説明

ナノ構造アンテナおよびその製造方法

【課題】ナノチューブを用いて抵抗率を減らしたアンテナおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】電磁放射の送受信用アンテナは、可撓性でありアンテナの材料への組み込みを可能にする本体部分を含み、該本体部分に沿う伸長ナノチューブの集合体15、および隣接ナノチューブ間の複数の接点を含み、電磁放射の伝達を可能にし、一方で、高周波、例えば、100MHz超、におけるアンテナに沿う抵抗率を減らしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁放射の送受信用アンテナまたはセンサー用のナノ構造体、特に、伸長ナノチューブおよび/またはナノチューブ集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
送受信用アンテナは、送受信されるシグナルの性質による高忠実度情報を提供する必要がある。これらのシグナルは、アンテナのデザイン、操作周波数帯域、およびアンテナが載置される方法を含む多くの方法で歪みがおこる。加えて、シグナル歪は、アンテナがつくられる材料によっても生じ得る。例えば、アンテナがつくられる材料は位相歪を生じ得る。位相歪は、典型的には、周波数依存性であり、高周波AC場によって導体中に誘導される表面電流によって惹起され得る。しかしながら、そのような材料によって提供される抵抗は、通常、実際、等方性である。結果として、シグナルはアンテナの長さに沿ってかつアンテナの狭い経路を横切って減衰される。
【0003】
アンテナを形成する材料は、更に、表面電流も引き起こす可能性がある。典型的には、表面電流は、情報の高周波伝達によって誘導され得る。表面電流の存在は、伝達される情報を歪ませるかまたは弱める潜在性を有する周波数関連位相シフトをもたらし得る。
【0004】
アンテナをつくる材料は、更に、アンテナの熱痕跡(heat signature)を高め得る。特に、使用される材料は、アンテナにおける抵抗率に影響を及ぼし、通電容量を制限し得る。結果として、比較的多量の電流がアンテナに流れていると、アンテナは加熱し、それによってアンテナの熱痕跡が増加し得る。そのような熱痕跡の増加は、たいていの場合、望ましくなく、大きくなった熱エネルギーは電力の無駄である。
【0005】
カーボンナノチューブは潜在的にこれらの問題を克服する特性を有し、更に、入力あたりの大幅に高い放射エネルギーを保証すると考えられている。ナノチューブは以前から知られている。ナノチューブを開示している文献の例としては、J.Catalysis,37,101(1975);Journal of Crystal Growth 32,35(1976);“Formation of Filamentous Carbon”,Chemistry of Physics of Carbon,ed.Philip L.Walker,Jr.and Peter Thrower,Vol.14,Marcel Dekker,Inc,ニューヨークおよびバーゼル,1978;および1984年12月6日発行の米国特許第4,663,230号が挙げられる。カーボンフィラメント材料への最近の関心は、更にカーボンナノチューブの合成および構造も記述しているNature 354,56(1991)のSumio Iijimaの論文によって刺激されている。これらの初期の研究およびこれらの研究から発展した研究は、著しい機械的特性および電子特性を有する材料をもたらした。しかしながら、これらの研究が生じたナノチューブは比較的短く、複合材料の強化またはアンテナ用ヤーンもしくはフィラメントへの紡績に制限される。加えて、これらの多くの初期のカーボンナノチューブはアモルファスカーボンで覆われており、従って、それらの有用性を低下させていた。
【0006】
現在のナノチューブの商業的製造方法は比較的短いナノチューブしか生じ得ない。長さは、典型的には数ナノメートル(例えば、10nm)から、ほんの数十ミクロンまで変化し得る。結果として、これらの比較的短いナノチューブから製造されるアンテナは、ある比較的短いナノチューブから別の比較的短いナノチューブまで役に立たない伝導をもたらし得る。短い構造体から短い構造体までの伝導は、アンテナの長さに沿う比較的高い抵抗率をもたらし、更にこれらの材料のバリスティック伝導潜在性の使用を妨げ得る。更に、より短いチューブは、より弱いヤーンを生じ、この材料への処理および取り付けは困難になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、位相歪、および表面電流によってもたらされる位相シフトを含むシグナル歪を最小化し、非常に高い電力のもとで熱痕跡を最小化し、同時に実質的に増加した伝導を提供し得るアンテナを供給することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
本発明は、一態様において、電磁放射の送受信用アンテナに関する。このアンテナは、可撓性であり、アンテナをファブリック、布または別の材料に織り込んだり埋め込んだりすることを可能にし得る本体部分を含む。このアンテナは、更に、本体部分に沿う伸長ナノチューブの集合体も含む。一態様において、集合体は長さ数ナノメートルから1メートル以上までであり得る。集合体は、高周波数電磁放射、例えば100MHz超、を送受信し、バリスティック伝導を増大し、シグナル歪を最小化するために表面電流を最小化し、かつ/または本体部分に沿う熱痕跡を最小化するようにデザインされ得る。一態様において、集合体は、そこに分散された、集合体の一体性を維持するポリマー樹脂を含み得る。アンテナは、更に、隣接ナノチューブ間に複数の接点を含み、電磁放射の伝達を可能にし、一方、高周波数におけるアンテナの抵抗率を減らす。本発明のアンテナはループ、アレイ、または別の幾何学形態のように、形状が細長くデザインされ得る。
