説明

ナノワイヤ光センサ及びこれを含むキット

【課題】特定波長の光によりナノワイヤの抵抗が減少する現象を利用したナノワイヤ光センサにおいて、ナノワイヤ光センサと、化学蛍光及び化学発光を利用した免疫分析原理とを組み合わせた免疫分析用迅速診断キットを提供する。また、ナノワイヤ光センサをマイクロアレイ化し、化学蛍光及び化学発光を検出方法として用いるナノワイヤ蛋白質チップ及び遺伝子チップを提供する。
【解決手段】絶縁体基板、2つの導電性金属薄膜電極及び前記2つの電極に接続され半導体物質から形成された半導体ナノワイヤを含み、前記半導体ナノワイヤは、直径が1〜100ナノメータで、長さが前記2つの電極間の間隔より大きく、特定波長で光励起によって電気抵抗が低くなる物質から形成され、前記ナノワイヤが中心部分が除去されたチューブ状であることで、光感応波長帯域が所望の範囲に調節されることを特徴とするナノワイヤ光センサにより、化学蛍光及び化学発光を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ナノワイヤ光センサ、これを利用した免疫分析キット及びこれを利用した免疫分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫分析用迅速診断キット(Rapid Test Kit for Immunoassay、以下、“迅速診断キット”と称する)は、ヒトの体液を利用して診断検査が可能な現場検査(point-of-care)のための検査道具である。このような迅速診断キットの代表的な例として、家庭用妊娠診断キット、緊急治療室用エイズ診断キットなどを挙げることができる。
【0003】
一般に使用される迅速診断キットは、ストリップ型構造からなり、ストリップに注入された液体試料が毛細管現象によって移動する。このような迅速診断キットの基本原理は免疫分析で、試料内の分析対象物が移動経路中に位置する反応点で抗原抗体反応を起こし、このような反応の結果を化学発色により肉眼で確認するというものである。
【0004】
迅速診断検査の有効性の判定は、反応点の前後に位置する陰性反応点と陽性反応点とで起こる試料の反応を観察して行われる。また、診断過程で実行される試料の正常な移動と検査キットの有効性の確認も、化学発色による肉眼検査で行われる。このような迅速診断キットは、試料中の分析対象物が所定濃度以上存在することを確認する制限的な定量検査に該当し、細分化された定量検査のためにはいくつかの反応点を位置させる方法が適用される。
【0005】
一般に使用される発色反応は、分析対象物の検出に使用される抗原または抗体に結合されたホースラディシュ・ペルオキシダーゼ(Horseradish Peroxidase、HRP)、アルカリホスファターゼ(Alkaline Phosphatase、AP)とこれら酵素に対する特異基質を利用する。これら蛋白質に対する特異基質として、一般に反応前は無色であるが、反応後には特定の色の発色を起こす非溶解性化合物が使用される。
【0006】
従来の迅速診断検査キットに使用される化学発色は、試料内の分析対象物の量により発色量が決定され、一定水準以上の濃度に対しては、肉眼で確認し得るように設計される。このような発色反応で確認可能な分析対象物の濃度の限界は、10-6〜10-9Mであることが知られている。
【0007】
これに比べて、化学発光を使用する場合、分析可能な限界は、10-19Mまで、化学蛍光の場合、10-12Mまで向上し得ることが知られている[K.Dyke、Light Probes、in Luminescence biotechnology、CRC Press、2002、pp.5参照]。化学発光を使用したキットの構成のためには、前記の発色を利用する迅速診断キットに使用されるHRPとAPをそのまま使用することができ、化学発色を起こす特異基質の代わりに化学発光を起こす特異基質を使用する。化学蛍光の場合には、蛍光物質が結合された反応物質を使用して検査を行う。このように、迅速診断キットにおいて化学発光や化学蛍光を利用すると、感度の向上によって多様な種類の体液試料内に含まれる極微量の分析対象物の分析が可能であるため、迅速診断キットの応用範囲の拡張が可能であり、反応基質のみを交換するか、または蛍光物質を結合させることで、化学発光または化学蛍光キットの構成が可能であり、従来の生産施設をそのまま使用できるという利点がある。
【0008】
化学発光や化学蛍光を利用する場合、化学発色と異なり、肉眼で検査結果の識別ができないため、検査結果の確認のためには、化学発光量と化学蛍光量を測定するための別途の検出機が必要である。従来使用されていた化学発光測定用検出機としては、PMT(Photomultiplier tube)とCCD(Charge-coupled device)を使用した機器が一般的である[K.Dyke、Instrumentation for the Measurement of Luminescence、in Luminescence biotechnology、CRC Press、2002、pp.31−39参照]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、PMTは、小型化が困難で生産コストが高いので使い捨て使用ができないという欠点があり、CCDは、小型化は容易であるが、感応する光波長の範囲が広く、正確な測定のためには、暗室条件が必要であるために、現場で外部機器なしに使用することは難しいという欠点がある。従って、迅速診断キットに化学発光を導入するためには、キットに内蔵し得るように小型化が可能で、使い捨て使用が可能であるように生産コストが低く、使用現場で別途の外部機器や光の遮断なしに使用が可能な検出機が要求される。
【0010】
本発明は、前記問題を解決するために成されたもので、分析可能限界に優れ、小型化が可能で、使い捨て使用が可能であるように生産コストが低く、使用現場で別途の外部機器や光の遮断なしに使用が可能な化学蛍光または化学発光を利用する迅速診断キット、核酸検出チップ及び蛋白質チップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、半導体ナノワイヤ光センサ、これを利用した免疫分析キット及びこれを利用した免疫分析方法に関する。
