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ナノワイヤ構造体の製造方法
説明

ナノワイヤ構造体の製造方法

【課題】本発明は、カーボンナノチューブアレイを利用したナノワイヤ構造体の製造方法に関する。
【解決手段】本発明のナノワイヤ構造体の製造方法は、自立構造を有するカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、少なくとも二種の反応材料を提供して、前記カーボンナノチューブ構造体と反応させる第二ステップと、前記少なくとも二種の反応材料を反応させてナノワイヤ構造体を形成する第三ステップと、を含む。前記カーボンナノチューブ構造体は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム、綿毛構造カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノワイヤ構造体の製造方法に関し、特にカーボンナノチューブ構造体を利用したナノワイヤ構造体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ナノ材料は、触媒反応、電気的性質、物理的性質、電磁気的性質、発光性などの特徴を有するので、科学技術研究分野において広く注目されている。現在、ナノ材料の製造方法には、自発成長(spontaneous growth)、テンプレート合成法(template−based synthesis)、エレクトロスピニング法(electrospinning)、リソグラフィー法(lithography)がある。
【0003】
非特許文献1には、エレクトロスピニング法により二酸化チタンナノファイバーを形成する方法が掲載されている。該方法において、強い電場の作用で、チタンテトライソプロポキシド(titanium−tetraisopropoxide,TTIP)及びポリビニルピロリドン(poly vinylpyrrolidone,PVP)をアルコール溶媒に混入して形成したゾルゲル溶液を、針状体の中に注入させる。これにより、PVP及びアモルファス二酸化チタンからなる、二酸化チタン複合物のナノファイバー(長さが数センチメートルに達する)が得られる。該ナノファイバーは静電気注射器として利用できる。しかし、エレクトロスピニング法による二酸化チタン複合物のナノファイバーの製造方法には、高電圧が必要であり、製造設備が複雑であるので、コストが高くなる課題がある。
【0004】
カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube,CNT)は、新型のカーボン材料であり、日本の研究員の飯島澄男よって1991年に発見された(非特許文献2を参照)。カーボンナノチューブは、大きなアスペクト比を有し、例えば、抗張強度が1.0×10MPaであり、ヤング率(Young’s modulus)が1.8×10MPaであることなどの独特の力学性能を有し、強酸、強アルカリに耐性を有し、600℃以下の温度で酸化されない。また、カーボンナノチューブは優れた熱伝導性能を有する。従って、該カーボンナノチューブを添加物として他の材料に複合することがカーボンナノチューブ応用の重要な方向になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第1803586号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Dan Li,“Fabrication of Titania Nanofibers by Electrospinning”, Nano Letters、2003年、vol.3, No.4, p555−560
【非特許文献2】S.Iijima、“Helical Microtubules of Graphitic Carbon”、Nature、1991年、第354巻、p.56
【非特許文献3】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1を参照すると、テンプレート合成法によるシリコン窒化ナノワイヤの製造方法において、CNT粉末をテンプレートとして利用する。該方法において、所定の比率によってSi粉末及びナノSiOを混合させて混合物を形成する。該混合物を二層のコランダム反応炉の低層に置いて、CNT粉末を該反応炉の上層に置いた後、該反応炉を高温の反応容器に設置して、前記CNT粉末の表面にシリコン窒化ナノワイヤを成長させる。該成長工程において、Si及びSiOが反応して酸化シリコン(SiO)の蒸気になって、該SiOの蒸気と窒素ガスと反応して、シリコン窒化ナノワイヤが形成される。
【0008】
しかし、前記テンプレート合成法において、直径及び長さが短いCNT粉末をテンプレートとして利用するので、得られたナノワイヤが短いという欠点がある。また、CNT粉末が容易に凝集するので、前記ナノワイヤは均一に分散できない。さらに、前記ナノワイヤは自立構造体ではないので、該ナノワイヤの応用領域が狭いという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナノワイヤ構造体の製造方法は、自立構造を有するカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、少なくとも二種の反応材料を提供して、前記カーボンナノチューブ構造体と反応させる第二ステップと、前記少なくとも二種の反応材料を反応させてナノワイヤ構造体を形成する第三ステップと、を含む。
【0010】
前記カーボンナノチューブ構造体は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム、綿毛構造カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤを含む。
【0011】
前記第一ステップでは、カーボンナノチューブアレイを提供して、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも、一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き伸ばす。
【0012】
前記第二ステップでは、前記少なくとも二種の反応材料は気体、固体又は液体である。
【0013】
前記第三ステップでは、レーザー走査により、前記少なくとも二種の反応材料を反応させる。
【0014】