【0009】
本発明は、更に、電磁放射の送受信用アンテナの製造方法も提供する。この方法は、一態様において、最初に複数の伸長ナノチューブを提供する工程を含む。これらのナノチューブは、もちろん、化学蒸着を含む当業者に既知の様々な方法によって作り出されるか、または商業的供給源から得られる。次に、ナノチューブを集めて隣接ナノチューブ間に複数の接点を提供して電磁放射の伝達を可能にし、一方、高周波における抵抗率を減らす。ナノチューブを集めると、ナノチューブは分子間力、例えば、ファンデルワールス力、によって互いに相互作用して集合体の一体性を維持することが可能になる。代わりに、ポリマー樹脂を集合体全体に分散してその一体性を維持してもよい。その後、集合体をアンテナ用に所望の形態に処理してもよい。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明のアンテナまたはセンサーの製造用のカーボンナノ構造体、例えば、カーボンナノチューブ、は、様々なアプローチを用いて製造され得る。現在、カーボンナノチューブの成長に関する複数のプロセスおよびそれらの変形が存在する。これらとしては、(1)周囲圧力に近い圧力または高圧において生じ得る一般的な方法である、化学蒸着(CVD)、(2)完全性の高いチューブを生じ得る高温プロセスである、アーク放電、および(3)レーザーアブレーションが挙げられる。
【0011】
現在、CVDは、カーボンナノチューブの製造に関する商業上魅力的なアプローチの一つであると考えられている。しかしながら、CVDの成長温度が比較的低い範囲、例えば、約600℃〜約1300℃であるので、単層カーボンナノチューブ(SWNT)または多層カーボンナノチューブ(MWNT)の両方が、一態様において、炭素含有ガス(すなわち、気体炭素源(gaseous carbon source))反応物によって供給されるナノ構造触媒粒子から成長し得る。
【0012】
CVDと関連して使用され得る触媒粒子の例としては、強磁性遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、これらの金属の酸化物、窒化物または塩化物)が挙げられる。場合によっては、これらの触媒粒子を、モリブデンまたはセラミックキャリアまたはそれら両方と組み合わせ得る。酸化物の場合、酸化物は、これらの反応において存在する過剰水素の結果として金属形態に還元され得る。
【0013】
CVD法に関する好適な炭素含有ガスとしては、一態様において、アセチレン、メタン、エチレン、エタノール蒸気、メタノール蒸気などが挙げられる。
【0014】
様々なCVD法が存在するが、本発明に関連して使用され得るCVD法の例は、米国特許出願公開US2005/0170089に開示されている(この出願を参照することによって本明細書中に組み込む。)。
【0015】
特に、連続伸長ナノ構造体、例えば、ナノチューブ、の合成用システム10を提供する。図1A−Bに関して、基材13は、一態様において、例えば、石英またはアルミナチューブ161からつくられる反応チャンバー16中に設けられ得る。チャンバー16に導入される炭素含有ガスはチューブ161に沿って基材13に移動し得る。一態様において、基材13は、多孔質であり、その下流表面131に複数の触媒粒子を含み得る。好適な触媒の例としては、フェロセン、鉄ナノ粒子、鉄ペンタカルボニル、磁性遷移金属のナノ粒子、例えば、コバルト、コバルトヘキサカルボニル、ニッケル、ニッケルヘキサカルボニル、モリブデンまたはそれらの合金、またはそれらの金属の酸化物、窒化物または塩化物または酸化物の組み合わせまたは他の還元性塩(例えば、硫酸鉄アンモニウムまたは塩化鉄)またはこれらの金属の有機金属化合物が挙げられる。チャンバー16に沿って流れる炭素含有ガスは、次に多孔質基材13を通り、触媒粒子を横切り、カーボンナノチューブの成長を開始する。触媒、ガスケミストリー、および自由エネルギー(例えば、熱)条件を様々なレベルにおいて提供して連続伸長ナノチューブの形成を誘導し得る。
【0016】
システム10は、更に、一態様において、ツーポール電極(two−pole electrode)11を備え、基材13から生成する繊維12(例えば、ナノチューブ)をそこに引き寄せる。図1Aに示されるように、繊維12のいくつかはプロング(prong)111上の一つのポール(pole)に引き寄せられ、一方、繊維12のいくつかはプロング112上のもう一方のポールに引き寄せられ得る。電極11のプロング111および112に取り付けられた繊維12を有する電極11は矢印14の方向に紡績され、繊維12が互いに巻き付けられて伸長カーボンナノチューブのヤーン15(図1B)または集合体をつくる。電極11が紡績を続けると、基材13から離れさせられて連続的にヤーン15を基材13から引き離す。一態様において、電極11の回転速度および引く速度は、紡績および引き出し中の繊維12の破損が最小になるように、制御され、繊維12の成長速度に実質的に合うようにされる。代わりに、繊維12は、基材13から矢印16の方向に引き出されてトウを形成しているのでまっすぐのままであってもよい。そのようなトウ、例えば、更に、伸長カーボンナノチューブの集合体、例えば、ヤーン15、は、更に、カーボンナノチューブ間に複数の接点を含む。
【0017】