【0012】
まず、本発明は、基板、電源、電源に接続された2つの電極及び2つの電極に接続された半導体ナノワイヤを含むナノワイヤ光センサを提供する。本発明の一実施態様において、ナノワイヤ光センサは、図7に示すような構造を有する。図7から分かるように、絶縁体の基板上に2つの導電性金属薄膜を配置して電極を構成し、ナノワイヤが2つの電極の間に結合されてナノワイヤ光センサを構成する。
【0013】
基板は、シリコンなどの半導体、サファイアなどのセラミック、ガラス、高分子、プラスチックなどの絶縁体の基板である。電源は、1〜3Vの範囲が好ましい。電極は、Au、Ti、Pt、Pd、TiN及びこれらのうちの2つ以上の合金からなる群から選択されることが好ましい。電極間の距離は、ナノワイヤの長さより短い2〜100マイクロメートルの範囲で調節される。
【0014】
本発明における「ナノワイヤ」とは、直径が1〜100ナノメータの範囲で、直径に対する長さの比が非常に大きい構造を意味し、「半導体ナノワイヤ」とは、半導体物質から形成されてこのような形態を有する構造を意味する。半導体ナノワイヤは、一般的な全ての半導体物質から構成することができ、好ましくは、ZnO、SnO、CdSe、GaN、CdS、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Si、Ge及びSiCからなる群から選択された1つ以上の物質から形成することができる。
【0015】
ナノワイヤは、他の物質に比較して単結晶であるために、欠陥または不純物の物理的、化学的な特性への影響が殆どない。また、表面積が極めて大きくて、ナノサイズで得られる効果により、物理的、化学的な環境の変化に対する反応及び感知力が大きいために、センサとしての機能に優れる。また、一方向に十分な長さを有するために、他のナノ物質に比較して素子形態で製作することが容易である。
【0016】
一方、半導体ナノワイヤは、特定波長(光感応波長帯域(bandgap))で光励起によって電気抵抗が低くなる特性が知られており、この特性を利用して特定波長に対する光スイッチまたは光センサに使用しようとする研究が報告されている。例えば、ZnOナノワイヤを利用した光センサが報告されている[H.Kind、H.Yan、B.Messer、M.Law、P.Yang. Nanowire ultraviolet photodetectors and optical switches、Adv.Mater.14(2002)158−160参照]。ここで、ナノワイヤの電気抵抗または通電電流を測定することで、特定波長を放出するか否か及び放出程度を測定し得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、ナノワイヤを含む光センサとこれを利用して化学発光及び化学蛍光を測定することで、向上した分解能を示すキットを提供できるという効果がある。本発明のキットは、ナノワイヤ光センサを使用することで、キットの小型化が可能で、使い捨て使用ができるように生産コストが低く、使用現場で別途の外部機器や光の遮断なしに使用が可能である。このため、免疫分析用キット、核酸検出チップ及び蛋白質チップとして適用可能であるという効果がある。この他にも、本発明のナノワイヤを利用した光センサは、化学発光と蛍光を利用して定量検査を行う全ての反応に幅広く利用可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ZnOナノワイヤを電極に接続した後、波長365nmと波長532nmの光を交互に照射しながら電流の流れを示すグラフである。
【図2】照射量(pumping power)によるナノワイヤ通電電流を示すグラフである。
【図3】光照射によるナノワイヤ貫通電流と暗電流とを比較したグラフである。
【図4】GaNナノワイヤに微量物質をドーピングした時に観察される波長帯域の変化を示すグラフである。
【図5】GaN−ZnO半径方向異種構造のナノワイヤを示す図である。
【図6】異種構造のナノワイヤに現れる波長帯域の変化を示すグラフである。
【図7】ナノワイヤ光センサの構造を示す図である。
【図8】ナノワイヤ光センサが取り付けられた迅速診断キットの構造を示す図である。 [4:確認線、5:診断線、6:診断キットストリップ、7:ナノワイヤ光スイッチ]
【図9】基板に成長したInNナノワイヤを示す図である。
【図10】InNナノワイヤを利用した診断キットにおける化学発光による貫通電流の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、ZnOナノワイヤを電極に接続した後、波長が365nm及び532nmの光を交互に照射する時の電流の流れを示すグラフで、ZnOナノワイヤの電気抵抗が、波長365nmの光を照射時に著しく変化する特性を示している。このようなナノワイヤの特定波長に対する電気抵抗の変化は、照射量(Pumping power)によるナノワイヤの通電電流を示す図2のように、照射する光量に対しても定量的な特性を示している。図3は、光照射によるナノワイヤ貫通電流(光電流)と暗電流とを比較したグラフである。ここに示すように、ナノワイヤに加えた照射光によってナノワイヤに流れる電流が干渉要因として作用する暗電流に比べて著しく高い数値を示すため、高い信号対雑音比の確保が可能である。
【0020】
本発明において、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように制御するために、次のような特性を有するナノワイヤを使用することができる。
【0021】