懸架したカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、該カーボンナノチューブ構造体に金属層を形成する第二ステップと、該金属層を酸化させて酸化金属のナノワイヤ構造体を形成する第三ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明のナノワイヤ構造体の製造方法に利用したカーボンナノチューブ構造体は、自立構造を有するので、該カーボンナノチューブ構造体をテンプレートとして利用できる。従って、本発明の製造方法が簡単で、コストが低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のナノワイヤ構造体の製造方法のフローチャートである。
【図2】本発明のカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明のカーボンナノチューブセグメントの模式図である。
【図4】本発明の非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤねじれ状カーボンナノチューブワイヤである。
【図5】本発明のねじれ状カーボンナノチューブワイヤねじれ状カーボンナノチューブワイヤである。
【図6】本発明のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されたカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明のカーボンナノチューブが等方的に配列されたカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明の綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明の実施例1に係るナノワイヤ構造体の製造方法を示す図である。
【図10】本発明の実施例1に係る、チタン粒子が堆積されたカーボンナノチューブ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】本発明の実施例1に係る、TiOナノワイヤ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図12】本発明の実施例1に係る、TiOナノワイヤ構造体のTEM写真である。
【図13】本発明の実施例1に係る、カーボンナノチューブ構造体が除去された二酸化チタンのナノワイヤ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図14】本発明の実施例2に係るTiOナノワイヤ構造体の製造方法を示す図である。
【図15】本発明の実施例2に係る、チタン粒子が堆積されたカーボンナノチューブ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図16】本発明の実施例3に係るTiOナノワイヤ構造体の製造方法を示す図である。
【図17】本発明の実施例4に係るTiOナノワイヤ構造体の製造方法を示す図である。
【図18】本発明の実施例5に係るZnOナノワイヤ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図19】本発明の実施例5に係るZnOナノワイヤ構造体の透過型電子顕微鏡写真である。
【図20】本発明の実施例5に係るZnOナノワイヤ構造体の透過型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1を参照すると、本実施形態はナノワイヤ構造体の製造方法を提供する。該製造方法は、カーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、少なくとも二種の反応材料を提供して、前記カーボンナノチューブ構造体と反応させる第二ステップと、前記少なくとも二種の反応材料を反応させてナノワイヤ構造体を形成する第三ステップと、を含む。
【0019】
前記第一ステップに提供されたカーボンナノチューブ構造体は自立構造を有する。ここで、自立構造は、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができるという形態である。前記カーボンナノチューブ構造体に、複数のカーボンナノチューブが配向し又は配向せずに配置されている。前記複数のカーボンナノチューブの配列方式により、前記カーボンナノチューブ構造体は非配向型のカーボンナノチューブ構造体及び配向型のカーボンナノチューブ構造体の二種に分類される。本実施例における非配向型のカーボンナノチューブ構造体では、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って配置され、又は絡み合っている。配向型のカーボンナノチューブ構造体では、前記複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列している。又は、配向型のカーボンナノチューブ構造体において、配向型のカーボンナノチューブ構造体が二つ以上の領域に分割される場合、各々の領域における複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。この場合、異なる領域におけるカーボンナノチューブの配列方向は異なる。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径は1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5nm〜50nmに設定される。
【0020】
本発明のカーボンナノチューブ構造体としては、以下の(一)〜(四)のものが挙げられる。
【0021】
(一)ドローン構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、図2に示す、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム143aを含む。このカーボンナノチューブフィルムはドローン構造カーボンナノチューブフィルム(drawn carbon nanotube film)である。前記カーボンナノチューブフィルム143aは、超配列カーボンナノチューブアレイ(非特許文献3を参照)から引き出して得られたものである。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って、端と端が接続されている。即ち、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、分子間力で長さ方向端部同士が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。