ツーポール電極11を含むように表したが、当然のことながら、システム10は、ワンポール(one pole)またはマルチプルポール(multiple−pole)電極11を備えていてもよい。ツーポールまたはマルチプルポール電極11の使用は、一態様において、より多くの繊維12が大きな円形基材13から回収されるようにし、より多くの繊維12が同様の長さであるヤーンになり得る。多くの用途において、ヤーン15(紡績)またはトウ(まっすぐ)を作り出している繊維12の長さがほぼ同じであるべきであることに留意することが重要である。さもなければ、このヤーン15によって伝えられるストレスがより短い繊維によってもたらされ、ストレスが適用されると破損しやすくなり得る。
【0018】
一つの電極11に加えて、本発明のシステム10は、第二の電極17を含み得る。この第二の電極17は、一態様において、基材13の上流に配置され、充分に多孔質であり、反応ガスがそこを通って基材13に到達することを可能にし得る。そのような好適な電極の一つは、ステンレス鋼またはカーボンワイヤーメッシュ製であり、一態様において、実質的にその入力側131に近接する基材13の面に平行に配置され得る。この電極17は、ワイヤーを介して電気接地(electrical ground)に接続され得る。電極17が製造される他の材料としては、多孔質導体、例えば、多孔質ニッケルフォーム、多孔質ガラス状カーボンフォーム(porous glassy carbon foam)などが挙げられる。
【0019】
電極11は、図1A−Bに示されるように、基材13の下流に配置され得る。基材13からの距離およびそこに含まれるポールの数が、繊維の長さがどれほど均一になるかを決定し得る。電極11は、一態様において、チャンバー16の中央につるされ、その軸113回りを回転するようにデザインされ得る。電極11は、いくつかの回転対称の形態、例えば、シリンダーもしくはロッド、尖頭ニードルもしくはコーン、または基材および繊維に面する末端から出ているいくつかのポールもしくはプロングを有するロッド、の一つを与えられている。もちろん、電極11がその意図される目的を果たす能力がある限り、別の回転対称の形態を使用してもよい。
【0020】
以下に提供される記述は、図1A−Bに示されるように、二つのプロング111および112を有するロッドを有する電極11に関して行う。電極11は、一態様において、繊維12が長くなると移動させられ得る。この移動速度を制御する一つの方法は、高圧電源における漏電電流を監視し、この漏電電流を一定に保つ方法で基材13からの電極11の距離を制御することである。
【0021】
一態様による電極11は、導電性材料、例えば、成長チャンバー16における環境に耐え得るステンレス鋼または銅から形成され得る。電極11の先端、すなわち、プロング111および112は、一方で、更に、薄い電気的に絶縁された材料で被覆され得る。高い温度環境において、使用される電気的に絶縁された材料は、窒化ホウ素またはアルミナであり得る。低い温度環境において、ポリマー、例えば、PTFEが使用され得る。
【0022】
更に図1A−Bを参照すると、基材13の下流に載置された電極11に負の電圧をかけてそれ自体と上流の電極17との間に、成長基材13を横切って電場(図示せず)を発生し得る。一態様において、電場は、約100V/m〜約10kV/cmの比較的強い場であり得る。電極11のプロング111および112の先端付近において、電場は、一態様において、異方性であり、プロング111および112の近くにその間よりも強い強度を有し得る。ナノスケールの繊維12(例えば、カーボンナノチューブ)の成長に関して、カーボンナノチューブからの電界放出を最小化するために、上流の電極17を陽電位にさらし、下流の電極11を陰電位にさらすことが望ましい。特に、先端に非常に小さい曲率半径を有するカーボンナノチューブは、結果として電子を放出させる非常に強い場を発生させ得る。
【0023】
繊維12が基材13から成長すると、電場の存在下において分極し得る。分極は、繊維12が電界の向きの線に沿って基材13から電極11のプロング111および112それぞれに導くのに役立ち得る。繊維12が電極11のプロング111および112に接触すると、弱い力、例えば、ファンデルワールス結合、が、プロング1111および112との継続接触を促進する。あるいは、電場は、繊維12の先端を電極11のプロング111および112に接触させ続ける役割を果たす。
【0024】
一態様において、「ベース成長」モードから成長する繊維12(例えば、ナノチューブ)が基材13上の成長部位から一定方向に、そのような力がない場合よりも速く移動することを可能にする力を提供し得る。成長ナノチューブ繊維12への電場の適用および次の紡績およびアプテイク(uptake)中の繊維の引っ張りが、ナノチューブの成長速度を高める力を提供し得る。
【0025】
別の態様において、複数のプロングが下流の電極11において必要とされず、一つの先端が繊維の収集および紡績に充分であることがあり得る。下流の電極11の別の形状も更にナノチューブ繊維の紡績に役立ち得る(例えば、マルチプルポール、回転ディスク、またはそれぞれ複数の軸の回りを回転するように遊星歯車に接続されたマルチプルポールの形状。)。代わりに、回転横向きのロッド(transverse rod)、または予め言及したもの、が電極11の潜在的な態様であり得る。
【0026】
当然のことながら、システム10を上で提供したが、本発明による伸長カーボンナノチューブから生じるヤーン13またはトウは、いくつかの別の商業化が可能な紡績および/収集技術、例えば、エアスピニング(air spinning)、湿式紡績、乾式紡績、またはそれらの組み合わせ、によっても生じ得る。
【0027】
