明の様々な態様に従う構造によって形成されたセンサの非線形性を高めることができる。特に、二硫化炭素(CS)のような非線形流体をチャンネルの中へ導入すると、本発明によって提供されたような軟質ガラスのナノワイヤ及びナノワイヤコアを備える微細構造ファイバーの有効非線形係数を大幅に向上させることが判明した。
【0098】
この用途は、"Nonlinearity of filled microstructured fibres operating in the nanowire regime" K. J. Rowland, Shahraam Afshar V, T.M. Monroe; Optical Fiber Communication Conference (OFC'2006), Anaheim 5-10 Mar 2006, Paper OThH4, 2006と題され、これらの内容全体がここで参照により本明細書に組み込まれる論文にさらに詳細に記載されている。
【0099】
他の用途では、チャンネルの内部で1つ又は複数の物質を励起し、これらにナノワイヤ自体の中へエネルギーを放出させる(又は蛍光を発する)ことによって有用な情報が入手可能であり、次いでそのエネルギーは、ナノワイヤ/ファイバー構造の端部で検出され、且つ分析されうる。
【0100】
ナノワイヤとして働くように中心部分が所望の寸法になるまで、図2に示されたケーン構造を単に引き伸ばすことによってナノワイヤを製作することも本発明の範囲内である。実際に、プリフォームを直接引き伸ばすことによってナノワイヤを形成することは、本発明の態様の範囲内である。
【0101】
完全に露出されたナノワイヤを形成することも本発明の範囲内である。これは、本発明の様々な態様に従って封入されたナノワイヤを形成し、内部のナノワイヤを露出された状態に残すために、外側部分又は外被、及び支持構造をエッチングで除去するか又は別様に溶解することを含む幾つかの様態で実施可能である。この場合には、中心部分は、ナノワイヤの周囲の物質が選択的に除去されることを促進するために、支持構造及び外側部分とは異なる材料によって構成されうる。別法として、支持構造は、外側部分とナノワイヤとが分離されうるように完全にエッチングで除去されてもよい。
【0102】
当然のことであるが、上で説明されたように、外側部分(又はケーン外被)を使用することなく、ナノワイヤが単にケーンを引き伸ばすことだけによって形成される場合には、完全に露出されたナノワイヤを残すために支持構造を溶解するだけで済むことになる。
【0103】
図8は、上で説明された1つの方法に従う様々なステップを示す流れ図である。ステップ100では、図1A及び1Cに示された一次プリフォームが、押出しのような任意適切な手段によって形成される。ステップ102では、この一次プリフォームが、図2に示されたようなケーンを形成するために引き抜かれる。ステップ102では、ケーンは、プリフォーム組立体を形成するために、図5に示されたようなケーン外被の中へ挿入される。ステップ103では、次ぎにプリフォーム組立体は、それが所望の寸法を実現し終えるまで、特に、1つ又は複数の中心部分が、上で説明され且つ図6に示されたナノワイヤの寸法を実現し終えるまで引き抜かれる。
【0104】
得られる物品は、その内部に収められているファイバー、即ち、ナノワイヤである。次いで、随意選択的なステップがステップ104(破線)として示されているが、そのステップでは、ファイバーの少なくとも一部が、感知のような用途で使用するためにナノワイヤの一部を露出するように、エッチングで除去されるか又は別様に除去される。当然のことであるが、例えば、光通信のような幾つかの用途では、ナノワイヤをファイバーの中に完全に封入された状態に残すことが所望されてもよく、したがってエッチング又は除去は行われないことが理解されよう。他の用途では必要に応じて、ナノワイヤを完全に露出された状態に残すためにファイバーを完全に除去していてもよい。
【0105】
図9は、ナノワイヤを内蔵するファイバーを形成する別の方法を示す。この方法では、ステップ210で、図1に示された一次プリフォームが任意適切な手段によって形成され、ステップ201で、この一次プリフォームが引き抜かれ、1つ又は複数の部分がナノワイヤの寸法を獲得するまでのように、所望の寸法が実現されるまで引き抜かれ続ける。
【0106】
特定の当事者が本発明の1つ又は複数の態様を異なる段階で実行しうることも理解されよう。例えば、ある当事者が一次プリフォームを形成することが可能であり、この当事者から、別の当事者が、予め成形された一次プリフォームを入手し、それをケーンに又は直接的にナノワイヤを内蔵するファイバーに抜き出すことが可能であり、別の当事者がこのケーンを入手して、これを、ナノワイヤを内蔵するファイバーに抜き出すことが可能であり、次いで他の当事者が、企図された用途に応じて、ナノワイヤを内蔵するファイバーを所望に応じてエッチングすることが可能である。
【0107】
本出願はこれらの方法の全ての組合せを網羅することを企図するものである。
【0108】
本発明の様々な態様に従って製造されたナノワイヤ及びファイバーは、限定されるものではないが、科学的、医学的、軍事的/防衛的、及び商業的用途で使用するためのセンサ;コンピュータ、個人用携帯型情報端末(PDA、Personal Digital Assistant)、携帯電話のような電子製品用の表示器;カメラ及びカメラ電話用の画像表示器及びセンサ;光データ格納;光通信;光データ処理;交通信号灯;エングレービング;並びにレーザ用途を含めて、数多くの用途を有する。
【0109】