図2及び図3を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、複数のカーボンナノチューブセグメント143bを含む。前記複数のカーボンナノチューブセグメント143bは、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143bは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143bにおいて、前記複数のカーボンナノチューブ145の長さが同じである。前記カーボンナノチューブフィルム143aを有機溶剤に浸漬させることにより、前記カーボンナノチューブフィルム143aの強靭性及び機械強度を高めることができる。有機溶剤に浸漬された前記カーボンナノチューブフィルムの単位面積当たりの熱容量が低くなるので、その熱音響効果を高めることができる。前記カーボンナノチューブフィルム143aの幅は100μm〜10cmに設けられ、厚さは0.5nm〜100μmに設けられる。
【0022】
前記カーボンナノチューブ構造体は、積層された複数の前記カーボンナノチューブフィルムを含むことができる。この場合、隣接する前記カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で結合されている。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、それぞれ0°〜90°の角度で交差している。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが0°以上の角度で交差する場合、前記カーボンナノチューブ構造体に複数の微孔が形成される。又は、前記複数のカーボンナノチューブフィルムは、隙間なく並列されることもできる。
【0023】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は次のステップを含む。
【0024】
第一ステップでは、カーボンナノチューブアレイを提供する。該カーボンナノチューブアレイは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献2を参照)であり、該超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は、化学気相堆積法を採用する。該製造方法は、次のステップを含む。ステップ(a)では、平らな基材を提供し、該基材はP型のシリコン基材、N型のシリコン基材及び酸化層が形成されたシリコン基材のいずれか一種である。本実施例において、4インチのシリコン基材を選択することが好ましい。ステップ(b)では、前記基材の表面に、均一的に触媒層を形成する。該触媒層の材料は鉄、コバルト、ニッケル及びその2種以上の合金のいずれか一種である。ステップ(c)では、前記触媒層が形成された基材を700℃〜900℃の空気で30分〜90分間アニーリングする。ステップ(d)では、アニーリングされた基材を反応炉に置き、保護ガスで500℃〜740℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して、5分〜30分間反応を行って、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献2)を成長させることができる。該カーボンナノチューブアレイの高さは100マイクロメートル以上である。該カーボンナノチューブアレイは、互いに平行し、基材に垂直するように生長する複数のカーボンナノチューブからなる。該カーボンナノチューブは、長さが長いため、部分的にカーボンナノチューブが互いに絡み合っている。生長の条件を制御することによって、前記カーボンナノチューブアレイは、例えば、アモルファスカーボン及び残存する触媒である金属粒子などの不純物を含まなくなる。
【0025】
本実施例において、前記カーボンを含むガスとしては例えば、アセチレン、エチレン、メタンなどの活性な炭化水素が選択され、エチレンを選択することが好ましい。保護ガスは窒素ガスまたは不活性ガスであり、アルゴンガスが好ましい。
【0026】
本実施例から提供されたカーボンナノチューブアレイは、前記の製造方法により製造されることに制限されず、アーク放電法またはレーザー蒸発法で製造してもいい。
【0027】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも、一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き伸ばす。まず、ピンセットなどの工具を利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。例えば、一定の幅を有するテープを利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。次に、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブセグメントからなる連続のカーボンナノチューブフィルムを形成する。
【0028】
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記基材から脱離すると、分子間力で前記カーボンナノチューブセグメントが端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0029】
(二)カーボンナノチューブワイヤ
前記カーボンナノチューブ構造体は少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。一本の前記カーボンナノチューブワイヤの熱容量は、0(0は含まず)〜2×10−4J/cm・Kであり、5×10−5J/cm・Kであることが好ましい。一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は4.5nm〜1cmである。図4を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で接続された複数のカーボンナノチューブからなる。この場合、一本のカーボンナノチューブワイヤ(非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ)は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。前記カーボンナノチューブセグメントは、同じ長さ及び幅を有する。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記複数のカーボンナノチューブはカーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。図5を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤをねじり、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。ここで、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。前記カーボンナノチューブ構造体は、前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はそれらの組み合わせのいずれか一種からなる。