本発明に関連する使用に関して生成されるカーボンナノチューブは、ある特徴を備え得る。一態様において、生成されるカーボンナノチューブの直径は、触媒粒子のサイズに関連し得る。特に、単層ナノチューブの直径は、典型的には、単層ナノチューブに関して約0.5ナノメートル(nm)から約10nm以上まで、多層ナノチューブに関して約2nmから約50nm以上までであり得る。加えて、注目すべきは、これらのカーボンナノチューブの性質、例えば、それらの金属特性または半導体特性、が、その直径、キラリティー、および/または欠陥(存在する場合)に対応することである。従って、これらのナノチューブの性質または特性を制御するために、その寸法を充分な精度で制御することが必要であり得る。
【0028】
更に、本発明に関連する使用に関連して生成されるカーボンナノチューブの強度は、最大約30GPaであり得る。注目されるべきことに、強度は、ナノチューブの欠陥および直径に敏感である。従って、生成されるナノチューブの直径および純度、並びに互いの周りの回転に依存して、これらのナノチューブからつくられるヤーン15の強度はチューブ強度のそれよりも弱くなり得る。一態様において、ヤーン15の強度値は、約1GPaから約8GPaまでであり得る。一方、本発明での使用に関して製造されるカーボンナノチューブの弾性率は、欠陥に敏感ではなく、約1から1.5TPaまでである。しかしながら、ナノチューブが互いの周りを回転してヤーン15を形成するので、ヤーン15の弾性率は、各ナノチューブの弾性率よりも低い。一態様において、ヤーン15の弾性率は、約100GPaから約700GPaまでである。更に、一般的に感構造パラメーター(structure sensitive parameter)である破壊歪は、本発明において数パーセントから約10%までである。
【0029】
当然のことながら、各生成ナノチューブが触媒粒子、例えば、鉄触媒、から成長するので、各ナノチューブは一端に触媒粒子を含み、すなわち、その末端から成長が開始される。従って、紡績ヤーン15内の触媒粒子の存在は、ヤーン15を、例えば、x線において認識できるようにする。鉄触媒の存在は、更に、磁性を有するヤーン15を提供し得る。磁性は、もちろん、磁性を有する触媒が使用される場合に与えられ得る。所望の範囲で、触媒粒子は、ヤーン15への紡績前にナノチューブから除去され得る。
【0030】
一旦、ヤーンまたはトウ(すなわち、カーボンナノチューブの集合体)が生成されるかまたは得られると、そのようなヤーンまたはトウは、電磁放射の送受信用の装置、例えば、アンテナまたはセンサー、の構造に使用され得る。
【0031】
図2を見ると、本発明の一態様によるアンテナの製造方法が示されている。最初に、連続伸長ナノ構造体、例えば、カーボンナノチューブ、が上に開示されたプロセスを用いて合成され、次に、ヤーンに紡績され、収集される21。伸長ナノチューブが本発明のプロセスによって生成されて数ナノメートルから40センチーメートル以上までであることに注目すべきである。しかしながら、上述したように、これらのナノチューブを共に紡績し、これらのナノチューブの末端をオーバーラップさせることによって、特定の長さ、例えば約10センチメートル以下から数メートルまたは数十メートル以上まで、のヤーンが製造され得る。その直径に関して、紡績ヤーンは約数ナノメートルから約1ミリメートル以上までの直径で提供され得る。本発明の方法によって製造される収集ヤーンは、一態様において、ナノチューブ間に制御された数の接点を有して形成されるアンテナに沿う電磁放射の伝達を可能にする。
【0032】
次に、このヤーンは、一態様において、化合物、例えば、ポリマー樹脂、で処理され22、次のアンテナとして使用する構造体の形成を容易にする。一態様によると、ヤーンの処理は、例えば、スプレー、ブロッティング、コーティングまたはディッピングによって果たされ得る。そのような処理は、一態様において、ヤーン全体のポリマー樹脂の分散および/または浸透をもたらし得る。ヤーンの処理に用いるポリマー樹脂の例としては、RESOL、フルフリルアルコール、ポリアミド、エポキシ、クレイトン、ポリエチレン、PEEK(ポリアリールエーテルケトン)樹脂、別の市販の樹脂、またはそれらの組み合わせが挙げられる。ヤーンはこの段階で処理され得るが、伸長ナノチューブをヤーンに紡績する前にナノチューブをそのような化合物で処理してもよいことに注目すべきである。
【0033】
その後、処理ヤーンの構造一体性が高められ得る23。特に、処理ヤーンは、一態様において、熱圧されて隣接伸長カーボンナノチューブ間の形成塊への結合を可能にする。一態様において、加圧は、約125℃から約350℃までの温度、および少なくとも約3000psiの圧力において約10分間またはカーボンナノチューブの結合が起こるまで行われ得る。そのような方法で加圧することによって、ポリマー樹脂は、オーバーラップするカーボンナノチューブ間の空隙に浸透し、ヤーン中のカーボンナノチューブが互いに結合して可鍛性塊または構造体(malleable mass or structure)を提供し得る。所望するならば、加圧を型の中で行って塊または構造体がこの地点における所望のアンテナの形態を取ることを可能にする。再び、温度、圧力および時間の長さは選択される樹脂のタイプに依存し得る。所望されると、この方法は、更に、真空環境においても行われ得る。
【0034】
一旦結合されると、可鍛性塊中のカーボンナノチューブを硬化のために熱分解し得る24。特に、可鍛性塊を、不活性雰囲気、例えば、アルゴンまたはヘリウム下においてゆっくりと、例えば、1分あたり1℃未満、昇温し得る。一態様において、硬化温度は、少なくとも約1000℃〜約1500℃まで上昇され得る。このゆっくりとした加熱速度は、一態様において、反応の主な流体副生成物である水が可鍛性塊から拡散できるようにし、この塊が硬化することを可能にする。