本発明は、その利用が、説明された特定の用途に限定されるものではないことが当業者には理解されよう。本発明は、本明細書に説明又は図示された特定の要素及び/又は特徴構造に関して、その好ましい実施形態に限定されるものでもない。本発明の原理から逸脱することなく、様々な変更が実施されうることが理解されよう。したがって、本発明は、このような全ての変更を包含するものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1A】本発明で使用するための一次プリフォームの断面図である。
【図1B】図1Aの一次プリフォームの別法による形態の断面図である。
【図1C】図1Aの一次プリフォームの斜視図である。
【図2】図1Aの一次プリフォームから得られるケーンの斜視図である。
【図3A】2つの中心部分を示す、図1Aの一次プリフォームの別法による構造の断面図である。
【図3B】図3Bの一次プリフォームの別法による構造の断面図である。
【図3C】3つの中心部分を有する、一次プリフォームの別法による構造の断面図である。
【図3D】4つの中心部分を有する、一次プリフォームの別法による構造の断面図である。
【図4A】本発明で使用するための外側部分又はケーン外被の断面図である。
【図4B】図2Aの外側部分又はケーン外被の斜視図である。
【図5】本発明で使用するための二次プリフォームの斜視図である。
【図6】本発明の態様に従う、ナノワイヤを内蔵する完成されたファイバーを示す様々な拡大図である。
【図7A】壁部分がエッチングで除去された、図6の完成されたファイバーを示す図である。
【図7B】2本の支柱もエッチングで除去された、図7Aの完成されたファイバーを示す図である。
【図8】本発明の態様に従ってナノワイヤを形成する1つの方法を示す流れ図である。
【図9】本発明の別の態様に従ってナノワイヤを形成する別の方法を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノワイヤを組み込んだファイバーを形成する方法であって、
中心部分と前記中心部分を支持する支持構造とを備える一次プリフォームを形成するステップと、
ケーンを形成するために前記一次プリフォームを引き伸ばすステップと、
前記ケーンを受け入れるためにケーン受入れ部分を有する外側部分を形成するステップと、
二次プリフォームを形成するために前記ケーンを前記ケーン受入れ部分の中へ挿入するステップと、
前記中心部分がナノワイヤになるまで前記二次プリフォームを引き伸ばすステップと、
を含む方法。
【請求項2】
一次プリフォームが押出成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
外側部分が、ケーン受入れ部分に通じる空間を設けるように形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
空間が外側部分の楔形切取りである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ナノワイヤを露出するために、空間に露出される支持構造の少なくとも一部をエッチングで除去するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
一次プリフォームが軟質ガラスから作製される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
軟質ガラスがケイ酸鉛である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一次プリフォームが重合体から作製される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ナノワイヤを内蔵するファイバーであって、
前記ファイバーの外側表面を画定する外側部分と、
前記外側部分の内部のナノワイヤと、
前記ナノワイヤを支持する、前記外側部分と前記ナノワイヤとの間の支持構造と、
を備えるファイバー。
【請求項10】
ナノワイヤを包囲する少なくとも1つの被覆領域をさらに備える、請求項9に記載のファイバー。
【請求項11】
支持構造が、中心部分から放射状に延びる少なくとも1本の支柱を備える、請求項9に記載のファイバー。
【請求項12】
少なくとも1本の支柱が、支持構造の周囲を形成する壁部分で終結する、請求項11に記載のファイバー。
【請求項13】
支持構造が、中心部分から放射状に延びる4本の支柱を備える、請求項11に記載のファイバー。
【請求項14】
壁部分が正方形断面を画定する、請求項13に記載のファイバー。
【請求項15】
外側部分が、壁部分の一部に到達するための切欠きを備える、請求項12に記載のファイバー。
【請求項16】
壁部分が正方形断面の3つの辺を画定する、請求項13に記載のファイバー。
【請求項17】
切欠きが楔形である、請求項15に記載のファイバー。
【請求項18】
ナノワイヤを形成する方法であって、
支持構造によって支持された中心部分と、前記中心部分及び前記支持構造を包囲する外側部分とを備えるプリフォーム構造を形成するステップと、
前記中心部分がナノワイヤになるまで前記プリフォーム構造を引き伸ばすステップと、
を含む方法。
【請求項19】
プリフォーム構造を形成するステップが、中心部分及び支持構造を外側部分の中へ挿入するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
プリフォーム構造を形成するステップが、前記プリフォーム構造を押し出すステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
一次プリフォーム構造を引き伸ばすことによって中心部分及び支持構造を形成するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