第1に、ナノワイヤは、構成物質によって異なる感応波長を有するため、適切な構成物質を選択してナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすようにすることができる。ここで、感応波長が異なる2つ以上のナノワイヤを使用してナノワイヤ光センサの感応波長を調節することができる。このような感応波長の調節は、感応波長が異なる複数のナノワイヤサスペンションを混合液にして光センサ基板に配列させる方法で可能である。本発明の実施形態で使用されるナノワイヤ構成物質の波長帯域を以下の表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
第2に、従来のナノワイヤに適切な不純物がドーピングされたナノワイヤを使用することにより、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように調節することができる。不純物は、電子ドナー及び電子アクセプタの役割を果たし得る不純物で、約0.5〜5%添加する。例えば、GaNナノワイヤの場合、ドナーは、SiまたはGe、アクセプタは、Mg、Mn、CoまたはFeなどを使用することができる。SiCナノワイヤの場合、ドナーは、N、アクセプタは、BまたはAlなどを使用することができる。ZnOナノワイヤの場合、ドナーは、SiまたはAl、アクセプタは、NまたはLiなどを使用することができる。SiやGeナノワイヤの場合、ドナーは、Li、P、As、SbまたはS、アクセプタは、B、Al、Zn、In、GaまたはNiなどを使用することができる。InPまたはGaPナノワイヤの場合、ドナーは、Si、NまたはAs、アクセプタは、Mg、MnまたはZnなどを使用することができる。AlAsまたはGaAsナノワイヤの場合、ドナーは、Si、アクセプタは、Mg、MnまたはZnなどを使用することができる。InNナノワイヤの場合、ドナーは、SiまたはGe、アクセプタは、Mg、Mn、Znなどを使用することができる。CdSやCdSeナノワイヤの場合、ドナーは、SiまたはGe、アクセプタは、Mgなどを使用することができる。
【0024】
図4は、GaNナノワイヤに微量物質(Mn、4%)をドーピングする時に観察される波長帯域の変化を示す図で、ここから分かるように、微量の不純物をドーピングすることで、波長帯域の調節が可能で、不純物の種類及びドーピング量を調節することで、光センサに使用されるナノワイヤが感応する波長帯域を調節することができる。
【0025】
第3に、半径方向に異種構造を有するナノワイヤを使用し、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように調節することができる。半径方向に異種構造は、1つの物質を蒸着してコア部分を形成した後、その周囲に他の物質を蒸着してシース部分を形成することで得ることができる。例えば、図5は、GaN−ZnO半径方向の異種構造のナノワイヤの外観を示す図であり、図6は、異種構造のナノワイヤに現れる波長帯域の変化を示すグラフである。図5及び図6から分かるように、2種類の物質がそれぞれコアとシースを構成する異種構造のナノワイヤは、コアとシースがそれぞれ異なる波長帯域で光感応を起こし得るために、より広い領域で光反応を達成することができる。また、半径方向に異種構造でコアとシースの厚さを調節することで、量子制限効果によって光感応を起こす波長帯域を調節することができる。すなわち、各半導体が有する固有のボーアエキシトン半径(Bohr exciton radius)より小さくなるようにコアとシースの厚さを調節すると、光感応波長帯域を調節することができる。例えば、GaN−ZnO異種構造の場合、各部分、または一部分の厚さを10nm以下に調節すると、量子制限効果によってより短い波長帯で光感応を起こすことができる。
【0026】
第4に、長手方向に異種構造を有するナノワイヤを使用し、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように調節することができる。長手方向に異種構造は、異なる2種類以上の物質を交互に蒸着させることで得ることができる。このように、2種類の物質が長手方向にそれぞれ交互に構成された異種構造のナノワイヤは、各領域毎にそれぞれ異なる波長帯域で光感応を起こし得るために、より広い波長帯域で光感応を達成することができる。例えば、同一のIII-V化合物半導体で、同一の結晶構造を有するInNとGaNで長手方向の異種構造を有するナノワイヤを製造することができて、このようなナノワイヤにおいてInN部分は、500〜800nm波長帯域で光感応を起こし、GaN部分は、360nm以下の波長帯域で光感応を起こす。
【0027】
第5に、半径方向に異種構造のナノワイヤにおいて内部を除去したチューブ状のナノワイヤを使用し、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように調節することができる。この場合、チューブの厚さに応じて量子制限効果により光感応波長帯域を調節することができる。ナノワイヤを塩酸で処理するか、または高温の還元雰囲気(例えば、H、500℃、30分)下で処理すると、高温還元雰囲気に弱いコア部分を除去することができる。すなわち、コア部分を除去して残ったチューブの厚さを調節することで、光感応波長帯域を調節することができる。例えば、チューブの厚さが材料固有のボーアエキシトン半径より小さくなるように調節すると、量子制限効果によってより短い波長帯で光感応を起こすことができる。
【0028】
第6に、固溶したナノワイヤを使用し、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように調節することができる。例えば、III-V化合物のうちInNとGaNは、それぞれ0.7 eVと3.4 eVの波長帯域を有して互いに固溶したInGa1-xN組成を作ることができる。ここで、波長帯域は、組成xにより調節できるため、xの調節によって620から360nmの広い領域で光反応を調節することができる。
【0029】
また、本発明は、ナノワイヤ光センサの製造方法を提供する。ナノワイヤ光センサの製造方法は、ナノワイヤを成長させた後に分離する段階、絶縁体基板上に2つの導電性金属薄膜電極を位置させる段階、得られたナノワイヤを電極間に分散させて5−50Vの範囲の電圧を加えてナノワイヤを2つの電極間に位置させる段階及び電子ビームの照射または熱処理により電極とナノワイヤを電気的に接続させる段階、を含む。電極とナノワイヤの接続時に電子ビームを利用する場合、1〜5秒間照射することが好ましく、熱処理を利用する場合、200〜500℃で10〜60秒加熱することが好ましい。