【0030】
前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、カーボンナノチューブアレイから引き出してなるカーボンナノチューブフィルムを利用する。前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、次の三種がある。第一種では、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長手方向に沿って、前記カーボンナノチューブフィルムを所定の幅で切断し、カーボンナノチューブワイヤを形成する。第二種では、前記カーボンナノチューブフィルムを有機溶剤に浸漬させて、前記カーボンナノチューブフィルムを収縮させてカーボンナノチューブワイヤを形成することができる。第三種では、前記カーボンナノチューブフィルムを機械加工(例えば、紡糸工程)してねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。詳しく説明すれば、まず、前記カーボンナノチューブフィルムを紡糸装置に固定させる。次に、前記紡糸装置を動作させて前記カーボンナノチューブフィルムを回転させ、ねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。
【0031】
(三)プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)である。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブフィルムは、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけて前記カーボンナノチューブアレイを押し、該カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、前記押し器具の形状及び前記カーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。
【0032】
図7を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向せずに配置される。該カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されている複数のカーボンナノチューブを含む。隣接するカーボンナノチューブが分子間力で相互に引き合い、接続する。該カーボンナノチューブ構造体が平面等方性を有する。該カーボンナノチューブフィルムは、平面を有する押し器具を利用して、カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを押すことにより形成される。
【0033】
図6を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向して配列される。該カーボンナノチューブフィルムは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ローラー形状を有する押し器具を利用して、同じ方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、基本的に同じ方向に配列されるカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。また、ローラー形状を有する押し器具を利用して、異なる方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、前記異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されるカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0034】
前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの傾斜の程度は、前記カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブと該カーボンナノチューブフィルムの表面とは、角度αを成し、該角度αは0°以上15°以下である。好ましくは、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが該カーボンナノチューブフィルムの表面に平行する。前記圧力が大きくなるほど、前記傾斜の程度が大きくなる。前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは、前記カーボンナノチューブアレイの高さ及び該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。即ち、前記カーボンナノチューブアレイの高さが大きくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が小さくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが大きくなる。これとは逆に、カーボンナノチューブアレイの高さが小さくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が大きくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが小さくなる。
【0035】