押出成形によって一次プリフォーム構造を形成するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項18〜22のいずれかに記載の方法に従って形成されたナノワイヤ。
【請求項24】
ナノワイヤを内蔵するファイバーを形成するためのプリフォームであって、
支持構造によって支持された中心部分と、
前記中心部分及び前記支持構造を包囲する外側部分と、
を備えるプリフォーム。
【請求項25】
支持構造が、中心部分から放射状に延びる少なくとも1本の支柱を備える、請求項24に記載のプリフォーム。
【請求項26】
少なくとも1本の支柱が、支持構造の周囲を形成する壁部分で終結する、請求項25に記載のプリフォーム。
【請求項27】
支持構造が、中心部分から放射状に延びる4本の支柱を備える、請求項25に記載のプリフォーム。
【請求項28】
壁部分が正方形断面を画定する、請求項27に記載のプリフォーム。
【請求項29】
外側部分が、壁部分の一部に到達するための切欠きを備える、請求項26に記載のプリフォーム。
【請求項30】
切欠きが楔形である、請求項29に記載のプリフォーム。
【請求項31】
4本の支柱が、壁部分のそれぞれの角部内で終結する、請求項27に記載のプリフォーム。
【請求項32】
ナノワイヤを形成する方法であって、支持構造によって支持された中心部分を有するケーンを、前記中心部分がナノワイヤになるまで引き伸ばすステップを含む方法。
【請求項33】
ナノワイヤの非線形性を増大させる方法であって、前記ナノワイヤを非線形流体で包囲するステップを含む方法。
【請求項34】
ナノワイヤが、前記ナノワイヤと流体連通する少なくとも1つのチャンネルを画定する支持構造及び外側部分によって包囲され、前記ナノワイヤを非線形流体で包囲するステップは、前記非線形流体を前記少なくとも1つのチャンネルの中へ導入するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
非線形流体が二硫化炭素である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって形成された、ナノワイヤを組み込んだファイバー。
【請求項37】
少なくとも1つの被覆領域の内部に存在する環境の少なくとも1つのパラメータを感知するために、請求項10〜17のいずれかに記載のファイバーを備えるセンサ。
【請求項38】
複数のナノワイヤを組み込んだファイバーを形成する方法であって、
複数の中心部分と前記複数の中心部分を支持するための支持構造とを備える一次プリフォームを形成するステップと、
ケーンを形成するために前記一次プリフォームを引き伸ばすステップと、
前記ケーンを受け入れるためにケーン受入れ部分を有する外側部分を形成するステップと、
二次プリフォームを形成するために前記ケーンを前記ケーン受入れ部分の中へ挿入するステップと、
前記複数の中心部分がナノワイヤになるまで前記二次プリフォームを引き伸ばすステップと、
を含む方法。
【請求項39】
一次プリフォームが押出成形される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
外側部分が、ケーン受入れ部分に通じる空間を設けるように形成される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
空間が外側部分の楔形切取りである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ナノワイヤの少なくとも1本を露出するために、空間に露出される支持構造の少なくとも一部をエッチングで除去するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
一次プリフォームが軟質ガラスから作製される、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
軟質ガラスがケイ酸鉛である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
一次プリフォームが重合体から作製される、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
請求項38〜45に記載のいずれかの方法によって作製された、複数のナノワイヤを内蔵するファイバー。
【請求項47】
ナノワイヤの数が2である、請求項46に記載のファイバー。
【請求項48】
ナノワイヤの数が3である、請求項46に記載のファイバー。
【請求項49】
長さが10mmよりも大きいナノワイヤ。
【請求項50】
長さが約1kmである、請求項49に記載のナノワイヤ。
【請求項51】
長さが約10kmである、請求項49に記載のナノワイヤ。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−511282(P2009−511282A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534819(P2008−534819)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001501
【国際公開番号】WO2007/041792
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(508111970)アデレード リサーチ アンド イノヴェーション ピーティーワイ エルティーディー (4)
【氏名又は名称原語表記】ADELAIDE RESEARCH AND INNOVATION PTY LTD
【Fターム(参考)】