【0030】
電極として、Au、Ti、Pt、Pd、TiN及びこれらのうち2つ以上の合金からなる群から選択される物質を使用することが好ましく、同一または異なる物質からなる2つの電極を絶縁体の基板上に適切な距離を置いて位置させる。電極間の距離は、ナノワイヤの長さより短い2−100マイクロメートルの範囲で調節することが好ましい。ナノワイヤとして、一般的な半導体物質から、好ましくは、ZnO、SnO、CdSe、GaN、CdS、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Si、Ge及びSiCからなる群から選択された何れか1つの物質から形成され、直径が1〜100ナノメートルの範囲のものを使用することが好ましい。
【0031】
ナノワイヤは、所定のシリコンなどの半導体、サファイアなどのセラミック、ガラス、高分子及びプラスチック基板から選択された所定の基板に貴金属または遷移金属触媒を位置させて、300〜800℃の範囲の高温でナノワイヤ成分の所定の前駆体を供給して成長させた後、基板からナノワイヤを分離させて使用する。遷移金属触媒として、Au、Ni、CoまたはNiなどを使用することができる。ここで、ナノワイヤが成長した基板がアルコールまたはナノワイヤと反応しない場合、容易に揮発する有機溶媒に入れて数秒間超音波を加えて基板からナノワイヤを分離させて、ナノワイヤが含まれたサスペンション状態の溶液を作って使用することができる。例えば、有機溶媒としてイソプロピルアルコールなどを使用することができる。
【0032】
ここで、ナノワイヤは、所望の光感応範囲を有する物質を選択して成長させて、前述のように、適切な不純物をドーピングさせるか、異なる2つの物質を使用して半径方向に異種構造または長手方向に異種構造を有するように作製するか、またはチューブ状に作製するか、または固溶したナノワイヤを作製することで、ナノワイヤ光センサが所望の波長帯域で光感応を起こすように調節することができる。
【0033】
本発明の一実施形態においては、ナノワイヤ溶液を絶縁体の基板上に位置する2つの電極間に少量位置させて電場をかけることによってナノワイヤを電極間に位置させることができる。本発明の他の実施形態においては、ナノワイヤ溶液をラングミュア-ブロジェット膜状に作製して圧着することによって電極間に位置させることができる。または、本発明が属する技術分野で通常に使用される他の所定の方法を用いてナノワイヤを電極間に位置させることができる。
【0034】
次いで、数秒間の電子ビームの照射または加熱によって電極をナノワイヤと電気的に接続させる。ナノワイヤが電気的に接続されたか否かは、光学顕微鏡を使用した肉眼検査と、特定波長を照射した後に抵抗の変化を観察する電気的な検査法とを順次行って確認する。この時、光センサの2つの電極に所定電圧を加えて測定し、光照射量は、ナノワイヤの抵抗の変化によってナノワイヤに流れる電流量を測定して換算する。
【0035】
また、本発明は、化学蛍光物質を含む検出ストリップとナノワイヤ光センサを含み、ナノワイヤ光センサが化学蛍光の発生する部分に密着して位置する化学蛍光測定キットを提供する(図8参照)。化学蛍光測定キットは、迅速診断キットとして使用可能である。
【0036】
このようなナノワイヤを使用した光センサは、図8のように迅速診断キットの化学蛍光が行われる部分に密着するように位置させる。一般に使用される蛍光物質のうちナノワイヤが感応し得る波長に適した蛍光波長を有するものを選択し、これを検出ストリップの何れか一部分以上(例えば、信号線及び確認線)にコーティングして使用する。このような蛍光の測定のために使用される蛍光物質別に励起波長と蛍光波長に使用されたナノワイヤを以下の表2に整理した。
【0037】
【表2】

【0038】
表2に示すように、500〜800nmの波長帯域において、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Siなどのナノワイヤから与えられた波長帯域に反応し得るナノワイヤを選択、使用した。または、与えられた波長帯域に適した半径方向に異種構造のナノワイヤを選択することができる。または、与えられた波長帯域に適した長手方向に異種構造のナノワイヤを選択することができ。または、与えられた波長帯域に適したナノチューブを選択することができる。または、与えられた波長帯域に適した固溶したナノワイヤを選択することができる。このように蛍光物質が示す蛍光波長によって適切に光センサに使用されるナノワイヤを選択する。
【0039】
また、本発明は、化学発光基質及び化学発光酵素を含む検出ストリップとナノワイヤ光センサを含み、ナノワイヤ光センサが化学発光の発生する部分に密着して位置する化学発光測定キットを提供する(図8参照)。化学発光測定キットは、迅速診断キットとして使用可能である。
【0040】
このようなナノワイヤを使用した光センサは、図8のように迅速診断キットの化学発光が行われる部分(例えば、信号線と確認線)に密着するように位置させる。一般に使用される発光基質のうちナノワイヤが感応し得る波長に適した発光波長を有するものを選択し、これを検出ストリップの何れか一部分以上にコーティングして検出対象基質として使用し、検出基質に作用する化学発光酵素を注入して化学発光を発生させてこれを測定する。例えば、ホースラディシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)及びルシフェラーゼの発光基質のうち、表2に提示された波長範囲で定量的な化学発光を起こすアダマンタン-ジオキセタン(Adamantane-dioxetane)、アクリジニウム(Acridinium)誘導体、ルミノール(Luminol)誘導体、ルシゲニン(Lucigenin)、ホタルルシフェリン(Firefly luciferin)、エクオリン(Aequorin)などを含む発光蛋白質(Photoprotein)、ヒドラジド(Hydrazide)及びシッフ(Schiff)塩基化合物、ルテニウムトリスビピリジル基(Ruthenium trisbipyridyl group)を含む電気化学的な発光基質及び発光性酸素チャネリング基質などをコーティングして検出対象基質として使用することができる。発光基質別に発光波長と前記波長に感応するナノワイヤを以下の表3に整理した。