【0035】
その後、この硬化または熱分解した塊を最終製品、例えば、アンテナ、の形状に処理し得る25。一態様において、この塊を、アンテナの形状にする金型上または金型中に熱圧し、更に最終硬化のために熱分解する。特に、塊を最終ランプ温度(ramp temperature)約1500℃までに曝して塊をアンテナとして使用するための所望の形状においてアニールする(すなわち、欠陥を取り除く)。
【0036】
当然のことながら、硬化塊や熱分解塊は、成形より、むしろ別の方法によって、アンテナが取る形状または形態に処理され得る。ヤーンの処理としては、ツイスト、引っ張り、コイル巻き(coiling)、伸張(stretching)、牽引(tugging)、収縮、撚り合わせ、または屈曲が挙げられ得る。所望の範囲で、ヤーンは、一態様において、最初に、更に着色、型合わせ(style)または特定のアンテナデザインに必要とされる様々なデザインを与えられてもよい。
【0037】
以上に連続伸長ナノチューブから構成されるように開示したが、本発明のアンテナは、更に、例えば、10ミクロンから500ミクロンまでの、比較的短いナノチューブから製造されてもよい。特に、これらの比較的短いナノチューブは、最初に本発明による方法を用いて合成され得る。次に、これらの比較的短いナノチューブを互いに順次結合して伸長ナノチューブ構造体を形成してもよい。結合は、ツイストおよび/または結合剤の添加によって果たされ得る。この態様に関連する結合剤の例としては、RESOL、フルフリルアルコール、ポリアミド、エポキシ、クレイトン、ポリエチレン、PEEK(ポリアリールエーテルケトン)樹脂、別の市販の樹脂、またはそれらの組み合わせが挙げられる。複数のこれらの伸長ナノチューブがその後ヤーンに紡績され、アンテナに処理され得る。
【0038】
当然のことながら、ヤーン(すなわち、ナノチューブの集合体)は、代わりに、上記ポリマー樹脂でナノチューブを処理せずに形成および収集されてもよい。ナノチューブにおける伝導は本質的に表面に沿うので、表面コーティング、例えば、樹脂等、またはヤーン中の樹脂の分散の特定の用途における最小化は、バリスティック伝導を増大し得る。そのような態様において、ヤーン(すなわち、ナノチューブの集合体)の一体性は、隣接ナノチューブ間の分子間力、例えば、ファンデルワールス力、の相互作用によって維持され得る。一旦、成形および収集されると、ヤーンは、その後、上記アプローチのいずれかを用いてアンテナが取りうる形状または形態に処理され得る。
【0039】
相当の周囲寸法のアンテナが必要とされる程度まで、すなわち増加される必要がある強度まで、互いに対して実質的に平行な関係で配置される複数のヤーンを互いに撚り(すなわち、集め)、その後、アンテナを形成および成形する。これらのヤーンは、上記のように、連続伸長ナノチューブからまたは順次結合される比較的短いナノチューブから形成され得る。ヤーンを集合体として維持するために、ヤーンを、一態様において、結合剤によって互いに結合し得る。例えば、RESOL、ポリアミド、エポキシ、クレイトン、ポリエチレン、PEEK(ポリアリールエーテルケトン)樹脂、別の市販の樹脂、またはそれらの組み合わせを結合剤として使用してもよい。代わりに、ヤーンの集合体を分子間力、例えば、ファンデルワールス力、が間で相互作用することを可能にすることによって形成され得る。
【0040】
本発明の伸長ナノチューブを用いて製造されるアンテナは、電磁放射の送受信中、非常に高温に耐え得る。一般的に、アンテナを通る電流が多くなると、アンテナ内で発生する熱の量が増加する。熱の量がアンテナが耐え得る温度を超えると、アンテナおよびその部品が損傷するかまたは破壊し得る。本発明において、アンテナを構成する伸長ナノチューブは、比較的高温、例えば、1500℃を超える温度、に劣化せずに耐える能力を有し得る。
【0041】
更に、これらの伸長ナノチューブが実質的に高い通電容量で提供され得るので、比較的少量の熱がアンテナ内で生じ、アンテナ内に最小の熱痕跡をもたらす。熱痕跡を最小化する能力は、熱放射の検出を避けるために、特に、例えば、軍事用途、例えば、航空機および乗物に関連するもの、において有用である。
【0042】
高周波数において、本発明のカーボンナノチューブは、銅線からつくられた類似のアンテナよりもはるかに少ない抵抗率を示すことが見込まれている。この利点は、100MHzより大きい周波数において起こらなければならず、GHz周波数範囲、例えば、約500MHzから約100GHzまで、においてより明瞭にならなければならない。
【0043】
これらの利点に加えて、本発明のカーボンナノチューブが比較的高い強度(〜30GPa)のものであるので、所定の破損点歪率(〜10%)および銅(8.9g/cc)と比較して低い密度(〜1.8g/cc)を有し、これらのカーボンナノチューブは、銅によって示されるよりもはるかに軽く強いアンテナシステムを提供し得る。
【0044】
本発明の伸長ナノチューブを用いて製造されるアンテナは、更に、シグナル歪および熱生成を最小化するために、表面電流の発生を抑制し、これらのことは、電磁シグナルの送受信を実質的に向上し得る。一般的に、表面電流は導電体(例えば、ワイヤー)の直径に比例する。しかしながら、この場合、導体はヤーンすなわち伸長ナノチューブからつくられた単向性導体であるので、その直径は比較的小さい(約1nmから約10nmまで)。結果として、ヤーンは極度のリッツ線、すなわち非常に直径の小さいワイヤーの銅線の束のように振る舞うが、表面電流の抑制においてはるかに有効である。表面電流の発生を最小化することによって、位相シフトを含むシグナル歪の発生、並びに、アンテナ内の発熱が最小化され得る。シグナル歪みは、更に、金属タイプのナノチューブの選択的使用によっても最小化され得る。