(四)綿毛構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)である。図8を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブは、絡み合い、等方的に配列されている。前記カーボンナノチューブ構造体においては、前記複数のカーボンナノチューブが均一に分布されている。複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されている。単一の前記カーボンナノチューブの長さは、100nm以上であり、100nm〜10cmであることが好ましい。前記カーボンナノチューブ構造体は、自立構造の薄膜の形状に形成されている。ここで、自立構造は、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体を独立して利用することができるという形態である。前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で接近して、相互に絡み合って、カーボンナノチューブネット状に形成されている。前記複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されて、多くの微小な穴が形成されている。ここで、単一の前記微小な穴の直径が10μm以下になる。前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、該カーボンナノチューブ構造体は柔軟性に優れ、任意の形状に湾曲して形成させることができる。用途に応じて、前記カーボンナノチューブ構造体の長さ及び幅を調整することができる。前記カーボンナノチューブ構造体の厚さは、0.5nm〜1mmである。
【0036】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、下記のステップを含む。
【0037】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ原料(綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの素になるカーボンナノチューブ)を提供する。
【0038】
ナイフのような工具で前記カーボンナノチューブを前記基材から剥離し、カーボンナノチューブ原料が形成される。前記カーボンナノチューブは、ある程度互いに絡み合っている。前記カーボンナノチューブの原料においては、該カーボンナノチューブの長さは、100マイクロメートル以上であり、10マイクロメートル以上であることが好ましい。
【0039】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブ原料を溶剤に浸漬し、該カーボンナノチューブ原料を処理して、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を形成する。
【0040】
前記カーボンナノチューブ原料を前記溶剤に浸漬した後、超音波式分散、又は高強度攪拌又は振動などの方法により、前記カーボンナノチューブを綿毛構造に形成させる。前記溶剤は水または揮発性有機溶剤である。超音波式分散方法により、カーボンナノチューブを含む溶剤に対して10〜30分間処理する。カーボンナノチューブは大きな比表面積を有し、カーボンナノチューブの間に大きな分子間力が生じるので、前記カーボンナノチューブはそれぞれもつれて、綿毛構造に形成されている。
【0041】
第三ステップでは、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶液をろ過して、最終的な綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を取り出す。
【0042】
まず、濾紙が置かれたファネルを提供する。前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を濾紙が置かれたファネルにつぎ、しばらく放置して、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が分離される。図9を参照すると、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが互いに絡み合って、不規則的な綿毛構造となる。
【0043】
分離された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を容器に置き、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を所定の形状に展開し、展開された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に所定の圧力を加え、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に残留した溶剤を加熱するか、或いは、該溶剤が自然に蒸発すると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0044】
前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が展開される面積によって、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度を制御できる。即ち、一定の体積を有する前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体は、展開される面積が大きくなるほど、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度が小さくなる。
【0045】
また、微多孔膜とエアーポンプファネル(Air−pumping Funnel)を利用して綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。具体的には、微多孔膜とエアーポンプファネルを提供し、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を、前記微多孔膜を通して前記エアーポンプファネルにつぎ、該エアーポンプファネルに抽気し、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。前記微多孔膜は、平滑な表面を有する。該微多孔膜において、単一の微小孔の直径は、0.22マイクロメートルにされている。前記微多孔膜は平滑な表面を有するので、前記カーボンナノチューブフィルムは容易に前記微多孔膜から剥落することができる。さらに、前記エアーポンプを利用することにより、前記綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムに空気圧をかけるので、均一な綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムを形成させることができる。
【0046】