【0041】
【表3】

【0042】
表3に示すように、430nmの波長帯では、ナノワイヤとしてドーピングされたGaNまたはドーピングされたZnOナノワイヤを使用し、これより長波長帯では、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、SiまたはGeナノワイヤのうち適切なものを選択して使用する。または、与えられた波長帯に適するように2つの物質を選択してコア及びシース構造を有する半径方向に異種構造のナノワイヤを使用することができる。または、与えられた波長帯に適するように2つの物質を選択して交互に蒸着させることで得られる長手方向に異種構造のナノワイヤを使用することができる。または、2つの物質を適切に固溶したナノワイヤを使用することができる。このように発光基質が示す発光波長によって光センサに使用されるナノワイヤを選択する。
【0043】
ナノワイヤを利用する光センサは、迅速診断キットに内蔵し得るように小型化が容易で、使い捨て使用ができるように生産コストが低く、使用現場で別途の外部機器なしに使用が可能である。また、ナノワイヤを使用する光スイッチの場合、一般のCCD素子や光ダイオードとは異なり、感応する光波長帯域が狭くて別途の光遮断装置なしに迅速診断キット用プラスチック容器内に内蔵して使用が可能で、消費電力が小さくて迅速診断キットに内蔵可能なボタン型電池を使用して駆動が可能である。
【0044】
また、本発明は、ナノワイヤ光センサと分析対象物を含む免疫分析キットを提供する。免疫分析キットは、分析対象物が、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA及びcDNAを含む核酸である核酸検出チップ及び分析対象物が蛋白質である蛋白質チップを含む。
【0045】
まず、本発明のナノワイヤ光センサを、従来の蛍光反応を利用する核酸検出チップ及び蛋白質チップに応用することができる。核酸検出チップを使用して遺伝子を検出する場合、チップに固定された遺伝子に相補的な遺伝子が結合されたか否かを確認するために、相補的に結合する遺伝子に蛍光物質を連結してここから発生する蛍光を測定することが一般的である。実際に、蛍光の確認は、特定波長のレーザを照射して蛍光を励起してシフトされた波長の光量を測定して行われる。蛍光の測定は、一般に光源として使用されるレーザの光路と90゜の角度で行われる。ここで、光源と90゜の角度に使用された蛍光物質の蛍光波長に適した波長帯域を有するナノワイヤを使用する本発明のナノワイヤ光センサを装置することにより、発生する蛍光を測定することができる。
【0046】
また、本発明の化学発光測定が可能なナノワイヤ光センサを核酸検出チップまたは蛋白質チップに適用することができる。このために、チップに固定された遺伝子に結合する相補的な遺伝子に化学発光を誘導し得る酵素であるHRP、AP、ルシフェラーゼなどを結合させて化学発光基質を注入することにより、検出を行うことができる。一般に蛍光で検出が可能な限界は、10-12 Mであるのに比べて、化学発光で検出可能な限界は、10-19 Mで、化学発光を使用する場合、化学蛍光を使用する場合より高い感度の検出が可能である。従って、PCR方法を用いて対象遺伝子を増幅しないか、または少ない回数の増幅で微量の分析対象遺伝子を検出し得るという利点があるため、検査時間が短縮され、PCR過程で発生し得る誤増幅による検出のミスを減らし得るという利点がある。また、レーザなどの別途の光源を必要としないという利点があって、マイクロスケールの小型化が容易で、集積によるアレイ化が可能で核酸検出チップへの応用に有利である。
【0047】
また、本発明は、蛋白質チップにおいて、蛋白質が固定されていて試料内の蛋白質または化学物質からなる結合物質が固定された蛋白質に結合するか、または生成物を作るが、ここで、結合物質または生成物に蛍光物質を標識し、蛍光物質の蛍光波長に適したナノワイヤを含む本発明のナノワイヤ光センサを使用して発生する蛍光を測定することで、酵素と基質との反応、受容体(合成または生物受容体)と結合物の反応、抗原抗体反応などの蛋白質間の結合、蛋白質と遺伝子(DNAまたはRNA)との結合、遺伝子(DNAまたはRNA)間の結合を検出し得る蛋白質チップを提供することができる。
【0048】
また、本発明は、蛋白質チップにおいて、結合物質または生成物に発光酵素を結合させて発光物質を注入し、発光物質の発光波長に適したナノワイヤを含む本発明のナノワイヤ光センサを使用することで、化学発光を測定する蛋白質チップを提供することができる。蛋白質チップの場合にも核酸検出チップの場合のようにアレイに集積されても本発明のナノワイヤ光センサの適用が可能である。すなわち、酵素蛋白質の反応、受容体(合成または生物受容体)と結合物との反応、抗原−抗体反応など蛋白質間の結合、蛋白質と遺伝子(DNAまたはRNA)との結合反応など、蛍光の測定により反応するか否か及び反応量を測定する全ての検査に使用が可能である。
【0049】
このような核酸検出チップ及び蛋白質チップを含む免疫分析キットにおいて、本発明のナノワイヤ光センサを使用してマイクロアレイ型または単一検査用蛋白質チップとして実現可能である。マイクロアレイ型の場合、複数のナノワイヤ光センサがマルチプレクサにより接続されてそれぞれの光センサの信号が順次処理されるように構成されるか、またはアナログスイッチングによりそれぞれの光センサの信号が同時に処理されるように構成することができる。
【0050】
前述した蛍光及び発光の測定は、蛍光及び発光が起こる部位に近接するようにナノワイヤ光センサを固定して行われる。このような固定方法は、従来製作されていた迅速診断キット、蛋白質チップ、核酸検出チップに大きな変形をしなくても使用が可能である。