【0045】
本発明の伸長ナノチューブを使用して製造されるアンテナは、実質的に低いレベルの電磁放射に敏感であるようにバリスティック伝導を示し得る。一般的に、常伝導中、電子は、不純物、間隙およびこの導体中の原子の熱振動によって散乱され得る。ナノチューブにおける伝導が本質的に表面に沿っているため、表面コーティングの最小化は、バリスティック伝導を増大し得る。散乱は、導体の長さを移動する電子の速度および運動量を減少し、抵抗を生じる。特に、本発明のナノチューブは、単一電子が伸長ナノチューブの一端から反対側へ散乱せずに進むこと(バリスティック伝導としても知られている)を可能にし得る。更に、室温における電子のバリスティック経路は約100ミクロンである。そのようなものとして、本発明に関連して使用されるナノチューブの長さは、一態様において、少なくともこの長さである必要があり、好ましくは500ミクロン超である。更に、これらの伸長ナノチューブは、そのようなバリスティック伝導を比較的低レベルの電磁場の存在下において維持し得る。結果として、伸長ナノチューブは、電磁波の高感度の検出用に設計され得る。
【0046】
本発明の伸長ナノチューブを用いて製造されたアンテナは、更に、一態様において、近超伝導体様伝達を与え、電磁放射の送受信中の向上された効率をもたらす。通常、導体は、電流がそこを伝達される場合にいくらかのエネルギーの損失を被る。エネルギー損失を最小化するため、これらの導体を液体窒素温度よりも冷却してもよい。しかしながら、本発明のナノチューブは、伝導中、エネルギー損失を最小化するために冷却する必要がない。結果として、それらはアンテナの伝達効率を改良し得る。
【0047】
本発明の伸長ナノチューブは、電磁放射の送受信用のはるかに強く軽い屈曲性アンテナシステムを提供し得る。本発明のプロセスで製造される非常に高い強度のカーボンナノチューブ(〜30GPa)は、多くの場合、鋼よりも強い。更に、カーボンナノチューブは、銅の密度(8.9g/cc)と比較して密度が低く(1.8g/cc)、実質的により軽いアンテナをもたらす。実際、カーボンナノチューブはアルミニウムよりも軽い(すなわち、アルミニウムよりも約30重量%軽い。)。最後に、カーボンナノチューブは、高い破壊点歪(10%)または強い屈曲性を有する。
【0048】
本発明の伸長ナノチューブは、極めて腐蝕性の環境に耐え得る。それらの紫外線ダメージへの抵抗力のため、本発明のナノチューブは、別のポリマー材料よりも比較的耐久性がある。更に、本発明のナノチューブは、本質的に耐蝕性であり、それによって、水中、高塩環境、並びに高放射または危険な環境においてその構造一体性を侵さずに用いられることを可能にしている。
【0049】
独立アンテナとして使用されることに加えて、本発明の伸長ナノチューブは、織られてファブリックもしくは布を形成するか、または様々な材料に織り込まれるかもしくは埋め込まれる。一態様において、これらの伸長ナノチューブをこれらの材料に織編することによって、これらの材料はアンテナの機能性および特徴に類似した機能性および特徴を有し得る。本発明の伸長ナノチューブが埋め込まれてもよい材料としては、伝統的なテキスタイル、布、糸、ファブリック、衣類、テント、ファブリック乗物用カバー(fabric vehicle cover)、ブランケット、プレプレッグ、テープ、またはトウが挙げられる。加えて、これらの伸長ナノチューブを織り、周囲の材料の一体部分にすることによって、材料の構造一体性も更に高め得る。代わりに、ナノチューブを長さがナノチューブの長さのオーダーであるアンテナ用単向性材料として用いてもよい。
【0050】
代わりに、本発明のナノチューブを長さがナノチューブの長さのオーダーであるアンテナ用単向性材料として用いてもよい。言い換えると、複数の短いナノチューブをアレイにおいて一方向に配列(例えば、一方向に延伸)して、複数のナノチューブがブラシ上の剛毛(bristle)を擬態する。そのような配置のもとで、ナノチューブは、互いの接触を最小化するように配置され得る。
【0051】
更に、本発明の伸長ナノチューブから紡績されたヤーンの予備成形ループを、電磁放射の送受信のために様々な構造の外部ライニング、例えば、自動車または飛行機の非金属外部ライニングに埋め込むかまたは編み込み得る。これらの構造体におけるそのような予備成形ループの存在は、更に、その構造一体性を増大し得る。
【0052】
代わりに、本発明の伸長ナノチューブをコンフォーマルアレイにおける電極用として、または正確な波長に同調され得るアンテナのアレイ用として合成してもよい。すなわち、これらのアレイは、異なる周波数の送受信電磁放射に同調され得る。そのようなアレイを電磁放射からのシールドとして配列しても、代わりに、電磁放射を送信するために使用してもよい。シールドは、一態様において、例えば、アンテナの特性を制御することによって、周波数選択性にデザインされ得る。そのようなアレイは、アレイが様々な周波数において電磁放射を送信および/または受信するように同調することを可能にするように、更に、アレイ中に異なる長さの集合体を備え得る。
【0053】
これらのアレイは、上記アンテナのように、最小限の熱痕跡で実質的に高い通電容量を有し、実質的に低い電磁場において電磁放射を敏感に検出する能力を有する。これらのアレイは、一態様において、外部ライニング、構造スキン(structural skin)または、例えば、エポキシファイバーグラス、カーボンファイバー、金属、布またはテキスタイルの員を含む様々な材料に埋め込まれるかまたは織り込まれ得る。これらの構造体におけるアレイの存在は、これらの構造体に電磁放射の送受信能並びにその構造一体性の増大を提供し得る。