前記第二ステップにおいて、前記反応材料は固体、液体又は気体である。該第二ステップは、次の三種の方法により行われる。
【0047】
第一方法は、第一反応材料を前記カーボンナノチューブ構造体の表面に堆積させるステップa1と、第二反応材料を前記カーボンナノチューブ構造体に堆積させるステップa2と、を含む。
【0048】
前記ステップa1において、前記カーボンナノチューブ構造体に堆積された第一反応材料の厚さは、50nm〜200nmである。前記第一反応材料は、金属、非金属、半導体及びそれらの一種の合金のいずれか一種である。前記第一反応材料が例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)のような金属である場合、前記第一反応材料を前記カーボンナノチューブ構造体に堆積させた後、金属酸化物又は金属シリサイドのナノワイヤ構造体が得られる。前記第一反応材料が例えば、シリコンのような非金属である場合、窒化シリコン又はシリコンが得られる。
【0049】
前記第一反応材料を堆積させる方法は、化学気相堆積(CVD)法、物理気相堆積(PVD)法、浸漬法、吹き付け法、シルクスクリーン印刷法のいずれか一種である。PVD法により、金属又は金属酸化物を前記カーボンナノチューブ構造体の表面に堆積させることができる。CVD法により、非金属の窒素又は炭素を前記カーボンナノチューブ構造体の表面に堆積させることができる。浸漬法、吹き付け法又はシルクスクリーン印刷法により、金属溶液を前記カーボンナノチューブ構造体の表面に塗布させることができる。前記第一反応材料は、前記カーボンナノチューブの一部又は全部の表面に被覆される。
【0050】
前記ステップa2において、前記第二反応材料は液体又は気体である。前記第二反応材料が気体である場合、前記第二反応材料は酸素ガス、窒素ガス、シリコンを含むガス、炭素を含むガス、及びそれらの混合ガスのいずれの一種である。前記第二反応材料が気体である場合、カーボンナノチューブ構造体が設置された反応容器の中に前記第二反応材料を導入させる。この後、前記第二反応材料は、前記第一反応材料が被覆された前記カーボンナノチューブ構造体に被覆される。
【0051】
前記第二反応材料が液体である場合、前記第二反応材料はメタノール、エタノール、アセトン、液体の樹脂、及びそれらの混合物のいずれか一種である。前記第二反応材料が液体である場合、前記第二反応材料を前記カーボンナノチューブ構造体の表面に滴下し、又は前記カーボンナノチューブ構造体を前記第二反応材料の中に浸漬させる。この後、前記第二反応材料は、前記第一反応材料が被覆された前記カーボンナノチューブ構造体に分散される。
【0052】
第二方法は、前記カーボンナノチューブ構造体の表面に第一反応材料層を形成するステップb1と、前記第一反応材料層の表面に第二反応材料層を形成するステップb2と、を含む。前記第一反応材料層及び第二反応材料層の厚さは、50nm〜200nmである。一つの例として、前記第一反応材料層は、Al又はTiのような金属からなる。前記第二反応材料層はシリコンからなる。もう一つの例として、前記第一反応材料層及び前記第二反応材料層はそれぞれAl又はTiからなり、又はAl又はNiからなる。
【0053】
第三方法によると、二種の気体、固体、液体又は、一種の気体及び一種の液体を同時に、前記カーボンナノチューブ構造体と反応させる。
【0054】
一つの例として、マグネトロンスパッタリング法により、前記カーボンナノチューブ構造体にTi層を堆積させる。この場合、前記Ti層が堆積された前記カーボンナノチューブ構造体を空気の雰囲気に露出させることにより、Ti粒子と空気の中の酸素とを十分に接触させる。前記Ti層の厚さが50nm〜100nmである場合、Ti粒子と酸素とが反応した後、複数の連続的な酸化チタン(TiO)ナノワイヤが形成されることができる。前記Ti層の厚さは50nmより薄い場合、複数のTiO粒子が分離して分布するように形成されている。
【0055】
前記第三ステップにおいて、前記第一反応材料/第二反応材料は、ナノワイヤ構造体に形成される。前記第一反応材料/第二反応材料を反応させる方法は、加熱、レーザー走査、のいずれかである。前記シリコン又は炭素を含むガスを加熱させることにより、シリコン又は炭素ナノワイ構造体を形成することができる。金属及び酸素をレーザー照射することにより、酸化金属ナノワイヤ構造体を形成することができる。真空スパッタリングにより金属粒子をスパッタすると同時に、酸素ガスを導入させてナノワイヤ構造体を形成させる。
【0056】
一つの例として、レーザー走査により、前記反応材料を反応させる。前記カーボンナノチューブ構造体の全部の表面をレーザーで走査した後、前記カーボンナノチューブ構造体に堆積させた反応材料を反応される。前記カーボンナノチューブ構造体の一部の表面をレーザーで走査した後、前記カーボンナノチューブ構造体に堆積させた反応材料は、前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの配列方向に沿って、レーザー走査した領域から分散してくる。
【0057】
前記カーボンナノチューブ構造体を基板に設置して、前記カーボンナノチューブ構造体の表面をレーザーで走査することができる。この場合、レーザーによって生じた熱の一部は前記基板で吸収されるので、前記カーボンナノチューブ構造体で吸収された熱が少なくなり、ナノワイヤ構造体の成長速度が遅くなる。従って、前記基板の熱吸収が強くなれば、前記ナノワイヤの成長速度が遅くなる。これに対して、空気の熱伝導率が小さいので、前記カーボンナノチューブ構造体を懸架する場合、ナノワイヤ構造体の成長速度が一番速くなる。
【0058】
前記ナノワイヤ構造体は、前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブの長さ方向に沿って形成されるように、前記カーボンナノチューブ構造体を覆う。前記カーボンナノチューブ構造体は自立構造体であるので、前記カーボンナノチューブ構造体に形成された前記ナノワイヤ構造体は自立構造体である。前記カーボンナノチューブ構造体はドローン構造カーボンナノチューブフィルムである場合、前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列、それぞれ分子間力で接続されているので、前記ナノワイヤ構造体の長さは前記カーボンナノチューブ構造体の長さと同じ、前記ナノワイヤ構造体におけるナノワイヤの長さが同じである。前記カーボンナノチューブ構造体はプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムである場合、前記ナノワイヤ構造体におけるナノワイヤが同じ又は複数の異なる方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブ構造体は綿毛構造カーボンナノチューブフィルムである場合、前記ナノワイヤ構造体におけるナノワイヤが絡み合っている。