【0051】
また、信号を起こす光量の損失を減らして迅速に測定するためには、ナノワイヤ上で蛍光及び発光が起こるようにする方法が使用可能である。すなわち、前述したように、固体上に固定される反応物質をナノワイヤ上に直接固定することが実現可能である。このようなナノワイヤ上に反応物質を固定する方法は、ナノワイヤと物質間に化学連結物質(リンカー)をナノワイヤにコーティングし、連結物質に反応物質を固定する段階からなる。ナノワイヤのコーティングに使用される化学連結物質は、発生した蛍光または発光がナノワイヤに到達することを妨げないように該当波長の光を吸収しない物質を選択し、リガンド物質の結合を空間的に妨げないように薄くて均一な単一膜のようにコーティングされるべきである。金属酸化物からなるナノワイヤの場合、純粋炭素鎖あるいは、エステルのような化学官能基が鎖構造の中間に含まれた炭素鎖の末端にアミン基、カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸基などが結合されたチオールまたは有機シラン誘導体を処理して化学連結物質膜をナノワイヤ上に形成させることができる。有機シラン誘導体は、無水トリエトキシまたはトリメトキシ有機シラン誘導体であり得る。
【0052】
また、金属酸化物、純金属、無機物などからなるナノワイヤの場合、CVD(化学蒸着法)などの過程により金属膜をコーティングした後、多様な長さの炭素鎖の末端にアミン基、カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸基などが結合されたチオール誘導体を処理してナノワイヤ上に化学連結物質膜を形成させることができる。
【0053】
その後、反応物質の結合は、化学連結物質の端部がカルボキシル基である場合、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(EDAC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)などを使用し、アミン基である場合には、グルタルアルデヒドなどを使用し、エポキシ基とスルホン酸基である場合には、反応物質を一定時間インキュベーションして結合を誘導する。
【0054】
以上のようなナノワイヤ上に直接反応物質を結合させる方法によってナノワイヤが固定された平面に比べて、ナノワイヤの成長密度によって反応物質の結合に使用される反応面積が増加するので、使用される抗原と抗体との結合反応、酵素による反応、DNAやRNAなどを使用した結合反応などに現れるセンサ信号を大きく増幅させることができる。
【0055】
以下、本発明によるナノワイヤ光センサを製造し、このセンサを化学発光物質と組み合わせて迅速診断キットを製造して性能を試験した実施例について記述する。下記の実施例によって本発明がより具体的に説明されるが、このような実施例は、単に本発明の例示であり、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
【0056】
[実施例]
実施例1
シリコン基板の一面にスパッタリング蒸着法でAuを2nmの厚さで蒸着し、この基板にCVDによって500℃でInClとNHを供給することで、InNナノワイヤを成長させた。図9は、基板に成長したInNナノワイヤを示す図である。この基板をイソプロピルアルコールに入れて10秒間超音波を加えて基板からナノワイヤを分離した。溶液をTi/Au電極が位置する基板に分散して電極間に20Vの電位差を加えて電極間にナノワイヤを整列して位置させた。次いで、加熱(500℃、30秒)または電子ビームを照射して電極をナノワイヤと接続させてナノワイヤセンサを製作した。電気的な接続を確認した後、図7に示すように、作製されたナノワイヤセンサを化学発光が起こる信号線と確認線に密着するように位置させた。この時、検出対象基質は、ルミノール誘導体を使用した。この時、化学発光が起こった状態で現れる電流の変化を図10に示す。このような電流の変化で対象物質に対する検出の結果を確認することができる。
【0057】
実施例2
サファイア基板の一面にスパッタリング蒸着法でNiを2nmの厚さで蒸着し、この基板にCVDによって700℃でTMG(trimethylgallium)、NH及び少量のCp2Mgを供給してMgがドーピングされたGaNナノワイヤを成長させた。合成したナノワイヤを用いて実施例1と同様の方法で診断キットを構成した。ここで、検出対象基質は、アクリジニウム化合物を使用し、ナノワイヤに現れる電流の変化で対象物質に対する検出の結果を確認した。
【0058】
実施例3
サファイア基板の一面にスパッタリング蒸着法でNiを2nmの厚さで蒸着し、この基板にIn金属を位置させて、NHを供給しながらInNナノワイヤを成長させた。合成したナノワイヤを用いて実施例1と同様の方法で診断キットを構成した。この時、検出対象基質は、発光蛋白質を使用し、ナノワイヤに現れる電流の変化で対象物質に対する検出の結果を確認した。
【0059】
実施例4
サファイア基板の一面にスパッタリング蒸着法でNiを2nmの厚さで蒸着し、この基板にCVDによって700℃でTMG(trimethylgallium)、NHを供給してGaNナノワイヤを成長させた。次いで、DEZ(dethyl zinc)とOを継続して供給してコアはGaN、シースはZnOから構成された半径方向に異種構造を有するナノワイヤを合成した。合成したナノワイヤを用いて実施例1と同様の方法で診断キットを構成した。ここで、検出対象基質は、アクリジニウム化合物を使用し、ナノワイヤに現れる電流の変化で対象物質に対する検出の結果を確認した。
【0060】
実施例5