【0054】
上記に加えて、本発明の伸長ナノチューブは、電磁放射の送受信能を有する別の構造体または装置に加工され得る。そのような構造体は、例えば、導波管、ナノチューブアレイ、またはアンテナアレイであり得る。これらの構造体は、表面電流抑制、バリスティック伝導、高い通電容量、および最小の熱痕跡を含む上記アンテナの特性と同様の特性を示し得る。加えて、これらの構造体は、電磁放射の送受信に関するテキスタイルおよび/または金属に埋め込まれるかまたは編み込まれ、これらの構造体の構造一体性を増大し得る。
【0055】
本発明をそれらの特定の態様に関連して記述したが、当然のことながら、更なる修正も可能である。例えば、カーボンナノチューブまたは伸長ナノチューブの代わりのものが使用されてもよい。更に、本出願は、本発明が属する技術において知られるかまたは慣行の本開示からの逸脱を含む、本発明のいずれの変形、使用、または適応もカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1A−B】図1A−Bは、ナノスケールの成長チューブまたは繊維をヤーンに紡績し、連続的に引き出すのに使用される装置および工程である。
【図2】図2は、本発明の連続伸長ナノチューブからつくられるアンテナの合成方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部分;
該本体部分に沿う伸長ナノチューブ集合体;および
高周波において抵抗率を減少させ、電磁放射の伝達を可能にする隣接ナノチューブ間の複数の接点
を備えるアンテナ。
【請求項2】
該本体部分が可撓性であり、該アンテナがファブリック、布または他の材料の中に織り込まれたり埋め込まれたりすることを可能にする、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
該本体部分が伸長形状、ループ形状、あらゆる幾何学形状、またはそれらの組み合わせの一つを含むデザインを有する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
該集合体の長さが数ナノメートルから1メートル以上までである、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
該集合体における伸長ナノチューブの長さが約数ナノメートルから40センチメートル以上までである、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
該集合体におけるナノチューブが互いに連続して結合されている複数の比較的短いナノチューブによって形成される、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
該集合体におけるナノチューブが比較的高い通電容量を有する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
該集合体におけるナノチューブが高周波電磁放射を送受信する能力を有する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項9】
該電磁放射が100MHz超の周波数を有する、請求項8に記載のアンテナ。
【請求項10】
該集合体におけるナノチューブが実質的に低レベル電磁放射に反応しやすいようにバリスティック伝導を増強し得る、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項11】
該集合体におけるナノチューブがシグナル歪を最小化するように表面電流を抑制し得る、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項12】
該集合体におけるナノチューブが電磁放射の送受信中の熱痕跡を最小化し得る、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項13】
該集合体におけるナノチューブが腐蝕環境に耐え得る、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項14】
該集合体におけるナノチューブが、それらが形成された触媒粒子を含む、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項15】
該集合体が特性を有する、請求項14に記載のアンテナ。
【請求項16】
該集合体におけるナノチューブが、それらが形成された触媒粒子を含まない、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項17】
複数の集合体が本体部分上にアレイを形成する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項18】
該アレイを同調させて異なる周波数において電磁放射を送受信することができる、請求項17に記載のアンテナ。
【請求項19】
更に樹脂材料を含み、該集合体の一体性を維持する、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項20】
該樹脂材料がRESOL樹脂、フルフリルアルコール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、クレイトン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂、またはそれらの組み合わせの一つを含む、請求項1に記載に記載のアンテナ。
【請求項21】