【0059】
前記ナノワイヤ構造体は前記カーボンナノチューブ構造体から分離させることができる。前記ナノワイヤ構造体の材料によって、分離方法が異なる。高温酸化工程により、非金属窒化物及び金属酸化物のナノワイヤ構造体から前記カーボンナノチューブ構造体を分離させる。本実施例において、500℃〜1000℃で、1時間〜4時間かけて、前記カーボンナノチューブ構造体を分離させる。
【0060】
(実施例1)
図9を参照すると、本実施例はTiOナノワイヤ構造体104を製造する方法を提供する。該方法は、二次元のカーボンナノチューブ構造体100を提供する第一ステップと、前記カーボンナノチューブ構造体100に、反応材料102を堆積させる第二ステップと、前記反応材料102を反応させて、TiOナノワイヤ構造体104を形成する第三ステップと、を含む。
【0061】
前記第一ステップにおいて、前記カーボンナノチューブ構造体100は、二枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを積層してなる。ここで、前記二枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、全て同じ方向に沿って配列されている。前記第二ステップにおいて、マグネトロンスパッタリング法(例えば、スパッタ真空度が10−4Paより低く、スパッタ電流が200wの直流電流であり、積層速度が9nm/minである)により前記カーボンナノチューブ構造体100に、厚さが100nmのチタン層を堆積させる。図10〜12を参照すると、複数のチタン粒子が均一に前記カーボンナノチューブ構造体100に分散されている。
【0062】
第三ステップにおいて、前記カーボンナノチューブ構造体100を空気雰囲気に置いて、前記チタン粒子を酸素と接触させて反応させる。レーザーで前記カーボンナノチューブ構造体100を走査して、自己拡散(self−diffusion)反応が行われて、二次元のTiOナノワイヤ構造体104が得られる。前記TiOナノワイヤ構造体104は、複数の、平行なTiOナノワイヤ106を含む。前記レーザーの走査速度は、10cm〜200cm/秒である。前記レーザーの強度は0.5W〜10Wである。本実施例において、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムをテンプレートとして利用するので、該カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長さ方向に沿って、ナノワイヤ106が成長される。この場合、前記カーボンナノチューブが前記ナノワイヤ106の中に十分に埋め込まれている。即ち、複数の平行なナノワイヤ106を有する二次元のナノワイヤ構造体104が得られる。前記ナノワイヤ106の長さは、前記ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの長さと同じである。前記二酸化チタンのナノワイヤ106の微視的形態は、前記カーボンナノチューブの表面に被覆された、複数の球体の楕円粒子である。
【0063】
高温酸化工程により前記カーボンナノチューブ構造体100を焼いて除去して、純粋な二酸化チタンのナノワイヤが得られる。例えば、加熱速度が10K(ケルビン)/分の条件で、前記ナノワイヤ構造体104を900℃まで加熱させる。図13を参照すると、前記純粋なTiOナノワイヤ構造体104は自立構造を有する。前記TiOナノワイヤ構造体104の厚さが100nmより薄く、その長さが900nmより長く、その直径が100nmより小さい。
【0064】
(実施例2)
図14を参照すると、本実施例はTiOナノワイヤ構造体204を製造する方法を提供する。本実施例の方法は、二次元のカーボンナノチューブ構造体200を提供する第一ステップと、前記カーボンナノチューブ構造体200に、反応材料202を堆積させる第二ステップと、前記反応材料202を反応させて、TiOナノワイヤ構造体204を形成する第三ステップと、を含む。該方法は実施例1と比べて、以下の点が異なる。本実施例において、二枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを堆積させる場合、第一カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが第一方向に沿って配列され、第二カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが第二方向に沿って配列されている。ここで、前記第一方向と第二方向とは、90°で交叉している。
【0065】
前記第二ステップにおいて、マグネトロンスパッタリング法例えば、スパッタ真空度が10−4Paより低く、スパッタ電流が200wの直流電流であり、積層速度が9nm/minである)により前記カーボンナノチューブ構造体200に、厚さが100nmのチタン層を堆積させる。図15を参照すると、複数のチタン粒子が均一に前記カーボンナノチューブ構造体200に分散されている。
【0066】
第三ステップにおいて、二枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムをテンプレートとして利用し、隣接するカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが90°で交叉しているので、前記カーボンナノチューブ構造体200に二次元のTiOナノワイヤ構造体204が形成されている。ここで、前記TiOナノワイヤ構造体204の一部は、前記第一方向に沿って配列されるが、その他の部分は前記第二方向に沿って配列されている。この場合、前記カーボンナノチューブが前記ナノワイヤ206の中に十分に埋め込まれている。即ち、複数の平行なナノワイヤ206を有する二次元のナノワイヤ構造体204が得られる。前記二酸化チタンのナノワイヤ206の微視的形態は、前記カーボンナノチューブの表面に被覆された、複数の球体の楕円粒子である。
【0067】
前記第一方向と第二方向との交叉角度を制御することにより、前記TiOナノワイヤ構造体204におけるナノワイヤ206の交叉角度を制御することができる。
【0068】
(実施例3)