サファイア基板の一面にスパッタリング蒸着法でAuを2nmの厚さで蒸着し、この基板にCVDによって700℃でDEZ(dethyl zinc)とOを供給してZnOナノワイヤを成長させた。次いで、TMG(trimethylgallium)、NHを継続して供給してGaNを表面に蒸着させた。次いで、ナノワイヤをHCl溶液で12時間処理してZnOコアを除去してGaNナノチューブを合成した。合成したナノチューブを用いて実施例1と同様の方法でキットを構成した。この時、検出対象基質は、アクリジニウム化合物を使用し、ナノワイヤに現れる電流の変化で対象物質に対する検出の結果を確認した。
【0061】
実施例6
サファイア基板の一面にスパッタリング蒸着法でNiを2nmの厚さで蒸着し、この基板から2cm離隔した部分にGaとIn金属を3 : 1の質量比で混ぜて位置させて、NHを供給しながらGa1-xInNナノワイヤを成長させた。合成したナノワイヤを用いて実施例1と同様の方法で診断キットを構成した。この時、検出対象基質は、発光蛋白質を使用し、ナノワイヤに現れる電流の変化で対象物質に対する検出の結果を確認した。
【0062】
実施例7
癌標識物質であるCA 125(NatuTec GmbH、Germany)をマイクロプレートに固定した後、HRPが結合されたCA 125抗体(NatuTec GmbH、Germany)を濃度を変えて結合した。次いで、ルミノールが入った発光基質溶液を加えた後、実施例1で得られたInNナノワイヤ光センサを利用して化学発光量を測定した。実験の結果、InNナノワイヤ光センサは、結合されたHRPと抗体の濃度によって定量的な反応を示した。測定結果の確認のために従来の発光及び蛍光測定装置(LS45、Perkin-Elmer)を使用して化学発光を同時に測定した。実験の結果、化学発光波長に適したナノワイヤで製造した光センサが化学発光の定量的な測定に適していることが明らかになった。
【0063】
実施例8
B型肝炎抗原が結合されたガラス板にフルオレセインが結合されたB型肝炎抗体を濃度を変えて結合させた。フルオレセインの励起波長である495nmのレーザを照射し、同時にInNナノワイヤ光センサでレーザと約90゜の位置で発生する蛍光を測定した。測定結果の確認のために従来の発光及び蛍光測定装置(LS45、Perkin-Elmer)を使用して蛍光を測定した。実験の結果、GaPナノワイヤ光センサは、結合されたフルオレセイン量による定量信号を示した。この実験の結果は、蛍光波長に適したナノワイヤで製造した光センサが定量的に蛍光を測定可能であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体基板、2つの導電性金属薄膜電極及び前記2つの電極に接続され半導体物質から形成された半導体ナノワイヤを含み、前記半導体ナノワイヤは、直径が1〜100ナノメータで、長さが前記2つの電極間の間隔より大きく、特定波長で光励起によって電気抵抗が低くなる物質から形成され、
前記ナノワイヤが、中心部分が除去されたチューブ状であることで、光感応波長帯域が所望の範囲に調節される
ことを特徴とするナノワイヤ光センサ。
【請求項2】
前記基板が、半導体、セラミック、ガラス、高分子及びプラスチックからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のナノワイヤ光センサ。
【請求項3】
前記電極が、Au、Ti、Pt、Pd、TiN及びこれらのうちの2つ以上の合金からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のナノワイヤ光センサ。
【請求項4】
前記2つの電極間の距離が、2〜100マイクロメートルであることを特徴とする請求項1に記載のナノワイヤ光センサ。
【請求項5】
前記半導体ナノワイヤが、ZnO、SnO、CdSe、GaN、CdS、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Si、Ge及びSiCからなる群から選択された1つ以上の物質から形成されることを特徴とする請求項1に記載のナノワイヤ光センサ。
【請求項6】
基板上に直径1〜100ナノメータのナノワイヤを成長させた後に分離する段階であって、
前記ナノワイヤを、中心部分が除去されたチューブ状に形成することで、光感応波長帯域を所望の範囲に調節する段階と、
絶縁体基板上に2つの導電性金属薄膜電極を間隔が前記ナノワイヤの長さより短くなるように配置する段階と、
前記得られたナノワイヤを前記2つの電極間に分散させそして電圧を加えて、前記ナノワイヤを2つの電極の間に2つの電極を接続するように配置する段階と、
電子ビームの照射または加熱によって前記電極とナノワイヤとを電気的に接続する段階と、を含むことを特徴とするナノワイヤ光センサの製造方法。
【請求項7】
前記基板が、半導体、セラミック、ガラス、高分子及びプラスチックからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記電極が、Au、Ti、Pt、Pd、TiN及びこれらのうちの2つ以上の合金からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記2つの電極間の距離が、2〜100マイクロメートルであることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
前記半導体ナノワイヤが、ZnO、SnO、CdSe、GaN、CdS、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Si、Ge及びSiCからなる群から選択された1つ以上の物質から形成されることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項1によるナノワイヤ光センサと、
蛍光物質を含む検出ストリップと、を含むことを特徴とする化学蛍光測定キット。
【請求項12】
前記半導体ナノワイヤが、ZnO、SnO、CdSe、GaN、CdS、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Si、Ge及びSiCからなる群から選択された1つ以上の物質から形成されることを特徴とする請求項11に記載の化学蛍光測定キット。
【請求項13】