センサー用にデザインされた、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項22】
複数の伸長ナノチューブを提供する工程;
隣接ナノチューブ間に複数の接点を提供して高周波における抵抗率を減らし、電磁放射の伝達を可能にするために該複数のナノチューブを集める工程;および
該集合体をアンテナ用に所望の形状に処理する工程
を包含する、アンテナの製造方法。
【請求項23】
該提供する工程が、化学蒸着(CVD)を用いて伸長ナノチューブを生成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該提供する工程が、ナノチューブの一端にナノチューブが成長した触媒粒子を保持することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
該提供する工程が、ナノチューブの一端からナノチューブが成長した触媒粒子を除去することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
該集める工程が、複数のナノチューブをヤーンに紡ぐことを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
該集める工程が、複数のナノチューブをトウに引き入れることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
該集める工程が、複数のナノチューブを表面上のアレイに配置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
該集める工程が、隣接ナノチューブが分子間力で互いに相互作用して該集合体の一体性を保持することを可能にすることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
該処理する工程が、成形、ツイスト、引っ張り、コイル巻き、伸張、タグ、収縮、撚り合わせ、屈曲、他の付形方法、またはそれらの組み合わせの一つを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
更に、
ナノチューブ集合体を樹脂材料で処理する工程;
該処理集合体を不活性雰囲気下に置く工程;および
該処理集合体を可鍛性塊にするために該処理集合体を約1000℃〜約1500℃の温度に曝す工程
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項32】
該処理する工程が、該集合体全体に樹脂材料を分散させるかまたは浸透させることの一つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
該処理する工程が、スプレーすること、ブロッティングすること、コーティングすること、またはディッピングすることの一つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
該処理する工程において、樹脂材料がRESOL樹脂、フルフリルアルコール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、クレイトン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂、またはそれらの組み合わせの一つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
該置く工程において、不活性雰囲気がアルゴン、ヘリウム、または別の不活性ガスを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
該曝す工程が、温度を1分あたり1℃未満から約1℃までの速度で上昇させることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
更に、可鍛性塊を約1500℃までの最終ランプ温度に曝す工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
更に、該集合体を織ってファブリックまたは布を形成する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項39】
更に、該集合体をセンサー、導波管、またはアンテナアレイの一つとして使用する、請求項22に記載の方法。
【請求項40】
更に、該集合体をテキスタイル、布、糸、ファブリック、衣類、テント、乗物カバー、ブランケット、プレプレッグ、テープ、トウ、外部ライニング、エポキシファイバーグラス、カーボンファイバー、金属、または合金の一つを含む別の材料に埋め込む工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項41】
更に、該アンテナを周波数100MHz超の電磁放射を送受信するのに使用する工程を含む、請求項22に記載の方法。

【図1A−B】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−165396(P2012−165396A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−52011(P2012−52011)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2008−540155(P2008−540155)の分割
【原出願日】平成18年11月3日(2006.11.3)
【出願人】(506243220)ナノコンプ テクノロジーズ インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】