図16を参照すると、本実施例はTiOナノワイヤ構造体304を製造する方法を提供する。本実施例の方法は、一次元のカーボンナノチューブ構造体300を提供する第一ステップと、前記カーボンナノチューブ構造体300に、反応材料302を堆積させる第二ステップと、前記反応材料302を反応させて、TiOナノワイヤ構造体304を形成する第三ステップと、を含む。該方法は実施例1と比べて、以下の点が異なる。本実施例において、前記第一ステップにおいて、前記一次元のカーボンナノチューブ構造体300は少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。
【0069】
前記第一ステップにおいて、単一のカーボンナノチューブワイヤの直径は100nmより小さく、50nmであることが好ましい。前記一次元のカーボンナノチューブ構造体300が複数のカーボンナノチューブワイヤを含む場合、前記カーボンナノチューブワイヤは平行に配列されている。この場合、隣接するカーボンナノチューブワイヤの間の距離は、5nmより大きく設けられている。これにより、隣接するカーボンナノチューブワイヤの間に、ナノワイヤ構造体が形成されることができる。
【0070】
前記第二ステップにおいて、前記一次元のカーボンナノチューブ構造体300に分散したチタン粒子の直径は、10nm〜50nmである。
【0071】
前記第三ステップにおいて、前記一次元のカーボンナノチューブ構造体300におけるカーボンナノチューブワイヤが同じ方向に沿って配列されているので、前記カーボンナノチューブ構造体300に形成されたナノワイヤ構造体304が同じ方向に沿って配列されている。
【0072】
(実施例4)
図17を参照すると、本実施例はTiOナノワイヤ構造体404を製造する方法を提供する。本実施例の方法は、三次元のカーボンナノチューブ構造体400を提供する第一ステップと、前記カーボンナノチューブ構造体400に、反応材料402を堆積させる第二ステップと、前記反応材料402を反応させて、TiOナノワイヤ構造体404を形成する第三ステップと、を含む。該方法は実施例1と比べて、以下の点が異なる。
【0073】
前記第一ステップにおいて、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム、綿毛構造カーボンナノチューブフィルム又はドローン構造カーボンナノチューブフィルムを利用して、前記三次元のカーボンナノチューブ構造体400を形成することができる。本実施例において、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムをアルミニウムのフレームに設置して、該アルミニウムのフレームを巻いて、円筒コイル40を形成する。
【0074】
前記第二ステップにおいて、マグネトロンスパッタリング法により前記カーボンナノチューブ構造体400に、厚さが50nmのチタン層を堆積させる。
【0075】
第三ステップにおいて、本実施例において、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムをテンプレートとして利用するので、該カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長さ方向に沿って、ナノワイヤ406が成長される。この場合、複数の平行なナノワイヤ406を有する三次元の二酸化チタンのナノワイヤ構造体406が得られる。
【0076】
(実施例5)
図18〜図20を参照すると、前記実施例1〜実施例4のチタンを代わりに、亜鉛を利用してZnOナノワイヤ構造体を製造することができる。図18は、ZnOナノワイヤ構造体の走査型電子顕微鏡写真であり、図19及び図20はZnOナノワイヤ構造体の透過型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0077】
100 カーボンナノチューブ構造体
102 反応材料
104 TiOナノワイヤ構造体
106 TiOナノワイヤ
143a カーボンナノチューブフィルム
143b カーボンナノチューブセグメント
145 カーボンナノチューブ
200 カーボンナノチューブ構造体
202 反応材料
204 TiOナノワイヤ構造体
206 TiOナノワイヤ
300 カーボンナノチューブ構造体
302 反応材料
304 TiOナノワイヤ構造体
40 円筒コイル
400 カーボンナノチューブ構造体
402 反応材料
404 TiOナノワイヤ構造体
406 TiOナノワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立構造を有するカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、
少なくとも二種の反応材料を提供して、前記カーボンナノチューブ構造体と反応させる第二ステップと、
前記少なくとも二種の反応材料を反応させてナノワイヤ構造体を形成する第三ステップと、
を含むことを特徴とするナノワイヤ構造体の製造方法。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ構造体は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム、綿毛構造カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤを含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノワイヤ構造体の製造方法。
【請求項3】
前記第三ステップでは、レーザー走査により、前記少なくとも二種の反応材料を反応させることを特徴とする、請求項1又は2に記載のナノワイヤ構造体の製造方法。
【請求項4】
前記少なくとも二種の反応材料はチタン及び酸素を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のナノワイヤ構造体の製造方法。
【請求項5】
懸架したカーボンナノチューブ構造体を提供する第一ステップと、
該カーボンナノチューブ構造体に金属層を形成する第二ステップと、
該金属層を酸化させて酸化金属のナノワイヤ構造体を形成する第三ステップと、
を含むことを特徴とするナノワイヤ構造体の製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図9】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−115778(P2010−115778A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260205(P2009−260205)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】