前記蛍光物質が、フルオレセイン(Fluorescein)、バイオジピ-FL(Biodipy-FL)、アレクサフルオルグリーン(Alexa Fluor Green)、R-フィコエリトリン(R-phycoerythrin)、フィコエリトリン-テキサスレッド(Phycoerythrin-Texas Red)、フィコエリトリン-シアニン5(Phycoerythrin-cyanine5)、フィコエリトリン-シアニン7(Phycoerythrin-cyanine7)、ペリディニン-クロロフィル蛋白質(Peridinin-chlorophyll protein)、アロフィコシアニン(Allophycocyanin)及びアロフィコシアニン-シアニン7(Allophycocyanin-cyanine7)からなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の化学蛍光測定キット。
【請求項14】
請求項1によるナノワイヤ光センサと、
発光酵素及び発光基質を含む検出ストリップと、を含むことを特徴とする化学発光測定キット。
【請求項15】
前記半導体ナノワイヤが、ZnO、SnO、CdSe、GaN、CdS、InP、GaP、GaAs、AlAs、InN、Si、Ge及びSiCからなる群から選択された1つ以上の物質から形成されることを特徴とする請求項14に記載の化学発光測定キット。
【請求項16】
前記発光酵素が、ホースラディシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)及びルシフェラーゼからなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の化学発光測定キット。
【請求項17】
前記発光基質が、アダマンタン-ジオキセタン(Adamantane-dioxetane)、アクリジニウム(Acridinium)誘導体、ルミノール(Luminol)誘導体、ルシゲニン(Lucigenin)、ホタルルシフェリン(Firefly luciferin)、発光蛋白質(Photoprotein)、ヒドラジド(Hydrazides)及びシッフ(Schiff)塩基化合物、電気化学的な発光基質及び発光性酸素チャネリング基質からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の化学発光測定キット。
【請求項18】
分析対象物と、
請求項11〜13の何れか一項による化学蛍光測定キットまたは請求項14〜17の何れか一項による化学発光測定キットと、を含むことを特徴とする免疫分析キット。
【請求項19】
前記化学蛍光測定キットのナノワイヤ光センサが、蛍光励起光源と90゜に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の免疫分析キット。
【請求項20】
前記分析対象物が、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA及びcDNAからなる群から選択される核酸または蛋白質であることを特徴とする請求項18に記載の免疫分析キット。
【請求項21】
2つ以上のナノワイヤ光センサが、マイクロアレイ化されていることを特徴とする請求項18に記載の免疫分析キット。
【請求項22】
前記マイクロアレイ化されたナノワイヤ光センサが、マルチプレクサを介して接続されていて、それぞれのナノワイヤ光センサの信号を順次処理するか、またはアナログスイッチングによりそれぞれの光センサの信号を同時に処理し得ることを特徴とする請求項21に記載の免疫分析キット。
【請求項23】
化学蛍光物質または化学発光酵素及び化学発光基質並びに請求項1によるナノワイヤ光センサを含み、前記ナノワイヤ光センサのナノワイヤの表面が化学結合物質でコーティングされていて、分析対象物がナノワイヤに直接固定されていることを特徴とする免疫分析キット。
【請求項24】
前記化学結合物質が、末端にアミン基、カルボキシル基、エポキシ基及びスルホン酸基からなる群から選択された物質が結合されたチオール誘導体または有機シラン誘導体であることを特徴とする請求項23に記載の免疫分析キット。
【請求項25】
前記カルボキシル基が、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(EDAC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を含み、前記アミン基がグルタルアルデヒドを含むことを特徴とする請求項24に記載の免疫分析キット。
【請求項26】
前記分析対象物が、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、PNA及びcDNAからなる群から選択される核酸または蛋白質であることを特徴とする請求項23に記載の免疫分析キット。
【請求項27】
2つ以上のナノワイヤ光センサが、マイクロアレイ化されていることを特徴とする請求項26に記載の免疫分析キット。
【請求項28】
前記マイクロアレイ化されたナノワイヤ光センサが、マルチプレクサを介して接続されていて、それぞれのナノワイヤ光センサの信号を順次処理するか、またはアナログスイッチングによりそれぞれの光センサの信号を同時に処理し得ることを特徴とする請求項27に記載の免疫分析キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−169689(P2010−169689A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19556(P2010−19556)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【分割の表示】特願2007−502710(P2007−502710)の分割
【原出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(399101854)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (68)
【Fターム(参考)】